(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(54)【発明の名称】アレイ基板及びその製造方法、タッチ表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230501BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/041 412
G06F3/044 126
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568954
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(85)【翻訳文提出日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 CN2021074896
(87)【国際公開番号】W WO2021196871
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】202010242031.3
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】512116114
【氏名又は名称】北京京▲東▼方▲顯▼示技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE DISPLAY TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.118 Jinghaiyilu,BDA,Beijing 100176,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ 秋杰
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 重▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】廖 燕平
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 志▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】李 承▲ミン▼
(57)【要約】
本発明は、アレイ基板及びその製造方法、並びにタッチ表示装置を提供する。当該アレイ基板は、複数の第1信号線と、第1信号線と交差する複数の第2信号線と、第2信号線の延在方向に沿って延在する複数のタッチ信号線と、少なくとも一部のタッチ信号線に電気的に接続された複数のタッチセンシングブロックとを含む。各タッチセンシングブロックは、互いに電気的に接続されかつ互いに間隔をあけて配置されたタッチ電極を含み、タッチ信号線は、複数のタッチ信号線群に分けられ、各タッチ信号線群には隣接するタッチ信号線が含まれ、同じタッチ信号線群に含まれる隣接するタッチ信号線は、それぞれ同じ第2信号線の両側に位置し、当該隣接するタッチ信号線及び当該同じ第2信号線の両方は、隣接するタッチ電極の間に位置する部分を含み、当該隣接するタッチ信号線の所在する層は、当該同じ第2信号線の所在する層とは異なる。当該アレイ基板への負荷が小さい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板であって、
ベース基板と、
前記ベース基板に位置する複数の第1信号線と、
前記ベース基板に位置する複数の第2信号線であって、前記ベース基板への正射影が前記複数の第1信号線の前記ベース基板への正射影と交差する複数の第2信号線と、
前記ベース基板に位置しかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチセンシングブロックであって、それぞれが互いに電気的に接続されかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチ電極を含む複数のタッチセンシングブロックと、
前記ベース基板に位置する複数のタッチ信号線であって、少なくとも一部がそれぞれ前記複数のタッチセンシングブロックに電気的に接続される複数のタッチ信号線とを含み、
前記複数のタッチ信号線は、前記複数の第2信号線の延在方向に沿って延在し、前記複数のタッチ信号線は、複数のタッチ信号線群に分けられ、各タッチ信号線群には隣接するタッチ信号線が含まれ、同じタッチ信号線群に含まれる前記隣接するタッチ信号線の前記ベース基板への正射影は、それぞれ同じ第2信号線の前記ベース基板への正射影の両側に位置し、前記隣接するタッチ信号線の正射影及び前記同じ第2信号線の正射影の両方は、隣接するタッチ電極の前記ベース基板への正射影の間に位置する部分を含み、前記隣接するタッチ信号線の所在する層は、前記同じ第2信号線の所在する層とは異なる、アレイ基板。
【請求項2】
各タッチ信号線は、複数の本体部と、複数の屈曲部とを含み、前記複数の本体部と前記複数の屈曲部とは、交互に設けられ、
各本体部の前記ベース基板への正射影は、前記隣接するタッチ電極の前記ベース基板への正射影の間のエリアに位置する、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記ベース基板に位置する複数のスイッチング素子をさらに含み、各スイッチング素子は、1つの屈曲部と前記同じ第2信号線との間のエリアに位置する、請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記複数の第1信号線には、複数の中空部が設けられ、且つ、
少なくとも一部の中空部の前記ベース基板への正射影は、それぞれ前記屈曲部の前記ベース基板への正射影と重なっている、請求項2又は3に記載のアレイ基板。
【請求項5】
各タッチセンシングブロックは、順次配列された複数のタッチ電極群を含み、各タッチ電極群には間隔をあけて配置された複数のタッチ電極及び前記複数のタッチ電極に電気的に接続された第1延在部が含まれ、
各タッチセンシングブロックは、複数の第2延在部をさらに含み、各第2延在部は、隣接するタッチ電極群の間に位置しかつ前記隣接するタッチ電極群に電気的に接続されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記第2信号線の延在方向に隣接するタッチセンシングブロックの間には1つの第1信号線及び第3延在部が設けられ、前記第3延在部は、前記隣接するタッチセンシングブロックのうちの一方に電気的に接続されかつ他方から絶縁され、前記第3延在部の前記ベース基板への正射影は、前記隣接するタッチセンシングブロックの間に位置する前記1つの第1信号線の前記ベース基板への正射影と交差している、請求項5に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記第2延在部及び前記第3延在部は、同じ層に位置し、前記第2延在部及び前記第3延在部の両方は、前記第2信号線の延在方向に沿って延在する、請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記複数の第1信号線には複数の中空部が設けられ、かつ、前記第2延在部及び前記第3延在部の前記ベース基板への正射影は、それぞれ一部の中空部の前記ベース基板への正射影と重なっている、請求項6又は7に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記アレイ基板は、共通電極層と、画素電極層とを含み、前記共通電極層は、前記ベース基板に直交する方向において前記ベース基板と前記画素電極層との間に位置し、前記共通電極層は、前記複数のタッチセンシングブロックにおけるタッチ電極を含み、
前記画素電極層は、第1部分と、第2部分と、第3部分とを含み、前記第2延在部は、前記第1部分及び前記第2部分を介して前記隣接するタッチ電極群に電気的に接続され、前記第3延在部は、前記第3部分を介して前記隣接するタッチセンシングブロックのうちの前記一方に電気的に接続される、請求項6~8のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記画素電極層は、第4部分をさらに含み、前記第1延在部は、前記第4部分を介して1つのタッチ信号線に電気的に接続されて、前記第1延在部を含むタッチセンシングブロックを前記1つのタッチ信号線に接続する、請求項9に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記第2延在部、前記第3延在部及び前記第2信号線は、同じ層に位置する、請求項9又は10に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記アレイ基板は、前記ベース基板に設けられた共通電極層、第1導電層、第2導電層、第3導電層及び画素電極層を含み、
前記共通電極層は、複数行のタッチ電極を含み、前記複数行のタッチ電極は、第1方向に沿って延在し、第2方向に沿って順次配列され、前記第2方向は、前記第1方向とは異なり、
前記第1導電層は、前記第1方向に沿って延在する前記複数の第1信号線と、前記第1方向に沿って延在する複数行の第1延在部とを含み、各行の第1延在部は、互いに切断されている複数の第1延在部を含み、各第1延在部は、同じ行のタッチ電極の一部に電気的に接続されて1つのタッチ電極群を形成し、前記複数の第1信号線は、前記複数行の第1延在部と交互に設けられかつ互いに絶縁され、
前記第2導電層は、前記第2方向に沿って延在する前記複数の第2信号線と、前記第2方向に沿って延在する複数列の延在部とを含み、前記複数列の延在部の少なくとも一部は、互いに切断された複数の第2延在部と、互いに切断された複数の第3延在部とを含み、前記第2方向に隣接する第2延在部の間には1行のタッチ電極が設けられ、各第2延在部は、前記第2方向に隣接するタッチ電極群に電気的に接続され、前記第2方向に隣接する第3延在部の間には複数行のタッチ電極が設けられ、各第3の延在部は、1つのタッチ電極群に電気的に接続され、これにより、前記複数行のタッチ電極、前記複数行の第1延在部及び前記複数列の延在部は、前記複数のタッチセンシングブロックに組み合わせられ、各タッチセンシングブロックは、互いに電気的に接続され、前記第2方向に順次配列された前記複数のタッチ電極群を含み、
前記第3導電層は、前記複数のタッチ信号線を含み、
前記画素電極層は、複数の画素電極層を含み、各タッチ信号線の前記ベース基板への正射影は、それに隣接する第2信号線と画素電極の前記ベース基板への正射影との間に位置する部分を含む、請求項9~11のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項13】
前記アレイ基板は、共通電極層と、画素電極層とを含み、前記画素電極層は、前記ベース基板に直交する方向において前記ベース基板と前記共通電極層との間に位置し、
前記共通電極層は、前記複数のタッチセンシングブロックにおけるタッチ電極と、前記第2延在部と、前記第3延在部とを含む、請求項6~8のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項14】
前記アレイ基板は、前記ベース基板に設けられた画素電極層と、第1導電層と、第2導電層と、第3導電層と、共通電極層とを含み、
前記画素電極層は、複数の画素電極層を含み、
前記第1導電層は、前記複数の第1信号線と、複数行の第1延在部とを含み、前記複数の第1信号線と前記複数行の第1延在部の両方は、第1方向に沿って延在し、前記第1方向とは第2方向に沿って順次配列され、各行の第1延在部は、互いに切断されている複数の第1延在部を含み、前記複数の第1信号線は、前記複数行の第1延在部と交互に設けられかつ互いに絶縁され、
前記第2導電層は、前記第2方向に沿って延在する前記複数の第2信号線を含み、
前記第3導電層は、前記複数のタッチ信号線を含み、各タッチ信号線は、同じタッチセンシングブロックに含まれる前記複数のタッチ電極群内の第1延在部に電気的に接続され、
前記共通電極層は、前記タッチ電極と、前記第2延在部と、前記第3延在部とを含み、前記共通電極層に含まれる前記タッチ電極、前記第2延在部、前記第3延在部及び前記第1導電層に含まれる前記複数行の第1延在部は、前記複数のタッチセンシングブロックに組み合わせられる、請求項13に記載のアレイ基板。
【請求項15】
前記アレイ基板は、前記ベース基板に順次位置する共通電極層及び画素電極層を含み、前記共通電極層は、前記複数のタッチ電極を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項16】
前記アレイ基板は、複数のサブ画素エリアを含み、各サブ画素エリアには前記複数のタッチセンシングブロックにおける1つのタッチ電極が設けられ、各タッチ電極は、1つのサブ画素エリアに位置する、請求項1~15のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項17】
前記複数のタッチ信号線の数は、前記複数のタッチセンシングブロックの数よりも多く、
前記複数のタッチ信号線は、複数の第1タッチ信号線及び複数の第2タッチ信号線を含み、前記複数の第1タッチ信号線は、それぞれ前記複数のタッチセンシングブロックに電気的に接続され、前記複数の第2タッチ信号線は、前記複数のタッチセンシングブロックから絶縁される、請求項1~16のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項18】
タッチ表示装置であって、
請求項1~17のいずれか1項に記載のアレイ基板を含む、タッチ表示装置。
【請求項19】
アレイ基板の製造方法であって、
ベース基板に位置する複数の第1信号線を形成するステップと、
前記ベース基板に位置する複数の第2信号線を形成するステップであって、前記複数の第2の信号線の前記ベース基板への正射影が前記複数の第1信号線の前記ベース基板への正射影と交差するステップと、
前記ベース基板に位置しかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチセンシングブロックを形成するステップであって、各タッチセンシングブロックが互いに電気的に接続されかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチ電極を含むステップと、
前記ベース基板に位置する複数のタッチ信号線を形成するステップであって、前記複数のタッチ信号線の少なくとも一部がそれぞれ前記複数のタッチセンシングブロックに電気的に接続されるステップとを含み、
前記複数のタッチ信号線は、前記複数の第2信号線の延在方向に沿って延在し、前記複数のタッチ信号線は、複数のタッチ信号線群に分けられ、各タッチ信号線群には隣接するタッチ信号線が含まれ、同じタッチ信号線群に含まれる前記隣接するタッチ信号線の前記ベース基板への正射影は、それぞれ同じ第2信号線の前記ベース基板への正射影の両側に位置し、前記隣接するタッチ信号線の正射影及び前記同じ第2信号線の正射影の両方は、隣接するタッチ電極の前記ベース基板への正射影の間に位置する部分を含み、前記隣接するタッチ信号線の所在する層は、前記同じ第2信号線の所在する層とは異なる、アレイ基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年3月31日に提出された出願番号が202010242031.3である中国特許出願に基づいて優先権を主張し、上記中国特許出願に開示された内容が全体として本願の一部に援用される。
【0002】
本開示の実施例は、アレイ基板及びその製造方法、タッチ表示装置を提供する。
【背景技術】
【0003】
タッチスクリーンは、私たちの周りのいたるところにある。タッチスクリーンは、スペースを節約し、持ち運びやすく、人間とコンピュータとの対話性も優れている。様々なタッチスクリーンにおいて、静電容量式タッチスクリーンは、強い感度を有し、マルチタッチを実現できる等の利点で広く適用されている。
【0004】
静電容量式タッチスクリーンの動作原理は、基板の表面に導電性物質をタッチ電極として設け、タッチオブジェクト(例えばユーザの指)がタッチスクリーンに触れると、タッチポイントにあるタッチ電極の静電容量が変化し、その変化に応じてタッチスクリーン上のタッチポイントの位置を検出することができることである。
【0005】
静電容量式タッチ技術は、相互静電容量原理を使用したタッチ技術と、自己静電容量原理を使用したタッチ技術とに分けられてもよい。相互静電容量原理を使用したタッチ技術と比較して、自己静電容量原理を使用したタッチ技術のタッチセンシング精度及び信号対雑音比は、いずれも高い。
【0006】
インセルタッチスクリーンは、表示パネルのアレイ基板と対向基板との間にタッチ電極が設けられたタッチスクリーンである。インセルタッチスクリーンは、集積度が高く、より軽量で薄いため、幅広い応用の見通しを持っている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板は、ベース基板と、前記ベース基板に位置する複数の第1信号線と、前記ベース基板に位置する複数の第2信号線であって、前記ベース基板上の正射影が前記複数の第1信号線の前記ベース基板への正射影と交差する複数の第2信号線と、前記ベース基板に位置しかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチセンシングブロックであって、それぞれが互いに電気的に接続されかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチ電極を含む複数のタッチセンシングブロックと、前記ベース基板に位置する複数のタッチ信号線であって、少なくとも一部がそれぞれ前記複数のタッチセンシングブロックに電気的に接続されている複数のタッチ信号線とを含む。前記複数のタッチ信号線は、前記複数の第2信号線の延在方向に沿って延在し、前記複数のタッチ信号線は、複数のタッチ信号線群に分けられ、各タッチ信号線群には隣接するタッチ信号線が含まれ、同じタッチ信号線群に含まれる前記隣接するタッチ信号線の前記ベース基板への正射影は、それぞれ同じ第2信号線の前記ベース基板への正射影の両側に位置し、前記隣接するタッチ信号線の正射影及び前記同じ第2信号線の正射影の両方は、隣接するタッチ電極の前記ベース基板への正射影の間に位置する部分を含み、前記隣接するタッチ信号線の所在する層は、前記同じ第2信号線の所在する層とは異なる。
【0008】
例えば、各タッチ信号線は、複数の本体部と、複数の屈曲部とを含み、前記複数の本体部と前記複数の屈曲部は、交互に設けられ、各本体部の前記ベース基板への正射影は、前記隣接するタッチ電極の前記ベース基板への正射影の間のエリアに位置する。
【0009】
例えば、前記アレイ基板は、前記ベース基板に位置する複数のスイッチング素子をさらに含み、各スイッチング素子は、1つの屈曲部と前記同じ第2信号線との間のエリアに位置する。
【0010】
例えば、前記複数の第1信号線には複数の中空部が設けられ、且つ、少なくとも一部の中空部の前記ベース基板への正射影は、それぞれ前記屈曲部の前記ベース基板への正射影と重なっている。
【0011】
例えば、各タッチセンシングブロックは、順次配列された複数のタッチ電極群を含み、各タッチ電極群には、間隔をあけて配置された複数のタッチ電極及び前記複数のタッチ電極に電気的に接続された第1延在部が含まれ、各タッチセンシングブロックは、複数の第2延在部をさらに含み、各第2延在部は、隣接するタッチ電極群の間に位置しかつ前記隣接するタッチ電極群に電気的に接続されている。
【0012】
例えば、前記第2信号線の延在方向に隣接するタッチセンシングブロックの間には1つの第1信号線及び第3延在部が設けられ、前記第3延在部は、前記隣接するタッチセンシングブロックのうちの一方に電気的に接続されかつ他方のタッチセンシングブロックから絶縁され、前記第3延在部の前記ベース基板への正射影は、前記隣接するタッチセンシングブロックの間に位置する前記1つの第1信号線の前記ベース基板への正射影と交差している。
【0013】
例えば、前記第2延在部及び前記第3延在部は、同じ層に位置し、前記第2延在部及び前記第3延在部の両方は、前記第2信号線の延在方向に沿って延在する。
【0014】
例えば、前記複数の第1信号線には複数の中空部が設けられ、さらに、前記第2延在部及び前記第3延在部の前記ベース基板への正射影は、それぞれ一部の中空部の前記ベース基板への正射影と重なっている。
【0015】
例えば、前記アレイ基板は、共通電極層と、画素電極層とを含み、前記共通電極層は、前記ベース基板に直交する方向において前記ベース基板と前記画素電極層との間に位置し、前記共通電極層は、前記複数のタッチセンシングブロックにおけるタッチ電極を含み、前記画素電極層は、第1部分と、第2部分と、第3部分とを含み、前記第2延在部は、前記第1部分及び前記第2部分を介して前記隣接するタッチ電極群に電気的に接続されており、前記第3延在部は、前記第3部分を介して前記隣接するタッチセンシングブロックのうちの前記一方に電気的に接続される。
【0016】
例えば、前記画素電極層は、第4部分をさらに含み、前記第1延在部は、前記第4部分を介して1つのタッチ信号線に電気的に接続されて、前記第1延在部を含むタッチセンシングブロックを前記1つのタッチ信号線に電気的に接続させる。
【0017】
例えば、前記第2延在部、前記第3延在部及び前記第2信号線は、同じ層に位置する。
【0018】
例えば、前記アレイ基板は、前記ベース基板に設けられた共通電極層と、第1導電層と、第2導電層と、第3導電層と、画素電極層とを含み、前記共通電極層は、複数行のタッチ電極を含み、前記複数行のタッチ電極は、第1方向に沿って延在し、第2方向に沿って順次配列され、前記第2方向は、前記第1方向とは異なり、前記第1導電層は、前記第1方向に沿って延在する前記複数の第1信号線と、前記第1方向に沿って延在する複数行の第1延在部とを含み、各行の第1延在部は、互いに切断された複数の第1延在部を含み、各第1延在部は、同じ行のタッチ電極の一部に電気的に接続されて、1つのタッチ電極群を形成し、前記複数の第1信号線は、前記複数行の第1延在部と交互に設けられかつ互いに絶縁され、前記第2導電層は、前記第2方向に沿って延在する前記複数の第2信号線と、前記第2方向に沿って延在する複数列の延在部とを含み、前記複数列の延在部の少なくとも一部は、互いに切断された複数の第2延在部と、互いに切断された複数の第3延在部とを含み、前記第2方向に隣接する第2延在部の間には1行のタッチ電極が設けられ、各第2延在部は、前記第2方向に隣接するタッチ電極群に電気的に接続されており、前記第2方向に隣接する第3延在部の間には複数行のタッチ電極が設けられ、各第3の延在部は、1つのタッチ電極群に電気的に接続され、これにより、前記複数行のタッチ電極、前記複数行の第1延在部及び前記複数列の延在部は、前記複数のタッチセンシングブロックに組み合わせられ、各タッチセンシングブロックは、互いに電気的に接続されており、前記第2方向に順次配列された前記複数のタッチ電極群を含み、前記第3導電層は、前記複数のタッチ信号線を含み、前記画素電極層は、複数の画素電極層を含み、各タッチ信号線の前記ベース基板への正射影は、それに隣接する第2信号線と画素電極の前記ベース基板への正射影との間に位置する部分を含む。
【0019】
例えば、前記アレイ基板は、共通電極層と、画素電極層とを含み、前記画素電極層は、前記ベース基板に直交する方向において前記ベース基板と前記共通電極層との間に位置し、前記共通電極層は、前記複数のタッチセンシングブロックにおけるタッチ電極、前記第2延在部及び前記第3延在部を含む。
【0020】
例えば、前記アレイ基板は、前記ベース基板に設けられた画素電極層、第1導電層、第2導電層、第3導電層及び共通電極層を含み、前記画素電極層は、複数の画素電極層を含み、前記第1導電層は、前記複数の第1信号線及び複数行の第1延在部を含み、前記複数の第1信号線及び前記複数行の第1延在部の両方は、第1方向に沿って延在し、かつ前記1の方向とは異なる第2方向に沿って順次配列され、各行の第1延在部は、互いに切断された複数の第1延長部を含み、前記複数の第1信号線は、前記複数行の第1延在部と交互に設けられかつ互いに絶縁され、前記第2導電層は、前記第2方向に沿って延在する前記複数の第2信号線を含み、前記第3導電層は、前記複数のタッチ信号線を含み、各タッチ信号線は、同じタッチセンシングブロックに含まれる複数のタッチ電極群内の第1延在部に電気的に接続され、前記共通電極層は、前記タッチ電極と、前記第2延在部と、前記第3延在部とを含み、前記共通電極層に含まれる前記タッチ電極、前記第2延在部、前記第3延在部及び前記第1導電層に含まれる前記複数行の第1延在部は、前記複数のタッチセンシングブロックに組み合わせられる。
【0021】
例えば、前記アレイ基板は、ベース基板に順次位置する共通電極層及び画素電極層を含み、前記共通電極層は、前記複数のタッチ電極を含む。
【0022】
例えば、前記アレイ基板は、複数のサブ画素エリアを含み、各サブ画素エリアには、前記複数のタッチセンシングブロックにおける1つのタッチ電極が設けられ、各タッチ電極は、1つのサブ画素エリアに位置する。
【0023】
例えば、前記複数のタッチ信号線の数は、前記複数のタッチセンシングブロックの数よりも多く、前記複数のタッチ信号線は、複数の第1タッチ信号線及び複数の第2タッチ信号線を含み、前記複数の第1タッチ信号線は、それぞれ前記複数のタッチセンシングブロックに電気的に接続され、前記複数の第2タッチ信号線は、前記複数のタッチセンシングブロックから絶縁される。
【0024】
本開示の少なくとも1つの実施例は、上記のいずれか1項に記載のアレイ基板を含むタッチ表示装置をさらに提供する。
【0025】
本開示の少なくとも1つの実施例は、アレイ基板の製造方法をさらに提供する。当該製造方法は、ベース基板に位置する複数の第1信号線を形成するステップと、前記ベース基板に位置する複数の第2信号線を形成するステップであって、前記ベース基板上の正射影が前記複数の第1信号線の前記ベース基板への正射影と交差するステップと、前記ベース基板に位置しかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチセンシングブロックを形成するステップであって、それぞれが互いに電気的に接続されかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチ電極を含むステップと、前記ベース基板に位置する複数のタッチ信号線を形成するステップであって、少なくとも一部がそれぞれ前記複数のタッチセンシングブロックに電気的に接続されるステップとを含む。前記複数のタッチ信号線は、前記複数の第2信号線の延在方向に沿って延在し、前記複数のタッチ信号線は、複数のタッチ信号線群に分けられ、各タッチ信号線群には隣接するタッチ信号線が含まれ、同じタッチ信号線群に含まれる前記隣接するタッチ信号線の前記ベース基板への正射影は、それぞれ同じ第2信号線の前記ベース基板への正射影の両側に位置し、前記隣接するタッチ信号線の正射影及び前記同じ第2信号線の正射影の両方は、隣接するタッチ電極の前記ベース基板への正射影の間に位置する部分を含み、前記隣接するタッチ信号線の所在する層は、前記同じ第2信号線の所在する層とは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に実施例の添付図面を簡単に説明する。明らかに、以下の記載における添付図面は、本開示のいくつの実施例のみに関し、本開示を制限するためのものではない。
【0027】
【
図1】
図1は自己静電容量式タッチ技術を使用したインセルタッチスクリーンのタッチ構造の模式図である。
【
図2A】
図2Aは本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板の平面図である。
【
図4A】
図4Aは本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板における複数のタッチセンシングブロックと複数のタッチ信号線との電気的接続関係の模式
図1である。
【
図4B】
図4Bは本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板における複数のタッチセンシングモジュールと複数のタッチ信号線との電気的接続関係の模式
図2である。
【
図4C】
図4Cは本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板における単一のタッチセンシングブロックと複数のタッチ信号線との位置関係の模式図である。
【
図4D】
図4Dは本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板における複数のタッチセンシングブロックの平面図である。
【
図6A】
図6Aは本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板の別の平面図である。
【
図8A】
図8Aは本開示の少なくとも1つの実施例によるタッチ表示装置がインセルタッチ表示装置である場合の
図2Aの線I-Iに沿った概略断面図である。
【
図8B】
図8Bは本開示の少なくとも1つの実施例によるタッチ表示装置がインセルタッチ表示装置である場合の
図2Aの線II-IIに沿った概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本開示の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をさらに明確に説明するために、以下、本開示の実施例の図面を参照して、本開示の実施例の技術的解決手段について明確かつ完全に説明する。明らかに、記載される実施例は、本発明のいくつの実施例であり、全ての実施例ではない。記載される本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに取得する他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に含まれる。
【0029】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、本開示が属する分野内の当業者が理解する通常の意味である。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する語は、何らかの順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものにすぎない。同様に、「含む」又は「含まれる」などの類似する語は、この語の前に出現した素子又は物がこの語の後に挙げられる素子又は物、及びそれらの均等物を含むことを意味するが、その他の素子又は物を排除するものではない。「接続」又は「互いに接続」などの類似する語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的か間接的かを問わず、電気的な接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すためのものにすぎず、説明対象の絶対位置が変わると、当該相対位置関係もそれに応じて変わる可能性がある。
【0030】
図1は、自己静電容量式タッチ技術を使用したインセルタッチスクリーンのタッチ構造の模式図である。
図1に示すように、当該インセルタッチスクリーンでは、タッチ構造は、アレイ状に配列された複数のタッチセンシングブロック101と、それぞれタッチセンシングブロック101に電気的に接続された(
図1の黒い円点が電気的接続を表す)タッチ信号線102とを含む。タッチセンシングブロック101は、タッチ信号線102をタッチ制御回路103に電気的に接続し、タッチ制御回路は、タッチセンシングブロック101の自己静電容量の変化状況を検出して、タッチ位置を確定する。例えば、当該インセルタッチスクリーンのアレイ基板は、画素電極及び共通電極を含み、共通電極は、タッチセンシングブロック101として多重化され、即ち、表示段階では、共通電極に共通電極信号が印加され、タッチ段階では、自己容量電極(
図1の各タッチセンシングブロックが1つの自己容量電極)として共通電極にタッチ信号が印加される。
【0031】
本出願の発明者は、
図1に示すタッチ構造は、中小サイズのタッチスクリーンに適用される場合、1つのサブ画素エリア又は一部のサブ画素エリアが平均して1つのタッチ信号線102に対応し、この時、負荷が小さく、しかしながら、
図1に示すタッチ構造は、大きな大サイズのタッチスクリーンに適用される場合、タッチセンシングブロック101及びタッチ信号線102の数がいずれも多く、タッチパネルの負荷が大きくなる。
【0032】
本開示の実施例は、アレイ基板及びその製造方法、並びに当該アレイ基板を含むタッチ表示装置を提供する。当該アレイ基板は、ベース基板に位置する複数の第1信号線と、複数の第2信号線と、複数のタッチセンシングブロックと、複数のタッチ信号線とを含む。当該複数の第2信号線のベース基板への正射影は、当該複数の第1信号線のベース基板への正射影と交差する。当該複数のタッチセンシングブロックは、互いに間隔をあけて配置され、各タッチセンシングブロックは、互いに電気的に接続しかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチ電極を含む。当該複数のタッチ信号線の少なくとも一部は、それぞれ当該複数のタッチセンシングモジュールに電気的に接続され、複数のタッチ信号線は、複数の第2信号線の延在方向に沿って延在し、複数のタッチ信号線は、複数のタッチ信号線群に分けられ、各タッチ信号線群には隣接するタッチ信号線が含まれ、同じタッチ信号線群に含まれる隣接するタッチ信号線のベース基板への正射影は、それぞれ同じ第2信号線のベース基板への正射影の両側に位置し、隣接するタッチ信号線の正射影及び1つの第2信号線の正射影の両方は、隣接するタッチ電極のベース基板への射影の間に位置する部分を含み、隣接するタッチ信号線の所在する層は、同じ第2信号線の所在する層とは異なる。本開示の実施例では、隣接するタッチ信号線の所在する層が当該隣接するタッチ信号線の間にある第2信号線の所在する層とは異なるため、当該隣接するタッチ信号線の正射影と当該第2信号線の正射影との間の距離は、小さく設定されることができ、これにより、当該隣接するタッチ信号線と及び当該第2信号線を隣接するタッチ電極の間の隙間に設けることを実現することに有利であり、即ち、隣接するタッチ信号線及び当該隣接するタッチ信号線の間に位置する第2信号線の両方が隣接するタッチ電極の間に位置する部分(即ち、当該部分が当該隣接するタッチ電極のベース基板への正射影と重ならない)を含むことができることに有利であり、当該アレイ基板への負荷を低減し、それによってタッチ性能を向上させ、特に本開示の実施例は、大きなサイズ(例えば32インチ以上のサイズ、例えば55インチ以上のサイズ)のインセルタッチ装置に適用される時に負荷を大幅に低減することができる。
【0033】
図2Aは、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板の平面図である。
図2Bから
図2Dは、
図2Aにおける一部の構造の平面図である。
図2Bは、
図2Aの共通電極層10及び第1導電層20を示し、
図2Cは、
図2Aの共通電極層10、第1導電層20及び第2導電層40を示し、
図2Dは、
図2Aの共通電極層10、第1導電層20、第2導電層40及び第3導電層50を示す。
図3Aは、
図2Aにおける線I-Iに沿った概略断面図である。
図3Bは、
図2Aにおける線II-IIに沿った概略断面図である。
【0034】
図2Aから2Dに示すように、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板は、ベース基板BSと、ベース基板BSに位置する複数の第1信号線21と、複数の第2信号線41とを含む。当該複数の第1信号線21は、第1導電層20に位置し、第1方向に沿って延在し、第1方向とは異なる第2方向に沿って順次配列され、当該複数の第2信号線41は、第2導電層40に位置し、第2方向に沿って延在し、第1方向に沿って順次配列され、第2信号線41のベース基板BSへの正射影は、第1信号線21のベース基板BSへの正射影と交差する。例えば、第1信号線21は、第2信号線41と重なる位置に第1幅を有し、第1信号線21は、隣接する第2信号線41の間の位置に第2幅を有し、第1幅及び第2幅の両方は、第2方向における第1信号線21のサイズであり、第1幅は、第2幅よりも小さい。第1信号線21が第2信号線41と重なる位置に小さい幅を有することにより、第1信号線21と第2信号線41との重なり面積を小さくすることに有利であり、アレイ基板への負荷を低減させる。
【0035】
例えば、いくつの実施例において、
図2Aから
図2Dに示すように、第1信号線21は、ゲート線であり、第2信号線41は、データ線であり、この時、
図3A及び
図3Bに示すように、第1信号線21の所在する第1導電層20と第2信号線41の所在する第2導電層40とは、ゲート絶縁層GIによって隔てられる。又は、他のいくつの実施例において、第1信号線21は、データ線であり、第2信号線41は、ゲート線である。第1信号線21及び第2信号線41のうちの一方がゲート線であり、且つ他方がデータ線である場合、隣接する第1信号線21及び隣接する第2信号線41が互いに交差して限定するエリアは、サブ画素エリアであり、サブ画素エリアは、開口エリアと、開口エリアを囲む非開口エリアとを含み、本開示の実施例によるアレイ基板を含む装置において、非開口エリアは、ブラックマトリクスに遮断されるエリアであり、開口エリアは、ブラックマトリクスに遮断されないエリアであり、当該隣接する第1信号線21及び当該隣接する第2信号線41の両方は、非開口エリアに位置する。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板は、表示機能を実現するためのアレイ基板であり、この場合、各サブ画素エリアは、表示エリア(開口エリアは表示エリアである)と、表示エリアを囲む非表示エリア(非開口エリアは非表示エリアである)とを含み、当該隣接する第1信号線21及び当該隣接する第2信号線41の両方は、当該サブ画素エリアの非表示エリアに位置する。本開示の実施例によるアレイ基板は、他の機能を実現するためのアレイ基板であってもよく、本開示の実施例は、これに限定されない。以下の実施例ではアレイ基板が表示機能を実現するために使用されることを例として説明する。
【0036】
図2A及び
図2Dを参照すると、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板は、複数のタッチ信号線Txをさらに含み、当該複数のタッチ信号Txは、第2信号線41の延在方向(即ち第2方向)に沿って延在し、第1信号線21の延在方向(即ち第1方向)に沿って順次配列される。当該複数のタッチ信号線Txは、複数のタッチ信号線群TxGに分けられ、各タッチ信号群TxGには隣接する2つのタッチ信号線Txが含まれる(即ち、当該隣接する2つのタッチ信号線Txの間に他のタッチ信号線Txがない)。
図2A、2D及び3Aに示すように、当該隣接する2つのタッチ信号線Txのベース基板BSへの正射影は、それぞれ同じ第2信号線41のベース基板BSへの正射影の両側に位置する(即ち、当該第2信号線41の正射影は、当該隣接する2つのタッチ信号線Txの正射影の間に位置する)。タッチ信号線Txは、第3導電層50に位置し、タッチ信号線Txの所在する第3導電層50は、第1信号線21の所在する第1導電層20とは異なり、かつ第2信号線41の所在する第2導電層40とは異なる。例えば、
図3Aに示すように、第3導電層50は、第2導電層40のベース基板BSから離れた側に位置し、即ち、第2導電層40は、ベース基板BSに直交する方向においてベース基板BSと第3導電層50との間に位置し、第2導電層40と第3導電層50とは、第1パッシベーション絶縁層PVX1によって隔てられ、第3導電層50も第2パッシベーション絶縁層PVX2によって覆われる。
図2A及び
図2Dに示す実施例は、2つのタッチ信号線群TxG及び対応する2つの第2信号線41のみを例示的に説明する。いくつかの実施例において、アレイ基板における複数の第2信号線41の両側の電界の一致性を確保するために、例えば、各第2信号線41の正射影は、いずれも同じタッチ信号線群TXGに含まれる隣接する2つのタッチ信号線Txの正射影の間に位置する。
【0037】
一方、当該第2信号線41の正射影が当該第2信号線41に隣接する2つのタッチ信号線Txの正射影の間に位置するため、第2信号線41の両側の電界間の差を小さくすることができ、これにより、タッチ信号線Txが当該アレイ基板を使用した表示装置の表示効果に影響を与えることを回避することが有利である。他方、当該第2信号線41及び当該隣接する2つのタッチ信号線Txという3つの信号線のうちのある信号線が故障して修復される必要がある場合、当該第2信号線41及び当該隣接する2つのタッチ信号線Txを同じ層に設けるという形態と比較して、当該隣接する2つのタッチ信号線Txの所在する第3導電層50を当該第2信号線41の所在する第2導電層40と異ならせるという異なる層設置形態を採用することにより、信号線の短絡を回避することができ、同じ層にありかつ平行な3つの信号線の設計によるメンテナンスへの不利を回避することができる。他方、当該隣接する2つのタッチ信号線Txの所在する第3導電層50が当該第2信号線41の所在する第2導電層40とは異なるため、当該隣接する2つのタッチ信号Txの正射影と当該第2信号線41の正射影との間の距離は、小さく設定されてもよく、いくつの実施例では、当該隣接する2つのタッチ信号線Tx及び当該同じ第2信号線41をサブ画素エリアの非開口エリアに設けることにより、アレイ基板の開口率を上げることができる。
【0038】
図2Aから
図2Dを参照し続けると、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板は、ベース基板BSに位置する互いに間隔をあけて配置されたタッチ電極11をさらに含む。例えば、タッチ電極11は、アレイ基板における共通電極として使用されてもよく、つまり、アレイ基板に含まれる共通電極をタッチ電極11として多重化し、表示段階で共通電極に共通電極信号を印加して表示機能を実現し、タッチ段階で共通電極にタッチ信号を印加してタッチ機能を実現し、このようにタッチ電極の所在する層を追加的に製造する必要がないため、製造プロセスを節約し、アレイ基板の厚さを低減することができる。この場合、アレイ基板は、共通電極と画素電極とを含むアレイ基板である。例えば、
図2A、
図3A及び
図3Bに示すように、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板は、ベース基板BSに位置する共通電極(即ちタッチ電極11)及び画素電極61を含み、共通電極は、共通電極層10に位置し、画素電極61は、画素電極層60に位置し、即ち共通電極と画素電極61は、異なる層に設けられている。
【0039】
いくつの実施例では、ベース基板BSに直交する方向において、画素電極層60は、ベース基板BSと共通電極層10との間に位置する(
図6Aから7Bに示すように)。この場合、ベース基板BSにより遠い共通電極層内の各タッチ電極11は、いずれも複数のスリットを有する(当該複数のスリットがタッチ電極11を貫通する)。他のいくつの実施例では、
図3A及び3Bに示すように、ベース基板BSに直交する方向において、共通電極層10は、ベース基板BSと画素電極層60との間に位置する。この場合、
図2Aから
図2Dに示すように、各タッチ電極11は、スリットを有していない連続構造であり、各画素電極61は、複数のスリットを有する(
図2Aから
図2Dでは、画素電極が異なる方向の2種類のスリットを有することでデュアルドメイン構造を形成することを例として説明し、他の実施例では、画素電極61は、シングルドメイン又はマルチドメイン構造であってもよい)。各タッチ電極11にスリットがない場合、各タッチ電極11は、より大きな面積を有し、これは、タッチ性能を高めることに有利である。なお、タッチ電極11は、ベース基板BSに近く、面積が大きく、したがって、両面タッチモードを実現することができる。つまり、正面タッチモードでは、タッチオブジェクト(例えばユーザの指)は、ベース基板BSのタッチ電極11が設けられた側からタッチすることができ、裏面タッチモードでは、タッチオブジェクトは、ベース基板BSのタッチ電極11が設けられていない側からタッチすることができる。
【0040】
例えば、
図2Aから
図2Dに示すように、アレイ基板における複数の第1信号線21と複数の第2信号線41は、互いに交差して複数のサブ画素エリアを形成し、各サブ画素エリアは、隣接する第1信号線21及び隣接する第2信号線41に囲まれたエリアであり、各サブ画素エリアには1つのタッチ電極11が設けられ、各タッチ電極11は、1つのサブ画素エリアに位置する。つまり、アレイ基板における複数のサブ画素エリアと複数のタッチ電極11は、1対1で対応して設けられている。この場合、第1方向(第1信号線21の延在方向)に隣接するタッチ電極11の間には1つの第2信号線41が設けられている。なお、
図2A~2Dは、タッチ電極61が画素電極よりもベース基板BSに近いことを例として説明する。他の実施例では、画素電極61がタッチ電極11よりもベース基板BSに近い場合、タッチ電極11とサブ画素エリアも1対1で対応して設けられてもよく、これにより、タッチ電極と第2信号線41との重なり面積を小さくし、それによってアレイ基板への負荷を低減させる。
【0041】
図2A、
図2D及び
図3Aに示すように、同じタッチ信号線群TxG内の隣接する2つのタッチ信号線Txの正射影と当該隣接する2つのタッチ信号線間にある1つの第2信号線41の正射影の両方は、隣接するタッチ電極11のベース基板BSへの正射影の間に位置する部分を含む。当該部分を、タッチ電極11の正射影と重なることなく、隣接するタッチ電極11の正射影の間に位置させることにより、アレイ基板への負荷を効果的に低減することができる。特に、当該アレイ基板が大きなサイズの表示装置のためのアレイ基板である場合、アレイ基板への負荷が大幅に低減される。
【0042】
なお、隣接する2つのタッチ信号線Txの正射影と当該隣接する2つのタッチ信号線Txの間にある1つの第2信号線41の正射影の両方が隣接するタッチ電極11のベース基板BSへの正射影の間に位置する部分を含むことは、これらの3つの信号線のいずれか1つの射影全体又は正射影の一部がいずれもタッチ電極11と重ならないことを意味する。例えば、
図2A及び
図2Dに示すように、各タッチ信号線Txは、複数の本体部TAと、複数の屈曲部TBとを含み、当該複数の本体部TAと当該複数の屈曲部TBは、交互に設けられ、各本体部TAのベース基板BSへの正射影は、第1方向に隣接するタッチ電極11のベース基板BSへの正射影の間のエリアに位置し、この場合、第1方向に隣接するタッチ電極11の間には、隣接するタッチ信号線Txの本体部TAと、当該隣接するタッチ信号線Txの本体部TAに隣接する第2信号線41とが設けられている。本体部TAがタッチ信号線Txの主な部分であるため、少なくとも本体部TAの正射影をタッチ電極11の正射影に重ならせないことにより、アレイ基板への負荷を効果的に低減することができる。他の実施例では、本体部TAの正射影をタッチ電極11の正射影に重ならせないことに基づき、屈曲部TBの正射影をタッチ電極11の正射影に重ならせなくてもよく、つまり、タッチ信号線Txの正射影全体は隣接するタッチ電極11の正射影の間のエリアに位置する。
【0043】
図2A及び
図2Dに示すように、タッチ信号線Txの本体部TAと第1信号線21が重なる位置において、第1信号線21も上記の第1幅を有する。第1信号線21が本体部TAと重なる位置で狭い幅を有することにより、アレイ基板への負荷をさらに低減することができる。
【0044】
タッチ信号線Txのベース基板BSへの正射影は、画素電極61のベース基板BSへの正射影と重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。例えば、
図2Aに示すように、タッチ信号線Txの本体部TAの正射影は、画素電極61の正射影と重ならず、タッチ信号線Txの屈曲部TBは、画素電極61の正射影と重なる。他の実施例では、タッチ信号線Txの本体部TA及び屈曲部TBの正射影を共に画素電極61の正射影に重ならせて、画素の静電容量を増加させ、それによって画素の充電率を上げることができる。
【0045】
タッチ信号線Txに含まれる屈曲部TBは、タッチ信号線Txがアレイ基板に含まれるスイッチング素子と重なることを回避し、さらにアレイ基板への負荷を低減するために使用される。例えば、
図2A及び
図2Dに示すように、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板は、ベース基板BSに位置する複数のスイッチング素子Tを含み、各スイッチング素子Tは、1つの屈曲部TBと当該屈曲部TBに最も近い第2信号線41との間のエリアに位置し、スイッチング素子Tは、画素電極61に電気的に接続される。例えば、スイッチング素子は、ゲートGE、活性層AL、ソース電極SE及びドレイン電極DEを含むトランジスタであり、ドレイン電極DEは、画素電極61に電気的に接続されている(例えば、ドレイン電極DEは、ビアホールV5を介して画素電極61に電気的に接続されている)。例えば、ゲートGEは、第1信号線21の一部であり、ソース電極SEは、第2信号線41に直接電気的に接続され、ソース電極SEとドレイン電極DEとは、同じ層に設けられ、これにより、アレイ基板の製造プロセスを削減することができる。
【0046】
例えば、
図2A~
図2Dに示すように、第1信号線21には複数の中空部21Aが設けられ、一部の中空部21Aのベース基板BSへの正射影は、屈曲部のベース基板BSへの正射影と重なっている。中空部21Aは、第1信号線21を貫通する開口部であり、中空部21Aを設け、各屈曲部TBの正射影を中空部21Aと重ならせることにより、第1信号線21とタッチ信号線Txとの重なり面積を小さくし、さらにアレイ基板への負荷を低減させることができる。例えば、いくつの実施例では、各中空部21Aの正射影は、1つの屈曲部TBの正射影と重なっていることができる。例えば、他のいくつの実施例では、一部の中空部21Aの正射影が屈曲部TBと重なることに基づいて、他の一部の中空部21Aの正射影は、さらに以下で言及される第2延在部42(
図2A及び
図6Aに示すように)の正射影と重なり、負荷をさらに低減させる。例えば、他のいくつの実施例では、以下で言及される第3延在部43は、さらに中空部21Aと重なって、負荷をさらに低減することができる。
【0047】
本開示の少なくとも1つの実施例では、アレイ基板内の複数のタッチ電極11は、複数のタッチセンシングブロックに分けられ、各タッチセンシングブロック内のタッチ電極11は、互いに電気的に接続され、各タッチセンシングブロックは、1つのタッチ信号線Txに電気的に接続されている。
【0048】
図4Aは、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板における複数のタッチセンシングモジュールと複数のタッチ信号線との電気的接続関係の模式
図1である。
図4Aの各黒い円点は、電気的接続用の1つのビアホールを表す。
図4Bは、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板における複数のタッチセンシングモジュールと複数のタッチ信号線との電気的接続関係の模式
図2である。
図4Cは、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板の単一のタッチセンシングブロックと複数のタッチ信号線との位置関係の模式図である。
図4Dは、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板における複数のタッチセンシングブロックの平面図である。
図4Dに示す実施例は、2行及び2列のタッチセンシングブロックTSを例示的に説明する。
図4Eは、
図4Dの部分拡大図である。
【0049】
図4Aから4Eに示すように、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板は、ベース基板に位置しかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチセンシングブロックTSを含み、各タッチセンシングブロックTSは、互いに電気的に接続されかつ互いに間隔をあけて配置されたタッチ電極11を含み、各タッチセンシングブロックTSは、いずれも1つのタッチ信号線Txに電気的に接続されており、当該タッチ信号線Txを介してタッチ制御回路TCに電気的に接続される。例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板は、自己静電容量原理を使用してタッチ制御を実現し、即ち、各タッチセンシングブロックTSは、1つの自己静電容量電極として機能し、タッチ制御回路TCは、タッチセンシングブロックTSの自己静電容量の変化状況を検出することでタッチ位置を確定する。
【0050】
例えば、
図4Aに示すように、各タッチセンシングブロックTSは、1つのタッチ信号線Txのみに電気的に接続されており、各タッチ信号線は、1つのタッチセンシングブロックTSのみに電気的に接続されている。つまり、アレイ基板における複数のタッチセンシングブロックTSは、複数のタッチ信号線Txに1対1で対応して電気的に接続されている。なお、当該複数のタッチセンシングブロックTSと当該複数のタッチ信号線Txとの間の電気的接続関係の実現形態は、
図4Aに示す実施例を含むが、これに限定されない。例えば、いくつの実施例では、
図4Bに示すように、アレイ基板におけるタッチ信号線Txの数は、タッチセンシングブロックTSの数よりも多く、アレイ基板における複数のタッチ信号線Txは、複数の第1タッチ信号線Tx1及び複数の第2タッチ信号線Tx2を含み、当該複数の第1タッチ信号線Tx1及び当該複数の第2タッチ信号線Tx2の両方は、タッチ制御回路TCに電気的に接続されており、動作しているときに同じタッチ信号が印加され、第1タッチ信号線Tx1は、タッチセンシングブロックTSに電気的に接続され、第2タッチ信号線Tx2は、タッチセンシングブロックTSから電気的に絶縁されている。本開示のいくつかの実施例では、各第2信号線41が2つのタッチ信号線Txに隣接しているため、第2信号線41の数が多い場合、設けられる必要があるタッチ信号線Txの数も多く、この場合、タッチ信号線Txの数をタッチセンシングブロックTSの数以下にすれば、一部の第2信号線41は、タッチ信号線Txに隣接していない可能性がある。これに鑑みて、本開示のいくつの実施例では、任意のタッチセンシングブロックTSから電気的に絶縁された第2タッチ信号線Tx2を設けることにより、タッチ信号線Txの数がタッチセンシングブロックTSの数よりも多く、このとき、各第2信号線41が2つのタッチ信号線Txに隣接していることを実現することができる。
【0051】
なお、
図4Bでは、第1タッチ信号線Tx1と第2タッチ信号線Tx2との間の区別を容易にするために、異なる太さの線を使用してこれらの2つの信号線を表すが、本開示の実施例では、第1タッチ信号線Tx1及び第2信号線Tx2は、第1方向におけるサイズが同じである。
【0052】
例えば、
図4Cに示すように、1つのタッチセンシングブロックTS-1の所在するエリアは、複数のタッチ信号線群を通過し(例えば、各タッチ信号線群TxGは、いずれも隣接するタッチ電極11の間の隙間に位置する)、当該複数のタッチ信号線群TxG内の1つのタッチ信号線Tx(
図4CのTx-1を参照)は、当該タッチセンシングブロックTS-1に電気的に接続され、当該複数のタッチ信号線群TxG内の残りのタッチ信号線Txは、当該タッチセンシングTS-1から電気的に絶縁されている。例えば、タッチ信号線Tx-1は、当該タッチセンシングブロックTS-1に含まれる複数の第1延在部22に電気的に接続されている(以下に第1延在部22の設置形態について詳細に説明する)。例えば、当該複数の第1延在部22は、全てビアホールV4(
図4C及び
図2Aを参照)を介して同じタッチ信号線Tx-1に電気的に接続されている。タッチ信号線Tx(Tx-1を参照)を同じタッチセンシングブロックTS-1に含まれる複数の第1延在部22に電気的に接続させることにより、信号伝送速度を向上させ、タッチ信号線TxとタッチセンシングブロックTSとの間の電気的接続不良の発生確率を低下させることができる。なお、単一のタッチセンシングブロックTSとそれに対応するタッチ信号線Txとの間の電気的接続方位は、両者間の電気的接続を実現できる限り、
図4Cに示す実施例を含むが、これに限定されない。また、タッチセンシングブロックTSとタッチ信号線Txとの間の位置関係の説明を容易にするために、
図4Cは、1つのタッチセンシングブロックTS及び当該タッチセンシングブロックを通過するタッチ信号線Txのみを例示的に示すが、同じタッチ信号線群TxGに含まれる2つのタッチ信号線Txの間の第2信号線を示していない。
【0053】
例えば、
図4Dから
図4Eに示すように、各タッチセンシングブロックTSは、順次配列された複数のタッチ電極群TGを含み、各タッチ電極群TGには間隔をあけて配置された複数のタッチ電極11及び当該複数のタッチ電極11に電気的に接続された第1延在部22が含まれる。例えば、
図3Bに示すように、第1延在部22は、タッチ電極11に直接電気的に接続されている(即ちビアホール及びアダプタを介せずに電気的接続を達成する)。例えば、
図4Dから
図4Eに示すように、同じタッチセンシングブロックTSに含まれる複数のタッチ電極群TGは、全て第1方向に沿って延在し、第2方向に沿って順次配列され、それに応じて、当該複数のタッチ電極群TGにおける第1延在部22は、全て第1方向に沿って延在し、第2方向に沿って順次配列される。各タッチセンシングブロックTSは、複数の第2延在部42をさらに含み、各第2延在部42は、隣接するタッチ電極群TGの間に位置しかつ前記隣接するタッチ電極群TGに電気的に接続されている。例えば、各第2延在部42は、いずれも第2方向に延在し、各第2延在部42は、それぞれ第1ビアホールV1及び第2ビアホールV2(
図4C-4E及び
図2Aを参照)を介して隣接するタッチ電極群TGに電気的に接続される。例えば、隣接するタッチ電極群TGは、少なくとも2つの第2延在部42を介して電気的に接続され、これにより、信号伝送速度を向上させることができる。例えば、より良い信号伝送速度を得るために、第1方向において、最大6つごとのサブ画素エリアは、1つの第2延在部42に対応する。例えば、
図4Dに示す実施例では、第1方向において、4つごとのサブ画素エリアは、1つの第2延在部42に対応する。
【0054】
本開示の実施例では、各タッチセンシングブロックTSに間隔をあけて配置されたタッチ電極11を含ませ、タッチ信号線Txの少なくとも一部及び第2信号線41の少なくとも一部を隣接するタッチ電極11の間の領域に設けることにより、アレイ基板への負荷を効果的に低減することができる。一方、第1延在部22と第2延在部42とを使用して、互いに間隔をあけて配置された複数のタッチ電極11を電気的に接続することにより、タッチセンシングブロックTSが形成され、これにより、タッチセンシングブロックTSは、格子状構造を有し、それによってタッチセンシングブロックTSの抵抗が小さい。
【0055】
例えば、第1延在部22及び第2延在部42の両方は、アレイ基板の開口率を向上させるために、アレイ基板の非開口エリアに位置する。
【0056】
例えば、
図2Aから
図2Dに示すように、第1延在部22は、第2信号線41及びタッチ信号線Txと重なる位置に第1幅を有し、第1延在部22は、隣接する第2信号線41の間に第2幅を有し、第1幅と第2幅の両方は、第2方向における第1延在部のサイズであり、第1幅は、第2幅よりも小さい。第1延在部22が、第2信号線41及びタッチ信号線Txと重なる位置に小さい幅を有することにより、アレイ基板への負荷をさらに低減することに有利である。
【0057】
例えば、
図2A、2C及び2Dに示すように、第2延在部42のベース基板への正射影は、第1信号線21の中空部21Aと重なって、アレイ基板への負荷をさらに低減する。
【0058】
例えば、
図2A-2Dに示すように、第1延在部22及び第1信号線21は、同じ層(第1導電層20を参照)に位置し、つまり、第1延在部22及び第1信号線21は、同じマスクを使用して同じ薄膜をパターン化することにより形成され、これにより、アレイ基板の製造プロセスを削減すすることができる。
【0059】
例えば、
図2A、
図2C及び
図2Dに示すように、第2延在部42及び第2信号線41とは、同じ層(第2導電層40を参照)に位置し、つまり、第2延在部42及び第2信号線41は、同じマスクを使用して同じ薄膜をパターン化することにより形成され、これにより、アレイ基板の製造プロセスを削減すすることができる。
【0060】
なお、同じタッチセンシングブロックTS内の隣接するタッチ電極群TGの間には1つの第1信号線21が設けられ、第2方向(即ち第2信号線41の延在方向)に隣接するタッチセンシングブロックTSの間には1つの第1信号線21が設けられる。タッチセンシングブロックTSとタッチ信号線Txとの間の位置関係の説明を容易にするために、
図4Cは、同じタッチセンシングブロックTSに含まれる隣接するタッチ電極群TGの間の第1信号線21を示しないが、1つのタッチセンシングモジュールTS及び隣接するタッチセンシングブロックTSの間にある第1信号線21のみを示している。タッチセンシングブロックTSの構造の説明を容易にするために、
図4Dと
図4Eには第1信号線21が示されていない。
【0061】
例えば、
図4Cから
図4Eに示すように、第2方向に隣接するタッチセンシングブロックTS-1及びTS-2の間には第3延在部43が設けられ、当該第3延在部43は、当該隣接するタッチセンシングブロックTS-1及びTS-2のうちの一方に電気的に接続され、他方から電気的に絶縁される。例えば、当該第3延在部43は、タッチセンシングブロックTS-2(
図4D及び4Eを参照)に電気的に接続され(例えば、第3ビアホールV3を介して電気的に接続される)、当該第3延在部43は、タッチセンシングブロックTS-1に電気的に接続される。
図4Cに示すように、第2方向に隣接するタッチセンシングブロックTS-1及びTS-2(
図4CはタッチセンシングブロックTS-1のみを示す)の間には第1信号線21が設けられ、当該隣接するタッチセンシングブロックTS-1及びTS-2の間にある第3延在部43のベース基板BSへの正射影は、当該隣接するタッチセンシングブロックTS-1及びTS-2の間にある1つの信号線21のベース基板BSへの正射影と重なっている。
【0062】
本開示の実施例では、第1方向に隣接するタッチセンシングブロックTSの互いに近接している第1延在部22は、互いに切断される(例えば、当該互いに近接する第1延在部の第1方向の間隔が5マイクロメートル以上である)ことにより、第1方向における隣接するタッチセンシングブロックTSの相互の電気的絶縁を実現し、且つ、第3延在部43を設けることにより、第2方向に隣接するタッチセンシングブロックTSの相互の電気的絶縁を実現する。一方、同じタッチセンシングブロックTS内の隣接するタッチ電極群TGの間に1つの第1信号線21が設けられているため、当該隣接するタッチ電極群TGを電気的に接続する第2延在部のベース基板BSへの正射影は、当該第1信号線21のベース基板BSへの正射影と重なり、隣接するタッチセンシングブロックTSの間に第3延在部43を設けることにより、第3延在部43は、その中の1つのタッチセンシングブロックTS-2のみに電気的に接続されるが、もう1つのタッチセンシングブロックTS-1から電気的に絶縁され、第3延在部43を第1信号線21と重ならせることにより、同じタッチセンシングブロックTSの隣接するタッチ電極群TGの間にある第1信号線21と隣接するタッチセンシングブロックTS-1及びTS-2の間にある第1信号線21とは、同じ寄生コンデンサを有し、これにより、アレイ基板における複数の第1の信号線21の寄生コンデンサの一致性を向上させる。例えば、当該複数の第1信号線21の寄生コンデンサの一致性をさらに向上させるためために、同じタッチセンシングブロックTSの隣接するタッチ電極群の間に設けられた第1信号線21の数は、第2方向に隣接するタッチセンシングブロックTS-1及びTS-2の間に設けられた第3延在部43の数に等しい。
【0063】
例えば、
図2A、
図2C及び
図2Dに示すように、第2延在部42及び第3延在部43は、アレイ基板の製造プロセスを削減するために、同じ層に位置し、第2延在部42及び第3延在部43は、全て第2信号線41の延在方向に沿って延在する。
【0064】
例えば、
図2A、2C及び
図2Dに示すように、アレイ基板における複数の第1信号線21には複数の中空部21Aが設けられ、第2延在部42のベース基板BSへの正射影は、中空部21Aのベース基板BSへの正射影と重なっている。なお、
図2Aは、第2延在部42が中空部21Aと重なる形態のみを示すが、いくつの実施例では、第3延在部43の正射影は、中空部21Aの正射影と重なることができ、第3延在部43が中空部21Aと重なる形態は、第2延在部43が中空部21Aと重なる形態と類似する。
【0065】
例えば、
図2A、
図2C及び
図2Dに示すように、第3延在部43は、第2導電層40に位置し、つまり、第3延在部43、第2延在部42及び第2信号線41は、同じ層(第2導電層40を参照)に位置し、これにより、第3延在部43、第2延在部42及び第2信号線41は、同じマスクを使用して同じ薄膜をパターン化することにより形成され、これにより、アレイ基板の製造プロセスを削減すすることができる。この場合、例えば、第2延在部42と第3延在部43の両方は、配線を簡素化するために、第2信号線41の延在方向(即ち第2信号)に延在する。
【0066】
図5Aは、
図4Cにおける線A-A’に沿った断面図である。
図5Bは、
図4Cにおける線B-B’に沿った断面図でああり、
図5Bは、隣接するタッチ信号線Txの間の第2信号線41を示していない。
図5Cは、
図4Eにおける線C-C’に沿った断面図である。
図5Dは、
図4Eにおける線D-D’に沿った断面図である。
【0067】
図5Aから5Dは、ベース基板BSに共通電極層10、第1導電層20、ゲート絶縁層GI、活性層AL、第2導電層40、第1パッシベーション絶縁層PVX1、第3導電層50、第2パッシベーション絶縁層PVX2及び画素電極層60が順次設けられていることを例として説明する。
図5A、
図5C及び
図5Dに示すように、画素電極層60の材料を使用して、ビアホールV1-V4での電気的接続はを実現することができる。例えば、画素電極層60は、第1部分6Aと、第2部分6Bと、第3部分分6Cと、第4部分分6Dとを含み、
図4E及び
図5Cに示すように、第1部分6Aは、第2延在部42を1つのタッチ電極群TG内のタッチ電極11に電気的に接続させるために、第1ビアホールV1に位置し、
図4E及びび5Cに示すように、第2部分6Bは、第2延在部42を他のタッチ電極群TG内のタッチ電極11に電気的に接続させるために、第2ビアホールV2に位置し、
図4E及び5Dに示すように、第3部分6Cは、第3延在部43を1つのタッチセンシングブロックTS内の第1延在部22に電気的に接続させ、それによって当該第3延在部43を当該タッチセンシングブロックTSに電気的に接続させるために、第3ビアホールV3に位置し、
図5Aに示すように、第4部分6Dは、タッチ信号線Txを対応する第1延在部22に電気的に接続させ、それによってタッチセンシングブロックTSと対応するタッチ信号線Txとの間の電気的接続を実現するために、第4ビアホールV4に位置する。画素電極層60の材料を使用してビアホールV1-V4での電気的接続を実現することにより、同じマスクを使用してゲート絶縁層GI、第1パッシベーション絶縁層PVX1及び第2パッシベーション絶縁層PVX2を製造して、アレイ基板の製造プロセスで使用されるマスクの数を減らすことを実現することができる。
【0068】
例えば、
図2Aに示すアレイ基板を例とすると、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板は、以下のステップで製造されてもよい。
【0069】
ステップS11において、
図2Bに示すように、共通電極層マスクを使用することにより、ベース基板BS上に共通電極層10が形成される。
図2B及び
図4Dに示すように、共通電極層10は、互いに間隔をあけて配置された複数行のタッチ電極11(行方向は第1方向に沿っている)を含み、当該複数行のタッチ電極11は、第1方向に沿って延在し、第2方向に沿って順次配列される。
【0070】
ステップS12において、
図2Bに示すように、第1導電層マスクを使用することにより、ベース基板BS上に第1導電層20が形成される。
図2B及び
図4Dに示すように、第1導電層20は、第1方向に沿って延在する複数の第1信号線21と、第1方向に沿って延在する複数行の第1延在部22とを含み、各行の第1延在部22は、互いに切断されている第1延在部22を含み、各第1延在部22は、同じ行のタッチ電極11内の一部に電気的に接続されて1つのタッチ電極群TGを形成し、これにより、各タッチ電極11とそれに隣接する1行の第1延在部22は、第1方向に沿って順次配列された複数のタッチ電極群TGを形成し、第2方向において、複数の第1信号線21は、複数行の第1延在部22と交互して設けられれかつ互いに電気的に絶縁されている。
【0071】
ステップS13において、ベース基板BSに、共通電極層10及び第1導電層20を覆い、ゲート絶縁層GI(
図3A及び
図3Bに示す)を形成するためのゲート絶縁層初期薄膜を形成する。
【0072】
ステップS14において、活性層マスクを使用して、ゲート絶縁層初期薄膜が形成されたベース基板BS上に、パターン化された複数の活性層ALを形成する(
図2Aに示す)。
【0073】
ステップS15において、
図2Cに示すように、第2導電層マスクを使用することにより、ベース基板BS上に第2導電層40が形成される。第2導電層40は、複数のソース電極SE及び複数のドレイン電極DEを含み、ソース電極SE、ドレイン電極DE、活性層AL及び第1信号線21の部分(当該部分がゲート電極として使用される)は、複数のスイッチング素子Tを形成する。第2導電層40は、第2方向に沿って延在する複数の第2信号線41と、第2方向に沿って延在する複数列の延在部とをさらに含み、
図4Dに示すように、当該複数列の延在部の少なくとも一部は、互いに切断されている複数の第2延在部42と、互いに切断されている複数の第3延在部43とを含み、第2方向に隣接する第2延在部42の間には1行のタッチ電極11が設けられ、各第2延在部42は、第2方向に隣接するタッチ電極群TGを電気的に接続し、第2方向に隣接する第3延在部43の間には複数行のタッチ電極11が設けられ、各第3延在部43に1つのタッチ電極群TGのみが電気的に接続され、その結果、当該複数行のタッチ電極11、当該行の第1延在部22及び当該複数列の延在部は、複数のタッチセンシングブロックTSを形成し、各タッチセンシングブロックTSには、互いに電気的に接続されかつ第2方向に順次配列された複数のタッチ電極群TGが含まれ、第1方向に隣接するタッチセンシングブロックTSは、互いに切断されている第1延在部22によって互いに電気的に接続され、第2方向に隣接するタッチセンシングTSは、第3延在部によって互いに電気的に接続される。
【0074】
ステップS16において、ベース基板BS上に、第2導電層40を覆い、第1パッシベーション絶縁層PVX1(
図3A及び
図3Bに示す)を形成するための第1パッシベーション絶縁層初期薄膜を形成する。
【0075】
ステップS17において、第3導電層マスクを使用して、第1パッシベーション絶縁層初期薄膜が形成されたベース基板BS上に第3導電層50を形成する。
図2Dに示すように、第3導電層50は、複数のタッチ信号線Txを含む。
【0076】
ステップS18において、ベース基板BS上に、第3導電層50を覆う第2パッシベーション絶縁層初期薄膜を形成し、且つ、絶縁層マスクを使用して第2パッシベーション絶縁層初期薄膜、第1パッシベーション絶縁層初期薄膜及びゲート絶縁層初期薄膜に対してパターン化処理を行い、ゲート絶縁層GI、第1パッシベーション絶縁層PVX1、第2パッシベーション絶縁層PVX2及びビアホールV1-V5を形成する。
図5C及び5Dに示すように、ビアホールV1、V2、V3は、ゲート絶縁層GI、第1パッシベーション絶縁層PVX1及び第2パッシベーション絶縁層PVX2を貫通する。
図5Aに示すように、ビアホールV4は、ゲート絶縁層GI、第1パッシベーション絶縁層PVX1及び第2パッシベーション絶縁層PVX2を貫通する。なお、ビアホールV5は、第1パッシベーション絶縁層PVX1及び第2パッシベーション絶縁層PVX2を貫通して、ドレイン電極DE(
図2A及び
図2Dに示す)の表面の一部を露出させる。
【0077】
ステップS19において、
図2Aに示すように、画素電極層マスクを使用し、ベース基板BS上に画素電極層60を形成する。
図2A、
図3A~
図3B及び
図5A~
図5Dに示すように、画素電極層60は、複数の画素電極61、複数の第1部分6A、複数の第2部分6B、複数の第3部分6C及び複数の第4部分6Dを含む。
図2Aに示すように、画素電極61は、ビアホールV5内に延在して、ドレイン電極DEに電気的に接続される。
図4E及び5Cに示すように、第1部分6Aは、第1ビアホールV1内に延在して、第2延在部42を1つのタッチ電極群TG内のタッチ電極11に電気的に接続させる。
図4E及び5Cに示すように、第2部分6Bは、第2ビアホールV2内に延在して、第2延在部42を別のタッチ電極群TG内のタッチ電極11に電気的に接続させる。
図4E及び5Dに示すように、第3部分6Cは、第3ビアホールV3内に延在して、第3延在部43を1つのタッチセンシングブロックTS内の第1延在部22に電気的に接続させ、それによって当該第3延在部43を当該タッチセンシングブロックTSに電気的に接続させる。
図5Aに示すように、第4部分6Dは、第4ビアホールV4内に延在して、タッチ信号線Txを対応する第1延在部22に電気的に接続させる。
【0078】
なお、本開示の実施例は、上記のステップの製造順序を限定するものではない。例えば、いくつの実施例では、ステップS11とステップS12は、交換可能である。例えば、他のいくつの実施例では、共通電極層10と画素電極層60の製造順序は、交換可能である。
【0079】
本開示のいくつかの実施例では、例えば、共通電極層10及び画素電極層60の両方は、インジウムスズ酸化物又はインジウム亜鉛酸化物などの導電性の透明な金属酸化物で作製されてもよい。例えば、第1導電層20、第2導電層40及び第3導電層50は、すべて例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、モリブデン又はニッケルなどの金属材料で作製されてもよい。第1導電層20、第2導電層40及び第3導電層50は、全て単層フィルム構造又は多層フィルム構造であってもよい。例えば、ゲート絶縁層GI、第1パッシベーション絶縁層PVX1及び第2パッシベーション絶縁層PVX2は、全て無機絶縁材料で作製されてもよく、例えば、当該無機絶縁材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素又は酸窒化ケイ素などである。
【0080】
以上の各実施例では、タッチ電極61が画素電極61よりもベース基板BSに近いことを例として説明する。以下に
図6Aから
図7Bと併せて、画素電極61がタッチ電極11よりもベース基板BSに近い実施例を説明する。
図6Aは、本開示の少なくとも1つの実施例によるアレイ基板の別の平面図である。
図6Bは、
図6Aにおける一部の構造の平面図である。
図7Aは、
図6Aにおける線III-IIIに沿った概略断面図である。
図7Bは、
図6Aにおける線IV-IVに沿った概略断面図である。
【0081】
例えば、
図6Aから
図7Bに示すように、本開示の少なくとも1つの別の実施例によるアレイ基板は、共通電極層10と、画素電極層60とを含み、画素電極層60は、ベース基板に直交する方向においてベース基板と共通電極層10との間に位置し、共通電極層10は、タッチ電極11と、延在方向が同じである第2延在部42と、第3延在部43とを含む。第1延在部22と共通電極層10に含まれるタッチ電極11、第2延在部42及び第3延在部43は、複数のタッチセンシングブロックTSに組み合わせられる。同じタッチセンシングブロックTS(TS-1を参照)において、第2方向に隣接するタッチ電極11は、それに直接接続された第2延在部42を介して電気的に接続され、第1方向に隣接するタッチ電極11は、第1延在部22を介して電気的に接続され(例えば、タッチ電極11は、
図6A及び
図7Bに示すように、ビアホールV6に延在して対応する第1延在部22に電気的に接続される)、これにより、同じタッチセンシングブロックTSにおけるタッチ電極11は、互いに電気的に接続される。第1方向に隣接するタッチセンシングブロックTSを互いに電気的に絶縁する形態は、
図4Dに示す実施例と類似し、即ち、第1方向に隣接するタッチセンシングブロックTSの互いに接近している第1延在部22を互いに切断させることにより、第1方向に隣接する当該タッチセンシングブロックTSは、互いに電気的に絶縁される。第2方向に隣接するタッチセンシングブロックTS(TS-1及びTS-2を参照)は、例えば、
図6Aに示すように、第3延在部43によって互いに電気的に絶縁され、当該第3延在部43は、タッチセンシングブロックTS-2内のタッチ電極11から第2方向に沿って直接延在し、次に第1信号線21を越え、タッチセンシングブロックTS-1のタッチ電極11まで延在しなく、その結果、第3延在部43は、タッチセンシングブロックTS-1のタッチ電極11に電気的に接続されない。
【0082】
例えば、第1延在部22と第1信号線21は、同じ層に設けられ、即ち、アレイ基板の製造プロセスを削減するために、両方が第1導電層20に位置する。
【0083】
例えば、第3延在部43は、第1信号線21の中空部21Aと重なって、アレイ基板への負荷を低減する。
【0084】
例えば、
図6Aから
図7Bに示すように、実施例におけるアレイ基板は、以下のステップで製造されてもよい。
【0085】
ステップS21において、画素電極層マスクを使用し、ベース基板BS上に画素電極層60を形成して、画素電極層60に複数の画素電極層61を含ませる。
【0086】
ステップS22において、第1導電層マスクを使用し、ベース基板BS上に第1導電層20を形成する。第1導電層20は、複数の第1信号線21と、複数行の第1延在線22とを含み、当該複数の第1信号線21と当該複数行の第1延在線22の両方は、第1方向に沿って延在し、第1方向とは異なる第2方向に沿って順次配列され、各行の第1延在部22は、互いに切断されている複数の第1延在部22を含み、当該複数の第1信号線21は、当該複数行の第1延在部22と交互に設けられ、互いに絶縁されている。
【0087】
ステップS23において、ベース基板BSに、画素電極層60及び第1導電層20を覆い、ゲート絶縁層GIを形成するためのゲート絶縁層初期薄膜を形成する。
【0088】
ステップS24において、活性層マスクを使用して、ベース基板BS上に活性層ALを形成する。
【0089】
ステップS25において、第2導電層マスクを使用して、ベース基板BS上に第2導電層40を形成し、第2導電層40に、第2方向に沿って延在する複数の第2信号線41、ソース電極SE及びドレイン電極DEを含ませ、これにより、第1信号線21の一部(ゲート電極GEとして)、活性層AL、ソース電極SE及びドレイン電極DEは、スイッチング素子Tに組み合わせられる。
【0090】
ステップS26において、ベース基板BS上に、第2導電層40を覆い、第1パッシベーション絶縁層PVX1を形成するための第1パッシベーション絶縁層薄膜を形成する。
ステップS27において、第3導電層マスクを使用して、ベース基板BS上に第3導電層50を形成し、第3導電層50に複数のタッチ信号線を含ませ、各タッチ信号は、同じタッチセンシングブロックに含まれる複数のタッチ電極11群内の第1延在部22に電気的に接続される。
【0091】
ステップS28において、ベース基板BSに、第3導電層50を覆い、第2パッシベーション絶縁層PVX2を形成するための第2パッシベーション絶縁層初期薄膜を形成し、且つ、絶縁層マスクを使用してゲート絶縁層初期薄膜、第1パッシベーション絶縁層初期薄膜及び第2パッシベーション絶縁層初期薄膜に対してパターン化処理を行い、ゲート絶縁層GI、第1パッシベーション絶縁層PVX1、第2パッシベーション絶縁層PVX2及びビアホールV4-V6を形成し、ビアホールV4-V6は、ゲート絶縁層GI、第1パッシベーション絶縁層PVX1及び第2パッシベーション絶縁層PVX2を貫通して第1延在部22の表面の一部を露出させ、ビアホールV5は、ゲート絶縁層GI、第1パッシベーション絶縁層PVX1及び第2パッシベーション絶縁層PVX2を貫通して画素電極61の表面の一部を露出させる。
【0092】
ステップS29において、共通電極マスクを使用し、ベース基板BS上に共通電極10を形成する。共通電極層10は、タッチ電極11と、第2延在部42と、第3延在部43とを含み、タッチ電極11は、ビアホールV6内に延在して、対応する第1延在部22を電気的に接続し、これにより、第1方向に隣接するタッチ電極11間の電気的接続が実現され、第2延在部42は、第2方向に隣接するタッチ電極11を電気的に接続し、第3延長部43は、1つのタッチ電極11のみを電気的に接続される。したがって、共通電極層10に含まれるタッチ電極11、第2延在部42、第3延在部43及び第1の導電層20に含まれる複数行の第1延在部22は、複数のタッチセンシングブロックTSに組み合わせられる。タッチ電極11は、さらにビアホールV4内に延在して、タッチ信号線Txと第1延在部22とを電気的に接続する。なお、共通電極層10の材料の一部は、ビアホールV5に充填されて、ドレイン電極DEと対応する画素電極61とを電気的に接続する。
【0093】
例えば、
図6Aから
図7Bに示すように、実施例ではタッチ信号線Tx、第1信号線21及び第2信号線41の設置形態、タッチ信号TxとタッチセンシングブロックTSとの間の数量関係及び電気的関係、タッチ電極11とサブ画素エリアとの間の位置関係は、
図2Aから
図5Dに示す実施例における形態を採用することができ、繰り返しの部分については説明を省略する。
【0094】
本開示の少なくとも1つの実施例は、上記の任意の実施例によるアレイ基板を含むタッチ表示装置をさらに提供する。
【0095】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によるタッチ表示装置は、インセルタッチ表示装置である。
図8Aは、本開示の少なくとも1つの実施例によるタッチ表示装置がインセルタッチ表示装置である場合の
図2Aの線I-Iに沿った概略断面図である。
図8Bは、本開示の少なくとも1つの実施例によるタッチ表示装置がインセルタッチ表示装置である場合の
図2Afの線II-IIに沿った概略断面図である。例えば、
図8A及び8Bに示すように、インセルタッチ表示装置は、アレイ基板1と、アレイ基板1に対向して設けられた対向基板2とを含み、アレイ基板1は、本開示の以上の任意の実施例によるアレイ基板であり、アレイ基板1に含まれるタッチ電極11は、アレイ基板1の対向基板2に面する側に位置し、対向基板2は、ベース基板BSとブラックマトリックスBMとを含む。
図8A及び8Bから、第1信号線21、第2信号線41及びタッチ信号線Txは、全てブラックマトリックスBMに遮られていることが分かり、即ち、第1信号線21、第2信号線41及びタッチ信号線Txは、全てサブ画素エリアの非開口エリアに位置する。いくつの実施例では、
図8Bに示すように、第1延在部22もブラックマトリックスBMに遮られている。例えば、当該インセルタッチ表示装置は、液晶表示装置であり、この場合、アレイ基板1と対向基板2との間に液晶層が設けられ、アレイ基板1に含まれる画素電極61と共通電極(それはタッチ電極11として多重化されている)は、液晶層内の液晶分子の偏向を制御するための電界を生成するために使用される。他の実施例では、タッチ表示装置も非インセルタッチ表示装置であってもよい。
【0096】
図8A及び8Bに示す実施例では、タッチ電極11は、画素電極61に対してベース基板BSに近く、したがって、当該タッチ表示装置は、両面タッチモードを実現することができる。つまり、正面タッチモードでは、タッチオブジェクト(例えばユーザの指)は、対向基板2の所在する側からタッチすることができ、裏面タッチモードでは、タッチオブジェクトは、アレイ基板1の所在する側からタッチすることができる。他のいくつの実施例では、タッチ電極11と画素電極61の位置は、交換可能である。
【0097】
例えば、当該タッチ表示装置は、液晶パネル、電子ペーパー、OLED(有機発光ダイオード)パネル、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートブックコンピュータ、デジタルフォトフレーム、ナビゲーターなどの、タッチ及び表示機能を備えた任意の製品又は部材であってもよい。
【0098】
本開示の少なくとも1つの実施例は、アレイ基板の製造方法をさらに提供する。
図2Aから5Dに示すアレイ基板及び
図6Aから
図7Bに示すアレイ基板を例とすると、当該製造方法は、ベース基板BSに位置する複数の第1信号線21を形成するステップと、ベース基板BSに位置する複数の第2信号線41を形成し、当該複数の第2信号線41のベース基板BSへの正射影を当該複数の第1信号線21のベース基板BSへの正射影と交差させるステップと、ベース基板BSに位置しかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチセンシングブロックTSを形成し、各タッチセンシングブロックTSに、互いに電気的に接続されかつ互いに間隔をあけて配置された複数のタッチ電極11を含ませるステップと、ベース基板BSに位置する複数のタッチ信号線Txを形成し、当該複数のタッチ信号線Txの少なくとも一部をそれぞれ当該複数のタッチセンシングブロックTSに電気的に接続させるステップとを含む。例えば、
図4Aに示すように、タッチ信号線Txは、タッチセンシングブロックTSに1対1で対応して電気的に接続され、又は、
図4Bに示すように、第1タッチ信号線Tx1は、タッチセンシングブロックTSに1対1で対応して電気的に接続され、第2タッチ信号線Tx2は、タッチセンシングブロックTSから電気的に絶縁される。タッチ信号線TxとタッチセンシングブロックTSとの電気的接続形態は、
図4A及び
図4Bに示す実施例を含むがこれらに限定されない。
【0099】
本開示の実施例によって提供される製造方法では、複数のタッチ信号線Txは、複数の第2信号線41の延在方向に沿って延在し、複数のタッチ信号線Txは、複数のタッチ信号線群TGに分けられ、各タッチ信号線群TGは、隣接するタッチ信号線Txを含み、同じタッチ信号線群TGに含まれる隣接するタッチ信号線Txのベース基板BSへの正射影は、それぞれ同じ第2信号線41のベース基板BSへの正射影の両側に位置し、隣接するタッチ信号線Txの正射影及び同じ第2信号線41の正射影の両方は、隣接するタッチ電極11のベース基板BSへの正射影の間に位置する部分を含み、隣接するタッチ信号線Txの所在する層50は、同じ第2信号線41の所在する層40とは異なる。タッチ信号線Txと第2信号線41の両方がタッチ電極11と重ならない部分を含むため、アレイ基板への負荷を低減させることができ、第2信号線41が同じタッチ信号線群TG内の隣接する2つのタッチ信号線Txの間に位置するため、第2信号線41の両側の電界を一致させることに有利であり、タッチ信号線Txと第2信号線41が異なる層に設けられるため、開口率を上げることに有利であり、信号線の修復が容易になる。
【0100】
本開示の実施例によって提供される製造方法におけるアレイ基板の他の構造については、アレイ基板の実施例における関連する説明を参照する。
図2Aから
図5Dに示すアレイ基板の製造方法については、上記のステップS11からステップS19を参照し、
図6Aから
図7Bに示すアレイ基板の製造方法については、上記のステップS21からステップS29を参照する。
【0101】
矛盾がない場合、本開示の実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせられてもよい。
【0102】
上記は、本開示の例示的な実施形態に過ぎないが、本開示の保護範囲を制限するためのものではなく、本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって確定される。
【符号の説明】
【0103】
10 共通電極層
11 タッチ電極
20 第1導電層
21 第1信号線
22 第1延在部
40 第2導電層
41 第2信号線
42 第2延在部
43 第3延在部
50 第3導電層
60 画素電極層
61 画素電極
101 タッチセンシングブロック
102 タッチ信号線
103 タッチ制御回路
【国際調査報告】