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特表2023-526263ポリα1,3-グルカンエステルを含む製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-21
(54)【発明の名称】ポリα1,3-グルカンエステルを含む製品
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/22 20060101AFI20230614BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20230614BHJP
   C11D 17/06 20060101ALI20230614BHJP
   C11D 1/00 20060101ALI20230614BHJP
【FI】
C11D3/22
C11D17/08
C11D17/06
C11D1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568846
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(85)【翻訳文提出日】2022-11-11
(86)【国際出願番号】 US2021036513
(87)【国際公開番号】W WO2021252563
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】63/037,030
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20180338.4
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】シヴィク、マーク・ロバート
(72)【発明者】
【氏名】フライター、クリスティン・リン
(72)【発明者】
【氏名】マクドノウ、キャスリーン・マリー
(72)【発明者】
【氏名】シ、ガン
(72)【発明者】
【氏名】グッド、デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】マクドネル、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フアン、ジェン-ジェン
(72)【発明者】
【氏名】ルー、ヘレン
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB28
4H003AB31
4H003AC08
4H003AC15
4H003BA09
4H003BA12
4H003DA01
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA09
4H003EA12
4H003EA15
4H003EA16
4H003EA19
4H003EA21
4H003EA28
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB14
4H003EB24
4H003EB28
4H003EB37
4H003EB42
4H003EC01
4H003EC02
4H003EC03
4H003ED02
4H003EE05
4H003FA01
4H003FA04
4H003FA09
4H003FA12
4H003FA19
4H003FA26
4H003FA28
4H003FA43
(57)【要約】
本開示は、(i)洗浄性界面活性剤と、(ii)ポリα-1,3-グルカン化合物と、を含む、洗濯洗剤組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯洗剤組成物であって、
(i)洗浄性界面活性剤と、
(ii)ポリα-1,3-グルカン骨格及びエステル基修飾を含むポリα-1,3-グルカンエステル化合物と、を含み、
前記ポリα-1,3グルカン骨格が、
(a)好ましくは直鎖状であり、
(b)10%未満の分岐点を有し、
(c)6個以上のグルコース単位を含み、
前記エステル基修飾が、
(a)アセチル、
(b)アリールエステル基、
(c)アシル基、
【化1】
[式中、aは独立して6~24である]、及び
(d)アシル基、
【化2】
[式中、Rは、H原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、環状アルキル基、及び1~24個の炭素原子を含むアリール基から独立して選択することができ、(d)は(a)及び(c)と異なる]、
(e)-CO-C-COOR[式中、前記第2のアシル基の-C-部分は2~24個の炭素原子の鎖を含み、Rは1~24個の炭素原子の鎖を含む]を含むアシル基、
から独立して選択される1つ以上であり、
但し、(a)が存在する場合、少なくとも1つの他のエステル基(b)、(c)、(d)及び/又は(e)が存在し、
前記エステル基修飾の置換度が、0.001~3である、
洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記エステル基修飾が、
(a)アセチル、
(b)アリールエステル基、
(c)アシル基、
【化3】
[式中、aは独立して6~24である]、及び
(d)これらの任意の組み合わせ、
から独立して選択される、請求項1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記エステル基修飾が、
(a)アセチル、
(b)アリールエステル基、及び
(c)アシル基、
【化4】
[式中、aは独立して6~24である]、
の組み合わせである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリα-1,3-グルカンエステル化合物のエステル基修飾が、
(a)アセチル、及び
(b)アリールエステル基、
の組み合わせである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリα-1,3-グルカンエステル化合物のエステル基修飾が、
(a)アセチル、及び
(b)ベンゾイル、
の組み合わせである、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリα-1,3-グルカンエステル化合物が、0.02~0.8の前記エステル基修飾の置換度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
aが独立して9~16である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
ポリα-1,3-グルカンエステル化合物及び酵素を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
液体洗濯洗剤組成物である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
可溶性単位用量洗濯洗剤組成物である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
粉末洗濯洗剤組成物である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
シートの形態である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
洗濯洗剤組成物であって、
(i)洗浄性界面活性剤と、
(ii)ポリα-1,3-グルカン化合物と、を含み、前記ポリα-1,3-グルカン化合物が、構造:
【化5】
[式中、
nは少なくとも6であり、
は、H及びエステル修飾基を含む群から独立して選択される]で表され、前記エステル修飾基が、以下の(a)、(b)、(c)又は組み合わせ:
(a)アセチル、
(b)アリールエステル基、
(c)アシル基、
【化6】
[式中、aは独立して6~24である]、及び
(d)アシル基、
【化7】
[式中、Rは、H原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、環状アルキル基、及び1~24個の炭素原子を含むアリール基から独立して選択することができ、(d)は(a)及び(c)と異なる]、並びに
(e)-CO-C-COOR[式中、前記第2のアシル基の-C-部分は2~24個の炭素原子の鎖を含み、Rは1~24個の炭素原子の鎖を含む]を含むアシル基、
から独立して選択され、
但し、(a)が存在する場合、少なくとも1つの他のエステル基(b)、(c)、(d)及び/又は(e)が存在し、
前記エステル基の置換度が、0.001~3である、洗濯洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリα1,3-グルカンエステルを含む洗濯洗剤に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯洗剤組成物は、広範囲の汚れを除去し、広範囲の洗浄性能を提供する必要がある。一部の洗濯洗剤組成物では、染み除去性能を提供することが非常に重要である。より具体的には、皮脂汚れなどの身体の汚れに対して、良好な染み除去性能を提供することが重要である。また、特にポリエステル生地のクリーニングでは、良好な白色度性能を提供することも重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/002646号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、特に皮脂などの身体の汚れに対する良好な染み除去性能と、特にポリエステル生地に対する良好な白色度性能を有する洗剤組成物を提供することによって、この問題に対処する。これは、例えば、スポーツウェアを洗浄するように設計された洗濯洗剤組成物にとって重要である。本発明は、洗浄性界面活性剤と特定のポリα-1,3-グルカン化合物とを含む洗濯洗剤組成物を提供することにより、これを達成する。
【0005】
また、このような多糖誘導体が容易に生分解される必要もある。また、本発明のポリマーは、良好な生分解性能を示す。
【0006】
米国特許出願公開第2020/002646号は、多糖誘導体を含む組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、洗濯洗剤組成物であって、
(i)洗浄性界面活性剤と、
(ii)ポリα-1,3-グルカン骨格及びエステル基修飾を含むポリα-1,3-グルカンエステル化合物と、を含み、
ポリα-1,3グルカン骨格が、
(a)好ましくは直鎖状であり、
(b)10%未満の分岐点を有し、
(c)6個以上のグルコース単位を含み、
エステル基修飾が、
(a)アセチル、
(b)アリールエステル基、
(c)アシル基、
【0008】
【化1】
[式中、aは独立して6~24である]、及び
(d)アシル基、
【0009】
【化2】
[式中、Rは、H原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、環状アルキル基、及び1~24個の炭素原子を含むアリール基から独立して選択することができ、(d)は(a)及び(c)と異なる]、
(e)-CO-C-COOR[式中、第2のアシル基の-C-部分は2~24個の炭素原子の鎖を含み、Rは1~24個の炭素原子の鎖を含む]を含むアシル基、から独立して選択される1つ以上であり、
但し、(a)が存在する場合、少なくとも1つの他のエステル基(b)、(c)、(d)及び/又は(e)が存在し、
エステル基修飾の置換度が、0.001~3である、洗濯洗剤組成物に関する。
【0010】
本発明はまた、洗濯洗剤組成物であって、
(i)洗浄性界面活性剤と、
(ii)ポリα-1,3-グルカン化合物と、を含み、当該ポリα-1,3-グルカン化合物が、構造:
【0011】
【化3】
[式中、
nは少なくとも6であり、
は、H及びエステル修飾基を含む群から独立して選択される]で表され、エステル修飾基が、以下の(a)、(b)、(c)又は組み合わせ:
(a)アセチル、
(b)アリールエステル基、
(c)アシル基、
【0012】
【化4】
[式中、aは独立して6~24である]、及び
(d)アシル基、
【0013】
【化5】
[式中、Rは、H原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、環状アルキル基、及び1~24個の炭素原子を含むアリール基から独立して選択することができ、(d)は(a)及び(c)と異なる]、並びに
(e)-CO-C-COOR[式中、第2のアシル基の-C-部分は2~24個の炭素原子の鎖を含み、Rは1~24個の炭素原子の鎖を含む]を含むアシル基、から独立して選択され、
但し、(a)が存在する場合、少なくとも1つの他のエステル基(b)、(c)、(d)及び/又は(e)が存在し、
エステル基の置換度が、0.001~3である、洗濯洗剤組成物も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義。
本明細書で使用される場合、冠詞「a」は、1つ及び2つ以上を指し、必ずしもその参照する名詞を単数の文法カテゴリーに限定するものではない。
【0015】
本明細書で使用される場合、用語「約(about)」及び「~で又はその付近(at or about)」は、量又は値を修飾するために使用される場合、特許請求の範囲又は本明細書に記載の正確な量又は値より多い又は少ない量又は値の近似値を指す。近似値の正確な値は、当業者が正確な値の適切な近似値として認識するものによって決定される。本明細書で使用する場合、この用語は、特許請求の範囲又は本明細書に正確に記載されていない類似の値が、当業者が類似の値によってもたらされたものとして許容できると認める、特許請求の範囲又は本明細書に記載されているものと同等の結果又は効果をもたらし得ることを伝えるものである。
【0016】
用語「体積パーセント」、「体積百分率」、「vol%」及び「v/v%」は、本明細書では互換的に使用される。溶液中の溶質の体積パーセントは、式:[(溶質の体積)/(溶液の体積)]×100%で求めることができる。
【0017】
用語「重量パーセント」、「重量百分率(重量%)」、及び「重量-重量パーセント(%w/w)」は、本明細書において互換的に使用される。重量パーセントは、組成物、混合物、又は溶液に含まれるときの質量基準での材料の百分率を指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、「重量平均分子量」又は「Mw」は、
Mw=ΣN /ΣN、[式中、Mは、鎖の分子量であり、Nは、その分子量の鎖の数である]として計算される。重量平均分子量は、静的光散乱、ガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、小角中性子散乱、X線散乱、及び沈降速度などの手法によって求めることができる。
【0019】
本明細書で使用するとき、「数平均分子量」又は「Mn」は、サンプル中の全てのポリマー鎖の統計的平均分子量を指す。数平均分子量は、M=ΣN/ΣN[式中、Mは、鎖の分子量であり、Nは、その分子量の鎖の数である]として計算される。ポリマーの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー、(Mark-Houwink式)を介した粘度測定、及び蒸気圧オスモメトリー、末端基定量、又はプロトンNMRなどの衝突法などの手法によって求めることができる。
【0020】
用語「増加した」、「増強された」、及び「改善された」は、本明細書では互換的に使用される。これらの用語は、例えば、増加した量又は活性が比較される量又は活性よりも少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、又は200%(又は1%と200%との間の任意の整数)多い量又は活性を指す場合がある。
【0021】
用語「ポリα-1,3-グルカン」、「α-1,3-グルカンポリマー」、及び「グルカンポリマー」は、本明細書において互換的に使用される。ポリα-1,3-グルカンは、グリコシド結合によって互いに結合されているグルコースモノマー単位を含むポリマーであって、当該グリコシド結合の少なくとも約50%がα-1,3-グリコシド結合である、ポリマーである。ポリα-1,3-グルカンは、多糖類の一種である。ポリα-1,3-グルカンの構造は、以下のように例示することができる。
【0022】
【化6】
【0023】
本明細書に記載のポリα-1,3-グルカンエステル化合物を調製するために使用できるポリα-1,3-グルカンは、化学的方法を使用して調製することができる。あるいは、当該ポリα-1,3-グルカンは、ポリα-1,3-グルカンを産生する真菌などの様々な有機体から抽出することによって調製することもできる。あるいは、例えば、米国特許第7,000,000号、同第9,080,195号、及び同第8,642,757号(これらの3つ全てが参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、1つ以上のグルコシルトランスフェラーゼ(gtf)酵素(例えば、gtfJ)を使用して、スクロースから酵素的にポリα-1,3-グルカンを生成することができる。
【0024】
用語「グルコシルトランスフェラーゼ酵素」、「gtf酵素」、「gtf酵素触媒」、「gtf」、及び「グルカンスクラーゼ」は、本明細書において互換的に使用される。本明細書におけるgtf酵素の活性は、スクロース基質の反応を触媒して、生成物をポリα-1,3-グルカン及びフルクトースにする。gtf反応の他の生成物(副生成物)には、グルコース(グルコースがグルコシル-gtf酵素中間体複合体から加水分解される場合)、各種可溶性オリゴ糖(DP2-DP7)、及びロイクロース(グルコシル-gtf酵素中間体複合体のグルコースがフルクトースに連結した場合)が含まれ得る。ロイクロースは、α-1,5結合によって結合されたグルコースとフルクトースを含む二糖類である。野生型のグルコシルトランスフェラーゼ酵素は、概して、シグナルペプチド、可変ドメイン、触媒ドメイン、及びグルカン結合ドメインを(N末端からC末端方向へ)含む。本明細書におけるgtfは、CAZy(Carbohydrate-Active EnZymes)データベース(Cantarel et al.,Nucleic Acids Res.37:D233-238,2009)によれば、グリコシドヒドロラーゼファミリー70(GH70)に分類される。
【0025】
本明細書に記載のポリα-1,3-グルカンエステル化合物を調製するために用いられるポリα-1,3-グルカンのグルコースモノマー単位間のグリコシド結合がα-1,3である割合は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%(又は50%と100%との間の任意の整数値)である。したがって、このような実施形態では、ポリα-1,3-グルカンは、約50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%未満、又は0%(又は0%と50%との間の任意の整数値)の、α-1,3ではないグリコシド結合を有する。
【0026】
本明細書に記載のポリα-1,3-グルカンエステル化合物を製造するために用いられるポリα-1,3-グルカンは、好ましくは直鎖状/非分岐状である。特定の実施形態では、ポリα-1,3-グルカンは、分岐点を有さないか、又はポリマー中のグリコシド結合の割合として、約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、若しくは1%未満の分岐点を有する。分岐点の例としては、ムタンポリマーに存在するものなどのα-1,6分岐点が挙げられる。
【0027】
用語「グリコシド結合」及び「グリコシド連結」は、本明細書では互換的に使用され、炭水化物(糖)分子を別の炭水化物などの別の基に結合させる共有結合の種類を指す。本明細書で使用するとき、用語「α-1,3-グリコシド結合」は、隣接するα-D-グルコース環における炭素1及び3を介してα-D-グルコース分子を相互に結合する共有結合の種類を指す。この結合は、上記のポリα-1,3-グルカンの構造で示されている。本明細書では、「α-D-グルコース」は、「グルコース」と称される。
【0028】
用語「ポリα-1,3-グルカンエステル化合物」、「ポリα-1,3-グルカンエステル」、「ポリα-1,3-グルカンエステル誘導体」は、本明細書では互換的に使用される。ポリα-1,3-グルカン化合物は、構造:
【0029】
【化7】
[式中、
nは少なくとも6であり、
は、H及びエステル修飾基を含む群から独立して選択される]で表され、エステル修飾基が、以下の(a)、(b)、(c)又は組み合わせ:
(a)アセチル、
(b)アリールエステル基、
(c)アシル基、
【0030】
【化8】
[式中、aは独立して6~24である]、及び
(d)アシル基、
【0031】
【化9】
[式中、Rは、H原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、環状アルキル基、及び1~24個の炭素原子を含むアリール基から独立して選択することができ、(d)は(a)及び(c)と異なる]、並びに
(e)-CO-C-COOR[式中、第2のアシル基の-C-部分は2~24個の炭素原子の鎖を含み、Rは1~24個の炭素原子の鎖を含む]を含むアシル基、から独立して選択され、
但し、(a)が存在する場合、少なくとも1つの他のエステル基(b)、(c)、(d)及び/又は(e)が存在し、
エステル基の置換度が、0.001~3である。
【0032】
本明細書に開示されるポリα-1,3-グルカンエステル化合物は、合成の人工化合物である。
【0033】
ポリα-1,3-グルカンエステル化合物は、サブ構造C-O-CO-C-を含むために本明細書では「エステル」と称され、式中の「-C-」は、ポリα-1,3-グルカンエステル化合物のグルコースモノマー単位の炭素2、4、又は6を表し、式中の「-CO-C-」はアシル基に含まれる。
【0034】
本明細書において、直鎖状「アシル基」基の例としては、例えば、
エタノイル基(-CO-CH)、
プロパノイル基(-CO-CH-CH)、
ブタノイル基(-CO-CH-CH-CH)、
ペンタノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH)、
ヘキサノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH)、
ヘプタノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
オクタノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
ノナノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
デカノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
ウンデカノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
ドデカノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
トリデカノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
テトラデカノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
ペンタデカノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
ヘキサデカノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
ヘプタデカノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
オクタデカノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
ノナデカノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
エイコサノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
ウンエイコサノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
ドコサノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
トリコサノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
テトラコサノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、
ペンタコサノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)、及び
ヘキサコサノイル基(-CO-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH-CH)などが挙げられる。
【0035】
上記の慣用名は、アセチル(エタノイル基)、プロピオニル(プロパノイル基)、ブチリル(ブタノイル基)、バレリル(ペンタノイル基)、カプロイル(ヘキサノイル基);エナンチル(ヘプタノイル基)、カプリリル(オクタノイル基)、ペラルゴニル(ノナノイル基)、カプリル(デカノイル基)、ラウロイル(ドデカノイル基)、ミリスチル(テトラデカノイル基)、パルミチル(ヘキサデカノイル基)、ステアリル(オクタデカノイル基)、アラキジル(エイコサノイル基)、ベヘニル(ドコサノイル基)、リグノセリル(テトラコサノイル基)、及びセロチル(ヘキサコサノイル基)である。本明細書では、可能な限り慣用名を使用する。
【0036】
分岐状アシル基の例としては、2-メチルプロパノイル基、2-メチルブタノイル基、2,2-ジメチルプロパノイル基、3-メチルブタノイル基、2-メチルペンタノイル基、3-メチルペンタノイル基、4-メチルペンタノイル基、2,2-ジメチルブタノイル基、2,3-ジメチルブタノイル基、3,3-ジメチルブタノイル基、2-エチルブタノイル基、及び2-エチルヘキサノイル基が挙げられる。
【0037】
環状アシル基の例としては、シクロプロパノイル基、シクロブタノイル基、シクロペンタノイル基、シクロヘキサノイル基、及びシクロヘプタノイル基が挙げられる。
【0038】
アシル基のカルボニル基(-CO-)は、ポリα-1,3-グルカンエステル化合物のグルコースモノマー単位の炭素2、4又は6にエステル結合している。
【0039】
命名法に関して、ポリα-1,3-グルカンエステル化合物は、本明細書では、化合物中のアシル基に対応する有機酸を参照することによって称することができる。例えば、アセチル基を含むエステル化合物をポリα-1,3-グルカンアセテート、プロピオニル基を含むエステル化合物をポリα-1,3-グルカンプロピオネート、ブチリル基を含むエステル化合物をポリα-1,3-グルカンブチレートと称することができる。但し、この命名法は、本明細書のポリα-1,3-グルカンエステル化合物をそれ自体酸として称することを意味するものではない。
【0040】
本明細書において「ポリα-1,3-グルカントリアセテート」は、アセチル基による置換度が2.75以上のポリα-1,3-グルカンエステル化合物を指す。
【0041】
用語「ポリα-1,3-グルカンモノエステル」及び「モノエステル」は、本明細書では互換的に使用される。ポリα-1,3-グルカンモノエステルには、1種類のアシル基しか含まれていない。このようなモノエステルの例には、ポリα-1,3-グルカンアセテート(アセチル基を含む)、ポリα-1,3-グルカンプロピオネート(プロピオニル基を含む)等がある。
【0042】
用語「ポリα-1,3-グルカン混合エステル」及び「混合エステル」は、本明細書では互換的に使用される。ポリα-1,3-グルカン混合エステルは、2種類以上のアシル基を含む。このような混合エステルの例には、ポリα-1,3-グルカンアセテートプロピオン酸(アセチル基及びプロピオニル基を含む)、ポリα-1,3-グルカンアセテートブチレート(アセチル基及びブチリル基を含む)等がある。
【0043】
本明細書で使用される場合、用語「置換度」(degree of substitution、DoS又はDS)は、ポリα-1,3-グルカンエステル化合物の各モノマー単位(グルコース)中で置換されたヒドロキシル基の平均数を指す。各モノマー単位は、アシル基で置換されてエステル基を形成することができる3つのヒドロキシル基を有する。したがって、各モノマー単位における最大置換度は3である。
【0044】
用語「反応」、「反応組成物」及び「エステル化反応」は、本明細書において互換的に使用され、ポリα-1,3-グルカン、少なくとも1つの酸触媒、少なくとも1つの酸無水物及び少なくとも1つの有機酸を含む反応を指す。反応は実質的に無水である。ポリα-1,3-グルカンのグルコース単位の1つ以上のヒドロキシル基を、少なくとも酸無水物又は酸塩化物からのアシル基でエステル化するための適切な条件(例えば、時間、温度)で反応を行い、それによってポリα-1,3-グルカンエステル化合物を得る。
【0045】
本明細書では、「酸交換」されたポリα-1,3-グルカンは、ポリα-1,3-グルカンから水分を除去するために酸で処理されている。酸交換されたポリα-1,3-グルカンを生成するための酸交換プロセスは、グルカンを酸(例えば、有機酸)に入れ、その後、酸から除去する1以上の処理を含み得る。
【0046】
本明細書で使用される場合、用語「酸触媒」は、エステル化反応の進行を促進する任意の酸を指す。酸触媒の例には、硫酸(HSO)や過塩素酸(HClO)などの無機酸がある。
【0047】
本明細書で使用される場合、用語「酸無水物」は、同じ酸素原子に結合した2つのアシル基を有する有機化合物を指す。典型的には、本明細書の酸無水物は、式(R-CO)O[式中、Rは飽和直鎖状炭素鎖(最大7個の炭素原子)である]を有する。酸無水物の例には、無水酢酸[(CH-CO)O]、無水プロピオン酸[(CH-CH-CO)O]、及び無水酪酸[(CH-CH-CH-CO)O]がある。
【0048】
用語「有機酸」及び「カルボン酸」は、本明細書では互換的に使用される。有機酸は、式R-COOH[式中、Rは有機基、COOHはカルボキシル基である]を有する。本明細書におけるR基は、典型的には、飽和直鎖状炭素鎖(最大7個の炭素原子)である。有機酸の例には、酢酸(CH-COOH)、プロピオン酸(CH-CH-COOH)、及び酪酸(CH-CH-CH-COOH)がある。
【0049】
本明細書におけるポリα-1,3-グルカン及びポリα-1,3-グルカンエステル化合物の「分子量」は、数平均分子量(M)又は重量平均分子量(M)として表すことができる。あるいは、分子量は、ダルトン、グラム/モル、DPw(重量平均重合度)、又はDPn(数平均重合度)として表すこともできる。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、又はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)などの、これらの分子量測定値を計算するための様々な手段が当該技術分野において既知である。
【0050】
洗濯洗剤組成物。
洗濯洗剤組成物は、
i)洗浄性界面活性剤と、
(ii)ポリα-1,3-グルカン化合物と、を含み、当該ポリα-1,3-グルカン化合物が、構造:
【0051】
【化10】
[式中、
nは少なくとも6であり、
は、H及びエステル修飾基を含む群から独立して選択される]で表され、エステル修飾基が、以下の(a)、(b)、(c)又は組み合わせ:
(a)アセチル、
(b)アリールエステル基、
(c)アシル基
【0052】
【化11】
[式中、aは独立して6~24である]、及び
(d)アシル基
【0053】
【化12】
[式中、Rは、H原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、環状アルキル基、及び1~24個の炭素原子を含むアリール基から独立して選択することができ、(d)は(a)及び(c)と異なる]、並びに
(e)-CO-C-COOR[式中、第2のアシル基の-C-部分は2~24個の炭素原子の鎖を含み、Rは1~24個の炭素の鎖を含む]を含むアシル基、から独立して選択され、
但し、(a)が存在する場合、少なくとも1つの他のエステル基(b)、(c)、(d)及び/又は(e)が存在し、
エステル基の置換度が、0.001~3である。
【0054】
組成物は、任意成分を含み得る。
【0055】
洗濯洗剤は、ポリマー及び酵素を含むことが好ましい場合がある。
【0056】
典型的には、洗濯洗剤組成物は、液体洗濯洗剤組成物、可溶性単位用量洗濯洗剤組成物、及び粉末洗濯洗剤組成物から選択される。また、洗濯洗剤は、シートの形態であり得る。
【0057】
洗濯洗剤組成物は、液体、ゲル、粉末、ヒドロコロイド、水溶液、顆粒、錠剤、カプセル、単区画サッシェ、多区画サッシェ、単区画パウチ、又は多区画パウチの形態であり得る。いくつかの実施形態では、洗濯洗剤組成物は、液体、ゲル、粉末、単区画サッシェ、又は多区画サッシェの形態である。
【0058】
洗濯洗剤組成物は、手洗い、機械洗浄、及び/又は他の目的、例えば、布地の浸漬及び/又は前処理などに使用することができる。
【0059】
単位用量形態は、水溶性であってもよく、例えば、パウチとも呼ばれる、水溶性フィルムと、液体又は固体洗濯洗剤組成物と、を含む水溶性単位用量洗濯洗剤組成物であってもよい。水溶性単位用量パウチは、少なくとも1つの区画に液体又は固体洗剤組成物を完全に封入する水溶性フィルムを含む。水溶性単位用量パウチは、単一の区画又は複数の区画を含んでいてよい。水溶性単位用量パウチは、少なくとも2つの区画又は少なくとも3つの区画を含み得る。区画は、重ねて配置されてもよく、又は並べて配置されてもよい。
【0060】
単位用量パウチは、典型的には、液体又は固体洗濯洗剤組成物を含む内部体積を封入する水溶性フィルムで作製された閉鎖構造である。パウチは、例えば、パウチが水に接触する前にパウチから組成物を放出することなく組成物を保持し、保護するために好適である任意の形態及び形状であってよい。
【0061】
液体洗剤組成物は、水性であってよく、典型的には、最大約70重量%の水と、0重量%~約30重量%の有機溶媒とを含有する。また、30重量%以下の水を含有するコンパクトゲルタイプの形態であってもよい。
洗濯洗剤組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.01~99重量パーセントの範囲のポリα-1,3-グルカン化合物を含み得る。他の実施形態では、製品は、0.1~10重量%、又は0.1~9重量%、又は0.5~8重量%、又は1~7重量%、又は1~6重量%、又は1~5重量%、又は1~4重量%、又は1~3重量%、又は5~10重量%、又は10~15重量%、又は15~20重量%、又は20~25重量%、又は25~30重量%、又は30~35重量%、又は35~40重量%、又は40~45重量%、又は45~50重量%、又は50~55重量%、又は55~60重量%、又は60~65重量%、又は65~70重量%、70~75重量%、又は75~80重量%、又は80~85重量%、又は85~90重量%、又は90~95重量%、又は95~99重量%のポリα-1,3-グルカン化合物を含み、重量パーセントは、組成物の総重量に基づく。
【0062】
ポリα-1,3-グルカン化合物。
ポリα-1,3-グルカンエステル化合物は、ポリα-1,3グルカン骨格及びエステル基修飾を含む。ポリα-1,3グルカン骨格は、
(a)好ましくは直鎖状であり、
(b)10%未満の分岐点を有し、
(c)6個以上のグルコース単位を含む。
【0063】
エステル基修飾は、
(a)アセチル、
(b)アリールエステル基、
(c)アシル基
【0064】
【化13】
[式中、aは独立して6~24である]、及び
(d)アシル基
【0065】
【化14】
[式中、Rは、H原子、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、環状アルキル基、及び1~24個の炭素原子を含むアリール基から独立して選択することができ、(d)は(a)及び(c)と異なる]、
(e)-CO-C-COOR[式中、第2のアシル基の-C-部分は2~24個の炭素原子の鎖を含み、Rは1~24個の炭素の鎖を含む]を含むアシル基、から独立して選択される1つ以上であり、
但し、(a)が存在する場合、少なくとも1つの他のエステル基(b)、(c)、(d)及び/又は(e)が存在し、
エステル基修飾の置換度が、0.001~3である。
【0066】
エステル基修飾は、
(a)アセチル、
(b)アリールエステル基、
(c)アシル基
【0067】
【化15】
[式中、aは独立して6~24である]、及び
(d)これらの任意の組み合わせ、から独立して選択されることが好ましい場合がある。
【0068】
エステル基修飾は、
(a)アセチル、
(b)アリールエステル基、及び
(c)アシル基
【0069】
【化16】
[式中、aは独立して6~24である]の組み合わせであることが好ましい場合がある。
【0070】
ポリα-1,3-グルカンエステル化合物のエステル基修飾は、
(a)アセチル、及び
(b)アリールエステル基、の組み合わせであることが好ましい場合がある。
【0071】
ポリα-1,3-グルカンエステル化合物のエステル基修飾は、
(a)アセチル、及び
(b)ベンゾイル、の組み合わせであることが好ましい場合がある。
【0072】
ポリα-1,3-グルカンエステル化合物は、0.001~3、好ましくは0.005~2、より好ましくは0.01~1、最も好ましくは0.02~0.8のエステル基修飾の置換度を有する。
【0073】
aは独立して9~16であることが好ましい場合がある。
【0074】
本明細書に開示されるポリα-1,3-グルカン誘導体は、多糖骨格が典型的に非置換及び置換α-D-グルコース環を含むように、多糖骨格に沿ってエステル修飾でランダムに置換されたポリα-1,3-グルカンの骨格を含む。分岐が存在する実施形態では、分岐状のα-D-グルコース環も、エステル修飾基でランダムに置換され得る。本明細書で使用するとき、用語「ランダムに置換された」は、ランダムに置換された多糖におけるグルコース環上の置換基が非反復的に又はランダムに存在することを意味する。すなわち、置換グルコース環上の置換は、多糖における第2の置換グルコース環上の置換と同一であっても異なっていてもよく[すなわち、多糖におけるグルコース環の異なる原子上の置換基(同一であっても異なっていてもよい)]、その結果、ポリマー上の置換全体がパターンを有しなくなる。更に、置換グルコース環は、多糖内にランダムに存在する(すなわち、多糖内に置換及び非置換のグルコース環のパターンは存在しない)。
【0075】
反応条件によっては、本明細書に開示されるポリα-1,3-グルカンエステル化合物が、多糖骨格に沿ってエステル修飾基で「非ランダムに」置換されたポリα-1,3-グルカン骨格を含むことも可能である。分岐が存在する場合、分岐状のα-D-グルコース環は、α-1,3-グリコシド結合を介した骨格グルコースモノマー単位よりも不釣り合いに多くの置換を含む可能性がある。また、特定の反応条件下では、修飾が多糖の中にブロック状に存在することもあり得る。
【0076】
また、反応条件によっては、ポリα-1,3-グルカン骨格のグルコース炭素位置1、2、3、4、6が「不均衡」に置換される可能性がある。例えば、炭素位置6の-OH基は一級ヒドロキシル基であり、立体障害の少ない環境に存在する可能性があり、このOH基は特定の反応条件でより高い反応性を示す可能性があるため、この位置でより多くの置換が起こる可能性がある。他の反応条件では、炭素位置1、2、3、又は4のOH基がより高い反応性を示す可能性がある。
【0077】
理論的な縛りがなければ、置換度が低くなると、「不均衡」及び「非ランダム」型の置換が存在する可能性が高くなると考えられている。
【0078】
洗剤成分。
組成物は、界面活性剤、酵素、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性増強ポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、布地コンディショナー、粘土、気泡力増進剤、泡抑制剤、防食剤、汚れ懸濁化剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、香料、飽和又は不飽和脂肪酸、移染防止剤、キレート剤、色相染料、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、視覚シグナル伝達成分、消泡剤、構造化剤、増粘剤、固結防止剤、デンプン、砂、ゲル化剤、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含み得る。一実施形態では、酵素は、セルラーゼである。別の実施形態では、酵素は、プロテアーゼである。更に別の実施形態では、酵素は、アミラーゼである。更なる実施形態では、酵素は、リパーゼである。
【0079】
組成物は、1つ以上の活性酵素を更に含み得る。好適な酵素の非限定的な例としては、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、脂肪分解酵素(例えば、メタロ脂肪分解酵素)、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ(例えば、アリールエステラーゼ、ポリエステラーゼ)、ペルヒドロラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ(例えば、コリンオキシダーゼ)、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、メタロプロテイナーゼ、アマドリアーゼ、グルコアミラーゼ、アラビノフラノシダーゼ、フィターゼ、イソメラーゼ、トランスフェラーゼ、アミラーゼ、又はこれらの組み合わせが挙げられる。酵素が含まれる場合、組成物の総重量に基づいて、活性酵素の約0.0001~0.1重量%で製品中に存在し得る。他の実施形態では、酵素は、組成物の総重量に基づいて活性酵素の約0.01~0.03重量%(例えば、純粋な酵素タンパク質として計算)で存在することができる。いくつかの実施形態では、2つ以上の酵素の組み合わせを組成物中で使用してもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の酵素は、セルラーゼと、プロテアーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、脂肪分解酵素、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペルヒドロラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、メタロプロテイナーゼ、アマドリアーゼ、グルコアミラーゼ、アラビノフラノシダーゼ、フィターゼ、イソメラーゼ、トランスフェラーゼ、アミラーゼ、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上と、である。
【0080】
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の酵素を含んでいてよく、各酵素は、組成物の総重量に基づいて約0.00001重量%~約10重量%存在する。いくつかの実施形態では、組成物はまた、組成物の総重量に基づいて、約0.0001重量%~約10重量%、約0.001重量%~約5重量%、約0.001重量%~約2重量%、又は約0.005重量%~約0.5重量%の濃度で各酵素を含んでいてもよい。
【0081】
セルラーゼは、エンドセルラーゼ活性(EC3.2.1.4)、エキソセルラーゼ活性(EC3.2.1.91)、又はセロビアーゼ活性(EC3.2.1.21)を有し得る。セルラーゼは、セルラーゼ活性を維持するのに好適な条件下で活性を有する「活性セルラーゼ」であり、このような好適な条件を決定することは、当該技術分野の技能の範囲内である。セルロースを分解できることに加えて、セルラーゼは、特定の実施形態では、カルボキシメチルセルロースなどのセルロースエーテル誘導体を分解することもできる。
【0082】
セルラーゼは、細菌又は真菌などの任意の微生物源に由来し得る。化学的に修飾されたセルラーゼ又はタンパク質が遺伝子操作された変異体セルラーゼが含まれる。好適なセルラーゼとしては、例えば、バチルス属、シュードモナス属、ストレプトマイセス属、トリコデルマ属、フミコーラ属、フザリウム属、チエラビア属、及びアクレモニウム属由来のセルラーゼが挙げられる。他の例として、セルラーゼは、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)、ミセリオフィソーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophile)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、又はこれらの組み合わせに由来し得る。上記のいずれかなどのセルラーゼは、N末端シグナルペプチドを欠く成熟形態であり得る。本明細書で有用な市販のセルラーゼとしては、CELLUSOFT(登録商標)、CELLUCLEAN(登録商標)、CELLUZYME(登録商標)、及びCAREZYME(登録商標)(Novozymes A/S);CLAZINASE(登録商標)及びPURADAX(登録商標)HA及びREVITALENZ(商標)(DuPont Industrial Biosciences)、BIOTOUCH(登録商標)(AB ENZYMES);並びにKAC-500(B)(登録商標)(花王)が挙げられる。
【0083】
あるいは、本明細書におけるセルラーゼは、当該技術分野において既知の任意の手段によって生成されてもよく、例えば、セルラーゼは、微生物又は真菌の異種発現系などの異種発現系において組み換えにより生成され得る。異種発現系の例としては、細菌(例えば、大腸菌、バチルス属種)及び真核生物系が挙げられる。真核生物系は、酵母(例えば、ピキア属種、サッカロマイセス属種)又は真菌(例えば、T.リーゼイ(T. reesei)などのトリコデルマ属種、アスペルギルス・ニガー(A. niger)などのアスペルギルス属種)の発現系を使用してよい。
【0084】
特定の実施形態では、セルラーゼは熱安定性であり得る。セルラーゼの熱安定性とは、一定時間(例えば、約30~60分)にわたって高温(例えば、約60~70℃)に曝露した後に活性を保持する酵素の能力を指す。セルラーゼの熱安定性は、その間に規定の条件下でセルラーゼ活性の半分が失われる分数、時間数、又は日数で与えられる半減期(t1/2)によって測定することができる。
【0085】
特定の実施形態では、セルラーゼは、広範囲のpH値(例えば、pH約7.0~約11.0などの中性又はアルカリ性pH)に対して安定であり得る。このような酵素は、このようなpH条件下で、所定の時間(例えば、少なくとも約15分、30分、又は1時間)安定したままであり得る。
【0086】
少なくとも1つ、2つ、又はそれ以上のセルラーゼが組成物中に含まれていてよい。本明細書における組成物中のセルラーゼの総量は、典型的には、組成物中のセルラーゼを使用する目的に好適な量である(「有効量」)。例えば、セルロース含有布地の感触及び/又は外観を改善することを目的とする組成物中のセルラーゼの有効量は、布地の感触の測定可能な改善(例えば、布地の滑らかさ及び/又は外観の改善、布地の外観の鮮明さを低減する傾向がある毛玉及び微小繊維の除去)を生じさせる量である。別の例として、本明細書における布地ストーンウォッシュ加工組成物中のセルラーゼの有効量は、所望の効果をもたらす(例えば、縫い目及び布地パネルを、着用され、色落ちしたように見せる)量である。本明細書における組成物中のセルラーゼの量はまた、例えば、組成物が使用されるプロセスパラメータ(例えば、機器、温度、時間など)及びセルラーゼ活性に依存し得る。布地が処理される水性組成物中のセルラーゼの有効濃度は、当業者であれば容易に決定することができる。布地ケアプロセスにおいて、セルラーゼは、例えば、最低で約0.01~0.1ppmの全セルラーゼタンパク質、又は約0.1~10ppbの全セルラーゼタンパク質(例えば、1ppm未満)から、最高で約100、200、500、1000、2000、3000、4000、又は5000ppmの全セルラーゼタンパク質の濃度で、布地が処理される水性組成物(例えば、洗浄液)中に存在し得る。
【0087】
好適な酵素は、当該技術分野において既知であり、例えば、MAXATASE(登録商標)、MAXACAL(商標)、MAXAPEM(商標)、OPTICLEAN(登録商標)、OPTIMASE(登録商標)、PROPERASE(登録商標)、PURAFECT(登録商標)、PURAFECT(登録商標)OXP、PURAMAX(商標)、EXCELLASE(商標)、PREFERENZ(商標)プロテアーゼ(例えば、P100、P110、P280)、EFFECTENZ(商標)プロテアーゼ(例えば、P1000、P1050、P2000)、EXCELLENZ(商標)プロテアーゼ(例えば、P1000)、ULTIMASE(登録商標)、及びPURAFAST(商標)(Genencor);ALCALASE(登録商標)、SAVINASE(登録商標)、PRIMASE(登録商標)、DURAZYM(商標)、POLARZYME(登録商標)、OVOZYME(登録商標)、KANNASE(登録商標)、LIQUANASE(登録商標)、NEUTRASE(登録商標)、RELASE(登録商標)、及びESPERASE(登録商標)(Novozymes);BLAP(商標)及びBLAP(商標)変異体(Henkel Kommanditgesellschaft auf Aktien(Duesseldorf,Germany))、並びにKAP(B.アルカロフィルス・スブチリシン(B. alkalophilus subtilisin);花王(東京、日本)プロテアーゼ;MANNASTAR(登録商標)、PURABRITE(商標)、及びMANNAWAY(登録商標)マンナナーゼ;M1 LIPASE(商標)、LUMA FAST(商標)、及びLIPOMAX(商標)(Genencor);LIPEX(登録商標)、LIPOLASE(登録商標)、及びLIPOLASE(登録商標)ULTRA(Novozymes);並びにLIPASE P(商標)「Amano」(天野製薬(日本))リパーゼ;STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、NATALASE(登録商標)、DURAMYL(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、及びBAN(商標)(Novo Nordisk A/S及びNovozymes A/S);RAPIDASE(登録商標)、POWERASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、及びPREFERENZ(商標)(DuPont Industrial Biosciences)アミラーゼ;GUARDZYME(商標)(Novo Nordisk A/S及びNovozymes A/S)ペルオキシダーゼ、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、組成物中の酵素は、従来の安定化剤、例えば、プロピレングリコール又はグリセロールなどのポリオール;糖又は糖アルコール;乳酸;ホウ酸又はホウ酸誘導体(例えば、芳香族ホウ酸エステル)を使用して安定化することができる。
【0089】
本明細書における洗剤組成物は、典型的には、1つ以上の界面活性剤を含み、当該界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される。界面活性剤は、石油由来(合成とも呼ばれる)であってもよく、又は非石油由来(天然とも呼ばれる)であってもよい。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、洗浄組成物の、約0.1重量%~約60重量%の濃度で存在し、別の実施形態では、濃度は、約1重量%~約50重量%であり、また更なる実施形態では、濃度は、約5重量%~約40重量%である。洗剤は、通常、0重量%~約50重量%の、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、α-オレフィンスルホネート(AOS)、アルキルサルフェート(脂肪アルコールサルフェート)(AS)、アルコールエトキシサルフェート(AEOS又はAES)、二級アルカンスルホネート(SAS)、α-スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル-若しくはアルケニルコハク酸、又は石鹸などのアニオン性界面活性剤を含有する。
【0090】
洗剤組成物は、式R-(OCHCH-O-SOM[式中、Rは、約C~約C20の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖状又は分枝鎖状の脂肪アルコールであり、xは、約0.5~約8であり、Mは、アルカリ金属又はアンモニウムカチオンである]のアルキルエトキシサルフェートを含み得る。アルキルエトキシサルフェートの脂肪アルコール部分(R)は、地質由来(例えば、石油由来)ではなく、再生可能な資源由来(例えば、動物又は植物由来)である。再生可能な資源由来の脂肪アルコールは、天然脂肪アルコールと称される場合がある。天然脂肪アルコールは、炭素数が偶数であり、末端炭素に単一のアルコール(-OH)が結合している。界面活性剤の脂肪アルコール部分(R)は、偶数の炭素鎖、例えば、C12、C14、C16、C18などの分布を含み得る。
【0091】
加えて、洗剤組成物は、任意選択で、アルコールエトキシレート(AEO又はAE)、カルボキシル化アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、又はポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミドなどの非イオン性界面活性剤を0重量%~約40重量%含有していてもよい。洗剤組成物は、式R-(OCHCH-OH[式中、Rは、約C10~約C18の偶数の炭素鎖長からなる非石油由来の直鎖状又は分枝鎖状の脂肪アルコールであり、yは、約0.5~約15である]のアルコールエトキシレートを含み得る。アルコールエトキシレートの脂肪アルコール部分(R)は、地質由来(例えば、石油由来)ではなく、再生可能な資源由来(例えば、動物又は植物由来)である。界面活性剤の脂肪アルコール部分(R)は、偶数の炭素鎖、例えば、C12、C14、C16、C18などの分布を含み得る。
【0092】
組成物は、1つ以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を更に含んでいてもよい。少なくとも1つのビルダーを組み込むいくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約1重量%、約3重量%~約60重量%、又は約5重量%~約40重量%のビルダーを含む。ビルダーとしては、例えば、ポリリン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び/又はアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属の炭酸塩、アルミノケイ酸塩、ポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン-2,4,6-トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸(例えば、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸など)の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩、並びにポリカルボキシレート(例えばメリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5-トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸など)、並びにこれらの可溶性塩が挙げられる。洗剤ビルダー又は錯化剤の例としては、ゼオライト、二リン酸塩、三リン酸塩、ホスホン酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTMPA)、アルキル-若しくはアルケニルコハク酸、可溶性ケイ酸塩、又は層状ケイ酸塩(例えば、Hoechst製SKS-6)が挙げられる。洗剤はまた、ビルダーを含んでいなくてもよく(unbuilt)、すなわち、洗剤ビルダーを本質的に含んでいなくてもよい。
【0093】
組成物は、少なくとも1つのキレート剤を更に含んでいてもよい。好適なキレート剤としては、例えば、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。少なくとも1つのキレート剤が使用されるいくつかの実施形態では、組成物は、当該組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約15重量%、又は更には約3.0重量%~約10重量%のキレート剤を含む。
【0094】
組成物は、少なくとも1つの付着助剤を更に含んでいてもよい。好適な付着助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカルボキシレート、ポリテレフタル酸などの汚れ放出ポリマー、カオリナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、イライト、ベントナイト、ハロイサイトなどの粘土、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0095】
当該組成物は、1つ以上の移染防止剤を更に含んでいてもよい。好適な移染防止剤としては、例えば、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルイミダゾール、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、ポリビニルピロリドンポリマー、エチレンジアミン四酢酸(EDTA);ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP);ヒドロキシエタンジホスホン酸(HEDP);エチレンジアミンN,N’-二コハク酸(EDDS);メチルグリシン二酢酸(MGDA);ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA);プロピレンジアミン四酢酸(PDT A);2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド(HPNO);又はメチルグリシン二酢酸(MGDA);グルタミン酸N,N-二酢酸(N,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩(GLDA);ニトリロ三酢酸(NTA);4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸;クエン酸及びその任意の塩;N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミン四プロピオン酸(EDTP)、及びこれらの誘導体、又はこれらの組み合わせが挙げられる。少なくとも1つの移染防止剤が使用される実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.0001重量%~約10重量%、約0.01重量%~約5重量%、又は更には約0.1重量%~約3重量%の移染防止剤を含み得る。
【0096】
組成物は、ケイ酸塩を更に含んでいてもよい。好適なケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、結晶質フィロケイ酸塩、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、ケイ酸塩は、組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約20重量%の濃度で存在し得る。他の実施形態では、ケイ酸塩は、組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約15重量%の濃度で存在し得る。
【0097】
組成物は、分散剤を更に含んでいてもよい。好適な水溶性有機材料としては、例えば、ホモポリマー又はコポリマーの酸又はその塩を挙げることができ、この場合、ポリカルボン酸は、互いに炭素原子2個以下分だけ離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含む。
【0098】
組成物は、本ポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン、又はポリα-1,3-1,6-グルカン誘導体に加えて、1つ以上の他の種類のポリマーを更に含んでいてもよい。本明細書において有用な他の種類のポリマーの例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリカルボキシレート、例えば、ポリアクリレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーが挙げられる。
【0099】
組成物は、漂白系を更に含んでいてもよい。例えば、漂白系は、例えば、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸若しくはその塩、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、又はノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)などの過酸形成漂白活性化剤と組み合わせてもよい、H源、例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過水和物塩、過ホウ酸塩のナトリウム塩一水和物又は四水和物、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料を含んでいてもよい。あるいは、漂白系は、ペルオキシ酸(例えば、アミド、イミド、又はスルホン型のペルオキシ酸)を含んでいてもよい。他の実施形態では、漂白系は、ペルヒドロラーゼを含む酵素漂白系であり得る。上記のいずれかの組み合わせを使用してもよい。
【0100】
組成物は、布地コンディショナー、粘土、気泡力増進剤、泡抑制剤、防食剤、汚れ懸濁剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、又は香料などの従来の洗剤成分を更に含んでいてもよい。本明細書における洗剤組成物のpH(使用濃度の水溶液中で測定)は、中性又はアルカリ性(例えば、pH約7.0~約11.0)であり得る。
【0101】
組成物は、ヘビーデューティー(多目的)洗濯洗剤組成物であってもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、洗剤組成物は、アニオン性洗浄性界面活性剤(直鎖状又は分枝鎖状又はランダム鎖状の置換又は非置換アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアルコキシル化サルフェート、アルキルホスフェート、アルキルホスホネート、アルキルカルボキシレート、及び/又はこれらの混合物の群から選択される)と、任意選択で、非イオン性界面活性剤(直鎖状又は分枝鎖状又はランダム鎖状の置換又は非置換アルキルアルコキシル化アルコール、例えば、C~C18アルキルエトキシル化アルコール及び/又はC~C12アルキルフェノールアルコキシレートの群から選択される)とを含む洗浄性界面活性剤(10%~40%重量/重量)を含んでいてよく、この場合、アニオン性洗浄性界面活性剤(親水性指数(HIc)が6.0~9である)と非イオン性洗浄性界面活性剤との重量比は、1:1超である。また、好適な洗浄性界面活性剤としては、カチオン性洗浄性界面活性剤(アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及び/又はこれらの混合物の群から選択される);双極性及び/又は両性洗浄性界面活性剤(アルカノールアミンスルホベタインの群から選択される);両性界面活性剤;半極性非イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物も挙げられる。
【0103】
組成物は、任意選択で、両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーからなる界面活性増強ポリマーを含み得る。好適な両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーとしては、例えば、アルコキシル化ポリアルキレンイミンなどの分枝鎖状の親水性及び疎水性を有するアルコキシル化ポリマー;例えば、不飽和C1~C6カルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖単位、アルコキシ単位、無水マレイン酸、グリセロールなどの飽和ポリアルコール、及びこれらの混合物などのモノマーを含む親水性主鎖と、例えば、1つ以上のC~C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C~Cモノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC~Cアルキルエステル、及びこれらの混合物などの疎水性側鎖と、含むランダムグラフトポリマーを挙げることができる。
【0104】
好適な洗濯洗剤組成物は、任意選択で、追加のポリマー、例えば、汚れ放出ポリマー(アニオン性末端保護ポリエステル、例えばSRP1;ランダム又はブロック構成の糖、ジカルボン酸、ポリオール、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのモノマー単位を含むポリマー;ランダム又はブロック構成のエチレンテレフタレート系ポリマー及びそのコポリマー、例えば、REPEL-O-TEX SF、SF-2及びSRP6、TEXCARE SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325、MARLOQUEST SLを含む)、アクリル酸、マレイン酸(又は無水マレイン酸)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸、及びこれらの任意の混合物から選択される少なくとも1つのモノマーを含むポリマーなどのカルボキシレートポリマーを含む再付着防止ポリマー;ビニルピロリドンホモポリマー、及び/又は500~100,000ダルトン(Da)の範囲の分子量のポリエチレングリコール;並びにポリマーカルボキシレート(マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなど)を含んでいてもよい。存在する場合、汚れ放出ポリマーは、組成物の総重量に基づいて、0.1~10重量%で含まれ得る。
【0105】
洗濯洗剤組成物は、任意選択で、飽和又は不飽和脂肪酸、好ましくは飽和又は不飽和C12~C24脂肪酸;付着助剤、例えば、多糖、セルロースポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド(DADMAC)、及びランダム又はブロック構成のDADMACとビニルピロリドン、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、及びこれらの混合物とのコポリマー、カチオン性グアーガム、カチオン性デンプン、カチオン性ポリアシルアミド、又はこれらの組み合わせを更に含んでいてもよい。存在する場合、脂肪酸及び/又は付着助剤は、それぞれ、組成物の総重量に基づいて0.1%~10%重量で存在し得る。
【0106】
洗剤組成物は、任意選択で、シリコーン又は脂肪酸系泡抑制剤;色相染料、カルシウム及びマグネシウムカチオン、視覚的シグナル伝達成分、消泡剤(組成物の総重量に基づいて0.001重量%~約4.0重量%)、並びに/又はジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、及びこれらの混合物からなる群から選択される構造化剤/増粘剤(組成物の総重量に基づいて0.01重量%~5重量%)を含んでいてもよい。
【0107】
少なくとも1つの多糖誘導体を含む洗濯洗剤製剤の様々な例を以下に開示する。
1)以下を含む、少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として製剤化される洗剤組成物:約7~12重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(酸として計算);約1~4重量%のアルコールエトキシサルフェート(例えば、C12~C18アルコール、1~2エチレンオキシド[EO])又はアルキルサルフェート(例えば、C16~C18);約5~9重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C14~C15アルコール);約14~20重量%の炭酸ナトリウム;約2~6重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO 2SiO);約15~22重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約0~6重量%の硫酸ナトリウム;約0~15重量%のクエン酸ナトリウム/クエン酸;約11~18重量%の過ホウ酸ナトリウム;約2~6重量%のTAED;最大約2重量%の多糖誘導体;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PVP、PEG);任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤、光漂白剤)。
2)以下を含む、少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として製剤化される洗剤組成物:約6~11重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(酸として計算);約1~3重量%のアルコールエトキシサルフェート(例えば、C12~C18アルコール、1~2EO)又はアルキルサルフェート(例えば、C16~C18);約5~9重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C14~C15アルコール);約15~21重量%の炭酸ナトリウム;約1~4重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO 2SiO);約24~34重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約4~10重量%の硫酸ナトリウム;約0~15重量%のクエン酸ナトリウム/クエン酸;約11~18重量%の過ホウ酸ナトリウム;約2~6重量%のTAED;最大約2重量%の多糖誘導体;約1~6重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PVP、PEG);任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤、光漂白剤)。
3)以下を含む、少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として製剤化される洗剤組成物:約5~9重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(酸として計算);約7~14重量%のアルコールエトキシサルフェート(例えば、C12~C18アルコール、7EO);約1~3重量%の脂肪酸(例えば、C16~C22脂肪酸)としての石鹸;約10~17重量%の炭酸ナトリウム;約3~9重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO 2SiO);約23~33重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約0~4重量%の硫酸ナトリウム;約8~16重量%の過ホウ酸ナトリウム;約2~8重量%のTAED;約0~1重量%のホスホネート(例えば、EDTMPA);最大約2重量%の多糖誘導体;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PVP、PEG);任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤)。
4)以下を含む、少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として製剤化される洗剤組成物:約8~12重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(酸として計算);約10~25重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C18アルコール、7EO);約14~22重量%の炭酸ナトリウム;約1~5重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO 2SiO);約25~35重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約0~10重量%の硫酸ナトリウム;約8~16重量%の過ホウ酸ナトリウム;約2~8重量%のTAED;約0~1重量%のホスホネート(例えば、EDTMPA);最大約2重量%の多糖誘導体;約1~3重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PVP、PEG);任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、泡抑制剤、香料)。
5)以下を含む、水性液体洗剤組成物:約15~21重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(酸として計算);約12~18重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C18アルコール、7EO;又はC12~C15アルコール、5EO);約3~13重量%の脂肪酸(例えば、オレイン酸)としての石鹸;約0~13重量%のアルケニルコハク酸(C12~C14);約8~18重量%のアミノエタノール;約2~8重量%のクエン酸;約0~3重量%のホスホネート;最大約2重量%の多糖誘導体;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、PVP、PEG);約0~2重量%のホウ酸塩;約0~3重量%のエタノール;約8~14重量%のプロピレングリコール;任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、分散剤、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤)。
6)以下を含む、水性構造化液体洗剤組成物:約15~21重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(酸として計算);約3~9重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C18アルコール、7EO;又はC12~C15アルコール、5EO);約3~10重量%の脂肪酸(例えば、オレイン酸)としての石鹸;約14~22重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約9~18重量%のクエン酸カリウム;約0~2重量%のホウ酸塩;最大約2重量%の多糖誘導体;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、PVP、PEG);約0~3重量%のエタノール;約0~3重量%の固定ポリマー(例えば、ラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマー、モル比25:1、MW3800);約0~5重量%のグリセロール;任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、分散剤、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤)。
7)以下を含む、少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として製剤化される洗剤組成物:約5~10重量%の脂肪アルコールサルフェート、約3~9重量%のエトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド;約0~3重量%の脂肪酸としての石鹸;約5~10重量%の炭酸ナトリウム;約1~4重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO 2SiO);約20~40重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約2~8重量%の硫酸ナトリウム;約12~18重量%の過ホウ酸ナトリウム;約2~7重量%のTAED;最大約2重量%の多糖誘導体;約1~5重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PEG);任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、蛍光増白剤、泡抑制剤、香料)。
8)以下を含む、顆粒として製剤化される洗剤組成物:約8~14重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(酸として計算);約5~11重量%のエトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド;約0~3重量%の脂肪酸としての石鹸;約4~10重量%の炭酸ナトリウム;約1~4重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO 2SiO);約30~50重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約3~11重量%の硫酸ナトリウム;約5~12重量%のクエン酸ナトリウム;最大約2重量%の多糖誘導体;約1~5重量%の他のポリマー(例えば、PVP、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PEG);任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、泡抑制剤、香料)。
9)以下を含む、顆粒として製剤化される洗剤組成物:約6~12重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(酸として計算);約1~4重量%の非イオン性界面活性剤;約2~6重量%の脂肪酸としての石鹸;約14~22重量%の炭酸ナトリウム;約18~32重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約5~20重量%の硫酸ナトリウム;約3~8重量%のクエン酸ナトリウム;約4~9重量%の過ホウ酸ナトリウム;約1~5重量%の漂白活性化剤(例えば、NOBS又はTAED);最大約2重量%の多糖誘導体;約1~5重量%の他のポリマー(例えば、ポリカルボキシレート又はPEG);任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、蛍光増白剤、香料)。
10)以下を含む、水性液体洗剤組成物:約15~23重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(酸として計算);約8~15重量%のアルコールエトキシサルフェート(例えば、C12~C15アルコール、2~3EO);約3~9重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C15アルコール、7EO;又はC12~C15アルコール、5EO);約0~3重量%の脂肪酸(例えば、ラウリン酸)としての石鹸;約1~5重量%のアミノエタノール;約5~10重量%のクエン酸ナトリウム;約2~6重量%のヒドロトロープ(例えば、クメンスルホン酸ナトリウム);約0~2重量%のホウ酸塩;最大約1重量%の多糖誘導体;約1~3重量%のエタノール;約2~5重量%のプロピレングリコール;任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、分散剤、香料、蛍光増白剤)。
11)以下を含む、水性液体洗剤組成物:約20~32重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(酸として計算);約6~12重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C15アルコール、7EO;又はC12~C15アルコール、5EO);約2~6重量%のアミノエタノール;約8~14重量%のクエン酸;約1~3重量%のホウ酸塩;最大約2重量%の多糖誘導体;約1~3重量%のエタノール;約2~5重量%のプロピレングリコール;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、固定ポリマー、例えば、ラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマー);約3~8重量%のグリセロール;任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、ヒドロトロープ、分散剤、香料、蛍光増白剤)。
12)以下を含む、少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として製剤化される洗剤組成物:約25~40重量%のアニオン性界面活性剤(例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、α-オレフィンスルホネート、α-スルホ脂肪酸メチルエステル、アルカンスルホネート、石鹸);約1~10重量%の非イオン性界面活性剤(例えば、アルコールエトキシレート);約8~25重量%の炭酸ナトリウム;約5~15重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO 2SiO);約0~5重量%の硫酸ナトリウム;約15~28重量%のゼオライト(NaAlSiO);約0~20重量%の過ホウ酸ナトリウム;約0~5重量%の漂白活性化剤(例えば、TAED又はNOBS);最大約2重量%の多糖誘導体;任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~3重量%の微量成分(例えば、香料、蛍光増白剤)。
13)直鎖アルキルベンゼンスルホネートの全て又は一部がC12~C18アルキルサルフェートで置換されていることを除いて、上記(1)~(12)に記載のとおりである洗剤組成物。
14)以下を含む、少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として製剤化される洗剤組成物:約9~15重量%のC12~C18アルキルサルフェート;約3~6重量%のアルコールエトキシレート;約1~5重量%のポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド;約10~20重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO);約10~20重量%の層状二ケイ酸塩(例えば、Hoechst製SK56);約3~12重量%の炭酸ナトリウム;0~6重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO 2SiO);約4~8重量%のクエン酸ナトリウム;約13~22重量%の過炭酸ナトリウム;約3~8重量%のTAED;最大約2重量%の多糖誘導体;約0~5重量%の他のポリマー(例えば、ポリカルボキシレート及びPVP);任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、蛍光増白剤、光漂白剤、香料、泡抑制剤)。
15)以下を含む、少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として製剤化される洗剤組成物:約4~8重量%のC12~C18アルキルサルフェート;約11~15重量%のアルコールエトキシレート;約1~4重量%の石鹸;約35~45重量%のゼオライトMAP又はゼオライトA;約2~8重量%の炭酸ナトリウム;0~4重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、NaO 2SiO);約13~22重量%の過炭酸ナトリウム;約1~8重量%のTAED;最大約3重量%の多糖誘導体;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、ポリカルボキシレート及びPVP);任意選択で、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~3重量%の微量成分(例えば、蛍光増白剤、ホスホネート、香料)。
16)安定化又は封入された過酸を、追加成分として又は既に指定された漂白系の代用物として含有することを除いて、上記(1)~(15)に記載のとおりである洗剤製剤。
17)過ホウ酸塩が過炭酸塩によって置換されることを除いて、上記(1)、(3)、(7)、(9)及び(12)に記載のとおりの洗剤組成物。
18)マンガン触媒を更に含有することを除いて、上記(1)、(3)、(7)、(9)、(12)、(14)及び(15)に記載のとおりの洗剤組成物。マンガン触媒は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHage et al.(1994,Nature 369:637-639)によって記載されている化合物のうちの1つである。
19)液体非イオン性界面活性剤、例えば、直鎖アルコキシル化一級アルコール、ビルダー系(例えば、リン酸塩)、多糖誘導体、任意選択で酵素、及びアルカリを含む非水性洗剤液として製剤化される洗剤組成物。洗剤はまた、アニオン性界面活性剤及び/又は漂白系を含んでいてもよい。
20)以下を含む、水性液体洗剤組成物:約30~45%重量の非石油由来アルコールエトキシサルフェート(例えば、C12アルコール、1EO)硫酸ナトリウム;約3~10重量%の非石油由来アルコールエトキシレート(例えば、C12~C14アルコール、9EO);約1~5重量%の脂肪酸(例えば、C12~18)としての石鹸;約5~12重量%のプロピレングリコール;約4~8重量%のC12~14アルキルアミンオキシド;約2~8重量%のクエン酸;最大約4重量%の多糖誘導体;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、PVP、PEG);約0~4重量%のホウ酸塩;約0~3重量%のエタノール;任意選択で、約0.0001~0.3重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、分散剤、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤、安定剤)、そして、残部は水である。
21)以下を含む、水溶性単位用量洗剤組成物:約10~25重量%のアルコールエトキシサルフェート(例えば、C12~15アルコール、2~3EO)硫酸ナトリウム;約15~25重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホネート(酸として計算);約0.5~10重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~14アルコール、9EO);約0.5~10重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~15アルコール、7EO);約1~8重量%の脂肪酸(例えば、C12~18)としての石鹸;約6~15重量%のプロピレングリコール;約0.5~8重量%のクエン酸;最大約4重量%の多糖誘導体;約5~10重量%のモノエタノールアミン、約0~3重量%の他のポリマー(例えば、PVP、PEG、PVOH);約2~6%のジプロピレングリコール、約2~5重量%のグリセリン;任意選択で、約0.0001~0.3重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、分散剤、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤、安定剤)、そして、残部は水である。
【実施例
【0108】
洗濯ケア及び食器ケア組成物は、典型的には、(a)完成した織物のケア、完成した織物の洗濯、完成した織物の衛生化、完成した織物の消毒、洗剤、染み除去剤、柔軟剤、布地向上剤、染み除去又は完成した織物の処理、予洗及び後洗処理、洗濯機の洗浄及びメンテナンス(完成した織物とは、衣類及び布製品を含むことを意図する)、(b)食器洗浄機、利用水、及びその内容物の両方のための洗剤、予備的後処理及び機器洗浄及びメンテナンス製品などの、自動食洗機における、皿、グラス、陶器、鍋、フライパン、台所用品、カトラリーなどのケア、又は、(c)食器手洗い用洗剤、に好適である。
【0109】
以下の実施例の製剤は、本発明に好適である。
以下は、本開示に係る洗浄組成物の例示の実施例であり、限定を意図するものではない。
【0110】
実施例1~7:重質液体洗濯洗剤組成物。
【0111】
【表1】
洗浄及び/又は処理組成物の総重量に基づく。酵素濃度は、原材料として報告される。
【0112】
【表2】
【0113】
以下は、好適な水溶性単位用量製剤である。組成物は、単一チャンバ水溶性単位用量物品の一部であってもよく、又は複数の区画にわたって分割されて、以下の「区画全体が平均化された」全物品組成物をもたらす。
【0114】
【表3】
固体自由流動性粒子状洗濯洗剤組成物の実施例:
【0115】
【表4】
【0116】
実施例
特に明記しない限り、全ての成分は、Sigma-Aldrich(St.Louis,Missouri)から入手可能であり、入手したまま使用した。
【0117】
本明細書では、「Comp.Ex.」は、比較例を意味し;「Ex.」は、「実施例」を意味し、「std dev」は、標準偏差を意味し、「g」は、グラムを意味し、「mL」は、ミリリットルを意味し、「uL」は、マイクロリットルを意味し、「wt」は、重量を意味し、「L」は、リットルを意味し、「min」は、分を意味し、「kDa」は、キロダルトンを意味し、「PES」は、ポリエーテルスルホンを意味する。
【0118】
NMR分光法によるアノマー結合の決定方法
グルコシルトランスフェラーゼGTF8117及びα-1,2分枝酵素によって合成された水溶性オリゴ糖類及び多糖生成物中のグリコシド結合を、H NMR(核磁気共鳴分光法)によって決定した。乾燥オリゴ糖/多糖ポリマー(6mg~8mg)を、DO中1mM DSS(4,4-ジメチル-4-シラペンタン-1-スルホン酸;NMR基準標準)溶液0.7mLに溶解させた。サンプルを周囲温度で一晩撹拌した。透明な均質溶液525uLを5mm NMR管に移した。2D H、13Cホモ/ヘテロ核型NMR実験を使用してAGU(無水グルコース単位)結合を同定した。データを20℃で収集し、500MHz又は600MHzのいずれかで動作するBruker Advance III NMR分光計で処理した。このシステムは、プロトン最適化され、ヘリウム冷却された冷凍プローブを備える。1D H NMRスペクトルを用いてグリコシド結合の分布を定量し、多糖骨格が主にα-1,6であることを確認した。この結果は、個々の結合タイプを表すNMR共鳴の積分強度を、グルコース結合を表す全てのピークの合計の積分強度で除し、100を乗じた比を反映している。
【0119】
ポリマーの白色度性能を評価するための方法
白色度保持とも呼ばれる白色度維持は、汚れの存在下で洗浄されたときに白色物品の白色度が失われるのを防ぐ洗剤の能力である。白い衣類は、汚れた衣類から汚れが除去され、洗浄水中に懸濁し、その後、これらの汚れが衣類に再付着し得るときに、経時的に汚れて/くすんで見える場合があるので、衣類は洗浄されるたびに白色が失われる。現在開示されているポリマーの白色度効果を、5つのポットを有する自動ミニウォッシャーを使用して評価する。消費者の汚れレベル(身体汚れ、食物、垢、草などの混合物)をシミュレートするために、WFKTestgewebe GmbHによって供給されるSBL2004試験汚れスチップ(stips)を使用する。平均して、1つのSBL2004ストリップごとに8gの汚れをロードする。WFKから購入した以下の表2の白色布地見本を白色度トレーサーとして使用する。洗浄試験の前に、Konica Minolta CM-3610D分光光度計を使用して全ての白色度トレーサーのL、a、B値を測定する。
【0120】
【表5】
注記:
WI(A)-光源A(屋内照明)
**WI(D65)-光源D65(屋外照明)
【0121】
試験を完了するためには、3回の洗浄サイクルが必要である。
サイクル1:各ミニウォッシャーのチューブ内で7.57Lの水(規定の硬度)と混合することによって、所望の量のベース洗剤を完全に溶解させる。各布地タイプの3.5 SBL2004ストリップ(約28gの汚れ)及び3つの白色度トレーサー(内部複製物)を規定の条件下においてミニウォッシャーで洗浄し、すすぎ、次いで、乾燥させる。
サイクル2:上記白色度トレーサーを、新しいセットのSBL2004シートを用いて再度洗浄し、乾燥させる。全ての他の条件は、サイクル1と同じままである。
サイクル3:上記白色度トレーサーを、新しいセットのSBL2004シートを用いて再度洗浄し、乾燥させる。全ての他の条件は、サイクル1と同じままである。
【0122】
サイクル3の後、全ての白色度トレーサーを乾燥させ、次いで、Konica Minolta CM-3610 D分光光度計を使用して再び測定する。洗浄前後のL、a、b測定値に基づいて、白色度指数(ΔWI(CIE))の変化を計算する。
ΔWI(CIE)=WI(CIE)(洗浄後)-WI(CIE)(洗浄前)。
【0123】
ミニウォッシャーは5つのポットを有し、5つの製品を1回の試験で試験することができる。典型的には、ポリマー白色度性能試験では、比較ポリマーを含有するか又はポリマーを含まない1つの参照製品を、本発明のポリマーを含有する4つの製品と共に試験し、「ΔWI対参照」を報告する。
ΔWI(CIE)対参照=ΔWI(CIE)(製品)-ΔWI(CIE)(参照)
【0124】
ポリマーの洗浄効果を評価するための方法:
ポリマーの洗浄効果は、ターゴトメーターを使用して評価される。この試験に好適な試験染みのいくつかの例は次のとおりである。
スタンダードグラス、CFT製
スタンダードクレイ、CFT製
ASTMダスト皮脂、CFT製
ポリコットン上の高度判別皮脂、CFT製
ニットコットン上の焦がしベーコン(Equest製の焦がしベーコンを使用して作製)
ニットコットン上の染色ベーコン(Equest製の染色ベーコンを使用して作製)。
【0125】
L、a、b値に関して、市販のDigiEyeソフトウェアを使用して生地を分析した。
【0126】
脱イオン水中の本発明のポリマー原液を、所望の5mLを分取するように調製した。1Lの試験溶液を作製するために、5mL分のポリマー原液、及び所望量の塩基洗剤を、ターゴトメーターポット内の水(定義された硬度)と混合することによって完全に溶解させた。洗浄温度は20℃である。
【0127】
各ターゴトメーターポットで洗浄される布は、2片の各試験染み(2つの内部レプリカ)、約3gのWFK SBL2004汚れシート、及び総布重量を最大60gにするための追加のニットコットンバラストを含む。
【0128】
いったん全ての布を洗浄液を入れたターゴトメーターポットに投下すると、洗浄液を12分間撹拌した。次いで、洗浄液を排出し、布地を5分間のすすぎステップに2回供した後、排水し、回転乾燥させた。洗浄した染みを空気流キャビネット内で乾燥させ、次いで、L、a、b値について、市販のDigiEyeソフトウェアを使用して分析した。
【0129】
この手順を更に3回繰り返して、合計4つの外部レプリカを得た。
【0130】
染み除去指数(Stain Removal Index、SRI)は、以下に示される式を使用して、L、a、b値から計算される。SRIが高いほど、染み除去に優れている。
SRI=100((ΔE-ΔE)/ΔE
ΔE=√((L-L+(a-a+(b-b
ΔE=√((L-L+(a-a+(b-b
下付き文字「b」は、洗浄前の染みのデータを示す
下付き文字「a」は、洗浄後の染みのデータを示す
下付き文字「c」は、染みのない布のデータを示す
【0131】
本発明のポリマー1:
ジメチルアセトアミド中の塩化ベンゾイルによるポリα-1,3グルカンの修飾
撹拌しジャケットを付けた1リットル樹脂ケトルに、ジメチルアセトアミド550g、ポリα-1,3グルカンポリマー(骨格MW:120K)37g、塩化カルシウム二水和物26gを添加した。内容物を70℃で2.25時間保持した後、ポリα-1,3グルカン及び塩化カルシウム二水和物を溶液に入れた。内容物を78℃に加熱した後、塩化ベンゾイル21mLを1.5分かけて供給した。溶液を80~84℃で2時間保持した。その後、反応器への加熱を止め、真空引きを行い、反応器の内容物の蒸発冷却を促進した。DMAcオーバーヘッド65gを除去した後、反応器圧力を大気圧に戻し、反応液443gをアセトンに注いで固体を沈殿させ、次に固体を1リットルのメタノールで2回スラリー化して、濾過後、一晩乾燥させて、これを得た。生成物のNMR分析により、ベンゾエート内容物の置換度は0.20、アセテート内容物の置換度は0.08であることが示された。
【0132】
他の本発明のポリマー実施例2~8を下表にまとめた。
【0133】
【表6】
【0134】
液体洗剤におけるポリマー性能
ポリマー洗浄性能洗剤
列挙する成分を混合することによって、当業者に既知の従来の手段により以下の液体洗剤I及びIIを調製する。比較製剤Iは、本発明のポリマーからの効果を試験するための参照として使用される。
【0135】
【表7】
本発明のポリマー1の洗浄効果は、ポリマーの洗浄効果評価方法に従い、式I及びIIの洗浄性能を比較することにより評価した。本発明のポリマー1は、特に皮脂及び脂の染みに対して有意な洗浄効果をもたらす。
【0136】
【表8】
注:試験の製品濃度:2260ppm;水の硬度:22gpg
s:データは統計的に有意である。
【0137】
ポリマー白色度性能洗剤
列挙する成分を混合することによって、当業者に既知の従来の手段により以下の液体洗剤III及びIVを調製する。比較製剤IIIは、本発明のポリマーからの効果を試験するために参照として使用される。
【0138】
【表9】
白色度維持本発明のポリマー1は、ポリマーの白色度性能評価方法に従い、式III及びIVの洗浄性能を比較することにより評価する。本発明のポリマー1は、特に合成(ポリエステル)布地に有意な白色効果をもたらす。
【0139】
列挙する成分を混合することによって、当業者に既知の従来の手段により以下の液体洗剤V及びVIを調製する。比較製剤Vは、本発明のポリマーからの効果を試験するための参照として使用される。
【0140】
【表10】
【0141】
白色度維持性の本発明のポリマー1は、ポリマーの白色度性能評価方法に従い、式V及びVIの洗浄性能を比較することで評価する。本発明のポリマー1は、特に合成(ポリエステル)布地において、有意な白色効果をもたらす。
【0142】
生分解データ
生分解試験方法
多糖誘導体の生分解性は、OECD 301B Ready Biodegradability CO Evolution Test Guidelineに従って決定された。この試験では、被験物質を唯一の炭素及びエネルギー源とし、好気的条件下で微生物が被験物質を代謝してCOを生成するか、又は炭素をバイオマスに取り込む。被験物質によって生成されたCO量(ブランクの接種材料によって発生したCOを補正)は、被験物質中の有機炭素が完全にCOに変換された場合に発生し得る理論上のCO量(ThCO)に対する割合で表される。
【0143】
【表11】
【0144】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【国際調査報告】