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特表2023-524833アルキルグルコシドを含むシャンプー組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】アルキルグルコシドを含むシャンプー組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20230606BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 8/40 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20230606BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/60
A61K8/46
A61K8/44
A61K8/42
A61K8/40
A61K8/73
A61Q5/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567741
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 US2021031891
(87)【国際公開番号】W WO2021231510
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】63/025,451
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローレン エリザベス バルハウス
(72)【発明者】
【氏名】ジーン ジエンチュン ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ニコール マリー マッツェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハワード デイビッド ハットン ザ サード
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC341
4C083AC471
4C083AC641
4C083AC661
4C083AC691
4C083AC711
4C083AC781
4C083AC791
4C083AC851
4C083AD301
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD391
4C083AD392
4C083BB01
4C083BB04
4C083BB32
4C083BB33
4C083CC38
4C083DD01
4C083DD23
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
消費者が望む泡立ち、洗浄及び粘度を実現し、約8重量%~約35重量%の、約C10の平均アルキル鎖長を有するデシルグルコシドと、約0.25重量%~約1.0重量%の、C12以上の平均アルキル鎖を有するアルキルグルコシドと、約0.4%~2.0%の、キサンタンガム、スクレロチウムガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、アカシアガム、寒天ガム、アルギンガム、ジェランガム、カロブガム、カラヤガムビオサッカライドガム、カルシウムカラギーナン、カリウムカラギーナン、ナトリウムカラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる、非イオン性及びアニオン性ガムから選択されるガムと、を含む、シャンプー組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャンプー組成物であって、
a)約8重量%~約35重量%の、約C10の平均アルキル鎖長を有するデシルグルコシドと、
b)約0.25重量%~約1重量%の、C12以上の平均アルキル鎖を有するアルキルグルコシドと、
c)1重量%未満の、アルキル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤と、
d)約0.4%~2.0%の、キサンタンガム、スクレロチウムガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、アカシアガム、寒天ガム、アルギンガム、ジェランガム、カロブガム、カラヤガムビオサッカライドガム、カルシウムカラギーナン、カリウムカラギーナン、ナトリウムカラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる、非イオン性及びアニオン性ガムから選択されるガムと、
を含み、
d)カチオン性ポリマーを実質的に含まず、
前記シャンプー組成物が、約2000cps~約20,000cpsの粘度を有する、シャンプー組成物。
【請求項2】
約8重量%~約30重量%の前記デシルグルコシドを含む、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項3】
約8重量%~約25重量%の前記デシルグルコシドを含む、請求項1又は2に記載のシャンプー組成物。
【請求項4】
約7重量%~約20重量%の前記デシルグルコシドを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項5】
前記C12以上の平均アルキル鎖を有するアルキルグルコシドが、ココグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシド、ヘキサデシルグルコシド、オクタデシルグルコシド、アラキジルグルコシド、セチルグルコシド、セテアリルグルコシド、イソステアリルグルコシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項6】
約0.25重量%~約0.8重量%の、C12以上の平均アルキル鎖を有するアルキルグルコシドを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項7】
約0.5重量%~約1.0重量%の、C12以上の平均アルキル鎖を有するアルキルグルコシドを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項8】
前記組成物が、ラウリルグルコシド及びココグルコシドを実質的に含まない、請求項1~7のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項9】
前記組成物が、アルキル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を実質的に含まない、請求項1~8のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項10】
前記非イオン性界面活性剤が、構造:
【化1】
(式中、「R」は炭素数10のアルキル基又はアルケニル基であり、「m」の重合度は1である)を有するデシルグルコシドである、請求項1~9のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項11】
前記ガムがキサンタンガムである、請求項1~10のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項12】
前記ガムがスクレロチウムガムである、請求項1~11のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項13】
前記粘度が3000cps~20,000cpsである、請求項1~12のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項14】
前記粘度が4000cps~15,000cpsである、請求項1~13のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項15】
前記組成物が、茶抽出物、ブドウ種子抽出物、ベニバナ油、ホホバ油、アルゴン油、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を更に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項16】
前記組成物が、アゾール、クリンバゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール、エルビオール、ヒドロキシピリドン、ピロクトンオラミン、シクロピロックス、リロピロックス、MEA-ヒドロキシオクチルオキシピリジノン、角質溶解剤、サリチル酸、ヒドロキシ酸、ストロビルリン、アゾキシストロビン、金属キレート剤、1,10-フェナントロリン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される抗菌剤を更に含む、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デシルグリコシド及びガムを含み、消費者が望む洗浄の泡立ち及び使い勝手の良い適度な粘度を実現する、刺激の少ないシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの毛髪は、周囲の環境との接触及び頭皮によって分泌される皮脂が原因で汚れる。汚れた毛髪は、不潔な感触を有し、魅力のない外観を呈する。汚れた毛髪にシャンプー組成物を塗布し、洗浄することによって、毛髪から油及び他の汚れを除去することにより毛髪に清潔で魅力的な外観を回復させることができる。公知のシャンプー組成物は、典型的には、アニオン性界面活性剤で毛髪から油及び汚れを除去する。しかし、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウレス硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を含むシャンプーは、毛髪の感触の質の低さに加えて、洗浄後の毛髪及び皮膚の乾燥などの多数の望ましくない特徴を呈し得る。また、アニオン性界面活性剤を含むシャンプーも、消費者に受け入れられにくいという問題がある。非イオン性界面活性剤は、肌への刺激が少ないことで知られているが、所望の泡立ち特性を得ることが難しいことも知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アニオン性界面活性剤を使用せずに洗浄し、かつ、所望の毛髪効果を発揮しながら、良好な使用時の物理的特性を有するシャンプー組成物を有することが望ましい。驚くべきことに、非イオン性界面活性剤デシルグルコシドと、非イオン性及びアニオン性ガムから選択されるガムとを含むシャンプー組成物は、消費者が望む洗浄の泡立ち及び使い勝手の良い粘度を実現することが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0004】
シャンプー組成物であって、約8%~約35%の、約C10の平均アルキル鎖長を有するデシルグルコシドと;1重量%未満の、ココグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシド、ヘキサデシルグルコシド、オクタデシルグルコシド、アラキジルグルコシド、セチルグルコシド、セテアリルグルコシド、イソステアリルグルコシド、及びこれらの混合物から選択される、C12以上の平均アルキル鎖長を有するアルキルグルコシドと;1重量%未満の、アルキル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤と;約0.4%~2.0%の、キサンタンガム、スクレロチウムガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、アカシアガム、寒天ガム、アルギンガム、ジェランガム、カロブガム、カラヤガムビオサッカライドガム、カルシウムカラギーナン、カリウムカラギーナン、ナトリウムカラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる、非イオン性及びアニオン性ガムから選択される、ガムと;を含み、カチオン性ポリマーを実質的に含まず、当該シャンプー組成物が、約2000cps~約20,000cpsの粘度を有する、シャンプー組成物。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書は、本発明を具体的に示しかつ明確に主張する特許請求の範囲で完結するが、本開示は以下の説明によってより深く理解されると考えられる。
【0006】
定義
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。全ての範囲は、端点を含み、組み合わせ可能である。有効桁数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に別途記載のない限り、全ての数量は、単語「約」によって修飾されるものと理解される。別途記載のない限り、測定は全て、約25℃で周囲条件において行われるものと理解され、「周囲条件」とは、約1気圧及び相対湿度約50%の条件を意味する。列挙された成分に関連する重量は、全て、活性レベルに基づいており、別途記載のない限り、市販の材料に含まれ得る担体又は副生成物を含まない。
【0007】
本明細書で使用するとき、「分子量(molecular weight又はMolecular weight)」は、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。分子量は、業界標準法であるゲル浸透クロマトグラフィ(gel permeation chromatography、「GPC」)を使用して測定される。
【0008】
本明細書で使用するとき、用語「電荷密度」は、ポリマーにおける正電荷数と当該ポリマーの分子量との比を指す。
【0009】
本明細書で使用するとき、用語「含む(comprising)」は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。本開示の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載する本発明の要素及び限定、並びに本明細書に記載する追加の若しくは任意の成分、構成成分、工程、又は限定のいずれかを含み、これらからなり、及びこれらから本質的になり得る。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」は、1種類のモノマーの重合によって製造される物質、又は2種類以上のモノマーによって製造される物質(即ち、コポリマー)を含むものとする。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「ヒトの毛髪への塗布に好適」とは、パーソナルケア組成物又はその成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴わず、ヒトの毛髪及び頭皮及び皮膚と接触して使用するのに許容可能であることを意味する。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「水溶性」は、物質が水に可溶であることを意味する。物質は、0.1重量%の水溶媒、1重量%の水溶媒、5重量%の水溶媒、及び15重量%以上の水溶媒濃度で、25℃において可溶であり得る。
【0013】
用語「サルフェートを含まない」及び「サルフェートを実質的に含まない」とは、偶発的に微量成分として組み込まれたときを除いて、サルフェート含有化合物を本質的に含まないことを意味する。
【0014】
用語「硫酸化界面活性剤」は、硫酸基を含有する界面活性剤を意味する。用語「硫酸化界面活性剤を実質的に含まない」とは、偶発的に微量成分として組み込まれたときを除いて、硫酸基を含有する界面活性剤を本質的に含まないことを意味する。
【0015】
シャンプー組成物
本明細書に記載のシャンプー組成物は、消費者が望む泡立ち、ヘアコンディショニングの感触を提供し、安定で、良好な使用感を実現する粘度を有する。シャンプー組成物は、約8重量%~約35重量%の、約C10の平均アルキル鎖長を有するデシルグルコシドなどの非イオン性界面活性剤と、キサンタンガム、スクレロチウムガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、アカシアガム、寒天ガム、アルギンガム、ジェランガム、カロブガム、カラヤガムビオサッカライドガム、カルシウムカラギーナン、カリウムカラギーナン、ナトリウムカラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、非イオン性及びアニオン性ガムと、を含む。この製品は相安定で良好な粘度を保ち、所望の洗浄の泡立ち、素早いすすぎ、清潔な髪の感触を提供し続ける。
【0016】
シャンプー組成物は、ココグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシド、ヘキサデシルグルコシド、オクタデシルグルコシド、アラキジルグルコシド、セチルグルコシド、セテアリルグルコシド、イソステアリルグルコシド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、C12よりも長い平均アルキル鎖長を有する少量のアルキルグルコシドを含む。本明細書で使用するとき、少量とは、約0.25重量%~約1重量%、約0.25重量%~約0.8重量%、約0.5重量%~約0.8重量%、約0.5重量%~約1.0重量%、約0.25重量%~約0.50重量%の、ココグルコシド及びラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシド、ヘキサデシルグルコシド、オクタデシルグルコシド、アラキジルグルコシド、セチルグルコシド、セテアリルグルコシド、イソステアリルグルコシド、及びこれらの混合物から選択される、C12よりも長い平均アルキル鎖長を有するアルキルグルコシドを含むことを意味する。
【0017】
シャンプー組成物は、アルキル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物を含むイオン性界面活性剤を実質的に含まないものである。イオン性界面活性剤を実質的に含まないシャンプー組成物とは、1重量%未満、約0重量%~約1重量%、約0重量%~約0.5重量%、約0.1重量%~約0.2重量%、及びあるいは約0重量%~約0.3重量%で構成されることを意味する。
【0018】
シャンプー組成物は、カチオン性ポリマーを実質的に含まない。カチオン性ポリマーを実質的に含まないシャンプー組成物とは、カチオン性グアーを含むがこれに限定されない、0重量%~約0.1重量%、約0重量%~約0.05重量%、約0.5重量%~約0.01重量%のカチオン性ポリマーを含むものを意味する。
【0019】
非イオン性界面活性剤
シャンプー組成物は、約8%~約35%の非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤は、デシルグルコシド、カプリリルグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、ウンデシルグルコシド、オクチルグルコシド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリグルコシドであり得る。非イオン性界面活性剤は、約C10の平均アルキル鎖長を有するデシルグルコシドであり得る。シャンプー組成物は、約8重量%~約30重量%、約8重量%~約25重量%、約7重量%~約20重量%の非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0020】
非イオン性界面活性剤は、以下の構造を有するアルキルポリグルコシドであり得る。
【0021】
【化1】
式中、「R」は炭素数8~20のアルキル基又はアルケニル基であり、「m」の重合度は1~5である。あるいは、Rは8~16個の炭素であり、あるいは、Rは8~12個の炭素である。
【0022】
非イオン性界面活性剤は、以下の構造を有するデシルグルコシドであり得る:
【0023】
【化2】
式中、「R」は炭素数10のアルキル基又はアルケニル基であり、「m」の重合度は1である。
【0024】
ガム
シャンプー組成物は、約0.4重量%~約2.0重量%のガム、あるいは約0.4重量%~約1.5重量%、約0.4重量%~約1.0重量%、及び/又は約1.0重量%~約1.2重量%のガム、又はこれらの任意の組み合わせを含む。ガムは、キサンタンガム、スクレロチウムガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、アカシアガム、寒天ガム、アルギンガム、ジェランガム、カロブガム、カラヤガムビオサッカライドガム、カルシウムカラギーナン、カリウムカラギーナン、ナトリウムカラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される非イオン性及びアニオン性ガムである。
【0025】
シャンプー組成物のための液体担体
シャンプー組成物はまた、液体担体を含む。適切な量の液体担体を含めることにより、適度な粘度及びレオロジーを有するシャンプー組成物の形成を促進することができる。シャンプー組成物は、組成物の約60重量%~約95重量%の液体担体、約65重量%~約92重量%の液体担体、約70重量%~約90重量%の液体担体、及び約75重量%~約90重量%の液体担体を含み得る。
【0026】
液体担体は、水であってもよく、又は水と有機溶媒との混和性混合物であってもよい。液体担体は、他の必須の又は任意成分の微量成分として組成物中に別に付随的に組み込む場合を除き、最小限の有機溶媒を有するか、又は有意の濃度の有機溶媒を有さない水であってもよい。好適な有機溶媒としては、低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液を挙げることができる。有用な低級アルキルアルコールとしては、エタノール及びイソプロパノールなどの1~6個の炭素を有する一価アルコールが挙げられる。例示的な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0027】
任意成分
理解され得るように、本明細書に記載されるシャンプー組成物は、組成物の特性及び特徴を目的に合わせて調整するために種々の任意成分を含み得る。理解され得るように、好適な任意成分は周知であり、一般に、本明細書に記載されるシャンプー組成物の必須成分と物理的及び化学的に相溶性である任意の成分を含み得る。任意成分は、その他の点では、製品安定性、審美性、又は性能を過度に損なってはならない。任意成分の個々の濃度は、一般に、シャンプー組成物の約0.001重量%~約10重量%の範囲であってよい。
【0028】
シャンプー組成物に含めることができる好適な任意成分としては、茶抽出物などの天然成分、及びブドウ種子抽出物などの天然抗酸化剤、ベニバナ油、ホホバ油、アルゴン油などの天然ヘアコンディショニング油、並びにこれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0029】
シャンプー組成物に含まれ得る好適な任意成分としては、付着補助剤、コンディショニング剤(炭化水素油、脂肪酸エステル、シリコーンなど)、抗ふけ剤、懸濁剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミンを挙げることができる。
【0030】
シリコーンエマルション
ヘアケア組成物は、約0重量%~約10重量%、約0.1重量%~約8重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1.5重量%、及び/又は約0.1~約1.2重量%の1つ以上のシリコーンポリマーを含み得る。シリコーンポリマーは、水性プレエマルションとしてヘアケア組成物に添加され得る。シリコーンプレエマルションは、1つ以上のシリコーンポリマー及び乳化系を含み得る。シリコーンプレエマルション中のシリコーンポリマー含有量は、約10重量%~約70重量%、又は約15重量%~約60重量%、又は約18重量%~約50重量であり得る。
【0031】
シリコーンエマルションは、500nm未満、あるいは300nm未満、あるいは約200nm未満、あるいは約100nm未満の平均粒径を有し得る。このシリコーンエマルションは、約5nm~約500nm、約10nm~約400nm、及び/又は約20nm~約300nmの平均粒径を有し得る。シリコーンエマルションは、ナノエマルションの形態であり得る。
【0032】
1つ以上のシリコーンの粒径は、動的光散乱法(DLS)によって測定され得る。He-Neレーザー633nmを使用するMalvern Zetasizer Nano ZEN3600システムを、25℃での測定に使用することができる。
【0033】
自己相関関数は、Malvern Instrumentsが提供するZetasizer Softwareを使用して解析され得、Stokes-Einstein方程式を使用して、有効な流体力学的半径を判定する:
【0034】
【数1】
式中、kはボルツマン定数であり、Tは絶対温度であり、ηは媒体の粘度であり、Dは散乱種の平均拡散係数であり、Rは粒子の流体力学的半径である。
【0035】
粒径(すなわち、流体力学的半径)は、ブラウン運動によって生じる観察されたスペックルパターンと相関させ、Stokes-Einstein方程式を解くことによって得ることができ、これは、当該技術分野において既知であるように、粒径を測定された拡散定数と関連付ける。
【0036】
各サンプルについて、3回の測定が実施され得、Z平均値が粒径として報告され得る。
【0037】
1つ以上のシリコーンは、ナノエマルションの形態であり得る。ナノエマルションは、皮膚及び/又は毛髪への塗布に好適な任意のシリコーンを含み得る。
【0038】
1つ以上のシリコーンは、分子構造中に、Si-OH(ジメチコノール中に存在)、一級アミン、二級アミン、三級アミン、及び四級アンモニウム塩などの極性官能基を含み得る。1つ以上のシリコーンは、アミノシリコーン、ペンダント四級アンモニウムシリコーン、末端四級アンモニウムシリコーン、アミノポリアルキレンオキシドシリコーン、四級アンモニウムポリアルキレンオキシドシリコーン、及びアミノモルホリノシリコーンからなる群から選択され得る。
【0039】
1つ以上のシリコーンは:
(a)式(V)に相当する少なくとも1つのアミノシリコーンを含み得、
R’3-a-Si(OSiG-(OSiGR’2-b-O-SiG3-a-R’ (I)
式中:
Gは、水素原子、フェニル基、OH基、及びC~Cアルキル基、例えばメチルから選択され、
aは、0~3の範囲の整数であり、一実施形態では、aは0であり、
bは、0及び1から選択され、一実施形態では、bは1であり、
m及びnは、合計(n+m)が、例えば50~150などの、例えば1~2000の範囲となり得るような数であり、nは、例えば49~149などの、例えば0~1999の範囲の数から選択することができ、mは、例えば1~10などの、例えば1~2000の範囲の数から選択することができ、
R’は、式-C2qLの一価基であり、式中、qは、2~8の数であり、Lは、任意選択的に四級化された、以下の群から選択されるアミン基であり、
-NR’’-CH-CH-N’(R
-N(R’’)
-N(R’’)
-NH(R’’)
-N(R’’)A、及び
-N(R’’)-CH-CH-NR’’H
式中、R’’は、水素原子、フェニル基、ベンジル基、及び、例えば、1~20個の炭素原子を含むアルキル基などの飽和一価炭化水素系基から選択することができ、Aは、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物などのハロゲン化物イオンから選択される。
【0040】
1つ以上のシリコーンは、式(1)に相当するものを含んでよく、式中、a=0、G=メチル、m及びnは、合計(n+m)が、例えば50~150などの、例えば1~2000の範囲となり得るような数であり、nは、例えば49~149などの、例えば0~1999の範囲の数から選択でき、mは、例えば1~10などの、例えば1~2000の範囲の数から選択でき、Lは、-N(CH又は-NH、あるいは-NHである。
【0041】
本発明の追加の当該少なくとも1つのアミノシリコーンとしては、以下のものが挙げられる:
(b)式(VII)のペンダント四級アンモニウムシリコーン:
【0042】
【化3】
式中:
は、1~18個の炭素原子を含む一価炭化水素系基、例えばC~C18アルキル基及びC~C18アルケニル基、例えばメチルから選択され、
は、二価炭化水素系基、例えば、二価C~C18アルキレン基及び二価C~C18アルキレンオキシ基、例えばC~Cアルキレンオキシ基から選択され、当該Rは、SiC結合によってSiに結合され、
は、例えば、ハロゲン化物イオン、例えば塩化物、及び有機酸塩(例えば酢酸塩)から選択され得るアニオンであり、
rは、2~20、例えば2~8の範囲の平均統計値であり、
sは、20~200、例えば20~50の範囲の平均統計値である。
【0043】
かかるアミノシリコーンは、米国特許第4,185,087号により詳細に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
この種に含まれるシリコーンは、Union Carbideから「Ucar Silicone ALE56」の名称で販売されるシリコーンである。
【0045】
当該少なくとも1つのアミノシリコーンの更なる例としては、以下のものが挙げられる。
c)式(VIIb)の四級アンモニウムシリコーン:
【0046】
【化4】
式中:
基Rは、同一であっても異なっていてもよく、各々が1~18個の炭素原子を含む一価炭化水素系基、例えばC~C18アルキル基、例えばメチル、C~C18アルケニル基、及び5又は6個の炭素原子を含む環から選択され、
は、二価炭化水素系基、例えば二価C~C18アルキレン基及び二価C~C18アルキレンオキシ、例えばC~C、SiC結合によってSiと結合する基から選択され、
は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、1~18個の炭素原子を含む一価炭化水素系基、特にC~C18アルキル基、C~C18アルケニル基、又は基-R-NHCORを表し、
は、ハロゲン化物イオン、特に塩化物、又は有機酸塩(酢酸塩など)などのアニオンであり、
rは、2~200、特に5~100の平均統計値を表す。
【0047】
かかるシリコーンは、例えば、欧州特許出願公開第0530974(A)号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
この種に含まれるシリコーンは、Eovnik社からAbil Quat 3270、Abil Quat 3272、Abil Quat 3474、及びAbil ME 45の名称で販売されるシリコーンである。
【0049】
当該少なくとも1つのアミノシリコーンの更なる例としては、以下のものが挙げられる。
d)四級アンモニウム及びポリアルキレンオキシドシリコーン
(四級窒素基が、ポリシロキサン骨格中、末端、又は両方に位置する)。
【0050】
かかるシリコーンは、国際公開第2002/010257号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
この種に含まれるシリコーンは、Momentive社からSilsoft Qの名称で販売されるシリコーンである。
(e)式(V)のモルホリノ基を有するアミノ官能性シリコーン:
【0052】
【化5】
式中、
Aは、-O-を介して結合される構造単位(I)、(II)、若しくは(III)、
【0053】
【化6】
又は、式(I)、(II)、若しくは(III)の構造単位を含む-O-を介して結合されるオリゴマー若しくはポリマー残基、又は、構造単位(III)に連結している酸素原子の半分を示し、又は、-OHを示し、
は、構造単位(I)、(II)、若しくは(III)のうち1つへの結合を示し、又は、末端基B(Si結合)若しくはD(O結合)を示し、
Bは、-OH、-O-Si(CH、-O-Si(CHOH、-O-Si(CHOCH基を示し、
Dは、-H、-Si(CH、-Si(CHOH、-Si(CHOCH基を示し、
a、b、及びcは、0~1000の整数を示し、ただしa+b+c>0であり、
m、n、及びoは、1~1000の整数を示す。
【0054】
この種のアミノ官能性シリコーンは、INCI名:アモジメチコン/モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマーという名称が付けられている。特に好適なアモジメチコンは、商品名Wacker Belsil(登録商標)ADM 8301Eを有する製品である。
【0055】
かかるシリコーンの例は、以下の供給元から入手可能である:
Dow Corning社によって提供されるもの:流体:2-8566、AP 6087、AP 6088、DC 8040流体、流体8822A DC、DC 8803&8813ポリマー、7-6030、AP-8104、AP 8201、エマルション:CE-8170AFマイクロエマルション、2-8177、2-8194マイクロエマルション、9224エマルション、DC1872エマルション、939、949、959、DC 5-7113Quatマイクロエマルション、DC 5-7070エマルション、DC CE-8810、CE 8401エマルションエマルション、CE 1619、Dow Corning Toray SS-3551、Dow Corning Toray SS-3552、
Wacker社によって提供されるもの:Wacker Belsil ADM652、ADM 656、1100、1600、1650(流体)ADM 6060(直鎖アモジメチコン)エマルション、ADM 6057 E(分岐状アモジメチコン)エマルション、ADM 8020 VP(マイクロエマルション)、SLM28040(マイクロエマルション)、DM5500エマルション、
Momentive社によって提供されるもの:Silsoft 331、SF1708、SME 253&254(エマルション)、SM2125(エマルション)、SM 2658(エマルション)、Silsoft Q(エマルション)
Shin-Etsu社によって提供されるもの:KF-889、KF-867S、KF-8004、X-52-2265(エマルション)、
Siltech Silicones社によって提供されるもの:Siltech E-2145、E-Siltech 2145-35、
Evonik Industries社によって提供されるもの:Abil T Quat 60th
アミノシリコーンのいくつかの非限定例としては、シリコーンクオタニウム-1、シリコーンクオタニウム-2、シリコーンクオタニウム-3、シリコーンクオタニウム-4、シリコーンクオタニウム-5、シリコーンクオタニウム-6、シリコーンクオタニウム-7、シリコーンクオタニウム-8、シリコーンクオタニウム-9、シリコーンクオタニウム-10、シリコーンクオタニウム-11、シリコーンクオタニウム-12、シリコーンクオタニウム-15、シリコーンクオタニウム-16、シリコーンクオタニウム-17、シリコーンクオタニウム-18、シリコーンクオタニウム-20、シリコーンクオタニウム-21、シリコーンクオタニウム-22、クオタニウム-80のINCI名を有する化合物、並びに、シリコーンクオタニウム-2パンテノールスクシナート及びシリコーンクオタニウム-16/グリシジルジメチコンクロスポリマーが挙げられる。
【0056】
アミノシリコーンは、ナノエマルションの形態で供給される場合があり、MEM9049、MEM8177、MEM0959、MEM8194、SME253、及びSilsoft Qが挙げられる。
【0057】
1つ以上のシリコーンとしては、ジメチコン、及び/又はジメチコノールが挙げられ得る。ジメチコノールは、以下の一般化学式によって表されるヒドロキシル末端化ジメチルシリコーンであり、
【0058】
【化7】
式中、Rは、アルキル基(好ましくは、Rはメチル又はエチルであり、より好ましくはメチルである)であり、xは、所望の分子量を達成するように選択される最大約500の整数である。市販のジメチコノールは、典型的には、ジメチコン又はシクロメチコンとの混合物として販売される(例えば、Dow Coming(登録商標)1401、1402、及び1403流体)。
【0059】
シリコーンエマルションの別の態様によれば、エマルションは、粒子径が約30nm~約10マイクロメートルの範囲である高内相粘度エマルションの供給に関与するアニオン性界面活性剤を更に含む。アニオン性界面活性剤は、有機スルホン酸から選択される。本プロセスで使用される最も一般的なスルホン酸は、アルキルアリールスルホン酸、アルキルアリールポリオキシエチレンスルホン酸、アルキルスルホン酸、及びアルキルポリオキシエチレンスルホン酸である。スルホン酸の一般式は以下に示すとおりである。
R16C6H4SO3H (I)
R16C6H4O(C2H4O)mSO3H (II)
R16SO3H (III)
R16O(C2H4O)mSO3H (IV)
【0060】
式中、R16は異なってもよく、少なくとも6個の炭素原子を有する一価炭化水素基である。R16の非限定例としては、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、セチル、ステアリル、ミリスチル、及びオレイルが挙げられる。「m」は1~25の整数である。例示的なアニオン性界面活性剤としては、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、α-オクチルスルホン酸、α-ドデシルスルホン酸、α-セチルスルホン酸、ポリオキシエチレンオクチルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンドデシルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンセチルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンオクチルスルホン酸、ポリオキシエチレンドデシルスルホン酸、及びポリオキシエチレンセチルスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。一般的には、1~15%のアニオン性界面活性剤がエマルションプロセスに使用される。例えば、3~10%のアニオン性界面活性剤を使用して、最善の結果を得ることができる。シリコーンエマルションはアニオン性界面活性剤と共に、追加の乳化剤を更に含んでいてもよく、それにより、乳化及び重合の温度が制御されると共に、簡単でより迅速な5つの方法でエマルションの作製が促進される。10~19の親水性親油性バランス(hydrophilic lipophilic balance、HLB)値を有する非イオン性乳化剤が好適であり、それにはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、及びポリオキシアルキレンソルビタンエステルが挙げられる。10~19のHLB値を有するいくつかの有用な乳化剤としては、ポリエチレングリコールオクチルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールトリデシルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールドデシルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールセチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールソルビタンモノステアレート、及びポリエチレングリコールソルビタンモノオレエートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
非シリコーンコンディショニング剤
本明細書に記載されるヘアケア組成物のコンディショニング剤はまた、単独で、又は上記のシリコーンなどの他のコンディショニング剤と組み合わせてのいずれかで、少なくとも1つの有機コンディショニング剤を含み得る。有機コンディショニング剤の非限定例を下記で説明する。
【0062】
a.炭化水素油
ヘアケア組成物でコンディショニング剤として用いるのに好適な有機コンディショニング剤としては、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分岐鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)(これらのポリマー及びこれらの混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖炭化水素油は、約C12~約C19であってよい。分岐鎖炭化水素油(炭化水素ポリマーを含む)は、典型的には、19個超の炭素原子を含有する。
【0063】
b.ポリオレフィン
本明細書に記載されるヘアケア組成物に用いるための有機コンディショニングオイルとしては、液体ポリ-α-オレフィン及び/又は水素添加液体ポリ-α-オレフィンを含む、液体ポリオレフィンも挙げられる。本明細書に用いるためのポリオレフィンは、C~約C14の、あるいは約C~約C12のオレフィン系モノマーを重合させることによって調製される。
【0064】
c.脂肪酸エステル
本明細書に記載されるヘアケア組成物でコンディショニング剤として用いるのに好適な他の有機コンディショニング剤としては、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられる。これら脂肪酸エステルとしては、脂肪酸又はアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステルが挙げられる。本明細書における脂肪酸エステルのヒドロカルビル基は、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合等)など、他の適合性官能基を含んでいてもよく、又はそれに共有結合していてもよい。不飽和グリセリルエステルから調製される他のオリゴマー又はポリマーのエステルも、コンディショニング材料として使用することができる。
【0065】
d.フッ素化コンディショニング化合物
有機コンディショニング剤として毛髪にコンディショニング効果を送達するのに好適なフッ素化化合物としては、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロ化オレフィン、前述のシリコーン流体に類似する流体又はエラストマー形態であり得るフッ素系特殊ポリマー、及びペルフルオロ化ジメチコンが挙げられる。
【0066】
e.脂肪族アルコール
本明細書に記載されるヘアケア組成物で用いるのに好適な他の有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも約10個の炭素原子、約10~約22個の炭素原子、及びあるいは約12~約16個の炭素原子を有する脂肪族アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
f.アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体
本明細書に記載されるヘアケア組成物で使用するのに適した有機コンディショニングオイルとしては、アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体の非限定的な具体例としては、Amercholから市販されているGlucam E-10、Glucam E-20、Glucam P-10、及びGlucquat125が挙げられる。
【0068】
g.ポリエチレングリコール
コンディショニング剤として本明細書において有用な追加の化合物としては、CTFA名称がPEG-200、PEG-400、PEG-600、PEG-1000、PEG-2M、PEG-7M、PEG-14M、PEG-45Mであるもの、及びこれらの混合物などの、約2,000,000以下の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0069】
2.乳化剤
種々のアニオン性及び非イオン性乳化剤をヘアケア組成物に用いることができる。アニオン性及び非イオン性乳化剤は、本質的にモノマー又はポリマーのいずれかであることができる。モノマーの例としては、アルキルエトキシレート、アルキルサルフェート、石鹸、及び脂肪酸エステル、並びにこれらの誘導体が実例として挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーの例としては、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、及びブロックコポリマー、並びにこれらの誘導体が実例として挙げられるが、これらに限定されない。ラノリン、レシチン及びリグニンなどの天然に産出される乳化剤、並びにこれらの誘導体も、有用な乳化剤の非限定的な例である。
【0070】
抗ふけ活性物質
シャンプー組成物は、抗ふけ剤を含有することもできる。好適な抗ふけ剤としては、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、粒子状硫黄、及びこれらの混合物を挙げることができる。かかる抗ふけ粒子は、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合する必要があり、製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なってはならない。シャンプー組成物は、抗ふけ活性物質の付着を強化するためにカチオン性ポリマーを含んでいてもよい。
【0071】
a.ピリジンチオン塩
抗ふけ剤は、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩などのピリジンチオン粒子であってよい。ピリジンチオン抗ふけ粒子の濃度は、組成物の約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、及び約0.3重量%~約2重量%の範囲であってよい。好適なピリジンチオン塩としては、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、及びジルコニウムなどの重金属から形成されるものが挙げられ、特に好適なのは1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として知られている)であり、粒子が約20μ以下、約5μ以下、約2.5μ以下の平均サイズを有する平板状粒子の形態の1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩である。ナトリウムなどの他のカチオンから形成される塩も好適であり得る。ピリジンチオン抗ふけ剤は、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に更に開示されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。ZPTを抗ふけ粒子として使用したとき、毛髪の成長又は再生が刺激若しくは調節され得るか又はその両方であるか、あるいは脱毛が低減又は阻害され得るか、あるいは毛髪がより濃く又はより豊かに見え得ると想到される。
【0072】
b.他の抗菌活性物質
ピリチオンの多価金属塩から選択される抗ふけ活性物質に加えて、シャンプー組成物は、金属ピリチオン塩活性物質に加えて、1つ以上の抗真菌又は抗菌活性物質を更に含み得る。好適な抗菌活性物質としては、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジオイル、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イクチオールペール(ichthyol pale)、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好適な抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、及びコールタールを挙げることができる。
【0073】
c.可溶性抗ふけ剤
好適な抗菌剤は、クリムバゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール、及びエルビオールなどのアゾール;ピロクトンオラミン、シクロピロックス、リロピロックス、及びMEA-ヒドロキシオクチルオキシピリジノンなどのヒドロキシピリドン;サリチル酸及び他のヒドロキシ酸などの角質溶解剤;アゾキシストロビンなどのストロビルリン、並びに1,10-フェナントロリンなどの金属キレート剤からなる群から選択される1種の材料又は混合物であってよい。アゾール抗菌剤の例としては、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリムバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾール及びイトラコナゾールなどのトリアゾール、並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。シャンプー組成物中に存在する場合、可溶性抗菌活性物質は、組成物の約0.01重量%~約5重量%、約0.5重量%~約6重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約9重量%、約0.1重量%~約1.5重量%、約0.1重量%~約2重量%、更に約0.3重量%~約2重量%の量で含まれ得る。
【0074】
d.硫化セレン
硫化セレンは、組成物の約0.1重量%~約4重量%、約0.3重量%~約2.5重量%、及び約0.5重量%~約1.5重量%の濃度で含まれるとき、抗菌組成物として使用するのに好適な粒子状抗ふけ剤である。硫化セレンは、一般に、セレン1モル及び硫黄2モルを有する化合物と考えられるが、一般式Se(式中、x+y=8)に一致する環状構造であってもよい。硫化セレンの平均粒径は、典型的には、前方レーザー光散乱装置(例えば、Malvern3600装置)によって測定したとき、15μm未満、10μm未満である。硫化セレン化合物は、例えば、米国特許第2,694,668号、同第3,152,046号、同第4,089,945号、及び同第4,885,107号に開示されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
e.硫黄
硫黄を粒子状抗菌剤/抗ふけ剤として使用してもよい。粒子状硫黄の有効濃度は、典型的には、組成物の約1重量%~約4重量%、あるいは約2重量%~約4重量%である。
【0076】
f.角質溶解剤
サリチル酸などの角質溶解剤もまた、本明細書に記載されるシャンプー組成物に含まれ得る。
【0077】
g.その他
更なる抗菌活性物質は、コバノブラッシノキ属(ティー・ツリー)、ウィンターグリーン(gaultheria procumbensの葉など)、及び炭の抽出物を含んでいてもよい。理解できるように、シャンプー組成物はまた、抗菌活性物質の組み合わせを含んでいてもよい。好適な組み合わせとしては、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールと硫黄との組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾールとの組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0078】
保湿剤
シャンプー組成物は、水分蒸発速度を低下させるために保湿剤を含んでいてもよい。好適な保湿剤としては、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー、及びこれらの混合物を挙げることができる。保湿剤は、含まれるとき、組成物の約0.1重量%~約20重量%及び約0.5重量%~約5重量%の濃度で使用することができる。
【0079】
好適な多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2-ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0080】
好適な水溶性アルコキシル化非イオンポリマーとしては、約1,000以下の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、CTFA名称がPEG-200、PEG-400、PEG-600、PEG-1000を有するもの、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0081】
他の任意成分
理解され得るように、シャンプー組成物はなお更なる任意成分を含んでいてもよい。例えば、アミノ酸を含むことができる。好適なアミノ酸としては、例えば、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体などの水溶性ビタミン、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びこれらの塩などの水溶性アミノ酸、ビタミンA、D、E及びこれらの誘導体などの水不溶性ビタミン、チロシン、トリプタミン及びこれらの塩などの水不溶性アミノ酸を挙げることができる。
【0082】
シャンプー組成物は、C.I.名を有するものなど水溶性成分を含む、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン(phthalocianine)、植物の色、天然の色などの顔料材料を含み得る。また、組成物は、ピロクトンオラミンなどの水溶性成分、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(トリクロサン)などの水不溶性成分、トリクロカルバン、及びジンクピリチオンを含む、化粧品用の殺生物剤及び抗ふけ剤として有用である抗菌剤を含んでいてもよい。
【0083】
1つ以上の安定剤及び防腐剤を含み得る。例えば、シャンプー組成物の寿命を改善するために、トリヒドロキシステアリン、エチレングリコールジステアレート、クエン酸、クエン酸ナトリウム二水和物、防腐剤、例えば、カトン、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、及びエチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)のうちの1つ以上を含んでいてもよい。
【0084】
また、金属を捕捉し、紫外線に曝露することによって引き起こされる毛髪のダメージを低減するために、キレート剤が含まれていてもよい。好適なキレート剤の例としては、ヒスチジン及びN,N’エチレンジアミンニコハク酸(「EDDS」)を挙げることができる。
【0085】
使用方法
本明細書に記載されるシャンプー組成物は、毛髪又は皮膚をクレンジング及びコンディショニングするために従来の方法で使用することができる。一般に、毛髪又は皮膚の処理方法は、シャンプー組成物を毛髪又は皮膚に塗布することを含み得る。例えば、水で濡らした毛髪又は皮膚に有効量のシャンプー組成物を塗布してよく、次いで、組成物をすすぎ落としてよい。有効量は、一般に約1g~約50g、約1g~約20gの範囲である。毛髪に対する塗布は、通常、毛髪のほとんど又は全てが組成物と接触するように毛髪を通って組成物を動かすことを含む。
【0086】
毛髪又は皮膚を処理する方法は、(a)毛髪又は皮膚を水で濡らす工程と、(b)毛髪又は皮膚に有効量のシャンプー組成物を塗布する工程と、(c)皮膚又は毛髪に塗布された箇所を水で洗い流す工程と、を含み得る。所望の洗浄及びコンディショニング効果を達成するために、所望に応じて何回でもこれらの工程を繰り返すことができる。
【0087】
ダメージを受けた毛髪を処理するために、本明細書に記載されるシャンプー組成物を使用してよい。ダメージを受けた毛髪としては、パーマをかけた毛髪、酸化的に染色された毛髪、及び機械的に損傷した毛髪を挙げることができる。
【0088】
シャンプー組成物は、添加された噴射剤と共に加圧容器に入れられた液体、固体、半固体、フレーク、ジェルとして使用することができ、又はポンプ式スプレーの形態で使用することができる。製品の粘度は、望ましい形態に対応するように選択することができる。
【0089】
試験方法
A.コーン/プレート粘度測定:
実施例の粘度を、Brookfield Engineering Laboratories(Stoughton,MA)製のCone/Plate Controlled Stress Brookfield Rheometer R/S Plusで測定した。使用したコーン(Spindle C-75-1)は、75mmの直径及び1°の角度を有する。粘度は、一定の剪断速度2s-1及び温度26.5℃で定常状態の流動実験を使用して判定する。サンプル寸法は2.5mLであり、全測定読み取り時間は3分である。
【0090】
B.pH法
まず、Mettler Toledo SevenコンパクトpHメータを較正する。これは、pHメータをオンにし、30秒間待機することによって行う。次いで、電極を保存溶液から取り出し、電極を蒸留水ですすぎ、Kimwipe(登録商標)などの科学用洗浄ワイプで電極を慎重に拭き取る。電極をpH4のバッファに浸漬し、較正ボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、2回目の較正ボタンを押す。電極を蒸留水ですすぎ、電極を科学用洗浄ワイプで慎重に拭き取る。次いで、電極をpH7のバッファに浸漬し、2回目の較正ボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、3回目の較正ボタンを押す。電極を蒸留水ですすぎ、電極を科学用洗浄ワイプで慎重に拭き取る。次いで、電極をpH10のバッファに浸漬し、3回目の較正ボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、測定ボタンを押す。電極を蒸留水ですすぎ、科学用洗浄ワイプで慎重に拭き取る。
【0091】
電極を試験サンプルに浸漬し、読み取りボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、値を記録する。
【0092】
C.外観方法
バッチ終了後、まずバッチを保存容器に移す。2つ目は、ガラスバイアルのバッチをサンプリングする。3つ目は、サンプルを目視検査する。背景がはっきり見える場合は、その外観を透明と記録する。背景が見えても歪んでいたり、かすんでいたりする場合は、半透明として記録する。背景が見えない場合は、不透明として記録する。
【0093】
D.相安定法
バッチ終了後、まずバッチを保存容器に移す。2つ目は、ガラスバイアルのバッチをサンプリングする。3つ目は、サンプルを目視検査する。サンプルが均質な場合は、1相として記録する。サンプルに2つ以上の異なる相がある場合、存在する相の数を含めて相分離したものとして記録する。異なる相は、視覚的に異なる(かすんでいる、色、テクスチャの変化)。これらの異なる相は、底に沈むか、上にあるか、又は浮遊している。
【0094】
E.ヘアピース(hair switch)の評価
この方法は、ヘアピースで最終製品を評価する方法を説明する。まず、髪を15秒間濡らす。次に、シャンプーをヘアピースに、髪1グラムあたりシャンプー0.1グラムで塗布する。次に、洗髪中のシャンプーの性能について、様々な属性を評価する。ヘアピースを30秒間上下に動かす。この30秒間に、以下のような評価が行われる。
1.)泡立ち速度-泡立ちの速さの評価(スケール:0=遅い~10=速い)
2.)泡立ち量-泡立ちの発生量の視覚的評価(スケール:0=低~10=高)
【0095】
次に、スイッチに水を流し、すすぎを開始する。30秒間すすぐ。すすぎ中は、すすぎ感触/すすぎ抵抗回数(Rinse Feel/Rinse Count Drag)を評価する。濡らし始めたらすぐに、利き手ではない方の手で、親指と2本の指で髪を上から下へ、中程度の力で往復動作を行う。ヘアピースの中央部分に抵抗/跳ねが2回連続して一貫して感じられるまで、往復動作数を数える。この往復動作数がすすぎ抵抗回数として記録される。1秒間に1往復動作の割合で、合計20往復動作まで行う必要がある(スケール:1=すすぎが速い/清潔感~20=すすぎが遅い/不潔感)。
【0096】
30秒のすすぎの後、利き手ではない方の手で親指と2本の指で髪を上から下へ中程度の力で往復動作を行い、付着した水分を落とす。ヘアピースの往復動作を繰り返し、髪の清潔感を評価する。これは、すすぎ後-清潔感(スケール:0=低/不潔~10=高/清潔)として記録される。
【0097】
F.パフ泡立ち法
まず、水を入れて、所望の温度37.5~38℃に到達させる。次に、パフを毛羽状にし、水で濡らす。パフの上から円を描くようにシャンプーを塗布する。その後、ビーカーの上に泡立てた製品でパフを移動させる。次に、パフを半回転前方向に10回絞り出す。絞り出しと半回転を逆方向に10回繰り返す。最後にパフを絞り出して、残った泡を全て出す。ビーカー内に発生した泡立ち量を測定する。
【0098】
G.シリンダー泡立て法-泡立ち量
1,000mlメスシリンダーに水100mlを入れる。その後、シャンプー0.5gを加える。メスシリンダーは回転装置上にある。18秒間に約10回転の速度でシリンダーを完全に25回転させて泡を作り、水平で垂直な位置で停止させる。排水に15秒かかるようにタイマーが設定されている。15秒後、泡立ちの高さを10ml単位で記録し、泡立ち量を測定する(泡が浮いている上に底に溜まった水も含まれる)。
【0099】
H.Kruss泡立て法
泡立ちの評価には、KRUSS動的泡分析器が使用されている。シャンプーと水を装置に入れ、1(シャンプー):9(水)に希釈する。チャンバを通過する空気が泡を発生させる。泡立ち速度、泡立ち量、気泡サイズを記録する。
【0100】
非限定的な実施例
次の実施例に示されたシャンプー組成物は、本明細書に記載のシャンプー組成物の具体的な実施形態を説明するものであるが、これらに限定することを意図するものではない。当業者によって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の修正を行うことができる。シャンプー組成物のこれら例示された実施形態は、刺激の強いサルフェートベースの界面活性剤を使用することなく、好適なクレンジング効果を毛髪に提供する。
【0101】
次の実施例に示されたシャンプー組成物は、従来の配合及び混合方法により調製され、その実施例は以下に記載される。別途記載のない限り、例示される量は全て重量パーセントで列記され、希釈剤、防腐剤、着色剤溶液、画像成分、植物などの微量物質は除外する。特に規定のない限り、全ての%は重量に基づく。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
表1~表2の実施例の供給元
1.デシルグルコシド、BASF(登録商標)から入手可能なPlantacare2000
2.デシルグルコシド、BASF(登録商標)から入手可能なPlantaren2000
3.ココグルコシド、BASF(登録商標)から入手可能なPlantacare818
4.Camellia Sinensis、Sensient(登録商標)から入手可能なNatpure Xtra Green Tea OP30
5.安息香酸ナトリウム、Kalama(登録商標)から入手可能
6.クエン酸、Archer Daniels Midland(登録商標)から入手可能
7.キサンタンガム、CP Kelco(登録商標)から入手可能なKeltrol LAX-T
8.スクレロチウムガム、Alban Muller(登録商標)から入手可能なAmigum ER
9.ポリクオタニウム7、Lubrizol(登録商標)から入手可能なMerquat
【0105】
【表3】
【0106】
実施例及び比較例のデータから分かるように、比較例#3~4は、ココグルコシドを含む。これらは粘度目標を達成することはできるが、消費者に望まれる泡立ち特性は得られない。消費者は、シャンプーの泡立ちの速度が速いことを望んでおり、泡立ち速度属性は5を超えていることが好ましい。シャンプーの泡立ち量も消費者を満足させるために重要であり、ヘアピース評価の泡立ち量は6超、パフ泡立ち生成は1300ml超が消費者にとって好まれている。また、すすぎ属性も消費者の満足感に影響を与える。すすぎ時の感触、すすぎ時間、及びすすぎ後の感触は、消費者に洗浄効果を知らせるものである。消費者は、すすぎ感触-すすぎ抵抗回数4超、及びすすぎ後の清潔感8.5超を好んだ。
【0107】
ヘアケア製剤分野の当業者の技術範囲内での本開示の他の修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されよう。本明細書における全ての部、百分率(%)、及び比は、別途指定されない限り、重量基準である。いくつかの構成成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。記載した濃度は、特に規定のない限り、活性物質の重量パーセントを表す。また、香料及び/又は防腐剤の濃度は、以下の実施例に含まれてもよい。
【0108】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0109】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【国際調査報告】