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特表2023-527687液体貯蔵部および移動可能な封止部材を備えたエアロゾル発生物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-30
(54)【発明の名称】液体貯蔵部および移動可能な封止部材を備えたエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/485 20200101AFI20230623BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20230623BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20230623BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20230623BHJP
【FI】
A24F40/485
A24F40/10
A24F40/44
A24F40/465
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022567763
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2021062571
(87)【国際公開番号】W WO2021228913
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】20175053.6
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】クルバ ジェローム クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレク
(72)【発明者】
【氏名】オズスン オズギュル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品に関する。物品は、エアロゾル形成液体を貯蔵するための液体貯蔵部を備える。液体貯蔵部は、貯蔵部出口を含む。物品は、それぞれ、貯蔵部出口を開く、または密封するように閉じるように、開放構成と閉鎖構成との間で可逆的に移動可能な封止部材をさらに備える。さらに、物品は、封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させるために、封止部材に動作可能に連結されたアクチュエータ部材を備える。本開示はまた、こうした物品を備えるエアロゾル発生システムに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品であって、前記物品が、
- エアロゾル形成液体を貯蔵するための液体貯蔵部であって、貯蔵部出口を含む、液体貯蔵部と、
- それぞれ、前記貯蔵部出口を開く、または密封するように閉じるように、開放構成と閉鎖構成との間で可逆的に移動可能な封止部材と、
- 前記封止部材を少なくとも前記閉鎖構成から前記開放構成へと移動させるために、前記封止部材に動作可能に連結されたアクチュエータ部材と、を備え、
前記アクチュエータ部材が、バイメタルを含む熱駆動アクチュエータ部材であり、前記封止部材が、前記閉鎖構成と前記開放構成との間で変位可能または変形可能である、
または、
前記アクチュエータ部材が、形状記憶材料を含む熱駆動アクチュエータ部材であり、前記封止部材が、前記閉鎖構成と前記開放構成との間で変形可能である、エアロゾル発生物品。
【請求項2】
前記熱駆動アクチュエータ部材が、少なくとも一つの温度作動ばねを含む、請求項1に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項3】
前記熱駆動アクチュエータ部材が、サセプタ材料を含む誘導加熱可能である、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項4】
エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品であって、前記物品が、
- エアロゾル形成液体を貯蔵するための液体貯蔵部であって、貯蔵部出口を含む、液体貯蔵部と、
- それぞれ、前記貯蔵部出口を開く、または密封するように閉じるように、開放構成と閉鎖構成との間で可逆的に移動可能な封止部材と、
- 前記封止部材を少なくとも前記閉鎖構成から前記開放構成へと移動させるために、前記封止部材に動作可能に連結されたアクチュエータ部材であって、前記アクチュエータ部材が、磁気駆動アクチュエータ部材であり、
前記磁気駆動アクチュエータ部材が、前記エアロゾル発生装置の磁気コイル、永久磁石または磁性材料との相互作用によって、少なくとも第一の位置から第二の位置へと移動可能であり、それによって、前記封止部材を前記閉鎖構成から前記開放構成へと移動させる永久磁石を含む、
または、
前記磁気駆動アクチュエータ部材が、前記エアロゾル発生装置の磁気コイルまたは永久磁石との相互作用によって、少なくとも第一の位置から第二の位置へと移動可能であり、それによって、前記封止部材を前記閉鎖構成から前記開放構成へと移動させる強磁性またはフェリ磁性部材を含む、アクチュエータ部材と、を備える、エアロゾル発生物品。
【請求項5】
エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品であって、前記物品が、
- エアロゾル形成液体を貯蔵するための液体貯蔵部であって、貯蔵部出口を含む、液体貯蔵部と、
- それぞれ、前記貯蔵部出口を開く、または密封するように閉じるように、開放構成と閉鎖構成との間で可逆的に移動可能な封止部材と、
- 前記封止部材を少なくとも前記閉鎖構成から前記開放構成へと移動させるために前記封止部材に動作可能に連結されたアクチュエータ部材であって、前記アクチュエータ部材が、第一の構成から第二の構成へと移動し、それによって、前記封止部材を前記閉鎖構成から前記開放構成へと移動させるように、前記エアロゾル発生装置の中に挿入された時に、前記エアロゾル発生装置と機械的に相互作用するように構成および配設される、機械的接触駆動アクチュエータ部材であり、前記機械的接触駆動アクチュエータ部材が、前記エアロゾル発生物品の可撓性の壁部材である、アクチュエータ部材と、を備える、エアロゾル発生物品。
【請求項6】
次いで、アクチュエータ部材が、前記封止部材を前記開放構成から前記閉鎖構成へと移動させるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項7】
前記アクチュエータ部材および前記封止部材が、互いに一体的に形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項8】
前記封止部材が、弾性膜材料で作製された可撓性の管を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項9】
前記可撓性の管が、前記可撓性管の長さ軸に沿って延びる管壁を通した複数のスリットを含む、請求項8に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項10】
前記封止部材を前記開放構成から前記閉鎖構成へと移動させるように配設および構成された戻り機構をさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項11】
前記封止部材が前記開放構成にある時に、前記液体貯蔵部から前記貯蔵部出口を通って前記液体貯蔵部の外部の領域にエアロゾル形成液体を送達するための液体導管をさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項12】
前記液体導管が、第一の位置と第二の位置との間で前記封止部材と一緒に移動可能であるように前記封止部材に取り付けられる、請求項11に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項13】
前記液体導管が誘導加熱可能液体導管である、請求項11または請求項12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記液体導管が、芯要素、特に、複数のフィラメントを含むフィラメントの束である、請求項11~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
エアロゾル発生装置と、前記装置と使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項16】
エアロゾル発生装置と、前記装置とともに使用するための、請求項4に記載のエアロゾル発生物品と、を備えるエアロゾル発生システムであって、
前記エアロゾル発生装置が、前記物品の前記磁気駆動アクチュエータ部材の前記永久磁石と相互作用するための磁気コイル、永久磁石、または磁性材料を備える、
または、
前記エアロゾル発生装置が、前記物品の前記磁気駆動アクチュエータ部材の前記強磁性またはフェリ磁性部材との相互作用のための磁気コイルまたは永久磁石を含む、エアロゾル発生システム。
【請求項17】
エアロゾル発生装置と、前記装置とともに使用するための、請求項5に記載のエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システムであって、前記エアロゾル発生装置が、前記物品が前記エアロゾル発生装置の中に挿入された時に、前記エアロゾル発生物品の前記アクチュエータ部材を第一の構成から第二の構成へと移動させ、それによって、前記封止部材を前記閉鎖構成から前記開放構成へと移動させるように配設および構成されたプッシャーまたはキャッチを備える、エアロゾル発生システム。
【請求項18】
前記プッシャーまたは前記キャッチが、移動可能なプッシャーまたは移動可能なキャッチである、請求項17に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項19】
前記移動可能なプッシャーまたは前記移動可能なキャッチの移動が、ユーザーが前記移動可能なプッシャーまたは前記移動可能なキャッチを作動することによって手動で、または電気駆動または磁気駆動アクチュエータによって生じる、請求項18に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項20】
前記プッシャーまたは前記キャッチが、固定プッシャーまたは固定キャッチである、請求項17に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項21】
エアロゾル発生装置と、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品と、を備え、前記エアロゾル発生装置が、前記封止部材を前記閉鎖構成から前記開放構成へと移動させるために、前記物品が前記エアロゾル発生装置の中に挿入された時に、前記熱駆動アクチュエータ部材を加熱するための加熱配設を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項22】
前記加熱配設が、前記熱駆動アクチュエータ部材を作動するために、および前記エアロゾル形成液体を蒸発するために使用される共通の加熱配設である、請求項21に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品に関し、物品は、エアロゾル形成液体を貯蔵するための液体貯蔵部を備える。本開示はまた、こうした物品を備えるエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成液体を加熱することによって吸入可能なエアロゾルを発生することは、従来技術から一般的に公知である。このために、液体エアロゾル形成基体は、液体導管、例えば、芯要素によって、液体貯蔵部から貯蔵部の外部の領域に搬送されてもよい。そこで、液体はヒーターによって気化され、その後、吸入可能なエアロゾルを形成するように空気経路に露出されてもよい。液体貯蔵部および液体導管の両方は、物品内に貯蔵されたエアロゾル形成液体を気化するためにエアロゾル発生装置の中に挿入されるように構成されたエアロゾル発生物品の一部であってもよい。エアロゾル形成液体の品質が、予想される流通および保管の条件下で消費まで許容可能なままであることを確実にするために、貯蔵部は、例えば、穿孔可能なセプタムによって封止されてもよい。しかしながら、開封後は、シールを再び適切に閉じることができない場合がある。これにより、エアロゾル発生物品のシェル寿命、特に開封後の有用な寿命が短くなり得る。
【0003】
したがって、先行技術の解決策の利点を有しつつも、それらの制限を軽減する、エアロゾル形成液体を貯蔵するためのエアロゾル発生物品を有することが望ましい。特に、改善されたシェル寿命、特に、改善された開封後の有用な寿命を有する、エアロゾル形成液体を貯蔵するためのエアロゾル発生物品を有することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様によると、エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品が提供されている。物品は、エアロゾル形成液体を貯蔵するための液体貯蔵部を備える。液体貯蔵部は、貯蔵部出口を含む。物品は、それぞれ、貯蔵部出口を開く、または密封するように閉じるように、開放構成と閉鎖構成との間で可逆的に移動可能な封止部材をさらに備える。さらに、物品は、封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させるために、封止部材に動作可能に連結されたアクチュエータ部材を備える。
【0005】
本発明によると、エアロゾル発生物品のシェル寿命は、貯蔵部出口を可逆的に開閉するように移動可能である封止部材によって有意に改善され得ることが見出された。特に、貯蔵部出口は、開封後に確実に再び閉じることができる。このため、消費前のシェル寿命、ならびに消費開始後の有用な寿命が延び得る。したがって、一部のみが消費された物品は、その後の消費まで、残りのエアロゾル形成液体が貯蔵部から漏れる、変化する、または汚染されることなく、容易にエアロゾル発生装置内に残されて、またはエアロゾル発生装置から取り外されて、後の消費のために保管され得る。
【0006】
本明細書で使用される「封止部材を移動させる」という用語は、封止部材が貯蔵部出口を密封するように閉じる閉鎖構成と、封止部材が貯蔵部出口をクリアする開放構成との間で、封止部材を変位させること、または封止部材を変形させることのうちの一つを含み得る。同様に、「移動可能な封止部材」という用語は、封止部材が貯蔵部出口を密封するように閉じる閉鎖構成と、封止部材が貯蔵部出口をクリアする開放構成との間で変位可能な封止部材、または変形可能な封止部材のうちの一つを含み得る。機械的変位は、質量中心の位置の変化であってもよい。変形は、形状の変化、特に、それぞれ、開放構成または閉鎖構成における平坦な形状と、閉鎖構成または開放構成における屈曲した形状(特に、湾曲した形状、例えば、凸状または凹状に湾曲した形状)との間の変化であってもよい。
【0007】
封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させるために封止部材に動作可能に連結されたアクチュエータ部材を有することにより、有利なことに、特に、物品が物品とともに使用されるように構成されたエアロゾル発生装置の中に挿入される場合に、消費のために物品を容易に準備することが可能になる。したがって、アクチュエータ部材は、物品をエアロゾル発生装置の中に挿入することに応答して、封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させるように構成されてもよい。
【0008】
また、アクチュエータ部材は、封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させるようにも構成されることが好ましい。有利なことに、これは、開封後、例えば、物品の消費が一時的に停止された場合、または物品がエアロゾル発生装置から一時的に取り外された時に、貯蔵部を閉じることを容易にする。特に、アクチュエータ部材は、物品をエアロゾル発生装置から取り外すことに応答して、封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させるように構成され得る。
【0009】
本発明の一態様によると、アクチュエータ部材は、熱駆動アクチュエータ部材であってもよい。熱駆動アクチュエータは、温度変化の影響下で、封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させるのに適した機械的変位または変形のうちの少なくとも一つを受ける、任意のアクチュエータ部材であり得る。温度変化は、熱駆動アクチュエータ部材からの熱エネルギーの抽出、または熱駆動アクチュエータ部材への熱エネルギーの供給のいずれかであり得る。
【0010】
封止部材を移動させるための機械的変位または変形に変換される必要がある熱エネルギーは、物品がエアロゾル発生装置内に受容された時にエアロゾル形成液体を加熱するために使用される加熱プロセスに由来し得る。その目的のために、熱駆動アクチュエータは、物品がエアロゾル発生装置内に受容された時に、エアロゾル形成液体を加熱するために使用される発熱体に熱的に接触して、または熱的に近接して配設され得る。すなわち、加熱されると、例えば、エアロゾル形成液体の予熱中、熱駆動アクチュエータは、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させるように、一方向に屈曲してもよく、または膨張してもよい。その逆も可であり、その初期温度に向かって再び冷却されると、熱駆動アクチュエータは、封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させるように戻るよう屈曲してもよく、または収縮してもよい。
【0011】
また、エアロゾル発生物品がともに使用されるように構成されているエアロゾル発生装置が、熱駆動アクチュエータ部材を作動させるための加熱配設を備えることも可能である。熱駆動アクチュエータ部材を作動させるための加熱配設は、エアロゾル形成液体を蒸発させるために使用されるエアロゾル発生装置の加熱配設とは別個であってもよい。有利なことに、別個の加熱配設は、特に気化プロセスとは独立して、貯蔵部出口を選択的に開閉することを可能にする。アクチュエータ部材の加熱は、ユーザー入力、またはエアロゾル形成液体を加熱するための加熱動作の開始、またはエアロゾル発生装置の中への物品の挿入のうちの少なくとも一つに応答して開始されてもよい。同様に、エアロゾル発生装置は、熱駆動アクチュエータ部材を作動させるため、ならびにエアロゾル形成液体を蒸発させるために使用される共通の加熱配設を備えてもよい。有利なことに、共通の加熱配設は、気化プロセスの開始および停止と同調して貯蔵部出口を開閉することを可能にする。例えば、加熱配設、特に、別個の加熱配設は、物品がエアロゾル発生装置内に受容された時に、熱駆動アクチュエータ部材と熱的に接触するか、または熱的に近接するように配設された抵抗発熱体を含み得る。同様に、特に、熱駆動アクチュエータ部材が誘導加熱可能である場合、加熱配設は、誘導加熱によって熱駆動アクチュエータ部材を加熱するために、物品がエアロゾル発生装置内に受容された時に、熱駆動アクチュエータ部材の場所で交番磁界を発生するための少なくとも一つの誘導コイルを含む誘導源を含んでもよい。この文脈で使用される「誘導加熱可能なアクチュエータ部材」という用語は、交番磁界に供された時に、電磁エネルギーを熱に変換する能力を有するサセプタ材料を含む熱駆動アクチュエータ部材を指す。これは、その電気的特性および磁性に応じてサセプタ材料内で誘発されるヒステリシス損失または渦電流のうちの少なくとも一つの結果であり得る。少なくとも一つの誘導コイルは、らせん状コイルまたはフラット平面状コイル、特にパンケーキコイルまたは湾曲した平面状コイルでありうる。フラットスパイラルコイルの使用は、頑丈でかつ製造が安価なコンパクトな設計を可能にする。誘導源は、同じ交番磁界を使用して、熱駆動アクチュエータ部材およびエアロゾル形成液体を同時に誘導加熱するように構成された共通の誘導源であってもよい。同様に、熱駆動アクチュエータ部材を作動させるために使用される誘導源は、エアロゾル形成液体を蒸発させために使用されるエアロゾル発生装置の加熱配設とは別個であってもよい。
【0012】
一例として、熱駆動アクチュエータ部材は、バイメタルを含み得る。バイメタルとは、一緒に結合された二つ以上の別個の金属から成り、温度変化を少なくとも一つの機械的変位または変形に変換する物体を指す。本明細書で使用される「バイメタル」という用語は、二つの別個の金属から成る物体を指すだけでなく、三つ、四つ、またはそれ以上の別個の金属、すなわち、トリメタル、テトラメタルから成る物体、または一般的に任意の多金属を指す。例えば、バイメタルは、オーステナイト系ステンレス鋼およびフェライト系ステンレス鋼などの異なるタイプのステンレス鋼を含んでもよい。バイメタルはまた、ステンレス鋼およびタングステンなどの異なるタイプの他の金属の組み合わせを含んでもよい。熱駆動アクチュエータ部材は、例えば、封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放位置へと移動させるために封止部材に動作可能に連結されたバイメタル細片であってもよい。細片は、加熱時に異なるレートで膨張する、すなわち、異なる熱膨張の係数を有する、異なる金属の二つの細片を含み得る。異なる膨張により、細片は、加熱された場合には一方向に屈曲し、冷却された場合には、反対方向に戻る。熱膨張の係数が高い方の金属は、細片が加熱される時には湾曲の外側にあり、冷却される時には内側にある。細片の屈曲は、変位につながり、次いで変位により、細片に連結された封止部材が移動し得る。すなわち、加熱される時、例えば、エアロゾル形成液体の予熱中、細片は、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させるように一方向に屈曲し得る。その逆も可であり、その初期温度に向かって再び冷却される時、細片は、封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させるように戻るよう屈曲し得る。
【0013】
また、熱駆動アクチュエータ部材が、異なる材料の二つ以上の別個の層から成る、特に、一緒に結合されて、温度変化を機械的変位または変形のうちの少なくとも一つに変換する金属および非金属を含む、多層部材を含み得ることも可能である。例えば、多層部材は、金属層およびプラスチック層、または金属層およびセラミック層を含み得る。プラスチック層は、例えば、パリレンまたはシリコンを含んでもよく、またはこれらで作製されてもよい。有利なことに、プラスチック層は封止部材を形成し得る。
【0014】
別の実施例として、熱駆動アクチュエータ部材は、形状記憶材料を含んでもよい。形状記憶材料は、冷却されると変形するが、加熱されるとその変形前の(「記憶された」)形状に戻る、材料、特に合金である。形状記憶効果は、温度により誘発される相変態が変形を逆戻りさせるために生じる。相変態は、典型的には、所定の温度、いわゆるスイッチング温度で生じる。形状記憶材料は、一方向形状記憶材料または二方向形状記憶材料のいずれかであってもよい。一方向形状記憶材料は、その低温状態にある時に屈曲または延伸し、転移温度を上回って加熱されるまではそれらの形状を保持し得る形状記憶材料である。加熱に伴い、形状はその元の形状へと変化する。材料が再び冷却される場合、再び変形するまで形状が保持される。二方向形状記憶材料は、二つの異なる形状、一つは低温における形状、一つは高温における形状を記憶する形状記憶材料である。加熱および冷却の両方の間に形状記憶効果を示す材料は、二方向形状記憶を有すると言われる。これはまた、外力を加えることなく得ることができる(本質的な二方向効果)。バイメタルの場合と同様に、形状記憶材料の相変態は、封止部材を閉鎖構成と開放構成との間で移動させるのに使用され得る変位または変形のうちの少なくとも一つによって達成される。
【0015】
一般に、形状記憶材料は、相変態が生じる所定のスイッチング温度を有するように設計され得る。スイッチング温度は、室温(摂氏20度)を有意に上回るか、より高温、例えば、摂氏50度よりも高くなるように選ばれることが好ましい。最大摂氏50度などの高温は、例えば、日射下でエアロゾル発生物品を車中に置いた場合に生じ得る。有利なことに、これは、形状記憶材料が、物品が典型的に輸送または保管される温度(すなわち、物品内に貯蔵されるエアロゾル形成液体が蒸発する動作温度を下回る温度)に対する二つの相のうちの第一の相にあることを確実にする。したがって、この第一の相は、物品が典型的に輸送または保管される温度に対して貯蔵部出口の適切な封止を確実にするように、封止部材を閉鎖構成に移動させて維持するのに使用されることが好ましい。その逆も可であり、スイッチング温度は、物品の使用時、エアロゾル形成液体の蒸発中に形状記憶材料の動作温度を下回るように選ばれるべきである。これは、形状記憶材料が既に、物品の使用時にその動作温度に達するよりも十分に前に、二つの相のうちの第二の相にあることを確実にする。したがって、第二の相は、貯蔵部出口が解放されて、貯蔵部の外部の領域におけるエアロゾル形成液体の蒸発を可能にすることを確実にするように、封止部材を開放構成に移動させて維持するために使用されることが好ましい。しかしながら、スイッチング温度は、物品の使用時、形状記憶材料の動作温度をわずかに上回るのみとなるように選ばれるべきである。これにより、物品の消費後、特に、エアロゾル形成液体の蒸発が停止した後に、封止部材を閉鎖構成へと移動させるための閉鎖時間が短くなり得る。有利なことに、短い閉鎖時間は、貯蔵部内に依然として含有されているエアロゾル形成液体の望ましくない漏れおよび汚染のリスクを低減する。したがって、スイッチング温度は、物品の使用時の形状記憶材料の動作温度を摂氏5度、または摂氏10度、または摂氏20度下回ってもよい。いずれの場合も、スイッチング温度は、貯蔵部内のエアロゾル形成液体の望ましくない沸騰を回避するために、物品内に貯蔵されたエアロゾル形成液体の沸騰温度を十分に下回るように選ばれるべきである。絶対数で、形状記憶材料のスイッチング温度は、摂氏80度~摂氏240度、摂氏80度~摂氏120度の範囲内であってもよい。
【0016】
形状記憶材料は、オーステナイトチタン合金、特にオーステナイトニッケル-チタン合金またはニッケル-チタン-ハフニウム合金であってもよい。ニッケル-チタン合金は、冷却に伴いオーステナイトからマルテンサイトへと変化する。有利なことに、マルテンサイト相からオーステナイト相への転移は、温度および応力にのみ依存し、時間には依存しない。
【0017】
例えば、熱駆動アクチュエータ部材は、形状記憶材料を含むか、または形状記憶材料で作製される、少なくとも一つの温度作動ばねを含み得る。ばねは、加熱されると膨張し、再び冷却されると収縮するように構成され得る。その逆も可であり、ばねは、加熱されると収縮し、再び冷却されると膨張するように構成されてもよい。温度作動ばねは、例えば、加熱された時または冷却された時のいずれかで温度作動ばねが膨張する時に、封止部材に少なくとも閉鎖方向に力を加えるように、封止部材に連結されてもよい。さらに、温度作動ばねは、封止部材に開放方向にも力を加えるように、封止部材に連結、特に、封止部材に取り付けられてもよい。
【0018】
少なくとも一つの温度作動ばねは、円筒状コイルばね(らせん状ばね)、または円錐コイルばね(円錐らせん状ばね)、またはディスクばね、もしくはスターばねのうちの少なくとも一つを含み得る。ディスクばねは、その軸に沿って静的または動的に装填され得る円錐または湾曲したシェルを有してもよい。温度作動ばねは、ばね定数またはたわみ量を修正するために単一のディスクばね、またはスターばねの積み重ねを含んでもよい。同じ方向に積み重ねると、ばね定数が平行に付加され、同じたわみを有したより硬いジョイントが生成される。交互方向に積み重ねると、より小さなばね定数およびより大きなたわみがもたらされる。方向を混合および合致させることにより、特定のばね定数およびたわみ容量を設計することが可能になる。
【0019】
本発明の別の態様によると、アクチュエータ部材は、磁気駆動アクチュエータ部材であってもよい。一般に、磁気駆動アクチュエータ部材は、磁気効果を使用して、磁気駆動アクチュエータ部材の動きに影響を及ぼす力を発生する磁気アクチュエータの一部であってもよい。磁気アクチュエータは、距離において作用する磁力、すなわち、ローレンツ(ラプラス)力およびリラクタンス力に基づくことが好ましい。磁気アクチュエータは、異なるカテゴリに分類することができ、それらのうちの二つは、エアロゾル発生物品の封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させるのに特に適切である、可動磁石アクチュエータおよび可動鉄アクチュエータである。
【0020】
可動磁石アクチュエータは、磁気コイル内の電流が、磁石と磁気コイルとの間に一対の同等かつ反対の力を発生し、それにより磁石を変位させるように配設された可動永久磁石および固定磁気コイルを含み得る。同様に、磁石アクチュエータは、可動永久磁石、および固定永久磁石または固定磁性材料に近接した時に可動永久磁石を変位させる、固定永久磁石または固定磁性材料を含み得る。したがって、磁気駆動アクチュエータ部材(可動磁石アクチュエータの一部としての)は、エアロゾル発生装置の磁気コイル、永久磁石、または磁性材料との相互作用によって第一の位置から第二の位置へと移動可能であり、それによって、封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させる、永久磁石を含み得る。
【0021】
可動鉄アクチュエータでは、可動強磁性、またはフェリ磁性部材、特に、軟磁性部材は、磁気コイルまたは永久磁石の磁場内に置かれる。システム全体の磁気エネルギーを最小限にする努力によって駆動され、リラクタンス力に起因して、可動強磁性またはフェリ磁性部材が変位する。したがって、磁気駆動アクチュエータ部材(可動鉄アクチュエータの一部としての)は、強磁性またはフェリ磁性材料、特に軟磁性部材を含んでもよく、これは、エアロゾル発生装置の磁気コイルまたは永久磁石との相互作用によって、少なくとも第一の位置から第二の位置へと移動可能であり、それによって、封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させる。
【0022】
本発明の別の態様によると、アクチュエータ部材は、アクチュエータ部材が第一の構成から第二の構成へと移動し、それによって、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させるように、エアロゾル発生装置の中に挿入された時に、エアロゾル発生装置と機械的に相互作用するように構成および配設された、機械的接触駆動アクチュエータ部材であってもよい。機械的接触駆動アクチュエータの第一の構成から第二の構成への移動は、物品が装置の中に挿入された時のエアロゾル発生装置に対するエアロゾル発生物品の変位によって生じ得る。すなわち、機械的接触駆動アクチュエータの第一の構成から第二の構成への移動は、装置の中への挿入中の物品の移動によって誘発され得る。一例として、機械的接触駆動アクチュエータ部材は、物品がエアロゾル発生装置の中に挿入された時に、エアロゾル発生装置の当接部、特にプッシャーまたはキャッチと機械的に相互作用、特に、当接または係合するように構成および配設された、移動可能なピストンであってもよい。キャッチまたは当接部との相互作用により、ピストンは、少なくとも物品が装置内のその所定の位置に達した時に、第一の構成から第二の構成へと移動する。
【0023】
別の実施例として、機械的接触駆動アクチュエータ部材は、エアロゾル発生物品の可撓性の壁部材であってもよい。例えば、可撓性の壁部材は、物品の端部分、特に物品の底部分であってもよい。可撓性の壁部材は、シリコンなどの弾性材料で作製されてもよい。可撓性の壁部材は、可撓性の壁部材が物品の内部に向かって変形されるように、物品が装置の中に挿入された時に、ピストンなどのエアロゾル発生装置のプッシャーと相互作用するように構成され得る。例えば、プッシャーは、物品が装置とともに使用されるために挿入され得る装置の空洞の底部におけるピストン様の突出部であってもよい。したがって、物品が装置の中に挿入されると、可撓性のアクチュエータ部材は突出部と接触し、可撓性の壁部材が物品の内部に向かって変形し得る。したがって、可撓性の壁部材は、少なくとも物品が装置内でその所定の位置に達した時に、第一の構成(非変形構成)から第二の構成(変形構成)へと移動する。この移動は、封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させるために使用され得る。例えば、封止部材は、弾性膜材料で作製された可撓性の管であってもよい。可撓性の管は、管軸に沿って延びる管壁を通した複数のスリットを含み得る。スリット付き管様封止部材は、物品の内部に向かって変形する可撓性の壁部材によって、圧縮されて外向きに膨らむように、物品内に配設されてもよい。膨らむのに起因して、封止部材の管壁を通したスリットが開き、それによって、エアロゾル形成液体が管様封止部材の内部に入り、それ故に貯蔵部出口と流体連通することが可能になる。物品が空洞から取り外されると、可撓性のアクチュエータ部材は、その弾性性質に起因して、その平坦な(非変形)構成に戻り得る。同様に、管様封止部材は、その弾性性質に起因して、そして場合によってはアクチュエータ部材がその平坦な構成へと戻る時に可撓性のアクチュエータ部材が真っすぐになるのに起因して、その伸長(膨らんでいない)構成に戻り得る。封止部材の伸長(膨らんでいない)構成では、封止部材の管壁を通したスリットは、管様封止部材が貯蔵部出口を密封するように閉じるように、密封閉鎖される。
【0024】
同様に、エアロゾル発生装置は、アクチュエータ部材を第一の構成から第二の構成へと移動させるために、機械的接触駆動アクチュエータ部材と機械的に相互作用するように構成および配設された機械的アクチュエータを備え得る。装置の機械的アクチュエータは、移動可能なプッシャーまたは移動可能なキャッチであってもよい。移動可能なプッシャーまたは移動可能なキャッチの移動は、ユーザーが移動可能なプッシャーまたは移動可能なキャッチを作動させることによって手動で生じてもよい。同様に、移動可能なプッシャーまたは移動可能なキャッチの移動は、電気駆動または磁気駆動アクチュエータによって生じてもよい。
【0025】
封止部材の開放構成から閉鎖構成への移動を促進するために、エアロゾル発生物品は、封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させるように配設および構成された戻り機構をさらに備え得る。特に、戻り機構は、少なくとも一つの戻りばねを含み得る。別の方法として、または追加的に、戻り機構は、弾性材料を含むか、または弾性材料で作製される封止部材によって少なくとも部分的に実現されてもよい。戻りばねと同様に、封止部材の弾性は、封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させるために閉鎖方向に作用するように構成されてもよい。戻り機構は、封止部材が(既に)閉鎖構成にある時に、閉鎖方向に作用する封止力を封止部材に加えるように構成されていることが好ましい。有利なことに、封止力は、貯蔵部出口の密封閉鎖を強化する。
【0026】
一般に、アクチュエータ部材および封止部材は、少なくとも封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させる間に、互いに物理的に接触してもよい。アクチュエータ部材が封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させるように構成される場合、アクチュエータ部材および封止部材はまた、封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させる間に、互いに物理的に接触してもよい。
【0027】
同様に、戻り機構および封止部材は、少なくとも封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させる間に、互いに物理的に接触してもよい。さらに、戻り機構および封止部材は、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させる間に、互いに物理的に接触してもよい。
【0028】
この文脈で使用される物理的接触は、互いに当接すること、互いに係合すること、または互いに取り付けられることのうちの少なくとも一つであってもよい。特に、アクチュエータ部材および封止部材は、形態嵌合、力嵌合、または接着剤結合のうちの少なくとも一つによって互いに取り付けられてもよい。アクチュエータ部材および封止部材に関して、形態嵌合は、開封方向のみ、または開封方向および閉鎖方向、のいずれかで作用し得る。例えば、アクチュエータ部材および封止部材は、互いに接着されてもよく、一緒に押されてもよく、または互いにねじ込まれてもよい。同様に、アクチュエータ部材および封止部材は、プラスチックによってオーバーモールドされてもよい。戻り機構および封止部材に関して、形態嵌合は、閉鎖方向のみ、または開封方向および閉鎖方向、のいずれかで作用し得る。例えば、戻り機構および封止部材は、互いに接着されてもよく、一緒に押されてもよく、または互いにねじ込まれてもよい。
【0029】
アクチュエータ部材および封止部材は、互いに一体的に形成されてもよい。例えば、エアロゾル発生物品は、磁性材料で作製され、貯蔵部出口を密封するように閉じるように構成された封止本体を備えてもよい。磁性材料に起因して、封止本体は、物品がその中に挿入された時に、エアロゾル発生装置の磁気コイルまたは永久磁石によって作動され得る。したがって、封止本体は、アクチュエータ部材および封止部材の両方である。
【0030】
一般に、封止部材は、貯蔵部出口を密封するように閉じるのに適切な任意の形状、構成、および配設を有し得る。
【0031】
封止部材は、弾性材料、特にゴム材料を含むか、またはそれで作製されることが好ましい。有利なことに、弾性材料は、シールシートの構造に適合し、さらにその弾性の性質に起因して気密シールを提供し得るため、固有の封止特性を有する。
【0032】
一般に、封止部材は、貯蔵部の内部または貯蔵部の外部のいずれかに配設され得る。すなわち、封止部材は、貯蔵部の外部から、または貯蔵部の内部から、貯蔵部出口を密封するように閉じるように配設および構成されてもよい。
【0033】
封止部材は、閉鎖構成で貯蔵部出口を覆うキャップまたはプレートのうちの一つであってもよいか、またはそれを含んでもよい。同様に、封止部材は、貯蔵部出口を遮断するなど、閉鎖構成で貯蔵部出口に少なくとも部分的にぴったりと配設されるプラグであってもよく、またはプラグを含んでもよい。例えば、封止部材は、貯蔵部出口の円形開口部を閉じるようにハーフボールまたは円錐形状を有するプラグであってもよい。
【0034】
上述のように、封止部材はまた、弾性膜材料で作製された可撓性の管を含み得る。可撓性の管は、管軸に沿って、すなわち、可撓性の管の長さ軸に沿って延びる管壁を通した複数のスリットを含み得る。スリット付き管様封止部材は、圧縮されて外向きに膨らむように、物品内に配設されてもよい。膨らむのに起因して、封止部材の管壁を通したスリットが開き、それによって、エアロゾル形成液体が管様封止部材の内部に入り、それ故に貯蔵部出口と流体連通することが可能になる。封止部材の伸長(膨らんでいない)構成では、封止部材の管壁を通したスリットは、管様封止部材が貯蔵部出口を密封するように閉じるように、密封閉鎖される。
【0035】
エアロゾル発生物品は、封止部材が開放構成にある時に、液体貯蔵部から貯蔵部出口を通って液体貯蔵部の外部の領域にエアロゾル形成液体を送達するための液体導管をさらに備えてもよい。
【0036】
液体導管は、エアロゾル発生物品内に固定されて配設されてもよい。また、液体導管を、エアロゾル発生物品内に移動可能に配設することも可能である。液体導管は、第一の位置と第二の位置との間で移動可能であってもよい。例えば、液体導管は、封止部材またはアクチュエータ部材のうちの少なくとも一つに取り付けられてもよい。このために、液体導管は、液体貯蔵部から液体貯蔵部の外部の領域へ切替可能な液体の流れを提供するように、封止部材またはアクチュエータ部材それぞれと一緒に、第一の位置と第二の位置との間で移動可能であり得る。第一の位置は、封止部材が閉鎖構成にあることに対応し、第二の位置は、封止部材が開放構成にあることに対応する。
【0037】
封止部材が閉鎖構成にある時、液体導管は、少なくとも部分的に貯蔵部の外部に配設されてもよい。特に、液体導管は、封止部材が閉鎖構成にある時に、完全に貯蔵部の外部に配設されてもよい。このため、封止部材が閉鎖構成にある時、液体導管は、貯蔵部内のエアロゾル形成液体と接触しない。有利なことに、これは、貯蔵部内のエアロゾル形成液体が汚染されること、および貯蔵部から意図せずに漏れることを防止する。
【0038】
したがって、概して、液体導管は、封止部材が閉鎖構成にある時に、貯蔵部の内部のエアロゾル形成液体から封止されることが好ましい。
【0039】
その逆も可であり、液体導管は、封止部材が閉鎖構成にある時に、完全に貯蔵部の内部に配設されてもよい。これはまた、封止部材が閉鎖構成にある時に、貯蔵部内のエアロゾル形成液体が汚染されること、および液体導管を介して貯蔵部から意図せずに漏れることを防止し得る。
【0040】
封止部材が開放構成にある時、液体導管は、少なくとも部分的に貯蔵部内に配設されてもよい。すなわち、液体導管の少なくとも一部は、貯蔵部を通過してもよい。同様に、液体導管は、封止部材が開放構成にある時に、貯蔵部に面してもよい。本明細書で使用される「貯蔵部に面する」という用語は、液体導管が貯蔵部と流体連通するが、貯蔵部を通過しない構成を指す。例えば、液体導管は、貯蔵部出口で終結してもよい。両方の配設は、液体導管を、貯蔵部内に含有されるエアロゾル形成液体に浸漬することを可能にする。したがって、少なくとも封止部材が開放構成にある時に、貯蔵部内に配設される、または貯蔵部に面する液体導管のその部分は、液体導管の浸漬セクションとして示され得る。
【0041】
液体導管は、封止部材が開放構成にある時に、少なくとも部分的に貯蔵部の外部の領域に配設されてもよい。すなわち、液体導管の少なくとも一部は、貯蔵部の外部の領域を通過してもよい。同様に、液体導管は、封止部材が開放構成にある時に、貯蔵部の外部の領域に面してもよい。本明細書で使用される「貯蔵部の外部の領域に面する」という用語は、液体導管が貯蔵部の外部の領域と流体連通するが、通過しない構成を指す。例えば、液体導管は、貯蔵部出口で終結してもよい。両方の配設は、気化のために貯蔵部の外部の領域にエアロゾル形成液体を提供することを可能にする。したがって、貯蔵部の外部の領域は、気化ゾーンであってもよく、ここでエアロゾル形成液体は、エアロゾルを形成するために加熱によって気化されてもよい。気化ゾーンは、エアロゾル発生物品の一部であることが好ましい。すなわち、エアロゾル発生物品は、気化ゾーン、特に気化空洞を備え得る。したがって、封止部材が開放構成にある時、液体導管は気化ゾーンを通過してもよく、または気化ゾーン内に配設されてもよい。同様に、液体導管は、封止部材が開放構成にある時に、気化ゾーンに面してもよい。
【0042】
液体導管は、封止部材が開放構成にある時に、貯蔵部出口を通過してもよい。これは、液体導管が貯蔵部内ならびに貯蔵部の外部の領域内に通過する場合に特に当てはまる。
【0043】
また、封止部材が閉鎖構成にある時に、液体導管が貯蔵部出口を通過することも可能である。液体導管は、閉鎖構成で貯蔵部出口を通過するが、封止部材は、依然として貯蔵部出口を密封するように閉じ得る。例えば、封止部材は、貯蔵部出口を通過し、貯蔵部の外部の領域から貯蔵部を密封するように閉じるように、液体導管と貯蔵部出口の両方を覆う、液体導管のその部分に与えられるカップ様キャップなどのキャップであってもよい。別の実施例として、封止部材は変形可能であり、少なくとも閉鎖構成において、キャップ様またはカップ様の形状を有するように構成されてもよい。
【0044】
液体導管はまた、封止部材およびアクチュエータ部材のうちの少なくとも一つを通過してもよい。
【0045】
さらに、封止部材が閉鎖構成にある時に、液体導管の少なくとも一部分を圧迫することが可能である。有利なことに、液体導管を圧迫することにより、液体導管を通した液体搬送を減少または中断もし得る。結果として、エアロゾル形成液体が、液体導管を通して貯蔵部から漏れることが防止される。液体導管を圧迫することは、封止部材の閉鎖構成にあっても、液体導管が封止部材を通過する場合に特に有益である。
【0046】
一般に、液体導管は、貯蔵部から貯蔵部の外部の領域、特に、物品の気化ゾーンにエアロゾル形成液体を搬送するのに適切な任意の形状および構成を有し得る。
【0047】
液体導管は、芯要素を含んでもよい。芯要素の構成は、十分な空隙率を有するストランド状ワイヤ、ストランド状の材料のロープ、メッシュ、メッシュ管、いくつかの同心メッシュ管、布、材料のシート、または発泡体(または他の多孔質固体)、微細金属メッシュのロール、または金属箔、繊維もしくはメッシュの何らかの他の配設、または本明細書に記載されるウィッキング作用を実行するように適切にサイズ設定および構成された任意の他の形状であってもよい。
【0048】
液体導管、特に芯要素は、複数のフィラメントを含むフィラメントの束を含み得る。フィラメントの束は、非ストランド状のフィラメントの束であることが好ましい。非ストランド状のフィラメントの束では、フィラメントは互いに交差することなく、好ましくはフィラメント束の長さ延長部全体に沿って互いに隣り合わせに延びる。同様に、フィラメントの束は、フィラメントの束のフィラメントがストランド化されているストランド状部分を含み得る。ストランド状部分は、フィラメントの束の機械的安定性を強化し得る。
【0049】
一例として、フィラメントの束は、複数のフィラメントが互いに平行に配設され得る、その長さ延長部の少なくとも一部分に沿った平行束部分を含み得る。平行束部分は、フィラメントの束の一方の端部分に、またはフィラメントの束の両端部分間に配設されてもよい。あるいは、平行束部分は、フィラメントの束の長さ寸法全体に沿って延びてもよい。
【0050】
別の実施例として、フィラメントの束は、第一の浸漬セクション、第二の浸漬セクション、および第一の浸漬セクションと第二の浸漬セクションとの間の中間セクションを含み得る。少なくとも中間セクションに沿って、複数のフィラメントは互いに平行に配設されてもよい。バッファ貯蔵部および気化ゾーンを有する物品の特定の構成に関して、第一の浸漬セクションおよび第二の浸漬セクションの各々は、毛細管バッファ貯蔵部内に少なくとも部分的に配設されてもよく、中間セクションは、毛細管バッファ貯蔵部の外部の領域内、特に気化ゾーン内に配設されてもよい。
【0051】
フィラメントは本質的に毛細管現象を提供するため、液体を搬送するためにフィラメントを使用することは特に有利である。さらに、フィラメントの束では、束ねられた時に複数のフィラメント間に形成される狭い空間に起因して、毛細管現象がさらに強化される。特に、これは、フィラメント間の狭い空間が平行な配設に沿って変化しないため、それに沿って毛細管現象が一定であるフィラメントの平行な配設に当てはまる。
【0052】
フィラメントは、固体材料フィラメントであることが好ましい。固体材料フィラメントは安価で、かつ製造が簡単である。さらに、固体材料フィラメントは、良好な機械的安定性を提供し、それ故にフィラメントの束を頑丈にする。一般に、フィラメントは、特に束ねられた時に、エアロゾル形成液体を搬送するのに好適な任意の断面形状を有してもよい。したがって、フィラメントは、円形、楕円形、長円形、三角形、長方形、四角形、六角形、または多角形断面を有してもよい。フィラメントは、実質的に円形、長円形、または楕円形の断面を有することが好ましい。こうした断面を有するため、フィラメントは、互いに面積接触ではなく線接触しているのみであり、複数のフィラメント間に毛細管空間をそれ自体上に形成する。
【0053】
毛細管現象は一般滴に、二つの別個の表面である、フィラメントの液体表面および固体表面の表面エネルギーの減少に依存する。毛細管現象は、液体表面およびフィラメントの両方の曲率半径に依存する効果を含む。したがって、大きな表面積および小さな曲率半径に対する必要性があり、これらは両方ともフィラメントの小さな直径によって達成される。したがって、複数の第一のフィラメントは、最大で0.025ミリメートル、最大で0.05ミリメートル、最大で0.1ミリメートル、最大で0.15ミリメートル、最大で0.2ミリメートル、最大で0.25ミリメートル、最大で0.3ミリメートル、最大で0.35ミリメートル、最大で0.4ミリメートル、最大で0.45ミリメートル、または最大で0.5ミリメートルの直径を有してもよい。
【0054】
概して、フィラメントの束は、線形フィラメントの束、すなわち、実質的に真っ直ぐな、非湾曲または非屈曲フィラメントの束であってもよい。この構成は、フィラメントの束のわずかな屈曲、すなわち、フィラメントの束の長さ延長部に沿った大きな曲率半径を除外するものではない。本明細書で使用される場合、大きな曲率半径とは、フィラメントの束の全長より10倍、特に20倍、または50倍、または特に100倍大きい曲率半径を含み得る。あるいは、フィラメントの束は湾曲していてもよい。特に、フィラメントの束は、実質的にU字形状、またはC字形状、またはV字形状であってもよい。
【0055】
複数のフィラメントは、表面処理されてもよい。特に、複数のフィラメントは、少なくとも部分的に表面コーティング、例えば、エアロゾル化強化表面コーティング、液体接着表面コーティング、撥液表面コーティング、または抗菌表面コーティングを含み得る。エアロゾル化強化表面コーティングは、有利なことに、特に、様々なユーザーの体験を強化し得る。液体接着剤表面コーティングは、フィラメントの束の毛細管現象の強化に関して有益であり得る。抗菌表面コーティングは、細菌汚染を低減するように機能し得る。特にフィラメントの先端での撥液表面コーティングは、液体滴下を回避し得る。
【0056】
利用可能な空間、フィラメントの寸法、および搬送および加熱されるエアロゾル形成液体の量に応じて、フィラメントの束は、3~100個のフィラメント、特に10~80個のフィラメント、好ましくは20~60個のフィラメント、より好ましくは30~50個のフィラメント、例えば40個のフィラメントを含み得る。
【0057】
さらに別の実施例として、液体導管は、互いに部分的に交差する二つのフィラメントアレイを含んでもよい。特に、液体導管は、並んで配設された長軸方向フィラメントのアレイ、ならびに並んで配設され、かつ長軸方向フィラメントの長さ延長部に対して横断方向に長軸方向フィラメントのアレイと交差する横断方向フィラメントのアレイを含み得る。横断方向フィラメントのアレイは、液体導管が少なくとも一つのグリッド部分および少なくとも一つの非グリッド部分を含むように、長軸方向フィラメントのアレイの長さ部分に沿ってのみ延びてもよい。一例として、長軸方向フィラメントのアレイは、実質的に円筒形状、特に中空円筒形状を有してもよい。別の実施例として、長軸方向フィラメントのアレイは、実質的に円錐形状または実質的に円錐台形状、特に実質的に中空円錐形状または実質的に中空円錐台形状を有してもよい。これらの構成のいずれにおいても、長軸方向フィラメントは、円筒状、円錐状、円錐台状、中空円筒状、中空円錐状、または中空円錐台形状のシェル表面をそれぞれ形成する。それぞれの形状の長さ軸は、実質的に長軸方向フィラメントの長さ延長部に沿って延びる。有利なことに、前述の形状のいずれかは、固有の機械的寸法安定性を提供する。横断方向フィラメントのアレイは、これらの構成のいずれかにおいて実質的にリング形状を有することが好ましい。すなわち、横断方向フィラメントは、サセプタアセンブリのグリッド部分における長軸方向フィラメントの円筒状、円錐状、円錐台状、中空円筒状、中空円錐状、または中空円錐台状の形状のアレイの外周に沿って延びる。全体として見ると、サセプタアセンブリは、前述の構成のいずれかにおいて実質的に冠形状を有する。さらに、円錐状、円錐台状、中空円錐状、または中空円錐台状の形状の場合、長軸方向フィラメントは、それぞれの形状の基部に向かって互いから分岐する。したがって、円錐状、円錐台状、中空円錐状、または中空円錐状の形状の長軸方向フィラメントのアレイは、ファンアウト部分の提供を容易にする。
【0058】
液体導管は、誘導加熱可能であり得ることが好ましい。このように、液体導管は有利なことに、エアロゾル形成液体の搬送および加熱の両方の機能を実施する能力を有する。有利なことに、この二重機能は、搬送および加熱のための別個の手段を有することなく、液体導管の材料を非常に節約し、かつコンパクトな設計を可能にする。さらに、熱源、すなわち、液体導管とそれに接着されたエアロゾル形成液体との間には直接的な熱接触がある。ヒーターが飽和された芯と接触する場合とは異なり、液体導管と少量の液体との間の直接的な接触は、有利なことに、フラッシュ加熱、すなわち、蒸発の迅速な開始を可能にする。この点で、液体導管は、液体搬送サセプタアセンブリであるか、または液体搬送サセプタアセンブリを含むとみなされ得る。本明細書で使用される「誘導加熱可能」という用語は、交番磁界に供された時に電磁エネルギーを熱へと変換する能力を有するサセプタ材料を含む液体導管を指す。これは、その電気的特性および磁性に応じてサセプタ材料内で誘発されるヒステリシス損失または渦電流のうちの少なくとも一つの結果であり得る。ヒステリシス損失は、交流電磁場の影響下で切り替えられる材料内の磁区に起因して、強磁性またはフェリ磁性のサセプタ材料の中で生じる。渦電流は、導電性サセプタ材料内に誘発される。導電性の強磁性またはフェリ磁性サセプタ材料である場合、渦電流およびヒステリシス損失の両方によって熱が発生する。
【0059】
したがって、誘導加熱可能な液体導管は、少なくとも第一のサセプタ材料を含み得る。第一のサセプタ材料は、それぞれ、導電性および強磁性またはフェリ磁性のうちの少なくとも一つである材料を含んでもよく、またはそれらで作製されてもよい。すなわち、第一のサセプタ材料は、フェリ磁性材料、強磁性材料、または導電性材料、または導電性フェリ磁性材料もしくは導電性強磁性材料のうちの一つを含み得るか、またはそれらで作製され得る。
【0060】
さらに、液体導管は、第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は、熱損失、およびそれ故に加熱効率について最適化され得、第二のサセプタ材料は温度マーカーとして使用され得る。このため、第二のサセプタ材料は、フェリ磁性材料または強磁性材料のうちの一つを含むことが好ましい。特に、第二のサセプタ材料は、所定の加熱温度に対応するキュリー温度を有するように選ばれ得る。そのキュリー温度にて、第二のサセプタ材料の磁性は強磁性またはフェリ磁性から常磁性に変化し、その電気抵抗の一時的な変化が伴う。それゆえに、誘導源によって吸収された電流の対応する変化を監視することによって、第二のサセプタ材料がそのキュリー温度に達した時に、およびそれゆえに、所定の加熱温度に達した時に、その変化を検知することができる。第二のサセプタ材料は、摂氏500度より低いキュリー温度を有することが好ましい。特に、第二のサセプタ材料は、摂氏350度を下回る、好ましくは摂氏300度を下回る、より好ましくは摂氏250度を下回る、さらにより好ましくは摂氏200度を下回る、最も好ましくは摂氏150度を下回るキュリー温度を有してもよい。キュリー温度は、エアロゾル内に有害な成分が発生するのを防止するために、気化されるエアロゾル形成液体の沸点を下回るように選ばれることが好ましい。
【0061】
一例として、液体導管は、第一のサセプタ材料を含むか、または第一のサセプタ材料で作製される複数の第一のフィラメントを含み得る。さらに、液体導管は、第二のサセプタ材料を含むか、または第二のサセプタ材料で作製される複数の第二のフィラメントを含んでもよい。第一のサセプタ材料は、第二のサセプタ材料とは異なることが好ましい。温度マーカーとして十分に機能させるためには、数個のフィラメントが必要であるのみである。したがって、第一のフィラメントの数は、第二のフィラメントの数よりも多くてもよく、特に、2倍、または3倍、または4倍、または5倍、または6倍、または7倍、または8倍、または9倍、または10倍よりも多くてもよい。好ましくは、第一および第二のフィラメントの直径は、十分な量の渦電流を誘発し、それ故に交番磁界に露出された時に十分な量の熱エネルギーを生成するために、表皮深さの2倍よりも大きい。表皮深さは、誘導加熱された時に導電性サセプタ材料内で電気伝導がどの程度遠くまで起こるかの尺度である。したがって、使用される交番磁界の材料および周波数に応じて、第一および第二のフィラメントは、少なくとも0.015ミリメートル、少なくとも0.02ミリメートル、少なくとも0.025ミリメートル、少なくとも0.05ミリメートル、少なくとも0.075ミリメートル、少なくとも0.1ミリメートル、少なくとも0.125ミリメートル、少なくとも0.15ミリメートル、少なくとも0.2ミリメートル、少なくとも0.3ミリメートル、または少なくとも0.4ミリメートルの直径を有してもよい。第二のフィラメントは、液体導管全体を通してランダムに分布されてもよい。有利なことに、ランダムな分布は、液体導管の製造中にわずかな労力を必要とするのみである。
【0062】
前述の複数の第一のフィラメントおよび随意の複数の第二のフィラメントは、上述の液体導管の構成、例えば、少なくとも一つの平行束部分を含むフィラメントの束、二つの浸漬セクションおよび中間部分を含むフィラメントの束、または少なくとも一つのグリッド部分および少なくとも一つの非グリッド部分を形成するように、互いに部分的に交差する二つのフィラメントアレイを含む液体導管、のうちのいずれかで使用され得る。
【0063】
液体導管が誘導加熱可能である場合、フィラメントは、既に上述したように、エアロゾル発生物品の幾何学的中心軸に対して中心を外れて配設されてもよい。このため、液体導管は、液体導管を加熱するためにその中にエアロゾル発生物品が挿入され得る、誘導加熱エアロゾル発生装置によって発生される交番磁界の対称軸に対して、中心を外れて配設可能であってもよい。有利なことに、中心を外れた配設、すなわち、非対称配設のために、液体導管は、対称中心配設と比較して、より高い磁場密度を有する交番磁界の領域内に配設される。結果として、加熱効率が強化される。
【0064】
エアロゾル発生物品は、単回使用のためのエアロゾル発生物品、または複数回使用のためのエアロゾル発生物品であってもよい。後者の場合、エアロゾル発生物品は再充填可能であってもよい。すなわち、貯蔵部は、エアロゾル形成液体で再充填可能であってもよい。任意の構成では、エアロゾル発生物品は、貯蔵部内に含有されるエアロゾル形成液体をさらに含み得る。
【0065】
本明細書で使用される「エアロゾル形成液体」という用語は、エアロゾル形成液体の加熱に伴いエアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する液体に関する。エアロゾル形成液体は、加熱されることが意図される。エアロゾル形成液体は、固体のエアロゾル形成材料または構成要素と、液体のエアロゾル形成材料または構成要素との両方を含んでもよい。エアロゾル形成液体は、加熱に伴い液体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成液体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成液体は、エアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例はグリセリンおよびプロピレングリコールである。エアロゾル形成液体はまた、その他の添加物および成分(ニコチンまたは風味剤など)も含んでもよい。特に、エアロゾル形成液体は水、溶媒、エタノール、植物抽出物、および天然の風味または人工の風味を含んでもよい。エアロゾル形成液体は、水性エアロゾル形成液体、または油性エアロゾル形成液体であってもよい。
【0066】
貯蔵部は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)のうちの一つを含むか、またはそれらで作製され得る。PP、PE、およびPETは特にコスト効果が高く、成形、特に押出成形が容易である。
【0067】
貯蔵部は、エアロゾル形成液体を貯蔵するための主貯蔵部と、毛細管現象に起因してエアロゾル形成液体を貯蔵するための、主貯蔵部と流体連通する毛細管バッファ貯蔵部とに少なくとも分割されてもよい。貯蔵部出口は、毛細管バッファ貯蔵部および主貯蔵部の外部への境界面においてエアロゾル形成液体を提供するために、毛細管バッファ貯蔵部と流体連通してもよい。バッファ貯蔵部は、物品位置とは独立して、バッファ貯蔵部と流体連通している液体導管に十分な量のエアロゾル形成液体を確実に提供するために、毛細管現象に起因してエアロゾル形成液体を貯蔵するように構成されている。このため、毛細管バッファ貯蔵部の体積は、毛細管効果が重力に対して優位となるように、十分に小さくなるよう選ばれ得る。結果として、バッファ貯蔵部内に充填された後、エアロゾル形成液体は、特に、物品の配向が、例えば、実質的に直立位置から実質的に水平位置、さらには逆さまの位置へと変化した時でも、主貯蔵部内に戻るよう流れることが防止される。基本的に、毛細管バッファ貯蔵部は、万年筆のバッファ貯蔵部と同様に作用する。
【0068】
毛細管バッファ貯蔵部の寸法は、毛細管バッファ貯蔵部の少なくとも一部分を画定する二つの対向する壁間の最大寸法が、0.2ミリメートル~5ミリメートル、特に0.5ミリメートル~2.5ミリメートル、好ましくは1ミリメートル~2ミリメートルの範囲内となるように選ばれ得る。これらの値は、十分な毛細管現象を確実にする一方で、依然として十分な量のエアロゾル形成液体を貯蔵するための十分に大きなバッファ体積を提供することを可能にする。
【0069】
毛細管バッファ貯蔵部は、最大60立方ミリメートル、特に最大50立方ミリメートル、好ましくは最大40立方ミリメートル、より好ましくは最大30立方ミリメートル、最も好ましくは最大20立方ミリメートルの総体積を有してもよい。これらの体積は、依然として適切な毛細管現象を確保する。
【0070】
その逆も可であり、毛細管バッファ貯蔵部の総体積は、少なくとも5立方ミリメートル、特に少なくとも10立方ミリメートル、好ましくは少なくとも15立方ミリメートルであってもよい。これらの体積は、依然として少なくとも数回の吸煙の間持続するのに十分な量のエアロゾル形成液体を閉じ込めて、毛細管バッファ貯蔵部内に提供するのに十分に大きい。
【0071】
本発明によると、本発明による、かつ本明細書に記載のエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムも提供されている。物品は、エアロゾル発生装置とともに使用するために構成されている。
【0072】
本発明によると、本発明による、かつ本明細書に記載のエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムも提供されている。物品は、エアロゾル発生装置とともに使用するために構成されている。
【0073】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、物品内のエアロゾル形成液体を加熱することによってエアロゾルを発生するように、少なくとも一つのエアロゾル形成液体を含む少なくとも一つのエアロゾル発生物品と相互作用する能力を有する電気的に作動する装置を記述するために使用される。エアロゾル発生装置は、ユーザーによってユーザーの口を通して直接吸入可能なエアロゾルを発生するための吸煙装置であることが好ましい。特に、エアロゾル発生装置は手持ち式のエアロゾル発生装置である。
【0074】
装置は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するための受容空洞を備え得る。
【0075】
さらに、エアロゾル発生装置は、電気加熱配設を備え得る。加熱配設は、物品内に含有されるエアロゾル形成液体を加熱するように構成され得る。特に、加熱配設は、貯蔵部から貯蔵部の外部の領域、特に上述の気化ゾーンに搬送されたエアロゾル形成液体を加熱するように構成されてもよい。液体は、上述の液体導管によって搬送されてもよい。
【0076】
加熱配設は、エアロゾル形成液体を加熱するための抵抗発熱体を含む抵抗加熱配設であってもよい。抵抗発熱体は、例えば、加熱ワイヤまたは加熱コイルであってもよい。使用時に、抵抗発熱体は、加熱されるエアロゾル形成液体と熱的に接触して、または熱的に近接して配設される。特に、抵抗発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内に受容された時に、液体導管、特に、エアロゾル発生物品の気化ゾーン内に配設された液体導管の一部に熱的に接触して、または熱的に近接して配設され得る。
【0077】
別の方法として、加熱配設は、誘導加熱配設であってもよい。すなわち、エアロゾル発生装置は、誘導加熱エアロゾル発生装置であってもよい。この構成は、物品の液体導管が誘導加熱可能である場合に特に好ましい。誘導加熱はまた、エアロゾル発生物品が、エアロゾル発生物品の気化ゾーンに配設される液体導管、特に、液体導管の一部に熱的に接触して、または熱的に近接して配設される(別個の)サセプタ要素を備える場合に機能し得る。また、エアロゾル発生装置自体が、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置内に受容された時に、液体導管、特に、エアロゾル発生物品の気化ゾーン内に配設された液体導管の一部と熱的に接触して、または熱的に近接して配設されるサセプタ要素を備えることも可能である。後者の構成、すなわち、液体導管自体が誘導加熱可能でない場合には、サセプタ要素は、例えば、液体導管を囲むサセプタスリーブまたはサセプタコイル、特に、エアロゾル発生物品の気化ゾーンに配設される液体導管の一部であってもよい。
【0078】
誘導加熱エアロゾル発生装置、特に誘導加熱配設は、物品がエアロゾル発生装置内に受容された時に、エアロゾル発生物品内のエアロゾル形成液体を誘導加熱するために、受容空洞内に交番磁界を発生させるように構成および配設された少なくとも一つの誘導源を含んでもよい。
【0079】
交番磁界を発生させるために、誘導源は少なくとも一つのインダクタ、好ましくは受容空洞の周りに配設された少なくとも一つの誘導コイルを含み得る。液体導管が誘導加熱可能である場合、誘導コイルは、物品が受容空洞内に、特にエアロゾル発生物品の気化ゾーン内に配設される液体導管の一部の周りに受容された時に、液体導管の周りに配設される。
【0080】
少なくとも一つの誘導コイルは、らせん状コイルまたはフラット平面状コイル、特にパンケーキコイルまたは湾曲した平面状コイルでありうる。フラットスパイラルコイルの使用は、頑丈でかつ製造が安価なコンパクトな設計を可能にする。らせん状誘導コイルの使用は有利なことに、均質な交番磁界を発生することを可能にする。本明細書で使用される「フラットスパイラルコイル」は、一般的に平面の、コイルの巻線の軸がコイルが置かれた表面に対して垂直であるコイルを意味する。フラットスパイラル誘導コイルは、コイルの平面内で任意の所望の形状を有することができる。例えば、フラットスパイラルコイルは円形の形状を有してもよく、または概して楕円形もしくは長方形の形状を有してもよい。しかしながら、本明細書で使用される「フラットスパイラルコイル」という用語は、平面状のコイルと、曲面に適合するように成形されたフラットスパイラルコイルとの両方を網羅する。例えば、誘導コイルは、好ましくは円筒状のコイル支持体(例えば、フェライトコア)の周囲に配設された「湾曲した」平面状コイルであってもよい。さらに、フラットスパイラルコイルは、例えば四回巻きフラットスパイラルコイルの二層、または四回巻きフラットスパイラルコイルの単層を備えてもよい。少なくとも一つの誘導コイルは、エアロゾル発生装置の主本体またはハウジングのうちの少なくとも一つ内に保持され得る。
【0081】
エアロゾル発生物品は、存在する場合、誘導加熱可能な液体導管が、物品がエアロゾル発生装置の受容空洞内に受容された時に、誘導源によって発生される交番磁界の対称軸に対して中心を外れて配設されるように構成されてもよい。上述のように、中心を外れた配設、すなわち、非対称配設のために、液体導管は、対称中心配設と比較して、より高い磁界密度を有する交番磁界の領域内に配設される。結果として、加熱効率が強化される。
【0082】
誘導源は交流(AC)発電機を備えてもよい。AC発電機はエアロゾル発生装置の電源によって電力供給されてもよい。AC発電機は少なくとも一つの誘導コイルに動作可能に連結される。特に、少なくとも一つの誘導コイルは、AC発電機の一体型の部分であってもよい。AC発電機は、交番磁界を発生させるために少なくとも一つの誘導コイルを通過する高周波振動電流を発生するように構成されている。AC電流はシステムの起動後、少なくとも一つの誘導コイルに連続的に供給されてもよく、または、例えば、毎回の吸煙ごとに断続的に供給されてもよい。
【0083】
誘導源は、LCネットワークを含むDC電源に接続されたDC/ACコンバータを備え、LCネットワークはコンデンサおよびインダクタの直列接続を備えることが好ましい。
【0084】
誘導源は、高周波磁場を発生するように構成されていることが好ましい。本明細書において参照される通り、高周波磁場は、500kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、特に5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲内でありうる。
【0085】
エアロゾル発生装置は、特に、所定の動作温度へのエアロゾル形成液体の加熱を制御するために、好ましくは閉ループ構成における、加熱プロセスの動作を制御するように構成されたコントローラをさらに備えてもよい。エアロゾル形成液体を加熱するのに使用される動作温度は、摂氏100度~摂氏300度、特に、摂氏150度~摂氏250度の範囲、例えば、摂氏230度であってもよい。これらの温度は、エアロゾル形成基体を加熱するが燃焼させないための典型的な動作温度である。
【0086】
コントローラは、エアロゾル発生装置の総合コントローラであってもよく、またはエアロゾル発生装置の総合コントローラの一部であってもよい。コントローラは、マイクロプロセッサ、例えばプログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路を備えてもよい。コントローラは、少なくとも一つのDC/ACインバータ、および/または電力増幅器、例えば、クラスC電力増幅器、またはクラスD電力増幅器、またはクラスE電力増幅器など、さらなる電子構成要素を含んでもよい。特に、誘導源はコントローラの一部であってもよい。
【0087】
エアロゾル発生装置は電源、特に誘導源にDC供給電圧およびDC供給電流を提供するように構成されたDC電源を備えうる。電源はリン酸鉄リチウム電池などの電池であることが好ましい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要としうる、すなわち、電源は充電可能でありうる。電源は、一回または複数回のユーザー体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有する場合がある。例えば、電源は約六分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または誘導源の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0088】
誘導加熱エアロゾル発生装置の場合、エアロゾル発生装置は、誘導コイルの少なくとも一部分の周りに配設され、かつ少なくとも一つの誘導源の交番磁界を受容空洞に向かって歪めるように構成された磁束コンセントレータをさらに備え得る。したがって、物品が受容空洞内に受容された時、交番磁界は、存在する場合、誘導加熱可能な液体導管に向かって歪む。磁束コンセントレータは、磁束コンセントレータ箔、特に、多層磁束コンセントレータ箔を含むことが好ましい。
【0089】
物品の封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させるために、エアロゾル発生装置は、磁気コイル、永久磁石、または磁性材料を含んでもよい。磁気コイル、永久磁石、または磁性材料は、可動磁石アクチュエータの固定部分を形成し得る。可動磁石アクチュエータの可動カウンター部品として、エアロゾル発生物品は、永久磁石を含む磁気駆動アクチュエータ部材を備えてもよい。本発明によるエアロゾル発生物品に関してさらに上述したように、永久磁石は、磁気コイル、永久磁石、または装置の磁性材料との相互作用によって、少なくとも第一の位置から第二の位置へと移動可能であり、それによって封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させ得る。
【0090】
同様に、同じく上述したように、エアロゾル発生装置は、磁気コイルまたは永久磁石を備えてもよく、エアロゾル発生物品は、装置の磁気コイルまたは永久磁石との相互作用によって、少なくとも第一の位置から第二の位置へと移動可能であり、それによって、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させる、強磁性またはフェリ磁性部材を含む磁気駆動アクチュエータ部材を備えてもよい。
【0091】
前述の構成のいずれにおいても、磁気コイルの使用は有利なことに、貯蔵部出口の開閉を制御することを可能にする。エアロゾル発生装置は、ユーザー入力、またはエアロゾル形成液体を加熱するための加熱動作の開始、またはエアロゾル発生装置の中への物品の挿入のうちの少なくとも一つに応答して磁気コイルを起動させるように構成されてもよい。同様に、エアロゾル発生装置は、ユーザー入力、またはエアロゾル形成液体を加熱するための加熱動作の停止、またはエアロゾル発生装置からの物品の取り外しのうちの少なくとも一つに応答して磁気コイルを停止させるように構成されてもよい。
【0092】
別の態様によると、エアロゾル発生物品は、機械的接触駆動アクチュエータ部材を備えてもよい。機械的接触駆動アクチュエータ部材は、物品の封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させるために、エアロゾル発生装置と機械的に相互作用するように構成および配設されてもよい。このため、エアロゾル発生装置は、プッシャーまたはキャッチ、特に、ピストンなどの固定プッシャーまたは固定キャッチ、例えば、突出部を備えてもよい。プッシャーまたはキャッチは、物品がエアロゾル発生装置の中に挿入された時に、エアロゾル発生物品のアクチュエータ部材を第一の構成から第二の構成へと移動させ、それによって、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させるように配設および構成されてもよい。さらに、プッシャーまたはキャッチは、物品がエアロゾル発生装置から取り外された時に、エアロゾル発生物品のアクチュエータ部材を第二の構成から第一の構成へと移動させ、それによって、封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させるように配設および構成されてもよい。同様に、エアロゾル発生装置は、アクチュエータ部材を第一の構成から第二の構成へと移動させるために、機械的接触駆動アクチュエータ部材と機械的に相互作用するように構成および配設された機械的アクチュエータを備え得る。装置の機械的アクチュエータは、移動可能なプッシャーまたは移動可能なキャッチであってもよい。移動可能なプッシャーまたは移動可能なキャッチの移動は、ユーザーが移動可能なプッシャーまたは移動可能なキャッチを作動させることによって手動で生じてもよい。同様に、移動可能なプッシャーまたは移動可能なキャッチの移動は、電気駆動または磁気駆動アクチュエータによって生じてもよい。
【0093】
さらに別の態様によると、エアロゾル発生物品は、上述のように熱駆動アクチュエータ部材を備えてもよく、エアロゾル発生装置は、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させるために、物品がエアロゾル発生装置の中に挿入された時に、熱駆動アクチュエータ部材を加熱するための加熱配設を備えてもよい。加熱配設は、抵抗ヒーターを含み得る。別の方法として、熱駆動アクチュエータ部材は、サセプタ材料を含んでもよく、加熱配設は、誘導加熱によって熱駆動アクチュエータ部材を加熱するために、物品がエアロゾル発生装置内に受容された時に、熱駆動アクチュエータ部材の場所で交番磁界を発生するための誘導源を含んでもよい。
【0094】
熱駆動アクチュエータ部材を加熱するための加熱配設は、ユーザー入力、またはエアロゾル形成液体を加熱するための加熱動作の開始、またはエアロゾル発生装置の中への物品の挿入のうちの少なくとも一つに応答して起動されるように構成されてもよい。同様に、熱駆動アクチュエータ部材を加熱するための加熱配設は、ユーザー入力、またはエアロゾル形成液体を加熱するための加熱動作の停止、またはエアロゾル発生装置からの物品の取り外しのうちの少なくとも一つに応答して停止されるように構成されてもよい。
【0095】
本発明によるエアロゾル発生システムのさらなる特徴および利点は、本発明によるエアロゾル発生物品に関してすでに上述されており、等しく適用される。
【0096】
本発明は特許請求の範囲に定義される。しかしながら、以下に、非限定的な実施例を非網羅的に提供する。これらの実施例のいずれか一つ以上の特徴は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0097】
実施例1:
エアロゾル発生装置とともに使用するためのエアロゾル発生物品であって、物品が、
実施例2:
- エアロゾル形成液体を貯蔵するための液体貯蔵部であって、貯蔵部出口を含む、液体貯蔵部と、
- それぞれ、貯蔵部出口を開く、または密封するように閉じるように、開放構成と閉鎖構成との間で可逆的に移動可能な封止部材と、
- 封止部材を少なくとも閉鎖構成から開放構成へと移動させるために、封止部材に動作可能に連結されたアクチュエータ部材と、を備える、エアロゾル発生物品。
実施例3:
次いで、アクチュエータ部材は、封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させるように構成されている、実施例1に記載のエアロゾル発生物品。
実施例4:
アクチュエータ部材は、熱駆動アクチュエータ部材である、先行する実施例のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例5:
熱駆動アクチュエータ部材は、バイメタルまたは形状記憶材料を含む、実施例3に記載のエアロゾル発生物品。
実施例6:
熱駆動アクチュエータ部材は、少なくとも一つの温度作動ばねを含む、実施例3または実施例4のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例7:
少なくとも一つの温度作動ばねは、円筒状コイルばね、または円錐状コイルばね、またはディスクばね、またはスターばねのうちの少なくとも一つを含む、実施例5に記載のエアロゾル発生物品。
実施例8:
アクチュエータ部材は、磁気駆動アクチュエータ部材である、実施例1または実施例2のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例9:
磁気駆動アクチュエータ部材は、エアロゾル発生装置の磁気コイル、永久磁石、または磁性材料との相互作用によって、少なくとも第一の位置から第二の位置へと移動可能であり、それによって、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させる、永久磁石を備える、実施例7に記載のエアロゾル発生物品。
実施例10:
磁気駆動アクチュエータ部材は、エアロゾル発生装置の磁気コイルまたは永久磁石と相互作用することによって、少なくとも第一の位置から第二の位置へと移動可能であり、それによって、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させる、強磁性またはフェリ磁性部材を含む、実施例7に記載のエアロゾル発生物品。
実施例11:
アクチュエータ部材は、第一の構成から第二の構成へと移動し、それによって、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させるように、エアロゾル発生装置の中に挿入された時に、エアロゾル発生装置と機械的に相互作用するように構成および配設された、機械的接触駆動アクチュエータ部材である、実施例1または実施例2のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例12:
封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させるように配設および構成される戻り機構をさらに備える、先行する実施例のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例13:
戻り機構は、少なくとも一つの戻りばねを含む、実施例11に記載のエアロゾル発生物品。
実施例14:
戻り機構は、弾性材料を含む、または弾性材料で作製される封止部材によって少なくとも部分的に実現される、実施例11または実施例12のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例15:
アクチュエータ部材および封止部材は、互いに一体的に形成される、実施例のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例16:
封止部材が開放構成にある時に、液体貯蔵部から貯蔵部出口を通って液体貯蔵部の外部の領域にエアロゾル形成液体を送達するための液体導管をさらに備える、先行する実施例のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例17:
液体導管は、封止部材およびアクチュエータ部材のうちの少なくとも一つに取り付けられる、実施例15に記載のエアロゾル発生物品。
実施例18:
液体導管は、芯要素、特にフィラメントの束、好ましくは、非ストランド状のフィラメントの束、またはメッシュを含む、実施例15または実施例16のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例19:
液体導管は、誘導加熱可能である、実施例15~17のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例20:
液体導管は、液体搬送サセプタアセンブリを含む、実施例15~18のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例21:
封止部材が閉鎖構成にある時に、液体導管が少なくとも部分的に貯蔵部の外部に配設される、実施例15~19のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例22:
封止部材が閉鎖構成にある時に、液体導管が完全に貯蔵部の外部に配設される、実施例15~20のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例23:
封止部材が閉鎖構成にある時に、液体導管が貯蔵部内のエアロゾル形成液体から封止される、実施例15~21のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例24:
封止部材が開放構成にある時に、液体導管が少なくとも部分的に貯蔵部内に配設される、実施例15~22のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例25:
封止部材が開放構成にある時に、液体導管が貯蔵部出口を通過する、実施例15~23のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例26:
封止部材が閉鎖構成にある時に、液体導管が貯蔵部出口を通過する、実施例15~24のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例27:
液体導管は、封止部材およびアクチュエータ部材のうちの少なくとも一つを通過する、実施例15~25のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例28:
液体導管の少なくとも一部分は、封止部材が閉鎖構成にある時に圧迫される、実施例15~26のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例29:
物品は、気化ゾーン、特に、気化ゾーンを含む、実施例15~27のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例30:
液体導管は、封止部材が開放構成にある時に、気化ゾーン内を通過する、または気化ゾーンに面する、実施例28に記載のエアロゾル発生物品。
実施例31:
封止部材は、弾性材料、特にゴム材料を含む、またはゴム材料で作製される、先行する実施例のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例32:
エアロゾル発生装置と、装置とともに使用するための先行実施例のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
実施例33:
エアロゾル発生装置は、磁気コイル、永久磁石、または磁性材料を含み、エアロゾル発生物品は、装置の磁気コイル、永久磁石、または磁性材料との相互作用によって、少なくとも第一の位置から第二の位置へと移動可能であり、それによって、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させる、永久磁石を含む磁気駆動アクチュエータ部材を備える、実施例31に記載のエアロゾル発生システム。
実施例34:
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置と機械的に相互作用するように構成および配設された機械的接触駆動アクチュエータ部材を備え、エアロゾル発生装置は、物品がエアロゾル発生装置の中に挿入された時に、エアロゾル発生物品のアクチュエータ部材を第一の構成から第二の構成へと移動させ、それによって、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させるように配設および構成された、プッシャーまたはキャッチ、特に固定のプッシャーまたはキャッチを含む、実施例31に記載のエアロゾル発生システム。
実施例35:
プッシャーまたはキャッチは、物品がエアロゾル発生装置から取り外された時に、エアロゾル発生物品のアクチュエータ部材を第二の構成から第一の構成へと移動させ、それによって、封止部材を開放構成から閉鎖構成へと移動させるように配設および構成される、実施例33に記載のエアロゾル発生システム。
実施例36:
エアロゾル発生物品は、熱駆動アクチュエータ部材を備え、エアロゾル発生装置は、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させるために、物品がエアロゾル発生装置の中に挿入された時に、熱駆動アクチュエータ部材を加熱するための加熱配設を備える、実施例31に記載のエアロゾル発生システム。
実施例37:
加熱配設は、抵抗ヒーターを含む、実施例35に記載のエアロゾル発生システム。
実施例38:
熱駆動アクチュエータ部材は、サセプタ材料を含み、加熱配設は、誘導加熱によって熱駆動アクチュエータ部材を加熱するために、物品がエアロゾル発生装置内に受容された時に、熱駆動アクチュエータ部材の場所で交番磁界を発生するための誘導源を含む、実施例35に記載のエアロゾル発生システム。
実施例39:
エアロゾル発生装置は、磁気コイルまたは永久磁石を備え、エアロゾル発生物品は、装置の磁気コイルまたは永久磁石との相互作用によって、少なくとも第一の位置から第二の位置へと移動可能であり、それによって、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させる、強磁性またはフェリ磁性部材を含む磁気駆動アクチュエータ部材を備える、実施例31に記載のエアロゾル発生システム。
【0098】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0099】
図1図1は、開放構成にある本発明によるエアロゾル発生物品の第一の実施形態を概略的に示す。
図2図2は、線A-Aに沿った図1によるエアロゾル発生物品を通した断面を示す。
図3図3は、閉鎖構成にある図1~2によるエアロゾル発生物品を示す。
図4図4は、図1~3による物品と、物品とともに使用するためのエアロゾル発生装置とを備える、本発明によるエアロゾル発生システムの例示的な実施形態を概略的に示す。
図5図5は、開放構成にある図1~3によるエアロゾル発生物品の代替を概略的に示す。
図6図6は、閉鎖構成にある本発明によるエアロゾル発生物品の第二の実施形態を概略的に示す。
図7図7は、開放構成にある図6によるエアロゾル発生物品を概略的に示す。
図8図8は、第三の実施形態によるエアロゾル発生物品と、物品とともに使用するためのエアロゾル発生装置とを備える、エアロゾル発生システムの別の例示的な実施形態を概略的に示す。
図9図9は、エアロゾル発生装置を有さずに、閉鎖構成にある図8によるエアロゾル発生物品を示す。
図10図10は、第四の実施形態によるエアロゾル発生物品と、物品とともに使用するためのエアロゾル発生装置とを備える、エアロゾル発生システムのさらに別の例示的な実施形態を概略的に示す。
図11図11は、エアロゾル発生装置を有さずに、閉鎖構成にある図10によるエアロゾル発生物品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0100】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生物品40を概略的に示す。図4に関して以下でより詳細に説明するように、エアロゾル発生物品40は、エアロゾル発生物品40によって提供されるエアロゾル形成液体50を気化させるために、誘導加熱エアロゾル発生装置とともに使用されるように構成されている。物品40は、液体不透過性の剛直な材料、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、またはPE(ポリエチレン)のうちの一つで作製された実質的に円筒状の物品ハウジングを備える。物品ハウジングは、中空円筒状の外側管状壁42、第一のエンドキャップ44および第二のエンドキャップ43を含む。第一のエンドキャップ44は、管状壁42の第一の端57において管状壁42の内側空隙を密封するように閉じ、第二のエンドキャップ43は、対向する第二の端56において管状壁42の内側空隙を密封するように閉じる。物品40は、円筒状の管状外壁42の内側空隙を中空円筒状の第一の区画58および第一の区画58によって囲まれた同軸の円筒状の第二の区画に仕切るように、円筒状の管状外壁42内に同軸に配設される物品ハウジングの一部として円筒状の仕切り壁41をさらに備える。第二の区画の底部において、物品40は、第二の区画の内側空隙を第二のエンドキャップ43内に形成された陥凹部から分離する、実質的にディスク形状のブッシング45を備える。第一の区画58は、エアロゾル形成液体50を貯蔵するための中空円筒状の主貯蔵部51を形成する一方で、第二の区画と整列する陥凹部のその部分は、毛細管バッファ貯蔵部52を提供する。図1で分かるように、陥凹部は、主貯蔵部51が毛細管バッファ貯蔵部52へと直接広がり、エアロゾル形成液体50が主貯蔵部51から毛細管バッファ貯蔵部52内へと自由に流れることを可能にするように形成されている。すなわち、主貯蔵部51および毛細管バッファ貯蔵部52は、互いに流体連通している。主貯蔵部および毛細管バッファ貯蔵部52は一緒に、本発明による、かつ本明細書に定義されるエアロゾル発生物品40の貯蔵部58を形成する。対照的に、第二の区画は、貯蔵部58の一部ではなく、貯蔵部58の外部の領域にある。本実施形態では、第二の区画は、円筒状の気化ゾーン53、特に、貯蔵部58に貯蔵されたエアロゾル形成液体を気化させるための気化空洞を形成する。貯蔵部58と気化ゾーン53との間の流体連通を提供するために、ブッシングは、貯蔵部58の貯蔵部出口59を形成する開口を含む。さらに上述したように、バッファ貯蔵部52は、物品位置とは独立して、貯蔵部出口59の近くに一定量のエアロゾル形成液体を提供するために、毛細管現象に起因してエアロゾル形成液体を貯蔵するように構成されている。このため、毛細管バッファ貯蔵部の体積は、毛細管効果が重力に対して優位となるように、十分に小さくなるよう選ばれる。特に、バッファ貯蔵部の一つの寸法が毛細管の有効長さよりも小さいだけで十分である。結果として、バッファ貯蔵部52に充填された後、エアロゾル形成液体50は、特に、物品40の配向が、例えば、図1に示す実質的に直立位置から実質的に水平位置、さらには逆さまの位置へと変化した時でも、主貯蔵部51に戻るように流れることが防止される。基本的に、毛細管バッファ51貯蔵部は、万年筆のバッファ貯蔵部と同様に作用する。
【0101】
エアロゾル形成液体50を毛細管バッファ貯蔵部52から気化ゾーン53に搬送するために、物品40は液体導管70を備え、液体導管70の詳細については図2にも示されている。本実施形態では、液体導管70は、特に製造が容易な実質的に円形断面を有する、非ストランド状のフィラメントの束である。フィラメントの束は、互いに平行に配設された複数のフィラメント71、72を含む。フィラメントの束におけるフィラメント71、72の配設に起因して、およびフィラメント71、72の小さな直径に起因して、液体導管70は、フィラメント71とフィラメント72との間に形成された毛細管チャネルを含む。これらのチャネルは、液体導管70の長さ延長部に沿って毛細管現象を提供し、それ故に、エアロゾル形成液体50を毛細管バッファ貯蔵部52から気化空洞53へと搬送することを可能にする。
【0102】
液体搬送特性に加えて、本実施形態の液体導管70は、誘導加熱のためにも構成されている。その目的のために、液体導管70は、熱発生に関して最適化された第一のサセプタ材料を含む少なくとも複数の第一のフィラメント71を含む。液体導管70はまた、上述のように、温度マーカーとして機能する第二のサセプタ材料を含む、複数の第二のフィラメント72を含んでもよい。フィラメント材料の感受性の強い性質に起因して、液体導管70は、交番磁界内で誘導加熱される能力を有し、それ故に、フィラメント71、72と熱的に接触しているエアロゾル形成液体を気化する能力を有する。したがって、液体導管70は、エアロゾル形成液体の搬送および加熱という二つの機能を実行する能力を有する。この理由のために、液体導管は、液体搬送サセプタアセンブリとしても示される。
【0103】
図1に見られるように、液体導管70は、液体導管70の第一の部分がバッファ貯蔵部52内に配設され、第二の部分が気化空洞53内に配設されるように、ブッシング45において貯蔵部58の貯蔵部出口59を通過する。図1に示すように、液体導管70の第一の部分は、バッファ貯蔵部52内に配設され、それ故に、エアロゾル形成液体50に浸漬されて、エアロゾル形成液体50をバッファ貯蔵部52から液体導管70の第二の部分へと搬送するための浸漬セクション75として作用する。気化空洞53では、第二の部分は、フィラメント71、72を誘導的に加熱するために交番磁界に露出された時に、エアロゾル形成液体50を気化させるための加熱セクション76として少なくとも部分的に作用する。これは図4に関して、以下でより詳細に説明される。
【0104】
物品40の最初の消費まで、または消費中に物品40が一時的に未使用となる時、貯蔵部58からエアロゾル形成液体が漏れることを防止するために、物品40は、貯蔵部出口59を開放または密封するように閉じるような開放構成と閉鎖構成との間で移動可能な封止部材90を備える。図1は、封止部材90が開放構成にあるエアロゾル発生物品を示し、図3は、封止部材90が閉鎖構成にあるエアロゾル発生物品40を示す。したがって、可逆的に封止を開閉することは、物品のシェル寿命、ならびに消費開始後の有用な寿命を延ばす。
【0105】
本実施形態では、封止部材90は、閉鎖構成においてブッシング45に当接し、それによって貯蔵部出口59を密封するように覆う、ゴムで作製されたプレートである。封止部材を閉鎖構成から開放構成へと、また好ましくは戻るように移動させるために、エアロゾル発生物品40は、封止部材90に動作可能に連結されたアクチュエータ部材91をさらに備える。本実施形態では、アクチュエータ部材91は、形状記憶材料、特に二方向形状記憶材料で作製されたらせん状ばねである。このため、ばねは、二つの異なる形状、一つは低温における形状、および一つは所定のスイッチング温度以上の高温における形状を記憶する。本実施形態では、ばねは、図3に示すように、ばねが低温で膨張状態にあるように構成されている。対照的に、ばねは、図1に示すように、所定のスイッチング温度以上では収縮状態にある。本実施形態では、らせん状ばねは、第二のエンドキャップ43の内表面と第二のエンドキャップ43に面する封止部材90の側面との間に配設される。さらに、らせん状ばねは、第二のエンドキャップ43および封止部材90の両方に取り付けられる。したがって、膨張状態では、らせん状ばねは、貯蔵部出口59を貯蔵部の内部から密封するように閉じるように、封止部材90をブッシング45に押し付ける。その逆も可であり、収縮状態では、らせん状ばねが封止部材90から持ち上げられて、貯蔵部出口59を解放するようにブッシング45を形成する。有利なことに、二方向形状記憶材料に起因して、らせん状ばねは、封止部材90を両方向、すなわち、閉鎖構成から開放構成へと、ならびに開放構成から閉鎖構成へと能動的に移動させることが可能である。
【0106】
封止部材90の移動のための案内を提供するために、エアロゾル発生物品40は、封止部材90に取り付けられ、第二のエンドキャップ43のガイド穴93内に摺動自在に支持されるピストン92をさらに備える。
【0107】
さらに上述したように、形状記憶材料は、物品が典型的に輸送または貯蔵される温度を十分に超えるが、物品40に貯蔵されるエアロゾル形成液体50の沸点温度よりも十分に低いスイッチング温度を有するように選ばれるべきである。例えば、スイッチング温度は、摂氏80度~摂氏180度、特に摂氏80度~摂氏120度の範囲内であってもよい。例えば、形状記憶材料は、オーステナイトチタン合金、特にオーステナイトニッケルチタン合金、またはニッケルチタンハフニウム合金であってもよい。
【0108】
図4に関してより詳細に説明するように、形状記憶材料の相変態を駆動するため、それ故に封止部材を閉鎖構成から開放構成へと移動させるために必要な熱エネルギーは、物品40がともに使用されるように構成されているエアロゾル発生装置内の加熱配設に起因する。
【0109】
図1および図3にさらに見られるように、液体導管70は、物品40内に摺動自在に配設され、封止部材90に、貯蔵部出口59に面する側に取り付けられる。したがって、液体導管70は、封止部材90の動きに従い得る。したがって、開放構成では、液体導管70は、部分的に貯蔵部58内に配設される。その逆も可であり、開放構成では、液体導管70は、貯蔵部58内には配設されず、気化ゾーン53内、および部分的に貯蔵部出口59の通路内にのみ配設される。
【0110】
図5は、図1および図3による物品40の代替的な実施形態を示す。本実施形態では、液体導管70は、封止部材90に取り付けられていない。その代わりに、液体導管70は、物品40内、特に気化ゾーン53および貯蔵部出口59内にのみ固定的に配設されている。すなわち、液体導管70は、貯蔵部出口59の通路で終結し、閉鎖構成においても開放構成においても、貯蔵部58を通過しない。しかしながら、開放構成では、貯蔵部出口59で終結する液体導管の一部は、貯蔵部に面しており、それ故に依然として浸漬セクション75として示され得る。この構成では、貯蔵部出口59を形成するブッシング45の開口は、液体導管70のフィラメント71、72を束ねるため、すなわち、フィラメント71、72を一緒に維持するためにも機能し得る。さらに、開口は、物品ハウジングに対する液体導管70の位置を固定するように機能し得る。
【0111】
再び図1を参照すると、物品40は、第一のエンドキャップ44に取り付けられ、かつ吸煙のためにユーザーの口の中に取り込まれるように構成されている、先細り形状のマウスピース47を備える。マウスピース47は、フィルター55および空気出口48を含む。マウスピース47は、第一のエンドキャップ44内の出口49を通して気化空洞45と流体連通している。第一のエンドキャップ44は、空気が物品40に入ることを可能にする少なくとも一つの空気吸込み口46を含む。空気吸込み口46は、液体導管70の加熱セクション76に、またはその周りに気流を提供するように構成され得る。空気吸込み口46は、穴であってもよい。同様に、空気吸込み口46は、気流を液体導管70の特定の標的場所に方向付けるように構成されたノズルであってもよい。さらに、そのため、ユーザーがマウスピース47で吸煙すると、空気は物品40の気化空洞53内に引き出される。液体導管70の加熱セクション76から気化されたエアロゾル形成液体は、エアロゾルを形成するように、気化空洞45を通過する空気に露出され、エアロゾルは、出口49を通って気化空洞45から出てマウスピースに入った後、フィルター55および空気出口48を通してユーザーの口の中に引き出され得る。フィルター55は、エアロゾルの望ましくない成分を濾過して取り除くために使用され得る。また、フィルター55は、例えば、エアロゾルに加えられる追加材料、例えば風味材料を含み得る。
【0112】
図4は、本発明の例示的な実施形態によるエアロゾル発生システム80を概略的に示す。システム80は、図1~3に示すエアロゾル発生物品40、ならびにエアロゾルを発生するために物品40と相互作用する能力を有する電気的に作動するエアロゾル発生装置60を備える。このため、エアロゾル発生装置60は、装置60の近位端に、装置ハウジング61内に形成された受容空洞62を含む。受容空洞62は、エアロゾル発生物品40の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するように構成されている。特に、エアロゾル発生装置60は、浸漬セクション75を介して毛細管バッファ貯蔵部52から気化空洞53内の加熱セクション76へと搬送されるエアロゾル形成液体50を気化するために、液体導管70の加熱セクション76を誘導加熱するように構成されている。このため、装置60は、誘導コイル32を含む誘導源を備える。本実施形態では、誘導コイル32は、受容空洞62内に実質的に均質な交番磁界を発生するように配設および構成される単一のらせん状コイルである。図4に見られるように、誘導コイル32は、エアロゾル発生物品40が受容空洞62内に受容された時に、液体導管70の加熱セクション76を囲むのみであるように、受容空洞62の近位端部分の周りに配設される。したがって、装置60の使用時、誘導コイル32は、物品40の気化空洞53内の液体導管70の加熱セクション76を貫通するのみである、交番磁界を発生する。対照的に、局所加熱に起因して、液体導管70の浸漬セクション75は、気化温度を下回る温度のままである。したがって、毛細管バッファ貯蔵部52および主貯蔵部51内のエアロゾル形成液体50の沸騰が防止される。したがって、使用時に、液体導管70は、高温および低温のセクションを有する、その長さ延長部に沿った温度プロファイルを含む。より具体的には、温度プロファイルは、浸漬セクション75内のエアロゾル形成液体50の気化温度T_vapを下回る温度から、加熱セクション76内のそれぞれの気化温度を超える温度への温度上昇を示す。
【0113】
サセプタアセンブリ10の使用時に形成される実際の温度プロファイルは、熱伝導率および液体導管70の長さに依存する。したがって、浸漬セクション75と加熱セクション76との間に十分な温度勾配を有するために、液体導管70は、特定の全長を必要とする。本実施形態に関して、液体導管70の全長は、5ミリメートル~50ミリメートル、特に10ミリメートル~40ミリメートル、好ましくは10ミリメートル~30ミリメートル、より好ましくは10ミリメートル~20ミリメートルの範囲内であってもよい。
【0114】
アクチュエータ部材91の相変態を駆動するため、それ故に封止部材90を閉鎖構成から開放構成へと移動させるために必要な熱エネルギーを提供するために、エアロゾル発生装置は誘導加熱配設を備える。誘導加熱配設は、アクチュエータ部材91を誘導加熱するために物品40がエアロゾル発生装置60内に受容された時に、熱駆動アクチュエータ部材91の場所で交番磁界を発生するための誘導コイル94を含む誘導源を含む。アクチュエータ部材91の誘導加熱は、その形状記憶材料が導電性であり、それ故に、交番磁界に供された時に電磁エネルギーを熱に変換することができるように機能する。本実施形態では、誘導コイル94は、フラットスパイラルコイル、特にパンケーキコイルである。フラットスパイラルコイルの使用は、頑丈でかつ製造が安価なコンパクトな設計を可能にする。形状記憶材料の相変態を駆動するために、アクチュエータ部材91は、形状記憶材料のスイッチング温度まで、またはそれを上回るように加熱される。しかしながら、加熱温度は、エアロゾル形成液体50の気化温度T_vapを依然として十分に下回るべきである。アクチュエータ部材91の加熱は、ユーザー入力、またはエアロゾル形成液体を加熱するための加熱動作の開始、またはエアロゾル発生装置の中への物品の挿入に応答して開始し得る。
【0115】
エアロゾル発生装置60は、エアロゾル発生システム80の動作を制御するため、特に、液体導管70および熱駆動アクチュエータ部材91の加熱動作を制御するためのコントローラ64をさらに備える。さらに、エアロゾル発生装置60は、交番磁界を発生するための電力を提供する電源63を備える。電源63は、リン酸鉄リチウム電池などの電池であることが好ましい。電源63は、一回以上のユーザー体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。コントローラ64および電源63の両方は、エアロゾル発生装置60の遠位部分に配設される。
【0116】
図6および図7は、本発明によるエアロゾル発生140物品の第二の例示的な実施形態を概略的に示す。概して、図6~7によるエアロゾル発生物品140は、図1~3に示すエアロゾル発生物品40と非常に類似している。従って、同一または類似の特徴は同一の参照符号で示されているが、100だけ増分されている。図1~3に示す第一の実施形態とは対照的に、図6~7による物品140は、二方向形状記憶材料のスターばねである熱駆動アクチュエータ部材191を備える。アクチュエータ部材191は、第二のエンドキャップ143に取り付けられる。形状記憶材料のスイッチング温度を下回る温度における第一の相では、スターばねは、図6に示すように、スターばねのアームが平面から屈曲している屈曲構成にある。形状記憶材料のスイッチング温度またはそれを上回る温度における第二の相では、図7に示すように、スターばねは平坦な構成にある。第一の実施形態におけるのと同様に、物品140は、ゴムで作製された封止部材190を備える。ディスク様封止部材190は、スターばねに固定して取り付けられ、スターばねの寸法を超えて横断方向に突出する。その可撓性の性質に起因して、封止部材190は変形し、それ故に、第一の相と第二の相との間のスターばねの形状変態に従う。したがって、スイッチング温度またはそれを上回る温度では、封止部材191は、貯蔵部出口159をクリアする平坦な構成にある。対照的に、形状記憶材料のスイッチング温度を下回る温度では、封止部材191は、貯蔵部出口159および液体導管の浸漬セクション175を密封するように覆うように、カップ様の形状へと変形する。形状記憶材料の代わりに、熱駆動アクチュエータ部材191は、使用中、物品の動作温度を下回る温度では屈曲構成にあり、使用中、物品の動作温度に近い温度または動作温度では平坦な構成にある、バイメタルで作製されてもよい。
【0117】
図6~7は、閉鎖構成と開放構成との間で変形可能な封止部材の例示的な実施形態を示し、図1~3は、閉鎖構成と開放構成との間で変位可能な封止部材の例示的な実施形態を示す。両方の実施形態は、閉鎖構成と開放構成との間で「移動可能」な封止部材の用語の範囲内である。
【0118】
図8は、本発明によるエアロゾル発生システム280の第二の例示的な実施形態を概略的に示す。システム280は、エアロゾル発生物品240および物品240とともに使用するためのエアロゾル発生装置260とを備え、これらは両方とも、図4に示すエアロゾル発生システム80のエアロゾル発生物品80およびエアロゾル発生装置60に類似している。従って、同一または類似の特徴は同一の参照符号で示されているが、200だけ増分されている。図4に示すシステム80とは対照的に、図8による物品240は、磁気駆動アクチュエータ部材295を備える。本実施形態では、磁気駆動アクチュエータ部材は、エアロゾル発生装置260の磁気コイル297との相互作用によって、少なくとも第一の位置から第二の位置へと移動可能な強磁性材料で作製されたピストン295を含む。磁気コイル297および強磁性ピストン295は一緒に、可動鉄アクチュエータを形成する。磁気コイル297は、物品が空洞262内に受容された時に、強磁性ピストン295が磁気コイル297の磁場を経験し得るように、装置260の空洞262の底部の近くに配設される。したがって、磁気コイル297がオンにされると、図8に示すように、強磁性ピストン295はコイル297によって引き付けられ、それ故に貯蔵部出口259とは反対の方向に移動する。封止部材290はピストン295に固定して取り付けられているため、後者は、貯蔵部出口259を解放するように、封止部材290をブッシング245から離れるように持ち上げる。磁気コイル297がオフにされると、強磁性ピストン295はもはや引き付けられない。ピストン295を第一の位置に戻すため、それ故に封止部材を閉鎖構成へと移動させるために、物品240は戻り機構をさらに備える。本実施形態では、戻り機構は、ピストンの周りに配設され、一方の側面において第二のエンドキャップ243の内表面に対して、および他方の側面で封止部材290に対して当接する、らせん状の戻りばね296を含む。したがって、ピストン295が磁気コイル297によって第二の位置に引き付けられると、戻りばね296は、圧縮されるように装填される。その逆も可であり、磁気コイル297がオフにされると、戻りばね296はその負荷を解放し、ピストン295を第一の位置に戻し、封止部材290を、貯蔵部出口259を密封するように閉じるように、ブッシング245に対して押し付ける。この状況は図9に示されている。案内を提供するために、ピストン295は、第二のエンドキャップ243のガイド穴293内に摺動自在に支持される。
【0119】
別の方法として、ピストンは永久磁石を含んでもよい。有利なことに、永久磁石の使用により、磁気コイルの極性を逆転させることによって、封止部材を閉鎖構成から開放構成へと、ならびに開放構成から閉鎖構成へと移動させるために、磁気コイルを使用することが可能になる。この構成では、本物品は必ずしも戻りばねなどの戻り機構を必要としない。
【0120】
いずれの場合も、磁気コイルの使用は、制御された様式で貯蔵部出口を開閉することを可能にする。エアロゾル発生装置は、ユーザー入力、またはエアロゾル形成液体を加熱するための加熱動作の開始、またはエアロゾル発生装置の中への物品の挿入のうちの少なくとも一つに応答して磁気コイルを起動させるように構成されてもよい。同様に、エアロゾル発生装置は、ユーザー入力、またはエアロゾル形成液体を加熱するための加熱動作の停止、またはエアロゾル発生装置からの物品の取り外しのうちの少なくとも一つに応答して磁気コイルを停止させるように構成されてもよい。
【0121】
図10は、本発明によるエアロゾル発生システム380の第三の例示的な実施形態を概略的に示す。システム380は、エアロゾル発生物品340および物品340とともに使用するためのエアロゾル発生装置360とを備え、これらは両方とも、図4に示すエアロゾル発生システム80のエアロゾル発生物品80およびエアロゾル発生装置60に類似している。従って、同一または類似の特徴は同一の参照符号で示されているが、300だけ増分されている。図4に示すシステム80とは対照的に、図10による物品240は、第一の構成から第二の構成へと移動し、それによって、封止部材390を閉鎖構成から開放構成へと移動させるように、エアロゾル発生装置360の中に挿入された時に、エアロゾル発生装置360と機械的に相互作用するように構成および配設された、機械的接触駆動アクチュエータ部材393を備える。本実施形態では、機械的接触駆動アクチュエータ部材393は、第二のエンドキャップ343の底部を形成する、シリコンなどの弾性材料で作製された可撓性の壁部材である。封止部材390は、管軸に沿って延びる管壁を通した複数のスリット395を含む弾性膜材料で作製された可撓性の管である。スリット付き管様封止部材390は、その一方の端で可撓性のアクチュエータ部材393に、その他方の端でブッシング345に取り付けられる。物品340が装置360の空洞362の中に挿入されると、可撓性のアクチュエータ部材393は、プッシャー(本実施形態では、空洞362の底部におけるピストン様突出部397)と接触する。これにより、可撓性のアクチュエータ部材393は、物品340の内部に向かって変形する。アクチュエータ部材393のこの変形に起因して、スリット状の管様封止部材390は、外側に膨らむように圧縮される。結果として、封止部材390の管壁を通したスリット395が開き、それによって、エアロゾル形成液体が管様封止部材390の内部に入り、それ故に貯蔵部出口359で液体導管370と流体連通することが可能になる。物品340が空洞362から取り外されると、可撓性のアクチュエータ部材393は、その弾性性質に起因して、その平坦な(非変形)構成に戻る。同様に、管様封止部材390は、その弾性性質に起因して、および、アクチュエータ部材393がその平坦な構成へと戻る時に可撓性のアクチュエータ部材393が真っすぐになることに起因して、その伸長(膨らんでいない)構成に戻る。図11に示すように、封止部材390の伸長(膨らんでいない)構成では、封止部材390の管壁を通したスリット395は、管様封止部材390が貯蔵部出口259を密封するように閉じるように、密封閉鎖される。したがって、図6~7に示す実施形態と同様に、図10~11による封止部材390は、図11に示すような閉鎖構成と図10に示すような開放構成との間で変形可能な封止部材の別の実施例である。
【0122】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数AはA±5%として理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、それによってAが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】