(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】凹凸金属板及びこれを利用した床暖房システム
(51)【国際特許分類】
E04F 15/18 20060101AFI20230508BHJP
E04B 5/48 20060101ALI20230508BHJP
E04C 2/32 20060101ALI20230508BHJP
E04B 1/76 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
E04F15/18 X
E04B5/48 C
E04C2/32 Q
E04B1/76 200Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537030
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(85)【翻訳文提出日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 KR2020018215
(87)【国際公開番号】W WO2021125715
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】10-2019-0169115
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0173366
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522236578
【氏名又は名称】イ・ホヨン
【住所又は居所原語表記】Sangrok-gu, Ansancheon seo-ro 6 gil 45-1, 302 Ansan-si Gyeonggi-do 15257 KR
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】弁理士法人井上国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ・ホヨン
【テーマコード(参考)】
2E001
2E162
2E220
【Fターム(参考)】
2E001DD11
2E001FA11
2E001GA12
2E001HB01
2E162CB01
2E220AA04
2E220AA11
2E220AA23
2E220AA29
2E220AA36
2E220AA37
2E220AA47
2E220AA51
2E220AB09
2E220CA07
2E220CA43
2E220CA53
2E220DB15
2E220EA11
2E220FA01
2E220FA02
2E220FA11
2E220GA22Y
2E220GA25Y
2E220GB02Y
2E220GB05Y
2E220GB11Y
2E220GB22Z
2E220GB23Z
2E220GB32Y
2E220GB33Y
2E220GB36Z
2E220GB43Y
2E220GB45X
(57)【要約】
本発明の床暖房用凹凸金属板は、曲げ加工により凹部と凸部を連続的に形成することにより、仕上材の上部から床スラブに荷重を伝達する。凹凸金属板は、屈曲させて凹部と凸部を連続的に形成することにより、上からの荷重に対する抵抗力が著しく向上し、仕上材の上部からの荷重を床スラブに伝達し、荷重を十分に支持する床構造材として機能する。本発明の床暖房システムは、発熱体からの熱が床スラブに伝わるのを防ぐ断熱材と、断熱材の上に配置され、発熱体から伝導された熱が水平方向に伝達するようにする下部熱拡散板と、下部熱拡散板上に配置され、発熱体が格納される凹凸金属板と、凹凸金属板の凹部に収納された発熱体と、凹凸金属板の上に配置され、発熱体から伝導された熱を水平方向に伝導し、仕上げ材に伝導する上部熱拡散板とを、有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部と凸部が繰り返し折曲形成され、仕上げ材上部からの荷重を床スラブに伝達し、前記凹部は線状の発熱体と下面及び左右側面で接触しながら前記線状の発熱体を収納できる大きさで形成されることを特徴とする、床暖房システムの凹凸金属板。
【請求項2】
前記凹部の下部または前記凸部の上部のいずれかは平らな面を持つように形成されることを特徴とする請求項1記載の床暖房システムの凹凸金属板。
【請求項3】
前記凹部は線状の発熱体の左右側面の下部と接触できるようにラウンドするように形成されることを特徴とする請求項1記載の床暖房システムの凹凸金属板。
【請求項4】
前記凹凸金属板は、凹部と凸部が2方向に形成されることを特徴とする請求項1記載の床暖房システムの凹凸金属板。
【請求項5】
前記凹凸金属板は、鉄板、カラー鋼板、合成樹脂コーティング鋼板、亜鉛メッキ鉄板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、錫メッキ鉄板、アルミニウム、デュラルミニウム、アルミ合金板、銅板、黄銅、青銅の中から選択される材質で形成されることを特徴とする請求項1記載の床暖房システムの凹凸金属板。
【請求項6】
前記凹凸金属板は、ギアフォーミング、ローラーフォーミング、プレス成形のいずれかによって成形されることを特徴とする請求項1記載の床暖房システムの凹凸金属板。
【請求項7】
発熱体からの熱が床スラブの方向に伝わることを防止する断熱材と、前記断熱材上部に位置し、発熱体から伝導した熱が水平方向に伝達されるようにする下部熱拡散板と、前記下部熱拡散板の上部に位置し発熱体が収納される前記請求項1ないし6のいずれかの凹凸金属板と、前記凹凸金属板の前記凹部に収納される発熱体と、前記凹凸金属板の上部に位置し、前記発熱体から伝導された熱を水平方向および仕上げ材に伝える上部熱拡散板とを含んで構成されることを特徴とする床暖房システム。
【請求項8】
前記下部熱拡散板または上部熱拡散板は、ガルバリウム鋼板(登録商標)、ガルバ鋼板、カラー鋼板、錫メッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミ板、ステンレス板、銅板などの金属材パネルまたは合成樹脂パネル、木材質パネル、無機質パネルの中から選択されることを特徴とする請求項7記載の床暖房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹凸金属板及びこれを利用した床暖房システムに関するもので、より詳しくは簡単に床に設置でき、暖房管または電気ヒーティングケーブルのような発熱体を収納し、また反復的に形成された凹部と凸部によって荷重抵抗力が向上し、板状構造材としても機能できる凹凸金属板とこれを利用した床暖房システムに関するものである。
背景技術
【0002】
一般的に床暖房の際に各種資材は床に付けたり積層したりする。 このように資材を床に固定する方法によって湿式施工法と乾式施工法の2つに分けて分類する。
図1は乾式施工法、
図2は湿式施工法の一例をそれぞれ示す例示図である。
【0003】
乾式施工法は、
図1のごとく漆喰床201に保温断熱材202を置き、暖房フィルム203と接着保護板204を配置し、最終的にデコタイルのような仕上げ材205を設置する方式で、暖房フィルムとオンドルパネルの施工法により、平面状のフィルムやパネルを資材の機能に合わせて順に単純に積層するものである。
【0004】
湿式施工法は、
図2のごとく床スラブ301を約50mm厚の気泡コンクリート302により養生し、その上に暖房用電熱管303を配置後、約30~40mm厚のモルタル304により再養生し、最終的に仕上げ材305で仕上げる。丸い長縄状のXLパイプ、金属管、ケーブルなどの暖房用電熱管303を配置した後、セメントモルタルを利用して永久的に固定させる。
【0005】
乾式施工法の暖房用資材は、主にパネル型で、湿式施工法の暖房用資材はパイプ暖房管型である。乾式施工法は、
図1のごとく床にパネル型の暖房資材を機能に合わせて結合または積層して設置と撤去が容易にできるようにしたものであり、湿式施工法は
図2のごとくセメントモルタルで永久固定するもので、設置と撤去が比較的複雑である。
【0006】
図3は湿式施工法の一例を示す断面図である。図示したように暖房管40が断熱材10の上に配置され、モルタル70で満たされた状態でデコタイルやフロアまたはクッションフロアなどの仕上げ材60で仕上げられたものである。
【0007】
本発明は、これまで湿式施工法で施工されてきたヒーターの丸い長縄状のXLパイプ、金属管、ケーブルなどの暖房用資材を乾式施工法で施工することで、設置と撤去が容易で、寿命が長くて安全で、施工期間が短く、軽く、高さが低くて湿式施工の多くの問題点を改善できることに関するものである。
発明の詳細な説明
技術的な課題
【0008】
図5は、近年一部で試みられている乾式施工法の一例を示す図面である。これまで湿式施工法で施工されてきたヒーターの丸い長縄状のXLパイプ、金属管、ケーブルなどの暖房用資材を乾式施工法で施工する際、
図5のごとく合成樹脂、発泡スチロールのような断熱材10素材を利用して枠を作って床に貼り付け、この枠にエクセル管など円形のヒーターのような暖房管40を挟んで設置するものであった。
【0009】
このような乾式施工法には次のような問題点があった。
【0010】
第一に、合成樹脂、発泡スチロールのような断熱材10素材を利用して枠を作るため、荷重に耐え難く収縮変形し、床がつぶれる。
【0011】
第二に、合成樹脂類の断熱材は単純に積層施工したとき、寿命が短く約5年くらいである。30年以上半永久的になりにくい。
【0012】
第三に、
図5で暖房管40の床と両側面3面を断熱材10が覆っており、熱が上面だけに拡散して既存セメントモルタルが暖房管全体を包むのに比べ熱拡散効率が非常に低い。
【0013】
熱拡散効率が悪ければエクセル管などの暖房管40を通じてマンションなど住宅に供給される温水が住宅の内部に入ってきた後、帰って行く時間内に住宅の内部に入れずに通り過ぎてしまい、より多くの温水を使うことになり、より多くの温水使用料が賦課されるため、この方法はマンションなどに施工され普遍化できなかった。
【0014】
このように、これまでヒーターの丸い長縄状のXLパイプ、金属管、ケーブルなどの暖房用資材をセメントモルタル湿式施工法で施工せざるを得なかったのは、以下の4つの理由がある。
【0015】
第一に、
図4のように断熱材10の上に電気ヒーター等の暖房管40を設置したときヒーターとヒーターの間に空間ができ、このため上から仕上げ材60を通じて押すすべての荷重がヒーターを押すことになるが、この荷重に耐えられる資材で、セメントより優れたものはなかった。
【0016】
第二に、熱伝導が優れていて、暖房管の熱が素早く室内に伝導されなければならないが、熱伝導がセメントより優れているように設置できる材料がなかった。
【0017】
第三に、設置した際に寿命が30年以上で、セメントより優れた資材がなかった。
【0018】
第四に、多くの人々に知られていて、理解しやすく、簡単で、誰でも実行できる、施工費用が比較的安価な方法で、セメントモルタル施工より優れた方法がなかった。
【0019】
本発明は、前記のようなセメントモルタルの特徴より優れた機能を持つ素材と施工方法を開発することにより、乾式施工法の長所を有しながらも湿式施工法の長所を一緒に発揮できる床面暖房システムを提供することを目的とする。
技術的な解決方法
【0020】
前記の課題を解決するために、本発明の床暖房システムはセメントより熱伝導率と破壊強度が約5倍以上高い金属板を底暖房構造に合うように形を加工して利用するものである。
【0021】
具体的には、前記の金属板は凹凸金属版として、凹部と凸部が繰り返されるように折曲形成され、仕上げ材上部からの荷重を床スラブに伝達し、前記凹部は線状の発熱体と下面及び左右側面で接触しながら前記線状の発熱体を収納できる大きさで形成される。
【0022】
前記の凹部の下部または前記凸部の上部のいずれかは平らな面を持つように形成することができ、前記凹部は、線状の発熱体の左右側面の下部と接触できるように曲面に形成することができる。
【0023】
前記凹凸金属版は凹部と凸部が一方向に形成されたものとすることも、2方向に形成することもできる。
【0024】
そして、前記凹凸金属版は鉄板、カラー鋼板、合成樹脂のコーティング鋼板、亜鉛めっき鉄板、ガルバリウム鋼板(登録商標)、ガルバ鋼板、錫めっき鉄板、アルミニウム、デュラアルミニウム、アルミニウム合金板、銅板、黄銅、青銅の中から選択された材質で形成される。
【0025】
前記凹凸金属版はプレス成型、ローラーフォーミング、ギアフォーミング、押出し成形のいずれかによって成形することができる。
【0026】
本発明に係る床暖房システムは、発熱体からの熱が床スラブの方に伝達されることを防止する断熱材と、断熱材上部に位置し、発熱体から伝導された熱が水平方向に送られるようにする下部熱拡散板と、下部の熱拡散板の上部に位置し、発熱体が収納される凹凸の金属板と、前記凹凸金属板の前記の凹部に収納される発熱体と、前記凹凸金属板の上部に位置し、前記の発熱体から伝道された熱を水平方向および仕上げ材に伝える上部の熱拡散板とを含めて構成される。
発明の効果
【0027】
これまで床暖房システムの施工法でセメントモルタルを利用してアクセル管を永久固定する湿式施工法は床暖房システムとして最も広く活用される施工法だったが、下記のいろんな短所があった。
【0028】
第一に、早く暖かくならず、エネルギー浪費が多く発生する。
【0029】
第二、セメント養生期間7日と乾燥時間が30日であり、施工期間が長すぎる。(乾燥ができないと最終仕上げ材の床等を施工することができない。)
【0030】
第三に、高さが50mm以上と高く、重さが重い。
【0031】
第四に、厚くて重い床の漆喰層は設置や撤去が難しく、階間騒音の最大の原因である重量音発生の核心要素であり、撤去時に多くの廃棄物が発生する。
【0032】
本発明に係る凹凸金属板を利用して床暖房システムを施工すると、凹凸金属板が床構造材として機能するため寿命が長く、凹凸金属板の熱伝導率が高いため早く暖かくなり、養生期間が必要ないため施工期間が短くなる効果がある。また、資材が軽量で軽いだけでなく積層高さが低く、補修と修理も便利な効果がある。本発明に係る凹凸金属板と床暖房システムによれば、床暖房システムの乾式施工での問題点だけでなく、湿式施工での問題点も全て改善できる。
図面の簡単な説明
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
図7は、本発明に係る凹凸金属板に発熱体が収納された状態図である。
【0040】
図8は、本発明の他の実施例による凹凸金属板の斜視図である。
【0041】
図9は、本発明に係る床暖房システムの断面図である。
【0042】
図10は、本発明の他の実施例による床暖房システムの断面図である。
【0043】
図11は、本発明に係る床暖房システムの斜視図である。
【0044】
図12は、本発明に係る凹凸金属板の製作方法のうち、ギアフォーミング概念図である。
【0045】
図13は、本発明に係る凹凸金属板の製作方法のうち、ローラーフォーミング概念図である。
【0046】
図14は、本発明に係る凹凸金属板の製作方法のうち、プレスフォーミング概念図である。
発明の実施のための最善の形態
【0047】
図6に本発明に係る床暖房システムの凹凸金属板30を示す。本発明に係る床暖房システムの凹凸金属板30は、凹部31と凸部31が繰り返し折曲形成され、仕上げ材上部からの荷重を床スラブに伝達する。凹凸金属板が凹部と凸部が繰り返し折曲形成されているため、上部からの荷重に対する抵抗力が著しく向上し、仕上げ材上部からの荷重を床スラブに伝達しながら十分な荷重に耐えられる床構造材として機能する。
【0048】
図7に示すごとく、前記凹凸金属板30の凹部30には線状の発熱体40が収納されるが、前記線状の発熱体40と下面及び左右側面で接触しながら前記線状の発熱体からの熱を伝達する。本発明で発熱体40は断面が円形でありながら相対的に長さが長い線状で形成されながら床暖房システムで熱を提供する暖房用資材の通称として、XLパイプ、暖房管、電気発熱ケーブルなどを包括する。凹凸金属板の凹部と発熱体が下面及び左右側面で接触するため、発熱体から熱を非常に効果的に伝達できる。
【0049】
凹凸金属板30は、凹部の下部または凸部の上部を平らな面を有するように形成できる。本発明に係る床暖房システムで凹凸金属板の上部と下部には熱拡散板20が備えられるが、凹部の下部または凸部の上部を平らな面を持たせると、凹凸金属板30と熱拡散板20が面接触することで、より安定的に結合できる。
【0050】
また、
図7及び
図10に示すごとく、凹凸金属板の凹部は線状発熱体の左右側面の下部と接触できるように曲面80とすることもできる。凹部を曲面とすると発熱体との接触面が広くなるため、発熱体から熱をより効果的に伝達してもらうことができる。
【0051】
これだけでなく、本発明に係る凹凸金属板は線状発熱体が収納される凹部のみを曲面80に形成することも可能である。すなわち、凹凸金属板に凹凸が繰り返し形成されるが、すべての凹部に発熱体が収納されるわけではなく、全体暖房面積と発熱体の種類および屈曲の程度によって凹凸金属板の凹部の中でも発熱体が収納されなければならない凹部と収納されていない凹部を事前に計画することはできるので、発熱体が収納されなければならない凹部だけを曲面80に形成することもできる。
【0052】
一方、これまで説明していた凹凸金属板が凹凸が凹部と凸部が一方向に形成されていたのとは異なり、凹部と凸部が双方向に連続して形成することもできる。
図8には、本発明の他の実施例による凹部と凸部が双方向に連続して形成された凹凸金属板が図示されている。
【0053】
凹部に沿って発熱体が収納されるので、凹部と凸部が一方向に形成されていれば発熱体の収納方向が一方向に限定されるしかないが、凹凸金属板の凹部と凸部が
図8に示すように2方向に形成されれば発熱体を2方向に全て収納できるため、発熱体の設置方向をより簡単に調節できるという長所がある。
【0054】
本発明に係る凹凸金属板は、鉄板、カラー鋼板、合成樹脂コーティング鋼板、亜鉛メッキ鉄板、ガルバ鋼板、錫メッキ鉄板、アルミニウム、デュアルアルミニウム、アルミニウム合金板、銅板、黄銅、青銅の中から選択される材質で形成される。
【0055】
前記凹凸金属板はギアフォーミング、ローラーフォーミング、プレス成形のいずれかによって成形される。
【0056】
ギアフォーミングは、
図12のように2つのギア90を配置し、ギア90の間に金属板を通過して製作する方式である。この方式は機械製作費用が少なく生産性が良く、ギア構造の形によって鉄板構造材が成形されるようにするものである。
【0057】
ローラーフォーミングは、
図13のように適当な大きさの連続する長い鉄板を移送させ、多数のローラー91を利用して希望する形に曲がったり折れたりするように、複数の段階の圧力を経て漸進的に連続して成形されたものを適当な大きさに切って形成するものである。
【0058】
プレス成形は、
図14のように凹凸金属板断面状の凹凸状の金型92を製作し、プレス作業を通じて作業するものである。
【0059】
本発明に係る凹凸金属板を利用した床暖房システムの施工方法について説明する。本発明に係る床施工を行うための資材として、1:発熱体40、2:横600mm、縦600mmの熱拡散板20、3:接着用シリコン、4:鉄板用ボルト50、5:凹凸金属板30が必要である。
【0060】
これを利用した施工過程を説明する。水平平準化された床スラブに木の箸の太さの接着用シリコンを約200mm間隔で打ち断熱材10を付ける。断熱材10は発熱体からの熱が床スラブの方向に伝わることを防止する。前記断熱材10は、任意のタイプとすることができるが押されて収縮変形しないように硬い圧縮スチロール(ISOPINK)類が望ましい。断熱材の上に再び接着用シリコンを打ち、下部の熱拡散板20を貼り付ける。下部熱拡散板20を床にすべて貼り付けた後、接着剤で凹凸金属板30を貼る。凹凸金属板20に発熱体30を設置間隔に合わせて設置し、鉄板ボルト50を利用して鉄板床に発熱体と凹凸金属板を固定させる。発熱体が曲がって回らなければならない部分の空間は、凹凸金属板を前記空間に合わせて裁断した後、前記空間に固定する。発熱体と凹凸金属板をすべて設置した後、発熱体と凹凸金属板の隙間をシリコン、タイルボンド、またはセメントなど硬化性モルタルで埋める。隙間埋め工程が終われば接着用シリコンを約100mm間隔で打ち、横600mm、縦600mmの上部熱拡散板20を1~2mmの間隔ごとに施工面積全体に付ける。上部熱拡散板を全て貼り付けて上部熱拡散板の上部に仕上げ材を施工することによって、本発明に係る乾式床暖房システムの施工が完了する。
【0061】
このような施工方法によって完成された本発明の床暖房システムは、発熱体からの熱が床スラブの方向に伝われることを防止する断熱材10と、前記断熱材上部に位置し、発熱体から伝導された熱が水平方向に伝われるようにする下部熱拡散板20と、前記下部熱拡散板の上部に位置し発熱体が収納される凹凸金属板30と、前記凹凸金属板の上部に位置し、前記発熱体から水平方向に伝導された熱を仕上げ材に伝導する上部熱拡散板20を含む。
【0062】
本発明で上部熱拡散板と下部熱拡散板はガルバリウム鋼板(登録商標)、ガルバ鋼板、カラー鋼板、錫メッキ鋼板、亜鉛メッキ鋼板、アルミ板、ステンレス板、銅板などの金属材パネルから選択されることもあり、または合成樹脂パネル、木材質パネル、無機質パネルの中から選択されることもある。また、上部熱拡散板の材質と下部熱拡散板の材質を異なるように選択し、上部熱拡散板は金属材パネルの中から選択し、下部熱拡散板は合成樹脂パネル、木材質パネル、無機質パネルの中から選択することもできる。
【0063】
凹凸金属板は金属板への圧力に耐えやすいように凹部と凸部を備えた立体構造形態で作られるものであるため、オンドル床に設置した際に冷蔵庫などの重さ1m2当たり約1トン以上の荷重に十分耐えられるようになる。
【0064】
そして、セメントモルタルは同じ質量の時、金属に比べて熱蓄積能力が約3分の1、熱伝導率が約5~6分の1以下の低い特性を持っているが、このようにセメントより優れた特性の金属を素材に板状構造体を作り暖房時にシステムに利用すれば発熱体40の熱を4ヶ所の方向から伝達してもらうことができ、セメントモルタルに比べて5倍以上速い熱伝導率が現れるため、発熱体の熱がセメントモルタルの底より早く伝導して室内に入ってくることになり、少なくとも2~3倍以上の熱エネルギー流入効率性が増加する。
【0065】
また、セメントで床暖房を設置した際の寿命が30年以上であれば、凹凸金属板の材質の一つである亜鉛メッキ板はイオン化が鉄より速い亜鉛を鉄板にメッキして酸素腐食を防止することで、腐食する寿命が30年以上半永久的なのでセメントモルタルで施工するのと差がない。
【0066】
熱拡散板や凹凸金属板の材質として亜鉛メッキ鉄板などは周辺で最も多く見られる鉄板類で求めやすい材料であり、撤去時にも撤去が簡単でリサイクルが可能なので廃棄物発生への懸念も少ない。
【0067】
本発明に係る床暖房システムは、施工後たった一日で合板床など最終仕上げ材を施工することができ施工期間が短くなり、既存セメント湿式施工に比べ厚さが薄く重さも軽くなるだけでなく、たった1日にすべての施工が終わって撤去時に金属板をリサイクルできるので廃棄物発生を減らすなど既存のセメント湿式施工の問題点が解決できる。
産業上の利用可能性
【0068】
本発明は床暖房産業分野に利用されるもので、凹凸金属板を利用して床暖房システムを施工することによって、簡単でありながらも施工効率と暖房効率を高めることができる。
【国際調査報告】