(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】ヘッド装着デバイス用の音響モジュール
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20230601BHJP
A42B 3/30 20060101ALI20230601BHJP
A42B 1/245 20210101ALI20230601BHJP
A42B 1/0182 20210101ALI20230601BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20230601BHJP
G02C 11/00 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
H04R1/00 318Z
A42B3/30
A42B1/245 F
A42B1/0182 J
H04R1/00 310D
H04R3/00 310
H04R1/00 328Z
G02C11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566223
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 US2021029352
(87)【国際公開番号】W WO2021222214
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591009509
【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アン・トラン
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ・カーティス
(72)【発明者】
【氏名】サラ・ウォルフ
(72)【発明者】
【氏名】ケイトリン・ハンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー・ヒーストン
(72)【発明者】
【氏名】カイル・デキュベリス
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー・プロヴォスト
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・チャンバーズ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ジェームズ・ストーリー
(72)【発明者】
【氏名】ベネット・アレクサンダー・ナドー
【テーマコード(参考)】
2H006
3B107
5D017
5D220
【Fターム(参考)】
2H006CA00
3B107BA08
3B107DA18
3B107EA06
3B107EA07
5D017AC16
5D017AC17
5D017BB16
5D220DD01
5D220DD03
(57)【要約】
ヘッド装着周辺デバイスに取り外し可能に係合されるように構成された音響モジュールを含む、モジュール式オーディオシステム。一部の実施例では、ヘッド装着周辺デバイスは、一対の眼鏡フレームであり、音響モジュールは、眼鏡のテンプルの内面に配置されたソケットに取り外し可能に固定するように構成されている。音響モジュールは、ソケットに、スライドして、枢動可能に、及び/又は磁気的に係合することができ、そのため、固定されたときに、音響モジュールは、ユーザがヘッド装着周辺デバイスを装着している間に、ユーザの耳の近くに可聴音の形態で音響エネルギーを発生させるように構成されている。他の実施例では、ヘッド装着周辺デバイスのテンプルは、スリーブに、スライドして係合するように構成されており、スリーブは、音響モジュールに、スライドして係合するように構成されたポケットを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能な音響モジュールであって、
ヘッド装着周辺デバイスに取り外し可能に係合するように構成された音響モジュールハウジングであって、前記ヘッド装着周辺デバイスの少なくとも一部分が、前記音響モジュールハウジングの実質的な部分の周りに形成されており、そのため、前記ヘッド装着周辺デバイスに係合したときに、前記取り外し可能な音響モジュールが、ユーザの耳の近くに音響エネルギーを提供するように配設される、音響モジュールハウジングと、
前記音響モジュールハウジング内に配設された第1の回路であって、前記第1の回路が、音響回路及び音響トランスデューサを備え、前記音響回路が、第1の電気信号を生成するように配設されており、前記第1の電気信号が、前記ユーザの耳の近くに前記音響エネルギーを生成するために前記音響トランスデューサによって利用される、第1の回路と、を備える、取り外し可能な音響モジュール。
【請求項2】
前記音響モジュールハウジングが、前記ヘッド装着周辺デバイスに枢動可能に、又は磁気的に結合するように配設されている、請求項1に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項3】
前記音響モジュールハウジングが前記取り外し可能な音響モジュールに磁気的に結合するように配設されている場合、前記音響モジュールが、前記音響モジュールハウジングの上又は中に配設された磁石を更に備え、前記ヘッド装着周辺デバイスが、前記ヘッド装着周辺デバイスの上又は中に配設された相補的な磁石又は磁気プレートを備え、そのため、前記磁石と前記相補的な磁石又は磁気プレートとの間の磁気係合により、前記音響モジュールハウジングが前記ヘッド装着周辺デバイスに対して枢動することを可能にする、請求項2に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項4】
前記音響モジュールハウジングが、第1の磁石又は第2の磁石によって発生した第1の磁場から前記音響トランスデューサを磁気的に絶縁又は遮蔽するために、前記音響モジュールハウジング内に配設された金属構成要素を更に備える、請求項3に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項5】
前記金属構成要素が、前記音響モジュールの前記第1の回路に電気的に接続された第1のアンテナであり、前記金属構成要素が、前記ヘッド装着周辺デバイス内に配設された第2のアンテナに無線データを送信するか、又は前記第2のアンテナから無線データを受信するように構成されている、請求項4に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項6】
前記金属構成要素が、前記第1の磁石又は前記第2の磁石の前記第1の磁場の大きさを増加させるように構成されている、請求項4に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項7】
前記音響モジュールハウジングが、前記ヘッド装着周辺デバイスに対してスライド又は並進するように配設されている、請求項1に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項8】
前記取り外し可能な音響モジュールが、前記ヘッド装着周辺デバイスとの接続を確立するように構成されており、前記接続が、無線データ接続、無線電力接続、物理データ接続、又は物理電力接続である、請求項1に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項9】
前記物理データ接続又は前記物理電力接続が、2ピンコネクタインターフェースを利用する、請求項8に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項10】
前記ヘッド装着周辺デバイスが、ウェアラブル眼鏡フォームファクタを備え、前記ウェアラブル眼鏡フォームファクタが、テンプルを備え、前記テンプルが、内面、外面、上面、及び底面を有し、前記内面が、前記取り外し可能な音響モジュールを受容するように配設されている、請求項1に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項11】
前記テンプルの前記内面が、前記取り外し可能な音響モジュールを受容し、かつ前記取り外し可能な音響モジュールに取り外し可能に係合するように配設されたソケットを更に含む、請求項10に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項12】
ソケットが、枢動運動、回転運動、シーソー運動、ばね荷重ヒンジ、スライドボタン解放、スライド係合、又は摩擦嵌合係合を利用することによって、前記取り外し可能な音響モジュールと取り外し可能に係合解除するように更に構成されている、請求項1に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項13】
前記音響モジュールハウジングが、少なくとも1つの締結配設を介して前記ヘッド装着周辺デバイスに取り外し可能に係合するように更に構成されており、前記少なくとも1つの締結配設が、摩擦嵌合、ねじ、ボルト、フックアンドループ締結配設、吸引カップ配設、プレス締結構成、プレスアンドシール締結配設、スライドボタン解放機構、摩擦挿入配設、二重摩擦挿入配設、ラッピング摩擦突起配設、摩擦ピンチ配設、又は導電性スライドレール配設から選択される、請求項1に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項14】
前記第1の回路が、バッテリから第1の電力信号を受信するように配設されており、前記バッテリが、前記取り外し可能な音響モジュールハウジング内に、又は前記ヘッド装着周辺デバイス上に、若しくは前記ヘッド装着周辺デバイス内に配設されている、請求項1に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項15】
前記第1の回路が、前記音響モジュールハウジング内に配設された第1のアンテナを備え、前記第1のアンテナが、前記ヘッド装着周辺デバイス又は追加の周辺デバイス上又はその中に配設された第2のアンテナから無線信号を受信するように構成されている、請求項1に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項16】
前記取り外し可能な音響モジュールの前記第1の回路又は前記ヘッド装着周辺デバイスの第2の回路と通信するように構成されたセンサを更に備え、前記センサが、前記音響モジュールハウジング上若しくは前記音響モジュールハウジング内に、又は前記ヘッド装着周辺デバイス上若しくは前記ヘッド装着周辺デバイス内に配設されている、請求項1に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項17】
前記センサが、マイクロフォンであり、前記マイクロフォンが、前記音響モジュールハウジングの上若しくは中に、又は前記ヘッド装着周辺デバイスの上若しくは中に配設されている、請求項16に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項18】
前記センサが、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、力センサ、超音波センサ、圧力センサ、近接センサ、光検出及び測距(LIDAR)センサ、温度センサ、湿度センサ、周囲光センサ、紫外線(UV)センサ、赤外線(IR)センサ、昼光センサ、ボタン、又はタッチ容量センサから選択される、請求項17に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項19】
前記音響モジュールハウジングが、第1のポート及び第2のポートを更に備え、前記第1のポートが、前記音響モジュールハウジングの第1の表面上に、前記ユーザの耳の近くに配設されており、前記第2のポートが、前記音響モジュールハウジングの第2の表面上に配設されている、請求項1に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項20】
前記ヘッド装着周辺デバイスが、帽子、バイザー、ヘルメット、スキーヘルメット、一対のスキーゴーグル、又はヘッドバンドから選択される、請求項1に記載の取り外し可能な音響モジュール。
【請求項21】
取り外し可能な音響モジュールが音響モジュールハウジング内に配設された第1の回路を介してユーザの耳の近くに音響エネルギーを提供するように構成されるように、前記取り外し可能な音響モジュールの前記音響モジュールハウジングを受容するように構成されたヘッド装着周辺デバイスであって、前記第1の回路が、音響回路及び音響トランスデューサを備え、前記音響回路が、第1の電気信号を生成するように配設されており、前記第1の電気信号が、前記ユーザの耳の近くに前記音響エネルギーを生成するために前記音響トランスデューサによって利用され、前記取り外し可能な音響モジュールが、テンプルの少なくとも1つの側面若しくは表面と摩擦係合するように構成された第1の突起部を含むか、又は前記音響モジュールが、前記ヘッド装着周辺デバイスの前記テンプルの少なくとも1つの側面若しくは表面内に挿入されるように構成された第1の突起部を含み、前記第1の突起部が、電気接点を含まない、ヘッド装着周辺デバイス。
【請求項22】
モジュール式オーディオシステムであって、
取り外し可能な音響モジュールと接続するように構成されたヘッド装着周辺デバイスであって、前記ヘッド装着周辺デバイスが、スリーブを備え、前記スリーブが、前記音響モジュールを受容するように構成されている、ヘッド装着周辺デバイスと、
前記取り外し可能な音響モジュールと、を備え、前記取り外し可能な音響モジュールが、
前記ヘッド装着周辺デバイスのポケットに取り外し可能に係合するように構成されており、そのため、前記ヘッド装着周辺デバイスに係合したときに、前記取り外し可能な音響モジュールが、ユーザの耳の近くに音響エネルギーを提供するように配設される、音響モジュールハウジングと、
前記音響モジュールハウジング内に配設された第1の回路であって、前記第1の回路が、音響回路及び音響トランスデューサを備え、前記音響回路が、第1の電気信号を生成するように配設されており、前記第1の電気信号が、前記ユーザの耳の近くに前記音響エネルギーを生成するために前記音響トランスデューサによって利用される、第1の回路と、を備える、モジュール式オーディオシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年4月30日に出願された米国許仮出願第16/862,909号、名称「Modular Acoustic Systems」に対する優先権を主張し、その出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の態様及び実装は、概して、モジュール式オーディオシステム、例えば、取り外し可能な音響モジュールを含むオーディオシステムを対象とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、ヘッド装着周辺デバイスに取り外し可能に係合されるように構成された音響モジュールを含む、モジュール式オーディオシステムに関する。一部の実施例では、ヘッド装着周辺デバイスは、一対の眼鏡フレームであり、音響モジュールは、眼鏡のテンプルの内面に配設されたソケットに取り外し可能に固定するように構成されている。音響モジュールは、ソケットに、スライドして、枢動可能に、及び/又は磁気的に係合することができ、そのため、固定されたときに、音響モジュールは、ユーザがヘッド装着周辺デバイスを装着している間に、ユーザの耳の近くに可聴音の形態で音響エネルギーを発生させるように構成されている。一部の実施例では、音響モジュールは、例えば、眼鏡フレームのテンプル上に、ヘッド装着周辺デバイスの任意の部分に取り外し可能に固定するように構成されている。他の実施例では、ヘッド装着周辺デバイスのテンプルは、スリーブに、スライドして係合するように構成されており、スリーブは、音響モジュールに、スライドして係合するように構成されたポケットを含む。
【0004】
一実施例では、取り外し可能な音響モジュールが提供され、音響モジュールは、ヘッド装着周辺デバイスに取り外し可能に係合するように構成された音響モジュールハウジングであって、ヘッド装着周辺デバイスの少なくとも一部分が、音響モジュールハウジングの実質的な部分の周りに形成されており、そのため、ヘッド装着周辺デバイスに係合したときに、取り外し可能な音響モジュールが、ユーザの耳の近くに音響エネルギーを提供するように配設される、音響モジュールハウジングと、音響モジュールハウジング内に配設された第1の回路であって、第1の回路が、音響回路及び音響トランスデューサを備え、音響回路が、第1の電気信号を生成するように配設されており、第1の電気信号が、ユーザの耳の近くに音響エネルギーを生成するために音響トランスデューサによって利用される、第1の回路と、を含む。
【0005】
一態様では、音響モジュールハウジングは、ヘッド装着周辺デバイスに枢動可能に、又は磁気的に結合するように配設されている。
【0006】
一態様では、音響モジュールハウジングが取り外し可能な音響モジュールに磁気的に結合するように配設されている場合、音響モジュールは、音響モジュールハウジングの上又は中に配設された磁石を更に備え、ヘッド装着周辺デバイスは、ヘッド装着周辺デバイスの上又は中に配設された相補的な磁石又は磁気プレートを備え、そのため、磁石と相補的な磁石又は磁気プレートとの間の磁気係合により、音響モジュールハウジングがヘッド装着周辺デバイスに対して枢動することを可能にする。
【0007】
一態様では、音響モジュールハウジングは、第1の整列磁石又は第2の整列磁石によって発生した第1の磁場から音響トランスデューサを磁気的に絶縁又は遮蔽するために、音響モジュールハウジング内に配設された金属構成要素を更に備える。
【0008】
一態様では、金属構成要素は、音響モジュールの第1の回路に電気的に接続された第1のアンテナであり、金属構成要素は、ヘッド装着周辺デバイス内に配設された第2のアンテナに無線データを送信するか、又は第2のアンテナから無線データを受信するように構成されている。
【0009】
一態様では、金属構成要素は、第1の磁石又は第2の磁石の第1の磁場の大きさを増加させるように構成されている。
【0010】
一態様では、音響モジュールハウジングは、ヘッド装着周辺デバイスに対してスライド又は並進するように配設されている。
【0011】
一態様では、取り外し可能な音響モジュールは、ヘッド装着周辺デバイスとの接続を確立するように構成されており、接続は、無線データ接続、無線電力接続、物理データ接続、又は物理電力接続である。
【0012】
一態様では、物理データ接続又は物理電力接続は、2ピンコネクタインターフェースを利用する。
【0013】
一態様では、ヘッド装着周辺デバイスは、ウェアラブル眼鏡フォームファクタを備え、ウェアラブル眼鏡フォームファクタは、テンプルを備え、テンプルは、内面、外面、上面、及び底面を有し、内面は、取り外し可能な音響モジュールを受容するように配設されている。
【0014】
一態様では、テンプルの内面は、取り外し可能な音響モジュールを受容し、かつ取り外し可能な音響モジュールに取り外し可能に係合するように配設されたソケットを更に含む。
【0015】
一態様では、ソケットは、枢動運動、回転運動、シーソー運動、ばね荷重ヒンジ、スライドボタン解放、スライド係合、又は摩擦嵌合係合を利用することによって、ソケットと取り外し可能に係合解除するように更に構成されている。
【0016】
一態様では、音響モジュールハウジングは、少なくとも1つの締結配設を介してヘッド装着周辺デバイスに取り外し可能に係合するように更に構成されており、少なくとも1つの締結配設は、摩擦嵌合、ねじ、ボルト、フックアンドループ締結配設、吸引カップ配設、プレス締結構成、プレスアンドシール締結配設、スライドボタン解放機構、摩擦挿入配設、二重摩擦挿入配設、ラッピング摩擦突起配設、摩擦ピンチ配設、又は導電性スライドレール配設から選択される。
【0017】
一態様では、第1の回路は、バッテリから第1の電力信号を受信するように配設されており、バッテリは、取り外し可能な音響モジュールハウジング内に、又はヘッド装着周辺デバイス上に、若しくはヘッド装着周辺デバイス内に配設されている。
【0018】
一態様では、第1の回路は、音響モジュールハウジング内に配設された第1のアンテナを備え、第1のアンテナは、ヘッド装着周辺デバイス又は追加の周辺デバイス上又はその中に配設された第2のアンテナから無線信号を受信するように構成されている。
【0019】
一態様では、音響モジュールはまた、取り外し可能な音響モジュールの第1の回路又はヘッド装着周辺デバイスの第2の回路と通信するように構成されたセンサを更に含み、センサは、音響モジュールハウジング上若しくは音響モジュールハウジング内に、又はヘッド装着周辺デバイス上若しくはヘッド装着周辺デバイス内に配設されている。
【0020】
一態様では、センサは、マイクロフォンであり、マイクロフォンは、音響モジュールハウジングの上若しくは中に、又はヘッド装着周辺デバイスの上若しくは中に配設されている。
【0021】
一態様では、センサは、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、力センサ、超音波センサ、圧力センサ、近接センサ、光検出及び測距(Light Detection and Ranging、LIDAR)センサ、温度センサ、湿度センサ、周囲光センサ、紫外線(Ultra-Violet、UV)センサ、昼光センサ、ボタン、又はタッチ容量センサから選択される。
【0022】
一態様では、音響モジュールハウジングは、第1のポート及び第2のポートを更に含み、第1のポートは、音響モジュールハウジングの第1の表面上に、ユーザの耳の近くに配設されており、第2のポートは、音響モジュールハウジングの第2の表面上に配設されている。
【0023】
一態様では、ヘッド装着周辺デバイスは、帽子、バイザー、ヘルメット、スキーヘルメット、一対のスキーゴーグル、又はヘッドバンドから選択される。
【0024】
別の実施例では、ヘッド装着周辺デバイスが提供され、ヘッド装着周辺デバイスは、取り外し可能な音響モジュールが音響モジュールハウジング内に配設された第1の回路を介してユーザの耳の近くに音響エネルギーを提供するように構成されるように、取り外し可能な音響モジュールの音響モジュールハウジングを受容するように構成されており、第1の回路は、音響回路及び音響トランスデューサを備え、音響回路は、第1の電気信号を生成するように配設されており、第1の電気信号は、ユーザの耳の近くに音響エネルギーを生成するために音響トランスデューサによって利用され、取り外し可能な音響モジュールが、テンプルの少なくとも1つの側面若しくは表面と摩擦係合するように構成された第1の突起部を含むか、又は音響モジュールが、ヘッド装着周辺デバイスのテンプルの少なくとも1つの側面若しくは表面内に挿入されるように構成された第1の突起部を含み、第1の突起部は、電気接点を含まない。
【0025】
別の実施例では、モジュール式オーディオシステムが提供され、モジュール式オーディオシステムは、取り外し可能な音響モジュールと接続するように構成されたヘッド装着周辺デバイスであって、ヘッド装着周辺デバイスが、スリーブを備え、スリーブが、音響モジュールを受容するように構成されている、ヘッド装着周辺デバイスと、取り外し可能な音響モジュールと、を含む。取り外し可能な音響モジュールは、ヘッド装着周辺デバイスのポケットに取り外し可能に係合するように構成されており、そのため、ヘッド装着周辺デバイスに係合したときに、取り外し可能な音響モジュールが、ユーザの耳の近くに音響エネルギーを提供するように配設される、音響モジュールハウジングと、音響モジュールハウジング内に配設された第1の回路であって、第1の回路が、音響回路及び音響トランスデューサを備え、音響回路が、第1の電気信号を生成するように配設されており、第1の電気信号が、ユーザの耳の近くに音響エネルギーを生成するために音響トランスデューサによって利用される、第1の回路と、を含む。
【0026】
様々な実施形態のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それを参照して解明されるであろう。
【0027】
図面では、同じ参照符号は、一般に、異なる図を通して同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、概して、様々な実施形態の原理を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示によるモジュール式オーディオシステムの概略斜視図である。
【
図2】本開示による音響モジュールの右側斜視図である。
【
図3】本開示による音響モジュールの左側斜視図である。
【
図4A】本開示による音響モジュールの右側立面図である。
【
図4B】本開示による、ハウジングが部分的に取り外された状態の音響モジュールの右側立面図である。
【
図5A】本開示による音響モジュールの左側立面図である。
【
図5B】本開示による、ハウジングが部分的に取り外された状態の音響モジュールの左側立面図である。
【
図6A】本開示による音響モジュールの内部構成要素の概略図である。
【
図6B】本開示によるヘッド装着周辺デバイスの内部構成要素の概略図である。
【
図7】本開示によるモジュール式オーディオシステムの概略部分分解斜視図である。
【
図8A】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図8B】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図9A】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図9B】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図10A】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図10B】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図11A】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図11B】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図12A】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図12B】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図13A】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図13B】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図14A】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図14B】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図15】本開示による、ヘッド装着周辺デバイス及び締結配設の概略斜視図である。
【
図16】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図17】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図18】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【
図19】本開示による締結配設の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、ヘッド装着周辺デバイスに取り外し可能に係合されるように構成された音響モジュールを含む、モジュール式オーディオシステムに関する。一部の実施例では、ヘッド装着周辺デバイスは、一対の眼鏡フレームであり、音響モジュールは、眼鏡のテンプルの内面に配設されたソケットに取り外し可能に固定するように構成されている。音響モジュールは、ソケットに、スライドして、枢動可能に、及び/又は磁気的に係合することができ、そのため、固定されたときに、音響モジュールは、ユーザがヘッド装着周辺デバイスを装着している間に、ユーザの耳の近くに可聴音の形態で音響エネルギーを発生させように構成されている。一部の実施例では、音響モジュールは、例えば、眼鏡フレームのテンプル上に、ヘッド装着周辺デバイスの任意の部分に取り外し可能に固定するように構成されている。他の実施例では、ヘッド装着周辺デバイスのテンプルは、スリーブに、スライドして係合するように構成されており、スリーブは、音響モジュールに、スライドして係合するように構成されたポケットを含む。
【0030】
本出願で使用される場合、「ウェアラブルオーディオデバイス」という語句は、耳(ユーザの頭部又は肩に装着されるオープンイヤオーディオデバイスを含む)の周り、その上、その中、又は近くで嵌合し、音響エネルギーを耳の中へと、又はそこに向かって放射するデバイスを意味することを意図する。ウェアラブルオーディオデバイスは、ヘッドフォン、イヤホン、イヤピース、ヘッドセット、イヤバッド、又はスポーツ用ヘッドフォンと称することもあり、有線式又は無線式とすることができる。ウェアラブルオーディオデバイスは、音声信号を音響エネルギーに変換する音響回路を含む。この音響回路は、イヤカップ内に格納され得る。以下の図及び説明のいくつかは、一対のイヤカップ(各々が音響トランスデューサを含む)を有する単一のウェアラブルオーディオデバイスを示すことができるが、ウェアラブルオーディオデバイスは、1つのイヤカップのみを有する単一のスタンドアローンユニットであり得ることを理解されたい。ウェアラブルオーディオデバイスの各イヤカップは、例えば、ヘッドバンドによって、及び/又はイヤカップ若しくはヘッドフォン内の音響トランスデューサに音声信号を伝えるリード線によって、別のイヤカップ又はヘッドフォンへと機械的に接続され得る。ウェアラブルオーディオデバイスは、音声信号を無線で受信する構成要素を含み得る。ウェアラブルオーディオデバイスは、アクティブノイズ低減(active noise reduction、ANR)システムの構成要素を含むことができる。ウェアラブルオーディオデバイスは、このデバイスがヘッドセットとして機能できるよう、マイクロフォンなどの他の機能も含み得る。
図1は、オーディオ眼鏡フォームファクタの一実施例を示しているが、他の実施例では、ヘッドセットは、耳内、耳上、耳周り、又は近耳ヘッドセットでもよい。一部の実施例では、ウェアラブルオーディオデバイスは、耳を耳の環境及び周囲に開放しつつ、耳に向かって音響エネルギーを放射する音響トランスデューサを含むオープンイヤデバイスでよい。
【0031】
以下の説明は、
図1~
図16を考慮して読まれるべきである。
図1は、本開示によるモジュール式オーディオシステム100の概略図である。モジュール式オーディオシステム100は、ヘッド装着周辺デバイス102及び少なくとも1つの取り外し可能な音響モジュール104を含む。ヘッド装着周辺デバイス102は、ユーザの頭部に取り付けるか、又はユーザの頭部に接触し、音響モジュール104(以下で論じられる)と接触又は係合するように構成されたデバイスであることが意図される。一実施例では、ヘッド装着周辺デバイス102は、少なくとも1つの音響モジュール104を受容するように構成された一対の眼鏡、すなわち、眼鏡フォームファクタである。他の実施例では、ヘッド装着周辺デバイス104は、一対の安全眼鏡、帽子、ヘッドバンド、フード、ヘルメット、バイザー、一対のゴーグル、例えば、スキーゴーグル、頭部、肩若しくは首に装着されるオープンオーディオデバイス、又はユーザの頭部若しくは首に装着されるか、若しくは近接して装着される任意の他のデバイスである。以下の図に示される一部の実施例は、ヘッド装着周辺デバイス102の半分の片側又は1つの斜視図のみを示すが、例示される各実施例の他の側面は、同様の構造及び第2の音響モジュール104を含むことができ(例えば、
図1及び
図7に示されるように)、その結果、各音響モジュール104によって生成された音響エネルギーAEをユーザの左耳及びユーザの右耳の両方に提供することができることを理解されたい。ヘッド装着周辺デバイス102は、
図7~
図16に関して以下でより詳細に説明される。音響モジュール104は、ユーザの耳E(
図15に示される)の近くに音響エネルギーAE(
図1に示される)、すなわち、可聴音を発生させるか又はレンダリングするように構成されたデバイスであることが意図される。一部の実施例では、
図1、
図7、及び
図8A~
図16に示すように、音響モジュール104は、ユーザの耳Eに近接する音響エネルギーAEを発生させるように構成されているが、音響エネルギーAEを発生させながらユーザの耳Eに接触するように構成されていない。言い換えれば、音響モジュール104は、ユーザの耳道の外側で音響エネルギーAEを発生させ、音響エネルギーAEをユーザの耳道に向かって方向付けるように構成されたオープンイヤ音響モジュールである。
【0032】
図2~
図5Bに示すように、音響モジュール104は、音響モジュールハウジング106を含む。音響モジュールハウジング106は、音響モジュール104、例えば、第1の回路120(以下で論じられる)を動作させるために利用される内部回路を少なくとも部分的に包囲又は取り囲むように構成されている。音響モジュールハウジング106は、プラスチック材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)、高密度ポリエチレン(High-Density Polyethylene、HDPE)、低密度ポリエチレン(Low-Density Polyethylene、LDPE)、ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride、PVC)、ポリプロピレン(Polypropylene、PP)、ポリスチレン(Polystyrene、PS)、又は任意の他の成形可能なポリマーから作製することができることを理解されたい。更に、一部の実施例では、音響モジュールハウジング106は、金属、例えば、鋼、アルミニウム、又は他の鉄金属から作製される。一部の実施形態では、以下で論じられるように、音響モジュールハウジング106は、磁気引力を介してヘッド装着周辺デバイスに取り外し可能に固定され得る。これらの実施例では、音響モジュールハウジングの一部又は全部が、作り出された磁場で干渉から内部電子構成要素(以下で論じられる)を遮蔽するために、鉄金属から作製され得ることを理解されたい。音響モジュールハウジング106は、上側108、底部側110、第1の側面112、及び第2の側面114を含む。加えて、
図2~
図5Bに示されるように、音響モジュールハウジング106はまた、第1の端部FE及び第2の端部SEを含む。
【0033】
一実施例では、音響モジュールハウジング106は、音響エネルギーAEが、音響モジュールハウジング106の内部から空気中、及びユーザUの耳E内に伝播することを可能にするように構成された2つの音響ポート、すなわち第1のポート116及び第2のポート118を含む。第1のポート116は、ハウジングの内部の音響トランスデューサの前側に音響的に結合され得、第2のポート118は、音響トランスデューサの後側に音響的に結合され得る。
図2~
図5Bに示されるように、第1のポート116は、音響モジュールハウジング106の第1の端部FEに近接して位置し、音響モジュール104がヘッド装着周辺デバイス102に係合するか、又はそれと接触しているときに、第1のポート116が音響エネルギーAEをユーザUの耳Eに直接的に向けるように構成されるように、構成されている。言い換えれば、第1のポート116は、音響エネルギーAEを第1のポート116からユーザUの耳Eの耳道に向けるように構成されており、ここで、音響エネルギーAEは、ユーザUの耳道に妨げられずに伝播することができる。同様に、第2のポート118は、音響モジュールハウジング106の第1の端部FEに近接して位置し、更に、音響モジュール104がヘッド装着周辺デバイス102に係合するか、又はそれと接触しているときに、第2のポート118が、音響エネルギーAEをユーザUの耳Eから遠ざけるように向けるように構成されるように、構成されている。一実施例では、各ポート、すなわち第1のポート116及び第2のポート118のサイズ及び位置決めは、音響モジュールハウジング106の外側に音響エネルギーAEの2つの源を作り出すことができる。音響エネルギーAEの2つの供給源は、互いに近接しているため、ユーザUの耳によって知覚される音響エネルギーAEの発生を支援する音響双極子を作り出す。2つのポートが示されているが、追加のポート(すなわち、音響トランスデューサの前側に音響的に結合された2つ以上のポート、及び/又は音響トランスデューサの後側に音響的に結合された2つ以上のポート)が存在し得る。ポートの適切な音響調整は、ポートのサイジング及び/又はポート開口部における音響抵抗材料の使用を通じて達成され得る。更に、スクリーンを使用して、粉塵又は水分などの粒子のポートへの侵入を防止することができる。
【0034】
図6Aに示すように、第1の回路120は、音響モジュール104の音響モジュールハウジング106内に提供される。第1の回路120は、本明細書で論じられるように、それぞれ、第1の複数の非一時的コンピュータ可読命令126を実行及び記憶して、第1の回路120及び音響モジュール104の様々な機能を実施するように配設された第1のプロセッサ122及び第1のメモリ124を含む。第1の回路120はまた、音響トランスデューサ130に電気的に接続された音響回路128を含む。音響回路128は、例えば、バッテリ若しくは他の電源(以下に論じられる)から電力を受信し、音響トランスデューサ130によって受信され、かつ機械的エネルギーに変換される電気信号、例えば、第1の電気信号132(以下で論じられる)又は一連の別個の電気信号に、電力を変換するように構成された回路、複数の回路、又は複数の電気構成要素であることが意図される。音響トランスデューサ130は、機械的エネルギーが周囲の空気を乱して波、例えば、音波を作り出すように、電気信号、例えば、第1の電気信号132を機械的エネルギーに変換する、構成要素又は一連の構成要素であることが意図される。一実施例では、第1のメモリ124は、複数の音楽ファイル又は音声ファイルを含む。音響回路128は、少なくとも1つの電気信号、すなわち第1の電気信号132を発生させることができ、ここで、第1の電気信号132は、第1のメモリ124に記憶された複数の音楽又は音声ファイルの1つの音楽ファイル又は音声ファイルの少なくとも一部分に対応し、第1の電気信号132を音響トランスデューサ130に提供する。次いで、音響トランスデューサ130は、生成された音響エネルギーAEがユーザUの耳Eに伝播することができるように、潜在的に音響双極子を形成する、第1のポート116及び/又は第2のポート118を介して音響モジュールハウジング106の外部に伝播させることができる、音響ハウジング106内の別個の音波を発生させるように動作する。
【0035】
第1の回路120はまた、データを送信及び/又は受信するように構成された第1の通信モジュール134を含むことができる。第1の通信モジュール134はまた、無線プロトコルを介して無線信号W1、例えば、無線データを送信及び/又は受信するように構成された第1のアンテナ136を含むことができ、ここで、無線プロトコルは、Bluetoothプロトコル、Bluetooth低エネルギー(Bluetooth Low-Energy、BLE)プロトコル、ZigBeeプロトコル、Wi-Fi(IEEE802.11)プロトコル、iPodアクセサリプロトコル(iPod Accessory Protocol、iAP)、無線周波数通信(Radio Frequency Communication、RFCOMM)、近距離磁気誘導(Near-field Magnetic Induction、NFMI)、近距離電磁誘導(Near-Field Electromagnetic Induction、NFEMI)、又は音響モジュール104と別の無線デバイス、例えば、パーソナルコンピュータ(personal computer、PC)、スマートフォン、タブレット、若しくはスマートウォッチとの間の無線通信接続を確立するための任意の他の無線プロトコルのうちの少なくとも1つから選択される。一部の実施例では、以下で説明するように、第1の通信モジュール134は、第1のアンテナ136を利用して、ヘッド装着周辺デバイス102との無線データ通信接続を確立することができる。また、第1のアンテナ136はまた、追加の周辺デバイス、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなどで無線信号を送信及び/又は受信することができることを理解されたい。
【0036】
第1の通信モジュール134はまた、有線接続を介してデータを送信及び/又は受信するように構成され得る。例えば、第1の通信モジュール134は、ケーブル又は他の物理データ接続を介してデータを受信するように構成されたデータポートを含むことができ、その結果、例えば、上述の複数の音楽又は音声ファイルは、ヘッド装着周辺デバイス102との音響モジュール104の係合前、その間、又はその後に、音響モジュール104の第1のメモリ124に記憶され得る。
【0037】
一部の実施例では、
図6Bに示すように、ヘッド装着周辺デバイス102は、同様の回路、例えば、第2の回路138を含むことができる。第2の回路138は、本明細書で論じられるように、それぞれ、第2の複数の非一時的コンピュータ可読命令144を実行及び記憶して、第2の回路138及びヘッド装着周辺デバイス102の様々な機能を実施するように配設された第2のプロセッサ140及び第2のメモリ142を含む。第2の回路138はまた、データを送信及び/又は受信するように構成された第2の通信モジュール146を含むことができる。第2の通信モジュール146はまた、無線プロトコルを介して無線データを送信及び/又は受信するように構成された第2のアンテナ148を含むことができ、ここで、無線プロトコルは、Bluetoothプロトコル、Bluetooth低エネルギー(BLE)プロトコル、ZigBeeプロトコル、Wi-Fi(IEEE802.11)プロトコル、iPodアクセサリプロトコル(iAP)、無線周波数通信(RFCOMM)、近距離磁気誘導(NFMI)、近距離電磁誘導(NFEMI)、又はヘッド装着周辺デバイス102と別の無線デバイス、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット、若しくはスマートウォッチとの間の無線通信接続を確立するための任意の他の無線プロトコルのうちの少なくとも1つから選択される。一部の実施例では、以下で説明するように、第2の通信モジュール146は、第2のアンテナ146を利用して、音響モジュール104との無線データ通信接続を確立することができる。
【0038】
第2の通信モジュール146はまた、有線接続を介してデータを送信及び/又は受信するように構成され得る。例えば、第2の通信モジュール146は、ケーブル又は他の物理データ接続を介してデータを受信するように構成されたデータポートを含むことができ、その結果、例えば、上述の複数の音楽又は音声ファイルは、音響モジュール104の係合前、その間、又はその後に、ヘッド装着周辺デバイス102の第2のメモリ142に記憶され得る。
【0039】
モジュール式オーディオシステム100はまた、少なくとも1つのセンサ150を含む。少なくとも1つのセンサ150は、ボタン、タッチ容量センサ若しくは表面、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、マイクロフォン、紫外線(UV)光センサ、赤外線(infrared、IR)センサ、昼光センサ、又はカメラから選択され得る。これらのタイプのセンサのうちの1つ以上は、任意の考えられる方法で組み合わされてもよく、例えば、ジャイロスコープ、加速度計、及び磁力計を、単一の慣性測定ユニット(inertial measurement unit、IMU)として提供することができることを理解されたい。以下で詳細に論じられ、
図6A及び
図6Bに例示されるように、センサ150は、ヘッド装着周辺デバイス102又は音響モジュール104のいずれかの上、その中、又はそれと通信するように位置することができる。
図6A及び
図6Bに示すように、点線は、任意の構成要素を示し、例えば、センサ150は、第1の回路120又は第2の回路138のいずれかに電気的に接続され得る。センサ150は、ユーザ入力、例えば、機械的入力、ジェスチャ、音声コマンドなどを受信し、そのユーザ入力を第1の回路120又は第2の回路138に提供するように構成され得ることを理解されたい。更に、モジュール式オーディオシステム100は、少なくとも1つのバッテリ152を含む。上述のセンサ150と同様に、バッテリ152は、任意選択的に、第1の回路120及び/又は第2の回路138に接続され得る。バッテリ152は、リチウムイオンバッテリ、コンデンサ、スーパーコンデンサ、又は他の電源であり得、ヘッド装着周辺デバイス102又は音響モジュール104のいずれかの上、その中、又はそれと通信するように位置することができることを理解されたい。言い換えれば、バッテリ152は、動作中に電力信号、すなわち電力信号154をヘッド装着周辺デバイス102又は音響モジュール104に提供するように構成されている。
【0040】
一部の実施例では、
図1及び
図7~
図16に示されるように、ヘッド装着周辺デバイス102は、複数のテンプル156A及び156B(まとめて「テンプル156」と称される)を含む眼鏡フォームファクタを有する。各テンプル156は、内面158、外面160、上面162、及び底面164を含む。更に、テンプル156の各テンプルはまた、各テンプルをフレームの前部、すなわち、レンズ及びノーズブリッジを含むフレームの部分に枢動可能に固定するヒンジを含み得る。以下で詳細に論じられるように、一部の実施例では、各テンプル156の内面158は、音響モジュール104に取り外し可能に係合するように構成されたソケット166を含むことができる。一部の実施例では、ソケット166は、内面158の平面状表面内又はその下のくぼみである。他の実施例では、ソケット166は、突起部、例えば、内面158から離れて突出し、かつ音響モジュールハウジング106の形状に対して相補的な形状を有するように構成された突出隆起部であり、その結果、係合したときに、リッジが、摩擦嵌合を介して音響モジュールハウジング106の実質的な部分を包囲する。一部の実施例では、各テンプル156の少なくとも一部分は、音響モジュールハウジング106の実質的な部分の周りに形成され、その結果、ヘッド装着周辺デバイス102がユーザの頭部に位置付けられているときに、音響モジュール104がユーザの頭部に対して係合され得、ユーザの頭部に接触したり、又はこすれたりしないように、ユーザの頭部の側面と内面158との間に空間が形成される。
図7~
図14Bに示されるように、テンプル156Aは、傾斜凹部を有するように形成され、すなわち、部分は、ユーザの頭部から離れるように傾斜され、ここで、傾斜凹部は、ヒンジと、ユーザの耳に接触して載るテンプルの部分との間の各テンプル156上に配設される。加えて、
図11A~
図14Bに示すように、音響モジュール104は、以下に説明する締結配設FAのうちのいずれかを使用して、テンプル156Aの外面160、上面162、及び/又は底面164に対して取り外し可能に固定され得る。一部の実施例では、各テンプル156は、平面状の表面、例えば、実質的に平坦な表面を含み得ることも理解されたい。これらの実施例では、音響モジュール104は、後述される締結配設FAのいずれか1つにおいて平面状の表面に取り外し可能に固定され、それに応じてテンプル156のフットプリントを延長し得る。
【0041】
以下で詳細に説明するように、モジュール式オーディオシステム100は、音響モジュール104がヘッド装着周辺デバイス102のテンプル156A及び156Bにどのように取り外し可能に固定、係合、又は他の方法で取り付けられ得るかを詳細にする、複数の締結配設FAを含む。したがって、以下の例示的な説明は、
図2~
図5B及び
図7~
図14Bを考慮して読まれるべきである。
【0042】
例えば、
図2、
図4A及び
図4B、及び
図7に示すように、1つの例示的な締結配設FAは、音響モジュールハウジング106とヘッド装着周辺デバイス102との間の磁気締結を含む。したがって、音響モジュール104は、音響モジュールハウジング106をヘッド装着周辺デバイス102のテンプル156のうちの1つに磁気的に固定するように構成された、複数の磁石、例えば、第1の磁石168A及び第2の磁石168Bを含むことができる。
図2及び
図4A及び
図4Bに示すように、第1の磁石168Aは、音響モジュールハウジング106の第1の端部FEに近接して位置することが意図され、第2の磁石168Bは、音響モジュールハウジング106の第2の端部SEに近接して位置することが意図されている。
図7に示す一実施例では、ヘッド装着周辺デバイス102のテンプル156の各々の内面158は、それぞれ、音響モジュールハウジング106の第1の磁石168A及び第2の磁石168Bの各々に係合するように構成された、複数の相補的な磁石170A及び170B、例えば、第1の相補的な磁石170A及び第2の相補的な磁石170Bを含む。あるいは、各テンプル156の内面158は、音響モジュールハウジング106の第1の磁石168A及び第2の磁石168Bと磁気的に結合することができるプレート又は他の物体を含み得る。一実施例では、1つの磁気対、例えば、音響モジュールハウジング106の第1の端部FEに近接して位置する第1の磁石168A、及びテンプル156の内面上の第1の相補的な磁石170Aのみが提供される。この配設では、ユーザは、例えば、音響モジュールハウジング106の第1の端部FEを、例えば、第1のテンプル156Aに近接させて、第1の磁石168Aと第1の相補的な磁石170Aとの間の磁気引力が、音響モジュールハウジング106をテンプル156Aの内面158に係合させることを可能にし、ユーザは、音響モジュールハウジング106の第2の端部SEを
図1に示す位置に枢動又は回転させて、例えば、ソケット166との摩擦嵌合を介してそれを固定することができる。一部の実施例では、音響モジュールハウジング106とヘッドウォン(won)周辺デバイス102との間に磁気結合を提供することに加えて、第1の磁石168Aはまた、音響トランスデューサ130を使用して音響エネルギーAEを発生させるために使用される構成要素の一部であり得ることを理解されたい。例えば、音響トランスデューサ130は、音響エネルギーAEを作り出す代替の磁場を発生させるように構成された磁石及び電磁コイルを含み得る。これらの実施例では、第1の磁石168Aは、音響モジュールハウジング106とヘッド装着周辺デバイス102との間に磁気結合を提供することに加えて、音響トランスデューサ130の磁石としても機能することができる。更に、センサ150が磁力計である実施例では、例えば、第1の磁石168Aと第1の相補的な磁石170Aとの間の第1の磁場M1の存在を磁力計によって使用して、音響モジュール104がヘッド装着周辺デバイス102に正常に固定されていることを感知又は別様に決定することができる。
【0043】
上述の磁石は、例えば、音響モジュールハウジング106とテンプル156Aの内面158との間の磁気引力を形成するそれぞれの磁場を発生させるように構成されている。一実施例では、第2の磁石168Bと第2の相補的な磁石170Bとの間に磁場、すなわち、第1の磁場M1(
図7に示される)が発生する。
図5Bに示すように、音響モジュール104は、音響モジュールハウジング106の磁石又はヘッド装着周辺デバイス102の相補的な磁石の間に磁気遮蔽を提供するように構成された金属構成要素172を含むことができることを理解されたい。更に、一部の実施例では、金属構成要素172はまた、第1の回路120、例えば、第1のアンテナ136(上述)のためのアンテナとして作用するように構成されている。言い換えれば、金属構成要素172は、例えば、第2の磁石168B及び/又は第2の相補的な磁気170Bからの第1の回路120の磁気遮蔽を提供するだけでなく、第1のアンテナ136としても機能する。金属音響モジュールハウジング106によって提供される任意の磁気遮蔽に加えて、金属構成要素172によって提供される任意の磁気遮蔽を提供することができることを理解されたい。更に、一部の実施例では、金属構成要素172は、強磁性材料で作製され、例えば、第2の磁石168Bと音響モジュールハウジング106との間の第1の磁場M1の大きさを増加させるように構成される。
【0044】
図7は、上述のような磁気締結配設FAを示している。磁気締結配設に加えて、
図7はまた、テンプル156Aの内面158上のソケット166が、2ピン接続インターフェース174を含み得ることを示している。2ピン接続インターフェース174は、音響モジュール104の第1の回路120とヘッド装着周辺デバイス102の第2の回路138とを電気的に接続するように構成された第1のピン及び第2のピンを含み得る。2ピン接続インターフェース174にわたって、モジュール式オーディオシステム100は、音響モジュール104とヘッド装着周辺デバイス102との間に電力接続176及び/又はデータ接続178(
図6A及び
図6Bに示される)を提供することができる。一部の実施例では、バッテリ152は、第2の回路138に接続されたヘッド装着周辺デバイス102内に提供され得る。したがって、2ピン接続インターフェース174は、バッテリ152間の電気的接続を提供し、電力、例えば、第1の電力信号154(上述)を音響モジュール104の第1の回路120に提供することができる。逆に、バッテリ152は、第1の回路120に接続された音響モジュール104内に提供されるべきであるが、2ピン接続インターフェース174は、バッテリ152からヘッド装着周辺デバイス102の第2の回路138までの電力、例えば、第1の電力信号154(上述)を提供し得る。他の例示的な実施形態では、以下に記載されるように、バッテリ152は、ヘッド装着周辺デバイス102及び音響モジュール104の両方に提供されてもよく、したがって、発電及び消費は、両方のデバイス間に分散されてもよい。同様に、例えば、第1の回路120の第1の通信モジュール134と第2の回路138の第2の通信モジュール146との間でデータを通信する必要がある実施例では、2ピン接続インターフェース174は、通信モジュール間で転送されるデータのための経路を提供することができる。上述のように、データはまた、例えば、第1のアンテナ136及び第2のアンテナ148を介して、各通信モジュール間で、無線で送信され得ることを理解されたい。上述の様々な機能は、音響モジュール104の第1の回路120とヘッド装着周辺デバイス102の第2の回路138との間の任意の考えられる組み合わせで分散され得ることを理解されたい。例えば、電力分散は、デバイス上又は両方のデバイス上に位置する別個のバッテリ間に分散され得、センサ150を介して、各デバイス上又は各デバイス内に位置するセンサ間に分散され得、データ処理及び有線又は無線通信は、第1の回路120と第2の回路138との間に分散され得る。
【0045】
図8A及び
図8Bは、スライド係合機構の形態の締結配設FAを示している。
図8Aに示すように、テンプル156Aの内面158は、複数の突出部180A及び180Bをそれぞれ受容するように構成された複数の受容凹部182A及び182Bを含み得る。例えば、第1の突出部180A及び第2の突出部180Bは、第1の受容凹部182A及び第2の受容凹部182B内に挿入されるように構成されている。その後、
図8A及び
図8Bに示されるように、ユーザUは、音響モジュールハウジング106を第1の方向DR1にスライドさせて、テンプル156Aの内面158上のソケット166内に音響モジュールハウジング106を摩擦的に固定することができる。複数の突出部180A及び180Bの各突出部の一部分は、第1の直径を有し得、複数の突出部180A及び180Bの各突出部の一部分は、第1の直径よりも小さい第2の直径を有することができることを理解されたい。同様に、複数の受容凹部182A及び182Bの各受容凹部の一部分は、第3の直径を有し得、複数の受容凹部182A及び182Bの各受容凹部の一部分は、第3の直径よりも小さい第4の直径を有することができる。最初に挿入されると、第1の直径を有する各突起部の部分は、第3の直径を有する各受容凹部の部分内に嵌合するように構成されている。音響モジュールホース(hosing)106を第1の方向DR1にスライドさせると、第2の直径を有する各突起部の部分は、音響モジュール104を所定の位置に固定する第4の直径を有する各受容凹部の部分に摩擦係合するように構成されている。テンプル156Aの内面158から音響モジュールハウジング106を取り外すために、ユーザは、第1の方向DR1の反対側の第2の方向DR2に力を加えることができ、第4の直径を有する各受容凹部の部分から第2の直径を有する各突出部の部分を係合解除し、次いで、音響モジュール104を取り外すことができる。
【0046】
図9A及び
図9Bは、スライドボタン解放機構の形態の締結配設FAを示している。図示されるように、音響モジュールハウジング106の第1の端部FEは、テンプル156Aの内面158上のソケット166と接触することができ、例えば、第1の端部FEに係合し、かつ第1の方向DR1に移動することを防止するリップ又はリッジなどの物理的接続を介して固定され得るか、又は第1の端部FEが第1の方向DR1に移動することを防止されるように、磁気引力を介して、例えば、第1の磁石168Aと第1の相補的な磁石170A(
図2及び
図7に示す)との間に固定され得る。更に、音響モジュールハウジング106の第2の端部SEは、ソケット166内に枢動するように構成され、かつソケット166の内側に係合するように構成されている。第2の端部SEは、スライドラッチ186及びスライドボタン解放部184を含むことができることを理解されたい。スライドボタン解放部184は、ばね荷重スライドボタン解放部、例えば、音響モジュールハウジング106内に、スライドして係合され、かつ第1の方向DR1の反対側の第2の方向DR2にばね付勢されたボタンであり得る。更に、スライドボタン解放部184は、スライドラッチ186に固定され得、スライドラッチ186は、音響モジュールハウジング106の第2の端部SEに近接する第1の側面112上、例えば、テンプル156Aの内面158に面して、かつソケット166内に配設されている。スライドラッチ186は、スライドボタン解放部184と共に並進するように構成された突出部又はタブ(図示せず)を含み得、突出部又はタブは、ソケット166のリッジ若しくはリップ、及び/又は内面158内の穴、凹部、若しくは開口部(図示せず)に係合するように構成され得る。ユーザUは、指を使用して、第1の方向DR1のスライドボタン解放部184に圧力を加えることができる。方向DR1におけるスライドボタン解放部184の動きは、方向DR1におけるスライドラッチ186の同等又は相補的な並進運動に対応し、第2の端部SEをソケット166との係合から解放する。そこから、音響モジュールハウジング106の第1の端部FEをソケット166と接触しないように枢動させることができ、ハウジング全体を取り外すことができる。
【0047】
図10A及び
図10Bは、枢動ロック及び解放機構の形態の締結配設FAを示している。図示されるように、音響モジュールハウジング106の第2の端部SEは、ソケット166の内面158内の受容凹部182Aと枢動可能に又は回転可能に係合するように構成された第1の突出部180Aを含むことができる。例えば、突起部180Aは、受容凹部182A内に挿入され得、音響モジュールハウジング106全体は、第1の端部FEがソケット166と接触するまで内面158に向かって突起部180Aの周りを枢動することができ、又は音響モジュールハウジング106全体を回転させることができ、例えば、第1の端部FEがソケット166の下方若しくは上方に始まり、それぞれ、第1の端部FEがソケット166と整列するまで、それぞれ上下に回転させることができる。整列されると、第1の端部FEは、摩擦嵌合、磁気接続、戻り止め、又はラッチを介してソケット166に固定され得る。
【0048】
図11A及び
図11Bは、摩擦挿入配設の形態の締結配設FAを示している。図示されるように、音響モジュールハウジング106の第2の側面114は、第2の側面114から外向きに突出する突出部180Aを含み得る。図示されるように、第1の突起部180Aは、音響モジュールハウジング106の長さの少なくとも半分を第1の端部FEから第2の端部SEにまたがるように配設された長手方向部材であることが意図される。更に、テンプル156Aの外面160は、第1の突出部180Aと第1の受容凹部182Aとの間の摩擦嵌合を介して、音響モジュールハウジング106がテンプル156Aに取り外し可能に固定され得るように、第1の突出部180Aを受容するように構成された相補的な凹部182Aを含み得る。示される摩擦係合は、音響モジュールホース(hosing)106の第2の側面114とテンプル156Aの外面160との間に磁石を追加することによって支援され得ることを理解されたい。
【0049】
図12A及び
図12Bは、二重摩擦挿入配設の形態の締結配設FAを示している。図示されるように、音響モジュールハウジング106の上側108は、上側108から上方に突出する第1の突出部180A及び第2の突出部180Bを含む。各突出部は、第1の突出部180A及び第2の突出部180Bの組み合わせた長さが音響モジュールハウジング106の長さの少なくとも半分になるように、音響モジュールハウジング106の長さの少なくとも一部分にまたがるように配設された長手方向部材であることが意図される。更に、図示されていないが、テンプル156Aの底面164は、各突出部(例えば、第1の突出部180A及び第2の突出部180B)をそれぞれ受容するように構成された相補的な受容凹部、すなわち第1の受容凹部182A及び第2の受容凹部182Bを含む。各突出部は、音響モジュールハウジング106が、第1の突出部180Aと第1の受容凹部182Aとの間の摩擦嵌合、及び第2の突出部180Bと第2の受容凹部182Bとの間の摩擦嵌合を介してテンプル156Aに取り外し可能に固定され得るように成形及びサイズ決定される。示される摩擦係合は、音響モジュールホース(hosing)106の上側108及び/又はテンプル156Aの底面164の間に磁石を追加することによって支援され得ることを理解されたい。
【0050】
図13A及び
図13Bは、ラッピング摩擦突起配設の形態の締結配設FAを示している。図示されるように、音響モジュールハウジング106の上側108は、上側108から上方に突出する第1の部分と、内側に、すなわち、ヘッド装着周辺デバイス102に向かって突出する第2の部分とを有する、第1の突出部180Aを含む。第1の突出部180Aは、摩擦嵌合を介してテンプル156Aに取り外し可能に係合されるように構成されており、例えば、第1の突出部180Aの第2の部分の内面は、テンプル156Aの上面162と摩擦接触するように構成されており、一方で、音響モジュールハウジング106の上面108は、テンプル156Aの底面164と摩擦接触するように構成されている。したがって、突出部180Aは、突出部180Aと音響モジュールハウジング106の上側108との間でテンプル156Aを挟持して、それをヘッド装着周辺デバイス102に固定したままにするように構成されている。
【0051】
図14A及び
図14Bは、摩擦ピンチ配設の形態の締結配設FAを示している。図示されるように、音響モジュールハウジング106の上側108は、第1の突出部180A及び第2の突出部180Bを含む。第1の突出部180A及び第2の突出部180Bは、第1の端部FEから第2の端部SEまで、音響モジュールハウジング106の長さの少なくとも半分にまたがるように配設された実質的に長手方向の部材である。ヘッド装着周辺デバイス102に取り外し可能に固定されると、第1の突出部180Aは、テンプル156Aの内面158と摩擦接触するように構成されており、第2の突出部180Bは、第1の突出部180A及び第2の突出部180Bがピンチ摩擦配列でテンプル156Aに係合するように、テンプル156Aの外面160と摩擦接触するように構成されている。
【0052】
図15は、一対の安全眼鏡の形態のヘッド装着周辺デバイス102の代替例を示している。図示されるように、ソケット166は、音響モジュールハウジング106がユーザUの耳Eに対する複数の位置に位置付けられ得るように、音響モジュールハウジング106に、スライドして係合するように配設されたスライドポケットである。更に、ユーザが音響モジュール104を取り外したい場合に、ユーザUは、単に音響モジュールハウジング106をスライドポケットの後ろから、つまりユーザの耳Eに向かってスライドさせるだけでよい。スライドポケット内では、ポケットの側壁の摩擦係合は、音響モジュールハウジング106が動かないようにするのに、例えば、第1の方向DR1又は第2の方向DR2にスライドして並進するのに十分であることを理解されたい。
【0053】
更に、図示されていないが、他の締結配設FAを利用して、音響モジュール104をヘッド装着周辺デバイス102に取り外し可能に固定することができることを理解されたい。例えば、音響モジュールハウジング106は、ねじ、ボルト、フック、及びロック締結具(例えば、テンプル156Aの内面158がループ型締結具を含み、音響モジュールハウジング106の第1の側面112が、ループ型締結具を含む)、吸引カップ(例えば、音響モジュールハウジング106がテンプル156Aの内面158に係合するように構成された第1の側面112上に少なくとも1つの吸引カップを含む)、プレス締結配設(例えば、キャビネットのハードウェアで使用されるようなローラーキャッチ又は磁気キャッチ、2つの相補的な部品が互いに押し付けられて、互いに係合又はラッチされ、更に互いに押し付けられて解放又は係合解除される)、又はプレスアンドシール固定配設(例えば、再封可能なビニル袋のように機能するシール配設)によって、ヘッド装着周辺デバイス102に取り外し可能に固定され得る。別の実施例では、締結配設FAは、ばね荷重ヒンジ配設を含む。例えば、ヒンジ要素は、テンプル156Aの内面158に枢動可能に固定され、内面158から離れてばね要素で付勢され得る。音響モジュールハウジング106は、ヒンジ要素に固定され、ソケット166内に枢動され、例えば、摩擦嵌合を介して係合され得、ここで、摩擦係合は、ばね要素によって提供されるばね付勢によって過剰に動力供給されない。別の実施例では、図示されていないが、音響モジュールハウジング106は、摩擦嵌合のみを介してソケット106内に係合され得、ソケット166は、音響モジュールハウジング106をシーソー枢動運動によって取り外すことができるように構成され得ることを理解されたい。例えば、ユーザは、例えば、音響モジュールハウジング106の第1の端部FEを押して、音響モジュールハウジングの第1の端部FEを内側に強制することができる。この内向きの運動は、第2の端部SEが外向きに、すなわち内面158から離れて移動するように、音響モジュールハウジング106の中心に近接する枢動点を中心とした第2の端部SEの相反運動を引き起こす可能性がある。別の実施例では、締結配設FAは、接着剤配設であってもよく、例えば、音響モジュールハウジング106は、接着剤裏打ちラベル又はステッカー又は両面テープを介してソケット166に固定されるように構成される。
【0054】
図16は、ヘッド装着周辺デバイス102のテンプル156Aがスリーブ188に、スライドして係合するように構成されている別の例示的な締結配設FAを示しており、ここで、スリーブ188は、音響モジュール104を受容するように構成されたポケットを含む。
【0055】
図17~
図19は、別の例示的な締結配設FAを示しており、ここで、ヘッド装着周辺デバイス102は、音響モジュール104に、スライドして係合されるように構成されている。例えば、
図17は、本開示による導電性スライドレール配設190の概略斜視図を示している。図示の実施例では、テンプル156Aは、実質的に中空であり得、スライドキャリア192を受容して、かつスライドして係合するように構成されたチャネル191を含む。
図18及び
図19に示すように、スライドキャリア192は、中空チャネル内に嵌合し、かつテンプル156Aに、スライドして係合する、例えば、第1の方向DR1及び第2の方向DR2に並進するように構成されている。スライドキャリア192は、バッテリ152又はヘッド装着周辺デバイス102内の他の電源に電気的に結合されたレールボード193を受容し、かつ嵌合可能に係合するように配設された凹部で構成されている。レールボード193は、レールボード193内に統合され、図示されるようにレールボード193の長さにまたがるように構成された複数の導電性レール194A及び194Bを含む。複数の導電性レール194A及び194Bの各導電性レールは、テンプル156Aの内側及びチャネル191内に固定的に固定された複数の導電性板ばね195A及び195Bと電気的に接続するように構成されている。複数の板ばね195A~195Bの各板ばねは、上述のように、ヘッド装着周辺デバイス102内のバッテリ152又は他の電源に電気的に接続されている。一実施例では、複数の板ばね195A及び195Bは、導電性材料、例えば、銅で作製されているが、例えば、金、タングステン、アルミニウムなどの任意の導電性材料を利用することができることを理解されたい。したがって、スライドキャリア192がヘッド装着周辺デバイス102のテンプル156Aのチャネル191内でスライドして並進するときに、第1の板ばね195Aは、導電性レール194Aとの電気的接触を維持し、第2の板ばね195Bは、導電性レール194Bとの電気的接触を維持する。第1の導電性レール194A及び第2の導電性レール194Bは各々、それを通る電気接続を有する貫通穴を含み、音響モジュール104に係合するように構成されたスライドコネクタ196との電気接続を提供する。音響モジュール104の音響モジュールハウジング106は、示されるように電線リード線を介してスライドコネクタ196に電気的に接続するように構成され得るか、又は上述のように、例えば、スライドコネクタ196と音響モジュールハウジング106の第1の側面112との間に配設された2ピンコネクタインターフェース174を介して、スライドコネクタ196に直接的に接続することができることを理解されたい。有利には、
図17~
図19に示される実施例は、音響モジュール104とヘッド装着周辺デバイス102との間で、物理的及び/又は電力供給された接続、例えば、物理データ接続176及び/又は物理的電力接続178(上述したような)を可能にする。更に、ユーザの耳の位置がユーザの頭部上の異なる位置にあり得るため、音響モジュール104の位置がヘッド装着周辺デバイス102及びユーザの耳Eに対してスライドすることを可能にすることが望ましい。したがって、導電性スライドレール配設190は、物理データ接続176又は物理電力接続178を維持しながら、音響モジュール104の位置、したがって、音響トランスデューサ130の位置をテンプル156Aに沿ってユーザの耳に対してスライドして並進することを可能にすることが望ましい。一実施例では、提供される配設は、0mm~30mmの調整可能な並進の範囲、より具体的には、0mm~18mmの範囲の調整可能な並進の範囲を可能にする。
【0056】
モジュール式オーディオシステム100の動作の一実施例の間、システムの機能のいくつかは、ヘッド装着周辺デバイス102によって提供され、一方で、システムの機能の一部は、音響モジュール104によって提供される。例えば、音響モジュールハウジング106は、上述の締結配設FAのうちのいずれかを使用して、ヘッド装着周辺デバイス102に係合され得る。係合すると、音響モジュール104は、音響モジュールによって生成された音響エネルギーAEがユーザの耳に伝播するように、ユーザUの耳Eに近接して位置付けられる。音響エネルギーAEを生成するために、音響モジュール104は、少なくとも音響回路128を音響トランスデューサ130と電気的に接続する、第1の回路120を含む。更に、ヘッド装着周辺デバイス102は、音響モジュール104の機能を拡張することができ、及び/又は音響エネルギーAEの生成を助けることができる。例えば、ヘッド装着周辺デバイス102は、センサ150及び/又はバッテリ152を含む、第2の回路138を含み得る。センサ150は、例えば、第1の回路120の第1のアンテナ136と第2の回路138の第2のアンテナ148との間の無線データ接続を介して音響モジュール104にセンサデータを提供することができ、又は物理データ接続176を介して、例えば、2ピン接続インターフェース174を介して、音響モジュール104にセンサデータを提供することができる。同様に、バッテリ152は、音響モジュール104が上述の様々な機能を実施することができるように、保存された電力がヘッド装着周辺デバイス102から音響モジュール104に提供され得るように、第2の回路138上に、その中に、又は第2の回路138と通信して提供され得る。また、電力は、2ピン接続インターフェース174を介して、無線で又は物理的電力接続178を介して提供され得ることを理解されたい。このようにして、モジュール式オーディオシステム100の任意の電気構成要素は、任意の考えられる組み合わせ又は配設で、ヘッド装着周辺デバイス(第2の回路138に接続されている)又は音響モジュール104(第1の回路に接続されている)のうちのいずれかに提供され得る。
【0057】
あるいは、モジュール式オーディオシステム100の別の例示的な動作において、モジュール式オーディオシステム100の機能の全ては、音響モジュール104によって提供されるが、システムの機能のいずれもヘッド装着周辺デバイス102によって提供されない。例えば、第1の回路120は、ユーザUの耳Eの近くに音響エネルギーAEを発生させるために、音響回路128及び音響トランスデューサを含むことができ、また、センサ150及びバッテリ152を収容することができる。言い換えれば、音響モジュール104は、ヘッド装着周辺デバイスが取り外し可能に係合されることに関係なく、上述した機能の全てを提供することができる自己収容モジュールである。
【0058】
本明細書で定義及び使用される全ての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書における定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を制御するものと理解されるべきである。
【0059】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、別途明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0060】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「及び/又は」という語句は、そのように結合された要素の「いずれか又は両方」、すなわち、ある場合には結合的に存在し、他の場合には分離的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」でリストされた複数の要素は、同じ様式、すなわち、そのように結合された要素の「1つ以上」で解釈されるべきである。他の要素が、具体的に特定された要素に関係するか無関係であるかにかかわらず、「及び/又は」条項によって具体的に特定された要素以外に任意選択的に存在し得る。
【0061】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「又は」は、上記で定義された「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する場合、「又は」若しくは「及び/又は」は、包括的であると解釈されるべきであり、すなわち、要素の数又はリストのうちの少なくとも1つを含むが、また1つを超えて含み、任意選択で、追加のリストにない項目を含む。「のうちの1つのみ」又は「のうちの正確に1つ」、若しくは特許請求の範囲で使用される場合、「からなる」などの用語が別途明確に示される場合のみ、要素の数又はリストのうちの正確に1つの要素を含むことを指す。概して、本明細書で使用される「又は」という用語は、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」、又は「のうちの正確に1つ」などの排他性の用語が前に付いている場合に、排他的な選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈される。
【0062】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、1つ以上の要素のリストに関する「少なくとも1つ」という語句は、要素のリスト内の要素のうちの任意の1つ以上から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも要素のリスト内に具体的にリストされた各及び全ての要素のうちの少なくとも1つを含むわけではなく、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外するものではないと理解されるべきである。この定義はまた、具体的に特定された要素に関係するか無関係であるかにかかわらず、要素が、語句「少なくとも1つ」が指す要素のリスト内で具体的に特定される要素以外に任意選択的に存在し得ることを可能にする。
【0063】
別途明確に示されない限り、1つを超えるステップ又は作用を含む本明細書で特許請求される任意の方法において、方法のステップ又は作用の順序は、必ずしも方法のステップ又は作用が列挙される順序に限定されないことも理解されたい。
【0064】
特許請求の範囲において、並びに上記の明細書において、「備える(comprising)」、「含む(including)」、「担持する(carrying)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「関与する(involving)」、「保持する(holding)」、「構成されている(composed of)」などのような全ての移行句は、制限のないこと、すなわち、含むが限定されないことを意味すると理解されるべきである。「~からなる(consisting of)」及び「本質的に~からなる(consisting essentially of)」という移行句に限っては、それぞれ限定的又は半限定的な移行句となる。
【0065】
記載の主題の上述の例は、多数の方法のいずれかで実施可能である。例えば、いくつかの態様において、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実装可能である。いずれかの態様の少なくとも一部がソフトウェアとして実装される場合、ソフトウェアコードは、単一デバイスやコンピュータに提供されるか、あるいは複数のデバイス/コンピュータに分散されるかにかかわらず、任意の適切なプロセッサ、又はプロセッサの集合で実行できる。
【0066】
本開示は、想定される任意の技術的に詳細なレベルの統合で、システム、方法、及び/又はコンピュータプログラム製品として実装可能である。コンピュータプログラム製品は、本明の態様をプロセッサに実行させるコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(あるいは、メディア)を含み得る。
【0067】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用するための命令を保持、及び記憶可能とする有形デバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は前述の任意の好適な組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的リストには、以下のものが含まれる:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(erasable programmable read-only memory、EPROM、又はフラッシュメモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(static random access memory、SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(compact disc read-only memory、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、パンチカードや溝内で隆起した構造物な命令が記録された機械的に符号化されたデバイス、並びに、上記の好適な組み合わせ。本明細書で使用する場合、コンピュータ可読記憶媒体は、電波などの自由に伝播する電磁波、導波管などの伝送媒体を伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、電線を伝送する電気信号などの一過性の信号そのものであると解釈されない。
【0068】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、及び/又は無線ネットワークを介して、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれの計算/処理デバイスへと、あるいは外部コンピュータ、若しくは外部記憶デバイスへとダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、及び/又はエッジサーバを含み得る。各計算/処理デバイスのネットワークアダプタカード、あるいはネットワークインターフェイスは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、このコンピュータ可読プログラム命令を転送して、それぞれの計算/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶する。
【0069】
本開示の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(instruction-set-architecture、ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路の設定データ、又は、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語などの手続き型プログラミング言語、あるいは類似のプログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードやオブジェクトコードであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、全てがユーザのコンピュータで実行されるか、一部がユーザのコンピュータで実行されるか、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして実行されるか、一部がユーザのコンピュータ上で、一部がリモートコンピュータで実行されるか、あるいは、全体がリモートコンピュータやサーバで実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)やワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)を含む任意の種類のネットワークを通じて、ユーザのコンピュータに接続してもよく、あるいは、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータに接続してもよい。いくつかの例では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(programmable logic array、PLA)を含む、電子回路は、本開示の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を使用して電子回路を個別化することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行可能である。
【0070】
本開示の態様は、本開示の例に係わる方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図、及び/又はブロック図を参照して本明細書で記載されている。フローチャート図、及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図、及び/又はブロック図のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令で実施可能であることが理解されよう。
【0071】
コンピュータ可読プログラム命令は、専用目的のコンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサに提供されて、機械を製造してもよく、これにより、コンピュータや他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサを介して実行する命令は、フローチャート、及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/操作を実施するための手段を作り出す。更に、これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、プログラマブルデータ処理機器、及び/又は他のデバイスに対して特定の方法で機能するように指示可能とするコンピュータ可読記憶媒体に記憶してもよく、これにより、命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート、及び/又はブロック図、あるいはブロックで指定された機能/操作の態様を実装する命令を有する製造物品を含む。
【0072】
また、コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理機器、あるいは他のデバイスにロードされて、コンピュータ、他のプログラマブル機器、あるいは他のデバイス上で実行されるべき一連の操作ステップに対して、コンピュータ実装プロセスを生成させてもよく、これにより、コンピュータ、他のプログラマブル機器、あるいは他のデバイス上で実行する命令は、フローチャート、及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定された機能/操作を実装する。
【0073】
図中のフローチャートとブロック図は、本開示の様々な例に係わるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品について想定される実装のアーキテクチャ、機能、並びに動作を示す。これに関して、フローチャートやブロック図の各ブロックは、指定された論理機能(複数)を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、あるいは部分に相当し得る。いくつかの代替実装形態では、ブロックに記載されている機能は、図に記載された順序から生じ得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には実質的に同時に実行されてよく、場合によっては、ブロックは、関与する機能に応じて、逆の順序で実行されてもよい。更に、ブロック図、及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びに、ブロック図、及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、特定機能を実行するか、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを操作するか、あるいは実行する専用ハードウェアベースのシステムで実装できることにも留意されたい。
【0074】
他の実装形態は、以下の請求項、並びに本出願人が権利を有し得る他の請求項の範囲内にある。
【0075】
本明細書において、様々な例について記述、説明してきたが、当業者であれば、様々な他の手段、及び/又は、機能を実施し、かつ/又は結果、及び/又は、本明細書に記載の1つ以上の利点を得るための構造を容易に思いつくことができ、こうした変更形態、及び/又は変形形態の各々は、本明細書に記載の例の範囲内にあると見なすことができる。より一般的には、当業者であれば、本明細書に記載のパラメータ、寸法、材料、及び構成の全てが例示的であること、更に、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、特定の用途、又は本発明の教示が使用される用途で決まることを容易に理解するであろう。当業者であれば、日常的な実験を行うだけで、本明細書に記載されている特定例に相当する多くの等価物を認識又は確認することができるであろう。したがって、前述の例は、例示のみとして提示されたものであり、添付の特許請求の範囲及びその同等物の範囲内で、明確に記載、特許請求された以外の方法で例を実施することができるということを理解されたい。本開示の例は、本明細書に記載の各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。更に、2つ以上のこうした特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法のいかなる組む合わせも、こうした特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、本開示の発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0076】
102 ヘッド装着周辺デバイス
104 音響モジュール
120 第1の回路
122 第1のプロセッサ
124 第1のメモリ
126 第1の複数の非一時的コンピュータ可読命令
128 音響回路
130 音響トランスデューサ
134 第1の通信モジュール
136 第1のアンテナ
138 第2の回路
140 第2のプロセッサ
142 第2のメモリ
144 第2の複数の非一時的コンピュータ可読命令
146 第2の通信モジュール
148 第2のアンテナ
150 センサ
152 バッテリ
【国際調査報告】