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特表2023-521518ウチン(URCHIN)の間引き機構及び誘引方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-24
(54)【発明の名称】ウチン(URCHIN)の間引き機構及び誘引方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/90 20170101AFI20230517BHJP
   A01M 23/36 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
A01K61/90
A01M23/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504151
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 US2021025898
(87)【国際公開番号】W WO2021207142
(87)【国際公開日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】63/005,615
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】522391349
【氏名又は名称】コースタル ウォーターズ バイオテクノロジー 2 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤンシー,デニス ドゥウェイン ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】マクラング,アーサー ザ サード
【テーマコード(参考)】
2B104
2B121
【Fターム(参考)】
2B104AA38
2B104FA19
2B104GA01
2B121AA06
2B121BA33
2B121BA36
2B121BA52
2B121CC12
2B121EA21
2B121FA01
2B121FA16
(57)【要約】
本開示の実施形態は、システムの装置を取り囲む海底上及び海底周辺の画像を取り込むことによって海洋生物を誘引及び監視するためのシステムに関する。このシステムは、限定するものではないが、ウニなどの海洋生物を誘引して間引きする有効性を定量的に測定することができる。誘引機構及び間引き機構は、独立して使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海洋生物を誘引及び監視するためのシステムであって、
水中装置であって、
上部、底部、及び前記加重ベースの形状によって決定される側面を有する加重ベースであって、前記加重ベースは、前記加重ベースの前記上部に取り付けられたカメラを支持する、加重ベースと、
前記加重ベースの上方に懸架された誘引装置であって、前記誘引装置の近接側に取り付けられたアンカーによって前記加重ベースの前記上部に接続された、誘引装置と、
前記加重ベース及び前記誘引装置の上方に懸架され、可撓性リンクによって前記誘引装置の遠位側に接続された通信可能なブイと、
前記カメラ及び前記通信可能なブイに通信可能に結合されたデータケーブルと、
前記データケーブルに通信可能に結合され、前記通信可能なブイ内に配置されたマイクロコントローラと
を備える、水中装置
を備える、システム。
【請求項2】
前記誘引装置が、
前記アンカーによって前記加重ベースの前記上部に接続されたルアー収容物体と、
前記ルアー収容物体内に配置された誘引剤と
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記誘引装置が、
前記アンカーによって前記加重ベースの前記上部に接続された複数のスロットを有するプランタフレームと、
前記プランタフレームの前記スロットに嵌合するように配置された複数の播種プレートと、
前記プランタフレームの上方に延在するセンターポストと
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記アンカーが、前記加重ベースの前記上部と前記プランタフレームの中心との間に剛性ロッドを備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記播種プレートを監視するために前記センターポストに取り付けられた前記カメラをさらに備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記可撓性リンクが、チェーン、ケーブル、ロープ、コード、チューブ、又はワイヤを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記加重ベースと前記誘引装置との間に配置された間引きユニットをさらに備え、前記間引きユニットが、
前記加重ベースの前記上部に取り付けられたモータと、
前記モータの上方に延在するねじ付き中心ロッドと、
前記ねじ付き中心ロッドを終端とするシャフトカップリングと、
前記加重ベースの前記上部と前記シャフトカップリングとの間に配置された間引きスパイクを伴う間引きプレートであって、間引きスパイクを伴う前記間引きプレートは上面及び底面を有する、間引きプレートと、
間引きスパイクを伴う前記間引きプレートの前記底面に取り付けられたリミットスイッチと
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記間引きユニットが、
前記加重ベースの前記上部に取り付けられたサイズ排除ベースと、
前記アンカーによって前記誘引装置に取り付けられた前記モータと、
前記モータの下方に延在するねじ付きロッドと、
前記ねじ付きロッドに沿って移動する誘引剤リザーバを含む押出バスケットと、
前記誘引剤リザーバ内に配置された誘引剤と
を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記モータを定位置に保持する取り付けケージをさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記アンカーが、可撓性チェーン、ケーブル、ロープ、コード、チューブ、又はワイヤを含む、請求項2又は8に記載のシステム。
【請求項11】
前記カメラが、前記加重ベース上及びその周囲の海洋生物の画像をほぼリアルタイムで取り込むように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記カメラに接続された前記データケーブルが、前記マイクロコントローラによって、命令、監視、及びデータ記憶を実行するためのリモートサーバへの無線通信リンク用に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記マイクロコントローラが、
時間間隔で前記カメラを起動し、
前記間引きユニットの前記モータを起動させる
ように構成される、請求項7又は8に記載のシステム。
【請求項14】
前記誘引剤が、ケルプ、海藻、アワビ、サンゴ、海綿、藻類、アオサ、又はそれらの組み合わせを含む、請求項2又は8に記載のシステム。
【請求項15】
海洋生物を誘引及び監視するための方法であって、
加重ベースによって支持された誘引装置内に配置された誘引剤によって、海洋生物を捕捉ゾーン内に誘引するステップと、
前記加重ベースによって支持され、データケーブルに動作可能にリンクされた1つ又は複数のカメラによって、前記加重ベース上及びその周囲の画像を取り込むステップと、
コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムによって、前記画像を処理して、前記捕捉ゾーンの海洋生物の前記密度をほぼリアルタイムで識別するステップと、
マイクロコントローラによって、前記データケーブルを介してリモートサーバに前記画像を送信するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
モータ、ねじ付き中心ロッド、及び間引きスパイクを伴う間引きプレートを有する間引きユニットによって、前記捕捉ゾーンの海洋生物を間引きするステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
モータ、ねじ付き中心ロッド、押出バスケット、及びサイズ排除バスケットを有する間引きユニットによって、前記捕捉ゾーンの海洋生物を間引きするステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記マイクロコントローラによって、前記捕捉ゾーンの海洋生物の間引き速度を決定するステップをさらに含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記誘引装置は、複数の取り外し可能な播種プレートを伴うプランタフレームを備え、前記播種プレートは前記誘引剤の再生可能な供給源を提供する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記誘引剤が、ケルプ、海藻、アワビ、サンゴ、海綿、藻類、アオサ、又はそれらの組み合わせを含む、請求項15又は19に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
【0002】
本出願は、2020年4月6日に出願された米国仮特許出願第63/005615号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
【背景技術】
【0004】
ウチンバレンは、ウニの集団が増殖した海の浅い部分に形成され、ケルプの森への過剰給餌をもたらす。過去40年間にわたって、バレンは、ノバスコシアからチリまで至る所の世界中の海岸線に沿って報告されてきた。それらは、1000キロメートルを超える海岸線に及ぶか、又は小さなパッチで生息している可能性がある。ウチンバレンにおける海洋復元を支援するために、人間のダイバー及び海底トラップがウチンを間引きするために使用されてきた。しかしながら、ウチンを間引きするために潜ることは多くの人手を必要とする。海底からトラップを引き抜いた後にトラップ内のウチンの数を計算することは、ほとんどデータを提供せず、トラップを取り囲む海底の海洋生物に関する情報を提供することができない。
【0005】
【発明の概要】
【0006】
トラップの係合及び有効性に関連するウチン密度に関して、よりリアルタイムに近いデータが必要とされている。加えて、周囲の植物種及び動物種の一般的な生物多様性データは、海洋科学者から政府機関までの様々な利害関係者にとって非常に有益であり得る。
【0007】
要約する目的で、特定の態様、利点、及び新規な特徴が本明細書に記載されている。そのような利点のすべてが、いずれか1つの特定の実施形態により達成され得るわけではないことを理解されたい。したがって、開示された主題は、本明細書で教示又は示唆され得るすべての利点達成をすることなく、1つの利点又は利点群を達成又は最適化する方法で実施又は実行され得る。
【0008】
本開示の一態様によれば、海洋生物を誘引及び監視するためのシステムは、水中装置であって、上部、底部、及び加重ベースの形状によって決定される側面を有する加重ベースであって、加重ベースは、加重ベースの上部に取り付けられたカメラを支持する、加重ベース、加重ベースの上方に懸架され、誘引装置の近接側に取り付けられたアンカーによって加重ベースの上部に接続された誘引装置、加重ベース及び誘引装置の上方に懸架され、可撓性リンクによって誘引装置の遠位側に接続された通信可能なブイ、カメラ及び通信可能なブイに通信可能に結合されたデータケーブル、並びにデータケーブルに通信可能に結合され、通信可能なブイ内に配置されたマイクロコントローラを備える水中装置を含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、誘引装置は、アンカーによって加重ベースの上部に接続されたルアー収容物体、及びルアー収容物体内に配置された誘引剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、誘引装置は、アンカーによって加重ベースの上部に接続された複数のスロットを有するプランタフレーム、プランタフレームのスロットに嵌合するように配置された複数の播種プレート、及びプランタフレームの上方に延在するセンターポストを含むことができる。いくつかの実施形態では、アンカーは、加重ベースの上部とプランタフレームの中心との間に剛性ロッドを含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、播種プレートを監視するためにセンターポストに取り付けられたカメラをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、可撓性リンクは、チェーン、ケーブル、ロープ、コード、チューブ、又はワイヤを含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、加重ベースと誘引装置との間に配置された間引きユニットをさらに含むことができ、間引きユニットは、加重ベースの上部に取り付けられたモータ、モータの上方に延在するねじ付き中心ロッド、ねじ付き中心ロッドを終端とするシャフトカップリング、加重ベースの上部とシャフトカップリングとの間に配置された間引きスパイクを伴う間引きプレートであって、間引きスパイクを伴う間引きプレートは上面及び底面を有する間引きプレート、並びに間引きスパイクを伴う間引きプレートの底面に取り付けられたリミットスイッチを備える。いくつかの実施形態では、間引きユニットは、加重ベースの上部に取り付けられたサイズ排除ベース、アンカーによって誘引装置に取り付けられたモータ、モータの下方に延在するねじ付きロッド、ねじ付きロッドに沿って移動する誘引剤リザーバを含む押出バスケット、及び誘引剤リザーバ内に配置された誘引剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、モータを定位置に保持する取り付けケージをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、アンカーは、可撓性チェーン、ケーブル、ロープ、コード、チューブ、又はワイヤを含むことができる。いくつかの実施形態では、カメラは、加重ベース上及びその周囲の海洋生物の画像をほぼリアルタイムで取り込むように構成することができる。いくつかの実施形態では、カメラに接続されたデータケーブルは、マイクロコントローラによって、命令、監視、及びデータ記憶を実行するためのリモートサーバへの無線通信リンク用に構成することができる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラは、時間間隔でカメラを起動し、間引きユニットのモータを起動させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、誘引剤は、ケルプ、海藻、アワビ、サンゴ、海綿、藻類、アオサ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0010】
本開示の一態様によれば、海洋生物を誘引及び監視するための方法は、加重ベースによって支持された誘引装置内に配置された誘引剤によって、海洋生物を捕捉ゾーン内に誘引するステップ、加重ベースによって支持され、データケーブルに動作可能にリンクされた1つ又は複数のカメラによって、加重ベース上及びその周囲の画像を取り込むステップ、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムによって、画像を処理して、捕捉ゾーンの海洋生物の密度をほぼリアルタイムで識別するステップ、並びにマイクロコントローラによって、データケーブルを介してリモートサーバに画像を送信するステップを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法は、モータ、ねじ付き中心ロッド、及び間引きスパイクを伴う間引きプレートを有する間引きユニットによって、捕捉ゾーンの海洋生物を間引きするステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、モータ、ねじ付き中心ロッド、押出バスケット、及びサイズ排除バスケットを有する間引きユニットによって、捕捉ゾーンの海洋生物を間引きするステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、マイクロコントローラによって、捕捉ゾーンの海洋生物の間引き速度を決定するステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、誘引装置は、複数の取り外し可能な播種プレートを伴うプランタフレームを含むことができ、播種プレートは誘引剤の再生可能な供給源を提供する。いくつかの実施形態では、誘引剤は、ケルプ、海藻、アワビ、サンゴ、海綿、藻類、アオサ、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0012】
【図面の簡単な説明】
【0013】
開示された主題の様々な目的、特徴、及び利点は、同様の参照番号が同様の要素を識別する、以下の図面に関連して考慮される場合、開示された主題の以下の詳細な説明を参照してより完全に理解することができる。
【0014】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、海洋生物を誘引及び監視するためのシステムの斜視図である。
【0015】
図2】本開示のいくつかの実施形態による、捕捉ゾーン内の海洋生物を排除するための間引きユニットを伴う海洋生物を誘引及び監視するためのシステムの別の斜視図である。
【0016】
図3】本開示のいくつかの実施形態による、加重ベースの捕捉ゾーン内の間引きユニットの詳細図である。
【0017】
図4】本開示のいくつかの実施形態による、システムの高レベル概略図である。
【0018】
図5】本開示のいくつかの実施形態による、捕捉ゾーン内の海洋生物を排除するための別の間引きユニットを伴う海洋生物を誘引及び監視するためのシステムの別の斜視図である。
【0019】
図6】本開示のいくつかの実施形態による、加重ベースの捕捉ゾーン内の別の間引きユニットの分解図である。
【0020】
図7A】本開示のいくつかの実施形態による、プランタフレームから1つの播種プレートが取り外された誘引装置を示す図である。
【0021】
図7B】本開示のいくつかの実施形態による、プランタフレームで1つの播種プレートが取り外された誘引装置の側面図である。
【0022】
図8A】本開示のいくつかの実施形態による、播種プレート及びブイを取り外した状態の植付フレーム誘引装置の側面図である。
【0023】
図8B】本開示のいくつかの実施形態による、播種プレートが取り外されているが、ブイが無傷の植付フレーム誘引装置の側面図である。
【0024】
図9】本開示のいくつかの実施形態による、水中装置上で成長するケルプ押さえの斜視側面図である。
【0025】
図10A】本開示のいくつかの実施形態による、ブイ及び播種プレートのない植付フレームの上面図である。
【0026】
図10B】本開示のいくつかの実施形態による、ブイがなく、1つの播種プレートが取り外された植付フレームの上面図である。
【0027】
図11】本開示のいくつかの実施形態による、単一の播種プレートの側面図である。
【0028】
図面は、必ずしも縮尺通りではなく、又はシステムのすべての要素を含むものではなく、代わりに、一般に、本明細書で保護されることが求められる概念、構造、及び技術を示すことに重点が置かれている。
【0029】
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の詳細な説明は、事実上単なる例示であり、本発明又はその使用の用途を限定することを意図するものではない。
【0031】
本開示で使用される用語は、特定の例示的な実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。本開示の実施形態及び添付の特許請求の範囲の説明で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。
【0032】
本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ又は複数のありとあらゆる可能な組み合わせを指し、包含する。
【0033】
本開示の実施形態は、システムの装置を取り囲む海底上及び海底周辺の画像を取り込むことによって海洋生物を誘引及び監視するためのシステムに関する。本システムは、これらに限られるわけではないが、様々なサイズ及び種のウニ、ミノカサゴ、ヨーロッパミドリガニ、ヒトデ(sea star)、並びにサンゴ及び岩山を脅かすヒトデ(starfish)などの海洋生物の誘引及び間引きの有効性を定量的に測定することができる。誘引機構及び間引き機構は、独立して使用することができる。
【0034】
棘皮動物由来のウニは、一般に後側と呼ばれるドーム状の後側、及び一般に前側と呼ばれる平坦な口側で形成される。ウニは、殻全体を覆う棘を有する。しかし、棘はより短く、口側のサイズがより均一である。いくつかの種はこれらの特徴を共有していないが、様々なウニ種はこれらの特徴を共有している。
【0035】
緑色、赤色及び紫色のウチンを含む約1000種の既知のウチンがある。緑色のウニは、一般に、すべての海洋の40°北より上及び40°南より下の緯度に見られる。北米では、それらは、一般に、カナダの大西洋から太平洋岸のケープコッドまで、及び太平洋岸のアリューシアン島からブリティッシュコロンビアまで見られる。緑色のウニの市販サイズは、一般に、直径11/2から41/2インチ(3.8から11.4cm)の範囲であり、棘の長さは最長1/2インチ(1.3cm)である。
【0036】
赤色のウニは、一般的に、太平洋岸のアラスカのジュノーからメキシコにかけて見出される。赤色のウニは、緑色のウニのおおよそ2倍の大きさであり、より長い棘を有し、例えば、長さが最長数インチ(7.6cm)である。紫色のウニは、太平洋岸の赤と緑のウニが重なる領域に生息する。紫色のウニは、緑色のウニとほぼ同じサイズである。
【0037】
ミノカサゴ、ハナミノカサゴ又はアカミノカサゴ(red lionfish)及びプテロワマイル(Pterois miles)又はデビルハナミノカサゴ(devil firefish)は、元々インド洋・西太平洋に由来する。しかしながら、ミノカサゴは南フロリダの海岸から導入されており、それ以来世界中で最も多く生息する侵襲性海洋種の1つになっている。高密度のミノカサゴ集団は、年間1エーカー当たり最大46万匹の餌魚を消費し得る。侵入された範囲内に自然界の天敵がおらず、繁殖速度が非常に高いミノカサゴは、西大西洋、カリブ及びメキシコ湾のネイティブ魚に対して重大な脅威をもたらす。
【0038】
ヨーロッパミドリガニ(Carcinus maenas)は、ネイティブ種及びアマモの生息地を脅かす侵入種である。それらの多様な食餌、広範囲の海洋温度の耐性、及び長い仔魚期は、それらを、新しい環境の克服に優れたものにする。ミドリカニは、一般に、海洋環境において最も侵襲性の高い上位5種の1つと見なされている。
【0039】
ヒトデ(starfish)又はヒトデ(sea star)は、ヒトデ綱に属する星形の棘皮動物である。一般的な用法では、これらの名称は、クモヒトデ又はテヅルモヅル類と呼ばれる、クモヒトデ類にも適用されることが多い。ヒトデは、ヒトデ綱に属するため、ヒトデ(Asteroids)としても知られている。約1500種のヒトデが、熱帯から極寒海域まで世界中の海洋の海底に生息している。それらは、潮間帯から、表面下6000m(2万フィート)の深海まで見られる。
【0040】
いくつかのヒトデは侵襲的である。例えば、キヒトデ及びマヒトデとしても知られるマヒトデ(Northern Pacific sea star)。この種は、南オーストラリアの海洋地域に導入されており、特にタスマニアでは、ネイティブ種に損傷を引き起こす侵入種である。
【0041】
オニヒトデ(COTS)(Acanthaster planci)は、サンゴ礁上に天然に生息するコーラルリボレ(corallivore)(すなわち、サンゴポリプを食べる)である。長い毒棘に覆われ、それらは紫青色から赤みがかった灰色から緑色に及ぶ。それらは一般に直径25~35cmであるが、80cmほどの大きさの場合がある。
【0042】
オニヒトデは、紅海及び東アフリカの海岸から、太平洋及びインド海を横切って、中央アメリカの西海岸まで、インド-太平洋地域全体に見られる。COTSの天敵には、巨大なトリトンスネール(ホラガイ)、星形及び縞模様のフグ(サザナミフグ)、ゴマモンガラ(Balistoides viridescens)、及びメガネモチノウオ(Cheilinus undulates)が含まれる。
【0043】
例えば、ウチントラッピングの現在の用途は、受動的手段と能動的手段の両方を含む。受動的なウチントラッピングは、ケージ及び可撓性ネットによって行うことができる。ほとんどの受動的方法は、通常はあるタイプの望ましい魚又は動物相(例えば、ケルプ)である、あるタイプの餌を含む。受動トラップは、通常、固い構造の加重構成要素に取り付けられた可撓性ネットを含む。受動トラップは海底に配置され、一旦ウチンが捕捉ゾーンに入ると、構造体を表面まで持ち上げて空にすることができる。しかしながら、受動的なウチントラッピングは手動で手間がかかる。
【0044】
能動的なウチントラッピングは、自動化(様々な程度の技術的ツール)又は手動(ダイバー)手段のいずれかによって行われる。この時点では、ウチン収集を支援するための自動化ツールは限られている。いくつかの遠隔操作車両(ROV)は、ウチンを収集することができるが、多くの場合、かなりの人間の相互作用を伴う(例えば、海底収穫機)。これらの車両及びツールは、適切に動作するためにダイバーの使用を必要とすることが多い。ダイバー(スキューバとフリーダイブの両方)は、手動のウチン収集の直接的な方法としても機能する。ダイバーは、ベースハンド、特別な手袋、又はカスタムツールを使用して、ウチンの収集を支援することができる。
【0045】
ウチンの間引きは、多くの場合、ウチンの収穫を行う同じ人、すなわち人間のダイバーによって行われる。これらのダイバーは、ハンマー、槍、及び特注の腕爪付属品などの手動ツールを使用して、標的とするウチンを間引いて回収する。これは、大部分が手動のプロセスであり、世界規模で標的とするウチンバレンに対処するための良好な解決策ではない。さらに、受動的方法は、有効性に関する非常に散発的なデータを含む。ウチン密度の状態は、トラップが配置された時点で評価することができ、次いで、それがチェック又は収集された時点で再び評価することができる。中間の状態のウチン密度及び活動は入手できない。
【0046】
受動的方法と同様に、能動的方法は散発的であり、ダイブ前、ダイブ中及びダイブ後、ダイブカメラ又は他の計算手段によるダイバーの観察に基づいている。容易に展開可能であり、ウチンを間引きするために人間との相互作用をあまり必要としないシステムが必要とされている。
【0047】
したがって、本開示の実施形態は、データ収集及び/又は間引きの目的で海洋生物を誘引しながら、海底を監視することができる一方で、ダイバーが水中トラップに手動で世話しなければならない回数も減らすことができる装置に向けられている。本開示の実施形態は、頻繁なダイブを必要とせずに海底及びウチンバレンを遠隔で監視するのを支援する。さらに、本開示の実施形態は、海洋生物を誘引及び監視するためのシステムを、ウチン密度及び海洋生物多様性に関するほぼリアルタイムのデータを送信し、カメラデータのプロセッサ分析によって決定された間隔で海洋生物を間引きし、並びに水産養殖する方法と、結合することに向けられている。
【0048】
本明細書に記載の主題の1つ又は複数の変形の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。本明細書に記載の主題の他の特徴及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。しかしながら、開示された主題は、開示された任意の特定の実施形態に限定されない。
【0049】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、海洋生物を誘引及び監視するためのシステムの斜視図である。海洋生物、例えば、ウニは、誘引剤によってベースプレートに向かって移動するように促され、海洋生物又はウチン密度は、カメラシステムによって監視することができる。ブイは、システムを表面に向かって持ち上げることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、図1のシステム100は、加重ベース102、誘引装置106、アンカー108、可撓性リンク110、通信可能なブイ112、及びカメラ104を含むことができる。いくつかの実施形態では、誘引装置106は、図1に示すようなルアー収容物体114であり得る。いくつかの実施形態では、加重ベース102は海底に着座することができ、基本的に平坦な金属プレートであり得る。いくつかの実施形態では、加重ベース102は、例えば、円形、楕円形、又は雲形などの円形であり得る。いくつかの実施形態では、加重ベース102はまた、三角形、長方形、又は五角形を含むがこれらに限定されない多角形であり得る。いくつかの実施形態では、加重ベース102は、加重ベース102の形状に応じて、上部、底部、及びいくつかの側面を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、加重ベース102は、4辺を伴う長方形であり得る。加重ベース102の上部の表面積は、加重ベース102の底部の表面積に等しくすることができ、両方とも、一方又は複数の側面の表面積を超えることができる。いくつかの実施形態では、カメラ104の1つ又は複数は、加重ベース102に取り付けられ、経時的に、ベースの周りのウチン及び生物多様性を取り込むように向けられ得る。カメラ104は、デジタルカメラ、水中カメラ、タイムラプスカメラ、又は防水ケーシングに囲まれた別のカメラとすることができる。例えば、図1は、カメラ104の2つを示す。
【0051】
いくつかの実施形態では、加重ベース102は、誘引装置106の近接側に取り付けられたアンカー108によって誘引装置106に接続することができる。いくつかの実施形態では、アンカー108は、可撓性チェーン、ケーブル、ロープ、コード、チューブ、又はワイヤとすることができる。アンカー108は、ロープ、鋼、金属、プラスチック、チェーン、ゴム、又は任意の他の適切な材料で作ることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、図1に示す誘引装置106は、ルアー収容物体114であり得る。いくつかの実施形態では、ルアー収容物体114は、誘引剤(図示せず)を収容することができるオープンメッシュ可撓性バッグとすることができ、メッシュは、誘引化学物質、芳香剤、及び/又は臭気物質が周囲領域に分散することを可能にすることができる。本明細書で使用される場合、「誘引剤」という用語は、海洋生物を誘引する天然又は合成物質を指す。いくつかの実施形態では、誘引剤は、例えば、ケルプ、海藻、アワビ、サンゴ、海綿、藻類、アオサ、又はそれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、ルアー収容物体114は、アンカー108によって加重ベース102の上部に接続することができる。いくつかの実施形態では、誘引装置106の遠位端は、可撓性リンク110によって通信可能なブイ112に接続することができる。いくつかの実施形態では、誘引装置106の遠位端は、通信可能なブイ112への接続によって海面に向かって引き寄せることができる。いくつかの実施形態では、ルアー収容物体114は、ルアー収容物体114の遠位端の通信可能なブイ112への接続によって海洋表面に向かって引き込まれ得る。いくつかの実施形態では、可撓性リンク110は、可撓性チェーン、ケーブル、ロープ、コード、チューブ、又はワイヤとすることができる。可撓性リンク110は、ロープ、鋼、金属、プラスチック、チェーン、ゴム、又は任意の他の適切な材料で作ることができる。
【0053】
説明したように、通信可能なブイ112は、加重ベース102及び誘引装置106の上方に懸架することができ、可撓性リンク110によって誘引装置106の遠位側に接続することができる。いくつかの実施形態では、通信可能なブイ112は、本体フレームが海水の表面にバランスよく浮くように設置することができる。いくつかの実施形態では、通信可能なブイ112は、誘引装置106及び可撓性リンク110などのシステム100の他の要素も浮遊したままにしながら、完全に水中に沈むように設置することができる。いくつかの実施形態では、ブイは、通信可能なブイ112とすることができる。いくつかの実施形態では、ブイ112は、画像及び動作コマンドなどのデータを送信及び/又は受信するための構成要素を含むことができる。通信可能なブイ112は、例えば、信号を変調及び復調するためのモデム、並びに変調信号を1つ又は複数のゲートウェイに送信及び/又はそこから変調信号を受信するように構成されたアンテナを含むことができる。そのようなデータ信号は、無線周波数ネットワークを介して通信することができる。例えば、データ信号は、グローバルシステムフォーモバイル(GSM)通信ネットワーク、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワーク、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、拡張データフォーグローバルエボリューション(EDGE)ネットワーク、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク、又は任意の他のタイプのセルラネットワークなどのセルラネットワークを介して通信することができる。いくつかの実施形態では、データ通信は衛星ネットワークを介して行うことができる。いくつかの実施形態では、データ通信は、Wi-Fi、Bluetooth、又は赤外線ネットワークなどの短距離ネットワークを介して行うことができる。いくつかの実施形態では、通信可能なブイ112は、長距離(LoRa)又はLoRaWAN技術を使用してデータ通信を送信及び/又は受信するように構成することができる。LoRA又はLoRaWAN技術を使用することにより、セルラーネットワークカバレッジが信頼できないか又は存在しない遠隔地であっても、30キロメートルなどの長距離でデータを通信することができる。別の実施形態では、データ通信は、光が無線伝送のために変調される光ネットワークを介して行うことができる。さらに別の実施形態では、通信可能なブイ112は、様々なネットワークを介してデータを送信及び/又は受信するように構成することができる。例えば、通信可能なブイ112は、1つ又は複数の異なるタイプのセルラネットワーク、衛星ネットワーク、短距離ネットワーク、LoRaネットワーク、又は光ネットワークを介して送信するように構成することができる要素を含むことができ、可用性に基づいてデータ通信に使用するネットワーク技術を選択することができる。
【0054】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、捕捉ゾーン内の海洋生物を排除するための間引きユニットを伴う海洋生物を誘引及び監視するためのシステム200の別の斜視図である。本明細書で使用する場合、「捕捉ゾーン」という用語は、間引きユニット208によって囲まれた領域を指す。いくつかの実施形態では、図2のシステム200は、図1で説明したように、加重ベース102、カメラ104、誘引装置106、及び通信可能なブイ112を含むことができる。さらに、図2のシステム200は、間引きユニット208を含むことができる。いくつかの実施形態では、間引きユニット208は、シャフトカップリングを伴うねじ付き中心ロッド204、モータ202、及びスパイクを伴う間引きプレート206を含むことができる。いくつかの実施形態では、システム200は、海洋生物を捕捉ゾーンに誘引することができるだけでなく、特定の範囲内で海洋生物を間引きすることもできる。捕捉ゾーンの海洋生物は、時限的な間隔で、又は間引き機構の臨界質量で、定期的に間引きすることができる。いくつかの実施形態では、臨界質量間引き間隔は、カメラ104システムからのデータの解析によって決定することができる。いくつかの実施形態では、間引きユニット208は、図1に記載されたものと同じ要素からなるシステム200の一部とすることができ、加重ベース102と誘引装置106との間に間引きユニット208を挿入する。
【0055】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、加重ベース102の捕捉ゾーン内に間引きユニット208を伴うシステム300の詳細な部分図である。システム300のいくつかの実施形態では、間引きユニット208は、モータ202、ねじ付き中心ロッド204a、シャフトカップリング204b、間引きスパイク206bを伴う間引きプレート206a、及びリミットスイッチ206cを含むことができる。いくつかの実施形態では、間引きユニット208は、ねじ付き中心ロッド204aを回転させるためにモータ202の出力を使用することによって、ウチンなどの海洋生物を間引きすることができ、それによって、間引きスパイク206bを伴うプレートを上下に移動させて、システムに誘引されたウチンを定期的に標的とする。いくつかの実施形態では、モータ202は、図2に示すように、加重ベース102の上部に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、間引きスパイク206bは、プレート206aから加重ベース102に向かって延在することができる。いくつかの実施形態では、ねじ付き中心ロッド204aは、シャフトカップリング204b内で終端することができ、それは上記のシステムの残りの部分が回転するのを防止することができる。いくつかの実施形態では、シャフトカップリング204bは、動力を伝達する目的で2つ以上の機械シャフトを接続するために使用される任意のカップリング装置とすることができる。いくつかの実施形態では、アンカー108は、シャフトカップリング204bから延在し、誘引装置106の近位端に接続することができる。例えば、可撓性チェーンは、図2図3の間引きユニット208の上部を図1のルアー収容物体114の底部に接続することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、間引きスパイクを伴うプレート206は、ねじ付き中心ロッド204aに通され得る。間引きプレート206a及び間引きスパイク206bが下げられると、間引きスパイク206bは、これらが間引きスパイク206bと加重ベース102との間に挟まれているため、捕捉ゾーン内のウチンを貫通することができ、したがってそれらを死滅させる。間引きプレート及びスパイクが上昇すると、間引きされたウチン及び残留物を解放して、水流によって洗い流すことができる。別の実施形態では、間引きユニット208は、ヒトデ又は海綿などの他の海洋生物を間引きするために使用することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、間引きユニット208の動きは、時限クロック間隔によって開始することができ、同様の時間間隔又はリミットスイッチ206cによって停止するように規定することができ、これは間引きスパイクを伴うプレート206の底面に取り付けることができる。例えば、間引きは、1、5、10、15、20、30、45、又は60分ごとに行うことができる。いくつかの実施形態では、間引きは、1、2、3、4、又はそれ以上の時間ごとに行うことができる。いくつかの実施形態では、間引きプレート206a及び間引きスパイク206bの動きは、リミットスイッチ206cに間引き動作の完了をトリガさせ、デフォルト位置にリセットさせることができる。
【0058】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、システムの高レベル概略図である。概略図は、間引きユニット208が定位置にある誘引装置106を示す。いくつかの実施形態では、例えば図1に示すシステム100に示すベース誘引装置の場合、間引き及びリミットスイッチ206cのためのモータ202は、システム100に示すベース誘引装置には存在せず、不要であり得る。
【0059】
図4において、標準ON/OFFスイッチ404は、システム400全体の動作を制御する。
電池402は、システム400が稼働しているときに、予定された間隔で必要な電力を供給する。電池は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素(NiMH)電池、アルカリ電池、鉛蓄電池であってもよいが、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、システムは、その動作の大部分で低電力モードのままであり得る。タイマー414を使用することにより、システムマイクロコントローラ406は、必要に応じて撮像システム及び間引きユニット208を起動させることができる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ406は、カメラ104を動作させるための命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ406は、カメラ104から収集された画像データ内の関心のある標的を識別し、間引きユニット208を制御するように訓練することができるコンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを使用するための命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを訓練して、ウニ、ヒトデ、アワビ、又はケルプなどの海洋生物を識別することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムは、画像データを分析することができ、画像の海洋生物を計算することができる。いくつかの実施形態では、撮像システムは、照明416、カメラ418/104、及び画像記憶装置などのデータ記憶装置420を含むことができる。いくつかの実施形態では、起動時に、間引きモータ408は、間引きプレート及びスパイク206を上昇又は下降させることができる。いくつかの実施形態では、リミットトリガ410とも呼ばれるリミットスイッチを使用して、間引きユニット208モータ202の動きを制限することができる。いくつかの実施形態では、地上データ通信412を使用して、記憶された画像データを収集し、電池レベルを監視し、システム400を制御することができる。
【0060】
一実施形態では、データケーブル(図示せず)をカメラ408/104に接続し、図2に図示されているような、通信可能なブイ112に通信可能にリンクすることができる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ406は、データケーブルに接続され、図2に図示されているような通信可能なブイ112内に配置することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、カメラシステムから通信可能なブイ112へのデータケーブル(図示せず)は、監視及びデータ記憶/バックアップのためのリモートサーバへの無線(例えば、セルラ)地上データ通信412の能力を提供することができる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ406は、カメラ104サブシステムと通信することができ、データケーブル(図示せず)を介して通信可能なブイ112にデータを送信及び/又は受信することができる。ウチン又は海洋生物多様性データの動きを収集することができる。いくつかの実施形態では、間引きユニット208の動きは、カメラ104のデータを処理することから取得された洞察に基づくことができる。いくつかの実施形態では、間引きユニット208の動きは、間引き速度とすることができる。いくつかの実施形態では、間引き速度は、リミットスイッチ410によって決定することができる。いくつかの実施形態では、間引き速度は、カメラ104のデータを処理することによって決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、5、10、20、30又はそれ以上の海洋生物が捕捉ゾーン内にあるときに、間引きユニット208を展開することができる。いくつかの実施形態では、捕捉ゾーン内の海洋生物の密度が閾値を超えるようにカメラ104、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズム、及び/又はマイクロコントローラ406によって決定されるとき、間引きユニット208を展開することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、地上データ通信412は、1つ若しくは複数の広域ネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、又はこれらのネットワークの任意の組み合わせを含むことができる。地上データ通信412は、インターネット、イントラネット、イーサネット、ツイストペア、同軸ケーブル、光ファイバ、セルラ、衛星、IEEE801.11、地上波、及び/又は他のタイプの有線又は無線ネットワークなどの、1つ又は複数のタイプのネットワークの組み合わせを含むことができる。地上データ通信412はまた、標準的な通信技術及び/又はプロトコルを使用することができる。
【0063】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、捕捉ゾーン内の海洋生物を排除するための別の間引きユニット208を伴う海洋生物を誘引及び監視するためのシステム500の別の斜視図である。図5は、加重ベース102、カメラ104、誘引装置106、通信可能なブイ112、捕捉ゾーン内の海洋生物を排除するための代替の間引き及び誘引システムを伴う間引きユニット208を伴う誘引システムの一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、図5のシステム500はまた、図1図4のいずれかに記載のシステムであってもよい。いくつかの実施形態では、システム500の間引きユニット208は、図2図3に記載の間引きユニットとすることができる。
【0064】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、加重ベース102の捕捉ゾーン内に間引きユニット208を伴うシステム600の詳細な部分図である。いくつかの実施形態では、図5図6に示す間引きユニット208は、モータ202及び取り付けケージ608と、押出バスケット606a及び誘引剤リザーバ606b、サイズ排除ベース602、並びに3つのガイドロッド604を含むことができる。いくつかの実施形態では、サイズ排除ベース602は、加重ベース102の上部に取り付けることができ、捕捉ゾーンへのアクセスを特定のサイズの海洋生物標的に制限することができる。例えば、サイズ排除ベース602は、ウチンよりも大きな海洋生物を捕捉ゾーンから外に保つように構成することができる。いくつかの実施形態では、間引きユニット208のうち、押出バスケット606a及び誘引剤リザーバ606b(例えば、ケルプ)は、3つのガイドロッド604に取り付けられた単一の構成要素である。いくつかの実施形態では、誘引剤リザーバ606bは、ケルプを含むことができる。間引きユニット208のいくつかの実施形態では、モータ202は、モータ202から誘引装置106の近位端まで延在するアンカー108によって誘引装置106の構成要素に取り付けられる。言い換えれば、間引きユニット208のいくつかの実施形態では、モータ202を加重ベース102に取り付けることができ、スパイクを伴う間引きプレート206をアンカー108に取り付けることができる。図5図6に示すような間引きユニット208の他の実施形態では、モータ202をアンカー108に取り付けることができ、サイズ排除ベース602を加重ベース102の上部に取り付けることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、押出バスケット606a及び誘引剤リザーバ606bの構成要素は、押出バスケット及び誘引剤リザーバ606a~bを下降させて捕捉ゾーンの標的とするウチンを破砕し、上昇させて水流によって残留物を除去することを可能にするねじ付き中心ロッドシャフトを有することができる。いくつかの実施形態では、ねじ付きロッドは、取り付けケージ608によって定位置に保持することができるモータ202によって駆動することができる。言い換えれば、いくつかの実施形態では、取り付けケージ608は、モータ202を定位置に保持することができる。機構は、押出バスケット及び誘引剤リザーバ606a~606bを上下に移動させて、システム内に誘引されたウチンを定期的に標的化することができる。いくつかの実施形態では、誘引剤を誘引剤リザーバ606b内に配置することができる。図4のシステム400の別の実施形態では、間引きのためのモータ202を起動させて、押出バスケット及びルアー収容部606a~bを上昇又は下降させることができる。
【0066】
図7Aは、本開示のいくつかの実施形態による、プランタフレームから1つの播種プレートが取り外された誘引装置システム700を示す。システム700は、加重ベース102、カメラ104、通信可能なブイ112、可撓性リンク110、プランタフレーム702、複数の播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706を含む。いくつかの実施形態では、誘引装置106は、プランタフレーム702、複数の播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706であり得る。プランタフレーム702は、アンカーによって加重ベース102の上部に接続することができ、複数の播種プレート704をプランタフレーム702のスロットに嵌合するように配置することができる。いくつかの実施形態では、プランタフレーム702は、繰り返しパターンで配置された2、4、8、16、32、64、100、200個、又はそれ以上のスロットを有する格子、グリッド、又はマトリックスであり得る。いくつかの実施形態では、播種プレート704は、水産養殖用の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16個、又はそれ以上の孔を有することができる。いくつかの実施形態では、播種プレートは、孔の内外に編み込むことができるケルプ押さえを支持することができる。播種プレートは、ケルプ胞子体の溶液に浸漬することによって播種することができる。いくつかの実施形態では、プランタフレーム702は、センターポスト706が延在することができる中央空間を除いて、播種プレート704で満たされ得る。いくつかの実施形態では、可撓性リンク110は、通信可能なブイ112を誘引装置106の遠位端に接続することができる。いくつかの実施形態では、誘引装置106の遠位端は、図1に記載のルアー収容物体114の上部であり得る。いくつかの実施形態では、誘引装置106の遠位端は、プランタフレーム702の中心から延在する剛性のセンターポスト706であり得る。
【0067】
図7Bは、本開示のいくつかの実施形態による、プランタフレームで1つの播種プレートが取り外された誘引装置の生きているケルプの実施形態の側面図を示す。システム700は、加重ベース102、カメラ104、通信可能なブイ112、可撓性リンク110、アンカー108、間引きユニット208、プランタフレーム702、複数の播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706を含む。いくつかの実施形態では、加重ベース102、カメラ104、通信可能なブイ112、及び可撓性リンク110は、図1図6に記載されたもののいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、アンカー108は剛性アタッチメントであり得る。いくつかの実施形態では、間引きユニット208は、図2図3図5図6に記載の間引きユニット208とすることができる。いくつかの実施形態では、プランタフレーム702、複数の播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706は、図7Aに記載されているものとすることができる。いくつかの実施形態では、カメラ104の複数がシステム内にあり得る。例えば、いくつかの実施形態では、カメラ104は、1、2、3、4、5、6、7、8又はそれ以上の位置で、加重ベース102に取り付けることができる。加えて、いくつかの実施形態では、カメラ104は、播種プレート704を伴うプランタフレーム702の周りに延在するセンターポスト706に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、カメラ104は、1、2、3、4、5、6、7、8又はそれ以上の位置でセンターポスト706に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、センターポスト706に取り付けられたカメラ104は、ケルプの葉のアワビをスキャンし、成長中のケルプを監視し、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを採用してケルププランタのアワビを数えることができる。いくつかの実施形態では、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムは、関心のある植物種及び動物種を識別、追跡及び計算するように訓練することができ、更新されたシステム構成要素及び訓練データが利用可能になるにつれて、経時的に有効性を改善するように再訓練することができる。
【0068】
図8Aは、本開示のいくつかの実施形態による、播種プレート及びブイを取り外した状態の植付フレーム誘引装置の側面図である。図8Aのシステム800は、加重ベース102、カメラ104、間引きユニット208、プランタフレーム702、播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706を示す。いくつかの実施形態では、加重ベース102及びカメラ104は、図1図6に記載されたもののいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、間引きユニット208は、図2図3図5図6に記載の間引きユニット208とすることができる。いくつかの実施形態では、プランタフレーム702、複数の播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706は、図7Aに記載されているものとすることができる。
【0069】
図8Bは、本開示のいくつかの実施形態による、播種プレートが取り外されているが、ブイが無傷の植付フレーム誘引装置の側面図を示す。図8Bのシステム800は、加重ベース102、カメラ104、通信可能なブイ112、可撓性リンク110、アンカー108、間引きユニット208、プランタフレーム702、播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706を含む。いくつかの実施形態では、加重ベース102、カメラ104、通信可能なブイ112、及び可撓性リンク110は、図1図6に記載されたもののいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、アンカー108は剛性アタッチメントであり得る。いくつかの実施形態では、間引きユニット208は、図2図3図5図6に記載の間引きユニット208とすることができる。いくつかの実施形態では、プランタフレーム702、播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706は、図7Aに記載されているものとすることができる。
【0070】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、水中装置上で成長するケルプ押さえの斜視側面図である。図9のシステム900は、加重ベース102、カメラ104、通信可能なブイ112、プランタフレーム702、複数の播種プレート704、成長するケルプ902、及びプランタフレーム702の上に延在するセンターポスト706を示す。いくつかの実施形態では、加重ベース102、カメラ104、通信可能なブイ112、及び可撓性リンク110は、図1図6に記載されたもののいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、プランタフレーム702、複数の播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706は、図7Aに記載されているものとすることができる。いくつかの実施形態では、誘引剤は、誘引剤の再生可能な供給源として誘引装置106によって供給することができる。いくつかの実施形態では、ケルプ902は、誘引剤の再生可能な供給源として成長することができる。いくつかの実施形態では、ケルプ902を伴う播種プレート704を地上の苗床に移した後に、播種プレートを交換することができる。いくつかの実施形態では、ケルプを播種するための胞子(図示せず)を地上の苗床の播種プレート704に添加し、次いで図9のシステム900などの圃場に移送することができる。いくつかの実施形態では、プレートを設置することができ、幼若ケルプを圃場で成長させることができる。
【0071】
図10Aは、本開示のいくつかの実施形態による、播種プレートのない植付フレームの上面図を示す。図10Aのシステム1000は、加重ベース102、カメラ104、間引きユニット208、プランタフレーム702、播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706を示す。いくつかの実施形態では、加重ベース102、カメラ104は、図1図6に記載されたもののいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、間引きユニット208は、図2図3図5図6に記載の間引きユニット208とすることができる。いくつかの実施形態では、プランタフレーム702、播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706は、図7Aに記載されているものとすることができる。いくつかの実施形態では、播種プレート704のすべてをプランタフレーム702から一度に取り外すことができる。
【0072】
図10Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ブイがなく、1つの播種プレートが取り外された植付フレームの上面図を示す。図10Bのシステム1000は、加重ベース102、カメラ104、間引きユニット208、プランタフレーム702、複数の播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706を示す。いくつかの実施形態では、加重ベース102及びカメラ104は、図1図6に記載されたもののいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、間引きユニット208は、図2図3図5図6に記載の間引きユニット208とすることができる。いくつかの実施形態では、プランタフレーム702、播種プレート704、及びプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706は、図7Aに記載されているものとすることができる。
【0073】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、単一の播種プレート704の側面図である。
【0074】
図1図6で説明したいくつかの実施形態では、誘引装置106は、アンカー108を伴う図1に示すようなルアー収容物体114とすることができ、それは、説明したように可撓性アタッチメントとすることができ、通信可能なブイ112は、ルアー収容物体114を浮遊させたままにする。図7図11で説明したいくつかの実施形態では、誘引装置106は、プランタフレーム702、複数の播種プレート704、及びアンカー108を伴う図7に示すようなプランタフレーム702の上方に延在するセンターポスト706を含むことができ、これは説明したような剛性アタッチメント、及び通信可能なブイ112を含むことができる。いくつかの実施形態では、通信可能なブイ112は、誘引装置のケルププランタの実施形態を浮遊させず、通信の目的のために残ることができる。いくつかの実施形態では、誘引装置106は、図1のシステム100などの間引きユニット208のないシステムの一部とすることができる。いくつかの実施形態では、誘引装置106は、図2図3の間引きユニット208などの捕捉ゾーンに誘引された、ウチンなどの標的海洋生物を粉砕するために、間引きスパイクを伴うプレート206を使用して動作する間引きユニット208と結合することができる。いくつかの実施形態では、誘引装置106は、押出バスケット606a及び誘引剤リザーバ606bを使用して動作する間引きユニット208と結合することができ、図5図6のシステムなどの捕捉ゾーンに誘引された、ウチンなどの標的海洋生物を破砕する。いくつかの実施形態では、図4の例示的なシステム400は、図1図2図7図9の装置などの本開示の任意の装置を説明することができる。
【0075】
開示された主題は、その適用において、以下の説明に記載されるか又は図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。開示された主題は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施及び実行することができる。また、本明細書で採用される表現及び用語は、説明のためのものであり、限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。したがって、当業者は、本開示の基礎となる概念が、開示された主題のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法、及びシステムの設計の基礎として容易に利用され得ることを理解するであろう。したがって、特許請求の範囲は、開示された主題の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、そのような同等の構成を含むと見なされることが重要である。
【0076】
開示された主題を前述の例示的な実施形態で説明及び図示してきたが、本開示は例としての見なされており、開示された主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示された主題の実装の詳細における多くの変更がなされ得ることが理解される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A-7B】
図8A-8B】
図9
図10A-10B】
図11
【国際調査報告】