(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(54)【発明の名称】ロボット支援腹腔鏡手術のための感覚知覚外科システム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20230525BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20230525BHJP
B25J 3/00 20060101ALI20230525BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20230525BHJP
【FI】
A61B18/12
G06F3/01 560
B25J3/00 A
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507851
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2021059857
(87)【国際公開番号】W WO2021219396
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522419908
【氏名又は名称】ロブ サージカル システムズ,エスエル
【氏名又は名称原語表記】ROB SURGICAL SYSTEMS, SL
【住所又は居所原語表記】Autovia de Castelldefels C-31, km 190,5, 08820 El Prat de Llobregat (ES)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】アマット ギルバウ,ジョゼップ
【テーマコード(参考)】
3C707
4C160
5E555
【Fターム(参考)】
3C707AS35
3C707BT09
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3C707EU11
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4C160KK05
4C160KK15
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4C160NN30
5E555AA41
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5E555BB22
5E555BE10
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
本発明は、ロボット支援腹腔鏡手術のための感覚知覚システムを提案する。本発明は、外科ツールに結合された電気外科鉗子と、電気メス無線周波数信号発生器と、インピーダンス測定回路を備える。後者は、鉗子と患者の組織との間の接触インピーダンスの値に対応する強度を示す信号を測定するための測定センサーと、発振器と、測定センサー及び発振器を保護するための抵抗器及び電圧リミッタを有する第1の電気回路と、スイッチを有する第2の電子回路を含む。センサー及び発振器は、外科ツールの電力ケーブルの手段によって鉗子に接続される。測定回路に接続されたプロセッサは前記測定された信号を受信し、それを力ベクトルに変換し、その係数は測定される接触インピーダンスの関数であり、偏角は、たどられる軌道の関数である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科ツール(102)に結合された電気外科鉗子(104)と、
インピーダンス測定回路(301)に電気的に結合され、前記電気外科鉗子(104)にエネルギーを供給するように動作可能な電気メス無線周波数信号発生器(300)であって、前記インピーダンス測定回路(301)は、
前記電気外科鉗子(104)と患者の組織との間の接触インピーダンスの値に対応する強度を示す信号を測定するように構成された測定センサー(310)と、
前記測定センサー(310)に電力信号を提供するように構成された発振器(309)と、
前記測定センサー(310)及び前記発振器(309)を保護するための1つ又は複数の抵抗器(307)及び電圧リミッタ(308)を備える第1の電気回路であって、前記測定センサー(310)及び前記発振器(309)は前記外科ツール(102)の電力ケーブル(304)によって前記電気外科鉗子(104)に接続されている、該第1の電気回路と、
前記外科ツール(102)の前記電力ケーブル(304)に対する前記電気メス無線周波数信号発生器(300)の電力ケーブル(314)の接続及び切断間での切り替えを行うための第1のスイッチ回路(305)と、前記電気メス無線周波数信号発生器(300)及び測定センサー(310)の接続及び切断間での切り替えを行うための第2のスイッチ回路(306)を有する第2の電子回路
を備える該電気メス無線周波数信号発生器(300)と、
前記インピーダンス測定回路(301)に動作可能に接続され、前記測定センサー(310)によって測定された前記信号を受信し、それを力ベクトルに変換するプロセッサ(311)であって、前記ベクトルの係数は前記接触インピーダンスの関数であり、前記ベクトルの偏角は接触の瞬間に前記外科ツール(102)がたどる軌道によって定義される、該プロセッサ(311)
を含むロボット支援腹腔鏡手術のための感覚知覚手術システム。
【請求項2】
前記電力ケーブル(314)上に配置され、エネルギーを供給しながら前記第1及び第2のスイッチ回路(305、306)を自動的に切り替えるための少なくとも1つの容量性又は誘導性センサー(312)を含む無線周波数検出器(313)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電気メス無線周波数信号発生器(300)は、前記エネルギーをモノポーラ及びバイポーラエネルギーの両方として供給するように構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記供給されるエネルギーはモノポーラであり、前記第1のスイッチ回路(305)及び前記第2のスイッチ回路(306)はそれぞれリレー(A1、B1)を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
前記供給されるエネルギーはバイポーラであり、前記第1のスイッチ回路(305)及び前記第2のスイッチ回路(306)はそれぞれ、少なくとも2つのリレー(A1、A2、B1、B2)を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
その制御のために前記インピーダンス測定回路(301)及び前記電気メス無線周波数信号発生器(300)に動作可能に結合された制御要素(111、113)を含む制御ユニット(110)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御要素は、ペダル(113)及び/又はアクチュエータ/押しボタン(111)を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサ(311)は、前記制御ユニット(110)に含まれる、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記電気外科鉗子(104)が、前記電気外科鉗子(104)の開閉及びその可動性を可能にするプーリ(210、211、212、213、220、221、222、223、223、230、231)及びケーブル(C1a、C1b、C2、C3、C4及びC5)の組を使用して前記外科ツール(102)に結合され、前記プーリ(210、211、212、213、220、221、222、223、230、231)のうちの少なくとも1つが、その関節シャフト上に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記プーリ(210、211、212、213、220、221、222、223、230、231)の組が、前記外科ツール(102)に対して、及び前記電気外科鉗子(104)の本体(202)に対して直径位置に配置された3つの平行なシャフト(203、204、205)上に配置される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
外科ツール(102)に結合された電気外科鉗子(104)、インピーダンス測定回路(301)、及び、インピーダンス測定回路(301)に電気的に結合され、前記電気外科鉗子(104)にエネルギーを供給するように動作可能な電気メス無線周波数信号発生器(300)を備える感覚知覚外科システムであって、前記インピーダンス測定回路(301)は、測定センサー(310)と、発振器(309)と、1つ又は複数の抵抗器(307)及び電圧リミッタ(308)を備える第1の電気回路と、第1のスイッチ回路(305)及び第2のスイッチ回路(306)を備える第2の電子回路を含む、該感覚知覚外科システムの処理ユニットによって実行されたときに、
-測定センサー(310)によって測定された、前記電気外科鉗子(104)と患者の組織の間の接触インピーダンスの値に対応する強度を示す信号を受信するステップと、
-受信された信号を力ベクトルに変換するステップであって、前記ベクトルの係数は前記接触インピーダンスの関数であり、前記ベクトルの偏角は、接触の瞬間に前記外科ツール(102)がたどる軌道によって定義される、該変換するステップ
によって前記感覚知覚外科システムの制御ユニットによって知覚された反力ベクトルを見積もるための方法を実施するプログラムコード命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ロボット支援手術の分野に関する。特に、本発明は電気インピーダンスの測定を通じて、患者の組織の特性、特に、組織に及ぼされる接触力を検出することを可能にする、ロボット支援腹腔鏡手術のための感覚知覚(又は、感覚認識/sensory perception)外科システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のロボット支援腹腔鏡手術技術は高精度の介入(intervention)を実行することを可能にし、特に、例えば手術部位にアクセスすることが困難な手術において、特定の複雑さの手術において、関連する利点を提供する。それにもかかわらず、現在のロボット支援腹腔鏡手術技術は、患者の解剖学的要素に及ぼされる力を外科医が知覚しない(又は、認識しない/not perceiving)という欠点を提示する。
【0003】
ロボットアームはロボット支援腹腔鏡手術において、介入を効果的に実行することを可能にする特定のツール(又は、器具)を作動させるために、及び手術野を見ることを可能にするカメラを導入及び案内するために使用される。これらのロボットアームは、外科医が現場を監視することを可能にするスクリーンを備えた制御盤の手段によって、外科医によって遠隔制御される。同様に、手術精度を向上させることに加えて、ロボットアーム制御に関連するコンピュータの使用はまた、患者により大きな安全性を提供する制御を導入することを可能にする。
【0004】
近年、介入が手動介入である場合に、触覚の喪失を補う外科医に知覚応答(又は、知覚復帰/sensory return)を提供することを可能にするために、研究の分野において多大な努力がなされてきた。
【0005】
米国特許出願公開第2011/046659号は、外科ツール(又は、手術ツール/surgical tool)との相互作用に応答して信号を生成するセンサーを含む低侵襲外科ツールを記載している。ツールは、信号に応答して触覚効果を得るために振動を生成する触覚フィードバックシステムをさらに含む。
【0006】
一方、米国特許第8613230号明細書は外科ツールのカニューレの外側部分に設置されたセンサーからの力を測定することを可能にし、機械的伝達シースを通して貫通軸Zにおいて力を受けるシステムを開示している。この特許に記載されたシステムは、横方向の接触に由来する力ではなく、貫通軸Zに加えられる前記力を知覚することのみを可能にする。
【0007】
貫通軸Z方向だけでなく、及ぼされた力を知覚することを可能にするために、欧州特許第2595587号明細書のように、光センサーを用いた干渉計測の手段により三次元変形を計測できる弾性要素が用いられている。このケースでは弾性支持体上に位置する反射体上に変調光を投射することを可能にする3つ又は4つの光ファイバが使用され、鉗子に加えられる力ベクトルはカニューレの外側部分からの干渉計の手段によって得られる。
【0008】
カナダ国特許2870343号明細書は、カニューレに一体化された弾性要素の使用の代替法を提示している。そのために、6自由度を有するセンサーが使用され、このセンサーは、ツールの外側遠位端と、ツールがそれを支持するロボットアームによって保持される端部との間に生成される力及びトルクを供給することを可能にする。このシステムは、マトリクス計算の手段によって、ツールトロカールアセンブリの運動学及びセンサーによって供給される6つのデータピースに基づいて、遠位端に加えられる力を計算することを可能にするコンピュータシステムを含む。
【0009】
国際特許出願公開第2016/153561は近位端及び遠位端を有する細長い本体と、一対の電極又は電極部分(例えば、スプリットチップ電極アセンブリ)とを備える医療器具を開示している。システムは、異なる周波数のエネルギーが一対の電極又は電極部分に加えられている間に得られた電気的な測定値に基づいて、接触検知及び/又はアブレーション確認を実行するように構成される。接触感知システム及び方法はネットワークパラメータ測定回路内のハードウェアユニットを補償するために、又は使用されるケーブル、計装又はハードウェアにおける差異を考慮するために、ネットワークパラメータ測定値を較正し得る。
【0010】
米国特許第10595745号明細書は、カテーテル上の接触力を測定するための装置及び方法を開示している。カテーテルは、近位セグメントと、遠位セグメントと近位セグメントから遠位セグメントに延びる弾性セグメントを含む。遠位セグメントは、遠位セグメントの円周の周りに配置された少なくとも3つの半径方向電極を含む複数の先端電極を含む。半径方向電極は、接触力の接触ベクトルを示す電気信号を出力するように構成される。弾性セグメントは接触力の軸方向成分の大きさを示す電気信号を出力するように構成された力感知デバイスを含み、接触力は、接触ベクトルによって接触力の軸方向成分の大きさをスケーリングすることによって決定される。この文献では、接触力の測定が本発明のような電気的ではなく、機械的に行われる。
【0011】
米国特許出願公開第2003/100892号は、作業端及びシャフト軸を有する細長いシャフトと、各々が近位端及び遠位端を有する一対の連結アームとを含むロボット外科ツールを開示する。近位端は、第1のピッチ軸の周りを回転するようにシャフトの作業端に枢動可能に取り付けられ、第1のピッチで回転を生じさせる。リスト部材は連結アームの遠位端に枢動可能に接続された近位部分を有し、第2のピッチ軸の周りを回転して、第2のピッチの回転を生じさせる。エンドエフェクタは、リスト部材の遠位部分に枢動可能に取り付けられて、リスト部材のリスト軸の周りを回転して、遠位ロールにおける回転を生成する。リスト軸は、リスト部材の近位部分と遠位部分との間に延在する。細長いシャフトは近位ロール内で回転を生じさせるために、シャフト軸の周りに回転可能である。約90°ピッチで、リスト軸は、シャフト軸に対して概ね垂直である。シャフト軸の周りの近位ロールと、リスト軸の周りの遠位ロールとは、重ならない。連結アームの使用は、エンドエフェクタが90°ピッチを超えて後方に曲げられることを可能にする。約90°のピッチでエンドエフェクタを操作し、エンドエフェクタを曲げ戻す能力はリスト機構を、特に脊椎、神経又は直腸の手術部位を含むものなどの小さい進入点を有する、到達しにくい位置へのアクセスに対して、より汎用性があり、適応性があるようにする。
【0012】
Vison-Based Force Sensing(VBFS)として知られる別の作業ラインでは、腹腔鏡カメラによって捕捉された実際の画像を使用して、鉗子との接触によって引き起こされる組織変形を見る。
【0013】
いずれにせよ、技術の限界、異なる開発されたシステムの不正確さ、又はそれが引き起こす困難、特にツールのカニューレ上の多センサー化(sensorization)によって占められる空間のために、ロボット支援腹腔鏡手術において知覚応答は実際には使用されていない。
【0014】
したがって、組織/複数の組織の特性を検出し、遠隔的に行われる外科的介入中に組織/複数の組織に及ぼされる接触力の知覚応答を定量化することを可能にする、ロボット支援腹腔鏡手術のための新しい外科手術システムが必要とされる。
【発明の開示】
【0015】
発明の説明
そのために、本発明の実施形態はロボット支援腹腔鏡手術のための感覚知覚手術システムを提供し、この感覚知覚手術システムは、外科ツールに結合された電気手術鉗子と、インピーダンス測定回路と、インピーダンス測定回路に電気的に結合され、モノポーラ(又は、単極)及びバイポーラ(又は、双極)エネルギーの両方として、電気手術鉗子にエネルギーを供給するように動作可能な電気メス(又は、電気焼灼/電気焼灼器/electrocautery)無線周波数信号発生器とを備える。前記インピーダンス測定回路は、前記電気外科鉗子と患者の組織との間の接触インピーダンスの値に対応する強度(又は、大きさ)を示す信号を測定するための測定センサーと、前記測定センサーに電力信号を提供するための発振器と、第1の電気回路と、第2の電子回路を含む。前記第1の電気回路は、前記外科ツールの電力ケーブルの手段によって前記電気外科鉗子に接続された前記計測センサー及び前記発振器を保護するための1つ又は複数の抵抗器及び電圧リミッタを含む。前記第2の電子回路は、前記外科ツールのケーブルに対する前記電気メス無線周波数信号発生器の電源ケーブル(又は、ケーブリング/cabling)の接続及び切断間で切り替える(commutating)ための第1のスイッチ回路と、前記電気メス無線周波数信号発生器及び測定センサーの接続及び切断間で切り替えるための第2のスイッチ回路とを備える。
【0016】
同様に、提案されるシステムは前記電気メス無線周波数信号発生器と前記インピーダンス測定回路に動作可能に接続され、前記測定センサーによって測定された前記信号を受信し、それを力ベクトルに変換する少なくとも1つのプロセッサを含む。特に、力ベクトルの係数(又は、モジュラス/modulus)は測定された接触インピーダンスの関数であり、偏角(又は、引数/独立変数/argument)は、接触の瞬間に前記外科ツールが辿る軌道によって定義される。
【0017】
したがって、上述のプロセッサは、作用される力に応じて変化する接触インピーダンスの測定された大きさと、追従される軌道の監視とに基づいて、大きさと向きの両方で、オペレータの制御に対するベクトル反力を得ることを可能にする。
【0018】
一実施形態では、提案されるシステムはまた、エネルギーを供給しながら前記第1及び前記第2のスイッチ回路を自動的に切り替えるために、上述の電力ケーブル上に配置された少なくとも1つの容量性又は誘導性センサーを有する無線周波数検出器を含む。
【0019】
一実施形態では、前記電気メス無線周波数信号発生器によって供給される前記エネルギーがモノポーラである。この場合、前記第1のスイッチ回路は1つのリレーによって形成され、前記第2のスイッチ回路は別のリレーによって形成される。代替的に、供給されるエネルギーがバイポーラである場合、前記第1のスイッチ回路は少なくとも2つのリレーによって形成され、前記第2のスイッチ回路も少なくとも2つのリレーによって形成される。
【0020】
前記システムは、前記インピーダンス測定回路及び/又は前記電気メス無線周波数信号発生器に動作可能に接続され、その制御のための制御要素を備える制御ユニットをさらに含むことができる。例えば、前記制御要素は、ペダル及び/又はアクチュエータ/押しボタンを含むことができる。
【0021】
前記プロセッサは制御ユニット内又は遠隔計算装置内に含まれ、前記制御ユニット、前記電気メス無線周波数信号発生器、及び/又は前記インピーダンス測定回路に、有線又はワイヤレス接続の手段によって動作可能に接続され得る。
【0022】
一実施形態では、前記電気外科鉗子が、鉗子の開閉及びその可動性を可能にするプーリ及びケーブルの組を使用して前記外科ツールに結合される。前記プーリのうちの少なくとも1つが、その関節シャフト上に配置される。同様に、プーリの組は、前記外科ツール及び前記電気外科鉗子の本体に対して直径位置に配置された3つの平行なシャフト上に配置される。
【0023】
本明細書に開示される本発明の他の実施形態はまた、上述のプロセッサによって実行されるステップ及び動作を実行するためのコンピュータ実装方法及び/又はコンピュータプログラム製品を含む。より詳細には、コンピュータプログラム製品がその中にコード化されたコード命令を含むコンピュータシステム可読媒体を有する実施形態であり、コンピュータシステムの少なくとも1つのプロセッサにおいて実行されると、プロセッサに、本発明の実施形態として本明細書に示される動作を実行させる。
【0024】
一実施形態では、組織/複数の組織の周囲の解剖学的構造がプロセッサによって見積もられた力ベクトルに基づいてモデル化される。そのために、表面は多角形表面、例えば、手術(又は、動作/operation)/介入中に得られる隣り合う接点を接合することによって形成される三角形を画定する手段によって漸進的にモデル化される。
【0025】
したがって、本発明は鉗子と患者の組織との間の接触インピーダンスの大きさの測定と、取られた軌道とに基づいて力ベクトルを決定することを可能にし、また、手術環境の三次元モデルを構築することを可能にする。
【0026】
本発明によって提供される1つの利点は電気外科鉗子上に追加のセンサーを導入しないことであり、これにより、例えば、電気メス又は電気凝固を実施するために使用される同じ導体を使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
前述及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、いくつかの単なる例示的かつ非限定的な実施形態の以下の詳細な説明に基づいて、より良く理解されるであろう。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態による、組織の特性を検出するためのロボット支援腹腔鏡手術のための手術システムを示す。
【0029】
図2A~
図2Cは、モノポーラモード(
図2A)又はバイポーラモード(
図2B及び
図2C)で動作するための電気メス無線周波数信号発生器の異なる接続構成を概略的に示す。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態による、接触インピーダンス及び関連する力ベクトルを得るために提案されるシステムのアーキテクチャをより詳細に示す。
【0031】
図4は、接触インピーダンス及び関連する力ベクトルを得るために提案されるシステムのアーキテクチャの別の実施形態を示す。
【0032】
図5A及び5Bは、外科ツールに連結された電気外科鉗子の異なる図を示す。
図5Aは外科ツールの遠位端の斜視図を示し、その関節の回転G1及びG2と、外科ツールアセンブリの軸方向回転G3とを示す。
図5Bは、移動G1及びG2の伝達のためのプーリと、回転G1を介する電気外科鉗子の開閉も可能にするアクチュエータケーブルの配置を示す。
【0033】
図6A~6Dは組織との接触を検出するために電気外科鉗子にエネルギーを伝達するケーブルの経路を示す異なる図を示しており、前記経路は、異なるプーリ間で利用可能な限られた空間と適合しなければならず、また、回転G1、G2及びG3を実行することを可能にする。
【0034】
図7A~7Cは、本発明の一実施形態による、計算された力ベクトルと、環境の解剖学的構造をモデル化するための三角形の構成とをグラフで示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、ロボット支援腹腔鏡手術のための感覚知覚外科手術システム、並びに組織/複数の組織との接触インピーダンスを検出することによって加えられる力ベクトルの見積もり及び描かれた軌道に基づいて遠隔的に実行される外科的介入中に患者の組織/複数の組織に外科医によって加えられる力の知覚応答を得ることを可能にする方法を提供する。
【0036】
図1を参照すると、前記図は、提案されたシステム1の実施形態を示す。この実施形態では、システム1がロボット支援システム100と、制御ユニット110と、電気メス無線周波数信号発生器300及びインピーダンス測定回路301を収容する腹腔鏡タワー120を備える。
【0037】
ロボット支援システム100は、外科ツール102の移動を可能にするロボットアーム101と、腹腔鏡カメラ103を備える。制御ユニット110は、アクチュエータ/プッシュボタン111と、外科医がロボット支援システム100、電気メス無線周波数信号発生器300、ならびにインピーダンス測定回路301を扱う/制御することができるペダル113とを含む。また、制御ユニット110は、表示画面112を有する。
【0038】
電気メス無線周波数信号発生器300は任意の規格の電気メス信号発生器とすることができ、電力ケーブル314の手段によってインピーダンス測定回路301に電気的に接続され、外科ツール102に結合された電気外科鉗子104(例えば、
図2A~2Cを参照)にエネルギーを供給するように動作可能である。インピーダンス測定回路301は、別の電力ケーブル304によって電気外科鉗子104に電気的に接続される。電力ケーブル304は、2つの導体ケーブル304a、304b(
図6D参照)によって形成され、その経路は電気外科鉗子102の運動学と適合し、3つの回転/軸(向き及び上昇運動、ならびに開放及び/又は閉鎖運動)におけるその運動を可能にして、組織/複数の組織との接触を検出することを可能にする。
【0039】
電気メス無線周波数信号発生器300は、帰還回路が患者自身又は使用される生理食塩水媒体(
図2A)である場合、電気的にモノポーラであり得、又は電流が電気外科鉗子104の端子要素250(
図5A~5Bを参照)の間を流れる場合、電気的にバイポーラであり得る(
図2B及び2C)。
【0040】
図2Aはモノポーラ構成を示す。インピーダンス測定回路301は1本のケーブル、すなわち、出力電力ケーブルのみを収容する。矢印でマークされた入力ケーブルは、インピーダンス測定回路301の外側を通過する。
図2Bは、第1のバイポーラ構成を示す。矢印でマークされた2つの極性を有する二重入力及び出力ケーブルは電気メス無線周波数信号発生器300を出て、インピーダンス測定回路301を通過し、ここで、戻りは、伝導カニューレ(conducting cannula)を通って戻される。
図2Cは、第2のバイポーラ構成を示す。電気メス無線周波数信号発生器300を出る2本の導体ワイヤを有するケーブルはインピーダンス測定回路301を通過し、その内側に沿って電気外科鉗子104の各部分に1本ずつ進む。
【0041】
ここで
図3を参照すると、前記図は提案されたシステム1の別の実施形態を示し、この場合、ロボット支援システム100の外科ツール102に結合された電気外科鉗子104と、組織/複数の組織の環境303との接触インピーダンスを測定するためのインピーダンス測定回路301と、電気メス無線周波数信号発生器300と、インピーダンスの測定に基づいて加えられた力を見積もるための少なくとも1つのプロセッサによって形成されたコンピュータシステム又はデバイス311とを備える。
【0042】
接触インピーダンスを測定することをも可能にするために電気メス無線周波数信号発生器300の使用によって引き起こされる難点は、約1000~3000ボルトの非常に高い電圧を有する無線周波数パルスが電気凝固及び電気メスを実施することを可能にするために使用されるという事実にある。この理由のため、提案されたシステム1におけるインピーダンス測定回路301の使用又は包含は、低電圧及び電流におけるインピーダンスの測定を、高電圧における高電気凝固及び電気メスエネルギーと適合させる。
【0043】
上述の適合性(又は、互換性/compatibility)を達成するために、インピーダンス測定回路301は、接触インピーダンスの値に対応する大きさを測定するための測定センサー310、特に低電圧測定センサーと、電力ケーブル304に対する電力ケーブル314の接続/切断のため、及び電気メス無線周波数信号発生器300及び測定センサー310のそれぞれの接続/切断のための2つのスイッチ回路305、306を備える電子モジュールを含む。
【0044】
同様に、インピーダンス測定回路301はまた、患者に任意の電流を加えることなくインピーダンスを測定することを可能にする発振器209を含み、その電流はどれだけ弱かろうが連続的な成分である。発振器209は低電圧、例えば、6V、及び中周波数、例えば、20KHzを有する信号を提供し、これはモノポーラ又はバイポーラ方式で、第2のスイッチ回路306を通して外科ツール102に加えられ、第2のスイッチ回路306の接点は通常、閉じられたままである。前記低電圧は、第1のスイッチ回路305の接点が通常開いているので、電気メス無線周波数信号発生器300には通常加えられない。
【0045】
図3の実施形態ではスイッチ回路305、306の各々は2つのリレーA1、A2、B1、B2を備える。この構成は、電気メス無線周波数信号発生器300によって供給されるエネルギーがバイポーラである場合に特に有用である。この場合、図示されていない他の実施形態では特に、電気メス無線周波数信号発生器300によって供給されるエネルギーがモノポーラであるとき、スイッチ回路305、306の各々は1つのリレーA1、B1のみを含む。
【0046】
手術(又は、動作)中、外科医が電気凝固又は電気メスを実施するためのエネルギーを加えるとき、第1のスイッチ回路305のリレーA1又はリレーA1、A2の接点は閉じられなければならず、同時に、第2のスイッチ回路306のリレーB1又はリレーB1、B2の接点は開かれなければならない。その目的のために、システム1は特に、電力ケーブル314上に容量性又は誘導性センサー312を有する無線周波数検出器313も含み、これは、エネルギーが加えられている間に、第1及び第2のスイッチ回路305、306を自動的に切り替えることを可能にする。代替的に、この機能が電気メス無線周波数信号発生器300に接続されたペダル113の作動信号を導入することによって実行されてもよい。
【0047】
図3の例では例えばリレーの切り替えのサージの結果として、電気メス無線周波数信号発生器300及び/又はインピーダンス測定回路301の損傷を防止するために、システム1は抵抗器307及び電圧リミッタ308で特に保護される。
【0048】
測定センサー310によって得られたインピーダンスの値に対応する信号/大きさは力ベクトルへの変換のためにプロセッサ311によって処理され、ここで、力の大きさは測定されているインピーダンスの値によって与えられ、ベクトルの偏角は接触の瞬間に外科ツール102が追従する軌道の空間内の方向によって定義され、通信チャネル321を介してプロセッサ311に接続された制御ユニット110によって制御される。
【0049】
図4は、提案されたシステム1の別の実施形態を示す。この場合、システム1は、外科ツール102に結合された電気外科鉗子104と、組織/複数の組織の環境303との接触インピーダンスを測定するためのインピーダンス測定回路301と、少なくとも1つのプロセッサを備えるコンピュータシステム又はデバイス311によって形成される。インピーダンス測定回路301は、測定センサー310と、発振器309と、抵抗器307及び電圧リミッタ308によって形成される電子回路とを含む。したがって、電気メス無線周波数信号発生器300を使用する場合のような高い外部電圧との適合性が許容される。
【0050】
各外科ツール102(
図5A及び5B参照)は、ドラム207によって作動されるシャフト204を中心にカニューレ201の端部に対して回転G1を実行することができる第1の関節要素又は本体202を支持するカニューレ201から構成される。本体202は電気外科鉗子104の端子要素250を支持し、その向きは、ドラム208及び209の手段によって作動されるシャフト206を中心に本体202に対して回転G2を実行することによって変更することができる。
【0051】
同様に、ケーブルC1a、C1b、C2、C3、C4及びC5、並びにプーリ210、211、212、213、220、221、222、223、230、231の組はそれぞれの外科ツール102が接続される駆動手段からの動きを伝達することを可能にし、シャフト204の周りでの回転G1を実行することを可能にするように適合され、これは、電気ケーブル304a及び304bの導入を妨げる機械的な複雑さを伴う。この機械的な複雑さは、インピーダンスを測定するための導電体が回転運動G1をドラム207に伝達する2つのケーブルC1a及びC1bと、ドラム208及び209によって電気外科鉗子104の向き及び開閉を伝達する4つのケーブルC2、C3、C4及びC5と、利用可能なより小さい空間を共有しなければならないので、非常に重要である(
図5B)。
【0052】
回転G1を可能にするために、上述のプーリ210、211、212、213、220、221、222、223、230、231の組が使用され、ここで、前記プーリのうちの少なくとも1つ、好ましくは全てが、その関節(articulation)シャフト上に配置される(
図6A)。特に、
図6Bに見られるように、カニューレ201及び本体202に対して直径位置(diametrical position)にある3つの平行なシャフト203、204及び205に取り付けられた、電気外科鉗子104を移動させる4つのケーブルC2、C3、C4及びC5のために、プーリの組が配置される(
図5B)。中央のシャフト204は、カニューレ201と本体202とを接合し、回転G1を実行することを可能にし、鉗子の動きを伝達する2対のアンタゴニストケーブルを接合する4つのプーリ220、221、222及び223を支持し、一方、2つのシャフト203及び205は付随するプーリを支持する。
【0053】
関節G1を通らなければならない各ケーブルのための3つの連続したシャフト上のプーリのこの配置は、通路214(
図5C参照)を作り出すプーリ210及び220の場合のように、連続したプーリ間の案内されたケーブル通路の生成を可能にすること、各ケーブルの動きの確実な案内を構成することに加えて、プーリ230及び231上に作り出された2つの自由空間が、必要な電気ケーブル304a及び304bの通過を可能にし、インピーダンスを測定することを可能にすることを考慮すると、他の実施形態よりも明らかな利点を提供する。
【0054】
すべてのプーリがカニューレ201及び本体202の中央平面上に配置されるという事実は、プーリがカニューレ201の最大ゲージを超えることなく可能な限り最大の直径を有することを可能にする。同様に、可能な限り最大の直径を有する、運動の伝達のために必要とされる4+4+2個のプーリでは、本発明がプーリ上の異なるケーブルの曲率半径を低減することを可能にし、外科ツール102の耐久性及び信頼性を改善する。プーリ230上の自由空間を通る電気ケーブル304a及び304bはケーブルC2及びC3と一体であり、軸G2上の電気外科鉗子104の撓みが生じるときに、いかなる機械的力も支持しないことを保証する(
図6D)。
【0055】
本発明の実施形態はまた、取得されたインピーダンスの値/大きさに基づいて、プッシュボタン/アクチュエータ111及び/又はペダル113を通して、制御ユニット110内で外科医又はオペレータによって知覚されなければならない反力ベクトルを見積もる又は計算するための感覚知覚方法を提供する。
【0056】
図7A~7Cは、前述の例をグラフで示す。接触力410(
図7A)の直接測定を可能にする外科ツール102上に力センサーがないと仮定すると、力ベクトルとしてプロセッサ311によって間接的に見積もられる。力ベクトル411は接触力410の反射ベクトル(reflected vector)として見積もられ、その係数は接触力410の係数に等しく、その偏角は同じ平面416上にあることによって定義され、これは、知覚される接点の前の2つの通過点414及び415、接触面413の法線412、及び入射角417に等しい反射角418によって定義される。
【0057】
反射ベクトルの空間において位置決めの計算を実行することを可能にする接触面413は不知である。したがって、提案される方法は、三次元空間においてモデリング400を実行することによって、環境の解剖学的要素の表面の構成の近似を取得する。この目的のために、該方法は手術(又は、動作)全体を通して知覚される接点(複数)404から三角形分割(又は、三角測量/triangulation)402をこれらを結合することによって生成する(すなわち、一連の三角形403を生成する)ステップを含む。それぞれの新しい知覚される接点404(
図9C)は、三角形403を新しい三角形405及び406に分解させる。このように、制御ユニット110の制御に反力として与えられ、外科医/オペレータへの知覚応答を生成する力ベクトル411の偏角を得ることを可能にする環境モデリング分解能は徐々に増加する。
【0058】
提案された発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせで実施することができる。それがソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体中の1つ又は複数の命令又はコードとして記憶されるか、又はコード化され得る。
【0059】
本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲において定義される。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科ツール(102)に結合された電気外科鉗子(104)と、
インピーダンス測定回路(301)に電気的に結合され、前記電気外科鉗子(104)にエネルギーを供給するように動作可能な電気メス無線周波数信号発生器(300)であって、前記インピーダンス測定回路(301)は、
前記電気外科鉗子(104)と患者の組織との間の接触インピーダンスの値に対応する強度を示す信号を測定するように構成された測定センサー(310)と、
前記測定センサー(310)に電力信号を提供するように構成された発振器(309)と、
前記測定センサー(310)及び前記発振器(309)を保護するための1つ又は複数の抵抗器(307)及び電圧リミッタ(308)を備える第1の電気回路であって、前記測定センサー(310)及び前記発振器(309)は前記外科ツール(102)の電力ケーブル(304)によって前記電気外科鉗子(104)に接続されている、該第1の電気回路と、
前記外科ツール(102)の前記電力ケーブル(304)に対する前記電気メス無線周波数信号発生器(300)の電力ケーブル(314)の接続及び切断間での切り替えを行うための第1のスイッチ回路(305)と、前記電気メス無線周波数信号発生器(300)及び測定センサー(310)の接続及び切断間での切り替えを行うための第2のスイッチ回路(306)を有する第2の電子回路
を備える該電気メス無線周波数信号発生器(300)と、
前記電力ケーブル(314)上に配置され、エネルギーを供給しながら前記第1及び第2のスイッチ回路(305、306)を自動的に切り替えるための少なくとも1つの容量性又は誘導性センサー(312)を含む無線周波数検出器(313)と、
前記インピーダンス測定回路(301)に動作可能に接続され、前記測定センサー(310)によって測定された前記信号を受信し、それを力ベクトルに変換するプロセッサ(311)であって、
前記力ベクトルは受信された前記信号の反射ベクトルとして見積もられ、前記ベクトルの係数は前記接触インピーダンスの関数であり、前記ベクトルの偏角は接触の瞬間に前記外科ツール(102)がたどる軌道によって定義される、該プロセッサ(311)
を含むロボット支援腹腔鏡手術のための感覚知覚手術システム。
【請求項2】
前記電気メス無線周波数信号発生器(300)は、前記エネルギーをモノポーラ及びバイポーラエネルギーの両方として供給するように構成される、請求項
1に記載のシステム。
【請求項3】
前記供給されるエネルギーはモノポーラであり、前記第1のスイッチ回路(305)及び前記第2のスイッチ回路(306)はそれぞれリレー(A1、B1)を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記供給されるエネルギーはバイポーラであり、前記第1のスイッチ回路(305)及び前記第2のスイッチ回路(306)はそれぞれ、少なくとも2つのリレー(A1、A2、B1、B2)を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項5】
その制御のために前記インピーダンス測定回路(301)及び前記電気メス無線周波数信号発生器(300)に動作可能に結合された制御要素(111、113)を含む制御ユニット(110)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御要素は、ペダル(113)及び/又はアクチュエータ/押しボタン(111)を含む、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサ(311)は、前記制御ユニット(110)に含まれる、請求項
5又は
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記電気外科鉗子(104)が、前記電気外科鉗子(104)の開閉及びその可動性を可能にするプーリ(210、211、212、213、220、221、222、223、223、230、231)及びケーブル(C1a、C1b、C2、C3、C4及びC5)の組を使用して前記外科ツール(102)に結合され、前記プーリ(210、211、212、213、220、221、222、223、230、231)のうちの少なくとも1つが、その関節シャフト上に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記プーリ(210、211、212、213、220、221、222、223、230、231)の組が、前記外科ツール(102)に対して、及び前記電気外科鉗子(104)の本体(202)に対して直径位置に配置された3つの平行なシャフト(203、204、205)上に配置される、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
プログラムコード命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、
外科ツール(102)に結合された電気外科鉗子(104)、インピーダンス測定回路(301)
、インピーダンス測定回路(301)に電気的に結合され、前記電気外科鉗子(104)にエネルギーを供給するように動作可能な電気メス無線周波数信号発生器(300)
、及び、少なくとも1つの容量性又は誘導性センサー(312)を含む無線周波数検出器(313)を備える感覚知覚外科システムであって、前記インピーダンス測定回路(301)は、測定センサー(310)と、発振器(309)と、1つ又は複数の抵抗器(307)及び電圧リミッタ(308)を備える第1の電気回路と、第1のスイッチ回路(305)及び第2のスイッチ回路(306)を備える第2の電子回路を含む、該感覚知覚外科システムの処理ユニットによって実行されたときに、
前記コード命令は、
-測定センサー(310)によって測定された、前記電気外科鉗子(104)と患者の組織の間の接触インピーダンスの値に対応する強度を示す信号を受信するステップと、
-受信された信号を力ベクトルに変換するステップであって、
前記力ベクトルは前記受信された信号の反射ベクトルとして見積もられ、前記ベクトルの係数は前記接触インピーダンスの関数であり、前記ベクトルの偏角は、接触の瞬間に前記外科ツール(102)がたどる軌道によって定義される、該変換するステップ
によって前記感覚知覚外科システムの制御ユニットによって知覚された反力ベクトルを見積もるための方法を実施する
、該非一時的コンピュータ可読媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲において定義される。
下記は、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載の内容である。
<請求項1>
外科ツール(102)に結合された電気外科鉗子(104)と、
インピーダンス測定回路(301)に電気的に結合され、前記電気外科鉗子(104)にエネルギーを供給するように動作可能な電気メス無線周波数信号発生器(300)であって、前記インピーダンス測定回路(301)は、
前記電気外科鉗子(104)と患者の組織との間の接触インピーダンスの値に対応する強度を示す信号を測定するように構成された測定センサー(310)と、
前記測定センサー(310)に電力信号を提供するように構成された発振器(309)と、
前記測定センサー(310)及び前記発振器(309)を保護するための1つ又は複数の抵抗器(307)及び電圧リミッタ(308)を備える第1の電気回路であって、前記測定センサー(310)及び前記発振器(309)は前記外科ツール(102)の電力ケーブル(304)によって前記電気外科鉗子(104)に接続されている、該第1の電気回路と、
前記外科ツール(102)の前記電力ケーブル(304)に対する前記電気メス無線周波数信号発生器(300)の電力ケーブル(314)の接続及び切断間での切り替えを行うための第1のスイッチ回路(305)と、前記電気メス無線周波数信号発生器(300)及び測定センサー(310)の接続及び切断間での切り替えを行うための第2のスイッチ回路(306)を有する第2の電子回路
を備える該電気メス無線周波数信号発生器(300)と、
前記インピーダンス測定回路(301)に動作可能に接続され、前記測定センサー(310)によって測定された前記信号を受信し、それを力ベクトルに変換するプロセッサ(311)であって、前記ベクトルの係数は前記接触インピーダンスの関数であり、前記ベクトルの偏角は接触の瞬間に前記外科ツール(102)がたどる軌道によって定義される、該プロセッサ(311)
を含むロボット支援腹腔鏡手術のための感覚知覚手術システム。
<請求項2>
前記電力ケーブル(314)上に配置され、エネルギーを供給しながら前記第1及び第2のスイッチ回路(305、306)を自動的に切り替えるための少なくとも1つの容量性又は誘導性センサー(312)を含む無線周波数検出器(313)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
<請求項3>
前記電気メス無線周波数信号発生器(300)は、前記エネルギーをモノポーラ及びバイポーラエネルギーの両方として供給するように構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
<請求項4>
前記供給されるエネルギーはモノポーラであり、前記第1のスイッチ回路(305)及び前記第2のスイッチ回路(306)はそれぞれリレー(A1、B1)を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
<請求項5>
前記供給されるエネルギーはバイポーラであり、前記第1のスイッチ回路(305)及び前記第2のスイッチ回路(306)はそれぞれ、少なくとも2つのリレー(A1、A2、B1、B2)を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
<請求項6>
その制御のために前記インピーダンス測定回路(301)及び前記電気メス無線周波数信号発生器(300)に動作可能に結合された制御要素(111、113)を含む制御ユニット(110)をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
<請求項7>
前記制御要素は、ペダル(113)及び/又はアクチュエータ/押しボタン(111)を含む、請求項6に記載のシステム。
<請求項8>
前記プロセッサ(311)は、前記制御ユニット(110)に含まれる、請求項6又は7に記載のシステム。
<請求項9>
前記電気外科鉗子(104)が、前記電気外科鉗子(104)の開閉及びその可動性を可能にするプーリ(210、211、212、213、220、221、222、223、223、230、231)及びケーブル(C1a、C1b、C2、C3、C4及びC5)の組を使用して前記外科ツール(102)に結合され、前記プーリ(210、211、212、213、220、221、222、223、230、231)のうちの少なくとも1つが、その関節シャフト上に配置される、請求項1に記載のシステム。
<請求項10>
前記プーリ(210、211、212、213、220、221、222、223、230、231)の組が、前記外科ツール(102)に対して、及び前記電気外科鉗子(104)の本体(202)に対して直径位置に配置された3つの平行なシャフト(203、204、205)上に配置される、請求項9に記載のシステム。
<請求項11>
外科ツール(102)に結合された電気外科鉗子(104)、インピーダンス測定回路(301)、及び、インピーダンス測定回路(301)に電気的に結合され、前記電気外科鉗子(104)にエネルギーを供給するように動作可能な電気メス無線周波数信号発生器(300)を備える感覚知覚外科システムであって、前記インピーダンス測定回路(301)は、測定センサー(310)と、発振器(309)と、1つ又は複数の抵抗器(307)及び電圧リミッタ(308)を備える第1の電気回路と、第1のスイッチ回路(305)及び第2のスイッチ回路(306)を備える第2の電子回路を含む、該感覚知覚外科システムの処理ユニットによって実行されたときに、
-測定センサー(310)によって測定された、前記電気外科鉗子(104)と患者の組織の間の接触インピーダンスの値に対応する強度を示す信号を受信するステップと、
-受信された信号を力ベクトルに変換するステップであって、前記ベクトルの係数は前記接触インピーダンスの関数であり、前記ベクトルの偏角は、接触の瞬間に前記外科ツール(102)がたどる軌道によって定義される、該変換するステップ
によって前記感覚知覚外科システムの制御ユニットによって知覚された反力ベクトルを見積もるための方法を実施するプログラムコード命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】