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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-26
(54)【発明の名称】アフリカ豚熱病ワクチン組成物
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/34 20060101AFI20230519BHJP
   C12N 15/85 20060101ALI20230519BHJP
   C07K 14/01 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20230519BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230519BHJP
   A61K 39/12 20060101ALI20230519BHJP
   A61K 47/62 20170101ALI20230519BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230519BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230519BHJP
   A61K 39/385 20060101ALI20230519BHJP
【FI】
C12N15/34 ZNA
C12N15/85 Z
C07K14/01
A61P31/20
A61P37/04
A61K39/12
A61K47/62
A61P43/00 123
A61K48/00
A61K39/385
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562972
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(85)【翻訳文提出日】2022-12-14
(86)【国際出願番号】 KR2021004724
(87)【国際公開番号】W WO2021210924
(87)【国際公開日】2021-10-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0045271
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522403767
【氏名又は名称】プラムライン・ライフ・サイエンシーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PLUMBLINE LIFE SCIENCES, INC.
【住所又は居所原語表記】4F, 18, SEOCHO‐DAERO 34‐GIL, SEOCHO‐GU, SEOUL 06661, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウン・ジン
(72)【発明者】
【氏名】ウム,テ‐ギ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,キョン‐ジュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミン‐ジ
(72)【発明者】
【氏名】ユク,グン‐ヨン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076BB34
4C076BB40
4C076CC07
4C076CC35
4C076CC41
4C076CC42
4C076EE59
4C084AA13
4C084MA65
4C084NA14
4C084NA15
4C084ZB021
4C084ZB051
4C084ZB091
4C084ZB331
4C084ZC611
4C085AA03
4C085BA51
4C085BB11
4C085BB35
4C085CC07
4C085CC08
4C085CC31
4C085DD62
4C085EE01
4C085GG10
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA01
4H045DA86
4H045EA05
4H045EA31
(57)【要約】
【要約書】
本発明は、アフリカ豚熱病に対する免疫反応生成に関与するポリペプチド、ポリヌクレオチド、プラスミドおよびこれらを含有するワクチン組成物に関する。また、本発明は、個体からアフリカ豚熱病に対する免疫反応を生成する方法に関する。また、本発明は、アフリカ豚熱病に対する免疫反応生成に関与するポリペプチド、ポリヌクレオチド、プラスミドおよびこれらを含有するアフリカ豚熱病治療または予防用薬学組成物に関する。また、本発明は、個体からアフリカ豚熱病を予防または治療する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アフリカ豚熱病ウイルスの遺伝子p30、p54、C-type lectin、CD2v、p49、pp62、EP364R、F317L、A104RおよびK205Rのうち1つ以上のアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
【請求項2】
配列番号1ないし10のアミノ酸配列、またはこれと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列のうち1つ以上を含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
Kozak配列、IgE leader配列、ユビキチン(ubiquitin)配列およびフーリン切断部位(Furin cleavage site)配列のうち1つ以上をさらに含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項4】
配列番号41のアミノ酸配列をさらに含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項5】
配列番号43のアミノ酸配列をさらに含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項6】
アフリカ豚熱病ウイルスの遺伝子p30、p54、C-type lectin、CD2v、p49、pp62、EP364R、F317L、A104RおよびK205Rのうち1つ以上の塩基配列を含む、ポリヌクレオチド。
【請求項7】
配列番号1ないし10のアミノ酸配列、またはこれと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列をコーディングする塩基配列、または配列番号11ないし20の塩基配列、またはこれと90%以上の相同性を有する塩基配列を含む、請求項6に記載のポリヌクレオチド。
【請求項8】
Kozak配列、IgE leader配列、ユビキチン(ubiquitin)配列および切断部位(cleavage site)配列のうち1つ以上をさらに含む、請求項6に記載のポリヌクレオチド。
【請求項9】
配列番号42の塩基配列をさらに含む、請求項6に記載のポリヌクレオチド。
【請求項10】
配列番号44の塩基配列をさらに含む、請求項6に記載のポリヌクレオチド。
【請求項11】
請求項6に記載のポリヌクレオチドを含む、プラスミド。
【請求項12】
配列番号31ないし40、および配列番号50ないし54の塩基配列のうちいずれか1つを含む、請求項11に記載のプラスミド。
【請求項13】
請求項1ないし請求項5のうちいずれか1項に記載のポリペプチド、請求項6ないし請求項10のうちいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、または請求項11および請求項12のうちいずれか1項に記載のプラスミドを含む、アフリカ豚熱病ワクチン組成物。
【請求項14】
請求項13に記載のワクチン組成物をヒトを除いた動物に投与するステップを含む、前記動物からアフリカ豚熱病ウイルスに対する免疫反応を生成する方法。
【請求項15】
前記投与は、電気穿孔(electroporation)による投与であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項13に記載のワクチン組成物をヒトを除いた動物に投与するステップを含む、アフリカ豚熱病を治療または予防する方法。
【請求項17】
前記投与は、電気穿孔(electroporation)による投与であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1ないし請求項5のうちいずれか1項に記載のポリペプチド、請求項6ないし請求項10のうちいずれか1項に記載のポリヌクレオチド、または請求項11および請求項12のうちいずれか1項に記載のプラスミドを含む、アフリカ豚熱病治療または予防用薬学組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アフリカ豚熱病に対する免疫反応生成に関与するポリペプチド、ポリヌクレオチド、プラスミドおよびこれらを含有するワクチン組成物に関する。また、本発明は、個体からアフリカ豚熱病に対する免疫反応を生成する方法に関する。また、本発明は、アフリカ豚熱病に対する免疫反応生成に関与するポリペプチド、ポリヌクレオチド、プラスミドおよびこれらを含有するアフリカ豚熱病治療または予防用薬学組成物に関する。また、本発明は、個体からアフリカ豚熱病を予防または治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アフリカ豚熱病(African Swine Fever、ASF)は、致命的なウイルス性出血性豚伝染病であって、一度発症すれば、伝染性が非常に高く、治療法がなく、感染した豚は、大部分へい死する致死率が非常に高いため、養豚産業に莫大な被害を与える疾病である。したがって、アフリカ豚熱病が発生すると、世界動物保健機構(OIE)に発生事実を直ちに報告しなければならず、豚と関連した国際交易も直ちに中断される。アフリカ豚熱病は、世界動物保健機構(OIE)で非常に重要な疾病として分類されており、韓国では、家畜伝染病予防法上、第1種法定伝染病として指定して管理している。
【0003】
アフリカ豚熱病ウイルス(ASFV)は、アスファウイルス科(Asfarviridae)アスフィウイルス属(Asfivirus)に属する約200nm程度のDNAウイルスである。アフリカ豚熱病ウイルスは、ヒトや他の動物に感染せず、ブタ科(Suidae)に属する動物にのみ感染すると報告されている。
【0004】
感染した動物から出た唾液、呼吸器分泌物、尿、糞便などには、アフリカ豚熱病ウイルスが大量存在し、このような物質に接触した正常動物にアフリカ豚熱病が伝播される。豚が死んだ後にも、血液と組職にウイルスが存続する可能性があるため、感染した動物の組職を含んでいる熱処理していない残飯を豚に給与すれば、急速に伝播する可能性がある。または、豚同士に戦っている間に流した血、血液の混ざった下痢などによってウイルスが伝播する可能性もある。あるいは、Ornithodoros spp.に属するヒメダニ(soft tick)、蚊、噛む蠅のような吸血昆虫などがアフリカ豚熱病ウイルスを保菌している途中、豚を噛むか、または吸血する際に疾病を伝播する役目をする媒介体として作用することもある。
【0005】
アフリカ豚熱病は、すべての年齢の豚が感染し得る。罹病率は、感染したウイルスと露出経路によって異なり、自然感染の際に、潜伏期は4日から19日まで多様である。へい死率は、高病原性ウイルスに感染した場合、ほぼ100%へい死される。
【0006】
アフリカ豚熱病ウイルスは、病原性によって高病原性、中病原性および低病原性で分類されることができる。高病原性アフリカ豚熱病ウイルスは、通常、甚急性(感染1~4日後に豚が死ぬ)および急性型(感染3~8日後に豚が死ぬ)疾病を起こし、中病原性アフリカ豚熱病ウイルスは、急性(感染11~15日後に豚が死ぬ)および亜急性型(感染20日後に豚が死ぬ)疾病を起こす。低病原性アフリカ豚熱病ウイルスは、風土病化された地域でのみ報告されており、準臨床型または慢性型疾病を起こす。
【0007】
アフリカ豚熱病は、発生初期に、特に、罹患された豚の数が少ないときには疾患の診断が容易でない。その理由は、アフリカ豚熱病の臨床症状は、肺血証性サルモネラ症(Septicaemic salmonellosis)、豚皮膚炎腎症症候群(porcine dermatitis nephropathy syndrome、PDNS)など他の出血性豚疾病と混同されるためである。血液および内部臓器からウイルスを検出する方法、感染豚の血清から抗体を検出する方法など、実験室的診断を通じてのみ正確な区別が可能であり、アフリカ豚熱病と診断される場合には、すでに疾病が広く伝染している場合が多い。例えば、中国では、2018年にアフリカ豚熱病が最初に確認された以来、9ヶ月が足らずの期間に中国の全行政区域でアフリカ豚熱病が発生するほどアフリカ豚熱病の伝染力は非常に高い。また、世界最大の養豚国家である中国でアフリカ豚熱病により2019年に約1億3千万匹の豚がへい死されるか殺処分され、これは、アフリカ豚熱病の発生前に4億3千匹の豚から約1/3ほどが減少されたことを意味する。
【0008】
アフリカ豚熱病ワクチンの研究は、1960年代以降、弛まず進行されている。弱毒化生ワクチン、不活化ワクチン、組換えタンパク質ワクチン、ウイルスベクターワクチンなど現在まで多様な試みがなされているが、商業的に適用できるほど効果の優れたワクチンは開発されていない実情である。最近、不活化ワクチン(inactivated vaccine)を接種して中和抗体が形成されても、実際の攻撃接種(challenge)の際には防御効果がないか、または微々たるものという研究結果が発表されたことがあり、これを通じて中和抗体を生成すること以外に細胞性免疫反応を誘導することがワクチンのウイルスに対する防御能を進めるのに重要なメカニズムであることが分かる(Takamatsu et al.、Virus Res.2013 Apr、173(1):110-21.)。
【0009】
また、豚に致命的なアフリカ豚熱病に効果的なワクチンを開発し難い理由のうち1つは、大きくて複雑なアフリカ豚熱病ウイルスの特性のためである。一般的なウイルスが10~12個のタンパク質を有していると、アフリカ豚熱病ウイルスは150個以上のタンパク質を有しており、ウイルス種類(24種遺伝型)も多様である。したがって、専門家らは、今後、最小限10年以内には、ワクチンの商用化が難しいと見なしていた。
【0010】
したがって、アフリカ豚熱病に対するワクチンまたは治療剤が切実に求められる。特に、アフリカ豚熱病は、安定的且つ効果的に予め予防することが重要であり、このための新規ワクチンの未充足需要が非常に大きい。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Takamatsu et al.、Virus Res.2013 Apr、173(1):110-21
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の一の目的は、アフリカ豚熱病に対する免疫反応を生成することができるポリペプチドおよびこれをコーディングするポリヌクレオチドを提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、アフリカ豚熱病に対する免疫反応を生成することができるプラスミドを提供することである。
【0014】
本発明のまた他の目的は、アフリカ豚熱病に対するワクチン組成物を提供することである。
【0015】
本発明のまた他の目的は、個体からアフリカ豚熱病に対する免疫反応を生成する方法を提供することである。
【0016】
本発明のまた他の目的は、個体からアフリカ豚熱病治療または予防用薬学組成物を提供することである。
【0017】
本発明のまた他の目的は、個体からアフリカ豚熱病を治療または予防する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するために、本発明の一様態は、アフリカ豚熱病ウイルスの遺伝子p30、p54、C-タイプ レクチン(C-type lectin)、CD2v、p49、pp62、EP364R、F317L、A104RおよびK205Rのうち1つ以上のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。
【0019】
本発明のまた他の一様態は、配列番号1ないし10のアミノ酸配列、またはこれと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列のうち1つ以上を含むポリペプチドを提供する。
【0020】
本明細書において使用される「相同性」なる用語は、与えられたポリペプチド配列またはポリヌクレオチド配列と一致する程度を意味し、百分率で表示され得る。本明細書において、与えられたポリペプチド配列と同一または類似した活性を有する、その相同性配列が“%相同性”で表示される。前記相同性は、例えば、点数(score)、同一性(identity)および類似度(similarity)などのパラメータ(parameter)を計算する標準ソフトウェア、例えばBLAST 2.0を用いるか、または正義された厳格な条件下で使用した混成化実験によって配列を比較することで確認することができ、正義される適切な混成化条件は、当業者に周知の方法で決定されることができる。
【0021】
配列番号1ないし10のアミノ酸配列は、順にそれぞれ、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株から遺伝子p30(CP204L)、p54(E183L)、C-type lectin(EP153R)、CD2v(EP402R)、p49(B438L)、pp62(CP530R)、EP364R、F317L、A104R、K205Rの配列相同性を比べて導き出したコンセンサス(consensus)配列である。
【0022】
前記配列番号1ないし10のアミノ酸配列、またはこれと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列のうち1つ以上を含むポリペプチドは、アフリカ豚熱病に対する免疫反応を生成することができる抗原として効果的に作用することができる。
【0023】
前記ポリペプチドは、前記アミノ酸配列のうち1つを含んでもよく、2つ以上を含んでもよい。また、前記ポリペプチドは、コザック(Kozak)配列、IgE リーダ(IgE leader)配列、ユビキチン(ubiquitin)配列および/または切断部位(cleavage site)配列をさらに含んでもよい。例えば、前記ポリペプチドは、Kozak配列-IgE leader配列-配列番号1のアミノ酸配列で構成されることができる。また別の例として、前記ポリペプチドは、Kozak配列-IgE leader配列-ユビキチン(ubiquitin)配列-配列番号1のアミノ酸配列で構成されることができる。また別の例として、前記ポリペプチドは、Kozak配列-IgE leader配列-ユビキチン(ubiquitin)配列-配列番号1のアミノ酸配列-切断部位(cleavage site)配列-配列番号2のアミノ酸配列で構成されることができる。前記ユビキチン配列は、好ましくは、配列番号41であってもよく、前記切断部位配列は、好ましくは、配列番号43であってもよい。
【0024】
本発明の一様態は、アフリカ豚熱病ウイルスの遺伝子p30、p54、C-type lectin、CD2v、p49、pp62、EP364R、F317L、A104RおよびK205Rのうち1つ以上の塩基配列を含むポリヌクレオチドを提供する。
【0025】
本発明のまた他の一様態は、配列番号11ないし20の塩基配列、またはこれと90%以上の相同性を有する塩基配列のうち1つ以上を含むポリヌクレオチドを提供する。
【0026】
または、本発明のまた他の様態は、配列番号1ないし10のアミノ酸配列、またはこれと90%以上の相同性を有するアミノ酸配列のうち1つ以上をコーディングするポリヌクレオチドを提供する。前記配列番号1ないし10のアミノ酸配列をコーディングするポリヌクレオチドは、それぞれ配列番号11ないし20の塩基配列であってもよい。
【0027】
配列番号11ないし20の塩基配列は、順にそれぞれ、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株から遺伝子p30(CP204L)、p54(E183L)、C-type lectin(EP153R)、CD2v(EP402R)、p49(B438L)、pp62(CP530R)、EP364R、F317L、A104R、K205Rの配列相同性を比較して導き出したコンセンサス(consensus)配列である。
【0028】
また別には、前記ポリヌクレオチドは、配列番号1ないし10のアミノ酸配列、または配列番号11ないし20の塩基配列が免疫反応を生成しようとする対象体に最適化されたコドンに変更されたものであり得る。前記対象体は、例えば、動物である。前記動物は、例えば、豚、牛、馬、羊、ヤギ、鹿、ヒトなどを含む哺乳類動物であってもよい。好ましくは、前記動物は、豚である。
【0029】
前記ポリヌクレオチドは、前記塩基配列のうち1つを含むこともでき、2つ以上を含んでもよい。また、前記ポリヌクレオチドは、Kozak配列、IgE leader配列、ユビキチン(ubiquitin)配列および/または切断部位(cleavage site)配列をさらに含んでもよい。例えば、前記ポリヌクレオチドは、Kozak配列-IgE leader配列-配列番号11の塩基配列で構成されることができる。また別の例として、前記ポリヌクレオチドは、Kozak配列-IgE leader配列-ユビキチン(ubiquitin)配列-配列番号11の塩基配列で構成されることができる。また別の例として、前記ポリヌクレオチドは、Kozak配列-IgE leader配列-ユビキチン(ubiquitin)配列-配列番号11の塩基配列-切断部位(cleavage site)配列-配列番号12の塩基配列で構成されることができる。前記ユビキチン配列は、好ましくは、配列番号42であってもよく、前記切断部位配列は、好ましくは、配列番号44であってもよい。
【0030】
本発明の一様態は、アフリカ豚熱病ウイルスの遺伝子p30、p54、C-type lectin、CD2v、p49、pp62、EP364R、F317L、A104RおよびK205Rのうち1つ以上の塩基配列を含むポリヌクレオチドを含むプラスミドを提供する。
【0031】
本発明のまた他の一様態は、配列番号11ないし20の塩基配列、またはこれと90%以上の相同性を有する塩基配列のうち1つ以上を含むポリヌクレオチドを含むプラスミドを提供する。
【0032】
本発明のまた他の様態は、配列番号1のアミノ酸配列、または配列番号1の配列と90%の相同性を有するアミノ酸配列のうち1つ以上をコーディングするポリヌクレオチドを含むプラスミドを提供する。
【0033】
本明細書において使用される「プラスミド」なる用語は、好適な宿主または対象体内でDNAを発現させることができる好適な調節配列に作動可能に連結されたDNA配列を含有するDNA製造物を意味する。前記プラスミドは、ベクター、把持粒子、または簡単に、潜在的ゲノム挿入物であってもよい。本明細書において、プラスミドはベクター(またはウイルスベクター)と相互交換的に使用されることができる。
【0034】
前記プラスミドは、当業界に周知の通常の方法によって製造されることができる。例えば、遺伝子クローニングを通じて前記ポリヌクレオチドをプラスミドベクターに挿入して、本発明によるプラスミドを製造してDNAワクチンとして使用することができる。
【0035】
前記プラスミドは、前記ポリヌクレオチドのうち1つを含んでもよく、2つ以上を含んでもよい。また、前記ポリヌクレオチドは、Kozak配列、IgE leader配列、ユビキチン(ubiquitin)配列および/または切断部位(cleavage site)配列をさらに含んでもよい。
【0036】
例えば、前記プラスミドは、配列番号31の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号31は、配列番号11ないし20の塩基配列が順に連結されたものである。また別の例として、前記プラスミドは、配列番号36の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号36は、ユビキチン(ubiquitin)配列と配列番号11ないし20の塩基配列が順に連結されたものである。また別の例を挙げると、前記プラスミドは、配列番号50の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号50は、ユビキチン(ubiquitin)配列と配列番号11ないし20の塩基配列が順に連結されたものであって、前記配列番号11ないし20の塩基配列それぞれは、切断部位(cleavage site)配列で順に連結されたものである。
【0037】
前記ユビキチン配列は、好ましくは、配列番号42の塩基配列であってもよい。CD8T細胞は、サイトゾル(cytosol)に位置した腫瘍遺伝子生成物またはウイルス抗原のような内因性抗原(endogenous antigen)から誘導されたMHCクラスI関連ペプチド(MHC class I-associated peptides)を認識する。このようなMHCクラスI分子が抗原提示(antigen presentation)する前に、抗原は、ユビキチン化(ubiquitionation)され、プロテアソーム(proteasome)により抗原性ペプチドで処理される。したがって、ユビキチン融合タンパク質(ubiquitin-fused proteins)は、プロテアソーム依存性分解経路(proteasome dependent degradation pathway)に入り、MHCクラスIペプチド提示能力を向上して、細胞性免疫反応(CTL、Cytotoxic T Lymphocyte response)の誘導を増加させることができる。
【0038】
前記切断部位配列は、好ましくは、配列番号44の塩基配列であってもよい。前記切断部位(cleavage site)は、プロテアーゼ(protease)によって認識されて切断するペプチドを意味する。本発明においては、前記ポリヌクレオチドを含むプラスミドから発現されたポリペプチドが分解酵素によって切断され得るようにし、これを通じて切断されたそれぞれのポリペプチドがアフリカ豚熱病に対する免疫反応を生成することができる抗原として効果的に作用することができるようにする。前記切断部位は、細胞内に存在する内因性酵素によって切断され得、具体的にフーリンプロテアーゼ(furine protease)によって切断され得るが、ここに制限されるものではない。
【0039】
また別の例として、前記プラスミドは、配列番号32の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号32は、配列番号11ないし14の塩基配列が順に連結されたものである。または、前記プラスミドは、配列番号37の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号37は、ユビキチン(ubiquitin)配列と配列番号11ないし14の塩基配列が順に連結されたものである。
【0040】
また別の例として、前記プラスミドは、配列番号33の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号33は、配列番号15ないし20の塩基配列が順に連結されたものである。または、前記プラスミドは、配列番号38の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号38は、ユビキチン(ubiquitin)配列と配列番号15ないし20の塩基配列が順に連結されたものである。
【0041】
また別の例として、前記プラスミドは、配列番号34の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号34は、配列番号11、12、16、13および14の塩基配列が順に連結されたものである。または、前記プラスミドは、配列番号39の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号39は、ユビキチン(ubiquitin)配列と配列番号11、12、16、13および14の塩基配列が順に連結されたものである。
【0042】
また別の例として、前記プラスミドは、配列番号35の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号35は、配列番号15、17、18、19および20の塩基配列が順に連結されたものである。または、前記プラスミドは、配列番号40の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号40は、ユビキチン(ubiquitin)配列と配列番号15、17、18、19および20の塩基配列が順に連結されたものである。
【0043】
また別の例として、前記プラスミドは、配列番号50の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号50は、配列番号42のユビキチン(ubiquitin)配列;および配列番号44の切断部位配列を含む、配列番号11、44、12、44、13、44、14、44、15、44、16、44、17、44、18、44、19、44、20の塩基配列が順に連結されたものである。
【0044】
また別の例として、前記プラスミドは、配列番号51の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号51は、配列番号42のユビキチン(ubiquitin)配列;および配列番号44の切断部位配列を含む、配列番号11、44、12、44、13、44、14の塩基配列が順に連結されたものである。
【0045】
また別の例として、前記プラスミドは、配列番号52の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号52は、配列番号42のユビキチン(ubiquitin)配列;および配列番号44の切断部位配列を含む、配列番号15、44、16、44、17、44、18、44、19、44、20の塩基配列が順に連結されたものである。
【0046】
また別の例として、前記プラスミドは、配列番号53の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号53は、配列番号42のユビキチン(ubiquitin)配列;および配列番号44の切断部位配列を含む、配列番号11、44、12、44、16、44、13、44、14の塩基配列が順に連結されたものである。
【0047】
また別の例として、前記プラスミドは、配列番号54の塩基配列を含んでもよく、ここで、配列番号54は、配列番号42のユビキチン(ubiquitin)配列;および配列番号44の切断部位配列を含む、配列番号15、44、17、44、18、44、19、44、20の塩基配列が順に連結されたものである。
【0048】
本発明のまた他の様態は、本発明のポリペプチド、本発明のポリヌクレオチド、または本発明のプラスミドを含むアフリカ豚熱病ワクチン組成物を提供する。
【0049】
前記アフリカ豚熱病ワクチン組成物で前記ポリペプチド、前記ポリヌクレオチド、前記プラスミドは、別に言及しない限り、上記のとおりである。
【0050】
「ワクチン」なる用語は、個体に免疫を与える抗原を含有した生物学的な製剤であって、疾患予防のためにヒトや動物に投与、例えば、注射するか経口投与することで免疫が生じるようにする免疫原性または抗原性物質を言う。
【0051】
前記ワクチンは、DNAワクチンであってもよい。「DNAワクチン」なる用語は、病源菌やウイルスなどの遺伝子のうち一部を人工的に複製した後、これを投与することで免疫反応を引き起こすワクチンを意味する。このようなDNAワクチンは、既存のタンパク質ワクチンに比べて多様な長所を持つ:i)純粋な標的病原体抗原の遺伝情報のみで合成作製が可能であるため危険な病原体を直接取り扱う必要がなく、ii)毒性誘発に必要な遺伝子らのうち一部のみを使用するので、投与体に投与されても別に毒性を表す恐れがなく、iii)プラスミドDNAのみから構成される単純さのため急に発生する多様な感染病に対して速かに対応してワクチンを開発することが可能である。
【0052】
前記アフリカ豚熱病ワクチン組成物は、好ましくは、アフリカ豚熱病ウイルスに対する防御免疫能を有するものであってもよい。
【0053】
本発明のワクチン組成物は、獣医学的に許容可能な担体を含んでもよい。「獣医学的に許容可能な担体」なる用語は、任意のおよびすべての溶媒、分散媒質、コーティング剤、抗原補強剤、安定剤、希薄剤、保存剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張性作用剤、吸着遅延剤などを含む。ワクチン組成物に含まれ得る担体、賦形剤、希薄剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、澱粉、グリセリン、アカシアゴム、アルジネート、ゼラチン、カルシウムホスフェート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、未晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、マグネシウムステアレートおよび鉱物油が挙げられる。また、本発明のワクチン用組成物は、それぞれ通常の方法によって酸剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾルなどの経口型剤形および滅菌注射溶液の形態に剤形化して使用されてもよい。製剤化する場合には、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希薄剤または賦形剤を使用して調剤してもよい。好ましくは、Poly-L-Glutamic acidを使用して安定化に助けることができる。
【0054】
前記ワクチン組成物は、多様な形態で個体に注入されることができる。「注入」は、皮下注射、筋肉内注射、皮下内注射、腹膜内注射、鼻腔投与、口腔投与、経皮投与および経口投与から構成された群より選択されたいずれか1つの方法で遂行されることができる。
【0055】
前記ワクチン組成物は、免疫反応を改善または強化させるために、1つ以上の補助剤などを含んでもよい。適切な補助剤には、ペプチド、アルミニウムヒドロキシド、アルミニウムフォスフェート、アルミニウムオキサイドおよび Marcol 52のようなミネラルオイルまたは植物性オイルおよび1つ以上の乳化剤から構成された組成物またはリゾレシチン、多価陽イオン、多価陰イオンのような表面活性物質などが含まれる。
【0056】
本発明の一様態は、本発明のワクチン組成物を個体に投与するステップを含む、個体からアフリカ豚熱病ウイルスに対する免疫反応を生成する方法を提供する。
【0057】
前記免疫反応生成方法において、前記ワクチン組成物は、別に言及しない限り、上記のとおりである。
【0058】
本明細書において使用される「免疫反応」なる用語は、抗原の導入に対する反応への宿主の免疫系の活性化を意味する。免疫反応は、細胞反応または体液反応、あるいは両方の形態であってもよい。
【0059】
本明細書において使用される「個体」なる用語は、ヒトを含む動物を意味し、例えば、哺乳類、より具体的に、豚、牛、馬、羊、ヤギ、鹿、ヒトであってもよい。好ましくは、豚である。前記「個体」なる用語は、対象体または宿主と相互交換的に使用されることができる。
【0060】
前記免疫反応生成方法で、本発明のワクチン組成物は、効果量の有効成分、すなわち、全組換えポリペプチド、組換えポリヌクレオチド、またはこれを含むプラスミドを薬学的に許容可能な担体および補助剤とともに含んでもよい。「効果量」なる用語は、ワクチンの成分がワクチン接種される動物からアフリカ豚熱病ウイルスに対して特異的な免疫反応を誘導するのに十分な量であることを意味する。効果量は、当分野における熟練者によって容易に決定されることができ、例えば、動物における通常的な実験を通じて決定されることができる。
【0061】
前記投与は、DNAワクチンの投与に好適な任意の経路に投与されることができ、例えば、皮下、筋肉内、腹腔内または静脈内注射によって投与されることができる。
【0062】
本発明のまた別の一様態は、本発明のワクチン組成物、ポリペプチド、ポリヌクレオチドまたはプラスミドを個体に投与するステップを含む、個体からアフリカ豚熱病を治療または予防する方法を提供する。
【0063】
本発明のまた別の一様態は、本発明によるポリペプチド、ポリヌクレオチドまたはプラスミドを含むアフリカ豚熱病治療または予防用薬学組成物を提供する。
【0064】
本発明によるアフリカ豚熱病治療または予防方法とアフリカ豚熱病治療または予防用薬学組成物において、各用語は、特に言及しない限り、上記と同一の意味を有する。
【0065】
本発明において使用される「予防」なる用語は、本発明による組成物の投与によってアフリカ豚熱病が抑制または遅延されるすべての行為を意味する。また、本発明において使用される「治療」なる用語は、本発明による組成物の投与によってアフリカ豚熱病の症状好転、完治、改善、または一部治療されるすべての行為を意味する。
【発明の効果】
【0066】
本発明によるワクチン組成物は、DNAワクチンであって、アフリカ豚熱病ウイルスに対して優れた防御免疫能を有する。特に、本発明によるワクチン組成物は、アフリカ豚熱病に対して細胞性免疫反応を誘導する効果が非常に優れる。
【0067】
本発明のワクチン組成物を投与する場合、接種された個体からアフリカ豚熱病に対する抗体が顕著に高い水準で生産され、これによって、免疫反応が効果的に現れ、アフリカ豚熱病に対して優れた予防効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】アフリカ豚熱病(African Swine Fever、ASF)ウイルス遺伝子を含むベクターの開裂地図であり、Kozak配列、IgE leader配列、ユビキチン(ubiquitin)配列およびフーリン切断部位(Furin cleavage site)配列を含み、ASFウイルス遺伝子として、p30、p54、C-type lectin、CD2v、p49、pp62、EP364R、F317L、A104RおよびK205Rを含むベクターに関する。
図2】ASFウイルス遺伝子を含むベクターの開裂地図であり、Kozak配列、IgE leader配列、ユビキチン配列およびフーリン切断部位配列を含み、ASFウイルス遺伝子として、p30、p54、C-type lectinおよびCD2vを含むベクターに関する。
図3】ASFウイルス遺伝子を含むベクターの開裂地図であり、Kozak配列、IgE leader配列、ユビキチン配列およびフーリン切断部位配列を含み、ASFウイルス遺伝子として、p49、pp62、EP364R、F317L、A104RおよびK205Rを含むベクターに関する。
図4】ASFウイルス遺伝子を含むベクターの開裂地図であり、Kozak配列、IgE leader配列、ユビキチン配列およびフーリン切断部位配列を含み、ASFウイルス遺伝子として、p30、p54、pp62、C-type lectinおよびCD2vを含むベクターに関する。
図5】ASFウイルス遺伝子を含むベクターの開裂地図であり、Kozak配列、IgE leader配列、ユビキチン配列およびフーリン切断部位配列を含み、ASFウイルス遺伝子として、p49、EP364R、F317L、A104RおよびK205Rを含むベクターに関する。
図6】ASFウイルス遺伝子を含むDNAワクチン接種後、ASFウイルス抗原(p30、p54またはCD2v)によって生成された細胞毒性T細胞(CD8T細胞)の数を示すグラフであって、前記DNAワクチンによって誘導された細胞性免疫反応の水準を示す。‘Mock’は、ASFウイルス遺伝子が含まれていないDNAワクチンが投与された対照群、‘ASF_4G’は、ASFウイルス遺伝子(p30、p54、C type lectinおよびCD2v)を含み、ユビキチンを含まないDNAワクチンが投与された実験群1、‘ASF_Ubi_4G’は、ASFウイルス遺伝子(p30、p54、C type lectinおよびCD2v)を含み、ユビキチンを含むDNAワクチンが投与された実験群2を意味する。
図7】ASFウイルス遺伝子を含むDNAワクチン接種後、ASFウイルスに感染した豚の生存率を示すグラフである。‘Mock’は、ASFウイルス遺伝子が含まれていないDNAワクチンが投与された対照群、‘ASF_Ubi_10G’は、ASFウイルス遺伝子(p30、p54、C-type lectin、CD2v、p49、pp62、EP364R、F317L、A104RおよびK205R)を含み、ユビキチンを含むDNAワクチンが投与された実験群を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。しかし、これら実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれら実施例によって制限されるものではない。
【0070】
実施例1.アフリカ豚熱病ウイルス遺伝子
配列番号1のアミノ酸配列および配列番号11の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株からp30(CP204L)遺伝子の配列相同性を比較して導き出したコンセンサス(consensus)配列である。具体的に、配列番号1のアミノ酸配列および配列番号11の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルス菌株ANG/70(GenBank accession no.EU874271)、Malawi/1978(GenBank accession no.JQ744998)、NAM/1/80(GenBank accession no.JQ745005)、Dedza(GenBank accession no.JQ745028)、BUR/90/1(GenBank accession no.EU874299)、MOZ/94/1(GenBank accession no.EU874263)、DED 91/1(GenBank accession no.KC867513)、GUL 88/1(GenBank accession no.KC867514)、KAC 91/2(GenBank accession no.KF736439)、KANA 89/1(GenBank accession no.KF736440)、Killean I(GenBank accession no.JQ764860)、Killean II(GenBank accession no.KC867521)、Killean III(GenBank accession no.JQ764861)、Kimakia I(GenBank accession no.JQ764954)、Kimakia II(GenBank accession no.KC867515)、KIRT 89/2(GenBank accession no.JQ764858)、KIRT 89/3(GenBank accession no.JQ764856)、KIRT 89/4(GenBank accession no.JQ764857)、KLI 88/2(GenBank accession no.KC867516)、LIL 89/1(GenBank accession no.KC867517)、LIL 90/1(GenBank accession no.KF736437)、LIV 5/40(GenBank accession no.KC867518)、LIV 9/31(GenBank accession no.JQ764966)、LIV 9/35(GenBank accession no.JQ764965)、LIV 10/11(GenBank accession no.KC867519)、LIV 12/17(GenBank accession no.JQ764967)、Mchinji 075(GenBank accession no.JQ764880)、MOZ 2001/1(GenBank accession no.KC867524)、MPO 89/1(GenBank accession no.KC867520)、NYA1/2(GenBank accession no.EU874302)、SAL 92/1(GenBank accession no.KF736441)、TEN 89/1(GenBank accession no.KF736442)、THY 90/1(GenBank accession no.KF736438)、Trench(GenBank accession no.JQ764859)、MOZ/1960(GenBank accession no.EU874309)、Lillie(GenBank accession no.EU874306)、24823(GenBank accession no.KC867500)、MOZ/1979(GenBank accession no.EU874310)、SPEC/154(GenBank accession no.EU874291)、SPEC/205(GenBank accession no.EU874305)、SPEC/209(GenBank accession no.EU874290)、SPEC/257(GenBank accession no.EU874265)、MOZ/94/8(GenBank accession no.EU874276)、E70(GenBank accession no.AF462272)、ZAM/2017/Mbala/1(GenBank accession no.LC322014)、CN201801(GenBank accession no.MH735141)、DB/HLJ/2018(GenBank accession no.MK333184)、M-78(GenBank accession no.MK211505)、BA71(GenBank accession no.KP055815)、BA71V(GenBank accession no.U18466)、E75(GenBank accession no.FN557520)、OURT 88/3(GenBank accession no.AM712240)、Georgia 2007(GenBank accession no.FR682468)、Ken06.Bus(GenBank accession no.KM111295)、Estonia 2014(GenBank accession no.LS478113)、Benin 97/1(GenBank accession no.AM712239)、Italy/26544/OG10(GenBank accession no.KM102979)、Portugal/NHV/1968(GenBank accession no.KM262845)、Italy/47/SS/2008(GenBank accession no.KX354450)、Uganda/R35/2015(GenBank accession no.MH025920)、Uganda/R25/2015(GenBank accession no.MH025918)、Uganda/R8/2015(GenBank accession no.MH025916)、Pol16_20186_o7(GenBank accession no.MG939583)、Pol17_03029_C201(GenBank accession no.MG939587)、Belgium 2018/1(GenBank accession no.LR536725)、China/2018/AnhuiXCGQ(GenBank accession no.MK128995)、DB/LN/2018(GenBank accession no.MK333181)、Pig/HLJ/2018(GenBank accession no.MK333180)、ASFV-SY18(GenBank accession no.MH766894)、Ken05/Tk1(GenBank accession no.KM111294)、Ken05/Tk6(GenBank accession no.HM745363)、Ken05.DPk2(GenBank accession no.HM745368)、Ken08WH/4(GenBank accession no.HM745390)、Ken08Tk.2/1(GenBank accession no.HM745380)、Ken09Tk.13/1(GenBank accession no.HM745382)、Ken09Tk.19/2(GenBank accession no.HM745386)、Ken09Tk.19/11(GenBank accession no.HM745388)からp30(CP204L)遺伝子の配列相同性を比較して作製した。
【0071】
配列番号2のアミノ酸配列および配列番号12の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株からp54(E183L)遺伝子の配列相同性を比較して導き出したコンセンサス(consensus)配列である。具体的に、配列番号2のアミノ酸配列および配列番号12の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルス菌株Tengani/60(GenBank accession no.KF015886)、ANG/70(GenBank accession no.EU874327)、BA71(GenBank accession no.KP055815)、Malawi/1978(GenBank accession no.KC662380)、Brazil/79(GenBank accession no.KC535549)、DomRep/79(GenBank accession no.FJ238534)、KAV/89/1(GenBank accession no.KF015902)、BUR/90/1(GenBank accession no.EU874363)、MOZ/94/1(GenBank accession no.EU874342)、CHK 89/2(GenBank accession no.KF015921)、KAC 91/2(GenBank accession no.KF736421)、KANA 89/1(GenBank accession no.KF736422)、Killean III(GenBank accession no.KF736423)、Kimakia I(GenBank accession no.KF015924)、KIRT 89/4(GenBank accession no.KF736414)、LIL 90/1(GenBank accession no.KF736416)、LIV 9/31(GenBank accession no.KF015928)、MAN 89/2(GenBank accession no.KF015940)、MOZ 2001/1(GenBank accession no.KF736428)、MPO 89/1(GenBank accession no.KF736418)、Trench(GenBank accession no.KF736420)、MOZ/1960(GenBank accession no.EU874371)、Lillie(GenBank accession no.EU874341)、Madagascar(GenBank accession no.KC662387)、ZIM/92/1(GenBank accession no.EU874345)、SPEC/205(GenBank accession no.EU874329)、Co62(GenBank accession no.FJ174387)、E70(GenBank accession no.FJ174389)、Ba71V(GenBank accession no.U18466)、E75(GenBank accession no.FN557520)、Hu90(GenBank accession no.FJ174399)、SS81(GenBank accession no.FJ174403)、Ori90(GenBank accession no.FJ174407)、Nu98.8B(GenBank accession no.FJ174418)、OURT 88/3(GenBank accession no.AM712240)、Almodovar 99(GenBank accession no.DQ028315)、Almodovar 99/NE1(GenBank accession no.DQ028317)、Georgia 2007(GenBank accession no.FR682468)、Angola(GenBank accession no.FJ174424)、Nig01(GenBank accession no.FJ174426)、Ug03H.1(GenBank accession no.FJ174431)、Ug64(GenBank accession no.FJ174430)、Ken05.DPU1(GenBank accession no.HM745354)、Ken08WH/4(GenBank accession no.HM745333)、ken09Tk.20/5(GenBank accession no.HM745344)、Con09/PN003(GenBank accession no.HQ645949)、TAN/08/Mazimbu*(GenBank accession no.GQ410767)、TAN/08/Mabibo*(GenBank accession no.GQ410768)、Arm07(GenBank accession no.JX857494)、Az08D(GenBank accession no.JX857501)、Oren08(GenBank accession no.JX857498)、Rostov09(GenBank accession no.JX857504)、Tver0312/Novo(GenBank accession no.KJ627190)、Bel13/Grodno(GenBank accession no.KJ627192)、LT14/1490(GenBank accession no.KJ627193)、ETH/1(GenBank accession no.KT795366)、ET13/1504(GenBank accession no.KU291452)、ETH/017(GenBank accession no.KT795369)、Ken06.Bus(GenBank accession no.KM111295)、Ken07.Kia(GenBank accession no.FJ174437)、CON09/Bzz020(GenBank accession no.HQ645950)、Ken10/KakFA1(GenBank accession no.KC112568)、Ug10.Kumi(GenBank accession no.KC990876)、BUR/90/2(GenBank accession no.KF015897)、Ug12.Wakiso(GenBank accession no.KC990885)、Benin 97/1(GenBank accession no.AM712239)、Italy/26544/OG10(GenBank accession no.KM102979)、Portugal/NHV/1968(GenBank accession no.KM262845)、Italy/47/SS/2008(GenBank accession no.KX354450)、Uganda/R35/2015(GenBank accession no.MH025920)、Uganda/R7/2015(GenBank accession no.MH025917)、Pol17_04461_C210(GenBank accession no.MG939588)、Belgium 2018/1(GenBank accession no.LR536725)、China/2018/AnhuiXCGQ(GenBank accession no.MK128995)、DB/LN/2018(GenBank accession no.MK333181)、Pig/HLJ/2018(GenBank accession no.MK333180)、ASFV-SY18(GenBank accession no.MH766894)、CN201801(GenBank accession no.MH735140)、Estonia 2014(GenBank accession no.LS478113)、Nig6_JS10(GenBank accession no.KT961344)からp54(E183L)遺伝子の配列相同性を比較して作製した。
【0072】
配列番号3のアミノ酸配列および配列番号13の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株からC-type lectin(EP153R)遺伝子の配列相同性を比較して導き出したコンセンサス(consensus)配列である。具体的に、配列番号3のアミノ酸配列および配列番号13の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルス菌株Katanga/63(GenBank accession no.KM609340)、Uganda(GenBank accession no.KM609361)、BA71(GenBank accession no.KP055815)、Davis(GenBank accession no.KM609336)、Ba71V(GenBank accession no.U18466)、E75(GenBank accession no.FN557520)、NH/P68(GenBank accession no.AF481875)、Mafra 86(GenBank accession no.DQ026269)、Coimbra 87(GenBank accession no.DQ026268)、OURT 88/3(GenBank accession no.AM712240)、Portalegre 90(GenBank accession no.DQ026270)、Barrancos 93(GenBank accession no.DQ026267)、Almodovar 99(GenBank accession no.DQ026265)、Almodovar 99/NE1(GenBank accession no.DQ026266)、Georgia 2007(GenBank accession no.FR682468)、Ken05/Tk1(GenBank accession no.KM111294)、Ken06.Bus(GenBank accession no.KM111295)、Estonia 2014(GenBank accession no.LS478113)、Benin 97/1(GenBank accession no.AM712239)、Italy/26544/OG10(GenBank accession no.KM102979)、Portugal/NHV/1968(GenBank accession no.KM262845)、Italy/47/SS/2008(GenBank accession no.KX354450)、Uganda/R35/2015(GenBank accession no.MH025920)、Uganda/R25/2015(GenBank accession no.MH025918)、Uganda/R8/2015(GenBank accession no.MH025916)、Pol16_20186_o7(GenBank accession no.MG939583)、Pol17_03029_C201(GenBank accession no.MG939587)、Pol17_04461_C210(GenBank accession no.MG939588)、Belgium 2018/1(GenBank accession no.LR536725)、China/2018/AnhuiXCGQ(GenBank accession no.MK128995)、DB/LN/2018(GenBank accession no.MK333181)、Pig/HLJ/2018(GenBank accession no.MK333180)、ASFV-SY18(GenBank accession no.MH766894)、UGA(GenBank accession no.AF017039)、PR5(GenBank accession no.AF017037)、M1(GenBank accession no.AF017034)、K1(GenBank accession no.AF017033)、CR3(GenBank accession no.AF017029)、CR1(GenBank accession no.AF017028)、LC-PP(GenBank accession no.KM609345)、Magadi(GenBank accession no.kM609348)、Bartlett(GenBank accession no.KM609335)、Volgograd_2012/wb(GenBank accession no.KM609363)、Volgograd_2012/dom(GenBank accession no.KM609362)、Tver_2012/wb(GenBank accession no.KM609360)、Rhodesia(GenBank accession no.KM609354)、TSP80(GenBank accession no.KM609359)、STP-1(GenBank accession no.KM609355)、O-77(GenBank accession no.KM609350)、F-32(GenBank accession no.KM609337)、MK-200(GenBank accession no.KM609347)、Spencer(GenBank accession no.KM609357)、Silva-1(GenBank accession no.kM609356)、Ndjassi-77(GenBank accession no.kM609349)、KK-262(GenBank accession no.KM609341)、K-49(GenBank accession no.KM609339)、L-57(GenBank accession no.KM609344)、L-50(GenBank accession no.KM609343)からC-type lectin(EP153R)遺伝子の配列相同性を比較して作製した。
【0073】
配列番号4のアミノ酸配列および配列番号14の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株からCD2v(EP402R)遺伝子の配列相同性を比較して導き出したコンセンサス(consensus)配列である。具体的に、配列番号4のアミノ酸配列および配列番号14の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルス菌株China/2018/AnhuiXCGQ(GenBank accession no.MK128995)、DB/LN/2018(GenBank accession no.MK333181)、Pig/HLJ/2018(GenBank accession no.MK333180)、ASFV-SY18(GenBank accession no.MH766894)、Belgium 2018/1(GenBank accession no.LR536725)、Pol17_03029_C201(GenBank accession no.MG939587)、Pol16_20186_o7(GenBank accession no.MG939583)、Uganda/R8/2015(GenBank accession no.MH025916)、Uganda/N10/2015(GenBank accession no.MH025919)、Estonia 2014(GenBank accession no.LS478113)、Davis(1959_Kenya)(GenBank accession no.KM609336)、Killean II(1959_Kenya)(GenBank accession no.KM609372)、Kimakia II(1961_Kenya)(GenBank accession no.KM609374)、Ba71V(1971_Spain)(GenBank accession no.U18466)、E75(1975_Spain)(GenBank accession no.FN557520)、Ca78(Italy_1978)(GenBank accession no.KT718663)、Ori85(Italy_1985)(GenBank accession no.KT718668)、Nu91.5(Italy_1991)(GenBank accession no.KT718673)、NH/P68(Portugal_1968)(GenBank accession no.AF481875)、Mafra 86(Portugal_1986)(GenBank accession no.DQ026269)、Coimbra 87(Portugal_1987)(GenBank accession no.DQ026268)、Portalegre 90(GenBank accession no.DQ026270)、Barrancos 93(GenBank accession no.DQ026267)、Almodovar 99/NE1(GenBank accession no.DQ026266)、OURT 88/3(GenBank accession no.AM712240)、FR682468(GenBank accession no.Georgia 2007)、Ken05/Tk1(GenBank accession no.KM111294)、Ken06.Bus(GenBank accession no.KM111295)、Italy/47/SS/2008(GenBank accession no.KX354450)、Portugal/NHV/1968(GenBank accession no.KM262845)、Italy/26544/OG10(GenBank accession no.KM102979)、Benin 97/1(GenBank accession no.AM712239)、Bartlett(GenBank accession no.KM609335)、Zavidovo-2012(GenBank accession no.KM609392)、Tver_2012/wb(GenBank accession no.KM609360)、Rhodesia(GenBank accession no.KM609354)、Nanyuki(GenBank accession no.KM609382)、Krasnodar_2012/dom(GenBank accession no.KM609342)、TS-7/27-230(GenBank accession no.KM609388)、TSP80(GenBank accession no.KM609359)、K-49(GenBank accession no.KM609339)、KK-262(GenBank accession no.KM609341)、Spencer(GenBank accession no.KM609357)、MK-200(GenBank accession no.KM609347)、691/88(GenBank accession no.KM609334)、F-32(GenBank accession no.KM609337)、O-77(GenBank accession no.KM609350)、P-60(GenBank accession no.KM609351)、PPA(GenBank accession no.KM609352)、STP-1(GenBank accession no.KM609355)、BA71(GenBank accession no.KP055815)、STP-1-79(GenBank accession no.KM609384)、Malta(GenBank accession no.KM609380)、Yamba-74(GenBank accession no.KM609391)、TKF(GenBank accession no.KM609387)、Kimuele-6(GenBank accession no.KM609375)、E-70(GenBank accession no.KM609369)、Cuba-71(GenBank accession no.KM609366)、CU-80(GenBank accession no.KM609365)、Brazil-80(GenBank accession no.KM609364)、MNI-82(GenBank accession no.KM609378)、K-73(Le Bray)(GenBank accession no.KM609370)、Madeira(GenBank accession no.KM609379)、Diamang(GenBank accession no.KM609367)、L-50(GenBank accession no.KM609343)、L-57(GenBank accession no.KM609344)、Kikasa-77(GenBank accession no.KM609371)、VL(GenBank accession no.KM609390)からCD2v(EP402R)遺伝子の配列相同性を比較して作製した。
【0074】
配列番号5のアミノ酸配列および配列番号15の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株からp49(B438L)遺伝子の配列相同性を比較して導き出したコンセンサス(consensus)配列である。具体的に、配列番号5のアミノ酸配列および配列番号15の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルス菌株BA71(GenBank accession no.KP055815)、Ba71V(GenBank accession no.U18466)、E75(GenBank accession no.FN557520)、OURT 88/3(GenBank accession no.AM712240)、Georgia 2007(GenBank accession no.FR682468)、Ken05/Tk1(GenBank accession no.KM111294)、Ken06.BUS(GenBank accession no.KM111295)、Estonia 2014(GenBank accession no.LS478113)、Benin 97/1(GenBank accession no.AM712239)、Italy/26544/OG10(GenBank accession no.KM102979)、Portugal/NHV/1968(GenBank accession no.KM262845)、Italy/47/SS/2008(GenBank accession no.KX354450)、Uganda/R35/2015(GenBank accession no.MH025920)、Uganda/N10/2015(GenBank accession no.MH025919)、Pol16_20186_o7(GenBank accession no.MG939583)、Pol17_04461_C210(GenBank accession no.MG939588)、Belgium 2018/1(GenBank accession no.LR536725)、China/2018/AnhuiXCGQ(GenBank accession no.MK128995)、DB/LN/2018(GenBank accession no.MK333181)、Pig/HLJ/2018(GenBank accession no.MK333180)、ASFV-SY18(GenBank accession no.MH766894)からp49(B438L)遺伝子の配列相同性を比較して作製した。
【0075】
配列番号6のアミノ酸配列および配列番号16の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株からpp62(CP530R)遺伝子の配列相同性を比較して導き出したコンセンサス(consensus)配列である。具体的に、配列番号6のアミノ酸配列および配列番号16の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルス菌株BA71(GenBank accession no.KP055815)、Ba71V(GenBank accession no.U18466)、E75(GenBank accession no.FN557520)、OURT 88/3(GenBank accession no.AM712240)、Georgia 2007(GenBank accession no.FR682468)、Ken05/Tk1(GenBank accession no.KM111294)、Ken06.BUS(GenBank accession no.KM111295)、Estonia 2014(GenBank accession no.LS478113)、Benin 97/1(GenBank accession no.AM712239)、Italy/26544/OG10(GenBank accession no.KM102979)、Portugal/NHV/1968(GenBank accession no.KM262845)、Italy/47/SS/2008(GenBank accession no.KX354450)、Uganda/R35/2015(GenBank accession no.MH025920)、Uganda/N10/2015(GenBank accession no.MH025919)、Pol16_20186_o7(GenBank accession no.MG939583)、Pol17_04461_C210(GenBank accession no.MG939588)、Belgium 2018/1(GenBank accession no.LR536725)、China/2018/AnhuiXCGQ(GenBank accession no.MK128995)、DB/LN/2018(GenBank accession no.MK333181)、Pig/HLJ/2018(GenBank accession no.MK333180)、ASFV-SY18(GenBank accession no.MH766894)、Krasnodar(2012)(GenBank accession no.KJ380911)からpp62(CP530R)遺伝子の配列相同性を比較して作製した。
【0076】
配列番号7のアミノ酸配列および配列番号17の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株からEP364R遺伝子の配列相同性を比較して導き出したコンセンサス(consensus)配列である。具体的に、配列番号7のアミノ酸配列および配列番号17の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルス菌株BA71(GenBank accession no.KP055815)、Ba71V(GenBank accession no.U18466)、E75(GenBank accession no.FN557520)、OURT 88/3(GenBank accession no.AM712240)、Georgia 2007(GenBank accession no.FR682468)、Ken05/Tk1(GenBank accession no.KM111294)、Ken06.BUS(GenBank accession no.KM111295)、Estonia 2014(GenBank accession no.LS478113)、Benin 97/1(GenBank accession no.AM712239)、Italy/26544/OG10(GenBank accession no.KM102979)、Portugal/NHV/1968(GenBank accession no.KM262845)、Italy/47/SS/2008(GenBank accession no.KX354450)、Uganda/R35/2015(GenBank accession no.MH025920)、Uganda/N10/2015(GenBank accession no.MH025919)、Pol16_20186_o7(GenBank accession no.MG939583)、Pol17_04461_C210(GenBank accession no.MG939588)、Belgium 2018/1(GenBank accession no.LR536725)、China/2018/AnhuiXCGQ(GenBank accession no.MK128995)、DB/LN/2018(GenBank accession no.MK333181)、Pig/HLJ/2018(GenBank accession no.MK333180)、ASFV-SY18(GenBank accession no.MH766894)からEP364R遺伝子の配列相同性を比較して作製した。
【0077】
配列番号8のアミノ酸配列および配列番号18の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株からF317L遺伝子の配列相同性を比較して導き出したコンセンサス(consensus)配列である。具体的に、配列番号8のアミノ酸配列および配列番号18の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルス菌株BA71(GenBank accession no.KP055815)、Ba71V(GenBank accession no.U18466)、E75(GenBank accession no.FN557520)、OURT 88/3(GenBank accession no.AM712240)、Georgia 2007(GenBank accession no.FR682468)、Ken05/Tk1(GenBank accession no.KM111294)、Ken06.BUS(GenBank accession no.KM111295)、Estonia 2014 F317L(GenBank accession no.LS478113)、Benin 97/1 F317L(GenBank accession no.AM712239)、Italy/26544/OG10 F317L(GenBank accession no.KM102979)、Portugal/NHV/1968 F317L(GenBank accession no.KM262845)、Italy/47/SS/2008 F317L(GenBank accession no.KX354450)、Uganda/R35/2015 F317L(GenBank accession no.MH025920)、Uganda/N10/2015(GenBank accession no.MH025919)、Pol16_20186_o7(GenBank accession no.MG939583)、Pol17_04461_C210(GenBank accession no.MG939588)、Belgium 2018/1(GenBank accession no.LR536725)、China/2018/AnhuiXCGQ(GenBank accession no.MK128995)、DB/LN/2018(GenBank accession no.MK333181)、Pig/HLJ/2018(GenBank accession no.MK333180)、ASFV-SY18(GenBank accession no.MH766894)からF317L遺伝子の配列相同性を比較して作製した。
【0078】
配列番号9のアミノ酸配列および配列番号19の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株からA104R遺伝子の配列相同性を比較して導き出したコンセンサス(consensus)配列である。具体的に、配列番号9のアミノ酸配列および配列番号19の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルス菌株BA71(GenBank accession no.KP055815)、Ba71V(GenBank accession no.U18466)、E75(GenBank accession no.FN557520)、OURT 88/3(GenBank accession no.AM712240)、Georgia 2007(GenBank accession no.FR682468)、Ken05/Tk1(GenBank accession no.KM111294)、Ken06.BUS(GenBank accession no.KM111295)、Estonia 2014(GenBank accession no.LS478113)、Benin 97/1(GenBank accession no.AM712239)、Italy/26544/OG10(GenBank accession no.KM102979)、Portugal/NHV/1968(GenBank accession no.KM262845)、Italy/47/SS/2008(GenBank accession no.KX354450)、Uganda/R35/2015(GenBank accession no.MH025920)、Uganda/N10/2015(GenBank accession no.MH025919)、Pol16_20186_o7(GenBank accession no.MG939583)、Pol17_04461_C210(GenBank accession no.MG939588)、Belgium 2018/1(GenBank accession no.LR536725)、China/2018/AnhuiXCGQ(GenBank accession no.MK128995)、DB/LN/2018(GenBank accession no.MK333181)、Pig/HLJ/2018(GenBank accession no.MK333180)、ASFV-SY18(GenBank accession no.MH766894)からA104R遺伝子の配列相同性を比較して作製した。
【0079】
配列番号10のアミノ酸配列および配列番号20の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルスの多様な菌株からK205R遺伝子の配列相同性を比較して導き出したコンセンサス(consensus)配列である。具体的に、配列番号10のアミノ酸配列および配列番号20の塩基配列は、アフリカ豚熱病ウイルス菌株BA71(GenBank accession no.KP055815)、Ba71V(GenBank accession no.U18466)、E75(GenBank accession no.FN557520)、OURT 88/3(GenBank accession no.AM712240)、Georgia 2007(GenBank accession no.FR682468)、Ken05/Tk1(GenBank accession no.KM111294)、Ken06.BUS(GenBank accession no.KM111295)、Estonia 2014(GenBank accession no.LS478113)、Benin 97/1(GenBank accession no.AM712239)、Italy/26544/OG10(GenBank accession no.KM102979)、Portugal/NHV/1968(GenBank accession no.KM262845)、Italy/47/SS/2008(GenBank accession no.KX354450)、Uganda/R35/2015(GenBank accession no.MH025920)、Uganda/N10/2015(GenBank accession no.MH025919)、Pol16_20186_o7(GenBank accession no.MG939583)、Pol17_04461_C210(GenBank accession no.MG939588)、Belgium 2018/1(GenBank accession no.LR536725)、China/2018/AnhuiXCGQ(GenBank accession no.MK128995)、DB/LN/2018(GenBank accession no.MK333181)、Pig/HLJ/2018(GenBank accession no.MK333180)ASFV-SY18(GenBank accession no.MH766894)からK205R遺伝子の配列相同性を比較して作製した。
【0080】
実施例2.アフリカ豚熱病ワクチン作製
前記実施例1のアフリカ豚熱病ウイルス遺伝子を使用してワクチンを製造した。
【0081】
具体的に、当業界に周知の一般的な方法で前記遺伝子、Kozak配列、IgE leader配列、ユビキチン(ubiquitin)配列および/またはフーリン切断部位(Furin cleavage site)配列を含む DNAプラスミドを製造した。以後、前記DNAプラスミドを保有した大腸菌にLB培地2.5Lに接種して37℃、水中油滴型(oil-in-water、O/W)培養を遂行した。培養された大腸菌からEndoFree Plasmid Giga kit(QIAGEN、Cat#12391)を利用してプラスミドを抽出し、抽出したプラスミドは、今後、ワクチンとして接種に使用した。
【0082】
前記製造したDNAプラスミドの開裂地図は、図1ないし5に示した。
【0083】
実施例3.アフリカ豚熱病ワクチンの細胞性免疫反応誘導効果
前記実施例2において製造したDNAワクチンのアフリカ豚熱病予防効果として、細胞性免疫反応(CTL、Cytotoxic T Lymphocyte response)誘導効果を確認した。
【0084】
C57BL/6マウス(8週齢、Female)15匹をグループ当たり5匹ずつ計3グループに分けた後、2週間隔でワクチン接種を3回実施した。投与したDNAワクチンの濃度は30ug/匹であり、電気穿孔(electroporation)器機(cellectra 2000)を利用して投与および接種を実施した。このとき、各対照群および実験群に投与したDNAワクチンの種類は、下記のように設定した。
【0085】
-対照群:アフリカ豚熱病ウイルス遺伝子が含まれていないDNAワクチン(Mock Plasmid DNA vaccine)
-実験群1:アフリカ豚熱病ウイルス遺伝子を含み、ユビキチンを含まないDNAワクチン(ASF_4G DNA vaccine;p30、p54、C type lectinおよびCD2v)
-実験群2:アフリカ豚熱病ウイルス遺伝子を含み、ユビキチンを含むDNAワクチン(ASF_Ubi_4G DNA vaccine;ユビキチン、p30、p54、C type lectinおよびCD2v)
【0086】
前記DNAワクチンを3回投与した後、一週間後にマウスから脾臓(spleen)を摘出して脾臓細胞(splenocyte)を分離し、分離した脾臓細胞に対してIFN-gamma ELISpot KIT(Cellular Technology Limited/米国)を使用してmouse IFN-gamma ELISpot分析を遂行した。具体的に、各ワクチンが投与された前記脾臓細胞に各抗原遺伝子のポリペプチドを処理した後、IFN-γを分泌する細胞毒性T細胞(CD8T細胞)の数を分析することで、ワクチン接種後にウイルス感染により誘導される細胞性免疫反応の程度を確認した。
【0087】
その結果、図6および下記表1から見られるように、アフリカ豚熱病ウイルス遺伝子を含むDNAワクチンが投与された実験群1および2においては、各抗原遺伝子のポリペプチドが処理される場合、IFN-γを分泌する細胞毒性T細胞(CD8T細胞)の数が顕著に増加することを確認した。
【0088】
【表1】
【0089】
特に、ユビキチンを含まないDNAワクチン(実験群1)が投与された場合に比べて、ユビキチンを含むDNAワクチンが投与された場合(実験群2)においては、IFN-γを分泌する細胞毒性T細胞(CD8T細胞)の数が約1.6倍ないし2.2倍増加されることを確認した。また、DNAワクチンに含まれた多様な抗原遺伝子の中からもp54またはCD2vによってIFN-γを分泌する細胞毒性T細胞(CD8T細胞)の数が特に増加され、p30によっては、ユビキチンを含むワクチンが投与された場合(実験群2)にのみIFN-γを分泌する細胞毒性T細胞(CD8T細胞)の数が増加することを確認した。
【0090】
前記結果を通じて、アフリカ豚熱病ウイルス遺伝子とユビキチンを含むDNAワクチンを接種した場合、アフリカ豚熱病ウイルスに感染してもIFN-γを分泌する細胞毒性T細胞の数を顕著に増加させるなどの細胞性免疫反応を効率的に誘導することができるので、前記DNAワクチンは、アフリカ豚熱病予防のためのワクチン組成物として有用に活用され得ることが分かった。
【0091】
実施例4.アフリカ豚熱病ワクチンの生存率増加効果
前記実施例2において製造したワクチンのアフリカ豚熱病予防効果として、アフリカ豚熱病ウイルス感染以後の生存率増加効果を確認した。
【0092】
具体的に、仔豚に前記DNAワクチンを計3回(0週次、2週次、4週次)投与した。以後、7週次にアフリカ豚熱病ウイルスを攻撃接種(challenge)し、以後、28日間の生存率を調査した。このとき、各対照群および実験群に投与したDNAワクチンの種類は、下記のように設定した。
【0093】
-対照群:アフリカ豚熱病ウイルス遺伝子が含まれていないDNAワクチン(Mock)
-実験群:アフリカ豚熱病ウイルス遺伝子を含み、ユビキチンを含むDNAワクチン(ASF_Ubi_10G DNA vaccine;ユビキチン、p30、p54、C-type lectin、CD2v、p49、pp62、EP364R、F317L、A104RおよびK205R)
【0094】
その結果、図7から見られるように、対照群の場合、接種28日目には、3匹のうち1匹の豚のみが生存して、約33%の低い生存率を示すことを確認した。これに対し、アフリカ豚熱病ウイルス遺伝子を含むDNAワクチンが投与された実験群の場合、接種28日目には、6匹のうち4匹の豚が生存して約66%の高い生存率を示し、対照群に比べて生存率が2倍以上増加することを確認した。
【0095】
前記結果を通じて、アフリカ豚熱病ウイルス遺伝子とユビキチンを含むDNAワクチンを接種した場合、アフリカ豚熱病ウイルスに感染しても優れた生存能を示すので、前記DNAワクチンは、アフリカ豚熱病予防のためのワクチン組成物として有用に活用され得ることが分かった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【配列表】
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【国際調査報告】