IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプロード メディカル, インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図1
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図2
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図3
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図4
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図5
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図6
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図7
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図8
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図9
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図10
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図11
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図12
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図13
  • 特表-リン脂質化合物および製剤 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(54)【発明の名称】リン脂質化合物および製剤
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/40 20060101AFI20230609BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20230609BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20230609BHJP
   A61K 9/50 20060101ALI20230609BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20230609BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20230609BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20230609BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230609BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20230609BHJP
   A61K 41/00 20200101ALI20230609BHJP
   A61P 13/04 20060101ALI20230609BHJP
   A61B 17/22 20060101ALI20230609BHJP
   A61M 37/00 20060101ALI20230609BHJP
【FI】
C07F9/40 E
A61K9/107
A61K9/127
A61K9/50
A61K47/24
A61K47/04
A61K47/06
A61K47/26
A61K47/32
A61K41/00
A61P13/04
A61B17/22 510
A61M37/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571732
(86)(22)【出願日】2020-01-28
(85)【翻訳文提出日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 US2020015493
(87)【国際公開番号】W WO2021154220
(87)【国際公開日】2021-08-05
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522300178
【氏名又は名称】アプロード メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】レイザー, ダニエル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ルオン, アリス
(72)【発明者】
【氏名】マヨットキ, ロバート ジー.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C160
4C267
4H050
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076AA19
4C076AA61
4C076BB11
4C076CC17
4C076DD21
4C076DD63
4C076DD67A
4C076EE16
4C084AA11
4C084MA05
4C084NA05
4C084ZA81
4C160EE03
4C160EE15
4C160EE17
4C160EE30
4C160MM53
4C267AA02
4C267BB45
4C267BB46
4C267BB47
4C267BB48
4C267CC26
4C267GG16
4H050AA01
4H050AB20
4H050AC50
4H050AD17
4H050BB12
4H050BB20
(57)【要約】
本開示は、鉱質化された金属に対して高い親和性を示すリン脂質含有化合物、医薬組成物およびマイクロスフェアを提供する。本開示はまた、腎石症または腎臓結石疾患の処置において前述の化合物、組成物およびマイクロスフェアを使用するための戦略、ならびに前述の化合物および組成物を製造および調製する方法を提供する。本開示は、疎水性、およびバイオミネラリゼーションを含む鉱質化形態(mineralized form)のカルシウムおよび他の金属に対して高い親和性を示す化合物、医薬組成物およびマイクロスフェア粒子(またはマイクロスフェアもしくは粒子)を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IVの化合物
【化41】
式IV 1
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩であって、式中、
pは10~30であり、
qは1~100であり、
Cは、
【化42】
からなる群より選択され、
Bは、共有結合およびエチル基からなる群より選択され、
Aは、共有結合、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アシルオキシ、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アミジノおよびカルボキシエステルからなる群より選択され、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、SOHおよびPOHからなる群より選択される、
化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩。
【請求項2】
pが14または16であり、
qが38~50である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式IVの化合物が、式Iの化合物
【化43】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩であって、
nは10~30であり、
mは1~100である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
nが14または16であり、
mが38~50である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
式Iの化合物が、式Iaの化合物
【化44】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩である、請求項3または4に記載の化合物。
【請求項6】
式Iの化合物が、式Ibの化合物
【化45】
である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
式IVの化合物
【化46】
またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩を含む医薬組成物であって、式中、
pは10~30であり、
qは1~100であり、
Cは、
【化47】
からなる群より選択され、
Bは、共有結合およびエチル基からなる群より選択され、
Aは、共有結合、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アシルオキシ、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アミジノ、アミドおよびカルボキシエステルからなる群より選択され、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、OH SOHおよびPOHからなる群より選択される、医薬組成物。
【請求項8】
pが14または16であり、
qが38~50である、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記組成物がさらに、
式IIの化合物
【化48】
またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩;
式IIIの化合物
【化49】
またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩
を含み、
式中、
tは10~30であり、
yは1~100であり、
zは10~30である、請求項7または8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
tが14または16であり、
zが14または16であり、
yが38~50である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
式IVの化合物が、式Iの化合物
【化50】
またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩であり、式中、
nは10~30であり、
mは1~100である、請求項7から10までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
nが14または16であり、
mが38~50である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
式Iの化合物が、式Iaの化合物
【化51】
またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
式Iaの化合物が、式Ibの化合物
【化52】
である、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記組成物がさらに、30℃未満の標準沸点を有する流体と、必要に応じて少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤とを含む、請求項7から14までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記流体が体温で気体である、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記流体が水溶液中で低い溶解度を有する、請求項15または16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記流体が、空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素(CO)、六フッ化硫黄、フッ化C1~6アルカン、またはそれらの組み合わせである、請求項15から17までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記フッ化C1~6アルカンが、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタンおよびドデカフルオロペンタンから選択される、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記組成物が、0.01~5mol%の式IVもしくは式Iの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、請求項7から19までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記組成物が、5~9.9mol%の式IIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、請求項9から20までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記組成物が、80~95mol%の式IIIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、請求項9から21までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記組成物が、5mol%以下の式IVもしくは式Iの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、請求項7から22までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記組成物が、10mol%以下の式IIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、請求項9から23までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記組成物が、95mol%以下の式IIIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、請求項9から24までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記組成物が、式IVまたは式Iの化合物のアンモニウム塩を含む、請求項7から25までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記組成物が、式IIの化合物のアンモニウム塩を含む、請求項9から26までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
式IVまたは式Iの化合物の分子量が1,500~5,000ダルトンである、請求項7から27までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
式IIの化合物の分子量が1,500~5,000ダルトンである、請求項9から28までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
式IIIの化合物の分子量が500~2,000ダルトンである、請求項9から29までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
式IVまたは式Iの化合物対式IIの化合物のモル比が1:100~1:1の範囲である、請求項7から30までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
式IIの化合物対式IIIの化合物のモル比が1:20~1:8の範囲である、請求項9から30までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項33】
式Iaの化合物が、式Ibの化合物
【化53】
であり、
式IIの化合物が、式IIbの化合物
【化54】
であり、
式IIIの化合物が、式IIIaの化合物
【化55】
であり、
前記組成物は前記流体を含み、前記流体はn-デカフルオロブタンである、請求項7から32までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項34】
式Ibの化合物の平均分子量が約3200ダルトンである、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
式IIbの化合物の平均分子量が約2800ダルトンである、請求項33または34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
式IIIaの化合物の平均分子量が約790ダルトンである、請求項33から35までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記組成物が、0.01~5mol%の式Ibの化合物を含む、請求項33から36までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記組成物が、5~9.9mol%の式IIbの化合物を含む、請求項33から37までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記組成物が、80~95mol%の式IIIaの化合物を含む、請求項33から38までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記組成物が、5mol%以下の式Ibの化合物を含む、請求項33から39までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記組成物が、10mol%以下の式IIbの化合物を含む、請求項33から40までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記組成物が、95mol%以下の式IIIaの化合物を含む、請求項33から41までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項43】
式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比が1:100~1:1の範囲である、請求項9から37までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項44】
式IIbの化合物対式IIIaの化合物のモル比が1:20~1:8の範囲である、請求項9から30までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記組成物が、水の存在下でマイクロスフェアを形成することができる、請求項7から44までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
マイクロスフェアを含む、請求項7から44までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記マイクロスフェアが、式Ibの化合物、式IIbの化合物および式IIIaの化合物を含む、請求項45から46までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記マイクロスフェアが、約0.5ミクロン~約10ミクロンの平均直径を有する、請求項45から47までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項49】
前記マイクロスフェアが、約1ミクロン~約5ミクロンの平均直径を有する、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記組成物が、賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12を含む、請求項7から49までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項51】
前記組成物が、凍結乾燥された乾燥粉末または水を含まない濃縮物として存在するマイクロスフェアを含む、請求項7から50までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項52】
マイクロスフェアを製造する方法であって、前記方法が、
(f)以下:
式Iの化合物
【化56】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩;
式IIの化合物
【化57】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩;
式IIIの化合物
【化58】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩、
必要に応じて、少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤、および

を含むマイクロスフェアを作製するための製剤を調製するステップを含み、
式中、
nは10~30であり、
mは1~100であり、
tは10~30であり、
yは1~100であり、
zが10~30であり、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、OH、SOHおよびPOHからなる群より選択される、方法。
【請求項53】
さらに、
(g)ステップ(a)の前記製剤を、容器内で30℃未満の標準沸点を有する流体と組み合わせるステップと、
(h)ステップ(b)からの前記製剤および流体を含有する前記容器を撹拌し、それによってマイクロスフェアを得るステップと
を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
さらに、
(i)ステップ(c)からのマイクロスフェア溶液を処理して、その貯蔵寿命を延ばすか、または保存のための環境条件の範囲を拡大するステップ
を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
さらに、
(j)ステップ(c)または(d)からの前記マイクロスフェアを含む前記容器に、必要に応じて真空下で栓をするステップ
を含む、請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
ステップ(a)の前記製剤がステップ(b)の前に濾過される、請求項52から55までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記処理ステップ(d)が、前記マイクロスフェア溶液を凍結乾燥するステップである、請求項54から56までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記容器が単位投薬容器である、請求項53から57までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記流体がn-デカフルオロブタンである、請求項53から58までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
蓋をされた前記容器のヘッドスペースが、n-デカフルオロブタンで充填される、請求項53から59までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアの平均直径が約0.1~1000μmである、請求項53から60までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアの平均直径が約0.1~100μmである、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアの平均直径が約0.1~30μmである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアの平均直径が約0.7~10μmである、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記処理ステップ(d)が前記マイクロスフェア溶液を凍結乾燥するステップであり、凍結乾燥中のマイクロスフェアの損失が25%以下である、請求項55から64までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
凍結乾燥中の前記マイクロスフェアの損失が15%以下または10%以下である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
式Iの化合物の分子量が1,500~5,000ダルトンである、請求項52から66までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
式IIの化合物の分子量が1,500~5,000ダルトンである、請求項52から67までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
式IIIの化合物の分子量が500~2,000ダルトンである、請求項52から68までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記製剤中の式Iの化合物対式IIの化合物のモル比が1:100~1:1の範囲である、請求項52から69までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記製剤中の式IIの化合物対式IIIの化合物のモル比が1:20~1:8の範囲である、請求項52から70までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、0.01~5mol%の式Iの化合物を含む、請求項52から71までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、5~9.9mol%の式IIの化合物を含む、請求項52から72までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項74】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、80~95mol%の式IIIの化合物を含む、請求項52から73までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、5mol%以下の式Iの化合物を含む、請求項52から74までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、10mol%以下の式IIの化合物を含む、請求項52から75までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、95mol%以下の式IIIの化合物を含む、請求項52から76までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
式Iの化合物が、式Ibの化合物であり、式IIの化合物が、式IIbの化合物であり、式IIIの化合物が、式IIIaの化合物である、請求項47から77までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
式Ibの化合物の平均分子量が約3200ダルトンである、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
式IIbの化合物の平均分子量が約2800ダルトンである、請求項78または79に記載の方法。
【請求項81】
式IIIaの化合物の平均分子量が約790ダルトンである、請求項78から80までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、0.01~5mol%の式Ibの化合物を含む、請求項78から81までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、5~9.9mol%の式IIbの化合物を含む、請求項78から82までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、80~95mol%の式IIaの化合物を含む、請求項78から83までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、5mol%以下の式Ibの化合物を含む、請求項78から84までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、10mol%以下の式IIbの化合物を含む、請求項78から85までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、95mol%以下の式IIIaの化合物を含む、請求項78から86までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェア中の式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比が1:100~1:1の範囲である、請求項78から87までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項89】
ステップ(c)からの前記マイクロスフェア中の式IIbの化合物対式IIIaの化合物のモル比が1:20~1:8の範囲である、請求項78から88までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
治療有効量の、請求項7から51までのいずれか1項に記載の医薬組成物を含む、単位投薬容器。
【請求項91】
式Iの化合物が式Ibの化合物である、請求項90に記載の容器。
【請求項92】
式IIの化合物が式IIbの化合物である、請求項90または91に記載の容器。
【請求項93】
式IIIの化合物が式IIaの化合物である、請求項90から92までのいずれか1項に記載の容器。
【請求項94】
流体が、空気、CO、六フッ化硫黄、フッ化C1~6アルカン、またはそれらの組み合わせである、請求項90から93までのいずれか1項に記載の容器。
【請求項95】
前記フッ化C1~6アルカンが、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタンおよびドデカフルオロペンタンから選択される、請求項94に記載の容器。
【請求項96】
前記流体がn-デカフルオロブタンである、請求項90から95までのいずれか1項に記載の容器。
【請求項97】
前記組成物が、賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12を含む、請求項90から96までのいずれか1項に記載の容器。
【請求項98】
前記組成物がさらに緩衝液を含み、前記緩衝液がリン酸塩である、請求項90から97までのいずれか1項に記載の容器。
【請求項99】
前記緩衝液が、カルシウムおよびマグネシウムを含まない食塩水を含む、請求項98に記載の容器。
【請求項100】
前記組成物が、水の存在下でマイクロスフェアを形成することができる、請求項90から99までのいずれか1項に記載の容器。
【請求項101】
前記組成物がマイクロスフェアを含む、請求項90から99までのいずれか1項に記載の容器。
【請求項102】
前記マイクロスフェアが、凍結乾燥された乾燥粉末または水を含まない濃縮物として存在する、請求項100または101に記載の容器。
【請求項103】
前記容器が、請求項52から89までのいずれか1項に記載のプロセスによって調製される、請求項90から102までのいずれか1項に記載の容器。
【請求項104】
セプタムを取り付けた圧着頂部キャップによって封止される、請求項90から103までのいずれか1項に記載の容器。
【請求項105】
前記容器が気密性である、請求項90から104までのいずれか1項に記載の容器。
【請求項106】
キットであって、
請求項90から105までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの単位投薬容器と
前記キットを使用するための指示と
を含む、キット。
【請求項107】
前記単位投薬容器が、賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12を含む、請求項106に記載のキット。
【請求項108】
前記キットがさらに、水溶液を含む容器を含む、請求項106~107のいずれか一項に記載のキット。
【請求項109】
前記水溶液が滅菌水である、請求項108に記載のキット。
【請求項110】
前記水溶液が、灌流の準備ができた食塩溶液である、請求項108に記載のキット。
【請求項111】
前記キットがさらにシリンジを含む、請求項106から110までのいずれか1項に記載のキット。
【請求項112】
前記キットがさらに、前記シリンジ用に適合されたニードルを含む、請求項111に記載のキット。
【請求項113】
前記キットが、鋭利な先端部を含む、ニードルの無いシリンジを含む、請求項106から111に記載のキット。
【請求項114】
前記ニードルまたは前記鋭利な先端部が、セプタムキャップを貫通することができる、請求項112または113に記載のキット。
【請求項115】
前記キットがさらに、30℃未満の標準沸点を有する流体を含む容器を含み、必要に応じて、前記容器はシリンジである、請求項106から114までのいずれか1項に記載のキット。
【請求項116】
前記流体が、空気、窒素、アルゴン、CO、六フッ化硫黄、フッ化C1~6アルカン、またはそれらの組み合わせである、請求項115に記載のキット。
【請求項117】
前記フッ化C1~6アルカンが、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタンおよびドデカフルオロペンタンから選択される、請求項116に記載のキット。
【請求項118】
前記流体がn-デカフルオロブタンである、請求項105から117までのいずれか1項に記載のキット。
【請求項119】
前記キットがさらに、少なくとも1つのゲルパッドおよび超音波ゲルを含む、請求項105から118までのいずれか1項に記載のキット。
【請求項120】
前記キットがさらに、Mix2Vial(登録商標)装置およびベント付きバイアルアダプタから選択される装置を含む、請求項105から119までのいずれか1項に記載のキット。
【請求項121】
マイクロスフェアを再構成する方法であって、前記方法が、
(d)十分な量の水または食塩溶液を、請求項90から105までのいずれか1項に記載の容器内の前記マイクロスフェアに添加するステップと、
(e)必要に応じて、30℃未満の標準沸点を有するある体積の流体をステップ(a)の前記容器に添加するステップと、
(f)必要に応じて、ステップ(a)またはステップ(b)の前記容器を振盪するステップと
を含む、方法。
【請求項122】
前記方法がさらに、ステップ(a)の前に前記容器にガスを充填するステップを含む、請求項121に記載の方法。
【請求項123】
前記水または前記食塩溶液の量が100ミリリットル以下である、請求項121または122に記載の方法。
【請求項124】
添加される前記水または前記食塩溶液の量が、再構成された前記マイクロスフェアを含む均質な混合物を生成するのに十分である、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記容器の振盪が180秒以下続く、請求項121から124までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項126】
尿石症を処置する方法であって、前記方法は、
尿石症を有する対象に、有効量の請求項7から51までのいずれか1項に記載の医薬組成物、請求項52から89までのいずれか1項に従って製造されたマイクロスフェア、または請求項121から125までのいずれか1項に記載の再構成されたマイクロスフェア溶液を投与し、前記マイクロスフェアを尿路結石と接触させるようにするステップと、
前記対象内の前記尿路結石に、前記マイクロスフェア内の流体を励起する周波数でエネルギーを指向的に適用するステップと
を含む、方法。
【請求項127】
前記再構成されたマイクロスフェア溶液が、尿路カテーテルを通して前記対象の尿管に投与される、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記エネルギーが、電磁、音響、マイクロ波、フォトニック、または他の形態である、請求項126または127に記載の方法。
【請求項129】
前記エネルギーが超音波である、請求項126から128までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
前記超音波エネルギーが、100キロヘルツ(kHz)~2メガヘルツ(MHz)の周波数範囲である、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記超音波エネルギーが、0.1MPa~10MPaの範囲のピーク圧力に関連している、請求項129または130に記載の方法。
【請求項132】
前記エネルギーが、前記尿路結石を断片化するのに十分な時間量にわたって適用される、請求項126から131までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
前記時間量が100分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
前記時間量が90分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項135】
前記時間量が80分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項136】
前記時間量が70分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項137】
前記時間量が60分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項138】
前記時間量が50分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項139】
前記時間量が40分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項140】
前記時間量が30分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項141】
前記時間量が25分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項142】
前記時間量が20分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項143】
前記時間量が15分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項144】
前記時間量が10分以下である、請求項132に記載の方法。
【請求項145】
適用された前記エネルギーが、再構成された前記マイクロスフェアの体積の変化または前記マイクロスフェアの他のキャビテーション作用を引き起こす、請求項126から144までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項146】
前記マイクロスフェアの前記キャビテーションが、再構成された前記マイクロスフェアの周りの前記尿路結石に圧力勾配変化および他の機械的作用を引き起こす、請求項126から145までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項147】
前記圧力勾配変化および他の機械的作用が、尿路結石を断片化することができる、請求項126から146までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項148】
前記対象がヒトである、請求項126から147までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項149】
尿石症の処置に使用するための、請求項121から125までのいずれか1項に記載の再構成されたマイクロスフェア溶液であって、
マイクロ粒子を尿路結石と接触させるように有効量の前記マイクロスフェア溶液が対象に投与され、
前記対象内の前記尿路結石に、前記マイクロスフェア内の流体を励起する周波数でエネルギーが指向的に適用される、再構成されたマイクロスフェア溶液。
【請求項150】
前記再構成されたマイクロスフェア溶液が、尿路カテーテルを通して前記対象の尿管に投与される、請求項149に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項151】
前記エネルギーが、電磁、音響、マイクロ波、フォトニック、レーザ、または他の形態である、請求項149または150に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項152】
前記エネルギーが超音波である、請求項149から151までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項153】
前記超音波エネルギーが、100キロヘルツ(kHz)~2メガヘルツ(MHz)の周波数範囲である、請求項149に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項154】
前記超音波エネルギーが、0.1MPa~10MPaの範囲のピーク圧力に関連している、請求項152または153に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項155】
前記エネルギーがレーザの形態である、請求項149から151までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項156】
前記レーザエネルギーが、1000nm~2500nmの赤外範囲の波長を有する、請求項155に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項157】
前記レーザエネルギーが管腔内液体を気化させることができ、それによって関連する音響波を生成することができる、請求項155に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項158】
前記レーザエネルギーが、1kHz~1MHzの範囲の周波数を有する、請求項155に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項159】
前記エネルギーが、前記尿路結石を断片化するのに十分な時間量にわたって適用される、請求項149から158までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項160】
前記時間量が100分以下である、請求項159に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項161】
前記時間量が90分以下である、請求項160に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項162】
前記時間量が80分以下である、請求項161に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項163】
前記時間量が70分以下である、請求項162に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項164】
前記時間量が60分以下である、請求項163に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項165】
前記時間量が50分以下である、請求項164に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項166】
前記時間量が40分以下である、請求項165に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項167】
前記時間量が30分以下である、請求項166に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項168】
前記時間量が25分以下である、請求項167に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項169】
前記時間量が20分以下である、請求項168に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項170】
前記時間量が15分以下である、請求項169に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項171】
前記時間量が10分以下である、請求項170に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項172】
適用された前記エネルギーが、前記再構成されたマイクロスフェアの体積の変化または前記マイクロスフェアの他のキャビテーション作用を引き起こす、請求項149から171までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項173】
前記マイクロスフェアの前記キャビテーションが、前記再構成されたマイクロスフェアの周りの尿に圧力勾配変化および他の機械的作用を引き起こす、請求項149から172までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項174】
前記圧力勾配変化および他の機械的作用が尿路結石を断片化することができる、請求項149から173までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【請求項175】
前記対象がヒトである、請求項149から174までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
脂質、タンパク質および/または糖で構成された薄いシェルで囲まれた流体コアを有するマイクロスフェアが、医療用および治療用製品に使用されている。マイクロ粒子と呼ばれることもあるこれらのミクロンスケールのガスコア粒子は、心エコー図の情報量を増加させるために全身投与されている。マイクロスフェアは、心臓の左心室を不透明化するのに特に有用であり得、心エコー図が大動脈弁手術の詳細をより正確に明らかにすることを可能にする。このようにして疾患診断に使用されるように設計されたマイクロスフェア製品のカテゴリーは、しばしば超音波造影剤(UCA)と呼ばれる。UCAの使用は、機械的エネルギー源(例えば、心エコー図を生成する超音波)を利用し、関連するマイクロスフェアの機械的応答が常に発生するが、典型的には、それらの機能について、マイクロスフェアの機械的応答からの組織効果に依存せず、実際には、組織効果を最小限に抑えるように設計されていることが多い。
【0002】
マイクロスフェアはまた、直接的または間接的な関連組織効果のいずれかを伴うマイクロスフェアの機械的応答が中心的である治療において使用することができる。例えば、特定の癌について、化学療法剤の標的化送達のためにマイクロスフェアを使用することができることが示唆されている。標的化送達のために、マイクロスフェア設計は、一般に、シェル構造中の腫瘍特異的リガンドとコア中の液相化学療法剤との組み合わせを必要とする。投与後、シェル内の腫瘍特異的リガンドは、腫瘍内および腫瘍周囲にマイクロスフェアを蓄積させると予想される。次いで、機械的エネルギー源を使用してマイクロスフェアを破壊し、化学療法剤をコアから放出することができる。
【0003】
マイクロスフェアの機械的作用は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2013/0123781号明細書に記載されているように、病理学的バイオミネラリゼーションの治療にも使用することができる。これらの治療では、マイクロスフェアは、強力な衝撃波が腎臓または尿管の結石に集束される衝撃波結石破砕術のものに似た圧力効果を生じるように設計されている。衝撃波砕石術では、100メガパスカルを超えるピーク圧力を有する集束された高強度の圧力波が、結石を徐々に侵食し、穴を開け、断片化するキャビテーション作用をもたらす。マイクロスフェアベースの砕石術では、石の表面に蓄積するマイクロスフェアは、従来の衝撃波砕石術の圧力と同様またはそれを超える圧力でキャビテーション作用を示すことができるが、入力機械エネルギーは2桁ほど低い(Pishchalnikovら、2018)。従来の衝撃波砕石術と比較して、入力音響エネルギーがそれほど強くないことは、臨床ワークフローおよび患者転帰の両方の観点からさまざまな利点を有することができる。結石表面へのマイクロスフェア蓄積は、ビスホスホネート様成分をマイクロスフェアシェルに組み込むことによって促進することができる。
【0004】
マイクロスフェアの機械的作用は、腎臓結石、尿路結石、胆管結石、血餅、類線維腫、癌性腫瘍およびじゅく状斑などの異常なまたは閉塞性の塊を伴うさまざまな医学的状態の処置に使用することができる。この処置方法は、健康な組織を損傷することなくこの塊を破壊または減少させ、外科的または他の侵襲的処置に関連する疼通、不快感およびリスクを最小限に抑えることによって、医学的状態の低侵襲的処置を可能にする。
マイクロスフェアの広範囲の治療的適用を考慮し、治療用マイクロスフェアのための改善された成分を開発するための努力がなされてきた。こうした努力にもかかわらず、安全で治療上有効な改善されたリン脂質化合物が当該技術分野で依然として必要とされている。さらに、治療用マイクロスフェアの治療的および商業的使用のために大量かつ高品質に製造することができるリン脂質化合物を開発することが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0123781号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
本開示は、疎水性、およびバイオミネラリゼーションを含む鉱質化形態(mineralized form)のカルシウムおよび他の金属に対して高い親和性を示す化合物、医薬組成物およびマイクロスフェア粒子(またはマイクロスフェアもしくは粒子)を提供する。本開示はさらに、化合物、組成物およびマイクロスフェア粒子を製造および調製する方法、ならびに異常なまたは閉塞性の塊を伴う医学的状態、例えば、腎石症または腎臓結石疾患を処置するためにそれらを使用する方法を提供する。本明細書に記載の方法は、大規模で高品質のマイクロスフェアの製造を可能にし、治療用マイクロスフェアの治療的および商業的使用を可能にする。
【0007】
したがって、第1の態様では、本開示は式IVの化合物
【化1】
式IV
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を提供し、式中、
pは10~30であり、
qは1~100であり、
Cは、
【化2】
からなる群より選択され、
Bは、共有結合およびエチル基からなる群より選択され、
Aは、共有結合、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アシルオキシ、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アミジノおよびカルボキシエステルからなる群より選択され、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、SOHおよびPOHからなる群より選択される。
【0008】
いくつかの実施形態では、pは14または16であり、qは38~50である。
【0009】
いくつかの実施形態では、式IVの化合物は、式Iの化合物
【化3】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を提供し、式中、
nは10~30であり、
mは1~100である。
【0010】
いくつかの実施形態では、nは14または16であり、mは38~50である。
【0011】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Iaの化合物
【化4】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩である。
【0012】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Ib
【化5】
の化合物である。
【0013】
第2の態様では、本開示は、式IVの化合物
【化6】
またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩を含む医薬組成物を提供し、
式中、
pは10~30であり、
qは1~100であり、
Cは、
【化7】
からなる群より選択され、
Bは、共有結合およびエチル基からなる群より選択され、
Aは、共有結合、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アシルオキシ、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アミジノ、アミドおよびカルボキシエステルからなる群より選択され、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、OH SOHおよびPOHからなる群より選択される。
【0014】
いくつかの実施形態では、pは14または16であり、qは38~50である。
【0015】
いくつかの実施形態では、組成物はさらに、
式IIの化合物
【化8】
またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩;
式IIIの化合物
【化9】
またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩;
式中、
tは10~30であり、
yは1~100であり、
zは10~30である。
【0016】
いくつかの実施形態では、tは14または16であり、zは14または16であり、yは38~50である。
【0017】
いくつかの実施形態では、式IVの化合物は、式Iの化合物
【化10】
またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩であり、
nは10~30であり、
mは1~100である。
【0018】
いくつかの実施形態では、nは14または16であり、mは38~50である。
【0019】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Iaの化合物
【化11】
またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩である。
【0020】
いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、式Ib
【化12】
の化合物である。
【0021】
いくつかの実施形態では、組成物はさらに、30℃未満の標準沸点を有する流体と、必要に応じて少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤とを含む。いくつかの実施形態では、流体は体温で気体である。いくつかの実施形態では、流体は水溶液中で低い溶解度を有する。いくつかの実施形態では、流体は、空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素(CO)、六フッ化硫黄、フッ化C1~6アルカン、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、フッ化C1~6アルカンは、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタンおよびドデカフルオロペンタンから選択される。
【0022】
いくつかの実施形態では、組成物は、0.01~5mol%の式IVもしくは式Iの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、5~9.9mol%の式IIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、80~95mol%の式IIIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、5mol%以下の式IVもしくは式Iの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、10mol%以下の式IIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、組成物は、95mol%以下の式IIIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、組成物は、式IVまたは式Iの化合物のアンモニウム塩を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、式IIの化合物のアンモニウム塩を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、式IVまたは式Iの化合物の分子量は、1,500~5,000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物の分子量は、1,500~5,000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物の分子量は、500~2,000ダルトンである。
【0025】
いくつかの実施形態では、式IVまたは式Iの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:100~1:1の範囲である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物対式IIIの化合物のモル比は、1:20~1:8の範囲である。
【0026】
いくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、式Ibの化合物
【化13】
であり、
式IIの化合物は、式IIbの化合物
【化14】
であり、
式IIIの化合物は、式IIIaの化合物
【化15】
であり、
当該組成物は流体を含み、当該流体はn-デカフルオロブタンである。
【0027】
いくつかの実施形態では、式Ibの化合物の平均分子量は、約3200ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2800ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIaの化合物の平均分子量は、約790ダルトンである。
【0028】
いくつかの実施形態では、組成物は、0.01~5mol%の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、5~9.9mol%の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、80~95mol%の式IIIaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、5mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、10mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、95mol%以下の式IIIaの化合物を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:100~1:1の範囲である。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:20~1:8の範囲である。
【0030】
いくつかの実施形態では、組成物は、水の存在下でマイクロスフェアを形成することができる。いくつかの実施形態では、組成物はマイクロスフェアを含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、式Ibの化合物、式IIbの化合物および式IIIaの化合物を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約10ミクロンの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、約1ミクロン~約5ミクロンの平均直径を有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、凍結乾燥された乾燥粉末または水を含まない濃縮物として存在するマイクロスフェアを含む。
【0033】
別の態様では、本開示は、マイクロスフェアを製造する方法であって、当該方法は、
(a)以下:
式Iの化合物
【化16】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩、
式IIの化合物
【化17】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩、
式IIIの化合物
【化18】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩、
必要に応じて、少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤、および

を含むマイクロスフェアを作製するための製剤を調製するステップを含み、
式中、
nは10~30であり、
mは1~100であり、
tは10~30であり、
yは1~100であり、
zは10~30であり、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、OH、SOHおよびPOHからなる群より選択される。
【0034】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、
(b)ステップ(a)の製剤を、容器内で30℃未満の標準沸点を有する流体と組み合わせるステップと、
(c)ステップ(b)からの製剤および流体を含有する容器を撹拌し、それによってマイクロスフェアを得るステップと
を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、
(d)ステップ(c)からのマイクロスフェア溶液を処理して、その貯蔵寿命を延ばすか、または保存のための環境条件の範囲を拡大するステップ
を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、
(e)ステップ(c)または(d)からのマイクロスフェアを含む容器に、必要に応じて真空下で栓をするステップ
を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、ステップ(a)の製剤は、ステップ(b)の前に濾過される。いくつかの実施形態では、処理ステップ(d)は、マイクロスフェア溶液を凍結乾燥するステップである。
【0038】
いくつかの実施形態では、容器は単位投薬容器である。いくつかの実施形態では、流体はn-デカフルオロブタンである。いくつかの実施形態では、蓋をされた容器のヘッドスペースは、n-デカフルオロブタンで充填される。
【0039】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアの平均直径は、約0.1~1000μmである。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアの平均直径は、約0.1~100μmである。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアの平均直径は、約0.1~30μmである。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアの平均直径は、約0.7~10μmである。
【0040】
いくつかの実施形態では、処理ステップ(d)は、マイクロスフェア溶液を凍結乾燥するステップであり、凍結乾燥中のマイクロスフェアの損失は25%以下である。いくつかの実施形態では、凍結乾燥中のマイクロスフェアの損失は、15%以下または10%以下である。
【0041】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物の分子量は、1,500~5,000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物の分子量は、1,500~5,000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物の分子量は、500~2,000ダルトンである。
【0042】
いくつかの実施形態では、製剤中の式Iの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:100~1:1の範囲である。いくつかの実施形態では、製剤中の式IIの化合物対式IIIの化合物のモル比は、1:20~1:8の範囲である。
【0043】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、0.01~5mol%の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、5~9.9mol%の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、80~95mol%の式IIIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、5mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、10mol%以下の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、95mol%以下の式IIIの化合物を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Ibの化合物であり、式IIの化合物は、式IIbの化合物であり、式IIIの化合物は、式IIIaの化合物である。
【0045】
いくつかの実施形態では、式Ibの化合物の平均分子量は、約3200ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2800ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIaの化合物の平均分子量は、約790ダルトンである。
【0046】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、0.01~5mol%の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、5~9.9mol%の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、80~95mol%の式IIaの化合物を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、5mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、10mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェアは、95mol%以下の式IIIaの化合物を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェア中の式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:100~1:1の範囲である。いくつかの実施形態では、ステップ(c)からのマイクロスフェア中の式IIbの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:20~1:8の範囲である。
【0049】
さらに別の態様では、本開示は、治療有効量の本明細書で提供される医薬組成物を含む単位投薬容器を提供する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Ibの化合物である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物は、式IIbの化合物である。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物は、式IIaの化合物である。いくつかの実施形態では、流体は、空気、CO、六フッ化硫黄、フッ化C1~6アルカン、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、フッ化C1~6アルカンは、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタンおよびドデカフルオロペンタンから選択される。いくつかの実施形態では、流体はn-デカフルオロブタンである。いくつかの実施形態では、組成物は、賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12を含む。いくつかの実施形態では、組成物はさらに、緩衝液を含み、当該緩衝液はリン酸塩である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、カルシウムおよびマグネシウムを含まない食塩水を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、組成物は、水の存在下でマイクロスフェアを形成することができる。いくつかの実施形態では、組成物はマイクロスフェアを含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、凍結乾燥された乾燥粉末または水を含まない濃縮物として存在する。いくつかの実施形態では、容器は、本明細書で提供されるプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、容器は、セプタムを取り付けた圧着頂部キャップ(crimp-top cap)によって封止される。いくつかの実施形態では、容器は気密性である。
【0051】
一実施形態では、本開示は、上記の少なくとも1つの単位投薬容器と、前述のキットを使用するための指示とを含むキットを提供する。
【0052】
いくつかの実施形態では、単位投薬容器は、賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12を含む。いくつかの実施形態では、キットはさらに、水溶液を含む容器を含む。いくつかの実施形態では、水溶液は滅菌水である。いくつかの実施形態では、水溶液は、灌流の準備ができた食塩溶液である。いくつかの実施形態では、キットはさらに、シリンジを含む。いくつかの実施形態では、キットはさらに、シリンジ用に適合されたニードルを含む。いくつかの実施形態では、キットは、鋭利な先端部を含む、ニードルの無いシリンジを含む。いくつかの実施形態では、ニードルまたは鋭利な先端部は、セプタムキャップを貫通することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、キットはさらに、30℃未満の標準沸点を有する流体を含む容器を含み、必要に応じて、当該容器はシリンジである。いくつかの実施形態では、流体は、空気、窒素、アルゴン、CO、六フッ化硫黄、フッ化C1~6アルカン、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、フッ化C1~6アルカンは、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタンおよびドデカフルオロペンタンから選択される。いくつかの実施形態では、流体はn-デカフルオロブタンである。
【0054】
いくつかの実施形態では、キットはさらに、少なくとも1つのゲルパッドおよび超音波ゲル(ultrasound gel)を含む。いくつかの実施形態では、キットはさらに、Mix2Vial(登録商標)装置およびベント付きバイアルアダプタから選択される装置を含む。
【0055】
本開示の別の態様は、マイクロスフェアを再構成する方法を提供し、当該方法は、
(a)本開示の容器内のマイクロスフェアに十分な量の水または食塩溶液を添加するステップと、
(b)必要に応じて、30℃未満の標準沸点を有するある体積の流体をステップ(a)の容器に添加するステップと、
(c)必要に応じて、ステップ(a)またはステップ(b)の容器を振盪するステップと
を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(a)の前に容器にガスを充填するステップを含む。いくつかの実施形態では、水または食塩溶液の量は、100ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、添加される水または食塩溶液の量は、再構成されたマイクロスフェアを含む均質な混合物を生成するのに十分である。いくつかの実施形態では、容器の振盪は180秒以下続く。
【0057】
さらに別の態様では、本開示は、尿石症を処置する方法を提供し、当該方法は、尿石症を有する対象に、有効量の本明細書に開示される医薬組成物、マイクロスフェアまたは再構成されたマイクロスフェア溶液を投与し、マイクロスフェアを尿路結石と接触させるようにするステップと、対象内の尿路結石に、マイクロスフェア内の流体を励起する周波数でエネルギーを指向的に適用するステップとを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、再構成されたマイクロスフェア溶液は、尿路カテーテルを通して対象の尿管に投与される。いくつかの実施形態では、エネルギーは、電磁、音響、マイクロ波、フォトニック(photonic)、または他の形態である。いくつかの実施形態では、エネルギーは超音波である。
【0059】
いくつかの実施形態では、超音波エネルギーは、100キロヘルツ(kHz)~2メガヘルツ(MHz)の周波数範囲である。いくつかの実施形態では、超音波エネルギーは、0.1MPa~10MPaの範囲のピーク圧力に関連している。いくつかの実施形態では、エネルギーは、尿路結石を断片化するのに十分な時間量にわたって適用される。
【0060】
いくつかの実施形態では、時間量は100分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は90分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は80分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は70分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は60分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は50分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は40分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は30分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は25分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は20分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は15分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は10分以下である。
【0061】
いくつかの実施形態では、印可されたエネルギーは、再構成されたマイクロスフェアの体積の変化またはマイクロスフェアの他のキャビテーション作用を引き起こす。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアのキャビテーションは、再構成されたマイクロスフェアの周りの尿路結石に圧力勾配変化および他の機械的作用を引き起こす。いくつかの実施形態では、圧力勾配変化および他の機械的作用は、尿路結石を断片化することができる。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0062】
一態様では、本開示は、尿石症の処置に使用するための再構成されたマイクロスフェア溶液を提供し、ここで、マイクロ粒子を尿路結石と接触させるように有効量の前述のマイクロスフェア溶液を対象に投与し、対象内の尿路結石に、マイクロスフェア内の流体を励起する周波数でエネルギーを指向的に適用する。
【0063】
いくつかの実施形態では、再構成されたマイクロスフェア溶液は、尿路カテーテルを通して対象の尿管に投与される。いくつかの実施形態では、エネルギーは、電磁、音響、マイクロ波、フォトニック、レーザ、または他の形態である。いくつかの実施形態では、エネルギーは超音波である。
【0064】
いくつかの実施形態では、超音波エネルギーは、100キロヘルツ(kHz)~2メガヘルツ(MHz)の周波数範囲である。いくつかの実施形態では、超音波エネルギーは、0.1MPa~10MPaの範囲のピーク圧力に関連している。
【0065】
いくつかの実施形態では、エネルギーは、レーザの形態である。いくつかの実施形態では、レーザエネルギーは、1000nm~2500nmの赤外範囲の波長を有する。いくつかの実施形態では、レーザエネルギーは、管腔内液体を気化させることができ、それによって関連する音響波を生成することができる。いくつかの実施形態では、レーザエネルギーは、1kHz~1MHzの範囲の周波数を有する。
【0066】
いくつかの実施形態では、エネルギーは、尿路結石を断片化するのに十分な時間量にわたって適用される。いくつかの実施形態では、時間量は100分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は90分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は80分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は70分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は60分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は50分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は40分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は30分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は25分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は20分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は15分以下である。いくつかの実施形態では、時間量は10分以下である。
【0067】
いくつかの実施形態では、印可されたエネルギーは、再構成されたマイクロスフェアの体積の変化またはマイクロスフェアの他のキャビテーション作用を引き起こす。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアのキャビテーションは、再構成されたマイクロスフェアの周りの尿に圧力勾配変化および他の機械的作用を引き起こす。いくつかの実施形態では、圧力勾配変化および他の機械的作用は、尿路結石を断片化することができる。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0068】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の説明および添付の図面に関してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1図1は、蓄積を促進するマイクロスフェアシェル構成要素120、マイクロスフェア脂質シェル110、およびマイクロスフェア流体コア115を含む、鉱質化材料105に付着した例示的なマイクロスフェアの切断概略図を示す。
【0070】
図2図2は、本開示において提供されるビスホスホネート-PEG-脂質を合成する例示的なステップを示すブロック図である。
【0071】
図3図3は、本開示において提供されるマイクロスフェアを生成するためのビスホスホネート-PEG-脂質を調製する例示的なステップを示すブロック図である。
【0072】
図4図4は、動的光散乱(DLS)によって測定されたビスホスホネート-PEG-脂質混合物の液相のサイズ分布を示す。
【0073】
図5図5は、ガスヘッドスペースを有するビスホスホネート-PEG-脂質組成物(左)および本明細書に記載の組成物のマイクロスフェア製剤(右)のサンプルを示し、2つの製剤の定性的差異を示す。
【0074】
図6図6は、マイクロスフェア蓄積アッセイの結果を経時的に示すグラフである。グラフは、本開示のビスホスホネート-PEG-脂質を組み込んだマイクロスフェアが、シェル中にビスホスホネート-PEG-脂質を欠くマイクロスフェアと比較して、鉱質化表面上でのマイクロスフェア蓄積率が高いことを示す。
【0075】
図7図7は、エレクトロゾーンセンシングによって測定されたマイクロスフェアのサイズ分布を示す。直径(x軸)の各ビンの粒子の数(y軸)が提供される。
【0076】
図8図8は、中間体PEG2DAのH-NMRスペクトルを示す。
【0077】
図9図9は、中間体1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000](DSPE-PEG2)-COOHのH-NMRスペクトルを示す。
【0078】
図10図10は、中間体1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000](DSPE-PEG2)-COOHの31P-NMRスペクトルを示す。
【0079】
図11図11は、式Ibの化合物のH-NMRスペクトルを示す。
【0080】
図12図12は、式Ibの化合物の31P-NMRスペクトルを示す。
【0081】
図13図13は、n-デカフルオロブタンのヘッドスペース分析のガスクロマトグラフを示す。
【0082】
図14図14は、式Ibの化合物1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000](アンモニウム塩)(DSPE-PEG2K、式IIbの化合物)および1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC、式IIIaの化合物)を含むリポソーム製剤の31P-NMRスペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0083】
発明の詳細な説明
定義
本明細書で他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0084】
「対象」という用語は、ヒトを含む任意の哺乳動物、ならびにサル、ウシ、ウマ、イヌ、ネコおよびげっ歯類を含むがこれらに限定されない獣医学的および研究上関心を持たれる動物などの哺乳動物を指す。
【0085】
障害もしくは疾患を「処置すること」または障害もしくは疾患の「処置」という用語は、障害もしくは疾患の症状を緩和する、例えば、腎臓結石、尿路結石、胆管結石、血餅、類線維腫、癌性腫瘍およびじゅく状斑などの異常なまたは閉塞性の塊の減少、破壊または除去を行うためのステップを講じること、またはほかの方法で臨床結果を含む対象にとって何らかの有益なまたは所望の結果を得るためのステップを講じることを指す。任意の有益なまたは所望の臨床結果としては、障害または疾患の1つまたはそれよりも多い症状の緩和または改善;疾患の程度の減少;疾患進行の遅延もしくは減速;病態の改善、軽減もしくは安定化;または他の有益な結果が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0086】
「有効量」という用語は、所望の効果を生じるのに十分な量を意味する。
【0087】
「十分な量」という用語は、所望の効果を生じるのに十分な量を意味する。
【0088】
「治療有効量」という用語は、疾患の症状を改善または低減するのに有効な量である。
【0089】
1つもしくは複数の症状(およびこの語句の文法的等価物)の「低減」という用語は、1つまたは複数の症状の重症度または頻度の減少、または1つもしくは複数の症状の排除を指す。
【0090】
本明細書で使用される「キャビテーション作用」という用語は、腎臓結石、尿路結石、胆管結石、血餅、類線維腫、癌性腫瘍およびじゅく状斑などの異常なまたは閉塞性の塊の減少または破壊をインビボで引き起こすのに十分な作用を指す。
【0091】
本明細書で使用される「PL2kS」という用語は、化合物1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000-アレンドロネート](アンモニウム塩)を指し、これは本明細書の式Ibの化合物としても開示される。
【0092】
本明細書で使用される「DSPE-PEG2K」という用語は、化合物1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000](アンモニウム塩)を指し、これは本明細書の式IIbの化合物としても開示される。
【0093】
本明細書で使用される「DSPC」という用語は、化合物1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリンを指し、これは本明細書で式IIIaの化合物としても開示される。
【0094】
本発明の実施は、当業者の技能範囲内である、有機化学、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の従来の技術の使用を含む。
【0095】
本出願では、いくつかの技術的表示を参照することになる。すべての数値表示(例えば、pH、温度、時間、濃度および重量)は、その各々の範囲を含めて、典型的には、適宜0.1、1.0または10.0の増分で(+)または(-)変化し得る近似値である。すべての数値表示は、「約」という用語が先行するものとして理解され得る。本明細書に記載の試薬は例示的なものであり、その等価物は当該技術分野で公知であり得る。
【0096】
本発明で利用される化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有し得る。ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、位置異性体および個々の異性体(例えば、別個のエナンチオマー)が、すべて本発明の範囲内に包含されることが意図されている。
【0097】
本発明の化合物はまた、かかる化合物を構成する原子のうちの1つまたはそれより多くに不自然な割合の原子同位体を含有し得る。例えば、化合物は、放射性同位体、例えば、以下のものに限定されないが、トリチウム(H)、ヨウ素-125(125I)、または炭素-14(14C)などで放射性標識されてもよい。本発明の化合物のすべての同位体変種は、放射性であろうとなかろうと、本発明の範囲内に包含されることが意図されている。
【0098】
化合物の立体異性体(光学異性体としても知られる)は、特定の立体化学が明示的に示されていない限り、構造のすべてのキラル、ジアステレオマーおよびラセミ形態を含む。したがって、本技術で使用される化合物は、描写から明らかなように、任意のまたはすべての不斉原子で富化または分解された光学異性体を含む。ラセミ混合物およびジアステレオマー混合物の両方、ならびに個々の光学異性体は、それらのエナンチオマーまたはジアステレオマーパートナーを実質的に含まないように単離または合成することができ、これらの立体異性体はすべて本技術の範囲内である。
【0099】
本技術の化合物は、溶媒和物、特に水和物として存在することができる。水和物は、化合物もしくは化合物を含む組成物の製造中に形成され得るか、または水和物は、化合物の吸湿性のために経時的に形成され得る。本技術の化合物は、とりわけDMF、エーテル、およびアルコール溶媒和物を含む有機溶媒和物としても存在することができる。任意の特定の溶媒和物の同定および調製は、合成有機または医薬化学の当業者の技術の範囲内である。
【0100】
別段の指示がない限り、本明細書で明示的に定義されていない置換基の命名法は、官能基の末端部を命名し、続いて結合点に向かって隣接する官能基を命名することによって得られる。
【0101】
化合物の立体異性体(光学異性体としても知られる)は、特定の立体化学が明示的に示されていない限り、構造のすべてのキラル、ジアステレオマーおよびラセミ形態を含む。したがって、本技術で使用される化合物は、描写から明らかなように、任意のまたはすべての不斉原子で富化または分解された光学異性体を含む。ラセミ混合物およびd体またはl体富化ステレオマー混合物の両方、ならびに個々の光学異性体は、それらのエナンチオマーまたはジアステレオマーパートナーを実質的に含まないように単離または合成することができ、これらの立体異性体はすべて本技術の範囲内である。
【0102】
上記で定義されるすべての置換基において、それ自体に更なる置換基を有する置換基を定義することによって得られるポリマー(例えば、それ自体が置換アリール基で置換された置換アリール基を置換基として有する置換アリールなど)は、本明細書に含めることを意図しないことが理解される。そのような場合、かかる置換基の最大数は3である。すなわち、上記の定義の各々は、各官能基が(1~3つの位置で)置換され、それらの置換基のいずれかおよびすべてがもう1回(1~3つの位置で)置換されていてもよいという制限によって制約されている
【0103】
上記の定義は、許容できない置換パターン(例えば、5つのフルオロ基で置換されたメチル)を含むことを意図していないことが理解される。かかる許容できない置換パターンは、当業者に周知である。
【0104】
本出願を通して、主題は、本化合物、組成物および方法のさまざまな実施形態を指す。記載されたさまざまな実施形態は、さまざまな例示的な例を提供することを意図しており、代替種の説明として解釈されるべきではない。むしろ、本明細書で提供されるさまざまな実施形態の説明は、重複する範囲のものであり得ることに留意されたい。本明細書で説明される実施形態は、単なる例示であり、本技術の範囲を限定することを意図していない。
【0105】
化合物
本開示は、疎水性、および生体内鉱質(biomineral)を含む鉱質化形態のカルシウムおよび他の金属に対する高い親和性の両方を示す化合物を提供する。化合物は、疎水性および金属含有材料への結合の両方が所望されるさまざまな適用に使用することができる。
【0106】
より具体的には、第1の態様では、本開示は、式IVの化合物
【化19】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を提供し、式中、
pは10~30であり、
qは1~100であり、
Cは、
【化20】
からなる群より選択され、
Bは、共有結合およびエチル基からなる群より選択され、
Aは、共有結合、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アシルオキシ、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アミジノおよびカルボキシエステルからなる群より選択され、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、OH、SOHおよびPOHからなる群より選択される。
【0107】
いくつかの実施形態では、pは12~28、14~26、14~24、14~22、14~20、16~20、または16~18である。いくつかの実施形態では、pは16である。いくつかの実施形態では、qは1~100、5~90、10~80、15~70、20~60、25~50、30~50、40~50、または40~45である。いくつかの実施形態では、qは43である。いくつかの実施形態では、qは38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、49または50である。いくつかの実施形態では、Cは、
【化21】
である。
【0108】
いくつかの実施形態では、式IVの化合物は、式Iの化合物
【化22】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩であり、式中、
nは10~30であり、
mは1~100である。
【0109】
いくつかの実施形態では、nは20~25、12~20、14~18、または14~16である。いくつかの実施形態では、nは14または16である。いくつかの実施形態では、mは1~90、5~80、10~70、20~60、30~50、または38~50である。いくつかの実施形態では、mは43である。いくつかの実施形態では、qは38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、49または50である。いくつかの実施形態では、Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、OH、SOHおよびPOHからなる群より選択される。
【0110】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Iaの化合物
【化23】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩である。
【0111】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Ib
【化24】
の化合物である。
【0112】
医薬組成物
第2の態様において、本開示は、
式IVの化合物
【化25】
またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩であって、
pは10~30であり、
qは1~100であり、
Cは、
【化26】
からなる群より選択され、
Bは、共有結合およびエチル基からなる群より選択され、
Aは、共有結合、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アシルオキシ、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アミジノおよびカルボキシエステルからなる群より選択され、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、SOHおよびPOHからなる群より選択される、
化合物またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩と、
必要に応じて、薬学的に許容され得る賦形剤または希釈剤と
を含む医薬組成物を提供する。
【0113】
いくつかの実施形態では、pは12~28、14~26、14~24、14~22、14~20、16~20、または16~18である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のpは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のpの平均値は、12~28、14~26、14~24、14~22、14~20、16~20、または16~18である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のpの平均値は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20である。
【0114】
いくつかの実施形態では、qは1~100、5~90、10~80、15~70、20~60、25~50、30~50、40~50、または40~45である。いくつかの実施形態では、qは43である。いくつかの実施形態では、qは38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、49または50である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のqの平均値は、1~100、5~90、10~80、15~70、20~60、25~50、30~50、40~50、または40~45である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のqの平均値は、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、49または50である。
【0115】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IVの化合物の分子量は、1,500~5,000ダルトンである。特定の実施形態では、式IVの化合物の分子量は、1,500~5,000ダルトンである。特定の実施形態では、式IVの化合物の分子量は、2,000~4,500ダルトンである。特定の実施形態では、式IVの化合物の分子量は、2,500~4,000ダルトンである。特定の実施形態では、式IVの化合物の分子量は、3,000~3,500ダルトンである。
【0116】
いくつかの実施形態では、Cは、
【化27】
である。
【0117】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IVの化合物は、式Iの化合物
【化28】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩であり、式中、
nは10~30であり、
mは1~100である。
【0118】
いくつかの実施形態では、nは10~50、20~25、12~20、14~18、または14~16である。いくつかの実施形態では、nは14または16である。いくつかの実施形態では、nは10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のnの平均値は、10~50、20~25、12~20、14~18、または14~16である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のnの平均値は、14または16である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のnの平均値は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20である。
【0119】
いくつかの実施形態では、mは1~150、1~140、1~130、1~120、1~110、1~100、1~90、5~80、10~70、20~60、30~50または38~50である。いくつかの実施形態では、mは43である。いくつかの実施形態では、mは38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、49または50である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のmの平均値は、1~150、1~140、1~130、1~120、1~110、1~100、1~90、5~80、10~70、20~60、30~50、または38~50である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のmの平均値は43である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のmの平均値は、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、49または50である。
【0120】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式Iの化合物の分子量は、1,500~5,000ダルトンである。特定の実施形態では、式Iの化合物の分子量は、2,000~4,500ダルトンである。特定の実施形態では、式Iの化合物の分子量は、2,500~4,000ダルトンである。特定の実施形態では、式Iの化合物の分子量は、3,000~3,500ダルトンである。
【0121】
いくつかの実施形態では、Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、OH、SOHおよびPOHからなる群より選択される。
【0122】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Iaの化合物
【化29】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩である。
【0123】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式Iaの化合物の平均分子量は、約3500ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の平均分子量は、約3200ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の平均分子量は、約2500ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物の平均分子量は、約2000ダルトンである。
【0124】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式Iaの化合物は、式Ib
【化30】
の化合物である。
【0125】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式Ib
【化31】
の化合物である。
【0126】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式Ibの化合物の平均分子量は、約3500ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物の平均分子量は、約3200ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物の平均分子量は、約2500ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物の平均分子量は、約2000ダルトンである。
【0127】
いくつかの実施形態では、式Ibの鎖長(16および43)は、医薬組成物中の化合物の平均鎖長である。
【0128】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、組成物はさらに、少なくとも1つの更なるリン脂質化合物を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、医薬組成物はさらに、
式IIの化合物
【化32】
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは異性体を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、tは10~30、12~28、14~25、16~22、16~20、または18~20である。いくつかの実施形態では、tは14または16である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のtの平均値は、10~30、12~28、14~25、16~22、16~20、または18~20である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のtの平均値は、14または16である。
【0131】
いくつかの実施形態では、yは1~100、5~90、10~80、20~70、40~60、または40~50である。いくつかの実施形態では、yは38~50である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のyの平均値は、1~100、5~90、10~80、20~70、40~60、または40~50である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のyの平均値は、38~50である。
【0132】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIの化合物の分子量は、1,500~5,000ダルトンである。特定の実施形態では、式IIの化合物の分子量は、2,000~4,500ダルトンである。特定の実施形態では、式IIの化合物の分子量は、2,500~4,000ダルトンである。特定の実施形態では、式IIの化合物の分子量は、3,000~3,500ダルトンである。
【0133】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIの化合物は、式IIaの化合物
【化33】
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは異性体を含む。
【0134】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIaの化合物の平均分子量は、約3000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物の平均分子量は、約2800ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物の平均分子量は、約2600ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物の平均分子量は、約2400ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物の平均分子量は、約2200ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物の平均分子量は、約2000ダルトンである。
【0135】
いくつかの実施形態では、式IIaの鎖長(16および43)は、医薬組成物中の化合物の平均鎖長である。
【0136】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIの化合物は、式IIb
【化34】
の化合物である。
【0137】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約3000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2800ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2600ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2400ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2200ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2000ダルトンである。
【0138】
いくつかの実施形態では、式IIbの鎖長(16および43)は、医薬組成物中の化合物の平均鎖長である。
【0139】
いくつかの実施形態では、医薬組成物はさらに、
式IIIの化合物
【化35】
またはその薬学的に許容され得る塩もしくは異性体を含む。いくつかの実施形態では、zは、10~30、10~25、12~20、15~20、または16~18である。いくつかの実施形態では、zは14または16である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のzの平均値は、10~30、10~25、12~20、15~20、または16~18である。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のzの平均値は、14または16である。
【0140】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIIの化合物の分子量は、500~2,000ダルトンである。特定の実施形態では、式IIIの化合物の分子量は、750~1,750ダルトンである。特定の実施形態では、式IIIの化合物の分子量は、1,000~1,500ダルトンである。特定の実施形態では、式IIIの化合物の分子量は、1,100~1,400ダルトンである。特定の実施形態では、式IIIの化合物の分子量は、1200~1,300ダルトンである。
【0141】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIIの化合物は、式IIIa
【化36】
の化合物である。
【0142】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIIaの化合物の平均分子量は、約840ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIaの化合物の平均分子量は、約790ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIaの化合物の平均分子量は、約750ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIaの化合物の平均分子量は、約700ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIaの化合物の平均分子量は、約650ダルトンである。
【0143】
いくつかの実施形態では、式IIIaの鎖長(16)は、医薬組成物中の化合物の平均鎖長である。
【0144】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、5mol%以下の式IVの化合物またはその塩を含む。本明細書で使用されるmol%は、医薬組成物内のすべての脂質化合物の分子の総数に対する所与の脂質化合物(例えば、式IV、式I、式II、式IIIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩)の分子の数の百分率を指す。同様に、マイクロスフェアの文脈において、本明細書で使用されるmol%は、マイクロスフェア内のすべての脂質化合物の分子の総数に対する所与の脂質化合物(例えば、式IV、式I、式II、式IIIの化合物、またはその異性体の塩、異性体、塩)の分子の数の百分率を指す。特定の実施形態では、医薬組成物は、4mol%以下の式IVの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、4mol%以下の式IVの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、3mol%以下の式IVの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、2mol%以下の式IVの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、1mol%以下の式IVの化合物またはその塩を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、0.1~5mol%の式IVの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、0.1~10、0.1~5、0.5~5、1~5、1~4、1~3、2~3、2~4、または3~5mol%の式IVの化合物またはその塩を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、組成物は、0.01~5mol%の式Iの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、0.1~5mol%の式Iの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、0.1~10、0.1~5、0.5~5、1~5、1~4、1~3、2~3、2~4、または3~5mol%の式Iの化合物またはその塩を含む。
【0147】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、5mol%以下の式Iの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、4mol%以下の式Iの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、3mol%以下の式Iの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、2mol%以下の式Iの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、1mol%以下の式Iの化合物またはその塩を含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、0.01~5mol%の式IaまたはIbの化合物を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、0.1~5mol%の式IaまたはIbの化合物を含む。特定の実施形態では、組成物は、0.5~4.5mol%の式IaまたはIbの化合物を含む。特定の実施形態では、組成物は、1.0~4.0mol%の式IaまたはIbの化合物を含む。特定の実施形態では、組成物は、1.5~3.5mol%の式IaまたはIbの化合物を含む。特定の実施形態では、組成物は、2.0~3.0mol%の式IaまたはIbの化合物を含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、組成物は、5mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、4.5mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、4.0mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、3.5mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、3.0mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、2.5mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、2.0mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1.5mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1.0mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、0.5mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、0.1mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、0.05mol%以下の式IaまたはIbの化合物を含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、組成物は、5~10mol%の式IIの化合物またはその塩を含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、10mol%以下の式IIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、8mol%以下の式IIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、組成物は、6mol%以下の式IIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、4mol%以下の式IIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、3mol%以下の式IIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、2mol%以下の式IIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、1mol%以下の式IIの化合物またはその塩を含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、5~10mol%の式IIの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、5~20、5~15、5~10、5~9.9、5~9.6、5~9、5~9、7~9、または8~9mol%の式IIの化合物またはその塩を含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、組成物は、5.0~10.0mol%の式IIaまたはIIbの化合物を含む。特定の実施形態では、組成物は、5.5~9.5mol%の式IIaまたはIIbの化合物を含む。特定の実施形態では、組成物は、6.0~9.0mol%の式IIaまたはIIbの化合物を含む。特定の実施形態では、組成物は、6.5~8.5mol%の式IIaまたはIIbの化合物を含む。特定の実施形態では、組成物は、7.0~8.0mol%の式IIaまたはIIbの化合物を含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、組成物は、10mol%以下の式IIaまたはIIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、9.5mol%以下の式IIaまたはIIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、9.0mol%以下の式IIaまたはIIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、8.5mol%以下の式IIaまたはIIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、8.0mol%以下の式IIaまたはIIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、7.5mol%以下の式IIaまたはIIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、7.0mol%以下の式IIaまたはIIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、6.5mol%以下の式IIaまたはIIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、6.0mol%以下の式IIaまたはIIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、5.5mol%以下の式IIaまたはIIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、5.0mol%以下の式IIaまたはIIbの化合物を含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、組成物は、80~95mol%の式IIIの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、70~99、75~98、75~97、80~95mol%の式IIIの化合物またはその塩を含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、95mol%以下の式IIIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、85mol%以下の式IIIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、75mol%以下の式IIIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、65mol%以下の式IIIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、55mol%以下の式IIIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、45mol%以下の式IIIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、35mol%以下の式IIIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、25mol%以下の式IIIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、15mol%以下の式IIIの化合物またはその塩を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、5mol%以下の式IIIの化合物またはその塩を含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、組成物は、80~95mol%の式IIIaの化合物を含む。特定の実施形態では、組成物は、82.5~92.5mol%の式IIIaの化合物を含む。特定の実施形態では、組成物は、85~90mol%の式IIIaの化合物を含む。特定の実施形態では、組成物は、87.5~92.5mol%の式IIIaの化合物を含む。
【0158】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IVの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:1000~1:1の範囲である。医薬組成物の特定の実施形態では、式IVの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:500~1:1の範囲である。医薬組成物の特定の実施形態では、式IVの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:100~1:1の範囲である。特定の実施形態では、式IVの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:90~1:5の範囲である。特定の実施形態では、式IVの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:80~1:10の範囲である。特定の実施形態では、式IVの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:70~1:20の範囲である。特定の実施形態では、式IVの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:60~1:30の範囲である。特定の実施形態では、式IVの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:50~1:40の範囲である。
【0159】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式Iの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:1000~1:1の範囲である。医薬組成物の特定の実施形態では、式Iの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:500~1:1の範囲である。医薬組成物の特定の実施形態では、式Iの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:100~1:1の範囲である。特定の実施形態では、式Iの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:90~1:5の範囲である。特定の実施形態では、式Iの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:80~1:10の範囲である。特定の実施形態では、式Iの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:70~1:20の範囲である。特定の実施形態では、式Iの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:60~1:30の範囲である。特定の実施形態では、式Iの化合物対式IIの化合物のモル比は、1:50~1:40の範囲である。
【0160】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:1000~1:1の範囲である。医薬組成物のいくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:500~1:1の範囲である。医薬組成物のいくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:100~1:1の範囲である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:90~1:5の範囲である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:80~1:10の範囲である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:70~1:20の範囲である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:60~1:30の範囲である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:50~1:40の範囲である。
【0161】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:1000~1:1の範囲である。医薬組成物のいくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:500~1:1の範囲である。医薬組成物のいくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:100~1:1の範囲である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:90~1:5の範囲である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:80~1:10の範囲である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:70~1:20の範囲である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:60~1:30の範囲である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:50~1:40の範囲である。
【0162】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIの化合物対式IIIの化合物のモル比は、1:20~1:8の範囲である。特定の実施形態では、式IIの化合物対式IIIの化合物のモル比は、1:18~1:10の範囲である。特定の実施形態では、式IIの化合物対式IIIの化合物のモル比は、1:16~1:12の範囲である。特定の実施形態では、式IIの化合物対式IIIの化合物のモル比は、1:15~1:13の範囲である。
【0163】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIaの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:20~1:8の範囲である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:18~1:10の範囲である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:16~1:12の範囲である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:15~1:13の範囲である。
【0164】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIbの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:20~1:8の範囲である。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:18~1:10の範囲である。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:16~1:12の範囲である。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:15~1:13の範囲である。
【0165】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、必要に応じて式Iとしての式IVの化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩と、式IIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩と、式IIIの化合物またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩とを含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式IV、式I、式IIおよび式IIIの化合物の少なくとも1つのアンモニウム塩を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、同一の炭素鎖長を有する化合物の均質な集団を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、各炭素鎖に対してさまざまな長さを有する脂質化合物の不均質な集団を含む。かかる実施形態では、式IV、式I、式Ia、式Ib、式II、式IIa、式IIb、式III、または式IIIaにおいて変数または特定の数として表される鎖長は、医薬組成物中に存在する脂質組成物の鎖結合の平均数を指す。
【0168】
いくつかの実施形態では、組成物はさらに、30℃未満の標準沸点を有する流体を含む。
【0169】
典型的な実施形態では、流体は、哺乳動物の尿路に存在する温度および圧力で気体である。好ましい実施形態では、流体は、電磁エネルギー、音響エネルギー、マイクロ波エネルギー、フォトニックエネルギー、またはその他などのさまざまな形態のエネルギーに応答する。特定の実施形態では、流体は水溶液への溶解度が低く、空気、窒素、アルゴン、CO、六フッ化硫黄、フッ化C1~6アルカン、またはそれらの組み合わせである。
【0170】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、流体はパーフルオロカーボンである。いくつかの実施形態では、流体は、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタン、n-パーフルオロプロパン、テトラデカフルオロヘキサン、およびドデカフルオロペンタンから選択される。特定の実施形態では、流体はn-デカフルオロブタン(別名パーフルオロブタン)である。
【0171】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IVの化合物(これは典型的な実施形態では式Iの化合物である);式IIの化合物;式IIIの化合物;および30℃未満の標準沸点を有する液体は、マイクロスフェアにアセンブルすることができる。したがって、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、マイクロスフェアを含み、マイクロスフェアは、30℃未満の標準沸点を有する流体を取り囲む脂質シェルを含み、脂質シェルは、式I、IIおよびIIIの化合物を含む。
【0172】
マイクロスフェアの平均直径は、当該技術分野で公知の方法のいずれかを用いて測定することができる。いくつかの実施形態では、平均直径は、例えばコールターカウンターを使用して、エレクトロゾーンセンシングによって測定される。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、エレクトロゾーンセンシングによって測定した場合、約0.1ミクロン~約10ミクロン、または0.1ミクロン~10ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.2ミクロン~約9.5ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.3ミクロン~約9.0ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約8.5ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約8.0ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約7.5ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約7.0ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約6.5ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約6.0ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約5.5ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約5ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約4ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約3ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン~約2ミクロンの平均直径を有する。特定の実施形態では、マイクロスフェアは、約0.5ミクロン、0.6ミクロン、0.7ミクロン、0.8ミクロン、0.9ミクロン、1ミクロンまたは5ミクロンの平均直径を有する。
【0173】
いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む医薬組成物は、凍結乾燥粉末または乾燥濃縮物である。
【0174】
他の実施形態では、マイクロスフェアを含む医薬組成物はさらに、水、食塩水、または緩衝塩溶液などの水性媒体を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンを欠くリン酸緩衝溶液を含む。特定の実施形態では、組成物はさらに、リン酸緩衝食塩水を含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む医薬組成物は、凍結乾燥物、乾燥濃縮物または液体製剤にかかわらず、賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12のうちの1つまたは複数を含む。PLASDONE K12は市販品である。
【0176】
ビスホスホネート-PEG-脂質化合物を製造する方法
別の態様では、本開示は、ビスホスホネート-PEG-脂質化合物を作製する方法を提供する。
【0177】
ビスホスホネート-PEG-脂質化合物を作製する例示的な方法を図2に示す。本方法は、(i)オキソアンモニウム触媒酸化によってポリエチレングリコール化合物の二酸形態を合成するステップと、(ii)NHSエステル化およびクロマトグラフィーによってPEG-脂質を合成するステップと、(iii)NHSエステル化およびクロマトグラフィーによってビスホスホネート-PEG-脂質を合成するステップとを含む。
【0178】
第1のステップにおいて、合成方法は、ポリエチレングリコール化合物を酸化剤と十分な時間接触させて、前述のポリエチレングリコール化合物のジカルボン酸類似体を生成する酸化反応を含む。いくつかの実施形態では、酸化反応は、オキソアンモニウム触媒酸化反応である。いくつかの実施形態では、酸化剤はNaClOである。
【0179】
合成方法はさらに、得られた二酸形態のPEGをエステル化して脂質にし、このエステル化反応はN-ヒドロキシスクシンイミドによって媒介される後続のステップを含む。いくつかの実施形態では、得られたPEG-脂質はクロマトグラフィーによって精製される。
【0180】
合成方法はさらに、エステル化反応によってビスホスホネート-PEG-脂質を合成する更なる追加のステップを含む。いくつかの実施形態では、エステル化反応は、N-ヒドロキシスクシンイミドによって媒介される。いくつかの実施形態では、ビスホスホネート-PEG-脂質は、クロマトグラフィーによって精製される。
【0181】
いくつかの実施形態では、ビスホスホネート-PEG-脂質は、式IVの化合物である。いくつかの実施形態では、ビスホスホネート-PEG-脂質は、式Iの化合物である。いくつかの実施形態では、ビスホスホネート-PEG-脂質は、式Iaの化合物である。いくつかの実施形態では、ビスホスホネート-PEG-脂質は、式Ibの化合物である。
【0182】
PEG-脂質混合物の作製方法
別の態様では、本開示は、30℃未満の標準沸点を有する流体を含有する、アセンブルすることができるリン脂質組成物を作製する方法を提供する。本方法は、(a)ビスホスホネート-PEG-脂質を含むPEG-脂質をブレンドするステップと、(b)均質化するステップと、(c)濾過するステップとを含む。
【0183】
典型的な実施形態では、ステップ(a)は、ビスホスホネート-PEG-脂質と、式IIの化合物と、式IIIの化合物とをブレンドすることを含む。
【0184】
典型的な実施形態では、ビスホスホネート-PEG-脂質は、式IVの化合物である。ある特定の実施形態では、式IVの化合物は、式1の化合物である。特定の実施形態では、式Iの化合物は、式Iaの化合物である。特定の実施形態では、式Iの化合物は、式Ibの化合物である。
【0185】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物は、式IIaの化合物である。いくつかの実施形態では、式IIの化合物は、式IIbの化合物である。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物は、式IIIaの化合物である。
【0186】
ステップ(b)では、PEG-脂質のブレンドされた混合物が均質化される。
【0187】
ステップ(c)では、均質化された混合物が濾過される。
【0188】
マイクロスフェアを製造する方法
更なる態様では、本開示は、マイクロスフェアを製造する方法であって、当該方法は、(a)上記のセクションに記載のPEG-脂質混合物を調製し、水と組み合わせるステップであって、混合物が必要に応じて少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤をさらに含む、ステップと、(b)容器中でステップ(a)のPEG-脂質混合物を30℃未満の標準沸点を有する流体と組み合わせるステップと、(c)PEG-脂質混合物とステップ(b)からの流体とを含む容器を撹拌するか、そうでなければエネルギーを印可して、マイクロスフェアを得るステップとを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、治療的使用のために提供される。この場合、マイクロスフェアは液体組成物中にあり得る。液体組成物は、容器中にあり得る。
【0189】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、マイクロスフェアを含有する組成物を処理してその貯蔵寿命を延ばすか、または保存のための環境条件の範囲を拡大するステップ(d)を含む。一実施形態では、ステップ(d)は、マイクロスフェアを含む組成物を凍結乾燥することを含むが、当該技術分野で公知の他の方法を使用して、マイクロスフェア溶液の貯蔵寿命を延ばすか、または保存のための環境条件の範囲を拡大することができる。
【0190】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)または(d)からのマイクロスフェアを含む組成物を容器に充填するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、容器中で特定の処理ステップを実行するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、ステップ(c)または(d)からのマイクロスフェアを含む容器に栓をするステップを含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、無菌処理を含む。
【0192】
いくつかの実施形態では、ステップ(a)のリン脂質組成物はさらに、式IIの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)のリン脂質組成物はさらに、式IIIの化合物またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)のリン脂質組成物はさらに、式IIの化合物またはその塩および式IIIの化合物またはその塩の両方を含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、本方法で使用される式Iの化合物またはその塩は、式Iaの化合物または式Ibの化合物である。いくつかの実施形態では、本方法で使用される式IIの化合物またはその塩は、式IIaの化合物または式IIbの化合物である。いくつかの実施形態では、本方法において使用される式IIIの化合物またはその塩は、式IIIaの化合物である。
【0194】
いくつかの実施形態では、ステップ(a)のリン脂質組成物は、ステップ(b)の前に濾過される。
【0195】
いくつかの実施形態では、リン脂質組成物は、ステップ(a)の後かつステップ(b)の前に容器に移される。いくつかの実施形態では、ステップ(a)~(d)の一部または全部は、連続処理によって実行される。
【0196】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥されたマイクロスフェアは、凍結乾燥された乾燥粉末または水を含まない濃縮物として存在する。
【0197】
いくつかの実施形態では、真空下で容器に栓をしてもよい。
【0198】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥されたマイクロスフェアは、マイクロスフェア溶液よりも安定である。いくつかの実施形態では、凍結乾燥されたマイクロスフェアは、マイクロスフェア溶液よりも長い貯蔵寿命を有する。
【0199】
いくつかの実施形態では、容器は単位投薬容器である。
【0200】
いくつかの実施形態では、流体はn-デカフルオロブタンである。
【0201】
いくつかの実施形態では、蓋をされた容器は、n-デカフルオロブタンで充填されている。
【0202】
いくつかの実施形態では、ステップ(a)のリン脂質組成物は、40ナノメートル~5000ナノメートルの平均直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)のリン脂質組成物は、100ナノメートル~1000ナノメートル、200ナノメートル~900ナノメートル、300ナノメートル~800ナノメートル、400ナノメートル~700ナノメートル、500ナノメートル~600ナノメートル、100ナノメートル~200ナノメートル、または10ナノメートル~100ナノメートルの平均直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施態様では、ステップ(a)のリン脂質組成物中のリポソームの平均直径は、約50ナノメートルである。
【0203】
いくつかの実施形態では、本方法は、エネルギー応答性マイクロスフェアを製造する。例えば、本方法によって生成されたマイクロスフェアは、エネルギーの適用に応答して崩壊し得る。いくつかの実施形態では、エネルギーは、電磁、音響、マイクロ波、フォトニック、または他の形態である。マイクロスフェアの崩壊は、エネルギー、例えば機械的エネルギーを放出することができる。
【0204】
いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約0.1ミクロン~1000ミクロンである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約0.1ミクロン~100ミクロンである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約0.1ミクロン~30ミクロンである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約0.7ミクロン~10ミクロンである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約0.5ミクロン~15.0ミクロンである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約1.0ミクロン~10.0ミクロンである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約1.0ミクロン~8.0ミクロンである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約1.0ミクロン~7.0ミクロンである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約1.0ミクロン~6.0ミクロンである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約1.0ミクロン~5.0ミクロンである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約1.0ミクロン~4.0である。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約1.0ミクロン~3.0ミクロンである。いくつかの実施形態では、凍結乾燥前のマイクロスフェアの平均直径は、約1.0ミクロン~2.0ミクロンである。
【0205】
いくつかの実施形態では、本方法は、マイクロスフェアを含む組成物を凍結乾燥することを含むステップ(d)を含み、凍結乾燥中のマイクロスフェアの損失は50%以下である。いくつかの実施形態では、凍結乾燥中のマイクロスフェアの損失は40%以下である。いくつかの実施形態では、凍結乾燥中のマイクロスフェアの損失は30%以下である。別の実施形態では、凍結乾燥中のマイクロスフェアの損失は25%以下である。いくつかの実施形態では、凍結乾燥中のマイクロスフェアの損失は20%以下である。いくつかの実施形態では、凍結乾燥中のマイクロスフェアの損失は15%以下である。いくつかの実施形態では、凍結乾燥中のマイクロスフェアの損失は10%以下である。
【0206】
いくつかの実施形態では、式Iの化合物の分子量は、1,500~5,000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の分子量は2,000~5,000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の分子量は2,000~4,500ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の分子量は2,500~4,000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の分子量は3,000~3,500ダルトンである。
【0207】
いくつかの実施形態では、式IIの化合物の分子量は、1,500~5,000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物の分子量は2,000~4,500ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物の分子量は2,500~4,000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIの化合物の分子量は3,000~3,500ダルトンである。
【0208】
いくつかの実施形態では、式IIIの化合物の分子量は、500~2,000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物の分子量は750~1,750ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物の分子量は1,000~1,500ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物の分子量は1,100~1,400ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIの化合物の分子量は1200~1,300ダルトンである。
【0209】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、0.01~5mol%の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.05~5mol%の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.1~5mol%の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.5~4.5mol%の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、1.0~4.0mol%の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、1.5~3.5mol%の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、2.0~3.0mol%の式Iの化合物を含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、5~9.9mol%の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、5.5~9.5mol%の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、6.0~9.0mol%の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、6.5~8.5mol%の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、7.0~8.0mol%の式IIの化合物を含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、80~95mol%の式IIIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、82.5~92.5mol%の式IIIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、85~90mol%の式IIIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、87.5~92.5mol%の式IIIの化合物を含む。
【0212】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、5mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、4.5mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、4.0mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、3.5mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、3.0mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、2.5mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、2.0mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、1.5mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、1.0mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.5mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.1mol%以下の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.05mol%以下の式Iの化合物を含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、10mol%以下の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、9.5mol%以下の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、9.0mol%以下の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、8.5mol%以下の式IIの化合物を含む。別の実施形態では、マイクロスフェアは、8.0mol%以下の式IIの化合物を含む。別の実施形態では、マイクロスフェアは、7.5mol%以下の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、7.0mol%以下の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、6.5mol%以下の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、6.0mol%以下の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、5.5mol%以下の式IIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、5.0mol%以下の式IIの化合物を含む。
【0214】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、95mol%以下の式IIIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、92.5mol%以下の式IIIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、90mol%以下の式IIIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、87.5mol%以下の式IIIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、85.0mol%以下の式IIIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、82.5mol%以下の式IIIの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、80.0mol%以下の式IIIの化合物を含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)のマイクロスフェア中の式Ibの化合物の平均分子量は、約3500ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物の平均分子量は、約3200ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物の平均分子量は、約2500ダルトンである。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物の平均分子量は、約2000ダルトンである。
【0216】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)のマイクロスフェア中の式IIbの化合物の平均分子量は、約3000ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2800ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2600ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2400ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2200ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIbの化合物の平均分子量は、約2000ダルトンである。
【0217】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)のマイクロスフェア中の式IIIaの化合物の平均分子量は、約840ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIaの化合物の平均分子量は、約790ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIaの化合物の平均分子量は、約750ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIaの化合物の平均分子量は、約700ダルトンである。いくつかの実施形態では、式IIIaの化合物の平均分子量は、約650ダルトンである。
【0218】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、0.01~5mol%の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.05~5mol%の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.1~5mol%の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.5~4.5mol%の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、1.0~4.0mol%の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、1.5~3.5mol%の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、2.0~3.0mol%の式Ibの化合物を含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、5~9.9mol%の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、6.0~9.0mol%の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、6.5~8.5mol%の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、7.0~8.0mol%の式IIbの化合物を含む。
【0220】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、80~95mol%の式IIIaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、82.5~92.5mol%の式IIIaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、85~90mol%の式IIIaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、87.5~92.5mol%の式IIIaの化合物を含む。
【0221】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、5mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、4.5mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、4.0mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、3.5mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、3.0mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、2.5mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、2.0mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、1.5mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、1.0mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.5mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.1mol%以下の式Ibの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、0.05mol%以下の式Ibの化合物を含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、10mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、9.5mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、9.0mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、8.5mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、8.0mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、7.5mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、7.0mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、6.5mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、6.0mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、5.5mol%以下の式IIbの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、5.0mol%以下の式IIbの化合物を含む。
【0223】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェアは、95mol%以下の式IIIaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、92.5mol%以下の式IIIaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、90mol%以下の式IIIaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、87.5mol%以下の式IIIaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、85.0mol%以下の式IIIaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、82.5mol%以下の式IIIaの化合物を含む。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアは、80.0mol%以下の式IIIaの化合物を含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)から得られたマイクロスフェア中の式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:1000~1:1の範囲である。マイクロスフェアのいくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:500~1:1の範囲である。マイクロスフェアのいくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:100~1:1の範囲である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:90~1:5の範囲である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:80~1:10の範囲である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:70~1:20の範囲である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:60~1:30の範囲である。いくつかの実施形態では、式Iaの化合物対式IIaの化合物のモル比は、1:50~1:40の範囲である。
【0225】
医薬組成物のいくつかの実施形態では、式IIaの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:20~1:8の範囲である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:18~1:10の範囲である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:16~1:12の範囲である。いくつかの実施形態では、式IIaの化合物対式IIIaの化合物のモル比は、1:15~1:13の範囲である。
【0226】
マイクロスフェアのいくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:1000~1:1の範囲である。マイクロスフェアのいくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:500~1:1の範囲である。マイクロスフェアのいくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:100~1:1の範囲である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:90~1:5の範囲である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:80~1:10の範囲である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:70~1:20の範囲である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:60~1:30の範囲である。いくつかの実施形態では、式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比は、1:50~1:40の範囲である。
【0227】
単位投薬形態
第4の態様では、本開示は、治療有効量の本明細書に記載の医薬組成物を含む単位投薬容器を提供する。
【0228】
いくつかの実施形態では、単位投薬容器は、リン脂質組成物を含み、当該リン脂質組成物は、式Iの化合物、式IIの化合物、および式IIIの化合物、ならびに少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬容器はさらに、30℃未満の標準沸点を有する流体を含む。
【0229】
いくつかの実施形態では、単位投薬容器はマイクロスフェアを含み、当該マイクロスフェアは、式Iの化合物、式IIの化合物、式IIIの化合物、30℃未満の標準沸点を有する流体、および少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む。マイクロスフェアは、マイクロスフェアを製造する方法に関連して本明細書に記載される方法によって得ることができる。
【0230】
単位投薬形態のいくつかの実施形態では、式Iの化合物は、式IaまたはIbの化合物である。
【0231】
単位投薬形態のいくつかの実施形態では、式IIの化合物は、式IIaまたはIIbの化合物である。
【0232】
単位投薬形態のいくつかの実施形態では、式IIIの化合物は、式IIIaの化合物である。
【0233】
いくつかの実施形態では、30℃未満の標準沸点を有する流体は、体温で気体である。いくつかの実施形態では、流体は、空気、CO、六フッ化硫黄、フッ化C1~6アルカン、またはそれらの組み合わせである。
【0234】
いくつかの実施形態では、流体はn-デカフルオロブタンである。
【0235】
いくつかの実施形態では、単位投薬容器の組成物はさらに、賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12を含む。いくつかの実施形態では、単位投薬容器はさらに、カルシウムイオンおよびマグネシウムイオンを含まないリン酸緩衝溶液を含む。
【0236】
いくつかの実施形態では、単位投薬容器の組成物は、水の存在下でマイクロスフェアを形成することができる。いくつかの実施形態では、単位投薬容器の組成物は、マイクロスフェアを含む液体組成物である。
【0237】
いくつかの実施形態では、単位投薬容器のマイクロスフェアは、凍結乾燥された乾燥粉末または水を含まない濃縮物として存在する。いくつかの実施形態では、凍結乾燥された乾燥粉末は、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物(lyophalate)である。いくつかの実施形態では、単位投薬容器の組成物は、マイクロスフェアを含む凍結乾燥された製剤の再構成によって得られる生成物である。
【0238】
いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、10重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、9.5重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、9.0重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、8.5重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、8.0重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、7.5重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、7.0重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、6.5重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、6.0重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、5.5重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、5.0重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、4.5重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、4.0重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、3.5重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、3.0重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、2.5重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、2.0重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、1.5重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、1.0重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、0.5重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、0.4重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、0.3重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、0.2重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、0.1重量%以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物の残留含水量は、0.01重量%以下である。
【0239】
いくつかの実施形態では、単位投薬容器の組成物は、本明細書に記載される方法のいずれか1つによって調製される。
【0240】
いくつかの実施形態では、単位投薬容器は、セプタムを取り付けた圧着頂部キャップによって封止される。いくつかの実施形態では、単位投薬容器は気密性である。
【0241】
キット
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の少なくとも1つの単位投薬容器と、前述のキットを使用するための指示とを含むキットを提供する。
【0242】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの単位投薬容器のそれぞれの中の組成物は、水の存在下でマイクロスフェアを形成することができる。
【0243】
キットのいくつかの実施形態では、単位投薬容器はさらに、薬学的に許容され得る賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12を含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、キットはさらに、水溶液を含む容器を含む。いくつかの実施形態では、水溶液は滅菌水である。いくつかの実施形態では、水溶液は、灌流の準備ができた食塩溶液である。
【0245】
いくつかの実施形態では、キットはさらに、シリンジを含む。いくつかの実施形態では、キットはさらに、ニードルを含む。いくつかの実施形態では、キットはさらに、鋭い先端部を含む、ニードルの無いシリンジ(例えば、Mini-Spike(登録商標))を含み、当該ニードルの無いシリンジは栓を貫通することができる。
【0246】
いくつかの実施形態では、キットはさらに、流体の容器を含み、当該流体は、空気、窒素、アルゴン、CO、六フッ化硫黄、フッ化C1~6アルカン、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、容器はシリンジである。
【0247】
キットのいくつかの実施形態では、フッ化C1~6アルカンは、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタンおよびドデカフルオロペンタンから選択される。
【0248】
キットのいくつかの実施形態では、流体はn-デカフルオロブタンである。
【0249】
いくつかの実施形態では、キットはさらに、ゲルパッドまたは超音波ゲルを含む。
【0250】
いくつかの実施形態では、キットはさらに、Mix2Vial(登録商標)装置およびベント付きバイアルアダプタから選択される装置を含む。
【0251】
再構成の方法
さらに別の態様では、本開示は、本明細書に記載の方法のいずれか1つに従って調製されたマイクロスフェアを再構成する方法を提供する。いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを含む凍結乾燥物が再構成される。いくつかの実施形態では、再構成の方法は、十分な量の滅菌水または食塩溶液を容器中の上記セクションに記載のマイクロスフェア溶液に添加するステップを含む。本方法はさらに、ある体積のガスを容器に添加し、容器を振盪するステップを含むことができる。具体的には、いくつかの実施形態では、マイクロスフェアを再構成する方法は、
(a)容器内のマイクロスフェアに十分な量の滅菌水または食塩溶液を添加するステップと、
(b)必要に応じて、ある体積のガスをステップ(a)の容器に添加するステップと、
(c)必要に応じて、ステップ(b)の容器を振盪するステップと
を含む。
【0252】
再構成の方法のいくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、1000ミリリットル以下である。再構成の方法のいくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は750ミリリットル以下である。再構成の方法のいくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は500ミリリットル以下である。再構成の方法のいくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は200ミリリットル以下である。再構成の方法のいくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は100ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、90ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、80ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、70ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、60ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、50ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、40ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、30ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、20ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、10ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、5ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、1ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、0.5ミリリットル以下である。いくつかの実施形態では、滅菌水または食塩溶液の量は、0.3ミリリットル以下である。
【0253】
いくつかの実施形態では、添加される滅菌水または食塩溶液の量は、再構成されたマイクロスフェアを含む均質な混合物を生成するのに十分である。
【0254】
再構成の方法のいくつかの実施形態では、容器の振盪は180秒以下続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は160秒以下続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は140秒以下続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は120秒以下続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は100秒以下続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は80秒以下続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は60秒以下続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は40秒以下続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は20秒以下続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は10秒以下続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は5秒以下続く。
【0255】
再構成の方法のいくつかの実施形態では、容器の振盪は160秒以下続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は少なくとも140秒間続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は少なくとも120秒間続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は少なくとも100秒間続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は少なくとも80秒間続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は少なくとも60秒間続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は少なくとも40秒間続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は少なくとも20秒間続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は少なくとも10秒間続く。いくつかの実施形態では、容器の振盪は少なくとも5秒間続く。
【0256】
処置方法
最終的な態様では、本開示は、異常なまたは閉塞性の塊を伴う医学的状態を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、医学的状態は、腎臓結石、尿路結石、胆管結石、血餅、類線維腫、癌性腫瘍およびじゅく状斑を含む。いくつかの実施形態では、対象は尿石症を有する。
【0257】
いくつかの実施形態では、本方法は、医学的状態を有する対象に、マイクロスフェアを異常なまたは閉塞性の塊(例えば、尿路結石、腎臓結石、胆管結石、血餅、類線維腫、癌性腫瘍およびじゅく状斑)と接触させるように有効量の本明細書に記載の再構成されたマイクロスフェア溶液を投与するステップと、対象内の異常なまたは閉塞性の塊に、マイクロスフェア内の流体を励起する周波数でエネルギーを指向的に適用するステップとを含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、再構成されたマイクロスフェア溶液は、尿路カテーテルを通して対象の尿管に投与される。
【0259】
いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーは、電磁、音響、マイクロ波、フォトニック、レーザ、または他の形態である。
【0260】
いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーは超音波である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーは音響エネルギーである。
【0261】
いくつかの実施形態では、音響エネルギーは、100キロヘルツ(kHz)~2メガヘルツ(MHz)の周波数範囲の超音波エネルギーである。いくつかの実施形態では、音響エネルギーは、200キロヘルツ(kHz)~1.5メガヘルツ(MHz)の周波数範囲の超音波エネルギーである。いくつかの実施形態では、音響エネルギーは、300キロヘルツ(kHz)~1.2メガヘルツ(MHz)の周波数範囲の超音波エネルギーである。いくつかの実施形態では、音響エネルギーは、500キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波数範囲の超音波エネルギーである。
【0262】
いくつかの実施形態では、適用された超音波エネルギーは、0.1MPa~10MPaの範囲のピーク圧力に関連している。いくつかの実施形態では、適用された超音波エネルギーは、1MPa~10MPaの範囲のピーク圧力に関連している。いくつかの実施形態では、適用された超音波エネルギーは、2MPa~9MPaの範囲のピーク圧力に関連している。いくつかの実施形態では、適用された超音波エネルギーは、4MPa~8MPaの範囲のピーク圧力に関連している。いくつかの実施形態では、適用された超音波エネルギーは、5MPa~7MPaの範囲のピーク圧力に関連している。
【0263】
いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーは、固体パルスレーザからの管腔内エネルギーで生成される。
【0264】
いくつかの実施形態では、レーザエネルギーの波長は、1000nm~2500nmの範囲である。いくつかの実施形態では、レーザエネルギーの波長は、2050nm~2150nmの範囲である。いくつかの実施形態では、レーザエネルギーによる液相の気化は、液相に圧力効果を生じさせる移動相境界と関連している。
【0265】
いくつかの実施形態では、レーザエネルギーは、1kHz~1MHzの範囲の周波数を有する。いくつかの実施形態では、レーザエネルギーは、1kHz~1MHz、10kHz~500kHz、50kHz~100kHz、または10kHz~50kHzの範囲の周波数を有する。
【0266】
いくつかの実施形態では、エネルギーは、尿路結石を断片化するのに十分な時間量にわたって適用される。
【0267】
いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は100分以下である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は90分以下である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は80分以下である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は70分以下である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は60分以下である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は50分以下である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は40分以下である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は30分以下である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は25分以下である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は20分以下である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は15分以下である。いくつかの実施形態では、適用されたエネルギーの時間量は10分以下である。
【0268】
いくつかの実施形態では、適用されたフォトニックエネルギーは、マイクロスフェアの体積の変化またはマイクロスフェアの他のキャビテーション作用を引き起こす。
【0269】
いくつかの実施形態では、マイクロスフェアのキャビテーションは、再構成されたマイクロスフェアの周りの尿路結石に圧力勾配変化および機械的作用を引き起こす。
【0270】
いくつかの実施形態では、圧力勾配変化および他の機械的作用は、尿路結石を断片化することができる。
【0271】
いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は動物である。
【実施例
【0272】
以下の合成的および生物学的な実施例は、本技術を例示するために提供され、本技術の範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
【0273】
特に明記しない限り、すべての温度は摂氏である。
【0274】
使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確を期すよう努めたが、多少の実験誤差および偏差が許容されるべきである。
【0275】
機能的に等価な任意の方法は、本技術の範囲内である。本明細書に記載されたものに加えて、本技術のさまざまな変更は、前述の説明および添付の図面から当業者には明らかになるであろう。かかる変更は、添付の特許請求の範囲に含まれる。
【0276】
下記の実施例において、以下の略語は以下の意味を有する。略語が定義されていない場合、それは一般的に受け入れられている意味を有する。
aq.=水性
LC-MS=液体クロマトグラフィー-質量分析
MS=質量分析
THF=テトラヒドロフラン
NaHCO=重炭酸ナトリウム
DIEA=ジイソプロピルエチルアミン
MS=質量分析
NaH=水素化ナトリウム
o/n=一晩
HATU=1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
r.t.=室温
LAH=水素化リチウムアルミニウム
DCM=ジクロロメタン
DMF=ジメチルホルムアミド
DMSO=ジメチルスルホキシド
equiv.=当量
EtOAc=酢酸エチル
EtOH=エタノール
g=グラム
h)=時間
HCl=塩酸
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
HOAc=酢酸
M=モル濃度
MeOH=メタノール
mg=ミリグラム
mL=ミリリットル
mmol=ミリモル
mp=融点
m/z=質量電荷比
NaCl=塩化ナトリウム
NaCO=炭酸ナトリウム
NMR=核磁気共鳴
NaOH=水酸化ナトリウム
NaSO=硫酸ナトリウム
NHS=n-ヒドロキシスクシンイミド
ppm=百万分率
TLC=薄層クロマトグラフィー
UV=紫外の
wt%=重量パーセント
μM=マイクロモル濃度
【0277】
一般的な実験の詳細:
最終化合物およびリン脂質組成物をNMRによって確認した。H-NMR、31P-NMR、13C-NMRスペクトルを、CDCl(残留内部標準CHCl=δ7.26)、DMSO-d(残留内部標準CDSOCDH=δ2.50)、メタノール-d(残留内部標準CDHOD=δ3.20)、またはアセトン-d(残留内部標準CDCOCDH=δ2.05)、またはCDClとメタノール-dとの混合物で記録した。報告される化学シフト(δ)は百万分率(ppm)で示され、カップリング定数(J)はヘルツ(Hz)で示される。スピン多重度は、s=シングレット(singlet)、bs=ブロードシングレット(broad singlet)、bm=ブロードマルチプレット(broad multiplet)、d=ダブレット(doublet)、t=トリプレット(triplet)、q=カルテット(quartet)、p=ペンタプレット(pentuplet)、dd=ダブルダブレット(doublet of doublet)、ddd=ダブルダブルダブレット(doublet of doublet of doublet)、dt=ダブルトリプレット(doublet of triplet)、td=トリプルダブレット(triplet of doublet)、tt=トリプルトリプレット(triplet of triplet)、およびm=マルチプレット(multiplet)として報告される。
【0278】
実施例1:式Ibの化合物の合成
ステップ1-PEG2DAの合成
PEG2000をアセトニトリルに溶解し、40℃に加温した。溶解後、リン酸で約pH7.5に調整したリン酸カリウム緩衝水溶液を投入し、続いてTEMPOを添加した。次いで、亜塩素酸ナトリウムおよび次亜塩素酸ナトリウムの水溶液を、反応混合物に30分~1時間かけて同時に投入する。投入が完了したら、反応物を40℃で最低24~48時間撹拌する。最小限の撹拌時間の後、反応の完了をTLC分析によってアッセイする。完了したとみなされたら、混合物を0℃に冷却し、チオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチする。次いで、クエンチした溶液を塩酸水溶液でpH<3に酸性化し、有機材料をクロロホルム/メタノール/水分配で抽出する。次いで、溶媒を回転蒸発により有機相から除去し、材料をトルエンサイクルで乾燥させる。次いで、粗製材料を、ジエチルエーテルを用いたトルエンからの沈殿によって精製する。図8は、精製PEG2DAのH-NMRスペクトルを示す。
【0279】
ステップ2-DSPE-PEG 2-COOHの合成
PEG2DAをトルエンに溶解し、90℃に加温した。CDIを少量ずつ添加して二酸化炭素の発生を制御した。すべての固体が溶解し、すべての発泡が停止したら、固体DSPEを反応混合物に添加し、続いてトリエチルアミンを添加した。混合物を90℃で12~24時間撹拌し、その時点で、反応の完了をTLCによって確認した。完了したら、反応混合物を5~10 mLのメタノールでクエンチし、周囲温度に冷却した。一旦冷却し、溶液をクロロホルムで希釈し、1M塩酸水溶液に対して分配してイミダゾールを除去し、続いてブラインで洗浄した。混合物を水酸化アンモニウムで中和した後、回転蒸発によりバルク溶媒を除去した。次いで、粗製混合物を最初に順相媒体(クロロホルム/メタノール/水酸化アンモニウム勾配)、次いで塩化ナトリウムによるカラム洗浄を含む逆相媒体(メタノール/水勾配)で順次クロマトグラフィーにかけて、DSPE-PEG2-COOHのナトリウム塩を得た。図9および図10は、それぞれ、DSPE-PEG2-COOHのH-NMRおよび31P-NMRスペクトルを示す。
【0280】
ステップ3-式Ibの化合物の合成
反応前に、アレンドロン酸をテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(水中40重量%の溶液)に溶解し、トルエンを用いて水を共沸除去し、続いて真空乾燥した。アレンドロネート-TBA調製後、DSPE-PEG2-COOHを85:15の無水クロロホルム/無水ジメチルホルムアミドの混合物に溶解し、40℃に加温した。溶液にN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を加えた後、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)を加え、混合物を40℃で4~6時間撹拌した。割り当てられた時間の後、H NMR分光法を使用して、DSPE-PEG 2-COO-NHSエステル形成についてアッセイした(H-NMR分析による典型的な反応完了は>75%であった)。DSPE PEG2 COO-NHSエステル形成が確認されたら、先に調製したアレンドロネート-TBA塩を無水クロロホルムに溶解し、反応容器に直接添加し、続いてトリエチルアミンを添加した。次いで、反応温度を50℃に上げ、その温度で18~24時間撹拌し、その時点で反応の完了をTLCによってアッセイした。完了したら、反応混合物を1M塩酸水溶液に対して3回分配して過剰のアレンドロネートを除去し、続いて2回ブライン洗浄して過剰の酸を除去した。混合物を水酸化アンモニウムで中和した後、回転蒸発によりバルク溶媒を除去した。次いで、材料をDowex(登録商標)50WX8水素型イオン交換樹脂で処理して、バルクのテトラブチルアンモニウム対イオンを除去した。樹脂を濾過し、濾液からバルク溶媒を除去し、次いで、塩化アンモニウムによるカラム洗浄を含む逆相媒体(メタノール/水勾配)で材料をクロマトグラフィーにかけて、式Ibの化合物を得た。図11および図12は、それぞれ、下記の構造を有する式Ibの化合物のH-NMRスペクトルおよび31P-NMRスペクトルを示す:
【化37】
本明細書に記載の式Ibの化合物の合成方法を以下に要約する:
【化38】
【0281】
実施例2:マイクロスフェアの合成
実施例1に記載されるように生成された式Ibの化合物を、他の脂質組成物-
DSPE-PEG2K(式IIbの化合物)
【化39】
および
DSPC(式IIIaの化合物)
【化40】
ならびに、水と混合した。
【0282】
混合物(図14)の31P-NMRスペクトルは、それぞれが各脂質組成物、式Ibの化合物、DSPCまたはDSPE-PEG2Kに対応する3つのピークを示す。各ピークのシグナルは、混合物中の式Ibの化合物(「DSPE PEGアレンドロネート」については28.37)、DSPC(「DSPC」については1363.68)、およびDSPE-PEG2K(「DSPE PEG」については107.55)の相対量を示す。
【0283】
式Ibの化合物、DSPCおよびDSPE-PEG2Kを含む混合物の液相を、所望の直径およびPDIが達成されるまで複数回のパスでホモジナイザーを用いて処理した。各パスからのサンプルを、動的光散乱(DLS)を使用してサイズ分布について分析し、その結果を図4に示す。製剤をリン酸緩衝食塩水で希釈し、Mobius(Wyatt)で分析する。
【0284】
n-デカフルオロブタン(C10)を脂質混合物に添加し、混合物を1~2分間撹拌した。n-デカフルオロブタンの添加および撹拌のステップの前(左)および後(右)の脂質混合物の画像を図5に提供し、比較する。画像は、製剤の定性的差異を示す。
【0285】
30μmの開口部を有するBeckman Coulter Multisizer 4eを使用して、エレクトロゾーンセンシングによる粒子数密度および粒子直径についてマイクロスフェアを特徴付けた。サンプル体積は、100mLのIsoton II希釈液中1~10μLの範囲であった。例示的な結果を図7に示す。結果は、0.7~2μmの範囲の平均サイズを有するマイクロスフェアが生成されたことを示す。
【0286】
実施例3:蓄積アッセイ
実施例1および2に記載されているように生成されたマイクロスフェアを、ヒドロキシアパタイトビーズと共にインキュベートしながら、時間経過研究でBeckman Coulter Multisizer 4eを用いて特徴付けた。さまざまな時点における粒子密度について、Multisizerによってマイクロスフェアを分析した。マイクロスフェアの濃度の変化を使用して、ヒドロキシアパタイトビーズの表面に蓄積したマイクロスフェアの数を計算した。式Ibの化合物を含まない対照マイクロスフェアサンプルも分析した。
【0287】
図6に要約されるように、実験は、時間経過研究にわたって、ヒドロキシアパタイトビーズ上への式Ibの化合物を有するマイクロスフェアの有意な蓄積を実証した。この結果は、式Ibの化合物を含むマイクロスフェアがヒドロキシアパタイトビーズに対して高い親和性を有することを示唆している。
【0288】
実施例4:ヘッドスペース分析
ヘッドスペースサンプルを、手動のガスクロマトグラフィーシリンジを使用して、式Ibの化合物およびn-デカフルオロブタンの医薬組成物を含む容器から直接引き抜いた。ヘッドスペースサンプルを直ちにGCに注入した。実験からのGCシグナルを図13に示す。これはn-デカフルオロブタンを示すピークを示す。
【0289】
実施例5:尿石症の処置のための外部音響エネルギー源によるマイクロスフェアの使用
実施例1および2に記載されるように生成されたマイクロスフェアを、膀胱鏡で配置された5Frカテーテルを介して、尿路結石と診断された患者に投与した。患者は急性腎疝痛を呈しており、CTスキャンによって確認された結石疾患の診断を受けていた。患者の上部尿路の罹患側にカテーテルを配置し、カテーテルの遠位端に接続されたマイクロスフェア溶液を含むシリンジを配置した後、膀胱鏡を取り外した。0.5~1.0mL容量のマイクロスフェア溶液を、20~90分の期間にわたる手順の過程にわたって複数の間隔で注入した。音響エネルギーを手順の過程にわたって複数の間隔で適用した。使用された音響エネルギー源、すなわち患者の腰または鼠径部の皮膚に当てるように設計された処置ヘッドを備えたSmartSphereコンソールは、結石の表面またはその近くにあるマイクロスフェアと相互作用し、結石の侵食、点食および断片化を引き起こすように作出されており、ブタモデルにおける広範な研究において安全であることが示されていた。多くの尿路結石患者は、本方法を使用して処置に成功している。
【0290】
本発明は、好ましい実施形態およびさまざまな代替の実施形態を参照して特に示され説明されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細のさまざまな変更を行うことができることが当業者には理解されよう。
【0291】
本明細書の本文内で引用されたすべての参考文献、発行された特許および特許出願は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載の発明。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0291
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0291】
本明細書の本文内で引用されたすべての参考文献、発行された特許および特許出願は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式IVの化合物
【化41】

式IV 1
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩であって、式中、
pは10~30であり、
qは1~100であり、
Cは、
【化42】

からなる群より選択され、
Bは、共有結合およびエチル基からなる群より選択され、
Aは、共有結合、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アシルオキシ、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アミジノおよびカルボキシエステルからなる群より選択され、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、SO HおよびPO Hからなる群より選択される、
化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩。
(項目2)
pが14または16であり、
qが38~50である、項目1に記載の化合物。
(項目3)
式IVの化合物が、式Iの化合物
【化43】

またはその塩、異性体もしくは異性体の塩であって、
nは10~30であり、
mは1~100である、項目1または2に記載の化合物。
(項目4)
nが14または16であり、
mが38~50である、項目3に記載の化合物。
(項目5)
式Iの化合物が、式Iaの化合物
【化44】

またはその塩、異性体もしくは異性体の塩である、項目3または4に記載の化合物。
(項目6)
式Iの化合物が、式Ibの化合物
【化45】

である、項目5に記載の化合物。
(項目7)
式IVの化合物
【化46】

またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩を含む医薬組成物であって、式中、
pは10~30であり、
qは1~100であり、
Cは、
【化47】

からなる群より選択され、
Bは、共有結合およびエチル基からなる群より選択され、
Aは、共有結合、アシル、アシルアミノ、アミノアシル、アシルオキシ、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニルオキシ、アミノスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アミジノ、アミドおよびカルボキシエステルからなる群より選択され、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、OH SO HおよびPO Hからなる群より選択される、医薬組成物。
(項目8)
pが14または16であり、
qが38~50である、項目7に記載の医薬組成物。
(項目9)
前記組成物がさらに、
式IIの化合物
【化48】

またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩;
式IIIの化合物
【化49】

またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩
を含み、
式中、
tは10~30であり、
yは1~100であり、
zは10~30である、項目7または8に記載の医薬組成物。
(項目10)
tが14または16であり、
zが14または16であり、
yが38~50である、項目9に記載の医薬組成物。
(項目11)
式IVの化合物が、式Iの化合物
【化50】

またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩であり、式中、
nは10~30であり、
mは1~100である、項目7から10までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目12)
nが14または16であり、
mが38~50である、項目11に記載の医薬組成物。
(項目13)
式Iの化合物が、式Iaの化合物
【化51】

またはその薬学的に許容され得る塩、異性体もしくは異性体の塩である、項目12に記載の医薬組成物。
(項目14)
式Iaの化合物が、式Ibの化合物
【化52】

である、項目13に記載の医薬組成物。
(項目15)
前記組成物がさらに、30℃未満の標準沸点を有する流体と、必要に応じて少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤とを含む、項目7から14までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目16)
前記流体が体温で気体である、項目15に記載の医薬組成物。
(項目17)
前記流体が水溶液中で低い溶解度を有する、項目15または16に記載の医薬組成物。
(項目18)
前記流体が、空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素(CO )、六フッ化硫黄、フッ化C 1~6 アルカン、またはそれらの組み合わせである、項目15から17までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目19)
前記フッ化C 1~6 アルカンが、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタンおよびドデカフルオロペンタンから選択される、項目18に記載の医薬組成物。
(項目20)
前記組成物が、0.01~5mol%の式IVもしくは式Iの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、項目7から19までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目21)
前記組成物が、5~9.9mol%の式IIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、項目9から20までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目22)
前記組成物が、80~95mol%の式IIIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、項目9から21までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目23)
前記組成物が、5mol%以下の式IVもしくは式Iの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、項目7から22までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目24)
前記組成物が、10mol%以下の式IIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、項目9から23までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目25)
前記組成物が、95mol%以下の式IIIの化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む、項目9から24までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目26)
前記組成物が、式IVまたは式Iの化合物のアンモニウム塩を含む、項目7から25までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目27)
前記組成物が、式IIの化合物のアンモニウム塩を含む、項目9から26までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目28)
式IVまたは式Iの化合物の分子量が1,500~5,000ダルトンである、項目7から27までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目29)
式IIの化合物の分子量が1,500~5,000ダルトンである、項目9から28までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目30)
式IIIの化合物の分子量が500~2,000ダルトンである、項目9から29までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目31)
式IVまたは式Iの化合物対式IIの化合物のモル比が1:100~1:1の範囲である、項目7から30までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目32)
式IIの化合物対式IIIの化合物のモル比が1:20~1:8の範囲である、項目9から30までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目33)
式Iaの化合物が、式Ibの化合物
【化53】

であり、
式IIの化合物が、式IIbの化合物
【化54】

であり、
式IIIの化合物が、式IIIaの化合物
【化55】

であり、
前記組成物は前記流体を含み、前記流体はn-デカフルオロブタンである、項目7から32までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目34)
式Ibの化合物の平均分子量が約3200ダルトンである、項目33に記載の医薬組成物。
(項目35)
式IIbの化合物の平均分子量が約2800ダルトンである、項目33または34に記載の医薬組成物。
(項目36)
式IIIaの化合物の平均分子量が約790ダルトンである、項目33から35までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目37)
前記組成物が、0.01~5mol%の式Ibの化合物を含む、項目33から36までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目38)
前記組成物が、5~9.9mol%の式IIbの化合物を含む、項目33から37までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目39)
前記組成物が、80~95mol%の式IIIaの化合物を含む、項目33から38までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目40)
前記組成物が、5mol%以下の式Ibの化合物を含む、項目33から39までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目41)
前記組成物が、10mol%以下の式IIbの化合物を含む、項目33から40までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目42)
前記組成物が、95mol%以下の式IIIaの化合物を含む、項目33から41までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目43)
式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比が1:100~1:1の範囲である、項目9から37までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目44)
式IIbの化合物対式IIIaの化合物のモル比が1:20~1:8の範囲である、項目9から30までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目45)
前記組成物が、水の存在下でマイクロスフェアを形成することができる、項目7から44までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目46)
マイクロスフェアを含む、項目7から44までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目47)
前記マイクロスフェアが、式Ibの化合物、式IIbの化合物および式IIIaの化合物を含む、項目45から46までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目48)
前記マイクロスフェアが、約0.5ミクロン~約10ミクロンの平均直径を有する、項目45から47までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目49)
前記マイクロスフェアが、約1ミクロン~約5ミクロンの平均直径を有する、項目48に記載の医薬組成物。
(項目50)
前記組成物が、賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12を含む、項目7から49までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目51)
前記組成物が、凍結乾燥された乾燥粉末または水を含まない濃縮物として存在するマイクロスフェアを含む、項目7から50までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
(項目52)
マイクロスフェアを製造する方法であって、前記方法が、
(f)以下:
式Iの化合物
【化56】

またはその塩、異性体もしくは異性体の塩;
式IIの化合物
【化57】

またはその塩、異性体もしくは異性体の塩;
式IIIの化合物
【化58】

またはその塩、異性体もしくは異性体の塩、
必要に応じて、少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤、および

を含むマイクロスフェアを作製するための製剤を調製するステップを含み、
式中、
nは10~30であり、
mは1~100であり、
tは10~30であり、
yは1~100であり、
zが10~30であり、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシルカルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、OH、SO HおよびPO Hからなる群より選択される、方法。
(項目53)
さらに、
(g)ステップ(a)の前記製剤を、容器内で30℃未満の標準沸点を有する流体と組み合わせるステップと、
(h)ステップ(b)からの前記製剤および流体を含有する前記容器を撹拌し、それによってマイクロスフェアを得るステップと
を含む、項目52に記載の方法。
(項目54)
さらに、
(i)ステップ(c)からのマイクロスフェア溶液を処理して、その貯蔵寿命を延ばすか、または保存のための環境条件の範囲を拡大するステップ
を含む、項目53に記載の方法。
(項目55)
さらに、
(j)ステップ(c)または(d)からの前記マイクロスフェアを含む前記容器に、必要に応じて真空下で栓をするステップ
を含む、項目53または54に記載の方法。
(項目56)
ステップ(a)の前記製剤がステップ(b)の前に濾過される、項目52から55までのいずれか1項に記載の方法。
(項目57)
前記処理ステップ(d)が、前記マイクロスフェア溶液を凍結乾燥するステップである、項目54から56までのいずれか1項に記載の方法。
(項目58)
前記容器が単位投薬容器である、項目53から57までのいずれか1項に記載の方法。
(項目59)
前記流体がn-デカフルオロブタンである、項目53から58までのいずれか1項に記載の方法。
(項目60)
蓋をされた前記容器のヘッドスペースが、n-デカフルオロブタンで充填される、項目53から59までのいずれか1項に記載の方法。
(項目61)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアの平均直径が約0.1~1000μmである、項目53から60までのいずれか1項に記載の方法。
(項目62)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアの平均直径が約0.1~100μmである、項目61に記載の方法。
(項目63)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアの平均直径が約0.1~30μmである、項目62に記載の方法。
(項目64)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアの平均直径が約0.7~10μmである、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記処理ステップ(d)が前記マイクロスフェア溶液を凍結乾燥するステップであり、凍結乾燥中のマイクロスフェアの損失が25%以下である、項目55から64までのいずれか1項に記載の方法。
(項目66)
凍結乾燥中の前記マイクロスフェアの損失が15%以下または10%以下である、項目65に記載の方法。
(項目67)
式Iの化合物の分子量が1,500~5,000ダルトンである、項目52から66までのいずれか1項に記載の方法。
(項目68)
式IIの化合物の分子量が1,500~5,000ダルトンである、項目52から67までのいずれか1項に記載の方法。
(項目69)
式IIIの化合物の分子量が500~2,000ダルトンである、項目52から68までのいずれか1項に記載の方法。
(項目70)
前記製剤中の式Iの化合物対式IIの化合物のモル比が1:100~1:1の範囲である、項目52から69までのいずれか1項に記載の方法。
(項目71)
前記製剤中の式IIの化合物対式IIIの化合物のモル比が1:20~1:8の範囲である、項目52から70までのいずれか1項に記載の方法。
(項目72)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、0.01~5mol%の式Iの化合物を含む、項目52から71までのいずれか1項に記載の方法。
(項目73)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、5~9.9mol%の式IIの化合物を含む、項目52から72までのいずれか1項に記載の方法。
(項目74)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、80~95mol%の式IIIの化合物を含む、項目52から73までのいずれか1項に記載の方法。
(項目75)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、5mol%以下の式Iの化合物を含む、項目52から74までのいずれか1項に記載の方法。
(項目76)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、10mol%以下の式IIの化合物を含む、項目52から75までのいずれか1項に記載の方法。
(項目77)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、95mol%以下の式IIIの化合物を含む、項目52から76までのいずれか1項に記載の方法。
(項目78)
式Iの化合物が、式Ibの化合物であり、式IIの化合物が、式IIbの化合物であり、式IIIの化合物が、式IIIaの化合物である、項目47から77までのいずれか1項に記載の方法。
(項目79)
式Ibの化合物の平均分子量が約3200ダルトンである、項目78に記載の方法。
(項目80)
式IIbの化合物の平均分子量が約2800ダルトンである、項目78または79に記載の方法。
(項目81)
式IIIaの化合物の平均分子量が約790ダルトンである、項目78から80までのいずれか1項に記載の方法。
(項目82)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、0.01~5mol%の式Ibの化合物を含む、項目78から81までのいずれか1項に記載の方法。
(項目83)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、5~9.9mol%の式IIbの化合物を含む、項目78から82までのいずれか1項に記載の方法。
(項目84)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、80~95mol%の式IIaの化合物を含む、項目78から83までのいずれか1項に記載の方法。
(項目85)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、5mol%以下の式Ibの化合物を含む、項目78から84までのいずれか1項に記載の方法。
(項目86)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、10mol%以下の式IIbの化合物を含む、項目78から85までのいずれか1項に記載の方法。
(項目87)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェアが、95mol%以下の式IIIaの化合物を含む、項目78から86までのいずれか1項に記載の方法。
(項目88)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェア中の式Ibの化合物対式IIbの化合物のモル比が1:100~1:1の範囲である、項目78から87までのいずれか1項に記載の方法。
(項目89)
ステップ(c)からの前記マイクロスフェア中の式IIbの化合物対式IIIaの化合物のモル比が1:20~1:8の範囲である、項目78から88までのいずれか1項に記載の方法。
(項目90)
治療有効量の、項目7から51までのいずれか1項に記載の医薬組成物を含む、単位投薬容器。
(項目91)
式Iの化合物が式Ibの化合物である、項目90に記載の容器。
(項目92)
式IIの化合物が式IIbの化合物である、項目90または91に記載の容器。
(項目93)
式IIIの化合物が式IIaの化合物である、項目90から92までのいずれか1項に記載の容器。
(項目94)
流体が、空気、CO 、六フッ化硫黄、フッ化C 1~6 アルカン、またはそれらの組み合わせである、項目90から93までのいずれか1項に記載の容器。
(項目95)
前記フッ化C 1~6 アルカンが、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタンおよびドデカフルオロペンタンから選択される、項目94に記載の容器。
(項目96)
前記流体がn-デカフルオロブタンである、項目90から95までのいずれか1項に記載の容器。
(項目97)
前記組成物が、賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12を含む、項目90から96までのいずれか1項に記載の容器。
(項目98)
前記組成物がさらに緩衝液を含み、前記緩衝液がリン酸塩である、項目90から97までのいずれか1項に記載の容器。
(項目99)
前記緩衝液が、カルシウムおよびマグネシウムを含まない食塩水を含む、項目98に記載の容器。
(項目100)
前記組成物が、水の存在下でマイクロスフェアを形成することができる、項目90から99までのいずれか1項に記載の容器。
(項目101)
前記組成物がマイクロスフェアを含む、項目90から99までのいずれか1項に記載の容器。
(項目102)
前記マイクロスフェアが、凍結乾燥された乾燥粉末または水を含まない濃縮物として存在する、項目100または101に記載の容器。
(項目103)
前記容器が、項目52から89までのいずれか1項に記載のプロセスによって調製される、項目90から102までのいずれか1項に記載の容器。
(項目104)
セプタムを取り付けた圧着頂部キャップによって封止される、項目90から103までのいずれか1項に記載の容器。
(項目105)
前記容器が気密性である、項目90から104までのいずれか1項に記載の容器。
(項目106)
キットであって、
項目90から105までのいずれか1項に記載の少なくとも1つの単位投薬容器と
前記キットを使用するための指示と
を含む、キット。
(項目107)
前記単位投薬容器が、賦形剤としてトレハロースおよびPLASDONE K12を含む、項目106に記載のキット。
(項目108)
前記キットがさらに、水溶液を含む容器を含む、項目106~107のいずれか一項に記載のキット。
(項目109)
前記水溶液が滅菌水である、項目108に記載のキット。
(項目110)
前記水溶液が、灌流の準備ができた食塩溶液である、項目108に記載のキット。
(項目111)
前記キットがさらにシリンジを含む、項目106から110までのいずれか1項に記載のキット。
(項目112)
前記キットがさらに、前記シリンジ用に適合されたニードルを含む、項目111に記載のキット。
(項目113)
前記キットが、鋭利な先端部を含む、ニードルの無いシリンジを含む、項目106から111に記載のキット。
(項目114)
前記ニードルまたは前記鋭利な先端部が、セプタムキャップを貫通することができる、項目112または113に記載のキット。
(項目115)
前記キットがさらに、30℃未満の標準沸点を有する流体を含む容器を含み、必要に応じて、前記容器はシリンジである、項目106から114までのいずれか1項に記載のキット。
(項目116)
前記流体が、空気、窒素、アルゴン、CO 、六フッ化硫黄、フッ化C 1~6 アルカン、またはそれらの組み合わせである、項目115に記載のキット。
(項目117)
前記フッ化C 1~6 アルカンが、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタンおよびドデカフルオロペンタンから選択される、項目116に記載のキット。
(項目118)
前記流体がn-デカフルオロブタンである、項目105から117までのいずれか1項に記載のキット。
(項目119)
前記キットがさらに、少なくとも1つのゲルパッドおよび超音波ゲルを含む、項目105から118までのいずれか1項に記載のキット。
(項目120)
前記キットがさらに、Mix2Vial(登録商標)装置およびベント付きバイアルアダプタから選択される装置を含む、項目105から119までのいずれか1項に記載のキット。
(項目121)
マイクロスフェアを再構成する方法であって、前記方法が、
(d)十分な量の水または食塩溶液を、項目90から105までのいずれか1項に記載の容器内の前記マイクロスフェアに添加するステップと、
(e)必要に応じて、30℃未満の標準沸点を有するある体積の流体をステップ(a)の前記容器に添加するステップと、
(f)必要に応じて、ステップ(a)またはステップ(b)の前記容器を振盪するステップと
を含む、方法。
(項目122)
前記方法がさらに、ステップ(a)の前に前記容器にガスを充填するステップを含む、項目121に記載の方法。
(項目123)
前記水または前記食塩溶液の量が100ミリリットル以下である、項目121または122に記載の方法。
(項目124)
添加される前記水または前記食塩溶液の量が、再構成された前記マイクロスフェアを含む均質な混合物を生成するのに十分である、項目123に記載の方法。
(項目125)
前記容器の振盪が180秒以下続く、項目121から124までのいずれか1項に記載の方法。
(項目126)
尿石症を処置する方法であって、前記方法は、
尿石症を有する対象に、有効量の項目7から51までのいずれか1項に記載の医薬組成物、項目52から89までのいずれか1項に従って製造されたマイクロスフェア、または項目121から125までのいずれか1項に記載の再構成されたマイクロスフェア溶液を投与し、前記マイクロスフェアを尿路結石と接触させるようにするステップと、
前記対象内の前記尿路結石に、前記マイクロスフェア内の流体を励起する周波数でエネルギーを指向的に適用するステップと
を含む、方法。
(項目127)
前記再構成されたマイクロスフェア溶液が、尿路カテーテルを通して前記対象の尿管に投与される、項目126に記載の方法。
(項目128)
前記エネルギーが、電磁、音響、マイクロ波、フォトニック、または他の形態である、項目126または127に記載の方法。
(項目129)
前記エネルギーが超音波である、項目126から128までのいずれか1項に記載の方法。
(項目130)
前記超音波エネルギーが、100キロヘルツ(kHz)~2メガヘルツ(MHz)の周波数範囲である、項目129に記載の方法。
(項目131)
前記超音波エネルギーが、0.1MPa~10MPaの範囲のピーク圧力に関連している、項目129または130に記載の方法。
(項目132)
前記エネルギーが、前記尿路結石を断片化するのに十分な時間量にわたって適用される、項目126から131までのいずれか1項に記載の方法。
(項目133)
前記時間量が100分以下である、項目132に記載の方法。
(項目134)
前記時間量が90分以下である、項目132に記載の方法。
(項目135)
前記時間量が80分以下である、項目132に記載の方法。
(項目136)
前記時間量が70分以下である、項目132に記載の方法。
(項目137)
前記時間量が60分以下である、項目132に記載の方法。
(項目138)
前記時間量が50分以下である、項目132に記載の方法。
(項目139)
前記時間量が40分以下である、項目132に記載の方法。
(項目140)
前記時間量が30分以下である、項目132に記載の方法。
(項目141)
前記時間量が25分以下である、項目132に記載の方法。
(項目142)
前記時間量が20分以下である、項目132に記載の方法。
(項目143)
前記時間量が15分以下である、項目132に記載の方法。
(項目144)
前記時間量が10分以下である、項目132に記載の方法。
(項目145)
適用された前記エネルギーが、再構成された前記マイクロスフェアの体積の変化または前記マイクロスフェアの他のキャビテーション作用を引き起こす、項目126から144までのいずれか1項に記載の方法。
(項目146)
前記マイクロスフェアの前記キャビテーションが、再構成された前記マイクロスフェアの周りの前記尿路結石に圧力勾配変化および他の機械的作用を引き起こす、項目126から145までのいずれか1項に記載の方法。
(項目147)
前記圧力勾配変化および他の機械的作用が、尿路結石を断片化することができる、項目126から146までのいずれか1項に記載の方法。
(項目148)
前記対象がヒトである、項目126から147までのいずれか1項に記載の方法。
(項目149)
尿石症の処置に使用するための、項目121から125までのいずれか1項に記載の再構成されたマイクロスフェア溶液であって、
マイクロ粒子を尿路結石と接触させるように有効量の前記マイクロスフェア溶液が対象に投与され、
前記対象内の前記尿路結石に、前記マイクロスフェア内の流体を励起する周波数でエネルギーが指向的に適用される、再構成されたマイクロスフェア溶液。
(項目150)
前記再構成されたマイクロスフェア溶液が、尿路カテーテルを通して前記対象の尿管に投与される、項目149に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目151)
前記エネルギーが、電磁、音響、マイクロ波、フォトニック、レーザ、または他の形態である、項目149または150に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目152)
前記エネルギーが超音波である、項目149から151までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目153)
前記超音波エネルギーが、100キロヘルツ(kHz)~2メガヘルツ(MHz)の周波数範囲である、項目149に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目154)
前記超音波エネルギーが、0.1MPa~10MPaの範囲のピーク圧力に関連している、項目152または153に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目155)
前記エネルギーがレーザの形態である、項目149から151までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目156)
前記レーザエネルギーが、1000nm~2500nmの赤外範囲の波長を有する、項目155に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目157)
前記レーザエネルギーが管腔内液体を気化させることができ、それによって関連する音響波を生成することができる、項目155に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目158)
前記レーザエネルギーが、1kHz~1MHzの範囲の周波数を有する、項目155に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目159)
前記エネルギーが、前記尿路結石を断片化するのに十分な時間量にわたって適用される、項目149から158までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目160)
前記時間量が100分以下である、項目159に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目161)
前記時間量が90分以下である、項目160に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目162)
前記時間量が80分以下である、項目161に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目163)
前記時間量が70分以下である、項目162に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目164)
前記時間量が60分以下である、項目163に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目165)
前記時間量が50分以下である、項目164に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目166)
前記時間量が40分以下である、項目165に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目167)
前記時間量が30分以下である、項目166に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目168)
前記時間量が25分以下である、項目167に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目169)
前記時間量が20分以下である、項目168に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目170)
前記時間量が15分以下である、項目169に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目171)
前記時間量が10分以下である、項目170に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目172)
適用された前記エネルギーが、前記再構成されたマイクロスフェアの体積の変化または前記マイクロスフェアの他のキャビテーション作用を引き起こす、項目149から171までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目173)
前記マイクロスフェアの前記キャビテーションが、前記再構成されたマイクロスフェアの周りの尿に圧力勾配変化および他の機械的作用を引き起こす、項目149から172までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目174)
前記圧力勾配変化および他の機械的作用が尿路結石を断片化することができる、項目149から173までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
(項目175)
前記対象がヒトである、項目149から174までのいずれか1項に記載の使用のための再構成されたマイクロスフェア。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iaの化合物
【化101】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩を含む医薬組成物。
【請求項2】
式Iの化合物
【化102】

またはその塩、異性体もしくは異性体の塩であって、式中、
nは10~30であり、
mは1~100であり、
Xは、水素、シリル、アシル、アミノアシル、チオアシル、アミノカルボニル、アミノアシル、カルボニルオキシ、アミノチオカルボニル、アミノスルホニル、アミジノ、置換スルホニル、置換スルフィニル、カルボキシエステル、フタルイミド、OH SO HまたはPO Hである、化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩、
式IIの化合物
【化103】

またはその塩、異性体もしくは異性体の塩、および
式IIIの化合物
【化104】

またはその塩、異性体もしくは異性体の塩であって、式中、
tは10~30であり、
yは1~100であり、
zは10~30である、
化合物またはその塩、異性体もしくは異性体の塩
を含む医薬組成物であって、
必要に応じて、少なくとも1つの賦形剤または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項3】
式Iの前記化合物が、式Iaの化合物
【化105】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
式IIの前記化合物が、式IIaの化合物
【化106】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
式IIIの前記化合物が、式IIIaの化合物
【化107】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記組成物が、
0.01~5mol%の式Iの前記化合物、
5~9.9mol%の式IIの前記化合物、および
80~95mol%の式IIIの前記化合物
を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記組成物がさらに、空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素(CO )、六フッ化硫黄およびフッ化C 1~6 アルカン、からなる群から選択される、30℃未満の標準沸点を有する流体を含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記フッ化C 1~6 アルカンが、オクタフルオロプロパン、n-デカフルオロブタンおよびドデカフルオロペンタンからなる群から選択される、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記組成物がマイクロスフェアを含み、前記マイクロスフェアが30℃未満の標準沸点を有する前記流体を取り囲む脂質シェルを含み、前記脂質シェルは、式I、IIおよびIIIの前記化合物を含む、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記マイクロスフェアが約0.1ミクロン~約10ミクロンの平均直径を有する、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記組成物が、凍結乾燥された乾燥粉末または水を含まない濃縮物である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記組成物が、水、食塩溶液、または緩衝塩溶液をさらに含む、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記組成物が、トレハロースをさらに含む、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項14】
尿石症を処置する方法における使用のための請求項9に記載の医薬組成物であって、前記方法は、
尿石症を有する対象に、前記マイクロスフェアを尿路結石と接触させるように有効な投与経路により、前記医薬組成物を投与するステップと、次いで、
前記マイクロスフェアにエネルギーを適用するステップと
を含み、それにより前記尿路結石内にまたはその周辺にキャビテーション作用を生じさせる、医薬組成物。
【請求項15】
式Iの前記化合物が、式Iaの化合物
【化108】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
式Iの前記化合物が、式Ibの化合物
【化109】
またはその塩、異性体もしくは異性体の塩である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
式Iの前記化合物が、式Ibの化合物
【化110】
であり、
式IIの前記化合物が、式IIbの化合物
【化111】
であり、
式IIIの前記化合物が、式IIIaの化合物
【化112】
である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記組成物が、
0.01~5mol%の式Ibの前記化合物、
5~9.9mol%の式IIbの前記化合物、および
80~95mol%の式IIIaの前記化合物
を含む、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記組成物が、n-デカフルオロブタンをさらに含む、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記組成物がマイクロスフェアを含み、前記マイクロスフェアが30℃未満の標準沸点を有する前記流体を封入する脂質シェルを含み、前記脂質シェルは、式Ib、IIbおよびIIIaの前記化合物を含む、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
【化113】
式Iaの化合物。
【請求項22】
【化114】
式Ibの化合物。
【国際調査報告】