(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-18
(54)【発明の名称】自己昇圧プッシュプル増幅器のための同相モード電圧コントローラ
(51)【国際特許分類】
H03F 1/52 20060101AFI20230511BHJP
H03F 3/217 20060101ALI20230511BHJP
H03F 3/30 20060101ALI20230511BHJP
【FI】
H03F1/52 210
H03F3/217 130
H03F3/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557947
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(85)【翻訳文提出日】2022-11-22
(86)【国際出願番号】 US2021020793
(87)【国際公開番号】W WO2021194712
(87)【国際公開日】2021-09-30
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】レムコ・ターウォル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・オマール・パウエル
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA02
5J500AA17
5J500AA27
5J500AA41
5J500AA66
5J500AC36
5J500AC53
5J500AC57
5J500AF12
5J500AF15
5J500AH09
5J500AH29
5J500AH33
5J500AK17
5J500AK24
5J500AK26
5J500AK34
5J500AK47
5J500AK53
5J500AK62
5J500AM09
5J500AM21
5J500AS05
5J500AT02
5J500AT06
5J500PG01
5J500WU02
5J500WU10
(57)【要約】
様々な実装形態は、入力信号を増幅するためのシステムを含む。特定の実装形態では、システムは、入力信号を受信して、一対の調整された信号を出力するように構成された同相モード電圧コントローラと、調整された信号に応答して一対のパルス幅変調(PWM)信号を発生させる変調器と、PWM信号を受信して、増幅された出力を発生させるように構成された自己昇圧プッシュプル増幅器であって、入力信号の増幅されたバージョンを表す差動モード電圧を発生させるように構成されている、自己昇圧プッシュプル増幅器と、を含み、同相モード電圧コントローラによって発生された調整された音声信号は、低減された同相モード電圧で自己昇圧プッシュプル増幅器を動作させる、動的に調整されたゲイン及びデューティサイクルオフセットを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
増幅器システムであって、
入力信号を受信して、一対の調整された信号を出力するように構成された同相モード電圧コントローラと、
前記調整された信号に応答して一対のパルス幅変調(PWM)信号を発生させる変調器と、
前記PWM信号を受信して、増幅された出力を発生させるように構成された自己昇圧プッシュプル増幅器であって、前記入力信号の増幅されたバージョンを表す差動モード電圧を発生させるように構成されている、自己昇圧プッシュプル増幅器と、を備え、
前記同相モード電圧コントローラによって発生された前記調整された信号が、低減された同相モード電圧で前記自己昇圧プッシュプル増幅器を動作させる、動的に調整されたゲイン及びデューティサイクルオフセットを含む、増幅器システム。
【請求項2】
前記入力信号が、パルスコード変調(PCM)信号を含む、請求項1に記載の増幅器システム。
【請求項3】
前記入力信号が、アナログ信号を含む、請求項1に記載の増幅器システム。
【請求項4】
前記同相モード電圧コントローラが、
前記入力信号を評価して、検出されたレベルを決定するシステムと、
前記検出されたレベル、定義された供給電圧、及び定義された最大出力に応答して、前記入力信号と関連付けられた最大デューティサイクルを決定する、標準デューティサイクル計算器と、
前記検出されたレベル、前記定義された供給電圧、前記定義された最大出力、及び定義された最小位相電圧値に応答して、最大の調整されたデューティサイクル及びデューティサイクルオフセットを決定する、調整されたデューティサイクル計算器と、を備える、請求項1に記載の増幅器システム。
【請求項5】
前記同相モード電圧コントローラは、前記差動モード電圧が前記入力信号を表し続けることを確実にするために、前記最大デューティサイクル及び最大の調整されたデューティサイクルに応答して、前記入力信号のゲインを動的に調整するための、ゲイン調整システムを更に備える、請求項4に記載の増幅器システム。
【請求項6】
前記デューティサイクルオフセットが、前記ゲイン調整システムから出力されたゲイン調整された信号に適用されて、一対の調整された音声信号を発生させる、請求項5に記載の増幅器システム。
【請求項7】
前記ゲイン調整された信号が、式、
ゲイン調整された信号=(調整された最大デューティサイクル)-0.5/(最大デューティサイクル)-0.5、に従って計算される、請求項6に記載の増幅器システム。
【請求項8】
前記自己昇圧プッシュプル増幅器が、八次差動増幅器を作成する2つの四次ゼータコンバータの半体を備える、請求項1に記載の増幅器システム。
【請求項9】
前記同相モード電圧コントローラによって発生された前記調整された音声信号が、動的に調整されたデューティサイクルを更に含む、請求項1に記載の増幅器システム。
【請求項10】
前記入力信号が、音声信号、モータ制御信号、又は電力インバータ信号、のうちの1つを含む、請求項1に記載の増幅器システム。
【請求項11】
自己昇圧プッシュプル増幅器用の同相モード電圧コントローラであって、前記同相モード電圧コントローラが、
入力信号を受信することと、
前記入力信号に基づいて、最大デューティサイクルを計算することと、
前記入力信号に基づいて、最大の調整されたデューティサイクル及びデューティサイクルオフセットを計算することと、
前記最大デューティサイクル及び前記最大の調整されたデューティサイクルに応答して、前記入力信号の前記ゲインを動的に調整して、ゲイン調整された信号を発生させることと、
前記デューティサイクルオフセットを、前記ゲイン調整された信号に適用して、一対の調整された信号を発生させることであって、前記調整された信号が、差動モード電圧を実質的に不変に維持しながら、自己昇圧プッシュプル増幅器の同相モード電圧を低減させるように構成されている、発生させることと、を含む方法に従って信号を処理する、同相モード電圧コントローラ。
【請求項12】
前記入力信号が、アナログ信号又はパルスコード変調(PCM)信号のうちの1つを含む、請求項11に記載の同相モード電圧コントローラ。
【請求項13】
前記同相モード電圧コントローラが、前記入力信号を処理して、検出されたレベルを決定するように更に構成されている、請求項11に記載の同相モード電圧コントローラ。
【請求項14】
前記同相モード電圧コントローラが、前記検出されたレベル、定義された供給電圧、及び定義された最大出力を処理して、前記最大デューティサイクルを計算するように更に構成されている、請求項13に記載の同相モード電圧コントローラ。
【請求項15】
前記同相モード電圧コントローラが、前記検出されたレベル、定義された供給電圧、定義された最大出力、及び定義された最小位相電圧値を処理して、前記最大の調整されたデューティサイクル及びデューティサイクルオフセットを計算するように更に構成されている、請求項13に記載の同相モード電圧コントローラ。
【請求項16】
前記検出されたレベルが、包絡線検波器、又は多項式の伝達関数を実装する回路で検出される、請求項13に記載の同相モード電圧コントローラ。
【請求項17】
前記同相モード電圧コントローラが、変調器を使用して、前記調整された信号に応答して、一対のパルス幅変調(PWM)信号を発生させるように更に構成されている、請求項11に記載の同相モード電圧コントローラ。
【請求項18】
前記同相モード電圧コントローラが、前記自己昇圧プッシュプル増幅器の電力変換段に前記PWM信号を入力するように更に構成されている、請求項17に記載の同相モード電圧コントローラ。
【請求項19】
前記ゲイン調整された信号が、式、
ゲイン調整された信号=(調整された最大デューティサイクル)-0.5/(最大デューティサイクル)-0.5、に従って計算される、請求項11に記載の同相モード電圧コントローラ。
【請求項20】
前記一対の調整された信号が、変調器によって処理される、請求項11に記載の同相モード電圧コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、自己昇圧増幅器の電力散逸低減技術に関し、より具体的には、四次自己昇圧プッシュプル増幅器のための同相モード電圧コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング音声増幅器は、音声再生用のスピーカを駆動するために使用することができる。例えば、クラスD増幅器は、増幅構成要素(例えば、トランジスタ)が、音声信号をパルストレインに符号化するために様々な電源レールの間で前進及び後退を急速に切り替える電子スイッチとして動作する、増幅器である。音声信号は、高周波成分を除去するように処理されると、音声音響再生用のラウドスピーカに出力され得る。
【0003】
様々なタイプのクラスD増幅器が存在しており、全てが、典型的には、様々な次数の基礎スイッチングコンバータトポロジに由来している。次数は、基本コンバータ回路の内部のエネルギー貯蔵能力を有する受動構成要素の数を示す。二次トポロジの例は、降圧、昇圧、及び降圧-昇圧コンバータである。四次トポロジの例としては、Cuk、SEPIC、及びゼータコンバータが挙げられる。クラスD増幅器は、そのようなコンバータを使用し、電圧トレインのデューティサイクルを操作することによってそれを調整することによって作製される。クラスD増幅器は、トランジスタが決して電流を伝導せず、同時にトランジスタがそれらの両端に電圧を有するならば、高い変換効率を提供する。生じる唯一の損失は、非理想的なトランジスタのスイッチング挙動、及び寄生抵抗の形態での構成要素の非理想性の結果である。
【発明の概要】
【0004】
下記で言及される全ての例及び特徴は、任意の技術的に可能な方式で組み合わせることができる。
【0005】
自己昇圧プッシュプル増幅器を含んでいるシステムが提供され、特定の実装形態は、音声信号などの入力信号を受信して、一対の調整された信号を出力するように構成された同相モード電圧コントローラと、調整された信号に応答して一対のパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)信号を発生させる変調器と、PWM信号を受信して、増幅された出力を発生させるように構成された自己昇圧プッシュプル増幅器であって、入力信号の増幅されたバージョンを表す差動モード電圧を発生させるように構成されている、自己昇圧プッシュプル増幅器と、を含み、同相モード電圧コントローラによって発生された調整された信号は、低減された同相モード電圧で自己昇圧プッシュプル増幅器を動作させる、動的に調整されたゲイン及びデューティサイクルオフセットを含む。
【0006】
追加的な実装形態では、自己昇圧プッシュプル増幅器用の同相モード電圧コントローラが提供される。同相モード電圧コントローラは、音声信号などの入力信号を受信することと、入力信号の最大デューティサイクルを計算することと、入力信号の最大の調整されたデューティサイクル及びデューティサイクルオフセットを計算することと、最大デューティサイクル及び最大の調整されたデューティサイクルに応答して、入力信号のゲインを動的に調整して、ゲイン調整された信号を発生させることと、デューティサイクルオフセットを、ゲイン調整された信号に適用して、一対の調整された信号を発生させることであって、調整された信号は、差動モード電圧を実質的に不変に維持しながら、自己昇圧プッシュプル増幅器の同相モード電圧を低減させるように構成されている、発生させることと、を含む方法に従って信号を処理する。
【0007】
いくつかの実装形態では、入力信号は、パルスコード変調(pulse code modulation、PCM)信号を含み、調整された信号は、修正されたPCM信号を含む。更なる実装形態では、入力信号は、アナログ信号を含む。
【0008】
いくつかの態様では、同相モード電圧コントローラは、入力信号を評価して、検出されたレベルを決定するシステムと、検出されたレベル、定義された供給電圧、及び定義された最大出力に応答して、入力信号と関連付けられた最大デューティサイクルを決定する、標準デューティサイクル計算器と、検出されたレベル、定義された供給電圧、定義された最大出力、及び定義された最小位相電圧値に応答して、最大の調整されたデューティサイクル及びデューティサイクルオフセットを決定する、調整されたデューティサイクル計算器と、を含む。
【0009】
追加的な態様では、同相モード電圧コントローラは、差動モード電圧が入力信号を表し続けることを確実にするために、最大デューティサイクル及び最大の調整されたデューティサイクルに応答して、入力信号のゲインを動的に調整するための、ゲイン調整システムを含む。
【0010】
特定の実装形態では、デューティサイクルオフセットは、ゲイン調整システムから出力されたゲイン調整された信号に適用されて、一対の調整された信号を発生させる。
【0011】
いくつかの態様では、ゲイン調整された信号は、式:ゲイン調整された信号=(調整された最大デューティサイクル)-0.5/(最大デューティサイクル)-0.5に従って計算される。
【0012】
いくつかの実装形態では、自己昇圧プッシュプル増幅器は、八次差動増幅器を作製する2つの四次ゼータコンバータの半体を含む。
【0013】
他の実装形態では、同相モード電圧コントローラによって発生された調整された信号は、動的に調整されたデューティサイクルを更に含む。
【0014】
本概要の項に記載される特徴を含む、本開示に記載される特徴の2つ以上は、特に本明細書に記載されない実装形態を形成するために組み合わされ得る。
【0015】
1つ以上の実装形態の詳細が、添付図面及び以下の説明において述べられる。他の特徴、目的、及び利点は、本説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】様々な実装形態による、増幅器システムのブロック図を表す。
【
図2】様々な実装形態による、ゼータ増幅器を含む、増幅器システムのブロック図を表す。
【
図3】様々な実装形態による、同相モード電圧コントローラを表す。
【
図4】様々な実装形態による、位相電圧の最小化を伴わない最大及び最小デューティサイクルを計算するための式を表す。
【
図5】様々な実装形態による、位相電圧の最小化及び同相モードデューティサイクルオフセットを伴う最大及び最小デューティサイクルを計算するための式を表す。
【
図6】様々な実装形態による、補正されていない応答及び補正された応答のグラフを表す。
【
図7】様々な実装形態による、異なるレベル検出器のAv応答の効果を示すグラフを表す。
【
図8】様々な実装形態による、同相モード調整を伴う、及び伴わない、ピーク検出器波形並びに関連するシングルエンド及び差動信号出力を示すグラフを表す。
【0017】
様々な実装形態の図面は必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様のみを示すことを意図するものであり、したがって、実装形態の範囲を限定するものとみなされるべきではない。図面において、同様の番号付けは、図面間の同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
様々な実装形態は、自己昇圧プッシュプル増幅器と、低減された同相モード電圧で自己昇圧プッシュプル増幅器を動作させる同相モード電圧コントローラと、を含む、増幅器システムを説明する。本明細書に記載された様々な実装形態は、音声信号の増幅を対象としているが、本解決策は、他のタイプの信号、例えば、モータ制御信号、電力インバータ信号、他の制御信号、などにも同様に適用することができることに留意されたい。
【0019】
スイッチング増幅器は、基本コンバータを取り、それを電源と負荷との間に配置することによって形成することができる。増幅は、適合する様式で出力電圧を経時的に変化させるが、負荷へのより高い電圧及び/又は電流を伴うなどのように、デューティサイクルを変調するアクションである。デューティサイクル、及びしたがって、出力信号の時間的変動は、入力信号によって決定される。音声増幅器の場合、この入力信号は、音声波形である。典型的には、増幅器の目的は、入力信号の電圧及び/又は電流の振幅を出力電圧及び/又は電流の振幅に高めることであり、これは、理想的には固定因子によって高くなり、ゲインとも呼ばれる。
【0020】
電源電圧レベルが使用可能な出力電力に制限されるので、また、構成要素の信頼性の目的で必然的に構成要素の動作電圧及び電流が制限されるので、たった1つの基本コンバータトポロジ回路によって達成可能なレベルを超えてゲインを増加させるために、回路組み合わせ技術が使用される。より高い出力電圧が必要である場合、1つの一般的な手法は、2つの基本コンバータを使用して、これらの2つのブロックの出力の間に負荷を配置することである。各回路用の入力信号は、逆位相でのデューティサイクルを考慮しても、同じである。これは、しばしば、プッシュプル又は2相構成と称される。2つを超えるブロックも同様に使用することができ、適切に位相シフトされた入力信号とともに、三相、四相、及びより高次の位相のコンバータにつながる。出力電圧能力は、基本回路の構成要素のストレスを増加させることなく高められる。
【0021】
電流の増幅が必要である場合、基本コンバータブロックの並列構成が使用され、入力信号は、同位相に保たれる。それによって、出力電流能力は、基本回路の内部のストレスを変化させることなく高められる。増幅器のより高い電圧及び/又は電流駆動能力のために、組み合わせ技術を使用することができる。コンバータがエネルギー貯蔵能力、例えば、四次Cuk又はゼータコンバータなどの、関連する昇圧能力を有する二次昇圧コンバータ又はより高次のコンバータとともに使用される場合、これらの組み合わせ技術は、依然として、コンバータの内部の構成要素の過剰なストレスを防止するには不十分である。より多くの基本回路を加えること、及び/又はより高い能力の構成要素を使用することは、経済的に不可能であり得る。
【0022】
電子的構成要素の故障率は、通常、構成要素への熱ストレス、並びにそれらの構成要素の両側のピーク電圧ストレス、及びそれらの構成要素を通る電流ストレスが強く関係する。これらのストレスへの構成要素の曝露時間も同様に、構成要素の故障率に関する強い因子である。音声増幅器の場合、増幅される信号は、音声信号であり、音声信号は、信号振幅が経時的に大幅に変動し得る。音声信号は、特定の最大レベル、例えば、1に正規化して、互いに比較したときに、長期間にわたって低い平均レベルを有し、例えば、数分の長さの音声トラック全体は、典型的には、1ミリ秒(millisecond、ms)~100ミリ秒の範囲の偶発的で一時的な高いピークの繰り返しを含む。音声平均電圧レベルとピーク電圧レベルとの比は、波高率と呼ばれ、典型的には、デシベル(decibel、dB)で表される。音声信号の大きいサンプルは、波高率が、典型的には、10~20dBで変動することを示している。これらの音声ファイルの波高率が、音声ファイル自体の中で1~100msの範囲の短い時間窓にわたって比較された場合、更により大きい波高率の範囲が、典型的には、3~24dBで観察される。観察された中央波高率は、中央、例えば、約15dBにあるが、範囲外のより高い及びより低い波高率には、統計学的に、ほとんど遭遇しない。
【0023】
したがって、増幅器は、統計学的に、その出力のピーク電圧においてごくわずかな時間しか過ごさない。構成要素は、最大再生ボリュームにおいて、典型的な音声ファイルの持続期間にわたってごくまれにストレスを受ける。更に、昇圧増幅器回路トポロジでは、昇圧又は高い供給電圧は、ごくまれにしか必要とされないと結論することができる。低出力電圧が必要である間、供給電圧を瞬間的に低減させ、それによって、増幅器構成要素に対するストレスを更に低減させることができる。この特徴を活用する解決策が、過去に提供されてきた。音声信号によって駆動される必要性に基づいてそれらの出力レベルを変動させることができる例は、電源、昇圧の組み合わせであるか、又はそうではない。供給は、典型的にはクラスG増幅器と称される段階的な様式で調整され得るか、又は典型的にはクラスH増幅器と称される連続可変様式で調整され得る。そのようなトポロジの多くの変形形態が、経時的に示されてきた。それらは、典型的には、全てが、負荷において生成される必要がある信号ピークに備えて供給を増減させるために、いくらかの時間オフセットの必要性を伴う。
【0024】
どちらも参照により本明細書に組み込まれる、Terwalらによる米国特許出願公開第2020/0021256号、「Self-Boosting Amplifier」、Cukによる米国特許第4,186,437号、「Push Pull Switching Power Amplifier」などに記載されている自己昇圧プッシュプル増幅器では、電圧及び電流の昇圧機能は、増幅器回路トポロジの統合機能であり、電源増幅器のカスケード配置と比較して、単離させることができない。このタイプの増幅器は、非常に高い出力電圧を即座に生成することができる。実際に、基本ゼータコンバータの出力電圧は、電源電圧よりも高く、及び低くなり得る。出力極性が接地に対して電源とは逆であるが、同じことが昇降圧、Cuk、又はSEPICコンバータにも当てはまる。
【0025】
同時に、構成要素の両端の内部電圧並びに構成要素を通る電流は、非常に高いデューティサイクルレベル、例えば、負荷への高いピーク出力電圧及び電流において非常に高くなり得る。その結果、構成要素は、増幅器信号のこれらのピーク出力においてストレスを受ける。ゼータ増幅器では、例えば、正及び負の出力上のアイドル同相モード出力電圧は、差動電圧出力が非常に低い場合であっても、ほぼ電圧レベル、約数ミリボルト更には0ボルトであることも観察される。
【0026】
本明細書に提供された実装形態は、動的な様式でこの同相モード電圧を低くし、それによって、自動昇圧プッシュプル増幅器(ゼータなど)の電力段の内部構成要素に関するストレス及び損失を低減させる。音声入力信号に応じて、ゼータプッシュプル増幅器の正側及び負側の内部のスイッチデューティサイクルは、必要な差動出力が生成され、同時に、増幅器の同相モードレベルが、必要な差動出力をサポートするのにちょうど十分な高さであるように操作される。より多くの差動出力が必要である場合、正側及び負側の同相モード電圧を同時に動的に増加させて、必要な差動信号をサポートする。その結果、増幅器電力段の内部のストレス及び熱損失を最小限に抑えることができる。
【0027】
音声信号は、統計学的に、低出力レベルであり、時折にしか高いピークレベルに急上昇しない可能性が高いので、増幅器サイズは、平均電力損失及び熱的考察に基づいて低減され得る。同時に、増幅器電力段内の内部電圧及び電流ストレスを少なくすることは、より高い信頼性の設計をもたらす。
【0028】
様々な実装形態は、出力同相モード電圧を下げることを通して、MOSFETドレイン-ソースピーク電圧及びドレイン-ソース電流を下げることによって、MOSFET伝導及びMOSFETスイッチング損失を少なくすることを含む。同相モード電圧は、標的差動出力電圧に影響を及ぼさず、同時に、同相モード出力電圧を可能な限り下げるような方式で、デューティサイクル制御法則を調整することによって下げられる。この調整は、存在する瞬間的な音声入力電圧及び瞬間的な電池電圧に基づくリアルタイム調整である。再調整は、増幅器全体についての潜在的電力損失の低減を最大限活用するように、スイッチングサイクルごとに行うことができる。調整は、典型的にクラスG及びクラスHタイプの設計に関して必要であるのと同じように、高ピーク電圧を出力することに備えて電力増幅器自体を安定させることを可能にするために入力音声遅延が必要とされないような方式で行われる。
【0029】
図1は、同相モード電圧コントローラ100と、変調器(Mod)106と、自己昇圧プッシュプル増幅器108と、を含む、例示的な増幅器システムを表す。同相モード電圧コントローラ100の実装形態は、入力された音声信号112を処理して、一対の調整された音声信号114を出力するように構成されている、ゲイン調整システム102並びに標準及び調整されたデューティサイクル計算器104を含む。調整された音声信号114は、例えば、パルス幅変調音声信号、パルスコード変調(PCM)信号、パルス密度変調された(pulse density modulated、PDM)信号、又はアナログ信号を含み得る。一対の調整された音声信号114は、AD変調器、BD変調器、又は任意の他の類似のタイプの変調器などの変調器106に送給される。変調器106は、調整された音声信号114に応答して、一対のパルス幅変調(PWM)信号116を発生する。PWM信号116は、スピーカなどの音響トランスデューサ118への増幅された音声出力を発生させるように構成された一組のコンバータ110を含む自己昇圧プッシュプル増幅器108に送給される。自己昇圧プッシュプル増幅器108は、音声信号112の増幅されたバージョンを表す差動モード電圧を発生させる。同相モード電圧コントローラ100によって発生れせた調整された音声信号114は、低減された同相モード電圧で自己昇圧プッシュプル増幅器108を動作させる、動的に調整されたゲイン及びデューティサイクルオフセットを含む。
【0030】
標準デューティサイクル計算器(104内)は、検出された音声レベルAv、定義された供給電圧、及び定義された最大出力に応答して、音声信号112と関連付けられた最大デューティサイクルを決定する。調整されたデューティサイクル計算器(104内)は、検出された音声レベルAv、定義された供給電圧、定義された最大出力、及び定義された最小位相電圧値に応答して、最大の調整されたデューティサイクル及びデューティサイクルオフセットを決定する。次いで、ゲイン調整システム102は、差動モード電圧が音声信号112を表し続けることを確実にするために、計算された最大デューティサイクル及び計算された最大の調整されたデューティサイクルに応答して、音声信号112のゲインを動的に調整する。計算されたデューティサイクルオフセットは、ゲイン調整システム102から出力されたゲイン調整された信号に適用されて、一対の調整された音声信号114を発生させる。
【0031】
図2は、ゼータ増幅器200が、自己昇圧プッシュプル増幅器として利用され、2つの段202、204を含んでいる、例示的な実装形態を表す。
図1の実施形態に類似して、入力音声信号212は、同相モード電圧(common mode voltage、CMV)コントローラ/変調器214に送給されて、これが、一対の調整された信号をゼータ増幅器200に出力し、次いで、これが、増幅信号を音響トランスデューサ230に出力する。各段202、204は、一組のMOSFETと、段202内にラベル付けされた電力貯蔵構成要素(例えば、220、222)と、を含んでいる。プッシュプル配置を形成することによって、出力ノード電圧A及びB上の差動及び同相モード電圧の組み合わせが本質的に作成される。差動電圧V(A)-V(B)は、存在する場合、音響トランスデューサ230に印加される増幅された音声信号である。同相モード電圧(V(A)+V(B))/2は、ゼータコンバータのスイッチデューティサイクルによって制御される電池入力に対する電圧レベルとみなされる出力の結果である。
【0032】
図3は、ゼータ(又は、他の自動昇圧プッシュプル)増幅器制御ブロックの内部で発生させた個々のMOSFET制御デューティサイクルを調整するように構成された、同相モード電圧コントローラ300及び変調器320の詳細ブロック図を示す。この実施例では、音声信号312は、デジタルパルスコード変調(PCM)の形態で、同相モード電圧コントローラ300に入力される。しかしながら、アナログの実装形態が同様に実装され得ることが理解される。更に、
図3に示される実施例は、ゲインを動的に調整して、低減された同相モード電圧で自己昇圧プッシュプル増幅器を動作させるための1つの可能な実装形態を表しているものと理解される。
【0033】
示されるように、入力された音声312は、包絡線検波器302によって処理されて、音声レベル(audio level、Av)を発生させて、これは、2つの異なるパラメータ計算器、すなわち、標準デューティサイクル計算器304及び調整されたデューティサイクル計算器306に送給される。包絡線検波器302は、音声レベルを検出する1つの例であり、他の手法(例えば、多項式伝達関数を実装している回路)が使用され得ることに留意されたい。加えて、PCM信号は、随意の遅延バッファ308に通され、そして、計算器出力に基づいてデューティサイクルを表す信号を発生させるゲイン調整システム310に通される。標準デューティサイクル計算器304は、増幅器出力位相をシフトする同相モードの考慮を伴わない最大の必要な差動出力電圧を達成するために必要とされ、それを可能にする最大デューティサイクル(Dmax)を計算する。また、対称的な最小出力デューティサイクルDminも生成する。これらのデューティサイクルはまた、Dmin、Dmaxはまた、電力コンバータの最大の可能なデューティサイクルとしての役割も果たす。
【0034】
標準デューティサイクル計算器304は電池電圧Vbatt、並びに検出された瞬間的なピーク入力音声レベルAvと組み合わせた最大標的差動出力電圧Voutmaxを考慮する。電池が同じ出力レベルに対して低下したときに、同じ出力レベルを生成するためにより多くの昇圧が必要である。所与の出力レベルに対して一定の平均エネルギーが負荷に送達されるので、入力は、変換プロセスの非効率性を無視して、同じエネルギー量を電力コンバータに取り込む。電池電圧が低下した場合、一定のエネルギー流を維持するために、電流を上昇させなければならない。同相モード電圧コントローラ300は、過度の分潮流、特にMOSFETを保護することが必要である。高いデューティサイクルは、従来のバック由来のクラスD増幅器とは異なって、MOSFETに損害を与えることになり得る、高いMOSFETドレイン-ソース電圧、並びにドレイン-ソース電流を生成し得る。そのような状態が生じた場合に最大デューティサイクルを低減させるために、制御法則が含まれ得る。電池電圧が増加すると、分潮流が減少する。しかしながら、同時に、MOSFETの両端のピーク電圧も増加する。そのような状態が生じた場合に最大デューティサイクルを低減させるために、制御法則が含まれ得る。Dmax及びDminは、
図4に示されるように計算される。
【0035】
調整されたデューティサイクル計算器306は、出力の同相モード電圧を調整するためにパラメータDmax及びDminを調整する必要がある制御パラメータ修正を計算する。D’maxは、同相モード調整の修正後に必要とされる最大の調整されたデューティサイクルである。D’minは、最小の調整されたデューティサイクルである。Dmin及びDmaxは、典型的には、D=0.50の周りで対称であるが、D’min及びD’maxは、対称ではない。
図5は、行われる計算を示す。調整されたデューティサイクル計算器306は、最終的に2つの変数、すなわち、Dから減算する必要があるデューティサイクルオフセットD’cm、並びに、同相モードオフセットとともに適用される、音声信号312へのゲイン補正を計算するためのD’max及びD’min(D’max及びD’minは、D’min=1-D’maxの関係を通して互いに関連付けられる)を生じさせる。インバータ316は、加算要素314及び318と組み合わせて減算演算を実装している。ゲイン補正は、ゲイン調整システム310によって適用される。
【0036】
このゲイン補正は、平均動作点をゲイン-デューティサイクル曲線に沿って移動させた場合に、ゲインを変化させるときに必要である。換言すれば、同相モードが新しい動作点にシフトされる場合、増幅器の差動出力が変化しないことを確実にするようにゲインを調整しなければならない。得られた調整された信号(この実施例では、PCM信号)は、変調器320、この場合ではADデジタル変調器に出力される。補正されたゲインを有する1つのPCM信号が、第1の変調器322に適用されて、デジタル的に発生させた三角形波と比較される。この比較は、適用された音声サンプルごとにどのようなデューティサイクルが必要であるかをダイヤルし、したがって、デューティサイクルコマンドとみなすことができる。変調器324のもう半分は、第2の調整されたPCM音声信号を取る。デューティサイクルオフセットは、音声デューティサイクルコマンドに加えられ、それぞれ、修正されていない信号326及び修正された信号328で示されるように、比較器が構成される方式を考慮してデューティサイクルを効果的に低減させる。
【0037】
差動ゲインは、以下の補正された伝達関数(寄生損失は無視する)をもたらす。
【0038】
【0039】
これは、以下のような未補正の伝達関数と比較することができる。
【0040】
【0041】
図6は、単一のグラフで、補正されていない602(Vodm)及び補正された604(Vodmadj)の大信号応答対デューティサイクルの一例を表すグラフィカルプロットを示す。電力段のゲインは、曲線602と比較して低減した曲線604の傾斜によって示されるように、より低い同相モードで減少する。しかしながら、入力信号ゲイン調整を通して増大させたデューティサイクル範囲によって、出力は、曲線604に維持される。曲線602、604の太線セクションV’odm及びV’odmadjは、曲線602のDmax及びDmin並びに曲線604のD’max及びD’minによって、すなわち、同相モード調整及び入力信号ゲイン調整が適用された後に設定された範囲を示す。
【0042】
図7は、異なるレベル検出器Avの経時的な応答の効果を例示するグラフィカルプロットを示す。音声増幅器の同相モードレベルは、同相モード電圧コントローラへの入力パラメータを動的に変化させるように、主にAv及び電池電圧によって制御される。
図7には、包絡線検波器の高速及び低速バージョンが示されている。波形702は、高速検出器であり、入力音声703のほぼ全波整流を表し、701は、単に音声ピークレベルを通信する低速検出器を表す。音声の全波整流されたバージョン702がAvとして使用される場合、出力位相波形は、波形707及び709によって表される。これらの波形を、波形704及び705によって示される非同相モードの調整された出力位相電圧と比較する。出力電圧は、増幅器の差動出力極性に応じて、ほとんど一方の位相又は他方の位相によって駆動される。これは、対称的なプッシュプルではなく、増幅器出力の振る舞いのようにシングルエンドである。各位相の絶対電圧は、最小である。減速検出器701が使用される場合、出力位相は、より対称的なプッシュプル様式で振る舞いながら、同時に絶対位相電圧を低減させる。曲線706及び708は、低速応答出力形態を示す。しかしながら、特にゼロ音声付近で、電圧は、高速検出器の場合のように最適に最小化されない。当然ながら、2つの間に示される結果を提供するために、これらの2つの極値の間の任意の速度を選択することができる。
【0043】
より高速なAvは、電力節減を最大にするが、Avの全音声帯域幅をサポートすることは、同相モードレベルの変化率に変換し、これが、いくつかの実用上の課題をもたらし得ることに留意されたい。一例は、ゼータ増幅器出力コンデンサの潜在的に高い電流の接地への導入である。別の例は、同相モード電圧構成要素が非常に迅速に変調される場合の出力ワイヤからのRF放射の懸念である。したがって、いくつかの実装形態では、システムの必要性及び能力を満たすために、Avの帯域幅の制限を望み得る。例えば、ある解決策は、緩やかにかつ滑らかにAvを変化させて、より良好なEMC性能を達成するものである。
【0044】
図8は、入力信号802に対して滑らかに変化しない、ピーク検出器波形801の一例を例示するグラフィカルプロットを示す。同相モードのシフトされた位相電圧804は、信号内のより高い高調波成分につながる不連続性を示すが、シフトのないバージョン803はそうならない。これらの同相モードの不連続性にもかかわらず、差動出力805及び806は、理想的な場合には、いかなる不連続性も示さない。
【0045】
これらの例では、計算器304、306(
図3)に入力される音声レベルAvを設定するために、ピーク検出器が使用される。いくつかの実装形態では、ピーク検出器以外の手法を利用して、異なる伝達関数を提供することができる。例えば、音声レベル入力は、特定の音声入力を特定のAv出力に関連付ける多項式から作製される伝達関数によって操作することができる。そのような手法では、次いで、所望に応じて位相電圧応答を成形することができる。そのような手法を使用する潜在的な利点は、ピーク検出器を使用することと比較して、計算オーバーヘッドを低減させることができる。同様に、位相電圧、したがって、MOSFET損失を最小にするという同じ目的で、他の伝達関数が可能である。
【0046】
図8のプロットに例示されるシステムの手法の1つの利点は、いかなる過度の待ち時間も加えられず、したがって、ゼータ増幅器を低待ち時間の音声システムで使用することを可能にする。バック由来のクラスD増幅器と組み合わせられた外部昇圧供給部を伴って設計されている増幅器は、典型的には、電源を必要とされるレベルまでランプアップすることを可能にするために、音声のルックアヘッド遅延を必要とする。この遅延は、約数ミリ秒であり得、かなりの待ち時間をもたらす。ノイズ消去を必要とする、又はビデオシステムを含む音声システムでは、この遅延は、問題となり得る。
【0047】
明白であるように、同相モード電圧コントローラの実装形態は、実質的に位相電圧を低減させることができ、結果として、損失がより少なくなる。例えば、特定の実装形態は、平均位相電圧を12Vから5Vに、更にはより多く容易に低減させることができ、大幅な節減をもたらす。更に、出力位相同相モード電圧を下げることは、統計学的に音声ファイルが大部分の時間を費やすより低い出力レベルでの効率を高める。したがって、同相モード調整技術の実装形態は、プレイ時間を大幅に延ばすこと、並びに増幅器を比較的に低い動作温度で動かすことによって、電池で動くアプリケーションに関する大きな利点を提供する。
【0048】
増幅器システムの機能のうちの1つ以上は、ハードウェア及び/又はソフトウェアとして実装され得、様々な構成要素は、任意の従来の手段(例えば、有線及び/又は無線接続)によって構成要素を接続する通信経路を含み得ることが理解される。例えば、1つ以上の不揮発性デバイス(例えば、フラッシュメモリデバイスなどの集中型又は分散型デバイス)は、1つ以上の記載されたデバイスのシステムのプログラム、アルゴリズム、及び/又はパラメータを記憶及び/又は実行することができる。また、本明細書に記載される機能性又はその部分、及びその様々な修正(以下「機能」)は、少なくとも部分的にコンピュータプログラム製品(例えば、1つ以上のデータ処理装置(例えば、プログラム可能プロセッサ、コンピュータ、複数のコンピュータ、及び/又はプログラム可能論理構成要素など)の動作による実行のための、又はその動作を制御するための、1つ以上の非一時的機械可読媒体などの情報担体において有形に具現化されたコンピュータプログラム)を介して実装され得る。
【0049】
コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語又はインタープリタ型言語を含む任意の形態のプログラム言語で書くことができ、それは、スタンドアローンプログラムとして、又はコンピューティング環境での使用に好適なモジュール、構成要素、サブルーチン、若しくは他のユニットとして含む任意の形態で配備され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、若しくは1つのサイトにおける複数のコンピュータ上で実行されるように配備されるか、又は複数のサイトにわたって配信されて、ネットワークによって相互接続され得る。
【0050】
機能の全部又は一部を実行することと関連付けられたアクションは、機能を実施するために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって実施され得る。機能の全部又は一部は、特殊目的論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)及び/又はASIC(application-specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)として実装され得る。コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサとしてはまた、例として、一般的及び特殊目的マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサが挙げられる。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、又はそれらの両方から命令及びデータを受信し得る。コンピュータの構成要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスを含む。
【0051】
様々な実装形態では、「連結された」と記載される電子的構成要素は、これらの電子的構成要素が互いにデータを通信することができるように、従来の有線及び/又は無線手段を介してリンクすることができる。更に、所与の構成要素内の下位構成要素は、従来の経路を介してリンクされていると考えることができるが、必ずしも図示されない。
【0052】
複数の実装形態を説明してきた。それにもかかわらず、本明細書に記載される本発明の概念の範囲から逸脱することなく追加の改変を行うことができ、したがって、他の実装形態も以下の特許請求の範囲の範疇にあることが理解される。
【符号の説明】
【0053】
100 同相モード電圧コントローラ
102 ゲイン調整システム
104 標準及び調整されたデューティサイクル計算器
106 変調器
108 自己昇圧プッシュプル増幅器
110 コンバータ
112 音声信号
114 音声信号
116 信号
118 スピーカなどの音響トランスデューサ
200 ゼータ増幅器
202 段
204 段
212 入力音声信号
214 変調器
230 音響トランスデューサ
230 音響トランスデューサ
300 同相モード電圧コントローラ
302 包絡線検波器(遅延あり)
304 標準デューティサイクル計算器
306 調整されたデューティサイクル計算器
308 随意の遅延バッファ
310 ゲイン調整システム
310 音声信号
314 加算要素
316 インバータ
318 加算要素
320 変調器
322 第1の変調器
324 変調器
326 修正されていない信号
328 修正された信号
602 曲線
604 曲線
701 減速検出器
702 波形
703 入力音声
704 波形
705 波形
706 曲線
707 波形
708 曲線
709 波形
801 ピーク検出器波形
802 入力信号
803 シフトのないバージョン
804 位相電圧
805 差動出力
806 差動出力
【国際調査報告】