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特表2023-515075ローカルアクティブマトリクスアーキテクチャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-12
(54)【発明の名称】ローカルアクティブマトリクスアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/33 20060101AFI20230405BHJP
   G09G 3/32 20160101ALI20230405BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230405BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20230405BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230405BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20230405BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20230405BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20230405BHJP
   H01L 33/48 20100101ALN20230405BHJP
【FI】
G09F9/33
G09G3/32 A
G09G3/20 624B
G09F9/30 338
G09F9/00 346A
G09F9/40 301
H10K50/10
H10K59/12
H01L33/48
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549912
(86)(22)【出願日】2021-01-28
(85)【翻訳文提出日】2022-08-19
(86)【国際出願番号】 US2021015546
(87)【国際公開番号】W WO2021173299
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】20159853.9
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】ハイテマ ヒャルマー エドザー アイコ
(72)【発明者】
【氏名】カリスリス トーマス
(72)【発明者】
【氏名】リ シア
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC21
3K107CC31
3K107EE03
3K107HH05
5C080AA06
5C080AA07
5C080BB05
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ06
5C080JJ07
5C094AA07
5C094AA14
5C094BA03
5C094BA09
5C094BA23
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA01
5C094DA09
5C094DA13
5C094DB01
5C094DB02
5C094EA07
5C094FA02
5C094HA08
5C380AA01
5C380AA03
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5C380AB06
5C380AB18
5C380AB28
5C380AB34
5C380AB39
5C380AC08
5C380AC12
5C380BA27
5C380BD01
5C380CA04
5C380CA08
5C380CA09
5C380CB01
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC39
5C380CC77
5C380CF24
5C380CF66
5C380DA07
5F142AA31
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA11
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD44
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5F142FA03
5F142GA02
5G435AA03
5G435BB04
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5G435EE36
5G435EE41
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
ローカルアクティブマトリクスディスプレイパネル、回路及び動作方法が記載される。ある実施形態では、ローカルアクティブマトリクスディスプレイパネルは、ピクセルドライバチップのアレイと、ピクセルドライバチップのアレイと電気的に接触している薄膜トランジスタ層と、薄膜トランジスタ層と電気的に接続された発光ダイオードのアレイとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカルアクティブマトリクスディスプレイパネルであって、
ピクセルドライバチップのアレイと、
前記ピクセルドライバチップのアレイと電気的に接触している薄膜トランジスタ(TFT)層と、
前記TFT層と電気的に接続された発光ダイオード(LED)のアレイと、を備えるローカルアクティブマトリクスディスプレイパネル。
【請求項2】
前記TFT層は前記ピクセルドライバチップのアレイの上にあり、前記LEDのアレイは前記TFT層上にある、請求項1に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイパネル。
【請求項3】
前記ピクセルドライバチップのアレイの各ピクセルドライバチップは、デジタルデータ記憶モジュールを含む、請求項1に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイパネル。
【請求項4】
各ピクセルドライバチップは、前記LEDアレイのLEDの対応するマトリクスに電気的に接続される、請求項1に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイパネル。
【請求項5】
各ピクセルドライバチップは、前記TFT層における対応するローカルピクセル回路マトリクスに電気的に接続されることを特徴とする請求項4に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイパネル。
【請求項6】
各ローカルピクセル回路マトリクスが電力グリッドを含む、請求項5に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイパネル。
【請求項7】
前記電力グリッドは、前記ローカルピクセル回路マトリクス内に完全に含まれ、対応するピクセルドライバチップに接続される、請求項6に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイパネル。
【請求項8】
前記電力グリッドは、グローバル電圧供給ラインに直接接続される、請求項6に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイパネル。
【請求項9】
前記ピクセルドライバチップのアレイのピクセルドライバチップの列にルーティングされたグローバル信号線と、ピクセルドライバチップの行を接続している束ねられた信号線の行とを備えるバス線を更に備える、請求項5に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイパネル。
【請求項10】
ローカルアクティブマトリクスディスプレイ回路であって
ディスプレイパネルの表示領域内に散在するピクセルドライバチップのアレイ内のピクセルドライバチップと、
前記ピクセルドライバチップへの複数のグローバル信号線入力と、
前記ピクセルドライバチップに結合されたローカルピクセル回路マトリクスと、を備えるローカルアクティブマトリクスディスプレイ回路。
【請求項11】
前記ローカルピクセル回路マトリクスの第1のローカルサブピクセル回路を更に備え、前記第1のローカルサブピクセル回路は前記ピクセルドライバチップからのローカル発光データ線と前記ピクセルドライバチップからのローカル走査線とに結合された第1のサブピクセルメモリセルを含む、請求項10に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイ回路。
【請求項12】
前記ローカル発光データ線は、前記ローカルピクセル回路マトリクス内のローカルサブピクセル回路の列と結合されており、前記ローカル走査線は、前記ローカルピクセル回路マトリクス内のローカルサブピクセル回路の行と結合されている、請求項11に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイ回路。
【請求項13】
各ローカルピクセル回路マトリクスが電力グリッドを含む、請求項10に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイ回路。
【請求項14】
前記電力グリッドは、前記ローカルピクセル回路マトリクス内に完全に含まれており、対応するピクセルドライバチップに接続されている、請求項13に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイ回路。
【請求項15】
前記電力グリッドは、グローバル電圧供給ラインに直接接続される、請求項13に記載のローカルアクティブマトリクスディスプレイ回路。
【請求項16】
ローカルアクティブマトリクスディスプレイパネルを動作させる方法であって、
ピクセルドライバチップであって、前記ピクセルドライバチップは、前記ディスプレイパネルの表示領域内に散在するピクセルドライバチップのアレイのうちの1つである、ピクセルドライバチップにおいてグローバルデータ信号を受信することと、
第1のサブピクセルメモリセルであって、前記第1のサブピクセルメモリセルは、前記ピクセルドライバチップの外部の第1のローカルサブピクセル回路内に配置されている、第1のサブピクセルメモリセルを、前記ピクセルドライバチップからの第1のローカル発光データでプログラミングすることと、
前記第1のローカルサブピクセル回路内の第1のLEDから光を放出することと、を含む方法。
【請求項17】
前記第1のローカル発光データで前記第1のサブピクセルメモリセルをプログラムすることは、前記ピクセルドライバチップから前記第1のサブピクセルメモリセル内のスイッチに列データ信号及び行走査信号を送ることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のローカル発光データで前記第1のサブピクセルメモリセルをプログラミングすることは、前記ピクセルドライバチップでサブピクセルメモリセルの第1の行をプログラミングする間に実行され、前記サブピクセルメモリセルの第1の行は、対応するローカルサブピクセル回路の第1の行内にある、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の行のメモリセルをプログラミングした後に、前記ピクセルドライバチップで第2の行のサブピクセルメモリセルをプログラミングすることを更に含み、前記第2の行のメモリセルは、対応するローカルサブピクセル回路の第2の行内に位置している、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記グローバルデータ信号がデジタル信号である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2行のローカルサブピクセル回路における第2ローカルサブピクセル回路内の第2のLEDから光を放出することを更に含み、前記第1のLED及び前記第1サブピクセルメモリセルに接続された駆動トランジスタは、前記第2のLEDから光を放出するときにオンであり、前記第2のLEDが放出している間、前記第1のLEDは放出していない、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される実施形態は、ディスプレイシステムに関し、より詳細には、ローカルアクティブマトリクスディスプレイ及び動作方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年2月27日に出願されたヨーロッパ特許出願第20159853.9号の優先権を主張するものであり、その内容が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
ディスプレイパネルは、広範囲の電子デバイスに利用されている。ディスプレイパネルの共通タイプには、各ピクセル素子、例えば発光ダイオード(LED)が個別に駆動されてデータフレームを表示し得るアクティブマトリクスディスプレイパネルと、ピクセル素子の行及び列がデータフレーム内で駆動され得るパッシブマトリクスディスプレイパネルと、が含まれる。フレームレートは、表示アーチファクトに結び付けられることができ、表示アプリケーションに基づいて指定されたレベルに設定され得る。
【0004】
既存の有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)又は液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)技術は、薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)基板を特徴として備えている。より最近では、TFT基板を、基板に接合されたピクセルドライバチップ(マイクロドライバチップ又はマイクロコントローラチップとも呼ばれる)のアレイで置き換え、マイクロLED(LED)のアレイをピクセルドライバチップのアレイと一体化することが提案されており、各ピクセルドライバチップは、対応する複数のマイクロLEDを切り替えて駆動する。そのようなマイクロLEDディスプレイは、アクティブマトリクス又はパッシブマトリクスアドレッシングのいずれかのために配置されることができる。
【0005】
米国特許出願公開第2019/0347985号に記載された実装形態では、ローカルパッシブマトリクス(LPM)ディスプレイは、ピクセルドライバチップとLEDとの配置を含み、各ピクセルドライバチップは、表示行及び列に配置されたLEDのLPMグループと結合される。動作時には、グローバルデータ信号がピクセルドライバチップに送信され、LPMグループ内のLEDの各表示行がピクセルドライバチップによって一度に1表示行ずつ駆動される。
【発明の概要】
【0006】
ディスプレイパネルスタックアップを含むローカルアクティブマトリクスアーキテクチャ、回路及び動作方法が説明される。ある実施形態では、ローカルアクティブマトリクスディスプレイパネルは、ピクセルドライバチップのアレイと、ピクセルドライバチップのアレイの上にありピクセルドライバチップのアレイと電気的に接触している薄膜トランジスタ層と、薄膜トランジスタ層上の発光ダイオードのアレイとを含む。各ピクセルドライバチップは、TFT層内のLEDの対応するマトリクス及び対応するローカルピクセル回路マトリクスに電気的に接続され得る。動作中、ピクセルドライバチップは、ローカルマトリクスデジタル駆動能力を提供し、一方、TFT層は、サブピクセルごとにサンプルホールド及び電流源能力を提供する。そのような配置は、LEDマトリクスサイズに関係なく発光デューティサイクルを最大化し、高い多重化比でのディスプレイパネルの動作を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】アクティブマトリクスアーキテクチャの一般化された回路図である。
図2】ローカルパッシブマトリクスアーキテクチャの一般化された回路図である。
図3】実施形態にかかるローカルアクティブマトリクスアーキテクチャの一般化された回路図である。
図4A】実施形態にかかるディスプレイシステムの概略上面レイアウト図である。
図4B】実施形態にかかるディスプレイシステムの概略上面レイアウト図である。
図4C】実施形態にかかるディスプレイシステムの概略上面レイアウト図である。
図5】実施形態にかかるディスプレイパネルの概略上面レイアウト図及びローカルサブピクセル回路のクローズアップ一般化回路図である。
図6】実施形態にかかるローカルサブピクセル回路の回路図である。
図7】実施形態にかかる、ローカルアクティブマトリクスの一部の概略側断面図である。
図8】実施形態にかかる、ローカルパッシブマトリクスディスプレイパネルを作成する方法のフローチャートである。
図9】実施形態にかかるモバイル電話のマイクロドライバチップの等角投影図である。
図10】実施形態にかかる、タブレットコンピューティングデバイスの等角投影図である。
図11】実施形態にかかるウェアラブルデバイスの等角投影図である。
図12】実施形態によるラップトップコンピュータの等角投影図である。
図13】実施形態にかかる、ポータブル電子デバイスのシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態は、ローカルアクティブマトリクス(LAM)ディスプレイ構成及び動作方法を説明する。実施形態によるローカルアクティブマトリクス(LAM)アーキテクチャは、アクティブマトリクスアーキテクチャ及びパッシブマトリクスアーキテクチャの両方の特徴を組み合わせてもよい。より具体的には、LAMディスプレイ構成は、主にデジタル機能を提供するためのピクセルドライバチップのアレイと、アナログ機能を提供するためのローカルサブピクセル回路を含む上に重なるTFTアレイとを含み得る。動作において、LAMアドレス指定は、ローカル更新を伴うアクティブマトリクス駆動を含む。したがって、ピクセルドライバチップは、多重化及び行共有で更新することができ、一方、大部分はパッシブなTFTオーバレイは、LED駆動電流値に設定され、再プログラムされるまで常にオンである。代替構成では、ピクセルドライバチップのアレイは、同じ大部分はパッシブな機能を実行することができるTFTアンダーレイ上に配置される。
【0009】
様々な実施形態では、図を参照して説明する。しかしながら、ある実施形態はこれらの特定の詳細うちの1つ以上を用いることなく、また、他の既知の方法及び構成と組み合わせることで実施することができる。以下の説明では、実施形態の徹底的な理解を提供するために、特定の構成、寸法、及びプロセスなど、多数の特定の詳細について述べる。他の場合、実施形態を不必要に曖昧にしないように、よく知られている半導体プロセス及び製造技法について特に詳細には説明しない。本明細書全体にわたって、「一実施形態」への参照は、その実施形態に関連して記載する特定の特徴、構造体、構成、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたって様々な場所における「一実施形態では」という語句への言及は、必ずしも同じ実施形態を参照しているとは限らない。更に、特定の特徴、構造、構成又は特性は、1つ以上の実施形態において任意に好適に組み合わせてもよい。
【0010】
本明細書で使用される用語「の上部に」、「の上方に」、「への」、「間の」、及び「上に」は、他の層に対するある層の相対位置について、言及する場合がある。ある層が別の層に対して「の上部に」、「の上方に」若しくは「上に」あること、又は別の層「へと」若しくは「接触して」接合することは、別の層と直接接触する、又は1つ以上の介在層を有してもよい。層と層の「間」に位置する1つの層は、それらの層に直接接触する場合も、又は1以上の介在層を有する場合もある。
【0011】
図1は、ローカルパッシブマトリクス(LPM)アーキテクチャの一般化された回路図である。例示的なレイアウトに示されるように、電流源(i)は、LED 150の各列に提供され、グレーレベルは、定電流のパルス幅変調を使用して変調され得る。動作において、各行の順次発光は、一度に1つの行のみが発光のために選択されるように多重化することによって達成することができる。したがって、ある表示行への放出電流は、次の表示行に印加される前にオフされる。表示行の間でLPM発光デューティサイクルを共有すること(例えば、一度に1つの表示行を駆動すること)は、同じピクセルドライバチップ102によって駆動される行の数の関数として発光時間の減少の関係をもたらすことが観察されている。更に、行共有の結果としてのそのような低減された発光時間は、ピーク表示輝度に影響を及ぼし得ることが観察されている。これは、LEDを駆動するために必要とされる電流範囲を上げることによってある程度補償することができる。しかしながら、これは、LEDが(例えば、LEDの特徴的な内部量子効率曲線において)最適でない効率で動作され、寿命劣化をもたらす可能性がある。したがって、所与のフレームレートに対して、特に高いフレームレートでは、LPM多重化比(すなわち、ピクセルドライバチップによって駆動され得る行の数又はマトリクスサイズ)のスケーリングが制約され得る。
【0012】
図2は、アクティブマトリクス(AM)アーキテクチャの一般化された回路図である。例示的なレイアウトに示されるように、各LED 150は、それ自体の専用の電流源i1、i2、i3などを有する。高いピクセル密度を有するAMディスプレイパネルに関連付けられている電子機器を駆動するために必要とされる面積は、非常に大きくなり得ることが観察されている。更に、行ドライバ、列ドライバ、マルチプレクサなどの駆動電子機器の量は、ディスプレイの周りの境界領域を増加させる可能性がある。AMデジタルバックプレーンが可能であるが、AMバックプレーンは一般にアナログであり、LEDを駆動するためのアナログ電流レベルを生成するために大量のデジタル-アナログ変換器(DAC)を使用し、グレースケールは典型的には振幅変調で変調される。
【0013】
図3は、実施形態にかかるローカルアクティブマトリクス(LAM)アーキテクチャの一般化された回路図である。実施形態によるLAMアーキテクチャ及びアドレス指定方式は、LPMアドレス指定で可能なものよりも高い多重化比でのデジタル駆動を可能にし、AMアドレス指定の電力消費及び複雑さを低減する。LAMは、最適なLED効率及び駆動電流で所望の表示輝度を達成することができるように、発光時間をプログラム時間から切り離す。したがって、(例えば、ディスプレイアーチファクト性能によって要求される)任意の所与のフレームレートで、LAMは、ピクセルドライバチップサイズ及びコストを低く保ちながら、より大きいLEDマトリクスサイズ又は多重化比を可能にすることができる。
【0014】
動作において、グレースケールは、パルス幅変調で変調することができる。図示されるように、対応するローカルサブピクセル回路130は、各LED 150とピクセルドライバチップ102との間に配置される。例えば、ローカルサブピクセル回路130は、ピクセルドライバチップと表示効果層(例えば、OLED、LED)との間の薄膜トランジスタ(TFT)スタック内に配置することができる。TFTスタックは、サブピクセルごとにサンプルホールド及び電流源能力を提供する。ピクセルドライバチップは、ローカルマトリクスデジタル駆動能力を提供する。そのような配置は、単一のピクセルドライバチップ102に接続されたLED(及び行)の数に対応するLEDマトリクスサイズにかかわらず、100%の発光デューティサイクルを可能にし得る。したがって、これは、高い多重化比での動作を可能にする。このような配置はまた、LPMと比較して駆動電流を低減することができる。例えば、LPMをより大きなマトリクスサイズにスケーリングすることは、必要な輝度を達成するために増加した駆動電流を必要とし得る。これは、マイクロLED効率曲線とOLED寿命とを一致させるのに問題となり得る。LAMアドレス指定は、より低い駆動電流を可能にすることができ、したがって、LED及びOLEDの両方に適用可能である。更に、LAM配置は、ディスプレイパネルの縁部に沿った低減された境界、カットアウトの利用可能性、及び代替的なバックプレーン形状と適合することができる。
【0015】
ここで図4Aを参照すると、実施形態にかかるディスプレイシステムの概略上面レイアウト図が提供されている。図示されるように、ディスプレイシステム100は、LED 150のアレイと共にディスプレイパネル110の表示領域内に散在するピクセルドライバチップ102のアレイを含むディスプレイパネル110を含む。LED 150は、ピクセル152のアレイに配置されてもよく、各ピクセル152は、複数のサブピクセル154を含む。各サブピクセルは、異なる色の発光のために設計され得る。例示的な配置では、サブピクセル154は、赤-緑-青(RGB)発光LED 150とともに配置されるが、他の配置も可能である。ある実施形態では、各サブピクセル154は、一次LEDと、一次LED又は回路の欠陥又は欠落の結果として駆動され得る冗長LEDとを含む一対の冗長LED 150を含む。表示領域は、ピクセルアレイ内にLED 150を含む領域と考えることができる。
【0016】
制御回路104はディスプレイパネル110に結合されており、電源電圧はディスプレイパネル110に結合されている場合がある。制御回路140は、タイミングコントローラ(TCON)を含んでもよい。例えば、制御回路104は、チップオンフィルム、フレックス回路等に配置されている場合があり、追加のシステム構成要素106は、制御回路104と結合することができ、又はディスプレイパネル110に直接結合している場合がある。たとえば、追加のシステム構成要素106は、ホストシステムオンチップ(SOC)、電力管理集積回路(PMIC)、レベルシフタ、タッチスクリーンコントローラ、追加の受動部品などを含むことができる。
【0017】
図4Aに示す特定のディスプレイパネル110は、複数のタイル112を含むタイル式ディスプレイとして特徴付けられている場合がある。特に、実施形態に係るピクセルドライバチップ102の配置は、ディスプレイパネルの縁部上のドライバレッジに対する要件を除去することができる。結果として、ディスプレイパネルは、表示領域の外側を、低減ボーダ又はゼロボーダとすることができる。この構成により、湾曲した縁部を有するディスプレイパネルの形成、並びに切り欠き部120としての形成を容易にすることができる。加えて、この構成により、ディスプレイタイル112のマイクロ配置を含むモジュール配置を容易にすることができる。一般に、制御回路104は、ディスプレイパネル110の縁部に結合されていてもよい。グローバル信号線のバス列114が、制御回路104から延在して、ディスプレイパネルにグローバル信号を供給してもよい。例えば、グローバル信号線は、少なくともデータクロック線及び発光クロック線を含んでもよい。グローバル信号線は、複数の「ハイブリッド」ピクセルドライバチップ102Hに結合されており、ディスプレイのバックボーン、又はディスプレイタイル104を一緒に形成する。対応するバックボーンハイブリッドピクセルドライバチップは、グローバル信号を受信し、次いで、同じ行内の他のピクセルドライバチップ102に接続された行信号線116の対応する行に、操作された信号を送信する。例えば、グローバルデータクロック及び発光クロック信号は、操作された信号に変換され、操作されたデータクロック線及び操作された発光クロック線に沿って、ピクセルドライバチップ110の行に送信されてもよい。例えば、操作された信号は、ピクセルドライバチップの特定の行に対する必要な情報のみを含んでもよい。
【0018】
実施形態に係るタイルベースのディスプレイパネルは、ディスプレイタイル112の様々な配置を有し得る。例えば、ディスプレイタイル112は、並んで(水平に)、積み重なって(垂直に)、その両方で、並びに他の構成で配置されてもよい。加えて、グローバル信号線のバス列114は、積層ディスプレイタイル112に対して整列及び接続されていてもよい。バス列118及びデータ線118は、制御回路104からディスプレイパネルまで延在してもよい。列ドライバは、任意選択的に、バス列114及び/又はデータ線118内のグローバル信号線をバッファするためにディスプレイパネル110上に配置されてもよい。各タイル112は、グローバル信号線の1つ以上のバス列114と、行機能信号線の複数の行116と、ピクセルドライバチップ102の複数の行とを含んでもよく、ピクセルドライバチップ102の各行は、行機能信号線の対応する行116に接続されている。更に、各ピクセルドライバチップ102は、LED 150の対応するマトリクス156に接続される。
【0019】
図4Aに示すように、ピクセルドライバチップ102の各行は、バックボーンハイブリッドピクセルドライバチップ102Hのグループと、LED駆動ピクセルドライバチップ102Dのグループとを含む。バス列114及びバックボーンハイブリッドピクセルドライバチップ102Hのルーティングは、タイル112のバックボーンを形成してもよい。バックボーンハイブリッドピクセルドライバチップ102H及びLED駆動ピクセルドライバチップ102Dのそれぞれは、異なる機能に対して異なるようにのみ構成された、ハイブリッドピクセルドライバチップであってもよい。あるいは、チップ102H、102Dは、異なる内部回路を有してもよい。バックボーンハイブリッドピクセルドライバチップ102H及びLED駆動ピクセルドライバチップ102Dは更に、異なって接続されていてもよい。実施形態によれば、バックボーンハイブリッドピクセルドライバチップ102H及びLED駆動ピクセルドライバチップ102Dのそれぞれは、TFTローカルサブピクセル回路を経由してLED150の対応するマトリクス156に接続されている。
【0020】
ここで図4Bを参照すると、列ドライバ122及び行ドライバ124を含む代替のディスプレイシステム100が示されており、これらは、ディスプレイパネル110の縁部上に配置され得るか、又は縁部に接続され得る。列ドライバ122は、例えば、データ線118に送信する前に、グローバルデータ信号をバッファすることができる。行ドライバ124は、例えば、ピクセルドライバチップ102の行に送信する前に、グローバル行機能信号をバッファすることができる。
【0021】
次に図4Cを参照すると、分散された行ドライバ125を含む別の代替ディスプレイシステム100が示されている。図4Cに示す実施形態は、図4Bに示す実施形態と同様であり、行ドライバは、代わりに、ディスプレイパネル110の縁部に沿ってではなく表示領域にわたって分散又は埋め込まれた分散行ドライバ125である。図4A図4Bと同様に、列ドライブ122を任意選択で含めることができる。
【0022】
図4A図4Cに示すように、実施形態によるローカルアクティブマトリクスアーキテクチャは、ピクセルドライバチップ102の様々な配置と互換性があり、行ドライバ及び列ドライバに伝統的に分離された様々なレベルのグローバル信号バッファリングを含む。
【0023】
ここで図5を参照すると、ある実施形態によるディスプレイパネル110の概略上面レイアウト図及びローカルサブピクセル回路130のクローズアップ一般化回路図が提供されている。図示されるように、ローカルピクセル回路マトリクス160は、それぞれのピクセルドライバチップ102に接続される。各ローカルピクセル回路マトリクス160及びローカルサブピクセル回路130は、図7に示されるように、ピクセルドライバチップ102の上方のTFT層230(複数の層を含み得る)に主に配置され得る。具体的には、図5のローカルピクセル回路マトリクス160は、ピクセルのマトリクスを制御する単一のピクセルドライバチップ102に接続されたローカル回路を示す。したがって、図示のように、TFT層は、図4A図4Cに関して説明したLED 150のマトリクス156に対応するローカルピクセル回路マトリクス160のアレイを含むことができる。
【0024】
拡大図に示すように、各ローカルサブピクセル回路130は、ピクセルドライバチップ102からのローカル発光データ線134及びピクセルドライバチップ102からのローカル走査線132に結合されたメモリセル135を含むことができる。ある実施形態では、メモリセル135は、薄膜トランジスタなどのスイッチ140と、キャパシタなどの記憶デバイス142とを含む。ローカル発光データ線134は、ローカルピクセル回路マトリクス160内の複数の(行)ローカルサブピクセル回路130と結合され得る。ローカル走査線132は、ローカルピクセル回路マトリクス160内の複数の(列)ローカルサブピクセル回路130と結合され得る。したがって、各ローカルピクセル回路マトリクス160は、ローカル発光データ線134の複数の列と、ローカル走査線132の複数の行とを含むことができる。
【0025】
更に図5を参照すると、実施形態によれば、各ローカルピクセル回路マトリクス160は、高電圧電源線136及び低電圧電源線138で形成された電力グリッドを含むことができる。図示のように、各ローカルサブピクセル回路は、LED 150に結合された高電圧電源線(例えば、Vdd)136及び低電圧電源線(例えば、Vss)138を含む。より具体的には、高電圧電源ライン136は、駆動トランジスタ144の第1のソース/ドレイン端子に接続され得、LED 150は、他方のソース/ドレイン端子に接続され、メモリセル135は、駆動トランジスタ144のゲートに接続される。ある実施形態では、高電圧電源線136及び低電圧電源線138は、ピクセルドライバチップ102の出力端子に結合される。更に、ピクセルドライバチップ102のための入力端子は、バス列114及び行信号線116内に含まれるものなどのグローバル電源線、又はグローバルデータ線118と同様にディスプレイパネルにわたって分散されたグローバル電源線に結合され得る。ある実施形態では、ローカルピクセル回路マトリクスのための電力グリッドは、ローカルピクセル回路マトリクス160内に完全に含まれ、対応するピクセルドライバチップ102に接続される。このような構成では、ピクセルドライバチップ102は、グローバル電力入力を受信し、ローカルアクティブマトリクス(すなわち、ローカルピクセル回路マトリクス160)のためのローカル電力線(高電圧電源線136、低電圧電源線138)を調整することができる。いくつかの実施形態によれば、ピクセルドライバチップ102は、すべての関連する電力及びアドレス指定信号を「スタンドアロン」ローカルアクティブマトリクスに提供する役割を担うことができる。代替配置では、高電圧電源線136及び/又は低電圧電源線138をグローバル電源線に結合することができる。そのような代替構成では、ピクセル電流は、たとえば、バックボーンを通して又は他の方法で分散されたグローバル基準電圧(Vref)ラインを使用してグローバルに生成され得る。
【0026】
ある実施形態では、LAMディスプレイパネルを動作させる方法は、ディスプレイパネル110の表示領域内に散在するピクセルドライバチップのアレイのピクセルドライバチップ102でグローバルデータ信号(例えば、デジタルデータ信号)を受信することを含む。例えば、これは、グローバルデータ線118と結合された入力端子において、又はバックボーン、行信号線116などを介して行われてもよい。次いで、第1のサブピクセルメモリセル135は、ピクセルドライバチップ102からの第1のローカル発光データでプログラムされ、第1のサブピクセルメモリセル135は、ピクセルドライバチップ102の外側の第1のローカルサブピクセル回路130内に配置される。次いで、第1のローカルサブピクセル回路130内の第1のLED 150から光が放出される。ある実施形態では、第1のサブピクセルメモリセル135をローカル発光データでプログラムすることは、ピクセルドライバチップ102から第1のサブピクセルメモリセル135内のスイッチ140(例えば、トランジスタ)に列データ信号(例えば、ローカルデータ線134に沿って)及び行走査信号(例えば、ローカル走査線132に沿って)を送ることを含む。
【0027】
実施形態によるLAMアドレス指定方式は、サブピクセルメモリセルを一度に1行ずつプログラミングすることを含むことができる。再び図3を参照すると、ローカルサブピクセル回路130及び対応するメモリセルの第1の(上部)行がプログラムされ、続いて第2の(中央)行がプログラムされ、続いて第3の(下部)行がプログラムされ、以下同様である。更に、同じ行内のすべての列が同時にプログラムされる。LAMアドレス指定方式における図示された電流共有及び多重化は、実際にはプログラミング電流であり、LPMアドレス指定及びAMアドレス指定について説明及び図示されたもののようなLED駆動電流ではないことを理解されたい。代わりに、LED駆動電流は、プログラムされたメモリセル135に関連するので、電力グリッド(高電圧電源ライン136及び/低電圧電源ライン138)によって提供される。スイッチ140をオンにするために、LED駆動電流と比較してより低い電流を使用することができ、これにより、必要とされる電力を低くすることができる。これは、LED 150に供給されるピーク電流を低減し、LAMアーキテクチャ及びアドレス指定方式がマイクロLEDならびにOLEDに使用されることを可能にした。更に、プログラミング中に行共有が関与し、メモリセル135がプログラムされると、充電されたストレージデバイス142(キャパシタ)が駆動トランジスタ144をオンにし、メモリセル135が再プログラムされるまでオンのままである。したがって、LPMアドレス指定による電流源の時分割はLAMアドレス指定によって排除される。動作において、駆動トランジスタ144は、再プログラムされるまで、プログラミング中及び次の行からの発光中であってもオンのままである。図3と組み合わせて図5を参照すると、ある実施形態では、プログラムされたメモリセル135及び第1のLED 150(例えば、最上行)に接続された駆動トランジスタ144は、第2のLED 150(例えば、真ん中の行、同じ列)から光を放出している間であっても、又は第2のLED 150に結合された第2のメモリセル135をプログラムしている間であっても、オンである。したがって、第1の行(たとえば、最上行)におけるすべての列からのすべての駆動トランジスタ144は、後続の行がそのフレームのためにプログラムされるプログラミング動作の残りの間、オンのままであり得る。以降の行についても同様である。このようなアドレス指定方式は、追加の発光スイッチなどによって更に容易にすることができる。
【0028】
図6は実施形態にかかるローカルサブピクセル回路100を説明するための回路図である。図6は、図5のローカルサブピクセル回路130の一般化された回路図と同様であるが、発光回路、検知回路、及びLED冗長回路が追加されている。図5と同様に、ローカルサブピクセル回路130及びローカルピクセル回路マトリクス160は、ピクセルドライバチップ102のローカル入力/出力端子に全体的に接続されてもよく、したがって、いかなるグローバル信号又は電力線にも接続されない。図示のように、列データ線134は、ローカルサブピクセル回路130の列を接続することができる。同様に、高電圧電源線136、低電圧電源線138、及び列センス線166は、ローカルサブピクセル回路130の同じ列に接続することができる。同様に、行走査線132、行検知線146、一次LED行選択線148、冗長LED行選択線162、及び行発光線164は、ローカルサブピクセル回路130の行に接続することができる。
【0029】
図示される特定の実施形態では、行発光ライン164は、ローカルサブピクセル回路130の発光制御スイッチ165(例えば、トランジスタ)に接続される。動作において、行放出ライン164の選択は、放出制御スイッチ165をオンにする。駆動トランジスタ144はプログラムされた後にオンであるので、これはLED 150からの発光を可能にする。これは冗長構成であるので、一次スイッチ149(トランジスタ)又は冗長スイッチ163(トランジスタ)のいずれがオンにされるかに応じて、一次LED 150P又は冗長LED 150Rのいずれかに対して発光が生じる。行センス線146及び列センス線166に結合されたセンススイッチ(トランジスタ)147を有するセンス回路が任意選択で含まれてもよい。
【0030】
図示されたローカルサブピクセル回路におけるスイッチ又はトランジスタの各々は、TFTであってもよい。図~図6で説明及び図示した特定の5ローカルサブピクセル回路130は例示的であり、実施形態は必ずしもそのように限定されるものではないことを理解されたい。他の回路実装形態を使用して、TFT及びピクセルドライバチップ102への入力/出力接続の数を減らすことができる。例えば、発光制御スイッチ165は、ピクセルドライバチップ102の電流供給を列ごとに駆動トランジスタ144に直接提供することによって置き換えることができ、感知スイッチ147は、感知のためにピクセルドライバチップ102の電流供給を使用して駆動トランジスタ144と組み合わせることができる。更に、NMOS及びPMOSが一次スイッチ149及び冗長スイッチ163として使用されるか、又はスイッチングがピクセルドライバチップ102から行われる場合、ピクセルドライバチップ102への一次LED 150P及び冗長LED 150R端子を組み合わせることができる。
【0031】
ここで図7を参照すると、実施形態にかかるLPMスタックアップの部分の概略側断面図が示されている。図8は、実施形態にかかる、LPMディスプレイパネルを作成する方法のフローチャートである。簡潔にするために、図7図8は同時に一緒に説明される。
【0032】
ある実施形態では、LAMディスプレイパネルは、ピクセルドライバチップ102のアレイと、ピクセルドライバチップ102のアレイの上にあり、それと電気的に接触している薄膜トランジスタTFT層230と、TFT層230上のLED 150のアレイとを含む。前述のように、ピクセルドライバチップ102は、ローカルマトリクスデジタル駆動能力を提供するデジタル用に設計されてもよく、デジタルデータ信号を受信し、デジタルデータ記憶モジュールを含むように設計されてもよい。各ピクセルドライバチップ102は、LED 150の対応するマトリクス156及び対応するローカルピクセル回路マトリクス160に電気的に接続することができ、これらはTFT層230内に形成することができる。代替構成では、TFT層230を作成し、その後、TFT層230上にピクセルドライバチップ102を配置することができる。そのような構成では、ピクセルドライバチップ102は、TFT層230の上にある。次いで、貫通ビア又は銅ピラーなどの垂直相互接続は、TFT層230からパッシベーション層204を通ってLED 150への電気接続を提供することができる。任意選択で、垂直相互接続とLED 150との間に追加のルーティングを提供するために、パッシベーション層の上に上面再配線層を形成することができる。
【0033】
製造方法は、動作8010において、ピクセルドライバチップ102のアレイをディスプレイ基板200に転写することを含み得る。例えば、ディスプレイ基板102は、ガラス、ポリイミドなどの剛性又は可撓性基板であってもよい。接着層202は、任意選択で、ピクセルドライバチップ102を受け入れるためにディスプレイ基板200上に形成されてもよい。移送は、ピックアンドプレースツールを使用して達成することができる。ある実施形態では、裏側(非機能化)側が接着層202上に配置され、表側(コンタクトパッド180を含むアクティブ側)は上向きに配置される。コンタクトパッド180は、転写の前又は後に形成することができる。図示されるように、パッシベーション層204は、例えば、ピクセルドライバチップ102をディスプレイ基板102に固定するために、及び追加のルーティングのためのステップカバレッジを提供するために、ピクセルドライバチップ102の周囲に形成することができる。パッシベーション層204に適した材料としては、ポリマー、スピンオングラス、酸化物などが挙げられる。ある実施形態では、パッシベーション層は、アクリル、エポキシ、ベンゾシクロブテン(BCB)などの熱硬化性材料である。
【0034】
次いで、再分配層(RDL)220が、ピクセルドライバチップ102のアレイ上に形成され得る。RDLは、例えば、コンタクトパッド180からファンアウトして、TFT層230のための接続を提供することができ、これは、その後、動作8030において形成される。図7に示すように、RDL 200は、1つ以上の再分配線224及び誘電体層226を含むことができる。例えば、再分配線は、金属線(例えば、Cu、Alなど)であってもよく、誘電体層226は、酸化物(例えば、SiOX)、窒化物、ポリマーなどを含む適切な絶縁材料で形成されてもよい。実施形態によれば、RDL 220は、複数のグローバル信号線及び電力線(例えば、データ線118、行信号線116、バス列114など)のうちの1つ以上を含む。
【0035】
また、複数のグローバル信号線及び電源線のいずれかをTFT層230に形成してもよい。ある実施形態では、TFT層230は、主にローカルルーティングのために使用される。TFT層230は、アレイTFT、キャパシタ、及び電気配線を含むことができる。例えば、TFTはシリコン又は酸化物トランジスタであってもよい。図示の実施形態では、TFTは、シリコンチャネル238と酸化物ゲート層239とを含む。RDL 220と同様に、TFT層230は、複数の金属ルーティングライン234及び誘電体層236を更に含み得る。ルーティングライン234(又はそのビア)は、TFTのソース/ドレインと接触し得る。図示した実施形態では、上部金属ルーティングライン234は、ローカルサブピクセル回路のアノードである。
【0036】
製造プロセスのこの段階で、ディスプレイパネルは、マイクロLED及びOLEDの両方のためのその後の処理に好適であり得る。動作8080において、LEDのアレイがTFTアレイに接続される。OLED製造プロセスでは、これは、有機発光層の堆積、次いでピクセル画定層の堆積を含むことができる。図7に示すマイクロLED製造プロセスでは、追加の誘電体層及びルーティング層を任意選択的に形成した後、マイクロLED 150を積層体上に転写及び接合することができる。ある実施形態では、マイクロLED 150は、バンク層240内のバンク構造開口部242内に接合される。バンク構造開口部242は、任意選択的に反射性であってもよく、マイクロLED 150の接合後に任意選択的に充填されてもよい。バンク層240を更にパターニングして、低電圧電源線138又はカソードなどのルーティング層を露出させるための開口部244を作成することができる。次いで、マイクロLED 150の上側から低電圧電源ライン138又はカソードへの電気的接続を提供するために、上部透明又は半透明導電層を堆積させることができる。適切な材料としては、透明導電性酸化物(TCO)、導電性ポリマー、薄い透明金属層などが挙げられる。次いで、封入、偏光子などのためにさらなる処理を行ってもよい。
【0037】
図9図12は、様々な実施形態を実装することができる様々なポータブル電子システムを示す。図9は、ハウジング902内にパッケージングされたディスプレイスクリーン101を備えたディスプレイシステム100を含む例示的なモバイル電話900の図である。図10は、ハウジング1002内にパッケージングされたディスプレイスクリーン101を備えたディスプレイシステム100を含む例示的なタブレットコンピューティングデバイス1000の図である。図11は、筐体1102内にパッケージ化されたディスプレイスクリーン101を含むディスプレイシステム100を含む、例示的ウェアラブルデバイス1100を図示する。図12は、ハウジング1202内にパッケージングされたディスプレイスクリーン101を備えたディスプレイシステム100を含む例示的なラップトップコンピュータ1200の図である。
【0038】
図13は、本明細書で説明するディスプレイパネル110を含むポータブル電子デバイス1300のある実施形態のシステム図を示す。表示システム1300は、システムを管理し命令を実行するためのプロセッサ1320及びメモリ1340を含む。このメモリには、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリが含まれ、更にスタティック又はダイナミックランダムアクセスメモリ(RAM)等の揮発性メモリが含まれ得る。メモリ1340は、ファームウェア及び構成ユーティリティを記憶する、読取り専用メモリ(ROM)専用の部分を更に含むことができる。
【0039】
このシステムはまた、電力モジュール1380(例えば、可撓性電池、有線又は無線の充電回路、など)、周辺インタフェース1308、及び1つ以上の外部ポート1390(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、HDMI(登録商標)、ディスプレイポート、及び/又はその他)をもまた、含んでいる。一実施形態では、表示システム1300は、1つ以上の外部ポート1390とインタフェースするように構成された通信モジュール1312を含んでいる。例えば、通信モジュール1312は、1つ以上の送受信機を含むことができ、これらの送受信機は、IEEE(登録商標)規格、3GPP(登録商標)規格、又は他の通信規格に準拠して機能し、1つ以上の外部ポート1390を介してデータを送受信するように構成されている。通信モジュール1312は、更に、1つ以上のセルラ電話タワー又は基地局を含む広域ネットワークと通信するように構成された1つ以上のWWAN送受信機を更に含むことができ、通信モジュール1312は、ポータブル電子デバイス1300を追加のデバイス又は構成要素に通信可能に接続する。更に、通信モジュール1312は、電子機器1300をローカルエリアネットワーク及び/又はパーソナルエリアネットワーク(Bluetooth(登録商標)ネットワーク等)に接続するように構成された、1つ以上のWLAN及び/又はWPANの送受信機を含むことができる。
【0040】
表示システム1300は、更に、例えば、近接センサ、周辺光センサ、又は赤外トランシーバなどの1つ以上のセンサからの入力を管理するセンサコントローラ1370を含むことができる。一実施形態では、本システムは、音声出力用の1つ以上のスピーカ1334、及び音声を受け取るための1つ以上のマイクロフォン1332を含む音声モジュール1331を含んでいる。実施形態では、スピーカ1334及びマイクロフォン1332は、圧電要素とすることができる。電子デバイス1300は、入力/出力(I/O)コントローラ1322、ディスプレイパネル110、及び追加の入出力構成要素1318(例えば、キー、ボタン、光源、LED、カーソル制御デバイス、触覚デバイス、及びその他)を更に含む。ディスプレイパネル110及び追加のI/O構成要素1318は、ユーザインタフェース(例えば、ユーザに情報を提示すること、及び/又はユーザから入力を受け取ること、に関連付けられている表示システム1300の一部)の部分を形成すると考えることができる。
【0041】
実施形態の様々な態様を利用する際、ローカルアクティブマトリクスディスプレイを形成するために、上記の実施形態の組み合わせ又は変形が可能であることが、当業者には明らかになるであろう。実施形態について、構造上の特徴及び/又は方法論的な作業に特定の言語で説明したが、添付の特許請求の範囲は、必ずしも上述した特定の特徴又は作業に限定されないことを理解されたい。開示した特定の特徴及び行為は、むしろ、説明上有用な特許請求の範囲の実施形態として理解されたい。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】