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  • 特表-ゴルフ・フラッグのポール 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(54)【発明の名称】ゴルフ・フラッグのポール
(51)【国際特許分類】
   A63B 57/40 20150101AFI20230412BHJP
【FI】
A63B57/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022552661
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(85)【翻訳文提出日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 ES2021070095
(87)【国際公開番号】W WO2021176118
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】U202030368
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522346626
【氏名又は名称】ゴルフ グル、ソシエダ リミタダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェガ デ セオアネ キンデラン、ガブリエル
(57)【要約】
フラッグが取り付けられる第1の末端部を有する第1の上側領域を含む、ポール2を備えるゴルフ・フラッグ1であって、その使用状態で、透明部分又は区画3からなる、ポール2の第2の下側末端部がグリーンのホール4に最も近いポール2の区域と一致する、ゴルフ・フラッグ1。本発明により、パットを行う場合にフラッグを取り除く必要をなくすことによって、ゴルフにおける「スロー・プレイ効果」を低減することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッグが取り付けられる第1の末端部を有する第1の上側領域を含む、ポール(2)を備えるゴルフ・フラッグ(1)であって、その使用状態で、グリーンのホール(4)に最も近い前記ポール(2)の区域と一致する透明部分又は区画(3)からなる、前記ポール(2)の第2の下側末端部を有することを特徴とする、ゴルフ・フラッグ(1)。
【請求項2】
前記ポール(2)の前記透明部分又は区画(3)を隠す又は不透明化するための手段を備える、請求項1に記載のゴルフ・フラッグ(1)。
【請求項3】
前記透明部分又は区画(3)を隠すための前記手段が、前記透明部分又は区画(3)が完全に視認できる第1の収められた状態と、前記透明部分又は区画(3)が前記カバー(5)によって全体的に隠される第2の展開された状態との間で使用され得る収納可能なカバー(5)からなる、請求項2に記載のゴルフ・フラッグ(1)。
【請求項4】
前記透明部分又は区画(3)を不透明化するための前記手段が、前記透明部分又は区画(3)の第1の全体的に不透明に見える状態と、前記透明部分又は区画(3)の第2の全体的に透明に見える状態との間で作動させられるように構成される電子装置からなる、請求項2に記載のゴルフ・フラッグ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールが可能な限り少ない数のストロークで入れられることになるホールの位置を指示する、ゴルフ・フラッグのポールに関する。より詳細には、本発明は、前記スポーツにおけるいわゆる「スロー・プレイ問題」を改善するのを支援する、フラッグのポールに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフにおいて、15世紀頃にそれが考案されて以来、ボールが可能な限り少ない数のストロークで入れられる必要があるホールの位置を指示するために、フラッグが、その対応するポールと共に使用されてきた。全米ゴルフ協会(USGA:The United States Golf Association)及びスコットランドの街St.Andrewsに置かれたロイヤル・アンド・エンシェント(R&A:Royal & Ancient)は、ゴルフを世界的に運営する2つの組織であり、競技の規則を履行する責任を負っている。時折、両組織は、協調して、ゴルフを該当する要件に適合させるために、これらの規則の改正を提案する。
【0003】
ホール及びフラッグは、常に、R&A及びUSGA規則が単純に「パッティングのために特別に用意されるエリア」と定義する、グリーンと呼ばれるエリアにある。パッティングは、グリーンの表面の平滑さに精密に起因して、ボールを適切な精度で転がしてホールに入れるのを可能にする、「パター」と呼ばれるクラブを用いて打つ動作である。
【0004】
ゴルフ・フラッグのポールは、それが挿入され、容易にゴルフ・ホールから取り除かれ得るように設計される。この特性の理由は、歴史的に、ゴルフ・ボールがグリーン上にある場合に、フラッグが取り除かれることを規則が要求し、したがって、パッティング動作が、必ずホールにフラッグがない状態で行われたことである。反対に、ボールがグリーン上にない場合に、競技者は、フラッグを維持するか、又は取り除くかを選択することができる。すなわち、ストロークがグリーンの外側から行われた場合に、ボールが、グリーン上に転がり、所定の場所にフラッグがある状態でホールに入っても、ペナルティを科せられない。
【0005】
上記の規則は、常に、いくつかの論争を生んできた。例として、規則の理由は、所定の場所にフラッグがある状態でのパッティングが、ポールの支援なしではホールに決して入らないであろう、非常に速いパットのためのある特定の利点となったことであると理解され得る。他方で、他の見解はこの説明とは相容れず、それらは、フラッグがある状態ではそれがない状態より、ホールが視認しづらいからであると考える。
【0006】
前述の規則の独特な点は、所定の場所にフラッグがある状態で、ボールがホールに入ることが容認されなかったことは事実であるが、しかしながら、競技者によるストロークの直後にフラッグを取り除くための、フラッグを担当する誰か(キャディ又は別の競技者)が存在し、その結果、ボールが決してホールでポールに当たらず、したがって、2ストロークのペナルティを伴う、規則が破られないという条件で、競技者がパットを行ったときに所定の場所にフラッグがある状態でも、容認されたことである。通常は、競技者のボールがホールから長距離にある場合に、フラッグが取り扱われるように求めるのは、その競技者であり、そうすると、目印として作用するポールが所定の場所にない場合に、競技者は、ホールを良好に見ることができない。
【0007】
該当する試合を構成する全ての競技者(最大で4人まで)のうち、次のストロークを行うべきなのは、ホールから最も離れたゴルフ競技者であるという事実もまた、関係する。ボールがグリーンの外側にある競技者が存在し、しかしそれでも、そのボールは、ボールがグリーン上にある別の競技者のものよりホールにより近いという場合が生じ得る。したがって、この最後尾の競技者が、先にプレイするべきであり、歴史的に、その競技者は、フラッグが取り扱われるか、又は直接的に、規則に従うためにそれを取り除くように求めるかを選択することができた。グリーンの外側にいる競技者の順番であった場合に、その競技者が所定の場所にフラッグがある状態でのプレイを選択したならば、フラッグはホールに戻される必要があった。その後、全ての競技者がグリーン上にいると、フラッグは、規則に従うために、すなわち、フラッグがない状態でパットするために、もう1度取り除かれなければならなかった。
【0008】
このプレイ方法は、他の状況の中でも特に、グリーン上にあるボールのためにフラッグを取り除く義務があるため、競技者がフラッグが取り扱われるように求めることを選択でき、誰かがその後それを取り除く義務があるため、及びフラッグが、まず最初に、グリーン上にいる競技者のために取り除かれ、その後、ホールにより近い競技者がグリーンの外側に存在するので、再び設置される必要があった、前段落で説明された状況により、多大な時間を消費する。
【0009】
ゴルフは、アマチュア・レベルでは平均で約5時間、及びプロフェッショナル・レベルでは約4時半と、おそらく最も競技時間の長いスポーツである。この事実は、競技場の大きさが広大である、競技が全長5~7キロメートルに及ぶコース(18ホールの)上でプレイされる、競技が走らずに歩いてプレイされる、各種のボールの軌道をもたらすために会得された技巧を行使するために要求される集中力、他のものの中でも特に、距離及び風によるクラブの選択、ボールの経路の選択、競技者が取りたいリスクなどのストロークにおいて為される大量の判断、丈の高い草又は茂みのエリアでのボールの捜索に費やされる過大な時間、これは、最大捜索時間が厳密に制限され、最大捜索時間の規則が厳格に適用されるプロフェッショナル・レベルより、アマチュア・レベルでより多く発生する、といった競技に固有の特性の多くによって影響を受ける。最後に、競技の遅さもまた、フラッグを取り扱う、グリーンにより近いがその外側にいる競技者のためにそれを再び設置する、全ての前述の特殊な場合で、フラッグを設置する及び取り除くことに関する規則の適用に浪費される時間という、前述の問題によって影響を受ける。
【0010】
加えて、アマチュア競技会において及びプロフェッショナル競技会においての両方で、参加する競技者の数は、100人を超え、これは、プレイを始める最初の者が朝にまず第一にプレイし、最後の者が日没の直前にその競技を終えることを示唆する。すなわち、クラブでゴルフを行う日程は、全ての競技に参加している競技者の全てのラウンドが完了するまで、12時間を超えて続き得る。
【0011】
したがって、上記の結果として、スロー・プレイは、常に、主要な問題とみなされてきた(https://golfdigest.com.ar/no-momento-golf-profesional-solucione-problema-juego-lento/)。例えば、2020年1月に、ヨーロピアン・ゴルフ・サーキットの競技委員会は、スロー・プレイに対処するために、進行の遅滞により先行する競技に対してて1ホール以上遅れる、又はストロークを行うまでに過大な量の時間をかける、特に遅い競技者に経済的制裁及びストローク・ペナルティを科した(https://www.golfchannel.com/news/european-tour-gets-tougher-slow-play-display-abu-dhabi)。しかしながら、スロー・プレイを解決する全てのこれらの試みは、競技者の心理的/認知的な面(集中力又は判断など)及び生理的な面(歩く速さ)に焦点を充てることによって達成され、そのことが、競技者にとって非常に敏感であるこれらの面に焦点を当てることによる、スロー・プレイ問題を解決する試みが存在したが、それが、常に、プロフェッショナル及びアマチュア・レベルの両方で、部分的に又は全体的に失敗してきた理由であることに留意されたい。
【0012】
したがって、R&A及びUSGAによって提案され、2019年初頭に発効した新しいゴルフ規則の多くが、スロー・プレイの問題に対処することを試みているのは偶然ではない(https://golfdigest.com.ar/no-momento-golf-profesional-solucione-problema-juego-lento/)。提案された変更のうちの1つは、ボールを捜索するために認められる時間に対して影響を及ぼし、時間は5分から3分へ減らされた。これらの変更のうちの別のもので、本発明に特別に関係するものは、新規則13.2a(2)であり、新規則13.2a(2)は、ボールがグリーンから又はその外側からプレイされるのかいずれであっても、「ボールがホールに残る旗竿に当たる場合に、ペナルティは科されない。競技者がホールに旗竿が残る状態でストロークを行い、移動するボールが旗竿に当たる場合に、(i)ペナルティは科されない(規則13.2a(1)に規定される場合を除く)、ボールはそれがあるままにプレイされなければならない)。」と記述する。
【0013】
競技の競技者が誰もフラッグを取り除くことを望まなかった場合に、この改正が有する影響を確認すると、ボールがグリーン上にあり、また、その競技者のためにフラッグが再び設置される必要がある、ボールがグリーン上にない他の競技者のものよりさらに離れる、競技者のためにフラッグを取り除く必要はなく、フラッグは、それがかなりの距離を隔てることにより、ホールを良好に見ることができない者のために、必ずしも取り扱われる必要はない。要約すると、この新規則が必然的に伴い得る時間の節約が、極めて大きいことが確認され得る。
【0014】
ボールがグリーン上にある場合に、所定の場所にフラッグがある状態でのプレイが可能であることに関する新規則は、先験的に、それが、例えば、歩く速さを増加させることと同様に、それが大きな身体的要件を伴わないので、上記の他の提案と同様に生理的な面に対して、又はフラッグを取り除かないことが、集中力、判断、若しくはこの場合におけるパッティング動作の技巧の行使に対して影響を及ぼすことはないので、心理的若しくは認知的な面に対して、影響を及ぼさないと考えられたので、スロー・プレイに対する優れた解決策であるだろうと考えられた。
【0015】
しかしながら、新規則は、以下の記事で読むことができるように、競技者によっては、あまり快く受け入れられておらず(https://www.golfdigest.com/story/the-science-behind-why-the-flagstick-should-be-pulled-999-percent-of-the-time)、それは、(a)短距離のパットにおいて、それらの競技者はフラッグが視覚的に威圧感があるように見え、これが集中の妨げと感じられる、(b)それらの競技者は、短距離のパットにおいて、所定の場所にフラッグがある状態では、ホールがより小さく見えるように感じ、これに困惑させられる、(c)それらの競技者は、特に速度が増加し得る長距離の下りパットについて、フラッグがある状態では、「緩衝物」が存在するような感覚を感じる、及び(d)それらの競技者は、彼らが、彼らのパット前の手順において又はパットの実行中に働く、関連する兆候から精神的に気を逸らされると述べるように、彼らが普段慣れているものと「激しく異なる」ものが視界に入る/脳裏に浮かぶことを嫌う、ことが理由である。他の競技者は、他方で、新規則を支持し、彼らが、ストロークの前の適正な姿勢にあるときに、周辺視野内にフラッグを見ることができるので、短距離から中距離の範囲のパットについて、ホールがより優れて認識できると感じることについて語っている(https://www.golfdigest.com/story/the-science-behind-why-the-flagstick-should-be-pulled-999-percent-of-the-time)。
【0016】
要約すると、スロー・プレイの問題は、歴史的に技術的解決策が要求されてきた、ゴルフにおける深刻な課題である。概して、様々な解決策が背景技術において説明され、それらの解決策は、電源設備、配線又は多くの無線装置の実装を、必然的に、必要とする、一般的に複雑な電子工学的手段を用いて、前記問題を解決することを試みる。これらの解決策のうち、以下の特許が強調され得る:米国特許第5438319号、米国特許第8460111号、又はWO2018/192863、これらの全てが、ゴルフにおけるスロー・プレイの問題を記述する。
【0017】
他方で、広告を表示するためのスクリーンを含むゴルフ・フラッグのポール(例えば、米国特許出願第2008/127881号又はWO2007/132218を参照)が公知であり、さらに夜間の使用のために内部で発光するゴルフ・フラッグのポール(米国特許第6699137号)も公知である。しかしながら、これらのポールはいずれも、ゴルフにおけるスロー・プレイの課題の解決を可能にすることはないであろう。その反対に、それらはそれをさらに遅滞させ得る、競技中の集中の妨げを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第5438319号
【特許文献2】米国特許第8460111号
【特許文献3】WO2018/192863
【特許文献4】米国特許出願第2008/127881号
【特許文献5】WO2007/132218
【特許文献6】米国特許第6699137号
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】https://golfdigest.com.ar/no-momento-golf-profesional-solucione-problema-juego-lento/
【非特許文献2】https://www.golfchannel.com/news/european-tour-gets-tougher-slow-play-display-abu-dhabi
【非特許文献3】https://www.golfdigest.com/story/the-science-behind-why-the-flagstick-should-be-pulled-999-percent-of-the-time
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、ゴルフの競技の新規則の適用を容易にする、道具を提供することであり、新規則の意図は、それが、フラッグを取り除くことが義務付けられていた、及び競技時間が浪費された状況において、フラッグが取り除かれないことを認めることにより、「スロー・プレイ」として公知の問題を克服することである。したがって、本発明の目的は、その機能がボールの経路の選択において競技者を支援するように風向きを指示するものとしてである、フラッグそれ自体、すなわち、ポールの頂部を覆う布にではなく、前記フラッグを帯びるポールに焦点を当てる。この目的は、請求項1に記載されるポールを用いて達成される。本発明の特定の実施例は、従属請求項に記載される。
【課題を解決するための手段】
【0021】
請求項1により、ボールがグリーン上にある場合にゴルフ・フラッグが所定の場所に残ることを認める、新規則13.2a(2)の適用に好都合である、背景技術において説明された要求を解決すること、したがって、現在、疑いなく競技の最も大きな問題のうちの1つであるスロー・プレイに対処することが可能である。規則に賛成の競技者がおり、規則に反対する者もいる、規則の適用に関する見解の相違を考慮すると、困難はより大きなものとなる。新規則は、フラッグが取り除かれないことを認め、したがって、競技者がフラッグを取り除かないように促して、競技を速めようとするが、それは、フラッグが取り除かれないことを強制もしないことに留意されたい。提案される発明の目標は、ゴルフ・フラッグの設計、特にそのポールが、競技者間の論争を生むことなく、規定を満たすことを保証することである。
【0022】
競技者のボールがグリーン上にある場合に、所定の場所でのフラッグの残留が可能であることを適用しない競技者の集団にとって、背景技術に列挙された、概して、フラッグの視覚的認知(すなわち、フラッグが視覚的に威圧感がある、ホールがより小さく見える)、又は心理的理由(すなわち、フラッグが「緩衝物」のような感覚を与える)に関わりがある、理由のうちのいずれかの1つに起因する可能性が最も高い。しかしながら、本発明は、ホールに最も近いポールの末端部が透明材料からできており、そうすることで、ホールの全体がポールの前記透明部分を通して視認でき、事実上、所定の場所にフラッグがない状態でプレイしているときのものに非常に類似する感覚をもたらし、このようにして、フラッグの取り除き及び再配置が必要でないという利点を有して、スロー・プレイの問題を解決する、ポールを提案する。
【0023】
フラッグを見ることにより、短距離又は中距離の範囲のパットのために、ホールの位置がより優れて認識できるので、新規則13.2a(2)を適用し、したがって、競技者のボールがグリーン上にある場合に、もはやフラッグを取り除くことのない競技者の集団のために、本発明は、透明効果を打ち消す手段を提案する。これらの手段は、随意に展開され、収められ得るポールのための簡素な外装カバー、又は電流によって本発明の透明部分が不透明に見えるようにし得る電子装置、の2つの形態であり得る。
【0024】
明細書及び特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprises)」及びその変形は、他の技術的特徴、追加物、構成要素又はステップを除外することを意図しない。当業者には、本発明の他の目的、利点及び特徴が、本発明から部分的に、及び本発明の実践から部分的に明らかになるであろう。以下の実例及び図面は、例示として提供され、本発明を制限すること意図しない。加えて、本発明は、本明細書に指示される特定の及び好ましい実施例の全ての可能な組合せを含む。
【0025】
本発明をより良好に理解するために提供され、その非限定的な実例として例示される、前記発明の実施例に明確に関連する、一連の図面の非常に簡潔な説明が、以下に記される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】その下部(ホールに最も近い)が透明であるポールを有する、本発明によるゴルフ・フラッグの概略図であり、その用途が、ポールの下部分が透明でなくなるように、これを覆うことである、カバーもまた描写される。
図2】そのポールが下部で透明であり、この場合において、この特性を打ち消すカバーによって覆われる、本発明によるゴルフ・フラッグの概略図である。
図3】ポールを覆うカバーが上げられているので、そのポールが下部で透明である、本発明によるゴルフ・フラッグの図である。ボールがグリーン上にある場合に使用されるクラブである、パターもまた描写される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ゴルフ・フラッグは、高さが2.30メートルであり、現状では全体的に不透明である。しかしながら、図1で確認され得るように、本発明は、フラッグ1の前記ポール2の下部分3が透明であり、その結果、ホール4に最も近い部分が透明であることを主張する。指示されるように、この透明性の意図は、フラッグが取り除かれているという、したがって、競技者に撤収を求めさせ、スロー・プレイに対処するための規則13.2a(2)の目標が果たされなくする、視覚的又は心理的認知がいずれも起こらないという感覚を、競技者に生じさせることである。図1では、カバー5は、それが収められた状態であることも分かり得る。
【0028】
図2は、フラッグ1及び、カバー5が展開された状態のポール2を示し、ポール2の下部分又は区画3の透明性が打ち消されている。したがって、これを要求し得る場合において、ポール2は完全に不透明である。これが可能である本発明を提供する意図は、競技者自身が、彼らがどのようにプレイしたいのか(フラッグあり又はフラッグなし効果)を選択できることである。本発明を通して既に論じられたように、競技者が不透明のポール2でのプレイを好む理由は、いくつかある。これらの理由の中でも特に、不透明のポール2は、短距離から中距離の範囲のパットにおいて、ホールをより認識できるようにし得る。
【0029】
最後に、図3は、ポール2の透明部分3が視認できるように、カバー5が収められた状態のポール2を描写し、その結果、ポール2は、それがホール4から取り除かれているように視覚的に感じられる。ボールがグリーン上にある場合に使用されるクラブである、パター6もまた図3で描かれ、これと共に、競技者によってフラッグが意識されない状態でのパッティングという、前述の感覚が描写され得る。
【0030】
図1から図3に指示される実施例では、ポール2の下部分3の透明材料は、風によって発生する力のモーメントに耐える、並びにそれが競技の過程で受ける衝撃(すなわち、ボールが当たる)に耐えるのに適した機械的抵抗を有する、透明材料である。適した材料は、十分な強度を有するガラスであり得る。ポール2の透明部分3の製造に適した別の材料は、電子工学的に不透明化する装置である。電子工学的に不透明化する装置へ電流を加える電子回路を作動させることにより、ガラスの透明性を活性化する、又は不活性化することによって、ポール2が、距離で変化する競技者の希望及びさらに競技の遂行に応じて、全体的に不透明に、又は全体的に透明になり得る部分3を含むので、電子工学的に不透明化する装置は、それがカバー5の使用を必要としないという利点を有する。しかしながら、これは、ポール2の費用の増加、並びにポール2への追加の回路及び独立した電源の配設を伴う。
【0031】
いずれの場合においても、視覚的認知の範囲及びパッティング時の競技者の心理面において、利点がある。したがって、本発明により、短距離のパットにおいて、競技者は、フラッグが視覚的に威圧感があるように見えず、それを集中の妨げとみなさないであろう。加えて、競技者は、ホールが、主に短距離のパットにおいて、所定の場所にフラッグがある状態でより小さいと感じないであろう。競技者は、特に速度が増加し得る長距離の下りパットにおいて、フラッグが「緩衝物」として作用すると認知しないであろう。最後に、ポール2を認知しないことによって、競技者は、彼らが普段慣れているものと「非常に激しく異なる」ものを感じず、彼らのパット前の手順において又はパットの実行中に働く、関係する兆候から精神的に気を逸らされないであろう。
【0032】
要約すると、一方で、本発明は、より多くの競技者が、ボールがグリーン上にある場合にフラッグが残されることを認める、新ゴルフ規則13.2a(2)を適用するようにし、ゴルフにおけるスロー・プレイの問題を解決することに、結果的に寄与する。他方で、フラッグが見えると感じるのを好むので、この新規則を既に適用する競技者のために、本発明は、透明部分3を打ち消すための手段(すなわち、カバー5又は電子工学的に不透明化する装置)を提案し、その手段は、単純に下げると、再びその感覚を引き起こす。確認してきたように、カバー(5)は、フラッグがない状態でのパッティングのように感じるのを望まない競技者を満足させることが可能であるので、カバー(5)は本発明のための付加的有用性であるが、それは、任意選択であり、必須ではないとみなされるべきである、すなわち、透明な末端部を有するが、カバーのないフラッグもまた、本発明に含まれる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】