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特表2023-526020分岐界面活性剤を含有する洗剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(54)【発明の名称】分岐界面活性剤を含有する洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/94 20060101AFI20230613BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20230613BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20230613BHJP
   C11D 1/06 20060101ALI20230613BHJP
   C11D 1/52 20060101ALI20230613BHJP
   C11D 1/62 20060101ALI20230613BHJP
   C11D 1/28 20060101ALI20230613BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20230613BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20230613BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20230613BHJP
   C11D 1/722 20060101ALI20230613BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20230613BHJP
   C11D 17/06 20060101ALI20230613BHJP
【FI】
C11D1/94
C11D1/14
C11D1/29
C11D1/06
C11D1/52
C11D1/62
C11D1/28
C11D1/75
C11D1/90
C11D1/72
C11D1/722
C11D17/08
C11D17/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568573
(86)(22)【出願日】2021-06-03
(85)【翻訳文提出日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 US2021035604
(87)【国際公開番号】W WO2021247801
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】63/035,124
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンソン、フィリップ・カイル
(72)【発明者】
【氏名】ベックス、ヴィンセント・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ランジュヴァン、レベッカ・アン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ムー
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB05
4H003AB14
4H003AB19
4H003AB21
4H003AB27
4H003AB31
4H003AC08
4H003AC15
4H003AC23
4H003AD04
4H003AE05
4H003BA09
4H003BA12
4H003BA15
4H003BA18
4H003BA19
4H003DA01
4H003DA05
4H003DA17
4H003DA19
4H003EA15
4H003EA16
4H003EA18
4H003EA19
4H003EA21
4H003EA28
4H003EB04
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB14
4H003EB22
4H003EB24
4H003EB30
4H003EB32
4H003EB34
4H003EB36
4H003EB42
4H003EC01
4H003EC02
4H003EC03
4H003ED02
4H003EE05
4H003FA09
4H003FA12
4H003FA16
4H003FA19
4H003FA26
4H003FA30
4H003FA43
(57)【要約】
本発明は、概して、洗剤組成物、より具体的には、分岐界面活性剤を含有する洗剤組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤組成物であって、前記組成物の0.1重量%~99重量%、好ましくは30重量%~90重量%の第1の界面活性剤を含み、前記第1の界面活性剤が、式Iの界面活性剤異性体と式IIの界面活性剤との混合物から本質的になり、
【化1】
前記第1の界面活性剤の50重量%~100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、前記混合物の25%~50%の式Iの界面活性剤異性体が、n=0を有し、前記第1の界面活性剤の0.001重量%~25重量%、好ましくは0.001重量%~20重量%が、式IIの界面活性剤であり、Xが、親水性部分である、洗剤組成物。
【請求項2】
前記混合物の15%~40%の式Iの界面活性剤異性体が、n=1を有する、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項3】
前記混合物の60%~90%の式Iの界面活性剤異性体が、n<3を有する、請求項1又は2に記載の洗剤組成物。
【請求項4】
前記第1の界面活性剤の90%~100%が、m+n=11を有する異性体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項5】
前記第1の界面活性剤混合物の5重量%~20重量%が、n=2である式Iの異性体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項6】
前記第1の界面活性剤が、nが6以上である式Iの異性体を含有しない、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項7】
前記混合物の最大30%の式Iの界面活性剤異性体が、n>2を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項8】
前記組成物の0.1重量%~99重量%、好ましくは0.5重量%~40重量%、より好ましくは0.5重量%~12.5重量%の第2の界面活性剤をさらに含み、前記第2の界面活性剤が、式IIIの界面活性剤異性体と式IVの界面活性剤との混合物から本質的になり、
【化2】
前記第2の界面活性剤の50重量%~100重量%、好ましくは90重量%~100重量%が、m+n=9を有する異性体であり、前記第2の界面活性剤の0.001重量%~25重量%、好ましくは0.001重量%~20重量%が、式IVの界面活性剤であり、Xが、親水性部分である、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項9】
前記混合物の25%~50%の式IIIの界面活性剤異性体が、n=0を有する、請求項8に記載の洗剤組成物。
【請求項10】
前記混合物の15%~40%の式IIIの界面活性剤異性体が、n=1を有する、請求項8又は9に記載の洗剤組成物。
【請求項11】
前記混合物の50%~90%の式IIIの界面活性剤異性体が、n<3を有する、請求項8~10のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項12】
前記第2の界面活性剤混合物の25重量%~50重量%が、n=0である式IIIの異性体であり、前記第2の界面活性剤混合物の15重量%~40重量%が、n=1である式IIIの異性体であり、前記第2の界面活性剤混合物の5重量%~20重量%が、n=2である式IIIの異性体である、請求項8に記載の洗剤組成物。
【請求項13】
前記混合物の最大35%の式IIIの界面活性剤異性体が、n>2を有する、請求項8~12のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項14】
Xが、サルフェート、アルコキシル化アルキルサルフェート、スルホネート、アミンオキシド、ポリアルコキシレート、ポリヒドロキシ部分、リン酸エステル、グリセロールスルホネート、ポリグルコネート、ポリリン酸エステル、ホスホネート、スルホスクシネート、スルホサッカミネート(sulfosuccaminates)、ポリアルコキシル化カルボキシレート、グルカミド、タウリネート、サルコシネート、グリシネート、イセチオネート、ジアルカノールアミド、モノアルカノールアミド、モノアルカノールアミドサルフェート、ジグリコールアミド、ジグリコールアミドサルフェート、グリセロールエステル、グリセロールエステルサルフェート、グリセロールエーテル、グリセロールエーテルサルフェート、ポリグリセロールエーテル、ポリグリセロールエーテルサルフェート、ソルビタンエステル、ポリアルコキシル化ソルビタンエステル、アンモニオアルカンスルホネート、アミドプロピルベタイン、アルキル化第四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシアルキル化第四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシル化オキシプロピル第四級アンモニウム化合物、イミダゾリン、2-イル-スクシネート、スルホン化アルキルエステル、スルホン化脂肪酸、及びそれらの混合物からなる群から選択されるXからなる群から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【請求項15】
顆粒状洗剤、棒状洗剤、液体洗濯洗剤、ゲル洗剤、単相又は多相の単位用量洗剤、単相又は多相又は多区画の水溶性パウチに収容された洗剤、多区画非溶解性パッケージ、液体食器手洗い組成物、洗濯前処理製品、多孔質基材又は不織布シートの上又は中に収容された洗剤、自動食器洗浄洗剤、硬質表面クリーナー、布地柔軟剤組成物、水溶性繊維状製品、及びそれらの混合物からなる群から選択される形態である、請求項1~14のいずれか一項に記載の洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、洗剤組成物、より具体的には、分岐界面活性剤を含有する洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
合成繊維から作られるイージケアの布地の人気の増大並びに増加し続けるエネルギーコスト及び洗剤ユーザーのエコロジー面での懸念の高まりにより、一時は人気のあった温水及び熱水洗浄は、冷水(30℃以下)での布地洗浄に優先順位を譲った。多くの市販の洗濯洗剤は、15℃又はさらには9℃で布地を洗浄するのに好適であると宣伝されている。そのような低温で満足のいく洗浄結果、熱水洗浄で得られるものに匹敵する結果を得るために、低温洗剤に対する需要は極めて高い。
【0003】
分岐界面活性剤は、冷水洗浄条件下で特に有効であることが知られている。例えば、中鎖分岐界面活性剤として知られる、疎水性物質の炭素鎖の中心に向かって分岐を有する界面活性剤は、冷水洗浄効果で知られている。2-アルキル分岐又は「β分岐」第一級アルキルサルフェート(2-アルキル第一級アルコールサルフェートとも称される)も既知である。2-アルキル分岐第一級アルキルアルコキシサルフェートは、C2位に分岐を有する(C1は、アルコキシル化サルフェート部分に共有結合した炭素原子である)。2-アルキル分枝鎖アルキルサルフェート及び2-アルキル分枝鎖アルキルアルコキシサルフェートは概して、2-アルキル分枝鎖アルコール(疎水性物質として)に由来する。2-アルキル分岐アルコール、例えば2-アルキル-1-アルカノール又は2-アルキル第一級アルコールは、オキソプロセスに由来し、ISALCHEM(登録商標)としてSasolから市販されている。2-アルキル分岐アルコール(及びそれらに由来する2-アルキル分岐アルキルサルフェート)は、炭素鎖上のヒドロキシメチル基(ヒドロキシ(-OH)基に結合したメチレン架橋(-CH-単位)からなる)の位置が変化する位置異性体である。よって、2-アルキル分岐アルコールは概して、位置異性体の混合物から構成される。また、市販の2-アルキル分岐アルコールは、いくらかの割合の直鎖アルコールを含む。例えば、SasolのISALCHEM(登録商標)アルコールは、90%以上の2-アルキル分岐材料をもたらし、残りは直鎖材料である分画プロセスによってSasolのオキソ-アルコール(LIAL(登録商標)アルコール)から調製される。2-アルキル分岐アルコールも様々な鎖長で利用可能である。12~20個の炭素のアルキル鎖分布を有する2-アルキル第一級アルコールサルフェートが既知である。ISALCHEM(登録商標)145(C14~C15-アルコール)及びISALCHEM(登録商標)167(C16~C17-アルコール)を含む、C9~C17の範囲のISALCHEM(登録商標)アルコール(単独及びブレンド)が市販されている。ISALCHEM(登録商標)123に基づくアルコールエトキシレートは、COSMACOL(登録商標)AE-3の商標名の下で入手可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
妥当な費用で、かつ安定性及び粘度に対する負の影響を含む洗濯洗剤の製造及び品質を決して妨げることなく、低洗浄温度、例えば30℃又はさらに低い温度における洗浄性能を改善することができる分岐界面活性剤が継続的に必要とされている。驚くべきことに、特定の割合の特定の位置異性体を含む主にC15のアルキル鎖長分布を有する2-アルキル第一級アルコールアルコキシサルフェートを含有する洗剤組成物が、(特に冷水中での)染み除去を向上させ、製品の安定性を改善することが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、洗剤組成物であって、当該組成物の約0.1重量%~約99重量%の第1の界面活性剤を含み、第1の界面活性剤が以下の式Iの界面活性剤異性体と式IIの界面活性剤との混合物から本質的になり、
【0006】
【化1】
当該第1の界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、当該混合物の約25%~約50%の式Iの界面活性剤異性体は、n=0を有し、当該第1の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%は、式IIの界面活性剤であり、Xは、親水性部分である、洗剤組成物を提供することによって、ニーズのうちの1つ以上を解決しようとするものである。洗剤組成物は、1つ以上の補助洗浄添加剤をさらに含み得る。
【0007】
本発明はさらに、汚れた布地を本発明の洗浄組成物と接触させることを含む、汚れた布地を前処理又は処理する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特徴点及び利点は、本発明の幅広い表現を与えるよう意図される例を含む以下の記述から明らかになる。様々な修正が本明細書及び本発明の実施から当業者には明白となるであろう。この範囲は開示される特定の形態に限定されるようには意図されず、本発明は、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨及び範囲内に含まれる全ての修正、均等物、及び代替物を網羅する。
【0009】
本明細書で使用される場合、「the」、「a」及び「an」を含む冠詞は、特許請求の範囲又は明細書において使用されるとき、特許請求又は記載されているものの1つ以上を意味すると理解される。
【0010】
本明細書で使用される場合、「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含む(including)」という用語は、非限定的であることを意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「ガロン」とは、「USガロン」を指す。
【0012】
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語は、単に別の成分の不純物若しくは意図しない副産物としての成分の完全な欠如又はその最小量のいずれかを指す。ある構成成分「を実質的に含まない/が実質的にない」組成物とは、当該組成物が、当該組成物の約0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、0.05重量%、又は0.01重量%未満、又はさらには0重量%しか当該構成成分を含まないことを意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「汚れた材料」は、非特定的に使用され、これらに限定するものではないが、木綿、亜麻布、ウール、ポリエステル、ナイロン、絹、アクリル及びこれらに類するものなどの天然繊維、人工繊維、及び合成繊維を含む、天然繊維又は人工繊維の網状構造、並びに様々なブレンド及び組み合わせからなる任意の種類の可撓性材料を指し得る。汚れた材料は、これらに限定するものではないが、タイル、花崗岩、しっくい、ガラス、複合材料、ビニル、堅木、金属、調理用表面、プラスチック、及びこれらに類するものなどの天然表面、人工表面、及び合成表面を含む任意の種類の硬質表面、並びにブレンド及び組み合わせをさらに指し得る。
【0014】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、かかるより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0015】
引用される特許文献及びその他の文献は全て、関連部分において、あたかもそれが本明細書に完全に再び述べられているかのように参照により組み込まれる。いかなる特許文献又はその他の文献の引用も、引用される特許文献及びその他の文献が本発明に対する先行技術であると認めるものではない。
【0016】
本明細書では、全ての濃度及び比率は、特に指定しない限り、洗剤組成物の重量基準である。
【0017】
洗剤組成物
本明細書で使用するとき、語句「洗剤組成物」又は「洗浄組成物」は、汚れた材料を洗浄するよう設計された組成物及び処方物を含む。かかる組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤若しくは組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、食器洗浄組成物、硬質表面洗浄組成物、単位用量処方物、遅延送達処方物、多孔性基材若しくは不織シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者には明白であり得るその他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用することができ、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加することができる。本洗剤組成物は、液体、粉末、単相又は多相の単位用量、パウチ、錠剤、ゲル、ペースト、固形、又はフレークから選択される形態を有してもよい。
【0018】
界面活性剤
本発明の洗剤組成物は、1つ以上の界面活性剤を含み得る。
【0019】
特に、本発明の洗剤組成物は、(特に冷水中での)染み除去を向上させる、特定のアルキル鎖長分布を有する2-アルキル第一級アルキルアルコールサルフェート及び2-アルキル第一級アルキルアルコールエトキシサルフェートを含有する。2-アルキル分岐アルコール(並びに2-アルキル分岐アルキルサルフェート及び2-アルキル分岐アルキルエトキシサルフェート、及びそれらに由来する他の界面活性剤)は、炭素鎖におけるヒドロキシメチル基(ヒドロキシ(-OH)基に結合したメチレン架橋(-CH-単位)からなる)の位置が異なる位置異性体である。したがって、2-アルキル分岐アルキルアルコールは、概して、位置異性体の混合物で構成される。さらに、2-アルキル分岐アルコールなどの脂肪族アルコール及び界面活性剤は、鎖長分布によって特徴付けられることが周知である。換言すれば、脂肪族アルコール及び界面活性剤は概して、異なるアルキル鎖長を有する(単一鎖長の片を得ることが可能であるが)分子のブレンドから構成される。特に、特定のアルキル鎖長分布及び/又は特定の割合の特定の位置異性体を有し得る本明細書に記載の2-アルキル第一級アルコールは、市販の材料を単純にブレンドすることによっては得ることができない。具体的には、m+n=11を有する約50重量%~約100重量%の界面活性剤の分布は、市販の材料をブレンドすることによっては達成することができない。
【0020】
洗剤組成物は、当該組成物の約0.1重量%~約99重量%の第1の界面活性剤を含み、当該第1の界面活性剤は、式Iの界面活性剤異性体と式IIの界面活性剤との混合物から本質的になり、
【0021】
【化2】
当該第1の界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、当該混合物の約25%~約50%の式Iの界面活性剤異性体は、n=0を有し、当該第1の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%は、式IIの界面活性剤であり、Xは、親水性部分である。
【0022】
Xは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジアミン、ポリアミン、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、アミン含有界面活性剤、又はそれらの組み合わせで中和され得る。
【0023】
Xは、サルフェート、アルコキシル化アルキルサルフェート、スルホネート、アミンオキシド、ポリアルコキシレート、ポリヒドロキシ部分、リン酸エステル、グリセロールスルホネート、ポリグルコネート、ポリリン酸エステル、ホスホネート、スルホスクシネート、スルホサッカミネート(sulfosuccaminates)、ポリアルコキシル化カルボキシレート、グルカミド、タウリネート、サルコシネート、グリシネート、イセチオネート、ジアルカノールアミド、モノアルカノールアミド、モノアルカノールアミドサルフェート、ジグリコールアミド、ジグリコールアミドサルフェート、グリセロールエステル、グリセロールエステルサルフェート、グリセロールエーテル、グリセロールエーテルサルフェート、ポリグリセロールエーテル、ポリグリセロールエーテルサルフェート、ソルビタンエステル、ポリアルコキシル化ソルビタンエステル、アンモニオアルカンスルホネート、アミドプロピルベタイン、アルキル化第四級アンモニウム化合物(quats)、アルキル化/ポリヒドロキシアルキル化第四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシル化オキシプロピル第四級アンモニウム化合物、イミダゾリン、2-イル-スクシネート、スルホン化アルキルエステル、スルホン化脂肪酸、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0024】
第1の界面活性剤は、混合物の約15%~約40%、例えば、約20%~約40%、約25%~約35%、又は約30%~約40%などの、n=1を有する式Iの界面活性剤異性体を有し得る。第1の界面活性剤は、混合物の約60%~約90%、例えば、約65%~約85%、約70%~約90%、又は約80%~約90%などの、n<3を有する式Iの界面活性剤異性体を有し得る。洗剤組成物は、約90%~約100%、例えば、約95%~100%などの、異性体がm+n=11を有する第1の界面活性剤を有し得る。
【0025】
第1の界面活性剤は、第1の界面活性剤混合物の約15重量%~約40重量%の、n=1である式Iの異性体と、第1の界面活性剤混合物の約5重量%~約20重量%の、n=2である式Iの異性体と、を有し得る。第1の界面活性剤は、nが6以上である式Iの異性体を有していなくてもよい。第1の界面活性剤は、混合物の最大約40%の、n>2である式Iの界面活性剤異性体を有し得る。第1の界面活性剤は、混合物の最大約25%の、n>2を有する式Iの界面活性剤異性体を有し得る。第1の界面活性剤は、最大約20重量%の式IIの異性体を有し得る。
【0026】
洗剤組成物は、さらに補助洗浄添加剤をさらに含み得る。補助洗浄添加剤は、ビルダー、有機ポリマー化合物、酵素、酵素安定剤、1つ以上の溶媒漂白系、増白剤、色調剤、キレート剤、抑泡剤、コンディショニング剤、保湿剤、香料、充填剤又は担体、アルカリ性系、pH制御系、及び緩衝剤、並びにそれらの混合物であってよい。
【0027】
洗剤組成物は、当該組成物の約0.1重量%~約99重量%の第2の界面活性剤をさらに含み得、当該第2の界面活性剤は、式IIIの界面活性剤異性体と式IVの界面活性剤との混合物から本質的になり、
【0028】
【化3】
第1の界面活性剤の約50重量%~約100重量%は、m+n=9を有する異性体であり、当該第1の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%は、式IVの界面活性剤であり、Xは、親水性部分である。Xは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジアミン、ポリアミン、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、アミン含有界面活性剤、又はそれらの組み合わせで中和され得る。Xは、サルフェート、アルコキシル化アルキルサルフェート、スルホネート、アミンオキシド、ポリアルコキシレート、ポリヒドロキシ部分、リン酸エステル、グリセロールスルホネート、ポリグルコネート、ポリリン酸エステル、ホスホネート、スルホスクシネート、スルホサッカミネート、ポリアルコキシル化カルボキシレート、グルカミド、タウリネート、サルコシネート、グリシネート、イセチオネート、ジアルカノールアミド、モノアルカノールアミド、モノアルカノールアミドサルフェート、ジグリコールアミド、ジグリコールアミドサルフェート、グリセロールエステル、グリセロールエステルサルフェート、グリセロールエーテル、グリセロールエーテルサルフェート、ポリグリセロールエーテル、ポリグリセロールエーテルサルフェート、ソルビタンエステル、ポリアルコキシル化ソルビタンエステル、アンモニオアルカンスルホネート、アミドプロピルベタイン、アルキル化第四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシアルキル化第四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシル化オキシプロピル第四級アンモニウム化合物、イミダゾリン、2-イル-スクシネート、スルホン化アルキルエステル、スルホン化脂肪酸、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0029】
式IIIの第2の界面活性剤異性体の混合物の約25%~約50%、例えば、30%~45%、35%~45%、又は40%~50%などは、n=0を有し得る。式IIIの第2の界面活性剤異性体の混合物の約15%~約40%、例えば、20%~40%、25%~35%、又は30%~40%などは、n=1を有し得る。式IIIの第2の界面活性剤異性体の混合物の約50%~約90%、例えば、55%~90%、60%~80%、又は70%~90%などは、n<3を有し得る。第2の界面活性剤の約90%~約100%、例えば、95%~100%などは、m+n=9を有する異性体を含み得る。
【0030】
第2の界面活性剤は、第2の界面活性剤混合物の約25重量%~約50重量%の、n=0である式IIIの異性体と、第2の界面活性剤混合物の約15重量%~約40重量%の、n=1である式IIIの異性体と、第2の界面活性剤混合物の約5重量%~約20重量%の、n=2である式IIIの異性体と、を有し得る。混合物の最大約40%の式IIIの界面活性剤異性体が、n>2を有し得る。混合物の最大約35%の式IIIの界面活性剤異性体が、n>2を有し得る。界面活性剤のうちの第2の界面活性剤混合物は、最大約20重量%の式IVの異性体を含み得る。
【0031】
洗剤組成物は、約30~約99%の第1の界面活性剤と、約0.5%~約40%の第2の界面活性剤、好ましくは0.5~20%の第2の界面活性剤、より好ましくは0.5~12.5%の第2の界面活性剤と、を含む界面活性剤系を含み得る。洗剤組成物は、約60%~約99%の第1の界面活性剤と、最大約25%の第2の界面活性剤と、を含む界面活性剤系を含み得る。
【0032】
洗剤組成物は、第2の界面活性剤と第1の界面活性剤とを、0.5:10~4:10、例えば、1:10、2:10、又は3:10などの比で含み得る。
【0033】
洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、又はそれらの混合物からなる群から選択される第3の界面活性剤をさらに含み得、又は当該洗剤組成物は、アルキルベンゼンスルホネート、アルコキシル化アルキルサルフェート、アルキルサルフェート、及びこれらの混合物から選択されるアニオン性界面活性剤を含む。
【0034】
洗剤組成物は、顆粒状洗剤、棒状洗剤、液体洗濯洗剤、ゲル洗剤、単相又は多相の単位用量洗剤、単相又は多相又は多区画の水溶性パウチに収容された洗剤、液体食器手洗い組成物、洗濯前処理製品、多区画非溶解性パッケージ、多孔質基材又は不織布シートの上又は中に収容された洗剤、自動食器洗浄洗剤、硬質表面クリーナー、布地柔軟剤組成物、及びそれらの混合物からなる群から選択される形態であってよい。
【0035】
洗剤組成物は、繊維製品に組み込まれ得る。洗剤組成物は、繊維製品の繊維、繊維製品内の粒子、又はそれらの組み合わせに組み込まれ得る。
【0036】
洗剤組成物は、炭素含有量の約0.1%~約100%の、再生可能資源に由来する第1の界面活性剤、第2の界面活性剤、又はそれらの組み合わせを有し得る。
【0037】
洗剤組成物は、汚れた布地を洗剤組成物と接触させることを含む、汚れた布地を前処理又は処理する方法において使用され得る。
【0038】
洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される追加の界面活性剤(例えば、第3の界面活性剤、第4の界面活性剤)を含み得る。追加の界面活性剤は洗浄性界面活性剤であってよく、当業者は、汚れた材料に対する洗浄、染み除去、又は洗濯効果を提供する任意の界面活性剤又は界面活性剤の混合物を包含することを理解する。
【0039】
洗剤組成物は、当該洗剤組成物の約0.01重量%~約5重量%のアルコール組成物を含有し得る。洗剤組成物は、当該洗剤組成物の約0.5重量%~約3.0重量%のアルコール組成物を含有し得る。そのような濃度で、アルコール組成物は、洗剤組成物に抑泡効果を提供し得る。
【0040】
洗剤組成物は、当該洗剤組成物の約0.01重量%~約0.5重量%のアルコール組成物を含有し得る。そのような濃度で、アルコール組成物は不純物であり得る。
【0041】
好適なアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤は、以下のプロセスを使用して作製することができる。
2段階プロセスを使用して、直鎖アルファオレフィン原材料から分岐アルデヒド生成物を生成することができ、その生成物から、本明細書に記載のアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を誘導することができる。2段階プロセスは、第1のプロセス工程及び第2の工程の両方で、ロジウム有機リン触媒を使用する。第1の工程は異性化反応工程であり、第2のプロセス工程は、ヒドロホルミル化反応工程である。分岐アルデヒドは、更なる水素化工程を経て分岐アルコールを生成することができる。
【0042】
本明細書に開示される異性化反応及びヒドロホルミル化反応は、ロジウム有機リン触媒によって触媒され得るが、そのロジウム有機リン触媒は、(1)ロジウムと1種類の有機リン配位子との有機金属錯体、又は(2)ロジウムと2種類以上の有機リン配位子との有機金属錯体、のうちの少なくとも1つであり得る。
【0043】
有機リン配位子は、ホスフィンであり得る。ホスフィン配位子の非限定的な例では、ホスフィン配位子はトリフェニルホスフィンであり得る。有機リン配位子は、ホスファイトであってもよい。ホスファイト配位子の非限定的な例では、ホスファイト配位子は、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトであり得る。ホスフィンとホスファイトとの混合物などの、異なる種類の有機リン配位子の混合物も使用することができる。有機リン配位子の混合物の非限定的な例では、有機リン配位子は、トリフェニルホスフィンとトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトとの混合物であり得る。反応系は、不活性高沸点溶媒、例えば、ポリアルファオレフィンを含有することができる。第1の触媒は、リン対ロジウムのモル比が1:1~1000:1、又は5:1~50:1、又は15:1~25:1の範囲であるときに形成され得る。ロジウムの濃度は、1ppm~1000ppm、又は10ppm~200ppm、又は25ppm~75ppmの範囲であり得る。CO対H2のモル比は、10:1~1:10、又は2:1~1:2、又は1.3:1~1:1.3の範囲であってよい。
【0044】
異性化反応中、第1の工程は、一酸化炭素(CO)及び水素(H2)の存在下、第1の圧力で直鎖アルファオレフィンを異性化する反応であり得る。異性化は、ロジウム有機リン触媒によって触媒され得るが、そのロジウム有機リン触媒は、(1)ロジウムと1種類の有機リン配位子との有機金属錯体、又は(2)ロジウムと2種類以上の有機リン配位子との有機金属錯体、のうちの少なくとも1つであり得る。異性化反応は、同一又は異なる種類の直鎖内部オレフィンを含む異性化オレフィンを生成することができる。
【0045】
異性化工程は、30℃~500℃、又は50℃~150℃、又は70℃~100℃の範囲の温度で実施することができる。異性化工程は、0.1bar(大気圧よりも0.01MPa高い)~10bar(大気圧よりも1MPa高い)、又は0.5bar(大気圧よりも0.05MPa高い)~5バール(大気圧より0.5MPa高い)、又は1バール(大気圧よりも0.1MPa高い)~2バール(大気圧より0.2MPa高い)の範囲のゲージ圧で実施され得る。
【0046】
異性化工程は、20重量%以上の異性化オレフィン、又は40重量%以上の異性化オレフィン、又は60重量%以上の異性化オレフィン、又は90重量%以上の異性化オレフィンを含む反応生成物を生成することができる。
【0047】
ヒドロホルミル化反応工程中、異性化オレフィンは、CO及びH2の存在下、第1の圧力よりも高い第2の圧力でヒドロホルミル化されて、分岐アルデヒドを生成する。ヒドロホルミル化反応は、ロジウム有機リン触媒によって触媒され得るが、そのロジウム有機リン触媒は、(1)ロジウムと1種類の有機リン配位子との有機金属錯体、又は(2)ロジウムと2種類以上の有機リン配位子との有機金属錯体、のうちの少なくとも1つであり得る。得られた分岐アルデヒドは、2-アルキル分岐アルデヒドである。直鎖アルファオレフィンが1-ドデセンである場合、得られる分岐アルデヒドは、分岐C13アルデヒドである。直鎖アルファオレフィンが1-テトラデセンである場合、得られる分岐アルデヒドは、分岐C15アルデヒドである。
【0048】
ヒドロホルミル化工程は、30℃~500℃、又は50℃~150℃、又は70℃~100℃の範囲の温度で実施することができる。ヒドロホルミル化工程は、5bar(大気圧よりも0.5MPa高い)~400bar(大気圧よりも40MPa高い)、又は10bar(大気圧よりも1.0MPa高い)~100bar(大気圧より10MPa高い)、又は15bar(大気圧よりも1.5MPa高い)~20bar(大気圧より2MPa高い)の範囲のゲージ圧で実施され得る。
【0049】
ヒドロホルミル化工程は、25重量%以上の分岐アルデヒド、又は40重量%以上の分岐アルデヒド、又は60重量%以上の分岐アルデヒド、又は90重量%以上の分岐アルデヒドを含む反応生成物を生成することができる。
【0050】
ヒドロホルミル化反応の生成物を蒸留することができる。そのプロセスは、蒸留プロセスを介して、ヒドロホルミル化で得られた分岐アルデヒド生成物を塔頂留出物として、第1の触媒ストリームから分離する工程を有することができる。蒸留工程は、100℃~200℃、又は125℃~175℃の範囲の温度で実施することができる。蒸留工程は、500絶対ミリバール(0.05MPa)未満、又は100絶対ミリバール(0.01MPa)未満、又は30絶対ミリバール(0.003MPa)未満の圧力の、真空下で実施することができる。
【0051】
プロセスはまた、分岐アルデヒド生成物を水素化触媒の存在下で水素化して、分岐アルコール生成物組成物を生成する工程を有し得る。水素化触媒は、卑金属触媒、ニッケル担体触媒、コバルト担体触媒、Raney(登録商標)(W.R.Grace&Co.(7500 Grace Drive,Columbia,メリーランド州21044)製)ニッケル触媒又は貴金属触媒であり得る。水素化工程は、30℃~500℃、又は50℃~200℃、又は100℃~150℃の範囲の温度で実施することができる。水素化工程は、5バール(大気圧よりも0.5MPa高い)~400bar(大気圧よりも40MPa高い)、又は10bar(大気圧よりも1MPa高い)~100bar(大気圧よりも10MPa高い)、又は30bar(大気圧より3MPa高い)~50bar(大気圧より5MPa高い)のゲージ圧で実施することができる。
【0052】
水素化工程は、25重量%以上の分岐アルコール、又は40重量%以上の分岐アルコール、又は60重量%以上の分岐アルコール、又は90重量%以上の分岐アルコールを含む反応生成物を生成することができる。
【0053】
アルキルサルフェートは、典型的には、脂肪族アルコールと三酸化硫黄(SO)又はその誘導体との反応によって、又は不飽和化合物と硫酸との反応によって調製される。三酸化硫黄を使用するプロセスは、特に、洗剤組成物に使用するためのアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤製造において達成された。
【0054】
三酸化硫黄の好適な誘導体としては、例えば、クロロスルホン酸、硫酸、又はスルファミン酸などの三酸化硫黄複合体が挙げられる。三酸化硫黄は、より純粋な生成物をもたらす傾向があるため、好ましい。サルフェート化反応は、典型的には、カスケード式の、流下膜反応器又は管束反応器を使用して連続プロセスで実行され、三酸化硫黄は、等モル又は若干過剰の量で、通常20℃~60℃の温度範囲で適用される。なお、反応温度は少なくとも部分的に、反応中の脂肪族アルコールの凝固点によって判定される。上記の反応は、典型的には、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の酸形態をもたらすが、これは、典型的には後続の工程で、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジアミン、ポリアミン、一級アミン、二級アミン、三級アミン、アミン含有界面活性剤、及びこれらの混合物などのアルカリを使用して中和される。
【0055】
また、脂肪族アルコールをサルフェート化してアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を得るプロセスも、様々な不純物をもたらすことが周知である。これらの不純物の正確な性質は、サルフェート化及び中和の条件に依存する。しかしながら、概して、サルフェート化プロセスの不純物は、1つ以上の無機塩、未反応脂肪族アルコール、及びオレフィンを含む(「The Effect of Reaction By-Products on the Viscosities of Sodium Lauryl Sulfate Solutions,」Journal of the American Oil Chemists’Society,Vol.55,No.12,p.909-913(1978),C.F.Putnik and S.E.McGuire)。本発明のアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤中の非アルキルサルフェート不純物の濃度は、アルキルサルフェートアニオン性界面活性剤の重量に基づいて、6重量%未満、好ましくは4重量%未満、最も好ましくは2重量%未満であり得る。
【0056】
アルキルアルコキシサルフェートの場合は、サルフェート化に先だってまず、脂肪族アルコールをアルコキシル化する。アルコキシル化は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドなどの、より低分子量のエポキシド(オキシラン)を、脂肪族アルコールと反応させるプロセスである。これらのエポキシドは、様々な塩基又は酸触媒を用いて脂肪族アルコールと反応させることが可能である。塩基触媒によるアルコキシル化において、触媒(アルカリ金属、アルカリ金属酸化物、炭酸塩、水酸化物、又はアルコキシド)との反応により最初に形成されるアルコラートアニオンは、エポキシドを求核攻撃する。
【0057】
アルコキシル化のための従来のアルカリ触媒としては、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムが挙げられ、これらはアルコキシレートの幾分広い分布を生じさせる。より狭いアルコキシレートオリゴマー分布をもたらすアルコキシル化のための他の触媒が開発されてきた。狭い範囲のアルコキシル化触媒の好適な例としては、多くのアルカリ土類(Mg、Ca、Ba、Srなど)誘導触媒、ルイス酸触媒、例えば、ジルコニウムドデカンオキシドサルフェート、及びある特定のハロゲン化ホウ素触媒が挙げられる。具体的な平均アルコキシル化度は、脂肪酸アルコール及びエチレンオキシドの出発量を選択することによって、又は平均アルコキシル化度が互いに異なる様々な量のアルコキシル化界面活性剤どうしを一緒にブレンドすることによって、達成され得る。
【0058】
不純物
本発明の2-アルキル第一級アルコール由来界面活性剤を作製するプロセスは、プロセスの異なるステップで様々な不純物及び/又は混入物質を生成し得る。
【0059】
出発物質であるC15アルデヒド及びC13アルデヒド、並びに本発明において使用される後続のアルコール及び対応する界面活性剤を作製するためにヒドロホルミル化において使用されるC14オレフィン及びC12オレフィン源は、出発物質であるC15アルコール及びC13アルコール中の不純物、したがってC15アルキルサルフェート及びC13アルキルサルフェート中の不純物にもつながる不純物を低レベルしか有し得ない。理論に束縛されるものではないが、C14オレフィン及びC12オレフィン供給材料中に存在するそのような不純物は、ビニリデンオレフィン、分岐オレフィン、パラフィン、芳香族成分、及び意図される14個又は12個の炭素以外の鎖長を有する低レベルのオレフィンを含み得る。分岐及びビニリデンオレフィンは、典型的には、C14及びC12アルファオレフィン源中に5%以下である。得られるC15アルコール及びC13アルコール中の不純物は、低レベルの、典型的には、混合物の5重量%未満、好ましくは1%未満の、C10~C17アルコールの範囲の直鎖及び分岐のアルコール、特にC13アルコール中のC11及びC15アルコール、特にC15アルコール中のC13及びC17アルコールを含み得、分岐及びビニリデンオレフィンから生じる2-アルキル位置以外の位置に低レベルの分岐を、典型的には、アルコール混合物の約5重量%未満、好ましくは2重量%未満含み得、パラフィン及びオレフィンを、典型的には、アルコール混合物の1重量%未満、好ましくは約0.5%未満含み得、典型的には、500mg/kg未満、好ましくは約200mg/kg未満のカルボニル価を有する低レベルのアルデヒドを、含み得る。アルコール中のこれらの不純物は、結果として、低レベルのパラフィン、C15又はC13以外の総炭素数を有する直鎖及び分岐アルキルサルフェート、並びに2-アルキル位置以外の位置に分岐を有するアルキルサルフェートを生成させ得、これらの分岐は、その長さが変化し得るものの、典型的には、1~6個の炭素を有する直鎖アルキル鎖である。ヒドロホルミル化の工程では、直鎖及び分岐パラフィン、不完全なヒドロホルミル化からの残留オレフィン、並びにエステル、ホルメート、及び重質留分(二量体、三量体)などの不純物も生じ得る。水素化工程でアルコールに還元されない不純物は、蒸留によりアルコールの最終精製中に除去され得る。
【0060】
また、脂肪族アルコールをサルフェート化してアルキルサルフェート界面活性剤を得るプロセスも様々な不純物をもたらすことが周知である。これらの不純物の正確な性質は、サルフェート化及び中和の条件に依存する。しかしながら、概して、サルフェート化プロセスの不純物は、1つ以上の無機塩、未反応脂肪族アルコール、及びオレフィンを含む(「The Effect of Reaction By-Products on the Viscosities of Sodium Lauryl Sulfate Solutions,」Journal of the American Oil Chemists’Society,Vol.55,No.12,p.909-913(1978),C.F.Putnik and S.E.McGuire)。
【0061】
アルコキシル化不純物には、ジアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル、オレフィン、及びポリアルキレングリコールが含まれ得る。不純物はまた、種々の工程で用いられる触媒又は触媒の成分も含み得る。
【0062】
合成例
以下の実施例は、代表的なものであり、非限定的である。
【0063】
アルコール組成物--上記のプロセス(Rhヒドロホルミル化、水素化)を使用して、実施例1及び2に記載のアルコール組成物を得、水素炎イオン化検出を用いるガスクロマトグラフィ(gas chromatography with flame ionization detection、GC/FID)によって分析する。サンプルは、1%(w/v)のジクロロメタン溶液として調製され、19分間の全実施時間にわたるオーブン温度プログラム[初期温度80℃で保持(1分)、10℃/分で220℃まで昇温、30℃/分で350℃まで昇温し、保持(1分)]を使用して、キャピラリGCカラム:DB-1(高さ15m×内径0.25mm、膜厚0.1μm)に注入する。更なるGCパラメータとしては、カラム流量:1.4mL/分(H)、注入温度:300℃、サンプル量:1μL、分割比:1/400、FID温度:350℃、H流量:40mL/分、空気流:400mL/分、及び補給ガス流量:25mL/分が挙げられる。
【0064】
実施例1:分岐C13アルコール生成物の調製
C12直鎖アルファオレフィン原材料(1-ドデセン)を、Chevron Phillips Chemical Company LP(テキサス州ウッドランズ私書箱4910、77387-4910)から入手した。なお、同原材料は、商品名AlphaPlus(登録商標)1-ドデセン(Chevron Phillips Chemical Company LP社製、US、電話(800)231-3260)により識別されるものである。本実施例で使用される均質なロジウム有機リン触媒は、高圧ステンレス鋼撹拌オートクレーブ中で調製される。オートクレーブに、0.027重量%のRh(CO)2ACAC((アセチルアセトナト)ジカルボニルロジウム(I))、1.36重量%のトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト配位子、及び98.62重量%のSynfluid(登録商標)PAO 4 cSt(Chevron Phillips Chemical Company LP、私書箱4910、The Woodlands、TX 77387-4910、電話番号(800)231-3260)不活性溶媒を添加した。混合物を、CO/H2雰囲気及び2bar(g)の圧力の存在下にて80℃で4時間加熱して、活性ロジウム触媒溶液(109ppmロジウム、P:Rhモル比=20)を生成した。1-ドデセン直鎖アルファオレフィンを、オートクレーブ中のロジウム触媒溶液に添加して、35ppmのロジウム濃度である、出発反応混合物を生成した。次いで、アルファオレフィン供給材料を、CO/H2雰囲気及び1bar(g)の圧力の存在下にて、80℃で10時間異性化した。次いで、異性化オレフィンを、CO/H2雰囲気及び20bar(g)の圧力の存在下にて、70℃で8時間ヒドロホルミル化した。異性化工程及びヒドロホルミル化工程の両方におけるCO対H2のモル比は、1:1.15に等しかった。結果として得られたヒドロホルミル化反応生成物を140~150℃及び25ミリバールでフラッシュ蒸留して、ロジウム触媒溶液を塔底生成物として回収し、分岐C13アルデヒド塔頂生成物を回収し、組成物は、以下を含んでいた。
【0065】
【表1】
分岐C13アルデヒド生成物中の分岐の重量%は86.2%であった。
【0066】
分岐C13アルデヒド生成物を高圧Inconel625撹拌オートクレーブにおいて150C及び20bar(g)の水素圧で水素化した。使用した水素化触媒は、0.25重量%ローディングで使用したRaney(登録商標)Nickel 3111(W.R.Grace&Co.,7500 Grace Drive,Columbia,メリーランド州21044,US,電話1-410-531-4000)触媒であった。アルデヒドを10時間水素化し、得られた反応混合物を濾過して、以下を含む分岐C13アルコール生成物を生成した:
【0067】
【表2】
分岐C13アルコール生成物中の2-アルキル分岐の重量%は85.6%であった。
【0068】
実施例2:分岐C15アルコール生成物の調製
実施例1から回収されたロジウム触媒流を、高圧ステンレス鋼製撹拌オートクレーブに充填し、Chevron Phillips Chemical Company LP(AlphaPlus(登録商標)1-テトラデセン、Chevron Phillips Chemical Company LP、私書箱4910、The Woodlands、TX 77387-4910、電話番号(800)231-3260)製のC14直鎖アルファオレフィン供給原料(1-テトラデセン)を添加した。得られた混合物は、およそ30ppmのロジウム濃度を有していた。次いで、1-テトラデセン直鎖アルファオレフィンを、CO/H2雰囲気及び1bar(g)の圧力の存在下にて、80℃で12時間異性化した。次いで、異性化オレフィンを、CO/H2雰囲気及び20bar(g)の圧力の存在下にて、70℃で8時間ヒドロホルミル化した。得られた反応生成物を150~160℃及び25mbarでフラッシュ蒸留して、ロジウム触媒溶液を塔底生成物として回収し、分岐C15アルデヒド塔頂生成物を回収した。次いで、回収されたロジウム触媒溶液を再び使用して、第2の1-テトラデセンバッチ異性化(4時間)及びヒドロホルミル化(6時間)を完了させた。2つのバッチから得られたC15アルデヒド生成物を合わせて、以下を含む分岐C15アルデヒド生成物を得た:
【0069】
【表3】
分岐C15アルデヒド生成物中の分岐の重量%は87.8%であった。
【0070】
分岐C15アルデヒド生成物を高圧Inconel625撹拌オートクレーブにおいて150C及び20bar(g)の水素圧で水素化した。使用した水素化触媒は、0.25重量%ローディングで使用したRaney(登録商標)Nickel 3111(W.R.Grace&Co.,7500 Grace Drive,Columbia,メリーランド州21044,US,電話1-410-531-4000)触媒であった。アルデヒドを10時間水素化し、得られた反応混合物を濾過して、以下を含む分岐C15アルコール生成物を生成した:
【0071】
【表4】
分岐C15アルコール生成物中の2-アルキル分岐の重量%は83.6%であった。
【0072】
実施例3.流下膜サルフェート化反応器を使用する、狭い分岐ペンタデカノール(C15)サルフェートの合成(本発明の実施例3)
実施例2から得られたアルコールを、5.5lb/時の硫黄で動作し、体積基準で3.76%のSO3を生成する硫黄燃焼ガスプラントから生成されたSO3を使用し、Chemithon単一15mm×2m管型反応器を使用して、流下膜においてサルフェート化する。アルコール供給速度は17.4kg/時間であり、供給温度は83Fであった。アルコールのアルコールサルフェート酸混合物への変換は、97%の完全性で達成された。50%水酸化ナトリウムによる中和は、周囲プロセス温度で完了して、水酸化ナトリウムが0.54%過剰になる。30ガロンのナトリウムで、C15狭い分岐アルコールサルフェートペーストを中和した。標準的なカチオン性SO3滴定法による分析により、最終平均生成物活性は74.5%であると判定される。平均非サルフェート化レベルは、2.65%w/wである。
【0073】
実施例4.流下膜サルフェート化反応器を使用する、狭い分岐トリデカノール(C13)サルフェートの合成(本発明の実施例4)
実施例1から得られたアルコールを、5.5lb/時の硫黄で動作し、体積基準で3.76%のSO3を生成する硫黄燃焼ガスプラントから生成されたSO3を使用し、Chemithon単一15mm×2m管型反応器を使用して、流下膜においてサルフェート化する。アルコール供給速度は15.2kg/時間であり、供給温度は81Fである。アルコールのアルコールサルフェート酸混合物への変換は、96.5%の完全性で達成された。50%水酸化ナトリウムでの中和は、周囲プロセス温度で0.65%過剰の水酸化ナトリウムに完了する。33ガロンのナトリウムで、C13狭い分岐アルコールサルフェートペーストを中和した。標準的なカチオン性SO3滴定法による分析により、最終平均生成物活性は73.4%であると判定する。平均非サルフェート化レベルは、2.10% w/wである。
【0074】
アルキルサルフェート
【0075】
【表5】
出発アルコールの重量に基づく
**2-アルキル分岐C15アルコールの重量に基づく
【0076】
【表6】
出発アルコールの重量に基づく
**2-アルキル分岐C13アルコールの重量に基づく
【0077】
追加の界面活性剤
第1の界面活性剤に加えて、洗剤組成物は、追加の界面活性剤、例えば、第2の界面活性剤、第3の界面活性剤を含み得る。洗剤組成物は、組成物の約1重量%~約75重量%の追加の界面活性剤、例えば第2の界面活性剤、第3の界面活性剤を含み得る。洗剤組成物は、組成物の約2重量%~約35重量%の追加の界面活性剤、例えば第2の界面活性剤、第3の界面活性剤を含み得る。洗剤組成物は、組成物の約5重量%~約10重量%の追加の界面活性剤、例えば第2の界面活性剤、第3の界面活性剤を含み得る。追加の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0078】
洗濯ケア成分
洗剤組成物又は洗濯ケア組成物は、いくつかの態様では、全体的に又は部分的に組み込まれ得る他の好適な補助剤を含み得る。補助剤は、選択ケア組成物の意図する機能に従って選択され得る。第1の組成物は添加剤を含み得る。いくつかの態様では、複数区画の単位用量物品の場合、添加剤は、第1の組成物とは別の区画に封入される、非第1(例えば第2、第3、第4等)の組成物の一部であってもよい。非第1の組成物は、任意の好適な組成物であってもよい。非第1の組成物は、固体、液体、分散体、ゲル、ペースト又はこれらの混合物の形態であってもよい。単位用量が複数の区画を含む場合、ロイコ着色剤は、1つ、2つ、又はさらには全ての区画に添加されてもよく、又は存在してもよい。一実施形態では、ロイコ着色剤をより大きな区画に添加して、より低濃度にし、それによって、潜在的な接触染色に関与するあらゆる問題を最小限に抑えることができる。他方、より小さな体積の区画内において抗酸化剤をロイコ着色剤で濃縮することにより、抗酸化剤の局所濃度を高くすることができ、それによって強化された安定性を提供することができる。したがって、当業者には理解されるように、配合者は、単位用量の所望の特性に従ってロイコ着色剤の位置及び量を選択することができる。
【0079】
補助剤
洗濯ケア組成物は、第1の界面活性剤、第2の界面活性剤、又は第1の界面活性剤と第2の界面活性剤との組み合わせに加えて追加の界面活性剤を有する界面活性剤系を含み得る。第1の界面活性剤、第2の界面活性剤、及び任意の他の界面活性剤を含む界面活性剤の全ての組み合わせが、界面活性剤系を構成する。洗濯ケア組成物は、洗濯ケア組成物の約1重量%~約80重量%、又は1重量%~約60重量%、好ましくは約5重量%~約50重量%、より好ましくは約8重量%~約40重量%の界面活性剤系を含み得る。
【0080】
界面活性剤:
好適な界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、及び両性界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な界面活性剤は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換されていても置換されていなくてもよく、石油化学物質由来であっても生体物質由来であってもよい。好ましい界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の両方を、好ましくは90:1~1:90の重量比で含む。場合によっては、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比は少なくとも1:1であるのが好ましい。しかしながら、10:1未満の比が好ましい場合もある。存在する場合、全界面活性剤濃度は好ましくは、本発明の組成物の0.1重量%~60重量%、1重量%~50重量%又はさらには5重量%~40重量%である。
【0081】
アニオン性界面活性剤:
アニオン性界面活性剤としては、その分子構造中に概ね8~22個の炭素原子又は概ね8~18個の炭素原子を含む有機疎水性基と、スルホネート、サルフェート、及びカルボキシレートから好ましくは選択される、水溶性化合物を形成するための少なくとも1つの水可溶化基と、を含有する表面活性化合物が挙げられるが、これらに限定されない。通常、疎水性基は、C8~C22アルキル、又はアシル基を含むこととなる。このような界面活性剤は、水溶性塩の形態で用いられ、塩形成カチオンは、通常、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム及びモノ-から選択され、ナトリウムカチオンが通常選択されるものである。
【0082】
本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性補助界面活性剤は酸形態で存在してもよく、当該酸形態を中和して、本洗剤組成物で使用するのに望ましい界面活性剤塩を形成することができる。典型的な中和剤としては、水酸化物、例えば、NaOH又はKOHなどの金属対イオン塩基が挙げられる。酸形態の本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性界面活性剤又は補助界面活性剤を中和するためのさらに好ましい剤としては、アンモニア、アミン、オリゴアミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンが好ましい。好適な非限定的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び当該技術分野で既知のその他の直鎖若しくは分枝鎖アルカノールアミンが挙げられ、例えば、極めて好ましいアルカノールアミンとしては、2-アミノ-1-プロパノール、1-アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1-アミノ-3-プロパノールが挙げられる。アミン中和は完全又は部分的に行われてもよく、例えばアニオン性界面活性剤の一部はナトリウム又はカリウムにより中和されてもよく、及びアニオン性界面活性剤の一部はアミン又はアルカノールアミンにより中和されてもよい。
【0083】
好適なスルホネート界面活性剤としては、メチルエステルスルホネート、αオレフィンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、特にアルキルベンゼンスルホネート、好ましくはC10~13アルキルベンゼンスルホネート、より好ましくはC12アルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得ることができる、好ましくは得られる。好適なLABとしては、Sasolによって商標名Isochem(登録商標)として供給されているもの又はPetresaによって商標名Petrelab(登録商標)として供給されているものなどの低2-フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、Sasolによって商標名Hyblene(登録商標)として供給されているものなどの高2-フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性界面活性剤は、DETAL触媒プロセス、DETAL-PLUS触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HF、並びにゼオライトZSM-4、ZSM-12、ZSM-20、ZSM-35、ZSM-48、ZSM-50、MCM-22、TMAオフレタイト、TEAモルデナイト、クリノプチロライト、モルデナイト、REY、及びゼオライトベータなどの他のアルキル化触媒などの他の合成経路が好適である場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩が用いられる。
【0084】
好ましくは、組成物は、洗濯洗剤組成物の約0.5重量%~約30重量%の、アルキルベンゼンスルホン酸、C10~16アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属又はアミン塩から選択されるHLAS界面活性剤を含有し得、当該HLAS界面活性剤は、50%を超えるC12、好ましくは60%を超えるC12、好ましくは70%を超えるC12、より好ましくは75%を超えるC12を含む。
【0085】
好適なサルフェート界面活性剤としては、アルキルサルフェート、好ましくはC8~18アルキルサルフェート、又は主にC12アルキルサルフェートが挙げられる。
【0086】
好ましいサルフェート界面活性剤は、アルキルアルコキシル化サルフェート、好ましくはC8~18アルキルアルコキシル化サルフェート、好ましくはC8~18アルキルエトキシル化サルフェートであり、好ましくは、当該アルキルアルコキシル化サルフェートは、0.5~20、好ましくは0.5~10の平均アルコキシル化度を有し、好ましくは、当該アルキルアルコキシル化サルフェートは、0.5~10、好ましくは0.5~5、より好ましくは0.5~3、又は約1.5~3、又は約1.8~2.5の平均エトキシル化度を有するC8~18アルキルエトキシル化サルフェートである。アルキルアルコキシル化サルフェートは、ブロードなアルコキシ分布又はピークのあるアルコキシ分布を有し得る。AESのアルキル部分は、平均して、13.7~約16個、又は13.9~14.6個の炭素原子を含み得る。少なくとも約50%、又は少なくとも約60%のAES分子は、14個以上の炭素原子、好ましくは14~18個、又は14~17個、又は14~16個、又は14~15個の炭素原子を有するアルキル部分を含み得る。
【0087】
アルキルサルフェート、アルキルアルコキシル化サルフェート、及びアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖であっても分岐であってよく(2アルキル置換又は中鎖分岐型を含む)、置換されていても置換されていなくてもよく、石油化学材料由来であっても生体材料由来であってもよい。好ましくは、分枝基はアルキルである。典型的には、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、環状アルキル基及びこれらの混合から選択される。単一又は複数のアルキル分枝が、本発明の洗剤で使用されるサルフェート化アニオン性界面活性剤を作製するために使用される出発アルコールのヒドロカルビル主鎖に存在することができる。最も好ましくは、分枝状サルフェート化アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、及びこれらの混合物から選択される。
【0088】
アルキルサルフェート及びアルキルアルコキシサルフェートは、様々な鎖長、エトキシル化度及び分枝化度で市販されている。市販のサルフェートとしては、Shell company製のNeodolアルコール、Sasol company製のLial、Isalchem、Safol、Alfol(登録商標)、Nacol(登録商標)、Nafol(登録商標)、Isofol(登録商標)、及びMarlipal(登録商標)、並びにThe Procter&Gamble Chemicals company製の天然アルコールに基づくものが挙げられる。
【0089】
他の好適なアニオン性界面活性剤としては、C10~C26直鎖又は分岐、好ましくはC10~C20直鎖、最も好ましくはC16~C18直鎖アルキルアルコール、及び2~20、好ましくは7~13、より好ましくは8~12、最も好ましくは9.5~10.5エトキシレートを含む、アルキルエーテルカルボキシレートが挙げられる。酸形態又はナトリウム若しくはアンモニウムの塩などの塩形態を使用してよく、アルキル鎖は、1つのシス又はトランス二重結合を含有していてもよい。アルキルエーテルカルボン酸は、花王(Akypo(登録商標))、Huntsman(Empicol(登録商標))及びClariant(Emulsogen(登録商標))から入手可能である。
【0090】
他の好適なアニオン性界面活性剤としては、ソホロリピド及びラムノリピドなどの糖脂質のクラス、並びにアミノ酸ベースの界面活性剤、例えば、アシルグリシネート、アシルサルコシネート、アシルグルタミネート、及びアシルタウリネートが挙げられる。ラムノリピドは、1つのラムノース糖環又は2つのラムノース糖環を有し得る。
【0091】
非イオン性界面活性剤;
好適な非イオン性界面活性剤は、C~C18アルキルエトキシレート(例えば、Shellから販売されるNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤);C~C12アルキルフェノールアルコキシレート(好ましくは、このアルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位又はこれらの混合物である);エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとの、C12~C18アルコール及びC~C12アルキルフェノール縮合物(例えば、BASFから販売されるPluronic(登録商標);アルキル多糖類、好ましくは、アルキルポリグリコシド及びアルキルポリペントシド;脂肪酸メチルエステルエトキシレート;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤;アルキル及びアルケニルフランスルホネート、並びにアルキル及びアルケニルフランサルフェート、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0092】
好適な非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシル化アルコールである。
【0093】
好適な非イオン性界面活性剤としては、アルキルアルコキシル化アルコール、好ましくはC8~18アルキルアルコキシル化アルコール、好ましくはC8~18アルキルエトキシル化アルコールが挙げられ、好ましくは、アルキルアルコキシル化アルコールは、1~50、好ましくは1~30、又は1~20、又は1~10の平均アルコキシル化度を有し、好ましくは、アルキルアルコキシル化アルコールは、1~10、好ましくは1~7、より好ましくは1~5、最も好ましくは3~7の平均エトキシル化度を有するC8~18アルキルエトキシル化アルコールである。一態様では、アルキルアルコキシル化アルコールは、7~10の平均エトキシル化度を有するC12~15アルキルエトキシル化アルコールである。アルキルアルコキシル化アルコールは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、BASF製の商標名Lutensol(登録商標)を有するものが挙げられる。アルキルアルコキシル化サルフェートは、例えばAlfonic1214-9エトキシレートについてはブロードなアルコキシ分布、又は例えばNovel1214-9についてはピークのあるアルコキシ分布を有し得、これらはいずれもSasolから市販されている。
【0094】
カチオン性界面活性剤:
好適なカチオン性界面活性剤としては、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0095】
好適なカチオン性界面活性剤は、以下の一般式を有する四級アンモニウム化合物である。
(R)(R)(R)(R)N
式中、Rは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換C6~18アルキル又はアルケニル部分であり、R及びRは、互いに独立して、メチル又はエチル部分から選択され、Rはヒドロキシル、ヒドロキシメチル、又はヒドロキシエチル部分であり、Xは電荷の中性を提供するアニオンであり、好ましいアニオンとしては、ハライド、好ましくはクロリド、サルフェート、及びスルホネートが挙げられる。
【0096】
本発明の布地ケア組成物は、組成物の最大約30重量%、あるいは約0.01重量%~約20重量%、あるいは約0.1重量%~約20重量%のカチオン性界面活性剤を含有することができる。本発明の目的に対して、カチオン性界面活性剤には、布地ケア効果をもたらすことができるものが挙げられる。有用なカチオン性界面活性剤の非限定的な例として、脂肪族アミン、イミダゾリン第四級物質及び第四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、好ましくは、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ビス(タロウオイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ビス(ステアロイル-オキシ-エチル)N-(2ヒドロキシエチル)N-メチルアンモニウムメチルスルフェート;1,2ジ(ステアロイル-オキシ)3トリメチルアンモニウムプロパンクロリド;ジカノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロウジメチルアンモニウムクロリド、ジカノーラジメチルアンモニウムメチルサルフェートなどのジアルキレンジメチルアンモニウム塩;1-メチル-1-ステアロイルアミドエチル-2-ステアロイルイミダゾリニウムメチルサルフェート;1-タローウイルアミドエチル-2-タローウイルイミダゾリン;N,N”-ジアルキルジエチレントリアミン;脂肪酸が、(水素添加)タロー脂肪酸、パーム脂肪酸、水素添加パーム脂肪酸、オレイン酸、菜種脂肪酸、水素添菜種脂肪酸である脂肪酸でエステル化されたN-(2-ヒドロキシエチル)-1,2-エチレンジアミン又はN-(2-ヒドロキシイソプロピル)-1,2-エチレンジアミンとグリコール酸との反応生成物;ポリグリセロールエステル(PGEs)、油状糖誘導体及びワックスエマルション並びに上記の混合物である。
【0097】
上記に開示されている柔軟剤活性物質の組み合わせが、本明細書で使用するのに好適であることが理解されよう。
【0098】
両性及び双性イオン性界面活性剤:
好適な両性又は双性イオン性界面活性剤としては、アミンオキシド及び/又はベタインが挙げられる。好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミンオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中鎖分岐アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1 C8~18アルキル部分と、C1~3アルキル基及びC1~3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。好ましくは、アミンオキシドは、式R1-N(R2)(R3)Oにより特徴付けられ、式中、R1はC8~18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル及び3-ヒドロキシプロピルからなる群から選択される。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0099】
他の好適な界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられる。
【0100】
ロイコ着色剤希釈剤
ロイコ着色剤組成物中の成分の別の分類は、希釈剤及び/又は溶媒であり得る。希釈剤及び/又は溶媒の目的は、多くの場合、流動性を改善する及び/又はロイコ着色剤の粘度を低下させることであるが、これらに限定されない。多くの場合、その低コスト及び非毒性を考慮して、水が好ましい希釈剤及び/又は溶媒であるが、他の溶媒も同様に使用され得る。好ましい溶媒は、コストが低くかつ危険性が低いものである。好適な溶媒の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルコキシル化ポリマー、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、Tween20(登録商標)、Tween40(登録商標)、Tween80(登録商標)など、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーの中でも、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーが好ましい場合がある。これらポリマーは、多くの場合、水による曇点を特徴とし、これは、生成物を水から分離して、望ましくない水溶性不純物を除去するのに役立ち得る。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーの例としては、BASFによるPLURONIC(登録商標)シリーズのポリマー及びDowによるTERGITOL(商標)シリーズのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。ロイコ着色剤組成物が洗濯ケア組成物に組み込まれたとき、これらポリマーは、非イオン性界面活性剤としても作用し得る。
【0101】
本明細書に記載される洗濯ケア組成物は、以下の成分の非限定的なリストのうちの1つ以上を含んでいてもよい:布地ケア有益剤;洗浄性酵素;沈着助剤;レオロジー変性剤;ビルダー;キレート剤;漂白剤、漂白剤(bleaching agent);漂白剤前駆体;漂白促進剤;漂白触媒;香料及び/又は香料マイクロカプセル;香料充填ゼオライト;デンプン封入アコード;ポリグリセロールエステル;ホワイトニング剤;真珠光沢剤;酵素安定剤系;アニオン性染料の定着剤を含む除去薬、アニオン性界面活性剤の錯化剤、及びこれらの混合物;光学増白剤又は蛍光剤;汚れ放出ポリマー及び/又は汚れ懸濁ポリマーを含むがこれらに限定されないポリマー;分散剤;消泡剤;非水性溶媒;脂肪酸;泡抑制剤、例えばシリコーン泡抑制剤;カチオンデンプン;スカム分散剤;直接染料;着色剤;乳白剤;酸化防止剤;トルエンスルホネート、クメンスルホネート及びナフタレンスルホネートなどのヒドロトロープ;色斑;着色ビーズ、球体、又は押出物;泥柔軟化剤;抗菌剤。追加的又は代替的に、組成物は、界面活性剤、四級アンモニウム化合物、及び/又は溶剤系を含んでもよい。第四級アンモニウム化合物は、布地柔軟剤などの布地増強組成物中に存在してもよく、正電荷を有する多原子イオンの構造NR (Rはアルキル基又はアリール基)である第四級アンモニウムカチオンを含む。
【0102】
色調染料
当該組成物は、追加の布地シェーディング剤を含み得る。好適な布地シェーディング剤としては、染料、染料-クレイ結合体、及び顔料が挙げられる。好適な染料としては、低分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な低分子染料としては、ダイレクトブルー、ダイレクトレッド、ダイレクトバイオレット、アシッドブルー、アシッドレッド、アシッドバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット及びベーシックレッド、又はこれらの混合物のカラーインデックス(Colour Index、C.I.)分類に区分される染料からなる群から選択される低分子染料が挙げられる。好ましい染料としては、アルコキシル化アゾチオフェン、ソルベントバイオレット13、アシッドバイオレット50及びダイレクトバイオレット9が挙げられる。
【0103】
審美着色剤
当該組成物は、1つ以上の審美着色剤を含み得る。好適な審美着色剤としては、染料、染料-クレイ結合体、顔料、及びLiquitint(登録商標)高分子着色剤(Milliken&Company(Spartanburg,South Carolina,USA))が挙げられる。一態様では、好適な染料及び顔料としては、小分子染料及び高分子染料が挙げられる。審美着色剤は、アクリジン、アントラキノン、アジン、アゾ、ベンゾジフラン、ベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、メチン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ、ニトロソ、オキサジン、フェノチアジン、フタロシアニン(例えば、銅フタロシアニン)、ピラゾール、ピラゾロン、キノロン、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン(例えば、トリフェニルメタン)、キサンテン、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの発色団成分を含み得る。
【0104】
本発明の一態様では、審美着色剤としては、Liquitint(登録商標)ブルーAH、Liquitint(登録商標)ブルーBB、Liquitint(登録商標)ブルー275、Liquitint(登録商標)ブルー297、Liquitint(登録商標)ブルーBB、シアン15、Liquitint(登録商標)グリーン101、Liquitint(登録商標)オレンジ272、Liquitint(登録商標)オレンジ255、Liquitint(登録商標)ピンクAM、Liquitint(登録商標)ピンクAMC、Liquitint(登録商標)ピンクST、Liquitint(登録商標)バイオレット129、Liquitint(登録商標)バイオレットLS、Liquitint(登録商標)バイオレット291、Liquitint(登録商標)イエローFT、Liquitint(登録商標)ブルーBuf、Liquitint(登録商標)ピンクAM、Liquitint(登録商標)ピンクPV、アシッドブルー80、アシッドブルー182、アシッドレッド33、アシッドレッド52、アシッドバイオレット48、アシッドバイオレット126、アシッドブルー9、アシッドブルー1、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0105】
封入物
当該組成物は、封入された材料を含み得る。一態様では、カプセル化剤は、コアと、内面及び外面を有するシェルと、を含み、当該シェルは、当該コアをカプセル化する。コアは、あらゆる洗濯ケア助剤を含むことができるが、典型的には、コアは、香料;増白剤;色調染料;防虫剤;シリコーン;ワックス;着香剤;ビタミン;布地柔軟化剤;スキンケア剤、一態様では、パラフィン;酵素;抗菌剤;漂白剤;感覚剤;及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよく、当該シェルは、ポリエチレン;ポリアミド、任意に他のコ-モノマーを含有するポリビニルアルコール;ポリスチレン;ポリイソプレン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリアクリレート;アミノプラスト(一態様では、当該アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン、及び/又はポリ尿素ウレタンを含んでもよく、一態様では、当該ポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含んでもよい);ポリオレフィン;多糖類、(一態様では、当該多糖類は、アルギン酸塩及び/又はキトサンを含んでもよい);ゼラチン;シェラック;エポキシ樹脂;ビニルポリマー;水不溶性無機材料;シリコーン;並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含み得る。
【0106】
好ましい封入剤は、香料を含む。好ましい封入剤は、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含んでいてもよいシェルを含む。他の好ましいカプセルは、ポリアクリレート系シェルを含む。好ましい封入剤は、コア材とシェルとを含み、当該シェルは、当該コア材を少なくとも部分的に取り囲むことが開示されている。当該封入剤の少なくとも75%、85%、又はさらには90%は、0.2MPa~10MPaの破壊強度、及び封入された有益剤の初期総量に対して0%~20%、又はさらには10%若しくは5%未満の有益剤漏出率を有し得る。当該封入剤の少なくとも75%、85%、若しくはさらには90%が、(i)1マイクロメートル~80マイクロメートル、5マイクロメートル~60マイクロメートル、10マイクロメートル~50マイクロメートル、若しくはさらには15マイクロメートル~40マイクロメートルの粒径を有し得、及び/又は(ii)当該封入剤の少なくとも75%、85%、若しくはさらには90%が、30nm~250nm、80nm~180nm、又はさらには100nm~160nmの粒子壁厚を有し得るものが好ましい。ホルムアルデヒドスカベンジャーは、封入物と共に、例えばカプセルスラリー中で用いてよく、及び/又は封入物を組成物に添加する前、添加している間、若しくは添加した後にこのような組成物に添加してよい。好適なカプセルは、米国特許出願公開第2008/0305982(A1)号及び/又は同第2009/0247449(A1)号の教示に従って作製することができる。あるいは、好適なカプセルは、Appleton Papers Inc.(Appleton,Wisconsin USA)から購入することができる。
【0107】
好ましい態様では、組成物は、好ましくは封入剤に加えて、付着助剤を含んでもよい。好ましい付着助剤は、カチオン性及び非イオン性ポリマーからなる群から選択される。好適なポリマーとしては、カチオンデンプン、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルホルムアルデヒド、ローカストビーンガム、マンナン、キシログルカン、タマリンドガム、ポリエチレンテレフタレート、並びに任意にアクリル酸及びアクリルアミドを含む群から選択される1つ以上のモノマーと共にジメチルアミノエチルメタクリレートを含有するポリマーが挙げられる。
【0108】
香料
本発明の好ましい組成物は、香料を含む。典型的には、組成物は、国際公開第08/87497号に記載されているような群から選択される1つ以上の香料原料を含む香料を含む。しかしながら、洗濯ケア組成物において有用ないかなる香料も用いてよい。香料を本発明の組成物に配合する好ましい方法は、水溶性ヒドロキシ化合物、又はメラミン-ホルムアルデヒド又は変性ポリビニルアルコールのいずれかを含む封入香料粒子を介するものである。
【0109】
悪臭低減材料
本開示の洗浄組成物は、悪臭低減材料を含み得る。このような材料は、1種類以上の悪臭の知覚を減らすか、又はさらには知覚しなくすることができる。これら材料は、計算された悪臭低減値(「MORV」)によって特徴付けることができ、MORVは国際公開第2016/049389号に示されている試験方法に従って計算される。
【0110】
本明細書で使用するとき、「MORV」は、目的材料について計算された悪臭低減値である。材料のMORVは、このような材料が、1種類以上の悪臭の検知を減らすか、又はさらには知覚しなくする能力を示す。
【0111】
本開示の洗浄組成物は、総量が組成物の約0.00025重量%~約0.5重量%、好ましくは約0.0025重量%~約0.1重量%、より好ましくは約0.005重量%~約0.075重量%、最も好ましくは約0.01重量%~約0.05重量%の1種類以上の悪臭低減材料を含み得る。洗浄組成物は、約1~約20種類の悪臭低減材料、より好ましくは1~約15種類の悪臭低減材料、最も好ましくは1~約10種類の悪臭低減材料を含み得る。
【0112】
悪臭低減材料のうちの1種類、数種類、又は各種類は、少なくとも0.5、好ましくは0.5~10、より好ましくは1~10、最も好ましくは1~5のMORVを有し得る。悪臭低減材料のうちの1種類、数種類、又は各種類は、本明細書に記載するように試験した悪臭の全てのMORV値が>0.5と定義される、ユニバーサルMORVを有し得る。悪臭低減材料の総量は、3未満、より好ましくは約2.5未満、さらにより好ましくは約2未満、またさらにより好ましくは約1未満、最も好ましくは約0のブロッカー指数を有し得る。悪臭低減材料の総量は、約3~約0.001のブロッカー指数の平均を有し得る。
【0113】
本開示の洗浄組成物では、悪臭低減材料は、3未満、好ましくは2未満、より好ましくは1未満、最も好ましくは約0の芳香忠実度指数(Fragrance Fidelity Index)を有し、かつ/又は芳香忠実度指数の平均が3~約0.001の芳香忠実度指数であってよい。芳香忠実度指数が増加するにつれて、悪臭低減材料(単数又は複数)は、悪臭を弱め続けるが、もたらす芳香効果が次第に小さくなる。
【0114】
本開示の洗浄組成物は、香料を含み得る。悪臭低減組成物(部)の香料(部)に対する重量比は、約1:20,000~約3000:1、好ましくは約1:10,000~約1,000:1、より好ましくは約5,000:1~約500:1、最も好ましくは約1:15~約1:1であってよい。悪臭低減組成物の香水の部に対する比を狭めると、悪臭低減材料(単数又は複数)は、悪臭を弱め続けるが、もたらす芳香効果が次第に小さくなる。
【0115】
ポリマー
組成物は1つ以上のポリマーを含んでよい。例は、任意選択で変性されるカルボキシメチルセルロース、変性ポリグルカン、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン-N-オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレートなどのポリカルボキシレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーである。
【0116】
当該組成物は、1つ以上の両親媒性洗浄ポリマーを含み得る。このようなポリマーは、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性及び疎水性の特性が釣り合っている。好適な両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、コア構造と、そのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基とを含む。これらは、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、特に、エトキシル化ポリエチレンイミン、又は内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するポリエチレンイミンを含み得る。典型的には、これらは、0.005重量%~10重量%、概ね0.5重量%~8重量%の量で本発明の組成物に配合され得る。
【0117】
双性イオン性ポリアミン:
組成物は、修飾ヘキサメチレンジアミンである双性イオン性ポリアミンを含み得る。ヘキサメチレンジアミンの修飾としては、以下が挙げられる:(1)ヘキサメチレンジアミンの窒素原子1つ当たり1つ又は2つのアルコキシル化修飾。アルコキシル化修飾は、ヘキサメンチレンジアミンの窒素上の水素原子を、修飾1つ当たり平均約1~約40個のアルコキシ部分を有する(ポリ)アルコキシレン鎖で置換することからなり、アルコキシレン鎖の末端アルコキシ部分は、水素、C1~C4アルキル、サルフェート、カルボネート、若しくはこれらの混合物で保護されている。(2)ヘキサメンチレンジアミンの窒素原子1つ当たり1つのC1~C4アルキル部分の置換及び1つ若しくは2つのアルコキシル化修飾。アルコキシル化修飾は、水素原子を、修飾1つ当たり平均約1~約40個のアルコキシ部分を有する(ポリ)アルコキシレン鎖で置換することからなり、アルコキシレン鎖の末端アルコキシ部分は、水素、C1~C4アルキル若しくはこれらの混合物で保護されている。又は、(3)これらの組み合わせ。
【0118】
両親媒性グラフトコポリマー:
他の好適なポリマーとしては、両親媒性グラフトコポリマーが挙げられる。好ましい両親媒性グラフトコポリマー(単数又は複数)は、(i)ポリエチレングリコール主鎖と、(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分とを含む。両親媒性グラフトコポリマーの例は、BASFから供給されるSokalan HP22である。他の好適なポリマーとしては、ランダムグラフトコポリマー、好ましくは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーが挙げられる。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、好ましくは約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は、約40~60であり、グラフト点は、エチレンオキシド単位50個当たり1個以下である。典型的には、これらは、0.005~10重量%、より通常は0.05~8重量%の量で本発明の組成物に配合される。
【0119】
汚れ放出ポリマー:
当該組成物は、1つ以上の汚れ放出ポリマーを含み得る。例としては、以下の式(VI)、(VII)又は(VIII)の1つによって定義される構造を有する汚れ放出ポリマーが挙げられる:
(VI) -[(OCHR-CHR-O-OC-Ar-CO-]
(VII) -[(OCHR-CHR-O-OC-sAr-CO-]
(VIII) -[(OCHR-CHR-OR
(式中、
a、b及びcは、1~200であり、
d、e及びfは、1~50であり、
Arは、1,4-置換フェニレンであり、
sArは、5位がSOMeで置換されている1,3-置換フェニレンであり、
Meは、Na、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ-、ジ-、トリ-、若しくはテトラ-アルキルアンモニウム(アルキル基は、C~C18アルキル又はC~C10ヒドロキシアルキルである)、又はそれらの混合物であり、
、R、R、R、R、及びRは、独立して、H又はC~C18n-若しくはイソ-アルキルから選択され、
は、直鎖若しくは分岐C~C18アルキル、又は直鎖若しくは分岐C~C30アルケニル、又は5~9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC~C30アリール基、又はC~C30アリールアルキル基である。
【0120】
好適な汚れ遊離ポリマーは、Rhodiaによって供給されているRepel-o-tex SF、SF-2及びSRP6を含むRepel-o-texポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Clariantより供給されるTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN260、SRN300及びSRN325を含む、Texcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Marloquestポリマー(例えば、Sasolにより供給されているMarloquest SLなど)である。
既知のポリマー汚れ放出剤、以下「SRA(単数又は複数)」を、所望により本洗剤組成物に使用してよい。利用する場合、SRAは、概ね、組成物の0.01重量%~10.0重量%、典型的には0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~3.0重量%を構成する。
【0121】
SRAは、例えば種々の荷電性の、例えば、アニオン性又はさらにはカチオン性(米国特許第4,956,447号を参照されたい)、並びに、非荷電性の、モノマー単位を含むことができ、構造は、直鎖、分岐又はさらには星状であってもよい。SRAの例は、米国特許第4,968,451号、同第4,711,730号、同第4,721,580号、同第4,702,857号、同第4,877,896号、同第3,959,230号、同第3,893,929号、同第4,000,093号、同第5,415,807号、同第4,201,824号、同第4,240,918号、同第4,525,524号、同第4,201,824号、同第4,579,681号、及び同第4,787,989号、欧州特許出願公開第0 219 048号、同第279,134(A)号、同第457,205(A)号、及び独国特許第2,335,044号に記載されている。
【0122】
カルボキシレートポリマー:
組成物は、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどのカルボキシレートポリマーを含み得る。好適なカルボキシレートポリマーとしては、4,000Da~9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマー、50,000~100,000Da、又は60,000Da~80,000Daの分子量を有するマレエート/アクリレートランダムコポリマーを含む。
【0123】
あるいは、これら物質は、7~8つのアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含み得る。側鎖は、式-(CHCHO)(CHCH[式中、mは、2~3であり、nは、6~12である]のものである。側鎖は、ポリアクリレート「主鎖」にエステル結合され、「櫛形」ポリマー型の構造を提供する。分子量は変動し得るが、典型的には、約2000~約50,000の範囲内である。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書における組成物の約0.05重量%~約10重量%を構成し得る。
【0124】
このようなカルボキシレート系ポリマーは、有利には、本明細書の組成物中約0.1重量%~約7重量%の濃度で使用することができる。好適なポリマー分散剤としては、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどのカルボキシレートポリマーが挙げられる。好ましくは、カルボキシレートポリマーは、4,000ダルトン~9,000ダルトンの分子量を有するポリアクリレートホモポリマー、又は60,000ダルトン~80,000ダルトンの分子量を有するマレエート/アクリレートコポリマーである。ポリマーポリカルボキシレート及びポリエチレングリコールを使用することもできる。ポリアルキレングリコール系グラフトポリマーは、ポリアルキレングリコール系化合物及びモノマー材料から調製されてもよく、当該モノマー材料は、カルボキシル基含有モノマー及び任意の追加モノマーを含む。カルボキシル基含有モノマーとして分類されない任意の追加モノマーとしては、スルホン酸基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アリルアミンモノマー、四級化アリルアミンモノマー、N-ビニルモノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、ビニルアリールモノマー、イソブチレンモノマー、酢酸ビニルモノマー、これらのいずれかの塩、これらのいずれかの誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0125】
アルコキシル化ポリアミン系ポリマー:
組成物は、アルコキシル化ポリアミンを含み得る。このような物質としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらのサルフェート化物が挙げられるが、これらに限らない。ポリプロポキシル化誘導体も挙げられる。多種多様なアミン及びポリアクリエンイミン(polyaklyeneimine)は様々な度合いまでアルコキシル化してもよく、任意にさらに修飾して上記の利点をもたらすこともできる。有用な例は、NH1個当たり20個のEO基までエトキシル化されている600g/モルのポリエチレンイミンコアである。好ましいエトキシル化ポリエチレンイミンは、BASFから入手可能なPE-20である。
【0126】
有用なアルコキシル化ポリアミン系ポリマーとしては、アルコキシル化ポリエチレンイミン型が挙げられ、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、ポリアルキレンイミンコアにおける少なくとも1つの窒素原子に結合した1つ以上の側鎖を有するポリアルキレンイミンコアを有し、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、(PEI)-(EO)-Rの実験式(I)(式中、aは、当該アルコキシル化ポリエチレンイミンのポリアルキレンイミンコアの数平均平均分子量(MWPEI)であり、100~100,000ダルトンの範囲であり、bは、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンの当該1つ以上の側鎖における平均エトキシル化度であり、5~40の範囲であり、Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される)を有する。
他の好適なアルコキシル化ポリアルキレンイミンとしては、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンが、ポリアルキレンイミンコアにおける少なくとも1つの窒素原子に1本以上の側鎖が結合しているポリアルキレンイミンコアを有し、当該アルコキシル化ポリアルキレンイミンが、(PEI)-(EO)(PO)-R又は(PEI)-(PO)(EO)-Rの実験式(II)(式中、oは、アルコキシル化ポリアルキレンイミンのポリアルキレンイミンコアの数平均平均分子量(MWPEI)であり、100~100,000ダルトンの範囲であり、mは、10~50の範囲の、アルコキシル化ポリアルキレンイミンの当該1本以上の側鎖における平均エトキシル化度であり、nは、1~50の範囲の、アルコキシル化ポリアルキレンイミンの当該1本以上の側鎖における平均プロポキシル化度であり、Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される)を有するものが挙げられる。
【0127】
セルロース系ポリマー:
セルロース系ポリマーは、本発明に従って使用することができる。好適なセルロース系ポリマーは、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシルアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロース、スルホアルキルセルロースから選択され、より好ましくは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物から選択される。好適なカルボキシメチルセルロースは、0.5~0.9のカルボキシメチル置換度、及び100,000Da~300,000Daの分子量を有する。好適なカルボキシメチルセルロースは、例えば、国際公開第09/154933号に記載されているように、0.65超の置換度及び0.45超のブロック性度を有する。
【0128】
本発明の消費者製品は、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものを含む、1つ以上のセルロース系ポリマーを含んでいてもよい。一態様では、セルロースポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5~0.9のカルボキシメチル置換度及び100,000Da~300,000Daの分子量を有する。カルボキシメチルセルロースポリマーの例は、CPKelkoによってFinnfix(登録商標)GDAとして市販されているカルボキシメチルセルロース、疎水変性カルボキシメチルセルロース、例えば、CPKelcoによってFinnfix(登録商標)SH1として市販されているカルボキシメチルセルロースのアルキルケテンダイマー誘導体、又はCPKelcoによってFinnfix(登録商標)Vとして市販されているブロック状カルボキシメチルセルロースである。
【0129】
カチオン性ポリマー:
カチオン性ポリマーも、本発明に従って使用することができる。好適なカチオン性ポリマーは、組成物の意図する用途のpH(概ね、pH3~pH9、一実施形態ではpH4~pH8の範囲のpH)において、少なくとも0.5meq/gm、別の実施形態では少なくとも0.9meq/gm、別の実施形態では少なくとも1.2meq/gm、さらに別の実施形態では少なくとも1.5meq/gmであるが、一実施形態では7meq/gm未満、別の実施形態では5meq/gm未満のカチオン電荷密度を有する。本明細書において、ポリマーの「カチオン電荷密度」とは、ポリマー上の正電荷数の、ポリマーの分子量に対する比を指す。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は、概ね、10,000~10,000,000、一実施形態では、50,000~5,000,000、別の実施形態では100,000~3,000,000である。
【0130】
本発明の組成物に用いるのに好適なカチオン性ポリマーは、四級アンモニウムなどのカチオン性窒素含有部分、又はプロトン化されたカチオン性アミノ部分を含有する。ポリマーが、水中、組成物中、若しくは組成物のコアセルベート相中で可溶性のままであり、かつ対イオンが、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合性があるか、又はそうでなければ、製品の性能、安定性若しくは審美性を過度に損なうことがない限り、任意のアニオン性対イオンをカチオン性ポリマーと併せて使用してもよい。このような対イオンの非限定的な例としては、ハライド(例えば、クロリド、フルオリド、ブロミド、ヨーダイド)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0131】
このようなポリマーの非限定的な例は、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary、第3版、Estrin、Crosley及びHaynes編(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)(1982年))に記載されている。
【0132】
本発明に従って使用され得る特に有用なカチオン性ポリマーとしては、カチオン性セルロース、カチオン性グアー、ポリ(アクリルアミド-コ-ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド-コ-ジアリルジメチルアンモニウムクロリド-コ-アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド-コ-メタクリロアミドプロピル-ペンタメチル-1,3-プロピレン-2-オール-アンモニウムジクロリド)、ポリ(アクリルアミド-コ-N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(アクリルアミド-コ-N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(アクリルアミド-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド-コ-アクリル酸)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド-コ-アクリル酸)、ポリ(エチルメタクリレート-コ-オレイルメタクリレート-コ-ジエチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(エチルメタクリレート-コ-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリレート-コ-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)及びその四級化誘導体、ポリ(ヒドロキシエチルアクリレート-コ-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(メチルアクリルアミド-コ-ジメチルアミノエチルアクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(メタクリレート-コ-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ビニルホルムアミド-コ-アクリル酸-コ-ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ビニルホルムアミド-コ-ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ビニルピロリドン-コ-アクリルアミド-コ-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-コ-ジメチルアミノエチルメタクリレート)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-コ-メタクリルアミド-コ-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリ(ビニルピロリドン-コ-ビニルイミダゾール)及びその四級化誘導体、ポリエチレンイミン(及びその四級化誘導体を含む)、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含むカチオン性ポリマーが挙げられる。
【0133】
本組成物に使用するのに好適な他のカチオン性ポリマーとしては、多糖類ポリマー、カチオン性グアーガム誘導体、第四級窒素含有セルロースエーテル、合成ポリマー、エーテル化セルロース、グアー及びデンプンのコポリマーが挙げられる。使用される場合、本明細書におけるカチオン性ポリマーは、組成物に可溶性であるか、又は上述のカチオン性ポリマー、並びにアニオン性、両性及び/又は双極性界面活性剤成分によって形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶性である。また、カチオン性ポリマーの複合コアセルベートは、組成物中の他の帯電物質と共に形成することもできる。
【0134】
好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、同第3,958,581号、及び米国特許出願公開第2007/0207109(A1)号に記載されている。
【0135】
移染阻害剤(DTI)
当該組成物は、1種以上の移染防止剤を含んでよい。本発明の一実施形態では、驚くべきことに、特定の染料に加えて、ポリマー移染防止剤を含む組成物は、性能が向上することを本発明者らは発見した。これは、驚くべきことに、ポリマー移染防止剤が染料の付着を防ぐためである。好適な移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン及びポリビニルイミダゾール又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。好適な例としては、Ashland Aqualon製のPVP-K15、PVP-K30、ChromaBond S-400、ChromaBond S-403E及びChromabond S-100、並びにBASF製のSokalan HP165、Sokalan HP50、Sokalan HP53、Sokalan HP59、Sokalan(登録商標)HP56K、Sokalan(登録商標)HP66が挙げられる。染料制御剤は、(i)スルホン化フェノール/ホルムアルデヒドポリマー、(ii)尿素誘導体、(iii)染料で分子インプリントされた、エチレン性不飽和モノマーのポリマー、(iv)約2μm以下の平均直径を有する、非水溶性ポリアミドからなる繊維、(v)ベンゾオキサジンモノマー化合物の重合から得ることができるポリマー、及び(vi)これらの組み合わせ、からなる群から選択され得る。他の好適なDTIは、国際公開第2012/004134号に記載されているとおりである。移染防止剤は、対象組成物中に存在する場合、組成物の約0.0001重量%~約10重量%、約0.01重量%~約5重量%、又はさらには約0.1重量%~約3重量%の濃度で存在してよい。
【0136】
他の水溶性ポリマー:
水溶性ポリマーの例としては、限定されないが、ポリビニルアルコール(PVA)、変性PVA、ポリビニルピロリドン;PVA/ポリビニルピロリドン及びPVA/ポリビニルアミンなどのPVAコポリマー;部分加水分解されたポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド;ポリエチレングリコール;アクリルアミド、アクリル酸;セルロース;メチルセルロース、エチルセルロース及びプロピルセルロースなどのアルキルセルロース系材料;セルロースエーテル;セルロースエステル;セルロースアミド;ポリ酢酸ビニル;ポリカルボン酸及び塩;ポリアミノ酸又はペプチド;ポリアミド、ポリアクリルアミド;マレイン酸/アクリル酸のコポリマー;デンプン、変性デンプンを含む多糖類;ゼラチン;アルギネート;キシログルカン;キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、マンナン、グルコマンナン、及びガラクトグルコマンナンなどのその他のヘミセルロース系多糖類;並びにペクチン、キサンタン、及びカラギーナンなどの天然ガム、ローカストビーン、アラビア、トラガカント、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0137】
オリゴアミン:
アミンの非限定例としては、限定されるものではないが、エーテルアミン、環状アミン、ポリアミン、オリゴアミン(例えば、トリアミン、ジアミン、ペンタアミン、テトラアミン)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書に記載の組成物は、オリゴアミン、エーテルアミン、環状アミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるアミンを含んでもよい。いくつかの態様では、アミンはアルカノールアミンではない。いくつかの態様では、アミンはポリアルキレンイミンではない。
【0138】
好適なオリゴアミンの例としては、好ましくは、組成物はオリゴアミンを含む。本開示による好適なオリゴアミンとしては、ジエチレントリアミン(DETA)、4-メチルジエチレントリアミン(4-MeDETA)、ジプロピレントリアミン(DPTA)、5-メチルジプロピレントリアミン(5-MeDPTA)、トリエチレンテトラアミン(TETA)、4-メチルトリエチレンテトラアミン(4-MeTETA)、4,7-ジメチルトリエチレンテトラアミン(4,7-Me2TETA)、1,1,4,7,7-ペンタメチルジエチレントリアミン(M5-DETA)、トリプロピレンテトラアミン(TPTA)、テトラエチレンペンタアミン(TEPA)、テトラプロピレンペンタアミン(TPPA)、ペンタエチレンヘキサアミン(PEHA)、ペンタプロピレンヘキサアミン(PPHA)、ヘキサエチレンヘプタアミン(HEHA)、ヘキサプロピレンヘプタアミン(HPHA)、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、1,1,4,7,7-ペンタメチルジエチレントリアミン(M5-DETA)、ジプロピレントリアミン(DPTA)、又はそれらの混合物、最も好ましくは、ジエチレントリアミン(DETA)を挙げることできる。分子量が低い及び/又は製造コストが比較的低いことから、DETAが好ましい場合がある。
【0139】
本開示のオリゴアミンは、約100~約1200Da、又は約100~約900Da、又は約100~約600Da、又は約100~約400Da、好ましくは約100~約250Da、最も好ましくは約100~約175Da、又はさらに約100~約150Daの分子量を有してもよい。本開示の目的のために、分子量は、オリゴアミンの遊離塩基形態を使用して求める。
【0140】
エーテルアミン:
本明細書に記載の洗浄組成物は、エーテルアミンを含有し得る。当該洗浄組成物は、当該組成物の約0.1重量%~10重量%、又は約0.2重量%~約5重量%、又は約0.5重量%~約4重量%のエーテルアミンを含有し得る。
【0141】
本開示のエーテルアミンは、約グラム/モル1000グラム/モル未満、又は約100~約800グラム/モル、又は約200~約450グラム/モル、又は約290~約1000グラム/モル、又は約290~約900グラム/モル、又は約300~約700グラム/モル、又は約300~約450グラム/モルの重量平均分子量を有し得る。本発明のエーテルアミンは、約150、又は約200、又は約350、又は約500グラム/モルから約1000、又は約900、又は約800グラム/モルまでの重量平均分子量を有し得る。
【0142】
アルコキシル化フェノール化合物:
本開示の洗浄組成物は、アルコキシル化フェノール化合物を含み得る。アルコキシル化フェノール化合物は、アルコキシル化ポリアリールフェノール化合物、アルコキシル化ポリアルキルフェノール化合物、アルコキシル化モノアルキルフェノール、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。アルコキシル化フェノール化合物は、アルコキシル化ポリアリールフェノール化合物であってよい。アルコキシル化フェノール化合物は、アルコキシル化ポリアルキルフェノール化合物であってよい。
【0143】
アルコキシル化フェノール化合物は、洗浄組成物の約0.2重量%~約10重量%又は約0.5重量%~約5重量%の濃度で当該洗浄組成物中に存在し得る。
【0144】
アルコキシル化フェノール化合物は、280~2880の重量平均分子量を有し得る。
【0145】
酵素
好ましくは、当該組成物は1つ以上の酵素を含む。好ましい酵素は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらす。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼと共に含んでよい酵素カクテルである。当該組成物中に存在する場合、上記の追加の酵素は、当該組成物の約0.00001重量%~約2重量%、約0.0001重量%~約1重量%、又はさらには約0.001重量%~約0.5重量%の酵素タンパク質濃度で存在してもよい。
【0146】
プロテアーゼ
本発明の組成物は、本発明のプロテアーゼに加えてプロテアーゼを含むことができる。2つ以上のプロテアーゼの混合物は、特に再付着防止剤及び/又はスルホン化ポリマーとともに使用されるとき、より広い温度、サイクル持続時間及び/又は基質範囲にわたって洗浄の増強に貢献することができ、優れた光沢効果を提供することができる。
【0147】
本発明のバリアントプロテアーゼと組み合わせて使用するのに好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ、及び中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含むセリンプロテアーゼ、例えば、サブチリシン(EC3.4.21.62)が挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に修飾された変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)、特に国際公開第2004067737号、同第2015091989号、同第2015091990号、同第2015024739号、同第2015143360号、米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、独国特許公開第102006022216(A1)号、同第102006022224(A1)号、国際公開第2015089447号、同第2015089441号、同第2016066756号、同第2016066757号、同第2016069557号、同第2016069563号、同第2016069569号、及び同第2016174234号に記載されている、バチルス属(Bacillus)の種、B.レンタス(B.lentus)、B.アルカロフィラス(B.alkalophilus)、B.サブチリス(B.subtilis)、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.プミルス(B.pumilus)、B.ギブソニイ(B.gibsonii)、及びB.アキバイ(B.akibaii)などのバチルス属由来のもの。具体的には、変異S9R、A15T、V66A、A188P、V199I、Q239R、N255D(savinase付番システム)。
(b)国際公開第89/06270号に記載されているフサリウム属プロテアーゼ、並びに国際公開第05/052161号及び同第05/052146号に記載されているセルロモナス属に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む、トリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
(c)メタロプロテアーゼ、特に国際公開第07/044993(A2)号に記載されているバチルス・アミロリケファシエンス由来のもの、国際公開第2014194032号、同第2014194054号及び同第2014194117号に記載されているバチルス、ブレビバチルス、サーモアクチノミセス、ゲオバチルス、パエニバチルス、リシニバチルス又はストレプトミセス種由来のもの、国際公開第2015193488号に記載されているクリベラ・アルミノサ由来のもの並びに国際公開第2016075078号に記載されているストレプトミセス及びリソバクター由来のもの。
(d)国際公開第92/17577号(Novozymes A/S)に記載されているバチルス種TY145、NCIMB 40339由来のサブチラーゼに対して少なくとも90%の同一性を有するプロテアーゼ(国際公開第2015024739号及び同第2016066757号に記載されている、このバチルス種TY145サブチラーゼのバリアントを含む)。
【0148】
本発明の洗剤に特に好ましい追加のプロテアーゼは、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)由来の野生型酵素と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%、とりわけ100%同一性を示し、以下の位置:S9R、A15T、V68A、N76D、N87S、S99D、S99SD、S99A、S101G、S101M、S103A、V104N/I、G118V、G118R、S128L、P129Q、S130A、Y167A、R170S、A194P、V205I、Q206L/D/E、Y209W、M222S、Q245R、及び/又はM222S(参照により本明細書に組み込まれる国際公開第00/37627号に例示されるBPN’付番システム及びアミノ酸略語を使用する)のうちの1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上に突然変異を含む、ポリペプチドである。
【0149】
最も好ましくは、追加のプロテアーゼは、PB92野生型(国際公開第08/010925号の配列番号2)又はサブチリシン309野生型(N87Sの自然変異を含む以外はPB92主鎖による配列)のいずれかに対して以下の変異(BPN付番システム)を含むプロテアーゼの群から選択される。
(i)G118V+S128L+P129Q+S130A
(ii)S101M+G118V+S128L+P129Q+S130A
(iii)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+N248R
(iv)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A+S188D+V244R
(v)N76D+N87R+G118R+S128L+P129Q+S130A
(vi)V68A+N87S+S101G+V104N
(vii)S99AD
(viii)S9R+A15T+V68A+N218D+Q245R
【0150】
好適な市販入手可能な追加のプロテアーゼ酵素としては、商品名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Coronase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Blaze Ultra(登録商標)及びEsperase(登録商標)としてNovozymes A/S(Denmark)によって販売されているもの;商品名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、Ultimase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)としてDupontによって販売されているもの;商品名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)としてSolvay Enzymesによって販売されているもの;並びにHenkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、BLAP(配列は米国特許第5,352,604号の図29に示され、S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sの突然変異を有する、本明細書において以降BLAPと称する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP);並びに花王製のKAP(変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィラスのサブチリシン)が挙げられる。
【0151】
Properase(登録商標)、Blaze(登録商標)、Ultimase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Excellase(登録商標)、Blaze Ultra(登録商標)、BLAP及びBLAPバリアントからなる群から選択される市販のプロテアーゼは、本発明のバリアントプロテアーゼと組み合わせて本明細書に用いるのに特に好ましい。
【0152】
本発明の製品中のプロテアーゼの好ましい濃度としては、組成物1g当たり約0.05~約10mg、より好ましくは約0.5~約7mg、特に約1~約6mgの活性プロテアーゼが挙げられる。
【0153】
アミラーゼ
好ましくは、本発明の組成物は、アミラーゼを含み得る。好適なα-アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的又は遺伝的に修飾された変異体(バリアント)が含まれる。好ましいアルカリ性アルファ-アミラーゼは、バチルス属の菌種、例えば、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・ステアロサーモフィラス、バチルス・サブチリス、又は他のバチルス属の種、例えば、バチルス属の種NCBI12289、NCBI12512、NCBI12513、DSM9375(米国特許第7,153,818号)、DSM12368、DSMZ番号12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36、又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼとしては、以下が挙げられる。
(a)米国特許第5,856,164号、並びに国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号、同第06/002643号、及び同第2017/192657号に記載のバリアント、特に、国際公開第06/002643号に配列番号12として列記されているAA560酵素に対して対して、以下の位置:26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、202、214、231、246、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484において1つ以上の置換を有し、好ましくは、D183及びG184の欠損も含有するバリアント。
(b)国際公開第06/002643号における配列番号4、バチルス属SP722由来の野生型酵素と少なくとも85%、好ましくは90%の同一性を示すバリアント、特に183及び184位が欠失しているバリアント、並びに国際公開第00/60060号、同第2011/100410号、及び同第2013/003659号に記載のバリアント、特に、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第06/002643号における配列番号4に対して以下の位置:51、52、54、109、304、140、189、134、195、206、243、260、262、284、347、439、469、476、及び477において1つ以上の置換を有するもの。
(c)バチルス属の種707由来の野生型酵素(米国特許第6,093,562号における配列番号7)と少なくとも95%の同一性を示すバリアント、特に以下の変異:M202、M208、S255、R172、及び/又はM261のうちの1つ以上を含むもの。好ましくは、当該アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。M202L又はM202T変異を含むものが、特に好ましい。
(d)国際公開第09/149130号に記載されているバリアント、好ましくは、国際公開第09/149130号における配列番号1又は配列番号2、ゲオバチルス・ステアロフェルモフィルス(Geobacillus Stearophermophilus)に由来する野生型酵素又はその切断バージョンと少なくとも90%の同一性を示すもの。
(e)国際公開第10/115021号に記載のバリアント、特に国際公開第10/115021号における配列番号2、バチルス属の種TS-23由来のアルファ-アミラーゼと少なくとも75%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%を示すもの。
(f)国際公開第2016/091688号における配列番号1と少なくとも89%の同一性を示すバリアント、特にH183+G184位に欠失を含み、さらに405、421、422、及び/又は428位に1つ以上の変異を含むもの。
(g)国際公開第2014099523号に記載のバリアント、特にパエニバチルス・カードラノリティカス(Paenibacillus curdlanolyticus)YK9由来の「PcuAmyl α-アミラーゼ」(国際公開第2014099523号における配列番号3)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示すもの。
(h)国際公開第2014099523号に記載のバリアント、特にサイトファーガ属(Cytophaga)の種由来の「CspAmy2アミラーゼ」(国際公開第2014164777号における配列番号1又は6)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示すもの。
(i)バチルス・サブチリス由来のAmyE(国際公開第2009/149271号における配列番号1)と少なくとも85%の同一性を示すバリアント。
(j)アクセッション番号AB051102のバチルス属の種KSM-K38由来の野生型アミラーゼと少なくとも90%の同一性を示すバリアント。
(k)国際公開第2016180748号に記載のバリアント、特に国際公開第2016180748号における配列番号7のバチルス属の種由来のAAI10の成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すもの、国際公開第2016180748号における配列番号8のアリシクロバチルス属(Alicyclobacillus)の種のアミラーゼの成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すもの、及び国際公開第2016180748号における配列番号13の成熟アミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を示すもの、特に、以下の変異H、N54S、V56T、K72R、G109A、F113Q、R116Q、W167F、Q172G、A174S、G184T、N195F、V206L、K391A、P473R、G476Kのうちの1つ以上を含むもの。
(l)国際公開第2018060216号に記載のバリアント、特に国際公開第2018060216号における配列番号4、バチルス・アミロリケファシエンス及びバチルス・リケニフォルミスの融合分子の成熟アミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を示すもの。特に、H1、N54、V56、K72、G109、F113、R116、T134、W140、W159、W167、Q169、Q172、L173、A174、R181、G182、D183、G184、W189、E194、N195、V206、G255、N260、F262、A265、W284、F289、S304、G305、W347、K391、Q395、W439、W469、R444、F473、G476、及びG477位に1つ以上の置換を含むもの。
【0154】
好ましくは、アミラーゼは、遺伝子操作を受けた酵素であり、漂白酸化を起こしやすいアミノ酸のうちの1つ以上が、より酸化しにくいアミノ酸で置換されている。特に、メチオニン残基は、任意の他のアミノ酸で置換されることが好ましい。特に、最も酸化しやすいメチオニンが置換されることが好ましい。好ましくは、配列番号11における202に相当する位置のメチオニンが置換される。好ましくは、この位置のメチオニンは、スレオニン又はロイシン、好ましくはロイシンで置換される。
【0155】
好適な市販のアルファ-アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、ATLANTIC(登録商標)、ACHIEVE ALPHA(登録商標)、AMPLIFY(登録商標)PRIME、INTENSA(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria))、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、PREFERENZ S(登録商標)シリーズ(PREFERENZ S1000(登録商標)及びPREFERENZ S2000(登録商標)を含む)、並びにPURASTAR OXAM(登録商標)(DuPont.(Palo Alto,California))、並びにKAM(登録商標)(Kao(14-10 Nihonbashi Kayabacho,1-chome,Chuo-ku Tokyo 103-8210,Japan))が挙げられる。
【0156】
好ましくは、本発明の製品は、組成物1g当たり少なくとも0.01mg、好ましくは約0.05~約10mg、より好ましくは約0.1~約6mg、特に約0.2~約5mgの活性アミラーゼを含む。
【0157】
好ましくは、本発明の組成物のプロテアーゼ及び/又はアミラーゼは、粒状体の形態であり、この粒状体は、粒状体の29重量%超の硫酸ナトリウムを含み、並びに/又は硫酸ナトリウム及び活性酵素(プロテアーゼ及び/若しくはアミラーゼ)は、3:1~100:1、又は好ましくは4:1~30:1、又はより好ましくは5:1~20:1の重量比である。
【0158】
リパーゼ
酵素系は、好ましくはリパーゼをさらに含む。油及び/又は脂の存在は、マンナン及び他の多糖類を含む染みの復元力をさらに増大させ得る。したがって、酵素パッケージ中にリパーゼが存在すると、このような染みの除去をさらに改善することができる。好適なリパーゼとしては、細菌由来、真菌由来、又は合成由来のもの、及びこれらのバリアントが挙げられる。化学的に改変された又はタンパク質操作された変異体も適している。好適なリパーゼの例としては、フミコーラ(Humicola)(同意語サーモマイセル(Thermomyces))由来、例えば、H.ラヌギノサ(H.lanuginosa)(T.ラヌギノサス(T.lanuginosus))由来のリパーゼが挙げられる。
【0159】
リパーゼは、例えば、国際公開第06/090335号及び同第13/116261号に記載されているものなどの「第1のサイクルリパーゼ」であってもよい。一態様では、リパーゼは、第1の洗浄用リパーゼであり、好ましくは、T231R及び/又はN233R変異を含む、サーモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来の野生型リパーゼのバリアントである。
好ましいリパーゼとしては、Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)によりLipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)、及びLipoclean(登録商標)の商品名で販売されているリパーゼが挙げられる。
【0160】
他の好適なリパーゼとしては、例えば国際公開第2013/171241号に記載されているようなLiprl 139、例えば国際公開第2011/084412号及び同第2013/033318号に記載されているようなTfuLip2、例えば国際公開第2018228880号に記載されているようなシュードモナス・スツッツェリ(Pseudomonas stutzeri)リパーゼ、例えば国際公開第2018228881号に記載されているようなマイクロバルビファー・サーモトレランス(Microbulbifer thermotolerans)リパーゼ、例えば欧州特許第3299457号に記載されているようなスルホバチルス・アシドカルダリウス(Sulfobacillus acidocaldarius)リパーゼ、例えば国際公開第2018209026号に記載されているようなLIP062リパーゼ、例えば国際公開第2017036901号に記載されているようなPinLipリパーゼ、並びに例えば国際公開第2017005798号に記載されているようなアブシディア属(Absidia)の種のリパーゼが挙げられる。
【0161】
好適なリパーゼは、以下を含む配列番号5のバリアントである:
(a)置換T231R
(b)置換N233R又はN233C
(c)E1C、D27R、N33Q、G38A、F51V、G91Q、D96E、K98L、K98I、D111A、G163K、H198S、E210Q、Y220F、D254S、I255A、及びP256Tから選択される少なくとも3つの更なる置換;
ここでは、位置は配列番号5の位置に対応し、当該リパーゼバリアントは、配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して少なくとも90%であるが100%未満の配列同一性を有し、当該バリアントはリパーゼ活性を有する。
1つの好ましいリパーゼは、以下の置換を含む配列番号5のバリアントである:T231R、N233R、D27R、G38A、D96E、D111A、G163K、D254S、及びP256T
1つの好ましいリパーゼは、以下の置換を含む配列番号5のバリアントである:T231R、N233R、N33Q、G91Q、E210Q、I255A。
【0162】
好適なリパーゼは、Novozymesから、例えば、Lipex Evity 100L、Lipex Evity 200L(いずれも液体原料)、及びLipex Evity 105T(顆粒)として市販されている。これらのリパーゼは、本発明の範囲外である製品Lipex 100L、Lipex 100T、及びLipex Evity 100Tとは異なる構造を有する。
【0163】
セルラーゼ
消費者製品は、細菌又は真菌由来のセルラーゼを含むことができる。化学修飾された又はタンパク質が遺伝子操作を受けた変異体が含まれる。好適なセルラーゼとしては、バチルス属(Bacillus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、フミコーラ属(Humicola)、フサリウム属(Fusarium)、チェラビア属(Thielavia)、アクレモニウム属(Acremonium)由来のセルラーゼ、例えば、米国特許第4,435,307号、同第5,648,263号、同第5,691,178号、同第5,776,757号、及び同第5,691,178号に開示されているフミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)、ミセリオフィソーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、及びフサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)から生成される真菌セルラーゼが挙げられる。好適なセルラーゼとしては、カラーケア効果のあるアルカリ性又は中性のセルラーゼが挙げられる。市販のセルラーゼとしては、CELLUZYME(登録商標)、CAREZYME(登録商標)、及びCAREZYME PREMIUM(Novozymes A/S)、CLAZINASE(登録商標)、及び PURADAX HA(登録商標)(Genencor International Inc.)、KAC-500(B)(登録商標)(Kao Corporation)が挙げられる。
好ましいセルラーゼとしては、以下が挙げられる。
a)国際公開第20171084560号における配列番号2と少なくとも60%の同一性を示すバリアント。好ましい置換は、配列番号2の成熟ポリペプチドの292、274、266、265、255、246、237、224、及び221位に対応する1つ以上の位置を含み、バリアントは、セルラーゼ活性を有する。
b)国際公開第2017106676号の配列番号5と少なくとも70%の同一性を示すバリアント。好ましい置換は、4、20、23、29、32、36、44、51、77、80、87、90、97、98、99、102、112、116、135、136、142、153、154、157、161、163、192、194、204、208、210、212、216、217、221、222、225、227、及び232位に対応する1つ以上の位置を含む。
細菌クリーニングセルラーゼは、非晶質セルロース基質に対して酵素活性を有するグリコシルヒドロラーゼであってよく、当該グリコシルヒドロラーゼは、GHファミリー5、7、12、16、44又は74から選択される。好適なグリコシルヒドロラーゼはまた、米国特許第7,361,736号に記載されているXYG1006などのパエニバチルス・ポリキシマ(Paenibacillus polyxyma)由来のGHファミリー44グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアント、米国特許第6,268,197号に記載されている配列番号1などのバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)由来のGHファミリー12グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアント、バチルス・アガラドハエレンス(Bacillus agaradhaerens)由来のGHファミリー5グリコシルヒドロラーゼ(野生型)又はそのバリアント、米国特許第6,630,340号に記載されているXYG1034及びXYG1022などのパエニバチルス(Paenibacillus)由来のGHファミリー5グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアント;国際公開第2002/077242号に記載されているXYG1020などのジョネシア属の種(Jonesia sp)由来のGHファミリー74グリコシルヒドロラーゼ(野生型)又はそのバリアント、並びに米国特許第7,172,891号の配列番号2により詳細に記載されている酵素などのトリコデルマ・レーシ(Trichoderma Reesei)由来のGHファミリー74グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアントからなる群から選択されてもよい。好適な細菌クリーニングセルラーゼは、商標名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)で販売されている。
【0164】
一態様では、組成物は、17kDa~30kDaの分子量を有するグリコシルヒドロラーゼファミリー45に属する真菌クリーニングセルラーゼ、例えば、商標名Biotouch(登録商標) NCD、DCC、DCL及びFLX1(AB Enzymes,Darmstadt,Germany)で販売されているエンドグルカナーゼを含み得る。さらに、好ましいセルラーゼとしては、国際公開第2016066896号に掲載されているものが挙げられる。
【0165】
マンナナーゼ
本明細書で使用するとき、「マンナナーゼ」又は「ガラクトマンナナーゼ」という用語は、マンナンエンド-1,4-ベータ-マンノシダーゼとして当該技術分野において既知のものに従って定義され、別名ベータ-マンナナーゼ及びエンド-1,4-マンナナーゼを有し、マンナン、ガラクトマンナン、グルコマンナン、及びガラクトグルコマンナンにおける1,4-ベータ-D-マンノシド連結の加水分解を触媒するマンナナーゼ酵素を意味する。マンナナーゼは、酵素命名法に従ってEC 3.2.1.78と分類される。
好適なマンナナーゼは、以下からなる群から選択することができる:
a)マンナナーゼ活性を有するマンナナーゼ、及び配列番号3の残基27~331に対して少なくとも85%の配列同一性を有するポリペプチド。配列番号3は、シグナル配列を含むバチルス・ヘミセルトシリチカス(Bacillus hemicellulosilyticus)に対して内因性のMan7マンナナーゼの完全長アミノ酸配列に対応する。
b)マンナナーゼは、マンナナーゼ活性と、配列番号4に対して少なくとも60%の同一性を有するポリペプチドとを有する。本発明の一実施形態では、マンナナーゼは、マンナナーゼ活性と、配列番号4に対して少なくとも80%の同一性を有するポリペプチドとを有する。配列番号4は、パエニバチルス属の種(Paenibacillus sp)に対して内因性のMan4マンナナーゼの完全長アミノ酸配列に対応する。
c)マンナン、ガラクトマンナン、及びグルコマンナンの1,4-3-D-マンノシド結合の加水分解を触媒するグリコシドヒドロラーゼファミリー26のマンナナーゼ。好適な例は、国際公開第2015040159号に記載されている。
さらに好ましいマンナナーゼとしては、Mannaway(登録商標)(いずれもNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、及びPurabrite(登録商標)、Effectenz(登録商標)、Preferenz(登録商標)(Genencor International Inc(Palo Alto,California))、及びBiotouch(登録商標)(AB Enzymes(Darmstadt,Germany))の商標名で販売されているものが挙げられる。
【0166】
ペクチン酸リアーゼ
その他の好ましい酵素としては、Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、Xpect(登録商標)の商標名で販売されているペクチン酸リアーゼが挙げられる。
【0167】
ヌクレアーゼ酵素
当該組成物は、ヌクレアーゼ酵素を含み得る。ヌクレアーゼ酵素は、核酸のヌクレオチドサブユニット間のホスホジエステル結合を切断することができる酵素である。本明細書におけるヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、デオキシリボヌクレアーゼ若しくはリボヌクレアーゼ酵素又はこれらの機能的断片である。機能的断片又は部分とは、DNA骨格におけるホスホジエステル結合の切断を触媒するヌクレアーゼ酵素の部分を意味し、したがって、触媒活性を保持する当該ヌクレアーゼタンパク質の領域である。したがって、それは、その機能が維持されている酵素及び/又はバリアント及び/又は誘導体及び/又はホモログの、切頭されているが、機能的なバージョンを含む。
好ましくは、ヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、以下の分類のいずれかから選択されるデオキシリボヌクレアーゼである:E.C.3.1.21.x(式中、x=1、2、3、4、5、6、7、8又は9である)、E.C.3.1.22.y(式中、y=1、2、4又は5である)、E.C.3.1.30.z(式中、z=1又は2である)、E.C.3.1.31.1、及びこれらの混合物。すべてのヌクレアーゼ酵素は、微量のスーパーオキシドジスムターゼを含み得る。
【0168】
ガラクタナーゼ
酵素系は、エンド-β-1,6-ガラクタナーゼ酵素を含む細胞外ポリマー分解酵素を含み得る。用語「エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ」又は「エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性を有するポリペプチド」は、3よりも高い重合度(DP)を有する1,6-3-D-ガラクトオリゴ糖、及び4-O-メチルグルコシルウロネート又はグルコシルウロネート基を非還元末端に有するその酸性誘導体の加水分解性切断を触媒するグリコシドヒドロラーゼファミリー30由来のエンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性(EC3.2.1.164)を意味する。本開示の目的のために、エンド-ベータ-1,6-ガラクタナーゼ活性は、アッセイIにおいて、国際公開第2015185689号に記載の手順に従って求められる。分類EC3.2.1.164由来の好適な例は、国際公開第2015185689号に記載されており、例えば、成熟ポリペプチド配列番号2である。
【0169】
他の酵素
酵素系は、他の酵素を含むことができる。好適な酵素は、クリーニング性能及び/又は布地ケア効果をもたらす。他の好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ(malanases)、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及び既知のアミラーゼ、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい酵素系は、アミラーゼと組み合わせた、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼなどの従来の洗浄性酵素のカクテルをさらに含むものである。洗浄性酵素は、米国特許第6,579,839号により詳細に記載されている。
【0170】
キサンタンエンドグルカナーゼ及びキサンタンリアーゼ
キサンタンエンドグルカナーゼという用語は、好適なキサンタンリアーゼ酵素と共にキサンタンガムの1,4-連結型β-D-グルコースポリマー骨格の加水分解を触媒することができるエンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ活性を示す酵素を意味する。本発明によるキサンタンエンドグルカナーゼは、エンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ活性を有し、配列番号1に対して少なくとも60%の同一性を有するポリペプチドを有する。配列番号1は、パエニバチルス属の種62047に対して内因性のキサンタンエンドグルカナーゼのアミノ酸配列に対応する。
用語「キサンタンリアーゼ」は、キサンタンのβ-D-マンノシル-β-D-1,4-グルクロノシル結合を切断する酵素を意味し、文献に記載されている。キサンタンリアーゼは、酵素命名法に従ってEC4.2.2.12と分類され、バチルス属、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、及びパエニバチルス属の種を含む多くのキサンタン分解細菌によって産生されることが知られている。本発明によるキサンタンリアーゼは、キサンタンリアーゼ活性を有し、配列番号2に対して少なくとも60%の同一性を有するポリペプチドを含む。配列番号2は、パエニバチルス属の種に対して内因性のキサンタンリアーゼのアミノ酸配列に対応する。
【0171】
漂白剤
当該組成物は1つ以上の漂白剤を含むことが好ましい場合がある。漂白触媒以外の好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。概して、漂白剤を用いるとき、本発明の組成物は、対象組成物の約0.1重量%~約50重量%、又はさらには約0.1重量%~約25重量%の漂白剤又は漂白剤の混合物を含んでもよい。好適な漂白剤の例としては以下が挙げられる。
(1)光漂白剤、例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、チオキサントン、及びこれらの混合物。
(2)予形成過酸:好適な予形成過酸としては、予形成ペルオキシ酸又はその塩、典型的には過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、例えばOxone(登録商標)、並びにこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限らない。
【0172】
特に好ましいペルオキシ酸は、フタルイミド-ペルオキシ-アルカン酸、特に、ε-フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)である。好ましくは、ペルオキシ酸又はその塩は、30℃~60℃の範囲の融点を有する。
(3)過酸化水素源、例えば、過ホウ酸塩(通常、一水和物又は四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩及びこれらの混合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む、無機過水和物の塩。無機過水和物の塩は、使用する場合、典型的には、布地ケア及びホームケア製品全体の0.05~40重量%又は1~30重量%の量で存在し、典型的には、コーティングされ得る結晶性固体としてこのような布地ケア及びホームケア製品に配合される。好適なコーティングとしては、無機塩、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩若しくはホウ酸塩又はこれらの混合物、又は有機物質、例えば、水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸などが挙げられる。
(4)R-(C=O)-L(式中、Rはアルキル基であり、場合により分岐しており、漂白活性剤が疎水性である場合、6個~14個の炭素原子、又は8個~12個の炭素原子を有し、漂白活性剤が親水性である場合、6つ未満の炭素原子又はさらには4つ未満の炭素原子を有し、Lは脱離基である)を有する漂白活性剤。好適な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体、特にベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性剤としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩、3,5,5-トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。
(5)漂白触媒。本発明の組成物は、ペルオキシ酸及び/又はその塩から酸素原子を受け取って、その酸素原子を酸化可能な基質に転移させることができる1つ以上の漂白触媒を含んでいてもよい。好適な漂白触媒としては、イミニウムカチオン及びポリイオン、イミニウム双性イオン、変性アミン、変性アミンオキシド、N-スルホニルイミン、N-ホスホニルイミン、N-アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、ペルフルオロイミン、環状糖ケトン及びαアミノ-ケトン並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい一触媒は、4-(2-(2-((2-ヒドロキシフェニルメチル)メチレン)-ヒドラジニル)-2-オキソエチル)-4-メチルクロリドなどのアシルヒドラゾン型である。
(6)当該組成物は、好ましくは、触媒金属錯体を含み得る。金属含有漂白触媒の好ましい一種は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンのカチオンなどの、規定の漂白触媒活性の遷移金属カチオンを含む触媒系である。
【0173】
必要に応じて、本明細書における組成物は、マンガン化合物によって触媒され得る。このような化合物及び使用レベルは、当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。いくつかの実施形態では、組成物中に追加の酸化剤源は存在せず、空気由来の分子酸素が酸化源を提供する。
【0174】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は公知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、同第5,595,967号に記載されている。
【0175】
ビルダー
好ましくは、当該組成物は、1つ以上のビルダー又はビルダー系を含み得る。ビルダーを用いる場合、本発明の組成物は、典型的には、少なくとも1%、2%~60%のビルダーを含む。本組成物は、低レベル、例えば1~10又は5重量%のリン酸塩及び/又はゼオライトを含むことが好ましい場合がある。本組成物は、さらには、強力なビルダーを実質的に含んでいなくてもよい。強力なビルダーを実質的に含まないとは、ゼオライト及び/又はリン酸塩が「意図的に添加されない」ことを意味する。典型的なゼオライトビルダーとしては、ゼオライトA、ゼオライトP及びゼオライトMAPが挙げられる。典型的なリン酸塩ビルダーは、トリポリリン酸ナトリウムである。
【0176】
有機酸
洗剤組成物は、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、カルボキシメチルオキシマロン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、ギ酸、グルタル酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、オキシ二酢酸、オキシ二コハク酸、コハク酸、スルファミン酸、酒石酸、酒石酸二コハク酸、酒石酸-コハク酸、又はこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の有機酸を含む。好ましくは、洗剤組成物は、酢酸、乳酸、及びクエン酸からなる群から選択される有機酸を含んでいてよい。
【0177】
キレート剤
好ましくは、当該組成物は、キレート剤及び/又は結晶成長阻害物質を含む。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な分子としては、ヒドロキサム酸、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、サクシネート、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用するのに好適なキレート剤の非限定的な例としては、エチレンジアミン四酢酸、N-(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エタノールジグリシン、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、エチレンジアミンジスクシネート(EDDS)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸(HEDP)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸(GLDA)、及びそれらの塩、及びそれらの混合物が挙げられる。本発明で用いるキレート剤の他の非限定的な例は、米国特許第7445644号、同第7585376号及び米国特許出願公開第2009/0176684(A1)号に見出される。本明細書で使用するのに好適な他のキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto製、DuPont製、及びNalco,Inc.製のキレート剤である。さらに他の好適なキレート剤としては、ピリジニルN-オキシド型が挙げられる。
【0178】
蛍光増白剤
本開示に好適な市販の蛍光増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、ベンゾキサゾール、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン-5,5-ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びに他の様々な物質の誘導体を含むがこれらに限定されない、サブグループに分類することができる。
【0179】
蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(増白剤15、BASFによって商標名Tinopal AMS-GXとして市販されている)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ビス-ヒドロキシエチル)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(BASFによって商標名Tinopal UNPA-GXとして市販されている)、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-(N-2-ヒドロキシエチル-N-メチルアミノ)-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム(BASFによって商標名Tinopal 5 BM-GXとして市販されている)からなる群から選択され得る。より好ましくは、蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム又は2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エテンジイル)ビス-ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩である。増白剤は、粒子状の形態で、又は好適な溶媒、例えば非イオン性界面活性剤、プロパンジオールとのプレミックスとして添加されてもよい。
【0180】
酵素安定剤
当該組成物は、好ましくは、酵素安定剤を含み得る。例えば、カルシウム及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する最終布地ケア及びホームケア製品中にカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源を存在させることによって、任意の従来の酵素安定剤を用いてよい。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、ホウ酸塩を含むホウ素化合物、すなわち好ましくは4-ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸及びこれらの誘導体、又はギ酸カルシウム、ギ酸ナトリウム及び1,2-プロパンジオールのような化合物といった、可逆的プロテアーゼ阻害剤を加えて、さらに安定性を向上させることができる。
【0181】
溶媒:
本発明の組成物中の溶媒系は、水のみを含む溶媒系であることも、水を含まないか又は好ましくは水を含む有機溶媒の混合物であることもできる。当該組成物は、任意に、有機溶媒を含み得る。好適な有機溶媒としては、C4~14エーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C~C16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分岐アルコール、アルコキシル化脂肪族分岐アルコール、アルコキシル化直鎖C~Cアルコール、直鎖C~Cアルコール、アミン、C~C14アルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましい有機溶媒としては、1,2-プロパンジオール、2,3ブタンジオール、エタノール、グリセロール、エトキシル化グリセロール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオール、及びそれらの混合物2エチルヘキサノール、3,5,5,トリメチル-1ヘキサノール、及び2プロピルヘプタノールが挙げられる。溶媒は、グリセリンのポリエチレン又はポリプロピレングリコールエーテルであってよい。また、他の低級アルコール、C1~C4アルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどを使用してもよい。溶媒系は、例えば本発明の無水固形物実施形態には存在しなくてもよいが、より典型的には、液体洗剤組成物の約0.1重量%~約98重量%の範囲、好ましくは少なくとも約1重量%~約50重量%、より通常は約5重量%~約25重量%、あるいは約1重量%~約10重量%の当該有機溶媒の濃度で存在する。これら有機溶媒は、水と共に使用されてもよく、又は水なしで使用されてもよい。
【0182】
構造化された液体:
本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、構造化された液体の形態である。このような構造化された液体は、内部的に構造化されて、一次成分(例えば、界面活性剤物質)によって構造体を形成してもよく、及び/又は例えば、増粘剤として用いるために、二次成分(例えば、ポリマー、粘土及び/又はケイ酸塩物質)を用いて三次元マトリックス構造をもたらすことによって、外部的に構造化してもよい。当該組成物は、構造化剤を含んでいてよく、好ましくは、0.01重量%~5重量%、0.1重量%~2.0重量%の構造化剤を含んでもよい。好適な構造化剤の例は、米国特許出願公開第2006/0205631(A1)号、同第2005/0203213(A1)号、米国特許第7294611号、同第6855680号に示されている。構造化剤は、典型的には、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、セルロース系物質、マイクロファイバーセルロース、Polygel W30(3VSigma)などの疎水変性アルカリ膨潤性エマルション、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、水添ヒマシ油、水添ヒマシ油の誘導体、例えば、その非エトキシル化誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択され、特に、水添ヒマシ油、水添ヒマシ油の誘導体、マイクロファイバーセルロース、ヒドロキシ官能性結晶性物質、長鎖脂肪族アルコール、12-ヒドロキシステアリン酸、粘土及びこれらの混合物の群から選択されるものである。好ましい一構造化剤は、好適なヒドロキシ官能性結晶質物質を詳細に定義している米国特許第6,855,680号に記載されている。好ましいのは、水添ヒマシ油である。いくつかの構造化剤は、ある範囲のアスペクト比を有する糸様構造系を有する。別の好ましい構造化剤は、セルロースに基づくものであり、バイオマス、木材パルプ、柑橘類繊維などを含む多数の供給源に由来してよい。
【0183】
コンディショニング剤:
好適なコンディショニング剤としては、高融点脂肪族化合物が挙げられる。本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びそれらの混合物からなる群から選択される。好適なコンディショニング剤としては、非イオン性ポリマー及びコンディショニングオイル、例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステルも挙げられる。
【0184】
好適なコンディショニング剤としては、概ねシリコーン(例えば、シリコーンオイル、ポリオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率のシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、若しくはこれらの組み合わせを特徴とするコンディショニング剤、又は他の方法で本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液体の分散粒子を形成するコンディショニング剤が挙げられる。本発明の組成物はまた、単独のコンディショニング剤として、又はシリコーン(本明細書に記述される)などの他のコンディショニング剤と組み合わせたコンディショニング剤としてのいずれかで、約0.05%~約3%の少なくとも1種の有機コンディショニング油を含んでもよい。好適なコンディショニング油としては、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステルが挙げられる。
【0185】
プロバイオティクス:
当該組成物は、国際公開第2009/043709号に記載されているものなどのプロバイオティクスを含んでもよい。
【0186】
起泡促進剤:
高い起泡性が望ましい場合、当該組成物は、好ましくは、起泡促進剤を含んでもよい。好適な例は、好ましくは1%~10%の濃度で組み込まれるC10~C16アルカノールアミン又はC10~C14アルキルサルフェートである。C10~C14モノエタノール及びジエタノールアミドは、このような起泡促進剤の典型的な分類を例示するものである。このような起泡促進剤を上述のアミンオキシド、ベタイン及びスルタインなどの高起泡性補助界面活性剤と共に使用することも有益である。必要に応じて、MgCl、MgSO、CaCl、CaSOなどの水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩を、典型的には、0.1%~2%の濃度で添加して、追加の泡をもたらし、グリース除去能を強化させてもよい。
【0187】
抑泡剤:
泡の形成を低減又は抑制するための化合物を、水溶性単位用量物品に組み込んでもよい。泡の抑制は、いわゆる「高濃度洗浄プロセス」において、また前側投入方式の洗濯機において、特に重要である場合がある。抑泡剤の例としては、モノカルボン脂肪酸及びその可溶性塩、高分子量炭化水素、例えば、パラフィン、脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18~C40ケトン(例えば、ステアロン(stearone))、N-アルキル化アミノトリアジン、好ましくは約100℃未満の融点を有するろう質炭化水素、シリコーン抑泡剤、並びに第二級アルコールが挙げられる。好ましい脂肪酸ブレンドは、2-アルキル脂肪酸、好ましくは2-メチルオクタン酸が富化された混合物又は富化された脂肪酸混合物であり得る。
【0188】
更なる好適な消泡剤は、フェニルプロピルメチル置換ポリシロキサンに由来するものである。
【0189】
洗剤組成物は、シリコーン樹脂及び変性シリカである一次充填剤と組み合わせたアリール又はアルキルアリール置換基を有する有機変性シリコーンポリマーから選択される抑泡剤を含んでもよい。洗剤組成物は、組成物の約0.001重量%~約4.0重量%のこのような抑泡剤を含んでいてよい。
【0190】
洗剤組成物は、a)約80~約92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、ステアリン酸オクチル中約5~約14%のMQ樹脂、及び約3~約7%の変性シリカの混合物、b)約78~約92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン;ステアリン酸オクチル中約3~約10%のMQ樹脂;約4~約12%の変性シリカとの混合物、又はc)これらの混合物、から選択される抑泡剤を含んでよく、百分率は、消泡剤の重量によるものである。
【0191】
真珠光沢剤:
真珠光沢剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる:雲母;二酸化チタンコーティングした雲母、オキシ塩化ビスマス、魚のうろこ、アルキレングリコールのモノエステル及びジエステル。真珠光沢剤は、エチレングリコールジステアレート(EGDS)であってもよい。
【0192】
乳白剤:
一実施形態では、当該組成物は、乳白剤を含んでもよい。この用語を本明細書で使用するとき、「乳白剤」は、次の系を不透明にするために材料に添加される物質である。好ましい一実施形態では、乳白剤は、Dow Chemicalsから入手可能なAcusolである。Acusol乳白剤は、特定の固形分濃度%の液体形態で提供される。供給されたままのAcusol乳白剤のpHは2.0~5.0の範囲であり、粒径は0.17~0.45umの範囲である。好ましい一実施形態では、Acusol OP303B及び301を使用することができる。
【0193】
さらに別の実施形態では、乳白剤は無機乳白剤であってもよい。好ましくは、無機乳白剤は、TiO、ZnO、タルク、CaCo、及びこれらの組み合わせであってもよい。乳白剤-ミクロスフェア複合材料は、事前に選択した比重で容易に形成され、したがって材料が分離する傾向はほとんどない。
【0194】
ヒドロトロープ:
組成物は、任意選択で、当該組成物が水と相溶性になるように、有効量、すなわち、約0%~15%、又は約1%~10%、又は約3%~約6%のヒドロトロープを含んでいてもよい。本明細書に用いるのに好適なヒドロトロープとしては、米国特許第3,915,903号に開示されているような、アニオン型のヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、及びキシレンスルホン酸アンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム及びトルエンスルホン酸アンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム及びクメンスルホン酸アンモニウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0195】
酸化防止剤:
組成物は、任意選択で、当該組成物中に存在する酸化防止剤を約0.001~約2重量%含有していてもよい。好ましくは、抗酸化剤は、0.01~0.08重量%の範囲の濃度で存在する。抗酸化剤の混合物を使用してもよい。
【0196】
抗酸化剤は、Kirk-Othmer(第3巻、424ページ)及びUllmannのEncyclopedia(第3巻、91ページ)に記載されているような物質である。
【0197】
本発明で使用される酸化防止剤の一分類は、以下の一般式を有するアルキル化フェノールである:
【0198】
【化4】
(式中、Rは、C~C22直鎖又は分岐アルキル、好ましくはメチル又は分岐C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、好ましくはメトキシであり、Rは、C~C分枝鎖アルキル、好ましくはtert-ブチルであり、xは、1又は2である)。ヒンダードフェノール化合物は、この式を有するアルキル化フェノールの好ましい種類である。
そのようなヒンダードフェノール酸化防止剤の例としては、2,6-ビス(1-メチルプロピル)フェノール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチル-フェノール(ヒドロキシブチル化トルエン、「BHT」としても知られている);2-(1,1-ジメチルエチル)-1,4-ベンゼンジオール;2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、メチルエステル;2-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-4,6-ジメチル-フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-[2,2-ビス[[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]メチル]-1,3-プロパンジイル]エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、オクタデシルエステル、2,2’-メチレンビス[6-(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール;2-(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;2,4,6-トリス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;4,4’-メチレンビス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール;4,4’,4’’-[(2,4,6-トリメチル-1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(メチレン)]トリス[2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール];N,N’-1,6-ヘキサンジイルビス[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパンアミド;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ安息香酸、ヘキサデシルエステル;P-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチルホスホン酸、ジエチルエステル;1,3,5-トリス[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン;3,5-ビス(1,1-5ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、2-[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロピル]ヒドラジド;3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-[1,2-エタンジイルビス(オキシ-2,1-エタンジイル)]エステル;4-[(ジメチルアミノ)メチル]-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ]-2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノール;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-(チオジ-2,1-エタンジイル)エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ安息香酸、2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェニルエステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)エステル;3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-[2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイルビス(2,2-ジメチル-2,1-エタンジイル)]エステル;3-(1,1-ジメチルエチル)-b-[3-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-4-ヒドロキシ-b-メチルベンゼンプロパン酸、1,1’-(1,2-エタンジイル)エステル;2-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-2-ブチルプロパン二酸、1,3-ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)エステル;3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、1-[2-[3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]エチル]-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニルエステル;3,4-ジヒドロ-2,5,7,8-テトラメチル-2-[(4R,8R)-4,8,12-トリメチルトリデシル]-(2R)-2H-1-ベンゾピラン-6-オール;2,6-ジメチルフェノール;2,3,5-トリメチル-1,4-ベンゼンジオール;2,4,6-トリメチルフェノール;2,3,6-トリメチルフェノール;4,4’-(1-メチルエチリデン)-ビス[2,6-ジメチルフェノール];1,3,5-トリス[[4-(1,1-ジメチルエチル)-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン;4,4’-メチレンビス[2,6-ジメチルフェノール];及びこれらの混合物が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0199】
好ましくは、ヒンダードフェノール酸化防止剤は、少なくとも1つのフェノール性-OH基に対してオルト位に少なくとも1つのC3~C6分岐アルキルを有する、少なくとも1つのフェノール性-OH基を含む。より好ましくは、ヒンダードフェノール酸化防止剤は、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のエステルであり、最も好ましくは、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC1~C22直鎖アルキルエステルである。市販されている3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のC1~C22直鎖アルキルエステルとしては、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のメチルエステルであるRaschig USA(Texas、USA)製のRALOX(登録商標)、及び3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸のオクタデシルエステルであるBASF(Ludwigshafen、Germany)製のTINOGARD(登録商標)TSが挙げられる。
【0200】
さらに、組成物に使用される酸化防止剤は、α-、β-、γ-、δ--トコフェロール、エトキシキン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、tert-ブチルヒドロキシアニソール、リグノスルホン酸及びこれらの塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。エトキシキン(1,2-ジヒドロ-6-エトキシ-2,2,4-トリメチルキノリン)は、Raschig(商標)カンパニーによりRaluquin(商標)という名称で販売されていることに留意されたい。
【0201】
組成物に使用され得る他の種類の酸化防止剤は、6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(Trolox(商標))及び1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(Proxel GXL(商標))である。
【0202】
組成物に使用するのに好適であり得る酸化防止剤の更なる分類は、以下の式を有するベンゾフラン又はベンゾピラン誘導体である:
【0203】
【化5】
[式中、R及びRは、各々独立して、アルキルであるか、又はR及びRは一緒になってC~C環状ヒドロカルビル部分を形成し得、Bは、存在しないか又はCHであり、Rは、C~Cアルキルであり、Rは、水素又は-C(O)Rであり、Rは、水素又はC~C19アルキルであり、Rは、C~Cアルキルであり、Rは、水素又はC~Cアルキルであり、Xは、-CHOH又は-CHAであり、Aは、窒素含有単位、フェニル、又は置換フェニルである]。好ましい窒素含有A単位としては、アミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、及びこれらの混合物が挙げられる)。本開示の洗浄組成物は、ガロタンニン、エラジタンニン、複合タンニン、縮合型タンニン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンニンを含み得る。
【0204】
衛生剤:
本発明の組成物はまた、リシノール酸亜鉛、チモール、Bardac(登録商標)などの四級アンモニウム塩、ポリエチレンイミン(BASF製のLupasol(登録商標)など)及びこれらの亜鉛錯体、銀及び銀化合物、特に、Ag+又はナノ銀分散体を除放するように設計されているもののうちの1つ以上などの、衛生及び/又は悪臭効果をもたらすための成分を含んでもよい。
【0205】
本発明の洗浄組成物はまた、抗菌剤を含有してもよい。カチオン性活性成分としては、n-アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチル第四級アンモニウム化合物、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、N,N-ジデシル-N-メチル-ポリ(オキシエチル)アンモニウムプロピオネート、ジオクチルジデシルアンモニウムクロリド(臭素などの無機又は有機対イオンを有する塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルピリジニウム、及び第四級アンモニウム化合物などの四級種も含む)、炭酸塩、若しくはジアルキルジメチルアンモニウムカーボネートを含む他の部分に加えて、抗菌アミン、例えば、グルコン酸クロルヘキシジン、PHMB(ポリヘキサメチレンビグアニド)、ビグアニドの塩、置換ビグアニド誘導体、第四級アンモニウム含有化合物の有機塩、若しくは第四級アンモニウム含有化合物の無機塩、又はこれらの混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。より好ましくは、抗菌剤は、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(「ジクロサン」)、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル(「トリクロサン」)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。最も好ましくは、抗菌剤は、商標名Tinosan(登録商標)HP100としてBASFから市販されている、4-4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテルである。
【0206】
パッケージ
任意の従来のパッケージを用いてよく、本発明に不可欠な染料の色によってもたらされ得るか又は当該染料の色に寄与し得る洗濯ケア組成物の色を消費者が見ることができるように、パッケージは全体的に又は部分的に透明であってよい。パッケージの一部又は全部に、紫外線吸収化合物を含めてもよい。
【0207】
液体の形態である場合、本発明の洗濯ケア組成物は、水性(典型的には2重量%超又はさらには5若しくは10重量%超の総含水量、最大で90又は最大で80重量%若しくは70重量%の総含水量)であっても、非水性(典型的には2重量%未満の総含水量)であってもよい。典型的には、本発明の組成物は、界面活性剤、シェーディング染料、及び本組成物の通常液体の成分、例えば、アルコールエトキシレート非イオン性液体、水性液体担体、及び任意の他の通常液体の任意成分と組み合わせられた特定の任意の他の成分(これら成分の一部は通常固体の形態であってもよい)の水溶液又は均一な分散液若しくは懸濁液の形態である。このような溶液、分散液又は懸濁液は、許容可能な相安定性を有する。本発明のランドリーケア組成物が液体形状の場合、好ましくはその粘度は、20s-1及び21℃において1~1500センチポアズ(1~1500mPas)、より好ましくは100~1000センチポアズ(100~1000mPas)、最も好ましくは200~500センチポアズ(200~500mPas)である。粘度は、従来法によって測定することができる。粘度は、TA instruments製のAR550レオメーターを用いて、直径40mm及びギャップサイズ500μmのプレートスチールスピンドルを用いて測定してよい。20s-1における高剪断粘度及び0.05-1における低剪断粘度は、21℃で3分間の対数剪断速度掃引0.1-1~25-1から得ることができる。本明細書に記載する好ましいレオロジーは、内部構造剤を洗剤成分と共に使用して、又は外部レオロジー変性剤を使用することによって得ることができる。より好ましくは、洗濯ケア組成物、例えば、液体洗剤組成物の高剪断速度における粘度は約100センチポアズ~1500センチポアズ、より好ましくは100~1000cpsである。単位用量洗濯ケア組成物、例えば液体洗剤組成物の高剪断速度における粘度は、400~1000cpsである。洗濯柔軟化組成物などの洗濯ケア組成物の高剪断速度における粘度は、典型的には10~1000、より好ましくは10~800cps、最も好ましくは10~500cpsである。食器手洗い用組成物は、300~4000cps、より好ましくは300~1000cpsの高剪断速度粘度を有する。
【0208】
本明細書における液体組成物、好ましくは洗濯ケア組成物は、その成分を任意の従来の順番で組み合わせ、得られた成分の組み合わせを混合、例えば撹拌して、相安定性液体洗濯ケア組成物を形成することによって調製することができる。このような組成物を調製するプロセスでは、例えば、非イオン性界面活性剤、非界面活性液体担体、及び他の任意選択の液体成分などの液体成分の少なくとも大部分、又はさらには実質的に全てを含有する液体マトリックスが形成され、当該液体成分は、この液体の組み合わせに剪断撹拌を付与することによって十分に混合される。例えば、機械的撹拌機による高速撹拌が有用に使用され得る。剪断撹拌を維持しつつ、あらゆるアニオン性界面活性剤及び固体形態の成分の実質的に全てを添加することができる。混合物の撹拌を継続し、必要であればその時点で増強させて、液相内の不溶性固相粒子の溶液又は均質な分散液を形成することができる。固体形態物質の一部又は全てをこの撹拌混合物に添加した後、含める任意の酵素物質の粒子、例えば、酵素プリルを配合する。上述の組成物調製手順の変形例として、固体成分の1つ以上を、液体成分の1つ以上の微量の部分と予め混合した粒子の溶液又はスラリーとして、撹拌混合物に添加してよい。組成物成分の全てを添加した後、必要な粘度及び相安定特性を有する組成物を形成するのに十分な時間にわたって、混合物の撹拌を継続する。多くの場合、これは約30分~60分の間の撹拌を伴う。
【0209】
パウチ
本発明の好ましい実施形態では、当該組成物は、単位用量の形態、錠剤の形態、又は好ましくは水溶性フィルム(パウチ又はポッドとして知られているもの)内に保持されている液体/固体(任意に顆粒)/ゲル/ペーストの形態のいずれかで提供される。組成物は、洗濯洗浄組成物、自動食器洗浄組成物、硬質表面洗浄組成物、又はそれらの組み合わせであってよい。組成物は、単一区画パウチ又は多区画パウチに封入することができる。多区画パウチは、欧州特許出願公開第2133410(A)号により詳細に記載されている。本組成物が多区画パウチ内に存在している場合、本発明の組成物は1つ又は2つ以上の区画内に存在してよく、すなわち、染料は1つ以上の区画、任意に全ての区画に存在していてもよい。非シェーディング染料若しくは顔料又はその他の審美剤も、1つ以上の区画で用いてよい。一実施形態では、本組成物は、多区画パウチのうちの一区画に存在する。
【0210】
好ましいフィルム材料は、ポリマー材料である。フィルム材料は、例えば、当該技術分野において公知であるとおり、ポリマー材料を注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形することによって得ることができる。パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラガムなどの天然ガムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有してもよく、好ましくは、約1000~1,000,000、より好ましくは、約10,000~300,000、さらにより好ましくは、約20,000~150,000である。また、ポリマーの混合物をパウチ材料として使用してもよい。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーの水溶解度が別のポリマーよりも高く、及び/又は1つのポリマーの機械的強度が別のポリマーよりも高い、混合物が挙げられる。また、異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、約10,000~40,000、好ましくは20,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーと、約100,000~300,000、好ましくは150,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーとの混合物も好適である。また、例えば、ポリラクチド及びポリビニルアルコールを混合することにより得られ、典型的には約1~35重量%のポリラクチドと、約65~99重量%のポリビニルアルコールとを含む、ポリラクチドとポリビニルアルコールとのポリマーブレンドなどの、加水分解により分解可能な水溶性のポリマーブレンドを含むポリマーブレンド組成物も、本明細書において好適である。本明細書において使用するのに好ましいものは、約60%~約98%加水分解され、好ましくは約80%~約90%加水分解され、材料の溶解特性が向上したポリマーである。
【0211】
当然のことながら、異なるフィルム材料及び/又は異なる厚さのフィルムを、本発明の区画の作製に用いてよい。異なるフィルムを選択する利点は、得られる区画が、異なる溶解性又は放出特性を示し得ることである。
【0212】
最も好ましいフィルム材料は、MonoSol商品整理番号M8630、M8900、H8779として知られているPVAフィルム、並びに米国特許第6166117号及び同第6787512号に記載されているもの、並びに対応する溶解度及び変形特性のPVAフィルムである。
【0213】
また、本明細書のフィルム材料は、1つ以上の添加剤含有成分を含んでもよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール及びこれらの混合物を添加することは有益であり得る。他の添加剤としては、洗浄水に送達される機能性洗剤添加剤、例えば、有機ポリマー分散剤などが挙げられる。
【0214】
固体形態:
上述のように、洗濯ケア組成物は固体形態であってよい。好適な固体形態としては、錠剤及び粒子の形状、例えば、粒状粒子、フレーク又はシートが挙げられる。このような固形形態の洗剤組成物を形成するための種々の技術は当該技術分野において周知であり、本明細書で使用されてもよい。
【0215】
繊維状水溶性単位用量物品:
本明細書で使用するとき、という句「水溶性単位用量物品」、「水溶性繊維状構造体」、及び「水溶性繊維状要素」という句は、単位用量物品、繊維状構造体、及び繊維状要素が水と混和性であることを意味する。換言すれば、単位用量物品、繊維状構造体、又は繊維状要素は、周囲条件で水と均質な溶液を形成することができる。「周囲条件」は、本明細書で使用するとき、23℃±1.0℃及び相対湿度50%±2%を意味する。水溶性単位用量物品は、水性洗浄条件で約20マイクロメートル未満又は約50マイクロメートル未満の懸濁平均粒径で分散可能である不溶性材料を含有していてもよい。
【0216】
繊維状水溶性単位用量は、2018年1月26日に出願された、米国特許出願第15/880,594号、2018年1月26日に出願された同第15/880,599号、及び、2018年1月26日に出願された同第15/880,604号に見出される開示のいずれかを含むことができ、それら全体が参照により組み込まれている。好ましい水溶性繊維状構造は、1超の直鎖アルキルベンゼンスルホネート対アルキルエトキシル化サルフェート又はアルキルサルフェートの比を有する粒子を含む。
【0217】
これら繊維状水溶性単位用量物品は、様々な洗浄条件下、例えば、低温、少ない水量及び/又は短い洗浄サイクル若しくは消費者が洗濯機に、特に高い吸水能を有する品目を入れすぎた場合のサイクルの下で溶解することができると同時に、(今日の液体製品と同様の性能で)対象とする消費者基材に対して、意図する効果を発揮するために十分な活性剤を送達する。さらに、本明細書に記載の水溶性単位用量物品は、活性剤を含む繊維を紡糸することによって、経済的に製造することができる。本明細書に記載の水溶性単位用量物品は、改善された洗浄性能も有する。
【0218】
使用方法。上記のように調製した本発明の組成物を用いて、布地の洗濯/処理に用いるための水性洗浄/処理溶液を形成することができる。概して、このような組成物の有効量を、例えば従来の布地用自動洗濯機内の水に添加して、このような水性洗濯溶液を形成する。次いで、このようにして形成した水性洗浄溶液を、典型的には撹拌下で、その溶液で洗濯/処理しようとする布地と接触させる。水に添加して水性洗濯溶液を形成する有効量の本明細書の液体洗剤組成物は、水性洗浄溶液中に約500~7,000ppmの組成物を形成するのに十分な量を含み得るか、又は約1,000~3,000ppmの本明細書の洗濯ケア組成物が水性洗浄溶液に提供される。
【0219】
典型的には、洗浄液は、洗濯ケア組成物を、洗浄液中の洗濯ケア組成物の濃度が0g/L超~5g/L、又は1g/Lから4.5g/L、又は4.0g/L、又は3.5g/L、又は3.0g/L、又は2.5g/L、又はさらには2.0g/L、又はさらには1.5g/Lまでになるような量の洗浄水と接触させることによって形成される。布地又は織物を洗濯する方法は、縦型若しくはドラム式の自動洗濯機で行ってもよく、又は手洗い洗濯用途で用いてもよい。これら用途では、形成される洗浄液、及び洗浄液中の洗濯洗剤組成物の濃度は、主洗濯サイクルのものである。洗浄液の容積を決定するとき、いかなる任意のすすぎ工程中のいかなる水の投入量も含まない。
【0220】
洗浄液は、40リットル以下の水、又は30リットル以下、又は20リットル以下、又は10リットル以下、又は8リットル以下、又はさらには6リットル以下の水を含み得る。洗浄液は、0リットルを超えて15リットルまで、又は2リットから12リットルまで、又はさらには8リットルまでの水を含み得る。典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01kg~2kgの布地を当該洗浄液に投入する。典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01kg以上、又は0.05kg以上、又は0.07kg以上、又は0.10kg以上、又は0.15kg以上、又は0.20kg以上、又は0.25kg以上の布地を当該洗浄液に投入する。任意に、50g以下、又は45g以下、又は40g以下、又は35g以下、又は30g以下、又は25g以下、又は20g以下、又はさらには15g以下、又はさらには10g以下の組成物を水に接触させて、洗浄液を形成する。かかる組成物は、典型的には、溶液中約500ppm~約15,000ppmの濃度で用いられる。洗浄溶媒が水である場合、水温は、典型的には、約5℃~約90℃の範囲であり、部位が布地を含む場合、水と布地との比は、典型的には、約1:1~約30:1である。典型的には、本発明の洗濯ケア組成物を含む洗浄液のpHは3~11.5である。
【0221】
一態様では、任意に当該表面又は布地を洗浄及び/又はすすぐ工程と、当該表面又は布地を本明細書に開示する任意の組成物と接触させ、次いで、任意に当該表面又は布地を洗浄及び/又はすすぐ工程とを含むこのような方法を、任意の乾燥工程と共に開示する。
【0222】
このような表面又は布地の乾燥工程は、家庭環境又は工業環境のいずれかで使用される、一般的な手段のうちの任意の1つにより実行することができる。布地は、通常の消費者による又は業務用の使用条件で洗濯することができる任意の布地を含んでもよく、本発明は、セルロース基材に好適であり、いくつかの態様では、ポリエステル及びナイロンなどの合成織物、並びに合成及びセルロース系の布地及び/又は繊維を含む混紡の布地及び/又は繊維の処理にも好適である。合成布地の例は、ポリエステル、ナイロンであり、これらは、セルロース系繊維、例えば、ポリコットン布地との混紡布中に存在し得る。溶液のpHは、典型的には、7~11、より一般的には、8~10.5である。本組成物は、典型的には、溶液中500ppm~5,000ppmの濃度で使用される。水温は、典型的には約5℃~約90℃の範囲である。水と布地との比は、典型的には、約1:1~約30:1である。
【0223】
別の方法は、洗剤組成物で含浸した不織布基材を汚れた材料と接触させることを含む。本明細書において使用するとき、「不織布基材」は、好適な秤量、キャリパー(厚み)、吸収性、及び強度特性を有する従来式の任意の不織布シート又はウェブを含み得る。好適な市販の不織布基材の非限定的な例としては、DuPontより商品名SONTARA(登録商標)及びJames River Corpより商品名POLY WEB(登録商標)で市販されているものが挙げられる。
【実施例
【0224】
【表7】
1キレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸である
2BASFから市販されているPE-20
3蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベン二スルホン酸二ナトリウムであり、保存剤2は、フェノキシエタノールである
4保存剤1は、LonzaからProxelとして市販されているBITである
5保存剤2は、フェノキシエタノールである
6抑泡剤1は、Dow Corningから市販されているDC1520である
7抑泡剤2は、Dowから市販されているAF-8017である
8色調染料は、Millikenから市販されているLiquitint Violet200である
【0225】
染み除去
CFT ASTM Dust Sebum PCS94、CFT Discriminating Sebum PCS132、APD Grass CW120 GSRTGR001を含有するCW120コットンの技術的染み見本は、Advanced Product Design Co.,Inc(Cincinnati,OH)から購入した。見本を7グレイン/ガロンの水硬度を用いてWhirlpool(登録商標)ドラム式高効率洗濯機において洗浄し(標準的な18リットルの洗浄サイクル)、華氏77度で洗浄した。試験で使用した液体洗剤の総量は43グラムであった。
【0226】
画像解析を使用して、各染みを染みの付いていない布地の対照例と比較した。ソフトウエアは得られる画像を標準の色値に変換し、通常使用されるマクベス色保持チャートに基づいてそれらを基準値と比較し、各染みに色値を割り当てた(染みレベル)。各々の8つの複製を作製した。
布きれからの染み除去は、次のように測定された。
【0227】
【数1】
ΔEinitial=洗浄前の染みレベル
ΔEwashed=洗浄後の染みレベル
各染みについての染み除去指数スコアを計算し、下の表に列記する:
【0228】
【表8】
【0229】
これらの結果は、従来の液体洗剤組成物A、C、及びEにおける分岐アルキルサルフェートと比較したときの、本発明の組成物(組成物B、D、及びFで使用)による皮脂及び草に対する驚くべき染み除去の利点を示す。
【0230】
【表9】
【0231】
【表10】
【0232】
染み除去指数法
方法は、洗濯機における布地の洗浄をシミュレートするためにターゴトメーターを使用することを伴う。試験処方物を使用して、きれいなニット綿バラスト及び11枚の6cm×6cmのSBL2004汚れスクエア(60g)と共に試験布地を洗浄した。SBL2004シートは、WFK Testgewebe GmbHから購入し、6cm×6cmの正方形に切断した。洗浄試験は、上記の各染みタイプ及び処理A~Hにつき2つの内部複製物及び4つの外部複製物からなっていた。
【0233】
25℃及び7US gpgで1Lの試験洗浄溶液+試験布地、汚れスクエア、及びバラストを含むターゴトメーターポットを、208rpmで12分間撹拌し、遠心脱水した。次いで、布地を7US gpgの15℃の水において、167rpmで5分間すすぎ、遠心脱水した。すすぎ後、布地を70分間Highで乾燥させた後、分析した。画像解析を使用して、各染みを染みの付いていない布地の対照例と比較した。ソフトウエアは得られる画像を標準の色値に変換し、通常使用されるマクベス色保持チャートに基づいてそれらを基準値と比較し、各染みに色値を割り当てた(染みレベル)。各々の8つの複製を作製した。
【0234】
布きれからの染み除去は、次のように測定された。
【0235】
【数2】
ΔEinitial=洗浄前の染みレベル
ΔEwashed=洗浄後の染みレベル
各染みについての染み除去指数スコアを計算し、下の表に列記する。
【0236】
【表11】
【0237】
【表12】
【0238】
これらの結果は、従来の液体洗剤組成物A、C、E、及びGにおける分岐アルキルサルフェートと比較したとき、本発明の組成物(組成物B、D、F、及びHで使用)によるPCS132 Sebum及びPCS94 Dust Sebumに対する驚くべき染み除去の利点を示す。
【0239】
起泡促進
【0240】
【表13】
【0241】
本明細書における試験洗浄組成物の泡生成及び泡耐久力(suds mileage)を、泡シリンダテスター(SCT)を用いることによって測定する。SCTは、8個のシリンダのセットを有する。各シリンダは、典型的には長さ30cm及び内径8.8cmのLexanプラスチックシリンダであり、外側に接着定規が取り付けられている。シリンダを、20~22回転/分(rpm)の速度で一緒に回転させる。この方法を用いて、試験洗浄組成物の性能をアッセイして、泡の生成能力、並びに試験汚れの存在下における泡の堅牢性の読み取り値を得る。
【0242】
試験洗浄組成物18.6g及び約140Fに加熱しておいた約15gpgの水硬度を有する水500gを溶解させ、約360ppmの界面活性剤濃度の試験洗浄組成物生成物を含有するサンプル溶液を形成する;約300mLのサンプル溶液をSCTシリンダに注ぎ、各シリンダに5.5cmの接着定規マークまでサンプル溶液を充填する。経時的にサンプル溶液の温度は下がっていく。シリンダ内のサンプル溶液の目標温度は、107F~115Fである。ゴム栓をし、シリンダを所定の位置に固定する。シリンダを2分間回転させる。直立位置で固定する。初期泡高さ(すなわち、泡+液体サンプル溶液の高さ)を記録する。合計泡高さから液体サンプル溶液のみの高さ(5.5cm)を差し引くことによって、生成された泡の高さを計算する。シリンダの回転を続け、合計泡高さを2分ごとに合計20分間記録する。このデータは、試験洗浄組成物の泡生成を表す。各シリンダのゴム栓を開ける。各シリンダに10.00gの試験汚れを添加する。試験汚れの調製は、以下のとおり実施する:3.60gのオレイン酸(Acros Organics CAS#112-80-1)を、均質な混合物が得られるまで、羽根を備えるIKA RW20オーバーヘッドミキサーを用いて596.40gのCriscoキャノーラ油に分散させる。ゴム栓を交換する。開始時の泡高さを記録し、シリンダを1分間回転させる。直立位置で固定する。初期泡高さ(すなわち、泡+液体サンプル溶液の高さ)を記録する。合計泡高さから液体サンプル溶液のみの高さ(5.5cm)を差し引くことによって、生成された泡の高さを計算する。シリンダを回転させ続け、合計泡高さを1分ごとに合計15分間記録する。このデータは、試験洗浄組成物の泡耐久力を表す。
【0243】
データを、時間(分)に対する泡生成又は泡耐久力(cm)としてグラフ化する。泡生成又は泡耐久力対時間のデータ及び台形公式計算を使用して、曲線下面積(AUC)を計算する。
【0244】
【数3】
【0245】
結果は、関連する対照に対してインデックスを付けた曲線下面積(AUC)として報告する。データは、「AUC泡生成指数」又は「AUC泡耐久力指数」として標識することとする。AUC指数が高いほど、結果は良好である。表8は、比較組成物A、C、及びEに対する本発明の組成物B、D、及びFの泡生成における驚くべき利点を示している。さらに、本発明の組成物B及びFは、比較組成物A及びEに対して泡耐久力において驚くべき利点を有する。
【0246】
【表14】
組成物の粘度は、以下の手順に従って測定される。
【0247】
20℃の一定温度で、毎秒0.1(1/s)の初期剪断速度から毎秒1200(1/s)の最終剪断速度までの漸増剪断速度でいわゆる剪断掃引流連続ランプ法を介して、液体洗剤組成物のレオロジープロファイルを評価する。測定のための機器は、20℃/分の加熱速度容量、0.1℃の最小精度、及び0~200℃の標準温度範囲の、ペルチェプレートを備えたプログラム可能なレオメーター(すなわち、TA instruments AR2000(登録商標))である。この機器は、1000μmの切断高さを有するスピンドル及び40mmの2°鋼コーンプレート配置を使用する。予備剪断調整工程は、10 1/sで10秒間にわたって行われ、実際の剪断掃引試験を実施する前にサンプルを1分間平衡化させる。典型的な剪断掃引位相持続時間は3分間であり、10進あたり32ポイントでデータのログをとる。結果は、毎秒0.2及び20で、対数スケールを有するX軸を有するXY散乱チャートを介してグラフで報告され得る。特に、20℃において20s-1で結果を報告してよい。
【0248】
【表15】
【0249】
手順:
アルキルサルフェートペーストを脱イオン水を使用して適切な濃度に希釈し、20mLバイアルにおいてボルテックスミキサーで混合した。次いで、サンプルを40℃に置き、完全に転換されるまで毎日確認/再混合した。サンプルを室温に冷却し、複屈折について交差偏光下で目視検査した。
【0250】
水中のアルキルサルフェートナトリウムの物理的安定性
【0251】
【表16】
濃度は、脱イオン水中の活性物質の重量%である。
【0252】
結果は、米国特許第9493725号に開示されている分岐C15アルキルサルフェートに対する本開示の分岐C15アルキルサルフェートの驚くべきかつ予想外の安定性を示す。
【0253】
ペースト処方物の結果:
本発明のアルキルサルフェートをプロピレンジオール(pジオール)及びエタノールなどの溶媒と混合した場合、物理的安定性における別の分化点は明らかである。この例では、水、pジオール(最終混合物中16%)、及びエタノール(最終混合物中3%)で界面活性剤を目標活性まで希釈する。米国特許第9493725号からの材料に基づいて42%活性物質であるC15アルキルサルフェート組成物は、室温で不安定であり、24時間以内に相分離する。実施例3からの材料に基づくC15アルキルサルフェート組成物は、同じ溶媒系を用いて43.6%活性物質で安定である。
【0254】
【表17】
示されている重量%は、界面活性剤の100%活性基準である。
【0255】
結果は、米国特許第9493725号に開示されている分岐C15アルキルサルフェートに対する本開示の分岐C15アルキルサルフェートの驚くべきかつ予想外の安定性を示す。
【0256】
含むための液体処方物の他の例
【0257】
【表18-1】
【0258】
【表18-2】
1 AESのアルキル部分が約13.9~14.6個の炭素原子を含む、C12~15 EO2.5Sアルキルエトキシサルフェート
2 BASFから市販されているPE-20
3 ヌクレアーゼ酵素は、同時係属中の欧州特許出願第19219568.3号に特許請求されているとおりである
4 酸化防止剤1は、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、メチルエステル[6386-38-5]である
5 酸化防止剤2は、BASFから市販されているTinogard TSである
6 衛生剤は、BASFから市販されているTinosan HP 100である。
7 Dow Corningから供給された消泡剤ブレンド、80~92%のエチルメチル、メチル(2-フェニルプロピル)シロキサン、5~14%のステアリン酸オクチル中のMQ樹脂、3~7%の変性シリカ。
8 蛍光増白剤は、4,4’-ビス{[4-アニリノ-6-モルホリノ-s-トリアジン-2-イル]-アミノ}-2,2’-スチルベンジスルホン酸二ナトリウム又は2,2’-([1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジイルジ-2,1-エテンジイル)ビス-ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩である。
【0259】
【表19-1】
【0260】
【表19-2】
1 Sasolから市販されている新規のピーク有り1214-9非イオン性エトキシレート
2 BASFから市販されているPE-20
3 ヌクレアーゼ酵素は、同時係属中の欧州特許出願第19219568.3号に特許請求されているとおりである
4 酸化防止剤1は、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸、メチルエステル[6386-38-5]である
5 酸化防止剤2は、BASFから市販されているTinogard TSである
6 衛生剤は、BASFから市販されているTinosan HP100である
【0261】
【表20】
ヌクレアーゼ酵素は、同時係属中の欧州特許出願19219568.3に特許請求されているとおりである。
**キレート剤は、HEDP、GLDA、又はDTPAである。
【0262】
【表21】
【0263】
【表22】
【0264】
【表23】
【0265】
A.洗剤組成物であって、当該組成物の約0.1重量%~約99重量%の第1の界面活性剤を含み、当該第1の界面活性剤が、式Iの界面活性剤異性体と式IIの界面活性剤との混合物から本質的になり、
【0266】
【化6】
当該第1の界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=11を有する異性体であり、当該混合物の約25%~約50%の式Iの界面活性剤異性体が、n=0を有し、当該第1の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%が、式IIの界面活性剤であり、Xは、親水性部分である、洗剤組成物。
B.請求項1に記載の洗剤組成物であって、当該組成物の約0.1重量%~約99重量%の第2の界面活性剤をさらに含み、当該第2の界面活性剤が、式IIIの界面活性剤異性体と式IVの界面活性剤との混合物から本質的になり、
【0267】
【化7】
当該第2の界面活性剤の約50重量%~約100重量%が、m+n=9を有する異性体であり、当該第2の界面活性剤の約0.001重量%~約25重量%が、式IVの界面活性剤であり、Xが、親水性部分である、洗剤組成物。
C.当該混合物の約15%~約40%の式Iの界面活性剤異性体が、n=1を有する、段落A又はBに記載の洗剤組成物。
D.当該混合物の約60%~約90%の式Iの界面活性剤異性体が、n<3を有する、段落A~Cのいずれかに記載の洗剤組成物。
E.当該第1の界面活性剤の約90%~約100%が、m+n=11を有する異性体である、段落A~Dのいずれかに記載の洗剤組成物。
F.当該第1の界面活性剤混合物の約15重量%~約40重量%が、n=1である式Iの異性体であり、当該第1の界面活性剤混合物の約5重量%~約20重量%が、n=2である式Iの異性体である、段落A~Eのいずれかに記載の洗剤組成物。
G.当該第1の界面活性剤が、nが6以上である式Iの異性体を含有しない、段落A~Fのいずれかに記載の洗剤組成物。
H.当該混合物の最大約30%の式Iの界面活性剤異性体が、n>2を有する、段落A~Gのいずれかに記載の洗剤組成物。
I.界面活性剤のうちの当該第1の界面活性剤混合物が、最大約20重量%の式IIの異性体を含む、段落A~Hのいずれかに記載の洗剤組成物。
J.Xが、サルフェート、アルコキシル化アルキルサルフェート、スルホネート、アミンオキシド、ポリアルコキシレート、ポリヒドロキシ部分、リン酸エステル、グリセロールスルホネート、ポリグルコネート、ポリリン酸エステル、ホスホネート、スルホスクシネート、スルホサッカミネート(sulfosuccaminates)、ポリアルコキシル化カルボキシレート、グルカミド、タウリネート、サルコシネート、グリシネート、イセチオネート、ジアルカノールアミド、モノアルカノールアミド、モノアルカノールアミドサルフェート、ジグリコールアミド、ジグリコールアミドサルフェート、グリセロールエステル、グリセロールエステルサルフェート、グリセロールエーテル、グリセロールエーテルサルフェート、ポリグリセロールエーテル、ポリグリセロールエーテルサルフェート、ソルビタンエステル、ポリアルコキシル化ソルビタンエステル、アンモニオアルカンスルホネート、アミドプロピルベタイン、アルキル化第四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシアルキル化第四級アンモニウム化合物、アルキル化/ポリヒドロキシル化オキシプロピル第四級アンモニウム化合物、イミダゾリン、2-イル-スクシネート、スルホン化アルキルエステル、スルホン化脂肪酸、及びそれらの混合物からなる群から選択されるXからなる群から選択される、段落A~Iのいずれかに記載の洗剤組成物。
K.ビルダー、有機ポリマー化合物、酵素、酵素安定剤、1つ以上の溶媒、漂白系、増白剤、色調剤、キレート剤、抑泡剤、コンディショニング剤、保湿剤、香料、充填剤又は担体、アルカリ性系、pH制御系、及び緩衝剤、並びにそれらの混合物からなる群から選択される補助洗浄添加剤をさらに含む、段落A~Jのいずれかに記載の洗剤組成物。
L.当該組成物の約0.1重量%~約99重量%の第2の界面活性剤をさらに含み、当該第2の界面活性剤が、式IIIの界面活性剤異性体と式IVの界面活性剤との混合物から本質的になる、段落B~Kのいずれかに記載の洗剤組成物。
M.当該混合物の約25%~約50%の式IIIの界面活性剤異性体が、n=0を有する、段落B~Lのいずれかに記載の洗剤組成物。
N.当該混合物の約15%~約40%の式IIIの界面活性剤異性体が、n=1を有する、段落B~Mのいずれかに記載の洗剤組成物。
O.当該混合物の約50%~約90%の式IIIの界面活性剤異性体が、n<3を有する、段落B~Nのいずれかに記載の洗剤組成物。
P.当該第2の界面活性剤の約90%~約100%が、m+n=9を有する異性体を含む、段落B~Oのいずれかに記載の洗剤組成物。
Q.当該第2の界面活性剤混合物の約25重量%~約50重量%が、n=0である式IIIの異性体であり、当該第2の界面活性剤混合物の約15重量%~約40重量%が、n=1である式IIIの異性体であり、当該第2の界面活性剤混合物の約5重量%~約20重量%が、n=2である式IIIの異性体である、段落B~Pのいずれかに記載の洗剤組成物。
R.当該混合物の最大約35%の式IIIの界面活性剤異性体が、n>2を有する、段落B~Qのいずれかに記載の洗剤組成物。
S.界面活性剤のうちの当該第2の界面活性剤混合物が、最大約20重量%の式IVの異性体を含む、段落B~Rのいずれかに記載の洗剤組成物。
T.30%~99%の当該第1の界面活性剤と、約0.5%~約20%の当該第2の界面活性剤と、を含む界面活性剤混合物を含む、段落B~Sのいずれかに記載の洗剤組成物。
U.60%~99%の当該第1の界面活性剤と、0.5%~10%の当該第2の界面活性剤と、を含む界面活性剤混合物を含む、段落B~Tのいずれかに記載の洗剤組成物。
V.当該第2の界面活性剤対当該第1の界面活性剤の比が、0.5:10~4:10である、段落B~Uのいずれかに記載の洗剤組成物。
W.段落B~Vのいずれかに記載の洗剤組成物であって、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、若しくはそれらの混合物からなる群から選択される第3の界面活性剤をさらに含み、又は前記洗剤組成物が、アルキルベンゼンスルホネート、アルコキシル化アルキルサルフェート、アルキルサルフェート、及びこれらの混合物から選択されるアニオン性界面活性剤を含む、段落B~Vのいずれか一項に記載の洗剤組成物。
X.顆粒状洗剤、棒状洗剤、液体洗濯洗剤、ゲル洗剤、単相又は多相の単位用量洗剤、単相又は多相又は多区画の水溶性パウチに収容された洗剤、多区画非溶解性パッケージ、液体食器手洗い組成物、洗濯前処理製品、多孔質基材又は不織布シートの上又は中に収容された洗剤、自動食器洗浄洗剤、硬質表面クリーナー、布地柔軟剤組成物、及びそれらの混合物からなる群から選択される形態である、段落A~Wのいずれかに記載の洗剤組成物。
Y.繊維状製品の形態であり、繊維中に組み込まれる、当該繊維状製品に組み込まれた粒子に組み込まれる、又はそれらの組み合わせである、段落A~Xのいずれかに記載の洗剤組成物。
Z.約0.01%~約5%の構造化剤を含み、当該構造化剤が、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、セルロース系材料、マイクロファイバーセルロース、疎水変性アルカリ膨潤性エマルジョン、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、水添ヒマシ油、水添ヒマシ油誘導体の誘導体、及びそれらの混合物からなる群から選択される、段落A~Yのいずれかに記載の洗剤組成物。
AA.当該第1の界面活性剤、当該第2の界面活性剤、又はそれらの組み合わせの炭素含有量の約0.1%~約100%が、再生可能資源に由来する、段落A~Zのいずれかに記載の洗剤組成物。
BB.Xが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジアミン、ポリアミン、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、アミン含有界面活性剤、又はそれらの組み合わせで中和されている、段落A~AAのいずれかに記載の洗剤組成物。
CC.汚れた布地を前処理又は処理する方法であって、当該汚れた布地をA~BBのいずれかに記載の洗剤組成物と接触させることを含む、方法。
【0268】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものである。
【0269】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。さらに、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0270】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】