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特表2023-520348カートンスタックを移動及び解体するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-17
(54)【発明の名称】カートンスタックを移動及び解体するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/91 20060101AFI20230510BHJP
   B65B 41/06 20060101ALI20230510BHJP
【FI】
B65G47/91 D
B65B41/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558120
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(85)【翻訳文提出日】2022-11-17
(86)【国際出願番号】 EP2021058759
(87)【国際公開番号】W WO2021198489
(87)【国際公開日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】20315118.8
(32)【優先日】2020-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517199190
【氏名又は名称】フレックスリンク アーベー
【氏名又は名称原語表記】FlexLink AB
【住所又は居所原語表記】SE-415 50 GOTEBORG, SWEDEN
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファジー,バスティアン
【テーマコード(参考)】
3F072
【Fターム(参考)】
3F072AA29
3F072GA10
3F072GG01
3F072JA02
3F072KD03
3F072KD23
(57)【要約】
カートンスタックをパレットから受け取り位置へと移動させるためのシステム及び方法であって、システムは、グリップヘッドが提供された工業用ロボットを備え、システムは、いくつかのカートンスタックを保持するパレットのための少なくとも1つの位置、カートンスタックを垂直向きに受け取るように配置された受け取り位置、及び、切断された保持ストラップを受け取るためのごみ入れを備え、カートンスタックは、パレットにおける水平位置から受け取り位置における垂直位置へとロボットによって移動され、ストラップは受け取り位置においてグリップヘッドによって切断され、ストラップは、グリップヘッドによって保持されてごみ入れへと移動され、ストラップはごみ入れ内に解放される。本発明の利点は、カートンスタックがコンベヤにおいて垂直位置へと移動可能な点である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートンスタック(3)をパレット(2)から受け取り位置(7)に移動させるためのシステム(1)であって、
スタック(3)は、ストラップ(36)によってまとめて保持され、
前記受け取り位置(7)は、前記カートンスタック(3)を垂直位置に支持するように適合された少なくとも1つのカートンサポートを備え、
前記システムは、グリップヘッド(20)が提供された工業用ロボット(4)を備え、
前記グリップヘッド(20)は、切断手段(29)が提供された切断モジュール(28)を備え、
前記システムは、いくつかのカートンスタック(3)を保持するパレット(2)のための少なくとも1つの位置を備え、
前記受け取り位置(7)は、カートンスタック(3)を垂直方向に受け取るように配置され、
前記システムは、切断された保持ストラップ(36)を受け取るためのごみ入れ(8)を備え、
前記カートンスタック(3)の向き及びストラップ(36)の前記位置が特定できるように、前記グリップヘッド(20)が、カートン上の印刷の前記位置を検出するように適合された光検出手段(40)を備えるということを特徴とし、
前記ロボット(4)は、前記パレット(2)における水平位置から前記受け取り位置(7)における前記垂直位置へとカートンスタック(3)を移動させるように配置され、
切断手段(29)は、前記受け取り位置(7)において前記ストラップ(36)を切断するように配置され、
前記グリップヘッド(20)が、切断されたストラップ(36)を保持して前記ごみ入れ(8)へと移動させるように配置されるということを特徴とし、
前記グリップヘッド(20)は、前記ストラップ(36)を前記ごみ入れ(8)内に解放するように配置される、システム。
【請求項2】
前記受け取り位置(7)が、コンベヤ(6)の一方の端部に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記グリップヘッド(20)は複数の真空カップ(22)を備えること、及び、前記切断モジュール(24)は開始位置(37)から、前記ストラップ(36)が前記切断モジュール(24)によって取り囲まれる切断位置(38)へと移動するように適合されること、を特徴とし、
保持手段(35)は、前記切断モジュール(24)が前記ストラップ(36)を切断したときに前記ストラップ(36)を保持するように適合される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記切断手段(29)及び前記保持手段(35)が、互いに近接して配置されることを特徴とする、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記切断手段(29)及び前記保持手段(35)が、前記同じアクチュエータ(34)を用いて作動されることを特徴とする、請求項3又は4の何れか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記光検出手段(40)が、カメラ(25)を備えることを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記光検出手段(40)が、前記ストラップ(36)の存在を検出するように適合された光電子センサを備えることを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記カートンスタック(3)が、前記ストラップを用いて前記受け取り位置(7)において垂直向きに配置されることを特徴とする、請求項1から7の何れか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記カートンスタック(3)が、前記ストラップを用いて前記受け取り位置(7)において水平向きに配置されることを特徴とする、請求項1から7の何れか一項に記載のシステム。
【請求項10】
カートンスタックをパレットから受け取り位置へと移動させ、カートンスタックをまとめて保持しているストラップを切断するための方法であって、
前記カートンスタックの向きが特定できるように光検出手段を用いてカートン上の印刷の位置を検出するステップと、
前記カートン上の前記印刷の前記検出された位置から前記ストラップの前記位置を特定するステップと、
前記ストラップに関して事前に定義された位置内にグリップヘッドを位置決めするステップと、
前記グリップヘッド上に配置された複数の真空カップを用いて前記カートンスタックを持ち上げるステップと、
前記受け取り位置において前記カートンスタックを垂直位置に配置するステップと、
前記グリップヘッド内に提供された切断モジュールを、開始位置から前記切断モジュールが前記ストラップを取り囲む切断位置へと移動させるステップと、
前記切断モジュールを用いて前記ストラップを切断するステップと、
前記グリップヘッド上に配置された保持手段を用いて前記ストラップを保持するステップと、
前記グリップヘッドをごみ入れへと移動させるステップと、
前記ストラップを前記ごみ入れ内に解放するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記方法が、前記トリミングモジュールが前記切断位置にあるとき、ストラップ検出器を用いて前記ストラップの存在を検出するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、カートンスタックの層間に配置された介入シート又はライナを除去するステップと、前記シート又はライナを、前記カートンスタックを伴う前記パレットの隣のパレット上に垂直方向に配置するためのステップと、を更に含む、請求項10又は11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートンスタックをピックアップ及び解体するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
業界では、荷積み及び荷降ろし動作には、しばしばロボットが用いられる。ロボットによって、様々なタイプの製品及び物体を取り扱うことができる。製品は均一又は不均一であり得、物体のサイズは大きく変動し得る。ロボットは製品を組み立てることが可能であるか、又は製品をパッキング及びスタッキングするために使用可能である。ロボットの一般的な使用法は、製造ラインの終わりにパレットをパッキングするために、物体をパレットに移動させることである。製造ラインの終わりにおいて、パレット上での製品のパッキングを簡略化するように、製品はしばしば均一な箱に格納される。しかしながら、いくつかの製品又は製品パッケージは、最初に箱内にパッキングする必要なしに、パレット上でパッキングできるように成形される。こうした製品の一例が、パレット上でパッキング可能な複数のペーパーロールを含むパッケージである。
【0003】
別の一般的な使用法は、製造ラインの初めに、製品をパレットからコンベヤライン上に移動させることである。コンベヤに移動させる一般的な製品の一つが、平らに折り畳まれたカートン又は他の平らなシート状の物体である。これらはしばしば、保持ストラップを用いて一緒にラッピングされた束で送達される。こうした束は、パレットから送り込みステーションへと移動されなければならず、ストラップは除去されなければならない。
【0004】
国際特許第2019/243674A1号は、印刷物をパレットから処理ラインの入口セクションへと移送する一手法を記述している。視覚システムが、束の一方の側及びストラップの位置を検出する。把握部材が束の上部に位置決めされ、束は把握部材の刃によってストラップ内で持ち上げられる。束は入口セクション内に位置決めされ、ストラップは切断部材によって切断され、ごみ箱内に処分される。
【0005】
こうしたシステムはいくつかのタイプの製品に対してはうまく機能するが、カートン束を移動させるためのシステム及び方法には、未だ改良の余地がある。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の目的は、カートンスタックを移動及び解体するための改良型システムを提供することである。本発明の別の目的は、カートンスタックを移動及び解体するための改良型方法を提供することである。
【0007】
本発明に従った問題の解決策は、システムに関しては請求項1の特徴部分に、方法に関しては請求項10に、記載されている。他の請求項は、有利な実施形態並びにシステム及び方法の更なる展開を含む。
【0008】
カートンスタックをパレットから受け取り位置に移動させるためのシステムにおいて、スタックはストラップによってまとめて保持され、受け取り位置はカートンスタックを垂直位置に支持するように適合された少なくとも1つのカートンサポートを備え、システムはグリップヘッドが提供された工業用ロボットを備え、グリップヘッドは切断手段が提供された切断モジュールを備え、システムはいくつかのカートンスタックを保持するパレットのための少なくとも1つの位置を備え、受け取り位置はカートンスタックを垂直方向に受け取るように配置され、コンベヤはカートンスタックを垂直位置に指示するように適合された少なくとも1つのカートンサポートを備え、またシステムは切断保持ストラップを受け取るためのごみ入れを備え、本発明の目的は、カートンスタックの向き及びストラップの位置が特定できるように、グリップヘッドがカートン上の印刷の位置を検出するように適合された光検出手段を備えるという点において、達成され、ロボットは、パレットにおける水平位置から受け取り位置における垂直位置へとカートンスタックを移動させるように配置され、切断手段は受け取り位置においてストラップを切断するように配置され、また、グリップヘッドが、切断されたストラップを保持してごみ入れへと移動させるように配置されるという点において達成され、グリップヘッドはストラップをごみ入れ内に解放するように配置される。
【0009】
本発明に従ったシステムのこの第1の実施形態によって、システムは、水平なカートンスタックをピックアップし、垂直位置へと位相できるようにし、カートンスタックをまとめて保持するストラップは切断及び処分される。システムは、より大きな平らに折り畳まれたカートン、及び、プラスチック材料で作られた保持ストラップによってスタック内にまとめて保持される他の平らな物体に適切である。こうした物体のサイズは、例えば30cm*50cm又はそれ以上であり得、スタック内の物体の数は、例えば10~50個であり得る。完全なスタックは上部物体によって持ち上げられ、残りのスタックは上部物体を介するストラップ内で持ち上げられるため、平らな物体は、相対的に剛性でなければならない。カートンスタックを、例えばコンベヤの受け取り位置において垂直位置で位置決めすることによって、カートンを適切な向きに送ることができるため、カートンの更なる取り扱いは簡略化される。
【0010】
カートンスタックが受け取り位置において適切な向きに位置決めできるように、パレット上のカートンスタックの向きがまず検出される。これにより、例えばカートン上の印刷に関して、直立したカートンに適切な向きが与えられる。カートンの向きは、特定の許容差で適用される保持ストラップの位置を検出するために使用される。ストラップの位置を特定するためにカートンの向きのみを使用することが可能であるか、又は、ストラップの位置は検出器によっても検出可能である。ストラップ検出器を用いてストラップの存在を検出することが、更に可能である。ストラップの位置が検出されたとき、グリップヘッドの切断手段がストラップに近接して位置決めされるように、グリップヘッドは事前に定義された位置においてカートンスタックの上面上に位置決めされる。
【0011】
カートンスタックは、グリップヘッドの真空カップの使用によって持ち上げられる。真空カップを使用することによって、カートンスタックは持ち上げられ、任意の方向に及び任意の向きで移動させることができる。このようにして、カートンスタックは、適切な向きで垂直な受け取り位置に配置可能である。カートンスタックは、受け取り位置への移動の間に、おおよそ垂直な向きに傾斜され、同時に、カートンスタックの印刷の向きが正しいように回転され得る。
【0012】
カートンスタックが受け取り位置に配置され、静止しているとき、切断モジュールは、ストラップに近接する開始位置から、トリミングモジュールの切断手段がストラップを囲む切断位置へと移動される。この位置において、切断手段の下部ブレード及び上部ブレードがストラップの各側に位置決めされる。ストラップが切断されるように、切断アクチュエータが切断エッジを備えるブレードを互いに向けて移動させる。同時に、保持手段が下部ブレードに向けて下げられる。保持手段は、ストラップが保持手段によって確実に保持されるように、保持表面と下部ブレードとの間でストラップをクランプする。その後、グリップヘッドはカートンスタックを解放し、ごみ入れへと移動させ、ここでストラップが解放される。
【0013】
グリップヘッドは、複数の真空カップ、切断手段が提供されたトリミングモジュール、及び光検出手段を備える。トリミングモジュールの切断モジュールは、切断手段がストラップに近接して位置決めされる開始位置から、下部ブレード及び上部ブレードがストラップの各側に配置された切断手段によってストラップが取り囲まれる切断位置へと、移動するように適合される。トリミングモジュールは、切断モジュールがストラップを切断するときにストラップを保持するように適合された、保持手段を更に備える。グリップヘッドはカートンスタックを受け取り位置へと移動し、カートンスタックを解体して、切断されたストラップをごみ入れへと移動させるため、オペレータがシステムの動作を継続的に監視又は監督する必要はない。
【0014】
カートンスタックをパレットから受け取り位置へと移動させ、カートンスタックをまとめて保持しているストラップを切断するための方法において、カートンスタックの向きが特定できるように光検出手段を用いてカートン上の印刷の位置を検出するステップ、カートン上の印刷の検出された位置からストラップの位置を特定するステップ、ストラップに関して事前に定義された位置内にグリップヘッドを位置決めするステップ、グリップヘッド上に配置された複数の真空カップを用いてカートンスタックを持ち上げるステップ、受け取り位置においてカートンスタックを垂直位置に配置するステップ、グリップヘッド内に提供された切断モジュールを、開始位置から切断モジュールがストラップを取り囲む切断位置へと移動させるステップ、切断モジュールを用いてストラップを切断するステップ、グリップヘッド上に配置された保持手段を用いてストラップを保持するステップ、グリップヘッドをごみ箱へと移動させるステップ、及び、ストラップをごみ箱内に解放するステップが、開示される。
【0015】
本発明に従った方法のこの第1の実施形態によって、カートンスタックを移動及び解体する簡略化された手法が提供される。この方法によって、カートンスタックが水平位置から垂直位置へと移動され、垂直位置において解体される。
【0016】
添付の図面内に示される実施形態を参照しながら、本発明を下記でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に従ったシステムを示す概略図である。
図2】本発明に従ったシステムにおいて用いられるグリップヘッドの一例を示す図である。
図3】開始位置におけるトリミングモジュールの一例を示す図である。
図4】切断位置におけるトリミングモジュールを示す図である。
図5a】切断図内のトリミングモジュールを示す詳細図である。
図5b】切断図内のトリミングモジュールを示す詳細図である。
図5c】切断図内のトリミングモジュールを示す詳細図である。
図6】本発明に従った方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
下記で説明する更なる進歩を伴う本発明の実施形態は、単なる例と見なされるものであり、特許請求の範囲によって提供される保護範囲を何ら限定するものではない。説明する例において、折り畳まれたカートンのスタックをパレットから移動させる一例が示される。方法及びシステムは、保持ストラップによってまとめて保持される他の平らな物体にも使用され得る。垂直、水平などの方向への言及は、通常の地面方向に関し、すなわち生産工場の床は水平である。
【0019】
図1は本発明に従ったシステムを示し、図2はシステム内で使用されるグリップヘッドを示す。システム1は、グリップヘッド20が提供されたロボット4を備える。ロボットは、任意の方向に移動可能な多軸ロボットアーム5を有する標準的な工業用ロボットであり得、説明する例においては保護ケージを必要としない共同ロボットである。アームには、真空カップ22を使用することによってカートンスタックをピックアップ及び移動させるように適合されたグリップヘッド20が提供される。グリップヘッドには、グリップヘッドが何かに当たった場合に検出し、この場合にはロボットを停止させる、安全シュラウド21が提供される。ロボットは、カートンを受け取り位置7における垂直位置からカートン取り扱いステーション、例えばコンベヤの他方の端部におけるカートン直立ステーションへと移送するように適合された、コンベヤ6の一方の端部に配置される。カートンスタックは、ロボット及びコンベヤの脇に配置されたパレット2上に、水平方向に配置される。システムには、ロボットがカートンスタックをピックアップできる1つ以上のパレットが提供され得る。パレットは、システムがパレットの正確な位置を識別しなくてもよいように、特定の事前に定義された位置に位置決めされる。2つのパレットを用いれば、1つのパレットが空であり交換が必要なときに中断されない。
【0020】
図示された例において、ロボットは、カートンスタック3をパレット2から、コンベヤ6の一方の端部における垂直受け取り位置7へと移動させるように適合される。カートンには、上から見えるようにカートンの上側に配置された、何らかの印刷、例えばロゴタイプが提供される。グリップヘッド20は、光検出手段40、例えばカメラ25を備える視覚システムを用いて、印刷を検出する。印刷が検出されると、システムはカートンスタックの向きを特定することができる。カートンスタックの実際の向きは、折り畳まれたカートンが適切な向きに直立するように、例えばカートンがカートン直立ステーションに供給されるべきであるときに重要である。ストラップは、既知の許容範囲を伴う既知の様式でカートンスタックに印加されるため、カートン上の印刷の位置から、カートンスタックをまとめて保持するストラップ36の位置も特定可能である。
【0021】
グリップヘッド20は、開始位置37において、トリミングモジュール24の切断モジュール28がストラップ36の一方の側上に位置決めされるように、ロボットによってカートンスタック上に位置決めされる。トリミングモジュール24はグリップヘッドのフレーム23上に配置され、一例では、トリミングモジュールが垂直方向にばね留めされるように弾性サスペンションを用いて配置される。トリミングモジュールは、グリップヘッドが空のとき、グリップヘッドのグリップ面から外側、すなわち、グリップヘッドの真空カップ22及び安全シュラウド21の下に延在し、グリップヘッドがカートンスタック上に配置されるとき、カートンスタック内の上部カートン上に担持される。弾性サスペンションは、切断モジュールの下部ブレード30が上部カートンと接触することを保証する。図示された例では、カートンが完全に平らではない場合、又は下部ブレード30が上部カートンのわずかに上に位置決めされる場合であっても、下部ブレード30には、カートンスタック内の上部カートンに対して担持されるように適合された、ばね留めされたキャッチフィンガ26が提供される。このように、下部ブレードが上部カートンに接触していないとき、又は、上部カートンがややたわんでいるときであっても、ストラップは常に下部ブレードによってキャッチされる。キャッチフィンガは、切断モジュールが開始位置から切断位置へと移動するとき、下部ブレード上へとスライドすることができるように、ストラップをキャッチすることができる。
【0022】
グリップヘッドがカートンスタックの上部カートン上に担持されるとき、真空カップは、ロボットに配置された加圧源によって係合される。真空カップは、カートンスタックがロボットによって持ち上げられ操作できるように、グリップヘッドをカートンスタックに取り付ける。真空カップは最上部のカートンを保持し、ストラップはスタック全体をまとめて保持する。このようにカートンスタックを持ち上げることによって、カートンのほとんどはストラップによってのみ保持されるため、カートンは相対的に堅くなければならない。したがってグリップヘッドは、柔らかいか又は柔軟性のある製品がストラップによってまとめて保持されている場合であっても、持ち上げるのには適していない。真空カップがしっかり掴めるように、カートンの表面は相対的に平坦でもなければならない。
【0023】
グリップヘッドがカートンスタックに取り付けられるとき、トリミングモジュール24の切断モジュール28は、図3に示されるような開始位置37から、図4に示されるような切断位置38まで移動される。切断モジュールのキャッチフィンガ26及び下部ブレード30は、たとえ上部カートンが完全に平らでない場合であっても、切断モジュールが切断位置へと移動されるときに、ストラップの下で容易にスライドするように、前部において傾斜が付けられる。切断位置において、ストラップ36は切断モジュール28によって囲まれ、下部エッジ32を備える下部ブレード30はストラップの下に位置決めされ、上部エッジ33を備える上部ブレード31はストラップの上に位置決めされる。
【0024】
グリップヘッド20には、一例ではストラップの位置を検出する光電子センサであり得る、ストラップ検出器(図示せず)も提供され得る。光電子センサは、ストラップの位置を特定するために使用可能であり、グリップヘッドがカートンスタック上に位置決めされる前のグリップヘッドの微調整のために有用であり得る。光電子センサは、カートンスタックにストラップが提供されることを保証するためにも使用され得る。ストラップは、あらゆるカートンスタックについて同じ位置に、予測可能な様式でカートンスタックに印加されるため、ストラップ検出器は任意選択である。
【0025】
説明する例では、切断モジュールは、カートンスタックが持ち上げられる前に、開始位置から切断位置へと移動される。カートンスタックが受け取り位置7に位置決めされるとき、切断モジュールを切断位置に移動させることも可能である。
【0026】
トリミングモジュール24には、切断モジュール28が搭載された線形アクチュエータ27が提供される。線形アクチュエータは、切断モジュールを開始位置37から切断位置38へと移動させる。切断位置は、線形アクチュエータの終了位置に対応する固定位置であり得る。切断モジュールには、切断モジュールがストラップに達したことを検出し、線形アクチュエータを停止させる、検出器、例えばマイクロスイッチも提供され得る。
【0027】
カートンスタックがグリップヘッドによって保持されるとき、カートンスタックは持ち上げられ、コンベヤ6の受け取り位置7へと移動される。パレット上のカートンスタックの向きに依存して、カートンスタックがカートン上の印刷に関して正しい向きで受け取り位置に位置決めされるように、カートンスタックを回転させることもできる。カートンスタックが受け取り位置においてコンベヤ上に担持されているとき、ストラップは、上部ブレード31及び下部ブレード30を備える切断手段によって切断可能である。ストラップは、図5aから図5cに示されるように、切断モジュール28の切断アクチュエータ34を係合することによって切断される。切断アクチュエータは、エッジが切断アクションを実行するように、上部エッジ33を備える上部ブレード31を、下部エッジ32を備える下部ブレード30に向けて移動させる。グリップヘッドを伴うシステムは、人間がロボットアームの到達域内で作業する可能性のある共同システムであるため、切断モジュールにおいて鋭利な又はとがったエッジが存在しないことが重要である。したがってエッジは鋭利又はとがっていないが、ブレードが互いに通過するときにストラップを切断する、2つの90度エッジである。
【0028】
同時に、上部ブレードと共に切断手段に配置される保持手段35が下部ブレードに向けて移動し、図5bに示されるように、保持手段と下部ブレードとの間でストラップをクランプする。ここでストラップは、切断モジュールによって確実に保持される。保持手段は、例えば、下部ブレード内の凹部と協働する、とがったパターン又は突出部分を備え得る。保持手段は、ストラップの厚みに関係なくストラップを確実に掴むことができるように、好ましくはばね留めされる。保持手段がストラップ上に担持されるとき、図5cに示されるように、切断手段の上部ブレードは下方に下がり続け、ストラップを切断する。ここでストラップは切断され、保持手段によってグリップヘッド内に確実に保持される。
【0029】
図示された例において、コンベヤは、コンベヤの中央が空いているように、間隔を置いて配置された2本のコンベヤベルトを備える。これにより、受け取り位置においてカートンスタックの垂直方向に位置決めされたストラップの除去が簡略化される。コンベヤは中央が空いているため、カートンスタックはストラップ上に立てられず、ストラップを容易に除去することができる。ストラップは水平方向にも位置決めされ得、この場合、閉じたコンベヤベルトも使用され得る。コンベヤには、カートンスタックを支持する垂直カートンサポートが提供される。コンベヤには、カートンスタックを保持する追加のグリッパも提供され得る。受け取り位置におけるカートンスタックの向きはほぼ垂直であり、すなわちカートンは、水平面に関して70~90度の間の角度で配置される。
【0030】
カートンスタックは、真空カップから加圧を抜くことによって、グリップヘッドから解放される。ロボットはグリップヘッドを受け取り位置からごみ入れの上の位置へと移動させ、ストラップは、切断アクチュエータをそのアイドル位置へと戻すことによって、トリミングモジュールから解放される。ストラップはごみ入れ内に落ち、グリップヘッドは新しいカートンスタックをピックアップする準備が整う。
【0031】
システムには更に、ロボット及びグリップヘッドの動きを制御するように適合された制御ユニットが提供される。制御ユニットは、好ましくは、コンベヤシステムを含む完全な製造システムのための制御システムに接続される。このようにしてロボットは、必要なときに、カートンスタックを受け取り位置へと移動させることができる。制御ユニットは、異なるタイプの、例えば、異なるサイズ又は異なる印刷を有するカートンに、システムを適合させることも可能である。
【0032】
システムの更なる利点は、カートンスタックの異なる層間に配置された介入シート又はライナを除去するためにも、グリッパヘッドが使用可能な点である。ライナは、容易にピックアップ可能であり、カートンスタックを伴うパレットの隣のパレット上に垂直方向に配置することが可能である。
【0033】
カートンスタックをパレットから受け取り位置へと移動させ、カートンスタックを解体するための方法には、下記のステップが含まれる。
【0034】
第1のステップ100において、カートン上の印刷の位置が光検出手段を用いて検出される。印刷の位置から、カートンパックの向きが特定可能である。光検出手段は、例えば、カートン上の印刷の位置及び向きを検出するカメラを有する視覚システムを備え得る。
【0035】
第2のステップ110において、カートン上の印刷の検出された位置から、カートンスタックをまとめて保持するストラップの位置が特定される。ストラップはすべてのカートンスタックについて同じ位置でカートンスタックに印加されるため、ストラップの位置は、印刷の位置から推定され得るか、又はストラップの位置は光検出手段によって個別に検出され得る。
【0036】
ステップ120において、グリップヘッドは、ストラップに関して事前に定義された位置において、カートンスタック内の上部カートン上に位置決めされる。この位置において、トリミングモジュールの切断モジュールは、ストラップに近接するストラップの一方の側上に位置決めされる。
【0037】
ステップ130において、カートンスタックは、グリップヘッド上に配置された複数の真空カップを使用することによって持ち上げられる。グリッパヘッドはカートンスタックの上部カートンを持ち上げ、カートンスタック内の残りのカートンは、カートンスタックをまとめて保持するストラップに起因して、上部カートンの後に続く。
【0038】
ステップ140において、カートンスタックは受け取り位置において垂直位置に配置される。カートンスタックは、ストラップを用いて垂直方向又は水平方向に配置され得る。
【0039】
ステップ150において、切断モジュールは、開始位置から切断モジュールの切断手段がストラップを取り囲む切断位置へと移動される。この位置において、下部エッジを備える下部ブレードはストラップの下に位置決めされ、上部エッジを備える上部ブレードはストラップの上に位置決めされる。このステップは、グリップヘッドがカートンスタックに取り付けられた後であるが、カートンスタックが持ち上げられる前にも実行され得る。
【0040】
ステップ160において、ストラップは、切断アクチュエータを使用して、上部エッジを備える上部ブレードを、下部エッジを備える下部ブレードに向けて移動させることによって、切断モジュールを用いて切断される。同時に、保持手段が下部ブレードに向けて下方に移動される。保持手段は上部ブレードに近接して配置される。
【0041】
ステップ170において、ストラップは、切断モジュール上に配置された保持手段によって保持される。保持手段は、保持手段と下部ブレードとの間でストラップを確実にクランプする。
【0042】
ステップ180において、グリップヘッドは受け取り位置からごみ入れの上の位置へと、離れて移動される。
【0043】
ステップ190において、ストラップは、保持手段がストラップのグリップを解放するように、切断アクチュエータをそのアイドル状態へと戻すことによって、ごみ入れ内へと解放される。ここでグリップヘッドはパレットに戻り、新しいカートンスタックをピックアップすることができる。
【0044】
ストラップの位置がどのように検出されるかに依存して、更なるステップが含まれ得る。印刷の位置のみを使用することによってストラップの位置が特定される場合、カートンパックがストラップを備えるかどうかを検出することが有利であり得る。ストラップの存在は、ストラップの存在を検出する光検出器、例えば光電子センサによって検出され得る。このセンサは、ストラップの存在を検出するために、又はストラップが正しく位置合わせされていない場合、使用され得る。ストラップが正しく位置合わせされていない場合、グリッパヘッドがストラップに関して正しく位置合わせされるようにグリッパヘッドの保持位置が調節され得る。
【0045】
本発明は、上記で説明する実施形態に限定されるものとはみなされず、後続の特許請求の範囲内の、多くの追加の変形及び改変が可能である。
【符号の説明】
【0046】
1:システム
2:パレット
3:カートンスタック
4:ロボット
5:ロボットアーム
6:コンベヤ
7:受け取り位置
8:ごみ入れ
20:グリップヘッド
21:安全シュラウド
22:真空カップ
23:フレーム
24:トリミングモジュール
25:視覚システム
26:キャッチフィンガ
27:線形アクチュエータ
28:切断モジュール
29:切断手段
30:下部ブレード
31:上部ブレード
32:下部エッジ
33:上部エッジ
34:切断アクチュエータ
35:保持手段
36:ストラップ
37:開始位置
38:切断位置
39:グリップ面
40:光検出手段
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
【国際調査報告】