IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジーアイ・サイエンティフィック・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーの特許一覧

特表2023-521171ロッキング要素を有する内視鏡併用デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-23
(54)【発明の名称】ロッキング要素を有する内視鏡併用デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20230516BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
A61B1/00 650
A61B1/018 514
A61B1/00 715
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562040
(86)(22)【出願日】2021-04-09
(85)【翻訳文提出日】2022-12-12
(86)【国際出願番号】 US2021026528
(87)【国際公開番号】W WO2021207574
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】63/007,461
(32)【優先日】2020-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517421769
【氏名又は名称】ジーアイ・サイエンティフィック・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】GI SCIENTIFIC, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ミラー スコット
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161BB04
4C161CC06
4C161FF38
4C161FF40
4C161FF43
4C161GG11
4C161LL02
(57)【要約】
内視鏡併用又はカプラーデバイスは、内視鏡の作動端に取り付けられるように構成された近位端と組織の観察を可能にする可視化セクションとを備える。カプラーデバイスは、開放遠位端と内視鏡の作動チャネルに位置合わせするように構成された近位端とを有する作動チャネル延長部又は開放通路のような器具チャネルを含む。カプラーデバイスは、器具がターゲット部位で定位置に留まることを保証するために及び/又は器具交換を容易にするために器具チャネルを通過した器具を拘束及び/又は固定するように構成される。カプラーデバイスはまた、感染とスコープの性能低下とに至る可能性がある内視鏡の作動端からのデブリ、流体、細菌、又は他の不要物質の侵入を低減するために保護カバーを提供する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡と共に使用するためのデバイスであって、
前記内視鏡による組織の観察を可能にする可視化セクションと該内視鏡の遠位端部分に取り付けられるように構成された近位端とを備える主本体と、
前記主本体内の器具チャネルであって、該主本体の前記近位端が前記内視鏡の前記遠位端部分に取り付けられた時に該内視鏡内で作動チャネルに近接して作動するように構成された前記器具チャネルと、
を備え、
前記デバイスが、前記器具チャネルを通過する器具を拘束するように構成される、
ことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記器具チャネルは、前記主本体内の作動チャネル延長部であり、該作動チャネル延長部は、開放遠位端と、前記内視鏡の前記作動チャネルに取り付けられるように構成された近位端とを有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイスは、前記作動チャネル延長部の一部分を前記器具に対して圧縮して該器具を該作動チャネル延長部内の定位置に固定するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記開放遠位端は、前記内視鏡作動チャネルの長手軸線に対してある角度で傾けられ、前記デバイスが、該角度で前記器具を定位置に固定するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記器具を前記角度で固定しながら該器具の移動を可能にするように構成されることを特徴とする請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記器具チャネルの角度調節のためのエレベーターを前記主本体内に更に備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記主本体の外面上にロッキング要素を更に備え、
前記エレベーターは、前記ロッキング要素に対して器具を固定するように構成される、
ことを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ロッキング要素は、前記作動チャネルの前記長手軸線に対して横断方向に延びる主本体を備えることを特徴とする請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ロッキング要素は、前記主本体から延びて前記器具を固定するための溝を定める1又は2以上の突起を更に備えることを特徴とする請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記エレベーターは、前記角度調節時に前記器具チャネルの一部分を圧縮して前記器具を定位置に固定するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項11】
前記器具チャネルは、前記遠位端で前記器具を受け入れるための溝を定めることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記溝は、実質的にV字形を有することを特徴とする請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記器具チャネルの中に延びる1又は2以上の突起を更に備えることを特徴とする請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記器具チャネルを圧縮して前記器具を前記溝内に固定するためのアクチュエータを更に備えることを特徴とする請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記突起は、前記器具チャネルに取り外し可能に連結されることを特徴とする請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記内視鏡を通過する器具を関節作動させるための機構を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記作動チャネル延長部は、可撓性であり、かつ前記内視鏡の作動によって角度調節が可能であることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項18】
前記作動チャネル延長部の一部分と係合するように位置決めされたストップ部材を更に備え、
前記作動チャネル延長部は、前記ストップ部材との係合時に部分的に圧縮されるように構成される、
ことを特徴とする請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記作動チャネル延長部は、該作動チャネル延長部の角度調節時に前記ストップ部材に係合するように構成されることを特徴とする請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記作動チャネル延長部の一部分に連結され、かつ該部分を圧縮して該作動チャネル延長部の直径を低減するように構成されたアクチュエータを更に備えることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項21】
前記アクチュエータは、ケーブルを備えることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項22】
前記内視鏡は、側面観察スコープを備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記器具は、ガイドワイヤを備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項24】
患者に対する手順に使用するためのキットであって、
光学要素と器具を受け入れるための作動チャネルとを有する内視鏡と、
カプラーデバイスと、
を備え、
前記カプラーデバイスは、
前記内視鏡による組織の観察を可能にするための可視化セクションと該内視鏡の遠位端部分に取り付けられるように構成された近位端とを備える主本体と、
開放遠位端と前記カプラーデバイスの前記近位端が前記内視鏡の前記遠位端部分に取り付けられた時に該内視鏡の前記作動チャネルに近接して作動する近位端とを有する前記主本体内の通路と、
を備え、
前記カプラーデバイスは、前記通路を通過する器具を拘束するように構成される、
ことを特徴とするキット。
【請求項25】
前記器具を更に備えることを特徴とする請求項24に記載のキット。
【請求項26】
前記器具は、ガイドワイヤを備えることを特徴とする請求項25に記載のキット。
【請求項27】
前記カプラーデバイスは、前記器具を定位置に固定するように構成されることを特徴とする請求項24に記載のキット。
【請求項28】
前記開放遠位端は、前記内視鏡作動チャネルに対してある角度で傾けられ、前記カプラーデバイスは、該角度で前記器具を定位置に固定するように構成されることを特徴とする請求項24に記載のキット。
【請求項29】
前記カプラーデバイスは、前記器具を前記角度で固定しながら該器具の平行移動を可能にするように構成されることを特徴とする請求項24に記載のキット。
【請求項30】
前記内視鏡の長手軸線に対して前記器具の角度を調節するように構成されたエレベーターを更に備えることを特徴とする請求項24に記載のキット。
【請求項31】
前記エレベーターは、前記カプラーデバイスの前記主本体内に配置されることを特徴とする請求項30に記載のキット。
【請求項32】
前記エレベーターは、前記内視鏡内に配置されることを特徴とする請求項30に記載のキット。
【請求項33】
前記エレベーターは、前記器具を前記エレベーターに対して固定するように構成された溝を備えることを特徴とする請求項30に記載のキット。
【請求項34】
前記エレベーターは、前記器具が前記カプラーデバイスの固定位置に係合して該器具を該エレベーターに対して固定するような位置の中に該器具を関節作動させるように構成されることを特徴とする請求項30に記載のキット。
【請求項35】
主本体の外面上にロッキング要素を更に備え、
前記エレベーターは、前記ロッキング要素に対して器具を固定するように構成される、
ことを特徴とする請求項34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記ロッキング要素は、前記主本体の長手軸線に対して横断方向に延びる細長本体を備えることを特徴とする請求項35に記載のデバイス。
【請求項37】
前記ロッキング要素は、前記細長本体から延びて前記器具を固定するための溝を定める1又は2以上の突起を更に備えることを特徴とする請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記通路は、前記内視鏡内で前記作動チャネルに取り付けられるように構成された近位端を有する作動チャネル延長部を備えることを特徴とする請求項24に記載のキット。
【請求項39】
前記作動チャネル延長部は、前記遠位端で前記器具を受け入れるための溝を備えることを特徴とする請求項38に記載のキット。
【請求項40】
前記溝は、実質的にV字形を有することを特徴とする請求項39に記載のキット。
【請求項41】
前記作動チャネル延長部内の内腔の中に延びる1又は2以上の突起を更に備えることを特徴とする請求項38に記載のキット。
【請求項42】
前記突起は、前記作動チャネル延長部に取り外し可能に連結されることを特徴とする請求項41に記載のキット。
【請求項43】
前記作動チャネル延長部を圧縮して前記器具を前記溝内に固定するためのアクチュエータを更に備えることを特徴とする請求項38に記載のキット。
【請求項44】
前記内視鏡は、側面観察スコープを備えることを特徴とする請求項24に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用によって全ての目的に対してコピー・アンド・ペーストされたかのように本明細書にその開示全体が組み込まれている2020年4月9日出願の米国仮特許出願第63/007、461号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、内視鏡の光学要素を覆って少なくとも部分的にそれを密封するための併用又はカプリングデバイス、及び内視鏡の作動チャネルから出る器具を拘束及び/又はロックするための機構に関する。
【背景技術】
【0003】
光学撮像技術での最近の進歩は、今日、多くの医療手順を低侵襲的に行うことを可能にしている。高度な視覚機能を有するより高性能な可撓性スコープの進化により、以前は侵襲性の外科的介入でのみ達成することができた人体内の深部領域へのアクセスが可能になっている。この現代の利便性は、米国及び世界中で毎年実施される内視鏡検査、腹腔鏡検査、関節鏡検査、検眼鏡検査、又は他の遠隔撮像可視化手順に対する需要、並びにその数の増加をもたらしている。これらの手順は、比較的安全であるが、それらは、リスクがないわけではない。
【0004】
例えば、内視鏡検査は、検査、診断、又は治療を目的として体腔、管腔、臓器又はその組合せの内側を見るために内視鏡と呼ぶ照明付き可視化デバイスが患者の体内に挿入される手順である。内視鏡は、小さい切開部を通して又は患者の自然オリフィス部を通して挿入される場合がある。気管支鏡検査では、内視鏡は口を通して挿入され、一方でS状結腸鏡検査では、内視鏡は、直腸を通して挿入される。他のほとんどの医療撮像デバイスとは異なり、内視鏡は、臓器、体腔、又は管腔の中に直接に挿入される。
【0005】
今日、ほとんどの内視鏡は再使用される。これは、内視鏡検査の後に、内視鏡は、別の患者に対する別の内視鏡検査に使用するために現場に戻されるように洗浄、消毒又は殺菌、及び再処理手順を経ることを意味する。一部の場合では、内視鏡は、数人の異なる患者に対して1日に数回再使用される。
【0006】
洗浄、消毒、及び再処理手順は厳密なものであるが、内視鏡がいずれの形態の汚染も完全に除かれてかつなくなることになるという保証はない。現代の内視鏡は、これらのスコープが、それらが患者を診断又は治療する際に同じく有効であることを可能にする特徴である非常に小型で可撓性の管状本体の内側の精巧かつ複雑な光学視覚化構成要素を有する。しかし、これら快適性に対するトレードオフは、それらがそれらの小型のサイズ及び多数の構成要素に起因して洗浄が困難であるということである。これらのスコープは、身体の区域の中に深く導入され、これは、これらのスコープの面を体液、血液、及び更に組織のようなスコープ内に捕捉される又はその面に付着する可能性がある要素に露出し、各反復使用と共に感染のリスクを増大する。
【0007】
前方観察内視鏡、内視鏡超音波スコープ(EUS)、及び側面観察機能を有する十二指腸内視鏡のような消化管に使用される内視鏡は、それらが細菌の多い環境にあるという点で複雑さが追加される。典型的な胃内視鏡、大腸内視鏡、十二指腸内視鏡、EUSスコープは、カメラレンズ、照明、及び患者環境に露出された遠位開口部を有する作動チャネルを有する。スコープのこれらの要素の全ては、作動チャネルとスコープ上の他の洗浄しにくい場所とに細菌が入り込むリスクを含む洗浄問題を生じる。これは、細菌が定着して薬剤耐性になる機会を提供し、患者に対して有意な疾病及び更に死亡のリスクさえも生じる。この感染リスクは、作動チャネルを通過する器具を関節作動させるのに使用されるケーブル機構、及び既存のスコープ設計の他の態様にも存在する。更に、細菌汚染及び患者間交差汚染によって呈示される健康リスクに加えて、スコープのこれらの洗浄しにくい区域での流体、デブリ、細菌、微粒子、及び他の不要物質の蓄積も性能に影響を与え、これらの再使用可能スコープの耐用寿命を短縮する。
【0008】
多くの既存の内視鏡に関する別の欠点は、そこを通過する器具は患者内の望ましいターゲット区域に到達するように関節作動することができるが、それらはそれらが内視鏡の遠位端を通過する時に定位置に固定されないということである。特に、ガイドワイヤなどのような可撓性器具は、手順中に位置をシフトし、すなわち、望ましいターゲット区域に留まらない傾向を有する。これに加えて、器具交換は、困難で手間取る可能性があり、その理由は、それが、例えばオペレータがガイドワイヤの上で器具を交換したいと望む場合に、オペレータに第2の器具又はガイドワイヤを再位置決めすることを求めるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国仮特許出願第62/949、238号明細書
【特許文献2】米国仮特許出願第63/003、656号明細書
【特許文献3】米国特許出願第16/717、202号明細書
【特許文献4】米国特許出願第16/717、804号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、汚染及び感染のリスクを低減し、一方で内視鏡の性能も改善するために既存の内視鏡に対する便利な付属品として機能するデバイスを提供することが望ましい。ユーザが、作動端を細菌汚染から保護し、器具がスコープの作動端から異なる角度で出ることを可能にし、かつこれらの器具をそれらが患者内の特定のターゲット部位まで進められた後で定位置に拘束又は固定することを可能にする内視鏡のための付属又は併用デバイスを提供することが特に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の開示は、内視鏡の作動端に取り付けられるように構成された近位端と組織又は他の物質の観察を可能にするための可視化セクションとを備えて内視鏡と共に使用するためのカプラーデバイスを提供する。カプラーデバイスは、近位端が内視鏡に取り付けられた時に内視鏡内の作動又は生検チャネルに近接して作動する器具チャネルを含む。カプラーデバイスは、器具がターゲット部位で定位置に留まることを保証するために及び/又は器具交換を容易にするために器具を拘束及び/又は固定するように構成される。カプラーデバイスはまた、感染及びスコープの性能低下に至る可能性がある内視鏡の作動端からのデブリ、流体、細菌、又は他の不要物質の侵入を低減するために保護カバーを提供する。
【0012】
器具は、ガイドワイヤ、内視鏡的粘膜切除器具、針注入器、Foleyカテーテル、双極又は単極電気外科又は超音波デバイス、スネア、内視鏡ステープラー及び他の締結又は密封器具、動脈ライン、排液カテーテル、末梢挿入中心カテーテル、及び体内で貫通する及び/又はナビゲートするように構成されたいずれかの他のデバイスを含む場合がある。器具は、内視鏡の作動チャネル及びカプラーデバイスの器具チャネルを通って進むように構成することができる。
【0013】
本発明の一態様では、カプラーデバイスの器具チャネルは、開放遠位端と内視鏡内の作動又は生検チャネルに取り付けられるように構成された近位端とを有する作動チャネル延長部である。カプラーデバイスは、器具をそれが作動チャネル延長部を通過した後に定位置に固定するように構成され、そのためにそれは、患者内のターゲット部位の周りで移動しない。本発明の開示のこの新規な特徴は、別の器具がガイドワイヤの上で交換される間に器具を固定するために及び/又はガイドワイヤを固定するためにオペレータによって使用することができる。
【0014】
他の実施形態では、器具チャネルは、器具が手術部位までカプラーデバイスを通過することを可能にする光カプラー内の開放通路、キャビティ、又はチャネルである場合がある。これらの実施形態では、カプラーデバイスは、通路内に器具を固定するための機構を含む。これに加えて、器具は、カプラーデバイス内に、内視鏡上又は内に、又は両方に対して外部に配置されて器具に適切にカプリングされたケーブル、エレベーター、圧電材料、マイクロモータ、有機半導体、電気活性ポリマー、又は他のエネルギ又は電力源のような様々な適切な手段によって関節作動することができる。
【0015】
ある一定の実施形態では、カプラーデバイスは、固定角度での器具の長手方向移動を可能にしながら、内視鏡シャフトに対して特定の角度で器具を固定するように構成される。これは、器具が光カプラー及び内視鏡に対して固定角度で進められることを保証する。これに代えて、器具は、取り外され、患者内の同じ場所まで容易かつ迅速に進めることができる別の器具と交換される場合があり、例えば、ガイドワイヤ又は器具交換である。
【0016】
一実施形態では、光カプラーデバイス又は内視鏡は、作動チャネル延長部の一部分にカプリングされたアクチュエータを含むことができる。アクチュエータは、作動チャネル延長部の少なくとも一部を圧縮してその内径を低減し、そこを通過する器具を拘束するように構成される。好ましい実施形態では、アクチュエータは、カプラーデバイスの別の固定部分に対して作動チャネル延長部を並進又は関節作動させ、それによって作動チャネル延長部の少なくとも一部分を圧縮する。これに代えて、アクチュエータは、例えば、作動チャネル延長部に取り付けられて長手方向に並進して作動チャネル延長部の一方の側に対して押圧するか又は引っ張り、それによってその内径を圧縮するように構成されたケーブル又はロッドのような細長構成要素を備えることができる。
【0017】
ある一定の実施形態では、カプラーデバイスは、作動チャネル延長部の一部分と係合するように位置決めされたストップ部材を含むことができ、そのために作動チャネル延長部は、ストップ部材との係合時に少なくとも部分的に圧縮するように構成され、それによって作動チャネル延長部の内径を低減し、そこを通過する器具を拘束する。ストップ部材は、作動チャネル延長部に対して並進及び/又は関節作動することができ、又は作動チャネル延長部は、ストップ部材に対して並進及び/又は関節作動することができる。これに代えて、作動チャネル延長部は、作動チャネルが、それがストップ部材に係合する時に少なくとも部分的に圧縮されるように、ストップ部材に対して関節作動することができる。
【0018】
ある一定の実施形態では、カプラーデバイスの作動チャネル延長部は、内視鏡を通過するエレベーター又はケーブルによって角度的に調節可能とすることができる。これに代えて、カプラーデバイスは、作動チャネル延長部を調節し、それによって内視鏡を通過する器具を関節作動させるためのエレベーター、ケーブル、又は類似の作動手段のようなそれ自体のアクチュエータを含む場合がある。アクチュエータは、モータなどのようないずれかの適切なエネルギ源によって動力供給することができる。エネルギ源は、スコープを通して直接的に又は磁気的、電気的、又は他の何らかのエネルギ源を通して間接的にアクチュエータにカプリングすることができる。エネルギ源は、カプラーデバイス内に配置することができ、又はそれは、カプラーデバイスに対して外部である場合がある(すなわち、スコープの近位端上に又は患者に対して外部に配置される)。
【0019】
1つの特定の実施形態では、カプラーデバイスは、主本体の外面上にロッキング要素を更に備える。エレベーター(又は他のアクチュエータ)は、器具及び/又は作動チャネル延長部をロッキング要素に対して関節作動させて器具を定位置に固定するように構成される。ロッキング要素は、主本体の外面から突出して主本体の長手軸線に対して横断方向に延びる細長本体を備えることができる。器具及び/又は作動チャネルは、ロッキング要素の細長本体に対してほぼ長手方向に関節作動される。細長本体は、そこから延びる1又は2以上の突起を更に備えて器具を固定するための溝を定めることができる。ある一定の実施形態では、ロッキング要素は、1よりも多い器具をそこに固定するための複数の場所又は溝を含む場合がある。
【0020】
本発明の別の態様では、内視鏡は、十二指腸スコープ又は内視鏡超音波スコープ(EUS)などのような側面観察スコープである。側面観察スコープは、作動チャネル、光源、及びカメラを含む。スコープは、光カプラーの作動チャネル延長部の角度を調節するためのアクチュエータを更に備えることができる。一実施形態では、アクチュエータは、スコープの遠位端部分内に配置されたエレベーターを備える。別の実施形態では、アクチュエータは、スコープを通って延びるケーブルを備える。これらの実施形態では、カプラーデバイスは、カプラーデバイスを通して器具を関節作動させるためにスコープのアクチュエータ又はケーブルと協働するように構成される。他の実施形態では、カプラーデバイスは、器具を関節作動させるためのそれ自体のアクチュエータを含み、エレベーター又はケーブルアクチュエータを有するスコープを有する必要性を排除する。
【0021】
1つの好ましい実施形態では、カプラーデバイスは、作動チャネル延長部を関節作動させるためのエレベーターを備える。エレベーターは、カプラーデバイスの固定部分に対して作動チャネル延長部を移動し、それによって作動チャネル延長部の一部分を圧縮してそこに器具を固定するように構成される。
【0022】
カプラーデバイスの関節作動態様は、作動チャネル延長部内の出口角度を特定の角度に固定するロッキング特徴部又は機能を含むことができる。例えば、特定の出口角度は、胆管又は膵管のような消化管内の特定の点に向けることができ、又は出口角度は、作動チャネル内側のワイヤ又は他の器具を一時的に進めることができないように固定され、器具を一時的に定位置にロッキングして器具交換を支援するか又は器具のナビゲーションを一時的に改善することができる。
【0023】
本発明の別の態様では、作動チャネル延長部又はカプラーデバイスエレベーターは、そこに器具を受け入れるための溝をその遠位端に又はその近くに備える。溝は、器具を作動チャネル延長部又はエレベーターに固定しやすくする形状であることが好ましい。ある一定の実施形態では、溝は、実質的にV字形を備える。他の実施形態では、溝は、U字形、正方形、矩形、三角形、又は円錐形などのような他の形状を定めることができる。
【0024】
ある一定の実施形態では、作動チャネル延長部又はエレベーターは、エレベーター又は作動チャネル延長部の中に延びる斜角、隆起、折り目、又は他の突起のような1又は2以上の突起を更に含む。突起は、例えば、作動チャネル延長部又はエレベーターの開放遠位端に溝を形成する1ペアの隆起を備えることができる。突起はまた、器具を溝の中に誘導するために作動チャネル延長部をその遠位端に向けて絞るか又は狭める役割を果たすことができる。溝は、ガイドワイヤのような器具を光カプラー及び/又は内視鏡の遠位端部分に対して定位置に固定するように構成することができる。ある一定の実施形態では、溝は、ガイドワイヤの反力を利用してガイドワイヤをロッキング要素内に固定するように設計された面材料又は形状を有する。
【0025】
突起及び/又は溝は、作動チャネル延長部又はエレベーターと一体的に形成することができ、又はそれらは、作動チャネル延長部又はエレベーターの内面にカプリングされた個別の構成要素の一部とすることができる。ある一定の実施形態では、突起及び/又は溝は、手順のある一定の部分のために作動チャネル延長部又はエレベーターにカプリングされ、次にもはや必要とされない時に取り外すことができる取り外し可能な構成要素を備える。
【0026】
本発明の別の態様では、患者に対する手順に使用するためのキットは、照明、カメラレンズ、及び器具を受け入れる作動チャネルを有する内視鏡と、カプラーデバイスとを備える。カプラーデバイスは、内視鏡による組織の観察を可能にするための可視化セクションを有する主本体と、内視鏡の遠位端部分に取り付けられるように構成された近位端とを備える。カプラーは、器具が内視鏡作動チャネルから患者内のターゲット部位まで通過することを可能にするための本体内の通路を更に含む。カプラーデバイスは、通路を通過する器具を拘束及び/又は固定するように構成される。
【0027】
ある一定の実施形態では、キットは、開口部を通して患者の中に進むように構成された内視鏡デバイスを更に備える。本発明の開示の目的に対して、開口部は、口、副鼻腔、耳、尿道、膣、又は肛門のような患者の中へのあらゆる既存の自然開口部を通る自然オリフィス開口部、又は患者の皮膚を通して体腔、内部管腔(すなわち、血管)などのようなその中に設けられた又は及び患者の皮膚、腔、頭蓋骨、関節、又は他の医学的に示された進入点での切開部及びポートベースの開口部を通して設けられたあらゆるアクセスポートを意味する。同じく、内視鏡デバイスは、内視鏡内の作動チャネル又は生検チャネルを通り(すなわち、内視鏡と同じアクセスポートを通り)、更に、カプラーデバイスの作動チャネル延長部又は代替関節作動要素を含む他の通路を通るように構成することができる。これに代えて、内視鏡デバイスは、内視鏡アクセスポイントとは別の開口部を通るように構成することができる。
【0028】
ある一定の実施形態では、内視鏡器具は、内視鏡及びカプラーデバイスと共に使用するガイドワイヤである。ガイドワイヤは、内視鏡の作動チャネル及びカプラーデバイスの作動チャネル延長部又は他の関節作動要素を通って前進するようにサイズ決定された細長シャフトを含むことが好ましい。ガイドワイヤは、膵胆管又は他の体腔のような患者の比較的狭い体腔内に前進するようにサイズ決定された遠位先端を含む。ガイドワイヤの向きは、内視鏡シャフトに対してカプラーデバイスの作動チャネル延長部又は他の関節作動要素を作動させることによって調節することができる。これに代えて、ガイドワイヤは、ガイドワイヤの近位端上で、内視鏡又はカプラーデバイス上又は内で、又は両方に対して外部で個別のアクチュエータを通して調節することができる。これらの実施形態の全てでは、カプラーデバイスは、ガイドワイヤが望ましい位置まで関節作動した後にガイドワイヤを固定するように構成される。
【0029】
カプラーデバイスは、内視鏡の作動チャネルから進められるデバイスの出口角度を変え、スコープの遠位端を細菌、デブリ、流体、及び粒子状物質に露出することなくデバイスを定位置に固定する機能をユーザに提供する内視鏡に対する単回使用使い捨て付属品として提供することができる。一部の実施形態では、カプラーデバイスは、開放遠位端と内視鏡内の作動チャネル又は生検チャネルに取り付けられるように構成された近位端とを有する作動チャネル延長部を含む。作動チャネル延長部は、スコープ作動チャネルに対する密封を提供することができるので、器具は、スコープ作動チャネルの外側区域に流体及び細菌が侵入することなく、スコープ作動チャネルを通って前後にカプラーデバイスの作動チャネル延長部から外へ進むことができる。この密封は、一部の実施形態では、スコープ作動チャネル内へのデバイス作動チャネルの延長部により、作動チャネル延長部の端部にあるガスケットにより、一時的な接着剤を使用することにより、スコープの遠位端に対するデバイス全体の圧力及び密封により、弾性及びエラストマー材料の選択により、及び他の適切手段及び代替手段によって達成される。
【0030】
カプラーデバイスの作動チャネル延長部は、弾性特性を有する1又は2以上の材料で製造することができる。材料は、デバイスが医療用途を意図とする時に生体適合性材料を含むことができ、これらは、限定することなく、弾性及びエラストマー材料、並びにポリカーボネートに接合されたシリコーンと生体適合性金属に接合された他の材料とを含む剛性及び可撓性材料の組合せを含むことができる。
【0031】
一部の実施形態では、カプラーデバイスの作動チャネル延長部は、作動チャネル延長部にデバイスを通す時に伴う摩擦を低減する弾性生体適合性材料を含むことができ、これは、この生体適合性金属に追加の弾性材料が接合されて可撓性を高め、キンクを低減し、デバイスの作動チャネルを内視鏡の作動チャネルに対して密封することを支援するコイルバネ、ハイポチューブ、又は編組のような生体適合性金属に接合される。
【0032】
一部の実施形態では、デバイスにより、内視鏡のユーザは、自分の好む方向にデバイスの作動チャネルを関節作動させることができるので、内視鏡の作動チャネルに沿って進んでいるワイヤ、カテーテル、又は他の器具は、カプラーデバイスが定位置にない場合又はスコープ内のエレベーターを使用しない場合に器具が内視鏡を出ると考えられる角度とは異なる好ましい方向にワイヤ又はカテーテル又は他の器具を向けることができる。この器具の向け直しは、内視鏡の洗浄しにくい区域、特に内視鏡の遠位端に流体、デブリ、粒子状物質、細菌、及び他の不要な要素を侵入させることなくデバイスのナビゲーションを支援する利点を有する。
【0033】
本発明の利益は、1又は2以上のデバイスの向きを変えて胆管又は膵管のような特定の体腔又は他の到達しにくい領域に進入させることができるように医師は出口角度を修正することができること、非医療的手順を含むこと、及び特定の体腔又は領域に到達した後で器具を定位置に固定する一方でスコープの遠位端を密封して感染と実質的に洗浄するのに到達しにくいスコープの内側要素内へのデブリ及び粒子状物質の侵入とを防止することを含む。
【0034】
一部の実施形態では、デバイスは、内視鏡の端部を覆ってそれを密封する光学透明材料によって形成することができ、デバイスによって視界を不明瞭にすることなく内視鏡のカメラの可視化が可能になる。同じく、光学透明材料は、内視鏡のライトガイドを覆い、内視鏡が投射する光が内視鏡の視野を照らすことを可能にする。一部の実施形態では、光学透明材料は、ユーザが光学透明材料を通して組織を可視化する時にスコープの相対位置を識別するためのマーカのような組織を可視化する時にユーザを導くナビゲーションマーカを含むことができる。
【0035】
実施形態では、光学透明材料はまた、内視鏡のカメラの上の及び該当する場合は内視鏡のライトガイドの上の光学透明材料の正確な配置の確認をユーザに案内する他のマーカも含むことができる。
【0036】
一部の実施形態では、デバイスは、カプラーデバイス内の可撓性作動チャネル延長部に取り付けられた密封シース内のケーブルによりデバイスを通して器具を関節作動させることができ、ユーザは、ケーブルを前進及び後退させて作動チャネル延長部又は他の関節作動要素を後方及び前方に移動し、器具を望ましい方向に向けるために可撓性作動チャネルからの出口角度を変えることができる。
【0037】
一部の実施形態では、デバイスは複数のケーブルを有し、従って、上昇又は下降だけは可能であるが左右移動又は他の象限内への関節作動を行うことができない内視鏡エレベーターの限られた移動に起因して器具を単一軸線方向に偏向させる、すなわち、向け直すことしかすることができない既存の内視鏡エレベーターとは異なり、出口角度は、異なる象限を含む複数の方向に関節作動させることができる。一部の実施形態では、ケーブルは、作動チャネル延長部に直接に取り付けることができ、又は例えば作動チャネル延長部の下にあるが、ケーブルが前進及び後退する時に前後に進んで作動チャネル延長部を移動することができるデバイス内に収納されたドエルを含む関節作動して作動チャネル延長部にその出口角度を変えさせることができる他のデバイスに取り付けることができる。一部の実施形態では、カプラーデバイスの関節作動機能は、カプラーデバイスに埋め込まれたエレベーターで生成することができ、これは使い捨てであり、従って、手順の後に廃棄される。
【0038】
カプラーデバイスの関節作動機能は、例えば、圧電材料、マイクロモータ、有機半導体、及び電気活性ポリマーを含むケーブルを伴わない要素を用いて生じる場合もある。一部の実施形態では、カプラーデバイスの関節作動機能は、力を伝達する連結コネクタ、撚りワイヤ、摺動可能シース、及び温度の伝達によって形状を変える形状記憶合金を通して作動チャネル延長部又は埋め込みエレベーターへの力の伝達を用いて生じる場合もある。一部の実施形態では、デバイスは、器具をデバイスに通す時に又は器具をデバイスに通すよりも前に力の伝達をもたらしてカプラーデバイスからの出口角度を変えるために電磁エネルギを含むエネルギをデバイスに送出する電力コネクタ又はモータを含む。この力の伝達は、デバイスが作動チャネル延長部から出る時にデバイスを回転させる段階を含む場合がある。デバイスは、ユーザが直接に又はケーブル、電力コネクタ、モータ、電磁エネルギ、摺動可能シース、触覚器、コンピュータ案内及び誘導式入力を含む様々な手段を通して及び患者での又は非医療用途での特定診断及び治療目的に対して望ましい遠隔場所までを含むその意図する場所までデバイスを誘導かつ案内する他の手段を通してユーザ入力がシステムを通して翻訳されるロボットシステムの一部としてナビゲートして関節作動させることができる。
【0039】
一部の実施形態では、デバイスは、スコープに統合され、オートクレーブ、ETO滅菌器、ガンマ滅菌器、及び他の滅菌方法での手動洗浄を含む個別の洗浄のために取り外し可能かつ再使用可能であるように構成される場合がある。
【0040】
デバイスは、カプラーデバイスの遠位端を関節作動させてカプラーデバイスの作動チャネル延長部からの出口角度を変えるために内視鏡に取り付けられる使い捨て又は再使用可能な制御機構を含むことができる。一部の実施形態では、この制御機構はまた、作動チャネル延長部の出口角度をロックすることができ、又は作動チャネル延長部は、内視鏡のエレベーターを関節作動させる要素のような内視鏡自体内の要素を通してロックすることができる。
【0041】
一部の実施形態では、カプラーデバイスは、内視鏡の遠位端全体を覆うことができ、又は洗浄しにくい区域だけを覆う場合がある。一部の実施形態では、カプラーデバイスは、内視鏡の遠位端又はその一部分を覆うことができ、又はそれは、流体、デブリ、粒子状物質、細菌、及び他の不要な要素に露出されるスコープの全体を覆うカプラーデバイスに取り付けられたシースを含む場合がある。
【0042】
上述の一般的な説明及び以下の詳細説明は、例示的で説明的なものに過ぎず、本発明の開示を制限するものではないことは理解されるものとする。本発明の開示の追加の特徴は、後に続く説明で部分的に明らかにされるか又は本発明の開示の実施によって知ることができる。
【0043】
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の開示のいくつかの実施形態を示し、その説明と共に本発明の開示の原理を説明することに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の開示による代表的な内視鏡の近位部分の部分断面図である。
図2】本発明の開示による側面観察内視鏡の遠位端部分の斜視図である。
図3A】十二指腸スコープと共に使用する本発明の開示のカプラーデバイスの例示的実施形態の等角投影図である。
図3B】十二指腸スコープと共に使用する本発明の開示のカプラーデバイスの例示的実施形態の等角投影図である。
図4A図3Aのカプラーデバイス及び十二指腸スコープの部分破断図である。
図4B図3Bのカプラーデバイス及び十二指腸スコープの部分破断図である。
図5図3A及び図3Bのカプラーデバイス及び十二指腸スコープに関する別の部分破断図である。
図6図3A及び図3Bのカプラーデバイス及び十二指腸スコープに関する更に別の部分破断図である。
図7図3A及び図3Bのカプラーデバイス及び十二指腸スコープの第1の位置での部分破断図である。
図8図3A及び図3Bのカプラーデバイス及び十二指腸スコープの第2の位置での部分破断図である。
図9図3A及び図3Bのカプラーデバイス及び十二指腸スコープの第3の位置での部分破断図である。
図10図3A及び図3Bのカプラーデバイスの膜を有する作動チャネル延長部の拡大側面図である。
図11図3A及び図3Bのカプラーデバイスの上面図である。
図12】本発明の開示のカプラーデバイスに関する別の例示的実施形態の破断図である。
図13図12のカプラーデバイスの破断側面図である。
図14】十二指腸スコープと共に使用する図12のカプラーデバイスの破断側面図である。
図15】本発明の開示の作動チャネル延長部に関する例示的実施形態の拡大側面図である。
図16図15の作動チャネル延長部に関する別の拡大側面図である。
図17A図15の作動チャネル延長部の斜視図である。
図17B】器具と共に使用する図17Aの作動チャネル延長部を示す図である。
図18】ロッキング特徴部を有する図3のカプラーデバイスの斜視上面図である。
図19】本発明の開示の作動チャネル延長部に関する別の例示的実施形態の斜視図である。
図20】器具を拘束及び/又は固定するための溝を有する作動チャネル延長部の断面側面図である。
図21図20の作動チャネル延長部と共に使用するカプラーデバイスの代替実施形態の破断側面図である。
図22A】器具をその中に拘束及び/又は固定するための溝を有するエレベーターを有するカプラーデバイスの一部分を示す図である。
図22B】器具を拘束及び/又は固定するための横ストップ部材を有するエレベーターを有するカプラーデバイスの一部分を示す図である。
図23】作動チャネル延長部内に器具を固定するためのケーブルと共に使用するカプラーデバイスの代替実施形態の破断側面図である。
図24A】主本体の外面上にロッキング要素を有するカプラーデバイスの実施形態を示す図である。
図24B】主本体の外面上にロッキング要素を有するカプラーデバイスの実施形態を示す図である。
図25A】本発明の開示によるカプラーデバイスのためのロッキング要素に関する別の実施形態を示す図である。
図25B】本発明の開示によるカプラーデバイスのためのロッキング要素に関する別の実施形態を示す図である。
図26A】本発明の開示によるカプラーデバイスのためのロッキング要素に関する更に別の実施形態を示す図である。
図26B】本発明の開示によるカプラーデバイスのためのロッキング要素に関する更に別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書及び添付の図面は、例示的実施形態を示し、限定するものと見なすべきではなく、特許請求の範囲は、均等物を含む本発明の開示の範囲を定めるものである。様々な機械的、構成的、構造的、及び作動的な修正は、均等物を含む本明細書及び特許請求の範囲から逸脱することなく可能である。一部の事例では、本発明の開示を不明瞭にしないために公知の構造及び技術を詳細には示さない又は説明しない。1よりも多い図での類似の番号は、同じか又は類似の要素を表している。更に、一実施形態に関して詳細に説明する要素及びその関連する態様は、実用的であればいつでもそれらを具体的に示さないか又は説明しない他の実施形態に含めることもできる。例えば、ある要素が一実施形態に関して詳細に説明されており、第2の実施形態に関して説明されない時に、依然として、その要素を第2の実施形態に含まれるものとして主張することができる。更に、本明細書での描写は、説明だけを目的とし、必ずしも本発明のシステム又は図示の構成要素の実際の形状、サイズ、又は寸法を反映するものではない。
【0046】
本明細書及び特許請求の範囲に使用する時に、単数形「a」、「an」、及び「the」、及びいずれかの単語のいずれかの単数の使用は、明示的かつ明解に1つの指示対象に限定されない限り、複数の指示対象を含むことに注意されたい。本明細書に使用する時に、用語「含む」及びその文法上の変形は非限定的であることを意図するので、リスト内の項目の列挙は、列挙された項目に代わるか又は追加することができる他の類似の項目を排除するものではない。
【0047】
以下の開示は、主として光学像内視鏡のためのカプラーデバイスに向けられるが、ここで説明するキットの特徴は、様々な再使用可能な又は使い捨ての内視鏡スコープ、器具、及びデバイスと共に使用するために容易に適合させることができることを理解しなければならない。
【0048】
本発明の開示での用語「内視鏡」は、一般的に、身体(ヒト又はその他)を含む医療用途に関して又は医療用途に使用されるあらゆるスコープを指し、例えば、腹腔鏡、十二指腸内視鏡、内視鏡超音波スコープ、関節鏡、大腸内視鏡、気管支鏡、小腸内視鏡、膀胱鏡、腹腔鏡、喉頭鏡、S状結腸鏡、胸腔鏡、心臓鏡、及びロボットであるか否かに関わらずスコープを有する伏在静脈ハーベスタを含む。
【0049】
患者の体内の遠隔可視化に介入する時に様々なスコープが使用される。使用するスコープは、医師が体内をナビゲートする必要がある程度、手順に使用する外科器具の種類、及び手順の種類に適する侵襲性のレベルに依存する。例えば、消化管内の可視化は、可撓性の胃内視鏡及び大腸内視鏡、内視鏡超音波スコープ(EUS)、及び長さが数フィート、直径が1センチを超えることのある特製十二指腸スコープのような形態での内視鏡の使用が伴う。これらのスコープは、患者の体内をナビゲートする時に医師が向きを変えて関節作動させるか又はステアリングすることができる。これらのスコープの多くは、器具を通過させて支持するための1又は2以上の作動チャネル、組織を洗浄してスコープを洗浄するための流体チャネル及び洗浄チャネル、吹き入れてナビゲーション及び可視化を改善するための吹入れチャネル、及びスコープの視野を照らすための1又は2以上のライトガイドを含む。
【0050】
より小型かつ可撓性の小さい又は剛性のスコープ、又は可撓性と剛性を組み合わせたスコープも医療用途に使用される。例えば、関節を検査して肩又は膝の手術のような関節鏡手術を行う時に、より小さく、細く、遙かに短いスコープが使用される。外科医が膝の半月板断裂を関節鏡手術で修復する時に、典型的に膝の一方の側にある小さい切開部からより短くてより剛性のあるスコープを挿入して傷を可視化し、一方で膝の反対側の切開部から器具を通す。器具は、可視化を維持し、組織を処置して修復を終えるために膝内側のスコープを洗浄することができる。
【0051】
他のスコープは、より侵襲性の低い内視鏡手順を使用する診断及び治療に使用することができ、例として肺(気管支鏡)、口(腸鏡)、尿道(膀胱鏡)、腹部及び腹膜腔(腹腔鏡)、鼻及び副鼻腔(喉頭鏡)、肛門(S字結腸鏡)、胸部及び胸腔(胸腔鏡)、心臓(心臓鏡)の異常を検査して治療するためのスコープの使用を含むがこれらに限定されない。更に、ロボット医療デバイスは、それが評価して治療している領域の遠隔可視化のためにスコープに頼っている。
【0052】
これら及び他のスコープは、自然オリフィス(口、副鼻腔、耳、尿道、肛門及び膣など)から及び患者の皮膚、腔、頭蓋骨、関節、又は他の医学的に示された進入点での切開部及びポートベースの開口部から挿入することができる。これらの医療用スコープを使用する可視化内視鏡検査の診断用途の例としては、消化器系の病気(例えば、吐き気、嘔吐、腹痛、胃腸出血)のような疾患の症状の調査、又は診断の確認(例えば、貧血、出血、炎症、及び癌の生検を行うことによる)、又は疾患の外科治療(破裂した虫垂の除去又は胃内出血の焼灼など)が挙げられる。
【0053】
ここで図1を参照すると、本発明の開示のデバイス、システム、及び方法は、上述のタイプの光学観察内視鏡を含むことができる。本発明の開示に使用する代表的な内視鏡100は、自然オリフィスを通じた挿入、又は患者の体腔内への内視鏡によるか又は経皮的な貫通に適合された細長シャフト114にカプリングされた外科医又は臨床医による操作用に適合された近位ハンドル112を含む。内視鏡100は、ユニバーサルコード115を通してハンドル112にカプリングされた流体送出システム116を更に備える。流体送出システム116は、水及び空気のような流体の送出、吸引、及び流体、血液、デブリ、及び粒子状物質を視野から追い出すために臨床医が望む場合がある他の機能のためにシャフト114内の内部管腔にカプリングされたいくつかの異なるチューブを含むことができる。それにより、評価及び治療のために、下にある組織又は物質のより良い視界を提供する。代表的実施形態では、流体送出システム116は、ウォータージェットコネクタ118、ウォーターボトルコネクタ120、吸引コネクタ122、及び空気パイプ124を含む。ウォータージェットコネクタ118は、ハンドル112及び細長シャフト114を通って内視鏡100の遠位端まで延びる内側ウォータージェット管腔126にカプリングされる。同様に、ウォータージェットコネクタ118、ウォーターボトルコネクタ120、吸引コネクタ122、及び空気パイプ124の各々は、内部管腔128,130,132,134にカプリングされ、それらはシャフト114を通って内視鏡100の遠位端に至る。
【0054】
内視鏡100は、その中に器具を通すための作動チャネル(図示せず)を更に含むことができる。作動チャネルは、組織及び他の物質の評価及び治療のために内視鏡100のシャフト114を下って器具を通すことを可能にする。そのような器具は、カニューレ、カテーテル、ステント及びステント送出システム、パピロトーム、ワイヤ、ミニスコープを含む他の撮像デバイス、バスケット、スネア、及び管腔内でスコープと共に使用する他のデバイスを含むことができる。
【0055】
近位ハンドル112は、外科医又は臨床医が流体送出システム116を操作するための様々な制御器を含むことができる。代表的実施形態では、ハンドル112は、吸引弁135、空気/水弁136、及び患者から組織サンプルを抽出するための生検弁138を含む。ハンドル112はまた、レンズ及び光伝送系のような画像取込デバイス(図示せず)にカプリングされた接眼レンズ(図示せず)を含むことになる。本明細書に使用する用語「画像取込デバイス」はまた、レンズ又は他の光誘導構造だけを有するデバイスを指す必要はない。これに代えて、例えば、画像取込デバイスは、(i)スコープの遠位端にある対物レンズと接眼レンズの間のリレーレンズ、(ii)光ファイバ、(iii)電荷カプリング素子(CCD)、(iv)相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサのような画像を取り込んで中継することができるあらゆるデバイスとすることができる。同じく、画像取込デバイスは、光を感知し、感知した光に対応する通信用電気信号を生成するための単なるチップ、又は画像を伝送するための他の技術とすることができる。画像取込デバイスは、光が取り込まれる場所である観察端を有することができる。一般的に、画像取込デバイスは、物体を見る、画像を取り込む、及び/又はビデオを取り込むことができるあらゆるデバイスとすることができる。
【0056】
一部の実施形態では、内視鏡100は、オペレータがスコープをステアリングすることを可能にするためにシャフトの近位端に取り付けられた何らかの形態の位置決めアセンブリ(例えば、手動方式)を含む。他の実施形態では、スコープはロボット要素の一部であり、望ましい調査点に対するスコープのステアリング性及び位置決めを達成し、スコープを集束させる。
【0057】
ここで図2を参照して側面観察内視鏡150(例えば、十二指腸内視鏡又はEUS)の遠位端部分を以下に説明する。図示のように、スコープ150は、遠位端部分152が観察領域154及び器具領域156を有する細長可撓性シャフト151を含み、その両方が横方向に向く、つまりシャフト151の長手軸線の側方に向いている。観察領域154は、患者内の手術部位の視界を提供するために空気ノズルポート158、カメラレンズ160、及び光源162を含む。器具領域156は、スコープ150のシャフト151内の作動チャネル(図示せず)にカプリングされた開口部164を含む。開口部164は、スコープ150の作動チャネルから手術部位へ器具を通せるように構成される。スコープ150はまた、器具が開口部164を通過する角度を調節するための関節機構を含むことが好ましい。例示的実施形態では、関節機構は、エレベーター166を含むが、例えば、シャフト151を通って延びるケーブルのような器具角度を関節作動させるように設計された他の様々な構成要素を含むことができることが当業者には認識されるであろう。
【0058】
図3A及び3Bは、本発明の開示のカプラーデバイス10の例示的実施形態を示している。カプラーデバイス10は、既存の内視鏡に対する付属構成要素として機能する。このデバイスは、スコープの感染しやすい領域を密封して覆い、細菌汚染及びスコープの性能低下に至る可能性があるデブリ、流体、又は他の不要な物質の侵入を防止する。
【0059】
ある一定の実施形態では、カプラーデバイス10は、器具をスコープに挿入するための可撓性作動チャネルを提供する。可撓性作動チャネルは、容易に角度調節が可能とすることができる。図示のように、好ましい実施形態では、カプラーデバイス10は、十二指腸スコープ40又は他の側面観察スコープ器具と共に使用することができる。勿論、端面観察スコープと共に使用するためにカプラーデバイス10を同様に適合させることができる。更に、本発明の開示のカプラーデバイス10は、様々な医療用途に対するあらゆるタイプのスコープと共に使用することができる。ここに示した十二指腸スコープ40は、単に説明を目的とするものである。
【0060】
勿論、スコープを通過する器具を様々な異なる機構で関節作動させることができることは認識されるであろう。例えば、一部の実施形態では、このデバイスは複数のケーブルを有するので、上昇又は下降だけは可能であるが左右移動又は他の象限内への関節作動を行うことができない内視鏡エレベーターの限られた移動に起因して器具を単一軸線方向に偏向させる、従って、向け直すことしかできない既存の内視鏡エレベーターとは異なり、出口角度は、異なる象限を含む複数の方向に関節作動させることができる。一部の実施形態では、ケーブルは、作動チャネル延長部に直接に取り付けることができ、又は例えば作動チャネル延長部の下にあるが、ケーブルが前進及び後退する時に前後に進んで作動チャネル延長部を移動することができるデバイス内に収納されるドエルを含む関節作動して作動チャネル延長部にその退出角を変えさせることができる他のデバイスに取り付けることができる。一部の実施形態では、カプラーデバイスの関節作動機能は、カプラーデバイスに埋め込まれたエレベーターで生成することができ、これは使い捨てであり、従って、手順の後に廃棄される。
【0061】
カプラーデバイスの関節作動機能はまた、例えば、圧電材料、マイクロモータ、有機半導体、及び電気活性ポリマーを含むケーブルを伴わない要素で生じる場合もある。一部の実施形態では、カプラーデバイスの関節作動機能は、力を伝達する連結コネクタ、撚りワイヤ、摺動可能シース、及び温度の伝達によって形状を変える形状記憶合金を通して作動チャネル延長部又は埋め込みエレベーターへの力の伝達を用いて生じる場合もある。一部の実施形態では、このデバイスは、器具をデバイスに通す時に又は器具をデバイスに通すより前に力の伝達をもたらしてカプラーデバイスからの出口角度を変えるために電磁エネルギを含むエネルギをデバイスに送出する電力コネクタ又はモータを含む。この力の伝達は、デバイスが作動チャネル延長部から出る時にデバイスを回転させる段階を含む場合がある。このデバイスは、ユーザが直接に又はケーブル、電力コネクタ、モータ、電磁エネルギ、摺動可能シース、触覚器、コンピュータ案内及び誘導式入力を含む様々な手段により及び患者での又は非医療用途での特定診断及び治療目的で又は望ましい遠隔位置までその意図する位置にデバイスを向けて案内する他の手段によってユーザ入力がシステムを通して翻訳されるロボットシステムの一部としてナビゲートして関節作動させることができる・
【0062】
図3A及び3Bが示すように、カプラーデバイス10は、主本体12、近位端14及び遠位端16、下面18、及び上面20を含むことができる。近位端14は、十二指腸スコープ40の作動端の上に取り付けられ、スコープ40の作動端を延長させる。上面20は、レンズ及びライトガイド24と、スコープ洗浄器開口部28とを含むことができ、スコープ洗浄器開口部28は、スコープカメラ全体に流体を押し込んでカメラからデブリを洗い流すのに使用され、同じくカメラ全体に空気を押し込んでカメラを乾燥させて患者の消化管に吹き入れるためにも使用される。上面20は、更に、手術部位を見やすくし、スコープ洗浄器開口部28から手術部位内への流体の放出(及び/又は、ライトガイド24の上方を通過してカメラを乾燥させることができ、又は手術部位内に入り込んで部位の一部分に吹き入れることができる空気の放出)を可能にするためにレンズ及びライトガイド24とスコープ洗浄器開口部28の上に開放区域を含むことができる。更に、上面20は、可撓性膜38に囲まれた可撓性作動チャネル延長部34を含む可撓性作動チャネル領域30を含む。この可撓性膜138は、カプラーデバイス10の作動端に対する保護フード又はカバーとして機能し、デブリ、流体、細菌、又は他の不要な物質を締め出しながら柔軟な関節作動を提供する。
【0063】
図4A及び4Bに示すように、十二指腸スコープ40は、ライトガイド44、レンズ46、及び洗浄器開口部48を含むことができる。カプラーデバイス10は、スコープ40のこれら構成要素の各々と協働して完全に機能するスコープを提供する。カプラーデバイス10は、鮮明な像を送るスコープの機能を妨げることなく使用毎に汚染のリスクを低減する。この利点は、スコープ40の作動端構成要素に取り付けられて作動端の周囲を密封するカプラーデバイス10を設けることによって達成される。
【0064】
カプラーデバイス10は、面からの反射光の量を低減する及び/又は可視化セクション上の水滴の結露を抑制する又はその両方を行うように構成された1又は2以上の光学層を含むことができる。可視化セクションのぎらつき及び/又は曇りを低減することにより、カプラーデバイス10を通した外科医のターゲット部位に関する視界が大幅に改善される。本発明と共に使用するのに適する光学層のより完全な説明は、2019年12月17日出願の米国仮特許出願第62/949、238号明細書に見出すことができ、その完全な開示は、これによりその全体が本明細書にコピー・アンド・ペーストされたかのように引用によって組み込まれている。
【0065】
カプラーデバイス10は、その主本体の外面上又は内に1又は2以上のセンサを更に備えることができる。センサは、カプラーデバイス主本体の外面の周りにある組織の生理学的パラメータを検出するように構成される。生理学的パラメータは、例えば、組織の温度、組織の寸法、組織の深さ、組織のトポグラフィ、組織のバイオマーカ、組織のバイオインピーダンス、温度、PH、組織学的パラメータ、又は病状を診断するのに使用することができる別のパラメータを含むことができる。カプラーデバイス10は、組織のサイズ、深さ及びトポグラフィ全体、組織のバイオマーカ、組織のバイオインピーダンス、温度、PH、組織学的パラメータ、病巣又は潰瘍、出血、狭窄、病原体、異常組織又は患部組織、癌性又は前癌性組織のような患者の体内での画像及び生理学的パラメータを検出して客観的に定量化することにより、組織の状態を分析、診断、モニタ、治療、及び/又は予想するためのシステム全体の一部分とすることができる。そのようなシステムのより完全な説明は、本発明の出願人に譲渡されて2020年4月1日出願の米国仮特許出願第63/003、656号明細書に見出すことができ、その完全な開示は、これによりその全体が本明細書にコピー・アンド・ペーストされたかのように引用によって本明細書に組み込まれている。
【0066】
図3A、3B、4A、4B、5、及び6に更に示すように、カプラーデバイス10は、スコープの作動チャネル42の延長部を提供する。図3のカプラーデバイス10の作動チャネル延長部34は可撓性であり、図6に示すように、作動チャネル延長部の近位端34aでの密封接続によってスコープの作動チャネル42と接触することができる。作動チャネル延長部34の遠位端34bは、器具がスコープ40を通過して体の様々な領域に到達するための出口として機能する。
【0067】
更に、カプラーデバイス10は、スコープのエレベーター50の周囲に更に別のシールを提供する。カプラーデバイス10がエレベーター40を密封するので、エレベーター及び作動チャネルの背後にデブリ破片の流入、流体、細菌、及び他の物質が蓄積するというリスクが著しく低減される。そのようなデブリ、細菌、及び他の物質の流入は、今日、既存スコープによる薬剤耐性感染症の原因であると考えられる。流入を防止する一方、カプラーデバイス10は、有利なことに作動チャネル延長部34を移動するための可撓性を維持する。
【0068】
使用中に、スコープの作動チャネル延長部34により、組織及び他の物質の評価及び治療のために器具はスコープ作動チャネル42を下り、デバイス40の作動チャネル延長部34を通ってそこから退出することができる。そのような器具は、カニューレ、カテーテル、ステント及びステント送出システム、パピロトーム、ワイヤ、ミニスコープを含む他の撮像デバイス、バスケット、スネア、及び管腔内でスコープと共に使用する他のデバイスを含むことができる。この作動チャネル延長部34は、スコープ40のエレベーター50が作動チャネル延長部34を上げ下げすることができる程度の可撓性を有するので、器具を進めてスコープ40の作動チャネル延長部遠位端(又は出口)34bから様々な角度で外へ出す又はケーブル又は他の手段で上げ下げして作動チャネル延長部34を関節作動させることができる。
【0069】
図7~9が示すように、使用中に、スコープ40のエレベーター50が作動すると、カプラーデバイスの可撓性作動チャネル延長部34は、方向A-Aに沿ってこの作動に対して移動するか又は調節する。図7では、エレベーター50が僅かに上昇し、作動チャネル延長部34を対応する角度だけ押し込んで作動チャネル延長部の出口又は遠位端34bを左にシフトさせるヒンジ式ランプ又は肩部を生成する。図8では、エレベーターは、図7の場合よりも高く上昇しているので、図7と比べて作動チャネル延長部34の遠位端34bが同様に更に左へシフトしており、一方、図9は、図7及び8と比べてエレベーター50が更に高く上昇し、作動チャネル延長部34の遠位端34bが更に遠く左へ移動していることを示している。
【0070】
ここで図10を参照すると、カプラーデバイス10の作動チャネル領域30の幅に沿ってシフトするという作動チャネル延長部34の遠位端34bの機能は、遠位端34bがそれ自体可撓性膜38に取り付けられるという事実に一部起因する。この可撓性膜38は、複数の弛んだ襞又は折り目を含み、エレベーターの作動がそれに応じて作動チャネル延長部を曲げてシフトさせる時に余分な材料が伸びて曲がることができる。更に、可撓性膜38は、作動チャネル領域38の保護カバー又はフードとして機能し、流体、デブリ、又は他の不要な物質がスコープ40の内側に入って細菌汚染、又は他の不要な流体、デブリ、又は粒子状物質の注入を引き起こさないように防ぐ。
【0071】
本発明の開示のカプラーデバイス10は、単回使い捨て用途に構成することができ、又はそれは再使用に対して構成することができるように考えられている。カプラーデバイス10は、例えば、シリコーン又は別の弾性材料又はポリマー材料のようないずれかの生体適合性材料で製造することができる。更に、材料は透明とすることができる。図11に示すように、カプラーデバイス10は、スコープカメラ及び光源の透明なカバーを提供することができ、それによってスコープ40の遮られることのない性能が可能になる。
【0072】
図12~14は、本発明の開示のカプラーデバイス10に関する別の例示的実施形態を示している。この実施形態では、カプラーデバイス10は、ケーブルで作動するスコープと共に使用するようになっており、エレベーター構成要素を不要にする。図示のように、カプラーデバイス10は、上述のものと同じ構造的特徴を維持するが、ここでは、スコープの内側作動ケーブル54を受け入れることができる使い捨て外部シース60を更に備える。このケーブル54は、エレベーターから取り外し、カプラーデバイス10の可撓性作動チャネル延長部34に再び取り付けることができる。ケーブルの作動が作動チャネル延長部34の動きをもたらすので、この実施形態ではエレベーターはもはや必要とされない。外部シース60は、例えば、スコープの外側に巻き付けることにより又は摩擦嵌め接続により、スコープ40に直接に取り付けるように構成することができる。実施形態では、複数のケーブルを1又は2以上のシース内に入れ、既存の十二指腸内視鏡でのエレベーターとの単軸関節作動以外の象限での関節作動を達成することができる。
【0073】
他の実施形態では、カプラーデバイス10は、スコープ上への細菌の付着又は定着を防止する抗付着性、抗菌性、抗炎症性であり、又は他の薬剤又は点滴可能な物質の注入を可能にする開閉自在ポート(すなわち、自己密封)を含むことができる。点滴可能な物質を送出するためのポートを有するカプラーデバイス10に一体化されるアプリケータを設けることができる。これに代えて、アプリケータは、カプラーデバイス10とは別々であり、スコープ40の遠位端に適用することができる。点滴可能な物質は、スコープ及びカプラーデバイスの材料に適合して患者の使用に対して生体適合性のあるゲル又は他の溶液中に含まれる銀、白金、銅、他の抗付着性、抗菌性、抗炎症性又は他の薬剤又は点滴可能な物質の形態を含むことができる。
【0074】
1つの例示的実施形態では、デバイスは、抗感染材料を含む。別の例示的実施形態では、デバイスは抗感染コーティングを含む。更に別の実施形態では、デバイスは疎水性であるコーティングを含む。更に別の実施形態では、デバイスは超疎水性である。更に別の実施形態では、デバイスは、抗感染性かつ疎水性である。更に別の実施形態では、デバイスは、抗感染性かつ超疎水性である。更に別の例示的実施形態では、抗炎症性コーティングはデバイスに組み込まれる。他の実施形態では、抗炎症性コーティングは親水性とすることができる。
【0075】
1つの例示的実施形態では、デバイス10は、銀イオンコーティングを含むことができる。他の実施形態では、デバイス10は、スコープエレベーターを覆う又はその周りに延びる領域に銀ヒドロゲルを付加し、注入し、又はデバイス10の一部を作ることができる。銀は、抗菌特性を有することに加えて電気を通すことができる。従って、更に別の実施形態では、デバイス10は、感染を防止する銀イオンコーティングの機能を改善するために銀イオンコーティングを横切る電界の生成を可能にする電線又は他の送電点を含むことができる。一部の実施形態では、電線又は他の送電点にも白金及び銅を含む他の抗菌性かつ導電性の材料を付加することができる。
【0076】
図15及び16は、本発明の開示の作動チャネル延長部234に関する他の実施形態を示している。想定されるように、作動チャネル延長部は、異なる材料の組合せを含むことができる。例えば、図15に示すように、作動チャネル延長部234は、生体適合性金属に接合された複数の弾性材料によって形成することができる。一部の実施形態では、弾性材料の1つはPTFEとすることができ、別の弾性材料は、生体適合性金属を覆う生体適合性の弾性材料とすることができる。図15の例では、作動チャネル延長部234は、内側弾性材料210と外側弾性材料を含むことができる。作動チャネル延長部234の外側は、生体適合性金属230を含むことができ、それはコイル又は巻線232の形態を取ることができる。一実施形態では、生体適合性金属は、弾性材料のうちの1又は2以上で包み込むことができる。
【0077】
図16では、外側の生体適合性弾性材料220は、内視鏡の作動チャネルに対して作動チャネル延長部234の近位端を密封するガスケット222を生成するように形成され、不要な細菌、生体物質、及び他の物質のこの密封領域への侵入を防止するシールを生成する。
【0078】
図17Aは、作動チャネル延長部234が器具200を定位置にロックするための調節可能な出口角度θを含むように示している。この実施形態では、出口角度を調節すると、図17Bに示すように、作動チャネル234に圧縮力が生じ、器具200は定位置にロックされる。これを使用して、器具を通してワイヤを進める間、器具を固定し、又は第2の器具をワイヤの上で交換する間、ワイヤを固定することができる。
【0079】
図18は、器具200を定位置にロックするための代替実施形態が示している。この実施形態では、作動チャネル延長部234は、作動チャネル延長部234内の器具200がデバイス100上のロック180に対して圧縮される点まで持ち上げられ、作動チャネル延長部234の出口角度に変化を引き起こして器具200を作動チャネル延長部234内の固定位置にロックする。
【0080】
図19は、作動チャネル延長部234の代替実施形態が作動チャネル延長部をデバイス10の一部である膜材料38に取り付けるためのフランジ268を含むように示している。
【0081】
図20は、カプラーデバイスのための作動チャネル延長部234の代替実施形態が示していり、これは、作動チャネル延長部234の内部管腔304を通過する器具(図示せず)を受け入れるための遠位開放端308に窪み又は溝306を含む。溝306は、器具が作動チャネル延長部234を通過した後に器具を定位置に拘束及び/又は固定するように寸法決めされるので、患者内のターゲット部位で動き回ることがない。溝306は、例えば、別の器具がガイドワイヤの上で交換される間に器具を固定するために及び/又はガイドワイヤを固定するためにオペレータによって使用することができる。
【0082】
器具は、ガイドワイヤ、内視鏡的粘膜切除器具、針注入器、Foleyカテーテル、双極又は単極電気外科デバイス又は超音波デバイス、スネア、内視鏡のためのステープラー及び他の締結器具又は密封器具、動脈ライン、排液カテーテル、末梢挿入中心カテーテル、及び体内に貫通する及び/又はナビゲートされる他のデバイスなどを含むことができる。器具は、内視鏡の作動チャネル及びカプラーデバイスの作動チャネル延長部又は他の通路を通って進むように構成することができる。
【0083】
図示のように、溝306は、実質的にV字形を形成することが好ましいが、他の形状が考えられていることは当業者によって認識されるであろう。例えば、溝は、斜角にされるか又は角度を付けられるか又は部分円柱、円錐、正方形、三角形、U字形、又は他の適切な形状を形成することができる。溝306は、作動チャネル延長部234内の定位置に器具をロックするために器具に対してより強固な把持を提供する。
【0084】
溝306は、作動チャネル延長部234内に直接形成することができる。これに代えて、溝306は、作動チャネル延長部234の遠位端に取り付けられる個別の構成要素によって形成することができる。この後者の実施形態では、溝306は、例えば、患者に対する手順の前に又は手順中に作動チャネル延長部234に取り外し可能に取り付けることができる生体適合性構成要素によって形成することができる。
【0085】
一実施形態では、作動チャネル延長部234は、内部管腔304内に延びて遠位方向に通路を狭め又は絞り、更に溝306を定める1又は2以上の斜角、突出部、又は突起302を任意的に含む。突起302は、作動チャネル延長部234の内側キャビティ304内に斜面を形成して器具を溝306に案内する役割を果たす。突起302は、内部管腔304の全周にわたって延びることができ、又は内部管腔304の一部分にのみ形成することができる。例えば、突起302は、管腔304の一部分の周りに準半球を形成することができる。
【0086】
突起302は、本発明の技術分野で公知の様々な技術により、製造中に作動チャネル延長部234内に直接形成することができる。これに代えて、突起302は、作動チャネル延長部234に取り付けられる個別の構成要素とすることができる。突起302と溝306は、一緒に形成することができ、又は個別の構成要素とすることができる。この個別の構成要素は、作動チャネル延長部234に取り外し可能に取り付けることができるので、手順中に必要である時に使用し、その後にもはや望まれない場合に取り外すことができる。これに代えて、突起302及び/又は溝306は、作動チャネル延長部234に恒久的に固定することができる。ある一定の実施形態では、突起302及び溝306は、ステンレス鋼又はチタンのような金属、又はPMMA、ポリカーボネート、ポリエチレンのようなプラスチック材料、又はいずれかの他の適切な生体適合性材料によって形成される。
【0087】
突起302の面は、器具との摩擦を増大させる材料によって形成され、その間の把持を容易にすることができる。これに代えて、突起302の内面は、例えば、擦過面、粗面のような面特徴部を含むことができ、それらは、ガイドワイヤの反力を利用してガイドワイヤを作動チャネル延長部234に固定する。
【0088】
ここで図21を参照すると、カプラーデバイス300は、作動チャネル延長部234を関節作動させるためのエレベーター310を含むことができる(代わりに、エレベーターはスコープ40の一部とすることができる)。同じく、作動チャネル延長部234は、図20に示すように、開放遠位端308に溝306を含むことができる。この実施形態では、作動チャネル延長部234は、作動チャネル延長部234の内部管腔内にいずれの突起も含まないが、図20で説明するようにそのような突起を含むことができる。
【0089】
使用中に、エレベーター310が作動すると、カプラーデバイスの可撓性作動チャネル延長部234は、上述のように、方向A-Aに沿ってこの作動に対して移動するか又は調節する。エレベーター310が可撓性作動チャネル延長部234を移動すると、それが作動チャネル延長部234の内径を僅かに圧縮して溝306内に器具を固定し、又は作動チャネル延長部234内に器具を固定する。これに代えて、カプラーデバイス300は、エレベーター310が作動チャネル延長部234を移動する時に作動チャネル延長部234がストップ部材に係合するように位置決めされた主本体内のストップ部材340(図示せず)を更に備えることができる。この係合により、作動チャネル延長部234の壁の1つが僅かに圧縮されてその内径が小さくなり、その中に器具が固定される。これに代えて、ストップ部材を作動チャネル延長部234に対して並進又は前進させるように構成されたアクチュエータに、ストップ部材をカプリングすることができる。この後者の実施形態では、方向A-Aに沿って移動可能ないずれかの場所で器具を作動チャネル延長部234内に固定することができる。
【0090】
代わりに、突起302又は溝306を設けずにカプラーデバイス300を含むことができる。この実施形態では、エレベーター310は、カプラーデバイス300の別の固定部材に対して可撓性作動チャネル延長部を関節作動させて器具をその中に固定するようにする。
【0091】
図22A及び22Bは、本発明の開示によるカプラーデバイスがガイドワイヤ320のような器具を関節作動させるためのエレベーター310を含む別の実施形態を示している。カプラーデバイス300の残余は、これらの図には示していない。この実施形態では、カプラーデバイス300は、作動チャネル延長部を含む又は含まない場合がある。例えば、カプラーデバイス300は、スコープ40の作動チャネルの遠位端とエレベーター310の間に開放区域又は通路を含むことができる。この開放区域又は通路により、スコープ作動チャネルからエレベーター310まで器具を前進させることが可能になる。エレベーター310を回転させて器具を関節作動させ、カプラーデバイス300からのその出口角度を変えることができる。上述のように、エレベーター310は、様々な異なるアクチュエータによって回転させることができる。
【0092】
図22Aに示すように、エレベーター310は、器具(例えば、ガイドワイヤ320)を受け入れるための溝332をその遠位端の近くに含む。先の実施形態と同様に、溝332は、実質的にV字形又はいずれかの他の適切な形状を有し、ガイドワイヤ320をそこに固定することができる。ストップ部材340と係合するようにエレベーター310を関節作動させることができ、ストップ部材340は、カプラーデバイス300の主本体の一部とすることができ、又はそれはデバイス300の個別の構成要素とすることができる。これに代えて、スコープの遠位端部分と係合するようにエレベーター310を設計することができ、その時にカプラーデバイスはストップ部材340を含まないことになる。エレベーター310がストップ部材340又はスコープの遠位端と係合すると、ガイドワイヤ320は溝332内に固定される。
【0093】
図22Bは、本発明の開示のカプラーデバイスの代替特徴を示している。図示のように、ガイドワイヤ320のような器具は、エレベーター310の側面312に沿って進めることができる。ストップ部材342をエレベーター310の側方に設けて側面312とストップ部材342の間にガイドワイヤ320を固定することができる。横ストップ部材342を定位置に並進又は関節作動させてガイドワイヤ320をそれらの間に係合させることができる。これに代えて、定位置に関節作動させるようにエレベーター310を設計してガイドワイヤ320が側面と横ストップ部材342の間に固定されるようにすることができる。更に別の実施形態では、カプラーデバイス300は、横ストップ部材342を含まず、ガイドワイヤ320は、エレベーター310とカプラーデバイス300の側壁(図示せず)の間に固定される。この実施形態では、カプラーデバイス300は、2つの別々の器具を同時に固定することができる(すなわち、一方は溝332内に、他方は側面312に沿って)。
【0094】
図23は、本発明の開示によるカプラーデバイス400の更に別の実施形態を示している。図示のように、カプラーデバイスは、内視鏡の作動チャネルの遠位端にカプリングするように構成された近位端と開放遠位端234bとを有する作動チャネル延長部234を含む。この実施形態では、カプラーデバイス400又は内視鏡は、作動チャネル延長部234を関節作動させるための別々のエレベーター310を含む又は含まない場合がある。ケーブル406は、外側シース408を貫通して延び、作動チャネル延長部234の一部分にカプリングされた遠位端412を有する。ケーブル406は、遠位方向に前進して作動チャネル延長部234のその部分を圧縮し、それによってその内径を低減してそこを通過する器具を固定するように構成される。これに代えて、ケーブル406は静止したままとすることができ、その理由は、エレベーター310がケーブル406に対して作動チャネル延長部234を移動し、それによって作動チャネル延長部234の一部分を圧縮するからである。作動チャネル延長部234は、器具の固定を容易にする1又は2以上の突起又は溝をその内部管腔に含む又は含まない場合がある。
【0095】
図24A及び24Bは、本発明の開示によるロッキング要素502を有するカプラーデバイス500の別の実施形態を示している。図示のように、カプラーデバイス500は、内視鏡(図示せず)の作動端の上に取り付けられるように構成された近位端506を有する主本体504を含み、それによってスコープの作動端を拡張する。先の実施形態と同様に、主本体504は、レンズ及びライトガイドとスコープ洗浄器開口部とを含むことができる上面508を有する。上面508は、更に、手術部位を見やすくし、スコープ洗浄器開口部から手術部位内への流体の放出(及び/又は、ライトガイドの上方を通過してカメラを乾燥させることができ、又は手術部位内に入り込んで部位の一部分に吹き入れることができる空気の放出)を可能にするように、レンズ及びライトガイドとスコープ洗浄器開口部の上に開放区域を含むことができる。
【0096】
これに加えて、上面508は、可撓性作動チャネル領域を含み、これは、内視鏡の作動チャネルに取り付けられるように構成された近位端(図示せず)と、作動チャネル延長部510を通してガイドワイヤのような器具514を患者内に通すための遠位開口部512とを有する。先の実施形態と同様に、カプラーデバイス500は、器具514が遠位開口部512から出る角度を変えるように作動チャネル延長部510を関節作動させるためのエレベーター又は他の機構を更に備えることができる。これに代えて、カプラーデバイス500は、上述のように、内視鏡上のエレベーターと協働するように構成することができる。
【0097】
図示のように、カプラーデバイス500は、器具514を定位置に拘束及び/又はロックするために上面508に位置決めされたロッキング要素502を更に含む。ロッキング要素502は、主本体504の長手軸線に対して横断方向に又は実質的に垂直に延びる細長本体522を含む。ロッキング要素502は、細長本体522から外方に延びる中心突起524を更に含み、これは、細長本体522と作動チャネル延長部510の間に器具514をロックするように又は(図24Bに示すように)中心突起524の側部に器具514を偏向させるように位置決めされる。ロッキング要素502は、暴露プラスチック、ポリカーボネート、アクリルのような剛性又は少なくとも半剛性であるいずれかの適切な生体適合性材料を含むことができる。これに代えて、ロッキング要素502は、熱可塑性エラストマー(TPE)のようなより弾性の材料を含むことができる。
【0098】
使用時に、作動チャネル延長部510は、器具514がロッキング要素502の中心突起524の一方の側で細長本体522に対して圧縮されるように主本体504の長手軸線に対してほぼ平行な方向に関節作動される。一実施形態では、エレベーターを上昇させることにより、作動チャネル延長部510が器具514を一時的に圧縮してロックする。これに代えて、エレベーターが上昇すると、エレベーター上方のTPEは、器具514と直接に接触し、ロッキング要素502に対して器具520を圧縮することができる。ある一定の実施形態では、複数の器具を中心突起524のいずれの側でもロックすることができる。
【0099】
図25A及び25Bは、カプラーデバイス500のためのロッキング要素540に関する別の実施形態を示している。図示のように、ロッキング要素540は、2つの突起544,546を有する細長本体542を含み、その突起の間に中心溝548を定める。この実施形態では、作動チャネル延長部510がロッキング要素540に対して圧縮された状態で、器具514は、中心溝548の中にロックされる。先の実施形態と同様に、溝548は、実質的にV字形であるか又は器具514をその中に固定しやすくするいずれかの他の適切な形状とすることができる。
【0100】
図26A及び26Bは、カプラーデバイス500のためのロッキング要素550に関する更に別の実施形態を示している。図示のように、ロッキング要素550は、内視鏡及びカプラーデバイス500の長手軸線に対して横断方向に延びる細長本体542を含む。この実施形態では、ロッキング要素550は、細長本体542から延びるいずれの突起も含まない。使用時に、器具514が細長本体542に対してロックされるように、エレベーターは、上昇して作動チャネル延長部510を関節作動させる。
【0101】
本発明の開示のカプラーデバイス及び内視鏡は、他の医療デバイス、器具、付属品、バルーン、内視鏡位置決めシステム、ガイドワイヤ、拡張カテーテル、カニューレ、切断デバイス(例えば、括約筋切開具又は乳頭切開具)、総胆管内視鏡、結石捕捉及び摘出デバイス、ポリープ又は組織除去デバイス、スネア、ステント(例えば、胆道ステント)、使い捨て弁、バイトブロック、解剖学的支持バンド、又は他のデバイスを含む様々な異なるキットに使用することができる。本発明の開示と共に使用されるキットのより完全な説明は、本発明の出願人に譲渡されて現在特許出願中である共に2019年12月17日出願の米国特許出願第16/717、202号明細書及び第16/717、804号明細書に説明されており、その完成した開示は、これにより全ての目的に対して本明細書に引用によって組み込まれている。
【0102】
これにより、本明細書で言及する全ての交付済み特許、公開特許出願、及び非特許文献は、個々の交付済み特許、公開特許出願、又は非特許文献が引用によって組み込まれるように具体的かつ個別的に示されるのと同じ程度に全ての目的に対してその全体が引用によって本明細書に組み込まれている。
【0103】
他の実施形態は、本明細書に開示した実施形態の明細及び実施の考察から当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は、単に例示であると見なすように意図しており、実施形態の真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲によって示されている。
【符号の説明】
【0104】
100 内視鏡
112 近位ハンドル
114 細長シャフト
115 ユニバーサルコード
116 流体送出システム
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24A
図24B
図25A
図25B
図26A
図26B
【手続補正書】
【提出日】2022-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡と共に使用するためのデバイスであって、
前記内視鏡による組織の観察を可能にする可視化セクションと該内視鏡の遠位端部分に取り付けられるように構成された近位端とを備える主本体と、
前記主本体内の器具チャネルであって、該主本体の前記近位端が前記内視鏡の前記遠位端部分に取り付けられた時に該内視鏡内で作動チャネルに近接して作動するように構成された前記器具チャネルと、
を備え、
前記デバイスが、前記器具チャネルを通過する器具を拘束するように構成される、
ことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記器具チャネルは、前記主本体内の作動チャネル延長部であり、該作動チャネル延長部は、開放遠位端と、前記内視鏡の前記作動チャネルに取り付けられるように構成された近位端とを有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイスは、前記作動チャネル延長部の一部分を前記器具に対して圧縮して該器具を該作動チャネル延長部内の定位置に固定するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記開放遠位端は、前記内視鏡作動チャネルの長手軸線に対してある角度で傾けられ、前記デバイスが、該角度で前記器具を定位置に固定するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記器具を前記角度で固定しながら該器具の移動を可能にするように構成されることを特徴とする請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記器具チャネルの角度調節のためのエレベーターを前記主本体内に更に備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記主本体の外面上にロッキング要素を更に備え、
前記エレベーターは、前記ロッキング要素に対して器具を固定するように構成される、
ことを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ロッキング要素は、前記作動チャネルの前記長手軸線に対して横断方向に延びる主本体を備え
前記ロッキング要素は、前記主本体から延びて前記器具を固定するための溝を定める1又は2以上の突起を更に備える、
ことを特徴とする請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記エレベーターは、前記角度調節時に前記器具チャネルの一部分を圧縮して前記器具を定位置に固定するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のデバイス。
【請求項10】
前記器具チャネルは、前記遠位端で前記器具を受け入れるための溝を定めることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記溝は、実質的にV字形を有することを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記器具チャネルの中に延びる1又は2以上の突起と、該器具チャネルを圧縮して前記器具を前記溝内に固定するためのアクチュエータとを更に備え
前記突起は、前記器具チャネルに取り外し可能に連結される、
ことを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記内視鏡を通過する器具を関節作動させるための機構を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記作動チャネル延長部は、可撓性であり、かつ前記内視鏡の作動によって角度調節が可能であることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項15】
前記作動チャネル延長部の一部分と係合するように位置決めされたストップ部材を更に備え、
前記作動チャネル延長部は、前記ストップ部材との係合時に部分的に圧縮されるように構成され、
前記作動チャネル延長部は、該作動チャネル延長部の角度調節時に前記ストップ部材に係合するように構成される、
ことを特徴とする請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記作動チャネル延長部の一部分に連結され、かつ該部分を圧縮して該作動チャネル延長部の直径を低減するように構成されたアクチュエータを更に備えることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【国際調査報告】