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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】電池及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/593 20210101AFI20230530BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20230530BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20230530BHJP
【FI】
H01M50/593
H01M50/262 P
H01M50/588
H01M50/262 S
H01M50/507
H01M50/569
H01M50/204 401D
H01M50/296
H01M50/249
H01M50/591
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557769
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 CN2022076681
(87)【国際公開番号】W WO2022213728
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】202120733682.2
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】王 学輝
(72)【発明者】
【氏名】梁 昌清
(72)【発明者】
【氏名】陳 小波
(72)【発明者】
【氏名】林 欽忠
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA18
5H040AS04
5H040AS06
5H040AS07
5H040AS13
5H040AS14
5H040AS19
5H040AS26
5H040AT02
5H040DD03
5H040DD06
5H040DD07
5H040DD26
5H040NN03
5H043AA04
5H043AA11
5H043AA12
5H043AA13
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA05
5H043FA04
5H043FA32
5H043GA23
5H043GA25
5H043GA26
5H043JA02F
5H043JA03F
5H043KA45F
5H043LA02F
5H043LA41F
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池の技術分野に関し、特に電池及び電力消費装置に関する。そのうち、電池は、第一の方向に沿って並べて配置される複数の電池セルと、第一の方向に沿って複数の電池セルの端部に設置されるエンドプレートと、エンドプレートに接続されるためのものであり、第一の方向に垂直である第二の方向に沿ってエンドプレートの天面に設置される絶縁部品とを含み、そのうち、絶縁部品の第三の方向に沿った最大長さは、Aであり、エンドプレートの第三の方向に沿った最大長さは、Bであり、且つA≧0.9Bであり、第三の方向は、第一の方向と第二の方向とに垂直である。本出願の実施例による電池は、エンドプレートの電池の正常使用での強度と絶縁要求を確保することができるだけでなく、電池の熱暴走の場合に高圧短絡が発生するリスクを低減することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
第一の方向に沿って並べて配置される複数の電池セル(400)と、
前記第一の方向に沿って前記複数の電池セル(400)の端部に設置されるエンドプレート(201)と、
前記エンドプレート(201)に接続されるためのものであり、前記第一の方向に垂直である第二の方向に沿って前記エンドプレート(201)の天面に設置される絶縁部品(203)とを含み、
そのうち、前記絶縁部品(203)の第三の方向に沿った最大長さはAであり、前記エンドプレート(201)の前記第三の方向に沿った最大長さはBであり、且つA≧0.9Bであり、前記第三の方向は前記第一の方向と前記第二の方向とに垂直である、ことを特徴とする電池。
【請求項2】
0.9B≦A≦Bである、ことを特徴とする請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記電池セル(400)の前記第三の方向に沿った最大長さは、Cであり、且つA≧0.9Cである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記絶縁部品(203)は、前記電池セル(400)の前記第一の方向に沿った投影と少なくとも部分的に重なる、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電池。
【請求項5】
前記絶縁部品(203)の前記第二の方向に沿った最小厚さは、1.5ミリメートル以上である、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電池。
【請求項6】
前記絶縁部品(203)の融点は、100℃よりも大きい、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電池。
【請求項7】
前記エンドプレート(201)には、前記第二の方向に沿って貫通する取り付け孔(2011)が設けられ、前記取り付け孔(2011)は、締結具を通過させて前記電池の固定を実現するように構成され、
前記絶縁部品(203)は、前記締結具の前記取り付け孔(2011)に露出した端部と前記電池セル(400)とを仕切るためのバリア部(2031)を有する、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電池。
【請求項8】
前記電池(200)は、前記複数の電池セル(400)の電気的接続を実現するための複数のバスバー部材(204)をさらに含み、前記絶縁部品(203)には、取り付け座(2032)が設けられ、少なくとも一つの前記バスバー部材(204)は、前記取り付け座(2032)に固定接続される、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電池。
【請求項9】
前記取り付け座(2032)は、第一の接続孔(5)を有し、少なくとも一つの前記バスバー部材(204)には、前記第一の接続孔(5)位置に対応する第二の接続孔(6)が設けられ、前記第二の接続孔(6)と前記第一の接続孔(5)は、接続部材を通過させて少なくとも一つの前記バスバー部材(204)と前記取り付け座(2032)との固定接続を実現するように構成される、ことを特徴とする請求項8に記載の電池。
【請求項10】
前記電池(200)は、前記複数の電池セル(400)の電圧及び/又は温度信号を検出するための信号検出部品(205)をさらに含み、前記信号検出部品(205)の信号入力端は、前記複数の電池セル(400)に電気的に接続され、前記信号検出部品(205)の信号出力端は、前記絶縁部品(203)に固定される、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の電池。
【請求項11】
前記絶縁部品(203)は、取り付け溝(2034)を有し、前記信号検出部品(205)の信号出力端は、前記取り付け溝(2034)に固定される、ことを特徴とする請求項10に記載の電池。
【請求項12】
前記絶縁部品(203)の底面と前記エンドプレート(201)の天面との間には、絶縁層(206)が設けられる、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電池。
【請求項13】
電気エネルギを提供するための、請求項1から12のいずれか1項に記載の電池(200)を含む、ことを特徴とする電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、電池の技術分野に関し、特に電池及び電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、電池は、一般的には、複数の電池セルと、エンドプレートとを含み、且つエンドプレートを複数の電池セルの配列方向の両端に固定し、エンドプレートは、充放電過程における複数の電池セルの膨張力に抗するために用いられるため、エンドプレートは、電池セルの全ライフサイクルでの膨張力の要求を満たすために、比較的高い強度を必要とするだけでなく、同時に、エンドプレートは、電池セルとエンドプレートとの間の短絡を防止するために、電池セルとの間の絶縁要求を満たす必要がある。
【0003】
エンドプレートに比較的高い強度を持たせるためには、エンドプレートは、一般的には、金属材料であり、エンドプレートの表面に絶縁材料を複合して、エンドプレートと電池セルとの間の絶縁を実現する。しかしながら、このような構造を採用したエンドプレートは、エンドプレートと電池セルとの間の正常な使用動作状況での絶縁を満たすことができる一方で、電池における一部の電池セルが熱暴走した後に、エンドプレートと電池セルとの間で絶縁故障が発生しやすく、それによって電池高圧短絡のリスクを引き起こす。
【発明の概要】
【0004】
上記問題に鑑み、本出願の実施例は、エンドプレートの電池の正常使用での強度と絶縁要求を確保することができるだけでなく、電池が熱暴走する場合に高圧短絡が発生するリスクを低減することができる電池及び電力消費装置を提供する。
【0005】
本出願の実施例の一局面は、電池を提供する。前記電池は、第一の方向に沿って並べて配置される複数の電池セルと、第一の方向に沿って複数の電池セルの端部に設置されるエンドプレートと、エンドプレートに接続されるためのものであり、第一の方向に垂直である第二の方向に沿ってエンドプレートの天面に設置される絶縁部品とを含み、そのうち、絶縁部品の第三の方向に沿った最大長さはAであり、エンドプレートの第三の方向に沿った最大長さはBであり、且つA≧0.9Bであり、第三の方向は第一の方向と第二の方向とに垂直である。
【0006】
上記方案を採用することによって、エンドプレートは、複数の電池セルの端部に位置し、充放電過程における複数の電池セルの膨張力に抗するために用いられ、絶縁部品の第三の方向における長さが比較的大きく、エンドプレートの天面をほぼ全面的に覆うことができるため、絶縁部品は、電池の正常な使用時にエンドプレートに対して比較的に全面的な絶縁防護を提供することができる。それだけでなく、電池セルが熱暴走した場合、高温の気流の噴出により絶縁部品が溶融しても、依然としてエンドプレートの天面を比較的に全面的に覆うことができ、エンドプレート頂部のそれぞれにおける沿面距離と電気隙間の絶縁要求を満たすことができ、エンドプレートと電池セルとの間の高圧着火の発生を回避する。
【0007】
いくつかの実施例では、0.9B≦A≦Bである。
【0008】
上記方案を採用することによって、絶縁部品のエンドプレートに対する絶縁防護を確保するとともに、絶縁部品の不必要な体積を減らし、電池体積の小型化に有利である。
【0009】
いくつかの実施例では、電池セルの第三の方向に沿った最大長さは、Cであり、且つA≧0.9Cである。
【0010】
いくつかの実施例では、絶縁部品は、電池セルの第一の方向に沿った投影と少なくとも部分的に重なる。
【0011】
上記方案を採用することによって、電池セルの第二の方向における天面の縁とエンドプレートの天面との間に絶縁部品が介在するため、電池セルの電気信号がエンドプレート頂部から引き出される時、電気信号とエンドプレートとの間で絶縁部品を介して防護し、それによって電池セルとエンドプレートとの間の沿面距離と電気隙間を増大させ、さらに電池セルとエンドプレートとの間に短絡が発生することを防止する。
【0012】
いくつかの実施例では、絶縁部品は、第二の方向に沿った最小厚さは、1.5ミリメートル以上である。
【0013】
上記方案を採用することによって、絶縁部品の厚さが比較的に小さいことに起因する電池セルとエンドプレートとの間の絶縁故障を防止する。
【0014】
いくつかの実施例では、絶縁部品の融点は、100℃よりも大きい。
【0015】
上記方案を採用することによって、電池セルが熱暴走した場合に、絶縁部品が溶融されて絶縁効果が失われるか又は弱められることを防止することができる。
【0016】
いくつかの実施例では、エンドプレートには、第二の方向に沿って貫通する取り付け孔が設けられ、取り付け孔は、締結具を通過させて電池の固定を実現するように構成される。
【0017】
絶縁部品は、締結具の取り付け孔に露出した端部と電池セルとを仕切るためのバリア部を有する。
【0018】
上記方案を採用することによって、締結具は、一般的に、金属材質であり、バリア部の設置は、電池セルと締結具との間の短絡を防止することができる。
【0019】
いくつかの実施例では、電池は、複数の電池セルの電気的接続を実現するための複数のバスバー部材をさらに含み、絶縁部品には、取り付け座が設けられ、少なくとも一つのバスバー部材は、取り付け座に固定接続される。
【0020】
いくつかの実施例では、取り付け座は、第一の接続孔を有し、少なくとも一つのバスバー部材には、第一の接続孔の位置に対応する第二の接続孔が設けられ、第二の接続孔と第一の接続孔は、接続部材を通過させて少なくとも一つのバスバー部材と取り付け座との固定接続を実現するように構成される。
【0021】
上記方案を採用することによって、バスバー部材は、複数の電池セルを電気的に接続した後、複数の電池セルの電気信号をそのうちの少なくとも一つのバスバー部材によって送出し、バスバー部材とエンドプレートとの間の直接接触による短絡を防止する。バスバー部材と取り付け座との間は固定接続されて、バスバー部材が電力消費装置の作動中に揺れが生じ、複数の電池セルの間の電気的接続の安定性及び電気信号の安定出力に影響を与えることを防止する。
【0022】
いくつかの実施例では、電池は、複数の電池セルの電圧及び/又は温度信号を検出するための信号検出部品をさらに含み、信号検出部品の信号入力端は、複数の電池セルに電気的に接続され、信号検出部品の信号出力端は、絶縁部品に固定される。
【0023】
上記方案を採用することによって、信号検出部品の信号出力端を絶縁部品に固定し、信号検出部品がエンドプレートに直接接触して短絡が発生することを防止する。
【0024】
いくつかの実施例では、絶縁部品は、取り付け溝を有し、信号検出部品の信号出力端は、取り付け溝に固定される。
【0025】
上記方案を採用することによって、信号検出部品を絶縁部品上の取り付け溝に固定し、ユーザは、取り付け溝から信号出力端を接続して、信号検出部品から出力される信号を受信し、ユーザの使用を容易にすることができる。
【0026】
いくつかの実施例では、絶縁部品の底面とエンドプレートの天面との間には、絶縁層が設けられる。
【0027】
上記方案を採用することによって、絶縁層は、エンドプレートに対して強化絶縁防護を行い、さらに電池セルとエンドプレートとの間の沿面距離と電気隙間を増加させ、電池セルとエンドプレートとの間に短絡が発生することを防止する。
【0028】
本出願の実施例の別の局面は、電力消費装置を提供する。前記電力消費装置は、上記いずれか一つの実施例の電池を含み、電池は、電気エネルギを提供するために用いられる。
【0029】
本出願の実施例では、エンドプレート上方に絶縁部品を設置し、絶縁部品の長さを増加させることにより、絶縁部品がエンドプレートをより全面的に覆い、それによって電池セルとエンドプレートとの間に短絡が発生する確率を低減する。
【0030】
上記の説明は、本出願の実施例の技術案を述べるに過ぎず、本出願の実施例の技術手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施することができ、且つ本出願の実施例の上記と他の目的、特徴と利点をより分かりやすくするために、以下では、本出願の具体的な実施の形態を特に列挙する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、実施例の記述において使用する必要がある図面を簡単に紹介する。自明のことながら、以下の記述における図面は、本出願のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、これらの図面に基づき、他の図面を得ることもできる。
図1】本出願の実施例における電力消費装置の構造概略図である。
図2】本出願の実施例における電池の構造概略図である。
図3】本出願の実施例における電池モジュールの構造概略図である。
図4】本出願の実施例における電池セルの構造概略図である。
図5】本出願の実施例における電池の分解概略図である。
図6】本出願の実施例におけるエンドプレートと絶縁部品の組み合わせ状態の概略図である。
図7】本出願の実施例におけるエンドプレートと絶縁部品の分解状態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本出願の実施例の目的、技術案と利点をより明瞭にするために、以下は、本出願の実施例における図面と結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述する。当然のことながら、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わずに得られる全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0033】
特に定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術と科学用語は、当業者が通常理解している意味と同じであり、本明細書において、出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を記述するためにのみ使用され、本出願を制限することを意図するものではない。
【0034】
本出願の明細書と請求項及び図面の説明における用語である「を含む」と「を有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。単語である「一」又は「一つ」は、複数が存在することを除外しない。
【0035】
本明細書で「実施例」と言及することは、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が、本出願の少なくとも一実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各位置にこのフレーズが現れることは、必ずしもいずれも同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と排他的に独立した実施例又は代替の実施例でもない。当業者は、本明細書に記述された実施例が他の実施例と結び付けることが可能であると明示的且つ非明示的に理解している。
【0036】
本明細書における用語である「及び/又は」は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを含むことを表してもよい。また、本明細書における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0037】
以下の記述に現れる用語は、いずれも図面に示す方向であり、本出願の電池及び電力消費装置の具体的な構造を限定するものではない。例えば、本出願の記述において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって示された方向又は位置関係は、図面に示す方向又は位置関係に基づくものであり、本出願の記述の便宜又は記述の簡略化を図るためだけのものであり、言及された装置又は要素が特定の方向を有し、特定の方向で構造及び操作される必要があることを指示又は示唆するものではなく、本出願を限定するものと理解されるべきでない。
【0038】
なお、例えば、本実施例の電池及び電力消費装置の各部材の操作と構造の指示方向を説明するためのX方向、Y方向及びZ方向などの記述は、必須でなく相対的であり、且つ電池パックの各部材が図に示す位置にある場合にはこれらの指示が適切であるが、それらの位置が変化した場合には、それらの方向は、前記変化に対応するために異なるように解釈すべきである。
【0039】
なお、本出願の明細書と請求項又は上記図面における用語である「第一」、「第二」などは、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序を記述するか、一つ又はそれ以上のこの特徴を含むことができることを明示又は示唆するためのものではない。
【0040】
本出願の記述では、特に説明しない限り、「複数」の意味とは、二つ以上(二つを含む)であり、同様に、「複数組」とは、2組以上(2組を含む)である。
【0041】
本出願の記述において、説明すべきこととして、特に明記し、限定する場合を除き、「取り付け」、「繋がり」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、機械構造の「繋がり」又は「接続」は、物理的な接続を意味してもよく、例えば、物理的な接続は、固定接続であってもよく、例えば固定部材を介した固定接続であってもよく、例えばネジ、ボルト又は他の固定部材を介した固定接続であってもよく、物理的な接続は、着脱可能な接続、例えば相互係合又は係合接続であってもよく、物理的な接続は、一体的な接続、例えば、溶接、接着又は一体成形された接続であってもよい。回路構造の「繋がり」又は「接続」は、物理的な接続に加えて、電気的接続又は信号接続を意味してもよく、例えば、直接の繋がり、即ち物理接続であってもよく、中間の少なくとも一つの素子を介した間接的な繋がりであってもよく、回路連通を達成すればよく、二つの素子内部の連通であってもよく、信号接続は、回路を介して信号接続を行うことに加えて、メディア媒体、例えば電波を介した信号接続を意味してもよい。当業者にとって、本出願における上記の用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解されるものである。
【0042】
本出願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよく、本出願の実施例は、それらの電池セルに限定されない。電池セルは、円柱体、扁平体、長方体又は他の形状などを呈することができ、本出願の実施例は、それらの形状に限定されない。電池セルは、一般的に、パッケージ方式に応じて、柱形電池セル、四角形電池セルと軟質バッグ電池セルという三種類に分けることができるが、本出願の実施例は、それらの方式に限定されない。
【0043】
電池セルは、ハウジングと、電極コンポーネントと、電解液とを含み、電極コンポーネントは、正極極板、負極極板とセパレータから構成される。電池セルは、主に金属イオンが正極極板と負極極板との間で移動することによって作動する。正極極板は、正極集電体と、正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層がコーティングされていない正極集電体は、正極活物質層がすでに塗布された正極集電体に突出され、正極活物質層がコーティングされていない正極集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料は、アルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極極板は、負極集電体と、負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層がコーティングされていない負極集電体は、負極活物質層がすでに塗布された負極集電体から突出しており、負極活物質層がコーティングされていない負極集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数に積層されており、負極タブの数は複数であり且つ積層されている。セパレータの材質は、PP又はPEなどであってもよい。なお、電極コンポーネントは、巻回型構造であってもよく、積層型構造であってもよく、本出願の実施例は、それに限られない。
【0044】
ハウジングは、ケースと、エンドキャップコンポーネントとを含み、ケースは、収容室を有し、ケースの上部には、開口を有し、即ちケースの一つの方向には、側壁を有さず、収容室とケース外部とを連通させ、電極コンポーネントが開口から収容室に入れた後、エンドキャップコンポーネントを利用して開口に対して封止を行い、エンドキャップコンポーネント上の注液穴を介して収容室内に電解液を注入し、最後に注液穴をシールして、気体、液体又は固体がハウジングの内部と外部との間を流通することを防止する。
【0045】
電池は、一般的に、複数の電池セルを組み合わせたものであり、複数の電池セルは、一方向に沿って並べられて、電池セルの配列方向の両端にエンドプレートが設置される。エンドプレートは、電池セルを一定領域内に制限し、電池セルの膨張力に抗するために用いられるとともに、エンドプレートは、電池セルとエンドプレートとの間の短絡を防止するために、電池セルとの間の絶縁要求を満たす必要がある。
【0046】
そのため、エンドプレートが非金属材料であれば、エンドプレート自体の強度は、電池セルの全ライフサイクルにおける膨張力の要求を満たすことができない。エンドプレートが金属材料であれば、エンドプレートは、電池セルとの間に短絡が発生しやすく、ひいては高圧着火が発生し、電池の使用性能と安全性能に影響を与える。
【0047】
このために、関連技術では、エンドプレートの表面に絶縁材料を複合してエンドプレートと電池セルとの間の絶縁を実現する。このような構造のエンドプレートを採用すると、エンドプレートの強度要求を満たした上で、電池セルとエンドプレートとの間の短絡のリスクをある程度低減することができるが、電池の使用過程において、電池セルとエンドプレートとの間が短絡により高圧着火を引き起こす場合がある。
【0048】
本発明者らが鋭意検討した結果、これは、従来技術におけるエンドプレート上に複合した絶縁材料が比較的少なく、絶縁材料のエンドプレートに対する被覆面が比較的に小さいため、エンドプレートに絶縁故障が発生しやすく、特に電池の中のある電池セルが熱暴走した場合に、電池セルから生じる高温排出物が絶縁材料を軟化溶解し、電池セルとエンドプレートとの間の沿面距離と電気隙間が小さくなり、さらに電池セルとエンドプレートとの間に短絡、ひいては高圧着火が発生することを見出した。
【0049】
これに鑑み、本出願の実施例は、電池を提供する。この電池は、エンドプレート上に絶縁部品を設置し、絶縁部品のエンドプレート上の被覆面積を増加させることにより、電池のエンドプレートが電池の正常使用での強度と絶縁要求を確保することができるだけでなく、電池が熱暴走した場合でも高圧短絡が発生するリスクを低減することができる。
【0050】
本出願の実施例における電池は、電池を用いた様々な電力消費装置、例えば、携帯電話、携帯型機器、ノートパソコン、電気バイク、電気玩具、電気工具、電気車両、船舶と宇宙船などに適用でき、例えば、宇宙船は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙飛行船などを含むが、それに限らない。
【0051】
図1には、本出願の一実施例による車両2の構造概略図を示す。車両2は、ガソリン自動車、ガス自動車又は新エネルギ自動車であってもよく、新エネルギ自動車は、純電気自動車、ハイブリット自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両2は、電池200と、コントローラ210と、モータ220とを含む。電池200は、コントローラ210とモータ220とに電力を供給するためのものであり、車両2の操作電源と駆動電源として、例えば、電池200は、車両2の始動、ナビゲーションと運行時の作動電力消費需要に用いられる。例えば、電池200は、コントローラ210に電力を供給し、コントローラ210は、電池200を制御してモータ220に電力を供給し、モータ220は、電池200の電力を車両2の駆動電源として受電して使用し、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両2に駆動動力を提供する。
【0052】
図2に示すように、電池200を比較的高いパワーに到達させて使用需要を満たすために、一実施例では、電池200は、互いに電気的に接続される複数の電池セル400を含んでもよい。
【0053】
例えば、電池200は、二つのエンドプレート201と、二つの側板202とを含み、エンドプレート201と側板202との間は、電池セル400を収容するためのキャビティ構造を囲んで形成する。
【0054】
一実施例では、エンドプレート201と側板202は、いずれも金属材料、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金であってもよく、エンドプレート201と側板202との間は、溶接接続され、電池セル400は、エンドプレート201と側板202とを囲んで形成したキャビティ内に設置される。
【0055】
理解できるように、電池セル400は、エンドプレート201と側板202とを囲んで形成したキャビティ内に独立して設置してもよく、複数の電池セル400を組み合わせて電池モジュールを形成した後、一つ又は複数の電池モジュールを、エンドプレート201と側板202とを囲んで形成したキャビティ内に設置してもよい。
【0056】
図3に示すように、電池モジュール300は、一つ又は複数の電池セル400を含んでもよく、電池モジュール300が複数の電池セル400を含む場合、複数の電池セル400は、直列接続、並列接続又は直並列接続の方式によって電気的に接続されて、比較的大きい電流又は電圧を実現することができる。ここで、直並列接続とは、直列接続と並列接続との組み合わせを意味する。また、複数の電池セル400は、所定の規則に従って並べてもよく、図3に示すように、電池セル400は、縦置きしてもよく、電池セル400の高さ方向は、図におけるZ方向と一致し、電池セル400の厚さ方向は、図におけるY方向と一致し、且つ複数の電池セル400が図におけるY方向に沿って並べて設置され、ここで、Y方向は、Z方向に垂直である。
【0057】
図4は、本出願の実施例による電池セル400の構造概略図を示す。この電池セル400は、ハウジングと、ハウジング内に設けた一つ又は複数の電極コンポーネント40とを含み、ハウジングは、エンドキャップコンポーネント1と、ケース20とを含み、ハウジングは、中空キャビティであり、例えば、ケース20は、収容室を有し、且つケース20のうちの一つの面には開口を有し、即ちこの平面は、ケース壁を有さず、電極コンポーネント40をケース20の収容室に収容できるようにケース20内外を連通させ、エンドキャップコンポーネント1は、ケース20の開口部でケース20と結合して中空キャビティを形成する。
【0058】
ケース20は、一つ又は複数の電極コンポーネント40を組み合わせた後の形状に応じて決定され、例えば、ケース20は、中空長方体又は中空立方体又は中空円柱体であってもよい。ケース20が中空の長方体又は立方体である場合、ケース20のうちの一つの平面は開口面である。即ちこの平面は、ケース壁を有さず、ケース20の内外を連通させる。ケース20が中空の円柱体である場合、ケース20の少なくとも一つの円形側面は開口面である。即ちこの円形側面は、ケース壁を有さず、ケース20内外を連通させる。ケース20は、金属材料又はプラスチックから作製されてもよく、いくつかの実施例では、ケース20は、アルミニウム又はアルミニウム合金から作製される。
【0059】
図4に示すように、エンドキャップコンポーネント1は、エンドキャップ11と、二つの電極端子12とを含む。二つの電極端子12は、それぞれ正極端子及び負極端子であり、各電極端子12には、一つの接続部材30が対応して設置される。
【0060】
電極コンポーネント40は、正極タブ41と、負極タブ42とを有し、接続部材30は、電極コンポーネント40と電極端子12とを電気的に接続するために用いられる。例えば、いくつかの実施例では、一つの接続部材30は、正極タブ41と正極端子とを電気的に接続するために用いられ、別の接続部材30は、負極タブ42と負極端子とを電気的に接続するために用いられる。図4では、電池セル400が一つのエンドキャップコンポーネント1を有する場合のみを示しているが、理解できるように、電池セル400は、二つのエンドキャップコンポーネント1を含んでもよく、二つのエンドキャップコンポーネント1は、ケース20の両端にそれぞれ設置され、各エンドキャップコンポーネント1上には、一つの電極端子12がそれぞれ設置される。
【0061】
エンドキャップコンポーネント1には、収容室の室内に電解液を注入するための注液穴13がさらに設置され、注液が完了した後、この注液穴13はシールされる。
【0062】
図5は、本出願の実施例に係る電池の分解構造概略図であり、図5に示すように、電池200は、複数の電池セル400と、エンドプレート201と、絶縁部品203とを含む。
【0063】
そのうち、複数の電池セル400は、第一の方向に沿って並べて配置され、例えば、一実施例では、複数の電池セル400は、第一の方向に沿って配置された後、結束バンドを用いて束ねて固定され、第一の方向は、図5に示すY方向である。
【0064】
エンドプレート201は、第一の方向に沿って複数の電池セル400の端部に設置される。一実施例では、エンドプレート201は、二つ設置されており、そして第一の方向に沿って最端部に位置する電池セル400の外側にそれぞれ設置される。ここで外側とは、端部に位置する電池セル400の残りの電池セル400から離れた側を意味する。エンドプレート201の材質は、金属材料、例えばアルミニウム、アルミニウム合金などであってもよく、充放電過程における複数の電池セル400の膨張力に抗するために用いられる。
【0065】
絶縁部品203は、エンドプレート201の第二の方向に沿った天面に位置し、且つ絶縁部品203は、エンドプレート201に接続されている。一実施例では、絶縁部品203の材質は、ポリカーボネート-ABS樹脂複合材料(PC-ABS)、ポリプロピレン(PP)、可溶性ポリテトラフルオロエチレン(FPA)などの非金属材料であってもよい。絶縁部品203の第三の方向に沿った最大長さをAと定義し、エンドプレート201の第三の方向に沿った最大長さをBと定義し、A≧0.9Bである。そのうち、第二の方向は、第一の方向に垂直であり、第三の方向は、第一の方向と第二の方向に垂直であり、例えば、第二の方向は、図5に示すZ方向であり、第三の方向は、図5に示すX方向である。
【0066】
上記実施例の方案では、絶縁部品203の第三の方向における長さが比較的大きく、エンドプレート201天面をほぼ全面的に覆うことができるため、絶縁部品203は、電池200の正常な使用時にエンドプレート201に対して比較的に全面的な絶縁防護を提供することができる。それだけでなく、電池セル400が熱暴走した場合に、高温の気流の噴出により絶縁部品203が溶融されても、依然としてエンドプレート201の天面を比較的に全面的に覆うことができ、エンドプレート201の頂部のそれぞれにおける沿面距離と電気隙間により絶縁要求を満たすことができ、エンドプレート201と電池セル400との間の高圧着火の発生を回避する。
【0067】
いくつかの実施例では、絶縁部品203のエンドプレート201に対する絶縁防護性能を確保するとともに、絶縁部品203の不必要な体積を減らすために、絶縁部品203の第三の方向に沿った最大長さは、エンドプレート201の第三の方向に沿った最大長さ以下であり、即ち0.9B≦A≦Bである。これを設置することは、絶縁部品203が比較的に大きい空間を占有することを防止することができ、それによって電池200の体積の小型化にとって有利である。
【0068】
いくつかの実施例では、電池セル400の第三の方向に沿った最大長さは、Cであり、且つA≧0.9Cである。絶縁部品203の第三の方向における長さが電池セル400の第三の方向における長さに比較的に近いため、絶縁部品203は、エンドプレート201と電池セル400との間に短絡が発生することをさらに防止することができる。
【0069】
いくつかの実施例では、絶縁部品203は、電池セル400の第一の方向に沿った投影と少なくとも部分的に重なる。この実施例では、電池セル400の第二の方向における天面縁は、絶縁部品203に対向することによって、電池セル400の縁とエンドプレート201の天面との間に絶縁部品203が介在するため、電池セル400の電気信号がエンドプレート201の頂部から引き出される時、電気信号の引き出される部位とエンドプレート201との間で防護するために絶縁部品203を有し、それによって電池セル400とエンドプレート201との間の沿面距離と電気隙間を増大させ、さらに電池セル400とエンドプレート201との間に短絡が発生することを防止する。
【0070】
電池200の使用過程において、電池セル400に短絡、過充電、釘刺し、衝撃などの状況が発生した場合、電池セル400に熱暴走が発生するおそれがあり、電池セル400が熱暴走した時に膨大な排出物が産生し、その排出物の温度は比較的高い。そのため、いくつかの実施例では、絶縁部品203の融点は、100℃よりも大きい。それによって、電池セル400が熱暴走した場合、絶縁部品203が高温排出物により溶融されて、絶縁効果が失われたり又は弱められたりすることを防止することができる。
【0071】
図5に示すように、いくつかの実施例では、電池200は、複数の電池セル400の電気的接続を実現するための複数のバスバー部材204をさらに含む。例えば、バスバー部材204は、複数の電池セル400の正極端子又は負極端子に接続され、それによって複数の電池セル400の間の直列接続、並列接続又は直並列接続を実現し、ここで、直並列接続とは、直列接続と並列接続との組み合わせを意味する。
【0072】
図6は、本出願のエンドプレート201と絶縁部品203とを組み合わせた構造概略図であり、図5図6を結び付けながら、絶縁部品203には、取り付け座2032が設置され、少なくとも一つのバスバー部材204は、取り付け座2032に固定接続され、それによってバスバー部材204とエンドプレート201との間の直接接触による短絡を防止する。
【0073】
図5図6を結び付けながら、一実施例では、バスバー部材204と取り付け座2032との間の固定接続方式は、取り付け座2032が第一の接続孔5を有し、少なくとも一つのバスバー部材204には、第一の接続孔5の位置に対応する第二の接続孔6が開設され、第二の接続孔6と第一の接続孔5とが接続部材を通過させて少なくとも一つのバスバー部材204と取り付け座2032との固定接続を実現するように構成される。選択的に、接続部材は、ボルトであり、ボルトは、第二の接続孔6と第一の接続孔5とを順に通過して第一の接続孔5内に固定することによってバスバー部材204と取り付け座2032との間の固定を実現する。
【0074】
一実施例では、取り付け座2032にはナット2033が嵌着されており、第一の接続孔5は、ナット2033上に位置するねじ穴である。
【0075】
上記方案を採用することによって、バスバー部材204は、複数の電池セル400を電気的に接続した後、複数の電池セル400の電気信号を、そのうちの少なくとも一つのバスバー部材204によって送出し、バスバー部材204とエンドプレート201との間の直接接触による短絡を防止し、バスバー部材204と取り付け座2032との間は、固定接続されて、バスバー部材204が電力消費装置の作動過程中に揺れが生じ、複数の電池セル400の間の電気的接続の安定性及び電気信号の安定伝送に影響を与えることを防止する。
【0076】
いくつかの実施例では、電池200は、複数の電池セル400の電圧及び/又は温度信号を検出するための信号検出部品205をさらに含み、信号検出部品205の信号入力端は、複数の電池セル400に電気的に接続され、信号検出部品205の信号出力端は、絶縁部品203に固定される。理解できるように、信号検出部品205は、プリント回路基板(PCB)又はフレキシブル回路基板(FPC)である。選択的に、絶縁部品203は、取り付け溝2034を有し、信号検出部品205の信号出力端は、取り付け溝2034に固定される。例えば、信号検出部品205の信号出力端は、ネジを用いて取り付け溝2034に接続される。この方案は、信号検出部品205とエンドプレート201との直接接触による短絡を防止することができるとともに、ユーザは、取り付け溝2034から信号出力端を直接接続して、信号検出部品205から出力される信号を取得し、ユーザの使用を容易にすることができる。
【0077】
図6に示すように、いくつかの実施例では、エンドプレート201には、第二の方向に沿って貫通する取り付け孔2011が開設される。取り付け孔2011は、締結具を通過させて電池200の固定を実現するように構成される。例えば、締結具は、ボルトであってもよく、ボルトは、取り付け孔2011を通過してエンドプレート201の下方の取り付け部に固定する。この取り付け部は、電力消費装置上に位置してもよく、いずれか一つのエンドプレート201の固定専用の部品に位置してもよい。電池200の固定位置の堅牢性を確保するために、一実施例では、締結具は、金属材質であってもよく、例えば、締結具は、鋼鉄材質である。
【0078】
絶縁部品203は、締結具の取り付け孔2011に露出した端部と電池セル400とを仕切るためのバリア部2031を有する。バリア部2031の設置は、電池セル400と締結具との間に短絡が発生することを防止することができる。
【0079】
本出願の一実施例では、絶縁部品203の絶縁防護効果を強化するために、絶縁部品203の第二の方向に沿った最小厚さは、1.5ミリメートル以上であり、絶縁部品203厚さが比較的に小さいことによる電池セル400とエンドプレート201との間の絶縁故障を防止する。
【0080】
図7は、本出願のエンドプレート201と絶縁部品203の分解状態の構造概略図である。図7に示すように、本出願の別の実施例では、絶縁部品203の底面とエンドプレート201の天面との間に絶縁層206が設置される。選択的に、絶縁層206は、エンドプレート201の天面を全体的に覆うか、又は、絶縁層206は、取り付け座2032、取り付け溝2034などの比較的脆弱な部位に対向する箇所に設置される。
【0081】
上記実施例では、絶縁層206は、エンドプレート201に対して強化絶縁防護を行い、さらに電池セル400とエンドプレート201との間の沿面距離と電気隙間を増加させ、電池セル400とエンドプレート201との間に短絡が発生することを防止する。
【0082】
以上のように、上述した電池200は、エンドプレート201の上方に絶縁部品203を設置し、絶縁部品203の長さを増加させることにより、絶縁部品203がエンドプレート201を比較的に全面的に覆い、それによって電池セル400とエンドプレート201との間に短絡が発生する確率を低減する。
【0083】
本出願における電池200は、上記特性を有するため、本出願による電池200を用いて電気エネルギを供給する電力消費装置は、同様に電池200に短絡が発生することを防止するという特徴を有している。
【0084】
本出願の異なる実施例の特徴の組み合わせは、本出願の範囲内にあり、そして異なる実施例を形成することは当業者に理解される。例えば、特許請求の範囲において、保護を求める実施例のいずれか一つは、任意の組み合わせにより使用されることができる。
【0085】
以上の実施例は、本出願の技術案を説明するためにのみ使用されるが、それに限定されるものではない。前記各実施例を参照しながら本出願を詳細に説明したが、当業者は、依然として前記各実施例に記載された技術案を修正し、又はその一部の技術特徴に同等の置き換えを行うことができるが、これらの修正又は置き換えは、該当する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の精神と範囲から逸脱させるものではないと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】