(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-06
(54)【発明の名称】カニューレアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20230530BHJP
【FI】
A61B17/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022561518
(86)(22)【出願日】2021-04-05
(85)【翻訳文提出日】2022-11-24
(86)【国際出願番号】 IB2021052811
(87)【国際公開番号】W WO2021205321
(87)【国際公開日】2021-10-14
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】モズルーム・ジュニア・ジョセフ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ストーン・クリストファー・ブロック
(72)【発明者】
【氏名】バーコウィッツ・アンドリュー・エス
(72)【発明者】
【氏名】ホール・スティーブン・ジー
(72)【発明者】
【氏名】シェズネス・リチャード・パトリック
(72)【発明者】
【氏名】カーク・ジェフリー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ヒル・アレン・カルダー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリー・ジェフリー・ピー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF45
(57)【要約】
トロカールアセンブリは、カニューレ、封止カートリッジ、及び閉鎖具を含むことができる。封止カートリッジは、カニューレに解放可能に結合され、封止カートリッジの結合構成において、少なくとも部分的にカニューレ内に配設されるように構成されている。閉鎖具は、閉鎖具の結合構成において、カニューレに直接ラッチし、カニューレ及び封止カートリッジを通って延在するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トロカールアセンブリであって、
カニューレと、
封止カートリッジであって、前記カニューレに解放可能に結合され、前記封止カートリッジの結合構成において、少なくとも部分的に前記カニューレ内に配設されるように構成されている、封止カートリッジと、
閉鎖具であって、前記閉鎖具の結合構成において、前記カニューレに直接ラッチし、前記カニューレ及び前記封止カートリッジを通って延在するように構成された、閉鎖具と、を備える、トロカールアセンブリ。
【請求項2】
前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレのブリムに直接ラッチするように構成されている、請求項1に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項3】
前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレの内側表面に直接ラッチするように構成されている、請求項1又は2に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項4】
前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレの外側表面に直接ラッチするように構成されている、請求項1又は2に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項5】
前記封止カートリッジが、前記封止カートリッジの前記結合構成において、前記カニューレに直接ラッチし、前記カニューレとの封止を形成するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項6】
前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレからの前記封止カートリッジの除去を妨害する、請求項1~5のいずれか一項に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項7】
前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記封止カートリッジの解放ボタンと回転で位置合わせする解放ボタンを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項8】
前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記封止カートリッジの解放ボタンと回転でオフセットされる解放ボタンを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項9】
前記カニューレが、前記封止カートリッジの前記結合構成において、前記カニューレの側壁を通って前記封止カートリッジの解放ボタンへのアクセスを許容する第1のウィンドウを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項10】
前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記第1のウィンドウにラッチするように構成されている、請求項9に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項11】
前記カニューレが、前記第1のウィンドウから約180度離れて配設された第2のウィンドウを含む、請求項9に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項12】
前記カニューレが、前記封止カートリッジの前記結合構成において、前記カニューレの前記側壁を通って前記封止カートリッジの流体ポートへのアクセスを許容するスロットを含む、請求項11に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のウィンドウ及び前記第2のウィンドウが各々、前記スロットから約90度に配設されている、請求項12に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項14】
前記カニューレが、漏斗部分と、前記漏斗部分から遠位に延在する管状部分と、を含み、
前記閉鎖具が、ヘッド部分と、前記ヘッド部分から遠位に延在するシャフト部分と、前記シャフト部分の遠位端にある先端と、を含み、
前記閉鎖具の前記ヘッド部分が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレの前記漏斗部分に係合し、
前記閉鎖具の前記シャフト部分が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレの前記管状部分を通って延在し、
前記シャフト部分の前記遠位端にある前記先端が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレの遠位端を越えて遠位に延在する、請求項1~13のいずれか一項に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項15】
トロカールアセンブリであって、
カニューレであって、
漏斗部分と、
前記漏斗部分から延在する下部カニューレ部分であって、カニューレルーメンを画定する、下部カニューレ部分と、を含む、カニューレと、
前記カニューレの前記漏斗部分と解放可能に係合するように構成された封止カートリッジと、
閉鎖具であって、
結合構成において、前記カニューレの前記漏斗部分に結合するように構成された上部閉鎖具部分と、
前記上部閉鎖具部分から延在するシャフト部分であって、前記シャフト部分が、前記結合構成において、前記カニューレルーメン及び前記封止カートリッジを通って延在するように構成されている、シャフト部分と、
前記カニューレ及び前記閉鎖具を前記結合構成に保持するために、前記漏斗部分に係合するように移動可能なラッチ部材と、を含む、閉鎖具と、を備える、トロカールアセンブリ。
【請求項16】
前記漏斗部分が、側壁及び前記側壁の上縁部に配設されたブリムを含み、前記閉鎖具の前記ラッチ部材が、前記結合構成において、前記カニューレの前記ブリムに対して係合するように移動可能である、請求項15に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項17】
前記漏斗部分が、側壁を通るラッチウィンドウを画定し、前記閉鎖具の前記ラッチ部材が、前記結合構成において、前記ラッチウィンドウの縁部に係合するように移動可能である、請求項15又は16に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項18】
前記カニューレルーメンと流体連通するように構成されたガスポートを更に備える、請求項15~17のいずれか一項に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項19】
前記ラッチ部材が、前記カニューレの前記漏斗部分の少なくとも1つのラッチウィンドウを通して前記ラッチ部材を付勢するように構成された付勢部材を含む、請求項15~18のいずれか一項に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項20】
前記封止カートリッジが、前記カニューレの前記漏斗部分に対して封止するように構成された外側封止部分と、前記閉鎖具の前記シャフト部分に対して封止するように構成された内側封止部分と、を含む、請求項15~19のいずれか一項に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項21】
前記封止カートリッジが、前記少なくとも1つのラッチウィンドウを通って延在して前記封止カートリッジ及び前記カニューレを前記閉鎖具から分離された封止構成で保持するように移動可能な封止カートリッジラッチ部材を含む、請求項15に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項22】
前記封止カートリッジラッチ部材が、前記封止カートリッジラッチ部材を前記少なくとも1つのラッチウィンドウを通して付勢するように構成された付勢部材を含む、請求項21に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項23】
前記封止カートリッジラッチ部材及び前記閉鎖具の前記ラッチ部材が、回転で位置合わせされている、請求項21に記載のトロカールアセンブリ。
【請求項24】
外科用装置を動作させる方法であって、
カニューレの漏斗部分から閉鎖具を係合解除することと、
前記カニューレのカニューレルーメンから前記閉鎖具のシャフト部分を除去することと、
前記カニューレの前記漏斗部分から封止カートリッジを係合解除することと、
前記カニューレルーメンから前記閉鎖具の前記シャフト部分を除去した後、前記封止カートリッジを前記漏斗部分から除去することと、を含む、方法。
【請求項25】
前記閉鎖具の前記シャフト部分を前記カニューレの前記カニューレルーメンに挿入することと、
前記カニューレの前記漏斗部分に画定された少なくとも1つのラッチウィンドウを、前記閉鎖具の閉鎖具ラッチ部材と係合させることと、を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記カニューレのブリムに対して閉鎖具ラッチ部材を係合することを更に含む、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
ガスポートを介して前記カニューレルーメン内に正圧を提供することを更に含む、請求項24~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
封止カートリッジの封止部分を介して、前記カニューレルーメン内の正圧を維持することを更に含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記閉鎖具を前記係合解除する前に、前記封止カートリッジの前記除去を防止することを更に含む、請求項24~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
カニューレであって、
側壁を有する漏斗部分であって、除去可能な封止カートリッジを受容するように構成されている、漏斗部分と、
前記漏斗部分から遠位に延在する管状部分と、
前記側壁を通る前記封止カートリッジの流体ポートへのアクセスを許容する第1の空隙と、
前記側壁を通る前記封止カートリッジのラッチ解放ボタンへのアクセスを許容する第2の空隙と、を含む、カニューレ。
【請求項31】
前記第1の空隙が、前記側壁の近位端を通って延在するスロットを含む、請求項30に記載のカニューレ。
【請求項32】
前記第1の空隙が、前記側壁によって囲まれた穴を含む、請求項30に記載のカニューレ。
【請求項33】
前記穴が、前記カニューレの長手方向軸を中心とした前記カニューレ漏斗部分に対する前記封止カートリッジの回転での位置合わせを誘導するノッチを含む、請求項32に記載のカニューレ。
【請求項34】
前記第1の空隙及び前記第2の空隙が、前記側壁に沿って異なる角度位置で離間されている、請求項30~33のいずれか一項に記載のカニューレ。
【請求項35】
前記第1の空隙及び前記第2の空隙から前記側壁に沿って異なる角度位置で離間された第3の空隙を更に含む、請求項34に記載のカニューレ。
【請求項36】
前記第1の空隙及び前記第3の空隙が、前記側壁に沿って対向する角度位置で離間された対向する空隙であり、前記対向する空隙が、前記封止カートリッジの対向するラッチ解放ボタンへのアクセスを許容する、請求項35に記載のカニューレ。
【請求項37】
前記第1の空隙、前記第2の空隙、及び前記第3の空隙から前記側壁に沿って異なる角度位置で離間された第4の空隙を更に含む、請求項35に記載のカニューレ。
【請求項38】
前記漏斗部分が、前記カニューレ内に受容された前記封止カートリッジの遠位運動を妨害する停止部を含む、請求項30~37のいずれか一項に記載のカニューレ。
【請求項39】
前記漏斗部分が、前記封止カートリッジのラッチに係合するキャッチを含む、請求項30~38のいずれか一項に記載のカニューレ。
【請求項40】
前記封止カートリッジが前記漏斗部分内に受容されるときに、前記封止カートリッジの近位端が、前記漏斗部分の近位端を越えて近位に延在しない、請求項30~39のいずれか一項に記載のカニューレ。
【請求項41】
カニューレであって、
側壁及び円周方向のリムを有する漏斗部分と、
前記漏斗部分から遠位に延在するカニューレシャフトであって、外科用ツールを挿入するための管腔を画定する、カニューレシャフトと、
前記漏斗部分に形成されたカートリッジスロットであって、前記漏斗部分の前記側壁の空隙に開口して、前記側壁を通る封止カートリッジの流体ポートへのアクセスを許容する、前記漏斗部分の前記リムの不連続部を含む、カートリッジスロットと、
前記漏斗部分に形成されたラッチウィンドウであって、前記側壁を通る前記封止カートリッジのラッチ解放へのアクセスを許容する、ラッチウィンドウと、を含む、カニューレ。
【請求項42】
前記カートリッジスロットが、前記ラッチウィンドウに隣接して、前記リムから長手方向に延在する、請求項41に記載のカニューレ。
【請求項43】
前記ラッチウィンドウが、第1のラッチウィンドウであり、前記カニューレが、前記第1のラッチウィンドウに対向する第2のラッチウィンドウを更に含む、請求項41又は42に記載のカニューレ。
【請求項44】
前記漏斗部分が、前記封止カートリッジが前記漏斗部分内に受容されたときに前記封止カートリッジの遠位運動を妨害する内側停止部材を含む、請求項41~43のいずれか一項に記載のカニューレ。
【請求項45】
前記漏斗部分に形成された内側突出リップを更に含み、前記内側突出リップが、フックと係合するように構成されている、請求項41~44のいずれか一項に記載のカニューレ。
【請求項46】
前記漏斗部分が、前記封止カートリッジが前記漏斗部分の近位端を越えて近位に延在しないように、前記封止カートリッジを保持するようにサイズ決定及び成形されている、請求項41~45のいずれか一項に記載のカニューレ。
【請求項47】
トロカールアセンブリを組み立てる方法であって、
カニューレの漏斗部分の側壁の空隙を通して封止カートリッジの流体ポートを挿入することと、
前記封止カートリッジを前記漏斗部分内で前記カニューレに結合することと、
前記漏斗部分の前記側壁を通してラッチを作動させて、前記封止カートリッジを前記漏斗部分から係合解除することと、を含む、方法。
【請求項48】
前記挿入することが、前記封止カートリッジの長手方向軸を前記カニューレの長手方向軸に対して傾斜させて、前記流体ポートを前記空隙を通して通過させることを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記カニューレ漏斗部分が、前記カニューレ漏斗部分の全体の周りに延在する、連続した円周方向リムを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記カニューレ漏斗部分が、円周方向リム、及び前記漏斗部分の前記リムの不連続部として前記漏斗部分に形成されたカートリッジスロットを含み、前記カートリッジスロットが、前記漏斗部分の前記側壁の前記空隙に開口しており、前記流体ポートの前記空隙への挿入を可能にし、前記挿入することが、前記流体ポートを前記空隙に挿入しながら、前記封止カートリッジの長手方向軸を前記カニューレの長手方向軸と位置合わせすることを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記結合することが、前記封止カートリッジを前記カニューレ漏斗部分に対して回転で位置合わせすることを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
カニューレ漏斗部分が、前記封止カートリッジの前記回転での位置合わせを誘導するためのノッチを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記カニューレ漏斗部分が、前記側壁に沿って対向する角度位置で離間された2つの対向する空隙を含み、前記結合することが、前記封止カートリッジの2つの対向するラッチ解放ボタンを前記2つの対向する空隙と位置合わせすることを含む、請求項47に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年4月10日に出願された米国仮特許出願第63/008,652号の利益及び優先権を主張し、2020年9月30日に出願された米国仮特許出願第63/086,013号の利益及び優先権を主張し、これらの出願の各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本明細書に開示されるシステム及び方法は、医療デバイス、より具体的には、医療処置のためのカニューレアセンブリに関連する。
【背景技術】
【0003】
低侵襲性処置は、患者への最小限の外傷を伴う患者内の標的部位へのアクセスを可能にする。例えば、腹腔鏡手術は、患者の腹部の小さな切開を通して患者の腔への外科的アクセスを可能にすることができる。カニューレは、ツールが患者の腔にアクセスすることを可能にするために外科的コリドールを形成することができる。いくつかの処置では、患者の腔へのアクセスの増加及び患者への外傷の低減を可能にするために、患者の腔に送気することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
開示される態様は、以下、添付の図面と併せて説明され、開示された態様を示すが、限定するものではなく、同様の称号は同様の要素を示す。
【
図1】診断及び/又は治療用気管支鏡検査処置のために配置されたカートベースのロボットシステムの実施形態を示す。
【
図2】
図1のロボットシステムの更なる態様を図示する。
【
図3】尿管鏡検査のために配置された
図1のロボットシステムの実施形態を示す。
【
図4】血管処置のために配置された
図1のロボットシステムの実施形態を示す。
【
図5】気管支鏡検査処置のために配置されたテーブルベースのロボットシステムの実施形態を示す。
【
図6】
図5のロボットシステムの代替的な図を提供する。
【
図7】ロボットアームを収容するように構成された例示的なシステムを示す。
【
図8】尿管鏡検査処置のために構成されたテーブルベースのロボットシステムの実施形態を示す。
【
図9】腹腔鏡処置のために構成されたテーブルベースのロボットシステムの実施形態を示す。
【
図10】ピッチ又は傾斜調整を有する
図5~
図9のテーブルベースのロボットシステムの実施形態を示す。
【
図11】
図5~
図10のテーブルベースのロボットシステムのテーブルとカラムとの間のインターフェースの詳細な図示を提供する。
【
図12】テーブルベースのロボットシステムの代替的実施形態を示す。
【
図13】
図12のテーブルベースのロボットシステムの端面図を示す。
【
図14】ロボットアームが取り付けられた、テーブルベースのロボットシステムの端面図を示す。
【
図16】ペアの器具ドライバを有する例示的な医療用器具を示す。
【
図17】駆動ユニットの軸が器具の細長いシャフトの軸に平行である、器具ドライバ及び器具の代替的な設計を示す。
【
図18】器具ベースの挿入アーキテクチャを有する器具を示す。
【
図20】例示的な実施形態による、
図16~
図18の器具の場所など、
図1~
図10のロボットシステムの1つ又は2つ以上の要素の場所を推定する位置特定システムを示すブロック図を図示する。
【
図23】ロボットシステム内の例示的なカニューレドッキング配置を示す。
【
図25A】アセンブリの様々な状態の間の
図24のカニューレアセンブリを示す。
【
図25B】アセンブリの様々な状態の間の
図24のカニューレアセンブリを示す。
【
図25C】アセンブリの様々な状態の間の
図24のカニューレアセンブリを示す。
【
図25D】アセンブリの様々な状態の間の
図24のカニューレアセンブリを示す。
【
図28】封止カートリッジ又はトロカールアセンブリとともに利用することができるカニューレの斜視図を示す。
【
図29】封止カートリッジ又はトロカールアセンブリとともに利用することができるカニューレの斜視図を示す。
【
図30】各々、上述の封止カートリッジ又はトロカールアセンブリとともに利用することができるカニューレの斜視図を示す。
【
図31】各々、上述の封止カートリッジ又はトロカールアセンブリとともに利用することができるカニューレの斜視図を示す。
【
図32】組立状態のトロカールアセンブリの斜視図を示す。
【
図33】半組立状態の
図32のトロカールアセンブリの斜視図を示す。
【
図34】分解状態の
図32のトロカールアセンブリの斜視図を示す。
【
図35】
図32のトロカールアセンブリのカニューレの斜視図を示す。
【
図36】
図32のトロカールアセンブリとともに使用するためのカニューレの別の実施形態の斜視図を示す。
【
図37】
図32のトロカールアセンブリの封止カートリッジの斜視図を示す。
【
図38】
図32のトロカールアセンブリの閉鎖具(obturator)の斜視図を示す。
【
図39】
図32のトロカールアセンブリの閉鎖具のラッチ機構及び封止カートリッジのラッチ機構の斜視図を示す。
【
図40】閉鎖具のラッチ機構が係合位置に示されている、
図32のトロカールアセンブリの断面図を示す。
【
図41】閉鎖具のラッチ機構が係合解除位置に示されている、
図32のトロカールアセンブリの断面図を示す。
【
図44】ラッチ機構が自由状態にある、
図42のトロカールアセンブリの詳細断面図である。
【
図45】ラッチ機構が押下状態にある、
図42のトロカールアセンブリの詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
1.概論
本開示の態様は、腹腔鏡などの低侵襲性、及び内視鏡などの非侵襲性の両方の処置を含む、様々な医療処置を行うことができるロボット対応の医療用システムに統合され得る。内視鏡処置のうち、システムは、気管支鏡検査、尿管鏡検査、胃鏡検査などを行うことができる。
【0006】
幅広い処置を行うことに加えて、システムは、医師を支援するための強調された撮像及び誘導などの追加の利益を提供することができる。追加的に、システムは、厄介な腕の動作及び姿勢を必要とせずに、人間工学的位置から処置を行う能力を医師に提供することができる。また更に、システムは、システムの器具のうちの1つ又は2つ以上が単一のユーザによって制御され得るように、改善された使いやすさで処置を行う能力を医師に提供することができる。
【0007】
以下、説明を目的として、図面と併せて、様々な実施形態が説明される。開示される概念の多くの他の実装態様が可能であり、開示される実装態様で様々な利点が達成され得ることを理解されたい。見出しが、参照のために本明細書に含まれ、様々なセクションの位置を特定する支援となる。これらの見出しは、それに関して説明される概念の範囲を限定することを意図するものではない。そのような概念は、本明細書全体にわたって適用可能性を有し得る。
【0008】
A.ロボットシステム-カート
ロボット対応の医療用システムは、特定の処置に応じて様々な方法で構成され得る。
図1は、診断及び/又は治療用気管支鏡検査処置のために配置されたカートベースのロボット対応のシステム10の実施形態を示す。気管支鏡検査の間、システム10は、気管支鏡検査のための処置専用気管支鏡であり得る操縦可能な内視鏡13などの医療用器具を、診断及び/又は治療用具を送達するための自然開口部アクセスポイント(すなわち、本実施例ではテーブル上に位置決めされた患者の口)に送達するための1つ又は2つ以上のロボットアーム12を有するカート11を含むことができる。示されるように、カート11は、アクセスポイントへのアクセスを提供するために、患者の上部胴体に近接して位置決めすることができる。同様に、ロボットアーム12は、アクセスポイントに対して気管支鏡を位置決めするために作動されることができる。
図1の配置はまた、胃腸管(gastro-intestinal、GI)処置を、GI処置のための特殊な内視鏡である胃鏡を用いて行うときに利用することができる。
図2は、カートの例示的な実施形態をより詳細に図示する。
【0009】
図1を引き続き参照すると、カート11が適切に位置決めされると、ロボットアーム12は、操縦可能な内視鏡13をロボットで、手動で、又はそれらの組み合わせで患者内に挿入することができる。示されるように、操縦可能な内視鏡13は、内側リーダー部分及び外側シース部分などの少なくとも2つの入れ子式部品を含んでもよく、各部分は、器具ドライバ28の組から別個の器具ドライバに結合され、各器具ドライバは、個々のロボットアームの遠位端に結合されている。リーダー部分をシース部分と同軸上に位置合わせするのを容易にする、器具ドライバ28のこの直線配置は、1つ又は2つ以上のロボットアーム12を異なる角度及び/又は位置に操作することによって空間内に再位置決めされ得る「仮想レール」29を形成する。本明細書に記載される仮想レールは、破線を使用して図に図示されており、したがって破線は、いずれのシステムの物理的構造も図示しない。仮想レール29に沿った器具ドライバ28の並進は、外側シース部分に対して内側リーダー部分を入れ子にするか、又は内視鏡13を患者から前進若しくは後退させる。仮想レール29の角度は、臨床用途又は医師の好みに基づいて調整、並進、及び枢動されてもよい。例えば、気管支鏡検査では、示されるような仮想レール29の角度及び位置は、内視鏡13を患者の口内に曲げ入れることによる摩擦を最小限に抑えながら内視鏡13への医師のアクセスを提供する妥協を表す。
【0010】
内視鏡13は、標的の目的地又は手術部位に到達するまで、ロボットシステムからの正確なコマンドを使用して挿入後に患者の気管及び肺の下流に向けられてもよい。患者の肺網を通したナビゲーションを促進し、及び/又は所望の標的に到達するために、内視鏡13を操縦して、内側リーダー部分を外側シース部分から入れ子状に延ばして、高められた関節運動及びより大きい曲げ半径を得てもよい。別個の器具ドライバ28の使用により、リーダー部分及びシース部分が互いに独立して駆動することも可能になる。
【0011】
例えば、内視鏡13は、例えば、患者の肺内の病変又は小結節などの標的に生検針を送達するように方向付けられてもよい。針は、内視鏡の長さにわたる作業チャネルの下方に展開されて、病理医によって分析される組織サンプルを得てもよい。病理の結果に応じて、追加の生検のために追加のツールが内視鏡の作業チャネルの下流に展開されてもよい。小結節を悪性と識別した後、内視鏡13は、潜在的ながん組織を切除するためにツールを内視鏡的に送達してもよい。場合によっては、診断及び治療的処置は、別の処置で提供することができる。これらの状況において、内視鏡13はまた、標的小結節の場所を「マーク」するために基準を送達するために使用されてもよい。他の例では、診断及び治療的処置は、同じ処置中に送達されてもよい。
【0012】
システム10はまた、カート11に支持ケーブルを介して接続されて、カート11への制御、電子機器、流体工学、光学系、センサ、及び/又は電力のためのサポートを提供し得る移動可能なタワー30を含んでもよい。タワー30内にこのような機能を置くことにより、動作を行う医師及びそのスタッフがより容易に調整及び/又は再位置決めすることができるより小さいフォームファクタのカート11が可能となる。追加的に、カート/テーブルと支持タワー30との間の機能の分割は、手術室の乱雑さを低減し、臨床ワークフローの改善を促進する。カート11は患者に近接して位置決めされてもよいが、タワー30は、処置中に邪魔にならないように離れた場所に収容されてもよい。
【0013】
上述のロボットシステムをサポートするために、タワー30は、例えば、永続的な磁気記憶ドライブ、ソリッドステートドライブなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体内にコンピュータプログラム命令を記憶するコンピュータベースの制御システムの構成要素を含んでもよい。これらの命令の実行は、実行がタワー30内で行われるのか又はカート11内で行われるのかにかかわらず、システム全体又はそのサブシステムを制御してもよい。例えば、コンピュータシステムのプロセッサによって実行されるとき、命令は、ロボットシステムの構成要素に、関連するキャリッジ及びアームマウントを作動させ、ロボットアームを作動させ、医療用器具を制御させてもよい。例えば、制御信号を受信したことに応答して、ロボットアームの関節内のモータは、アームをある特定の姿勢に位置決めしてもよい。
【0014】
タワー30は、内視鏡13を通して展開することができるシステムに、制御された灌注及び吸引機能を提供するために、ポンプ、流量計、弁制御、及び/又は流体アクセスも含むことができる。これらの構成要素は、タワー30のコンピュータシステムも使用して制御されてもよい。いくつかの実施形態では、灌注及び吸引能力は、別個のケーブルを介して内視鏡13に直接送達されてもよい。
【0015】
タワー30は、フィルタリングされ、保護された電力をカート11に提供するように設計された電圧及びサージ保護具を含んでもよく、それによって、カート11内に電力変圧器及び他の補助電力構成要素を配置することが回避され、カート11はより小さく、より移動可能になる。
【0016】
タワー30は、ロボットシステム10全体に展開されたセンサのための支持機器も含んでもよい。例えば、タワー30は、ロボットシステム10を通して光センサ又はカメラから受信したデータを検出、受信、及び処理するためのオプトエレクトロニクス機器を含んでもよい。制御システムと組み合わせて、そのようなオプトエレクトロニクス機器は、タワー30内を含むシステム全体に配置された任意の数のコンソール内に表示するためのリアルタイム画像を生成するように使用されてもよい。同様に、タワー30はまた、展開された電磁(electromagnetic、EM)センサから信号を受信し、受信した信号を処理するための電子サブシステムも含んでもよい。タワー30はまた、医療用器具内又は医療用器具上のEMセンサによる検出のためにEM場生成器を収容し、位置決めするためにも使用されてもよい。
【0017】
タワー30はまた、システムの残りの部分で利用可能な他のコンソール、例えば、カートの上部に装着されたコンソールに追加して、コンソール31も含んでもよい。コンソール31は、オペレータである医師のためのユーザインターフェース及びタッチスクリーンなどの表示画面を含んでもよい。システム10内のコンソールは、一般に、ロボット制御、並びに内視鏡13のナビゲーション情報及び位置特定情報などの処置の術前及びリアルタイム情報の両方を提供するように設計される。コンソール31が医師に利用可能な唯一のコンソールではない場合、コンソール31は、看護師などの第2のオペレータによって使用されて、患者の健康又は生命及びシステムの動作を監視し、並びにナビゲーション及び位置特定情報などの処置固有のデータを提供することができる。その他の実施形態では、コンソール30は、タワー30とは別個の本体内に収容される。
【0018】
タワー30は、1つ又は2つ以上のケーブル又は接続部(図示せず)を介してカート11及び内視鏡13に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、タワー30からのサポート機能は、単一ケーブルを通してカート11に提供されることにより、手術室を簡略化し、整理整頓することができる。他の実施形態では、特定の機能は、別個の配線及び接続部で結合されてもよい。例えば、単一の電力ケーブルを通してカートに電力が供給されてもよい一方、制御、光学、流体工学、及び/又はナビゲーションのためのサポートは、別個のケーブルを通して提供されてもよい。
【0019】
図2は、
図1に示されるカートベースのロボット対応のシステムからのカートの実施形態の詳細な図を提供する。カート11は、概して、細長い支持構造14(「カラム」と称されることが多い)、カート基部15、及びカラム14の頂部にあるコンソール16を含む。カラム14は、1つ又は2つ以上のロボットアーム12(
図2には3つ示されている)の展開を支持するためのキャリッジ17(代替的に「アーム支持体」)などの1つ又は2つ以上のキャリッジを含んでもよい。キャリッジ17は、患者に対してより良好に位置決めするために垂直軸に沿って回転してロボットアーム12の基部を調整する、個別に構成可能なアームマウントを含んでもよい。キャリッジ17はまた、キャリッジ17がカラム14に沿って垂直方向に並進することを可能にするキャリッジインターフェース19を含む。
【0020】
キャリッジインターフェース19は、キャリッジ17の垂直方向の並進を案内するためにカラム14の両側に位置決めされているスロット20などのスロットを通してカラム14に接続されている。スロット20は、カート基部15に対して様々な垂直方向の高さでキャリッジを位置決め及び保持するための垂直方向の並進インターフェースを含む。キャリッジ17の垂直方向の並進により、カート11は、様々なテーブルの高さ、患者のサイズ、及び医師の好みを満たすようにロボットアーム12のリーチを調整することが可能となる。同様に、キャリッジ17上の個別に構成可能なアームマウントにより、ロボットアーム12のロボットアーム基部21を様々な構成で角度付けすることが可能となる。
【0021】
いくつかの実施形態では、キャリッジ17が垂直方向に並進するときにカラム14の内部チャンバ及び垂直方向の並進インターフェース内に汚れ及び流体が侵入するのを防止するために、スロット20には、スロット表面と同一平面及び平行であるスロットカバーが追加されてもよい。スロットカバーは、スロット20の垂直方向の頂部及び底部付近に位置決めされているばねスプールのペアを通じて展開されてもよい。カバーは、キャリッジ17が上下に垂直方向に並進するにつれてコイル状態から伸縮するように展開されるまで、スプール内でコイル巻きにされている。スプールのばね荷重は、キャリッジ17がスプールに向かって並進するときにカバーをスプール内に後退させるための力を提供する一方で、キャリッジ17がスプールから離れるように並進するときに密封も維持する。カバーは、キャリッジ17が並進するときにカバーが適切に延伸及び後退するのを確実にするために、例えば、キャリッジインターフェース19内のブラケットを使用してキャリッジ17に接続されてもよい。
【0022】
カラム14は、例えば、コンソール16からの入力などのユーザ入力に応答して生成された制御信号に応答してキャリッジ17を機械的に並進させるために垂直方向に位置合わせされた主ねじを使用するように設計された、ギア及びモータなどの機構を内部に含んでもよい。
【0023】
ロボットアーム12は、一般に、一連の関節24によって接続されている一連のリンク23によって分離されたロボットアーム基部21及びエンドエフェクタ22を含んでもよく、各関節は独立したアクチュエータを含み、各アクチュエータは、独立して制御可能なモータを含む。それぞれ独立して制御可能な関節は、ロボットアームが利用可能な独立した自由度を表す。アーム12の各々は、7つの関節を有し、したがって、7つの自由度を提供する。多数の関節は、多数の自由度をもたらし、「冗長」自由度を可能にする。冗長自由度は、ロボットアーム12が、異なる結合位置及び関節角度を使用して空間内の特定の位置、配向、及び軌道で、それらのそれぞれのエンドエフェクタ22を位置決めすることを可能にする。これにより、システムが空間内の所望のポイントから医療用器具を位置決めし、方向付けることが可能になると同時に、医師がアーム関節を患者から離れる臨床的に有利な位置へと移動させて、アームの衝突を回避しながらよりよいアクセスを生み出すことを可能にする。
【0024】
カート基部15は、床の上のカラム14、キャリッジ17、及びアーム12の重量の釣り合いをとる。したがって、カート基部15は、電子機器、モータ、電源、並びにカートの移動及び/又は固定化のいずれかを可能にする構成要素などの、より重い部品を収容する。例えば、カート基部15は、処置前にカートが部屋中をあちこちに容易に移動することを可能にする、転動可能なホイール形状のキャスタ25を含む。適切な位置に到達した後、キャスタ25は、処置中にカート11を所定の場所に保持するためのホイールロックを使用して動かないようにされてもよい。
【0025】
カラム14の垂直方向の端部に位置決めされたコンソール16は、ユーザ入力を受信するためのユーザインターフェース及び表示画面(又は、例えば、タッチスクリーン26などの二重目的デバイス)の両方を可能にして、術前データ及び術中データの両方を医師であるユーザに提供する。タッチスクリーン26上の潜在的な術前データは、術前計画、術前コンピュータ断層撮影(computerized tomography、CT)スキャンから導出されたナビゲーション及びマッピングデータ、並びに/又は術前の患者への問診からのメモを含んでもよい。ディスプレイ上の術中データは、ツールから提供される光学情報、センサからのセンサ及び座標情報、並びに呼吸、心拍数、及び/又はパルスなどの不可欠な患者統計を含んでもよい。コンソール16は、医師が、キャリッジ17の反対側のカラム14側からコンソールにアクセスすることを可能にするように位置決めされ、傾斜が付けられてもよい。この位置から、医師は、コンソール16をカート11の背後から操作しながら、コンソール16、ロボットアーム12、及び患者を見ることができる。示されるように、コンソール16はまた、カート11の操作及び安定化を支援するハンドル27を含む。
【0026】
図3は、尿管鏡検査のために配置された、ロボット対応のシステム10の実施形態を示す。尿管鏡検査処置では、カート11は、患者の尿道及び尿管を横断するように設計された処置専用内視鏡である尿管鏡32を患者の下腹部領域に送達するように位置決めされてもよい。尿管鏡検査では、尿管鏡32が患者の尿道と直接位置合わせされて、領域内の敏感な解剖学的構造に対する摩擦及び力を低減することが望ましいことがある。示されるように、カート11は、ロボットアーム12が尿管鏡32を、患者の尿道に直線状に直接アクセスするように位置決めすることを可能にするように、テーブルの脚部に位置合わせされてもよい。テーブルの脚部から、ロボットアーム12は、尿道を通して患者の下腹部に直接、仮想レール33に沿って尿管鏡32を挿入してもよい。
【0027】
気管支鏡検査におけるのと同様の制御技法を使用して尿道に挿入した後、尿管鏡32は、診断及び/又は治療用途のために、膀胱、尿管、及び/又は腎臓にナビゲートされてもよい。例えば、尿管鏡32は、尿管及び腎臓に向けられ、尿管鏡32の作業チャネルの下方に展開されたレーザー又は超音波結砕石術デバイスを使用して、形成された腎臓結石を破砕することができる。砕石術が完了した後、結果として得られた結石片は、尿管鏡32の下方に展開されたバスケットを使用して除去されてもよい。
【0028】
図4は、血管処置のために同様に配置されたロボット対応のシステムの実施形態を示す。血管処置において、システム10は、カート11が、操縦可能なカテーテルなどの医療用器具34を、患者の脚内の大腿動脈内のアクセスポイントに送達することができるように構成され得る。大腿動脈は、ナビゲーションのためのより大きな直径と、患者の心臓への、遠回りが比較的少ない曲がりくねった経路との両方を呈し、これによりナビゲーションが簡略化される。尿管鏡検査処置におけるように、カート11は、患者の脚及び下腹部に向けて位置決めされて、ロボットアーム12が患者の大腿/腰領域内の大腿動脈アクセスポイントへの直接的な線形アクセスで仮想レール35を提供することを可能にしてもよい。動脈内への挿入後、器具ドライバ28を並進させることによって医療用器具34が方向付けられ、挿入されてもよい。代替的に、カートは、例えば、肩及び手首付近の頸動脈及び腕動脈などの代替的な血管アクセスポイントに到達するために、患者の上腹部の周囲に位置決めされてもよい。
【0029】
B.ロボットシステム-テーブル
ロボット対応の医療用システムの実施形態はまた、患者テーブルを組み込んでもよい。テーブルの組み込みは、カートを除去することによって手術室内の資本設備の量を低減し、患者へのより大きいアクセスを可能にする。
図5は、気管支鏡検査処置のために配置されたそのようなロボット対応のシステムの実施形態を示す。システム36は、プラットフォーム38(「テーブル」又は「ベッド」として図示)を床より上に支持するための支持構造体又はカラム37を含む。カートベースのシステムと同様に、システム36のロボットアーム39のエンドエフェクタは、器具ドライバ42の線形アライメントから形成された仮想レール41を通して、又はそれに沿って、
図5の気管支鏡40などの細長い医療用器具を操作するように設計された器具ドライバ42を含む。実際には、蛍光透視撮像を提供するためのCアームは、放射器及び検出器をテーブル38の周囲に置くことによって、患者の上腹部領域の上方に位置決めされてもよい。
【0030】
図6は、説明を目的として、患者及び医療用器具なしのシステム36の代替的な図を提供する。示されるように、カラム37は、1つ又は2つ以上のロボットアーム39の基部となり得る、システム36内でリング形状として図示される1つ又は2つ以上のキャリッジ43を含んでもよい。キャリッジ43は、カラム37の長さにわたる垂直方向のカラムインターフェース44に沿って並進して、ロボットアーム39が患者に到達するように位置決めされ得る異なるバンテージポイントを提供してもよい。キャリッジ43は、カラム37内に位置決めされている機械的モータを使用してカラム37の周りを回転して、ロボットアーム39が、例えば、患者の両側などのテーブル38の多数の側部へのアクセスを有することを可能にしてもよい。複数のキャリッジを有する実施形態では、キャリッジはカラム上に個別に位置決めされてもよく、他のキャリッジとは独立して並進及び/又は回転してもよい。キャリッジ43はカラム37を取り囲む必要はなく、又は更には円形である必要はないが、図示されるようなリング形状は、構造的バランスを維持しながらカラム37の周りでキャリッジ43が回転するのを容易にする。キャリッジ43の回転及び並進により、システムは、内視鏡及び腹腔鏡などの医療用器具を患者の異なるアクセスポイントに位置合わせさせることができる。他の実施形態(図示せず)では、システム36は、並行して延在するバー又はレールの形態の調整可能なアーム支持体を有する患者テーブル又はベッドを含むことができる。1つ又は2つ以上のロボットアーム39を、(例えば、肘関節を有する肩部を介して)垂直方向に調整することができる調整可能なアーム支持体に取り付けることができる。垂直方向の調節を提供することによって、ロボットアーム39は、有利には、患者テーブル又はベッドの下にコンパクトに収容されることが可能であり、その後、処置中に引き上げられることが可能である。
【0031】
アーム39は、ロボットアーム39に追加の構成可能性を提供するために個別に回転及び/又は入れ子式に延在し得る一連の関節を備えるアームマウント45のセットを介してキャリッジに装着されてもよい。更に、アームマウント45は、キャリッジ43が適切に回転されると、アームマウント45がテーブル38の同じ側(
図6に示すように)、テーブル38の両側(
図9に示すように)、又はテーブル38の隣接する側部(図示せず)のいずれかに位置決めすることができるように、キャリッジ43上に位置決めしてもよい。
【0032】
カラム37は、テーブル38の支持及びキャリッジの垂直方向の並進のための経路を構造的に提供する。内部に、カラム37は、キャリッジの垂直方向の並進を案内するための主ねじ、及び主ねじに基づく当該キャリッジの並進を機械化するためのモータが備えられていてもよい。カラム37は、キャリッジ43及びその上に装着されたロボットアーム39に電力及び制御信号も伝達してもよい。
【0033】
テーブル基部46は、
図2に示すカート11のカート基部15と同様の機能を果たし、テーブル/ベッド38、カラム37、キャリッジ43し及びロボットアーム39の釣り合いをとるためにより重い構成要素を収容する。テーブル基部46はまた、処置中に安定性を提供するために剛性キャスタを組み込んでもよい。テーブル基部46の底部から展開されるキャスタは、基部46の両側で反対方向に延在し、システム36を移動させる必要があるときに後退してもよい。
【0034】
引き続き
図6によれば、システム36は、テーブルとタワーとの間でシステム36の機能を分割して、テーブルのフォームファクタ及びバルクを低減するタワー(図示せず)も含んでもよい。先に開示された実施形態におけるように、タワーは、処理、計算、及び制御能力、電力、流体工学、並びに/又は光学及びセンサ処理などの様々な支持機能をテーブルに提供してもよい。タワーはまた、医師のアクセスを改善し、手術室を整理整頓するために、患者から離れて位置決めされるように移動可能であってもよい。更に、タワー内に構成要素を位置決めすることにより、ロボットアームの潜在的な収容のために、テーブル基部内により多くの格納空間を可能にする。タワーは、キーボード及び/又はペンダントなどのユーザ入力のためのユーザインターフェース、並びにリアルタイム撮像、ナビゲーション、及び追跡情報などの術前及び術中情報のための表示画面(又はタッチスクリーン)の両方を提供するマスタコントローラ又はコンソールも含んでもよい。いくつかの実施形態では、タワーはまた、送気のために使用されるガスタンク用のホルダを含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、テーブル基部は、使用されていないときにロボットアームを収容して格納してもよい。
図7は、テーブルベースのシステムの実施形態におけるロボットアームを収容するシステム47を示す。システム47では、キャリッジ48は、ロボットアーム50、アームマウント51、及びキャリッジ48を基部49内に収容するために、基部49内へと垂直方向に並進されてもよい。基部カバー52は、並進及び後退して、キャリッジ48、アームマウント51、及びアーム50をカラム53の周りに配置させるように開き、使用されていないときにそれらを収容して保護するように閉じられてもよい。基部カバー52は、閉じたときに汚れ及び流体の侵入を防止するために、その開口部の縁部に沿って膜54で封止されてもよい。
【0036】
図8は、尿管鏡検査処置のために構成されたロボット対応のテーブルベースのシステムの実施形態を示す。尿管鏡検査では、テーブル38は、患者をカラム37及びテーブル基部46からオフアングルに位置決めするためのスイベル部分55を含んでもよい。スイベル部分55は、スイベル部分55の底部をカラム37から離すように位置決めするために、(例えば、患者の頭部の下方に位置する)枢動点を中心に回転又は枢動してもよい。例えば、スイベル部分55の枢動により、Cアーム(図示せず)が、テーブル38の下のカラム(図示せず)と空間を奪い合うことなく、患者の下部腹部の上方に位置決めされることを可能にする。カラム37の周りにキャリッジ35(図示せず)を回転させることにより、ロボットアーム39は、尿道に到達するように、仮想レール57に沿って、患者の鼠径部領域に尿管鏡56を直接挿入してもよい。尿管鏡検査では、処置中に患者の脚の位置を支持し、患者の鼠径部領域への明確なアクセスを可能にするために、テーブル38のスイベル部分55にあぶみ58もまた固定されてもよい。
【0037】
腹腔鏡処置では、患者の腹壁内の小さな切開部を通して、低侵襲性器具を患者の解剖学的構造に挿入してもよい。いくつかの実施形態では、低侵襲性器具は、患者内の解剖学的構造にアクセスするために使用されるシャフトなどの細長い剛性部材を含む。患者の腹腔の膨張後、器具は、把持、切断、アブレーション、縫合などの外科的又は医療的タスクを行うように指示されてもよい。いくつかの実施形態では、器具は、腹腔鏡などのスコープを含むことができる。
図9は、腹腔鏡検査処置のために構成されたロボット対応のテーブルベースのシステムの実施形態を示す。
図9に示されるように、システム36のキャリッジ43は回転し、垂直方向に調整されて、器具59が患者の両側の最小切開部を通過して患者の腹腔に到達するようにアームマウント45を使用して位置決めされ得るように、ロボットアーム39の対をテーブル38の両側に位置決めしてもよい。
【0038】
腹腔鏡処置に対応するために、ロボット対応のテーブルシステムはまた、プラットフォームを所望の角度に傾斜させてもよい。
図10は、ピッチ又は傾斜調整を有するロボット対応の医療用システムの実施形態を示す。
図10に示されるように、システム36は、テーブル38の傾斜に適応して、テーブルの一方の部分を他方の部分より床から離れた距離に位置決めすることができる。加えて、アームマウント45は、アーム39がテーブル38と同じ平面関係を維持するように、傾斜に一致するように回転させてもよい。急角度に適応するために、カラム37は、テーブル38が床に接触するか又は基部46と衝突するのを防ぐためにカラム37が垂直方向に延在するのを可能にする入れ子部分60も含んでもよい。
【0039】
図11は、テーブル38とカラム37との間のインターフェースの詳細な図を提供する。ピッチ回転機構61は、カラム37に対するテーブル38のピッチ角を多数の自由度で変更するように構成されてもよい。ピッチ回転機構61は、カラム-テーブルインターフェースでの直交軸1、2の位置決めによって可能にされてもよく、各軸は、電気ピッチ角コマンドに応答して別個のモータ3、4によって作動される。一方のねじ5に沿った回転は、一方の軸1における傾斜調整を可能にし、他方のねじ6に沿った回転は、他方の軸2に沿った傾斜調整を可能にする。いくつかの実施形態では、カラム37に対するテーブル38のピッチ角を複数の自由度で変更するために、玉継ぎ手が使用されてもよい。
【0040】
例えば、ピッチ調節は、テーブルをトレンデレンブルグ体位に位置決めしようとするときに、すなわち下腹部手術のために患者の下腹部よりも床からより高い位置に患者の下腹部を位置決めしようとするときに、特に有用である。トレンデレンブルグ位置は、重力によって患者の内臓を患者の上腹部に向かってスライドさせ、低侵襲性ツールが入って腹腔鏡前立腺切除術などの下腹部の外科又は医療処置を行うために、腹腔を空にする。
【0041】
図12及び
図13は、テーブルベースの外科用ロボットシステム100の別の実施形態の等角図及び端面図を示す。外科用ロボットシステム100は、テーブル101に対して1つ又は2つ以上のロボットアームを支持するように構成され得る1つ又は2つ以上の調節可能なアーム支持体105(例えば、
図14参照)を含む。示された実施形態では、単一の調整可能なアーム支持体105が示されているが、テーブル101の反対側に追加のアーム支持体を設けることができる。調整可能アームサポート105は、テーブル101に対して移動して、調整可能アーム支持体105及び/又はそれに装着された任意のロボットアームの位置をテーブル101に対して調整及び/又は変更できるように構成され得る。例えば、調整可能なアーム支持体105は、テーブル101に対して1つ又は2つ以上の自由度で調整することができる。調整可能なアーム支持体105は、1つ又は2つ以上の調整可能なアーム支持体105及びそれに取り付けられた任意のロボットアームをテーブル101の下に容易に収容する能力を含む高い汎用性をシステム100に提供する。調整可能なアーム支持体105は、収容位置から、テーブル101の上面の下の位置まで上昇されることができる。他の実施形態では、調整可能なアーム支持体105は、収容位置から、テーブル101の上面の上方の位置まで上昇されることができる。
【0042】
調整可能なアーム支持体105は、リフト、横方向並進、傾斜などを含む、いくつかの自由度を提供することができる。
図12及び
図13の示された実施形態では、アーム支持体105は、4つの自由度で構成され、それらは
図12に矢印で示されている。第1の自由度は、z方向における調整可能なアーム支持体105の調整(「Zリフト」)を可能にする。例えば、調整可能なアーム支持体105は、テーブル101を支持するカラム102に沿って、又はそれに対して上下に動くように構成されたキャリッジ109を含むことができる。第2の自由度は、調整可能なアーム支持体105が傾斜することを可能にする。例えば、調整可能なアーム支持体105は、回転接合部を含むことができ、これにより、調整可能なアーム支持体105を、トレンデレンブルグ位置のベッドと位置合わせすることが可能となり得る。第3の自由度は、調整可能なアーム支持体105が「上方枢動する」ことを可能にでき、それを使用して、テーブル101の側部と調整可能なアーム支持体105との間の距離を調整することができる。第4の自由度は、調整可能なアーム支持体105がテーブルの長手方向の長さに沿って並進するのを可能にする。
【0043】
図12及び
図13の外科用ロボットシステム100は、基部103に装着されたカラム102によって支持されるテーブルを含むことができる。基部103及びカラム102は、支持面に対してテーブル101を支持する。床軸131及び支持軸133は、
図13に示される。
【0044】
調整可能なアーム支持体105は、カラム102に装着することができる。他の実施形態では、アーム支持体105は、テーブル101又は基部103に装着することができる。調整可能なアーム支持体105は、キャリッジ109、バー又はレールコネクタ111、及びバー又はレール107を含むことができる。いくつかの実施形態では、レール107に装着された1つ又は2つ以上のロボットアームは、互いに対して並進及び移動することができる。
【0045】
キャリッジ109は、第1の接合部113によってカラム102に取り付けられてもよく、それにより、キャリッジ109がカラム102に対して移動することが可能になる(例えば、第1又は垂直軸123を上下するなど)。第1の接合部113は、調整可能なアーム支持体105に第1の自由度(「Zリフト」)を提供することができる。調整可能なアーム支持体105は、第2の自由度(傾斜)を調整可能なアーム支持体105に提供する第2の接合部115を含むことができる。調整可能なアーム支持体105は、第3の自由度(「上方枢動」)を調整可能なアーム支持体105に提供することができる第3の接合部117を含むことができる。第3の軸127を中心にしてレールコネクタ111を回転させるときにレール107の向きを維持するように第3の接合部117を機械的に拘束する、追加の接合部119(
図13に示す)を設けることができる。調整可能なアーム支持体105は、第4の自由度(並進)を第4の軸129に沿って調整可能なアーム支持体105に提供することができる第4の接合部121を含むことができる。
【0046】
図14は、テーブル101の両側に装着された2つの調節可能なアーム支持体105A、105Bを有する、外科用ロボットシステム140Aの端面図を示す。第1のロボットアーム142Aは、第1の調整可能なアーム支持体105Bのバー又はレール107Aに取り付けられる。第1のロボットアーム142Aは、レール107Aに取り付けられた基部144Aを含む。第1のロボットアーム142Aの遠位端は、1つ又は2つ以上のロボット医療用器具又はツールに取り付けることができる器具駆動機構146Aを含む。同様に、第2のロボットアーム142Bは、レール107Bに取り付けられた基部144Bを含む。第2のロボットアーム142Bの遠位端は、器具駆動機構146Bを含む。器具駆動機構146Bは、1つ又は2つ以上のロボット医療用器具又はツールに取り付けるように構成され得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム142A、142Bのうちの1つ又は2つ以上は、7以上の自由度を有するアームを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアーム142A、142Bのうちの1つ又は2つ以上は、挿入軸(挿入を含む1つの自由度)、リスト(リストピッチ、ヨー及びロールを含む3つの自由度)、エルボ(エルボピッチを含む1つの自由度)、ショルダ(ショルダピッチ及びヨーを含む2つの自由度)、及び基部144A、144B(並進を含む1つの自由度)を含む、8つの自由度を含むことができる。いくつかの実施形態では、挿入自由度は、ロボットアーム142A、142Bによって提供することができるが、他の実施形態では、器具自体は、器具ベースの挿入アーキテクチャを介して挿入を提供する。
【0048】
C.器具ドライバ及びインターフェース
システムのロボットアームのエンドエフェクタは、(i)医療用器具を作動させるための電気機械的手段を組み込む器具ドライバ(代替的には、「器具駆動機構」又は「器具デバイスマニピュレータ」と呼ばれる)と、(ii)モータなどの任意の電気機械的構成要素を欠いていてもよい除去可能な又は取り外し可能な医療用器具と、を含む。この二分は、医療処置において使用される医療用器具を滅菌する必要性と、医療用器具の機械組立が複雑でありかつ電子機器の感受性が高いことから高価な資本設備を適切に滅菌することができないこととによって引き起こされ得る。したがって、医療用器具は、医師又は医師のスタッフによる個々の滅菌又は廃棄のために、器具ドライバ(したがってそのシステム)から取り外される、除去される、及び交換されるように設計することができる。対照的に、器具ドライバは交換又は滅菌される必要がなく、保護のために掛け布をすることができる。
【0049】
図15は、例示的な器具ドライバを示す。ロボットアームの遠位端に位置決めされた器具ドライバ62は、駆動シャフト64を介して医療用器具に制御トルクを提供するために平行軸を伴って配置された1つ又は2つ以上の駆動ユニット63を備える。各駆動ユニット63は、器具と相互作用するための個々の駆動シャフト64と、モータシャフトの回転を所望のトルクに変換するためのギアヘッド65と、駆動トルクを生成するためのモータ66と、モータシャフトの速度を測定して制御回路にフィードバックを提供するエンコーダ67と、制御信号を受信して駆動ユニットを作動させるための制御回路68と、を含む。各駆動ユニット63は独立して制御され電動化され、器具ドライバ62は、複数(
図15に示すように4つ)の独立した駆動出力を医療用器具に提供することができる。動作中、制御回路68は、制御信号を受信し、モータ66にモータ信号を送信し、エンコーダ67によって測定された結果として得られたモータ速度を所望の速度と比較し、モータ信号を変調して所望のトルクを生成する。
【0050】
滅菌環境を必要とする処置のために、ロボットシステムは、器具ドライバと医療用器具との間に位置する、滅菌ドレープに接続された滅菌アダプタなどの駆動インターフェースを組み込んでもよい。滅菌アダプタの主な目的は、器具ドライバの駆動シャフトから器具の駆動入力部に角度運動を伝達する一方で、駆動シャフトと駆動入力部との間の物理的分離、したがって無菌性を維持することである。したがって、例示的な滅菌アダプタは、器具ドライバの駆動シャフトと嵌合されることが意図された一連の回転入力部及び出力部と、器具に対する駆動入力部とで構成することができる。滅菌アダプタに接続される滅菌ドレープは、透明又は半透明プラスチックなどの薄い可撓性材料で構成され、器具ドライバ、ロボットアーム、及び(カートベースのシステムにおける)カート又は(テーブルベースのシステムにおける)テーブルなどの資本設備を覆うように設計される。ドレープの使用により、滅菌を必要としない領域(すなわち、非滅菌野)に依然として配置されている間に、資本設備を患者に近接して位置決めすることが可能となる。滅菌ドレープの反対側では、医療用器具は、滅菌を必要とする領域(すなわち、滅菌野)において患者とインターフェースしてもよい。
【0051】
D.医療用器具
図16は、ペアの器具ドライバを有する例示的な医療用器具を示す。ロボットシステムとともに使用するために設計された他の器具と同様に、医療用器具70は、細長いシャフト71(又は細長い本体)及び器具基部72を含む。医師による手動相互作用が意図されているその設計により「器具ハンドル」とも称される器具基部72は、一般に、ロボットアーム76の遠位端において器具ドライバ75上の駆動インターフェースを通って延びる駆動出力部74と嵌合するように設計された、回転可能な駆動入力部73、例えば、レセプタクル、プーリー、又はスプールを含んでもよい。物理的に接続、ラッチ、及び/又は結合されるときに、器具基部72の嵌合された駆動入力部73は、器具ドライバ75における駆動出力部74と回転軸線を共有して、駆動出力部74から駆動入力部73へのトルクの伝達を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、駆動出力部74は、駆動入力部73上のレセプタクルと嵌合するように設計されたスプラインを含んでもよい。
【0052】
細長いシャフト71は、例えば、内視鏡におけるような解剖学的開口部若しくは管腔、又は腹腔鏡検査におけるような低侵襲性切開部のいずれかを通して送達されるように設計される。細長いシャフト71は、可撓性(例えば、内視鏡と同様の特性を有する)若しくは剛性(例えば、腹腔鏡と同様の特性を有する)のいずれかであってもよく、又は可撓性部分及び剛性部分の両方のカスタマイズされた組み合わせを含んでもよい。腹腔鏡検査のために設計される場合、剛性の細長いシャフトの遠位端は、少なくとも1つの自由度を有するクレビスから形成された接合されたリストから延在するエンドエフェクタ、及び駆動入力部が器具ドライバ75の駆動出力部74から受信したトルクに応答して回転する際に、腱からの力に基づいて作動され得る、例えば、把持具又ははさみなどの外科用ツール又は医療用器具に接続することができる。内視鏡検査のために設計される場合、可撓性の細長いシャフトの遠位端は、器具ドライバ75の駆動出力部74から受信したトルクに基づいて関節運動及び屈曲され得る操縦可能又は制御可能な屈曲部を含んでもよい。
【0053】
器具ドライバ75からのトルクは、シャフト71に沿った腱を使用して細長いシャフト71の下流に伝達される。プルワイヤなどのこれらの個々の腱は、器具ハンドル72内の個々の駆動入力部73に個別に固定されてもよい。ハンドル72から、腱は、細長いシャフト71に沿って1つ又は2つ以上のプルルーメン(pull lumen)を下って導かれ、細長いシャフト71の遠位部分、又は細長いシャフトの遠位部分のリストに固定される。腹腔鏡、内視鏡、又はハイブリッド処置などの外科処置中、これらの腱は、リスト、把持具、又ははさみなどの遠位に装着されたエンドエフェクタに結合されてもよい。このような構成の下で、駆動入力部73に及ぼされるトルクは、腱に張力を伝達し、それによってエンドエフェクタを何らかの方法で作動させる。いくつかの実施形態では、外科処置中に、腱は、関節を軸の周りで回転させることができ、それによってエンドエフェクタを一方向又は別の方向に移動させる。代替的に、腱は、細長いシャフト71の遠位端で把持具の1つ又は2つ以上のジョーに接続されてもよく、腱からの張力によって把持具が閉鎖される。
【0054】
内視鏡検査では、腱は、接着剤、制御リング、又は他の機械的固定を介して、細長いシャフト71に沿って(例えば、遠位端に)位置決めされている屈曲部又は関節運動部に結合されてもよい。屈曲部の遠位端に固定的に取り付けられる場合、駆動入力部73に及ぼされるトルクは、腱の下流に伝達され、より軟質の屈曲部(関節運動可能部又は領域と称されることがある)を屈曲又は関節運動させる。非屈曲部分に沿って、個々の腱を内視鏡シャフトの壁に沿って(又は内側に)向ける個々のプルルーメンを螺旋状又は渦巻状にして、プルワイヤにおける張力からもたらされる半径方向の力の釣り合いをとることが有利であり得る。これらの間の螺旋及び/又は間隔の角度は、特定の目的のために変更又は設計されてもよく、より狭い螺旋は負荷力下でより小さいシャフト圧縮を呈する一方で、より少ない量の螺旋は負荷力下でより大きいシャフト圧縮をもたらすが、屈曲制限も示す。スペクトルのもう一方の端部では、プルルーメンは、細長いシャフト71の長手方向軸に平行に方向付けられて、所望の屈曲部又は関節運動可能部における制御された関節運動を可能にしてもよい。
【0055】
内視鏡検査では、細長いシャフト71は、ロボット処置を支援するいくつかの構成要素を収容する。シャフトは、シャフト71の遠位端における手術領域に対して手術ツール(又は医療用器具)を配置、灌注、及び/又は吸引するための作業チャネルを構成しもよい。シャフト71は、光学カメラを含んでもよい遠位先端部の光学アセンブリとの間で信号の授受を行うために、ワイヤ及び/又は光ファイバも収容してもよい。シャフト71は、発光ダイオードなどの近位に位置する光源からシャフトの遠位端に光を搬送するための光ファイバも収容してもよい。
【0056】
器具70の遠位端では、遠位先端部は、診断及び/又は治療、灌注、及び吸引のためにツールを手術部位に送達するための作業チャネルの開口部を含んでもよい。遠位先端部はまた、内部解剖学的空間の画像をキャプチャするために、ファイバスコープ又はデジタルカメラなどのカメラのためのポートを含んでもよい。関連して、遠位先端部はまた、カメラを使用する場合に解剖学的空間を照明するための光源用のポートを含んでもよい。
【0057】
図16の実施例では、駆動シャフト軸、したがって駆動入力軸は、細長いシャフトの軸に直交する。しかしながら、この配置は、細長いシャフト71のロール能力を複雑にする。駆動入力部73を静止させながら、細長いシャフト71をその軸に沿ってロールさせることの結果として、腱が駆動入力部73から延在出して細長いシャフト71内のプルルーメンに入るときに、腱の望ましくない絡まりをもたらす。結果として生じるそのような腱のもつれは、内視鏡処置中に可撓性の細長いシャフトの動きを予測することが意図される任意の制御アルゴリズムを妨害することがある。
【0058】
図17は、駆動ユニットの軸が器具の細長いシャフトの軸に平行である、器具ドライバ及び器具の代替的な設計を示す。示されるように、円形の器具ドライバ80は、ロボットアーム82の端部において平行に位置合わせされた駆動出力部81を有する4つの駆動ユニットを含む。駆動ユニット及びそれらのそれぞれの駆動出力部81は、アセンブリ83内の駆動ユニットのうちの1つによって駆動される器具ドライバ80の回転アセンブリ83内に収容される。回転駆動ユニットによって提供されるトルクに応答して、回転アセンブリ83は、回転アセンブリ83を器具ドライバの非回転部分84に接続する円形ベアリングに沿って回転する。電力及び制御信号は、電気接点を通して器具ドライバ80の非回転部分84から回転アセンブリ83に伝達されてもよく、ブラシ付きスリップリング接続(図示せず)による回転を通して維持されてもよい。他の実施形態では、回転アセンブリ83は、非回転可能部分84に一体化され、したがって他の駆動ユニットと平行ではない別個の駆動ユニットに応答してもよい。回転機構83は、器具ドライバ80が、器具ドライバ軸85周りの単一ユニットとして、駆動ユニット及びそれらのそれぞれの駆動出力部81を回転させることを可能にする。
【0059】
先に開示した実施形態と同様に、器具86は、細長いシャフト部分88と、器具ドライバ80内の駆動出力部81を受け入れるように構成された複数の駆動入力部89(レセプタクル、プーリー、及びスプールなど)を含む器具基部87(説明目的のために透明な外部スキンで示される)と、を含んでもよい。前に開示した実施形態とは異なり、器具シャフト88は、器具基部87の中心から延び、軸は、
図16の設計におけるように直交するのではなく、駆動入力部89の軸に実質的に平行である。
【0060】
器具ドライバ80の回転アセンブリ83に結合されると、器具基部87及び器具シャフト88を含む医療用器具86は、器具ドライバ軸85を中心にして回転アセンブリ83と一緒に回転する。器具シャフト88は器具基部87の中心に位置決めされているため、器具シャフト88は、取り付けられたときに器具ドライバ軸85と同軸である。したがって、回転アセンブリ83の回転により、器具シャフト88は、それ自体の長手方向軸を中心に回転する。更に、器具基部87が器具シャフト88とともに回転すると、器具基部87内の駆動入力部89に接続されたいずれの腱も、回転中に絡まらない。したがって、駆動出力部81、駆動入力部89、及び器具シャフト88の軸の平行性は、どの制御腱も絡めることなくシャフト回転を可能にする。
【0061】
図18は、いくつかの実施形態による、器具ベースの挿入アーキテクチャを有する器具を示す。器具150は、上述の器具ドライバのうちのいずれかに連結することができる。器具150は、細長いシャフト152と、シャフト152に接続されたエンドエフェクタ162と、シャフト152に連結されたハンドル170と、を含む。細長いシャフト152は、近位部分154及び遠位部分156を有する管状部材を含む。細長いシャフト152は、その外側表面に沿った1つ又は2つ以上のチャネル又は溝158を含む。溝158は、1つ又は2つ以上のワイヤ又はケーブル180を内部を通して受け入れるように構成されている。したがって、1つ又は2つ以上のケーブル180は、細長いシャフト152の外側表面に沿って延びる。他の実施形態では、ケーブル180は、細長いシャフト152を通って延びることもできる。ケーブル180のうちの1つ又は2つ以上の操作(例えば、器具ドライバを介して)により、エンドエフェクタ162の作動がもたらされる。
【0062】
器具基部とも称され得る器具ハンドル170は、一般に、器具ドライバの取り付け面上で1つ又は2つ以上のトルクカプラと往復嵌合するように設計された1つ又は2つ以上の機械的入力部174、例えば、レセプタクル、プーリー又はスプールを有する取り付けインターフェース172を含むことができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、器具150は、細長いシャフト152がハンドル170に対して並進することを可能にする一連のプーリー又はケーブルを含む。換言すれば、器具150自体は器具の挿入に適応する器具ベースの挿入アーキテクチャを含み、それによって器具150の挿入を提供するためのロボットアームへの依存を最小化する。他の実施形態では、ロボットアームは、器具の挿入に大きく関与することができる。
【0064】
E.コントローラ
本明細書に記載のロボットシステムのうちのいずれかは、ロボットアームに取り付けられた器具を操作するための入力デバイス又はコントローラを含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、器具と連結(例えば、通信的に、電子的に、電気的に、無線的に、及び/又は機械的に)することができ、それによりコントローラの操作は、例えば、マスタスレーブ制御を介して、器具の対応する操作を引き起こす。
【0065】
図19は、コントローラ182の実施形態の斜視図である。本実施形態では、コントローラ182は、インピーダンス制御及びアドミタンス制御の両方を有することができるハイブリッドコントローラを含む。他の実施形態では、コントローラ182は、インピーダンス又は受動的制御だけを利用することができる。他の実施形態では、コントローラ182は、アドミタンス制御だけを利用することができる。ハイブリッドコントローラであることにより、コントローラ182は、有利には、使用中、より低い知覚慣性を有することができる。
【0066】
図示される実施形態では、コントローラ182は、2つの医療用器具の操作を可能にするように構成され、2つのハンドル184を含む。ハンドル184の各々は、ジンバル186に接続されている。各ジンバル186は、位置決めプラットフォーム188に接続されている。
【0067】
図19に示されるように、各位置決めプラットフォーム188は、プリズム接合部196によってカラム194に連結されたSCARAアーム(選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム)198を含む。プリズム接合部196は、(例えば、レール197に沿って)カラム194に沿って並進して、ハンドル184の各々がz方向に並進され、第1の自由度を提供するように構成されている。SCARAアーム198は、x-y平面におけるハンドル184の動作を可能にし、2つの更なる自由度を提供するように構成されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のロードセルがコントローラ内に位置決めされる。例えば、いくつかの実施形態では、ロードセル(図示せず)は、ジンバル186の各々の本体内に位置決めされる。ロードセルを設けることによって、コントローラ182の一部分は、アドミタンス制御下で動作することができ、それによって、使用中にコントローラの知覚慣性を有利に低減する。いくつかの実施形態では、位置決めプラットフォーム188はアドミタンス制御用に構成され、一方、ジンバル186はインピーダンス制御用に構成されている。他の実施形態では、ジンバル186はアドミタンス制御用に構成され、位置決めプラットフォーム188はインピーダンス制御用に構成されている。したがって、いくつかの実施形態では、位置決めプラットフォーム188の並進又は位置自由度は、アドミタンス制御に依存することができ、一方、ジンバル186の回転自由度はインピーダンス制御に依存する。
【0069】
F.ナビゲーション及び制御
従来の内視鏡検査は、オペレータである医師に腔内誘導を提供するために、蛍光透視法(例えば、Cアームを通して送達され得るような)、及び他の形態の放射線ベースの撮像モダリティの使用を伴うことがある。対照的に、本開示によって企図されるロボットシステムは、放射線への医師の曝露を低減し、手術室内の機器の量を低減するために、非放射線ベースのナビゲーション及び位置特定手段を提供することができる。本明細書で使用するとき、「位置特定」という用語は、基準座標系内の対象物の位置を判定及び/又は監視することを指すことがある。術前マッピング、コンピュータビジョン、リアルタイムEM追跡、及びロボットコマンドデータなどの技術は、放射線を含まない手術環境を達成するために個別に又は組み合わせて使用されてもよい。放射線ベースの撮像モダリティが依然として使用されるその他の場合、術前マッピング、コンピュータビジョン、リアルタイムEM追跡、及びロボットコマンドデータは、放射線ベースの撮像モダリティによってのみ取得される情報を改善するために、個別に又は組み合わせて使用されてもよい。
【0070】
図20は、例示的な実施形態による、器具の場所など、ロボットシステムの1つ又は2つ以上の要素の位置を推定する位置特定システム90を示すブロック図である。位置特定システム90は、1つ又は2つ以上の命令を実行するように構成されている1つ又は2つ以上のコンピュータデバイスのセットであってもよい。コンピュータデバイスは、上で考察された1つ又は2つ以上の構成要素内のプロセッサ(又は複数のプロセッサ)及びコンピュータ可読メモリによって具現化されてもよい。例として、限定するものではないが、コンピュータデバイスは、
図1に示すタワー30内、
図1~
図4に示すカート内、
図5~
図14に示すベッド内などにあってもよい。
【0071】
図20に示されるように、位置特定システム90は、入力データ91~94を処理して医療用器具の遠位先端部の位置データ96を生成する位置特定モジュール95を含んでもよい。位置データ96は、基準系に対する器具の遠位端の位置及び/又は向きを表すデータ又は論理であってもよい。基準系は、患者の解剖学的構造、又はEM場生成器(EM場生成器についての以下の説明を参照)などの既知の対象物に対する基準系とすることができる。
【0072】
ここで、様々な入力データ91~94についてより詳細に説明する。術前マッピングは、低用量CTスキャンの収集を利用して達成することができる。術前CTスキャンは、例えば、患者の内部解剖学的構造の切欠図の「スライス」として可視化される三次元画像に再構成される。全体として分析される場合、患者の肺網などの患者の解剖学的構造の解剖学的空腔、空間、及び構造のための画像ベースのモデルが生成され得る。中心線形状(center-line geometry)などの手法をCT画像から決定及び近似して、モデルデータ91(術前CTスキャンのみを使用して生成された場合は「術前モデルデータ」とも称される)と称される患者の解剖学的構造の三次元ボリュームを作成することができる。中心線形状の使用は、米国特許出願第14/523,760号で考察されており、その内容はその全体が本明細書に組み込まれる。ネットワーク位相モデルもまた、CT画像から導出されてもよく、気管支鏡検査に特に適している。
【0073】
いくつかの実施形態では、器具はカメラを装備して、視覚データ92を提供してもよい。位置特定モジュール95は、視覚データを処理して、1つ又は2つ以上の視覚ベースの場所追跡を可能にしてもよい。例えば、術前モデルデータは、医療用器具(例えば、内視鏡、又は内視鏡の作業チャネルを通って前進する器具)のコンピュータビジョンベースの追跡を可能にするために、視覚データ92とともに使用されてもよい。例えば、術前モデルデータ91を使用して、ロボットシステムは、内視鏡の予想される移動経路に基づいて、モデルから、予測される内視鏡画像のライブラリを生成することができ、各画像はモデル内の位置にリンクされる。手術中に、このライブラリは、カメラ(例えば、内視鏡の遠位端でのカメラ)でキャプチャされたリアルタイム画像を画像ライブラリ内のものと比較して、位置特定を支援するために、ロボットシステムによって参照することができる。
【0074】
他のコンピュータビジョンベースの追跡技術は、特徴追跡を使用して、カメラ、したがって内視鏡の動作を判定する。位置特定モジュール95のいくつかの特徴は、解剖学的管腔に対応する術前モデルデータ91内の円形幾何学形状を特定し、どの解剖学的管腔が選択されたか、並びにカメラの相対的な回転及び/又は並進運動を決定するために、それらの幾何学的形状の変化を追跡してもよい。位相マップの使用は、視覚ベースのアルゴリズム又は技術を更に向上させることがある。
【0075】
光学フロー、別のコンピュータビジョンベースの技術は、カメラの移動を推測するために、視覚データ92内のビデオシーケンス内の画像ピクセルの変位及び並進を分析してもよい。光学フロー技術の例としては、動き検出、物体セグメンテーション計算、輝度、動き補償符号化、立体視差測定などを挙げることができる。複数の反復にわたり複数のフレームを比較することにより、カメラ(及びしたがって内視鏡)の動き及び場所を判定することができる。
【0076】
位置特定モジュール95は、リアルタイムEM追跡を使用して、術前モデルによって表される患者の解剖学的構造に登録され得るグローバル座標系内に、内視鏡のリアルタイムの位置を生成することができる。EM追跡では、医療用器具(例えば、内視鏡器具)内に1つ又は2つ以上の場所及び配向で埋め込まれた1つ又は2つ以上のセンサコイルを構成するEMセンサ(又はトラッカ)は、既知の場所に位置決めされた1つ又は2つ以上の静的EM場生成器によって生成されるEM場の変動を測定する。EMセンサによって検出された位置情報は、EMデータ93として記憶される。EM場発生器(又は送信機)は、埋め込まれたセンサが検出し得る低強度磁場を生成するために、患者に近接して配置することができる。磁場はEMセンサのセンサコイル内に小さい電流を誘導し、EMセンサとEM場発生器との間の距離及び角度を判定するためにこの電流が分析され得る。これらの距離及び配向は、患者の解剖学的構造の術前モデル内の位置と座標系内の単一の場所を位置合わせする幾何学的変換を判定するために、患者の解剖学的構造(例えば、術前モデル)に術中「位置合わせ」することができる。一旦登録されると、医療用器具の1つ又は2つ以上の位置(例えば、内視鏡の遠位先端部)に埋め込まれたEMトラッカは、患者の解剖学的構造を通る医療用器具の進行のリアルタイム表示を提供することができる。
【0077】
ロボットコマンド及び運動学データ94はまた、ロボットシステムのための位置特定データ96を提供するために、位置特定モジュール95によって使用されてもよい。関節運動コマンドから生じるデバイスピッチ及びヨーは、術前較正中に判定することができる。術中に、これらの較正測定は、既知の挿入深度情報と組み合わせて使用されて、器具の位置を推定することができる。代替的に、これらの計算は、EM、視覚、及び/又は位相モデリングと組み合わせて分析して、ネットワーク内の医療用器具の位置を推定し得る。
【0078】
図20が示すように、いくつかの他の入力データは、位置特定モジュール95によって使用することができる。例えば、
図20には示していないが、形状感知ファイバを利用する器具は、位置特定モジュール95が器具の位置及び形状を判定するために使用し得る形状データを提供することができる。
【0079】
位置特定モジュール95は、入力データ91~94を組み合わせて使用し得る。場合によっては、このような組み合わせは、位置特定モジュール95が入力データ91~94の各々から判定された場所に信頼重みを割り当てる確率的アプローチを使用し得る。したがって、EMデータが信頼でき得ない場合(EM干渉が存在する場合など)、EMデータ93によって判定された位置の信頼性を低下させることができ、位置特定モジュール95は、視覚データ92並びに/又はロボットコマンド及び運動学データ94により重く依存し得る。
【0080】
上で考察されるように、本明細書で考察されるロボットシステムは、上述の技術のうちの1つ又は2つ以上の組み合わせを組み込むように設計することができる。タワー、ベッド、及び/又はカートをベースとするロボットシステムのコンピュータベースの制御システムは、例えば、永続的な磁気記憶ドライブ、ソリッドステートドライブなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に、コンピュータプログラム命令を記憶してもよく、コンピュータプログラム命令は、実行されると、システムに、センサデータ及びユーザコマンドを受信及び分析させ、システム全体の制御信号を生成させ、グローバル座標系内の器具の位置、解剖学的マップなどのナビゲーション及び位置特定データを表示させる。
【0081】
2.トロカールアセンブリ
本開示の実施形態は、例えば、腹腔鏡処置のためのトロカールアセンブリなどのトロカールアセンブリ及びカニューレに関連するシステム及び技術を含む。
【0082】
本明細書に開示されるアセンブリは、特定の従来のトロカールアセンブリに関して発見された1つ又は2つ以上の課題を克服することができる。特定のトロカールアセンブリでは、臨床医は、封止カートリッジをカニューレから係合及び係合解除することが困難であり得る。したがって、いくつかの処置の間、臨床医は、封止カートリッジを挿入又は除去するために追加の時間を必要とし得るか、又は封止カートリッジを完全に係合することができない場合があり、これは、患者の腔内の送気を損なう場合がある。更に、特定のトロカールアセンブリでは、封止カートリッジは、カニューレの上部部分内に配設される。したがって、特定のトロカールアセンブリの構成は、ロボットシステムによるカニューレのロボットアームへの堅牢なインラインラッチ又はカニューレの検出に干渉する場合がある。有利には、開示されたトロカールアセンブリは、処置のためのしっかりとした係合を可能にしながら、封止カートリッジをカニューレから容易に係合及び係合解除することを可能にすることができる。理解され得るように、開示されるトロカールアセンブリの構成は、臨床誤差を低減し、処置時間を短縮し、ワークフローを簡略化することができる。
【0083】
図21~
図22を参照すると、閉鎖具210、封止カートリッジ240、及びカニューレ260を含む例示的なトロカールアセンブリ200が示されている。
図21は、組立状態のトロカールアセンブリ200を示す。
図22は、非組立状態の
図23のトロカールアセンブリ200の分解図である。図示された例では、トロカールアセンブリ200は、軟部組織を変位又は切開して、カニューレ260を患者の腔内に挿入して、手術部位へのアクセスを提供することを可能にする。いくつかの実施形態によれば、トロカールアセンブリ200は、腹腔鏡処置のための手術部位へのアクセスを提供するように構成されている。追加的又は代替的に、トロカールアセンブリ200は、泌尿器、内視鏡、経皮、整形外科、及び/又は医療用器具がトロカールアセンブリを通して部位に導入される他の医療又は低侵襲処置のための部位へのアクセスを提供するように構成することができる。いくつかの用途では、トロカールアセンブリ200は、本明細書に説明されるロボットシステムによって行われるロボット腹腔鏡処置のための手術部位へのアクセスを提供する。追加的又は代替的に、トロカールアセンブリ200は、手動腹腔鏡処置で使用するように構成され得る。
【0084】
図示された例では、トロカールアセンブリ200の閉鎖具210及びカニューレ260は、軟部組織を切開又は穿刺して、トロカールアセンブリ200が手術部位にアクセスすることを許容することができる。示されるように、カニューレ260の近位部分は、閉鎖具210を含むツールを挿入することを可能にする漏斗部分262として構成されている。カニューレシャフト280は、漏斗部分から遠位に延在し、かつ閉鎖具シャフト212が延在する管腔を提供する管状部分として構成されている。組立構成では、閉鎖具シャフト212は、カニューレシャフト280のカニューレルーメン282を通って延在する。閉鎖具シャフト212は、閉鎖具シャフトがカニューレシャフト280の遠位端部分284を越えて延在するように、カニューレシャフト280よりも長くすることができる。
【0085】
閉鎖具シャフト212は、軟部組織を切開又は穿刺するように構成されている傾斜又は他の方法で尖った遠位端214を含むことができる。挿入中、閉鎖具シャフト212の遠位端214は、軟部組織を変位させて、カニューレシャフト280を患者の腔内に挿入することを可能にすることができる。閉鎖具210は、閉鎖具210の近位部分220に力を加えるか、又は他の方法で操作する臨床医によって前進させることができる。任意選択で、近位部分220は、閉鎖具210及び/又はトロカールアセンブリ200を一般に力を加えるか、又は他の方法で前進させるためのハンドルとして、臨床医又は他のユーザによって利用することができる。示されるように、閉鎖具210の近位部分220は、ユーザがシャフト212により多くの力を容易に加えることを可能にするように、シャフト212よりも略大きい半径を有することができる。更に、近位部分220は、臨床医が閉鎖具210を前進させることを可能にするために、把持部分又は平面表面を含むことができる。
【0086】
示されるように、トロカールアセンブリ200の閉鎖具210及びカニューレ260は一緒に結合されて、軟部組織を協働的に切開又は穿刺して、トロカールアセンブリ200が手術部位にアクセスすることを許容することができる。したがって、組立構成では、カニューレ260は、閉鎖具210と一緒に前進させることができる。理解され得るように、カニューレシャフト280の遠位端部分284は、軟部組織を更に変位させて、カニューレシャフト280を患者の腔内に挿入することを可能にすることができる。
【0087】
トロカールアセンブリ200を患者の腔内に挿入すると、閉鎖具210は、カニューレ260から除去されることができる。カニューレ260から閉鎖具210を除去した後、カニューレルーメン282は、腹腔鏡ツール、外科器具、及び/又はスコープなどの他のツールを挿入、操作、及び/又は除去することができる作業コリドール又は作業チャネルを提供することができる。任意選択で、カニューレ260及びツールの動きは、本明細書に記載されるロボットシステムによって操作又は制御することができる。
【0088】
任意選択で、閉鎖具210のラッチ機構230は、閉鎖具210をカニューレ260に結合又はカニューレ260から解放することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ラッチ機構230は、閉鎖具210の近位部分220から延在して、トロカールアセンブリ200の他の部分と解放可能に係合することができる。
【0089】
いくつかの用途では、トロカールアセンブリ200は、患者への外傷を最小限に抑えながら患者の腔内にアクセスを提供するために、処置中に患者の腔の送気を可能にすることができる。封止カートリッジ240は、患者の腔内へのガスの導入後に患者の腔内の送気を維持することができる。封止カートリッジ240は、例えば、カニューレ260との気密封止を提供する除去可能なサブアセンブリ又は封止パックとして構成することができる。封止カートリッジ240は、カニューレ260に結合されて、カニューレルーメン282を環境から封止隔離して、患者の腔内の送気を維持することができる。動作中、封止カートリッジ240は、閉鎖具210などのツールが封止カートリッジ240の通路を通過することを可能にしながら、患者の腔の隔離を維持することができる。更に、封止カートリッジ240は、患者の腔の送気を維持するために、カニューレ漏斗262に対して封止係合することができる。示されるように、封止カートリッジ240は、カニューレ260の近位部分に配設することができる。例えば、封止カートリッジ240は、カニューレの漏斗部分262内に少なくとも部分的に配設することができる。
【0090】
いくつかの用途では、封止カートリッジ240は、カニューレ260から除去されることができる。任意選択で、封止カートリッジ240及びカニューレ260は、カニューレ260に対する封止カートリッジ240の除去可能な係合によって促進される、異なる有用な寿命を有し得る。例えば、封止カートリッジ240は、(例えば、プラスチックから作製される)一回使用使い捨てデバイスとして構成することができ、カニューレ260は、(例えば、金属から作製される)滅菌及び再使用されるように構成することができる。本明細書に説明されるように、封止カートリッジ240のラッチ機構252は、封止カートリッジ240をカニューレ260に結合又はカニューレ260から解放することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ラッチ機構252は、トロカールアセンブリ200の他の部分と解放可能に係合することができる。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、カニューレ260は、ロボット対応の処置で使用するように構成することができる。説明されるように、カニューレ260及びそれとともに組み立てられた封止カートリッジ240は、ロボットマニピュレータにドッキングすることができる。例えば、カニューレ260は、閉鎖具210の除去後にカニューレ260をロボットに結合するために、ロボットアーム及び/又は器具ドライバにラッチされるか、又は他の方法で取り付けられ得る。カニューレ260をロボットにドッキングすることにより、カニューレを通じた外科用ツールのロボット操作を容易にすることができる。
【0092】
図23は、ロボットシステム100内の例示的なカニューレドッキング配置を示す。
図23に示す配置は、ロボットドライバがカニューレの近位端からカニューレインラインに結合されるコンパクトな器具ドライバアーキテクチャを利用する。
【0093】
示されるように、器具ドライバ110は、カニューレ160に取り付けるように構成されている器具ドライバ110の第1の側に付属品又はカニューレ取り付けインターフェース140を有することができる。器具ドライバ110の反対側は、医療用器具130に結合するように構成された器具取り付けインターフェース120を有することができる。通路112は、器具ドライバ110を通って延在して、通路112を通る器具シャフト132の挿入又は後退を許容する。通路112は、例えば、器具シャフト132の外径よりも大きい直径を有する器具ドライバ110を通って延在する管腔として構成され得る。通路112は、器具シャフト132が通路112を通って延在又は後退することを許容する。
【0094】
いくつかの実施形態によれば、器具ドライバ110は、器具130内の機構を動作させて、器具シャフト132を通路112を通して挿入又は後退させるように構成することができる。例えば、器具ドライバ110の器具取り付けインターフェース120における1つ又は2つ以上の駆動出力は、器具130の器具基部134上の1つ又は2つ以上の入力を動作させることができる。そのような入力は、プルワイヤ、歯車、ねじ、及び/又は他の機構に結合されて、入力の回転運動を器具シャフト132の並進運動に変換し、それによって器具ドライバ110を通る器具シャフトの軸方向並進を駆動することができる。
【0095】
本明細書に説明されるように、カニューレ160は、腹腔鏡処置などの医療処置のための患者の腔へのアクセスを提供するアクセスポートとして構成することができる。カニューレを通じた器具130の挿入を容易にするために、カニューレ160の近位161を器具ドライバ110に取り付けることができ、カニューレ160の軸又は作業チャネル192は、器具ドライバ110の通路112と位置合わせされている。カニューレ取り付けインターフェース140は、カニューレ160を、カニューレ160と直接又は滅菌ドレープ及び/又は滅菌アダプタなどの無菌バリアを介して係合するラッチ機構で保持することができる。
【0096】
ツール又は器具を患者に挿入する前に、カニューレ160を患者の腔内に挿入及び/又は位置決めすることができる。ロボットアームは、器具ドライバ110及びロボットアームがカニューレ160にドッキングされ、取り付けられることを可能にするように移動又は位置決めすることができる。カニューレ160にドッキングした後、ロボットアームのカニューレ取り付けインターフェース140は、カニューレ160をロボットアーム又は器具ドライバ110に保持することができる。いくつかの実施形態では、器具ドライバ110は、任意の好適な感知配置を使用してカニューレをドッキング、存在判定、及び/又は識別することを容易にするためにカニューレを検出するように構成されている。
【0097】
図24は、閉鎖具が除去されたカニューレ360及び封止カートリッジ340を含むカニューレアセンブリ300を示している。カニューレアセンブリ300は、
図21~
図22及び/又は
図23に示されるロボットドッキング配置に関して説明されたように、トロカールアセンブリ200とともに利用することができる。カニューレ360は、アセンブリのロボット能力を干渉することなく、封止カートリッジ340のカニューレ360への除去可能な取り付けを容易にすることができる特徴を含む。カニューレアセンブリ300は、例えば、機械的に堅牢な様式でカニューレ360にしっかりと係合する器具ドライバ上のカニューレラッチとの封止カートリッジ340の干渉を回避することができる。代替的には、又は組み合わせて、封止カートリッジ340は、カニューレ検出センサを妨害するか、又は器具ドライバで使用され得るセンサからカニューレの近位端を引き離すことを回避することができる。代替的には、又は組み合わせて、カニューレアセンブリは、ユーザにフレンドリーな様式で封止カートリッジの取り付け及び/又は除去を容易にすることができる。
【0098】
図24を参照すると、挿入時に、カニューレ360は、患者の腔へのアクセスを提供する。示されるように、カニューレ360は、カニューレ360の上部部分又は漏斗362から延在するシャフト380を含む。シャフト380は、端部384とカニューレ漏斗362との間にアクセスを内部に提供するシャフトルーメンを画定する。本明細書に説明されるように、シャフト380の端部384は、患者の腔内に前進されて、漏斗362を介して患者の腔へのアクセスを可能にすることができる。
【0099】
外科処置の間、シャフトルーメンは、ツールが患者の腔にアクセスすることを許容する。シャフトルーメンは、シャフトルーメン内でツールを回転させることを可能にするために、略円形の内側断面プロファイルを有することができる。シャフトルーメンは、ツールがそこを通過することを許容するのに好適な内径を有することができる。シャフト380はまた、カニューレ360が患者の腔に対して回転することを可能にするために、略円形の外側断面プロファイルを有することができる。
【0100】
漏斗部分362は、カニューレシャフト380の管腔によって画定されるより狭い内径をもたらす拡大された内径を有する。拡大された幾何学形状は、カニューレ360の近位部分へのツール及び/又は封止カートリッジの挿入を容易にする。例えば、閉鎖具210及び/又は器具130などのツールの挿入中に、漏斗362の幾何学形状は、ツールシャフトをシャフトルーメンに向けることができる。いくつかの実施形態では、漏斗362は、階段状の形状を含むことができる。示されるように、漏斗362は、上部漏斗部分363a及び下部漏斗部分363bを含むことができる。下部漏斗部分363bは、上部漏斗部分363aに対して減少した直径を有することができる。任意選択で、漏斗362は、上部テーパ部分363aと下部テーパ部分363bとの間に移行部分363cを含むことができる。
【0101】
封止カートリッジ340は、漏斗部分362を介してカニューレ360に結合することができる。漏斗362の幾何学形状は、封止カートリッジ340などのデバイスがカニューレ360の漏斗362内に配設されることを可能にすることができる。例えば、
図24に見られるように、封止カートリッジ340は、封止カートリッジがカニューレ360の近位端を実質的に越えて突出しないように、カニューレ360の漏斗部分362内に着座することができる。
【0102】
図24に示すように、漏斗362の漏斗壁は、封止カートリッジ340が漏斗362内に着座して、封止カートリッジ340が漏斗362内に窪んでいることを可能にするときに、封止カートリッジ340を越えて延在することができる。理解され得るように、封止カートリッジ340をカニューレ360内に窪ませることによって、封止カートリッジ340は、カニューレ360の近位端が、閉鎖具210及び/又はロボットアームなどの他の構成要素としっかりと取り付けられ、ドッキングすることを許容することができる。窪んだ配置で示されているが、組立構成又は結合された構成にあるときに、封止カートリッジ340の近位端は、カニューレ360の近位端と実質的に同一平面にあり得ることも企図される。更に、本開示の特定の原理は、カニューレ360と組み立てられたときに、封止カートリッジ340がカニューレ漏斗部分362の近位端を越えて近位に突出する実施形態に適用され得ることも企図される。
【0103】
送気用のガスなどの流体は、カニューレアセンブリ300の流体ポート365を介して患者の腔に導入することができる。流体ポート365を通して導入されて、送気を介して腹腔を膨張させ得るガスのいくつかの例には、二酸化炭素及び空気が含まれる。代替的には、又は組み合わせて、流体ポート365は、灌漑、整形外科関節の膨張、又は他の患者の腔の膨張のために、生理食塩水、液体、又は他の流体媒体などの他の流体を導入又は移送するように構成することができる。いくつかの実施形態では、流体ポートをカニューレに形成することができる。図示された例では、流体ポート365は、封止カートリッジ340に形成されている。示されるように、流体ポート365は、封止カートリッジの本体に取り付けられ、封止カートリッジ340の本体から延在する。いくつかの実施形態では、流体ポート365は、封止カートリッジ340の本体から半径方向に延在する。流体ポート365は、封止カートリッジ及びカニューレが組立構成で一緒に結合されるときに、カニューレルーメンと流体連通することができる。流体ポート365は、ポートを通る流れを開口、閉鎖、又は他の方法で制御することを可能にするストップコックなどのバルブとして構成することができる。図示された例では、流体ポート365は、ポートを開口及び閉鎖するためにユーザによって手動で制御することができるレバー366を含む。流体ポート365はまた、必要に応じて、送気ライン又は他の流体導管をカニューレアセンブリ300に接続又はカニューレアセンブリ300から除去すること可能にする、ルアーフィッティングなどのコネクタインターフェース369とともに示されている。
【0104】
漏斗362は、封止カートリッジ340が漏斗362に保持又は他の方法で結合されることを可能にするための特徴を含むことができる。示されるように、封止カートリッジ340は、漏斗部分362の特徴に係合して、封止カートリッジ340をカニューレ360に固着することができるラッチ機構330を含む。ラッチ機構330は、ラッチ機構330を解放し、カニューレ360から封止カートリッジを係合解除するように操作され得る1つ又は2つ以上の解放ボタン338を含む。
【0105】
カニューレ360は、側壁を通る封止カートリッジの部分へのアクセスを許容する側壁391に沿った特徴を含む。いくつかの用途では、封止カートリッジ340の係合又はラッチ機構は、漏斗壁を通って形成された1つ又は2つ以上のウィンドウ又は空隙370を通してアクセス可能とすることができる。例えば、空隙370は、ユーザが側壁391を通って解放ボタン338を作動させることを可能にするラッチウィンドウとして構成することができる。いくつかの実施形態では、漏斗362は、封止カートリッジ340の2つの対向する解放ボタン338へのアクセスを許容するために、互いから半径方向に横切って配設された2つの対向するラッチウィンドウ370を含むことができる。示されるように、ラッチウィンドウ370は、上部漏斗部分363aの漏斗壁を通して形成することができる。任意選択で、漏斗362は、側壁391に沿った様々な角度配向など、カニューレに沿った様々な間隔配置での追加のラッチウィンドウ又は空隙を含むことができる。ラッチウィンドウ370は、解放ボタン338などのラッチ機構の部分へのアクセスに対応及びアクセスを許容することができる任意の形状を収容することができる。いくつかの実施形態では、ラッチウィンドウ370は、解放ボタン338よりも大きいか、又はより広い。より広いウィンドウは、例えば、封止カートリッジ340がカニューレの長手方向軸を中心とした異なる回転又は角度配向で組み立てられたときに、解放ボタン338にラッチウィンドウを通してアクセスすることを依然として可能にする一方で、封止カートリッジ340をカニューレ360に組み立てることができる回転配向の許容値を提供することができる。
【0106】
代替的には、又はラッチ機構の空隙と組み合わせて、カニューレ360は、封止カートリッジ340の流体ポート365が漏斗壁を通って延在することを可能にする1つ又は2つ以上の空隙371を含むことができる。有利には、封止カートリッジ340の流体ポート365が漏斗壁を通って延在することを可能にすることにより、封止カートリッジ340は、送気のための流体ポート365へのアクセスを許容しながら、漏斗362内に窪むことができる。
【0107】
図25A~
図25Dは、アセンブリの様々な状態の間の
図24のカニューレアセンブリ300を示す。
図25A~
図25Dを参照すると、封止カートリッジ340をカニューレ360に挿入する間、封止カートリッジ340は、カニューレ内の封止カートリッジ340をラッチ又は他の方法で係合する前に、流体ポート365がウィンドウ370に入ることを可能にするように枢動又は傾斜させることができる。例えば、封止カートリッジ340は、
図25A~
図25Dに示すシーケンスにおいて、カニューレ360の漏斗部分362内に枢動又は傾斜させることができる。封止カートリッジ340の除去の間、封止カートリッジ340は、作動解放ボタン338によって係合解除され、次いで、封止カートリッジ340の反対側の部分が除去された後に、流体ポート365がウィンドウを通過することを可能にするように枢動させることができる。例えば、封止カートリッジ340は、
図25A~
図25Dに示すシーケンスの逆で、カニューレ360の漏斗部分362から離れる方向に枢動又は傾斜させることができる。
【0108】
図26及び
図27は、カニューレアセンブリ300の断面図を示している。
図26は、封止ラッチ機構330を通る断面図である。
図27は、流体ポート365を通る断面図である。
【0109】
図26及び
図27を参照すると、封止カートリッジ340は、カニューレ360とラッチ又は他の方法で係合することができる。図示された例では、封止カートリッジ340は、封止カートリッジ340をカニューレ360に保持又は他の方法で結合するためのラッチ機構330を含む。示されるように、ラッチ機構330は、封止カートリッジ340から延在して、カニューレ360と係合して、封止カートリッジ340をカニューレ760に保持する。図示された例では、ラッチ機構330は、ラッチ機構330から延在するラッチフック354を含む。ラッチフック354は、キャッチ特徴364などの漏斗362の特徴と係合することができる。キャッチ特徴364は、例えば、
図26に見られるように、漏斗部分362内で半径方向内側に延在する内側突出リップを有することができる。示されるように、ラッチフック354は、移行部分363cで漏斗に係合することができる。ラッチフック354はまた、例えば、ラッチ機構がスナップにより係合するまで、封止カートリッジ340を遠位に移動させることによって、封止カートリッジ340の係合を容易にするために、その遠位端にリードイン表面を含む。
【0110】
図27に見られるように、カニューレ漏斗部分360は、封止カートリッジ340が停止部材390に当たるときに封止カートリッジが遠位方向に遠位に押し下げられすぎるのを防止するレッジ、リップ、又は停止部材390を更に含むことができる。図示された例では、停止部材390もまた、移行部分363cに配設される。
【0111】
解放ボタン338は、側壁を通って延在する空隙370を介してカニューレ側壁391を通してアクセス可能である。
図26の例に見られるように、ラッチ機構は、カニューレ漏斗部分362の半径方向に対向する側部上に一対の対向する解放ボタン338を含むことができ、カニューレ漏斗部分362は、解放ボタン338へのアクセスを許容するための対応する空隙のペアを含むことができる。理解され得るように、臨床医は、解放ボタン338を押し下げて、ラッチ機構330をカニューレ360から係合解除して、封止カートリッジ340を除去することができる。任意選択で、解放ボタン338は、臨床医による解放ボタン338の係合を容易にするために、隆起又は溝付き部分を含むことができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、ラッチ機構330は、外向きに付勢されて、延在し、カニューレ360と係合する。任意選択で、例えば
図26に見られるように、付勢部材は、フック特徴354をカニューレ漏斗部分に対して半径方向外向きに付勢するためにラッチ機構に統合されたコンプライアントタブ又はフレクシャとして構成され得る。図示された例では、解放ボタン338を押し下げると、外側又は係合位置から内側又は係合解除位置へのラッチの移動が駆動される。
【0113】
ラッチ機構の特定の形態が示されているが、ラッチ機構に対して様々な修正を行い得ることが理解されよう。例えば、フック及びキャッチ係合特徴がそれぞれ封止カートリッジ及びカニューレ上に示されているが、これらの特徴は、逆にされてもよく、又はラッチを固着するための係合特徴は、他の形態又は幾何学的形状を取り得る。追加的又は代替的に、コンプライアントフレクシャベースの付勢機構が示されているが、コイルばね、磁石、又は他のタイプの付勢部材が使用され得る。追加的又は代替的に、ラッチ解放は、押しボタンとして構成されて示されているが、スライダー又は他のタイプのタッチポイントが、漏斗部分から封止カートリッジを係合解除するための解放機構を提供することができることが企図される。
【0114】
閉鎖具などのツールは、封止カートリッジ340の上面又は近位表面に配設することができる。示された実施形態では、封止カートリッジ340は、閉鎖具が封止カートリッジ340と結合することを可能にするために、1つ又は2つ以上のラッチスロット356を含むことができる。いくつかの実施形態では、閉鎖具のラッチ機構は、閉鎖具を封止カートリッジ340と結合するためにラッチスロット356内に延在することができる。
【0115】
図示された例では、封止カートリッジ340は、患者の腔内の送気を維持しながら、ツールがカニューレ360のシャフトルーメン内に延在することを可能にする。図示された例では、封止カートリッジ340は、ツールが封止カートリッジ340を通過し、カニューレ360のシャフトルーメン内に通過することを可能にする中央ルーメン342を画定する。
【0116】
図26及び
図27に見られるように、封止カートリッジ340は、カニューレの管腔内に気密封止を維持するための封止システムを含む。封止カートリッジ340は、患者の腔内への送気を維持するために、中央ルーメン342内に配設された内側封止343を含む。動作中、内側封止343は、中央ルーメン342を通るガス流の漏れを防止することができる。内側封止343は、ツールが封止カートリッジ340を通過するときにガス流の漏れを防止するために、閉鎖具シャフトなどのツールのシャフトの周りに一致することができる。理解され得るように、内側封止343はまた、中央ルーメン342を通過するツールの不在下で中央ルーメン342を封止することができる。内側封止343は、ゴム、ポリマーなどを含むがこれらに限定されないエラストマー又は他の弾性材料から形成することができる。いくつかの用途では、内側封止343は、ツールが存在するときにツールシャフトを封止する上部封止部分343a、及びツールが存在しないときに封止を提供する下部封止部分343bを含むことができる。下部封止部分343bは、例えば、ダックビルバルブとして実装することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、封止カートリッジ340は、封止カートリッジ340の外面の周りに配設されて、患者の腔内の送気を維持する外側封止部材345を含む。動作中、外側封止部材345は、封止カートリッジ340とカニューレ360の漏斗362との間のガス流の漏れを防止することができる。外側封止部分345は、漏斗362の漏斗壁に一致して、ガス流の漏れを防止することができる。外側封止部材345は、ゴム、ポリマーなどを含むがこれらに限定されないエラストマー又は他の弾性材料から形成することができる。図示された例では、外側封止部材345は、Oリングとして構成されている。
【0118】
図28~
図31は、封止カートリッジの特徴へのアクセスを許容するためにカニューレ漏斗部分に使用され得る空隙の様々な構成を示す。
【0119】
図28は、上述の封止カートリッジ又はトロカールアセンブリとともに利用することができるカニューレ460の斜視図を示す。図示された例では、流体ポートウィンドウ471は、漏斗内の封止カートリッジの位置合わせを更に容易にする特徴を含む。
【0120】
示されるように、流体ポートウィンドウ471は、封止カートリッジの流体ポートを受容するためのノッチ473を含む。有利には、ノッチ473は、封止カートリッジをカニューレ460に対して回転で位置合わせすることを可能にすることができる。示されるように、ノッチ473は、流体ポートウィンドウ471の下縁部に配設することができ、流体ポートがノッチ473内に着地するときに触覚フィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、封止カートリッジは、流体ポートがノッチ内に着地するときに、漏斗462内に更に窪むことができる。挿入時に、ノッチ473は、封止カートリッジが位置合わせされた位置から位置合わせから外れるように回転するのを防止又は抵抗することができる。ノッチ473は、流体ポートを受容するために、略半円形のプロファイルを有することができる。
【0121】
追加的又は代替的に、ノッチ付き流体ポートウィンドウ471は、臨床医が他のラッチウィンドウ470に対して流体ポートウィンドウ471を識別するための視覚的インジケータを提供することができる。更に、臨床医は、流体ポートウィンドウ471の位置に基づいて、カニューレ460に挿入するために封止カートリッジを配向することができる。有利には、流体ポートウィンドウ471を識別することを可能にすることにより、封止カートリッジを急速に設置することができる。
【0122】
図29は、上述の封止カートリッジ又はトロカールアセンブリとともに利用することができるカニューレ560の斜視図を示す。図示された例では、カニューレ560は、複数の回転配向で封止カートリッジを受容するように構成することができる。
【0123】
示されるように、漏斗562は、封止カートリッジのラッチ機構又は流体ポートの一方が漏斗壁を通って延在するのを可能にするために、漏斗壁を通って形成された複数の空隙又はウィンドウ570を含む。いくつかの実施形態では、各ウィンドウ570は同じ寸法を有することができ、ラッチ機構又は流体ポートがウィンドウのうちのいずれかを通って延在することを可能にする。いくつかの実施形態では、封止カートリッジは、カニューレ560に対して様々な回転構成で導入及び結合され得る。任意選択で、ウィンドウ570は対称的に配設されている。いくつかの実施形態では、ウィンドウ570は、封止カートリッジのラッチ機構よりも大きく、封止カートリッジは、係合又は別様に軸方向に保持されたままで、漏斗562内で回転するのを可能にする。
【0124】
図示された例では、各ウィンドウ570は、封止カートリッジの流体ポートを受容するためのノッチ573を含む。本明細書に説明されるように、ノッチ573は、それぞれのウィンドウ570内に流体ポートを位置合わせすることによって、封止カートリッジをカニューレ560に対して回転で位置合わせすることを可能にすることができる。したがって、封止カートリッジを様々な回転配向に挿入することができ、封止カートリッジの流体ポートがウィンドウ570のうちのいずれかを通って延在し、それぞれのノッチ573内に着地し、流体ポート、したがって封止カートリッジをウィンドウ570に対して位置合わせすることを許容する。別の例では、ウィンドウの各々は、各ウィンドウにノッチを伴わずに対称的に配置することができる。図示された例では、封止カートリッジとの係合を容易にするために4つのウィンドウが含まれ、封止カートリッジは、対向する封止ラッチボタンの対に対して90度オフセットされた流体ポートを有する。有利には、カニューレ560に対する封止カートリッジの様々な回転配向を可能にすることにより、封止カートリッジをより急速に設置することができる。
【0125】
図30及び
図31は、各々、上記の封止カートリッジ又はトロカールアセンブリとともに利用することができるカニューレ660の斜視図を示す。
図30は、非結合構成にあるカニューレ及び封止カートリッジを示し、
図31は、封止カートリッジがカニューレに結合された
図30のカニューレ660を示している。
図30及び
図31を参照すると、いくつかの実施形態では、カニューレ660は、封止カートリッジ640の流体ポート665が漏斗壁を通って延在することを可能にするために、軸方向に延在するスロット671を含むことができる。示されるように、スロット671は、漏斗662の近位端から延在し、ブリム(brim)672から遠位に、かつ漏斗壁の少なくとも一部分を通って延在することができる。スロット671は、ブリム672及び漏斗壁の円形プロファイルに不連続部を形成することができる。理解され得るように、スロット671は、封止カートリッジ640が漏斗662内に挿入されて、カニューレ660に対して封止カートリッジ640を回転で位置合わせする際に、封止カートリッジ640を回転方向にインデックス付けすることができる。有利には、封止カートリッジ640は、枢動又は傾斜することなくカニューレ660に挿入することができる。
【0126】
カニューレ560と同様に、カニューレ660は、漏斗壁を通って形成された複数の空隙又はウィンドウ670を含み、封止カートリッジ640のラッチ機構が漏斗壁を通って延在することを可能にすることができる。示されるように、ウィンドウ670は、互いから約180度離れて配置することができる。更に、ウィンドウ670は、各ウィンドウ670がスロット671から約90度離れて配設されるように、スロット671に対して均等に離間され得る。いくつかの実施形態では、ウィンドウ670は、カニューレ660に対する封止カートリッジ640の様々な回転配置を可能にするように配設することができる。
【0127】
前述の例から、本開示が、カニューレアセンブリで使用され得る様々な特徴を企図したことが理解されるだろう。いくつかの実施形態では、カニューレは、側壁を有する漏斗部分と、漏斗部分から遠位に延在する管状部分と、側壁を通る封止カートリッジへのアクセスを許容する漏斗部分の側壁内の1つ又は2つ以上の空隙と、を含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、カニューレは、側壁及び円周方向リムを有する漏斗部分と、漏斗部分から遠位に延在する管状部分と、漏斗部分に形成されたカートリッジスロットと、を含み、カートリッジスロットは、漏斗部分の側壁の空隙に開口して、側壁を通る封止カートリッジの流体ポートへのアクセスを許容する漏斗部分のリムの不連続部を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、トロカールアセンブリを組み立てる方法は、カニューレの漏斗部分の空隙を通して封止カートリッジの流体ポートを挿入することであって、カニューレ漏斗部分は、漏斗部分から遠位に延在する側壁及び管状部分を有し、カニューレ漏斗部分の空隙は、漏斗部分の側壁を通って延在する、挿入することと、カニューレ漏斗部内でカニューレに封止カートリッジを結合することと、を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、トロカールアセンブリは、閉鎖具などのツールをカニューレに直接ラッチすることを可能にするように構成することができる。
図32は、組立状態のトロカール700の斜視図を示す。
図33は、半組立状態の
図32のトロカールアセンブリ700の斜視図を示す。
図34は、分解状態の
図32のトロカールアセンブリ700の斜視図を示す。理解され得るように、トロカールアセンブリ700は、トロカールアセンブリ200と同様の特徴を含むことができる。したがって、記載されない限り、同様の特徴は、同様の参照番号で参照され得る。
【0131】
図示された例では、閉鎖具710のラッチ機構730は、閉鎖具710をカニューレ760に結合又はカニューレ760から解放することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ラッチ機構730は、閉鎖具710の上部部分720から延在して、トロカールアセンブリ700の他の部分と解放可能に係合することができる。いくつかの実施形態では、ラッチ機構730は、ラッチ機構730を解放し、カニューレ760から閉鎖具を係合解除するように動作し得る1つ又は2つ以上の解放ボタン738を含む。
【0132】
示された実施形態では、ラッチ機構730は、カニューレ760内に画定されたラッチウィンドウ770内に延在して、閉鎖具710をカニューレ760と結合することができる。閉鎖具710のラッチ機構730は、外側に付勢されて、閉鎖具710とカニューレ760又はトロカールアセンブリ700の他の部分との間の結合を保持することができる。
【0133】
いくつかの用途では、トロカールアセンブリ700は、患者への外傷を最小限に抑えながら患者の腔内にアクセスを提供するために、処置中に患者の腔の送気を可能にすることができる。図示された例では、ガスは、カニューレ760に形成されたガスポート765を介して患者の腔内に導入することができるが、ガスポート765は、代替的に、
図24~
図31の前述の構成におけるように、除去可能な封止カートリッジ740の一部として構成され得る。いくつかの実施形態では、ガスポート765は、カニューレルーメン782と流体連通している。
【0134】
トロカールアセンブリ700は、患者の腔内へのガスの導入後に患者の腔内の送気を維持するための封止カートリッジ740を含むことができる。封止カートリッジ740は、カニューレ760に結合されて、カニューレルーメン782を環境から封止隔離して、患者の腔内の送気を維持することができる。動作中、封止カートリッジ740は、閉鎖具710などのツールが封止カートリッジ740の通路を通過することを可能にしながら、患者の腔の隔離を維持することができる。更に、封止カートリッジ740は、患者の腔の送気を維持するために、カニューレ漏斗762に対して封止係合することができる。示されるように、封止カートリッジ740は、カニューレ760の漏斗部分762内に着座することができる。いくつかの実施形態では、封止カートリッジ740は、漏斗部分762内に完全に着座し、漏斗部分762を越えて延在しない。
【0135】
いくつかの用途では、封止カートリッジ740は、カニューレ760から除去されることができる。本明細書で説明されるように、封止カートリッジ740及びカニューレ760は、カニューレ760に対する封止カートリッジ740の除去可能な係合によって促進される、異なる有用な寿命を有し得る。例えば、封止カートリッジ740は、一回使用使い捨てデバイスとして構成することができ、カニューレ760は、滅菌及び再使用されるように構成することができる。いくつかの用途では、封止カートリッジ740がカニューレ760から除去されるときに、送気ガスが患者の腔から解放される。理解され得るように、送気がなくなると患者の外傷を増加させ、患者の腔内のアクセスを減少させる可能性があるため、送気ガスを患者の腔から予想外に又は他の方法で時期尚早に解放することは望ましくない。
【0136】
本明細書に説明されるように、封止カートリッジ740のラッチ機構752は、封止カートリッジ740をカニューレ760に結合又はカニューレ760から解放することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ラッチ機構752は、トロカールアセンブリ700の他の部分と解放可能に係合することができる。示された実施形態では、ラッチ機構752は、封止カートリッジ740の本体からカニューレ760内に画定されたラッチウィンドウ770内に延在して、封止カートリッジ740をカニューレ760と結合することができる。封止カートリッジ740のラッチ機構752は、外側に付勢されて、閉鎖具710と封止カートリッジ740との間の結合を保持することができる。様々な実施形態では、閉鎖具710は、封止カートリッジ740にラッチされ得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、ラッチ機構752は、ラッチ機構752を解放し、カニューレ760から封止カートリッジ740を係合解除するように動作し得る、1つ又は2つ以上の解放ボタン758を含む。任意選択で、閉鎖具710の解放ボタン738は、封止カートリッジ740の解放ボタン758と回転で位置合わせすることができる。
【0138】
有利には、トロカールアセンブリ700は、封止カートリッジ740の不注意な除去を防止し、送気の不注意な損失を防止するように構成されている。図示された例では、閉鎖具710がカニューレ760に結合されているときに、封止カートリッジ740は、閉鎖具710の上部部分とカニューレ漏斗762との間に保持される。したがって、封止カートリッジ740は、カニューレ760からの閉鎖具710の除去の前に、カニューレ760から不注意に除去されることができない。
【0139】
図35は、
図32のトロカールアセンブリのカニューレの斜視図である。図示された例では、漏斗762の幾何学的形状は、閉鎖具710、及び/又は封止カートリッジ740などのツールの部分が、カニューレ760の漏斗762内に少なくとも部分的に配設されることを許容することができる。理解され得るように、閉鎖具710及び/又は封止カートリッジ740の部分を漏斗762内に配設することにより、閉鎖具710及び/又は封止カートリッジ740は、カニューレ760と一緒に移動し、トロカールアセンブリ700の組み立てられたサイズを低減することができる。いくつかの実施形態では、閉鎖具710及び/又は封止カートリッジ740は、漏斗762を介してカニューレ760に結合することができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、封止カートリッジ740は、漏斗762の下部テーパ部分763b及び上部テーパ部分763aの一部内に配設することができる。
図33に示すように、漏斗762の漏斗壁は、封止カートリッジ740が漏斗762内に着座して、封止カートリッジ740が漏斗762内に窪んでいることを可能にするときに、封止カートリッジ740を越えて延在することができる。いくつかの実施形態では、封止カートリッジ740は、漏斗762を越えて延在することができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、漏斗762は、封止カートリッジ740が漏斗762に保持又は他の方法で結合されることを可能にするための特徴を含むことができる。例えば、いくつかの用途では、封止カートリッジ740の係合又はラッチ機構は、漏斗762の移行部分763cに係合して、封止カートリッジ740を漏斗762内に軸方向に保持することができる。任意選択で、封止カートリッジ740は、移行部分763cの凹部又は凸部と係合することができる。
【0142】
いくつかの用途では、封止カートリッジ740の係合又はラッチ機構は、漏斗壁を通って形成されたラッチウィンドウ770と係合することができる。例えば、封止カートリッジ740のラッチ機構は、カニューレ760のラッチウィンドウ770を通って延在して、封止カートリッジ740をカニューレ760内に保持することができる。いくつかの実施形態では、漏斗762は、互いから半径方向に横切って配設された2つのラッチウィンドウ770を含むことができる。示されるように、ラッチウィンドウ770は、上部テーパ部分763aの漏斗壁を通して形成され得る。任意選択で、漏斗762は、追加のラッチウィンドウ770が様々な間隔配置であることを含むことができる。ラッチウィンドウ770は、略円錐形の形状を有することができる。理解され得るように、封止カートリッジ740は、カニューレ760の他の部分及び/又はトロカールアセンブリ700の他の構成要素と係合することができる。
【0143】
更に、閉鎖具710の上部部分又はヘッド部分720は、漏斗762の上部テーパ部分763a内に少なくとも部分的に配設され得る。いくつかの実施形態では、漏斗762は、閉鎖具710が漏斗762に保持又は他の方法で結合されることを可能にするための特徴を含むことができる。例えば、いくつかの用途では、閉鎖具710の係合又はラッチ機構は、漏斗762のブリム772と解放可能に係合して、カニューレ760に対して閉鎖具710を軸方向に保持することができる。閉鎖具710は、ブリム772の突出部分と係合することができる。任意選択で、ブリム772は、閉鎖具710の係合又はラッチ機構の特徴に対応するための凹部773を収容することができる。
【0144】
いくつかの用途では、閉鎖具710の係合又はラッチ機構はまた、漏斗壁を通って形成されたラッチウィンドウ770と係合することができる。例えば、閉鎖具710のラッチ機構は、カニューレ760のラッチウィンドウ770を通って延在して、閉鎖具710をカニューレ760に対して保持することができる。任意選択で、カニューレ760のブリム772は、ラッチウィンドウ770の縁部又は境界を画定することができる。理解され得るように、閉鎖具710は、カニューレ760の他の部分及び/又はトロカールアセンブリ700の他の構成要素と係合することができる。
【0145】
本明細書に記載されるように、カニューレ760は、患者の腔の送気を可能にすることができる。図示された例では、カニューレ760は、ガスがシャフトルーメン782内に流れることを可能にする、漏斗762の下部分に形成されたガスポート765を含む。いくつかの実施形態では、ガスポート765は、シャフトルーメン782と流体連通している。ガスポート765は、封止カートリッジ740によって漏斗762の上部部分から封止又は隔離され得る。
【0146】
図36は、
図32のトロカールアセンブリとともに使用するためのカニューレの別の実施形態の斜視図を示す。カニューレ760と同様に、カニューレ760’は、閉鎖具710の係合又はラッチ機構が漏斗762のブリム772’と解放可能に係合して、閉鎖具710をカニューレ760’に対して軸方向に保持することを可能にする。図示された例では、ブリム772’は、ブリム772’の円周にわたって一定の厚さ又は内径を維持することができる。
【0147】
図37は、
図32のトロカールアセンブリの封止カートリッジの斜視図を示す。図示された例では、封止カートリッジ740は、患者の腔内の送気を維持しながら、ツールをカニューレ760のシャフトルーメン782内に通すことを可能にする。
【0148】
図示された例では、封止カートリッジ740は、閉鎖具710などのツールが封止カートリッジ740を通過し、カニューレ760のシャフトルーメン782内に通過することを可能にする中央ルーメン742を画定する。
【0149】
いくつかの実施形態では、封止カートリッジ740は、患者の腔内の送気を維持するために、中央ルーメン742内に配設された内側封止部材743を含む。動作中、内側封止部材743は、中央ルーメン742を通るガス流の漏れを防止することができる。内側封止部材743は、ツールが封止カートリッジ740を通過するときにガス流の漏れを防止するために、閉鎖具シャフト712などのツールのシャフトの周りに一致することができる。理解され得るように、内側封止部材743はまた、中央ルーメン742を通過するツールの不在下で中央ルーメン742を封止するように拡張することができる。内側封止部材743は、ゴム、ポリマーなどを含むがこれらに限定されないエラストマー又は他の弾性材料から形成することができる。いくつかの用途では、内側封止部材743は、ダックビルバルブとして実装することができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、封止カートリッジ740は、封止カートリッジ740の外面の周りに配設されて、患者の腔内の送気を維持する外側封止部材745を含む。動作中、外側封止部材745は、封止カートリッジ740とカニューレ760の漏斗762との間のガス流の漏れを防止することができる。外側封止部材745は、漏斗762の漏斗壁に一致して、ガス流の漏れを防止することができる。外側封止部材745は、ゴム、ポリマーなどを含むがこれらに限定されないエラストマー又は他の弾性材料から形成することができる。
【0151】
図38は、
図32のトロカールアセンブリの閉鎖具の斜視図を示す。
【0152】
図示された例では、閉鎖具710は、組織を変位させて、トロカールアセンブリ700を患者の腔内に挿入することを可能にすることができる。示されるように、閉鎖具710は、閉鎖具710の上部部分720から延在するシャフト712を含む。いくつかの用途では、シャフト712は、閉鎖具710がカニューレ760に結合されたときに、カニューレ760の端部784を越えて延在することができる。シャフト712は、閉鎖具710が患者の腔内で回転することを可能にする略円筒形状を有することができる。
【0153】
シャフト712は、テーパ、傾斜、又は他の方法で尖った端部又は先端部714を含むことができる。動作中、閉鎖具710を前進させることによって、シャフト712は、患者組織を穿刺するか、変位させるか、又は他の方法で切開して、閉鎖具710及び結合されたカニューレ760が患者の腔にアクセスすることを可能にすることができる。
【0154】
任意選択で、上部部分720は、閉鎖具710及び/又はトロカールアセンブリ700を一般に力を加えるか、又は他の方法で前進させるためのハンドルとして、臨床医によって利用することができる。示されるように、閉鎖具710の上部部分720は、臨床医がシャフト712により多くの力を容易に加えることを可能にするように、シャフト712よりも略大きい半径を有することができる。更に、上部部分720は、臨床医が閉鎖具710を前進させることを可能にするために、把持部分又は平面表面を含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるように、上部部分720の拡大幾何学形状は、閉鎖具710もカニューレ760に結合されたときに、封止カートリッジ740をカニューレ760内に保持することができる。
【0155】
図39は、
図32のトロカールアセンブリの閉鎖具のラッチ機構及び封止カートリッジのラッチ機構の斜視図を示す。
図40は、閉鎖具のラッチ機構が係合位置に示されている、
図32のトロカールアセンブリの断面図を示す。
図39及び
図40を参照すると、封止カートリッジ740及び閉鎖具710は、カニューレ760とラッチ又は他の方法で係合することができる。
【0156】
図示された例では、封止カートリッジ740は、封止カートリッジ740をカニューレ760に保持又は他の方法で結合するためのラッチ機構752を含む。示されるように、ラッチ機構752は、封止カートリッジ740から延在して、カニューレ760と係合して、封止カートリッジ740をカニューレ760に保持する。いくつかの実施形態では、ラッチ機構752は、ラッチ機構752から延在するラッチフック754を含む。ラッチフック754は、カニューレ760に係合するために、移行部分763cなどの漏斗762の特徴と係合することができる。
【0157】
ラッチ機構750は、延長部分753を更に含むことができる。延長部分753は、漏斗762の特徴と係合することができる。例えば、延長部分753は、カニューレ760のラッチウィンドウ770を通って延在することができる。いくつかの実施形態では、ラッチ機構752は、ラッチ機構752を外向きに付勢されて、延在し、カニューレ760と係合する付勢部材を含む。任意選択で、付勢部材は、ラッチ機構と統合することができる。
【0158】
理解され得るように、臨床医は、延長部分753を押し下げて、ラッチ機構752をカニューレ760から係合解除して、封止カートリッジ740を除去することができる。任意選択で、延長部分753は、臨床医がラッチ機構752に係合することを可能にするために、隆起部分又は溝部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、封止カートリッジ740の部分は、カニューレ漏斗762の上に延在して、カニューレブリム772の外縁部又はカニューレ760の他の特徴に係合するか、又は他の方法でラッチすることができる。
【0159】
図示された例では、閉鎖具710は、閉鎖具710をカニューレ760に保持又は他の方法で結合するためのラッチ機構730を含む。示されるように、ラッチ機構730は、閉鎖具710から延在して、カニューレ760と係合して、閉鎖具710をカニューレ760に保持する。いくつかの実施形態では、ラッチ機構730は、ラッチ機構730から延在するラッチフック734を含む。ラッチフック734は、カニューレ760に係合するために、ブリム772などの漏斗762の特徴と係合することができる。
【0160】
ラッチ機構730は、延長部分732を更に含むことができる。延長部分732は、漏斗762の特徴と係合することができる。例えば、延長部分732は、カニューレ760のラッチウィンドウ770を通って延在することができる。いくつかの実施形態では、ラッチ機構730は、ラッチ機構730を外向きに付勢されて、延在し、カニューレ760と係合する付勢部材を含む。任意選択で、付勢部材は、ラッチ機構と統合することができる。
【0161】
示されるように、閉鎖具710のラッチ機構730及び封止カートリッジ740のラッチ機構752は、回転で位置合わせすることができる。ここで、回転で位置合わせすることにより、ウィンドウ770は、封止カートリッジ解放ボタンへのアクセスを提供するだけでなく、閉鎖具710のラッチ機構730のラッチフック734と係合することができるカニューレ漏斗762の特徴としても機能する、二重目的を果たすことを可能にする。したがって、これは、閉鎖具710のラッチ機構730の係合のために、カニューレ漏斗762上の追加のラッチ特徴を製造する必要性を回避する。いくつかの実施形態では、閉鎖具710のラッチ機構730及び封止カートリッジ740のラッチ機構752は、回転で離間され得る。
【0162】
いくつかの用途では、閉鎖具710がカニューレ760に直接ラッチされているため、トロカールアセンブリ700は、封止カートリッジ740の不注意な除去を防止し、送気の不注意な損失を防止するように構成され得る。図示された例では、閉鎖具710がカニューレ760に結合されているときに、閉鎖具710の上部部分720は、封止カートリッジ740を漏斗762内に保持し、閉鎖具710をカニューレ760から除去する前に、封止カートリッジ740がカニューレ760から除去されるのを防止する。理解され得るように、閉鎖具710は、封止カートリッジ740のラッチ機構752を不注意に解放すると、封止カートリッジ740を漏斗762内に保持することができる。いくつかの実施形態では、閉鎖具710の部分は、カニューレ漏斗762の上に延在して、カニューレブリム772の外縁部又はカニューレ760の他の特徴に係合するか、又は他の方法でラッチすることができる。
【0163】
図41は、閉鎖具のラッチ機構が係合解除位置に示されている、
図32のトロカールアセンブリの断面図を示す。
図41を参照すると、臨床医は、ラッチ機構730の延長部分732を押し下げて、ラッチ機構730をカニューレ760から係合解除して、閉鎖具710を除去することができる。任意選択で、延長部分732は、臨床医がラッチ機構730に係合することを可能にするために、隆起部分又は溝部分を含むことができる。閉鎖具710をカニューレ760から解放すると、臨床医は、延長部分753を押し下げて、ラッチ機構752をカニューレ760から係合解除して、封止カートリッジ740を除去することができる。任意選択で、封止カートリッジ740及び閉鎖具710は、カニューレ760から除去される。
【0164】
図42は、トロカールアセンブリ800の斜視図を示す。
図43は、
図42のトロカールアセンブリ800の断面図である。
図42及び
図43のトロカールアセンブリは、トロカールアセンブリ200の特徴と同様の特徴を含むことができる。トロカールアセンブリ800の同様の特徴は、同様の参照番号で参照される。本明細書に説明されるように、封止カートリッジ840のラッチ機構852は、封止カートリッジ840をカニューレ860に結合又はカニューレ860から解放することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ラッチ機構852は、トロカールアセンブリ800の他の部分と解放可能に係合することができる。示された実施形態では、ラッチ機構852は、封止カートリッジ840の本体からカニューレ860内に画定されたラッチウィンドウ870内に延在して、封止カートリッジ840をカニューレ860と結合することができる。いくつかの実施形態では、ラッチ機構852は、ラッチ機構852から延在するラッチフック854を含む。ラッチフック854は、カニューレ860に係合するために、移行部分863cなどの漏斗862の特徴と係合することができる。
【0165】
ラッチ機構852は、延長部分853を更に含むことができる。延長部分853は、漏斗862の特徴と係合することができる。図示された例では、延長部分853は、延長位置又は係合位置と後退位置又は係合解除位置との間で移動可能である。
【0166】
図44は、ラッチ機構852が自由状態にある
図42のトロカールアセンブリ800の詳細断面図である。
図45は、ラッチ機構852が押下状態にある
図42のトロカールアセンブリ800の詳細断面図である。自由又は延長位置では、延長部分853は、カニューレ860のラッチウィンドウ870を通って延在することができる。いくつかの実施形態では、ラッチ機構852は、ラッチ機構852を外向きに付勢して、延在し、カニューレ860と係合する、付勢部材を含む。任意選択で、付勢部材は、ラッチ機構と統合することができる。
【0167】
後退位置又は押し下げ位置では、延長部分853は、カニューレ860のラッチウィンドウ870に対して後退又は離間され得る。理解され得るように、臨床医は、延長部分853を押し下げて、ラッチ機構852をカニューレ860から係合解除して、封止カートリッジ840を除去することができる。任意選択で、延長部分853は、臨床医がラッチ機構852に係合することを可能にするために、隆起部分又は溝部分を含むことができる。
【0168】
示されるように、作動中に、ラッチ機構852の延長部分853は、延長位置と後退位置との間で回転又は枢動するように制約を受け得る。いくつかの実施形態では、延長部分853は、延長位置から後退位置まで内側又は上方に回転することができる。示されるように、延長部分853の上部部分855は、延長部分853が延長位置から後退位置に移動するにつれて上方に回転することができる。
【0169】
他の実施形態と同様に、閉鎖具などのツールは、封止カートリッジ840の上面又は近位表面上に配設することができる。示された実施形態では、封止カートリッジ840は、閉鎖具が封止カートリッジ840と結合することを可能にするために、1つ又は2つ以上のラッチスロット856を含むことができる。いくつかの実施形態では、閉鎖具のラッチ機構は、閉鎖具又は他のツールを封止カートリッジ840と結合するためにラッチスロット856内に延在することができる。
【0170】
有利には、封止カートリッジ840は、閉鎖具又は他のツールの除去中の封止カートリッジ840の不注意な除去を防止し、送気の不注意な損失を防止するように構成されている。図示された例では、閉鎖具又は別のツールが封止カートリッジ840に結合されているときに、封止カートリッジ840のラッチ機構852は、封止カートリッジ840がカニューレ860から除去されるのを防止することができる。したがって、封止カートリッジ840は、カニューレ860からの閉鎖具の除去の前に、カニューレ860から不注意に除去されることができない。
【0171】
図示された例では、封止カートリッジ860は、閉鎖具又は他のツールを封止カートリッジ840から取り外す前に、ラッチ機構852が押し下げられるか、又は他の方法で作動されるのを防止することができる。示されるように、閉鎖具が封止カートリッジ840に結合されているときに、閉鎖具の内側表面は、ラッチ機構852の延長部分853が上方に回転するのを防止し、延長部分853が後退位置に移動するのを妨害し、ラッチ機構852が封止カートリッジ840を解放するのを防止する。
【0172】
理解され得るように、閉鎖具を封止カートリッジ840から解放すると、臨床医は延長部分853を押し下げて、ラッチ機構852をカニューレ860から係合解除して、封止カートリッジ840を除去することができる。
【0173】
3.実装システム及び用語
本明細書に開示される実装態様は、閉鎖具及びカニューレを動作可能に結合するシステム、方法及び装置を提供する。
【0174】
本明細書で使用するとき、「結合する」、「結合している」、「結合された」という用語、又は結合という単語の他の変形は、間接的接続又は直接的接続のいずれかを示し得ることに留意されたい。例えば、第1の構成要素が第2の構成要素に「結合される」場合、第1の構成要素は、別の構成要素を介して第2の構成要素に間接的に接続される、又は第2の構成要素に直接的に接続される、のいずれかであってもよい。
【0175】
本明細書に開示される方法は、記載される方法を達成するための1つ又は2つ以上のステップ又は行為を含む。方法ステップ及び/又は行為は、特許請求の範囲から逸脱することなく交換されてもよい。換言すれば、記載されている方法の適切な動作のために特定の順序のステップ又は行為が必要とされない限り、特許請求の範囲から逸脱することなく、特定のステップ及び/又は行為の順序及び/又は使用を修正してもよい。
【0176】
本明細書で使用するとき、「複数」という用語は、2つ又は3つ以上を示す。例えば、複数の構成要素は、2つ又は3つ以上の構成要素を示す。「判定する」という用語は、多種多様な行為を包含し、したがって、「判定する」は、計算する、演算する、処理する、算出する、調査する、ルックアップする(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造を見ること)、確認することなどを含むことができる。また、「判定する」は、受け取る(例えば、情報を受信すること)、アクセスする(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含むことができる。また、「判定する」は、解決する、選択する、選出する、確立するなどを含むことができる。
【0177】
語句「に基づく」は、別段に明示的に指定されない限り、「のみに基づく」を意味しない。換言すれば、語句「基づく」は、「のみに基づく」及び「少なくとも基づく」の両方を記載する。
【0178】
開示される実装態様の前述の説明は、任意の当業者が本発明を製造すること、又は使用することを可能にするために提供される。これらの実装態様に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかになり、かつ、本明細書で規定される一般的な原理は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実装態様に適用され得る。例えば、当業者であれば、締結、装着、結合、又は係合ツール構成要素の均等の方法、特定の作動運動を生み出すための均等の機構、及び電気エネルギーを送達するための均等の機構など、多くの対応する代替的かつ均等の構造的詳細を採用することができると理解されるであろう。したがって、本発明は、本明細書に示される実装態様に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原則及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるものである。
【0179】
〔実施の態様〕
(1) トロカールアセンブリであって、
カニューレと、
封止カートリッジであって、前記カニューレに解放可能に結合され、前記封止カートリッジの結合構成において、少なくとも部分的に前記カニューレ内に配設されるように構成されている、封止カートリッジと、
閉鎖具であって、前記閉鎖具の結合構成において、前記カニューレに直接ラッチし、前記カニューレ及び前記封止カートリッジを通って延在するように構成された、閉鎖具と、を備える、トロカールアセンブリ。
(2) 前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレのブリムに直接ラッチするように構成されている、実施態様1に記載のトロカールアセンブリ。
(3) 前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレの内側表面に直接ラッチするように構成されている、実施態様1又は2に記載のトロカールアセンブリ。
(4) 前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレの外側表面に直接ラッチするように構成されている、実施態様1又は2に記載のトロカールアセンブリ。
(5) 前記封止カートリッジが、前記封止カートリッジの前記結合構成において、前記カニューレに直接ラッチし、前記カニューレとの封止を形成するように構成されている、実施態様1~4のいずれかに記載のトロカールアセンブリ。
【0180】
(6) 前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレからの前記封止カートリッジの除去を妨害する、実施態様1~5のいずれかに記載のトロカールアセンブリ。
(7) 前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記封止カートリッジの解放ボタンと回転で位置合わせする解放ボタンを含む、実施態様1~6のいずれかに記載のトロカールアセンブリ。
(8) 前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記封止カートリッジの解放ボタンと回転でオフセットされる解放ボタンを含む、実施態様1~6のいずれかに記載のトロカールアセンブリ。
(9) 前記カニューレが、前記封止カートリッジの前記結合構成において、前記カニューレの側壁を通って前記封止カートリッジの解放ボタンへのアクセスを許容する第1のウィンドウを含む、実施態様1~8のいずれかに記載のトロカールアセンブリ。
(10) 前記閉鎖具が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記第1のウィンドウにラッチするように構成されている、実施態様9に記載のトロカールアセンブリ。
【0181】
(11) 前記カニューレが、前記第1のウィンドウから約180度離れて配設された第2のウィンドウを含む、実施態様9に記載のトロカールアセンブリ。
(12) 前記カニューレが、前記封止カートリッジの前記結合構成において、前記カニューレの前記側壁を通って前記封止カートリッジの流体ポートへのアクセスを許容するスロットを含む、実施態様11に記載のトロカールアセンブリ。
(13) 前記第1のウィンドウ及び前記第2のウィンドウが各々、前記スロットから約90度に配設されている、実施態様12に記載のトロカールアセンブリ。
(14) 前記カニューレが、漏斗部分と、前記漏斗部分から遠位に延在する管状部分と、を含み、
前記閉鎖具が、ヘッド部分と、前記ヘッド部分から遠位に延在するシャフト部分と、前記シャフト部分の遠位端にある先端と、を含み、
前記閉鎖具の前記ヘッド部分が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレの前記漏斗部分に係合し、
前記閉鎖具の前記シャフト部分が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレの前記管状部分を通って延在し、
前記シャフト部分の前記遠位端にある前記先端が、前記閉鎖具の前記結合構成において、前記カニューレの遠位端を越えて遠位に延在する、実施態様1~13のいずれかに記載のトロカールアセンブリ。
(15) トロカールアセンブリであって、
カニューレであって、
漏斗部分と、
前記漏斗部分から延在する下部カニューレ部分であって、カニューレルーメンを画定する、下部カニューレ部分と、を含む、カニューレと、
前記カニューレの前記漏斗部分と解放可能に係合するように構成された封止カートリッジと、
閉鎖具であって、
結合構成において、前記カニューレの前記漏斗部分に結合するように構成された上部閉鎖具部分と、
前記上部閉鎖具部分から延在するシャフト部分であって、前記シャフト部分が、前記結合構成において、前記カニューレルーメン及び前記封止カートリッジを通って延在するように構成されている、シャフト部分と、
前記カニューレ及び前記閉鎖具を前記結合構成に保持するために、前記漏斗部分に係合するように移動可能なラッチ部材と、を含む、閉鎖具と、を備える、トロカールアセンブリ。
【0182】
(16) 前記漏斗部分が、側壁及び前記側壁の上縁部に配設されたブリムを含み、前記閉鎖具の前記ラッチ部材が、前記結合構成において、前記カニューレの前記ブリムに対して係合するように移動可能である、実施態様15に記載のトロカールアセンブリ。
(17) 前記漏斗部分が、側壁を通るラッチウィンドウを画定し、前記閉鎖具の前記ラッチ部材が、前記結合構成において、前記ラッチウィンドウの縁部に係合するように移動可能である、実施態様15又は16に記載のトロカールアセンブリ。
(18) 前記カニューレルーメンと流体連通するように構成されたガスポートを更に備える、実施態様15~17のいずれかに記載のトロカールアセンブリ。
(19) 前記ラッチ部材が、前記カニューレの前記漏斗部分の少なくとも1つのラッチウィンドウを通して前記ラッチ部材を付勢するように構成された付勢部材を含む、実施態様15~18のいずれかに記載のトロカールアセンブリ。
(20) 前記封止カートリッジが、前記カニューレの前記漏斗部分に対して封止するように構成された外側封止部分と、前記閉鎖具の前記シャフト部分に対して封止するように構成された内側封止部分と、を含む、実施態様15~19のいずれかに記載のトロカールアセンブリ。
【0183】
(21) 前記封止カートリッジが、前記少なくとも1つのラッチウィンドウを通って延在して前記封止カートリッジ及び前記カニューレを前記閉鎖具から分離された封止構成で保持するように移動可能な封止カートリッジラッチ部材を含む、実施態様15に記載のトロカールアセンブリ。
(22) 前記封止カートリッジラッチ部材が、前記封止カートリッジラッチ部材を前記少なくとも1つのラッチウィンドウを通して付勢するように構成された付勢部材を含む、実施態様21に記載のトロカールアセンブリ。
(23) 前記封止カートリッジラッチ部材及び前記閉鎖具の前記ラッチ部材が、回転で位置合わせされている、実施態様21に記載のトロカールアセンブリ。
(24) 外科用装置を動作させる方法であって、
カニューレの漏斗部分から閉鎖具を係合解除することと、
前記カニューレのカニューレルーメンから前記閉鎖具のシャフト部分を除去することと、
前記カニューレの前記漏斗部分から封止カートリッジを係合解除することと、
前記カニューレルーメンから前記閉鎖具の前記シャフト部分を除去した後、前記封止カートリッジを前記漏斗部分から除去することと、を含む、方法。
(25) 前記閉鎖具の前記シャフト部分を前記カニューレの前記カニューレルーメンに挿入することと、
前記カニューレの前記漏斗部分に画定された少なくとも1つのラッチウィンドウを、前記閉鎖具の閉鎖具ラッチ部材と係合させることと、を更に含む、実施態様24に記載の方法。
【0184】
(26) 前記カニューレのブリムに対して閉鎖具ラッチ部材を係合することを更に含む、実施態様24又は25に記載の方法。
(27) ガスポートを介して前記カニューレルーメン内に正圧を提供することを更に含む、実施態様24~26のいずれかに記載の方法。
(28) 封止カートリッジの封止部分を介して、前記カニューレルーメン内の正圧を維持することを更に含む、実施態様24~27のいずれかに記載の方法。
(29) 前記閉鎖具を前記係合解除する前に、前記封止カートリッジの前記除去を防止することを更に含む、実施態様24~28のいずれかに記載の方法。
(30) カニューレであって、
側壁を有する漏斗部分であって、除去可能な封止カートリッジを受容するように構成されている、漏斗部分と、
前記漏斗部分から遠位に延在する管状部分と、
前記側壁を通る前記封止カートリッジの流体ポートへのアクセスを許容する第1の空隙と、
前記側壁を通る前記封止カートリッジのラッチ解放ボタンへのアクセスを許容する第2の空隙と、を含む、カニューレ。
【0185】
(31) 前記第1の空隙が、前記側壁の近位端を通って延在するスロットを含む、実施態様30に記載のカニューレ。
(32) 前記第1の空隙が、前記側壁によって囲まれた穴を含む、実施態様30に記載のカニューレ。
(33) 前記穴が、前記カニューレの長手方向軸を中心とした前記カニューレ漏斗部分に対する前記封止カートリッジの回転での位置合わせを誘導するノッチを含む、実施態様32に記載のカニューレ。
(34) 前記第1の空隙及び前記第2の空隙が、前記側壁に沿って異なる角度位置で離間されている、実施態様30~33のいずれかに記載のカニューレ。
(35) 前記第1の空隙及び前記第2の空隙から前記側壁に沿って異なる角度位置で離間された第3の空隙を更に含む、実施態様34に記載のカニューレ。
【0186】
(36) 前記第1の空隙及び前記第3の空隙が、前記側壁に沿って対向する角度位置で離間された対向する空隙であり、前記対向する空隙が、前記封止カートリッジの対向するラッチ解放ボタンへのアクセスを許容する、実施態様35に記載のカニューレ。
(37) 前記第1の空隙、前記第2の空隙、及び前記第3の空隙から前記側壁に沿って異なる角度位置で離間された第4の空隙を更に含む、実施態様35に記載のカニューレ。
(38) 前記漏斗部分が、前記カニューレ内に受容された前記封止カートリッジの遠位運動を妨害する停止部を含む、実施態様30~37のいずれかに記載のカニューレ。
(39) 前記漏斗部分が、前記封止カートリッジのラッチに係合するキャッチを含む、実施態様30~38のいずれかに記載のカニューレ。
(40) 前記封止カートリッジが前記漏斗部分内に受容されるときに、前記封止カートリッジの近位端が、前記漏斗部分の近位端を越えて近位に延在しない、実施態様30~39のいずれかに記載のカニューレ。
【0187】
(41) カニューレであって、
側壁及び円周方向のリムを有する漏斗部分と、
前記漏斗部分から遠位に延在するカニューレシャフトであって、外科用ツールを挿入するための管腔を画定する、カニューレシャフトと、
前記漏斗部分に形成されたカートリッジスロットであって、前記漏斗部分の前記側壁の空隙に開口して、前記側壁を通る封止カートリッジの流体ポートへのアクセスを許容する、前記漏斗部分の前記リムの不連続部を含む、カートリッジスロットと、
前記漏斗部分に形成されたラッチウィンドウであって、前記側壁を通る前記封止カートリッジのラッチ解放へのアクセスを許容する、ラッチウィンドウと、を含む、カニューレ。
(42) 前記カートリッジスロットが、前記ラッチウィンドウに隣接して、前記リムから長手方向に延在する、実施態様41に記載のカニューレ。
(43) 前記ラッチウィンドウが、第1のラッチウィンドウであり、前記カニューレが、前記第1のラッチウィンドウに対向する第2のラッチウィンドウを更に含む、実施態様41又は42に記載のカニューレ。
(44) 前記漏斗部分が、前記封止カートリッジが前記漏斗部分内に受容されたときに前記封止カートリッジの遠位運動を妨害する内側停止部材を含む、実施態様41~43のいずれかに記載のカニューレ。
(45) 前記漏斗部分に形成された内側突出リップを更に含み、前記内側突出リップが、フックと係合するように構成されている、実施態様41~44のいずれかに記載のカニューレ。
【0188】
(46) 前記漏斗部分が、前記封止カートリッジが前記漏斗部分の近位端を越えて近位に延在しないように、前記封止カートリッジを保持するようにサイズ決定及び成形されている、実施態様41~45のいずれかに記載のカニューレ。
(47) トロカールアセンブリを組み立てる方法であって、
カニューレの漏斗部分の側壁の空隙を通して封止カートリッジの流体ポートを挿入することと、
前記封止カートリッジを前記漏斗部分内で前記カニューレに結合することと、
前記漏斗部分の前記側壁を通してラッチを作動させて、前記封止カートリッジを前記漏斗部分から係合解除することと、を含む、方法。
(48) 前記挿入することが、前記封止カートリッジの長手方向軸を前記カニューレの長手方向軸に対して傾斜させて、前記流体ポートを前記空隙を通して通過させることを含む、実施態様47に記載の方法。
(49) 前記カニューレ漏斗部分が、前記カニューレ漏斗部分の全体の周りに延在する、連続した円周方向リムを含む、実施態様48に記載の方法。
(50) 前記カニューレ漏斗部分が、円周方向リム、及び前記漏斗部分の前記リムの不連続部として前記漏斗部分に形成されたカートリッジスロットを含み、前記カートリッジスロットが、前記漏斗部分の前記側壁の前記空隙に開口しており、前記流体ポートの前記空隙への挿入を可能にし、前記挿入することが、前記流体ポートを前記空隙に挿入しながら、前記封止カートリッジの長手方向軸を前記カニューレの長手方向軸と位置合わせすることを含む、実施態様47に記載の方法。
【0189】
(51) 前記結合することが、前記封止カートリッジを前記カニューレ漏斗部分に対して回転で位置合わせすることを含む、実施態様47に記載の方法。
(52) カニューレ漏斗部分が、前記封止カートリッジの前記回転での位置合わせを誘導するためのノッチを含む、実施態様51に記載の方法。
(53) 前記カニューレ漏斗部分が、前記側壁に沿って対向する角度位置で離間された2つの対向する空隙を含み、前記結合することが、前記封止カートリッジの2つの対向するラッチ解放ボタンを前記2つの対向する空隙と位置合わせすることを含む、実施態様47に記載の方法。
【国際調査報告】