(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】デシルグルコシド及びカチオン性グアーを含むシャンプー組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/02 20060101AFI20230606BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20230606BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20230606BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20230606BHJP
A61K 8/42 20060101ALI20230606BHJP
A61K 8/40 20060101ALI20230606BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
A61K8/02
A61Q5/02
A61K8/60
A61K8/46
A61K8/42
A61K8/40
A61K8/73
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567742
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 US2021031890
(87)【国際公開番号】W WO2021231509
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローレン エリザベス バルハウス
(72)【発明者】
【氏名】ジーン ジエンチン ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ニコール マリー マッツェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハワード デイビッド ハットン ザ サード
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA121
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC341
4C083AC661
4C083AC691
4C083AC711
4C083AC781
4C083AC791
4C083AC851
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD391
4C083AD392
4C083BB01
4C083BB04
4C083CC38
4C083DD01
4C083DD23
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
非イオン性界面活性剤と、約800,000g/mol~約5,000,000g/molの重量平均分子量及び約0.1meg/g~約2.5meg/gの電荷密度を有するカチオン性グアーと、を含む、シャンプー組成物。シャンプーは、相安定であり、望ましい使用中の粘度を消費者にもたらしながら、依然として洗浄、水分、及び滑り感触の利益を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャンプー組成物であって、
a)約8重量%~約35重量%のデシルグルコシドと、
b)アルキル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物から選択される、1重量%未満の界面活性剤と、
c)約800,000/mol~約5,000,000g/molの重量平均分子量及び約0.1meg/g~約2.5meg/gの電荷密度を有する、約0.4重量%~約1.2重量%のカチオン性グアーと、を含み、
前記シャンプー組成物が、約300cps~8,000cpsの粘度を有する、シャンプー組成物。
【請求項2】
約8重量%~約30重量%の前記デシルグルコシドを含む、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項3】
約8重量%~約25重量%の前記デシルグルコシドを含み、好ましくは約7重量%~約20重量%の前記デシルグルコシドを含む、請求項1又は2に記載のシャンプー組成物。
【請求項4】
前記組成物が、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、カプリリルグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、ウンデシルグルコシド、ココグルコシド、ミリスチルグルコシド、ヘキサデシルグルコシド、オクタデシルグルコシド、アラキジルグルコシド、セチルグルコシド、セテアリルグルコシド、イソステアリルグルコシド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリグルコシドを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項5】
非イオン性界面活性剤が、以下の構造を有するデシルグルコシドであり、
【化1】
式中、「R」が、10個の炭素を有するアルキル又はアルケニル基であり、「m」重合度が、1である、請求項1~4のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項6】
前記カチオン性グアーが、約800,000g/mol~約3,000,000g/molの重量平均分子量を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項7】
前記カチオン性グアーが、約900,000g/mol~約3,000,000g/molの重量平均分子量を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項8】
前記カチオン性グアーが、約800,000g/mol~約2,500,000g/molの重量平均分子量を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項9】
前記カチオングアーが、約900,000g/mol~約2,500,000g/molの重量平均分子量を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項10】
前記電荷密度が、約0.3meq/g~約1.9meg/gである、請求項1~9のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項11】
前記電荷密度が、約0.4meq/g~約1.8meg/gであり、好ましくは、前記電荷密度が、約0.5meq/g~約1.7meg/gであり、更により好ましくは、前記電荷密度が、約0.7meq/g~約1.25meg/gである、請求項1~10のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項12】
前記組成物が、茶抽出物、ブドウ種子抽出物、サフラワー油、ホホバ油、アルガン油、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項13】
前記カチオン性グアーが、グアーヒドロキシルプロピルトリモニウムクロリドである、請求項1~12のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項14】
前記組成物が、アゾール、クリムバゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール、エルビオール、ヒドロキシピリドン、ピロクトンオラミン、シクロピロックス、リロピロックス、MEA-ヒドロキシオクチルオキシピリジノン、角質溶解剤、サリチル酸、ヒドロキシ酸、ストロビルリン、アゾキシストロビン、金属キレート剤、1,10-フェナントロリン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される抗菌剤を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、消費者のコンディショニング利益を増加させるために高分子量カチオン性グアーポリマーを含んで洗浄及びコンディショニングする、イオン性界面活性剤を含まないマイルドなシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの毛髪は、周囲の環境との接触及び頭皮によって分泌される皮脂が原因で汚れる。汚れた毛髪は、不潔な感触を有し、魅力のない外観を呈する。汚れた毛髪にシャンプー組成物を塗布し、洗浄することによって、毛髪から油及び他の汚れを除去することにより毛髪に清潔で魅力的な外観を回復させることができる。既知のシャンプー組成物は、典型的には、アニオン性界面活性剤を含めることによって毛髪から油及び汚れを除去する。しかしながら、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウレス硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を含むシャンプーは、毛髪の感触の質の低さに加えて、洗浄後の毛髪及び皮膚の乾燥などの多数の望ましくない特徴を呈し得る。また、アニオン性界面活性剤を含むシャンプーは、この刺激の強さの結果として消費者の許容性の低さに直面する。カチオン性ポリマーは、アニオン性界面活性剤洗浄組成物に一般的に使用され、毛髪に保湿を提供し、濡らしたときの毛髪のもつれを解く。非イオン性界面活性剤は、皮膚に対するマイルド性について知られているが、荷電ポリマーと組み合わせて使用することが困難であることも知られている。追加的に、非イオン性界面活性剤系は、典型的には薄く(低粘度)、通常、毛髪に塗布する前に溶液が消費者の手から滴下するのを防止するためには、粘度を増加させるための増粘ポリマーを必要とする。非イオン性界面活性剤系のための一般的に使用される増粘ポリマーとしては、グアーガムなどの非イオン性ポリマーが挙げられる。しかしながら、これらの非イオン性ポリマーは、コンディショニングなどの所望の毛髪の利益を消費者に提供しない。アニオン性界面活性剤を使用せずに洗浄し、また、所望の毛髪の利益をもたらしながら、良好な使用中の物理的特性も有する、シャンプー組成物を有することが望ましい。驚くべきことに、非イオン性界面活性剤と、約800,000g/mol~約5,000,000g/molの重量平均分子量及び約0.1meg/g~約2.5meg/gの電荷密度を有するカチオン性グアーと、を含むシャンプー組成物が、相安定であり、所望の使用中の粘度並びに洗浄、水分、及び滑り感触の毛髪の利益(コンディショニング利益)を消費者にもたらすことが見出された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
シャンプー組成物であって、約8%~約35%のデシルグルコシドと、アルキル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物から選択される、1%未満の界面活性剤と、約800,000/mol~約5,000,000g/molの重量平均分子量及び約0.1meg/g~約2.5meg/gの電荷密度を有する、約0.4%~約1.2%のカチオン性グアーポリマーと、を含み、シャンプー組成物が、約300cps~8,000cpsの粘度を有する、シャンプー組成物。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書は、本発明を具体的に示しかつ明確に主張する特許請求の範囲で完結するが、本開示は以下の説明によってより深く理解されると考えられる。
【0005】
定義
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、別途特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。別途特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。全ての範囲は、端点を含み、組み合わせ可能である。有効桁数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。別途特に指示のない限り、全ての数量は、単語「約」によって修飾されるものと理解される。別途指示のない限り、測定は全て、約25℃で周囲条件において行われるものと理解され、「周囲条件」とは、約1気圧及び相対湿度約50%の条件を意味する。列挙された原料に関連する重量は、全て、活性レベルに基づいており、別途規定のない限り、市販の材料に含まれ得る担体又は副生成物を含まない。
【0006】
本明細書で使用するとき、「分子量(molecular weight又はMolecular weight)」は、別途記載のない限り、重量平均分子量を指す。分子量は、業界標準法であるゲル浸透クロマトグラフィ(gel permeation chromatography、「GPC」)を使用して測定される。
【0007】
本明細書で使用するとき、「電荷密度」という用語は、ポリマーにおける正電荷数と当該ポリマーの分子量との比率を指す。
【0008】
本明細書で使用するとき、「含む(comprising)」という用語は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の原料を追加することができることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。本開示の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載の本発明の要素及び限定、並びに本明細書に記載の追加の若しくは任意選択の原料、成分、工程、又は限定のいずれかを含み、これらからなり、及びこれらから本質的になり得る。
【0009】
本明細書で使用するとき、「ポリマー」という用語は、1種類のモノマーの重合によって作製されるか、又は2種類(すなわち、コポリマー)以上のモノマーによって作製されるかにかかわらない材料を含む。
【0010】
本明細書で使用するとき、「ヒトの毛髪への塗布に好適」という用語は、パーソナルケア組成物又はその成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴わず、ヒトの毛髪並びに頭皮及び皮膚と接触して使用するのに許容可能であることを意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、「水溶性」という用語は、材料が水に可溶性であることを意味する。材料は、0.1重量%の水溶媒、1重量%の水溶媒、5重量%の水溶媒、及び15重量%以上の水溶媒の濃度で、25℃において可溶性であり得る。
【0012】
「硫酸塩を含まない」及び「硫酸塩を実質的に含まない」という用語は、偶発的に微量成分として組み込まれたときを除いて、硫酸塩含有化合物を本質的に含まないことを意味する。
【0013】
「硫酸化界面活性剤」という用語は、硫酸基を含有する界面活性剤を意味する。「硫酸化界面活性剤を実質的に含まない」という用語は、偶発的に微量成分として組み込まれたときを除いて、硫酸基を含有する界面活性剤を本質的に含まないことを意味する。
【0014】
シャンプー組成物
本明細書に記載のシャンプー組成物は、所望の水分コンディショニング感触を消費者に提供し、シャンプー組成物は安定であり、良好な使用中の体験をもたらす粘度を有する。シャンプー組成物は、非イオン性界面活性剤、例えば、約8重量%~約35重量%の非イオン性界面活性剤のデシルグルコシドと、約800,000g/mol~約5,000,000g/molの重量平均分子量の比較的高いMWを有し、かつ約0.1meg/g~約2.5meg/gの重量平均電荷密度のCDを有するカチオン性グアーと、を含む。この生成物は、相安定性及び良好な粘度を維持し、洗浄、水分、及び滑り感触の毛髪の利益を提供し続ける。
【0015】
追加的に、シャンプーは、アルキル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物を含む、少量のイオン性界面活性剤を含む。イオン性界面活性剤の量は、約0重量%~約1重量%、約0重量%~約0.5重量%、約0.1重量%~約0.2重量%、代替的に約0重量%~約0.3重量%である。
【0016】
シャンプー組成物は、約300cps~8,000cpsの粘度を有する。粘度はまた、約500cps~約7000cps、約500~約6000cps、約800~約4000cps、又はこれらの任意の組み合わせであり得る。
【0017】
非イオン性界面活性剤
シャンプー組成物は、約8%~約35%の非イオン性界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤は、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、カプリリルグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、ウンデシルグルコシド、ココグルコシド、ミリスチルグルコシド、ヘキサデシルグルコシド、オクタデシルグルコシド、アラキジルグルコシド、セチルグルコシド、セテアリルグルコシド、イソステアリルグルコシド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリグルコシドであり得る。非イオン性界面活性剤は、デシルグルコシドであり得る。シャンプー組成物は、約8重量%~約30重量%、約8重量%~約25重量%、約7重量%~約20重量%の非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0018】
非イオン性界面活性剤は、以下の構造を有するアルキルポリグルコシドであり得、
【0019】
【化1】
式中、「R」は、8~20個の炭素を有するアルキル又はアルケニル基であり、「m」は、1~5の重合度である。代替的に、Rは、8~16個の炭素であり、代替的に、Rは、8~12個の炭素である。
【0020】
非イオン性界面活性剤は、以下の構造を有するデシルグルコシドであり得、
【0021】
【化2】
式中、「R」は、10個の炭素を有するアルキル又はアルケニル基であり、「m」重合度は、1である。
【0022】
カチオン性グアー
シャンプー組成物は、約0.4重量%~約1.2重量%、代替的に約0.8重量%~約1.0重量%、約0.4重量%~約1.0重量%、及び/若しくは約1.0重量%~約1.2重量%、又はこれらの任意の組み合わせのグアーガムを含む。これらのグアーガム誘導体の調製に使用するためのグアーガムは、典型的には、グアー植物の種子から天然に産出される材料として得られる。グアー分子自体は、単員ガラクトース単位が交互にマンノース単位上にある、一定の間隔で分岐する直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1-4)グリコシド結合によって互いに結合している。ガラクトース分岐は、α(1-6)結合によって生じる。グアーガムのカチオン性誘導体は、ポリガラクトマンナンのヒドロキシル基と反応性四級アンモニウム化合物との間の反応によって得られる。グアー構造上へのカチオン性基の置換度は、上述の必要なカチオン電荷密度を提供するのに十分である必要がある。
【0023】
カチオン性グアーポリマーは、約800,000g/mol~約5,000,000g/mol、約800,000g/mol~約3,000,000g/mol、約900,000g/mol~約3,000,000g/mol、約800,000g/mol~約2,500,000g/mol、及び/又は約900,000g/mol~約2,500,000g/molの重量平均分子量を有し得る。
【0024】
カチオン性グアーポリマーは、約0.1meq/g~約2.5meg/g、約0.2meq/g~約2.0meg/g、約0.3meq/g~約1.9meg/g、約0.4meq/g~約1.8meg/g、約0.5meq/g~約1.7meg/g、約0.5meq/g~約1.5meq/g、約0.5meq/g~約1.4meg/g、約0.6meq/g~約1.3、及び/又は約0.7meq/g~約1.25meg/gの電荷密度を有し得る。
【0025】
カチオン性グアーポリマーは、四級アンモニウム化合物から形成され得る。カチオン性グアーポリマーを形成するための四級アンモニウム化合物は、以下の一般式1に適合することができ、
【0026】
【化3】
式中、R
3、R
4、及びR
5は、メチル又はエチル基であり、R
6は、以下の一般式2のエポキシアルキル基であるか、
【0027】
【化4】
又は、R
6は、以下の一般式3のハロヒドリン基であり、
【0028】
【化5】
式中、R
7は、C
1~C
3アルキレンであり、Xは、塩素又は臭素であり、Zは、Cl-、Br-、I-、又はHSO
4-などのアニオンである。
【0029】
カチオン性グアーポリマーは、以下の一般式4に適合することができ、
【0030】
【化6】
式中、R
8は、グアーガムであり、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、上の定義と同様であり、Zは、ハロゲンである。カチオン性グアーポリマーは、以下の式5に適合することができる。
【0031】
【0032】
カチオン性グアーポリマーは、四級アンモニウム化合物から形成され得る。好適なカチオン性グアーポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性グアーガム誘導体が挙げられる。カチオン性グアーポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドである。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの具体例としては、Solvayから市販されているJaguar(登録商標)シリーズ、例えば、0.75meq/gの電荷密度及びg/molの重量平均分子量を有するJaguar Excel、0.68meq/gの電荷密度及び2,200,00g/molの重量平均分子量を有するJaguar C17、0.75meq/gの電荷密度及び2,200,00g/molの重量平均分子量を有するJaguar C135及びJaguar C145と、Ashlandから市販されているn-Hanceシリーズ、例えば、0.75meq/gの電荷密度及び1,650,000g/molの重量平均分子量を有するn-Hance3196及びn-Hance 3205、1.1meq/gの電荷密度及び1,600,000g/molの重量平均分子量を有するn-Hance 3215、0.68meq/gの電荷密度及び1,500,000g/molの重量平均分子量を有するn-Hance 3198、約1.0meq/gの電荷密度及び約1,600,000g/molの重量平均分子量を有するn-Hance CG17と、BASFから市販されているDehyquart Guarシリーズ、例えば、1.0meq/gの電荷密度及び2,000,000g/molの重量平均分子量を有するDehyquart Guar HP、0.8meqの電荷密度及び2,250,000g/molの重量平均分子を有するDehyquart Guar N、並びに1.0meq/gの電荷密度及び1,350,000g/molの重量平均分子量を有するDehyquart Guar TCと、が挙げられる。
【0033】
他の好適なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、約0.7meq/gの電荷密度及び約600,000g/モルの重量平均分子量を有し、Rhodiaから入手可能なHi-Care 1000と、いずれもAshlandから入手可能である、約1.1meq/gの電荷密度及び約800,000の重量平均分子量のボレート(ホウ素)を含まないグアーであるBF-13、並びに約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000の重量平均分子量のボレート(ホウ素)を含まないグアーであるBF-17と、である。
【0034】
シャンプー組成物のための液体担体
シャンプー組成物はまた、液体担体も含む。適切な量の液体担体を含めることにより、適切な粘度及びレオロジーを有するシャンプー組成物の形成を促進することができる。シャンプー組成物は、組成物の約60重量%~約95重量%の液体担体、約65重量%~約92重量%、約70重量%~約90重量%の液体担体、及び約75重量%~約90重量%の液体担体を含み得る。
【0035】
液体担体は、水であってもよく、又は水と有機溶媒との混和性混合物であってもよい。液体担体は、他の必須の又は任意選択の成分の微量原料として組成物中に別に付随的に組み込む場合を除き、最小限の有機溶媒を有するか、又は有意の濃度の有機溶媒を有さない水であり得る。好適な有機溶媒としては、低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液が挙げられ得る。有用な低級アルキルアルコールとしては、エタノール及びイソプロパノールなどの1~6個の炭素を有する一価アルコールが挙げられる。例示的な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0036】
任意選択の成分
理解され得るように、本明細書に記載のシャンプー組成物は、組成物の特性及び特徴を調整するために様々な任意選択の成分を含み得る。理解され得るように、好適な任意選択の成分は、周知であり、一般に、本明細書に記載のシャンプー組成物の必須成分と物理的かつ化学的に相溶性である任意の成分を含み得る。任意選択の成分は、その他の点では、製品安定性、審美性、又は性能を過度に損なってはならない。任意選択の成分の個々の濃度は、一般に、シャンプー組成物の約0.001重量%~約10重量%の範囲であり得る。
【0037】
シャンプー組成物中に含まれ得る好適な任意選択の成分としては、茶抽出物などの天然原料、及びブドウ種子抽出物などの天然の酸化防止剤、サフラワー油、ホホバ油、アルガン油などの天然の毛髪コンディショニングオイル、並びにこれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0038】
シャンプー組成物中に含まれ得る好適な任意選択の成分としては、共界面活性剤、付着助剤、カチオン性ポリマー、コンディショニング剤(炭化水素油、脂肪酸エステル、シリコーンを含む)、フケ防止剤、懸濁剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミンが挙げられ得る。
【0039】
シリコーンエマルション
ヘアケア組成物は、約0重量%~約10重量%、約0.1重量%~約8重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1.5重量%、及び/又は約0.1重量%~約1.2重量%の1つ以上のシリコーンポリマーを含み得る。シリコーンポリマーは、水性プレエマルションとしてヘアケア組成物に添加され得る。シリコーンプレエマルションは、1つ以上のシリコーンポリマー及び乳化系を含み得る。シリコーンプレエマルション中のシリコーンポリマー含有量は、約10重量%~約70重量%、又は約15重量%~約60重量%、又は約18重量%~約50重量%であり得る。
【0040】
シリコーンエマルションは、500nm未満、代替的に300nm未満、代替的に約200nm未満、代替的に約100nm未満の平均粒径を有し得る。シリコーンエマルションは、約5nm~約500nm、約10nm~約400nm、及び/又は約20nm~約300nmの平均粒径を有し得る。シリコーンエマルションは、ナノエマルションの形態であり得る。
【0041】
1つ以上のシリコーンの粒径は、動的光散乱法(dynamic light scattering、DLS)によって測定され得る。He-Neレーザー633nmを使用するMalvern Zetasizer Nano ZEN3600システムを、25℃での測定に使用してもよい。
【0042】
自己相関関数を、Malvern Instrumentsが提供するZetasizer Softwareを使用して分析してもよく、以下のStokes-Einstein方程式を使用して有効な流体力学的半径を判定し、
【0043】
【数1】
式中、k
Bは、ボルツマン定数であり、Tは、絶対温度であり、ηは、媒体の粘度であり、Dは、散乱種の平均拡散係数であり、Rは、粒子の流体力学的半径である。
【0044】
粒径(すなわち、流体力学的半径)は、ブラウン運動によって生じる観察されたスペックルパターンと相関させ、Stokes-Einstein方程式を解くことによって得ることができ、これは、当該技術分野において既知であるように、粒径を測定された拡散定数と関連付ける。
【0045】
各試料について、3回の測定が行われ得、Z平均値が粒径として報告され得る。
【0046】
1つ以上のシリコーンは、ナノエマルションの形態であり得る。ナノエマルションは、皮膚及び/又は毛髪への塗布に好適な任意のシリコーンを含み得る。
【0047】
1つ以上のシリコーンは、その分子構造中に、Si-OH(ジメチコノール中に存在)、一級アミン、二級アミン、三級アミン、及び四級アンモニウム塩などの極性官能基を含み得る。1つ以上のシリコーンは、アミノシリコーン、ペンダント四級アンモニウムシリコーン、末端四級アンモニウムシリコーン、アミノポリアルキレンオキシドシリコーン、四級アンモニウムポリアルキレンオキシドシリコーン、及びアミノモルホリノシリコーンからなる群から選択され得る。
【0048】
1つ以上のシリコーンは、
(a)以下の式(V)に対応する少なくとも1つのアミノシリコーンを含み得、
R’aG3-a-Si(OSiG2)n-(OSiGbR’2-b)m-O-SiG3-a-R’a (I)
式中、
Gは、水素原子、フェニル基、OH基、及びC1~C8アルキル基、例えばメチルから選択され、
aは、0~3の範囲の整数であり、一実施形態では、aは0であり、
bは、0及び1から選択され、一実施形態では、bは1であり、
m及びnは、合計(n+m)が、例えば50~150などの、例えば1~2000の範囲となり得るような数であり、nは、例えば49~149などの、例えば0~1999の範囲の数から選択され得、mは、例えば1~10などの、例えば1~2000の範囲の数から選択され得る。
R’は、式-CqH2qLの一価基であり、式中、qは、2~8の数であり、Lは、任意選択的に四級化された、以下の群から選択されるアミン基であり、
-NR’’-CH2-CH2-N’(R1)2、
-N(R’’)2、
-N+(R’’)3A-、
-N+H(R’’)2A-、
-N+H2(R’’)A-、及び
-N(R’’)-CH2-CH2-N+R’’H2A-、
式中、R’’は、水素原子、フェニル基、ベンジル基、及び、例えば、1~20個の炭素原子を含むアルキル基などの飽和一価炭化水素系基から選択され得、A-は、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物などのハロゲン化物イオンから選択される。
【0049】
1つ以上のシリコーンは、式(1)に対応するものを含み得、式中、a=0、G=メチル、m及びnは、合計(n+m)が、例えば50~150などの、例えば1~2000の範囲となり得るような数であり、nは、例えば49~149などの、0~1999の範囲の数から例えば選択され得、mは、例えば1~10などの、例えば1~2000の範囲の数から選択され得、Lは、-N(CH3)2又は-NH2、代替的に-NH2である。
【0050】
本発明の追加の当該少なくとも1つのアミノシリコーンとしては、
(b)以下の式(VII)のペンダント四級アンモニウムシリコーンが挙げられ、
【0051】
【化8】
式中、
R
5は、1~18個の炭素原子を含む一価炭化水素系基、例えばC
1~C
18アルキル基及びC
2~C
18アルケニル基、例えばメチルから選択され、
R
6は、二価炭化水素系基、例えば、二価C
1~C
18アルキレン基及び二価C
1~C
18アルキレンオキシ基、例えばC
1~C
8アルキレンオキシ基から選択され、当該R
6は、SiC結合によってSiに結合され、
Q
-は、例えば、ハロゲン化物イオン、例えば塩化物、及び有機酸塩(例えば酢酸塩)から選択され得るアニオンであり、
rは、2~20、例えば2~8の範囲の平均統計値であり、
sは、20~200、例えば20~50の範囲の平均統計値である。
【0052】
そのようなアミノシリコーンは、米国特許第4,185,087号により具体的に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
この種に含まれるシリコーンは、Union Carbide社から「Ucar Silicone ALE 56」の名称で販売されるシリコーンである。
【0054】
当該少なくとも1つのアミノシリコーンの更なる例としては、
c)以下の式(VIIb)の四級アンモニウムシリコーンが挙げられ、
【0055】
【化9】
式中、
基R
7は、同一であっても異なっていてもよく、各々が1~18個の炭素原子を含む一価炭化水素系基、例えばC
1~C
18アルキル基、例えばメチル、C
2~C
18アルケニル基、及び5又は6個の炭素原子を含む環から選択され、
R
6は、二価炭化水素系基、例えば二価C
1~C
18アルキレン基及び二価C
1~C
18アルキレンオキシ、例えばC
1~C
8、SiC結合によってSiと連結する基から選択され、
R
8は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、1~18個の炭素原子を含む一価炭化水素系基、具体的にはC
1~C
18アルキル基、C
2~C
18アルケニル基、又は基-R
6-NHCOR
7を表し、
X
-は、ハロゲン化物イオン、具体的には塩化物、又は有機酸塩(酢酸塩など)などのアニオンであり、
rは、2~200、具体的には5~100の平均統計値を表す。
【0056】
そのようなシリコーンは、例えば、欧州特許出願公開第0530974(A)号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
この種に含まれるシリコーンは、Evonik社からAbil Quat 3270、Abil Quat 3272、Abil Quat 3474、及びAbil ME 45の名称で販売されるシリコーンである。
【0058】
当該少なくとも1つのアミノシリコーンの更なる例としては、
d)四級アンモニウム及びポリアルキレンオキシドシリコーンが挙げられ、
四級窒素基は、ポリシロキサン骨格中、末端、又は両方に位置する。
【0059】
そのようなシリコーンは、国際公開第2002/010257号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
この種に含まれるシリコーンは、Momentive社からSilsoft Qの名称で販売されるシリコーンである。
【0061】
(e)以下の式(V)のモルホリノ基を有するアミノ官能性シリコーンであり、
【0062】
【化10】
式中、
Aは、-O-を介して結合される構造単位(I)、(II)、若しくは(III)、
【0063】
【化11】
又は、式(I)、(II)、若しくは(III)の構造単位を含む-O-を介して結合されるオリゴマー若しくはポリマー残基、又は、構造単位(III)に連結している酸素原子の半分を示すか、あるいは、-OHを示し、
*は、構造単位(I)、(II)、若しくは(III)のうち1つへの結合を示すか、又は、末端基B(Si結合)若しくはD(O結合)を示し、
Bは、-OH、-O-Si(CH
3)
3、-O-Si(CH
3)
2OH、-O-Si(CH
3)
2OCH
3基を示し、
Dは、-H、-Si(CH
3)
3、-Si(CH
3)
2OH、-Si(CH
3)
2OCH
3基を示し、
a、b、及びcは、0~1000の整数を示すが、但しa+b+c>0であり、
m、n、及びoは、1~1000の整数を示す。
【0064】
この種のアミノ官能性シリコーンは、INCI名称である、アモジメチコン/モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマーという名称が付けられている。具体的に好適なアモジメチコンは、商品名Wacker Belsil(登録商標)ADM 8301Eを有する製品である。
【0065】
そのようなシリコーンの例は、以下の供給元から入手可能であり、
Dow Corning社によって提供されるものである、流体:2-8566、AP 6087、AP 6088、DC 8040流体、流体8822A DC、DC 8803&8813ポリマー、7-6030、AP-8104、AP 8201、エマルション:CE-8170AFマイクロエマルション、2-8177、2-8194マイクロエマルション、9224エマルション、DC1872エマルション、939、949、959、DC 5-7113Quatマイクロエマルション、DC 5-7070エマルション、DC CE-8810、CE 8401エマルション、CE 1619、Dow Corning Toray SS-3551、Dow Corning Toray SS-3552、
Wacker社によって提供されるものである、Wacker Belsil ADM652、ADM 656、1100、1600、1650(流体)ADM 6060(直鎖状アモジメチコン)エマルション、ADM 6057 E(分岐状アモジメチコン)エマルション、ADM 8020 VP(マイクロエマルション)、SLM28040(マイクロエマルション)、DM5500エマルション、
Momentive社によって提供されるものである、Silsoft 331、SF1708、SME 253&254(エマルション)、SM2125(エマルション)、SM 2658(エマルション)、Silsoft Q(エマルション)
Shin-Etsu社によって提供されるものである、KF-889、KF-867S、KF-8004、X-52-2265(エマルション)、
Siltech Silicones社によって提供されるものである、Siltech E-2145、E-Siltech 2145-35、
Evonik Industries社によって提供されるものである、Abil T Quat 60th
【0066】
アミノシリコーンのいくつかの非限定的な例としては、シリコーンクオタニウム-1、シリコーンクオタニウム-2、シリコーンクオタニウム-3、シリコーンクオタニウム-4、シリコーンクオタニウム-5、シリコーンクオタニウム-6、シリコーンクオタニウム-7、シリコーンクオタニウム-8、シリコーンクオタニウム-9、シリコーンクオタニウム-10、シリコーンクオタニウム-11、シリコーンクオタニウム-12、シリコーンクオタニウム-15、シリコーンクオタニウム-16、シリコーンクオタニウム-17、シリコーンクオタニウム-18、シリコーンクオタニウム-20、シリコーンクオタニウム-21、シリコーンクオタニウム-22、クオタニウム-80のINCI名称を有する化合物、並びに、シリコーンクオタニウム-2パンテノールスクシナート及びシリコーンクオタニウム-16/グリシジルジメチコンクロスポリマーが挙げられる。
【0067】
アミノシリコーンは、ナノエマルションの形態で供給され得、MEM9049、MEM8177、MEM0959、MEM8194、SME253、及びSilsoft Qが挙げられる。
【0068】
1つ以上のシリコーンとしては、ジメチコン、及び/又はジメチコノールが挙げられ得る。ジメチコノールは、以下の一般化学式によって表されるヒドロキシル末端化ジメチルシリコーンであり、
【0069】
【化12】
式中、Rは、アルキル基(好ましくは、Rはメチル又はエチルであり、より好ましくはメチルである)であり、xは、所望の分子量を達成するように選択される最大約500の整数である。市販のジメチコノールは、典型的には、ジメチコン又はシクロメチコンとの混合物として販売される(例えば、Dow Coming(登録商標)1401、1402、及び1403流体)。
【0070】
シリコーンエマルションの別の態様によれば、エマルションは、粒子径が約30nm~約10ミクロンの範囲である高内相粘度エマルションの提供に関与するアニオン性界面活性剤を更に含む。アニオン性界面活性剤は、有機スルホン酸から選択される。本プロセスで使用される最も一般的なスルホン酸は、アルキルアリールスルホン酸、アルキルアリールポリオキシエチレンスルホン酸、アルキルスルホン酸、及びアルキルポリオキシエチレンスルホン酸である。スルホン酸の一般式は、以下に示すとおりである。
R16C6H4SO3H(I)
R16C6H4O(C2H4O)mSO3H(II)
R16SO3H(III)
R16O(C2H4O)mSO3H(IV)
式中、R16は異なってもよく、少なくとも6個の炭素原子を有する一価炭化水素ラジカルである。R16の非限定的な例としては、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、セチル、ステアリル、ミリスチル、及びオレイルが挙げられる。「m」は、1~25の整数である。例示的なアニオン性界面活性剤としては、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、α-オクチルスルホン酸、α-ドデシルスルホン酸、α-セチルスルホン酸、ポリオキシエチレンオクチルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンドデシルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンセチルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンオクチルスルホン酸、ポリオキシエチレンドデシルスルホン酸、及びポリオキシエチレンセチルスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、1~15%のアニオン性界面活性剤がエマルションプロセスに使用される。例えば、3~10%のアニオン性界面活性剤を使用して、最善の結果を得ることができる。シリコーンエマルションは、アニオン性界面活性剤とともに、追加の乳化剤を更に含んでもよく、それにより、乳化及び重合の温度が制御されるとともに、簡単でより迅速な5つの方式でエマルションの作製が促進される。10~19の親水性親油性バランス(hydrophilic lipophilic balance、HLB)値を有する非イオン性乳化剤が好適であり、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、及びポリオキシアルキレンソルビタンエステルが挙げられる。10~19のHLB値を有するいくつかの有用な乳化剤としては、ポリエチレングリコールオクチルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールトリデシルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールドデシルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールセチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールソルビタンモノステアレート、及びポリエチレングリコールソルビタンモノオレエートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
非シリコーンコンディショニング剤
本明細書に記載のヘアケア組成物のコンディショニング剤はまた、単独で、又は上述のシリコーンなどの他のコンディショニング剤と組み合わせるかのいずれかで、少なくとも1つの有機コンディショニング剤を含み得る。有機コンディショニング剤の非限定的な例について以下に説明する。
【0072】
a.炭化水素油
ヘアケア組成物でコンディショニング剤として使用するために好適な有機コンディショニング剤としては、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖状脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分岐鎖状脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)(これらのポリマー及びこれらの混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖状炭化水素油は、約C12~約C19であり得る。炭化水素ポリマーを含む分岐鎖状炭化水素油は、典型的には、19個超の炭素原子を含有する。
【0073】
b.ポリオレフィン
本明細書に記載のヘアケア組成物で使用するための有機コンディショニングオイルとしては、液体ポリ-α-オレフィン及び/又は水素化液体ポリ-α-オレフィンを含む、液体ポリオレフィンも挙げられる。本明細書で使用するためのポリオレフィンは、C4~約C14、代替的に約C6~約C12のオレフィン系モノマーを重合させることによって調製される。
【0074】
c.脂肪酸エステル
本明細書に記載のヘアケア組成物でコンディショニング剤として使用するために好適な他の有機コンディショニング剤としては、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられる。これら脂肪酸エステルとしては、脂肪酸又はアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステルが挙げられる。本明細書における脂肪酸エステルのヒドロカルビルラジカルは、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合など)など、他の相溶性官能基を含み得るか、又はそれに共有結合し得る。不飽和グリセリルエステルから調製される他のオリゴマー又はポリマーのエステルも、コンディショニング材料として使用することができる。
【0075】
d.フッ素化コンディショニング化合物
有機コンディショニング剤として毛髪にコンディショニングをもたらすために好適なフッ素化化合物としては、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロ化オレフィン、前述のシリコーン流体に類似する流体又はエラストマー形態であり得るフッ素系特殊ポリマー、及びペルフルオロ化ジメチコンが挙げられる。
【0076】
e.脂肪族アルコール
本明細書に記載のヘアケア組成物で使用するために好適な他の有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも約10個の炭素原子、約10~約22個の炭素原子、及び代替的に約12~約16個の炭素原子を有する脂肪族アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0077】
f.アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体
本明細書に記載のヘアケア組成物で使用するのに好適な有機コンディショニングオイルとしては、アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体の非限定的な具体例としては、Amercholから市販されているGlucam E-10、Glucam E-20、Glucam P-10、及びGlucquat 125が挙げられる。
【0078】
g.ポリエチレングリコール
コンディショニング剤として本明細書において有用な追加の化合物としては、CTFA名称がPEG-200、PEG-400、PEG-600、PEG-1000、PEG-2M、PEG-7M、PEG-14M、PEG-45Mであるもの、及びこれらの混合物などの、最大約2,000,000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0079】
2.乳化剤
様々なアニオン性及び非イオン性乳化剤をヘアケア組成物に使用することができる。アニオン性及び非イオン性乳化剤は、本質的にモノマー又はポリマーのいずれかであり得る。モノマーの例としては、アルキルエトキシレート、アルキルサルフェート、石鹸、及び脂肪酸エステル、並びにそれらの誘導体が実例として挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーの例としては、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、及びブロックコポリマー、並びにそれらの誘導体が実例として挙げられるが、これらに限定されない。ラノリン、レシチン、及びリグニンなどの天然に産出される乳化剤、並びにそれらの誘導体も、有用な乳化剤の非限定的な例である。
【0080】
フケ防止活性物質
シャンプー組成物はまた、フケ防止剤も含有し得る。好適なフケ防止剤としては、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、微粒子状硫黄、及びこれらの混合物が挙げられ得る。そのようなフケ防止微粒子は、組成物の必須成分と物理的かつ化学的に相溶性である必要があり、製品安定性、審美性、又は性能を過度に損なってはならない。シャンプー組成物は、フケ防止活性物質の付着を強化するためにカチオン性ポリマーを含み得る。
【0081】
a.ピリジンチオン塩
フケ防止剤は、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩などのピリジンチオン微粒子であり得る。ピリジンチオンフケ防止微粒子の濃度は、組成物の約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3重量%、及び約0.3重量%~約2重量%の範囲であり得る。好適なピリジンチオン塩としては、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、及びジルコニウムなどの重金属から形成されるものが挙げられ、具体的には、血小板粒子形態である1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン(「亜鉛ピリジンチオン」又は「ZPT」として知られる)、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩の亜鉛塩が好適であり、その粒子は、最大約20μ、最大約5μ最大約2.5μの平均サイズを有する。ナトリウムなどの他のカチオンから形成される塩も好適であり得る。ピリジンチオンフケ防止剤は、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に更に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。ZPTをフケ防止微粒子として使用したとき、毛髪の成長又は再成長が、刺激若しくは調節され得るか、又はその両方であること、あるいは脱毛が、低減又は阻止され得ること、あるいは毛髪がより濃く又はより豊かに見え得ることが想到される。
【0082】
b.他の抗菌活性物質
ピリチオンの多価金属塩から選択されるフケ防止活性物質に加えて、シャンプー組成物は、金属ピリチオン塩活性物質に加えて、1つ以上の抗真菌又は抗菌活性物質を更に含み得る。好適な抗菌活性物質としては、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジオイル、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィンなど)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキチオール、イクチオールペール、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(iodopropynyl butylcarbamate、IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好適な抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、及びコールタールが挙げられる。
【0083】
c.可溶性フケ防止剤
好適な抗菌剤は、クリムバゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール、及びエルビオールなどのアゾール;ピロクトンオラミン、シクロピロックス、リロピロックス、及びMEA-ヒドロキシオクチルオキシピリジノンなどのヒドロキシピリドン;サリチル酸及び他のヒドロキシ酸などの角質溶解剤;アゾキシストロビンなどのストロビルリン、並びに1,10-フェナントロリンなどの金属キレート剤からなる群から選択される1つの材料又は混合物であり得る。アゾール抗菌剤の例としては、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリムバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾールなどのトリアゾール、及びイトラコナゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられ得る。シャンプー組成物中に存在する場合、可溶性抗菌活性物質は、組成物の約0.01重量%~約5重量%、約0.5重量%~約6重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約9重量%、約0.1重量%~約1.5重量%、約0.1重量%~約2重量%、及び更に約0.3重量%~約2重量%の量で含まれ得る。
【0084】
d.硫化セレン
硫化セレンは、組成物の約0.1重量%~約4重量%、約0.3重量%~約2.5重量%、及び約0.5重量%~約1.5重量%の濃度で含まれる場合に、抗菌組成物として使用するために好適な微粒子状フケ防止剤である。硫化セレンは、一般に、セレン1モル及び硫黄2モルを有する化合物と考えられるが、一般式SexSy(式中、x+y=8)に適合する環状構造であってもよい。硫化セレンの平均粒径は、典型的には、前方レーザー光散乱デバイス(例えば、Malvern 3600機器)によって測定した場合に、15μm未満、10μm未満である。硫化セレン化合物は、例えば、米国特許第2,694,668号、同第3,152,046号、同第4,089,945、及び同第4,885,107に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
e.硫黄
硫黄は、微粒子状抗菌剤/フケ防止剤としても使用され得る。微粒子状硫黄の有効濃度は、典型的には、組成物の約1重量%~約4重量%、代替的に約2重量%~約4重量%である。
【0086】
f.角質溶解剤
サリチル酸などの角質溶解剤もまた、本明細書に記載のシャンプー組成物に含まれ得る。
【0087】
g.その他
追加の抗菌活性物質としては、メラレウカ(ティーツリー)、ウィンターグリーン(チェッカーベリーリーフなど)、及び炭の抽出物が挙げられ得る。理解され得るように、シャンプー組成物はまた、抗菌活性物質の組み合わせも含み得る。好適な組み合わせとしては、オクトピロックスと亜鉛ピリチオンとの組み合わせ、パインタールと硫黄との組み合わせ、サリチル酸と亜鉛ピリチオンとの組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾールとの組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、並びにこれらの混合物が挙げられ得る。
【0088】
保湿剤
シャンプー組成物はまた、水分蒸発速度を低下させるために保湿剤も含み得る。好適な保湿剤としては、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー、及びこれらの混合物が挙げられ得る。保湿剤は、含まれるとき、組成物の約0.1重量%~約20重量%及び約0.5重量%~約5重量%のレベルで使用することができる。
【0089】
好適な多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2-ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びこれらの混合物が挙げられ得る。
【0090】
好適な水溶性アルコキシル化非イオンポリマーとしては、CTFA名称がPEG-200、PEG-400、PEG-600、PEG-1000であるものなどの、最大約1000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、並びにこれらの混合物が挙げられ得る。
【0091】
他の任意選択の成分
理解され得るように、シャンプー組成物はまた更なる任意選択の成分を含み得る。例えば、アミノ酸が含まれ得る。好適なアミノ酸としては、例えば、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体などの水溶性ビタミン、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びそれらの塩などの水溶性アミノ酸、ビタミンA、D、E及びそれらの誘導体などの水不溶性ビタミン、チロシン、トリプタミン及びそれらの塩などの水不溶性アミノ酸が挙げられ得る。
【0092】
シャンプー組成物は、CI.名称を有するものなど水溶性成分を含む、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物の色、天然の色などの顔料材料を含み得る。組成物はまた、ピロクトンオラミンなどの水溶性成分、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(トリクロサン)、トリクロカルバン、及び亜鉛ピリチオンなどの水不溶性成分を含む、化粧品用の殺生物剤及び抗フケ剤として有用である抗菌剤も含み得る。
【0093】
1つ以上の安定剤及び防腐剤が含まれ得る。例えば、シャンプー組成物の寿命を改善するために、トリヒドロキシステアリン、エチレングリコールジステアレート、クエン酸、クエン酸ナトリウム二水和物、カトンなどの防腐剤、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、及びエチレンジアミン四酢酸(「ethylenediaminetetraacetic acid、EDTA」)のうちの1つ以上が含まれ得る。
【0094】
また、金属を捕捉し、紫外線に曝露することによって引き起こされる毛髪のダメージを低減するために、キレート剤が含まれ得る。好適なキレート剤の例としては、ヒスチジン及びN,N’エチレンジアミンニコハク酸(「ethylenediamine disuccinic acid、EDDS」)が挙げられ得る。
【0095】
使用方法
本明細書に記載のシャンプー組成物は、毛髪又は皮膚を洗浄及びコンディショニングするために従来の方式で使用することができる。一般に、毛髪又は皮膚を処置する方法は、シャンプー組成物を毛髪又は皮膚に塗布することを含み得る。例えば、水で濡らした毛髪又は皮膚に有効量のシャンプー組成物を塗布することができ、次いで、組成物を洗い流すことができる。有効量は、一般に、約1g~約50g、及び約1g~約20gの範囲であり得る。毛髪に対する塗布は、典型的には、毛髪の大部分又は全てが組成物と接触するように毛髪に組成物を行き渡らせることを含む。
【0096】
毛髪又は皮膚を処置するための方法は、(a)毛髪又は皮膚を水で濡らす工程と、(b)毛髪又は皮膚に有効量のシャンプー組成物を塗布する工程と、(c)塗布された皮膚又は毛髪の範囲を水ですすぐ工程と、を含み得る。所望の洗浄及びコンディショニング効果を達成するために、所望に応じて何回でもこれらの工程を繰り返すことができる。
【0097】
本明細書に記載のシャンプー組成物を使用して、ダメージを受けた毛髪を処置することができる。ダメージを受けた毛髪としては、ヘアパーマをかけた毛髪、酸化的に着色された毛髪、及び機械的にダメージを受けた毛髪が挙げられ得る。
【0098】
シャンプー組成物は、添加された噴射剤とともに加圧容器に入れられた液体、固体、半固体、フレーク、ゲルとして使用することができるか、又はポンプ式スプレーの形態で使用することができる。製品の粘度は、所望の形態に対応するように選択してもよい。
【0099】
試験方法
A.コーン/プレート粘度測定
実施例の粘度を、Brookfield Engineering Laboratories,Stoughton,MA製のCone/Plate Controlled Stress Brookfield Rheometer R/S Plusで測定した。使用したコーン(Spindle C-75-1)は、75mmの直径及び1°の角度を有する。粘度は、一定の剪断速度2s-1及び温度26.5℃で定常状態の流動実験を使用して判定する。試料サイズは2.5mlであり、全測定読み取り時間は3分である。
【0100】
B.pH方法
まず、Mettler Toledo Seven Compact pHメータを較正する。これは、pHメータをオンにし、30秒間待機することによって行う。次いで、電極を保存溶液から取り出し、電極を蒸留水ですすぎ、Kimwipe(登録商標)などの科学用洗浄ワイプで電極を慎重に拭き取る。電極をpH4のバッファに浸漬し、較正ボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、2回目の較正ボタンを押す。電極を蒸留水ですすぎ、電極を科学用洗浄ワイプで慎重に拭き取る。次いで、電極をpH7のバッファに浸漬し、2回目の較正ボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、3回目の較正ボタンを押す。電極を蒸留水ですすぎ、電極を科学用洗浄ワイプで慎重に拭き取る。次いで、電極をpH10のバッファに浸漬し、3回目の較正ボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、測定ボタンを押す。電極を蒸留水ですすぎ、科学用洗浄ワイプで慎重に拭き取る。
【0101】
電極を試験試料に浸漬し、読み取りボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、値を記録する。
【0102】
C.外観方法
バッチ完了後、最初にバッチを保存容器に移す。第二に、ガラスバイアル内にバッチをサンプリングする。第三に、試料を目視検査する。背景が明確に見られる場合、外観を透明として記録する。背景が見られるが、歪んでいるか又は濁っている場合、半透明として記録する。背景が見られない場合、不透明として記録する。
【0103】
D.相安定性方法
バッチ完了後、最初にバッチを保存容器に移す。第二に、ガラスバイアル内にバッチをサンプリングする。第三に、試料を目視検査する。試料が均質である場合、単相として記録する。試料が2つ以上の別個の相を有する場合、存在する相の数を含む相分離として記録する。別個の相は、視覚的に異なる(濁り、色、テクスチャの変化)。これらの別個の相は、底部に沈降するか、上部にあるか、又は懸濁される。
【0104】
E.ヘアスイッチ評価
この方法は、ヘアスイッチに対するシャンプー組成物の性能を評価する方法を説明する。最初に、毛髪を15秒間濡らす。第二に、シャンプーをヘアスイッチに塗布し、毛髪1グラム当たり0.1gのシャンプーである。次いで、洗浄全体を通して、ヘアスイッチに対するシャンプー性能の異なる属性を評価する。30秒間、ヘアスイッチの上下に両手を動かす。この30秒間に、以下を評価する。
1.)泡立ち速度-急速に泡立ちを発生させる方法に関する評価(スケール:0=遅い~10=速い)
2.)泡立ち量-発生する泡立ちの量に関する目視評価(スケール:0=少~10=多)
【0105】
次に、ヘアスイッチの上に水を流してすすぎを開始する。30秒間すすぐ。すすぎ中、すすぎ感触/すすぎカウントドラッグを評価する。濡れ始めたらすぐに、中程度の圧力をかけながら利き手でない方の手の親指と2本指との間でヘアスイッチの上部から底部まで往復動作を行う。2回の連続往復動作について一貫してヘアスイッチの中間部分でドラッグ/スキップが感じられるまで、往復動作数をカウントする。この往復動作数を、すすぎカウントドラッグとして記録する。往復動作は、1秒当たり1回の往復動作の割合で合計20回の往復動作まで行うべきである(スケール:1=素早いすすぎ/清潔な感触~20=遅いすすぎ/汚れた感触)。
【0106】
30秒のすすぎ往復動作後、中程度の圧力をかけながら利き手でない方の手の親指と2本指との間でヘアスイッチの上部から底部まで往復動作を行い、アクセス水を除去する。ヘアスイッチの往復動作を繰り返し、毛髪の清潔な感触を評価する。これを、すすぎ後-清潔な感触として記録する(スケール:0=低/汚い~10=高/清潔)。
【0107】
F.パフ泡立て方法
最初に、水から開始して、所望の温度37.5~38Cに到達させる。次に、パフを膨らませて水で濡らす。パフの上部に円を描くようにシャンプーを塗布する。次いで、泡立った生成物を含むパフをビーカーの上に移動させる。次に、パフを前方向に半回転して10回絞る。繰り返し、後方向に半回転して10回絞る。最後に、パフを絞って、残りの全ての泡を除去する。ビーカー内で発生した泡立ちの量を測定する。
【0108】
G.シリンダ泡立て方法-泡立ち体積
1,000mlのメスシリンダ中に100mlの水を得る。次いで、0.5gのシャンプーを添加する。メスシリンダは、回転装置上にある。シリンダを18秒当たり約10回転の速度で完全に25回転させて、泡立ちを作り出し、水平な垂直位置で停止させる。タイマーを設定して、15秒で排水させる。15秒後、泡立ち高さを10mlマーク単位で記録することによって、泡立ち体積を測定する(その上部に泡が浮いている、底部に排出された任意の水を含む)。
【0109】
H.Kruss泡立ち方法
KRUSS Dynamic Foam Analyzerを使用して、泡立ちを評価する。シャンプー及び水をデバイスに、1(シャンプー):9(水)の希釈で添加する。チャンバを通る空気は、泡立ちを発生させる。泡立ち速度、泡立ち体積、及び気泡サイズを記録する。
【0110】
非限定的な実施例
以下の実施例に示されたシャンプー組成物は、本明細書に記載のシャンプー組成物の具体的な実施形態を説明するものであるが、これらに限定することを意図するものではない。当業者によって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の修正を行うことができる。シャンプー組成物のこれらの例示された実施形態は、刺激の強い硫酸塩系界面活性剤を使用せずに、好適な洗浄利益を毛髪に提供する。
【0111】
以下の実施例に示されたシャンプー組成物は、従来の配合及び混合方法により調製され、その例は以下に記載される。別途規定のない限り、例示される量は、全て重量パーセントで列挙され、希釈剤、防腐剤、着色剤溶液、画像原料、植物などの微量材料は除外する。別途規定のない限り、全てのパーセンテージは、重量に基づく。
【0112】
【0113】
【0114】
表1~表2の実施例の供給元
1.BASF(登録商標)から入手可能なデシルグルコシド、Plantacare 2000
2.BASF(登録商標)から入手可能なデシルグルコシド、Plantaren 2000
3.Sensient(登録商標)から入手可能なカメリアシネンシス、Natpure Xtra Green Tea OP 30
4.Ashland(登録商標)から入手可能なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、N-Hance 3196
5.BASF(登録商標)から入手可能なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、Dehyquart Guar HP
6.Solvay(登録商標)から入手可能なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、Jaguar Excel
7.Kalama(登録商標)から入手可能な安息香酸ナトリウム
8.Archer Daniels Midland(登録商標)から入手可能なクエン酸
9.CP Kelco(登録商標)から入手可能なキサンタンガム、Keltrol LAX-T
10.Alban Muller(登録商標)から入手可能なスクレロチウムガム、Amigum ER
11.Solvay(登録商標)から入手可能なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、Jaguar C500
12.Solvay(登録商標)から入手可能なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、Jaguar Optima
13.Lubrizol(登録商標)から入手可能なポリクオタニウム7、Merquat
【0115】
実施例及び比較実施例のデータに見られるように、比較実施例番号1~4は、カチオン性グアーを含有しない。それらは粘度標的を満たすことができるが、所望の保湿性能プロファイルを消費者に提供しない。比較実施例5~9は、約500,000の重量平均分子量を有するカチオン性グアーを含有し、これらの比較実施例は、消費者の使用を容易にするための粘度目標を満たさない。
【0116】
ヘアケア製剤分野の当業者の技術範囲内での本開示の他の修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されよう。本明細書における全ての部、パーセンテージ、及び比率は、別途規定のない限り、重量基準である。いくつかの成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。記載したレベルは、別途規定のない限り、活性材料の重量パーセントを反映する。また、香料及び/又は防腐剤のレベルは、以下の例に含まれ得る。
【0117】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別途規定のない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0118】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(1つ又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【国際調査報告】