(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-19
(54)【発明の名称】通気口を備える2層ホース
(51)【国際特許分類】
F16L 19/04 20060101AFI20230612BHJP
F16L 13/02 20060101ALI20230612BHJP
F16L 41/02 20060101ALI20230612BHJP
F16L 39/02 20060101ALI20230612BHJP
【FI】
F16L19/04
F16L13/02
F16L41/02
F16L39/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568729
(86)(22)【出願日】2021-05-05
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 US2021030778
(87)【国際公開番号】W WO2021231142
(87)【国際公開日】2021-11-18
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518337784
【氏名又は名称】スウェージロック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ザボルスキ,ステファン,ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3H013
3H014
3H019
3J106
【Fターム(参考)】
3H013BA04
3H014EA07
3H019BA04
3H019BD05
3J106AB03
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC20
(57)【要約】
ホースアセンブリは、内側コアチューブ、金属製外側チューブ、第1の継手部材、及び第1のカラーを含む。第1の継手部材は、内側コアチューブの第1の端部内に延びるインボードノーズ部分を有する。金属製外側チューブは、内側コアチューブを取り囲み、内側コアチューブの第1の端部の軸方向内側の第1の端部で終端し、外側キャビティが内側コアチューブと金属製外側チューブの間に配置される。第1のカラーは、内側コアチューブの第1の端部をノーズ部分との間にクランプ保持するためにノーズ部分を取り囲むアウトボードクランプ部分と、金属製外側チューブの第1の端部に溶接されたインボード通気部分とを有し、インボード通気部分は、外側キャビティと流体連通する通気口を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホースアセンブリであって、
内側コアチューブと、
前記内側コアチューブの広げられた第1の端部内に延びるインボードノーズ部分を有する第1の継手部材と、
前記内側コアチューブを取り囲み、前記内側コアチューブの前記第1の端部の軸方向内側の第1の端部で終端する金属製外側チューブであって、外側キャビティが前記内側コアチューブと前記金属製外側チューブの間に配置される金属製外側チューブと、
第1のカラーであって、
前記内側コアチューブの前記第1の端部を前記ノーズ部分との間にクランプ保持するために前記ノーズ部分を取り囲むアウトボードクランプ部分、及び
前記金属製外側チューブの前記第1の端部に溶接されたインボード通気部分であって、前記外側キャビティと流体連通している通気口を含むインボード通気部分、
を有する第1のカラーとを備え、
前記アウトボードクランプ部分のアウトボード端部が、前記内側コアチューブの前記広げられた第1の端部を収容する大きさの第1の内径を有し、
前記アウトボードクランプ部分のインボード端部が、前記第1の内径より小さく、前記内側コアチューブの前記広げられた第1の端部の前記第1のカラーからの引き抜けを妨げる大きさの第2の内径を有する半径方向内側突起を含み、
前記インボード通気部分が、前記第2の内径より大きく、前記外側キャビティと前記通気口との間の流体流れを可能にする大きさの第3の内径を有する、
ホースアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のカラーが、前記アウトボードクランプ部分を定める第1のクランプ部材と、前記インボード通気部分を定める第1の通気口アダプタとを含む、請求項1に記載のホースアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のクランプ部材が前記第1の通気口アダプタに溶接される、請求項2に記載のホースアセンブリ。
【請求項4】
前記インボード通気部分が前記アウトボードクランプ部分と一体である、請求項1に記載のホースアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のカラーの前記アウトボードクランプ部分が前記第1の継手部材に溶接される、請求項1~4のいずれか一項に記載のホースアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のカラーのアウトボードクランプ部分が、前記第1の継手部材の外側半径方向フランジに当接する外側半径方向フランジを含む、請求項1~5のいずれかに記載のホースアセンブリ。
【請求項7】
前記第1のカラーの前記外側半径方向フランジが、前記第1の継手部材の前記外側半径方向フランジに溶接される、請求項6に記載のホースアセンブリ。
【請求項8】
前記内側コアチューブがプラスチックを含む、請求項1~7のいずれかに一項に記載のホースアセンブリ。
【請求項9】
前記内側コアチューブがPTFE及びPFAの少なくとも一方を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のホースアセンブリ。
【請求項10】
前記内側コアチューブが約1×10
-4scc/secより高いガス透過率を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のホースアセンブリ。
【請求項11】
前記金属製外側チューブがステンレス鋼を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のホースアセンブリ。
【請求項12】
前記金属製外側チューブが約1×10
-5scc/sec未満のガス透過率を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のホースアセンブリ。
【請求項13】
金属製外側チューブが波形の可撓性金属製チューブを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のホースアセンブリ。
【請求項14】
前記波形の可撓性金属製チューブの最端部波形の外側部分が、前記第1のカラーの前記インボード通気部分のインボード端部に溶接される、請求項13に記載のホースアセンブリ。
【請求項15】
前記内側コアチューブの第2の端部内に延びるインボードノーズ部分を有する第2の継手部材と、前記内側コアチューブの前記第2の端部を前記ノーズ部分との間にクランプ保持するために前記第2の継手部材の前記ノーズ部分を取り囲むアウトボードクランプ部分、及び、前記金属製外側チューブの第2の端部に溶接され前記内側コアチューブから半径方向に間隔を置いたインボード通気部分を有する第2のカラーとをさらに備え、前記第2のカラーの前記インボード通気部分が、前記外側キャビティと流体連通している通気口を含む、請求項1~14のいずれかの一項に記載のホースアセンブリ。
【請求項16】
ホースアセンブリを製造する方法であって、
第1のカラーのインボード部分を金属製外側チューブの第1の端部に溶接することであって、前記第1のカラーの前記インボード部分は通気口を含んでいる、溶接すること、
前記金属製外側チューブを通して内側コアチューブを挿入することであって、その結果、前記内側コアチューブの第1の端部が前記第1のカラーのアウトボード部分と整列され、外側キャビティが前記内側コアチューブと前記金属製外側チューブとの間に配置され、前記通気口と流体連通する、挿入すること、及び、
第1の継手部材のノーズ部分を前記内側コアチューブの前記第1の端部に挿入することであって、その結果、前記内側コアチューブの前記第1の端部は広げられ、前記ノーズ部分と前記第1のカラーの前記アウトボード部分との間にクランプ保持される、挿入すること、
を含む方法。
【請求項17】
前記第1のカラーの前記アウトボード部分を前記第1の継手部材に溶接することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の継手部材の前記ノーズ部分を前記内側コアチューブの前記第1の端部に挿入することが、前記内側コアチューブの前記第1の端部を前記第1のカラーの前記アウトボード部分のアウトボード端部と半径方向に係合するように広げることを含み、その結果、前記アウトボードクランプ部分のインボード端部の半径方向内側突出部が、前記内側コアチューブの前記広げられた第1の端部の前記第1のカラーからの引き抜けを妨げる、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記ホースアセンブリが請求項1~15のいずれか一項に記載のホースアセンブリを含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
第1のガス透過性を有する外側金属製チューブと、前記第1のガス透過性よりも高い第2のガス透過性を有する内側コアチューブとを有するホースアセンブリであって、前記内側コアチューブは、内側通路と、前記内側コアチューブ及び前記外側金属製チューブの間の外側キャビティとを画定し、前記内側コアチューブの第1の端部は、前記外側金属製チューブに溶接された継手接続部の内側ノーズ部分と外側カラー部分との間にクランプ保持状態で固定されるホースアセンブリを使用する方法であって、
正圧ガス状流体を前記内側通路に供給し、その結果、前記正圧ガス状流体の一部が前記内側コアチューブを通って前記外側キャビティに透過する、供給すること、
前記外側キャビティから前記正圧ガス状流体の一部を除去するために真空を前記外側カラー部分の通気口に印加すること、及び
前記外側キャビティ内の正圧が排除された状態で、前記正圧ガス状流体の残りを前記内側通路から排出すること、
を含む方法。
【請求項21】
前記ホースアセンブリが請求項1~15のいずれか一項に記載のホースアセンブリを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、DUAL LAYER HOSE WITH VENTING PORTとして、2020年5月14日に提出された米国仮特許出願第63/024,691号に付与された優先権及びそのすべての利益を主張し、その開示内容全体は参照により完全に本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、2点間で様々な圧力及び温度下で流体の封じ込め及び移送を行うための可撓性ホースアセンブリ、及びそのようなホースアセンブリを製造する方法に関する。より詳細には、本開示は、第1の特性(例えば、洗浄性)を提供する第1の層と、第2の特性(例えば、ガス不透過性)を提供する第2の層とを有する多層すなわち「ハイブリッド」可撓性ホースアセンブリに関する。
【発明の概要】
【0003】
本開示において提示される本発明の1つ又は複数の実施形態によれば、ホースアセンブリは、内側コアチューブと、金属製外側チューブと、第1の継手部材と、第1のカラーとを含む。第1の継手部材は、内側コアチューブの第1の端部内に延びるインボードノーズ部分を有する。金属製外側チューブは、内側コアチューブを取り囲み、内側コアチューブの第1の端部の軸方向内側の第1の端部で終端し、外側キャビティが内側コアチューブと金属製外側チューブの間に配置される。第1のカラーは、内側コアチューブの第1の端部をノーズ部分との間にクランプ保持するためにノーズ部分を取り囲むアウトボードクランプ部分と、金属製外側チューブの第1の端部に溶接されたインボード通気部分とを有し、インボード通気部分は、外側キャビティと流体連通している通気口を含む。例示的な配置では、アウトボードクランプ部分のアウトボード端部は、内側コアチューブの広げられた第1の端部を収容する大きさの第1の内径を有し、アウトボードクランプ部分のインボード端部は、第1の内径より小さく、内側コアチューブの広げられた第1の端部の第1のカラーからの引き抜けを妨げる大きさの第2の内径を有する半径方向内側突起を含み、インボード通気部分は、第2の内径より大きく、外側キャビティと通気口との間の流体流れを可能にする大きさの第3の内径を有する。
【0004】
本開示において提示される本発明の1つ又は複数の別の実施形態によれば、ホースアセンブリを製造する方法が企図される。例示的な方法において、第1のカラーのインボード部分が金属製外側チューブの第1の端部に溶接され、第1のカラーのインボード部分は通気口を含む。内側コアチューブが、内側コアチューブの第1の端部が第1のカラーのアウトボード部分と整列するように金属製外側チューブを通して設置され、外側キャビティが内側コアチューブと金属製外側チューブとの間に配置され、通気口と流体連通している。第1の継手部材のノーズ部分が、内側コアチューブの第1の端部に挿入され、その結果、内側コアチューブの第1の端部は広げられ、ノーズ部分と第1のカラーのアウトボード部分との間でクランプ保持される。
【0005】
本開示において提示される本発明の1つ又は複数の別の実施形態によれば、ホースアセンブリを使用する方法が企図される。ホースアセンブリは、第1のガス透過性を有する外側金属製チューブと、第1のガス透過性よりも高い第2のガス透過性を有する内側コアチューブとを含む。内側コアチューブは、内側通路と、内側コアチューブ及び外側金属製チューブの間の外側キャビティとを画定する。内側コアチューブの第1の端部は、外側金属製チューブに溶接された継手接続部の内側ノーズ部分と外側カラー部分との間にクランプ保持状態で固定される。例示的な方法では、正圧ガス状流体が内側通路に供給され、その結果、正圧ガス状流体の一部が内側コアチューブを通って外側キャビティに透過する。真空が外側カラー部分の通気口に印加され、外側キャビティから正圧ガス状流体の一部を除去する。外側キャビティ内の正圧が排除された状態で、正圧ガス状流体の残りが内側通路から排出される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】例示的な2層ホースアセンブリの断面図である。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、通気可能なカラー部分を含む2層ホースアセンブリの断面図である。
【
図3】本開示の別の例示的な実施形態による、溶接された通気アダプタを有するカラー部分を含む2層ホースアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の様々な発明的態様、概念、及び特徴は、例示的な実施形態において組み合わせて具現化されたものとして本明細書に記載及び示され得るが、これらの様々な態様、概念及び特徴は、個別に又はそれらの様々な組み合わせ及び下位組み合わせで、多くの代替実施形態において使用され得る。本明細書で明示的に除外されない限り、すべてのそのような組み合わせ及び下位組み合わせは、本発明の範囲内にあることが意図される。さらに、本発明の様々な態様、概念及び特徴に関する様々な代替実施形態-例えば、代替材料、構造、構成、方法、回路、デバイス及び構成要素、ソフトウェア、ハードウェア、制御論理、形態、適合性及び機能に関する代替など-が本明細書に記載され得るが、そのような記載は、現在知られているか又は後に開発されるかにかかわらず、利用できる代替実施形態の完全又は網羅的リストであると意図されるものでない。当業者は、発明的態様、概念又は特徴の1つ又は複数を、たとえそのような実施形態が本明細書に明示的に開示されていなくても、本発明の範囲内で追加の実施形態及び用途に容易に採用し得る。さらに、本発明のいくつかの特徴、概念又は態様が好ましい配置又は方法であるとして本明細書に記載されることがあっても、そのような記載は、明示的にそう記載されない限り、そのような特徴が必要又は必須であることを示唆することを意図していない。さらに、本開示の理解を助けるために、例示的又は代表的な値及び範囲が含まれる場合があるが、そのような値及び範囲は、限定的な意味で解釈されるものではなく、そのように明示的に記載されている場合にのみ、重要な値又は範囲であることが意図される。「およそ」又は「約」指定された値として特定されるパラメータは、明示的に別段の記載がない限り、指定された値と指定された値の10%以内の値の両方を含むことを意図している。さらに、本出願に添付された図面は、一定の縮尺であり得るが、そうである必要はなく、したがって、図面に明らかな様々な比率及び割合を教示するものと理解され得る。さらに、様々な態様、特徴及び概念は、本明細書において、発明的であるか又は発明の一部を形成するものとして明示的に特定され得るが、このような特定は排他的であることを意図しておらず、むしろ、そのように又は特定の発明の一部として明示的に特定されることなく本明細書に完全に記載されている発明的態様、概念及び特徴が存在し得、本発明は代わりに添付の請求項に規定されている。例示的な方法又はプロセスの記載は、全ての場合に必要であるとして全てのステップを含めることに限定されず、また、ステップを提示する順序は、明示的にそう述べない限り、必要又は必須であると解釈されるものではない。
【0008】
多くの用途は、流体システム内の2点間の流体接続を提供するための可撓性ホースの要件を有し、ホースの可撓性は、様々な流体ラインのルーティング要件、熱膨張、位置ずれ、及び間欠又は連続的な屈曲(例えば、システム振動に起因する)を可能にするものである。可撓性に加えて、例えば、システム温度、システム圧力、化学的適合性、耐汚染性、及びガス透過性を含む、異なるホース特性が特定の流体システムで使用するための考慮事項となる場合がある。いくつかの用途では、多層又は「ハイブリッド」可撓性ホースは、所望の第1の特性を提供する内側コアチューブと、所望の第2の特性を提供する外側チューブとを備えることができる。内側及び外側チューブは、互いに積層されるか又は他の方法で取り付けられてもよいが、いくつかの実施形態では、内側及び外側チューブは、例えば、ホースの組立又は機能を容易にするために、互いに別個であり、さらには互いに半径方向に離間されてもよい。
【0009】
図1は、プラスチック製内側コアチューブ10及び波形金属製外側チューブ20を含む例示的な先行技術のホースアセンブリ1を示し、これはその開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる欧州特許公開番号EP2327914B1号(「’914特許」)においてより詳細に記載されている。内側コアチューブ10の端部11を結合部材32のノーズ部分33の上に設置し、カラー31を内側コアチューブ端部上に設置して、結合部材32に対してコアチューブ端部11を半径方向に締め付け、内側コアチューブ端部に固定されたコネクタ30を形成する。結合部材のフランジ部分322は、カラー31のアウトボードフランジ部分312にW
1で溶接(例えば、球状溶接)され、金属製外側チューブ20の端部21は、カラー31のインボードフランジ部分311で溶接(例えば、球状溶接)される。別の例示的な2層ハイブリッドホースの配置は、共に所有される米国特許第10,591,092号(「’092特許」)に記載されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
2層ハイブリッドホース配置(例えば、’914特許のホース)において、プラスチック製内側コアチューブは優れた流体適合性のために選択されてもよく、波形金属製外側チューブは、内側コアチューブの比較的高いガス透過性(例えば、約1×10-4scc/sec超、又は約1×10-3scc/secと約1×10-2scc/secの間)を補うために、ガス不透過性(例えば、約1×10-5scc/sec未満、又は約1×10-9scc/secと約1×10-7scc/secの間)のために選択することができる。例えば、内側コアチューブは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又はパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)の少なくとも一方を含み得、金属製外側チューブは、ステンレス鋼(例えば、316SS)を含み得る。
【0011】
透過性の高い内側コアチューブと透過性の低い外側チューブとを有するハイブリッドホースアセンブリにおいて、内側コアチューブの壁を通して内側コアチューブと外側チューブとの間の外側環状キャビティにシステム流体が透過することによって、ある課題が生じる場合がある。例えば、加圧ガスが外側環状キャビティに透過した用途では、内部ホース通路の急速な減圧により、外側環状キャビティ内の加圧ガスによって内側コアチューブが内側に圧縮又は崩壊する可能性がある。別の例として、ホースが外側環状キャビティに透過した第1の加圧ガスと共に使用され、その後第2の流体と共に使用される用途では、第1の加圧ガスが内側コアチューブの壁を通って内側ホース通路に透過し、第2の流体を汚染させる可能性がある。
【0012】
本開示の一態様によれば、2層ハイブリッドホースの外側チューブは、例えば、内側ホース通路内の加圧ガスがガス透過性内側コアチューブを通ってホースの外側キャビティ内へ透過することにより、ホースの内側コアチューブと外側チューブとの間の半径方向空間又は外側環状キャビティ内のあらゆる流体を制御下に通気又は排出できるように1つ又は複数の通気口を備える(例えば、それを有する構成要素と一体的に形成される又はそれに接続される)ことができる。この外側キャビティからの加圧ガスの通気又は排出は、内部ホース通路が急速に減圧されたときに内側コアチューブの内側への圧縮又は崩壊を防止し得、また、加圧された第2のガス流体が(例えば、以前のホース適用から)ホースの外側キャビティ内に残り、内側コアチューブの壁を通って内側に透過することによって内部ホース通路内のガス流体を汚染することを防止し得る。
【0013】
1つのそのような配置において、
図2に示すように、プラスチック製内側コアチューブ110及び波形金属製外側チューブ120を有する2層ハイブリッドホース100は、通気口148を備える溶接された継手接続部130を含む。
図1に示され、上に記載された、上記の組み込まれた’914特許の実施形態と同様に、溶接された継手接続部130は、金属製外側チューブ120に溶接されたカラー131を含み、また、カラー131のアウトボードクランプ部分137と内側コアチューブの第1端部111に挿入された継手部材132のノーズ部分133との間に内側コアチューブ110の第1端部111をクランプ保持するためにカラーに固定(例えば、溶接)された継手部材132を含んでいる。ノーズ部分133の端部は、コアチューブ端部111の挿入及び広がりを容易にするために、細くされてもよい、又はテーパ状にされてもよい。図示された例では、継手部材132のフランジ部分135は、カラー131のアウトボードフランジ部分134に固定(例えば、w1で球状溶接)されている。
【0014】
示された実施形態では、カラー131のアウトボードクランプ部分137のアウトボード端部137aは、内側コアチューブ110の広げられた第1の端部111を収容する大きさの第1の内径d1を有し、アウトボードクランプ部分のインボード端部137bは、第1の内径d1より小さく、カラーからの内側コアチューブの広げられた第1の端部の引き抜けを妨げる大きさの第2の内径d2を有する半径方向内側突起138を含んでいる。通気口148は、第2の内径d2よりも大きく、例えば、カラー通気部分147と内側コアチューブ110との間の少なくとも最小限の隙間を維持することによって、通気口148と、内側コアチューブ110及び金属製外側チューブ120の間の外側環状キャビティCとの間の流体流れを可能にする大きさの第3の内径d3を有するカラーのインボード通気部分147に配置される。通気口148は、例えば、通気口148を介して外側キャビティCに真空(例えば、外側キャビティ圧力より低い任意の圧力)を印加するため、又は通気口を介して外側キャビティにパージガスを供給するために、通気口をパージライン150に接続することを容易にするためのチューブスタブ143又は他のコネクタ(例えば、カラー131に一体的に形成される又は溶接される)を含んでもよい。示されるように、通気部分147のインボード端部147bは、金属製外側チューブ120の端部121への(例えば、波形金属製チューブの外側波形部分への)(w2での)溶接を容易にする大きさの溶接端部149(例えば、フランジ)を含んでいる。
【0015】
通気可能ハイブリッドホースアセンブリ100を製造する例示的な方法において、カラー131の溶接端部149は、金属製外側チューブ120の端部121に溶接される(例えば、球状溶接される)。内側コアチューブ110は、内側コアチューブの第1端部がカラー131のアウトボード部分137aと(例えば、取り付けられたノーズ部分133のアウトボード端部に対応する位置137cで)整列するように、金属製外側チューブ120を通して取り付けられ、ここで外側キャビティCは内側コアチューブと金属製外側チューブの間に配置されて通気口と流体連通下におかれる。継手部材132のノーズ部分133は、内側コアチューブ110の第1端部111に挿入され、継手部材132のフランジ部分135をカラー131のアウトボードフランジ部分134と当接させて、その結果、コアチューブの第1端部はノーズ部分133とカラー131のアウトボードクランプ部分137との間でクランプ保持されるように広げられる。次いで、継手部材132のフランジ部分135は、カラー131のアウトボードフランジ部分134に溶接される。
【0016】
カラー131のクランプ部分及び通気部分137、147は、
図2に示すように、単一の一体型カラー構成要素に一体的に形成されてもよいが、他の実施形態では、カラーのクランプ部分及び通気部分の製造又は形成を容易にするために、例えば通気アダプタに固定(例えば溶接)されたクランプ部材によってカラーを形成してもよい。
【0017】
図3の示された実施形態において、プラスチック製内側コアチューブ210及び波形金属製外側チューブ220を有する2層ハイブリッドホース200は、カラー231のアウトボードクランプ部分237、半径方向内側突起238、及びアウトボードフランジ部分234を定めるクランプ部材239から形成されたカラー231を有する溶接された継手接続部230と、インボード通気部分247、通気口248及び金属製外側チューブ220の端部221に(例えば、金属製外側チューブ220の外側波形部分に)溶接(例えば、w2での球状溶接)された溶接端部フランジ249を定める通気アダプタ240とを含む。示される例では、通気アダプタ240は、クランプ部材239のインボード端部(例えば、フランジ)236に溶接(例えば、w3での球状溶接)されたアウトボード端部(例えば、フランジ)242を含んでいる。
【0018】
図1及び2の実施形態と同様に、継手部材232がカラーに固定(例えば溶接)される(カラー231のアウトボードクランプ部分237と、内側コアチューブ第1端部211に挿入される継手部材232のノーズ部分233との間での内側コアチューブ210の第1端部211のクランプ保持のために。ノーズ部分233の端部は、コアチューブ端部211の挿入及び広がりを容易にするために、細くされてもよく又はテーパ状にされてもよい。示された例では、継手部材232のフランジ部分235は、カラー231のアウトボードフランジ部分234に固定(例えば、w1での球状溶接)されている。
【0019】
示された実施形態では、クランプ部材239のアウトボードクランプ部分237のアウトボード端部237aは、内側コアチューブ210の広げられた第1の端部211を収容する大きさの第1の内径d1を有し、アウトボードクランプ部分のインボード端部237bは、第1の内径d1より小さく、カラーからの内側コアチューブの広げられた第1の端部の引き抜けを妨げる大きさの第2の内径d2を有する半径方向内側突起238を含む。通気アダプタ240のインボード通気部分247は、第2の内径d2よりも大きく、例えば、通気部分247と内側コアチューブ210との間に少なくとも最小限の隙間を維持することによって、通気口248と、内側コアチューブ210及び金属製外側チューブ220の間の外側環状キャビティCとの間の流体の流れを可能にする大きさの第3の内径d3を有する。通気口248は、例えば、通気口248を介して外側キャビティCに真空(例えば、外側キャビティ圧力よりも低い任意の圧力)を印加するために、又は通気口を介して外側キャビティにパージガスを供給するために、通気口をパージライン250に接続することを容易にするためのチューブスタブ243(例えば、通気アダプタ240と一体的に形成されるか又はこれに溶接される)又は他のコネクタを含み得る。
【0020】
通気可能ハイブリッドホースアセンブリ200を製造する例示的な方法において、通気アダプタ240のアウトボード端部242は、溶接されたカラーアセンブリ231を形成するためにクランプ部材239のインボード端部236に溶接される。通気アダプタ240の溶接端部249は、金属製外側チューブ220の端部221に溶接され、内側コアチューブ210は、金属製外側チューブ220を通して設置され、その結果、内側コアチューブの第1の端部211はクランプ部材239のアウトボード部分237aに(例えば、取り付けられたノーズ部分233のアウトボード端部に対応する位置237cで)整列され、ここで外側キャビティCが内側コアチューブと金属製外側チューブの間に配置され、通気口と流体連通下におかれる。継手部材232のノーズ部分233は、内側コアチューブ210の第1端部211に挿入され、継手部材232のフランジ部分235をクランプ部材239のアウトボードフランジ部分234に当接させて、その結果、コアチューブの第1端部211はノーズ部分233とクランプ部材239のアウトボードクランプ部分237との間にクランプ保持されるように広げられる。その後、継手部材232のフランジ部分235は、クランプ部材239のアウトボードフランジ部分234に溶接される。
【0021】
使用時、ホースアセンブリ100、200の外側キャビティCから加圧ガス流体を排出するために(例えば、内部ホース通路Pの減圧に先立って、又はホースを異なるガス流体で使用する前に)、通気口148、248をパージライン150、250(例えば、ホース又はチューブ)に接続し、例えば加圧ガスの(例えば、大気又は真空圧への)放出を可能にする、又は外側キャビティCからの加圧ガス流体の連続排出を提供することができる。別の配置では、パージガスが通気口148、248に印加されてもよく、パージガスは、ホース100、200の反対端の通気口を通じて(例えば、金属製外側チューブの反対端の溶接コネクタのカラー部分の通気口を通じて)流体を排出するために外側キャビティの長さを通過する。通気口148、248は、必要でないとき(例えば、低圧ガスサービスにおいて)塞がれてもよく、例えば、チューブ突き合わせ溶接接合部(図示のような)又はチューブ嵌合接続部を含む任意の適切な端部コネクタを含んでもよい。示された実施形態は、単一の通気口148を示しているが、他の実施形態では、複数の通気口が提供されてもよい。
【0022】
本発明の態様を例示的な実施形態を参照して記載してきた。本明細書を読み、理解すれば、他の人にも修正及び変更が思い付くであろう。添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内に入る限り、そのようなすべての修正及び変更を含むことが意図されている。
【国際調査報告】