(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-28
(54)【発明の名称】心臓モニタリングのためのセンサーデータ融合方法とその装置
(51)【国際特許分類】
G16H 50/20 20180101AFI20230621BHJP
G16H 10/60 20180101ALI20230621BHJP
G16H 30/00 20180101ALI20230621BHJP
【FI】
G16H50/20
G16H10/60
G16H30/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573420
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 US2021035207
(87)【国際公開番号】W WO2021247541
(87)【国際公開日】2021-12-09
(32)【優先日】2020-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507252100
【氏名又は名称】ケムイメージ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】トレドー、パトリック ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】スミス、アーロン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ゴマー、ヘザー イー.
(72)【発明者】
【氏名】ランカー、ルイス エル.
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
5L099AA22
5L099AA26
(57)【要約】
【要約】
本開示は、これと他の有利な改良の心臓モニタリングに向けられている。心臓モニタリングを改善するための方法が開示される。前記方法は、患者の浮腫をモニタリングするために構成された画像センサーから画像データを受信することを含む。患者の心臓活動に関連する1若しくはそれ以上の要因を監視するように構成された1若しくはそれ以上の追加センサーから追加データを受信する。前記受信した画像データを、前記1若しくはそれ以上の追加センサーから受信した前記追加データと融合して、融合データセットを生成する。患者の心臓疾患は、前記融合されたデータセットに基づいて決定される。心臓モニタリング計算装置および持続性媒体も開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓モニタリングの方法であって、
心臓モニタリング計算装置によって、患者の浮腫を監視するように構成された画像センサーからの画像データを受信する工程と、
前記心臓モニタリング計算装置によって、前記患者の心臓活動に関連する1若しくはそれ以上の要因を監視するように構成された1若しくはそれ以上の追加センサーからの追加データを受信する工程と、
前記心臓モニタリング計算装置によって、融合データセットを生成するために前記受信した画像データと前記1若しくはそれ以上の追加センサーからの前記受信した追加データとを融合する工程と、
前記心臓モニタリング計算装置によって、前記融合されたデータセットに基づいて前記患者の心臓疾患を決定する工程と
を有する、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記受信した画像データと前記受信した追加データとを融合させる工程は、さらに、
前記心臓モニタリング計算装置によって、前記受信した画像データと前記受信した追加データに、1若しくはそれ以上のデータ融合アルゴリズムを適用する工程を有するものである、方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、前記データ融合アルゴリズムを適用する工程は、画像重み付きベイズ関数、ロジスティック回帰、線形回帰、正則化を伴う回帰、ナイーブベイズ、分類と回帰トレス、サポートベクターマシン、またはニューラルネットワークのうちの1若しくはそれ以上を利用する工程を有する、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、前記受信した追加データは、非画像データである、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、前記1若しくはそれ以上の追加センサーは、パルスオキシメータ、心電図検査機、胸部インピーダンス用センサー、または埋め込み型心臓モニタリング装置のうちの1若しくはそれ以上を有する、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、前記心臓疾患を決定する工程は、さらに、
前記心臓モニタリング計算装置によって、潜在的な心不全の1若しくはそれ以上の兆候を特定する工程を有するものである、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、前記画像センサーは、
前記患者の組織に光を照射するように構成された光源と、
前記患者の前記組織から反射光を収集し、前記反射光に関連する前記画像データを生成するように構成された検出器とを有し、
前記方法は、さらに、
前記心臓モニタリング計算装置によって、前記反射光に関連する前記画像データを受信する工程と、
前記心臓モニタリング計算装置によって、反射光に対する強度値を計算する工程と、
前記心臓モニタリング計算装置によって、前記組織が浮腫の症状を示しているかどうかを決定する工程と
を有する、方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、前記患者の前記組織は、前記患者の前腕に位置する、方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、前記画像データは、スペクトルデータであり、前記画像センサーはスペクトルセンサーである、方法。
【請求項10】
実行可能なコードを有する改善された心臓モニタリングのための命令をその上に格納した持続性コンピュータ可読媒体であって、前記実行可能なコードは、1若しくはそれ以上のプロセッサによって実行される場合、前記1若しくはそれ以上のプロセッサに、
患者の浮腫を監視するように構成された画像センサーからの画像データを受信させ、
前記患者の心臓活動に関連する1若しくはそれ以上の要因を監視するように構成された1若しくはそれ以上の追加センサーからの追加データを受信させ、
融合データセットを生成するために前記受信した画像データを前記1若しくはそれ以上の追加センサーからの前記受信した追加データと融合させ、
前記融合データセットに基づいて前記患者の心臓疾患を決定させる、
持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
請求項10記載の持続性コンピュータ可読媒体において、前記プロセッサは、前記受信した画像データと前記受信した追加データに1若しくはそれ以上のデータ融合アルゴリズムを適用することによって、前記受信した画像データを前記受信した追加データと融合する、持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
請求項11記載の持続性コンピュータ可読媒体において、前記データ融合アルゴリズムは、画像重み付けベイズ関数、ロジスティック回帰、線形回帰、正則化を伴う回帰、ナイーブベイズ、分類と回帰トレス、サポートベクターマシン、またはニューラルネットワークのうちの1若しくはそれ以上を含む、持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
請求項10記載の持続性コンピュータ可読媒体において、前記プロセッサが受信する前記追加データは、非画像データである、持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
請求項10記載の持続性コンピュータ可読媒体において、前記1若しくはそれ以上の追加センサーは、パルスオキシメータ、心電図検査機、胸部インピーダンス用センサー、または埋め込み型心臓モニタリング装置のうちの1若しくはそれ以上を有する、持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
請求項10記載の持続性コンピュータ可読媒体において、前記心臓疾患を決定する工程は、さらに、
潜在的な心不全のうちの1若しくはそれ以上の兆候を特定することを有するものである、持続性コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
心臓モニタリングのためのプログラムされた命令がその上に格納されているメモリと、前記メモリに結合され、前記格納されたプログラムされた命令を実行するように構成された1若しくはそれ以上のプロセッサとを有する心臓モニタリング計算装置であって、前記プログラムされた命令が実行された場合に、
患者の浮腫を監視するように構成された画像センサーから画像データを受信し、
前記患者の心臓活動に関連する1若しくはそれ以上の要因を監視するように構成された1若しくはそれ以上の追加センサーからの追加データを受信し、
融合データセットを生成するために前記受信した画像データを前記1若しくはそれ以上の追加センサーからの前記受信した追加データと融合し、
前記融合データセットに基づいて前記患者の心臓疾患を決定する、
心臓モニタリング計算装置。
【請求項17】
請求項16記載の心臓モニタリング計算装置において、前記プロセッサは、前記受信した画像データと前記受信した追加データに1若しくはそれ以上のデータ融合アルゴリズムを適用することによって、前記受信した画像データを前記受信した追加データと融合する、心臓モニタリング計算装置。
【請求項18】
請求項17記載の心臓モニタリング計算装置において、前記データ融合アルゴリズムは、画像重み付きベイズ関数、ロジスティック回帰、線形回帰、正則化を伴う回帰、ナイーブベイズ、分類と回帰トレス、サポートベクターマシン、またはニューラルネットワークのうちの1若しくはそれ以上を有する、心臓モニタリング計算装置。
【請求項19】
請求項16記載の心臓モニタリング計算装置において、前記プロセッサが受信する前記追加データは、非画像データである、心臓モニタリング計算装置。
【請求項20】
請求項16記載の心臓モニタリング計算装置において、前記1若しくはそれ以上の追加センサーは、パルスオキシメータ、心電図検査機、胸部インピーダンス用センサー、または埋め込み型心臓モニタリング装置のうちの1若しくはそれ以上を有する、心臓モニタリング計算装置。
【請求項21】
請求項16記載の心臓モニタリング計算装置において、前記心臓疾患を決定する工程は、さらに、
潜在的な心不全の1若しくはそれ以上の兆候を特定する工程を有するものである、心臓モニタリング計算装置。
【請求項22】
請求項16記載の心臓モニタリング計算装置において、前記画像センサーは、
前記患者の組織に光を照射するように構成された光源と、
前記患者の前記組織から反射光を収集し、前記反射光に関連する前記画像データを生成するように構成された検出器とを有し、
当該心臓モニタリング計算装置は、さらに、
前記反射光に関連する前記画像データを受け取り、
反射光に対する強度値を計算し、
前記組織が浮腫の症状を示しているかどうかを決定するものである、心臓モニタリング計算装置。
【請求項23】
請求項16記載の心臓モニタリング計算装置において、前記画像データは、スペクトルデータであり、前記画像センサーはスペクトルセンサーである、心臓モニタリング計算装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月1日に出願された米国仮特許出願第63/032、894号の便益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、改善された心臓モニタリングのためのシステムおよび方法に関する。特に、本開示は、センサーデータを融合することによって心臓モニタリングを改善するシステムおよび方法に関する。特に、本開示は、末梢浮腫に関連する画像データを他の非画像データと融合して、潜在的な心不全の兆候を提供するシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
浮腫は、例えばうっ血性心不全を含む心臓病の系統である。末梢浮腫の重症度の検出は、心不全のような致死的な状態を回避するための治療選択肢を決定するための重要な要素である。例えば、心不全は65歳以上の高齢者の入院の主原因であり、すべての癌を合わせた入院患者数よりも多い。心不全で入院し治療を受けている患者のうち、25%近くが退院後30日以内に再入院している。再入院がしばしば必要となるのは、心不全患者に処方される利尿薬が頻繁に調整を必要とするためである。投与量が守られなかったり、薬物濃度の調整がモニターされなかったりする場合、浮腫の蓄積は患者の治療計画を修正する必要があることを示す最初の指標のひとつとなる。したがって、浮腫のモニタリングは、心不全の可能性のある患者を監視する上で重要な側面である。
【0004】
現在、臨床医は、退院後の患者をモニタリングするための様々な技術を有している。例えば、臨床医は、定期的なフォローアップの予約を取り、患者の運動耐性と症状を追跡し、患者の電解質レベルを監視し、薬の副作用について患者を監視し、例えば、血圧、心拍、体重、および他の関連する患者の健康パラメータの監視を含む遠隔モニタリング計画を患者に処方することが可能である。
【0005】
しかし、最近の研究では、例えば、心不全患者の体重や様々な生体信号を日常診療の補助としてモニタリングする現在の遠隔モニタリング技術では、罹患率や死亡率に大きな影響を与えないことが示されている。心不全の可能性がある患者の遠隔モニタリングを改善するために、画像データを利用して末梢浮腫を検出するシステムが開発されている。しかし、心不全の可能性をより正確に、早期に、客観的に警告するシステムが求められている。
【0006】
本開示は、これと他の有利な改良の心臓モニタリングに向けられている。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態では、心臓モニタリングの方法であって、当該方法は、心臓モニタリング計算装置によって、患者の浮腫を監視するように構成された画像センサから画像データを受信する工程と、前記心臓モニタリング計算装置によって、前記患者の心臓活動に関連する1若しくはそれ以上の要因を監視するように構成された1若しくはそれ以上の追加センサーから追加データを受信する工程と、前記心臓モニタリング計算装置によって、融合データセットを生成するために前記受信した画像データを前記1若しくはそれ以上の追加センサから受信した前記追加データと融合させる工程と、前記心臓モニタリング計算装置によって、前記融合データセットに基づいて前記患者の心臓疾患を決定する工程と、を有する。
【0008】
別の実施形態では、前記受信した画像データを前記受信した追加データと融合する工程は、さらに、前記心臓モニタリング計算装置によって、前記受信した画像データと前記受信した追加データに1若しくはそれ以上のデータ融合アルゴリズムを適用する工程を有する。
【0009】
別の実施形態では、前記データ融合アルゴリズムを適用する工程は、画像重み付けベイズ関数、ロジスティック回帰、線形回帰、正則化を伴う回帰、ナイーブベイズ、分類と回帰トレス、サポートベクターマシン、またはニューラルネットワークのうちの1若しくはそれ以上を利用する工程を有する。
【0010】
別の実施形態では、前記受信した追加データは、非画像データである。
【0011】
別の実施形態では、前記1若しくはそれ以上の追加センサーは、パルスオキシメータ、心電図検査機、胸部インピーダンス用センサー、または埋め込み型心臓モニタリング装置のうちの1若しくはそれ以上を有する。
【0012】
別の実施形態では、前記心臓疾患を決定する工程は、さらに、前記心臓モニタリング計算装置によって、潜在的な心不全の1若しくはそれ以上の兆候を特定する工程を有する。
【0013】
別の実施形態では、前記画像センサは、前記患者の組織に光を照射するように構成された光源と、前記患者の組織から反射光を収集し、前記反射光に関連する前記画像データを生成するように構成された検出器とを有し、前記方法は、さらに、前記心臓モニタリング計算装置によって、前記反射光に関連する前記画像データを受信する工程と、前記心臓モニタリング計算装置によって、反射光に対する強度値を計算する工程と、前記心臓モニタリング計算装置によって、前記組織が浮腫の症状を示しているかどうかを決定する工程とを有する。
【0014】
別の実施形態では、前記患者の前記組織は、前記患者の前腕に位置する。
【0015】
別の実施形態では、前記画像データはスペクトルデータであり、前記画像センサーはスペクトルセンサーである。
【0016】
一実施形態では、1若しくはそれ以上のプロセッサによって実行される場合、前記1若しくはそれ以上のプロセッサに、患者の浮腫を監視するように構成された画像センサーから画像データを受信し、前記患者の心臓活動に関連する1若しくはそれ以上の要因を監視するように構成された1若しくはそれ以上の追加センサーから追加データを受信し、融合データセットを生成するために前記受信した画像データを前記1若しくはそれ以上の追加センサーから前記受信した追加データと融合し、前記融合データセットに基づいて前記患者の心臓疾患を決定させる、実行可能なコードを有する改善された心臓モニタリングのための命令をその上に格納した持続性コンピュータ可読媒体が存在する。
【0017】
別の実施形態では、前記プロセッサは、前記受信した画像データおよび前記受信した追加データに1若しくはそれ以上のデータ融合アルゴリズムを適用することによって、前記受信した画像データを前記受信した追加データと融合させる。
【0018】
別の実施形態では、前記データ融合アルゴリズムは、画像重み付けベイズ関数、ロジスティック回帰、線形回帰、正則化を伴う回帰、ナイーブベイズ、分類と回帰トレス、サポートベクターマシン、またはニューラルネットワークのうちの1若しくはそれ以上を含む。
【0019】
別の実施形態では、前記プロセッサが受信する前記追加データは、非画像データである。
【0020】
別の実施形態では、前記1若しくはそれ以上の追加センサは、パルスオキシメータ、心電図検査機、胸部インピーダンス用センサー、または埋め込み型心臓モニタリング装置のうちの1若しくはそれ以上を有する。
【0021】
別の実施形態では、前記心臓疾患を決定する工程は、さらに、潜在的な心不全の1若しくはそれ以上の兆候を特定する工程を有する。
【0022】
一実施形態では、心臓モニタリングのためにその上に記憶されたプログラムされた命令を有するメモリと、前記メモリに結合され、前記記憶されたプログラムされた命令を実行するように構成された1若しくはそれ以上のプロセッサとを有する心臓モニタリング計算装置が存在し、前記プログラムされた命令が実行される場合、前記心臓モニタリング計算装置は、患者の浮腫を監視するように構成された画像センサーから画像データを受信し、前記患者の心臓活動に関連する1若しくはそれ以上の要因を監視するように構成された1若しくはそれ以上の追加センサーから追加データを受信し、融合データセットを生成するために前記受信した画像データを前記1若しくはそれ以上の追加センサから受信した追加データと融合し、前記融合データセットに基づいて前記患者の心臓疾患を決定する。
【0023】
別の実施形態では、前記プロセッサは、前記受信した画像データおよび前記受信した追加データに1若しくはそれ以上のデータ融合アルゴリズムを適用することによって、前記受信した画像データを前記受信した追加データと融合する。
【0024】
別の実施形態では、前記データ融合アルゴリズムは、画像重み付けベイズ関数、ロジスティック回帰、線形回帰、正則化を伴う回帰、ナイーブベイズ、分類と回帰トレス、サポートベクターマシン、またはニューラルネットワークのうちの1若しくはそれ以上を含む。
【0025】
別の実施形態では、前記プロセッサが受信する前記追加データは、非画像データである。
【0026】
別の実施形態では、前記1若しくはそれ以上の追加センサーは、パルスオキシメータ、心電図検査機、胸部インピーダンス用センサー、または埋め込み型心臓モニタリング装置のうちの1若しくはそれ以上を有する。
【0027】
別の実施形態では、前記心臓疾患を決定する工程は、さらに、潜在的な心不全のうちの1若しくはそれ以上の兆候を特定することを含む。
【0028】
別の実施形態では、前記画像センサは、前記患者の組織に光を照射するように構成された光源と、前記患者の組織から反射光を収集し、前記反射光に関連する前記画像データを生成するように構成された検出器とを有し、前記心臓モニタリング計算装置は、さらに、前記反射光に関連する前記画像データを受信する工程と、反射光に対する強度値を計算する工程と、前記組織が浮腫の症状を示しているかどうかを判定する工程とを有する。
【0029】
別の実施形態では、前記画像データはスペクトルデータであり、前記画像センサーはスペクトルセンサーである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するものであり、本発明の実施形態を示し、書面の説明とともに、本発明の原理、特性、および特徴を説明するのに役立つものである。
【
図1】
図1は、例示的な心臓モニタリング計算装置を有する環境のブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1の例示的な心臓モニタリング計算装置のブロック図である。
【
図3】
図3は、センサーデータ融合を使用する改良された、心臓モニタリングのための例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、記述された特定のシステム、装置、および方法に限定されるものではなく、これらは変化し得るからである。説明で使用される用語は、特定のバージョンまたは実施形態を説明するためだけのものであり、範囲を限定することを意図するものではない。
【0032】
本書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかに異なることが指示されない限り、複数形の参照を含む。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本開示のいかなる内容も、本開示に記載された実施形態が、先行発明によりかかる開示に先行する権利を有さないことを認めるものとして解釈されるべきではない。本書で使用される場合、用語「comprising」は、「有するが、それに限定されない」ことを意味する。
【0033】
以下に説明する本教示の実施形態は、網羅的であること、または本教示を以下の詳細な説明において開示される正確な形態に限定することを意図していない。むしろ、実施形態は、当業者が本教示の原理及び実践を評価し理解することができるように選択され記載されている。
【0034】
図1を参照すると、例示的な心臓モニタリング計算装置を有する例示的な環境が図示されている。この例の前記心臓モニタリング計算装置は、通信ネットワーク(複数可)110を介して複数のサーバ装置107、複数のクライアント装置108、画像センサー106、および複数の追加センサー109に結合されているが、前記心臓モニタリング計算装置101、サーバ装置107、画像センサー106、および/または追加センサー109は他の接続形態を介して一緒に結合してもよい。本技術は、改善された心臓モニタリングを提供する方法、持続性コンピュータ可読媒体、および心臓モニタリング計算装置101(複数可)を提供することを含む多くの便益を提供するものである。特に、本技術の特定の実装は、末梢浮腫に関連する画像データを含む複数のセンサーからのデータ融合を利用して、より正確で信頼性の高い、早期かつ客観的な心不全の兆候を提供する。
【0035】
図1~2を参照すると、本例の心臓モニタリングモニタリング計算装置101は、プロセッサ(複数可)102、メモリ103、および/または通信インターフェース111を含み、これらはバスまたは他の通信リンク105によって結合されているが、前記心臓モニタリングモニタリング計算装置101は他の構成で他のタイプおよび/または複数の要素を含むことができる。前記心臓モニタリングモニタリング計算装置101の前記プロセッサ(複数可)102は、本明細書で説明および図示される任意の数の機能のために、前記メモリ103に格納されたプログラムされた命令を実行することができる。前記心臓モニタリングモニタリング計算装置101の前記プロセッサ(複数可)102は、他のタイプのプロセッサ(複数可)も使用することができるが、例えば、1若しくはそれ以上の処理コアを有する1若しくはそれ以上のCPUまたは汎用プロセッサを含むことができる。
【0036】
前記心臓モニタリングモニタリング計算装置101の前記メモリ103は、本明細書に説明および図示されるような本技術の1若しくはそれ以上の態様のためのこれらのプログラムされた命令を格納するが、前記プログラムされた命令の一部または全部は他の場所に格納され得る。ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ、または前記プロセッサ(複数可)に結合される磁気、光学、または他の読み取りおよび書き込みシステムによって読み取りおよび書き込みが行われる他のコンピュータ読み取り可能媒体などの様々な異なるタイプのメモリ記憶装置を、前記メモリに使用することが可能である。
【0037】
したがって、前記心臓モニタリングモニタリング計算装置101の前記メモリは、前記プロセッサ(複数可)によって実行される場合、前記心臓モニタリングモニタリング計算装置101に、
図3を参照して以下に説明および図示する動作を実行するなどの動作を実行させる実行可能命令を含むことができるアプリケーション(複数可)を格納することができる。前記アプリケーション(複数可)は、他のアプリケーション(複数可)のモジュールまたは構成要素として実装することができる。さらに、前記アプリケーション(複数可)は、オペレーティングシステムの拡張機能、モジュール、プラグイン等として実装することができる。
【0038】
さらに、前記アプリケーションは、クラウドベースのコンピューティング環境において動作可能であってもよい。前記アプリケーションは、クラウドベースのコンピューティング環境において管理される仮想マシン(複数可)または仮想サーバ(複数可)内で、または仮想サーバとして実行されることができる。また、前記アプリケーション、および前記心臓モニタリング計算装置自体も、1若しくはそれ以上の特定の物理ネットワーク計算装置に結び付けられるのではなく、クラウドベースのコンピューティング環境において動作する仮想サーバ(複数可)内に配置されてもよい。また、前記アプリケーションは、前記心臓モニタリング計算装置101上で実行される1若しくはそれ以上の仮想マシン(VM)内で実行されてもよい。さらに、本技術の1若しくはそれ以上の実施形態において、前記心臓モニタリング計算装置101上で実行される仮想マシンは、ハイパーバイザによって管理または監督されてもよい。
【0039】
前記追加センサーは、心臓モニタリングに関連する非画像データを収集するために使用される、当技術分野で周知のセンサーである。あくまで一例として、前記追加センサーは、パルスオキシメータ(または血行動態を測定するように構成された他のセンサー)、心電図(ECGまたはEKG)、胸部インピーダンス測定用センサー、または埋込み型心臓モニタリング装置を含むことができるが、心臓活動に関連するデータを測定できる他の任意のセンサーが採用することが可能である。
【0040】
本実施例における前記各サーバ装置は、プロセッサ、メモリ、および通信インターフェースを含み、これらはバスまたは他の通信リンクによって結合されるが、他の複数および/または異なるタイプのネットワーク装置を使用することも可能である。本実施例の前記サーバー装置は、前記追加センサーに関連するデータ、または他の患者データをホストすることができる。
【0041】
本実施例における前記クライアント装置は、データを提出しおよび/またはGUI(複数可)を受信するために前記心臓モニタリング計算装置とインターフェースすることができる任意のタイプの計算装置を含む。本実施例における前記クライアント装置の各々は、プロセッサ、メモリ、おうよび通信インターフェースを含み、これらはバスまたは他の通信リンクによって結合されるが、他の複数および/または異なるタイプのネットワーク装置を使用することも可能である。
【0042】
前記クライアント装置は、標準的なウェブブラウザまたはスタンドアローンクライアントアプリケーションなどのインターフェースアプリケーションを実行することができ、これらは、前記通信ネットワークを介して前記心臓モニタリング計算装置と通信するためのインターフェースを提供することができる。前記クライアント装置は、さらに、例えば、表示画面またはタッチスクリーンなどの表示装置、および/またはキーボードなどの入力装置を含むことができる。一実施例では、前記クライアント装置は、改善された心臓モニタリングを促進するために病院スタッフによって利用されるが、患者などの他の種類のユーザによって利用される他のタイプのクライアント装置も他の実施例で利用される。一実施例では、前記クライアント装置は、例えば、名前、生年月日、病歴などの患者情報を含むデータを受信する。他の実施例では、この情報は、前記サーバ装置の1つに格納される。
【0043】
前記心臓モニタリング計算装置、サーバ装置、クライアント装置、画像センサー、追加センサー、および通信ネットワークを有する例示的な環境が本明細書に記載および図示されているが、他の接続形態における他のタイプおよび/または数のシステム、装置、構成要素、および/または要素を使用することができる。関連する技術の当業者によって理解されるように、実施例を実装するために使用される特定のハードウェアおよびソフトウェアの多くの変形が可能であるため、本明細書に記載される実施例のシステムは例示的な目的のためのものであることが理解されよう。
【0044】
例えば前記心臓モニタリング計算装置、クライアント装置、またはサーバ装置など、前記環境に描かれた装置のうちの1若しくはそれ以上は、同一の物理マシン上の仮想インスタンスとして動作するように構成されてもよい。言い換えれば、前記心臓モニタリング計算装置、クライアント装置、またはサーバ装置のうちの1若しくはそれ以上は、通信ネットワークを介して通信する別々の装置としてではなく、前記同一の物理装置上で動作することができる。さらに、前記心臓モニタリング計算装置、クライアント装置、またはサーバ装置は、
図1に図示されているよりも多くても少なくてもよい。
【0045】
さらに、2若しくはそれ以上の計算システムまたは装置を、任意の実施例のシステムまたは装置のうちのいずれか1つに置き換えることができる。したがって、冗長性および複製などの分散処理の原理および利点も、前記実施例の装置およびシステムの堅牢性および性能を向上させるために、所望に応じて実装することができる。実施例はまた、例として無線ネットワーク、セルラーネットワーク、PDN、インターネット、イントラネット、およびそれらの組み合わせのみを含む、任意の適切なインターフェース機構およびトラフィック技術を使用して任意の適切なネットワークにわたって拡張するコンピュータシステム上で実施することができる。
【0046】
また、前記実施例は、本明細書の実施例の方法によって説明および例示されるような本技術の1若しくはそれ以上の態様のためにその上に格納された命令を有する1若しくはそれ以上の持続性コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ)として具現化されてもよい。いくつかの例における前記命令は、1若しくはそれ以上のプロセッサ(例えば、前記プロセッサ)によって実行される場合、前記プロセッサに、本明細書において説明および例示される本技術の実施例の方法を実装するために必要な工程を実行させる実行可能コードを含んでいる。
【0047】
この特定の例では、前記心臓モニタリング計算装置101の前記メモリ103は融合モジュール104を含むが、前記メモリ103は例えば他のポリシー、モジュール、データベース、またはアプリケーションを含むことができる。この例の前記融合モジュール104は、前記画像センサー106からの画像データを、1若しくはそれ以上の前記追加センサーからの非画像データと融合するように構成されるが、前記融合モジュール104は、前記画像データを1若しくはそれ以上の前記サーバ装置107から受信したデータと融合することも可能である。前記融合モジュール104は、前記画像センサー106からの前記画像データを、任意の数および/またはタイプの追加センサー109からのデータと融合させることができる。前記融合モジュール104は、前記画像センサー106からの画像データおよび前記追加の非画像データに1若しくはそれ以上のデータ融合アルゴリズムを適用するように構成される。例示のみであるが、前記融合モジュール104は、前記融合データを提供するために、画像重み付けベイズ関数、ロジスティック回帰、線形回帰、正則化を伴う回帰、最小角回帰、ナイーブベイズ、分類回帰トレス(CART)、サポートベクターマシン、関連性ベクトルマシン(RVM)、ニューラルネットワーク、または線形判別分析のうちの1若しくはそれ以上を適用してもよい。前記融合モジュール104は、メリットがあるように、前記
図3に示される例示的な方法に関して以下に詳細に説明されるように、前記画像および非画像データを融合して心臓モニタリングを提供する。
【0048】
前記心臓モニタリング計算装置の前記通信インターフェース111は、前記心臓モニタリング計算装置、前記画像センサ、前記追加センサー、前記クライアント装置および/または前記サーバ装置の間を作動的に結合し通信するが、これらは全て図示の前記通信ネットワークによって一緒に結合されるが、他のタイプおよび/または数の通信ネットワークまたは他の装置および/または要素への接続および/または構成を有するシステムも使用することが可能である。
【0049】
あくまで一例として、
図1に示す前記通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含むことができ、イーサネット上のTCP/IPおよび業界標準のプロトコルを使用できるが、他のタイプおよび/または数のプロトコルおよび/または通信ネットワークが使用され得る。本実施例における前記通信ネットワークは、例えば、任意の適切な形態のテレトラフィック(例えば、音声、モデムなど)、公衆交換電話網(PSTN)、イーサネットベースのパケットデータネットワーク(PDN)、それらの組み合わせ、および同様のものを含む任意の適切なインターフェース機構およびネットワーク通信技術を採用することができる。
【0050】
前記心臓モニタリング計算装置は、スタンドアロン装置であるか、または、例えば、前記画像センサーまたは前記サーバ装置もしくは前記クライアント装置のうちの1若しくはそれ以上のうちの1若しくはそれ以上の他の装置または器具と統合されることが可能である。1つの特定の例では、前記心臓モニタリング計算装置は、前記サーバ装置のうちの1つまたは前記クライアント装置のうちの1つを含むか、またはそれらによってホストされることができ、他の配置も可能である。
【0051】
本実施例では、前記画像センサーは、患者の組織における浮腫を監視するために構成された装置である。一例として、前記画像センサーは、米国特許出願公開第2019-0231260号に開示された浮腫を検出するためのシステムであってもよく、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。前記画像センサーは、潜在的な心不全を含む心臓活動を監視するための末梢浮腫を測定するために利用することができる画像データを得ることを可能にする。前記画像センサーは、メリットがあるように、患者の前腕からのようなすね以外の場所における末梢浮腫を測定するために使用することができる。前記画像センサーは、スタンドアロン装置として図示されているが、前記画像センサーは、前記心臓モニタリング計算装置、または前記前記サーバ装置もしくは前記クライアント装置のうちの1つに組み込まれることができる。
【0052】
他の実施形態では、スペクトルセンサーは、患者の組織における浮腫を監視するために構成される。前記スペクトルセンサーは、特に限定されず、浮腫が疑われるまたは浮腫を有すると知られている患者の組織から放射されるスペクトルを決定するセンサーが含まれる。前記浮腫は、前記組織から反射されるスペクトルの分析によって監視され、ラマン分光法またはフーリエ変換赤外分光法(FTIR)、またはこれらの任意の組み合わせまたは類似の技術を含む。前記スペクトルセンサーの特定の実装では、前記スペクトルセンサーはスペクトルデータを生成し、前記スペクトルデータは、追加センサーによって収集される追加データと融合され、それによって融合されたデータセットを生成することができる。
【0053】
次に、画像データおよび非画像データの両方を含む融合されたセンサーデータを使用する心臓モニタリングの例示的な方法を、
図3を参照して説明する。まず、前記心臓モニタリング計算装置は、ブロック301において、患者の浮腫を監視するために構成された画像センサーから画像データを受信する。例として、前記画像センサーは、米国特許出願公開第2019-0231260号に開示された浮腫を検出するためのシステムであってもよく、その開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。例えば、前記画像センサーは、患者の組織を光で照射するように構成された光源を含むことができる。前記組織は、患者の前腕に位置しするが、他の組織位置も利用されることができる。前記画像センサーはまた、患者の前記組織からの反射光を収集し、前記反射光に関連する前記画像データを生成するように構成された検出器を含む。前記画像データは、米国特許出願公開第2019-0231260号に記載されているように、組織が浮腫の症状を示すかどうかを判断するために強度値を受信して使用することができ、その開示は参照によりその全体が本書に組み込まれるものとする。一例では、前記画像データは、前記心臓モニタリング計算装置上で処理されることができる。
【0054】
次に、ブロック302において、前記心臓モニタリング計算装置は、患者の心臓活動に関連する1若しくはそれ以上の要因を監視するように構成された1若しくはそれ以上の追加センサーから追加のデータを受信する。一例では、前記患者の心臓疾患に関連する非画像データで前記追加センサーから受信されたデータである。前記追加センサーは、パルスオキシメータ(または血行動態を測定するように構成された他のセンサー)、心電図(ECGまたはEKG)、胸部インピーダンス測定用センサーまたは埋め込み型心臓モニタリング装置を含むことができるが、心臓活動に関連するデータを測定できる他の任意のセンサーが採用され得る。別の例では、前記心臓モニタリング計算装置は、前記サーバ装置またはクライアント装置のうちの1若しくはそれ以上から追加データを受信することができる。
【0055】
ブロック303において、前記心臓モニタリング計算装置は、前記画像センサーからの受信画像データを、前記1若しくはそれ以上の追加センサーからの前記受信追加データと融合して、融合データセットを生成する。前記心臓モニタリング計算装置は、前記融合データセットを生成するために、前記受信した画像データおよび前記受信した追加データを1若しくはそれ以上のデータ融合アルゴリズムに適用することを利用する。例として、前記心臓モニタリング計算装置は、画像重み付けベイズ関数、ロジスティック回帰、線形回帰、正則化を伴う回帰、ナイーブベイズ、分類と回帰トレス、サポートベクターマシン、関連性ベクトルマシン(RVM)、最小角回帰、線形判別分析、またはニューラルネットワークのうちの1若しくはそれ以上を用いるが、他のデータ融合技術またはシステムを採用することも可能である。
【0056】
次に、ブロック304において、前記心臓モニタリング計算装置は、前記融合されたデータセットに基づいて、患者の心臓疾患を決定する。一例では、前記心臓モニタリング計算装置は、1若しくはそれ以上の機械学習モデルを前記融合データセットに適用して、前記心臓疾患を決定することができる。前記心臓モニタリング計算装置は、画像センサーおよび非画像センサーからの融合データセットに基づく前記心臓疾患の決定に関連する学習データを保存および/または取得することができる。前記心臓モニタリング計算装置は、訓練データおよび生成された融合データセットに基づいて、機械学習モデルを生成または訓練することができる。一例では、前記機械学習モデルは、人工ニューラルネットワークまたは畳み込みニューラルネットワークなどのニューラルネットワークであるが、他の例では、他のタイプのニューラルネットワークまたは機械学習モデルも使用することができる。 一実施例において、前記ニューラルネットワークは、完全畳み込みニューラルネットワークである。前のステップで生成された前記融合データセットは、前記訓練されたモデルを用いて評価され、患者の心臓疾患を決定することができる。
【0057】
次に、ブロック305によって描かれる1つの実施態様において、前記心臓モニタリング計算装置は、潜在的な障害があるかどうかを特定する。ない場合、前記患者の前記心臓疾患を監視するための追加のデータを収集するために、プロセスが初めから繰り返される。次いで、前記生成された融合データセットは、前記機械学習モデルをさらに訓練するために使用される。潜在的な障害が特定された場合、アラートが、サーバ装置および/またはクライアント装置のうちの1若しくはそれ以上に出力される。潜在的な故障に基づいて情報を提供する例を説明したが、前記決定された心臓疾患は、治療計画の変更、または患者および/または提供されるヘルスケアに他の情報を提供するために利用することもできる。
【0058】
本技術では、末梢浮腫に関連する画像データと心臓モニタリングに関連する非画像センサーデータを融合し、より効率的かつ効果的な心臓活動のモニタリング方法を実用化する。本技術は、複数のセンサーロジックを組み合わせることで、心不全など心臓に関する問題を早期に警告するのに有利である。この技術はさらに、心臓に関連する問題を抱える患者の遠隔監視を改善するために使用することができる。
【0059】
本開示の特定の実施形態では、前記心臓モニタリング計算装置は、ブロック306において心臓の健康状態の客観的尺度を生成する。例えば、前記客観的尺度は、心臓疾患の相対確率とすることができる。他の例では、前記客観的尺度は、患者の浮腫の重症度の程度を示す複合指標である。前記患者の浮腫の重症度を含む患者の心臓の健康についての客観的な数値的尺度を生成することによって、臨床医は、患者に与えられる介入のレベルおよび種類をより良く予測または調整することができる。さらに、前記心臓モニタリング計算装置は、前記生成された客観的な測定値を経時的に記録することができ、これにより臨床医は特定の患者の健康状態をさらに予測することができるようになる。
【0060】
上記の詳細な説明において、本明細書の一部を構成する添付図面が参照される。図面において、同様の記号は、文脈が他に指示しない限り、典型的には、同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定することを意図していない。本明細書に提示された主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用し、他の変更を加えることができる。本明細書で一般的に説明され、図に示されるような本開示の様々な特徴は、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、及び設計することができ、そのすべてが本明細書で明示的に企図されていることが容易に理解されよう。
【0061】
本開示は、本願に記載された特定の実施形態の観点で限定されるものではなく、様々な特徴の例示として意図されるものである。当業者には明らかなように、その精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形を行うことができる。本明細書に列挙したものに加えて、本開示の範囲内の機能的に等価な方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲の範囲に入ることが意図される。本明細書に列挙したものに加えて、本開示の範囲内の機能的に等価な方法および装置は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正および変形は、添付の特許請求の範囲の範囲に入ることが意図されている。本開示は、添付の請求項の条件によってのみ、そのような請求項が権利を有する等価物の完全な範囲とともに、制限されることになる。本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物または生物学的系に限定されないことが理解され、それらはもちろん変化し得る。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであり、限定することを意図していないことを理解されたい。
【0062】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形へ、および/または単数形から複数形へ変換することができる。様々な単数/複数の並べ換えは、明瞭化のために本明細書に明示的に記載されることがある。
【0063】
一般に、本明細書、特に添付の請求項(例えば、添付の請求項の本体)において使用される用語は、一般に「開放」用語として意図されることが当業者には理解されよう(例えば、用語「含む」は、「含むが限定されない」として解釈されるべきで、用語「有する」は「少なくとも有する」として解釈されるべきで、用語「含む」は「含むが限定されない」、等々として解釈されるべきで)、このことは、当業者が理解するところである。様々な組成物、方法、および装置は、様々な成分またはステップを「有する」という用語で説明されているが(「有するが、これに限定されない」という意味と解釈される)、組成物、方法、および装置は、様々な成分およびステップから「本質的になる」または「からなる」こともでき、このような用語は、本質的に閉じたメンバーグループを定義するものと解釈されるべきである。導入された請求項の特定の番号が意図される場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者にはさらに理解されよう。
【0064】
例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項は、請求項の説明を導入するための導入フレーズ「少なくとも1つ」および「1若しくはそれ以上」の使用を含むことができる。しかしながら、このようなフレーズの使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の繰り返しの導入が、そのような導入された請求項の繰り返しを含む任意の特定の請求項を、たとえ同じ請求項に導入フレーズ「1若しくはそれ以上」または「少なくとも1つ」および「a」または「an」などの不定冠詞(例えば、「a」および/または「an」は「少なくとも1つ」または「1若しくはそれ以上」の意味に解釈すべき)が含まれても、1つのみのかかる組み合わせを含む実施の形態に制限するという意味で解釈すべきではない。請求項の説明の導入に使用される定冠詞の使用についても同様である。
【0065】
また、導入された請求項の記載事項の特定の数が明示的に記載されていたとしても、当業者は、当該記載は少なくとも記載された数を意味すると解釈すべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語を伴わない「2つの記載」という素通しは、少なくとも2つの記載、または2若しくはそれ以上の記載を意味する)。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ、など」と類似した慣用句が使用されている場合、一般的に、そのような構成は、当業者が慣用句を理解する意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびBと一緒、AおよびCと一緒、BおよびCと一緒、および/またはA、B、およびCと一緒、などといったシステムを含むがこれに限定されない)。A、B、またはCうちの少なくとも1つ、など」に類似する規約が使用される場合、一般に、そのような構成は、当業者が規約を理解する意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびBと一緒に、AおよびCと一緒に、BおよびC一緒に、および/またはA、B、およびCと一緒に、などを含むがこれに限らないであろう)。発明を実施するための形態、請求項、または図面のいずれにおいても、2若しくはそれ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の分割的な単語および/または句は、用語の一方、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることは、当業者にはさらに理解されるであろう。例えば、「AまたはB」という語句は、「A」または「B」または「A」およびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0066】
さらに、本開示の特徴がマーカッシュ群の観点から説明される場合、当業者は、本開示がそれによってマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループの観点からも説明されることを認識するであろう。
【0067】
当業者には理解されるように、書面による説明を提供するという観点など、あらゆる目的のために、本明細書に開示されるすべての範囲は、その任意の可能なサブレンジおよびサブレンジの組み合わせも包含している。任意の列挙された範囲は、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1、などに分解されることを十分に説明し、可能にすると容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書で議論される各範囲は、下位3分の1、中間3分の1、および上位3分の1、等に容易に分解することができる。また、当業者には理解されるように、「まで」、「少なくとも」等の全ての言語は、言及された数を含み、その後、上述したように小範囲に分解することができる範囲を意味する。最後に、当業者には理解されるように、範囲は各個別のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3個のセルを有するグループは、1、2、または3個のセルを有するグループを指す。同様に、1~5個のセルを有するグループは、1、2、3、4、または5個のセルを有するグループなどを指す。
【0068】
上記の開示された、および他の特徴および機能、またはその代替物の様々なものは、他の多くの異なるシステムまたはアプリケーションに組み合わされてもよい。様々な現在予見されないまたは予期されない代替案、修正、変形またはその改良が、その後、当業者によってなされ得るが、それらの各々は、開示された実施形態によって包含されることも意図されている。
【国際調査報告】