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特表2023-522495アレイ基板及びその製作方法、表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-31
(54)【発明の名称】アレイ基板及びその製作方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20230524BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230524BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230524BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20230524BHJP
   H10K 71/00 20230101ALI20230524BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20230524BHJP
【FI】
G09F9/30 317
H01L29/78 612D
G09F9/00 338
G09F9/30 348Z
H10K59/12
H10K71/00
G09F9/30 338
H10K59/131
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535991
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(85)【翻訳文提出日】2021-06-18
(86)【国際出願番号】 CN2020103313
(87)【国際公開番号】W WO2021212676
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】202010330332.1
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】519385216
【氏名又は名称】北京京▲東▼方技▲術▼▲開▼▲発▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 407,Building 1,No.9 Dize Road,BDA,Beijing,100176,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲ハン▼
(72)【発明者】
【氏名】先 建波
(72)【発明者】
【氏名】龍 春平
【テーマコード(参考)】
3K107
5C094
5F110
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC26
3K107EE04
3K107FF04
3K107FF15
3K107GG28
3K107HH05
5C094AA15
5C094AA32
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA14
5C094DB10
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA03
5C094FB02
5C094FB12
5C094FB19
5C094GB10
5C094HA08
5C094JA01
5C094JA08
5C094JA09
5F110AA26
5F110BB01
5F110CC02
5F110DD13
5F110DD14
5F110DD17
5F110EE04
5F110EE44
5F110FF02
5F110FF03
5F110FF29
5F110FF30
5F110GG02
5F110GG13
5F110GG25
5F110HL03
5F110HL04
5F110HL12
5F110HL23
5F110HL27
5F110HM15
5F110NN03
5F110NN23
5F110NN35
5F110NN72
5F110PP03
5F110PP35
5G435AA17
5G435AA18
5G435BB05
5G435CC09
5G435HH12
5G435HH18
5G435HH20
5G435KK05
5G435KK10
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
(57)【要約】
本開示は、アレイ基板及びその製作方法、表示装置を提供し、前記アレイ基板は、ベースと、前記ベース上に積層して設けられた第一機能層及び第二機能層とを含み、第一機能層は、ベース上に段差領域を形成し、第二機能層は、段差領域を覆っており、第一機能層における段差領域に位置する部分は目標勾配角を有し、目標勾配角は、第二機能層が所定厚さの条件を満たす前提での勾配角であり、所定厚さは、第二機能層がその自身の機能要件を満たすとともに段差領域で破断することのない厚さである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、前記ベース上に積層して設けられた第一機能層及び第二機能層とを含むアレイ基板であって、
前記第一機能層は、前記ベース上に段差領域を形成し、前記第二機能層は、前記段差領域を覆っており、
前記第一機能層における前記段差領域に位置する部分は目標勾配角を有し、前記目標勾配角は、前記第二機能層が所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記所定厚さは、前記第二機能層がその自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断することのない厚さであり、
前記第一機能層の前記目標勾配角と前記第二機能層の前記所定厚さとは、次の関係式を満たし、
Tan(a)-1≦N(x-y)/y≦Tan(a)+1
ここで、N=z×W×KICであり、zは定数、Wは所定値、KICは前記第二機能層の破断靭性パラメータ、xは前記第二機能層の所定厚さ、yは前記第一機能層における前記段差領域に位置する部分の厚さ、aは前記第一機能層の前記目標勾配角である、アレイ基板。
【請求項2】
前記第一機能層は第一機能パターンを含み、前記第一機能パターンは、前記ベース上に第一段差領域を形成しており、
前記第二機能層は、第一機能膜層及び第二機能膜層を含み、前記第一機能膜層は、前記第一機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられ、前記第二機能膜層は、前記第一機能膜層における前記ベースから離れた側に設けられており、
前記第一機能膜層及び前記第二機能膜層は、何れも前記第一段差領域を覆っており、前記第一機能膜層及び前記第二機能膜層の破断靭性パラメータは略同じであり、
前記第一機能膜層の厚さは均一であり、前記第二機能膜層の厚さは均一であり、
前記第一機能パターンにおける前記第一段差領域に位置する部分は第一目標勾配角を有し、前記第一目標勾配角は、前記第一機能膜層及び前記第二機能膜層が第一所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、
前記第一所定厚さは、前記第一機能膜層及び前記第二機能膜層が各自の機能要件を満たすとともに前記第一段差領域で何れも破断しない場合、前記第一機能膜層が有する厚さと、前記第二機能膜層が有する厚さとの和である、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記第一機能層は、第二機能パターンを更に含み、前記第二機能パターンは、前記第一機能パターンとは同じ層で同じ材料になるように設けられ、前記第二機能パターンは、前記ベース上に第二段差領域を形成しており、
前記第一機能膜層は、前記第二段差領域を覆っており、
前記第二機能パターンにおける前記第二段差領域に位置する部分は第二目標勾配角を有し、前記第二目標勾配角は、前記第一機能膜層が第二所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、
前記第二所定厚さは、前記第一機能膜層がその自身の機能要件を満たすとともに前記第二段差領域で破断しない厚さであり、
前記第二目標勾配角は、前記第一目標勾配角よりも小さい、請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記第一機能層は、第三機能パターンを更に含み、前記第三機能パターンは、前記第一機能膜層における前記ベースから離れた側に位置し、前記第三機能パターンは、前記ベース上に第三段差領域を形成しており、
前記第二機能膜層は、前記第三段差領域を覆っており、
前記第三機能パターンにおける前記第三段差領域に位置する部分は第三目標勾配角を有し、前記第三目標勾配角は、前記第二機能膜層が第三所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記第三所定厚さは、前記第二機能膜層がその自身の機能要件を満たすとともに前記第三段差領域で破断しない場合の厚さであり、
前記第三目標勾配角は、前記第二目標勾配角よりも大きく、前記第一目標勾配角よりも小さい、請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記第一機能層は第四機能パターンを含み、前記第四機能パターンは、前記ベースから離れる方向に沿って順次に並ぶ少なくとも2つの第四段差領域を前記ベース上に形成しており、
前記第二機能層は、前記第四機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられた平坦層を含み、前記平坦層は、前記第四機能パターンを完全に覆っており、
前記第四機能パターンにおける各前記第四段差領域に位置する部分は、対応する第四目標勾配角を有し、当該第四目標勾配角は、前記平坦層における当該第四目標勾配角に対応する第四段差領域に位置する第一部分が第四所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第四所定厚さは、前記第一部分がその自身の機能要件を満たすとともに前記第四段差領域で破断しない場合の最薄厚さである、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記第一機能層は第一機能パターンを含み、前記第一機能パターンは、前記ベース上に第一段差領域を形成しており、
前記第二機能層は、第一機能膜層及び第二機能膜層を含み、前記第一機能膜層は、前記第一機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられ、前記第二機能膜層は、前記第一機能膜層における前記ベースから離れた側に設けられており、前記第一機能膜層及び前記第二機能膜層は、何れも前記第一段差領域を覆っており、
前記第四機能パターンは、前記第二機能膜層における前記ベースから離れた側に位置し、前記第一段差領域を覆っている、請求項5に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記平坦層は、第一平坦層及び第二平坦層を含み、前記第一機能層は、別の第四機能パターンを更に含み、前記別の第四機能パターンは、前記第一平坦層における前記ベースから離れた側に位置し、且つ前記別の第四機能パターンは、前記ベース上に別の第四段差領域を形成しており、前記別の第四機能パターンにおける前記別の第四段差領域に位置する部分は、別の第四目標勾配角を有し、前記第二平坦層は、前記別の第四機能パターンを覆っている、請求項5に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記第一機能層は、前記ベースから離れる方向に沿って順次に積層して設けられた第五機能パターン及び第六機能パターンを含み、
前記第二機能層は、前記第五機能パターンと前記第六機能パターンとの間に設けられた第二機能膜層、及び、前記第六機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられた平坦層を含み、前記第二機能膜層に第一ビアホールが設けられ、前記第二機能膜層は、前記第一ビアホールの縁に第五段差領域を形成しており、
前記第二機能膜層における前記第五段差領域に位置する部分は第五目標勾配角を有し、
前記第六機能パターンは、前記第一ビアホールを介して前記第五機能パターンに接続され、前記第六機能パターンは、前記第五段差領域を覆い、前記第五段差領域に対応する位置に第六段差領域を形成しており、
前記第六機能パターンにおける前記第六段差領域に位置する部分は第六目標勾配角を有し、前記第六目標勾配角は、前記平坦層における前記第六段差領域に位置する第二部分が第六所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第六所定厚さは、前記第二部分がその自身の機能要件を満たすとともに前記第六段差領域で破断しない場合の最薄厚さであり、
前記第五目標勾配角は、前記第六目標勾配角に略等しい、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記第一機能層は、
前記ベース上に設けられた第七機能パターンであって、前記ベース上に第七段差領域を形成している第七機能パターンと、
前記第七機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられた第八機能パターンであって、前記第七段差領域を覆う第三部分、前記第七機能パターンにおける前記第七段差領域に位置する部分以外の残り部分を覆う第四部分、及び、前記第七機能パターンを覆わない第五部分を含む第八機能パターンと、
前記第八機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられた平坦層であって、前記平坦層に第二ビアホールが設けられ、前記第二ビアホールの前記ベース上での正投影は、前記第八機能パターンの前記ベース上での正投影の内部に位置し、前記平坦層は、前記第二ビアホールの縁に第八段差領域及び第九段差領域を形成しており、前記第八段差領域の前記ベース上での正投影と、前記第四部分の前記ベース上での正投影とはオーバーラップしており、前記第九段差領域の前記ベース上での正投影と、前記第五部分の前記ベース上での正投影とはオーバーラップしている平坦層とを含み、
前記第二機能層は、第二機能膜層及び第九機能パターンを含み、前記第二機能膜層は、前記第七機能パターンと前記第八機能パターンとの間に位置し、前記第九機能パターンは、前記平坦層における前記ベースから離れた側に位置し、且つ前記第二ビアホールを介して前記第八機能パターンに接続され、前記第九機能パターンは、前記第八段差領域及び前記第九段差領域を覆っており、前記第九機能パターンの厚さは均一であり、
前記平坦層における前記第八段差領域に位置する部分は第八目標勾配角を有し、前記第八目標勾配角は、前記第九機能パターンが第八所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第八所定厚さは、前記第九機能パターンがその自身の機能要件を満たすとともに前記第八段差領域で破断しない場合の厚さであり、
前記平坦層における前記第九段差領域に位置する部分は第九目標勾配角を有し、前記第九目標勾配角は、前記第九機能パターンが第九所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第九所定厚さは、前記第九機能パターンがその自身の機能要件を満たすとともに前記第九段差領域で破断しない場合の厚さである、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記第七機能パターンの前記ベース上での正投影と、前記第八機能パターンの前記ベース上での正投影とは、第一オーバーラップ領域を形成しており、前記第一オーバーラップ領域は、第一方向に沿って第一寸法を有し、
前記第八機能パターンにおける前記第一オーバーラップ領域に位置しない部分は、前記第一方向に沿って第二寸法を有し、
前記第九機能パターンと前記第八機能パターンとは、第一コンタクト領域を形成しており、前記第一方向に沿って、前記第一コンタクト領域の境界と前記第八機能パターンの第一端との間の最小距離は、第一間隔であり、前記第一コンタクト領域の境界と前記第八機能パターンの第二端との間の最小距離は、第二間隔であり、前記第一端と前記第二端とは、前記第一方向に沿って対向しており、前記第一端の前記ベース上での正投影と、前記第七機能パターンとはオーバーラップしており、前記第二端の前記ベース上での正投影と、前記第七機能パターンとはオーバーラップしておらず、
前記第一寸法と前記第二寸法との間の差に対応する第一絶対値は、前記第一間隔と前記第二間隔との間の差に対応する第二絶対値に正比例する、請求項9に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記第一間隔と前記第二間隔との間の差に対応する第二絶対値は、前記第一間隔と前記第八機能パターンの前記第一方向に沿う第一幅との比に正比例する、請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記第一寸法が前記第一間隔よりも大きい場合、前記第八目標勾配角は、前記第九目標勾配角よりも大きいか、或いは、
前記第八目標勾配角と前記第九目標勾配角との間の差は、前記第一寸法に正比例する、請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項13】
前記第八目標勾配角と前記第九目標勾配角との間の差は、前記第七機能パターンが前記第七段差領域に有する第七目標勾配角よりも小さく、
前記第七目標勾配角は、前記第二機能膜層が第七所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記第七所定厚さは、前記第二機能膜層がその自身の機能要件を満たすとともに前記第七段差領域で破断することのない厚さである、請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項14】
前記アレイ基板は、キャパシタ構造を含み、
前記第一機能層は、前記キャパシタ構造の第一電極板を含み、前記第一電極板は、前記ベース上に電極板段差領域を形成しており、
前記第二機能層は、前記第一電極板における前記ベースから離れた側に位置する媒質層を含み、前記媒質層は、前記第一電極板を完全に覆っており、前記第一電極板における前記電極板段差領域に位置する部分は、電極板目標勾配角を有し、前記電極板目標勾配角は、前記媒質層が第十所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記第十所定厚さは、前記媒質層がその自身の機能要件を満たすとともに前記電極板段差領域で破断することのない厚さであり、
前記キャパシタ構造の第二電極板は、前記媒質層における前記ベースから離れた側に位置し、前記第二電極板の前記ベース上での正投影と、前記第一電極板の前記ベース上での正投影とは、第一オーバーラップ領域を形成しており、前記第二電極板は、前記電極板段差領域を覆っている、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項15】
前記キャパシタ構造は、第一キャパシタ構造、第二キャパシタ構造及び第三キャパシタ構造を含み、前記第一キャパシタ構造の容量値は、前記第二キャパシタ構造の容量値よりも大きく、及び/又は、前記第一キャパシタ構造の容量値は、前記第三キャパシタ構造の容量値よりも大きく、
前記第一キャパシタ構造の第一電極板に対応する電極板目標勾配角は、前記第二キャパシタ構造の第一電極板に対応する電極板目標勾配角よりも大きく、及び/又は、前記第一キャパシタ構造の第一電極板に対応する電極板目標勾配角は、前記第三キャパシタ構造の第一電極板に対応する電極板目標勾配角よりも大きい、請求項14に記載のアレイ基板。
【請求項16】
前記第一キャパシタ構造に対応する第一媒質層の厚さは、前記第二キャパシタ構造に対応する第二媒質層の厚さよりも小さく、及び/又は、
前記第一キャパシタ構造に対応する第一媒質層の厚さは、前記第三キャパシタ構造に対応する第三媒質層の厚さよりも小さい、請求項15に記載のアレイ基板。
【請求項17】
前記第一キャパシタ構造の第二電極板における、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角は、前記第二キャパシタ構造の第二電極板における、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角よりも大きく、及び/又は、
前記第一キャパシタ構造の第二電極板における、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角は、前記第三キャパシタ構造の第二電極板における、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角よりも大きい、請求項15に記載のアレイ基板。
【請求項18】
前記第一機能層は、複合金属パターンを含み、前記複合金属パターンは、前記ベースから離れる方向に沿って順次に積層して設けられた第一金属サブパターン、第二金属サブパターン及び第三金属サブパターンを含み、前記第一金属サブパターンと前記第三金属サブパターンとの材料は同じであり、
エッチングにより前記第一機能層を形成する場合、前記第一機能層が有する目標勾配角は、前記第三金属サブパターンのエッチングレートに反比例する、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項19】
請求項1~18の何れか一項に記載のアレイ基板を含む、表示装置。
【請求項20】
請求項1~18の何れか一項に記載のアレイ基板を製作するための方法であって、
ベース上に、第一機能層であって、前記第一機能層は前記ベース上に段差領域を形成し、前記第一機能層における前記段差領域に位置する部分は目標勾配角を有する第一機能層を形成することと、
前記第一機能層における前記ベースから離れた側に、第二機能層であって、前記第二機能層は、前記段差領域を覆い、前記目標勾配角は、前記第二機能層が所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記所定厚さは、前記第二機能層がその自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断することのない厚さである第二機能層を形成することとを含み、
前記第一機能層の前記目標勾配角と前記第二機能層の所定厚さとは、次の関係式を満たし、
Tan(a)-1≦N(x-y)/y≦Tan(a)+1
ここで、N=z×W×KICであり、zは定数、Wは所定値、KICは前記第二機能層の破断靭性パラメータ、xは前記第二機能層の所定厚さ、yは前記第一機能層における前記段差領域に位置する部分の厚さ、aは前記第一機能層の前記目標勾配角である、アレイ基板の製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年4月24日に中国で出願された中国特許出願第202010330332.1号の優先権を主張し、その内容の全ては、参照により本願に組み込まれる。
本開示は、表示技術分野に関し、特に、アレイ基板及びその製作方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術の継続的な発展に伴い、表示製品の種類は、ますます増えており、現在よく使用されている表示製品としては、液晶表示LCD(Liquid Crystal Display)製品や、有機発光ダイオードOLED(Organic Light-Emitting Diode)表示製品等があり、これらの表示製品には、何れもアレイ基板が含まれ、アレイ基板上には、表示製品の表示用の駆動信号を供給するための回路構造が形成されている。
【0003】
前記回路構造には、一般的に、薄膜トランジスタ、キャパシタ、電極構造及び信号線等が含くまれ、薄膜トランジスタ、キャパシタ、電極構造及び信号線に含まれる機能層の少なくとも一部は、パターン化された機能パターンとなり、これらの機能パターンは、アレイ基板に段差領域を生じさせるため、アレイ基板において、段差領域を覆う機能層は、段差領域の階段を乗り越える必要があり、これによって、当該機能層は、階段箇所で破断し易くなるリスクがある。
【0004】
関連技術では、当該機能層の階段箇所での破断を避けるために、当該機能層の厚さを増加させることは、一般的であるが、この処理方式は、薄型表示製品へのアレイ基板の適用に不利である。
【発明の概要】
【0005】
上記目的を実現するために、本開示は、次の技術案を提供する。
【0006】
本開示の第一局面は、ベースと、前記ベース上に積層して設けられた第一機能層及び第二機能層とを含むアレイ基板であって、
前記第一機能層は、前記ベース上に段差領域を形成し、前記第二機能層は、前記段差領域を覆っており、
前記第一機能層における前記段差領域に位置する部分は目標勾配角を有し、前記目標勾配角は、前記第二機能層が所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記所定厚さは、前記第二機能層がその自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断することのない厚さである、アレイ基板を提供する。
【0007】
選択的に、前記第一機能層の前記目標勾配角と前記第二機能層の前記所定厚さとは、次の関係式を満たし、
Tan(a)-1≦N(x-y)/y≦Tan(a)+1
ここで、N=z×W×KICであり、zは定数、Wは所定値、KICは前記第二機能層の破断靭性パラメータ、xは前記第二機能層の所定厚さ、yは前記第一機能層における前記段差領域に位置する部分の厚さ、aは前記第一機能層の前記目標勾配角である。
【0008】
選択的に、前記第一機能層は第一機能パターンを含み、前記第一機能パターンは、前記ベース上に第一段差領域を形成しており、
前記第二機能層は、第一機能膜層及び第二機能膜層を含み、前記第一機能膜層は、前記第一機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられ、前記第二機能膜層は、前記第一機能膜層における前記ベースから離れた側に設けられており、
前記第一機能膜層及び前記第二機能膜層は、何れも前記第一段差領域を覆っており、前記第一機能膜層及び前記第二機能膜層の破断靭性パラメータは略同じであり、
前記第一機能膜層の厚さは均一であり、前記第二機能膜層の厚さは均一であり、
前記第一機能パターンにおける前記第一段差領域に位置する部分は第一目標勾配角を有し、前記第一目標勾配角は、前記第一機能膜層及び前記第二機能膜層が第一所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、
前記第一所定厚さは、前記第一機能膜層及び前記第二機能膜層が各自の機能要件を満たすとともに前記第一段差領域で何れも破断しない場合、前記第一機能膜層が有する厚さと、前記第二機能膜層が有する厚さとの和である。
【0009】
選択的に、前記第一機能層は、第二機能パターンを更に含み、前記第二機能パターンは、前記第一機能パターンとは同じ層で同じ材料になるように設けられ、前記第二機能パターンは、前記ベース上に第二段差領域を形成しており、
前記第一機能膜層は、前記第二段差領域を覆っており、
前記第二機能パターンにおける前記第二段差領域に位置する部分は第二目標勾配角を有し、前記第二目標勾配角は、前記第一機能膜層が第二所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、
前記第二所定厚さは、前記第一機能膜層がその自身の機能要件を満たすとともに前記第二段差領域で破断しない厚さであり、
前記第二目標勾配角は、前記第一目標勾配角よりも小さい。
【0010】
選択的に、前記第一機能層は、第三機能パターンを更に含み、前記第三機能パターンは、前記第一機能膜層における前記ベースから離れた側に位置し、前記第三機能パターンは、前記ベース上に第三段差領域を形成しており、
前記第二機能膜層は、前記第三段差領域を覆っており、
前記第三機能パターンにおける前記第三段差領域に位置する部分は第三目標勾配角を有し、前記第三目標勾配角は、前記第二機能膜層が第三所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記第三所定厚さは、前記第二機能膜層がその自身の機能要件を満たすとともに前記第三段差領域で破断しない場合の厚さであり、
前記第三目標勾配角は、前記第二目標勾配角よりも大きく、前記第一目標勾配角よりも小さい。
【0011】
選択的に、前記第一機能層は第四機能パターンを含み、前記第四機能パターンは、前記ベースから離れる方向に沿って順次に並ぶ少なくとも2つの第四段差領域を前記ベース上に形成しており、
前記第二機能層は、前記第四機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられた平坦層を含み、前記平坦層は、前記第四機能パターンを完全に覆っており、
前記第四機能パターンにおける各前記第四段差領域に位置する部分は、対応する第四目標勾配角を有し、当該第四目標勾配角は、前記平坦層における当該第四目標勾配角に対応する第四段差領域に位置する第一部分が第四所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第四所定厚さは、前記第一部分がその自身の機能要件を満たすとともに前記第四段差領域で破断しない場合の最薄厚さである。
【0012】
選択的に、前記第一機能層は第一機能パターンを含み、前記第一機能パターンは、前記ベース上に第一段差領域を形成しており、
前記第二機能層は、第一機能膜層及び第二機能膜層を含み、前記第一機能膜層は、前記第一機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられ、前記第二機能膜層は、前記第一機能膜層における前記ベースから離れた側に設けられており、前記第一機能膜層及び前記第二機能膜層は、何れも前記第一段差領域を覆っており、
前記第四機能パターンは、前記第二機能膜層における前記ベースから離れた側に位置し、前記第一段差領域を覆っている。
【0013】
選択的に、前記平坦層は、第一平坦層及び第二平坦層を含み、前記第一機能層は、別の第四機能パターンを更に含み、前記別の第四機能パターンは、前記第一平坦層における前記ベースから離れた側に位置し、且つ前記別の第四機能パターンは、前記ベース上に別の第四段差領域を形成しており、前記別の第四機能パターンにおける前記別の第四段差領域に位置する部分は、別の第四目標勾配角を有し、前記第二平坦層は、前記別の第四機能パターンを覆っている。
【0014】
選択的に、前記第一機能層は、前記ベースから離れる方向に沿って順次に積層して設けられた第五機能パターン及び第六機能パターンを含み、
前記第二機能層は、前記第五機能パターンと前記第六機能パターンとの間に設けられた第二機能膜層、及び、前記第六機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられた平坦層を含み、前記第二機能膜層に第一ビアホールが設けられ、前記第二機能膜層は、前記第一ビアホールの縁に第五段差領域を形成しており、
前記第二機能膜層における前記第五段差領域に位置する部分は第五目標勾配角を有し、
前記第六機能パターンは、前記第一ビアホールを介して前記第五機能パターンに接続され、前記第六機能パターンは、前記第五段差領域を覆い、前記第五段差領域に対応する位置に第六段差領域を形成しており、
前記第六機能パターンにおける前記第六段差領域に位置する部分は第六目標勾配角を有し、前記第六目標勾配角は、前記平坦層における前記第六段差領域に位置する第二部分が第六所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第六所定厚さは、前記第二部分がその自身の機能要件を満たすとともに前記第六段差領域で破断しない場合の最薄厚さであり、
前記第五目標勾配角は、前記第六目標勾配角に略等しい。
【0015】
選択的に、前記第一機能層は、
前記ベース上に設けられた第七機能パターンであって、前記ベース上に第七段差領域を形成している第七機能パターンと、
前記第七機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられた第八機能パターンであって、前記第七段差領域を覆う第三部分、前記第七機能パターンにおける前記第七段差領域に位置する部分以外の残り部分を覆う第四部分、及び、前記第七機能パターンを覆わない第五部分を含む第八機能パターンと、
前記第八機能パターンにおける前記ベースから離れた側に設けられた平坦層であって、前記平坦層に第二ビアホールが設けられ、前記第二ビアホールの前記ベース上での正投影は、前記第八機能パターンの前記ベース上での正投影の内部に位置し、前記平坦層は、前記第二ビアホールの縁に第八段差領域及び第九段差領域を形成しており、前記第八段差領域の前記ベース上での正投影と、前記第四部分の前記ベース上での正投影とはオーバーラップしており、前記第九段差領域の前記ベース上での正投影と、前記第五部分の前記ベース上での正投影とはオーバーラップしている平坦層とを含み、
前記第二機能層は、第二機能膜層及び第九機能パターンを含み、前記第二機能膜層は、前記第七機能パターンと前記第八機能パターンとの間に位置し、前記第九機能パターンは、前記平坦層における前記ベースから離れた側に位置し、且つ前記第二ビアホールを介して前記第八機能パターンに接続され、前記第九機能パターンは、前記第八段差領域及び前記第九段差領域を覆っており、前記第九機能パターンの厚さは均一であり、
前記平坦層における前記第八段差領域に位置する部分は第八目標勾配角を有し、前記第八目標勾配角は、前記第九機能パターンが第八所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第八所定厚さは、前記第九機能パターンがその自身の機能要件を満たすとともに前記第八段差領域で破断しない場合の厚さであり、
前記平坦層における前記第九段差領域に位置する部分は第九目標勾配角を有し、前記第九目標勾配角は、前記第九機能パターンが第九所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第九所定厚さは、前記第九機能パターンがその自身の機能要件を満たすとともに前記第九段差領域で破断しない場合の厚さである。
【0016】
選択的に、前記第七機能パターンの前記ベース上での正投影と、前記第八機能パターンの前記ベース上での正投影とは、第一オーバーラップ領域を形成しており、前記第一オーバーラップ領域は、第一方向に沿って第一寸法を有し、
前記第八機能パターンにおける前記第一オーバーラップ領域に位置しない部分は、前記第一方向に沿って第二寸法を有し、
前記第九機能パターンと前記第八機能パターンとは、第一コンタクト領域を形成しており、前記第一方向に沿って、前記第一コンタクト領域の境界と前記第八機能パターンの第一端との間の最小距離は、第一間隔であり、前記第一コンタクト領域の境界と前記第八機能パターンの第二端との間の最小距離は、第二間隔であり、前記第一端と前記第二端とは、前記第一方向に沿って対向しており、前記第一端の前記ベース上での正投影と、前記第七機能パターンとはオーバーラップしており、前記第二端の前記ベース上での正投影と、前記第七機能パターンとはオーバーラップしておらず、
前記第一寸法と前記第二寸法との間の差に対応する第一絶対値は、前記第一間隔と前記第二間隔との間の差に対応する第二絶対値に正比例する。
【0017】
選択的に、前記第一間隔と前記第二間隔との間の差に対応する第二絶対値は、前記第一間隔と前記第八機能パターンの前記第一方向に沿う第一幅との比に正比例する。
【0018】
選択的に、前記第一寸法が前記第一間隔よりも大きい場合、前記第八目標勾配角は、前記第九目標勾配角よりも大きいか、或いは、
前記第八目標勾配角と前記第九目標勾配角との間の差は、前記第一寸法に正比例する。
【0019】
選択的に、前記第八目標勾配角と前記第九目標勾配角との間の差は、前記第七機能パターンが前記第七段差領域に有する第七目標勾配角よりも小さく、
前記第七目標勾配角は、前記第二機能膜層が第七所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記第七所定厚さは、前記第二機能膜層がその自身の機能要件を満たすとともに前記第七段差領域で破断することのない厚さである。
【0020】
選択的に、前記アレイ基板は、キャパシタ構造を含み、
前記第一機能層は、前記キャパシタ構造の第一電極板を含み、前記第一電極板は、前記ベース上に電極板段差領域を形成しており、
前記第二機能層は、前記第一電極板における前記ベースから離れた側に位置する媒質層を含み、前記媒質層は、前記第一電極板を完全に覆っており、前記第一電極板における前記電極板段差領域に位置する部分は、電極板目標勾配角を有し、前記電極板目標勾配角は、前記媒質層が第十所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記第十所定厚さは、前記媒質層がその自身の機能要件を満たすとともに前記電極板段差領域で破断することのない厚さであり、
前記キャパシタ構造の第二電極板は、前記媒質層における前記ベースから離れた側に位置し、前記第二電極板の前記ベース上での正投影と、前記第一電極板の前記ベース上での正投影とは、第一オーバーラップ領域を形成しており、前記第二電極板は、前記電極板段差領域を覆っている。
【0021】
選択的に、前記キャパシタ構造は、第一キャパシタ構造、第二キャパシタ構造及び第三キャパシタ構造を含み、前記第一キャパシタ構造の容量値は、前記第二キャパシタ構造の容量値よりも大きく、及び/又は、前記第一キャパシタ構造の容量値は、前記第三キャパシタ構造の容量値よりも大きく、
前記第一キャパシタ構造の第一電極板に対応する電極板目標勾配角は、前記第二キャパシタ構造の第一電極板に対応する電極板目標勾配角よりも大きく、及び/又は、前記第一キャパシタ構造の第一電極板に対応する電極板目標勾配角は、前記第三キャパシタ構造の第一電極板に対応する電極板目標勾配角よりも大きい。
【0022】
選択的に、前記第一キャパシタ構造に対応する第一媒質層の厚さは、前記第二キャパシタ構造に対応する第二媒質層の厚さよりも小さく、及び/又は、
前記第一キャパシタ構造に対応する第一媒質層の厚さは、前記第三キャパシタ構造に対応する第三媒質層の厚さよりも小さい。
【0023】
選択的に、前記第一キャパシタ構造の第二電極板における、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角は、前記第二キャパシタ構造の第二電極板における、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角よりも大きく、及び/又は、
前記第一キャパシタ構造の第二電極板における、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角は、前記第三キャパシタ構造の第二電極板における、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角よりも大きい。
【0024】
選択的に、前記第一機能層は、複合金属パターンを含み、前記複合金属パターンは、前記ベースから離れる方向に沿って順次に積層して設けられた第一金属サブパターン、第二金属サブパターン及び第三金属サブパターンを含み、前記第一金属サブパターンと前記第三金属サブパターンとの材料は同じであり、
エッチングにより前記第一機能層を形成する場合、前記第一機能層が有する目標勾配角は、前記第三金属サブパターンのエッチングレートに反比例する。
【0025】
上記アレイ基板の技術案に基づいて、本開示の第二局面は、上記アレイ基板を含む、表示装置を提供する。
【0026】
上記アレイ基板の技術案に基づいて、本開示の第三局面は、上記アレイ基板を製作する方法であって、
ベース上に、第一機能層であって、前記第一機能層は前記ベース上に段差領域を形成し、前記第一機能層における前記段差領域に位置する部分は目標勾配角を有する第一機能層を形成することと、
前記第一機能層における前記ベースから離れた側に、第二機能層であって、前記第二機能層は、前記段差領域を覆い、前記目標勾配角は、前記第二機能層が所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記所定厚さは、前記第二機能層がその自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断することのない厚さである第二機能層を形成することとを含み、
前記第一機能層の前記目標勾配角と前記第二機能層の所定厚さとは、次の関係式を満たし、
Tan(a)-1≦N(x-y)/y≦Tan(a)+1
ここで、N=z×W×KICであり、zは定数、Wは所定値、KICは前記第二機能層の破断靭性パラメータ、xは前記第二機能層の所定厚さ、yは前記第一機能層における前記段差領域に位置する部分の厚さ、aは前記第一機能層の前記目標勾配角である、アレイ基板の製作方法を提供する。
【0027】
ここで説明される図面は、本開示のさらなる理解を提供するためのものであり、本開示の一部を構成し、本開示の例示的な実施例及びその説明は、本開示を解釈するためのものであり、本開示に対する不適切な制限を構成しない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示の実施例によるアレイ基板の第一断面模式図である。
図2】本開示の実施例によるアレイ基板の第二断面模式図である。
図3】本開示の実施例によるアレイ基板の第三断面模式図である。
図4】本開示の実施例によるアレイ基板の第四断面模式図である。
図5】本開示の実施例によるアレイ基板の第五断面模式図である。
図6】本開示の実施例によるアレイ基板の第六断面模式図である。
図7】本開示の実施例によるアレイ基板の第七断面模式図である。
図8】本開示の実施例による第一キャパシタ構造の断面模式図である。
図9】本開示の実施例による第二キャパシタ構造の断面模式図である。
図10】本開示の実施例による第三キャパシタ構造の断面模式図である。
図11】本開示の実施例による表示領域及び周辺領域のキャパシタ構造の第一模式図である。
図12】本開示の実施例による表示領域及び周辺領域のキャパシタ構造の第二模式図である。
図13】本開示の実施例による第一機能層の第一断面模式図である。
図14】本開示の実施例による第一機能層の第二断面模式図である。
図15】本開示の実施例による破断靭性と降伏強度との関係曲線図である。
図16】本開示の実施例によるアレイ基板の第八断面模式図である。
図17】本開示の実施例によるベース上へのバッファ層形成の模式図である。
図18】本開示の実施例によるアクティブフィルムのレーザーアニールの模式図である。
図19】本開示の実施例によるアクティブ層形成の模式図である。
図20】本開示の実施例による第一ゲート絶縁層形成の模式図である。
図21】本開示の実施例による第一ゲート金属パターン形成の模式図である。
図22】本開示の実施例による高濃度ドーピングプロセスの模式図である。
図23】本開示の実施例による第二ゲート絶縁層形成の模式図である。
図24】本開示の実施例による第二ゲート金属パターン形成の模式図である。
図25】本開示の実施例による層間絶縁層形成の模式図である。
図26】本開示の実施例によるビアホール形成の第一模式図である。
図27】本開示の実施例によるソース・ドレイン金属パターン形成の模式図である。
図28】本開示の実施例による平坦層形成の模式図である。
図29】本開示の実施例による陽極パターン形成の模式図である。
図30】本開示の実施例による画素規定層形成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の実施例によるアレイ基板及びその製作方法、表示装置を更に説明するために、以下、図面と併せて詳しく述べる。
【0030】
表示製品に含まれるアレイ基板には、回路構造が形成されており、当該回路構造には、一般的に、薄膜トランジスタ、キャパシタ、電極構造及び信号線等が含まれ、薄膜トランジスタ、キャパシタ、電極構造及び信号線に含まれる機能層の少なくとも一部は、パターン化された機能パターンとなり、これらの機能パターンは、アレイ基板に段差領域を生じさせ、段差領域には、前記機能パターンによって形成されて一定の勾配角を有する階段が含まれるため、アレイ基板において、段差領域を覆う機能層は、段差領域の階段を乗り越える必要があり、これによって、当該機能層は、階段箇所で破断し易くなるリスクがある。
【0031】
前記機能パターンが導電金属パターンを含み、当該機能パターンを覆う機能層が絶縁層を含む例を挙げると、導電金属パターンは段差領域を形成するため、絶縁層は、当該段差領域の階段を乗り越える必要があり、その結果、絶縁層は、階段箇所で破断し易くなるリスクがあり、絶縁層が破断した場合、絶縁層上に形成された導電パターンと当該金属パターンとの短絡を更に引き起こし、アレイ基板の歩留まりに影響を与えてしまう。
【0032】
関連技術では、当該機能層の階段箇所での破断を避けるために、当該機能層の厚さを増加させることは、一般的であるが、この処理方式は、薄型表示製品へのアレイ基板の適用に不利である。
【0033】
上記問題の存在に鑑みて、本開示は、次の技術案を提供する。
【0034】
図1に示すように、本開示の実施例は、ベース10と、前記ベース10上に積層して設けられた第一機能層20及び第二機能層30とを含むアレイ基板であって、前記第一機能層20は、前記ベース10上に段差領域40を形成し、前記第二機能層30は、前記段差領域40を覆っており、前記第一機能層20における前記段差領域に位置する部分は目標勾配角aを有し、前記目標勾配角aは、前記第二機能層30が所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記所定厚さは、前記第二機能層30がその自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域40で破断することのない厚さである。
【0035】
具体的に、前記アレイ基板には、複数種類の膜層が含まれ、例示的に、積層して設けられた第一ゲート金属層、ゲート絶縁層、第二ゲート金属層、層間絶縁層、第一ソース・ドレイン金属層、第一平坦層、第二ソース・ドレイン金属層、第二平坦層及び陽極層等が含まれるが、これに限定されない。
【0036】
前記第一ゲート金属層、第二ゲート金属層、第一ソース・ドレイン金属層、第二ソース・ドレイン金属層及び陽極層は、何れも対応する複数の機能パターンを含み、各機能パターンは、対応する段差領域を形成することになり、前記ゲート絶縁層、層間絶縁層、第一平坦層及び第二平坦層は、何れもべた膜層であるが、これらのべた膜層には、ビアホールが形成され、べた膜層は、前記ビアホールの付近に、対応する段差領域を形成することになる。
【0037】
例示的に、前記第一機能層20は、前記複数の機能パターンの1つ以上を含んでもよいし、上記ビアホールが形成されたべた膜層を含んでもよく、同様に、前記第二機能層30も、前記複数の機能パターンの1つ以上、及び、上記ビアホールが形成されたべた膜層を含んでもよく、前記複数の機能パターンの1つ以上、及び上記ビアホールが形成されたべた膜層が、段差領域を覆うことができるのを満たせばよい。
【0038】
説明すべきなのは、前記機能パターンによって形成される段差領域は、当該機能パターンの縁部分に位置してもよいし、当該機能パターンにおける前記縁部分によって囲まれた中間部分に位置してもよく、より具体的に、前記機能パターンの縁部分に形成される段差領域は、一般的に、当該縁部分と、当該縁部分の位置する平面との間に形成される段差となり、前記機能パターンの中間部分に形成される段差は、一般的に、当該中間部分が非平坦な領域(例えば、下地パターンによる段差領域)を覆っていることで、中間部分に生じる段差又は中間部分と前記縁部分との間に形成される段差となる。
【0039】
また、前記段差領域の具体的な範囲は、実際の必要に応じて画定可能であり、例示的に、前記段差領域は、前記機能パターンによる階段の位置する領域であるか、或いは、前記段差領域は、前記機能パターンによる階段を中心とし、付近の所定範囲内の領域である。
【0040】
なお、前記所定厚さは、前記第二機能層30がその自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断することのない厚さであるのについて、次のように解釈される。「その自身の機能要件を満たす」とは、前記第二機能層30の厚さが、その自身の機能の要求を満たせなければならないことを意味し、例えば、前記第二機能層30が絶縁層である場合、その厚さは、その絶縁性能が要求を満たすことを保証できるように設定されなければならず、当該絶縁層がキャパシタにおける媒質層として使用される場合、その厚さは、キャパシタの容量値が要求を満たすことを保証できるように設定されなければならず、前記第二機能層30が平坦層である場合、その厚さは、その平坦性が要求を満たすことを保証できるように設定されなければならない。留意されたいのは、前記第二機能層30が、その自身の延在方向に垂直な方向に均一な厚さを有し、且つ前記第二機能層30が、同じ層に設けられた、異なる勾配角を持つ複数の第一機能パターンを同時に覆う場合、当該第二機能層30が各第一機能パターンによる段差領域の何れにおいても破断しないことを保証しなければならない。
【0041】
前記第二機能層30の破断リスクに関連する要因には、第二機能層30が段差領域で這い上がる必要のある階段の勾配角の大きさ、及び、前記第二機能層30の厚さが含まれており、そのうち、階段の勾配角が大きいほど、コンパクトな機能パターンのレイアウトに有利となることで、高解像度表示製品へのアレイ基板の適用に有利となるが、階段の勾配角が大きいほど、一定の厚さの機能層が階段箇所で破断するリスクが高くなるのに対して、前記第二機能層30は、その自身機能要件を満たす場合、厚さが厚いほど、段差領域で破断し難くなるが、厚さが厚すぎると、薄型表示製品へのアレイ基板の適用に不利となる。したがって、上記要因に基づけば、第二機能層30の厚さとその乗り越える階段の勾配角との間の対応関係を見出して、前記第二機能層30が破断しないことを保証しつつ、最大の勾配角及び最薄の第二機能層30を実現することができる。
【0042】
本開示の実施例によるアレイ基板では、前記第一機能層20における前記段差領域に位置する部分は、目標勾配角を有し、前記目標勾配角は、前記第二機能層30が所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記所定厚さは、前記第二機能層30がその自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断することのない厚さであるように設けることで、前記アレイ基板に、前記第一機能層20に最大の勾配角を持たせることを実現しながら、前記第二機能層30に、その自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断することのない最小厚さを持たせることを保証している。したがって、本開示の実施例によるアレイ基板は、前記機能層が破断しないことを保証しつつ、最大の勾配角及び最薄の第二機能層30を実現しており、その結果、アレイ基板が薄型及び高解像度表示製品へより好適に適用可能であるとともに、アレイ基板の製品歩留まりがより好適に向上され、原材料のコストが削減される。
【0043】
いくつかの実施例では、前記第一機能層20の前記目標勾配角と前記第二機能層30の所定厚さとは、次の関係式を満たし、
Tan(a)-1≦N(x-y)/y≦Tan(a)+1 式(1)
ここで、N=z×W×KICであり、zは定数、Wは所定値、KICは前記第二機能層30の破断靭性パラメータ、xは前記第二機能層30の所定厚さ、yは前記第一機能層20における前記段差領域に位置する部分の厚さ、aは前記第一機能層20の前記目標勾配角である。
【0044】
具体的に、靭性は、材料が塑性変形及び破損時にエネルギーを吸収する能力を表す物理的概念であり、靭性が高いほど、脆性破断が発生する可能性が小さくなる。靭性は、材料科学及び冶金学における重要なパラメータであり、材料がそれを変形させる力を受けた時に破壊に対する抵抗能力を指し、その定義としては、材料が破断する前に吸収できるエネルギーと体積との比である。
【0045】
破断靭性は、マクロクラックの不安定及び進展を阻止する能力の尺度であり、脆性破断に抵抗する材料の靭性パラメータでもあり、クラック自体の大きさ、形状及び加えられた応力の大きさに関係なく、材料の固有の特性であり、材料そのもの、熱処理及び加工プロセスのみに関係している。破断靭性は、通常、破断する前に物体が吸収したエネルギー、又は外界が物体に加えた仕事によって表され、例えば、応力-歪み曲線の下の面積で表される。靭性材料は、大きな破断時伸びを有するため、破断靭性が大きいが、脆性材料は、一般的に、破断靭性が小さい。
【0046】
破断靭性の高低に影響を与える要因には、外部要因及び内部要因が含まれ、そのうち、外部要因には、板材又は部材の断面寸法、供用条件下での温度及び歪み速度等が含まれ、材料の破断靭性は、板材又は部材の断面寸法の増大につれて徐々に小さくなり、最後に、安定した最低値、即ち平面歪み破断靭性KICに収まり、これは、平面応力状態から平面歪み状態への転化過程である。
【0047】
温度に伴う破断靭性の変化関係は、衝撃靭性の変化と類似しており、温度の低下につれて、破断靭性は、急激に低下する温度範囲があり得るが、この温度範囲よりも低くなると、破断靭性は、非常に低い下限値に収まり、温度が下がっても、あまり変わらなくなる。
【0048】
材料の高温での破断靭性に関しては、Hahn及びRosenfiedにより、次の経験式が提案されており、
【数1】
同式では、nは、高温での材料の歪み硬化指数であり、Eは、高温での材料の弾性モジュラスであり、単位がMPaであり、σは高温での材料の降伏強度であり、単位がMPaであり、εは、高温で一軸延伸時の真破断歪みである。
【0049】
歪み速度による破断靭性パラメータへの影響は、温度の影響と似ており、歪み速度の増加と温度の低下とによる影響は一致する。
【0050】
内部要因には、材料成分及び内部組織等が含まれる。材料成分と内部組織要因との統合として、材料強度は、巨視的な表現の1つである。冶金学よりも力学の観点からすれば、人々は、最初に材料の強度の変化から破断靭性の高低を調べることが多く、材料強度が分かれば、その材料の破断靭性を大まかに推定することができる。
【0051】
図15に、AISI 4340(40CrNiMo)鋼の破断靭性と、焼入れ、焼戻し熱処理を経た異なる降伏強度との相互関係を示す。同図では、横座標は、降伏強度σを表し、単位がMPaであり、縦座標は、破断靭性パラメータKICを表し、単位がMPa・m1/2である。破断靭性は、材料の降伏強度の低下につれて増大していくことが分かる。この試験結果は、代表的なものであり、殆どの低合金鋼は、何れもこのような変化規則があり、マルエージング鋼(18Ni)でも、同様であり、ただし、同じ強度では、その破断靭性値の方がやや高くなる。
【0052】
破断靭性は、国際単位系では、1立方メートルあたりのジュール(J/m)で測定され、インペリアル系では、1平方インチあたりのポンド力で測定され、靭性の単位がMPa・m1/2である。
【0053】
上記式(1)におけるzは、1~1.1の値とされ得る定数であり(端点の値を含み得る)、単位がMpa^-1・m^-1/2であり、Tan(a)は、目標勾配角aの正接関数である。Wは、第二機能層の形成プロセス方法や、具体的な層間構造等に関連する経験値であり、Wが0.4~2.2の値とされる(端点の値を含み得る)。
【0054】
例示的に、前記第二機能層30が無機層の場合、係数Nの値範囲は、おおよそ0.9~1.1であり(端点の値を含み得る)、前記第二機能層30が有機層の場合、Nの値範囲は、おおよそ0.8~0.9である(端点の値を含み得る)。
【0055】
また、前記第一機能層20における前記段差領域に位置する部分の厚さは、前記第一機能層20が前記段差領域に有する階段の、前記ベース10に垂直な方向における高さとなる。
【0056】
上記実施例によるアレイ基板では、生じた段差領域の第一機能層20、及び段差領域を覆う第二機能層30の材料特性、形成プロセス、厚さと破断靭性に対する分析によって、第二機能層30の厚さと、第一機能層20が段差領域で形成した勾配角との内在関係を纏めていることで、第二機能層30が段差領域で破断しないことを保証されつつ、前記第一機能パターン201が最大の勾配角を有しているため、アレイ基板が薄型及び高解像度表示製品へより好適に適用可能であるとともに、アレイ基板の製品歩留まりがより好適に向上され、原材料のコストが削減される。
【0057】
図2に示すように、いくつかの実施例では、前記第一機能層20は、第一機能パターン201を含み、前記第一機能パターン201は、前記ベース10上に第一段差領域401を形成しており、
前記第二機能層30は、第一機能膜層301及び第二機能膜層302を含み、前記第一機能膜層301は、前記第一機能パターン201における前記ベース10から離れた側に設けられ、前記第二機能膜層302は、前記第一機能膜層301における前記ベース10から離れた側に設けられており、前記第一機能膜層301及び前記第二機能膜層302は、何れも前記第一段差領域401を覆っており、前記第一機能膜層301及び前記第二機能膜層302の破断靭性パラメータは略同じであり、
前記第一機能膜層301の延在方向に垂直な方向では、前記第一機能膜層301の厚さは均一であり、前記第二機能膜層302の延在方向に垂直な方向では、前記第二機能膜層302の厚さは均一であり、
前記第一機能パターン201における前記第一段差領域401に位置する部分は、第一目標勾配角a1を有し、前記第一目標勾配角a1は、前記第一機能膜層301及び前記第二機能膜層302が第一所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記第一所定厚さは、前記第一機能膜層301及び前記第二機能膜層302が各自の機能要件を満たすとともに前記第一段差領域401で何れも破断しない場合、前記第一機能膜層301が有する厚さと、前記第二機能膜層302が有する厚さとの和である。
【0058】
具体的に、前記第一機能層20及び前記第二機能層30の具体構造は様々であり、例示的に、前記第一機能層20は、第一機能パターン201を含み、前記第二機能層30は、前記第一機能パターン201における前記ベース10から離れた表面に設けられた第一機能膜層301と、前記第一機能膜層301における前記ベース10から離れた表面に設けられた第二機能膜層302とを含み、前記第一機能パターン201は、第一ゲート金属層に含まれる第一ゲート金属パターンとされてもよく、当該第一ゲート金属パターンと前記ベース10との間に第一ゲート絶縁層50が設けられていてもよく、前記第一機能膜層301は、第二ゲート絶縁層とされてもよく、前記第二機能膜層302は、層間絶縁層(ILD層)とされてもよい。
【0059】
前記第二ゲート絶縁層及び前記層間絶縁層は、何れも、窒化ケイ素又は酸化ケイ素、又は両者の組み合わせによって形成されることが可能であり、即ち、前記第二ゲート絶縁層と前記層間絶縁層とは、使用される材料が同じで、製作プロセスが同じである(例えば、プラズマ強化化学気相成長法が使用される)ため、前記第一機能膜層301と前記第二機能膜層302との破断靭性パラメータは略同じとなる。
【0060】
前記第一機能パターン201の勾配角を計算する際、前記第一機能膜層301の延在方向に垂直な方向では、前記第一機能膜層301の厚さは均一であり、前記第二機能膜層302の延在方向に垂直な方向では、前記第二機能膜層302の厚さは均一であるため、前記第一機能膜層301及び前記第二機能膜層302の厚さは、その自身の延在方向に垂直な方向における各自の厚さを取ることが可能である一方で、前記第一機能膜層301と前記第二機能膜層302との破断靭性パラメータは略同じであるため、前記第一機能膜層301の厚さと前記第二機能膜層302の厚さとを加算して、前記第一所定厚さ、即ち前記式(1)におけるx値とすることが可能である。
【0061】
前記第一機能パターン201が前記第二段差領域402で形成した段差の、前記ベース10に垂直な方向における高さは、前記式(1)におけるy値となる。
【0062】
上記x値、y値及び対応するN値を上記式(1)に代入すると、前記第一機能パターン201の前記第一段差領域401での対応する第一目標勾配角a1が得られる。例示的に、前記第一機能パターン201が第一ゲート金属パターンであり、前記第一機能膜層301が第二ゲート絶縁層であり、前記第二機能膜層302が層間絶縁層である場合、前記式(1)によれば、前記第一目標勾配角a1の範囲が40°~45°になると算出可能である(端点の値を取り得る)。
【0063】
上記実施例によるアレイ基板では、前記第一機能パターン201上に、同じプロセス、同じ材料で、前記第一段差領域401を覆う第一機能膜層301及び第二機能膜層302が形成されることで、前記第一機能パターン201上に割に厚い第二機能層30が形成されているため、前記第一目標勾配角a1を計算する際、前記第一機能膜層301と前記第二機能膜層302の厚さとを加算して、前記第一所定厚さとすることが可能であるとともに、当該第一所定厚さに基づいて、前記第一機能パターン201に対応する第一目標勾配角a1を確定することが可能である。その結果、第二機能層30が段差領域で破断しないことを保証されつつ、前記第一機能パターン201は、最大の勾配角を有するため、アレイ基板が薄型及び高解像度表示製品へより好適に適用可能であるとともに、アレイ基板の製品歩留まりがより好適に向上され、原材料のコストが削減される。
【0064】
図2に示すように、いくつかの実施例では、前記第一機能層20は、第二機能パターン202を更に含み、前記第二機能パターン202は、前記第一機能パターン201とは同じ層で同じ材料になるように設けられ、前記第二機能パターン202は、前記ベース10上に第二段差領域402を形成しており、
前記第一機能膜層301は、前記第二段差領域402を覆っており、
前記第二機能パターン202における前記第二段差領域402に位置する部分は、第二目標勾配角a2を有し、前記第二目標勾配角a2は、前記第一機能膜層301が第二所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記第二所定厚さは、前記第一機能膜層301その自身の機能要件を満たすとともに前記第二段差領域402で破断しない場合、前記第一機能膜層301が有する厚さであり、
前記第二目標勾配角a2は、前記第一目標勾配角a1よりも小さい。
【0065】
具体的に、前記第一機能層20は、第二機能パターン202を更に含んでもよく、前記第二機能パターン202は、前記第一機能パターン201とは同じ層で同じ材料になるように設けられ、即ち、前記第二機能パターン202と前記第一機能パターン201とは、同一パターニングプロセスによって同時に形成することができ、例示的に、前記第一機能パターン201及び前記第二機能パターン202は、何れも、第一ゲート金属層に含まれる第一ゲート金属パターンであり、且つ前記第一機能パターン201と前記第二機能パターン202とは、互いに独立している。
【0066】
前記第二機能層30に含まれる前記第一機能膜層301は、前記第二機能パターン202によって形成された第二段差領域402を覆うことができるため、前記第二機能パターン202の前記第二段差領域402での第二目標勾配角a2を計算する際、前記第一機能膜層301がその自身の機能要件を満たすとともに前記第二段差領域402で破断しない場合の前記第一機能膜層301の対応する厚さを、前記第二所定厚さ、即ち前記式(1)におけるx値とすることが可能である。
【0067】
前記第二機能パターン202が前記第二段差領域402で形成した段差の、前記ベース10に垂直な方向における高さは、前記式(1)におけるy値となる。
【0068】
上記x値、y値及び対応するN値を上記式(1)に代入すると、前記第二機能パターン202の前記第二段差領域402での対応する第二目標勾配角a2が得られる。例示的に、前記第二機能パターン202が第一ゲート金属パターンであり、前記第一機能膜層301が第二ゲート絶縁層である場合、前記式(1)によれば、前記第二目標勾配角a2の範囲が26°~29°になると算出可能である(端点の値を取り得る)。
【0069】
上記実施例によるアレイ基板では、前記第二段差領域402を覆う第一機能膜層301が薄くて、前記第一段差領域401を覆う第二機能層30(即ち前記第一機能膜層301と前記第二機能膜層302)の厚さよりも小さいため、算出された第二目標勾配角a2は、前記第一目標勾配角a1よりも小さくなる。
【0070】
上記実施例によるアレイ基板では、第一機能膜層301がその自身の機能要件を満たすとともに第二段差領域402で破断しないことを保証されつつ、前記第二機能パターン202は、最大の勾配角を有するため、アレイ基板が薄型及び高解像度表示製品へより好適に適用可能であるとともに、アレイ基板の製品歩留まりがより好適に向上され、原材料のコストが削減される。
【0071】
図2に示すように、いくつかの実施例では、前記第一機能層20は、第三機能パターン203を更に含み、前記第三機能パターン203は、前記第一機能膜層301における前記ベース10から離れた側に位置し、前記第三機能パターン203は、前記ベース10上に第三段差領域403を形成しており、
前記第二機能膜層302は、前記第三段差領域403を覆っており、
前記第三機能パターン203における前記第三段差領域403に位置する部分は、第三目標勾配角a3を有し、前記第三目標勾配角a3は、前記第二機能膜層302が第三所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記第三所定厚さは、前記第二機能膜層302がその自身の機能要件を満たすとともに前記第三段差領域403で破断しない場合、前記第二機能膜層302が有する厚さであり、
前記第三目標勾配角a3は、前記第二目標勾配角a2よりも大きく、前記第一目標勾配角a1よりも小さい。
【0072】
具体的に、前記第一機能層20は、第三機能パターン203を更に含んでもよく、例示的に、前記第三機能パターン203は、第二ゲート金属層に含まれる第二ゲート金属パターンである。
【0073】
前記第三機能パターン203は、前記第一機能膜層301における前記ベース10から離れた側に位置し、前記第三機能パターン203は、前記ベース10上に第三段差領域403を形成しており、例示的に、当該第三段差領域403の前記ベース10での正投影は、前記第一機能パターン201の前記ベース10での正投影とオーバーラップせず、且つ前記第二機能パターン202の前記ベース10での正投影とオーバーラップしない。
【0074】
また、前記第三機能パターン203の前記ベース10での正投影と、前記第二機能パターン202の前記ベース10での正投影とがオーバーラップするように設けることで、前記第二機能パターン202と前記第三機能パターン203とがキャパシタ構造を形成できるようにしてもよい。
【0075】
前記第二機能層30に含まれる前記第二機能膜層302は、前記第三機能パターン203によって形成された第三段差領域403を覆うことができるため、前記第三機能パターン203の前記第三段差領域403での第三目標勾配角a3を計算する際、前記第二機能膜層302がその自身の機能要件を満たすとともに前記第三段差領域403で破断しない場合の前記第二機能膜層302の対応する厚さを、前記第三所定厚さ、即ち前記式(1)におけるx値とすることが可能である。
【0076】
前記第三機能パターン203が前記第三段差領域403で形成した段差の、前記ベース10に垂直な方向における高さは、前記式(1)におけるy値となる。
【0077】
上記x値、y値及び対応するN値を上記式(1)に代入すると、前記第三機能パターン203の前記第三段差領域403での対応する第三目標勾配角a3が得られる。例示的に、前記第三機能パターン203が第二ゲート金属パターンであり、前記第二機能膜層302が層間絶縁層である場合、前記式(1)によれば、前記第三目標勾配角a3の範囲が35°~39°になると算出可能である(端点の値を取り得る)。
【0078】
上記実施例によるアレイ基板では、前記第三段差領域403を覆う第一機能膜層301の厚さは、前記第二段差領域402を覆う第一機能膜層301の厚さよりも大きく、且つ前記第一段差領域401を覆う第二機能層30(即ち前記第一機能膜層301と前記第二機能膜層302)の厚さよりも小さいため、算出された前記第三目標勾配角a3は、前記第二目標勾配角a2よりも大きく、前記第一目標勾配角a1よりも小さくなる。
【0079】
上記実施例によるアレイ基板では、第二機能膜層がその自身の機能要件を満たすとともに第三段差領域で破断しないことを保証されつつ、前記第三機能パターンは、最大の勾配角を有するため、アレイ基板が薄型及び高解像度表示製品へより好適に適用可能であるとともに、アレイ基板の製品歩留まりがより好適に向上され、原材料のコストが削減される。
【0080】
図2に示すように、いくつかの実施例では、前記第一機能層20は、第四機能パターン204を含み、前記第四機能パターン204は、前記ベース10から離れる方向に沿って順次に並ぶ少なくとも2つの第四段差領域404を前記ベース10上に形成しており、
前記第二機能層30は、前記第四機能パターン204における前記ベース10から離れた側に設けられた平坦層を含み、前記平坦層は、前記第四機能パターン204を完全に覆っており、
前記第四機能パターン204における各前記第四段差領域404に位置する部分は、対応する第四目標勾配角a4を有し、当該第四目標勾配角a4は、前記平坦層における当該第四目標勾配角a4に対応する第四段差領域404に位置する第一部分が第四所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第四所定厚さは、前記第一部分がその自身の機能要件を満たすとともに当該第四段差領域404で破断しない場合、前記第一部分が前記ベース10に垂直な方向に有する最薄厚さである。
【0081】
具体的に、前記第一機能層20は、第四機能パターン204を更に含んでもよく、例示的に、前記第四機能パターン204は、第一ソース・ドレイン金属層に含まれる第一ソース・ドレイン金属パターンであるか、或いは、前記第四機能パターン204は、第二ソース・ドレイン金属層に含まれる第二ソース・ドレイン金属パターンである。
【0082】
前記第四機能パターン204は、前記ベース10から離れる方向に沿って順次に並ぶ少なくとも2つの第四段差領域404を前記ベース10上に形成しており、例示的に、当該少なくとも2つの第四段差領域404のうち、前記ベース10に最も近い第四段差領域404は、前記第四機能パターン204の縁部分自体によって形成された段差領域であり、当該段差領域を除き、前記ベース10から離れた他の第四段差領域404は、何れも、前記第四機能パターン204が下地段差を覆っていることで形成された第四段差領域404である。
【0083】
前記第二機能層30は、前記第四機能パターン204における前記ベース10から離れた側に設けられた平坦層を更に含み、前記平坦層は、前記第四機能パターン204を完全に覆うことができ、即ち、前記第四機能パターン204によって形成された第四段差領域404を完全に覆うことができ、前記平坦層の役割は、その下方の段差を埋めて、平坦層における前記ベース10から離れた表面を平坦化することであるため、前記ベース10に垂直な方向では、前記平坦層の厚さは、領域によって異なる。そうなると、異なる第四段差領域404に位置する第四目標勾配角a4を計算する際、式(1)におけるx値について、異なる値を取ることで、前記第四機能パターン204における各前記第四段差領域404に位置する部分が、対応する第四目標勾配角a4を有するようにすべきである。
【0084】
より具体的に、図2に示すように、前記第四機能パターン204の縁部分によって形成された第四段差領域404を例にすると、当該第四段差領域404に対応する第四目標勾配角a4は、前記平坦層における当該第四段差領域404を覆う第一部分が第四所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第四所定厚さは、前記第一部分がその自身の機能要件を満たすとともに当該第四段差領域404で破断しない場合、前記第一部分が前記ベース10に垂直な方向に有する最薄厚さ、即ち図2におけるd1である。
【0085】
当該第四段差領域404に対応する第四目標勾配角a4を計算する際、前記第一部分が前記ベース10に垂直な方向に有する最薄厚さd1を、前記第四所定厚さ、即ち前記式(1)におけるx値とすることが可能である。前記第四機能パターン204が当該第四段差領域404で形成した段差の、前記ベース10に垂直な方向における高さd4は、前記式(1)におけるy値となる。上記x値、y値及び対応するN値を上記式(1)に代入すると、前記第四機能パターン204の当該第四段差領域404での対応する第四目標勾配角a4が得られる。
【0086】
上記実施例によるアレイ基板では、平坦層がその自身の機能要件を満たすとともに第四段差領域404で破断しないことを保証されつつ、前記第四機能パターン204は、最大の勾配角を有するため、アレイ基板が薄型及び高解像度表示製品へより好適に適用可能であるとともに、アレイ基板の製品歩留まりがより好適に向上され、原材料のコストが削減される。
【0087】
図2に示すように、いくつかの実施例では、前記第一機能層20は、第一機能パターン201を含み、前記第一機能パターン201は、前記ベース10上に第一段差領域401を形成しており、
前記第二機能層30は、前記第一機能パターン201における前記ベース10から離れた側に設けられた第一機能膜層301と、前記第一機能膜層301における前記ベース10から離れた側に設けられた第二機能膜層302とを含み、前記第一機能膜層301及び前記第二機能膜層302は、何れも前記第一段差領域401を覆っており、
前記第四機能パターン204は、前記第二機能膜層302における前記ベース10から離れた側に位置し、前記第四機能パターン204は、前記第一段差領域401を覆っている。
【0088】
具体的に、図2に示す構造から見れば、前記第四機能パターン204は、前記第二機能膜層302における前記ベース10から離れた側に位置し、且つ前記第四機能パターン204は、前記第一段差領域401を覆っているため、前記第四機能パターン204によって、2つの第四段差領域404が形成され、一方の第四段差領域404は、第四機能パターン204の縁部分に位置し、他方の第四段差領域404の前記ベース10での正投影は、前記第一段差領域401の前記ベース10での正投影とオーバーラップしている。
【0089】
例示的に、前記第四機能パターン204が第一ソース・ドレイン金属パターンであり、前記第二機能層30が平坦層である場合、前記式(1)によれば、前記第四機能パターン204の縁部分に対応する第四目標勾配角a4の範囲が60°~75°になると算出可能である(端点の値を取り得る)。
【0090】
説明すべきなのは、平坦層の厚さは比較的厚く、一般的に2um~4umであり、それに、使用されるコーティング(Coating)プロセスでは、反応液(例えば、現像液)の大きな勾配角での反応は、金属勾配角の影響を受けることにより、不十分な反応となるため、式(1)に代入して計算する際、Nの値は、無機層の場合に比べて小さくなる。
【0091】
留意されたいのは、図2に示す構造では、第二機能膜層302及び平坦層の両方は、前記第三段差領域403を覆っているが、前記第二機能膜層302に使用される材料が一般的に無機材料であり、前記平坦層に使用される材料が一般的に有機材料であり、両者の製作プロセスが異なるため、式(1)におけるNは、異なることになる。例えば、前記第平坦層は、コーティングプロセスで製作されるのに対して、前記第二機能膜層302は、プラズマ強化化学気相成長法で製作されるため、前記第三機能パターンの前記第三段差領域403での対応する第三目標勾配角a3を計算する際、第二機能膜層302及び平坦層の厚さを加算して式(1)に代入することができない。
【0092】
図3に示すように、いくつかの実施例では、前記平坦層は、第一平坦層PLN1及び第二平坦層PLN2を含み、前記第一機能層は、別の第四機能パターン204’を更に含み、前記別の第四機能パターン204’は、前記第一平坦層PLN1における前記ベース10から離れた側に位置し、且つ前記別の第四機能パターン204’は、前記ベース10上に別の第四段差領域404’を形成しており、前記別の第四機能パターン204’における前記別の第四段差領域404’に位置する部分は、別の第四目標勾配角a4’を有し、前記第二平坦層PLN2は、前記別の第四機能パターン204’を覆っている。
【0093】
具体的に、前記アレイ基板が上記構造である場合、前記別の第四機能パターン204’は、具体的に、第二ソース・ドレイン金属パターンであってもよく、第一平坦層PLN1で覆われた下層膜層構造は、一部の位置で十分に平らでないことによって、前記第一平坦層PLN1におけるベース10から離れた表面に波打ち現象が存在するため、前記第一平坦層PLN1における前記ベース10から離れた側に形成された前記別の第四機能パターン204’は、別の第四段差領域404’を複数形成している(図中では、1つだけ示されている)。
【0094】
例示的に、前記第四機能パターン204’が第二ソース・ドレイン金属パターンであり、前記第二機能層30が第二平坦層PLN2である場合、前記式(1)によれば、前記第四機能パターン204’の縁部分に対応する第四目標勾配角a4’の範囲が60°~85°になると算出可能である(端点の値を取り得る)。
【0095】
図4に示すように、いくつかの実施例では、前記第一機能層20は、前記ベース10から離れる方向に沿って順次に積層して設けられた第五機能パターン205及び第六機能パターン206を含み、
前記第二機能層30は、前記第五機能パターン205と前記第六機能パターン206との間に設けられた第二機能膜層302、及び、前記第六機能パターン206における前記ベース10から離れた側に設けられた平坦層PLNを含み、前記第二機能膜層302に第一ビアホールが設けられ、前記第二機能膜層302は、前記第一ビアホールの縁に第五段差領域405を形成しており、
前記第六機能パターン206は、前記第一ビアホールを介して前記第五機能パターン205に接続され、前記第六機能パターン206は、前記第五段差領域405を覆い、前記第五段差領域405に対応する位置に第六段差領域406を形成しており、
前記第二機能膜層302における前記第五段差領域405に位置する部分は、第五目標勾配角a5を有し、
前記第六機能パターン206における前記第六段差領域406に位置する部分は、第六目標勾配角a6を有し、前記第六目標勾配角a6は、前記平坦層における前記第六段差領域406に位置する第二部分が第六所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第六所定厚さは、前記第二部分がその自身の機能要件を満たすとともに前記第六段差領域406で破断しない場合の最薄厚さであり、
前記第二機能膜層302の前記第五段差領域405での勾配角a5は、前記第六目標勾配角a6に略等しい。
【0096】
例示的に、前記第五機能パターン205は、第二ゲート金属パターンとされてもよく、前記第五ゲート金属パターンと前記ベース10との間には、第一ゲート金属パターン60が設けられていてもよく、前記第六機能パターン206は、第一ソース・ドレイン金属パターンとされてもよい。
【0097】
前記第二機能膜層302は、前記第五機能パターン205と前記第六機能パターン206との間に設けられた第二機能膜層302、及び、前記第六機能パターン206における前記ベース10から離れた側に設けられた平坦層を含んでもよく、前記第二機能膜層302は、層間絶縁層とされてもよく、前記第二機能膜層302に第一ビアホールが設けられており、前記第二機能膜層302は、前記第一ビアホールの縁に第五段差領域405を形成することができる。
【0098】
前記第六機能パターン206は、前記第一ビアホールを介して前記第五機能パターン205に接続されるため、前記第六機能パターン206は、前記第一ビアホールの縁を覆い、前記第一ビアホール縁に形成された前記第五段差領域405を更に覆い、且つ前記第五段差領域405に対応する位置に第六段差領域406を形成している。
【0099】
より具体的に、図4に示すように、前記第六段差領域406に対応する第六目標勾配角a6は、前記平坦層における当該第六段差領域406を覆う第二部分が第六所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第六所定厚さは、前記第二部分がその自身の機能要件を満たすとともに当該第六段差領域406で破断しない場合の最薄厚さ、即ち図4におけるd2である。
【0100】
当該第六段差領域406に対応する第六目標勾配角a6を計算する際、前記第二部分が前記ベース10に垂直な方向に有する最薄厚さd2を、前記第六所定厚さ、即ち前記式(1)におけるx値とすることが可能である。前記第六機能パターン206が当該第六段差領域406で形成した段差の、前記ベース10に垂直な方向における高さd6は、前記式(1)におけるy値となる。上記x値、y値及び対応するN値を上記式(1)に代入すると、前記第六機能パターン206の当該第六段差領域406での対応する第六目標勾配角a6が得られる。
【0101】
説明すべきなのは、前記第六機能パターン206が第一ソース・ドレイン金属パターンである場合、金属の破断靭性が高くてビアホールで破断し難く、それに、平坦層の厚さが割に厚いため、算出された第六目標勾配角a6が大きくなり、その範囲がおおよそ60°~85°になる(端点の値を含み得る)。
【0102】
前記第六目標勾配角a6は、エッチングにより形成されたものではなく、前記第五段差領域405を覆っていることで形成されたものであり、即ち、前記第六機能パターン206の第六段差領域406での対応する勾配角は、覆われた第五機能パターン205の第五段差領域405での対応する勾配角によって決定されるものであり、前記第六機能パターン206の第六段差領域406での対応する勾配角は、前記第五機能パターン205の第五段差領域405での対応する勾配角a5と略同じである。したがって、前記第六目標勾配角a6の角度値を算出した後、前記第五機能パターン205の前記第五段差領域405での対応する勾配角が当該角度値になるように製作することが可能である。こうすれば、その後に形成される第六機能パターン206は、前記第六段差領域406で当該角度値を自然に持つことが可能となる。
【0103】
上記実施例によるアレイ基板では、平坦層がその自身の機能要件を満たすとともに第六段差領域406で破断しないことを保証されつつ、前記第六機能パターン206は、最大の勾配角を有するため、アレイ基板が薄型及び高解像度表示製品へより好適に適用可能であるとともに、アレイ基板の製品歩留まりがより好適に向上され、原材料のコストが削減される。
【0104】
図5及び図6に示すように、いくつかの実施例では、前記第一機能層20は、
前記ベース10上に設けられた第七機能パターン207であって、前記ベース10上に第七段差領域407を形成している第七機能パターン207と、
前記第七機能パターン207における前記ベース10から離れた側に設けられた第八機能パターン208であって、前記第七段差領域407を覆う第三部分2083、前記第七機能パターン207における前記第七段差領域407に位置する部分以外の残り部分を覆う第四部分2084、及び、前記第七機能パターン207を覆わない第五部分2085を含む第八機能パターン208と、
前記第八機能パターン208における前記ベース10から離れた側に設けられた平坦層PLNであって、前記平坦層PLNに第二ビアホールが設けられ、前記第二ビアホールの前記ベース10での正投影は、前記第八機能パターン208の前記ベース10での正投影の内部に位置し、前記平坦層は、前記第二ビアホールの縁に第八段差領域408及び第九段差領域409を形成しており、前記第八段差領域408の前記ベース10での正投影と、前記第四部分2084の前記ベース10での正投影とはオーバーラップしており、前記第九段差領域409の前記ベース10での正投影と、前記第五部分2085の前記ベース10での正投影とはオーバーラップしている平坦層PLNとを含み、
前記第二機能層30は、第二機能膜層302及び第九機能パターン209を含み、前記第二機能膜層302は、前記第七機能パターン207と前記第八機能パターン208との間に位置し、前記第九機能パターン209は、前記平坦層における前記ベース10から離れた側に位置し、且つ前記第二ビアホールを介して前記第八機能パターン208に接続され、前記第九機能パターン209は、前記第八段差領域408及び前記第九段差領域409を覆っており、前記第九機能パターン209厚さは均一であり、
前記平坦層における前記第八段差領域408に位置する部分は、第八目標勾配角a8を有し、前記第八目標勾配角a8は、前記第九機能パターン209が第八所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第八所定厚さは、前記第九機能パターン209がその自身の機能要件を満たすとともに前記第八段差領域408で破断しない場合の厚さであり、
前記平坦層における前記第九段差領域409に位置する部分は、第九目標勾配角a9を有し、前記第九目標勾配角a9は、前記第九機能パターン209が第九所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第九所定厚さは、前記第九機能パターン209がその自身の機能要件を満たすとともに前記第九段差領域409で破断しない場合の厚さである。
【0105】
具体的に、前記第七機能パターン207は、第二ゲート金属パターンとされてもよく、前記第八機能パターン208は、第一ソース・ドレイン金属パターンとされてもよく、前記第九機能パターン209は、陽極パターンとされてもよく、前記第二機能膜層302は、層間絶縁層とされてもよい。
【0106】
図6に示すように、前記第八機能パターン208は、前記第七段差領域407を覆う第三部分2083、前記第七機能パターン207における前記第七段差領域407に位置する部分以外の残り部分を覆う第四部分2084、及び、前記第七機能パターン207を覆わない第五部分2085を含み、前記ベース10に垂直な方向では、前記第四部分2084における前記ベース10から離れた表面の第一高さは、前記第五部分2085における前記ベース10から離れた表面の第二高さよりも高く、前記第三部分2083における前記ベース10から離れた表面は、斜面を含み、前記ベース10に垂直な方向における当該斜面の第三高さは、前記第一高さと前記第二高さとの間である。
【0107】
前記平坦層は、前記第八機能パターン208における前記ベース10から離れた側に位置し、且つ前記第八機能パターン208を完全に覆うことができ、前記第八機能パターン208は、異なる部分では、対応する高さが異なるため、異なる部分上に位置する前記平坦層は、異なる厚さを有することになり、即ち、第四部分2084上に位置する平坦層の、前記ベース10に垂直な方向における厚さは、前記第五部分2085上に位置する平坦層の、前記ベース10に垂直な方向における厚さよりも小さくなる。
【0108】
前記平坦層に前記第二ビアホールが形成されており、前記第二ビアホールの前記ベース10での正投影は、前記第八機能パターン208の前記ベース10での正投影の内部に位置し、例示的に、前記第二ビアホールの前記ベース10での正投影は、前記第三部分2083の前記ベース10での正投影、前記第四部分2084の前記ベース10での正投影、及び、前記第五部分2085の前記ベース10での正投影とそれぞれオーバーラップすることができる。
【0109】
前記平坦層は、前記第二ビアホールの縁に第八段差領域408及び第九段差領域409を形成しており、例示的に、前記第八段差領域408の前記ベース10での正投影と、前記第四部分2084の前記ベース10での正投影とはオーバーラップしており、前記第九段差領域409の前記ベース10での正投影と、前記第五部分2085の前記ベース10での正投影とはオーバーラップしている。
【0110】
前記第九機能パターン209は、前記平坦層における前記ベース10から離れた側に位置し、且つ前記第二ビアホールを介して前記第八機能パターン208に接続可能であり、前記第九機能パターン209は、前記第八段差領域408及び前記第九段差領域409を覆っており、前記第八機能パターン208と前記第九機能パターン209との間に形成されたコンタクト領域の前記ベース10での正投影は、前記第三部分2083の前記ベース10での正投影、前記第四部分2084の前記ベース10での正投影、及び、前記第五部分2085の前記ベース10での正投影とそれぞれオーバーラップすることができる。
【0111】
図5に示すように、前記平坦層における前記第八段差領域408に位置する部分は、第八目標勾配角a8を有し、前記第八目標勾配角a8は、前記第九機能パターン209が第八所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第八所定厚さは、前記第九機能パターン209がその自身の機能要件を満たすとともに前記第八段差領域408で破断しない場合の厚さである。
【0112】
より具体的に、図5に示すように、前記第八段差領域408に対応する第八目標勾配角a8は、前記第九機能パターン209が第八所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第八所定厚さは、前記第九機能パターン209がその自身の機能要件を満たすとともに前記第八段差領域408で破断しない場合の厚さである。当該第八段差領域408に対応する第八目標勾配角a8を計算する際、前記第九機能パターン209の厚さを式(1)におけるx値とし、前記平坦層が第八段差領域408で形成した段差の、前記ベース10に垂直な方向における高さd8を、前記式(1)におけるy値とする。上記x値、y値及び対応するN値を上記式(1)に代入すると、前記平坦層の当該第八段差領域408での対応する第八目標勾配角a8が得られ、例示的に、前記第八目標勾配角a8の値範囲は、40°~50°となる(端点の値を含み得る)。
【0113】
図6に示すように、前記第九段差領域409に対応する第九目標勾配角a9は、前記第九機能パターン209が第九所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、当該第九所定厚さは、前記第九機能パターン209がその自身の機能要件を満たすとともに前記第九段差領域409で破断しない場合の厚さである。当該第九段差領域409に対応する第九目標勾配角a9を計算する際、前記第九機能パターン209の厚さを式(1)におけるx値とし、前記平坦層が第九段差領域409で形成した段差の、前記ベース10に垂直な方向における高さd9を、前記式(1)におけるy値とする。上記x値、y値及び対応するN値を上記式(1)に代入すると、前記平坦層の当該第九段差領域409での対応する第九目標勾配角a9が得られ、例示的に、前記第九目標勾配角a9の値範囲は、35°~45°になる(端点の値を含み得る)。
【0114】
さらには、図6に示すように、第八目標勾配角a8は、第九目標勾配角a9よりも大きく、d8がd9よりも小さいため、前記第九機能パターン209が前記第八段差領域408で破断するリスクは小さい。また、前記第八目標勾配角a8の値範囲とd8とは、正の相関にあるとともに、前記第九目標勾配角a9の値範囲とd9とは、正の相関にある。
【0115】
上記実施例によるアレイ基板では、第九機能パターン209がその自身の機能要件を満たすとともに第八段差領域408及び第九段差領域409で何れも破断しないことを保証されつつ、前記平坦層は、前記第二ビアホールの縁に最大の勾配角を有するため、アレイ基板が薄型及び高解像度表示製品へより好適に適用可能であるとともに、アレイ基板の製品歩留まりがより好適に向上され、原材料のコストが削減される。
【0116】
図7に示すように、いくつかの実施例では、前記第七機能パターン207の前記ベース10での正投影と、前記第八機能パターン208の前記ベース10での正投影とは、第一オーバーラップ領域を形成しており、前記第一オーバーラップ領域は、第一方向に沿って第一寸法H1を有し、
前記第八機能パターン208における前記第一オーバーラップ領域に位置しない部分は、前記第一方向に沿って第二寸法H2を有し、
前記第九機能パターン209と前記第八機能パターン208とは、第一コンタクト領域を形成しており、前記第一方向に沿って、前記第一コンタクト領域の境界(例えばC点位置)と前記第八機能パターン208の第一端(例えばA点位置)との間の最小距離は第一間隔L1であり、前記第一コンタクト領域の境界(例えばD点位置)と前記第八機能パターン208の第二端(例えばB点位置)との間の最小距離は第二間隔L2であり、前記第一端と前記第二端とは、前記第一方向に沿って対向しており、前記第一端の前記ベース10での正投影と、前記第七機能パターン207とはオーバーラップしており、前記第二端の前記ベース10での正投影と、前記第七機能パターン207とはオーバーラップしておらず、
前記第一寸法H1と前記第二寸法H2との間の差に対応する第一絶対値は、前記第一間隔L1と前記第二間隔L2との間の差に対応する第二絶対値に正比例する。
【0117】
具体的に、図7に示すように、前記第一方向は、前記第七機能パターン207における前記第七段差領域407に位置する斜面上での前記第八機能パターン208の最短這い上がり方向F1が前記ベース10上へ投影された方向とされてもよい。
【0118】
前記第一寸法H1と前記第二寸法H2との間の差に対応する第一絶対値は、前記第一間隔L1と前記第二間隔L2との間の差に対応する第二絶対値に正比例し、即ち|L1-L2|=M・k|H1-H2|であり、Mは、前記第八機能パターン208の直下の機能パターン(例えば、金属パターン)の数量であり、kは、0.01~10の値とされ(端点の値を含み得る)、kは、第七機能パターン207と第八機能パターン208との、ベースに垂直な方向における重なり位置関係を表すものであり、kは、第七目標勾配角a7、第八目標勾配角a8等の角度、第七機能パターン207の分布及び第八機能パターン208の分布に関連している。
【0119】
H1-H2の絶対値の最大値は、前記第八機能パターン208の前記第一方向に沿う第一幅であり、L1-L2の絶対値の最大値は、前記第一幅から、前記第一コンタクト領域の前記第一方向に沿う第二幅を差し引いた値であり、前記第二幅が前記第一幅の9/10を取る場合、L2が0であれば、L1-L2は、前記第一幅の1/10に等しくなる。留意されたいのは、L1-L2の最小値は0、H1-H2の最小値は0である。
【0120】
例示的に、M=1、L1-L2=0.01μm、H1-H2=0.1μm、k=0.1となるように設定されてもよい。
【0121】
例示的に、M=1、L1-L2=0.019μm、H1-H2=0.2μm、k=0.1となるように設定されてもよい。
【0122】
例示的に、M=1、L1-L2=0.032μm、H1-H2=0.3μm、k=0.11となるように設定されてもよい。
【0123】
例示的に、M=1、L1-L2=0.042μm、H1-H2=0.4μm、k=0.1となるように設定されてもよい。
【0124】
例示的に、M=1、L1-L2=0.05μm、H1-H2=0.5μm、k=0.1となるように設定されてもよい。
【0125】
上記実施例によるアレイ基板では、H1、H2、L1及びL2を合理的に調節することで、前記第九機能パターン209と前記第八機能パターン208との良好なコンタクト性能を保証するとともに、前記第七目標勾配角a7、第八目標勾配角a8及び前記第九目標勾配角a9を最小化することができるため、薄型や高解像度の表示装置への前記アレイ基板の適用により有利となる。
【0126】
図7に示すように、いくつかの実施例では、前記第一間隔L1と前記第二間隔L2との間の差に対応する第二絶対値は、前記第一間隔L1と前記第八機能パターン208の前記第一方向に沿う第一幅(即ちH1+H2)の比に正比例する。
【0127】
いくつかの実施例では、前記第一寸法H1が前記第一間隔L1よりも大きい場合、前記第八目標勾配角a8は、前記第九目標勾配角a9よりも大きいか、或いは、前記第八目標勾配角a8と前記第九目標勾配角a9との間の差は、前記第一寸法H1に正比例する。
【0128】
いくつかの実施例では、前記第八目標勾配角a8と前記第九目標勾配角a9との間の差は、前記第七機能パターン207が前記第七段差領域407に有する第七目標勾配角a7よりも小さく、前記第七目標勾配角a7は、前記第二機能膜層302が第七所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記第七所定厚さは、前記第二機能膜層302がその自身の機能要件を満たすとともに前記第七段差領域407で破断することのない厚さである。
【0129】
上記実施例によるアレイ基板では、H1、H2、L1及びL2を合理的に調節することで、前記第九機能パターン209と前記第八機能パターン208との良好なコンタクト性能を保証するとともに、前記第七目標勾配角a7、第八目標勾配角a8及び前記第九目標勾配角a9を最小化することができるため、薄型や高解像度の表示装置への前記アレイ基板の適用により有利となる。
【0130】
前記第七目標勾配角a7を計算する際、前記第二機能膜層302の厚さを式(1)におけるxへ代入し、前記第七機能パターン207の、前記ベース10に垂直な方向における厚さを式(1)におけるyへ代入することが可能であり、更に、適切なN値を選択すると、前記第七目標勾配角a7の角度値が得られる。
【0131】
図8に示すように、いくつかの実施例では、前記アレイ基板は、キャパシタ構造を含み、
前記第一機能層20は、前記キャパシタ構造の第一電極板を含み、前記第一電極板は、前記ベース10上に電極板段差領域を形成しており、
前記第二機能層30は、前記第一電極板における前記ベース10から離れた側に位置する媒質層を含み、前記媒質層は、前記第一電極板を完全に覆っており、前記第一電極板における前記電極板段差領域に位置する部分は、電極板目標勾配角を有し、前記電極板目標勾配角は、前記媒質層が第十所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記第十所定厚さは、前記媒質層がその自身の機能要件を満たすとともに前記電極板段差領域で破断することのない厚さであり、
前記キャパシタ構造の第二電極板は、前記媒質層における前記ベース10から離れた側に位置し、前記第二電極板の前記ベース10での正投影と、前記第一電極板の前記ベース10での正投影とは、第一オーバーラップ領域を形成しており、前記第二電極板は、前記電極板段差領域を覆っている。
【0132】
具体的に、前記アレイ基板には、複数のキャパシタ構造が含まれてもよく、これらのキャパシタ構造は、アレイ基板に含まれる画素駆動回路に適用されてもよいし、アレイ基板におけるゲート駆動回路に適用されてもよいが、これに限定されない。
【0133】
説明すべきなのは、キャパシタ構造の帯電量Qが1クーロンである場合、キャパシタ構造の両電極板間の電位差Uは1ボルトとなり、キャパシタ構造の容量Cは1ファラッドとなり、即ちC=Q/Uという関係式を満たす。しかし、キャパシタ構造の容量の大きさは、Q又はUによって決定されるものではなく、容量の大きさの決定式は、C=εS/(4πkd)であり、ここで、εは電極板間媒質の誘電率、Sはキャパシタ構造の第一電極板と第二電極板との正対面積、dはキャパシタ構造の第一電極板と第二電極板との間の距離、kは静電定数である。よく見かける平行板コンデンサは、容量がC=εS/dである。
【0134】
前記キャパシタ構造の第一電極板は、第一ゲート金属パターンとされてもよく、前記キャパシタ構造の第二電極板は、第二ゲート金属パターンとされてもよく、前記媒質層は、第二ゲート絶縁層とされてもよいが、これに限定されない。
【0135】
前記第一機能層20は、前記キャパシタ構造の第一電極板を含み、前記第二機能層30は、前記第一電極板における前記ベース10から離れた側に位置する媒質層を含むように設ければ、前記第一電極板における前記電極板段差領域に位置する部分が有する電極板目標勾配角を計算する際、式(1)におけるxとして前記媒質層の厚さを代入し、式(1)におけるyとして前記第一電極板が形成した段差の高さを代入し、KICとして媒質層の破断靭性パラメータを代入し、Wとして媒質層の形成プロセス方法及び具体的な層間構造等に関連する経験値を代入することが可能であり、例示的に、Wは、0.4~2.2の値とされ(端点値を含み得る)、zは、1~1.1の値とされ、単位がMpa^-1・m^-1/2である。
【0136】
説明すべきなのは、前記媒質層の厚さは、実際の必要に応じて、均一又は非均一に設定可能であり、前記媒質層の厚さが均一である場合、xとして媒質層の厚さをそのまま代入可能であり、媒質層の厚さが非均一である場合、xとして、媒質層における前記電極板段差領域に位置する部分の、前記ベース10に垂直な方向における最小厚さを代入可能である。また、前記媒質層がその自身の機能要件を満たすとは、前記媒質層は、前記第一電極板と前記第二電極板とが互いに絶縁されるのを保証できること、及び/又は、前記媒質層は、前記キャパシタ構造の容量値要求を満たせることを指す。また、前記キャパシタ構造の容量値は、前記第一電極板と前記第二電極板との正対面積に関連しており、当該正対面積とは、前記第一電極板の前記ベース上での正投影と前記第二電極板の前記ベース上での正投影とによって形成された第一オーバーラップ領域の面積である。
【0137】
上記のように、前記第一電極板における前記電極板段差領域に位置する部分は、電極板目標勾配角を有するように設けることで、前記第一電極板は、前記媒質層がその自身の機能要件を満たすとともに前記電極板段差領域で破断しないことを保証しつつ、最大の勾配角を実現している。
【0138】
更に、前記第一電極板の勾配角が大きく設定される場合、前記第二電極板が前記電極板段差領域を覆うと、前記第二電極板と前記第一電極板とのオーバーラップ面積をより大きく設定することで、前記電極板段差領域で前記第二電極板が前記第一電極板上により好適に乗り上げることができ、前記第一電極板から剥離され難くなることを保証する必要がある。したがって、前記アレイ基板を上記構造に設定することで、前記第一電極板と前記第二電極板との間の正対面積が増加し、前記キャパシタ構造の容量値のより好適な向上に役立つ。
【0139】
説明すべきなのは、上記「前記第二電極板と前記第一電極板とのオーバーラップ面積をより大きく設定する」具体的な方式は様々であり、例示的に、図8に示すように、前記第二電極板のd3長さを増加させてもよいし、又は、d3長さに垂直な方向における第二電極板の寸法を増加させてもよい。
【0140】
図8図10に示すように、いくつかの実施例では、前記キャパシタ構造は、第一キャパシタ構造、第二キャパシタ構造及び第三キャパシタ構造を含み、前記第一キャパシタ構造の容量値は、前記第二キャパシタ構造の容量値よりも大きく、及び/又は、前記第一キャパシタ構造の容量値は、前記第三キャパシタ構造の容量値よりも大きく、
前記第一キャパシタ構造の第一電極板C1aに対応する電極板目標勾配角b1は、前記第二キャパシタ構造の第一電極板C2aに対応する電極板目標勾配角b3よりも大きく、及び/又は、前記第一キャパシタ構造の第一電極板C1aに対応する電極板目標勾配角b1は、前記第三キャパシタ構造の第一電極板C3aに対応する電極板目標勾配角b5よりも大きい。
【0141】
具体的に、前記アレイ基板に含まれるキャパシタ構造の具体的な数量は、実際の必要に応じて設定可能であり、例示的に、前記キャパシタ構造は、第一キャパシタ構造、第二キャパシタ構造及び第三キャパシタ構造を含み、アレイ基板がOLED表示装置に適用される例を挙げると、表示装置に含まれる各画素ユニートが何れも、隣接する赤サブ画素、緑サブ画素及び青サブ画素を含む場合、前記赤サブ画素に前記第一キャパシタ構造が含まれ、前記緑サブ画素に前記第二キャパシタ構造が含まれ、前記青サブ画素に前記第三キャパシタ構造が含まれるように設けてもよい。
【0142】
また、図11に示すように、前記第一キャパシタ構造は、表示装置の表示領域に位置し、前記第二キャパシタ構造及び前記第三キャパシタ構造は、表示装置の周辺領域に位置するように設置されてもよく、この設置方式において、隣接する第一キャパシタ構造と第二キャパシタ構造との間の距離L3は、隣接する第二キャパシタ構造と第三キャパシタ構造との間の距離L4よりも大きくなるように設定されてもよい。
【0143】
説明すべきなのは、前記第一キャパシタ構造の第一電極板C1a、前記第二キャパシタ構造の第一電極板C2a及び前記第三キャパシタ構造の第一電極板C3aは、同じ層で同じ材料になるように設けられてもよいし、同じ層で同じ材料にならないように設けられてもよい。同様に、前記第一キャパシタ構造の第二電極板C1b、前記第二キャパシタの第二電極板C2b及び前記第三キャパシタ構造の第二電極板C3bは、同じ層で同じ材料になるように設けられてもよいし、同じ層で同じ材料にならないように設けられてもよい。例示的に、前記第一キャパシタ構造の第一電極板C1a、前記第二キャパシタ構造の第一電極板C2a及び前記第三キャパシタ構造の第一電極板C3aは、何れもアレイ基板における第一ゲート金属層によって製作され、前記第一キャパシタ構造の第二電極板C1bは、アレイ基板における第二ゲート金属層によって製作され、前記第二キャパシタの第二電極板C2b及び前記第三キャパシタ構造の第二電極板C3bは、何れもアレイ基板におけるソース・ドレイン金属層によって製作される。
【0144】
前記第一キャパシタ構造の容量値は、前記第二キャパシタ構造の容量値よりも大きく、及び/又は、前記第一キャパシタ構造の容量値は、前記第三キャパシタ構造の容量値よりも大きくなるように設定する場合、具体的に、前記第一キャパシタ構造の第一電極板C1aに対応する電極板目標勾配角b1は、前記第二キャパシタ構造の第一電極板C2aに対応する電極板目標勾配角b3よりも大きく、及び/又は、前記第一キャパシタ構造の第一電極板C1aに対応する電極板目標勾配角b1は、前記第三キャパシタ構造の第一電極板C3aに対応する電極板目標勾配角b5よりも大きくなるように設定することで実現してもよい。
【0145】
より具体的に、前記第一キャパシタ構造の第一電極板C1aに対応する電極板目標勾配角b1は、前記第二キャパシタ構造の第一電極板C2aに対応する電極板目標勾配角b3よりも大きくなるように設定される場合、前記第一キャパシタ構造における第一電極板C1aの前記ベース上での正投影と第二電極板C1bの前記ベース上での正投影によって形成されたオーバーラップ領域の面積は、前記第二キャパシタ構造における前記第一電極板C2aの前記ベース上での正投影と前記第二電極板C2bの前記ベース上での正投影とによって形成されたオーバーラップ領域の面積よりも大きくなることを実現できるため、前記第一キャパシタ構造の容量値は、前記第二キャパシタ構造の容量値よりも大きくなることが実現される。
【0146】
いくつかの実施例では、前記第一キャパシタ構造に対応する第一媒質層701の、前記ベース10に垂直な方向における厚さは、前記第二キャパシタ構造に対応する第二媒質層702の、前記ベース10に垂直な方向における厚さよりも小さく、及び/又は、前記第一キャパシタ構造に対応する第一媒質層701の、前記ベース10に垂直な方向における厚さは、前記第三キャパシタ構造に対応する第三媒質層703の、前記ベース10に垂直な方向における厚さよりも小さくなるように設定されてもよい。
【0147】
具体的に、前記第一電極板と前記第二電極板との間の媒質層の厚さが小さいほど、キャパシタ構造の容量値が大きくなるため、前記第一キャパシタ構造に対応する第一媒質層701の、前記ベース10に垂直な方向における厚さは、前記第二キャパシタ構造に対応する第二媒質層702の、前記ベース10に垂直な方向における厚さよりも小さくなるように設定することで、前記第一キャパシタ構造の容量値は、前記第二キャパシタ構造の容量値よりも大きくなることを実現可能であり、及び/又は、前記第一キャパシタ構造に対応する第一媒質層701の、前記ベース10に垂直な方向における厚さは、前記第三キャパシタ構造に対応する第三媒質層703の、前記ベース10に垂直な方向における厚さよりも小さくなるように設定することで、前記第一キャパシタ構造の容量値は、前記第三キャパシタ構造の容量値よりも大きくなることを実現可能である。
【0148】
例示的に、図11に示すように、前記第一媒質層701の厚さは、前記第二媒質層702の厚さよりも小さく、前記第二媒質層702の厚さは、前記第三媒質層703の厚さよりも小さくなるように設定されてもよい。さらには、前記第二媒質層702の厚さと前記第一媒質層701の厚さとの間の差は、1500Å~5000Åになるように設定されてもよい(端点の値を含み得る)。
【0149】
いくつかの実施例では、前記第一キャパシタ構造の第二電極板C1bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b2は、前記第二キャパシタ構造の第二電極板C2bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b4よりも大きく、及び/又は、前記第一キャパシタ構造の第二電極板C1bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b2は、前記第三キャパシタ構造の第二電極板C3bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b6よりも大きくなるように設定されてもよい。
【0150】
具体的に、前記第二電極板における、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角が大きいほど、当該第二電極板と、対応する第一電極板との間に形成された正対面積が大きくなることで、当該第二電極板によって形成されたキャパシタ構造の容量値が大きくなるため、前記第一キャパシタ構造の第二電極板C1bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b2は、前記第二キャパシタ構造の第二電極板C2bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b4よりも大きくなるように設定することで、前記第一キャパシタ構造の容量値を第二キャパシタ構造の容量値よりも大きくすることが可能であり、前記第一キャパシタ構造の第二電極板C1bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b2は、前記第三キャパシタ構造の第二電極板C3bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b6よりも大きくなるように設定することで、前記第一キャパシタ構造の容量値を第三キャパシタ構造の容量値よりも大きくすることが可能である。
【0151】
以上から、キャパシタ構造の容量値を設定する場合、第一電極板の電極板目標勾配角、第二電極板における、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角、及び、第一電極板と第二電極板との間の媒質層の厚さを調節することで、キャパシタ構造の容量値の調節を実現することが可能である。
【0152】
例示的に、前記第一キャパシタ構造における第一電極板C1aに対応する電極板目標勾配角b1は、30°~55°になり、前記第一キャパシタ構造の第二電極板C1bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b2は、35°~85°になり、電極板目標勾配角b1と勾配角b2との間の角度差は、12°~30°になるように設定されてもよく、前記第二キャパシタ構造における第一電極板C2aに対応する電極板目標勾配角b3は、28°~52°になるように設定されてもよく、前記第三キャパシタ構造における第一電極板C3aに対応する電極板目標勾配角b5は、25°~50°になるように設定されてもよい。
【0153】
例示的に、前記第一キャパシタ構造における第一電極板C1aに対応する電極板目標勾配角b1は、30°~55°になり、前記第一キャパシタ構造の第二電極板C1bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b2は、45°~85°になり、電極板目標勾配角b1と勾配角b2と間の角度差は、15°~30°になるように設定されてもよく、前記第二キャパシタ構造における第一電極板C2aに対応する電極板目標勾配角b3は、20°~45°になり、前記第二キャパシタ構造の第二電極板C2bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b4は、25°~50°になり、電極板目標勾配角b3と勾配角b4との間の角度差は、10°~25°になるように設定されてもよく、前記第三キャパシタ構造における第一電極板C3aに対応する電極板目標勾配角b5は、15°~30°になり、前記第三キャパシタ構造の第二電極板C3bにおける、対応する第一オーバーラップ領域に位置する部分に含まれる勾配角b6は、20°~40°になり、電極板目標勾配角b5と勾配角b6との間の角度差は、5°~20°になるように設定されてもよい。
【0154】
さらには、第一キャパシタ構造の容量値は、第二キャパシタ構造の容量値の1.05~2.5倍であり、第一キャパシタ構造の容量値は、第三キャパシタ構造の容量値の1.10~3倍であるように設定されてもよい。
【0155】
留意されたいのは、キャパシタ構造では、第一電極板に対応する電極板目標勾配角が大きいほど、上層で覆われる必要のある第二電極板の面積は大きくなるか、或いは、媒質層の厚さは大きくなる。
【0156】
図12に示すように、いくつかの実施例では、周辺領域において、第四キャパシタ構造C4の第一電極板の電極板目標勾配角は、第五キャパシタ構造C5の第一電極板の電極板目標勾配角よりも大きいため、第四キャパシタ構造C4の第二電極板の右側端部は、できるだけ右側へ延在するように設けることで、当該第二電極板が第四キャパシタ構造C4の第一電極板の電極板目標勾配角箇所で脱落して剥離されてしまうことを避ける必要がある。同様に、表示領域において、第六キャパシタ構造C6の第一電極板の電極板目標勾配角は、第七キャパシタ構造C7の第一電極板の電極板目標勾配角よりも大きいため、第六キャパシタ構造C6の第二電極板の右側端部は、できるだけ右側へ延在するように設けることで、当該第二電極板が第六キャパシタ構造C6の第一電極板の電極板目標勾配角箇所で脱落して剥離されてしまうことを避ける必要がある。
【0157】
説明すべきなのは、上記のように、第四キャパシタ構造C4の第二電極板の右側端部は、できるだけ右側へ延在するように設けられれば、第四キャパシタ構造C4の第二電極板と第一電極板との間の正対面積を増加させることができる。同様に、上記のように、第六キャパシタ構造C6の第二電極板の右側端部は、できるだけ右側へ延在するように設けられれば、第六キャパシタ構造C6の第二電極板と第一電極板との間の正対面積を増加させることができる。
【0158】
留意されたいのは、各キャパシタ構造における第一電極板は、何れもベースと第二電極板との間に位置し、各キャパシタ構造における第二電極板による第一電極板の覆い率は、実際の必要に応じて設定可能であり、例示的に、第七キャパシタ構造C7に対応する覆い率は100%であり、第六キャパシタ構造C6に対応する覆い率は40~60%である。
【0159】
説明すべきなのは、前記覆い率とは、具体的に、前記第二電極板によって覆われた前記第一電極板の面積と、当該第一電極板の全体面積との割合を指す。図12から分かるように、第七キャパシタ構造C7の第二電極板は、第一電極板を完全に覆っており、第六キャパシタ構造C6の第二電極板は、第一電極板の一部を覆っている。
【0160】
また、前記第四キャパシタ構造C4に位置する媒質層70の厚さ及び前記第五キャパシタ構造C5に位置する媒質層70の厚さは、前記第六キャパシタ構造C6に位置する媒質層70の厚さ及び前記第七キャパシタ構造C7に位置する媒質層70の厚さに等しくなくてもよい。例示的に、前記第四キャパシタ構造C4及び前記第五キャパシタ構造C5に位置する媒質層70は、第二ゲート絶縁層及び層間絶縁層を含んでもよく、前記第六キャパシタ構造C6及び前記第七キャパシタ構造C7に位置する媒質層70は、第二ゲート絶縁層を含んでもよい。
【0161】
説明すべきなのは、上記実施例によるアレイ基板では、第一ゲート金属パターン及び第二ゲート金属パターンの厚さは、何れも、第一ソース・ドレイン金属パターンの厚さ及び第二ソース・ドレイン金属パターンの厚さよりも大きくてもよいし、又は、第一ゲート金属パターン及び第二ゲート金属パターンの厚さは、何れも、第一ソース・ドレイン金属パターンの厚さ及び第二ソース・ドレイン金属パターンの厚さよりも小さくてもよい。
【0162】
第一ゲート金属パターン及び第二ゲート金属パターンに対応する勾配角は、何れも、第一ソース・ドレイン金属パターンの勾配角及び第二ソース・ドレイン金属パターンに対応する勾配角よりも大きくてもよいし、又は、第一ゲート金属パターン及び第二ゲート金属パターンに対応する勾配角は、何れも、第一ソース・ドレイン金属パターンの勾配角及び第二ソース・ドレイン金属パターンに対応する勾配角よりも小さくてもよい。
【0163】
図13及び図14に示すように、いくつかの実施例では、前記第一機能層20は、複合金属パターンを含み、前記複合金属パターンは、前記ベース10から離れる方向に沿って順次に積層して設けられた第一金属サブパターン213、第二金属サブパターン212及び第三金属サブパターン211を含み、前記第一金属サブパターン213と前記第三金属サブパターン211との材料は同じであり、エッチングにより前記第一機能層20を形成する場合、前記第一機能層20が有する目標勾配角は、前記第三金属サブパターン211のエッチングレートに反比例する。
【0164】
具体的に、金属層の材料が異なると、金属層の勾配角については、同じエッチングプロセスでも、勾配角が異なることになり、図13に示すように、前記第一金属サブパターン213及び前記第三金属サブパターン211にTiが使用され、前記第二金属サブパターン212にAl使用され、即ち、前記複合金属パターンがTi/Al/Ti複合金属膜層として形成される例を挙げ、Ti/Al/Ti複合金属パターンをウェットエッチングする際、Tiの腐食速度が遅いため、Tiは、より多くのエッチング液を消費することで、Alに接触するエッチング液の濃度が低くなり、エッチングレートも遅くなり、その結果、Ti/Al/Ti金属パターンのエッチング勾配角が大きく(例えば、a10)、一般的に50°よりも大きくなる。式(1)を満たす場合、Ti/Al/Ti金属パターンの上に堆積される第二機能層30(例えば第二機能膜層302)の厚さが、厚くされる必要があるため、Tan(a)-1≦N(x-y)/y≦Tan(a)+1という式におけるNは大きくなり、一般的に上限である0.9を取る。
【0165】
その一方、第二機能層30の厚さの調整範囲が限られる場合、エッチング液の濃度等のプロセスパラメータを調整することで、複合金属パターンの勾配角が要求を満たすことを保証してもよい。留意されたいのは、前記複合金属パターンにTi/Al/Ti複合金属パターンが使用される他に、前記複合金属パターンにMo/Al/Mo複合金属パターンが使用されてもよいが、これに限定されない。
【0166】
図14に示すように、前記第一金属サブパターン213及び前記第三金属サブパターン211にMnが使用され、前記第二金属サブパターン212にCuが使用され、即ち、前記複合金属パターンがMn/Cu/Mn複合金属膜層として形成される例を挙げ、Mn/Cu/Mn複合金属パターンをウェットエッチングする際、Mnの腐食速度が速いため、Mnは、より少ないエッチング液を消費することで、Cuに接触するエッチング液の濃度が高くなり、エッチングレートが速くなり、その結果、Mn/Cu/Mn金属パターンのエッチング勾配角が小さく(例えば、a11)、一般的に50°よりも小さくなる。式(1)を満たす場合、Mn/Cu/Mn金属パターンの上に堆積される第二機能層30(例えば第二機能膜層302)の厚さは、薄くされる必要があるため、Tan(a)-1≦N(x-y)/y≦Tan(a)+1という式におけるNは小さくなり、一般的に下限である0.8を取る。これに対して、第二機能層30の厚さの調整範囲が限られる場合、エッチング液の濃度等のプロセスパラメータを調整することで、複合金属パターンの勾配角が要求を満たすことを保証してもよい。留意されたいのは、前記複合金属パターンにMn/Cu/Mn複合金属パターンが使用される他に、前記複合金属パターンにMo/Cu/Mo複合金属パターンが使用されてもよいが、これに限定されない。
【0167】
以上から、式(1)によって対応する目標勾配角を確定した後、材料の選択及びエッチングプロセスの制御を通じて、必要な目標勾配角を実現することが可能である。
【0168】
本開示の実施例は、上記実施例によるアレイ基板を含む、表示装置を更に提供している。
【0169】
上記実施例によるアレイ基板では、前記第一機能層20における前記段差領域に位置する部分は、目標勾配角を有し、前記目標勾配角は、前記第二機能層30が所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記所定厚さは、前記第二機能層30がその自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断することのない厚さであるように設けることで、前記アレイ基板に、前記第一機能層20に最大の勾配角を持たせることを実現しながら、前記第二機能層30に、その自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断しない最小厚さを持たせることを保証している。したがって、上記実施例によるアレイ基板は、前記機能層が破断されないことを保証しつつ、最大の勾配角及び最薄の第二機能層30を実現しており、その結果、アレイ基板が薄型及び高解像度表示製品へより好適に適用可能であるとともに、アレイ基板の製品歩留まりがより好適に向上され、原材料のコストが削減される。
【0170】
したがって、本開示の実施例による表示装置は、上記実施例によるアレイ基板を含む場合、同様に上記のような有益な効果を奏するが、ここで繰り返して説明しない。
【0171】
説明すべきなのは、前記表示装置は、テレビ、ディスプレイ、デジタルフォトフレーム、携帯電話、タブレットPC等、表示機能を有するあらゆる製品又は部品であってもよい。
【0172】
本開示の実施例は、上記実施例によるアレイ基板を製作するための方法であって、
ベース10上に、第一機能層20であって、前記第一機能層20は前記ベース10上に段差領域を形成し、前記第一機能層20における前記段差領域に位置する部分は目標勾配角を有する第一機能層20を形成することと、
前記第一機能層20における前記ベース10から離れた側に、第二機能層30であって、前記第二機能層30は、前記段差領域を覆い、前記目標勾配角は、前記第二機能層30が所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記所定厚さは、前記第二機能層30がその自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断することのない厚さである第二機能層30を形成することとを含み、
前記第一機能層の前記目標勾配角と前記第二機能層の所定厚さとは、次の関係式を満たし、
Tan(a)-1≦N(x-y)/y≦Tan(a)+1
ここで、N=z×W×KICであり、zは定数、Wは所定値、KICは前記第二機能層の破断靭性パラメータ、xは前記第二機能層の所定厚さ、yは前記第一機能層における前記段差領域に位置する部分の厚さ、aは前記第一機能層の前記目標勾配角である、アレイ基板の製作方法を更に提供している。
【0173】
具体的に、図16に、低温ポリシリコン薄膜トランジスタLTPS TFT(Low Temperature Poly-silicon Thin Film Transistor)アレイ基板を示しており、前記アレイ基板は、ベース10、遮光層LS、バッファ層80、アクティブ層82、ゲート81、ゲート絶縁層GI、層間絶縁層ILD、平坦層PLN、入力電極85、出力電極86、陰極層84、陽極83及びLDD低濃度ドープ領域87を含んでもよく、アクティブ層は、P-Siによって製作されてもよい。同図では、データ信号Vdataが薄膜トランジスタを介して陽極に伝送されることを示されている。
【0174】
前記LTPS TFTアレイ基板を製作する際、少なくとも10回のマスク(mask)を経ることになり、具体的に説明すれば、次の通りである。
【0175】
第一回のマスクは、前記遮光層LSを製作し、その具体的なステップとしては、先ず、ベース10を事前洗浄し、その後、後工程における高温プロセスによりベース10(ガラスベースとされてもよい)が収縮し、更にアライメントずれが発生してしまうことを防止するために、基板を高温で事前圧縮し、続いて、基板上に遮光材料層を堆積して形成し、当該遮光材料層における前記ベースから離れた表面にフォトレジスト層を製作し、次に、当該フォトレジスト層を露光、現像し、残りのフォトレジスト層をマスクとして、ウェットエッチングプロセスを用いて、前記遮光材料層をエッチングし、最後に、残りのフォトレジスト層を剥離して、前記遮光層LSを形成する。
【0176】
第二回のマスクは、アクティブ層82を製作し、その具体的なステップとしては、洗浄プロセス(D/C Clean)を行い、続いて、多層成膜プロセス(multi-dep)を行い、次に、脱水素化プロセス(dehydrogen)、フッ酸洗浄プロセス(D/C HF)、エキシマレーザーアニールプロセス(ELA)を順次に行い、その後、ポリシリコン表面にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層を露光、現像してから、残りのフォトレジストをマスクとして、ポリシリコンをドライエッチングし、最終的に残りのフォトレジスト層を剥離した後、閾値電圧ドーピングしてチャネル領域の固有状態を調節することでVth電圧を調節するプロセス(即ちVth doping)、及びフッ酸洗浄プロセスを行い、最後に、化学気相成長法によりゲート絶縁層を形成する。
【0177】
第三回のマスク及び第四回のマスクは、2つのゲート81の製作用である。一方のゲート81(PMOSに対応する)は、第三回のマスクで形成され、その具体的なステップとしては、洗浄プロセスを行い、続いて、Mo金属のスパッタリングプロセスを行ってMoフィルムを形成し、その後、Moフィルムに対して、フォトレジスト層形成、露光、現像、剥離等のプロセスを含むパターニングプロセスを行い、最後に、陽イオンドーピング(P+ doping)を行って、P-gateを形成する。他方のゲート81(NMOSに対応する)は、第四回のマスクで形成され、その具体的なステップとしては、パターニングプロセスを続行し、最後に、陰イオンドーピング(N+ doping)、アッシング及びドライエッチングプロセス、並びに、低濃度ドープ、アッシング、剥離等のプロセスを行って、N-gateを形成する。
【0178】
第五回のマスクは、コンタクト層を製作し、その具体的なステップとしては、先ず、洗浄プロセスを行い、続いて、化学気相成長法により層間絶縁層ILDを形成し、その後、事前洗浄を行い、次に、活性化(activation)、水素化(hydrogen)、ソース・ドレイン層フォトリソグラフィ(S/D photo)、ドライエッチング、剥離等のプロセスを行う。
【0179】
第六回のマスクは、入力電極85及び出力電極86を製作し、その具体的なステップとしては、エッチング(Etch)、スパッタリングによりTi/Al/Ti複合金属層を形成し、その後、当該複合金属層に対して、フォトレジスト層形成、露光、現像、ドライエッチングプロセス及び残りフォトレジスト剥離といった過程を順次に含むパターニングプロセスを行い、最後に、アニール(Anneal)を行う。
【0180】
第七回のマスクは、陽極83と出力電極86とを繋ぐためのビアホールの製作用であり、その具体的なステップとしては、平坦層PLNを形成し(具体的に、アクリル樹脂を用いて、コーティングプロセスによって形成してもよい)、その後、パターニングプロセスによって、出力電極86を露出可能なビアホールをPLN上に形成し、最後に、硬化プロセスを行う。
【0181】
第八回のマスクは、陰極層84を製作し、その具体的なステップとしては、事前処理(descum)プロセスを行い、続いて、洗浄プロセスを行い、次に、スパッタリングプロセスによって、酸化インジウムスズ(ITO)膜層を形成し、当該ITO膜層に対して、フォトレジスト層形成、露光、現像、ウェットエッチング及び残りフォトレジスト層剥離というプロセスを順次に含むパターニングプロセスを行い、最後に、前記陰極層84を形成する。
【0182】
第九回のマスクは、パッシベーション層PVXを製作し、その具体的なステップとしては、先ず、洗浄プロセスを行い、続いて、化学気相成長法によりパッシベーション層を形成し、その後、当該パッシベーション層に対して、具体的にフォトレジスト層形成、露光、現像、ドライエッチング及び最後の残りフォトレジスト層除去を含むパターニングプロセスを行い、最終的に、出力電極86を露出可能なビアホールを有するパッシベーション層PVXを形成する。
【0183】
第十回のマスクは、陽極83を製作し、その具体的なステップとしては、先ず、洗浄プロセスを行い、続いて、スパッタリングにより酸化インジウムスズ(ITO)膜層を形成し、当該ITO膜層に対して、フォトレジスト層形成、露光、現像、アッシングプロセス、ウェットエッチング及び残りフォトレジスト層剥離というプロセスを順次に含むパターニングプロセスを行い、その後、アニール(Anneal)を行い、最後に、前記陽極83を形成する。
【0184】
アレイ基板の製作が完了した後、アレイ基板のテストを行うことが可能であり、テストに問題がなければ、当該アレイ基板の出荷が可能となる。
【0185】
具体的に、図17図30に、有機発光ダイオードOLED(Organic Light-Emitting Diode)アレイ基板の製作フローを示しており、以下、OLEDアレイ基板の具体的な製作フローについて説明する。
【0186】
図17に示すように、先ず、プラズマ強化化学気相成長法PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)により、ベース10上に、第一バッファ層11及び第二バッファ層12を順次に形成し、前記第一バッファ層11は、具体的にSiNx材料で製作されてもよく、厚さが600Åとされ、前記第二バッファ層12は、具体的にSiOx材料で製作されてもよく、厚さが2000Åとされる。
【0187】
図18及び図19に示すように、アクティブ層の製作ステップは、以下の通りである。初期洗浄(initial clean)作業を行い、続いて、PECVD方法により、前記第二バッファ層12における前記ベースから離れた表面に、アモルファスシリコン(a-Si)材料を堆積してアクティブフィルム13を形成し、その後、事前洗浄作業を行い、次に、エキシマレーザーアニール(ELA)プロセス及びフォトリソグラフィプロセスを行って、ポリシリコン(Poly-Si)からなるアクティブ層82を形成し、当該アクティブ層82の厚さが347Åとされる。
【0188】
図20に示すように、PECVD方法により、引き続きSiOx材料を堆積して第一ゲート絶縁層GI1を形成し、前記第一ゲート絶縁層GI1の厚さが694Åとされる。
【0189】
図21に示すように、Mo金属のスパッタリングプロセスを行って、Moフィルムを形成し、続いて、Moフィルムに対して、フォトレジスト層形成、露光、現像、剥離等のプロセスを含むパターニングプロセスを行い、最後に、イオンドーピングして第一ゲート金属パターン13を形成し、前記第一ゲート金属パターン13の厚さが2270Åとされる。
【0190】
図22に示すように、引き続き高濃度ドーピングプロセス(B2H6 Heavy Doping)を行う。
【0191】
図23に示すように、PECVD方法により、引き続きSiNx材料を堆積して第二ゲート絶縁層GI2を形成し、前記第二ゲート絶縁層GI2の厚さが1130Åとされる。
【0192】
図24に示すように、Mo金属のスパッタリングプロセスを行って、Moフィルムを形成し、続いて、Moフィルムに対して、フォトレジスト層形成、露光、現像、剥離等のプロセスを含むパターニングプロセスを行い、最後に、イオンドーピングして、第二ゲート金属パターン14、及び前記第二ゲート金属パターン14を貫通するビアホールを形成し、前記第二ゲート金属パターン14の厚さが2270Åとされる。
【0193】
図25に示すように、PECVD方法により、引き続きSiOx材料を堆積して層間絶縁層ILDを形成し、前記層間絶縁層ILDの厚さが3570Åとされる。
【0194】
図26に示すように、フォトリソグラフィプロセスにより、前記第一ゲート絶縁層GI1、前記第二ゲート絶縁層GI2及び前記層間絶縁層ILDを貫通するビアホールを形成して、前記第一ゲート金属パターン13の一部を露出させる。
【0195】
図27に示すように、Ti/Al/Ti金属のスパッタリングプロセスを行って、積層して設けられたTi/Al/Tiフィルムを形成し、そのうち、Tiフィルムの厚さが550Åとされ、Alフィルムの厚さが3500Åとされる。Ti/Al/Tiフィルムに対してパターニングプロセスを行って、ビアホール内に位置するソース・ドレイン金属パターン15を形成する。
【0196】
図28に示すように、引き続き有機材料で平坦層PLNを製作し、前記平坦層PLNの厚さが15000Åとされ、前記平坦層をパターニングして、前記ソース・ドレイン金属パターン15を露出させるビアホールを形成する。
【0197】
図29に示すように、ITO/Ag/ITO金属のスパッタリングプロセスを行って、積層して設けられたITO/Ag/ITOフィルムを形成し、そのうち、ITOの厚さが60Åとされ、Agの厚さが1000Åとされ、ITO/Ag/ITOフィルムに対してパターニングプロセスを行って、ビアホール内に位置する陽極パターン15を形成する。
【0198】
図30に示すように、引き続き有機材料で画素規定層PDLを製作し、前記画素規定層PDLの厚さが15000Åとされ、前記画素規定層PDLに対してパターニングプロセスを行って、陽極パターン15の一部を露出可能な画素開口を形成する。
【0199】
本開示の実施例による製作方法で製作されたアレイ基板では、前記第一機能層20における前記段差領域に位置する部分は目標勾配角を有し、前記目標勾配角は、前記第二機能層30が所定厚さの条件を満たす前提での最大勾配角であり、前記所定厚さは、前記第二機能層30がその自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断することのない厚さであるように設けることで、前記アレイ基板に、前記第一機能層20に最大の勾配角を持たせることを実現しながら、前記第二機能層30に、その自身の機能要件を満たすとともに前記段差領域で破断しない最小厚さを持たせることを保証している。したがって、本開示の実施例による製作方法で製作されたアレイ基板は、前記機能層が破断されないことを保証しつつ、最大の勾配角及び最薄の第二機能層30を実現しており、その結果、アレイ基板が薄型及び高解像度表示製品へより好適に適用可能であるとともに、アレイ基板の製品歩留まりがより好適に向上され、原材料のコストが削減される。
【0200】
説明すべきなのは、本明細書における各実施例は何れも、漸進的な方式で説明されており、各実施例の同一部分又は類似部分は互いに参照可能であり、各実施例は、他の実施例との相違点に重点を置いて説明されている。特に、方法の実施例については、基本的に製品の実施例と類似しているため、簡単に説明されているが、関連部分は、製品の実施例の説明部分を参照すればよい。
【0201】
特に定義しない限り、本開示に使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解できる通常の意味を有する。本開示に使用される「第一」、「第二」及び類似する用語は、順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎない。「含む」又は「包含」等の類似する用語は、「含む」又は「包含」の前に記載された素子又は部材が、「含む」又は「包含」の後に挙げられる素子又は部材及びその同等物を含むが、他の素子又は部材を排除しないことを意味する。「繋ぐ」、「接続」又は「繋がる」等の類似する用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接接続されるか間接的に接続されるかに関わらず、電気的接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対位置関係を示すだけであり、説明対象の絶対位置が変わると、当該相対位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0202】
理解できることは、層、膜、領域又は基板のような素子が別の素子の「上」又は「下」に位置すると言及された場合、当該素子は別の素子の「上」又は「下」に直接位置していてもよいし、又は、中間素子が介在してもよい。
【0203】
上記実施形態の説明では、具体的な特徴、構造、材料又は特性は、あらゆる1つ又は複数の実施例又は具体例において、適切な方式で組み合せられてもよい。
【0204】
上述したのは、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、これに限定されない。当業者であれば、本開示に記載の技術的範囲内で、変形や置換を容易に想到できるが、これらの変形や置換は、全て本開示の保護範囲内とされるべきである。したがって、本開示の保護範囲は、添付された特許請求の範囲に従うべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
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図25
図26
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図29
図30
【国際調査報告】