(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-09
(54)【発明の名称】永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造
(51)【国際特許分類】
H02K 1/14 20060101AFI20230427BHJP
【FI】
H02K1/14 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557785
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(85)【翻訳文提出日】2022-09-21
(86)【国際出願番号】 CN2021105200
(87)【国際公開番号】W WO2022057404
(87)【国際公開日】2022-03-24
(31)【優先権主張番号】202011000190.9
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522374113
【氏名又は名称】艾徳斯汽車電机無錫有限公司
【氏名又は名称原語表記】AIDES AUTOMOTIVE MOTOR WUXI CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】SUI Zuoyuan No.99,Furong Middle Third Road,Xishan Economic and Technological Development Zone,Wuxi,Jiangsu 214000,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】尤 ▲衛▼建
【テーマコード(参考)】
5H601
【Fターム(参考)】
5H601AA09
5H601CC01
5H601DD01
5H601DD11
5H601GA10
5H601GA13
5H601GD08
5H601GD22
(57)【要約】
【課題】本発明は、永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造を開示する。
【解決手段】上記の永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造は、リング方向に配列された複数の鉄心ユニットが含まれ、上記の鉄心ユニットは、外輪縁、内歯シュー、及び外輪縁と内歯シューとの間にある心柱からなり、内歯シュー、心柱、及び外輪縁は、上から下までL字型の鉄心ユニットを形成し、L字型鉄心ユニットの外輪縁には、互いに合致する位置決めスロットと位置決め突起が設けられ、複数の鉄心ユニットは、位置決めスロットと位置決め突起に介して接続され、リング方向に沿って配列されている。本発明の永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造は、予め形成された巻線コイルの組み立てに便利であり、性能の優れたフラットワイヤ垂直巻線コイル構造の組み立てを実現しやすく、マイクロ型、小型の電動機の生産製造に適しており、さらにマイクロ型、小型の電動機の高占積率に対する要件が満たされ、心柱に組み立てられた巻線コイルの均一なインダクタンスと抵抗を確保し、固定子鉄心の構造における各巻線コイルの一貫性が保証される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング方向に配列された複数の鉄心ユニットが含まれる永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造において、
前記の鉄心ユニットは、外輪縁、内歯シュー、及び外輪縁と内歯シューとの間にある心柱からなり、内歯シュー、心柱、及び外輪縁は、上から下までL字型の鉄心ユニットを形成し、L字型鉄心ユニットの外輪縁には、互いに合致する位置決めスロットと位置決め突起が設けられ、複数の鉄心ユニットは、位置決めスロットと位置決め突起に介して接続され、リング方向に沿って配列されていることを特徴とする、永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造。
【請求項2】
前記の外輪縁は、外側面が円弧状に湾曲し、複数の鉄心ユニットがリング方向に配列された鉄心構造は、外周側が同一の円面にあることを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造。
【請求項3】
前記の外輪縁は、一方の端に位置決めスロットが設けられ、他方の端に位置決め突起が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造。
【請求項4】
前記の位置決め突起は、L字型鉄心ユニットの外輪縁の外端部に設けられ、外輪縁の他方の端、すなわち、心柱に接続される一方の端に位置決めスロットが設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造。
【請求項5】
前記の内歯シューは、内側面が円弧状に湾曲し、複数の鉄心ユニットがリング方向に配列された鉄心構造は、内周側が同一の円面にあることを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造。
【請求項6】
隣接する前記の心柱の間には、巻線空洞が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動機の構造の技術分野に属し、特に永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
中国の産業分野でのインダストリー4.0の漸進的な発展に伴い、協働ロボットのジョイント電動機と高精度サーボ電動機の需要が高まっている。これらの電動機のコア素子であるフレームレス電動機の技術開発が需要に追いつかない現象が深刻化いており、高精度なフレームレス電動機、特に集積回路チップ関連の協働ロボットのジョイント電動機は、技術的なボトルネックとなっており、実質的なブレークスルーを達成することは困難である。この状況を変えるために、当業者は、高精度フレームレス電動機技術に対する研究と探求を深め続けており、先行技術にはさまざまなシリーズの高精度フレームレス電動機の製品がある。ただし、既存の高精度フレームレス電動機の製品は、一般に占積率が低く、電磁特性が低いという欠点があり、既存の高精度フレームレス電動機の製品は、通常I字型(又はT字型)の固定子コア構造を使用しており、直径が150mm以下である小型又はマイクロ型の電動機の巻線コイルの組み立てプロセスでは、比較的複雑であり、円形のエナメル線で巻かれた既存のコイルは、製造可能性が悪く、生産の効率が低く、不良品率が高く、設備に対する要件も非常に高く、I字型(又はT字型)の固定子鉄心の構造がより優れた性能を持つフラットワイヤ垂直巻線コイル構造で組み立てられる場合、歯シュー及び外輪縁が存在するため、巻線コイルを固定子の鉄心の歯シューと外輪縁との間にある心柱に組み立てるのは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、先行技術の不足について、巻線コイルの組み立てに便利である永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の技術問題を解決するために本発明が採用する技術スキームは、次の通りである。
永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造は、リング方向に配列された複数の鉄心ユニットが含まれ、上記の鉄心ユニットは、外輪縁、内歯シュー、及び外輪縁と内歯シューとの間にある心柱からなり、内歯シュー、心柱、及び外輪縁は、上から下までL字型の鉄心ユニットを形成し、L字型鉄心ユニットの外輪縁には、互いに合致する位置決めスロットと位置決め突起が設けられ、複数の鉄心ユニットは、位置決めスロットと位置決め突起に介して接続され、リング方向に沿って配列されている。
【0005】
さらに、上記の外輪縁は、外側面が円弧状に湾曲し、複数の鉄心ユニットがリング方向に配列された鉄心構造は、外周側が同一の円面にある。
【0006】
さらに、上記の外輪縁は、一方の端に位置決めスロットが設けられ、他方の端に位置決め突起が設けられている。
【0007】
さらに、上記の位置決め突起は、L字型鉄心ユニットの外輪縁の外端部に設けられ、外輪縁の他方の端、すなわち、心柱に接続される一方の端に位置決めスロットが設けられている。
さらに、上記の内歯シューは、内側面が円弧状に湾曲し、複数の鉄心ユニットがリング方向に配列された鉄心構造は、内周側が同一の円面にある。
【0008】
さらに、隣接する上記の心柱の間には、巻線空洞が形成される。
【0009】
本発明は、先行技術と比べて以下の利点を有する。
【0010】
本発明の永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造は、予め形成された巻線コイルの組み立てに便利であり、性能の優れたフラットワイヤ垂直巻線コイル構造の組み立てを実現しやすく、マイクロ型、小型の電動機の生産製造に適しており、さらにマイクロ型、小型の電動機の高占積率に対する要件が満たされ、心柱に組み立てられた巻線コイルの均一なインダクタンスと抵抗を確保し、固定子鉄心の構造における各巻線コイルの一貫性が保証される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】は、本発明における固定子鉄心の構造の断面構造模式図である。
【
図3】は、フラットワイヤ垂直巻線コイルを組み立てるための鉄心ユニットの構造図である。
【
図4】は、
図3におけるS部位の上面構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、添付の図面を参照して以下でさらに説明されるが、本発明の保護範囲は、以下の実施例に限定されない。本発明の示唆で当業者によって行われた同等の変更は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0013】
図1と
図2に示されるように、本発明の永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造は、リング方向に配列された複数の鉄心ユニット1が含まれ、上記の鉄心ユニット1は、外輪縁11、内歯シュー13、及び外輪縁11と内歯シュー13との間にある心柱12からなり、内歯シュー13、心柱12、及び外輪縁11は、上から下までL字型の鉄心ユニット1を形成し、L字型鉄心ユニット1の外輪縁11には、互いに合致する位置決めスロット14と位置決め突起15が設けられ、複数の鉄心ユニット1は、位置決めスロット14と位置決め突起15に介して接続され、リング方向に配列されており、
図1に示される本実施例における固定子鉄心の構造の寸法は、外径(断面円点から外輪縁の外周側までの長さ)が34.50mmであり、内径(断面円点から内歯シューの内周側までの長さ)が25.80mmであり、断面円点から外輪縁の内周側までの長さが32.30mmであり、他の実施例において、寸法は、
図1に示されるように等比率で変更することができ、或いは心柱12の長さを変更し、鉄心ユニット1の数を減少又は増加させて、他の寸法の固定子鉄心の構造に変換することができる。
【0014】
さらに、上記の外輪縁11は、外側面が円弧状に湾曲し、複数の鉄心ユニット1がリング方向に配列された鉄心構造は、外周側が同一の円面にある。
【0015】
さらに、上記の外輪縁11は、一方の端に位置決めスロット14が設けられ、他方の端に位置決め突起15が設けられており、隣接する鉄心ユニット1での位置決めスロット14と位置決め突起15とは、複数の鉄心ユニット1がリング方向に沿って断面が円環形である固定子鉄心の構造に配列されるように協働して係合された。
【0016】
さらに、上記の位置決め突起15は、L字型鉄心ユニット1の外輪縁11の外端部に設けられ、外輪縁11の他方の端、すなわち、心柱12に接続される一方の端に位置決めスロット14が設けられている。
【0017】
さらに、上記の内歯シュー13は、内側面が円弧状に湾曲し、複数の鉄心ユニット1がリング方向に配列された鉄心構造は、内周側が同一の円面にある。
【0018】
さらに、隣接する上記の心柱12の間には、巻線空洞3が形成され、フラットワイヤ垂直巻線コイル2構造を組み立てる場合、フラットワイヤ垂直巻線コイル2は、L字型鉄心ユニット1の外輪縁11の外端部に沿ってスリープされ、外輪縁11に沿って心柱12までフラットワイヤ垂直巻線コイル2の組み立てを完了し、フラットワイヤ垂直巻線コイル2及び組み立てられた鉄心ユニット1の構造は、
図3と
図4に示される。厚さが0.5mm以下であるフラットエナメル線を使用して、フラットワイヤ巻線コイル2が巻かれるようにガイド付きプロセスによって固定子のスロットに組み込み、各コイルのエナメル線の長さと外形寸法が一致していること、異なる巻線コイルでのフラットワイヤ巻線コイル2の出入り端21が互いに接続されていることを確保した。上記のフラットワイヤ垂直巻線コイル2は、フラットエナメル線が巻かれて得られた垂直巻線コイルであり、上記の垂直巻線コイルは、巻線コイルユニットを形成するために上記の心柱12の外部にスリープされ、複数の巻線コイルユニットは、リング方向に沿って永久磁石ローターと固定子との間に配列され、上記の永久磁石ローターの外部には、いくつかの永久磁石体が固定接続されているため、フレームレス電動機は磁石の異なる磁化方向を使用して磁石間の磁路を再構築し、シリコンフリー鋼板ローターのトルク生成という目標を達成できた。本発明の永久磁石同期フレームレス電動機のL字型固定子鉄心の構造によれば、フラットワイヤ垂直巻線コイル2などの予め形成された巻線コイル構造の組み立てに非常に便利であり、小型、マイクロ型電動機の製造に非常に適しており、電動機の槽満率を向上させることに寄与するとともに、フラットワイヤ垂直巻線コイル2などの予め形成された巻線コイル構造を組み立てることにより、永久磁石同期フレームレス電動機の巻線コイル構造の各巻線コイルを同じ長さと形状にすることができ、すなわち、心柱12に組み立てられた巻線コイルの均一なインダクタンスと抵抗を実現し、各巻線コイルの一貫性が保証される。
【符号の説明】
【0019】
1 鉄心ユニット
11 外輪縁
12 心柱
13 内歯シュー
14 位置決めスロット
15 位置決め突起
2 フラットワイヤ垂直巻線コイル
21 出入り端
3 巻線空洞
【国際調査報告】