(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-10
(54)【発明の名称】レーザ透過型センサを用いたウエハの厚さおよびギャップのその場モニタリング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20230428BHJP
H01L 21/68 20060101ALI20230428BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230428BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/68 F
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558048
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 US2021023852
(87)【国際公開番号】W WO2021195190
(87)【国際公開日】2021-09-30
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・グーン ヘン
(72)【発明者】
【氏名】ホア・スーフェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン セロウ・アンソニー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】トーレス・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】チェン・ジャック
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BA03
5F004BA04
5F004BA20
5F004BB03
5F004BB13
5F004BB14
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004BC06
5F004BD04
5F004BD05
5F004BD06
5F004CA05
5F004CB09
5F045AA08
5F045AA09
5F045DP03
5F045EF05
5F045EH07
5F045EH14
5F045EH18
5F045EJ03
5F045EK07
5F045EK22
5F045EM02
5F045EM05
5F045EM09
5F045EN04
5F045GB04
5F045GB05
5F045GB16
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131BA23
5F131CA04
5F131CA06
5F131CA07
5F131CA24
5F131KA03
5F131KA04
5F131KA12
5F131KA54
5F131KA55
5F131KA67
5F131KB12
5F131KB60
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】処理チャンバ内に配置された基板の厚さを判定するためのシステムは、基板と、基板の上方に配置された、処理チャンバのコンポーネントとの間のギャップに向けて信号を送信するように構成されたエミッタと、送信された信号の少なくとも一部を受信して、受信した一部の信号の特性に基づいて測定信号を生成するように構成されたレシーバと、測定信号を受信して、測定信号の値と、基板の厚さ、基板と処理チャンバのコンポーネントとの間のギャップの幅、および処理チャンバのパラメータを調整するための量のうちの少なくとも1つとの間の関係に基づいて、処理チャンバのパラメータを選択的に調整するように構成されたシステムコントローラとを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ内に配置された基板の厚さを判定するためのシステムであって、
前記基板と、前記基板の上方に配置された、前記処理チャンバのコンポーネントとの間のギャップに向けて信号を送信するように構成されたエミッタと、
前記送信された信号の少なくとも一部を受信して、前記受信した一部の信号の特性に基づいて測定信号を生成するように構成されたレシーバと、
前記測定信号を受信して、前記測定信号の値と、(i)前記基板の厚さ、(ii)前記基板と前記処理チャンバの前記コンポーネントとの間の前記ギャップの幅、および(iii)前記処理チャンバのパラメータを調整するための量のうちの少なくとも1つとの間の関係に基づいて、前記処理チャンバの前記パラメータを選択的に調整するように構成されたシステムコントローラと
を含む、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記送信された信号はレーザであり、前記特性は前記レーザのビーム強度である、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記エミッタおよび前記レシーバは、前記処理チャンバの対向した側壁に配置され、前記レーザのビーム強度は、前記ギャップを通過して前記レシーバにより受信される一部の前記レーザに相当する、システム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムであって、
エミッタ/レシーバの組合せは、前記エミッタと前記レシーバを含み、前記レーザのビーム強度は、前記基板および前記コンポーネントの少なくとも1つから反射されて、前記エミッタ/レシーバに向けて戻ってくる前記レーザの一部に相当する、システム。
【請求項5】
請求項2に記載のシステムであって、
前記測定信号の値は、前記ビーム強度を示す電圧値および電流値の1つを含む、システム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、
前記システムコントローラは、前記測定信号の値に基づいて、前記基板の厚さおよび前記ギャップの幅の少なくとも1つを計算するように構成される、システム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムであって、
前記システムコントローラは、前記基板の厚さおよび前記ギャップの幅の前記少なくとも1つに基づいて、前記パラメータを調整するための量を計算するように構成される、システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、
前記システムコントローラは、前記測定信号の値を、前記基板の厚さおよび前記ギャップの幅の少なくとも1つと相関させた記憶データに基づいて、前記基板の厚さおよび前記ギャップの幅の前記少なくとも1つを判定するように構成される、システム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムであって、
前記システムコントローラは、前記測定信号の値を、前記パラメータを調整するための量と相関させた記憶データに基づいて、前記パラメータを調整するための量を判定するように構成される、システム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、
前記パラメータは、堆積速度およびエッチング速度の少なくとも1つに相当し、前記システムコントローラは、前記測定信号の値に基づいて、前記堆積速度および前記エッチング速度の前記少なくとも1つを調整するように構成される、システム。
【請求項11】
処理チャンバ内に配置された基板の厚さを判定するための方法であって、
エミッタを使用して、前記基板と、前記基板の上方に配置された前記処理チャンバのコンポーネントとの間のギャップに向けて信号を送信することと、
レシーバを使用して、前記送信された信号の少なくとも一部を受信して、前記受信した一部の信号の特性に基づいて、測定信号を生成することと、
前記測定信号の値と、(i)前記基板の厚さ、(ii)前記基板と前記処理チャンバの前記コンポーネントとの間の前記ギャップの幅、および(iii)前記処理チャンバのパラメータを調整するための量のうちの少なくとも1つとの間の関係に基づいて、前記処理チャンバの前記パラメータを選択的に調整することと
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記送信された信号はレーザであり、前記特性は前記レーザのビーム強度である、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記エミッタおよび前記レシーバは、前記処理チャンバの対向した側壁に配置され、前記レーザのビーム強度は、前記ギャップを通過して前記レシーバにより受信される一部の前記レーザに相当する、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
エミッタ/レシーバの組合せは、前記エミッタと前記レシーバを含み、前記レーザのビーム強度は、前記基板および前記コンポーネントの少なくとも1つから反射されて、前記エミッタ/レシーバに向けて戻ってくる前記レーザの一部に相当する、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、
前記測定信号の値は、前記ビーム強度を示す電圧値および電流値の1つを含む、方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、
前記測定信号の値に基づいて、前記基板の厚さおよび前記ギャップの幅の少なくとも1つを計算することをさらに含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記基板の厚さおよび前記ギャップの幅の前記少なくとも1つに基づいて、前記パラメータを調整するための量を計算することをさらに含む、方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、
前記測定信号の値を、前記基板の厚さおよび前記ギャップの幅の前記少なくとも1つと相関させた記憶データに基づいて、前記基板の厚さおよび前記ギャップの幅の少なくとも1つを判定することをさらに含む、方法。
【請求項19】
請求項11に記載の方法であって、
前記測定信号の値を、前記パラメータを調整するための量と相関させた記憶データに基づいて、前記パラメータを調整するための量を判定することをさらに含む、方法。
【請求項20】
請求項11に記載の方法であって、
前記パラメータは、堆積速度およびエッチング速度の少なくとも1つに相当し、前記測定信号の値に基づいて、前記堆積速度および前記エッチング速度の前記少なくとも1つを調整することをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、2020年3月27日に出願された、米国特許仮出願第63/001,145号の利益を主張する。上記の出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理に関し、より具体的には、基板の厚さおよび処理チャンバパラメータのモニタリングに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板を処理するために用いられ得る。基板上で実施され得る例示的なプロセスとしては、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、導体エッチング、ラピッドサーマルプロセス(RTP)、イオン注入、物理気相堆積(PVD)、および/もしくは他のエッチング、堆積、または洗浄プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。基板は、基板処理システムの処理チャンバ内の台座、静電チャック(ESC)などの基板支持体の上に配置してもよい。処理の間、1つまたは複数の前駆体を含むガス混合物を、処理チャンバ内に導入してもよく、化学反応を開始するのにプラズマを使用してもよい。
【発明の概要】
【0005】
処理チャンバ内に配置された基板の厚さを判定するためのシステムは、基板と、基板の上方に配置された処理チャンバのコンポーネントとの間のギャップに向けて信号を送信するように構成されたエミッタと、送信された信号の少なくとも一部を受信して、受信した一部の信号の特性に基づいて測定信号を生成するように構成されたレシーバと、測定信号を受信して、測定信号の値と、基板の厚さ、基板と処理チャンバのコンポーネントとの間のギャップの幅、および処理チャンバのパラメータを調整するための量のうちの少なくとも1つとの間の関係に基づいて、処理チャンバのパラメータを選択的に調整するように構成されたシステムコントローラとを含む。
【0006】
他の特徴では、送信された信号はレーザであり、その特性はレーザのビーム強度である。エミッタおよびレシーバは、処理チャンバの対向した側壁に配置され、レーザのビーム強度は、ギャップを通過してレシーバにより受信される一部のレーザに相当する。エミッタ/レシーバの組合せは、エミッタおよびレシーバを含み、レーザのビーム強度は、基板およびコンポーネントの少なくとも1つから反射され、エミッタ/レシーバに向けて戻ってくるレーザの一部に相当する。測定信号の値は、ビーム強度を示す電圧値および電流値の1つを含む。
【0007】
他の特徴では、システムコントローラは、測定信号の値に基づいて、基板の厚さおよびギャップの幅の少なくとも1つを計算するように構成される。システムコントローラは、基板の厚さおよびギャップの幅の少なくとも1つに基づいて、パラメータを調整するための量を計算するように構成される。システムコントローラは、測定信号の値を、基板の厚さおよびギャップの幅の少なくとも1つと相関させた記憶データに基づいて、基板の厚さおよびギャップの幅の少なくとも1つを判定するように構成される。
【0008】
他の特徴では、システムコントローラは、測定信号の値を、パラメータを調整するための量と相関させた記憶データに基づいて、パラメータを調整するための量を判定するように構成される。パラメータは、堆積速度およびエッチング速度の少なくとも1つに相当し、システムコントローラは、測定信号の値に基づいて、堆積速度およびエッチング速度の少なくとも1つを調整するように構成される。
【0009】
処理チャンバ内に配置された基板の厚さを判定するための方法は、エミッタを使用して、基板と、基板の上方に配置された処理チャンバのコンポーネントとの間のギャップに向けて信号を送信することと、レシーバを使用して、送信された信号の少なくとも一部を受信して、受信した一部の信号の特性に基づいて、測定信号を生成することと、測定信号の値と、基板の厚さ、基板と処理チャンバのコンポーネントとの間のギャップの幅、および処理チャンバのパラメータを調整するための量のうちの少なくとも1つとの間の関係に基づいて、処理チャンバのパラメータを選択的に調整することを含む。
【0010】
他の特徴では、送信された信号はレーザであり、その特性はレーザのビーム強度である。エミッタおよびレシーバは、処理チャンバの対向した側壁に配置され、レーザのビーム強度は、ギャップを通過してレシーバにより受信される一部のレーザに相当する。エミッタ/レシーバの組合せは、エミッタとレシーバを含み、レーザのビーム強度は、基板およびコンポーネントの少なくとも1つから反射されて、エミッタ/レシーバに向けて戻ってくるレーザの一部に相当する。測定信号の値は、ビーム強度を示す電圧値および電流値の1つを含む。
【0011】
他の特徴では、その方法は、測定信号の値に基づいて、基板の厚さおよびギャップの幅の少なくとも1つを計算することをさらに含む。その方法は、基板の厚さおよびギャップの幅の少なくとも1つに基づいて、パラメータを調整するための量を計算することをさらに含む。その方法は、測定信号の値を、基板の厚さおよびギャップの幅の少なくとも1つと相関させた記憶データに基づいて、基板の厚さおよびギャップの幅の少なくとも1つを判定することをさらに含む。
【0012】
他の特徴では、その方法は、測定信号の値を、パラメータを調整するための量と相関させた記憶データに基づいて、パラメータを調整するための量を判定することをさらに含む。パラメータは、堆積速度およびエッチング速度の少なくとも1つに相当し、測定信号の値に基づいて、堆積速度およびエッチング速度の少なくとも1つを調整することをさらに含む。
【0013】
本開示が適用可能なさらなる分野は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示は、詳細な説明および添付の図面から、より完全に理解されえるだろう。
【0015】
【
図1】
図1は、本開示に係る、基板支持体を含む例示的な基板処理システムの機能ブロック図である。
【0016】
【
図2】
図2は、本開示に係る、基板の厚さを測定するために配置されたエミッタおよびレシーバを含む例示的な処理チャンバを示す図である。
【0017】
【
図3】
図3は、本開示に係る、様々な実効ギャップの例示的な堆積速度を示すグラフである。
【0018】
【
図4】
図4は、本開示に係る、基板の厚さを測定するために配置されたエミッタ/レシーバを含む別の例示的な処理チャンバを示す図である。
【0019】
【
図5】
図5は、本開示に係る、基板の厚さを判定するための例示的な方法500のステップを示す図である。
【0020】
図面の中で、同様および/または同一の要素を識別するために、参照番号を再利用する場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
接合ウエハ、3Dスタッキング、3D NANDメモリなどの技術によって、基板処理の複雑さが増すにつれて、基板の厚さのばらつき(すなわち、基板間のばらつき)もまた増している。いくつかのプロセスは、基板の厚さ、および基板処理チャンバ内における基板と基板の上方に配置されたガス分配装置(例えば、シャワーヘッド)との間の実効ギャップに対する高感度性を有する。したがって、基板の厚さにおけるばらつきは、プロセス不均一性を生じさせ、プロセス挙動および結果の両方を変化させる場合がある。さらに、処理チャンバのコンポーネント(例えば、ガス分配装置、基板支持体など)は、実効ギャップにばらつきを生じさせる、関連した製造公差を有する場合もある。
【0022】
本開示に係るシステムおよび方法は、レーザもしくは他の信号およびセンサを実装して、基板の厚さならびに/または基板とガス分配装置の間の実効ギャップを測定する。例えば、レーザの1つまたは複数の特性(例えば、ビーム強度)は、ギャップおよび/または基板の厚さに比例してもよい。それにより、プロセスパラメータを、基板の厚さまたは実効ギャップのいかなるばらつきも補償するように調整してもよい。
【0023】
図1は、基板処理システム100のコンポーネントを囲み、RFプラズマを含む処理チャンバ102を含む、基板処理システム100を示す。処理チャンバ102は、上部電極104、および静電チャック(ESC)であってもよい基板支持体106を含む。動作中、基板108は基板支持体106上に配置される。特定の基板処理システム100および処理チャンバ102が一例として図示されるが、本開示の原理は、その場でプラズマを生成する基板処理システム、リモートプラズマ生成および供給を実装する基板処理システム(例えば、プラズマ管、マイクロ波管を使用して)などの他のタイプの基板処理システムおよびチャンバにも適用可能である。
【0024】
単なる例示として、上部電極104は、プロセスガスを導入し、分配するシャワーヘッド109などのガス分配装置を含んでもよい。シャワーヘッド109は、一方の端部が処理チャンバ102の上面に接続されているステム部分を含んでもよい。ベース部分は全体的に円筒状であり、処理チャンバ102の上面から離れた位置で、ステム部分の反対側の端部から、半径方向外側に延びている。シャワーヘッド109のベース部分の基板対向表面またはフェースプレートは、プロセスガスまたはパージガスが中を通って流れる孔部を有する。あるいは、上部電極104は導電板を有してもよく、プロセスガスを別の様式で導入してもよい。
【0025】
基板支持体106は、下部電極として機能する導電性ベースプレート110を含む。ベースプレート110は、セラミックで形成されていてもよい天板112を支持する。いくつかの例では、天板112は、セラミックマルチゾーン加熱プレートなどの1つまたは複数の加熱層を含んでもよい。1つまたは複数の加熱層は、以下にさらに詳細に記載するように、導電性トレースなどの1つまたは複数の加熱要素を含んでもよく、
【0026】
接着層114が天板112とベースプレート110の間に配置され、天板112とベースプレート110を接着する。ベースプレート110は、ベースプレート110を通して冷却剤を流すための1つまたは複数の冷却剤チャネル116を含んでもよい。いくつかの例では、基板支持体106は、基板108の外周の周りを囲むように配置されたエッジリング118を含んでもよい。
【0027】
RF生成システム120はRF電圧を生成して、上部電極104および下部電極(例えば、基板支持体106のベースプレート110)の一方に、RF電圧を出力する。上部電極104およびベースプレート110の他の一方は、デジタルグランド、アナロググランド、またはフローティングとされている。単なる例示として、RF生成システム120は、RF電圧を生成するRF電圧生成器122を含んでもよく、生成されたRF電圧は、整合および分配ネットワーク124により、ベースプレート110に供給される。他の例では、RF電圧は、上部電極104に供給される。他の例では、プラズマを誘導方式またはリモート方式で生成してもよい。例示の目的で、RF生成システム120は容量結合プラズマ(CCP)に対応するものとして示されているが、本開示の原理は、単なる例示として、トランス結合プラズマ(TCP)システム、CCPカソードシステム、リモートマイクロ波プラズマ生成および供給システムなどの他の適切なシステムでも実装され得る。
【0028】
ガス供給システム130は、1つまたは複数のガス源132-1、132-2、・・・および132-N(まとめてガス源132と呼ぶ)を含み、Nは0より大きい整数である。ガス源は、1つまたは複数のガス混合物を供給する。ガス源は、パージガスも供給してもよい。気化した前駆体も使用してよい。ガス源132は、弁134-1、134-2、・・・および134-N(まとめて弁134と呼ぶ)ならびにマスフローコントローラ136-1、136-2、・・・および136-N(まとめてマスフローコントローラ136と呼ぶ)により、マニホールド140に接続される。マニホールド140からの出力は、処理チャンバ102に送られる。単なる例示として、マニホールド140からの出力は、シャワーヘッド109に送られる。
【0029】
温度コントローラ142を、天板112内に配置された熱制御要素(TCE)144などの加熱要素に接続してもよい。例えば、加熱要素としては、マルチゾーン加熱プレートのそれぞれのゾーンに対応するマクロ加熱要素、および/またはマルチゾーン加熱プレートの複数のゾーン全体にわたって配置されるミクロ加熱要素の配列が挙げられるが、これらに限定されない。温度コントローラ142を使用して加熱要素を制御し、基板支持体106および基板108の温度を制御してもよい。
【0030】
温度コントローラ142は、チャネル116を通る冷却剤の流れを制御するために冷却剤アセンブリ146と通信してもよい。例えば、冷却剤アセンブリ146は、冷却剤ポンプおよびリザーバを含んでもよい。温度コントローラ142は冷却剤アセンブリ146を操作して、チャネル116を通して冷却剤を選択的に流し、基板支持体106を冷却してもよい。
【0031】
弁150およびポンプ152を使用して、処理チャンバ102から反応物質を排出してもよい。システムコントローラ160を使用して、基板処理システム100のコンポーネントを制御してもよい。システムコントローラ160は、揮発性メモリ、不揮発性メモリもしくはそれらの組合せを含み得るメモリ162を含んでもよく、かつ/またはメモリ162と通信してもよい。1つまたは複数のロボット170を使用して、基板を基板支持体106の上に送ってもよく、また基板支持体106から基板を除去してもよい。例えば、ロボット170は、機器フロントエンドモジュール(EFEM)171とロードロック172の間、ロードロックと真空搬送モジュール(VTM)173の間、VTM173と基板支持体106の間などで、基板を搬送してもよい。別個のコントローラとして図示されているが、温度コントローラ142はシステムコントローラ160内に実装されてもよい。いくつかの例では、天板112およびベースプレート110の間の接着層114の周囲に、保護シール176を設けてもよい。
【0032】
本開示に係る処理チャンバ102は、レーザなどの光信号を、処理チャンバ102内を通過し、および基板108とシャワーヘッド109の間の実効ギャップを通過して送信するために配置されたエミッタ180を含む。光信号を受信するためのレシーバ(例えば、センサ)182が、エミッタ180と反対側の処理チャンバ102の側部に配置される。以下により詳細に説明するように、実効ギャップの幅、および同様に基板の厚さを、レシーバ182が測定した光信号の特性に基づいて、計算できる。
【0033】
図2は、本開示に係る、エミッタ204およびレシーバ208を含む例示的な処理チャンバ200を示す。例えば、エミッタ204およびレシーバ208は、処理チャンバ200の対向した側壁に配置される。基板212を、シャワーヘッド220(図示されるように)、中央絶縁体などのコンポーネントの下方に基板支持体216上に配置する。例えば、基板支持体216はベースプレート224および上部プレートまたは層(例えば、セラミック層)228を含み、基板212を上部プレート228上に配置する。実効ギャップT
G(例えば、ギャップの幅)を、シャワーヘッド220の下部表面と基板212との間で画定する。
【0034】
この例では、エミッタ204は、基板212とシャワーヘッド220との間の実効ギャップを通過し、レシーバ208に向かって、信号(例えば、レーザまたは他の適切な光信号)232を送信するように構成される。例えば、エミッタ204は、システムコントローラ236により生成された制御信号に応じて、光信号232を送信するように構成される。いくつかの例では、光信号232は、処理チャンバ200内にプラズマが存在している間に送信される。
【0035】
レシーバ208は、光信号232を感知/受信し、システムコントローラ236に、光信号232の特性を示す信号を供給する。例えば、システムコントローラ236に供給される信号は、レシーバ208により測定された光信号232のビーム強度を示してもよい。システムコントローラ236は、測定された光信号232の特性に基づいて、基板212の厚さおよび/または実効ギャップの幅を計算するように構成される。一例としてビーム強度を挙げたが、適したセンサによって測定され得る光信号232の他の特性には、これらに限定されないが、ビームエネルギー、ビーム幅なども挙げられる。
【0036】
単なる例示として、光信号232のビーム強度は、実効ギャップを通過することが許可されている光信号232の厚さに依存し得る。換言すると、基板212がより厚い場合、またはさもなければ実効ギャップ減少する場合(例えば、シャワーヘッド220、ベースプレート224、上部プレート228などの製造公差、コンポーネントの経時的収縮および膨張、コンポーネントの摩耗などのため)、より少ない光信号232のみが、ギャップを通過してレシーバ208に向かうことができる。逆に、基板212がより薄い、またはさもなければ実効ギャップが増加する場合、より多くの光信号232がギャップを通過できる。したがって、レーザ強度IはギャップTGと比例関係を有し、基板の厚さに関しては反比例の関係を有する。
【0037】
レシーバ208からシステムコントローラ236に送信される信号は、測定されるレーザ強度に比例する。例えば、レシーバ208は、レーザ強度を示す電圧を有する測定信号を生成するよう構成されてもよい。システムコントローラ236は、測定されたレーザ強度に基づいて、実効ギャップおよび/または基板の厚さを計算するように構成される。いくつかの例では、システムコントローラ236は、レーザ強度を既知のギャップおよび/または基板の厚さに相関させたルックアップテーブル内に記憶された較正データなどのデータを、メモリ(例えば、メモリ162)内に記憶してもよい。データは、最初の較正されたギャップ値、および製造や整備の間に測定された、対応するレーザ強度を含んでもよい。較正データは、基板(例えば、公知の公称または予測された厚さを有する基板)が存在する場合と存在しない場合の、公称の(例えば、理想の)ギャップのレーザ強度の測定値を含んでもよい。
【0038】
システムコントローラ236は、プロセスパラメータ(すなわち、実効ギャップと理想のギャップの間の差異を補償するための)、および/またはいくつかの例では、計算されたギャップに基づいて、処理チャンバ200のコンポーネントの位置を調整するように構成される。例えば、堆積速度は、ギャップおよび基板の厚さに対応してもよい。より具体的には、堆積速度は基板のいくつかの部分(例えば、基板の半径により示されるように)において、ギャップの減少とともに減少し、ギャップの増加とともに増加してもよい。換言すると、堆積速度はギャップ幅に比例してもよく、基板の厚さに反比例してもよい。単なる例示として、第1の基板の厚さおよび対応する第1のギャップに対する堆積速度は、第2の基板の厚さおよび対応する第2のギャップに対する堆積速度より小さくてもよく、第1の基板の厚さは第1の基板の厚さよりも大きく、第1のギャップは第2のギャップよりも小さい。堆積速度に関して記載してきたが、本開示の原理は、エッチング速度に対しても適用可能である。
【0039】
図3は、本開示に係る、様々な実効ギャップにおける基板の半径(例えば、150mmの半径を有する基板の外縁部において)に対する正規化された堆積速度を示す。例えば、堆積速度300は第1の実効ギャップ(例えば、0.6mm)に対応し、堆積速度304は第2の実効ギャップ(0.35mm)に対応し、堆積速度308は第3の実効ギャップ(0.15mm)に対応する。単なる例示として、図示されるように、実効ギャップが減少すると、堆積速度が、より大きな半径において増加し始めるが、全体の量を増加させ、堆積速度が増加する。換言すると、第1の実効ギャップの堆積速度300は、第3の実効ギャップの堆積速度308よりも小さい半径で増加し始めるが、基板の縁部により近い堆積速度308は、堆積速度300より大きい。このように、基板の縁部における堆積速度は、実効ギャップにより調整され得る(例えば、可能な実効ギャップおよび/または基板の厚さの範囲により規定される、利用可能な調整範囲にしたがって)。
【0040】
したがって、システムコントローラ236がプロセスパラメータ(例えば、プロセスガスの流量、プラズマRF電力など)を調整し、計算されたギャップ/基板の厚さに基づいて、選択的に堆積速度を増加および減少してもよい。例えば、システムコントローラ236は、
堆積速度および/または所望のプロセスパラメータを、レシーバにより送信された測定信号の値(例えば、電圧)に直接相関させたデータを記憶してもよい。データは、堆積速度を、測定信号の値ならびに対応する基板の厚さおよび/またはギャップに索引付けした表を含んでもよい。
【0041】
いくつかの例では、シャワーヘッド220および/または基板支持体216の高さは、関連するアクチュエータを用いて調整可能である。例えば、アクチュエータ240を制御して、基板支持体216を上昇および下降でき、一方でアクチュエータ244を用いてシャワーヘッド220を上昇および下降できる。これらの例では、プロセスパラメータの調整の代わりに、および/またはプロセスパラメータの調整に加えて、システムコントローラ236は、選択的にシャワーヘッド220および/または基板支持体216を上昇および下降させて、ギャップの幅を調整し得る。
【0042】
図4は、本開示に係る、別の例示的な処理チャンバ400を示す。この例では、処理チャンバ400は、エミッタ/レシーバの組合せ404を含む。基板412を、シャワーヘッド420の下方の基板支持体416上に配置する。実効ギャップT
Gは、シャワーヘッド420の下部表面と基板412との間で画定される。
【0043】
この例では、エミッタ/レシーバ404は、レーザまたは他の光信号432などの信号を、基板412とシャワーヘッド420との間の実効ギャップに向けて送信するように構成される。例えば、エミッタ/レシーバ404は、システムコントローラ436により生成された制御信号に応じて、光信号432を送信するよう構成する。
図2に示した例とは対照的に、エミッタ/レシーバ404は、シャワーヘッド420および基板412から反射された光信号432の一部を受信して、反射された光信号432の特性を示す信号を、システムコントローラ436に供給する。例えば、システムコントローラ436に供給される信号は、反射されてエミッタ/レシーバ404により受信された光信号432の一部のビーム強度を示してもよい。システムコントローラ436は、測定された光信号432の特性に基づいて、基板412の厚さ、および/または実効ギャップの幅を計算するように構成される。
【0044】
単なる例示として、光信号232のビーム強度は、反射されて実効ギャップを通過しない光信号432の量に依存する。換言すると、基板412がより厚い、またはさもなければ実効ギャップが減少する場合(例えば、シャワーヘッド420、基板支持体416などの製造公差、コンポーネントの経時的収縮および膨張、コンポーネントの摩耗などのため)、より少ない光信号432のみが、ギャップを通過でき、より多くの光信号432が、エミッタ/レシーバ404に向けて反射して戻ってくる。逆に、基板412がより薄い、またはさもなければ実効ギャップが増加する場合、より多くの光信号432がギャップを通過でき、より少ない光信号432が、エミッタ/レシーバ404に向けて反射して戻ってくる。
【0045】
したがって、この例では、レーザ強度IはギャップT
Gと反比例の関係を有し、基板の厚さTsに関しては比例関係を有する。システムコントローラ436は、
図2において説明したのと同様に、測定されたレーザ強度に基づいて、実効ギャップおよび/または基板の厚さを計算するように構成される。
【0046】
基板の厚さと実効ギャップに関して説明してきたが、エミッタ204およびレシーバ208、ならびに/またはエミッタ/レシーバ404を使用して、処理チャンバの他の特性を判定および調整してもよい。例えば、光信号232/432の特性は、シャワーヘッド、上部電極、もしくは基板支持体の上方に配置される他のコンポーネント、基板支持体の上部プレート、エッジリングなどを含むが、これらに限定されない他の機械コンポーネントの寸法も示してよい。コンポーネントの厚さは、コンポーネントの収縮および膨張、摩耗、機械加工公差などにより、変化し得る。光信号232/432は、コンポーネントの配置(例えば、エッジリングまたは他のコンポーネントの配置、可動式エッジリングの高さなど)も示してよい。さらに他の例では、光信号232/432を使用して、基板の配置を決定してもよい。例えば、光信号232/432の測定された特性は、基板が所望の中心位置にあるかどうかに基づいて、変化してもよい。
【0047】
ここで
図5を参照すると、本開示に係る、基板の厚さ(および/または実効ギャップ)を判定し、それにより処理パラメータを調整するための、504で始まる例示的な方法500。508で、方法500(例えば、エミッタ204、エミッタ/レシーバ404など)は、レーザまたは他の光信号などの信号を、基板と、基板の上方に配置されたコンポーネントとの間のギャップに向けて送信する。512で、方法500(例えば、レシーバ208、エミッタ/レシーバ404など)は、レシーバ208に向かってギャップを通過するか、またはエミッタ/レシーバ404に向けて反射して戻ってくる、受信した送信信号の特性を示す測定信号を生成する。例えば、特性は、ビームまたはレーザ強度Iを含み、測定信号は、レーザ強度にしたがって増加もしくは減少する電圧または他の値(例えば、電流)に相当する。
【0048】
516で、方法500(例えば、システムコントローラ236)は、送信された信号の特性を示す測定信号を受信する。例えば、測定信号は、レーザ強度を示してもよい。520で、方法500(例えば、システムコントローラ236)は、測定信号に基づいて、基板の厚さ、チャンバコンポーネントの寸法、および/もしくは実効ギャップなどの、基板またはプロセスチャンバの特性を判定する。例えば、方法500は、電圧またはレシーバ208が生成した信号の他の値を、基板の厚さおよび/または実効ギャップと直接相関させた記憶データに基づいて基板の厚さを判定してもよい。
【0049】
524で、方法500(例えば、システムコントローラ236)は、判定された特性(例えば、判定された基板の厚さ)に基づいて、1つまたは複数のプロセスおよび/または処理チャンバパラメータを調整する。例えば、方法500は、堆積と関連するプロセスパラメータを調整して、判定された基板の厚さに基づいて、堆積速度を増加または減少してもよい。いくつかの例では、方法500は、電圧もしくは他の値をプロセスパラメータの調整に直接相関させた記憶データに基づいて、プロセスパラメータを調整してもよい。
【0050】
528で、方法500(例えば、システムコントローラ236)は、処理工程(例えば堆積工程)が完了したかどうかを判定する。もしtrueなら、方法500は532で終了する。もしfalseなら、方法500は508に続く。
【0051】
前述の説明は、本質的に単に例示的であり、本開示、その適用、または使用を限定する意図は全くない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施可能である。したがって、本開示は具体的な例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更態様が明白となるので、本開示の真の範囲は、そのような例に限定されるべきでない。方法における1つまたは複数のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行してもよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上記に説明されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して説明したこれらの特徴のいずれか1つまたは複数を、他の実施形態において実施すること、および/または、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることが(たとえそのような組合せが明示的に説明されていなくても)可能である。換言すれば、説明された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態を互いに入れ替えることは本開示の範囲に含まれる。
【0052】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接した」、「隣に」、「上に」、「上方に」、「下方に」、および「配置された」などの様々な用語を使用して説明される。また、上記開示において、第1の要素と第2の要素との間の関係が説明されるとき、「直接」であると明示的に説明されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係の可能性がある。ただし、第1の要素と第2の要素との間に1つまたは複数の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係の可能性もある。本明細書で使用する場合、A、B、およびCの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを使用した論理(AまたはBまたはC)の意味で解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」の意味で解釈されるべきではない。
【0053】
いくつかの実装態様では、コントローラは、上述した実施例の一部であってよいシステムの一部である。このようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理コンポーネント(ウエハ台座、ガスフローシステムなど)を含む、半導体処理装置を備え得る。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の作業を制御するための電子機器に組み込まれてよい。この電子機器は「コントローラ」と呼ばれてもよく、1つまたは複数のシステムの様々なコンポーネントまたは副部品を制御してよい。このコントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および作業設定、特定のシステムと接続しているかまたはインターフェースしているツールおよび他の搬送ツールならびに/またはロードロックに対するウエハの搬出入を含む、本明細書に開示されるプロセスのいずれをも制御するようにプログラムされてよい。
【0054】
大まかに言えば、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄作業を有効にし、エンドポイント測定を有効にするような様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、特定用途向け集積回路(ASICs)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、またはプログラム命令を実行するマイクロコントローラ(例えば、ソフトウェア)を含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実施するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つもしくは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはウエハダイの製作中に、1つまたは複数の処理ステップを実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0055】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合されるか、システムと結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組合せであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作作業の現在の進捗状況を監視し、過去の製作作業の履歴を検討し、複数の製作作業から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供できる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の操作中に実施される処理ステップの各々のためのパラメータを特定する。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され、本明細書に記載のプロセスおよび制御などの共通の目的に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、遠隔地(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)に配置され、チャンバ上のプロセスを制御するように結合する1つまたは複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路が挙げられるであろう。
【0056】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含み得るが、これらに限定されない。
【0057】
上述したように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツールコンポーネント、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/またはロードポートとの間でウエハ容器を搬出入する材料搬送に使用されるツールのうちの1つ以上と通信してもよい。
【国際調査報告】