(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】タッチ表示パネルおよびタッチ表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230323BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230323BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230323BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/044 122
G09F9/00 366A
G09F9/30 310
G09F9/30 330
G09F9/30 349C
G09F9/30 365
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543412
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(85)【翻訳文提出日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 CN2021074861
(87)【国際公開番号】W WO2021159997
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】202010093991.8
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010302236.6
(32)【優先日】2020-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クオ、タウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジュンヨン
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094BA27
5C094ED15
5G435BB05
5G435EE49
(57)【要約】
本願は、容量性負荷を減少させるためのタッチ表示パネルおよびタッチ表示装置を提供する。タッチ表示パネル内のパッケージ基板の表面が、相互に絶縁される第1金属層および第2金属層を含む。第2金属層は、第1方向および第2方向にマトリクス形式で配される複数の導体パターンを含む。複数の導体パターンはそれぞれ、タッチ操作を検知すると、自己容量を通じて第1検知信号を出力する。各導体パターンは、重なり合わない第1領域および第2領域を含む。第1領域は、第1方向に延びる複数の第1金属副導線を含む。第2方向に延びる複数の第2金属導線が、第1金属層に対応する第1領域に配置され、第2金属導線は、第2方向で第1金属副導線に重ならず、任意の第2金属導線が、1つの導体パターンに電気的に接続され、タッチコントローラに第1検知信号を伝送するように構成されており、タッチコントローラは、第1検知信号に基づいてタッチ操作の位置を特定するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次積み重ねられるアレイ基板、表示媒体層、およびパッケージ基板を備えるタッチ表示パネルであって、
前記表示媒体層は、光を放射して、前記アレイ基板と前記パッケージ基板との間の連携により画像を表示し、
前記パッケージ基板は、対向して配置される第1表面および第2表面を有し、前記第1表面は、前記表示媒体層に隣接しており、前記第2表面は、前記表示媒体層から遠く離れており、
相互に絶縁される第1金属層および第2金属層が、前記第2表面上に順次配置され、
前記第2金属層は、第1方向および第2方向にマトリクス形式で配される複数の導体パターンを含み、前記複数の導体パターンはそれぞれ、タッチ操作を検知すると、自己容量を通じて第1検知信号を出力し、前記第1方向は、前記第2方向に垂直であり、各導体パターンは、重なり合わない第1領域および第2領域を含み、前記第1領域は、前記第1方向に延びる複数の第1金属副導線を含み、前記第2領域は、前記第1方向とは異なる方向に延びる少なくとも1つの第2金属副導線を含み、前記第2金属副導線は、前記第1領域内の複数の第1金属副導線に電気的に接続され、
前記第2方向に延びる複数の第2金属導線が、前記第1金属層に対応する前記第1領域に配置され、前記第2金属導線は、前記第2方向で前記第1金属副導線に重ならず、任意の第2金属導線が、1つの導体パターンに電気的に接続され、前記第1検知信号をタッチコントローラに伝送するように構成されており、前記タッチコントローラは、前記第1検知信号に基づいて前記タッチ操作の位置を特定するように構成されている、
タッチ表示パネル。
【請求項2】
前記アレイ基板は、マトリクス形式で配される複数のピクセル領域を有し、前記表示媒体層は、各ピクセル領域に対応して1つのピクセルユニットを形成し、隣り合うピクセルユニットの間にブラックマトリクスがあり、前記ピクセルユニットは、光を放射して画像を表示するように構成されており、
前記第1領域において、前記複数の第1金属副導線は、前記複数の第2金属導線と交差して複数の閉じた金属グリッドを形成し、各金属グリッドは、前記ピクセルユニットに面し、前記ブラックマトリクスに完全に重なり、前記金属グリッドの形状が前記ピクセルユニットの形状と同じである、
請求項1に記載のタッチ表示パネル。
【請求項3】
前記第1金属副導線は、前記第1方向に延びる矩形波形状の金属導線であり、前記第2金属導線は、前記第2方向に延びる直線的な金属導線であり、2つの隣り合う第1金属副導線が、2つの隣り合う第2金属導線と交差して1つの金属グリッドを形成する、請求項2に記載のタッチ表示パネル。
【請求項4】
前記第1金属副導線は、前記第1方向に延びる複数の連続的な台形の金属導線であり、前記第2金属導線は、前記第2方向に延びる直線的な金属導線であり、2つの隣り合う第1金属副導線が、2つの隣り合う第2金属導線と交差して1つの金属グリッドを形成する、請求項2に記載のタッチ表示パネル。
【請求項5】
前記第1金属副導線は、前記第1方向に延びる三角波形状の金属導線であり、前記第2金属導線は、前記第2方向に延びる複数の連続的な台形の金属導線であり、2つの隣り合う第1金属副導線が、2つの隣り合う第2金属導線と交差して1つの金属グリッドを形成する、請求項2に記載のタッチ表示パネル。
【請求項6】
前記第1金属副導線および前記第2金属導線は、同じ方向に延びる三角波形状の金属導線であり、互いに隣り合う前記第1金属副導線および前記第2金属導線は、交差して、延伸方向に連続的に配される金属グリッドを形成し、1つの金属グリッドが1つのピクセルユニットに面する、請求項2に記載のタッチ表示パネル。
【請求項7】
前記第1金属副導線は、前記第1方向に延びる三角波形状の金属導線であり、前記第2金属導線は、前記第2方向に延びる三角波形状の金属導線であるか、または、
前記第1金属副導線は、前記第2方向に延びる三角波形状の金属導線であり、前記第2金属導線は、前記第2方向に延びる三角波形状の金属導線であり、
2つの隣り合う第1金属副導線が、2つの隣り合う第2金属導線と交差して複数の金属グリッドを形成し、1つの金属グリッドが1つのピクセルユニットに面し、2つの隣り合う第1金属副導線が、2つの隣り合う第2金属導線と交差して4つの金属グリッドを形成し、前記4つの金属グリッドは、長方形状に配される、
請求項6に記載のタッチ表示パネル。
【請求項8】
1つの金属グリッドが1つのピクセルユニットに面し、
前記第1金属副導線以外の前記第2金属層における前記第2金属導線に対応する位置で、前記第1金属副導線と同じ材料を有する浮動性の金属導線が前記第2金属層に配置されるか、または、
前記第1金属副導線以外の前記第2金属層における前記第2金属導線に対応する位置で、前記第1金属副導線と同じ材料を有する金属導線が前記第2金属層に配置されない、
請求項2から7のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項9】
前記第1金属副導線は、前記第1方向に延び、かつ、複数の閉じたグリッドを形成する、金属導線であり、前記第2金属導線は、前記第2方向に延びる三角波形状の金属導線であり、前記第2金属導線は、前記第2方向で前記金属グリッドに重ならず、1つの金属グリッドが4つのピクセルユニットに面する、請求項2に記載のタッチ表示パネル。
【請求項10】
前記第1金属副導線は、前記第1方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第2金属導線は、前記第2方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第2金属導線に含まれる前記金属グリッドは、前記第1金属副導線に含まれる前記金属グリッドに重ならず、1つの金属グリッドが4つのピクセルユニットに面する、請求項2に記載のタッチ表示パネル。
【請求項11】
前記第1金属副導線は、前記第1方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第1方向における任意の2つの隣り合う金属グリッドの間に1つの金属接続ポイントがあり、
前記第2金属導線は、前記第2方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第2金属導線上の前記金属グリッドは、1つの金属導線接続ポイントを取り囲み、任意の2つの隣り合う第2金属導線の間に少なくとも1つの金属接続ポイントがある、
請求項2に記載のタッチ表示パネル。
【請求項12】
前記第1金属副導線は、前記第1方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第1方向における任意の2つの隣り合う金属グリッドの間に1つの金属接続ポイントがあり、
前記第2金属導線は、前記第2方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第2金属導線上の前記金属グリッドは、1つの金属導線接続ポイントを取り囲み、任意の2つの隣り合う第2金属導線が、2つの隣り合う金属接続ポイントを取り囲む、
請求項2に記載のタッチ表示パネル。
【請求項13】
前記第1領域において、前記第1金属副導線上の前記金属グリッドは、前記第1金属副導線内の、前記第2金属導線と交差しない位置で、1つのピクセルユニットを取り囲む、請求項11または12に記載のタッチ表示パネル。
【請求項14】
前記金属グリッド内の、前記第2金属導線に対応する位置で、前記第1金属副導線と同じ材料を有する浮動性の金属導線が前記第2金属層に配置されるか、または、前記第1金属副導線が前記第2金属層に配置されず、
隣り合うピクセルユニットの間のブラックマトリクスにおいて、前記第1金属副導線および前記第2金属導線が前記第2表面上に配置されない位置で、前記第1金属副導線と同じ材料を有する浮動性の金属導線が前記第2金属層に配置されるか、または、前記第1金属副導線が前記第2金属層に配置されない、
請求項9から13のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項15】
前記複数の第1金属副導線が前記複数の第2金属導線と交差する位置で、前記第2金属層と前記第1金属層との間に誘電材料が配置される、請求項1から14のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項16】
前記複数の第1金属副導線が前記複数の第2金属導線と交差する位置で、前記第1金属副導線の金属導線材料が前記第2金属層に配置されないか、または、
前記複数の第1金属副導線が前記複数の第2金属導線と交差する位置で、浮動性の第1金属副導線が前記第2金属層に配置される、
請求項1から14のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項17】
前記第2領域は、複数の第2金属副導線を含み、前記複数の第2金属副導線は、複数の金属グリッドを形成する、請求項1から16のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項18】
前記第1金属層と前記第2金属層との間に第1誘電層が挟まれ、
前記第1領域において、前記第1誘電層は、第1ビアを含み、前記第2金属導線は、前記第1ビアを通じて前記導体パターンに電気的に接続される、
請求項17に記載のタッチ表示パネル。
【請求項19】
隣り合うピクセルユニットの間にブラックマトリクスがあり、前記第1金属副導線、前記第2金属副導線、および前記第2金属導線は全て、前記ブラックマトリクスに面する、請求項18に記載のタッチ表示パネル。
【請求項20】
前記表示媒体層は、有機発光ダイオードである、請求項19に記載のタッチ表示パネル。
【請求項21】
前記タッチ表示パネルは、保護層を更に備え、前記保護層は、前記パッケージ基板の前記第2表面上に配置される前記第1金属層および前記第2金属層を覆う、請求項1から20のいずれか一項に記載のタッチ表示パネル。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか一項に記載のタッチ表示パネルと、タッチコントローラとを備えるタッチ表示装置であって、前記タッチコントローラは、前記タッチ表示パネルにより受信されるタッチ操作の位置を、受信される検知信号に基づいて特定するように構成されている、タッチ表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年2月14日に中国国家知識産権局に提出された「TOUCH DISPLAY PANEL AND TOUCH DISPLAY APPARATUS」と題する中国特許出願第202010093991.8号、および、2020年4月16日に中国国家知識産権局に提出された「TOUCH DISPLAY PANEL AND TOUCH DISPLAY APPARATUS」と題する中国特許出願第202010302236.6号の優先権を主張するものであり、これらの中国特許出願は、参照により本明細書にその全体が組み込まれる。
【0002】
本願は、タッチ表示の分野、特にタッチ表示パネルおよびタッチ表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
現在、インタラクションに使用され得る電子装置は概して、タッチ表示パネルを含む。タッチ表示パネルのタッチ構造は、複数の検知電極を含む。容量タッチ構造の場合は、タッチ検知電極の面積によって、対応する容量値に影響が出る。特に自己容量タッチ構造の場合は、各タッチ検知電極に接続されるタッチケーブルが各タッチ検知電極に重なると、タッチ検知電極と重なる面積が増大するにつれてタッチケーブルへの容量性負荷が増大する。その結果、タッチケーブルに接続されるタッチコントローラ(タッチ検知集積回路)の駆動負荷が増大する。
【発明の概要】
【0004】
上記の技術的問題を解決するために、本願の実施形態は、容量性負荷の比較的軽いタッチ表示パネルおよびタッチ表示装置を提供する。
【0005】
第1態様によれば、本願のある実装では、タッチ表示パネルが、順次積み重ねられるアレイ基板、表示媒体層、およびパッケージ基板を含む。表示媒体層は、光を放射して、アレイ基板とパッケージ基板との間の連携により画像を表示する。パッケージ層は、対向して配置される第1表面および第2表面を含む。第1表面は、表示媒体層に隣接しており、第2表面は、表示媒体層から遠く離れている。相互に絶縁される第1金属層および第2金属層は、第2表面上に順次配置される。第2金属層は、第1方向および第2方向にマトリクス形式で配される複数の導体パターンを含む。複数の導体パターンはそれぞれ、タッチ操作を検知すると、自己容量を通じて第1検知信号を出力し、第1方向は、第2方向に垂直であり、各導体パターンは、重なり合わない第1領域および第2領域を含み、第1領域は、第1方向に延びる複数の第1金属副導線を含み、第2領域は、第1方向とは異なる方向に延びる少なくとも1つの第2金属副導線を含み、第2金属副導線は、第1領域内の複数の第1金属副導線に電気的に接続される。第2方向に延びる複数の第2金属導線が、第1金属層に対応する第1領域に配置される。第2金属導線は、第2方向で第1金属副導線に重ならない。任意の第2金属導線が、1つの導体パターンに電気的に接続され、第1検知信号をタッチコントローラに伝送するように構成されており、タッチコントローラは、第1検知信号に基づいてタッチ操作の位置を特定するように構成されている。
【0006】
導体パターンがタッチ操作を検知すると導体パターンにより出力される第1検知信号を伝送するように構成されている第2金属導線は、導体パターン内の第1領域にのみ配置され、第2金属導線と第1金属副導線との交点を除いて、第1領域内の第2金属導線の延伸方向で第1金属副導線に重ならない。これによって、第2金属導線と導体パターンとの間の重なり合う面積が効果的に減少し、第2金属副導線への容量性負荷が更に減少し、その結果、第1検知信号を受信するために第2金属導線に接続されるタッチコントローラの駆動負荷が減少する。
【0007】
本願のある実装では、アレイ基板は、マトリクス形式で配される複数のピクセル領域を含み、表示媒体層は、各ピクセル領域に対応して1つのピクセルユニットを形成し、隣り合うピクセルユニットの間にブラックマトリクスがあり、ピクセルユニットは、光を放射して画像を表示するように構成されている。第1領域において、複数の第1金属副導線は、複数の第2金属導線と交差して複数の閉じた金属グリッドを形成し、各金属グリッドは、ピクセルユニットに面し、ブラックマトリクスに完全に重なり、金属グリッドの形状がピクセルユニットの形状と同じである。
【0008】
金属グリッドがピクセルユニットに面し、かつ、ブラックマトリクスに完全に重なることで、ピクセル領域で光が放射される領域に金属グリッドが完全に重なるのを防止し、その結果、光の輝度に影響が出ず、画像表示輝度を更に効果的に確保する。
【0009】
本願のある実装では、前記第1金属副導線は、前記第1方向に延びる矩形波形状の金属導線であり、前記第2金属導線は、前記第2方向に延びる直線的な金属導線であり、2つの隣り合う第1金属副導線が、2つの隣り合う第2金属導線と交差して1つの金属グリッドを形成する。
【0010】
本願のある実装では、前記第1金属副導線は、前記第1方向に延びる複数の連続的な台形の金属導線であり、前記第2導線は、前記第2方向に延びる直線的な金属導線であり、2つの隣り合う第1金属副導線が、2つの隣り合う第2金属導線と交差して1つの金属グリッドを形成する。
【0011】
本願のある実装では、前記第1金属副導線は、前記第1方向に延びる三角波形状の金属導線であり、前記第2導線は、前記第2方向に延びる複数の連続的な台形の金属導線であり、2つの隣り合う第1金属副導線が、2つの隣り合う第2金属導線と交差して1つの金属グリッドを形成する。
【0012】
第1金属副導線は、第1領域の第1方向にのみ配置される。従って、第2金属副導線は、第2方向にのみ延び、その結果、第1金属副導線と第2金属副導線とを交差させることにより形成される金属グリッドによって、タッチ操作の位置を正確に特定することができ、第1金属副導線と第2金属導線との間の重なり合う面積を更に効果的に減少させることができる。
【0013】
本願のある実装では、前記第1金属副導線および前記第2導線は、同じ方向に延びる三角波形状の金属導線であり、互いに隣り合う前記第1金属副導線および前記第2金属導線は、交差して、前記延伸方向に連続的に配される金属グリッドを形成し、1つの金属グリッドが1つのピクセルユニットに面する。
【0014】
本願のある実装では、第1金属副導線は、第1方向に延びる三角波形状の金属導線であり、第2導線は、第2方向に延びる三角波形状の金属導線であるか、または、第1金属副導線は、第2方向に延びる三角波形状の金属導線であり、第2導線は、第2方向に延びる三角波形状の金属導線である。2つの隣り合う第1金属副導線が、2つの隣り合う第2金属導線と交差して複数の金属グリッドを形成し、1つの金属グリッドが1つのピクセルユニットに面し、2つの隣り合う第1金属副導線が、2つの隣り合う第2金属導線と交差して4つの金属グリッドを形成し、4つの金属グリッドは、長方形状に配される。
【0015】
第1領域において、第1金属副導線および第2金属導線は、同じ方向に延び、その結果、第1金属副導線と第2金属導線とを交差させることにより形成される金属グリッドによって、第1金属副導線と第2金属導線との間の重なり合う面積を効果的に減少させることができ、金属導線の手順の煩雑さを更に減少させることができる。
【0016】
本願のある実装では、1つの金属グリッドが1つのピクセルユニットに面する。前記第1金属副導線以外の前記第2金属層における前記第2金属導線に対応する位置で、前記第1金属副導線と同じ材料を有する浮動性の金属導線が前記第2金属層に配置されるか、または、前記第1金属副導線以外の前記第2金属層における前記第2金属導線に対応する位置で、前記第1金属副導線と同じ材料を有する金属導線が前記第2金属層に配置されない。第1金属副導線が第2金属導線と交差する位置における第1副導線が浮いており、その結果、第1金属副導線が第2金属導線と交差する位置で導電容量が形成されず、第2金属導線への容量性負荷が更に減少する。
【0017】
本願のある実装では、前記第1金属副導線は、前記第1方向に延び、かつ、複数の閉じたグリッドを形成する、金属導線であり、前記第2導線は、前記第2方向に延びる三角波形状の金属導線であり、前記第2導線は、前記第2方向で前記金属グリッドに重ならず、1つの金属グリッドが4つのピクセルユニットに面する。
【0018】
本願のある実装では、前記第1金属副導線は、前記第1方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第2導線は、前記第2方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第2導線に含まれる前記金属グリッドは、前記第1金属副導線に含まれる前記金属グリッドに重ならず、1つの金属グリッドが4つのピクセルユニットに面する。
【0019】
第1金属副導線および第2金属導線は、閉じたグリッド状のものであり、その結果、金属導線上の容量を更に減少させることができ、第2金属導線への容量負荷を更に減少させることができる。
【0020】
本願のある実装では、前記第1金属副導線は、前記第1方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第1方向における任意の2つの隣り合う金属グリッドの間に1つの金属接続ポイントがあり、前記第2導線は、前記第2方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第2導線上の前記金属グリッドは、1つの金属導線接続ポイントを取り囲み、任意の2つの隣り合う第2導線の間に少なくとも1つの金属接続ポイントがある。
【0021】
本願のある実装では、前記第1金属副導線は、前記第1方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第1方向における任意の2つの隣り合う金属グリッドの間に1つの金属接続ポイントがあり、前記第2導線は、前記第2方向に延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線であり、前記第2導線上の前記金属グリッドは、1つの金属導線接続ポイントを取り囲み、任意の2つの隣り合う第2導線が、2つの隣り合う金属接続ポイントを取り囲む。
【0022】
上記の実装において、第2金属導線の延伸方向で、第2金属導線は、金属グリッドを形成するグリッド線に完全には重ならない。これによって、信号伝送線として使用される第2金属導線と導体パターン内の金属導線との間の完全に重なり合う面積が効果的に減少する。また、第2金属導線も金属グリッドの形態である。これによって、伝送される第1検知信号について生成されるインピーダンスが更に減少し、第1タッチ検知信号を伝送する精度が向上し、タッチ駆動モジュールの駆動負荷が減少する。
【0023】
本願のある実装では、前記第1領域において、前記第1金属副導線上の前記金属グリッドは、前記第1金属副導線内の、前記第2導線と交差しない位置で、1つのピクセルユニットを取り囲む。これによって、第1金属副導線によるタッチ検知を実行するための有効面積が効果的に増大し、出力される第1検知信号の数が効果的に増大し、タッチ操作の識別精度が確保される。
【0024】
本願のある実装では、金属グリッド内の、第2金属導線に対応する位置で、第1金属副導線と同じ材料を有する浮動性の金属導線が第2金属層に配置されるか、または、第1金属副導線が第2金属層に配置されない。隣り合うピクセルユニットの間のブラックマトリクスにおいて、第1金属副導線および第2金属導線が第2表面上に配置されない位置で、第1金属副導線と同じ材料を有する浮動性の金属導線が第2金属層に配置されるか、または、第1金属副導線が第2金属層に配置されない。
【0025】
閉じた金属グリッド内の、対応するピクセルユニットが光を放射する位置で、浮動性の第1導線が配置されるか、または、金属導線が配置されない。これによって、第1金属副導線と第2金属導線との間の重なり合う面積を効果的に減少させ、金属導線の間の信号干渉を更に減少させ、信号伝送精度を確保することができる。
【0026】
本願のある実装では、前記複数の第1金属副導線が前記複数の第2金属導線と交差する位置で、前記第2金属層と前記第1金属層との間に誘電材料が配置される。これによって、第2金属導線により伝送される第1検知信号が干渉されるのを防止する。
【0027】
本願のある実装では、前記複数の第1金属副導線が前記複数の第2金属導線と交差する位置で、前記第1金属副導線の金属導線材料が前記第2金属層に配置されないか、または、前記複数の第1金属副導線が前記複数の第2金属導線と交差する位置で、浮動性の第1金属副導線が前記第2金属層に配置される。第1金属副導線が第2金属導線と交差する位置における第1副導線が浮いており、その結果、第1金属副導線が第2金属導線と交差する位置で導電容量が形成されず、第2金属導線への容量性負荷が更に減少する。
【0028】
本願のある実装では、前記第2領域は、複数の第2金属副導線を含み、前記複数の第2金属副導線は、複数の金属グリッドを形成する。第2金属導線以外の領域では、導体パターンが複数の金属グリッドを含む。金属グリッドによって、導体パターンのインピーダンスを効果的に減少させ、タッチコントローラの負荷を更に減少させることができる。
【0029】
本願のある実装では、第1金属層と第2金属層との間に第1誘電層が挟まれる。第1領域において、第1誘電層は第1ビアを含み、第2金属導線は、第1ビアを通じて導体パターンに電気的に接続される。導体パターンにより出力される第1検知信号をタッチコントローラに正確に伝送するために、第2金属導線が、第1ビアを通じて対応する導体パターンに正確に電気的に接続される。
【0030】
本願のある実装では、隣り合うピクセルユニットの間にブラックマトリクスがあり、前記第1金属副導線、前記第2金属副導線、および前記第2金属導線は全て、前記ブラックマトリクスに面する。金属導線がピクセルユニットに面し、かつ、ブラックマトリクスに完全に重なることで、ピクセル領域で光が放射される領域を金属導線が遮蔽するのを防止し、その結果、画像表示輝度を更に効果的に確保する。
【0031】
本願のある実装では、表示媒体層は、有機発光ダイオードであり、第1金属層、第2層、および第2金属ケーブルに含まれる導体パターンを含み、かつ、タッチ検知に使用される、タッチ構造が、有機発光ダイオードの表面上に直接配置される。これによって、タッチ表示パネルの厚さが効果的に減少する。
【0032】
本願のある実装では、前記タッチ表示パネルは、保護層を更に含み、前記保護層は、前記パッケージ基板の前記第2表面上に配置される前記第1金属層および前記第2金属層を覆う。
【0033】
第2態様によれば、本願のある実装では、タッチ表示装置が、上記のタッチ表示パネルと、タッチコントローラとを含む。タッチコントローラは、タッチ表示パネルにより受信されるタッチ操作の位置を、受信される検知信号に基づいて特定するように構成されている。タッチコントローラは、導体パターンがタッチ表示パネル上に配置される領域以外の領域に位置付けられるか、または、タッチコントローラは、タッチ表示パネル以外の領域に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本願のある実施形態に係るタッチ表示パネルの平面構造の模式図である。
【0035】
【
図2】
図1に示すタッチ表示パネルのII-II線に沿った断面構造の模式図である。
【0036】
【
図3】
図1に示すアレイ基板上のピクセル領域の平面構造の模式図である。
【0037】
【
図4】
図1に示すパッケージ基板上に配置されるタッチ検知層の平面構造の模式図である。
【0038】
【
図5】
図4に示す2つの隣り合う導体パターンのうちの一方の導体パターンのV-V線に沿った側面構造の模式図である。
【0039】
【
図6】
図4に示す2つの隣り合う導体パターンのうちの他方の導体パターンのV-V線に沿った側面構造の模式図である。
【0040】
【
図7】
図4に示す任意の導体パターンの平面構造の模式図である。
【0041】
【
図8】本願の第1実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターン内の第1領域のxx線に沿った拡大構造の模式図である。
【0042】
【
図9a】
図7に示す任意の導体パターン内の第2領域のXI線に沿った拡大構造の模式図である。
【
図9b】
図7に示す任意の導体パターン内の第2領域のXI線に沿った拡大構造の模式図である。
【
図9c】
図7に示す任意の導体パターン内の第2領域のXI線に沿った拡大構造の模式図である。
【0043】
【
図10】
図8に示す導体パターンのB-B線に沿った断面構造の模式図である。
【0044】
【
図11】本願の第2実施形態に係る、
図8に示す導体パターンのB-B線に沿った断面構造の模式図である。
【0045】
【
図12】本願の第3実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
【0046】
【
図13】
図12に示す導体パターン内の第1金属副導線および第2金属導線の分解構造の模式図である。
【0047】
【
図14】本願の第4実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
【0048】
【
図15】
図14に示す導体パターン内の第1金属副導線および第2金属導線の分解構造の模式図である。
【0049】
【
図16】本願の第5実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
【0050】
【
図17】
図16に示す導体パターン内の第1金属副導線および第2金属導線の分解構造の模式図である。
【0051】
【
図18】本願の第6実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
【0052】
【
図19】
図18に示す導体パターン内の第1金属副導線および第2金属導線の分解構造の模式図である。
【0053】
【
図20】本願の第7実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
【0054】
【
図21】
図20に示す導体パターン内の第1金属副導線および第2金属導線の分解構造の模式図である。
【0055】
【
図22】
図20に示す導電グリッドおよび対応するピクセルユニットが分解された後に取得される平面構造の模式図である。
【0056】
【
図23】
図20に示す導電グリッドおよびピクセルユニットが重なり合った後に取得される平面構造の模式図である。
【0057】
【
図24】
図20に示すIII-IIIにおける導体パターンの断面構造の模式図である。
【0058】
【
図25】本願の別の実施形態に係る、
図20に示すIII-IIIにおける導体パターンの断面構造の模式図である。
【0059】
【
図26】
図20に示すIV-IVにおける導体パターンの断面構造の模式図である。
【0060】
【
図27】本願の別の実施形態に係る、
図20に示すIV-IVにおける導体パターンの断面構造の模式図である。
【0061】
【
図28】本願の第8実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
【0062】
【
図29】
図28に示す導体パターン内の第1金属副導線および第2金属導線の分解構造の模式図である。
【0063】
【
図30】本願の第9実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
【0064】
【
図31】
図30に示す導体パターン内の第1金属副導線および第2金属導線の分解構造の模式図である。
【0065】
【
図32】本願の第10実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
【0066】
【
図33】
図32に示す導体パターン内の第1金属副導線および第2金属導線の分解構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下では、特定の実施形態を使用することにより本願について説明する。
【0068】
図1は、本願のある実施形態に係るタッチ表示パネル10の平面構造の模式図である。
【0069】
タッチ表示パネル10は、アクティブ領域AA(active area)および非アクティブ領域NA(non-active area)を含む。アクティブ領域AAは、ピクチャ表示領域としてタッチ表示パネル10上に配置され、画像を表示するように構成されている。非アクティブ領域NAは、表示駆動制御モジュールおよびタッチ駆動制御モジュールなどの機能モジュールを配置するように構成されている。タッチ表示パネル10は、タッチ表示装置、例えば、表示機能およびタッチ機能を実行することができる携帯電話またはタブレットコンピュータなどの電子装置に適用されてよい。
【0070】
図2は、
図1に示すタッチ表示パネル10のII-II線に沿った断面構造の模式図である。
【0071】
図2に示すように、タッチ表示パネル10は、画像表示およびタッチ操作検出を実装するように構成されている。本実施形態では、タッチ表示パネル10は、この図の下から上に順次積み重ねられるアレイ基板11、表示媒体層13、およびパッケージ基板15を含む。表示媒体層13は、アレイ基板11とパッケージ基板15との間に挟まれる。
【0072】
本実施形態では、表示媒体層13は、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode,OLED)であり、アレイ基板11上には、マトリクス形式で配されるピクセル領域が配置され、各ピクセル領域には、表示媒体層13を駆動して光を放射させるように構成されている駆動回路が配置され、パッケージ基板15は、表示媒体層13をパッケージ化するように構成されている。駆動回路は、表示媒体層の材料を駆動して光を放射させて、画像を表示するように構成されている。
【0073】
本実施形態では、パッケージ基板15は、2つの対向する表面、すなわち、第1表面151および第2表面152を含む。第1表面は、表示媒体層13に隣接しており、第2表面152は、表示媒体層13から遠く離れている。第2表面152上には、タッチ検知層17および保護層19が順次配置される。タッチ検知層17は、タッチ表示パネル10上で実行されるタッチの位置を特定するように構成されている。保護層19は、タッチ検知層17およびパッケージ層基板15などの層構造を保護するように構成されている。
【0074】
本実施形態では、表示媒体層13が有機発光ダイオードであるとき、タッチ表示パネル10を可撓性を有する屈曲したパネル構造にしてよく、ひいては、可撓性を有するタッチ表示装置、例えば、折り畳み式携帯電話またはタブレットコンピュータに適用することができる。
【0075】
図3は、
図1に示すアレイ基板11上のピクセル領域の平面構造の模式図である。
【0076】
図3に示すように、アクティブ領域AAでは、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス形式で配される複数のピクセル領域(不図示)が、アレイ基板11の、表示媒体層13に隣接している表面上に配置される。各ピクセル領域には、駆動回路が配置される。アレイ基板の表面上に半導体材料を堆積およびエッチングすることにより、駆動回路に含まれる薄膜トランジスタおよびコンデンサが形成されてよい。
【0077】
本実施形態では、ピクセル領域の形状が実際の要件に従って設定されてよく、例えば、正方形、ひし形、五角形、または六角形であってよい。当然ながら、上記のピクセル領域の形状は、説明のための例に過ぎず、それに課せられる制限はない。
【0078】
各ピクセル領域内の駆動回路は、ピクセル領域に面し、かつ、表示媒体層13に含まれる、発光物質を駆動して、光を放射させることができる。本実施形態では、ピクセル領域内の駆動回路が、対応する表示媒体層13と連携して、1つのピクセルユニット(Pixel)を形成する。
【0079】
隣り合うピクセルユニット(Pixel)が、表示媒体層13に含まれる異なる発光物質に対応して、異なる色の光を放射してよい。好ましくは、隣り合うピクセルユニット(Pixel)の間で放射される光が互いに干渉し合うのを防止するために、隣り合うピクセルユニット(Pixel)の間には、ブラックマトリクス(BM)がある。
【0080】
非アクティブ領域NAには、各ピクセル領域内の駆動回路を駆動するように構成されている表示駆動回路と、タッチコントローラTC(
図4)とが配置される。表示駆動回路は、画像データ信号を提供するように構成されているデータ駆動回路と、回線走査を実行するように構成されている走査駆動回路と、データ駆動回路および走査駆動回路の動作タイミングを制御するように構成されているタイミングコントローラ(Tcon)とを含む。
【0081】
図4は、
図1に示すパッケージ基板15上に配置されるタッチ検知層17の平面構造の模式図である。
【0082】
図4に示すように、タッチ検知層17は、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス形式で配される複数の導体パターンP1を含む。各導体パターンP1は、第2方向Yに延びる信号伝送線L1を通じてタッチコントローラTCに電気的に接続される。
【0083】
本実施形態では、導体パターンP1は、ユーザタッチに応答して生成される第1検知信号を検知し、信号伝送線L1を通じてタッチコントローラTCに第1検知信号を伝送するために使用される。タッチコントローラTCは、第1検知信号に基づいてタッチ操作の位置を特定する。本実施形態では、タッチ検知層17は、導体パターンを使用することにより自己容量タッチ検知を実装する。本実施形態では、導体パターンは、金属導線により形成されるグリッド状のものである。
【0084】
より具体的には、
図5および
図6は、それぞれ
図4に示すタッチ表示パネル上の2つの隣り合う導体パターンのV-V線に沿った側面構造の模式図である。
図5は、
図4に示す2つの隣り合う導体パターンのうちの一方の導体パターンのV-V線に沿った側面構造の模式図である。
図6は、
図4に示す2つの隣り合う導体パターンのうちの他方の導体パターンのV-V線に沿った側面構造の模式図である。
【0085】
図5および
図6に示すように、タッチ検知層17は、順次積み重ねられる第1金属層171、絶縁誘電層173、および第2金属層172を含む。第1金属層171は、
図4に示す信号伝送線L1を含む。第2金属層172は、マトリクス形式で配される複数の導体パターンP1を含む。
【0086】
第1金属層171および第2金属層172は、異なる層構造に属する。
図5に示すように、信号伝送線L1が導体パターンに電気的に接続される位置で、貫通孔H1が絶縁誘電層173に配置され、第1貫通孔H1で導電材料を使用することにより、第1金属層171が第2金属層172に電気的に接続される。
図6に示すように、信号伝送線L1が導体パターンP1に電気的に接続されない位置で、絶縁誘電層173は、第1金属層171を第2金属層172から絶縁して、第1金属層が第2金属層に電気的に接続されるのを防止する。
【0087】
本実施形態では、パターニングされたフォトマスクを使用することによりエッチングまたは印刷を通じて、第1導体パターンP1および信号伝送線L1が形成されてよい。
【0088】
図7は、
図4に示す任意の導体パターンP1の平面構造の模式図である。
【0089】
図7に示すように、各導体パターンPが位置付けられる領域が、重なり合わない第1領域A1および第2領域A2を含む。それに対応して、第1領域A1には、導体パターンP1内の幾つかの金属導線と、信号伝送線L1とが配置される。この場合は、第2領域A2は、信号伝送線L1を含まず、導体パターン内の金属導線のみを含む。すなわち、信号伝送線L1は、第1領域A1内にのみ配置され、第2領域A2内には配置されず、第2領域A2に重ならない。
【0090】
図8は、本願の第1実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターン内の第1領域A1のxx線に沿った拡大構造の模式図である。
【0091】
図8に示すように、第1領域A1において、第1方向Xに延びる複数の第1金属副導線C11が第2金属層172に配置され、複数の第1金属導線C11が、互いから予め設定された距離をおいて配置される。すなわち、複数の第1金属副導線C11は、第2方向Yに平行に配置され、2つの隣り合う第1金属副導線C11が、予め設定された距離をおいて離間される。
【0092】
第2領域A2において、第1方向Xとは異なる方向に延びる少なくとも1つの第2金属副導線C12が配置され、第2金属副導線C12は、第1領域A1内の複数の第1金属副導線C11に電気的に接続される。従って、第1領域A1内に離散的に配置される第1金属副導線C11は、第2領域A2内の金属導線に電気的に接続され、それと導通し、その結果、第1導体パターンP1内の全ての金属導線が、電気的に接続され、同じ電位にある。
【0093】
第1金属層171に対応する第1領域A1には、第2方向Yに延びる複数の第2金属導線C2が配置される。第2金属導線C2は、第2金属導線の延伸方向(第2方向Y)で、第1金属副導線C11に連続的には重ならない。すなわち、第2金属導線C2および第1金属副導線C11は、第2金属導線と第1金属副導線との交点を除いて、それらの延伸方向で重ならない。任意の第2金属導線C2が、1つの導体パターンに電気的に接続される。本実施形態では、第2金属導線C2は、
図7に示す信号伝送線L1として使用され、第2金属導線に電気的に接続される導体パターンにより提供される第1検知信号をタッチコントローラTCに伝送するように構成されている。
【0094】
また、第1金属層171には、第2方向Yに延びる複数の第2金属導線C2が配置され、第1金属層171および第2金属層172が積み重ねられると、すなわち、第2金属層172における複数の第1金属副導線C11が、第1金属層171に垂直な方向で第1金属層171上に投影されると、複数の第1金属副導線C11は、複数の第2金属導線C12と交差して複数の閉じた金属グリッドを形成する。
【0095】
本願のある実施形態では、各金属グリッドは、1つのピクセルユニット(Pixel)に面し、金属グリッドの形状がピクセルユニットの形状と同じであり、その結果、遮光層上に金属導線が位置付けられる。これによって、金属導線がピクセルユニット(Pixel)の発光領域を遮蔽するのを防止し、ピクセルユニット(Pixel)により放射される光の透過率および強度と、画像輝度とを確保する。
【0096】
第1領域A1では、第1誘電層が第1ビアH1を含み、第2金属導線C2は、第1ビアH1を通じて導体パターンP1に電気的に接続される。すなわち、信号伝送線L1として使用される第2金属導線C2は、第1ビアH1を通じて導体パターンP1に電気的に接続される。
【0097】
図9a、
図9b、および
図9cは、
図7に示す任意の導体パターン内の第2領域A2のXI線に沿った拡大構造の模式図である。
【0098】
図9a、
図9b、および
図9cに示すように、第2領域A2は、第1方向Xに延びる複数の第1金属副導線C11に加えて、第2方向Yに延びる複数の第2金属副導線C12を更に含む。複数の第2金属副導線C11は、複数の第2金属副導線C12と交差して複数の金属グリッドのパターンを形成する。複数の第2金属副導線C11および複数の第2金属副導線C12は、同じ層に配置され、交差位置で電気的に接続される。
【0099】
本実施形態では、第2領域A2内に形成される金属グリッドのパターン形状が、
図9aに示すように、第1方向Xに延びる連続的な台形の第1金属副導線C11と、第2方向Yに延びる三角波形状の第2金属導線C2とを交差させることにより形成される六角形であってもよいし、
図9bに示すように、第1方向Xに延びる連続的な台形の第1金属副導線C11と、第2方向Yに延びる直線的な第2金属導線C2とを交差させることにより形成される不規則な形であってもよいし、
図9cに示すように、第1方向Xに延びる連続的な三角波形状の第1金属副導線C11と、第2方向Yに延びる連続的な台形の第2金属導線C2とを交差させることにより形成される六角形であってもよい。当然ながら、第2領域A2内の金属グリッドの形状は、上記の列挙した形状に限定されず、金属グリッドの形状およびピクセル領域の形状が同じであり、かつ、完全に重なり合うことを保証しさえすればよい。
【0100】
第2領域A2内に形成される金属グリッドパターンは、第2金属層172の材料をパターニングすることにより取得されてよい。
【0101】
本実施形態では、第1金属副導線C11、第2金属副導線C12、および第2金属導線は全て、ブラックマトリクスBMに面するように配置される。これによって、金属導線がピクセル領域のエッジに完全に重なるとピクセルユニット(Pixel)の表示輝度に影響が出るのを効果的に防止する。
【0102】
第1金属副導線C11の位置以外の第2金属層172における第2金属導線C2に対応する位置で、第1金属副導線C11と同じ材料を有する浮動性の金属導線が配置されてよい。当然ながら、代替的に、第2金属層172における第2金属導線C2に対応する位置で、第1金属副導線C11は配置されなくてもよい。
【0103】
具体的には、
図10は、
図8に示す導体パターンのB-B線に沿った断面構造の模式図である。
図10に示すように、本実施形態では、第1金属副導線C11の位置以外の第2金属層172における第2金属導線C2に対応する位置で、第1金属副導線C11と同じ材料を有する浮動性の(floating)金属導線が配置される。本実施形態では、タッチ表示パネルのアース端子に、浮動性の金属導線の一部が電気的に接続されない。浮動性の金属導線は、金属導線の一部にアース端子の電気的性能による影響が出ないように配置される。これによって、第1金属副導線C11の間、および、第1金属副導線C11と第2金属導線C2との間の信号干渉が更に減少し、その結果、信号伝送線L1として使用される第2金属導線C2は、導体パターンにより検知される第1検知信号をタッチ検知モジュールTCに正確に伝送する。
【0104】
図11は、本願の第2実施形態に係る、
図8に示す導体パターンのB-B線に沿った断面構造の模式図である。
図11に示すように、本実施形態では、第1金属副導線C11の位置以外の第2金属層172における第2金属導線C2に対応する位置で、第1金属副導線C11は、第2金属層172に配置されない。これによって、信号伝送線L1として使用される第2金属導線C2が導体パターンに電気的に接続されて、導体パターンにより検知される電気信号をタッチ検知モジュールTCに誤って伝送するケースを防止し、タッチ検知信号の精度を確保する。
【0105】
図12は、本願の第3実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
図13は、
図12に示す導体パターン内の第1金属副導線C11および第2金属導線C2の分解構造の模式図である。
【0106】
図12および
図13に示すように、第1金属副導線C11は、第1方向Xに延びる矩形波形状の金属導線であり、第2金属導線C2は、第2方向Yに延びる直線的な金属導線である。2つの隣り合う第1金属副導線C11が、2つの隣り合う第2金属導線C2と交差して1つの正方形の金属グリッドを形成し、1つの金属グリッドの形状およびサイズが、ピクセルユニット(Pixel)の形状およびサイズと実質的に同じである。本実施形態では、好ましくは、金属グリッドは、ブラックマトリクスBM(
図3)に面し、ピクセルユニット(Pixel)を取り囲む。これによって、金属導線がピクセル領域のエッジに完全に重なるとピクセルユニット(Pixel)の表示輝度に影響が出るのを効果的に防止する。
【0107】
図14は、本願の第4実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
図15は、
図14に示す導体パターン内の第1金属副導線C11および第2金属導線C2の分解構造の模式図である。
【0108】
図14および
図15に示すように、第1金属副導線C11は、第1方向Xに延びる複数の連続的な台形の金属導線であり、第2金属導線C2は、第2方向Yに延びる直線的な金属導線である。2つの第1金属副導線C11が、2つの隣り合う第2金属導線C2と交差して1つの不規則な多角形の金属グリッドを形成し、1つの金属グリッドの形状およびサイズが、ピクセルユニット(Pixel)の形状およびサイズと実質的に同じである。本実施形態では、金属グリッドは、ブラックマトリクスBMに面し、ピクセルユニット(Pixel)を取り囲む。これによって、金属導線がピクセル領域のエッジに完全に重なるとピクセルユニット(Pixel)の表示輝度に影響が出るのを効果的に防止する。
【0109】
図16は、本願の第5実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
図17は、
図16に示す導体パターン内の第1金属副導線C11および第2金属導線C2の分解構造の模式図である。
【0110】
図16および
図17に示すように、第1金属副導線C11は、第1方向Xに延びる三角波形状の金属導線であり、第2金属導線C2は、第2方向Yに延びる複数の連続的な台形の金属導線である。2つの第1金属副導線C11が、2つの隣り合う第2金属導線C2と交差して1つの六角形の金属グリッドを形成し、1つの金属グリッドの形状およびサイズが、ピクセルユニット(Pixel)の形状およびサイズと実質的に同じである。本実施形態では、金属グリッドは、ブラックマトリクスBMに面し、ピクセルユニット(Pixel)を取り囲む。これによって、金属導線がピクセル領域のエッジに完全に重なるとピクセルユニット(Pixel)の表示輝度に影響が出るのを効果的に防止する。
【0111】
本願の別の実施形態では、
図16および
図17に示すものと比較して、第1金属副導線C11の延伸方向と第2金属導線C2の延伸方向とを交換してよい。すなわち、
図16に示す第1金属副導線C11は、第2方向Yに延びる三角波形状の金属導線であり、第2金属導線C2は、第1方向Xに延びる複数の連続的な台形の金属導線である。
【0112】
図18は、本願の第6実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
図19は、
図18に示す導体パターン内の第1金属副導線C11および第2金属導線C2の分解構造の模式図である。
【0113】
図18および
図19に示すように、第1金属副導線C11および第2金属導線C2は、同じ方向に延びる連続的なZ字形の金属導線である。本実施形態では、第1金属副導線C11は、第2方向Yに延びる三角波形状の金属導線であり、第2金属導線C2は、第2方向Yに延びる三角波形状の金属導線である。本願の別の実施形態では、第1金属副導線C11は、第1方向Xに延びる三角波形状の金属導線であり、第2金属導線C2は、第1方向Xに延びる三角波形状の金属導線である。
【0114】
本実施形態では、2つの隣り合う第1金属副導線C11の間に1つの第2金属導線C2が配置され、2つの隣り合う第2金属導線C2の間に1つの第1金属副導線C11が配置される。従って、1つの第1金属副導線C11が1つの第2金属導線C2と交差して、第2方向Yに順次配される四辺形の金属グリッドを形成する。また、2つの隣り合う第1金属副導線C11が、2つの隣り合う第2金属導線C2と交差して、4つの金属グリッドを含む四辺形を形成する。本実施形態では、金属グリッドは、第2方向Yに配されるひし形であり、4つの金属グリッドは、ひし形状に配され、1つの金属グリッドの形状およびサイズが、ピクセルユニット(Pixel)の形状およびサイズと実質的に同じである。
【0115】
本実施形態では、金属グリッドは、ブラックマトリクスBMに面する。これによって、金属導線がピクセル領域のエッジに完全に重なるとピクセルユニット(Pixel)の表示輝度に影響が出るのを効果的に防止する。
【0116】
図20は、本願の第7実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
図21は、
図20に示す導体パターン内の第1金属副導線C11および第2金属導線C2の分解構造の模式図である。
【0117】
図20および
図21に示すように、第1金属副導線C11は、第1方向Xに延び、かつ、複数の閉じたグリッドを形成する、金属導線であり、第2金属導線C2は、第2方向Yに延びる三角波形状の金属導線である。
【0118】
本実施形態では、閉じたグリッドは四辺形であり、四辺形の対角線が第1方向Xに平行であるか、または、四辺形の対角線が第1方向Xに垂直である。すなわち、第1方向Xに延びる第1金属副導線C11により形成される複数の閉じたグリッドが、第1方向Xに連続的に配されるひし形である。
【0119】
第2金属導線C2の延伸方向で、第2金属導線C2は、金属グリッドを形成するグリッド線に完全には重ならない。これによって、信号伝送線L1として使用される第2金属導線と導体パターン内の金属導線との間の完全に重なり合う面積が効果的に減少し、タッチ駆動モジュールTCの駆動負荷が効果的に減少する。
【0120】
本実施形態では、1つの金属グリッドが4つのピクセルユニット(Pixel)に対応する。本願の別の実施形態では、1つの金属グリッドに対応するピクセルユニットの数がそれに限定されない。例えば、1つの金属グリッドが8つのピクセルユニット(Pixel)に対応する。
【0121】
具体的には、1つの金属グリッドが4つのピクセルユニット(Pixel)に対応するケースについては、
図22および
図23を参照されたい。
図22は、
図20に示す導電グリッドおよび対応するピクセルユニットが分解された後に取得される平面構造の模式図である。
図23は、
図20に示す導電グリッドおよびピクセルユニットが重なり合った後に取得される平面構造の模式図である。
【0122】
図22に示すように、各金属グリッドは、4つのピクセルユニット(Pixel)に対応し、金属グリッドを形成する金属導線のみが、ピクセルユニット(Pixel)のエッジ領域に完全に重なる。すなわち、金属グリッドは、ブラックマトリクスBMに面する。これによって、ピクセル領域に対応するピクセルユニット(Pixel)のエッジに金属導線が完全に重なるとピクセルユニット(Pixel)の表示輝度に影響が出るのを効果的に防止する。
【0123】
当然ながら、本願の別の実施形態では、
図22または
図23に示す金属グリッドパターンの場合、第2金属導線C2は、第2方向Yで第1金属副導線C11上の金属グリッドのエッジに更に面し、それに完全に重なってよい。これによって、第1金属副導線C11および第2金属導線C2の両方がピクセルユニット(Pixel)の間のブラックマトリクスBMに面し、かつ、ピクセルユニット(Pixel)を取り囲むことを更に可能にし、金属グリッドがピクセルユニット(Pixel)の発光領域を遮蔽するのを防止し、画像表示パネル10の光線透過率および画像表示輝度を更に向上させることができる。
【0124】
図24は、
図20に示すIII-IIIにおける導体パターンの断面構造の模式図である。
図24に示すように、各金属グリッド内の領域において第2金属導線C2が配置される対応する位置で、第1金属副導線C11と同じ材料を有する浮動性の金属導線が第2金属層172に配置される。本実施形態では、タッチ表示パネルのアース端子に、浮動性の金属導線の一部が電気的に接続されない。浮動性の金属導線は、金属導線の一部にアース端子の電気的性能による影響が出ないように配置される。これによって、第1金属副導線C11の間、および、第1金属副導線C11と第2金属導線C2との間の信号干渉が更に減少し、その結果、信号伝送線L1として使用される第2金属導線C2は、導体パターンにより検知される第1検知信号をタッチ検知モジュールTCに正確に伝送する。
【0125】
図25は、本願の別の実施形態に係る、
図20に示すIII-IIIにおける導体パターンの断面構造の模式図である。
図25に示すように、各金属グリッド内の領域において第2金属導線C2が配置される対応する位置で、第1金属副導線C11は、第2金属層172に配置されない。これによって、手順の煩雑さが減少し、タッチ表示パネルの光線透過率および画像表示輝度が更に向上する。
【0126】
図26は、
図20に示すIV-IVにおける導体パターンの断面構造の模式図である。
図24に示すように、対応する隣り合うピクセルユニット(Pixel)の間のブラックマトリクスBMにおいて、第1金属層171および第2金属導線C2が第2表面152上に配置されない位置で、第1金属副導線C11と同じ材料を有する浮動性の金属導線が第2金属層172に配置される。これによって、第1金属副導線C11の間、および第1金属副導線C11と第2金属導線C2との間の信号干渉Cが減少する。
【0127】
図27は、本願の別の実施形態に係る、
図20に示すIV-IVにおける導体パターンの断面構造の模式図である。
図27に示すように、対応する隣り合うピクセルユニット(Pixel)の間のブラックマトリクスBMにおいて、第1金属層171および第2金属導線C2が第2表面152上に配置されない位置で、第1金属副導線C11は第2金属層172に配置されず、第2金属導線C2は第1金属層171に配置されない。これによって、手順の煩雑さが減少する。
【0128】
図28は、本願の第8実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
図29は、
図28に示す導体パターン内の第1金属副導線C11および第2金属導線C2の分解構造の模式図である。
【0129】
図28および
図29に示すように、第1金属副導線C11は、第1方向Xに延び、かつ、複数の閉じたグリッドを形成する、金属導線であり、第2金属導線C2は、第2方向Yに延び、かつ、複数の閉じたグリッドを形成する、金属導線である。
【0130】
本実施形態では、閉じたグリッドは四辺形であり、四辺形の対角線が第1方向Xに平行であるか、または、四辺形の対角線が第1方向Xに垂直である。すなわち、第1方向Xに延びる第1金属副導線C11により形成される複数の閉じたグリッドが、第1方向Xに連続的に配されるひし形である。
【0131】
第2金属導線C2の延伸方向で、第2金属導線C2は、金属グリッドを形成するグリッド線に完全に重なる。これによって、信号伝送線L1として使用される第2金属導線と導体パターン内の金属導線との間の完全に重なり合う面積が効果的に減少し、タッチ駆動モジュールTCの駆動負荷が効果的に減少する。
【0132】
図30は、本願の第9実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
図31は、
図30に示す導体パターン内の第1金属副導線C11および第2金属導線C2の分解構造の模式図である。
【0133】
図29および
図30に示すように、第1金属副導線C11は、第1方向Xに延び、かつ、複数の閉じたグリッドを形成する、金属導線であり、第2金属導線C2は、第2方向Yに延びる三角波形状の金属導線である。
【0134】
本実施形態では、閉じたグリッドは四辺形であり、四辺形の対角線が第1方向Xに平行であるか、または、四辺形の対角線が第1方向Xに垂直である。すなわち、第1方向Xに延びる第1金属副導線C11により形成される複数の閉じたグリッドが、第1方向Xに連続的に配されるひし形である。
【0135】
本実施形態では、第1金属グリッドC11において、第1方向Xにおける任意の2つの隣り合う金属グリッドの間に1つの金属接続ポイントCPがある。
【0136】
第2導線C2は、第2方向Yに延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線である。第2導線C2および第1金属副導線C11が完全に重なり合うと、第2導線および第1金属副導線は、異なる延伸方向に起因して生成される交点を除いて、完全には重なり合わない。第2導線C2上の各金属グリッドは、1つの金属導線接続ポイントCPを取り囲み、任意の2つの隣り合う第2導線C2の間に少なくとも1つの金属接続ポイントCPがある。
【0137】
第2金属導線C2の延伸方向で、第2金属導線C2は、金属グリッドを形成するグリッド線に完全には重ならない。これによって、信号伝送線L1として使用される第2金属導線と導体パターン内の金属導線との間の完全に重なり合う面積が効果的に減少し、タッチ駆動モジュールTCの駆動負荷が効果的に減少する。
【0138】
本実施形態では、第1金属副導線C11上の金属グリッドの形状およびサイズが、1つのピクセルユニット(Pixel)の形状およびサイズと実質的に同じであり、金属グリッドは、ブラックマトリクスBMに面し、ピクセルユニット(Pixel)を取り囲む。これによって、金属導線がピクセル領域のエッジに完全に重なるとピクセルユニット(Pixel)の表示輝度に影響が出るのを効果的に防止する。
【0139】
本実施形態では、第1金属副導線C11と第2金属導線C2との間の交差位置を除く第1金属副導線C11において、第1金属副導線C11上の金属グリッドの形状およびサイズが、1つのピクセルユニット(Pixel)の形状およびサイズと実質的に同じであり、金属グリッドは、ブラックマトリクスBMに面し、ピクセルユニット(Pixel)を取り囲む。すなわち、任意の2つの隣り合う第2導線C2の間に少なくとも1つの金属接続ポイントCPがあるので、第1金属副導線C11上の幾つかの金属グリッドが、任意の2つの隣り合う第2導線C2の間で第2金属導線C2上の金属グリッドと交差しない。従って、第1金属副導線C11内の、第2金属導線C2上の金属グリッドと交差しない金属グリッドの形状およびサイズが、1つのピクセルユニット(Pixel)の形状およびサイズと実質的に同じであり、金属グリッドは、1つのピクセルユニット(Pixel)を取り囲む。これによって、第1金属副導線C11によるタッチ検知を実行するための有効面積が効果的に増大し、出力される第1検知信号の数が増大し、タッチ操作の識別精度が確保される。
【0140】
図32は、本願の第10実施形態に係る、
図7に示す任意の導体パターンのxx線に沿った拡大構造の模式図である。
図33は、
図32に示す導体パターン内の第1金属副導線C11および第2金属導線C2の分解構造の模式図である。
【0141】
図32および
図33に示すように、第1金属副導線C11は、第1方向Xに延び、かつ、複数の閉じたグリッドを形成する、金属導線であり、第2金属導線C2は、第2方向Yに延びる三角波形状の金属導線である。
【0142】
本実施形態では、閉じたグリッドは四辺形であり、四辺形の対角線が第1方向Xに平行であるか、または、四辺形の対角線が第1方向Xに垂直である。すなわち、第1方向Xに延びる第1金属副導線C11により形成される複数の閉じたグリッドが、第1方向Xに連続的に配されるひし形である。
【0143】
本実施形態では、第1方向Xにおける任意の2つの隣り合う金属グリッドの間に1つの金属接続ポイントCPがある。
【0144】
第2導線C2は、第2方向Yに延び、かつ、複数の閉じた金属グリッドを形成する、金属導線である。第2導線C2および第1金属副導線C11が完全に重なり合うと、第2導線および第1金属副導線は、異なる延伸方向に起因して生成される交点を除いて、完全には重なり合わない。第2導線C2上の各金属グリッドは、1つの金属導線接続ポイントCPを取り囲み、任意の2つの隣り合う第2導線C2により取り囲まれる金属接続ポイントCP同士が、第1方向Xで隣り合う。
【0145】
第2金属導線C2の延伸方向で、第2金属導線C2は、金属グリッドを形成するグリッド線に完全には重ならない。これによって、信号伝送線L1として使用される第2金属導線と導体パターン内の金属導線との間の完全に重なり合う面積が効果的に減少し、タッチ駆動モジュールTCの駆動負荷が効果的に減少する。
【0146】
本実施形態では、第1金属副導線C11上の金属グリッドの形状およびサイズが、1つのピクセルユニット(Pixel)の形状およびサイズと実質的に同じであり、1つの金属グリッドが1つのピクセルユニット(Pixel)に面し、金属グリッドは、ブラックマトリクスBMに面し、ピクセルユニット(Pixel)を取り囲む。これによって、金属導線がピクセル領域のエッジに完全に重なるとピクセルユニット(Pixel)の表示輝度に影響が出るのを効果的に防止する。
【0147】
各金属グリッド内の領域において第2金属導線C2が配置される対応する位置で、第1金属副導線C11と同じ材料を有する浮動性の金属導線が第2金属層172に配置される。
【0148】
例えば、
図30に示すVI-VI線に沿った位置、および、
図32に示すVIII-VIII線に沿った位置の断面については、
図24を参照されたい。本実施形態では、タッチ表示パネルのアース端子に、浮動性の金属導線の一部が電気的に接続されない。浮動性の金属導線は、金属導線の一部にアース端子の電気性能による影響が出ないように配置される。これによって、第1金属副導線C11の間、および、第1金属副導線C11と第2金属導線C2との間の信号干渉が更に減少し、その結果、信号伝送線L1として使用される第2金属導線C2は、導体パターンにより検知される第1検知信号をタッチ検知モジュールTCに正確に伝送する。
【0149】
本願の別の実施形態では、各金属グリッド内の領域において第2金属導線C2が配置される対応する位置で、第1金属副導線C11は、第2金属層172に配置されない。例えば、
図30に示すVI-VI線に沿った位置、および、
図32に示すVIII-VIII線に沿った位置の断面については、
図25を参照されたい。第1金属副導線C11がその位置に配置されないので、手順の煩雑さを効果的に減少させることができ、タッチ表示パネルの光線透過率および画像表示輝度を更に向上させることができる。
【0150】
各金属グリッド内の領域において第2金属導線C2が配置されない対応する位置で、第1金属副導線C11と同じ材料を有する浮動性の金属導線が第2金属層172に配置される。第1金属層171および第2金属導線C2が第2表面152上に配置されない位置で、第1金属副導線C11と同じ材料を有する浮動性の金属導線が第2金属層172に配置される。
例えば、
図30に示すVII-VII線に沿った位置、および、
図32に示すIX-IX線に沿った位置の断面については、
図26を参照されたい。
【0151】
浮動性の金属導線は、金属導線の一部にアース端子の電気性能による影響が出ないように配置される。これによって、第1金属副導線C11の間、および、第1金属副導線C11と第2金属導線C2との間の信号干渉が更に減少し、その結果、信号伝送線L1として使用される第2金属導線C2は、導体パターンにより検知される第1検知信号をタッチ検知モジュールTCに正確に伝送する。
【0152】
各金属グリッド内の領域において第2金属導線C2が配置される対応する位置で、第1金属副導線C11は、第2金属層172に配置されない。
例えば、
図30に示すVII-VII線に沿った位置、および、
図32に示すIX-IX線に沿った位置の断面については、
図27を参照されたい。第1金属副導線C11および第2金属導線C2が配置されないので、手順の煩雑さを効果的に減少させることができ、タッチ表示パネルの光線透過率および画像表示輝度を更に向上させることができる。
【0153】
上記の説明は、本願の実施形態である。なお、当業者は、本願の原理から逸脱することなく幾つかの改良または推敲を依然として行ってよく、その改良または推敲も本願の保護範囲に含まれるものとする。
【国際調査報告】