(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(54)【発明の名称】調節ガスの局所供給用エッジリング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20230508BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20230508BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20230508BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/205
H01L21/31 C
C23C16/458
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022559853
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 US2021022036
(87)【国際公開番号】W WO2021202080
(87)【国際公開日】2021-10-07
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーパーサド・ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】バイス・ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ホーランド・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ベラウ・レオニド
(72)【発明者】
【氏名】メース・アダム・クリストファー
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA03
4K030GA02
4K030KA02
4K030KA12
4K030KA45
5F004AA01
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5F045EM05
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5F045EN04
5F045GB05
(57)【要約】
【解決手段】基板処理システム用のエッジリングは、環状体と、環状体においてその内径に沿った円周方向に配置される環状チャネルとを含む。環状チャネルは、N個の異なるセクションを含み、Nは1より大きい整数である。エッジリングは、環状チャネルのN個の異なるセクションに1つ又は複数のガスをそれぞれ注入するために、環状体の円周方向に配置されたN個の注入ポートを含む。エッジリングは、環状体の内径から半径方向内側に延びるフランジを含む。フランジには複数のスリットが配置されている。これらのスリットは環状チャネルと流体連通しており、環状チャネルから半径方向内側に延びて1つ又は複数のガスを供給する。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システム用のエッジリングであって、
環状体と、
前記環状体において前記環状体の内径に沿った円周方向に配置され、N個(Nは1より大きい整数)の異なるセクションを含む環状チャネルと、
前記環状体の円周方向に配置され、前記環状チャネルの前記N個の異なるセクションに1つ又は複数のガスをそれぞれ注入するN個の注入ポートと、
前記環状体の前記内径から半径方向内側に延びるフランジと、
前記フランジに配置され、前記環状チャネルと流体連通しており、前記環状チャネルから半径方向内側に延びて前記1つ又は複数のガスを供給する複数のスリットとを含む、エッジリング。
【請求項2】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記複数のスリットは、前記基板処理システムにおける基板の処理中に、基板支持体アセンブリの上部周縁及び前記基板支持体アセンブリに配置された前記基板の外側エッジの下に、前記1つ又は複数のガスを供給するように構成されている、エッジリング。
【請求項3】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記環状チャネルは、前記環状チャネルを前記N個の異なるセクションに分割するN個の分割ブロックを含む、エッジリング。
【請求項4】
請求項3に記載のエッジリングであって、
前記N個の注入ポートは互いに等距離で配置され、
前記N個の分割ブロックのそれぞれは、前記N個の注入ポートのうちの2個の間に配置され、また前記N個の注入ポートのうちの前記2個から等距離を有する、エッジリング。
【請求項5】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記環状体の上面の外部が、前記基板処理システムの排気ポートに近接している、エッジリング。
【請求項6】
請求項1に記載のエッジリングであって、前記エッジリングは、シリコン及び炭化ケイ素の少なくとも1つから作製されている、エッジリング。
【請求項7】
システムであって、
N個(Nは1より大きい整数)の注入ポートを有し、1つ又は複数のガスを選択的に供給するように構成されたエッジリングと、
前記N個の注入ポートに、前記1つ又は複数のガスを供給するように構成されたガス供給システムと、を含む、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、
前記エッジリングは、
前記エッジリングの内径に沿った円周方向に配置され、N個の異なるセクションを含む環状チャネルと、
前記エッジリングの前記内径から半径方向内側に延びるフランジと、
前記フランジに配置され、前記環状チャネルと流体連通しており、前記環状チャネルから半径方向内側に延びて前記1つ又は複数のガスを供給する複数のスリットとを含み、
前記N個の注入ポートは、前記環状チャネルの前記N個の異なるセクションに前記1つ又は複数のガスをそれぞれ注入するために、前記エッジリングの円周方向に配置されている、システム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、前記複数のスリットが、基板の処理中に、基板支持体アセンブリの上部周縁及び前記基板支持体アセンブリに配置された前記基板の外側エッジの下に、前記1つ又は複数のガスを供給するように構成されている、システム。
【請求項10】
請求項8に記載のシステムであって、
前記環状チャネルは、前記環状チャネルを前記N個の異なるセクションに分割するN個の分割ブロックを含み、
前記N個の注入ポートは互いに等距離で配置され、
前記N個の分割ブロックのそれぞれは、前記N個の注入ポートのうちの2個の間に配置され、また前記N個の注入ポートのうちの前記2個から等距離を有する、システム。
【請求項11】
請求項7に記載のシステムであって、前記ガス供給システムは、前記N個の注入ポートに、前記1つ又は複数のガスのうち同一のガスを供給する、システム。
【請求項12】
請求項7に記載のシステムであって、前記ガス供給システムは、前記N個の注入ポートに、前記1つ又は複数のガスのうち同一のガスを、同じ流量で供給する、システム。
【請求項13】
請求項7に記載のシステムであって、前記ガス供給システムは、前記N個の注入ポートに、前記1つ又は複数のガスのうち同一のガスを、異なる流量で供給する、システム。
【請求項14】
請求項7に記載のシステムであって、前記ガス供給システムは、前記N個の注入ポートに、前記1つ又は複数のガスのうちM個(Mは1<M≦Nを満たす整数)のガスを供給する、システム。
【請求項15】
請求項7に記載のシステムであって、前記ガス供給システムは、前記N個の注入ポートに、前記1つ又は複数のガスのうちM個(Mは1<M≦Nを満たす整数)のガスを、同じ流量で供給する、システム。
【請求項16】
請求項7に記載のシステムであって、前記ガス供給システムは、前記N個の注入ポートに、前記1つ又は複数のガスのうちM個(Mは1<M≦Nを満たす整数)のガスを、異なる流量で供給する、システム。
【請求項17】
請求項7に記載のシステムであって、前記1つ又は複数のガスは、反応性ガスと不活性ガスのうちの1つ又は複数を含む、システム。
【請求項18】
請求項7に記載のシステムであって、
下側を有する半導体ウェハを含む基板を支持するように構成された基板支持体アセンブリをさらに含み、
前記1つ又は複数のガスは、前記半導体ウェハの前記下側に近接した領域に供給される、システム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、前記1つ又は複数のガスは、処理中に前記半導体ウェハの前記下側に蓄積されたエッチング副生成物を除去する、システム。
【請求項20】
請求項7に記載のシステムであって、
半導体ウェハを含む基板を支持するように構成された基板支持体アセンブリをさらに含み、
前記1つ又は複数のガスは、前記半導体ウェハの周縁に近接して供給されることによって、半径方向の拡散を抑制し、エッジの半径方向の均一性を向上させる、システム。
【請求項21】
請求項7に記載のシステムであって、1つ又は複数の構成要素を有する処理チャンバをさらに含み、前記1つ又は複数のガスは、前記1つ又は複数の構成要素の少なくとも1つをプレコートする、システム。
【請求項22】
請求項7に記載のシステムであって、
半導体ウェハを含む基板を支持するように構成された基板支持体アセンブリをさらに含み、
前記1つ又は複数のガスは、前記半導体ウェハの周縁の下及び前記エッジリングと前記基板支持体アセンブリとの間に拡散したラジカルを希釈するための希釈ゾーンを提供する、システム。
【請求項23】
請求項7に記載のシステムであって、
下側を有する半導体ウェハを含む基板を支持するように構成された基板支持体アセンブリをさらに含み、
前記1つ又は複数のガスは、前記半導体ウェハの前記下側にリングを形成するために使用され、
前記リングは、前記半導体ウェハが前記基板支持体アセンブリの中心にあるかどうかを判断するために使用される、システム。
【請求項24】
請求項7に記載のシステムであって、
半導体ウェハを含む基板を支持するように構成された基板支持体アセンブリをさらに含み、
前記1つ又は複数のガスは、前記基板支持体アセンブリの、前記半導体ウェハの周縁下にある領域をクリーニングする、システム。
【請求項25】
請求項7に記載のシステムであって、
前記ガス供給システムは、
前記1つ又は複数のガスを供給する複数のガス源と、
前記複数のガス源と前記N個の注入ポートとに関連付けられた複数のバルブとを含み、
前記システムは、前記複数のバルブを制御して、1つ又は複数の流量で前記N個の注入ポートに前記1つ又は複数のガスを選択的に供給するように構成されたコントローラーをさらに含む、システム。
【請求項26】
方法であって、
N個(Nは1より大きい整数)の異なるセクションに区切られる環状チャネルを含むエッジリングを、処理チャンバの基板支持体アセンブリの周辺に、配置することと、
前記エッジリングの円周方向に配置されたN個の注入ポートを介して、前記環状チャネルの前記N個の異なるセクションにそれぞれ1つ又は複数のガスを供給することと、
前記処理チャンバにおける基板の処理中に、前記エッジリングの内径から半径方向内側に延びるフランジのスリットを介して、前記基板支持体アセンブリの上部周縁及び前記基板支持体アセンブリに配置された前記基板の外側エッジの下に、前記1つ又は複数のガスを供給することと、を含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、
前記1つ又は複数のガスを同じ流量で供給し、
前記基板の前記外側エッジで処理均一性を調節することをさらに含む、方法。
【請求項28】
請求項26に記載の方法であって、
前記1つ又は複数のガスを異なる流量で供給し、
前記基板の前記外側エッジで方位学処理不均一性を補償することをさらに含む、方法。
【請求項29】
請求項26に記載の方法であって、前記基板は半導体ウェハを含み、前記処理はエッチングプロセスを含み、前記1つ又は複数のガスは反応性ガスを含み、前記方法は、前記エッチングプロセス中に前記エッジリングから前記反応性ガスを供給することで、前記基板の前記外側エッジの下の材料の蓄積を防止することをさらに含む、方法。
【請求項30】
請求項26に記載の方法であって、前記基板は半導体ウェハを含み、前記処理はエッチングプロセスを含み、前記1つ又は複数のガスは不活性ガスを含み、前記方法は、前記エッチングプロセス中に前記エッジリングから前記不活性ガスを供給して、前記エッチングプロセス中に前記基板支持体アセンブリの領域を保護することをさらに含む、方法。
【請求項31】
請求項26に記載の方法であって、前記基板はクリーニングウェハを含み、前記処理はクリーニングプロセスを含み、前記1つ又は複数のガスは不活性ガスを含み、前記方法は、前記クリーニングプロセス中に前記エッジリングから前記不活性ガスを供給して、前記クリーニングプロセス中に前記エッジリングに近接する前記処理チャンバの構成要素を摩耗から保護することをさらに含む、方法。
【請求項32】
請求項26に記載の方法であって、前記基板はクリーニングウェハを含み、前記処理はクリーニングプロセスを含み、前記1つ又は複数のガスはクリーニングガスを含み、前記方法は、前記クリーニングプロセス中に前記エッジリングから前記クリーニングガスを供給して、前記クリーニングプロセス中に前記エッジリングに近接する前記処理チャンバの構成要素をクリーニングすることをさらに含む、方法。
【請求項33】
請求項26に記載の方法であって、
前記1つ又は複数のガスを用いて前記基板の前記外側エッジの下にパターン状に材料を堆積させることと、
前記パターンが前記基板の中心と同心であるかどうかに基づいて、前記基板が前記基板支持体アセンブリの中心にあるかどうかを判定することと、をさらに含む、方法。
【請求項34】
請求項26に記載の方法であって、前記1つ又は複数のガスを前記エッジリングから供給し、前記基板の前記外側エッジに材料を堆積させることをさらに含む、方法。
【請求項35】
請求項26に記載の方法であって、前記エッジリングから前記1つ又は複数のガスを供給し、前記エッジリングに近接する前記処理チャンバの構成要素にコーティングを施すことをさらに含む、方法。
【請求項36】
請求項26に記載の方法であって、前記N個の注入ポートを介して、前記1つ又は複数のガスを、前記環状チャネルの前記N個の異なるセクションに同じ流量で供給することをさらに含む、方法。
【請求項37】
請求項26に記載の方法であって、前記N個の注入ポートを介して、前記1つ又は複数のガスを、前記環状チャネルの前記N個の異なるセクションに異なる流量で供給することをさらに含む、方法。
【請求項38】
請求項26に記載の方法であって、
前記1つ又は複数のガスのうちの第1のガスを、前記N個の注入ポートのうちの第1のポートを介して第1の流量で供給することと、
前記1つ又は複数のガスのうちの第2のガスを、前記N個の注入ポートのうちの第2のポートを介して第2の流量で供給することと、をさらに含む、方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であって、前記第1のガスが反応性ガスを含み、前記第2のガスが不活性ガスを含む、方法。
【請求項40】
請求項38に記載の方法であって、前記第1のガスが第1の反応性ガスを含み、前記第2のガスが第2の反応性ガスを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年4月2日に出願された米国仮出願第63/004132号及び2020年6月19日に出願された米国仮出願第63/041694号の利益を主張するものである。これらの出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して基板処理システムに関し、より詳細には、調節ガスの局所供給のためのエッジリングに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景技術の説明は、本開示の文脈を大まかに提示することを目的とする。現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究は、この背景技術の欄で説明される範囲内において、出願時に先行技術としてみなされ得ない説明の態様と同様に、明示又は暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理システムは、典型的には、半導体ウェハなどの基板の堆積、エッチング、及び他の処理を実行するための複数の処理チャンバ(プロセスモジュールとも呼ばれる)を含む。基板上で実行され得る処理の例としては、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)、化学強化プラズマ気相堆積(CEPVD)、スパッタリング物理気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)、及びプラズマ強化ALD(PEALD)が挙げられるが、これらに限定されない。基板上で実行され得る処理のさらなる例として、エッチング(例えば、化学エッチング、プラズマエッチング、反応性イオンエッチングなど)、及びクリーニング処理も挙げられるが、これらにも限定されない。
【0005】
処理中、基板は、基板処理システムの処理チャンバ内の台座、静電チャック(ESC)などの基板支持体上に配置される。コンピュータ制御ロボットは、典型的には、基板を、処理されるべき順序に従って、1つの処理チャンバから別の処理チャンバに搬送する。堆積中、1つ又は複数の前駆体を含むガス混合物が処理チャンバ内に導入され、プラズマが衝突して化学反応を活性化する。エッチング中、エッチングガスを含むガス混合物が処理チャンバ内に導入され、プラズマが衝突して化学反応を活性化する。処理チャンバ内にクリーニングガスを供給し、プラズマを衝突させることで、処理チャンバは、定期的にクリーニングされる。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムのエッジリングは、環状体と、環状体においてその内径に沿った円周方向に配置される環状チャネルとを含む。環状チャネルは、N個の異なるセクションを含み、Nは1より大きい整数である。エッジリングは、環状チャネルのN個の異なるセクションに1つ又は複数のガスをそれぞれ注入するために、環状体の円周方向に配置されたN個の注入ポートを含む。エッジリングは、環状体の内径から半径方向内側に延びるフランジを含む。フランジには複数のスリットが配置されている。これらのスリットは環状チャネルと流体連通しており、環状チャネルから半径方向内側に延びて1つ又は複数のガスを供給する。
【0007】
他の特徴では、複数のスリットは、基板処理システムにおける基板の処理中に、基板支持体アセンブリの上部周縁及び基板支持体アセンブリに配置された基板の外側エッジの下に、1つ又は複数のガスを供給するように構成されている。
【0008】
他の特徴では、環状チャネルは、環状チャネルをN個の異なるセクションに分割するN個の分割ブロックを含む。
【0009】
他の特徴では、N個の注入ポートは互いに等距離であり、N個の分割ブロックのそれぞれは、N個の注入ポートのうちの2個の間に配置され、またN個の注入ポートのうちのこれらの2個から等距離を有する。
【0010】
他の特徴では、環状体の上面の外部が、基板処理システムの排気ポートに近接している。
【0011】
他の特徴では、エッジリングは、シリコン及び炭化ケイ素の少なくとも1つから作製される。
【0012】
さらに他の特徴において、システムはN個(Nは1より大きい整数)の注入ポートを有するエッジリングを備え、また1つ又は複数のガスを選択的に供給するように構成されている。システムは、N個の注入ポートに、1つ又は複数のガスを供給するように構成されたガス供給システムを含む。
【0013】
他の特徴では、エッジリングは、エッジリングの内径に沿った円周方向に配置される環状チャネルを含む。環状チャネルは、N個の異なるセクションを含む。N個の注入ポートは、環状チャネルのN個の異なるセクションに1つ又は複数のガスをそれぞれ注入するために、エッジリングの円周方向に配置されている。エッジリングは、エッジリングの内径から半径方向内側に延びるフランジを含む。フランジには複数のスリットが配置されている。これらのスリットは環状チャネルと流体連通しており、環状チャネルから半径方向内側に延びて1つ又は複数のガスを供給する。
【0014】
他の特徴では、複数のスリットが、基板の処理中に、基板支持体アセンブリの上部周縁及び基板支持体アセンブリに配置された基板の外側エッジの下に、1つ又は複数のガスを供給するように構成されている。
【0015】
他の特徴では、環状チャネルは、環状チャネルをN個の異なるセクションに分割するN個の分割ブロックを含む。N個の注入ポートは互いに等距離である。N個の分割ブロックのそれぞれは、N個の注入ポートのうちの2個の間に配置され、またN個の注入ポートのうちのこれらの2個から等距離を有する。
【0016】
他の特徴では、ガス供給システムは、N個の注入ポートに、上述の1つ又は複数のガスのうち同一のガスを供給する。
【0017】
他の特徴では、ガス供給システムは、N個の注入ポートに、上述の1つ又は複数のガスのうち同一のガスを、同じ流量で供給する。
【0018】
他の特徴では、ガス供給システムは、N個の注入ポートに、上述の1つ又は複数のガスのうち同一のガスを、異なる流量で供給する。
【0019】
他の特徴では、ガス供給システムは、N個の注入ポートに、上述の1つ又は複数のガスのうちM個(Mは1<M≦Nを満たす整数)のガスを供給する。
【0020】
他の特徴では、ガス供給システムは、N個の注入ポートに、上述の1つ又は複数のガスのうちM個(Mは1<M≦Nを満たす整数)のガスを、同じ流量で供給する。
【0021】
他の特徴では、ガス供給システムは、N個の注入ポートに、上述の1つ又は複数のガスのうちM個(Mは1<M≦Nを満たす整数)のガスを、異なる流量で供給する。
【0022】
他の特徴では、1つ又は複数のガスは、反応性ガスと不活性ガスのうちの1つ又は複数を含む。
【0023】
他の特徴では、システムは、下側を有する半導体ウェハを含む基板を支持するように構成された基板支持体アセンブリをさらに含む。1つ又は複数のガスは、半導体ウェハの下側に近接した領域に送られる。
【0024】
他の特徴では、1つ又は複数のガスは、処理中に半導体ウェハの下側に蓄積されたエッチング副生成物を除去する。
【0025】
他の特徴では、システムは、半導体ウェハを含む基板を支持するように構成された基板支持体アセンブリをさらに含む。1つ又は複数のガスは、半導体ウェハの周縁に近接して供給されるため、半径方向の拡散を抑制し、エッジの半径方向の均一性を向上させることができる。
【0026】
他の特徴では、システムは、1つ又は複数の構成要素を有する処理チャンバを含む。1つ又は複数のガスは、1つ又は複数の構成要素の少なくとも1つをプレコートする。
【0027】
他の特徴では、システムは、半導体ウェハを含む基板を支持するように構成された基板支持体アセンブリをさらに含む。1つ又は複数のガスは、半導体ウェハの周縁の下及びエッジリングと基板支持体アセンブリとの間に拡散したラジカルを希釈するための希釈ゾーンを提供する。
【0028】
他の特徴では、システムは、下側を有する半導体ウェハを含む基板を支持するように構成された基板支持体アセンブリをさらに含む。1つ又は複数のガスは、半導体ウェハの下側にリングを形成するために使用される。リングは、半導体ウェハが基板支持体アセンブリの中心にあるかどうかを判断するために使用される。
【0029】
他の特徴では、システムは、半導体ウェハを含む基板を支持するように構成された基板支持体アセンブリをさらに含む。1つ又は複数のガスは、基板支持体アセンブリの、半導体ウェハの周縁下にある領域をクリーニングする。
【0030】
他の特徴では、ガス供給システムは、1つ又は複数のガスを供給する複数のガス源と、複数のガス源とN個の注入ポートとに関連付けられた複数のバルブとを含む。システムは、複数のバルブを制御して、1つ又は複数の流量でN個の注入ポートに1つ又は複数のガスを選択的に供給するように構成されたコントローラーをさらに含む。
【0031】
さらに他の特徴は、処理チャンバの基板支持体アセンブリの周辺にエッジリングを配置することを含む方法である。エッジリングは、N個(Nは1より大きい整数)の異なるセクションに区切られる環状チャネルを含む。方法は、エッジリングの円周方向に配置されたN個の注入ポートを介して、環状チャネルのN個の異なるセクションにそれぞれ1つ又は複数のガスを供給することを含む。方法は、処理チャンバにおける基板の処理中に、エッジリングの内径から半径方向内側に延びるフランジのスリットを介して、基板支持体アセンブリの上部周縁及び基板支持体アセンブリに配置された基板の外側エッジの下に、1つ又は複数のガスを供給することを含む。
【0032】
他の特徴では、方法は、1つ又は複数のガスを同じ流量で供給し、基板の外側エッジで処理均一性の調節を行うことをさらに含む。
【0033】
他の特徴では、方法は、1つ又は複数のガスを異なる流量で供給し、基板の外側エッジで方位学処理不均一性の補償を行うことをさらに含む。
【0034】
他の特徴では、基板は半導体ウェハを含み、処理はエッチングプロセスを含み、1つ又は複数のガスは反応性ガスを含み、方法は、エッチングプロセス中にエッジリングから反応性ガスを供給して、基板の外側エッジ下の材料の蓄積を防止することをさらに含む。
【0035】
他の特徴では、基板は半導体ウェハを含み、処理はエッチングプロセスを含み、1つ又は複数のガスは不活性ガスを含み、方法は、エッチングプロセス中にエッジリングから不活性ガスを供給して、エッチングプロセス中に基板支持体アセンブリの領域を保護することをさらに含む。
【0036】
他の特徴では、基板はクリーニングウェハを含み、処理はクリーニングプロセスを含み、1つ又は複数のガスは不活性ガスを含み、方法は、クリーニングプロセス中にエッジリングから不活性ガスを供給して、クリーニングプロセス中にエッジリングに近接する処理チャンバの構成要素を摩耗から保護することをさらに含む。
【0037】
他の特徴では、基板はクリーニングウェハを含み、処理はクリーニングプロセスを含み、1つ又は複数のガスはクリーニングガスを含み、方法は、クリーニングプロセス中にエッジリングからクリーニングガスを供給して、クリーニングプロセス中にエッジリングに近接する処理チャンバの構成要素をクリーニングすることをさらに含む。
【0038】
他の特徴では、方法は、1つ又は複数のガスを用いて基板の外側エッジの下にパターン状に材料を堆積させることと、パターンが基板の中心と同心であるかどうかに基づいて、基板が基板支持体アセンブリの中心にあるかどうかを判定することと、をさらに含む。
【0039】
他の特徴では、方法は、1つ又は複数のガスをエッジリングから供給し、基板の外側エッジに材料を堆積させることをさらに含む。
【0040】
他の特徴では、方法は、エッジリングから1つ又は複数のガスを供給し、エッジリングに近接する処理チャンバの構成要素にコーティングを施すことをさらに含む。
【0041】
他の特徴では、方法は、N個の注入ポートを介して、1つ又は複数のガスを、環状チャネルのN個の異なるセクションに同じ流量で供給することをさらに含む。
【0042】
他の特徴では、方法は、N個の注入ポートを介して、1つ又は複数のガスを、環状チャネルのN個の異なるセクションに異なる流量で供給することをさらに含む。
【0043】
他の特徴では、方法は、1つ又は複数のガスのうちの第1のガスを、N個の注入ポートのうちの第1のポートを介して第1の流量で供給すること、及び1つ又は複数のガスのうちの第2のガスを、N個の注入ポートのうちの第2のポートを介して第2の流量で供給することをさらに含む。
【0044】
他の特徴では、第1のガスが反応性ガスを含み、第2のガスが不活性ガスを含む。
【0045】
他の特徴では、第1のガスが第1の反応性ガスを含み、第2のガスが第2の反応性ガスを含む。
【0046】
本開示のさらなる適用範囲は、詳細な説明、特許請求の範囲、及び図面から明らかになるであろう。詳細な説明、及び具体的な実施例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本開示は、詳細な説明、及び下記で説明する添付図面によって、さらに明確に理解されるであろう。
【0048】
【
図1】
図1は、処理チャンバを含む基板処理システムの一例を示す。
【0049】
【
図2A】
図2Aは、本開示に係るエッジリングの斜視図である。
【0050】
【
図2B】
図2Bは、本開示に係るエッジリングの平面図である。
【0051】
【
図2C】
図2Cは、本開示に係るエッジリングの各種の特徴を示す。
【
図2D】
図2Dは、本開示に係るエッジリングの各種の特徴を示す。
【
図2E】
図2Eは、本開示に係るエッジリングの各種の特徴を示す。
【
図2F】
図2Fは、本開示に係るエッジリングの各種の特徴を示す。
【
図2G】
図2Gは、本開示に係るエッジリングの各種の特徴を示す。
【0052】
【
図3A】
図3Aは、本開示に係る基板支持体アセンブリと併用されるエッジリングを示す。
【0053】
【
図3B】
図3Bは、本開示に係るエッジリングと併用されるガス供給システムの一例を示す。
【0054】
【
図3C】
図3Cは、本開示に係る基板処理システム内でのエッジリングの使用例を示す。
【
図3D】
図3Dは、本開示に係る基板処理システム内でのエッジリングの使用例を示す。
【
図3E】
図3Eは、本開示に係る基板処理システム内でのエッジリングの使用例を示す。
【0055】
【
図4】
図4は、本開示に係るエッジリングから調節ガスを供給した場合と、処理チャンバの頂部から調節ガスを供給した場合との処理結果の比較を示す。
【0056】
図面において、参照番号は、類似及び/又は同一の要素を表現するために再使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0057】
プロセスガスと前駆体は、通常、処理チャンバの上部からウェハの表面に供給される。例えば、誘電体エッチングツールでは、プロセスガスは、処理チャンバの上部電極を介してプロセスガスを供給するように設計されたシャワーヘッドから供給される。これらのツールでは、反応物やプロセスガスのウェハ表面への供給は、シャワーヘッドとウェハ表面との隙間、ガス流量及び圧力、閉じ込め機構などを含む要因に依存する。ガスは隙間に沿って拡散するため、ガスがウェハのエッジにおいて供給された場合、ウェハの中心での処理結果にある程度影響する。
【0058】
現在、エッジ調節ガスは処理チャンバの上端からシャワーヘッドを介して供給されている。この特徴における拡散長スケールは、ウェハ全体にわたるプロセスインパクトとなり、ウェハのギャップにも依存する。さらに、上部電極から注入された調節ガスは、処理チャンバの上部電極と下部電極との両方に影響を与える。しかし、代わりに、より局所的なガス調節ノブが実現され、上部電極の表面への影響を最小限に抑えながら、ウェハに局所的な影響を与えることができる。
【0059】
本開示は、ウェハベベルに直接ガス供給路を設けることで、調節ガスをウェハエッジに局所的に供給できるエッジリングを提供する。エッジリングは、調節ガスを、ウェハベベルの下側において、リアクタの処理領域のガスのポンプアウト(排気)経路の近くに送ることができる。このように調節ガスが局所的に供給されることで、拡散長スケールを効果的に減少し、その結果、調節ガスのプロセスへの効果がより局所的になる。具体的には、エッジリングは、リアクタの頂部ではなく下側から、ウェハの最端のエッジ/ベベルにおいて調節ガスを局所的に注入する。エッジリングは、このように、ウェハギャップへの感応性を抑制しつつ、処理中にウェハのエッジにおいて局所的なガス調整ノブを実現する。
【0060】
以下に詳述するように、ウェハ処理時に調節ガスを使用することで、ウェハベベルの下側にポリマー副生成物が蓄積することを防止できる。半径方向に対称な特徴での実装においては、調節ガスは、シャワーヘッドから注入される調節ガスと比較して、異なる長さスケールで最端のエッジの半径方向の均一性を調整するために使用できる。いくつかの実装形態においては、処理中のエッジ優位の方位学不均一性を補償するために、半径方向のガスフローも不均一に分散させることができる。さらに、この調節ガスの特徴は、ウェハレスオートクリーン(WAC)や被覆ウェハオートクリーン(CWAC)のシークエンスにおいて、ESCのエッジやエッジリングでのクリーニング効率の向上に活用できる。さらに、注入されたガスやガス混合物は、ウェハベベルやエッジリングへの局所的な化学堆積に使用できる。また、不活性ガスは、処理中にラジカルの攻撃を受けやすいESCの領域に緩衝/希釈ゾーンを提供するため、及び/又は、クリーニング中に摩耗率が高くなる構成要素を保護するために使用できる。また、調節ガスを注入してウェハベベルの下側をエッチングし、以下に説明するウェハ配置/センタリングに有用なパターンを形成できる。
【0061】
本開示に係る調節ガスを提供することにより、拡散長が短縮でき、処理調整能力が、よりウェハのエッジにより局所的になる。調節ガスによって、クリーニング及びウェハ処理中におけるウェハ表面への影響を最小限にしつつ、ウェハベベルのクリーニングに使用可能なラジカルの高度に局在化した供給源を提供できる。調節ガスの供給の有効半径は、ウェハエッジへのガスフローを変更することで調整できる。さらに、この調節ガスの特徴は、上部電極の膜に顕著な影響を与えることなく、エッジリング又は石英結合リング上の材料を選択的にクリーニング又は堆積(プレコート)するためにも活用できる。
【0062】
図3A~3Eを参照して以下に詳述する、上述した様々なタイプのガス注入は、本開示に係るエッジリングが複数のセクションに区切られ、それぞれが注入ポートを含んでいることにより可能となる。これらの注入ポートを用いて、1つ又は複数のガスを様々な流量でエッジリングの各セクションに注入できる。本開示のこれら及び他の特徴を、以下で詳細に説明する。
【0063】
本開示は以下のように構成される。
図1は、本開示のエッジリングを使用可能な処理チャンバを含む基板処理システムの一例を示す。
図2A~2Gは、本開示に係るエッジリングの各種図及び特徴を示す。
図3A~3Eは、本開示に係るエッジリングの使用を示す。
図4は、本開示に係るエッジリングから調節ガスを供給した場合、処理チャンバの頂部から調節ガスを供給した場合よりも良好な結果となることを示す。
【0064】
図1は、容量結合プラズマを生成するように構成された処理チャンバ102を含む基板処理システム100の一例を示す。処理チャンバ102は、基板処理システム100の他の構成要素を囲み、高周波プラズマ(使用される場合)を有する。処理チャンバ102は、上部電極104と、静電チャック(ESC)106又は他のタイプの基板支持体を有する。動作中、基板108はESC106上に配置される。
【0065】
例えば、上部電極104は、プロセスガスを導入して分配する、シャワーヘッドなどのガス分配装置110を含み得る。ガス分配装置110は、処理チャンバ102の頂面に接続された一端を有するステム部を含み得る。シャワーヘッドのベース部は、概ね円筒形であり、処理チャンバ102の頂面から離間した位置で、ステム部の反対側の端部から外向きの放射状に延びている。シャワーヘッドのベース部の基板に面する表面、又はフェースプレートは、気化した前駆体、プロセスガス、クリーニングガス、又はパージガスが通る複数の孔を含む。或いは、上部電極104は導電板を含んでいてもよく、ガスは別の方法で導入されてもよい。
【0066】
ESC106は、下部電極として作用するベースプレート112を備えている。ベースプレート112は、セラミックマルチゾーン加熱プレートに相当し得る加熱プレート114を支持する。加熱プレート114とベースプレート112との間に、熱抵抗層116が配置されていてもよい。ベースプレート112は、ベースプレート112を通して冷却剤を流すための、1つ又は複数のチャネル118を含んでいてもよい。
【0067】
プラズマが使用される場合、RF生成システム(又はRF源)120は、RF電圧を生成して、上部電極104及び下部電極(例えば、ESC106のベースプレート112)の一方に出力する。上部電極104及びベースプレート112の他方は、DC接地、AC接地、又は無接地であってもよい。例えば、RF生成システム120は、整合及び分配ネットワーク124によって、上部電極104又はベースプレート112に供給されるRF電力を生成する、RF生成器122を含んでいてもよい。図示しない他の例では、プラズマは、誘導的に又は遠隔的に生成され、処理チャンバ102に供給されてもよい。
【0068】
ガス供給システム130は、1つ又は複数のガス源132-1、132-2、...132-N(ガス源132と総称する。Nは0より大きい整数)を含む。ガス源132は、バルブ134-1、134-2、...134-N(バルブ134と総称する)、並びにマスフローコントローラー136-1、136-2、...136-N(マスフローコントローラー136と総称する)によって、マニホールド140に接続される。蒸気供給システム142は、処理チャンバ102に接続されたマニホールド140又は別のマニホールド(図示せず)に気化した前駆体を供給する。マニホールド140の出力は、処理チャンバ102に供給される。ガス源132は、プロセスガス、クリーニングガス、及び/又はパージガスを供給し得る。
【0069】
温度コントローラー150は、加熱プレート114内に配置された複数の熱制御素子(TCE)152に接続し得る。温度コントローラー150は、複数のTCE152を制御して、ESC106及び基板108の温度を制御するために使用し得る。温度コントローラー150は、冷却剤アセンブリ154と連通することで、チャネル118を通る冷却剤の流れを制御し得る。例えば、冷却剤アセンブリ154は、冷却剤ポンプ、リザーバ、及び1つ又は複数の温度センサ(図示せず)を含み得る。温度コントローラー150は、冷却剤アセンブリ154を動作させて、チャネル118を通して冷却剤を選択的に流し、ESC106を冷却する。バルブ156及びポンプ158は、処理チャンバ102から反応物を排出するために使用し得る。システムコントローラー160は、基板処理システム100の構成要素を制御する。
【0070】
図2A~2Gは、本開示に係るエッジリング200の各種図及び特徴を示す。
図2Aは、エッジリング200の斜視図を示す。
図2Bは、エッジリング200の平面図を示す。
図2C~2Gは、エッジリング200の特徴を詳細に示す。
【0071】
図2A及び
図2Bにおいて、エッジリング200は、環状チャネル202を含む。環状チャネル202は、エッジリング200の全円周において完全にはカットされていない。その代わり、環状チャネル202は、以下に説明するように、互いに流体連通しない個々の異なるセクションに区切られている。
図2Eに環状チャネル202の断面を示す。
【0072】
エッジリング200は、エッジリング200の周縁又は外周部(周囲)に沿って配置された複数の注入ポート204-1、204-2、及び204-3(注入ポート204と総称する)を含む。後に詳述されるように、1つ又は複数のガスは、注入ポート204を介して環状チャネル202に注入できる。
図2Dは、注入ポート204のうちの1つを示す追加の図である。
【0073】
あくまで例として3つの注入ポートが図示されているが、エッジリング200は、任意の数の注入ポートを含み得る。例えば、エッジリング200が2つの注入ポートを含む場合、これらの注入ポートは、エッジリング200の周囲に沿って半径方向に対向する位置に配置されてもよい。例えば、エッジリング200が2つ以上の注入ポートを含む場合、これらの注入ポートは、エッジリング200を中心に左右対称に分布していてもよい。例えば、エッジリング200が3つの注入ポートを含む場合、これらの注入ポートは、エッジリング200の周囲に沿って配置された正三角形の各頂点を形成する。或いは、これら3つの注入ポートが、エッジリング200の周囲に沿って配置された二等辺三角形の各頂点を形成してもよい。例えば、エッジリング200が4つの注入ポートを含む場合、これらの注入ポートは、エッジリング200の周囲に沿って配置された四角形の各頂点を形成する。或いは、例えば、これら4つの注入ポートが、エッジリング200の周囲に沿って配置された長方形やひし形の各頂点を形成するなどでもよい。エッジリング200の周囲に沿って配置された注入ポート204について、他の多くの幾何学的配置が考えられる。
【0074】
環状チャネル202は、環状チャネル202に配置された(例えば、埋め込まれた)分割ブロック(
図2Cの素子206参照)により、複数の不連続なセクション(部分又はパーティションともいう)に区切られる。環状チャネル202内の分割ブロックの数と環状チャネル202のセクション数は、注入ポート204の数と同じである。例えば、
図2A及び
図2Bでは、3つの注入ポート204が図示されているため、環状チャネル202は、3つの分割ブロック206-1、206-2、及び206-3(分割ブロック206と総称する)によって、3つのセクション207-1、207-2、及び207-3(セクション207と総称する)に区切られている。
【0075】
分割ブロック206は、注入ポート204と同様の幾何学的配置を有する。分割ブロック206は、注入ポート204から、また互いに等距離にある。例えば、
図2A及び
図2Bに示す例では、3つの注入ポート204が120度の間隔で配置されているため、3つの分割ブロック206も互いに120度の間隔であり、かつ3つの注入ポート204からは60度の間隔となるように配置される。各分割ブロック206は、その両隣の注入ポート204から等距離にある。
図2A及び
図2Bに示す例では、3つの分割ブロック206も、正三角形の各頂点に位置する3つの注入ポート204と同様に正三角形の頂点に位置することになる。
【0076】
エッジリング200は、エッジリング200の内径から半径方向内側(すなわち、エッジリング200の中心に向かって)延びるフランジ210を含んでいる。フランジ210は、環状チャネル202と流体連通し、かつ環状チャネル202から半径方向内側に延びる多数のスリット208を含む。注入ポート204に注入された1つ又は複数のガスは、環状チャネル202のそれぞれのセクション207に入り、環状チャネル202のこれらのセクション207に関連付けられたスリット208から出る。
図2C及び
図2Dは、スリット208のうちの1つを示す追加の図である。
図2F及び
図2Gは、スリット208のうちの1つを詳細に示す図である。
【0077】
例えば、エッジリング200は、シリコン及び炭化ケイ素から作製され得る。シリコンは機械加工しにくいが、エッジリング200はシリコンでも作製可能であり、これは処理チャンバの他の構成要素もシリコン製である場合、好ましい。一般に、エッジリングは、処理チャンバの構成要素の製造において使用される機械加工可能なセラミックや非セラミック材料で作製可能である。材料は、処理チャンバで行う工程や、使用する基板処理ツールの種類に応じて、選択可能である。
【0078】
図3A~3Eは、本開示に係るエッジリング200の使用を示す。
図3Aは、エッジリング200を用いたガスの供給を示す。
図3Bは、1つ又は複数のガスをエッジリング200に供給するガス供給システムを示す。
図3C及び
図3Dは、エッジリング200を使用した最端のエッジ均一性制御を示す。
図3Eは、エッジリング200を使用して作成した、ESCへのラジカル攻撃を遅らせるための不活性ガスバリアを示している。
【0079】
図3Aに、ウェハ304(例えば、
図1に示す基板108)を支持するためのベースプレート302(例えば、
図1に示すベースプレート112)を含む基板支持体アセンブリ300(例えば、
図1に示すESC106)の一例を示す。図示の簡略化のため省略されているが、ベースプレート302は、ウェハ304を支持するセラミック/最上層を含む。ガス供給システム303(例えば、
図1に示すガス供給システム130)は、1つ又は複数のガスをエッジリング200に供給する。
図3Bに、ガス供給システム303とエッジリング200との接続例を示す。
【0080】
エッジリング200は、306に示すように、調節ガスを供給する。エッジリング200からウェハ304の下側へのガスの供給点は、308で示す処理チャンバのポンプアウト又は排気経路に近いため、306で示すように、エッジリング200からウェハエッジへのガスの供給を高度に局所化(すなわち、ウェハエッジに制限)することに役立つ。
【0081】
図3Bは、ガス供給システム303を示す。ガス供給システム303は、複数のガス源350と、複数のバルブ352と、複数のマスフローコントローラー354と、コントローラー356(例えば、
図1に示すコントローラー160)とを含む。ガス源350、バルブ352、及びマスフローコントローラー354は、
図1に示したガス源132、バルブ134、マスフローコントローラー136と同様であり得る。ガス源350は、1つ又は複数の調節ガス、不活性ガス、また後述するその他のガスを供給できる。コントローラー356は、バルブ352とマスフローコントローラー354とを制御して、後述するように、エッジリング200の注入ポート204に、同様の又は異なる流量及び圧力で供給可能な、同種のガス、異なるガス、又はガス混合物を供給する。
【0082】
処理チャンバ(例えば、
図1に示す処理チャンバ102)においてウェハ処理が行われている間、ウェハ304の裏面は、プラズマ(図示せず)の直接的なイオン衝撃には曝露されないため、ウェハ304の裏面にポリマー又は他のタイプのエッチング副生成物残渣が蓄積する傾向がある。例えば、ウェハベベルの下側に蓄積した反応物やラジカルはエッチングされず、ウェハベベルの下側にリング状の堆積を発生させる。この問題は、様々な方法で解決できる。
【0083】
例えば、エッジリング200から注入されるガスは、ウェハベベルの下側に蓄積された物質と化学反応を起こし得るものを選択できる。例えば、ガスは反応性ガスを含み得る。或いは、エッジリング200から注入されるガスは、材料の濃度を希釈又は低減し、ウェハベベルの下側に材料が蓄積するのを防止する不活性ガスを含み得る。この注入された不活性ガスはまた、処理チャンバで行われている進行中の工程を妨げることはない。このように、エッジリング200から局所的に注入される1つ又は複数のガスは、処理チャンバで進行中の処理に影響を与えることなく、ウェハベベルの下側近傍での化学現象又は化学反応を制御して、ウェハベベルの下側におけるエッチング副生成物の堆積を防止することができる。
【0084】
図3C及び
図3Dは、処理チャンバ(例えば、
図1に示す処理チャンバ102)における基板支持体アセンブリ300の上方に配置された天板310を示す。天板310には、シャワーヘッド(例えば、
図1に示すシャワーヘッド104)が配置されている。典型的には、天板310内のシャワーヘッドとウェハ304は、
図3Bの312で示すように、シャワーヘッドからウェハ304に供給されるガスがシャワーヘッドからウェハ304の間で半径方向に拡散するような距離を有する。
【0085】
注目すべき点としては、エッジリング200からのガス注入点とウェハエッジとの距離が、天板310のシャワーヘッドとウェハ304との距離よりも著しく小さいことである。エッジリング200からのガス注入点とウェハエッジとの距離を縮めることで、
図3Dの314に示すように、ウェハエッジ付近での半径方向の拡散の程度を小さくできる。このように拡散が制御できるため、その結果、エッジリング200からウェハエッジ寄りに調節ガスを注入することで、最端のエッジの半径方向の均一性を改善できる。つまり、エッジリング200からのガス注入点をウェハエッジ寄りにすることで、ウェハエッジ近傍での拡散による不均一性を低減できる。
【0086】
コントローラー356を用いてバルブ352とマスフローコントローラー354とを制御することにより、ガスフローをエッジリング200から半径方向に均一又は不均一に分配できる。例えば、注入ポート204を通してエッチングガスを均一に(すなわち、半径方向において対称に)注入し、エッジリング200の方位角的全周辺に渡って同じ濃度のエッチングガスを注入できる。また、注入ポート204を通してエッチングガスを不均一に(すなわち、半径方向において非対称に)注入し、エッジリング200周辺の異なる領域において異なる量のエッチングガスを供給することもできる。例えば、各注入ポート204を通過するエッチングガスの流量は個別に制御できる。
【0087】
さらに、注入ポート204を介して、異なるガスを選択的に注入できる。方位学不均一性を含む様々な不均一性の問題に対処するために、異なるガスを注入ポート204から異なる流量で制御して注入できる。例えば、注入ポート204を介して、同じ(すなわち、単一の)ガスを、同じ又は異なる流量で注入することも可能である。或いは、例えば、2種類以上の異なるガスを、それぞれの注入ポート204から、同じ又はそれぞれ異なる流量などで注入してもよい。例えば、異なるガスとしては、異なる反応性ガスの組み合わせ、不活性ガスと反応性ガスとの組み合わせなどが挙げられる。
【0088】
エッジリング200によるガス注入は、他の用途にも応用できる。例えば、CWACにおいて、基板支持体アセンブリ300の張り出したウェハ下の領域はクリーニングが難しい。これらの領域は、エッジリング200を介して注入された1つ又は複数のガスを用いてクリーニングできる。さらに、いくつかの処理チャンバでは、処理チャンバの構成要素の一部がプレコートされていてもよい。なお、プレコートは、エッジリング200を介してガスを注入することにより行うことができる。
【0089】
図3Eは、318で示すように、エッジリング200を通して不活性ガスを注入することにより、ウェハ304の下及びエッジリング200と基板支持体アセンブリ300との間で拡散し得るラジカルを希釈するための緩衝又は希釈ゾーンを提供できることを示している。これらのラジカルは、例えば、320で示される基板支持体アセンブリ300とベースプレート302との間の結合を攻撃する場合がある。エッジリング200を通して注入された不活性ガスによってこれらのラジカルを希釈することで、攻撃を遅らせるか、最小化するか、或いは防止することができる。このような隙間からのラジカルのパージは、ウェハの処理中、処理チャンバのクリーニング中(このステップは独立したパージステップとしてもよい)、又は処理チャンバのアイドリング時(これは独立したパージステップとしてもよい)に実行可能である。
【0090】
さらに、エッジリング200近傍の処理チャンバの一部の構成要素は、エッジリングガス注入方式を使用して選択的に保護(例えば、プレコーティング)及び/又はクリーニングできる。例えば、チャンバのクリーニングプロセスにおいて、一部の構成要素に高度な摩耗が発生し得る。クリーニングプロセスにおいてのこのような構成要素の過度の摩耗は、上記の希釈方法を使用することで防止し得る。さらに、クリーニングプロセス中に、構成要素を保護する必要がある箇所に不活性ガスを注入するという優先的保護方式を採用することもできる。逆に、構成要素が十分にクリーニングできない場所においてクリーニングを強化するために、反応性ガスを注入することもできる。
【0091】
図3A~3Eを参照して上述した様々なタイプのガス注入は、エッジリングが複数のセクション207に区切られ、それぞれの注入ポート204を含んでいることにより可能となる。さらに、ガス供給システム303は、バルブ352及びマスフローコントローラー354を使用して、上述の異なる方法で異なるガスを供給できるので、様々なタイプのガス注入が可能となる。
【0092】
処理中に基板支持体アセンブリ300上にウェハ304を配置する場合、ウェハ304を基板支持体アセンブリ300の中心に配置する必要がある。上記のエッジリングガス注入システムを使用して、基板支持体アセンブリ300から張り出したウェハ304の下側の領域に材料を堆積させることができる。この堆積によって、ウェハ304の下側にリングが形成される。このリングを調査すれば、ウェハ304が基板支持体アセンブリ300の中心にあるかどうかを確認できる。リングがウェハ304の中心と同心であれば、ウェハ304は基板支持体アセンブリ300の中心に配置されている。
【0093】
図4は、エッジリング200から調節ガスを供給した場合と、処理チャンバの頂部から調節ガスを供給した場合との処理結果の比較を示す。この図は、エッジリング200から調節ガスを供給した場合、処理チャンバの頂部から調節ガスを供給した場合よりも良好な結果となることを示す。
【0094】
前述の説明は、本質的には単なる例示であり、開示、その適用、又は使用を限定することを意図するものではない。本開示の広範な教示は、種々の形態で実装され得る。従って、図面、明細書、及び以下の特許請求の範囲を参照すれば、本開示の他の変更形態は明白であり、本開示には特定の例を含んでいるものの、本開示の真の範囲はそのような特定の例には限定されない。
【0095】
ある方法内における1つ又は複数のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(又は同時に)実行されてもよいことを理解されたい。また、各実施形態はそれぞれ特定の特徴を有するものとして上に記載されているが、本開示の各実施形態に関して説明される任意の1つ又は複数のそれらの特徴は、その組み合わせが明示的に説明されていない場合であっても、任意の他の実施形態の特徴を用いて実装でき、及び/又は任意の他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。言い換えれば、上記の実施形態は相互に排他的ではなく、1つ又は複数の実施形態を互いに組み合わせる順列のそれぞれは、本開示の範囲に含まれる。
【0096】
それぞれの要素(例えば、モジュール、回路素子、半導体層など)の空間的及び機能的な関係は、「接続(connected)」、「係合(engaged)」、「結合(coupled)」、「近接(adjacent)」、「隣接(next to)」、「直上(on top of)」、「上(above)」、「下(below)」、「配置(disposed)」など、さまざまな用語を用いて記載される。また、第1及び第2の要素の間の関係が上記の開示で説明されている場合、「直接」と明示的に説明されていない限り、その関係は、第1及び第2の要素の間に他の介在要素が存在しない、直接的な関係でもあり得るが、第1及び第2の要素の間に1つ以上の介在要素が(空間的又は機能的に)存在する、間接的な関係でもあり得る。本明細書で用いられる場合、A、B、及びCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的な論理ORを用いた論理(A又はB又はC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、及びCのうちの少なくとも1つ」とは解釈されるべきではない。
【0097】
いくつかの実装形態では、コントローラーは、上記で説明した例の一部となり得るシステムの一部である。該システムは、1つ又は複数の処理ツール、1つ又は複数のチャンバ、1つ又は複数の処理用プラットフォーム、及び/又は特定の処理構成要素(ウェハ台座、ガスフローシステムなど)を含む、半導体処理機器を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウェハ又は基板の処理前、処理中、及び処理後に、その動作を制御するための電子機器と統合されていてもよい。電子機器は、1つ又は複数のシステムの種々の構成要素、又はサブパーツの制御を可能とする「コントローラー」と称することもできる。
【0098】
コントローラーは、処理要件及び/又はシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置及び動作設定、ツールへのウェハの搬入出、並びに、特定のシステムに接続又は連動する他の搬送ツール及び/又はロードロックへのウェハの搬入出を含む、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされていてもよい。
【0099】
概して、コントローラーは、様々な集積回路、論理、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義でき、命令を受信・発令し、動作を制御し、クリーニング動作を可能にし、終了点測定を可能にする、等を行う。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、及び/又はプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラーを含んでいてもよい。
【0100】
プログラム命令は、様々な個々の設定(又はプログラム・ファイル)の形態でコントローラーに通信される命令であってもよく、半導体ウェハに対して、半導体ウェハに関連して、又はシステムに対して、特定の処理を実行する操作パラメータを定義する。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、ウェハの1つ又は複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、及び/又はダイの製造中において、1つ又は複数の処理ステップを達成するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0101】
いくつかの実装形態においては、コントローラーは、システムと統合又は結合されるか、そうでなければ、システムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であるか、或いは結合されていてもよく、またこれらを組み合わせた形態であってもよい。例えば、コントローラーは、「クラウド」内、又はfabホストコンピュータシステムの全体若しくは一部として遠隔アクセスによってウェハ処理を行ってもよい。コンピュータは、システムへの遠隔アクセスを可能にし、製造動作に関する現在の経過を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向若しくは性能メトリックを調査し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に追従する処理ステップを設定するか、又は新たな処理を開始してよい。
【0102】
いくつかの例では、遠隔コンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワーク上でプロセスレシピをシステムに提供でき、ネットワークには、ローカル・ネットワーク又はインターネットを含んでよい。遠隔コンピュータは、パラメータ及び/又は設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでいてもよく、これらのパラメータ及び/又は設定は、次いで、遠隔コンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラーは、データの形態で命令を受信し、命令は、1つ又は複数の動作の間に実施すべき処理ステップのそれぞれに対するパラメータを指定する。パラメータは、実施する処理のタイプ、及びコントローラーがインターフェース接続又は制御するように構成したツールのタイプに特定であってもよい。
【0103】
従って、上記のように、コントローラーは、例えば、1つ又は複数の離散型コントローラーなどを用いて分散してもよく、1つ又は複数の離散型コントローラーは、まとめてネットワーク接続され、本明細書で説明する処理及び制御等、共通の目的を持って動作する。このような目的のための分散型コントローラーの一例は、(プラットフォーム・レベルで、又は遠隔コンピュータの一部として等)遠隔設置された1つ又は複数の集積回路と通信する、チャンバ上の1つ又は複数の集積回路であり、チャンバ上での処理を制御するように組み合わせられる。
【0104】
限定はしないが、システムの例として、プラズマ・エッチングチャンバ若しくはモジュール、堆積チャンバ若しくはモジュール、スピンリンスチャンバ若しくはモジュール、金属めっきチャンバ若しくはモジュール、クリーンチャンバ若しくはモジュール、斜縁エッチングチャンバ若しくはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバ若しくはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバ若しくはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバ若しくはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバ若しくはモジュール、イオン注入チャンバ若しくはモジュール、トラックチャンバ若しくはモジュール、並びに半導体ウェハの作製及び/又は製造に関連するか若しくは使用できるあらゆる他の半導体処理システムを含み得る。
【0105】
上記のように、ツールによって実施する1つ又は複数の処理ステップに応じて、コントローラーは、1つ又は複数の他のツール回路若しくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタ・ツール、他のツール・インターフェース、近接ツール、近隣ツール、工場全体に配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラー、又は半導体製造工場におけるツール位置及び/又はロードポートへ、又はそこからウェハの容器を運ぶ材料移送において使用されるツールと通信できる。
【国際調査報告】