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特表2023-526668高度に認識可能なパターン及び鮮明なグラフィックを呈する積層体を有する吸収性物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-22
(54)【発明の名称】高度に認識可能なパターン及び鮮明なグラフィックを呈する積層体を有する吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/514 20060101AFI20230615BHJP
   A61F 13/51 20060101ALI20230615BHJP
   A61F 13/42 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
A61F13/514 400
A61F13/51
A61F13/42 B
A61F13/514 210
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022571369
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 US2021033285
(87)【国際公開番号】W WO2021242593
(87)【国際公開日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】63/031,059
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.iPhone
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】サラ、エル.ジョバンニ
(72)【発明者】
【氏名】アルマン、アシュラフ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーコプ、ヤヤカラン
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン、ラファエル、サンタ、ホルネド
(72)【発明者】
【氏名】ダニエレ、スキアーノ
(72)【発明者】
【氏名】キース、アルバラド
(72)【発明者】
【氏名】サラ、エム.ウェード
(72)【発明者】
【氏名】ケリン、エイ.アローラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、エル.ハモンス
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA02
3B200DA21
3B200DA25
3B200DD01
3B200DD09
3B200DE18
3B200DF02
(57)【要約】
トップシートと、バックシートと、吸収性コアと、エンボス加工パターンを有する外側カバー材料又はランディングゾーンと、を有する吸収性物品が提供される。バックシートの衣類対向面が、1つ以上のグラフィックを有する。エンボス加工パターンの一部分が、グラフィックの一部分と重なり合う。グラフィックの一部分は、エンボス加工パターンの高密度化領域を通して測定されるとき、第1のL、a、b色値を示す。1つ以上のグラフィックの一部分は、外側カバー材料の非高密度化領域を通して測定されるとき、異なる第2のL、a、b色値を示す。バックシートの衣類対向面は、約5%~約85%のグラフィックを含まないエリアを有する。エンボス加工パターンは、少なくとも1個かつ40個未満の認識可能な個別の印を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品であって、
液体透過性トップシートと、
液体不透過性バックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コアと、
エンボス加工パターンを含む外側カバー材料又はランディングゾーンと、を含み、
前記バックシートの衣類対向面が、1つ以上のグラフィックを含み、
前記エンボス加工パターンの一部分が、前記1つ以上のグラフィックの一部分と重なり合い、
前記1つ以上のグラフィックの前記一部分は、バックシート積層体色試験方法に従って、前記外側カバー材料又はランディングゾーンの前記エンボス加工パターンの高密度化領域を通して測定されるとき、第1のL、a、b色値を示し、
前記1つ以上のグラフィックの前記一部分は、バックシート積層体色試験方法に従って、前記外側カバー材料又はランディングゾーンの非高密度化領域を通して測定されるとき、異なる第2のL、a、b色値を示す、吸収性物品。
【請求項2】
前記エンボス加工パターンは、少なくとも1個かつ40個未満の認識可能な個別の印を形成する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
少なくとも1個の認識可能な個別の印のエリア全体が、前記1つ以上のグラフィックの前記一部分と重なり合う、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記外側カバー材料又は前記ランディングゾーンは、前記外側カバー材料又は前記ランディングゾーンのエリア全体に対して、約5%~約30%の範囲の高密度化領域エリアを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記第1のL、a、b色値は、バックシート積層体色試験方法に従って、前記外側カバー材料又は前記ランディングゾーンの前記エンボス加工パターンの前記高密度化領域を通して測定されるとき、約5~約95の範囲のL値、約-90~約90の範囲のa値、及び約-90~約90の範囲のb値を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記第2のL、a、b色値は、バックシート積層体色試験方法に従って、前記外側カバー材料又は前記ランディングゾーンの前記非高密度化領域を通じて測定されるとき、約5~約95の範囲のL値、約-90~約90の範囲のa値、及び約-90~約90の範囲のb値を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
1つの認識可能な個別の印が、約52mm~約7,500mmの範囲のエリアを有する、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記認識可能な個別の印は、動物、ロゴ、ブランド名、単語、記号、キャラクタ、又はアイコンを含む、請求項2又は7に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記1つ以上のグラフィックのうちの1つのグラフィックが個々のグラフィックエリアを有し、1つの認識可能な個別の印が個々の印エリアを有し、前記個々の印エリアは前記個々のグラフィックエリアよりも小さい、請求項2、7、又は8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記第1のL、a、b色値と前記第2のL、a、b色値との間のデルタEは、バックシート積層体色試験方法に従って、少なくとも2、好ましくは約2~約19である、請求項1~9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記1つ以上のグラフィックの前記一部分は、バックシートグラフィック色試験方法に従って、約8~約130の範囲の彩度値を示す、請求項1~10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記1つ以上のグラフィックの前記一部分は、バックシートグラフィック色試験方法に従って、95未満のL値を示す、請求項1~11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記バックシートの前記衣類対向面は、前記1つ以上のグラフィックと重なり合わないステッチ状のパターンを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記バックシートの着用者対向面が、湿り度インジケータを含み、色若しくはグラフィックの異なるゾーン又は色若しくはグラフィックのないゾーンが、前記湿り度インジケータを少なくとも部分的に取り囲む、請求項1~13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記バックシートの前記衣類対向面は、前記バックシートの前記衣類対向面のエリア全体に対して、約5%~約85%のグラフィックを含まないエリアを有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パターン認識と全体的な鮮明なグラフィックの知覚を改善するための1つ以上の色のグラフィックを含むバックシートと組み合わされた、外側カバー材料及び/又はランディングゾーン及び/又はパターン(複数可)を含むトップシートの積層体を含む吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品は、乳幼児、子供、及び成人の身体排泄物(すなわち、尿、排便、及び月経)を封じ込め、かつ吸収するために使用されている。吸収性物品としては、おむつ、パンツ、成人用失禁製品、女性用ケア製品、及び吸収性パッドを挙げることができるが、これらに限定されない。場合によっては、1つ以上のパターンが、吸収性物品のトップシート、ランディングゾーン、及び/又は外側カバー材料の中に形成される。バックシートなどの下方に位置する構成要素がグラフィックを含まないか、あるいは抑制された色で構成されたグラフィックを含む場合、トップシート、ランディングゾーン、及び/又は外側カバー材料内のパターンは、識別するのが非常に困難である。これは、パターンが比較的大きな個別の認識可能な印を含む場合に特に当てはまる。加えて、外側カバー不織布材料、ランディングゾーン、又はトップシートが平面状のパターンがないウェブである場合、下方に位置するグラフィックは、トップシート、ランディングゾーン、又は外側カバー不織布材料を通して観察する消費者の視界からは、ある程度、斑点状であり、均一に抑制され、かつ/又は均一に隠されたものとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、外側カバー材料、ランディングゾーン、トップシート、及びバックシートグラフィックは改善されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、一つには、外側カバー材料、ランディングゾーン、及び/又はトップシートに配置された非常に知覚可能なパターンを示す積層体を含む吸収性物品を提供する。本開示はまた、一つには、改善されたパターン認識及び全体的に鮮明なグラフィック知覚のための1つ以上のグラフィックを含むバックシートと組み合わされた、トップシート、ランディングゾーン、及び/又はパターン(複数可)を含む外側カバー材料を含む積層体を含む吸収性物品を提供する。1つ以上のグラフィックの存在、サイズ、及び/又は色特性は、特にパターンが個別の認識可能な印を含む場合、トップシート、ランディングゾーン、及び/又は外側カバー材料に配置されたパターンのより容易な認識を可能にし得る。これにより、消費者の体感が向上する。
【0005】
本開示は、一つには、液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、トップシートと液体不透過性バックシートとの間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コアと、エンボス加工パターンを含む外側カバー材料又はランディングゾーンと、を含む、吸収性物品を提供する。バックシートの衣類対向面が、1つ以上のグラフィックを含む。エンボス加工パターンの少なくとも一部分が、1つ以上のグラフィックの少なくとも一部分と重なり合う。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料又はランディングゾーンのエンボス加工パターンの高密度化領域を通して測定されるとき、第1のL、a、b色値を示す。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料又はランディングゾーンの非高密度化領域を通して測定されるとき、第2のL、a、b色値を示す。バックシートの衣類対向面は、バックシートの衣類対向面のエリア全体に対して、約5%~約85%のグラフィックを含まないエリアを有する。エンボス加工パターンは、少なくとも1個かつ40個未満の認識可能な個別の印を形成する。
【0006】
本開示は、一つには、液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、トップシートとバックシートとの間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コアと、複数のアパーチャを含む外側カバー材料又はランディングゾーンと、を含む、吸収性物品を提供する。バックシートの衣類対向面が、1つ以上のグラフィックを含む。複数のアパーチャの少なくとも一部分は、1つ以上のグラフィックの少なくとも一部分と重なり合う。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、複数のアパーチャのうちの1つを通して測定されるとき、第1のL、a、b色値を示す。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料又はランディングゾーンの非アパーチャ加工領域を通して測定されるとき、第2のL、a、b色値を示す。バックシートの衣類対向面は、バックシートの衣類対向面のエリア全体に対して、約5%~約85%のグラフィックを含まないエリアを有する。複数のアパーチャの少なくとも一部分が、少なくとも1個かつ40個未満の認識可能な個別の印を形成する。
【0007】
本開示は、一つには、エンボス加工パターンを含む液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、トップシートとバックシートとの間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コアと、を含む、吸収性物品を提供する。バックシートの着用者対向面が1つ以上のグラフィックを含む。エンボス加工パターンの少なくとも一部分は、1つ以上のグラフィックの一部分と重なり合う。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、エンボス加工パターンの高密度化領域を通して測定されるとき、第1のL、a、b色値を示す。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、トップシートの非高密度化領域を通して測定されるとき、第2のL、a、b色値を示す。バックシートの着用者対向面は、バックシートの着用者対向面のエリア全体に対して、約5%~約85%のグラフィックを含まないエリアを有する。エンボス加工パターンは、少なくとも1個かつ40個未満の認識可能な個別の印を形成する。
【0008】
本開示は、一つには、複数のアパーチャを含む液体透過性トップシートと、液体不透過性バックシートと、トップシートとバックシートとの間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コアと、を含む、吸収性物品を提供する。バックシートの着用者対向面が1つ以上のグラフィックを含む。複数のアパーチャの少なくとも一部分が、1つ以上のグラフィックの一部分と重なり合う。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、複数のアパーチャのうちの1つを通して測定されるとき、第1のL、a、b色値を示す。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、トップシートの非アパーチャ加工領域を通して測定されるとき、第2のL、a、b色値を示す。バックシートの着用者対向面は、バックシートの着用者対向面のエリア全体に対して、約5%~約85%のグラフィックを含まないエリアを有する。複数のアパーチャの少なくとも一部分が、少なくとも1個かつ40個未満の認識可能な個別の印を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の上記及び他の特徴及び利点、並びにそれらを実現する様式は、本開示の以下の例示的な形態の説明を添付の図面と併せて参照することによって、より明らかになり、本開示自体の理解が深まるであろう。
図1】衣類対向面が観察者に向いており、平坦に広げられた状態の、テープ式おむつの形態の例示的な吸収性物品の平面図である。
図2】着用者対向面が観察者に向いており、平坦に広げられた状態の、図1の例示的な吸収性物品の平面図である。
図3】締着位置にある、図1及び図2の吸収性物品の正面斜視図である。
図4】パンツの形態の吸収性物品の正面斜視図である。
図5図4の吸収性物品の背面斜視図である。
図6】平坦に広げられ、衣類対向面が観察者に向いている状態の、図4の吸収性物品の平面図である。
図7図6の線7-7の周囲で取られた吸収性物品の断面図である。
図8図6の線8-8の周囲で取られた吸収性物品の断面図である。
図9】例示的な吸収性コア又は吸収性物品の平面図である。
図10図9の吸収性コアの線10-10の周囲で取られた断面図である。
図11図10の吸収性コアの線11-11の周囲で取られた断面図である。
図12】生理用ナプキンである本開示の例示的な吸収性物品の平面図である。
図13A】衣類対向面が観察者に向いている状態の、グラフィックを含むバックシートの平面図である。
図13B】衣類対向面が観察者に向いている状態の、グラフィックを含むバックシートの平面図である。
図14】着用者対向面が観察者に向いている状態の、グラフィックを含むバックシートの平面図である。
図15】エンボス加工パターンを含む外側カバー材料の平面図である。
図16】エンボス加工パターンを含むトップシートの平面図である。
図17A】衣類対向面が観察者に向いている状態の、1つ以上のグラフィックを含むバックシートの平面図である。
図17B】エンボス加工パターンを含む外側カバー材料の平面図である。
図17C図17Aのバックシートを覆う図17Bの外側カバー材料を含む外側カバー材料バックシート積層体の平面図である。
図18A】着用者対向面が観察者に向いている状態の、1つ以上のグラフィックを含むバックシートの平面図である。
図18B】エンボス加工パターンを含むトップシートの平面図である。
図18C図18Aのバックシートを覆う図18Bのトップシートを含むトップシートバックシート積層体の平面図である。
図19】平坦に広げられた状態にある、着用者対向面が観察者に向いた、複数のアパーチャを含むトップシートを含む吸収性物品の平面図である。
図20】衣類対向面が観察者に向いている状態の、複数のアパーチャを含む外側カバー材料の平面図である。
図21】バックシートのステッチ状のパターンの例である。
図22】バックシートのステッチ状のパターンの例である。
図23】バックシートのステッチ状のパターンの例である。
図24】1つ以上の視覚的に鮮明なグラフィックを含む液体不透過性バックシートの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で開示される高度に認識可能なパターン及び鮮明なグラフィックを示す積層体を有する吸収性物品の構造、機能、製造、及び使用の原理についての全体的な理解を与えるため、本開示の様々な非限定的な形態がここで説明される。これらの非限定的な形態の1つ又は2つ以上の実施例を添付の図面に示す。本明細書に記載される高度に認識可能なパターン及び鮮明なグラフィックを示す積層体を有し、添付の図面に示された吸収性物品は、非限定的な例示のための形態であることが、当業者には理解されよう。1つの非限定的な形態に関して示される、又は説明される特徴は、他の非限定的な形態の特徴と組み合わせることができる。このような改変及び変形は、本開示の範囲に含まれるものとする。
【0011】
吸収性物品の概説
テープ式おむつの形態で示されている本開示による例示的な吸収性物品10を図1図3に示す。図1は、衣類対向面2が観察者に向いており、平坦に広げられた状態の(すなわち、弾性収縮がない)、例示的な吸収性物品10の平面図である。図2は、平らに広げられた状態で着用者対向面4が観察者に面している、図1の例示的な吸収性物品10の平面図である。図3は、締着形態にある図1及び図2の吸収性物品10の正面斜視図である。本開示は、例えば、成人用失禁製品、パンツ、又は生理用ナプキン及び吸収性パッドなどの他の吸収性物品などの、多種多様なおむつを作製するのに使用され得るため、図1図3の吸収性物品10は、例示目的のみで示されている。
【0012】
吸収性物品10は、前側腰部領域12と、股部領域14と、後側腰部領域16と、を含み得る。股部領域14は、前側腰部領域12と後側腰部領域16との中間に延び得る。前側腰部領域12、股部領域14、及び後側腰部領域16は、それぞれ吸収性物品10の長さの3分の1とすることができる。吸収性物品10は、前端縁部18と、前端縁部18とは反対側の後端縁部20と、長手方向に延び、シャーシ52によって画定される、横断方向に対向する側縁部22及び24と、を含み得る。
【0013】
吸収性物品10は、液体透過性トップシート26と、液体不透過性バックシート28と、トップシート26とバックシート28との中間に少なくとも部分的に配置された吸収性コア30と、を含み得る。吸収性物品10はまた、弾性体33を有する若しくは有さない一対以上のバリアレッグカフ32、一対以上の脚部弾性体34、1つ又は2つ以上の弾性ウエストバンド36、及び/又は1つ又は2つ以上の捕捉材料38を含むことができる。捕捉材料(複数可)38は、トップシート26と吸収性コア30との中間に配置することができる。不織布材料などの外側カバー材料40が、バックシート28の衣類対向面を被覆してもよい。吸収性物品10は、後側腰部領域16に後耳部42を含むことができる。後耳部42は締結具46を含んでもよく、吸収性物品10の後側腰部領域16から延び、吸収性物品10の前側腰部領域12の衣類対向部分のランディング区域エリア又はランディング区域材料44に(締結具46を使用して)取り付けられ得る。吸収性物品10はまた、前側腰部領域12に前耳部47を有することができる。吸収性物品10は、中央横方向(又は横断方向)軸48と、中央長手方向軸50と、を有することができる。中央横方向軸48は、中央長手方向軸50に対して垂直に延びる。
【0014】
他の例では、吸収性物品は、恒久的又は再締結可能なサイドシームを有するパンツの形態であってもよい。好適な再締結可能なシームは、米国特許出願公開第2014/0005020号及び米国特許第9,421,137号に開示されている。図4図8を参照すると、パンツ形態の例示的な吸収性物品10が例示されている。図4は、吸収性物品10の正面斜視図である。図5は、吸収性物品10の背面斜視図である。図6は、衣類対向面が観察者に面するようにして平らに広げられた吸収性物品10の平面図である。図1図3に関連して上述したものと同一の参照番号を有する図4図8の要素は、同一の要素(例えば、吸収性コア30)であってもよい。図7は、図6の線7-7の周囲で取られた、吸収性物品の例示的な断面図である。図8は、図6の線8-8の周囲で取られた、吸収性物品の例示的な断面図である。図7及び図8は、前側ベルト54及び後側ベルト56の例示的な形態を例示する。吸収性物品10は、前側腰部領域12と、股部領域14と、後側腰部領域16と、を有し得る。領域12、14、及び16の各々は、吸収性物品10の長さの3分の1とすることができる。吸収性物品10は、図1図3に関して上述したものと類似の、トップシート26と、バックシート28と、トップシート26とバックシート28との中間に少なくとも部分的に配置された吸収性コア30と、任意選択の捕捉材料38と、を含むシャーシ52(中心シャーシ又は中心パネルと呼ばれることもある)を有することができる。吸収性物品10は、前側腰部領域12の前側ベルト54と、後側腰部領域16の後側ベルト56と、を含み得る。シャーシ52は、前側ベルト54及び後側ベルト56の着用者対向面4、又はベルト54、56の衣類対向面2に接合することができる。前側ベルト54の側縁部23及び25は、後側ベルト56の側縁部27及び29にそれぞれ接合されて、2つのサイドシーム58を形成することができる。サイドシーム58は、例えば、突き合わせシーム又は重なり合いシームなど、当業者に既知の任意の適切なシームとすることができる。サイドシーム58が恒久的に形成されるか又は再締結可能に閉じられると、パンツ形態の吸収性物品10は、2つの脚部開口部60及び腰部開口外周部62を有する。サイドシーム58は、例えば、接着剤若しくはボンドを使用して恒久的に接合されてもよく、又は例えば、フックアンドループ式締結具を使用して再締結可能に閉じられてもよい。
【0015】
ベルト
図7及び図8を参照すると、前側ベルト54及び後側ベルト56は、前側内側ベルト層66及び後側内側ベルト層67と、それらの間に少なくとも部分的に配置されたエラストマー材料(例えば、ストランド68又はフィルム(アパーチャ付きであってもよい))を有する前側外側ベルト層64及び後側外側ベルト層65と、を含んでもよい。弾性要素68又はフィルムは、吸収性コア30上の弾性歪みを低減するために弛緩(切断されることを含む)されてもよく、又は代替的に、吸収性コア30を横断して連続的に通っていてもよい。弾性要素68は、ベルトの任意の部分において、それらの間に均一又は可変の間隔を有することができる。弾性要素68はまた、同一量又は異なる量の予歪みも受けていてもよい。前側ベルト54及び/又は後側ベルト56は、シャーシ52がベルト54、56と重なり合う、1つ又は2つ以上の弾性要素を含まないゾーン70を有してもよい。他の例では、弾性要素68のうちの少なくともいくつかは、シャーシ52を横断して連続的に延びてもよい。
【0016】
前側内側ベルト層66及び後側内側ベルト層67、並びに前側外側ベルト層64及び後側外側ベルト層65は、接着剤、熱ボンド、圧力ボンド、又は熱可塑性ボンドを使用して接合することができる。様々な好適なベルト層構成は、米国特許出願公開第2013/0211363号に見出され得る。
【0017】
前側ベルト端縁部55及び後側ベルト端縁部57は、前側シャーシ端縁部19及び後側シャーシ端縁部21(図6に示される)を越えて長手方向に延びてよく、又はそれらは同一末端であってもよい。前側及び後側ベルト側縁部23、25、27、及び29は、シャーシ側縁部22及び24を越えて横方向に延びてもよい。前側ベルト54及び後側ベルト56は、ベルト側縁部からベルト側縁部まで(例えば、23から25まで及び27から29までの横断方向距離)連続的であってもよい(すなわち、連続的である少なくとも1つの層を有する)。代替的に、前側ベルト54及び後側ベルト56は、それらが別個となるように、ベルト側縁部からベルト側縁部まで(例えば、23から25まで及び27から29までの横断方向距離)不連続的であってもよい。
【0018】
米国特許第7,901,393号に開示されるように、後側ベルト56の長手方向長さ(中央長手方向軸50に沿った)は、前側ベルト54の長手方向長さより長くてもよく、このことは、後側ベルト56がサイドシーム58に隣接するか又はすぐ隣接する前側ベルト54と比べて、より大きい長手方向長さを有するときに、増加した臀部適用範囲に特に有用であり得る。
【0019】
前側外側ベルト層64及び後側外側ベルト層65は、各層が別個となるように互いから分離されてもよく、又は代替的に、これらの層は、層が前側ベルト端縁部55から後側ベルト端縁部57まで連続的に通るように連続的であってもよい。これは、前側内側ベルト層66及び後側内側ベルト層67にも当てはまることができ、すなわち、それらは、長手方向にも別個であってもよく、又は連続的であってもよい。さらに、前側内側ベルト層66及び後側内側ベルト層67を長手方向に別個とする一方で、前側外側ベルト層64及び後側外側ベルト層65を長手方向に連続的としてもよく、その結果、間隙がそれらの間に形成される(前側外側ベルト層64と後側外側ベルト層65との間の間隙、及び前側内側ベルト層66と後側内側ベルト層67との間の間隙は図7に示され、前側内側ベルト層66と後側内側ベルト層67との間の間隙は図8に示される)。
【0020】
前側ベルト54及び後側ベルト56は、増加した通気性、柔軟性、及び衣服のような質感を提供するスリット、穴、及び/又は穿孔を含んでもよい。下着様の外観は、サイドシーム58(図4及び図5を参照)の位置で腰部及び脚部縁部を実質的に整列させることによって向上させることができる。
【0021】
前側ベルト54及び後側ベルト56はグラフィックを含んでもよい(例えば図1の78を参照)。グラフィックは、吸収性物品10の全周の周りに実質的に延びてもよく、またサイドシーム58全体に、かつ/又は近位前側ベルトシーム15及び後側ベルトシーム17全体に配置してもよく、あるいは、米国特許第9,498,389号に記載される方法でシーム58、15、及び17に隣接して配置することで、より下着らしい物品とすることができる。グラフィックはまた、不連続であってもよい。
【0022】
代替的に、ベルト54及び56をシャーシ52に取り付けてパンツを形成する代わりに、個別のサイドパネルがシャーシ22及び24の側縁部に取り付けられてもよい。別個のサイドパネルを含む好適な形態のパンツは、米国特許第6,645,190号、同第8,747,379号、同第8,372,052号、同第8,361,048号、同第6,761,711号、同第6,817,994号、同第8,007,485号、同第7,862,550号、同第6,969,377号、同第7,497,851号、同第6,849,067号、同第6,893,426号、同第6,953,452号、同第6,840,928号、同第8,579,876号、同第7,682,349号、同第7,156,833号、及び同第7,201,744号に記載されている。
【0023】
トップシート
トップシート26は、吸収性物品10のうちの着用者の皮膚に直接接触する部分である。トップシート26は、当業者には既知であるように、バックシート28、吸収性コア30、バリアレッグカフ32、及び/又は任意の他の層の部分に接合することができる。トップシート26は、着用者の皮膚に対して適合性があり、柔らかい感触であり、かつ非刺激性のものとすることができる。さらに、トップシートの少なくとも一部分又はその全体を液体透過性とすることができ、これにより液状の身体の滲出物がその厚みを通して容易に浸透する。好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網目状発泡体、アパーチャ加工されたプラスチックフィルム、織布材料、不織布材料、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維又はフィラメント(例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは二成分PE/PP繊維、又はこれらの混合物)、あるいは天然繊維と合成繊維との組み合わせの、織布材料又は不織布材料などの、幅広い範囲の材料から製造されてもよい。トップシートは1つ以上の層を有してもよい。トップシートは、以下でさらに論じられるように、アパーチャ付き(図2、要素31)であってもよく、かつ/又は複数のエンボス(例えば、接合パターン)を有してもよい。トップシートは、任意の好適な三次元的特徴を有し得る。トップシートの任意の部分は、スキンケア組成物、抗菌剤、界面活性剤、及び/又はその他の有益な薬剤でコーティングされてもよい。トップシートは、親水性又は疎水性であってもよく、あるいは、親水性部分若しくは親水性層及び/又は疎水性部分若しくは疎水性層を有していてもよい。トップシートが疎水性である場合、身体の滲出物がトップシートを通過し得るように、典型的にはアパーチャが存在することになる。
【0024】
トップシートは、アパーチャ及び/又はエンボスのパターン(複数可)を含み得、本開示の利点のうちの1つ以上を達成するためにバックシート上の1つ以上のグラフィックの上方に位置付けられ得る。
【0025】
バックシート
バックシート28は、一般には、吸収性物品10のうちの、吸収性コア30の衣類対向面に近接して位置付けられる部分である。バックシート28は、当業者に既知の任意の取り付け方法によって、トップシート26、外側カバー材料40、吸収性コア30、及び/又は吸収性物品の任意のその他の層の部分に接合することができる。バックシート28は、吸収性コア10に吸収され閉じ込められた身体排泄物が、ベッドシーツ、下着、及び/又は衣服などの物品を汚すことを防止するか、又は少なくとも抑制する。バックシートは典型的には、液体不透過性であるか、又は少なくとも実質的に液体不透過性である。バックシートは、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムであるか、又はこれを含んでもよい。その他の適切なバックシート材料は、吸収性物品から蒸気を逃がすことを可能にする一方で、依然として、身体の滲出物がバックシートを通過することを防止するか又は少なくとも抑制する、通気性材料を含んでもよい。バックシートは、本明細書でさらに説明されるように、着用者対向面及び/又は衣類対向面上に1つ以上のグラフィックを含み得る。
【0026】
外側カバー材料
外側カバー材料(バックシート不織布と呼ばれることもある)40は、バックシート28に接合されバックシート28を被覆する、1つ以上の不織布材料を含み得る。外側カバー材料40は、吸収性物品10の衣類対向面2の少なくとも一部分を形成し、フィルムが衣類対向面2上に存在しないように、バックシート28を効果的に「カバーする」。外側カバー材料40は、ボンドパターン、開口、及び/又は三次元特徴部を含んでもよい。
【0027】
外側カバー材料は、アパーチャ及び/又はエンボスのパターン(複数可)を含み得、また、本開示の利点のうちの1つ以上を達成するためにバックシート上の1つ以上のグラフィックの上方に位置付けられ得る。外側カバー不織布材料の1つ以上の部分は、1つ以上の一体型ランディングゾーンを含み得る。
【0028】
吸収性コア
本明細書で使用される場合、用語「吸収性コア」30は、最も大きい吸収能力を有し、かつ吸収性材料を含む、吸収性物品10の構成要素を指す。図9図11を参照すると、いくつかの例では、吸収性材料72をコアバッグ又はコアラップ74内に配置することができる。吸収性材料は、特有の吸収性物品に応じて、輪郭をつけてもつけなくてもよい。吸収性コア30は、コアラップと、吸収性材料72と、コアラップ内に封入された糊剤と、を含むか、本質的にこれらから構成されるか、又はこれらから構成され得る。吸収性材料は、超吸収性ポリマー、超吸収性ポリマーとエアフェルトとの混合物、エアフェルトのみ、並びに/又は高内相エマルジョンフォームを含むことができる。いくつかの例において、吸収性材料は、吸収性材料の少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、又は最大100重量%の超吸収性ポリマーを含むことができる。そのような例では、吸収性材料はエアフェルトを含まないものであっても、少なくともエアフェルトをほとんど含まないものであってもよい。吸収性コア周辺部は、コアラップの周辺部であり得るが、例えば矩形、「T」、「Y」、「砂時計」、又は「ドッグボーン」形状などの任意の好適な形状を画定することができる。略「ドッグボーン」又は「砂時計」の形状を有する吸収性コア周辺部は、その幅に沿って吸収性物品10の股部領域14に向かってテーパ状であり得る。
【0029】
図9図11を参照すると、吸収性コア30は、コアバッグ74の着用者対向面をコアバッグ74の衣類対向面と接合することができる、吸収性材料72をほとんど又は全く有さないエリアを有することができる。吸収性材料をほとんど又は全く有さないこれらのエリアは、「チャネル」76と称され得る。これらのチャネルは、任意の好適な形状として具体化することができ、任意の好適な数のチャネルを設けることができる。他の例では、吸収性コアにエンボス加工を施して、チャネルのくぼみをつけることができる。図9図11の吸収性コアは、単なる例示的な吸収性コアである。チャネルを有する又は有しない多くの他の吸収性コアも本開示の範囲内である。
【0030】
バリアレッグカフ/脚部弾性体
例えば、図1及び図2を参照すると、吸収性物品10は、一対以上のバリアレッグカフ32及び一対以上の脚部弾性体34を含むことができる。バリアレッグカフ32は、脚部弾性体34の横方向内側に配置することができる。各バリアレッグカフ32は、吸収性物品10の着用者対向面4から上方向に延び、かつ着用者の胴部と脚部との接合部付近で改善された身体排泄物の閉じ込めを提供することができるように、吸収性物品10に結合される一片の材料によって形成することができる。バリアレッグカフ32は、トップシート及び/又はバックシートに直接又は間接的に接合された近位縁部と、着用者の皮膚に接触し皮膚との封止部を形成することが意図された自由末端縁部と、によって境界が定められる。バリアレッグカフ32は、中央長手方向軸50の両側で吸収性物品10の前端縁部18と後端縁部20との間に少なくとも部分的に延びてよく、少なくとも股部領域14に存在してよい。バリアレッグカフ32は各々、自由末端縁部付近又は自由末端縁部に、1つ又は2つ以上の弾性体33(例えば、弾性ストランド又はストリップ)を含むことができる。これらの弾性体33により、バリアレッグカフ32は、着用者の脚部及び胴部の周囲に封止部を形成する助けとなる。脚部弾性体34は、少なくとも部分的に前端縁部18と後端縁部20との間に延びる。脚部弾性体34により、本質的に、シャーシ側縁部22、24に近接している吸収性物品10の部分は、着用者の脚部の周囲に封止部を形成する助けとなる。脚部弾性体34は、少なくとも股部領域14内に延びていてよい。
【0031】
弾性ウエストバンド
図1及び図2を参照すると、吸収性物品10は、1つ以上の弾性ウエストバンド36を含むことができる。弾性ウエストバンド36は、衣類対向面2又は着用者対向面4上に配置することができる。一例として、第1の弾性ウエストバンド36は、前側腰部領域12の前側ベルト端縁部18付近に存在してよく、第2の弾性ウエストバンド36は、後側腰部領域16の後端縁部20付近に存在してよい。弾性ウエストバンド36は、着用者の腰部の周囲で吸収性物品10を封止し、少なくとも身体の滲出物が腰部開口部外周部を通って吸収性物品10から漏れ出るのを防ぐのを助けることができる。いくつかの例では、弾性ウエストバンドは、吸収性物品の腰部開口外周部を完全に包囲してよい。ウエストバンドの不織布は、アパーチャ及び/又はエンボスのパターン(複数可)を含み得、また、本開示の利点のうちの1つ以上を達成するためにバックシート上の1つ以上のグラフィックの上方に位置付けられ得る。
【0032】
捕捉材料
図1図2図7、及び図8を参照すると、1つ又は2つ以上の捕捉材料38が、トップシート26と吸収性コア30との中間に少なくとも部分的に存在してもよい。捕捉材料38は、典型的には、身体排泄物の著しいウィッキングを提供する親水性材料である。これらの材料は、トップシート26を脱水し、身体の滲出物を吸収性コア30内へ迅速に移動させることができる。捕捉材料38は、例えば、1つ以上の不織布材料、発泡体、セルロース材料、架橋セルロース材料、エアレイドセルロース不織布材料、スパンレース材料、又はこれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの例では、捕捉材料38の一部はトップシート26の一部を通って延びてもよく、トップシート26の一部は捕捉材料38の一部を通って延びてもよく、かつ/又はトップシート26は捕捉材料38と入れ子にされてもよい。典型的には、捕捉材料38は、トップシート26の幅及び長さよりも小さい幅及び長さを有し得る。捕捉材料は、女性用パッドの文脈で、二次トップシートとすることができる。捕捉材料は、吸収性コア30に関して上述したように、1つ又は2つ以上のチャネルを有し得る(エンボス版も含む)。捕捉材料のチャネルは、吸収性コア30のチャネルと位置合わせされていても位置合わせされていなくてもよい。一例において、第1の捕捉材料は、不織布材料を含んでよく、第2の捕捉材料は、架橋セルロース材料を含んでよい。
【0033】
ランディング区域
図1及び図2を参照すると、吸収性物品10は、外側カバー材料40の衣類対向面2の一部分に形成されるランディングゾーンエリア44を有してもよい。ランディングゾーンエリア44は、吸収性物品10が前側から後側に締結される場合は後側腰部領域16に配置することができ、又は吸収性物品10が後側から前側に締結される場合は前側腰部領域12に配置することができる。いくつかの例において、ランディングゾーン44は、吸収性物品が前側で締結されるか又は後側で締結されるかに応じて、前側腰部領域12又は後側腰部領域16の外側カバー材料40の一部分に取り付けられる1つ以上の別個の不織布材料であってよく、又はそれを含んでもよい。本質的に、ランディングゾーン44は、締結具46を受けるように構成され、例えば、締結具46の複数のフックと係合されるように構成された複数のループを含んでもよく、又は逆もまた同様である。
【0034】
ランディングゾーンは、アパーチャ及び/又はエンボスのパターン(複数可)を含み得、また、本開示の利点のうちの1つ以上を達成するためにバックシートの1つ以上のグラフィックの上方に位置付けられ得る。場合によっては、ランディングゾーンは、外側カバー不織布材料の一部分と一体であり得る。他の例では、ランディングゾーンは、個別の構成要素(複数可)であり得る。
【0035】
湿り度インジケータ/グラフィック
図1を参照すると、本開示の吸収性物品10は、衣類対向面2から目視可能な、グラフィック78及び/又は湿り度インジケータ80を含んでよい。グラフィック78は、ランディングゾーン40、バックシート28、及び/又はその他の位置に印刷され得る。湿り度インジケータ80は、典型的には、吸収性コア30内で身体排泄物と接触し得るように、バックシート28の吸収性コア対向面に適用される。いくつかの例では、湿り度インジケータ80は、グラフィック78の一部を形成してもよい。例えば、湿り度インジケータは、現れるか又は消えることができ、特定のグラフィック内に文字を形成/除去することができる。他の例では、湿り度インジケータ80は、グラフィック78と調和してもよく(例えば、同一デザイン、同一パターン、同一色)、又は調和していなくてもよい。湿り度インジケータの少なくとも一部分は、本明細書に開示されるグラフィックのうちの1つ以上によって形成され得る。
【0036】
前耳部及び後耳部
図1及び図2を参照すると、上記で参照したように、吸収性物品10は、テープ式おむつの関連で、前耳部47及び/又は後耳部42を有することができる。ほとんどのテープ式おむつでは、一組の耳部のみが必要とされ得る。一組の耳部は、ランディング区域又はランディング区域エリア44と係合するように構成された締結具46を含むことができる。二組の耳部が提供される場合、ほとんどの例では、一組の耳部のみが締結具46を有し、他方の組は締結具がなくてよい。耳部又はその一部は、弾性であってもよいし、又は弾性パネルを有してもよい。一例では、弾性フィルム又は弾性ストランドは、第1の不織布材料と第2の不織布材料との中間に配置することができる。弾性フィルムはアパーチャ加工されていてもよいしされていなくてもよい。耳部は、成形されてもよい。耳部は一体型(例えば、外側カバー材料40、バックシート28、及び/又はトップシート26の延長)であってもよく、あるいは吸収性物品のシャーシ52の着用者対向面4上、衣類対向面2上、又は2つの表面4、2の中間に取り付けられた別個の構成要素であってもよい。
【0037】
センサ
再び図1を参照すると、本開示の吸収性物品は、吸収性物品10内の変化を監視するためのセンサシステム82を含んでもよい。センサシステム82は、吸収性物品10と別個であってもよく、あるいは一体であってもよい。吸収性物品10は、尿及び/又は便などの身体排泄物の発生に伴う吸収性物品10の様々な態様を感知することができるセンサを含むことができる(例えば、センサシステム82は、温度、湿度、アンモニア又は尿素の存在、排泄物(尿及び便)の様々な蒸気成分、吸収性物品の衣類対向層の透湿性の変化、衣類対向層の半透明性の変化、及び/又は衣類対向層の色の変化などの変動を感知することができる)。加えて、センサシステム82は、アンモニア若しくは尿素などの尿の成分、及び/又はこれらの成分と吸収性物品10との反応に起因する副生成物を感知することができる。センサシステム82は、尿が吸収性物品10の他の成分(例えば、接着剤、agm)と混ざり合ったときに生じる副生成物を感知することができる。感知されるこれらの成分又は副生成物は、衣類対向層を通過することができる蒸気として存在し得る。また、尿又は便と混ざり合うと、状態(例えば、色、温度)を変化させる、又は測定可能な副生成物が生じる反応物質を、吸収性物品に入れることが望ましい場合がある。センサシステム82は、pH、圧力、臭気、ガスの存在、血液、化学マーカー若しくは生物学的マーカー、又はこれらの組み合わせの変化も感知し得る。センサシステム82は、吸収性物品からより遠位にある、例えばiPhoneなどの受信機に信号を送信する構成要素を、吸収性物品上に又はこれに近接して有してよい。受信機は、吸収性物品10の状態を介護者に通信する結果を出力することができる。他の例では、受信機が提供されなくてもよいが、代わりに吸収性物品10の状態が吸収性物品上のセンサから視覚的又は聴覚的に明らかとなるようにしてもよい。
【0038】
パッケージ
本開示の吸収性物品はパッケージに入れてもよい。パッケージは、高分子フィルム及び/又は他の材料を含み得る。吸収性物品の特性に関する図形及び/又は目印は、パッケージの外側部分に形成され、印刷され、位置付けられ、及び/又は配置されてよい。各パッケージは、複数の吸収性物品を含んでもよい。吸収性物品は、パッケージのサイズを小さくする一方で、1パッケージ当たりに適切な数の吸収性物品を提供するように、圧縮下で包装することができる。吸収性物品を圧縮下で包装することによって、介護者はパッケージを容易に扱い、保管することができると共に、パッケージのサイズによる流通コストの削減を製造業者にもたらすこともできる。
【0039】
生理用ナプキン
図12を参照すると、本開示の吸収性物品は生理用ナプキン110であってもよい。生理用ナプキン110は、液体透過性トップシート114と、液体不透過性又は実質的に液体不透過性のバックシート116と、吸収性コア118と、を含んでもよい。液体不透過性バックシート116は、蒸気透過性であってもなくてもよい。吸収性コア118は、吸収性コア30に関して本明細書で説明される特徴のいずれか又は全部を有してよく、いくつかの形態では、上記で開示した捕捉材料の代わりに二次トップシート119(STS)を有してよい。STS119は、上述したように、1つ又は2つ以上のチャネルを含み得る(エンボス変形例を含む)。いくつかの形態において、STS119のチャネルは、吸収性コア118のチャネルと位置合わせされ得る。また、生理用ナプキン110は、生理用ナプキン110の長手方向軸180に対して外向きに延びる羽根120を含んでもよい。生理用ナプキン110はまた、横方向軸190を含むことができる。羽根120は、トップシート114、バックシート116、及び/又は吸収性コア118に接合することができる。生理用ナプキン110はまた、前縁部122と、前縁部122と長手方向の反対側に位置する後縁部124と、第1の側縁部126と、第1の側縁部126と長手方向の反対側に位置する第2の側縁部128と、を含み得る。長手方向軸180は、前縁部122の中点から後縁部124の中点まで延びてもよい。横方向軸190は、第1の側縁部128の中点から第2の側縁部128の中点まで延びてもよい。生理用ナプキン110は、当該技術分野では既知のように、生理用ナプキンに一般的に見出される追加の特徴も備えてもよい。
【0040】
生理用ナプキンは、本開示の利点のうちの1つ以上を達成するためにバックシート上に配置された1つ以上のグラフィックの上方に位置付けられたアパーチャ及び/又はエンボスのパターン(複数可)を含むトップシートを含み得る。一例では、パターンと1つ以上のグラフィックとの重なり合いは、羽根内で発生し得る。吸収性コア又は二次トップシートは、羽根に存在しない場合があるため、羽根内のトップシートパターンの知覚が改善され得る。
【0041】
吸収性物品構成要素のためのバイオベース成分
本明細書に記載されている使い捨て吸収性物品(すなわち、おむつ、使い捨てパンツ、成人用失禁物品、生理用ナプキン、パンティライナーなど)の構成要素は、2007年9月20日公開のHirdらによる米国特許出願公開第2007/0219521(A1)号、2011年6月16日公開のHirdらによる米国特許出願公開第2011/0139658(A1)号、2011年6月16日公開のHirdらによる米国特許出願公開第2011/0139657(A1)号、2011年6月23日公開のHirdらによる米国特許出願公開第2011/0152812(A1)号、2011年6月16日公開のHirdらによる米国特許出願公開第2011/0139662(A1)号、及び2011年6月16日公開の米国特許出願公開第2011/0139659(A1)号に記載されているバイオ源含有物から少なくとも部分的に構成され得る。これらの構成要素としては、トップシート不織布、バックシートフィルム、バックシート不織布、サイドパネル不織布、バリアレッグカフ不織布、超吸収体、不織布捕捉層、コアラップ不織布、接着剤、ファスナーフック、及び締結具ランディングゾーン不織布、並びにフィルムベースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
いくつかの形態では、使い捨て吸収性物品の構成要素は、ASTM D6866-10の方法Bを使用して、約10%~約100%、別の実施形態では、約25%~約75%、さらに別の実施形態では、ASTM D6866-10の方法Bを使用して、約50%~約60%のバイオベース含有量値を含む。
【0043】
ASTM D6866-10の方法論を適用して、任意の使い捨て吸収性物品の構成要素のバイオベース含有量を決定するために、使い捨て吸収性物品の構成要素の代表的試料を、試験用に得る必要がある。ある形態では、使い捨て吸収性物品の構成要素を、既知の粉砕方法(例えば、Wiley(登録商標)ミル)を用いて、約20メッシュ未満の微粒子に粉砕し、ランダムに混合された粒子から好適な質量の代表的試料を取り出すことができる。
【0044】
積層体
本開示の積層体は、外側カバー材料、ランディングゾーン、及び/又は、パターンを含む、本明細書で論じられるようなトップシート、並びに、その衣類対向面及び/又は着用者対向面上に配設された1つ以上のグラフィックを含むバックシートを含み得る。バックシート上に配設された1つ以上のグラフィックは、外側カバー材料及び/又はトップシートが1つ以上のグラフィックと重なり合うとき、外側カバー材料、ランディングゾーン、及び/又はトップシート上に形成されたパターンの知覚を大幅に増加させる。積層体はまた、他の材料を含み得る。外側カバー材料、ランディングゾーン、及び/又はトップシートのパターンの一部分又はすべては、1つ以上のグラフィックの一部分又はすべてに重なり合い得る。一例の積層体は、バックシートの衣類対向面上に印刷された1つ以上のグラフィックを有するバックシートフィルム上に位置付けられた外側カバー材料である。別の例は、バックシートの着用者対向面上に印刷された1つ以上のグラフィックを有するバックシートフィルム上に位置付けられたトップシートである。場合によっては、トップシートは、少なくとも生理用ナプキンの羽根内において、バックシートフィルムの1つ以上のグラフィックと重なり合って積層体を形成し得る。さらに別の例では、積層体は、バックシートの衣類対向面上に印刷された1つ以上のグラフィックを有するバックシートフィルム上に位置付けられたランディングゾーンである。ランディングゾーンは、外側カバー不織布材料の一部分と一体であり得る。
【0045】
以下でさらに考察されるように、外側カバー材料、ランディングゾーン、及び/又はトップシートのアパーチャ及び/又はエンボスのパターンは、認識可能な個別の印を形成し得る。外側カバー材料、ランディングゾーン、及び/又はトップシートのパターン、並びにバックシートの1つ以上のグラフィックは、個々の認識可能な個別の印のエリアがバックシートの1つ以上のグラフィックのエリアよりも小さくなり得るようにサイズ決めされ得る。そのような場合、少なくとも1つの認識可能な個別の印のエリア全体は、1つ以上のグラフィックの一部分と重ね合わされ得るが、印全体が1つ以上のグラフィックによって強調表示されるため、個々の認識可能な個別の印が、より良好に知覚されることが可能となる。外側カバー材料、ランディングゾーン、及び/又はトップシートのパターン、並びにバックシートの1つ以上のグラフィックは、個々の認識可能な個別の印のエリアがバックシートの1つ以上のグラフィックのエリアよりも大きく、あるいはそれと同じとなり得るようにサイズ決めされ得る。
【0046】
バックシートグラフィック
積層体のバックシートは、1つ以上のグラフィックを含み得る。本明細書で使用するとき、「グラフィック」(複数可)という用語は、バックシートのうちの着色されたエリアを指す。カラーは、バックシート又はその一部分を染色することによって、バックシートの表面上にインクを適用することによって、例えば、バックシートの表面上に印刷することによって、バックシート又はその一部分に顔料を組み込むことによって、あるいは当該技術分野で既知の色を適用する任意の他の方法によって、バックシート上で実現され得る。「グラフィック」は、デザインの描写、数字、文字、単語、ブランド名、アイコン、ロゴ、キャラクタ、湿り度インジケータ、前面/背面表示、任意の形状及び/又は記号(例えばハート、雲、動物など)などの一部分又はすべて、並びにバックシートの表面又は表面の一部分にわたる顔料の完全なフラッドを含み得る。「グラフィック」はまた、例えば、センサの形状と一致する破線の輪郭など、センサが吸収性物品に取り付けられるべき場所を示すための可視配置印を含み得る。
【0047】
1つ以上のグラフィックは、バックシートの着用者対向面及び/又は衣類対向面上に位置付けられ得る。図13A及び図13Bは、衣類対向面1300上に1つ以上のグラフィック1302を含み、衣類対向面1300が観察者に向いている状態の、バックシート28の平面図である。図14は、着用者対向面上の1つ以上のグラフィック1402を含み、着用者対向面1400が観察者に向いている状態の、バックシートの平面図である。吸収性物品は、おむつ、トレーニングパンツ、又は成人用失禁物品であり得る。別の例では、図12に示されるように、吸収性物品は、生理用ナプキンであり、着用者対向面130及び/又はバックシート116の衣類対向面は、1つ以上のグラフィック1402を含む。1つ以上のグラフィック1402は、例えば、羽根120内などの任意の場所においてバックシート116上に位置付けられ得る。1つ以上のグラフィック1402はまた、バックシート116の他の場所に位置付けられ得る。
【0048】
バックシートの1つ以上のグラフィックは、任意の1つの色又は色の任意の組み合わせを含み得る。その色及び/又はそれらの色は、本明細書に記載のバックシートグラフィック色試験方法に従って、彩度値によって特徴付けられ得る。彩度値は、バックシートグラフィックにおける鮮やかさ又は鮮明度の尺度である。その色及び/又はそれらの色は、本明細書におけるバックシートグラフィック色試験に従って、L、a、b値によって特徴付けられ得る。L、a、bカラースケールは、明度(L)、赤色度-緑色度(a)、及び黄色度-青色度(b)の測定値を利用して色を特徴付けるものである。その色及び/又はそれらの色はまた、Pantoneカラーシステムによって特徴付けられ得る。Pantoneカラーシステムは、色番号付けシステムを使用して色を識別及び照合する。
【0049】
バックシートの1つ以上のグラフィックは、視覚的に鮮明な色(複数可)を含み得る。視覚的に鮮明な色(複数可)を含む1つ以上のグラフィックは、特定の範囲の彩度値、L、a、b値、及び/又はPantone値を示すことによって特徴付けられ得る。視覚的に鮮明な色を含む1つ以上のグラフィックの一部分が、本明細書に記載のバックシートグラフィック色試験方法に従って、また指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての0.5の増分を具体的に列挙して、約8~約130、約8~約100、約8~約90、約8~約80、約10~約95、約10~約90、約15~約80、約20~約75、約10~約60、約10~約50、約10~約45、約19~約45、又は約13~約45の範囲の彩度値を示し得る。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシートグラフィック色試験方法に従って、また指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての0.5の増分を具体的に列挙して、95未満、約0~約95、約5~約95、約8~約95、約15~約95、約25~約95、約40~約95、約50~約95、約60~約95、又は約65~約95のL値を示し得る。視覚的に鮮明な色を含む1つ以上のグラフィックを含むバックシートは、本明細書でさらに考察されるように、上方に位置する外側カバー材料及び/又はトップシートのパターン又はパターンの一部分がより顕著に出現することを可能にし得る。視覚的に鮮明な色を含む1つ以上のグラフィックを含むバックシートはまた、外側カバー材料及び/又はトップシートを被せられたときにも、全体的に鮮明なバックシートグラフィックを提供し得る。
【0050】
本明細書のPantoneカラーシステムによって特徴付けられる視覚的に鮮明な色を含むグラフィックは、約5~約95の範囲のL値を有し得るか、あるいはL値は、95未満又は90未満であり得る。a値は、約-90~約90の範囲内にあり得、b値は、約-90~約90の範囲にあり得る。すべてのL、a、及びb値は、本明細書における不織布バックシート積層体色試験によるものであり、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内のすべての0.5の増分が具体的に列挙される。
【0051】
109のPantoneカラーであるグラフィックは、本明細書におけるバックシートグラフィック色試験方法に従って、また、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成される全範囲内のすべての0.5%の増分を具体的に列挙して、約5~約90、約8~約90、約18~約90、約18~約84、約27~約77、約37~約66、又は約47~約56の範囲の彩度値を有し得る。109のPantoneカラーであるグラフィックは、本明細書に記載のバックシートグラフィック色試験方法に従って、また、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成される全範囲内のすべての0.5の増分を具体的に列挙して、約86~約96の範囲内のL値、約0~約5の範囲内のa値、約18~約84の範囲内のb値を有し得る。
【0052】
171のPantoneカラーであるグラフィックは、本明細書に記載のバックシートグラフィック色試験方法に従って、また、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成される全範囲内のすべての0.5の増分を具体的に列挙して、約15~約80、約19~約75、約26~約65、約34~約57、又は約42~約49の範囲の彩度値を有し得る。171のPantoneカラーであるグラフィックは、本明細書におけるバックシートグラフィック色試験方法に従って、また、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成される全範囲内のすべての0.5の増分を具体的に列挙して、約60~約86の範囲内のL値、約15~約56の範囲内のa値、及び約13~48の範囲内のb値を有し得る。
【0053】
2965のPantoneカラーであるグラフィックは、本明細書におけるバックシートグラフィック色試験方法に従って、また、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成される全範囲内のすべての0.5の増分を具体的に列挙して、約5~約30、約7~約25、約7~約21、約8~約20、約11~約18、約13~約17、又は約13~約15の範囲の彩度値を有し得る。2965のPantoneカラーであるグラフィックは、本明細書におけるバックシートグラフィック色試験方法に従って、また、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成される全範囲内のすべての0.5の増分を具体的に列挙して、約14~約82の範囲内のL値、約-7~約-2の範囲内のa値、約-19~約-5の範囲内のb値を有し得る。
【0054】
3272のPantoneカラーであるグラフィックは、本明細書におけるバックシートグラフィック色試験方法に従って、また、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成される全範囲内のすべての0.5の増分を具体的に列挙して、約10~約70、約11~約65、約18~約65、約25~約55、約30~約50、約31~約46、又は約31~約40の範囲の彩度値を有し得る。3272のPantoneカラーであるグラフィックは、本明細書におけるバックシートグラフィック色試験方法に従って、また、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成される全範囲内のすべての0.5の増分を具体的に列挙して、約58~約89の範囲内のL値、約-60~約-12の範囲内のa値、約-11~約-3の範囲内のb値を有し得る。
【0055】
423のPantoneカラーであるグラフィックは、本明細書におけるバックシートグラフィック色試験方法に従って、また、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成される全範囲内のすべての0.5の増分を具体的に列挙して、約1~約5、約1~約3、約1~約2.5、約1~約2.2、約1~約2、約1~約1.5、又は約1~約1.4の範囲の彩度値を有し得る。423のPantoneカラーであるグラフィックは、本明細書におけるバックシートグラフィック色試験方法に従って、また、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成される全範囲内のすべての0.5の増分を具体的に列挙して、約58~約91の範囲内のL値、約-2~約-1の範囲内のa値、約-1~約0の範囲内のb値を有し得る。
【0056】
再び図13A図13B、及び図14を参照すると、バックシート28の衣類対向面1300及び/又は着用者対向面1400は、バックシート28のそれぞれの表面のエリア全体に対して約5%~約85%のグラフィックを含まないエリア1304、1404を含み得る。本明細書で使用される場合、「グラフィックを含まないエリア」という用語は、バックシート28の衣類対向面1300及び/又は着用者対向面1400のうちの、1つ以上のグラフィック1302、1402を示さないパーセントエリア(percent area)を指す。言い換えれば、グラフィックを含まないエリア1304、1404は、バックシート28の衣類対向面1300及び/又は着用者対向面1400のうちの、インク、染料(tint)、顔料、又は1つ以上のグラフィック1302、1402の任意の他の構成成分を含まない全エリアである。
【0057】
パターン付き外側カバー材料及びトップシート
本開示の吸収性物品の外側カバー材料及び/又はトップシートは、パターン(複数可)を含み得る。パターン(複数可)は、例えば、外側カバー材料及び/又はトップシートをエンボス加工及び/又はアパーチャ加工することによって形成され得る。パターンは、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての整数を具体的に列挙して、少なくとも1個かつ40個未満、少なくとも5個かつ25個未満、少なくとも8個かつ20個未満、又は少なくとも10個かつ15個未満の認識可能な個別の印を、外側カバー材料及び/又はトップシート内に形成し得る。認識可能な個別の印は、例えば、数字、文字、アイコン、ロゴ、任意の形状(例えば、ハート、雲、動物など)、及び1つの印(例えば、円のクラスタ)を形成する形状のグループなどの任意の認識可能な印であり得る。例えば、図15は、クマの形状をなす認識可能な個別の印1506を含むパターンを含む外側カバー材料40を示す。図16は、ウサギ及び雲の形状をなす認識可能な個別の印1606を含むパターンを含むトップシート26を示す。
【0058】
認識可能な個別の印は、吸収性物品からある距離をおいても印が依然として視覚的に認識可能となるようなサイズ、スケール、及び配置で外側カバー材料40及び/又はトップシート26に存在し得る。図15及び図16を参照すると、外側カバー材料40及び/又はトップシート26を横切って中央横方向軸48に平行に取られた任意の線は、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての整数を具体的に列挙して、約1個~約15個、約3個~約12個、又は約5個~約10個の認識可能な個別の印と重なり得る。単一の認識可能な個別の印が、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての0.5の増分を具体的に列挙して、約40mm~約7,500mm、約45mm~約7,400mm、約50mm~約7,300mm、約52mm~約7,250mmの範囲のエリアを有し得る。
【0059】
本開示によれば、外側カバー材料及び/又はトップシートのパターンは、バックシートの1つ以上のグラフィックと協調及び/又は補完し得る。例えば、バックシートの着用者対向面及び/又は衣類対向面は、特定の形状、デザイン、及び/又は印の形態をなす1つ以上のグラフィックを含み得、上方に位置する外側カバー材料及び/又はトップシートは、同じ形状、デザイン、及び/又は印のパターンを含み得る。一例では、1つ以上のグラフィックは、ハート(複数可)の形状をなし得、外側カバー材料及び/又はトップシート内のパターンは、同様にハート(複数可)の形状をなし得、またバックシートの一部分と重なり合ってもよい。別の例では、図16に示されるように、トップシート28又は外側カバー材料は、あるパターンを含み得るが、パターンの一部分は、ウサギの形状をなし得、また、図14に示されるように、ウサギの形状をなす1つ以上のグラフィック1402を含むバックシート28を被覆し得る。
【0060】
エンボス加工パターン
外側カバー材料40及び/又はトップシート26は、エンボス加工パターンを含み得る。本明細書で使用される場合、「エンボス」又は「エンボス加工された」という用語は、高密度化領域と非高密度化領域をもたらす材料の繊維の一部分の高密度化によって、材料中にパターンを形成することを指す。非高密度化領域は、ある量の厚みを保持し、高密度化領域に対して浮き彫りとなり得る。パターン(複数可)は、高密度化領域に対して、かつ/又は非高密度化領域に対して形成され得る。
【0061】
材料の連続的なウェブ又は個別のウェブをエンボス加工するための当業界で知られている任意のプロセスが、エンボス加工を生成するために用いられ得る。一般に、そのようなプロセスは、パターンを形成する突起を含むエンボスローラと圧力ローラを有する回転プロセスを利用するものである。そのようなプロセスでは、材料のウェブは、エンボスローラと圧力ローラとの間に画定されたニップを通して供給され得、ニップは、エンボス加工される材料の厚さよりも小さい幅を有する。突起がニップにおいて圧力ローラに接触することによって発生する圧力は、材料のウェブに1つ以上の高密度化領域を形成し得る。高密度化領域は、エンボスローラの突起からのパターンを取り得る。材料のウェブのうち、突起と接触することなくエンボスローラを通過する部分は、非高密度化領域となることができ、またその厚みの少なくとも一部又は全部を保持し得る。
【0062】
再び図15を参照すると、外側カバー材料40は、少なくとも1つの高密度化領域1502と少なくとも1つの非高密度化領域1504とを含むエンボス加工パターンを含み得る。図16を参照すると、トップシート26は、少なくとも1つの高密度化領域1602と少なくとも1つの非高密度化領域1604とを含むエンボス加工パターンを含み得る。高密度化領域1502、1602及び/又は非高密度化領域1504、1604の少なくとも一部分は、それぞれ、外側カバー材料40及び/又はトップシート26に認識可能な個別の印1506、1606を形成し得る。トップシート26及び/又は外側カバー材料40は、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての整数を具体的に列挙して、高密度化領域1502、1602及び/又は非高密度化領域1504、1604の少なくとも一部分から形成された少なくとも1個かつ40個未満、少なくとも5個かつ30個未満、少なくとも8個かつ25個未満、又は少なくとも10個かつ20個未満の認識可能な個別の印1506、1606を含み得る。
【0063】
外側カバー材料40及び/又はトップシート26は、それぞれの外側カバー材料40及び/又はトップシート26のエリア全体に対して、約5%~約40%、約10%~約30%、約10%~約25%の範囲の全高密度化領域エリアを含み得る。
【0064】
外側カバー材料及び/又はトップシートのエンボス加工パターンの高密度化領域の一部分は、バックシートの1つ以上のグラフィックの少なくとも一部分と重なり合ってもよい。高密度化領域は、非高密度化領域とは別様に、下方に位置する色を濾過し、バックシートのグラフィックと重なり合うエンボス加工パターンの高密度化領域の部分と非高密度化領域の部分との間の視覚的色コントラストをもたらし得る。理論に拘束されることを望むものではないが、特にエンボス加工パターンが比較的大きな認識可能な個別の印を含む場合、エンボス加工パターンの高密度化領域の部分と非高密度化領域の部分との間のコントラストを増加させる(例えば、デルタEを増加させる)ことは、そのような印の視覚的知覚の改善を可能にすると考えられる。一例では、外側カバー材料のエンボス加工パターンの一部分は、視覚的に鮮明な色を含む1つ以上のバックシートグラフィックと重なり合う。別の例では、トップシートのエンボス加工パターンの一部分は、視覚的に鮮明な色を含む1つ以上のバックシートグラフィックと重なり合う。
【0065】
図17Aは、衣類対向面1300が観察者に向いている、1つ以上のグラフィック1302を含むバックシートの平面図である。図17Bは、高密度化領域1502と非高密度化領域1504とを含むエンボス加工パターンを含む外側カバー材料40の平面図である。図17Cは、図17Aのバックシート28を覆う図17Bの外側カバー材料40を含む外側カバー材料バックシート積層体1700の平面図である。図17Cに示されるように、外側カバー材料40のエンボス加工パターンの高密度化領域1502の一部分は、バックシート28の衣類対向面1300の1つ以上のグラフィック1302の一部分と重なり合う。図18Aは、着用者対向面1400が観察者に向いている、1つ以上のグラフィック1402を含むバックシート28の平面図である。図18Bは、少なくとも1つの高密度化領域1602と、少なくとも1つの非高密度化領域1604とを含むエンボス加工パターンを含むトップシート26の平面図である。図18Cは、図18Aのバックシート28を覆う図18Bのトップシート26を含むトップシートバックシート積層体1800の平面図である。図18Cに示されるように、トップシート26のエンボス加工パターンの高密度化領域1602の一部分は、バックシート28の着用者対向面1400の1つ以上のグラフィック1402の一部分と重なり合う。再び図12を参照すると、生理用ナプキン110の液体透過性トップシート114、又はその一部分は、1つ以上の高密度化領域1602と1つ以上の非高密度化領域1604とを含むエンボス加工パターンを含み得る。高密度化領域1602の一部分又はすべては、1つ以上のグラフィック1402の一部分又はすべてと重なり合い得る。1つ以上のグラフィックの一部分にわたる1つ以上の高密度化領域の一部分の配置は、認識可能な個別の印を含むエンボス加工パターンの消費者知覚を改善し得る。1つ以上の高密度化領域と1つ以上のグラフィックの一部分との間の重なり合いのエリアは、第1の色値を有し得、1つ以上の非高密度化領域と1つ以上のグラフィックの一部分との間の重なり合いのエリアは、第2の異なる色値を有し得る。
【0066】
本開示の外側カバーバックシート積層体及び/又はトップシートバックシート積層体に関して言えば、1つ以上のグラフィックの第1の部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料及び/又はトップシートのエンボス加工パターンの高密度化領域を通して測定されるとき、第1のL、a、b色値を示し得る。1つ以上のグラフィックの第2の部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料及び/又はトップシートの非高密度化領域を通して測定されるとき、異なる第2のL、a、b色値を示し得る。非高密度化領域を通して測定された1つ以上のグラフィックの色知覚と比較した、高密度化領域を通して測定された1つ以上のグラフィックの色知覚間の差は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、デルタE値を計算することによって特徴付けられ得る。第1のL、a、b色値と第2のL、a、b色値との間のデルタE値は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、少なくとも2であり得る。第1のL、a、b色値と第2のL、a、b色値との間のデルタE値は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、また指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての0.1の増分を具体的に列挙して、約2~約50、約3.4~約40、約6~約35、又は約10~約25であり得る。2超、又は3.4超のデルタE値は、人間の眼によって知覚可能であり、1つ以上のグラフィックと重なり合うときに、外側カバー材料及び/又はトップシートのエンボス加工パターンを強調し、それによってパターンの知覚を向上させ得る。
【0067】
また、特定の色特性を有するグラフィック、又はグラフィックの一部分は、エンボス加工パターンの1つ以上の高密度化領域の少なくとも一部分の下に配設されたときに、エンボス加工パターンの視覚的知覚を改善し得ると考えられる。視覚的に鮮明な色を含むグラフィックは、曖昧化に抗い、外側カバー材料及び/又はトップシートを通して視認されるときの鮮明なグラフィック知覚を提供し得る。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料及び/又はトップシートのエンボス加工パターンの1つ以上の高密度化領域を通して測定されたとき、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての1.0の増分を具体的に列挙して、約0~約95、約5~約93、又は約10~約90の範囲の第1のL色値、約-128~約128、約-90~約90、約-75~約80、又は約-65~約60の範囲の第1のa色値、及び、約-120~約120、約-90~約100、約-50~約90、又は約-25~約90の範囲の第1のb色値を有し得る。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料及び/又はトップシートのエンボス加工パターンの1つ以上の非高密度化領域を通して測定されたとき、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての1.0の増分を具体的に列挙して、約0~約95、約5~約93、又は約10~約90の範囲の第2のL色値、約-128~約128、約-90~約90、約-75~約80、又は約-65~約60の範囲の第2のa色値、及び、約-120~約120、約-90~約100、約-50~約90、又は約-25~約90の範囲の第2のb色値を有し得る。
【0068】
アパーチャ加工パターン
本開示によれば、外側カバー材料及び/又はトップシートは、複数のアパーチャを含み得る。複数のアパーチャの少なくとも一部分は、アパーチャ加工パターンを形成し得る。複数のアパーチャの一部分は、アパーチャのアレイにグループ化され得る。アパーチャアレイのアパーチャは、アパーチャの少なくとも一部分に対して、かつ/又は外側カバー材料及び/又はトップシート内の周囲の非アパーチャ加工エリアの少なくとも一部分に対して、パターンが出現するように離間され得る。
【0069】
図19を参照すると、吸収性物品10は、複数のアパーチャ1900と非アパーチャ加工領域1904とを含むトップシート26を含み得る。複数のアパーチャ1900の少なくとも一部分は、例えば、ハートなどの認識可能な個別の印1902をトップシート26に形成し得る。図20を参照すると、吸収性物品は、複数のアパーチャ2000と非アパーチャ加工領域2004とを含む外側カバー材料40を含み得る。複数のアパーチャ2000の少なくとも一部分は、認識可能な個別の印2002を外側カバー材料40に形成し得る。トップシート26及び/又は外側カバー材料40は、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての整数を具体的に列挙して、複数のアパーチャ1900、2000の少なくとも一部分から形成された少なくとも1個かつ40個未満、少なくとも5個かつ30個未満、少なくとも8個かつ25個未満、又は少なくとも10個かつ20個未満の認識可能な個別の印1902、2002を含み得る。
【0070】
複数のアパーチャを含むトップシート及び/又は外側カバー材料は、本明細書に記載の開放エリア試験に従って、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての1%の増分を具体的に列挙して、約7%~約30%、約10%~約25%、又は約12%~約20%の開放エリアを有し得る。
【0071】
複数のアパーチャは、例えば、ピンアパーチャ加工及びウォータージェットパンチングを含む任意の既知の方法を用いて、外側カバー材料及び/又はトップシート内に形成され得る。アパーチャはまた、1997年5月13日に発行されたBensonらの米国特許第5,628,097号に開示され、またAroraらの米国特許出願公開第2016/0136014号に開示されているように、材料に機械横断方向の歪みを与えるのに先立って、トップシート及び/又は外側カバー前駆体材料をオーバーボンディング(間欠的に高密度化)するプロセスによって生成され得るが、プロセスにより、オーバーボンドの少なくとも一部は、少なくとも部分的に破裂することになる。
【0072】
本開示の吸収性物品は、外側カバー材料及び/又はトップシートのうちのアパーチャ加工パターンを含む部分と、バックシートのうちの1つ以上のグラフィックを含む被さる部分とから形成される積層体(複数可)を含み得る。図17C及び図18Cと同様に、エンボス加工パターンの1つ以上の高密度化領域がバックシートの1つ以上のグラフィックと重なり合う場所で、外側カバー材料及び/又はトップシートの複数のアパーチャの一部分が、バックシートの1つ以上のグラフィックの一部分と重なり合ってもよい。複数のアパーチャの一部分による1つ以上のグラフィックの重なり合いは、複数のアパーチャと外側カバー材料及び/又はトップシートの非アパーチャ加工部分との間の視覚的な色のコントラストを重なり合い領域にもたらし得る。理論に拘束されることを望むものではないが、複数のアパーチャの一部分と外側カバー材料及び/又はトップシートの非アパーチャ加工領域との間のコントラスト(例えば、デルタE)を増大させることは、特に複数のアパーチャの重なり合う部分が比較的大きな認識可能な個別の印を形成するときに、そのような印の視覚的知覚の改善をもたらし得ると考えられる。加えて、バックシートの1つ以上のグラフィックが、本明細書で考察されるように、視覚的に鮮明な色を含む場合、複数のアパーチャの少なくとも一部分によって形成されるパターンは、より抑制された色を含むバックシートグラフィックと比較してより顕著に出現し得る。したがって、外側カバー材料及び/又はトップシートと外側カバーバックシート及び/又はトップシートバックシートラミネート内のバックシートのグラフィックの部分との間の重なり合うエリアは、アパーチャを通して測定されたときには第1の色値を有し得るが、非アパーチャ加工エリアを通して測定されたときには第2の異なる色値を有し得る。
【0073】
本開示の外側カバーバックシート積層体及び/又はトップシートバックシート積層体に関して言えば、1つ以上のグラフィックの第1の部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料及び/又はトップシートの複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャを通して測定されるとき、第1のL、a、b色値を示し得る。1つ以上のグラフィックの第2の部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料及び/又はトップシートの非アパーチャ加工領域を通して測定されるとき、異なる第2のL、a、b色値を示し得る。非アパーチャ加工領域を通して測定されたグラフィックの色知覚と比較した、アパーチャを通して測定されたグラフィックの色知覚間の差は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、デルタE値を計算することによって特徴付けられ得る。第1のL、a、b色値と第2のL、a、b色値との間のデルタE値は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、少なくとも2であり得る。第1のL、a、b色値と第2のL、a、b色値との間のデルタE値は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、また指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての0.1の増分を具体的に列挙して、約2~約50、約3.4~約40、約6~約35、又は約10~約25であり得る。2超、又は3.4超のデルタE値は、人間の眼によって知覚可能であり、外側カバー材料及び/又はトップシートの複数のアパーチャによって形成されたパターンを強調し、それによってパターン及び/又は印の知覚を向上させ得る。
【0074】
特定の色特性を有するグラフィック又はグラフィックの一部分は、そのようなグラフィックが外側カバー材料及び/又はトップシートの複数のアパーチャの少なくとも一部分の下方に配設されたときに、アパーチャ加工パターンの視覚的知覚を改善し得ると考えられる。外側カバー材料及び/又はトップシート内の複数のアパーチャの存在は、外側カバー材料及び/又はトップシートを通して視認されるときに、視覚的に鮮明なグラフィック、又は視覚的に鮮明な色を含むグラフィックの知覚を改善し得る。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料及び/又はトップシートのエンボス加工パターンの1つ以上の高密度化領域を通して測定されたとき、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての1.0の増分を具体的に列挙して、約0~約95、約5~約93、又は約10~約90の範囲の第1のL色値、約-128~約128、約-90~約90、約-75~約80、又は約-65~約60の範囲の第1のa色値、及び、約-120~約120、約-90~約100、約-50~約90、又は約-25~約90の範囲の第1のb色値を有し得る。1つ以上のグラフィックの一部分は、本明細書に記載のバックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料及び/又はトップシートのエンボス加工パターンの1つ以上の非高密度化領域を通して測定されたとき、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての1.0の増分を具体的に列挙して、約0~約95、約5~約93、又は約10~約90の範囲の第2のL色値、約-128~約128、約-90~約90、約-75~約80、又は約-65~約60の範囲の第2のa色値、及び、約-120~約120、約-90~約100、約-50~約90、又は約-25~約90の範囲の第2のb色値を有し得る。
【0075】
ステッチ状のパターン
本明細書で論じられる様々なグラフィックに加えて、バックシートは、その衣類対向面又は着用者対向面上にステッチ状のパターンを含み得る。ステッチ状のパターンは、グラフィックを取り囲むか、あるいは部分的に取り囲んでよい。典型的には、ステッチ状のパターンは、グラフィックと重なり合わない(does not overlap)か、あるいはグラフィックと重なり合わない(free from overlap)。場合によっては、ステッチ状のパターンは、グラフィック又はその一部分と重なり合い得る。場合によっては、ステッチ状のパターンは、グラフィックなしで使用され得る。図21図23は、ステッチ状のパターン2100の例を例示する。当然のことながら、グラフィックは、ステッチ状のパターン内に存在してもよい。本明細書に開示されるエンボス加工パターン及び/又はアパーチャ加工パターンを備えた外側カバー材料、ランディングゾーン、及び/又はトップシートとペアにされたバックシート上のステッチ状のパターンは、消費者にとって望ましい衣類様の柔らかい外観を本開示の吸収性物品に提供する。図21及び図22に示されるように、ステッチ状のパターンは、複数の線形要素2102を含み得る。吸収性物品では、線形要素2102は、典型的には、吸収性物品の中心長手方向軸に対して概ね平行な方向に延在するが、他の方向にも延在してもよい。一般に、この文脈では、概ね平行とは、吸収性物品の中心長手方向軸に対して±10度を意味する。線形要素はまた、例えば、約45度など、吸収性物品の中心長手方向軸に対して約11度~約90度の範囲内に延在し得る。線形要素は連続的であっても、非連続的であってもよい。線形要素は、波状の線形要素を形成するように弧状部分を含み得る。線形要素は、水平方向において互いからある距離だけ離間され得る。その距離は、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての0.1mmの増分を具体的に列挙して、約1mm~約15mm、約1.5mm~約15mm、約2mm~約12mm、約2mm~約10mm、約2mm~約8mm、約2mm~約5mm、又は約1.5mm~約4mmの範囲にあり得る。2つの隣接する線形要素間の距離は変化してもよく、あるいはステッチ状のパターン内で一貫していてもよい。線形要素間の1mm未満の距離は、色の「フラッド」の印象を生じ、ステッチ状のパターンの美的利益を大幅に低減する。線形要素自体は、指定された範囲及びその中に若しくはそれによって形成されるすべての範囲内ですべての0.1mm増分を具体的に列挙して、約0.2mm~約5mm、約0.3mm~約5mm、約0.4mm~約4mm、又は0.5mm~約3mmの範囲内にあり得る。2つの隣接する線形要素2102は、複数の接続要素2104によって互いに接続され得る。接続要素2104は、線形要素2102の間で略水平に延在してもよく、あるいは非水平の角度で延在してもよい。異なる接続要素が、同じ方向又は異なる方向に延在し得る。約5~約100個の接続要素2104が、2つの隣接する線形要素2102の間に延在し得る。図23に例示されるパターンなどの他のステッチ状のパターンでは、線形要素が提供されなくてもよい。ステッチ状のパターンは、バックシートの全表面エリアの約20%~約95%を被覆し得る。
【0076】
図24は、1つ以上の視覚的に鮮明なグラフィックを含む液体不透過性バックシートの平面図である。湿り度インジケータ80は、1つ以上の視覚的に鮮明なグラフィックの一部分を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。バックシートは、上記のようなステッチ状のパターンを含み得る。場合によっては、湿り度インジケータ80が依然として介護者に明確に視認できるように、非印刷ゾーン、無グラフィックゾーン、軽グラフィックゾーン、色なしゾーン、又は湿り度インジケータ80を取り囲む白色ゾーン(一緒に「ゾーン2400」)を含むことが望ましい場合がある。他の例では、湿り度インジケータ80を取り囲むゾーン2400は、湿り度インジケータが依然として介護者から明確に視認可能となるように、グラフィックの残りの部分の少なくとも一部分及び湿り度インジケータとは異なる色であり得る。ある例では、ゾーン2400は、湿り度インジケータ80をより視認性の高いものにするために、段階化されるか、あるいは勾配を有してもよく、また、グラフィックのより少数の粗い線を有すること/グラフィック又は色を有さないこと/色を有さないことが可能である。例えば、湿り度インジケータ80からより遠位のゾーン2400内のグラフィックは、湿り度インジケータ80よりも近位にあるゾーン2400内のグラフィックと比べて、より暗く、あるいはより視認性の高いものとなり得る。別の例では、湿り度インジケータ80からより遠位のゾーン2400内のグラフィックは視認可能でありながら、湿り度インジケータに対してより近位のゾーン2400内のエリアは、グラフィックを含まないか、あるいは色を含まなくてもよい。色若しくはグラフィックの異なるゾーン2400又は色若しくはグラフィックのないゾーンは、湿り度インジケータ80を完全に、あるいは少なくとも部分的に取り囲んでもよい。
【0077】
実施例/組み合わせ
1. 吸収性物品であって、
液体透過性トップシートと、
液体不透過性バックシートと、
トップシートとバックシートとの間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コアと、
エンボス加工パターンを含む外側カバー材料又はランディングゾーンと、を含み、
バックシートの衣類対向面が、1つ以上のグラフィックを含み、
エンボス加工パターンの一部分が、1つ以上のグラフィックの一部分と重なり合い、
1つ以上のグラフィックの一部分は、バックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料又はランディングゾーンのエンボス加工パターンの高密度化領域を通して測定されるとき、第1のL、a、b色値を示し、また、
1つ以上のグラフィックの一部分は、バックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料又はランディングゾーンの非高密度化領域を通して測定されるとき、異なる第2のL、a、b色値を示す、吸収性物品。
2. エンボス加工パターンが、少なくとも1個かつ40個未満の認識可能な個別の印を形成する、段落1に記載の吸収性物品。
3. 少なくとも1つの認識可能な個別の印のエリア全体が、1つ以上のグラフィックの一部分と重なり合う、段落2に記載の吸収性物品。
4. 1つの認識可能な個別の印が、約52mm~約7,500mmの範囲のエリアを有する、段落2又は3に記載の吸収性物品。
5. 認識可能な個別の印は、動物、ロゴ、ブランド名、単語、記号、キャラクタ、又はアイコンを含む、段落2~4のいずれか1つに記載の吸収性物品。
6. 1つ以上のグラフィックのうちの1つのグラフィックが個々のグラフィックエリアを有し、1つの認識可能な個別の印が個々の印エリアを有し、個々の印エリアは個々のグラフィックエリアよりも小さい、段落2~5のいずれか1つに記載の吸収性物品。
7. 外側カバー材料又はランディングゾーンは、外側カバー材料又はランディングゾーンのエリア全体に対して、約5%~約30%の範囲の高密度化領域エリアを含む、段落1~6のいずれか1つに記載の吸収性物品。
8. 第1のL、a、b色値は、バックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料又はランディングゾーンのエンボス加工パターンの高密度化領域を通して測定されるとき、約5~約95の範囲のL値、約-90~約90の範囲のa値、及び約-90~約90の範囲のb値を有する、段落1~7のいずれか1つに記載の吸収性物品。
9. 第2のL、a、b色値は、バックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料又はランディングゾーンの非高密度化領域を通じて測定されるとき、約5~約95の範囲のL値、約-90~約90の範囲のa値、及び約-90~約90の範囲のb値を有する、段落1~8のいずれか1つに記載の吸収性物品。
10. バックシートの衣類対向面は、1つ以上のグラフィックと重なり合わないステッチ状のパターンを含む、段落1~9のいずれか1つに記載の吸収性物品。
11. バックシートの着用者対向面が、湿り度インジケータを含み、色若しくはグラフィックの異なるゾーン又は色若しくはグラフィックのないゾーンが、少なくとも部分的に湿り度インジケータを取り囲む、段落1~10のいずれか1つに記載の吸収性物品。
12. 第1のL、a、b色値と第2のL、a、b色値との間のデルタEは、バックシート積層体色試験方法に従って、約2~約19である、段落1~11のいずれか1つに記載の吸収性物品。
13. 1つ以上のグラフィックの一部分は、バックシートグラフィック色試験方法に従って、約8~約130の範囲の彩度値を示す、段落1~12のいずれか1つに記載の吸収性物品。
14. 1つ以上のグラフィックの一部分は、バックシートグラフィック色試験方法に従って、95未満のL値を示す、段落1~13のいずれか1つに記載の吸収性物品。
15. 吸収性物品であって、
液体透過性トップシートと、
液体不透過性バックシートと、
トップシートとバックシートとの間に少なくとも部分的に位置付けられた吸収性コアと、
複数のアパーチャを含む外側カバー材料又はランディングゾーンと、を含み、
バックシートの衣類対向面が、1つ以上のグラフィックを含み、
複数のアパーチャの一部分が、1つ以上のグラフィックの一部分と重なり合い、
1つ以上のグラフィックの一部分は、バックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料又はランディングゾーンの複数のアパーチャのうちの1つを通して測定されるとき、第1のL、a、b色値を有し、
1つ以上のグラフィックの部分は、バックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料及び/又はランディングゾーンの非アパーチャ加工領域を通して測定されるとき、異なる第2のL、a、b色値を有し、
複数のアパーチャの少なくとも一部分が、少なくとも1個かつ40個未満の認識可能な個別の印を形成する、吸収性物品。
16. 少なくとも1つの認識可能な個別の印のエリア全体が、1つ以上のグラフィックの一部分と重なり合う、段落15に記載の吸収性物品。
17. 外側カバー材料又はランディングゾーンは、開口エリア試験方法に従って、約7%~約30%の開口エリアを有する、段落15又は16に記載の吸収性物品。
18. 第1のL、a、b色値は、バックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料又はランディングゾーンのアパーチャを通じて測定されるとき、約5~約95の範囲のL値、約-90~約90の範囲のa値、及び約-90~約90の範囲のb値を有する、段落15~17のいずれか1つに記載の吸収性物品。
19. 第2のL、a、b色値は、バックシート積層体色試験方法に従って、外側カバー材料又はランディングゾーンの非アパーチャ加工領域を通じて測定されるとき、約5~約95の範囲のL値、約-90~約90の範囲のa値、及び約-90~約90の範囲のb値を有する、段落15~18のいずれか1つに記載の吸収性物品。
20. 1つの認識可能な個別の印が、約52mm~約7,500mmの範囲のエリアを有する、段落15~19のいずれか1つに記載の吸収性物品。
21. 認識可能な個別の印は、動物、ロゴ、ブランド名、シンボル、単語、キャラクタ、又はアイコンを含む、段落15~20のいずれか1つに記載の吸収性物品。
22. バックシート積層体色試験方法に従って、第1のL、a、b色値と第2のL、a、b色値との間のデルタEが少なくとも2である、段落15~21のいずれか1つに記載の吸収性物品。
23. 第1のL、a、b色値と第2のL、a、b色値との間のデルタEは、バックシート積層体色試験方法に従って、約2~約19の範囲内にある、段落15~22のいずれか1つに記載の吸収性物品。
24. 1つ以上のグラフィックの一部分は、バックシートグラフィック色試験方法に従って、8より大きい彩度値を示す、段落15~23のいずれか1つに記載の吸収性物品。
25. 1つ以上のグラフィックのうちの1つのグラフィックが個々のグラフィックエリアを有し、1つの認識可能な個別の印が個々の印エリアを有し、個々の印エリアは個々のグラフィックエリアよりも小さい、段落15~24のいずれか1つに記載の吸収性物品。
26. バックシートの衣類対向面は、1つ以上のグラフィックと重なり合わないステッチ状のパターンを含む、段落15~25のいずれか1つに記載の吸収性物品。
27. バックシートの着用者対向面が、湿り度インジケータを含み、色若しくはグラフィックの異なるゾーン又は色若しくはグラフィックのないゾーンが、少なくとも部分的に湿り度インジケータを取り囲む、段落15~26のいずれか1つに記載の吸収性物品。
【0078】
試験法:
バックシートグラフィック色試験方法
彩度値は、バックシートグラフィックにおける鮮やかさ又は鮮明度の尺度である。一般に、彩度は、CIE1976 L色値の反射率測定値から計算される。彩度は、コンピュータインターフェースを備えた分光光度計を使用して測定される(好適な機器は、Hunter Associates Laboratory Inc.(Reston,VA)から入手可能なHunterLab LabScan XE running Universal Softwareである)。すべての試験は、約23±2℃及び約50±2%の相対湿度に維持された調湿室内で行われる。
【0079】
試料を得るために、材料のバックシートフィルム層を吸収性物品から注意深く取り出す。必要であれば、低温スプレー(Cyto-Freeze(Control Company(Houston TX)など)を使用して、試料を下位層から取り出してもよい。試料のうちの均一な色のグラフィックを含む領域を試験部位として識別する。試験部位の試料が任意の穴、裂け目、又は他の物理的変形を含む場合、別の部位を選択することにする。すべての接着剤及び不織布繊維が試験部位から完全に取り出されていることを確認する。吸収性物品に組み込む前に得られた、グラフィックを有する未加工のバックシートフィルム材料の層も試験され得る。試験前に、約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度で約2時間にわたって試料をプレコンディショニングする。
【0080】
選択された均一な色のグラフィック試験部位内に収まり得る最大測定ポートサイズを有するディスクを選択する。製造業者により供給される黒色タイル、次に白色タイルを利用し、選択されたポートサイズを使用する機器を標準化する(適切なエリアビューをソフトウェアに指示する)。製造業者の仕様に従って、供給された標準タイルを使用して機器を較正する。CIE1976 Lカラースケール、D65光源、及び10°標準観察者を使用して、色を測定するようにソフトウェアを構成する。
【0081】
グラフィックが上にある表面に応じて、衣類対向面又は着用者対向面を機器に配向した状態で、試料を測定ポート上に配置する。引き伸ばすことなく試料を静かに引っ張ってピンと張り、ポート内にもたれないことを確実にし、次いで標準白色タイルを背景とする。測定される試料の領域がポートに面し、ポートを完全に覆っていることを確認する。読み取りを行い、個々のL、a、及びb値を記録し、次いで白色のタイル及び試料を除去する。個々のL、a、及びb値を、0.1単位で記録する。
【0082】
以下の式に従って、試料の彩度値を計算する。
【0083】
【数1】
【0084】
試料の彩度値を0.1単位で記録する。
【0085】
バックシート積層体色試験方法
この試験の目的は、外側カバー材料、ランディングゾーン、及び/又はトップシートの領域及び/又はアパーチャを通して視認可能なバックシートグラフィックのCIE1976 L色値を測定し、2つの領域間のデルタE、又は色差の大きさを計算することである。2400dpiで24ビットカラーの最小値を走査することが可能で、カラーマネジメントの手動制御機能を有する、フラットベッドスキャナ(好適なスキャナは、Epson America Inc.(Long Beach CA)製のEpson Perfection V750 Pro又はその同等物である)を使用して画像を取得する。ANSI法IT8.7/2-1993(好適な色較正ソフトウェアは、X-Rite Grand Rapids,MIから入手可能なMonaco EZColor若しくはi1Studio、又はその同等物である)に準拠した対応する参照ファイルを利用して、カラー反射IT8標的に対してスキャナを較正することが可能なカラー較正ソフトウェアを実行するコンピュータに、スキャナをインターフェース接続する。カラー較正ソフトウェアは、スキャナのためのインターナショナルカラーコンソーシアム(ICC)のカラープロファイルを構築するが、これは、ICCプロファイルの適用をサポートする画像解析プログラムを用いて出力画像を色補正するために使用される(好適なプログラムは、Adobe Systems Inc.(San Jose,CA)から入手可能なPhotoshop又はその同等物である)。次いで、色補正された画像を次の色解析のためにCIE L色空間に変換する(好適な画像色解析ソフトウェアは、Mathworks,Inc.(Natick,MA)から入手可能なMATLABである)。
【0086】
試料を得るために、吸収性物品から外側カバーバックシート積層体、ランディングゾーンバックシート積層体、又はトップシートバックシート積層体を注意深く取り出す。必要であれば、低温スプレー(Cyto-Freeze(Control Company(Houston TX)など)を使用して、試料を下位層から取り出してもよい。外側カバー材料、ランディングゾーン、又はトップシートのエンボス加工パターン又はアパーチャの高密度化領域がバックシート上の均一な色のグラフィックの一部分と重なり合う試料の一部分を試験部位として識別する。試験部位の試料が、エンボス加工パターンのアパーチャ又は高密度化領域以外の任意の穴、裂け目、又は他の物理的変形を含む場合、別の部位を選択することにする。吸収性物品に組み込む前に得られた1つ以上のグラフィックを含むバックシートを有する外側カバーバックシート積層体、ランディングゾーンバックシート積層体、及び/又はトップシートバックシート積層体も試験することができる。試験前に、約23℃±2℃及び約50%±2%の相対湿度で約2時間にわたって試料をプレコンディショニングする。
【0087】
較正及び画像取得の前に、スキャナを30分間オンにする。スキャナソフトウェアに含まれる場合がある、あらゆる自動的色補正又はカラーマネジメントオプションの選択を解除する。自動カラーマネジメントを無効にすることができない場合、そのスキャナは、この用途には適切ではない。色較正ソフトウェアの推奨手順に続いて、スキャナのICC色プロファイルを作成し、エクスポートする。色較正ソフトウェアは、取得されたIT8標的画像を対応する参照ファイルと比較して、スキャナ用のICC色プロファイルを作成及びエクスポートし、このICC色プロファイルは、後続の出力画像の色を補正するために画像解析プログラム内で適用される。
【0088】
スキャナの蓋を開け、試験部位のエンボス加工及び/又はアパーチャ加工表面をガラスに向けた状態で、試料をスキャナガラスの中心に慎重に平らに置く。試験部位全体を含む走査を取得し、反射モードで2400dpi(約94.5ピクセル/mm)の解像度の24ビットカラーの画像解析ソフトウェアにインポートする。色補正されたsRGB画像を生成する画像にICC色プロファイルを割り当てる。解析に先立って、この較正された画像を、較正されたR、G、B色値を保持するために、TIFFファイルなどの非圧縮形式で保存する。
【0089】
sRGB色較正画像を色解析ソフトウェアで開き、CIE L色空間に変換する。これは、以下の手順によって達成される。最初に、sRGBデータを、値の各々を255で割ることによって、[0、1]の範囲にスケーリングする。次いで、以下の操作が3つのチャネル(R、G、及びB)のすべてに対して実行されたとき、圧縮されたsRGBチャネル(大文字(R、G、B)、又は包括的にVで示される)は線形化されている(小文字(r、g、b)、又は包括的にvで示される)。
【0090】
【数2】
【0091】
次に、線形r、g、及びb値をマトリックスで乗算して、以下の式に従ってXYZ三刺激値を得る。
【0092】
【数3】
【0093】
次いで、XYZ三刺激値を、それらの値に100を掛けることによって再スケールし、次いで、D65基準白色を使用して、CIE 15:2004セクション8.2.1.1で定義されたCIE1976 L値に換算する。
【0094】
CIE L画像を、第1の領域の高密度化領域又はアパーチャ開口部の周りに関心領域(ROI)を識別し、それを手動で描画することによって分析する。ROI内の平均L、a、及びb色値を測定し、L 、a 、及びb として記録する。第2の非高密度化領域及び/又は非アパーチャ加工領域を識別し、関心領域(ROI)を、その周囲の周りに手動で描画する。次いで第2の領域について、平均L、a、及びb色値を測定し、L 、a 、及びb として記録する。次に、デルタE値を次式に従って計算する。
【0095】
【数4】
【0096】
2つの領域に対する個々のL、a、及びb色値並びにデルタE値を0.1単位で報告する。
【0097】
開口エリア試験方法
開口エリアパーセントは、フラットベッドスキャナを使用して捕捉されたアパーチャ試験片画像から取得され得る。スキャナは解像度6400dpi及び8ビットグレースケールの反射モードで走査可能である(好適なスキャナはEpson America Inc.(Long Beach CA)のEpson Perfection V750 Pro又はその等価物である)。スキャナは、画像解析プログラムを実行するコンピュータと連動する(好適なプログラムは、National Institute of Health(USA)のImageJ v.1.47、又はその等価物である)。試験片画像は、取得されたNIST認定定規の画像に対して距離較正される。アパーチャ試験片は、画像を取得する前に黒色ガラスタイル(HunterLab、Reston、VAから入手可能なP/N 11-0050-30、又は等価物)の裏地を貼られる。次いで、結果的に得られたグレースケール画像が、閾値階調値を介して2値画像に変換され、試験片材料領域からの開口孔領域の分離を可能にし、画像解析プログラムを使用してこれらの領域を解析した。すべての試験は、約23±2℃及び約50±2%の相対湿度に維持された調湿室内で行われる。
【0098】
試料の調製:
試験片を得るために、吸収性物品又は他の製品が、平面的な構成として、固い平坦な表面にテープで貼り付けられる。あらゆる脚部の弾性体は、物品の平らな配置を容易にするために切断され得る。物品の吸収性コアの上に位置する領域の外側境界は、アパーチャ加工層上で識別され、マークされる。アパーチャ加工層の試験片は、かみそり刃を用いて物品の外周の周囲を切断することによって、物品の下層から取り出される。アパーチャ加工層試験片は、孔の歪みを回避するように、縦及び横方向の伸長が維持されるように丁寧に取り出される。必要であれば、低温スプレー(Cyto-Freeze,Control Company,Houston TX)、又は等価物など)を使用して、試験片を下層から取り除いてもよい。5つの実質的に同様の物品から得られた5つの複製試験片を分析のために調製する。アパーチャ加工基材の原材料を、吸収性物品上で用いる場合と同じ加工条件下で及び同じ程度に延伸又は活性化させることによって、試験用に調製する。試料は、試験前に、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で2時間にわたって調湿される。
【0099】
画像の取得:
定規が、スキャナガラスの側面に平行に配向されるようにスキャナベッド上に配置される。定規の画像(較正画像)は、6400dpi(約252画素/mm)の解像度及び8ビットグレースケールの反射モードで取得される。較正画像は、圧縮前のTIFF書式ファイルとして保存される。較正画像を取得した後、定規がスキャナガラスから除去され、すべての試験片が同じ走査条件下で走査される。アパーチャ加工試験片は、試験片の外向きの表面がスキャナのガラス表面に向いている状態で、スキャナベッドの中央に平らに寝かせて配置される。試験片の角及び縁は、取り外し前の物品に対するように、その元の縦方向及び横方向の伸張が復元されるように固設される。試験片は、アパーチャ加工試験片層の機械方向(MD)及び横断方向(CD)がそれぞれ、スキャナのガラス表面の側面と平行かつ垂直に位置合わせされ、結果的に得られた試験片画像が頂部から底部まで垂直に通るMDを有するように配向される。黒色ガラスタイルが試験片の頂部上に配置され、スキャナ蓋が閉じられ、試験片全体の走査画像が取得される。画像は、非圧縮のTIFF書式ファイルとして保存される。残りの4つの複製試験片が走査され、同様の様式で保存される。解析前に、すべての試験片画像が、物品の吸収性コアの上に位置していたアパーチャ加工領域内に含まれる最大矩形視野に切り出される。
【0100】
開口エリアパーセントの算出:
較正画像ファイルが画像解析プログラム内で開かれ、直線距離較正は、撮像された定規を使用して実施される。この距離較正スケールが、解析前にすべての後続の試験片画像に適用される。試験片画像は、画像解析プログラム内にあり、距離スケールは、距離較正を使用して設定される。次に、8ビットグレースケール画像が、次の手段で2値画像(アパーチャ領域に対応する「ゼロ」又は「黒」を用いて)に変換される。階調(GL)値のヒストグラム(0~255の範囲であり、1つのビンが階調iごとの傾向Pを含む)がちょうど2つの極大値を有する場合、閾値階調値tは、Pt-1>P及びP≦Pt+1である値として定義される。ヒストグラムが2つよりも多い極大値を有する場合、ヒストグラムは、サイズ3の窓付き算術平均を使用して反復的に平滑化され、この平滑化は、ちょうど2つの極大値が存在するまで反復的に実施される。閾値階調値tは、Pt-1>P及びP≦Pt+1である値として定義される。この手順は、開口穴の暗画素ピークと試験片材料のより明るい画像ピークとの間に位置する最小母集団の階調(GL)値を識別する。ヒストグラムがゼロ又は1つの極大値のいずれかを含有する場合、方法は、さらに続行することができず、出力パラメータは、定義されない。
【0101】
別個のアパーチャ領域の各々は、画像解析プログラムを使用して解析される。すべての個々のアパーチャ面積が、画像の縁に沿った部分的なアパーチャを含み、0.01mm単位まで測定及び記録される。全体的及び部分的アパーチャを含むアパーチャエリアが、面積で合計される。次いで、この合計が、画像に含まれる総面積で除算される。この値が100%で乗算され、開口エリアとして0.01%単位で報告される。
【0102】
残りの4つの試験片画像が同様に解析される。5つの反復試験片に対する開口エリア値の算術平均が計算され、0.01%単位で報告される。
【0103】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0104】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用されるすべての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。さらに、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0105】
本開示の特定の実施形態について説明し記載したが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることは当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内に属するすべてのそのような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【国際調査報告】