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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】流体の収容に適したキャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/28 20060101AFI20230428BHJP
   B65D 51/16 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
B65D51/28
B65D51/16 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022554402
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 FR2021050524
(87)【国際公開番号】W WO2021191570
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】2003000
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520465954
【氏名又は名称】コラダン エスエイエス
【氏名又は名称原語表記】CORADIN SAS
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィド ブーテルー
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス ブルディエ
(72)【発明者】
【氏名】フロランス ビダマン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AB01
3E084CA01
3E084CC03
3E084CC04
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC03
3E084DC04
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084KA04
3E084KB03
3E084LD01
(57)【要約】
本発明は、フラスコ又は瓶等の容器(50)のリストリクタ(51)を封止するためのキャップ(1)であって、前記キャップ(1)は、流体を収容するのに適しており、前記キャップ(1)は、少なくとも第1の部分(10)と第2の部分(20)とを備え、前記第1の部分及び前記第2の部分(10、20)は前記流体を受け入れるためのチャンバ(15)を画定し、前記第1の部分及び前記第2の部分(10、20)は、前記チャンバ(15)内に前記流体を収容する前記キャップ(1)の第1の初期位置から、前記キャップ(1)の第2の最終位置への変位によって移動可能であり、前記キャップ(1)が前記容器(50)上に配置されるときに、前記変位によって前記キャップ(1)の前記チャンバ(15)から前記流体を流出させて、前記キャップ(1)により前記流体を前記容器(50)へ移動させるキャップ(1)であって、前記キャップ(1)は、前記容器(50)から空気を流出させるのに適した第1の位置から、前記キャップ(1)の前記第1の部分(10)及び/又は前記第2の部分(20)と共に、前記容器(50)の前記リストリクタ(51)を封止するのに適した第2の位置へ移動可能な付加部材(30)を備えることを特徴とする、キャップ(1)に関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラスコ又は瓶等の容器(50)のリストリクタ(51)を封止するためのキャップ(1)であって、
前記キャップ(1)は、流体を収容するのに適しており、
前記キャップ(1)は、少なくとも第1の部分(10)と第2の部分(20)とを備え、
前記第1の部分及び前記第2の部分(10、20)は前記流体を受け入れるためのチャンバ(15)を画定し、
前記第1の部分及び前記第2の部分(10、20)は、前記チャンバ(15+ャップ(1)の第2の最終位置への変位によって移動可能であり、前記キャップ(1)が前記容器(50)上に配置されるときに、前記変位によって前記キャップ(1)の前記チャンバ(15)から前記流体を流出させて、前記キャップ(1)により前記流体を前記容器(50)へ移動させるキャップ(1)であって、
前記キャップ(1)は、前記容器(50)から空気を流出させるのに適した第1の位置から、前記キャップ(1)の前記第1の部分(10)及び/又は前記第2の部分(20)と共に、前記容器(50)の前記リストリクタ(51)を封止するのに適した第2の位置へ移動可能な付加部材(30)を備えることを特徴とする、キャップ(1)。
【請求項2】
前記付加部材(30)は前記変位の開始時はその第1の位置にあり、前記変位の終了時はその第2の位置に位置する、請求項1に記載のキャップ(1)。
【請求項3】
前記キャップ(1)の前記第2の部分(20)には、ねじ等の固定手段が、前記キャップ(1)を前記固定手段によって前記容器(50)上に固定するために備えられており、
前記付加部材(30)は前記キャップ(1)の前記第2の部分(20)に移動可能に連結される、請求項1又は2に記載のキャップ(1)。
【請求項4】
前記付加部材(30)には、流体を収容するための前記チャンバ(15)の方に向けられ、入口開口として機能する第1の端部と、出口開口として機能し、前記キャップ(1)が前記容器(50)上に配置された時に前記流体を前記容器(50)内に注ぐのに適している、方向性をもった第2の端部とを有する導管が備えられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のキャップ(1)。
【請求項5】
前記キャップ(1)の前記第1の部分(10)は、前記変位の方向に実質的に垂直である第1の壁を備え、
前記キャップ(1)の前記第2の部分(20)は、前記変位の前記方向に実質的に垂直である第2の壁を備え、
前記チャンバ(15)は前記第1の壁及び前記第2の壁の組み合わせにより画定される、先行する請求項のいずれか一項に記載のキャップ。
【請求項6】
前記第2の壁は前記付加部材(30)を移動可能に固定するのに適した筺体を備える、請求項5に記載のキャップ(1)。
【請求項7】
前記筺体は開口又はバルブを備え、
前記開口又は前記バルブは、前記付加部材(30)がその第1の位置に位置する場合は開いており、前記付加部材(30)がその第2の位置に位置する場合は閉じている、請求項6に記載のキャップ(1)。
【請求項8】
前記第1の壁及び/又は前記第1の壁に連結された部材は、前記キャップ(1)の前記第1の部分及び前記第2の部分(10、20)の前記変位の間、前記付加部材(30)と接触するのに適しており、
前記付加部材(30)は、前記変位の間、前記第1の壁及び/又は前記第1の壁に連結された部材が前記付加部材(30)に押し付けられることによって、その第1の位置からその第2の位置へと変位する、請求項5に記載のキャップ(1)。
【請求項9】
前記キャップ(1)は前記第1の壁に連結された突起を備え、
前記突起は、前記キャップ(1)の前記第2の最終位置において、前記付加部材(30)の前記導管を封止するのに適している、請求項4及び5の全体に記載のキャップ(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の容器(50)及びキャップ(1)の組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラスコ又は瓶等の容器のリストリクタを封止するためのキャップに関する。このキャップは流体を収容するのに適しており、前記キャップは少なくとも第1の部分と第2の部分とを備え、前記第1の部分及び第2の部分は前記流体を受け入れるためのチャンバを画定する。
【背景技術】
【0002】
最新技術において、キャップ内部における利用可能な空間を使用することが知られている。前記空間には、ユーザが選択したその瞬間にキャップが上に配置された容器へ流入させることのできる流体を収容することが可能である。
【0003】
通常、容器は第1の流体を保持し、キャップは容器に収容された第1の流体とは異なる第2の流体を保持する。ユーザが容器の内容物の使用を望む場合、このユーザは第一に、キャップに収容された第2の流体を容器の中に放出することにより、前記容器内に既に存在している第1の流体と、前記第2の流体とを混合することができる。
【0004】
この種の解決策は、製品の混合物を混合した直後に使用することが重要である衛生及び化粧用の医薬品用途に特に適している。
【0005】
キャップから、前記キャップが固定された容器に移動させることが可能な流体を収容するキャップは、食料品用途でも用いられる。
【0006】
キャップに収容された流体を、前記キャップが固定された容器へ最適に移動させることができない場合もあると留意しておくほうが妥当である。実際に、流体をキャップから容器へ移動させる間、容器内部に存在する空気が外へ放出されない可能性がある。キャップの主要な機能は容器出口を封止することにあるので、空気が放出されない可能性があり、キャップと容器との間での流体の移動が最適になされない。
【0007】
上記理由のため、この欠点を改善することが可能な新規な解決策を提案する必要がある。本発明の目標は、キャップ内部に収容された流体を前記容器に移動させる間に、前記容器から、容器内部に存在する空気を放出できるようにする、上記のような種類のキャップを提供することにある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、フラスコ又は瓶等の容器のリストリクタを封止するためのキャップであって、前記キャップは、流体を収容するのに適しており、前記キャップは、少なくとも第1の部分と第2の部分とを備え、前記第1の部分及び前記第2の部分は前記流体を受け入れるためのチャンバを画定し、前記第1の部分及び前記第2の部分は、前記チャンバ内に前記流体を収容する前記キャップの第1の初期位置から、前記キャップの第2の最終位置への変位によって移動可能であり、前記キャップが前記容器上に配置されるときに、前記変位によって前記キャップの前記チャンバから前記流体を流出させて、前記キャップにより前記流体を前記容器へ移動させるキャップであって、前記キャップは、前記容器から空気を流出させるのに適した第1の位置から、前記キャップの前記第1の部分及び/又は前記第2の部分と共に、前記容器の前記リストリクタを封止するのに適した第2の位置へ移動可能な付加部材を備えることを特徴とする、キャップに関する。
【0009】
本発明の一態様によれば、前記付加部材は前記変位の開始時はその第1の位置にあり、前記変位の終了時はその第2の位置に位置する。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記キャップの前記第2の部分には、ねじ等の固定手段が、前記キャップを前記固定手段によって前記容器上に固定するために備えられており、前記付加部材は前記キャップの前記第2の部分に移動可能に連結される。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記付加部材には、流体を収容するための前記チャンバの方に向けられ、入口開口として機能する第1の端部と、出口開口として機能し、前記キャップが前記容器上に配置された時に前記流体を前記容器内に注ぐのに適している、方向性をもった第2の端部とを有する導管が備えられる。
【0012】
本発明の一態様によれば、前記キャップの前記第1の部分は、前記変位の方向に実質的に垂直である第1の壁を備え、前記キャップの前記第2の部分は、前記変位の前記方向に実質的に垂直である第2の壁を備え、前記チャンバは前記第1の壁及び前記第2の壁の組み合わせにより画定される。
【0013】
本発明の一態様によれば、前記第2の壁は前記付加部材を移動可能に固定するのに適した筺体を備える。
【0014】
本発明の一態様によれば、前記筺体は開口又はバルブを備え、前記開口又は前記バルブは、前記付加部材がその第1の位置に位置する場合は開いており、前記付加部材がその第2の位置に位置する場合は閉じている。
【0015】
本発明の一態様によれば、前記第1の壁及び/又は前記第1の壁に連結された部材は、前記キャップの前記第1の部分及び前記第2の部分の前記変位の間、前記付加部材と接触するのに適しており、前記付加部材は、前記変位の間、前記第1の壁及び/又は前記第1の壁に連結された部材が前記付加部材に押し付けられることによって、その第1の位置からその第2の位置へと変位する。
【0016】
本発明の一態様によれば、前記キャップは前記第1の壁に連結された突起を備え、前記突起は、前記キャップの前記第2の最終位置において、前記付加部材の前記導管を封止するのに適している。
【0017】
本発明の第二の態様は、容器及びキャップの組立体である。
【0018】
本発明の目標、目的、及び特徴は、図面を参照して以下の説明を読むことにより、さらに明確に理解できるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】容器の上部分に配置され、第1の初期位置にある、本発明によるキャップの断面図である。
図2】中間位置にある、図1によるキャップの断面図である。
図3】第2の最終位置にある、図1及び図2によるキャップの断面図である。
図4】本発明によるキャップの組立体の分解概略図である。
図5】前記キャップが保護部材によって封止されている第1の初期位置にある、本発明によるキャップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明によるキャップ1の断面図を示している。前記キャップ1は、(以下でさらに詳細に述べるように)流体を収容するのに適しており、前記キャップ1が固定される容器(50)に前記流体を流出させるのに適している。
【0021】
図1はキャップ1を示しており、前記キャップ1は瓶形状の容器50の端部上に固定されている。容器50には、容器50の開口内に配置され且つ前記容器50のための制流子を形成することが可能なリストリクタ51が備えられている。図1に示すように、キャップ1は、ねじによって容器50上に固定されている。
【0022】
キャップ1は、流体を収容するのに適したチャンバ15を備える。明確化のために、流体は図1には示されていない。チャンバ15は、キャップ1の第1の部分10と前記キャップ1の第2の部分20とからなる組立体によって画定される。図1において、第1の初期位置にある第1の部分10及び第2の部分20が示されており、第1の初期位置は、キャップ1が流体を収容するのに適している。図2及び図3を参照してさらに詳細に説明されるように、図1に示す位置において第1の部分10及び第2の部分20は、流体を収容することが可能な図1に示された前記第1の初期位置から、チャンバ15から前記流体を流出させることが可能な第2の最終位置へ移動可能である。
【0023】
チャンバ15に収容された流体がキャップ1の外に流出すると、この流体は容器50に導入され、容器50の開口上に固定されたリストリクタ51を介して前記容器に流入する。この流出プロセスの間、チャンバ15からキャップ1を介して容器50の内部へ最適に流体を流出させるためには、キャップ1内部に収容された流体が占める体積と同等の体積量の空気を、チャンバ15から流出させて前記流体を容器(50)へ流入させる必要がある。キャップ1から出る流体を導入する間、容器50の外へ空気を最適に流出させるために、前記キャップ1には付加部材30が備えられている。前記付加部材30は、容器50の外へ空気を流出させるため、図1に示すような第1の位置から、図3に示すような、前記付加部材30が容器50のリストリクタ51の開口を封止するのに適した第2の位置へ移動可能である。
【0024】
キャップ1の様々な構成要素を以下でさらに詳細に述べる。
【0025】
キャップ1の第1の部分10は第1部材11を備えており、第1部材11は実質的に円筒形状であり、前記キャップ1の外壁を形成する。第1部材11には壁12が固定されており、壁12は前記第1部材11に実質的に垂直である。図1に示すように、前記壁12は流体を収容するのに適したチャンバ15を画定する。前記壁12は、支持部材40の貫通部分を設けることが可能な開口13を備える。製造上の理由で用いられる支持部材40により、物質で空間16を満たす必要はなく、キャップ1内部の上部を空のままにすることができる。前記空間16は、支持部材40の周辺且つ壁11内部に位置する。さらに、このような支持部材40の存在によりチャンバ15を満たすことができる。支持部材40を取り去ると、前記チャンバ15を満たすための通路ができる。前記通路は、図1に示すような最終位置で前記支持部材が取り付けられると封止される。
【0026】
支持部材40は2つの部分を備え、支持部材40の第1の部分には、キャップ1の上部を形成する壁41が備えられている。ユーザは、壁41を用いて、例えばこのユーザの手の平でキャップ1の上部に圧力をかけることで、前記キャップ1の第1の部分10と第2の部分20との間で相対変位を生じさせる。この動きを成すためには、例えばユーザは支持体の上に容器50を配置させ、手で前記容器50へ向かって壁41を押してもよい。
【0027】
支持部材40の第2の部分には、縦方向部材42が備えられており、縦方向部材42の端部には突起43が含まれる。前記突起43は壁12から付加部材30へ延在する。
【0028】
キャップ1の第2の部分20には壁21が備えられており、この壁21は実質的に円筒形であり、且つ前記キャップ1の第1の部分10の壁11の内側に配置されるのに適している。図1に示すように壁21の下部には、第1の部分10の壁11上の肩部14と協働するのに適した肩部22が備えられており、キャップ1が第1の初期位置にあるときに、自由空間25が前記肩部22と前記肩部14との間で画定される。キャップ1の第1の部分10の壁11の内側に固定されているキャップ1の第2の部分20の壁21により、キャップ1の第1の部分10の外側に圧力がかからない場合は、部品が意図せず変位することを防ぐことができる。しかし、キャップ1の第2の部分20に対して前記第1の部分10を変位させる目的で、前記キャップ1の前記第1の部分10の外側に圧力がかかると、キャップ1の第2の部分20の壁21の外側と、前記キャップ1の第1の部分10の壁11の内側との間の固定具により、壁11及び21を互いに変位させることが可能である。
【0029】
キャップ1の第2の部分20は、前記キャップ1の前記第2の部分20の壁21に対して垂直に延在する壁23を備える。前記壁23は図1に示されるように、付加部材30を受け入れることが可能な筺体を画定する。壁23は、容器50のリストリクタ51の開口52との位置合わせに適した開口24を備える。壁23には、実質的に円筒形状であり且つねじ等の固定手段を備える部材26が備えられており、これにより、容器50の上端部にキャップ1の第2の部分20を固定することが可能となる。
【0030】
付加部材30は図1に示されるように、壁23によって画定される筺体内部に固定される。付加部材30は、図1に示す第1の位置から、図3に示す第2の位置へと、キャップ1の第2の部分20の壁23に対して変位してもよい。容器50へ向かって付加部材30にかけられる圧力の値が、定められた閾値に達すれば、この変位が可能である。図1に示すように、付加部材30は、チャンバ15に収容された流体を容器50へ放出させるのに適した導管31を備える。
【0031】
図1、2、及び3を参照し、付加部材30が備えられた前記キャップ1の第2の部分20の動きに対する、支持部材40が備えられたキャップ1の第1の部分10の動きの、作用及び相互作用を以下に述べる。
【0032】
図1を参照すると、キャップ1はまず容器50の上端部上に固定される。前記キャップ1の第2の部分20は、付加部材30の導管31が容器50のリストリクタ51の開口52内部に配置されるように、前記容器50のリストリクタ51と接触する。このように容器50上にキャップ1が固定されると、チャンバ15内に収容されている流体を前記容器50へと流出させるためにこのキャップ1を使用することができる。このキャップの使用のために、ユーザは、容器50の内部に向かって、キャップ1の第2の部分20に対してキャップ1の前記第1の部分10を変位させるために、第1の部分10の壁11の外側と、支持部材40の壁41のいずれか、もしくは同時にその両方に圧力をかける必要がある。
【0033】
図2は、図1に示された体積より小さい体積を有するチャンバ15を示しており、これは図2に示される位置で、チャンバ15に収容された流体が容器50に移動し、前記チャンバ15から付加部材30の導管31を介して放出されたことを意味する。壁23には、流体をチャンバ15から前記容器50へ移動させる間に、容器50内部に存在する空気を前記容器50の外に流出させる開口又はバルブ27が備えられていることに留意すべきである。この空気の経路により、容器50から容器50のリストリクタ51の開口52を介して空気が排出され、キャップ1の第2の部分20の壁23と付加部材30との間で、開口又はバルブ27の方へ空気を変位させる。この空気の排出により、チャンバ15から容器50の内部へと放出される流体の導入が容易となる。図2に示されるように、チャンバ15から容器50の内部への液体流出の第一の局面の間は、付加部材30は変位しない。容器50から放出される空気の経路は、付加部材30と壁23との間の間隔、及び開口又はバルブ27の存在により存続したままである。従って、これは、筺体内部の付加部材30の壁23への固定が、チャンバ15から容器50内部への流体の排出による液圧に耐えるのに適しているということを意味する。換言すると、キャップ1の第1の部分10によって前記キャップ1の第2の部分20にかかる力は、付加部材30にかかる力の閾値を超えてキャップ1の第2の部分20の壁23に位置する筺体に対して第2の部分20が変位を生じるほどは大きくない。
【0034】
図2は、キャップ1の第1の部分10が第2の部分20へと動く間に、第1の部分10の壁12と、支持部材40の縦方向部材42の端部とが、付加部材30に物理的に接触することを示している。上記の様々な部材間におけるこの接触が、図2に示されている。前記様々な部材が接触すると、キャップ1の第1の部分10が、前記キャップ1の第2の部分20へと向かう変位が継続するので、容器50のリストリクタ51へと向かう付加部材30の動きが生じる。
【0035】
図3は、キャップ1の第1の部分10と第2の部分20の最終位置、並びに付加部材30の最終位置とを概略的に示している。この最終位置において、第1の部分10と、第2の部分20と、付加部材30とからなる組立体が、容器50のリストリクタ51の開口52の最適な封止を確実にしている。付加部材30内部に位置する導管31は、流体が容器50からキャップ1へ漏出するのを防ぐために、支持部材40の縦方向部材42の突起43によって、少なくとも部分的に満たされる。
【0036】
さらに、最終位置では、壁23の開口又はバルブ27は付加部材30によって封止されることに留意すべきである。
【0037】
キャップ1の第1の部分10及び第2の部分20の存在により、上記のように支持部材40及び付加部材30と協働して、チャンバ15を適切に空にすることができる。また、前記流体の移動の間に、前記容器50に存在する空気を外部に向けて確実に排出する一方で、前記チャンバ15に収容されている流体を容器50の内部へと移動させうる。
【0038】
図4は、本発明によるキャップ1の組立体の分解概略図を示している。付加部材30は、キャップ1の第2の部分20に設けられた筺体内部に配置される。支持部材40は前記キャップ1の第1の部分10の内部に固定される。第2の部分20と付加部材30とからなる組立体は、前記キャップ1の第1の部分10の内部に固定される。既に図1、2、及び3において述べた部材に加え、図4はさらに封止部材60を示している。前記封止部材60は、最終的に容器50に固定される前の前記キャップ1の輸送及び取り扱いの間、キャップ1の第2の部分20の壁26の内側、並びに付加部材30を保護する働きをしてもよい。
【0039】
図5は、図4に示す部材10、20、30、40、及び60の組立体の概略図を示している。図5には封止部材60が示されており、封止部材60の内部には、付加部材30の導管31の内部と接触するのに適した封止片61が備えられている。封止片61を使用すると、封止部材60により付加部材30の導管31の内部が少なくとも部分的に保護される。さらに、封止片61の存在により、チャンバ15に収容された流体の、故意に起こり得る容器50外部への漏出が防止される。
【0040】
本発明によるキャップ1をともに形成する様々な部材10、20、30、40、及び60は、適した物質から作られる。その一つとして、キャップ1の第1の部分10は、ポリプロピレンから作られ得る。この物質は、PCR(ポストコンシューマーリサイクル)ポリプロピレンであってもよい。
【0041】
キャップ1の第2の部分20はポリエチレンを含んでもよい。その一つとして、前記ポリエチレンはHD(高密度)ポリエチレンであってもよい。
【0042】
付加部材30もまたポリエチレンを含んでもよい。その一つとして、前記ポリエチレンはLD(低密度)ポリエチレンであってもよい。
【0043】
封止部材60はポリプロピレンを含んでもよい。その一つとして、前記ポリプロピレンはPCR(ポストコンシューマーリサイクル)ポリプロピレンであってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】