(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-03
(54)【発明の名称】バッテリモジュール組立体、バッテリパック、及びバッテリを電源として使用する装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6555 20140101AFI20230626BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20230626BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20230626BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20230626BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20230626BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20230626BHJP
【FI】
H01M10/6555
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/625
H01M10/617
H01M50/204 401H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533518
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 CN2020082927
(87)【国際公開番号】W WO2021196114
(87)【国際公開日】2021-10-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521406710
【氏名又は名称】コンテンポラリー アンペレックス テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヨングアン
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ミンディ
(72)【発明者】
【氏名】スン,チャンユ
(72)【発明者】
【氏名】ジン,ハイズ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ペン
(72)【発明者】
【氏名】ユウ,カイジエ
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031EE01
5H031HH08
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT04
5H040AY04
5H040AY08
5H040NN01
(57)【要約】
バッテリモジュール組立体、バッテリパック、及びバッテリを電源として使用する装置を提供する。バッテリモジュール組立体は、第1の方向(Z)に沿って配置される少なくとも2つのバッテリモジュール(20)であって、バッテリモジュール(20)の各々は複数のバッテリセル(21)を備え、バッテリセル(21)のシェル側壁(211)は、対向配置された2つの第1の側壁(211A)と、対向配置された2つの第2の側壁(211B)とを含み、第1の側壁(211A)の面積は第2の側壁(211B)の面積よりも大きく、第1の側壁(211A)は第1の方向(Z)に垂直である、少なくとも2つのバッテリモジュール(20)と、隣り合う2つのバッテリモジュール(20)の間に配置され、隣り合う2つのバッテリモジュール(20)のバッテリセル(21)の第1の側壁(211A)と熱交換するように構成された冷却板(31)とを備える。バッテリパックは、バッテリモジュール組立体を含む。バッテリを電源として使用する装置は、バッテリパックを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向(Z)に沿って配置された少なくとも2つのバッテリモジュール(20)であって、該バッテリモジュール(20)の各々は複数のバッテリセル(21)を備え、該バッテリセル(21)のシェル側壁(211)は、対向して配置された2つの第1の側壁(211A)及び対向して配置された2つの第2の側壁(211B)を含み、該第1の側壁(211A)の面積は該第2の側壁(211B)の面積よりも大きく、該第1の側壁(211A)は該第1の方向(Z)に垂直である、少なくとも2つのバッテリモジュール(20)と、
隣り合う2つのバッテリモジュール(20)の間に配置され、該隣り合う2つのバッテリモジュール(20)の前記バッテリセル(21)の前記第1の側壁(211A)と熱交換する冷却板(31)と、
を備える、バッテリモジュール組立体。
【請求項2】
前記バッテリモジュール(20)の各々の前記複数のバッテリセル(21)は、前記第1の方向(Z)に垂直な方向に沿って配置される、請求項1に記載のバッテリモジュール組立体。
【請求項3】
前記バッテリセル(21)の前記第1の側壁(211A)は前記冷却板(31)に接続される、請求項1又は2に記載のバッテリモジュール組立体。
【請求項4】
前記バッテリセル(21)は絶縁膜(212)を含み、該絶縁膜(212)は前記バッテリセル(21)の前記シェル側壁(211)の外側に配置され、前記絶縁膜(212)の一方の面は前記第1の側壁(211A)に接続され、前記絶縁膜の他方の面は前記冷却板(31)に接続される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のバッテリモジュール組立体。
【請求項5】
前記冷却板(31)と、前記冷却板(31)に隣り合う前記バッテリセル(21)の前記第1の側壁(211A)との間に配置された熱伝導性接着剤層を更に備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のバッテリモジュール組立体。
【請求項6】
前記バッテリセル(21)が最大の膨張力を発生する方向は、前記第1の方向(Z)と略平行である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のバッテリモジュール組立体。
【請求項7】
ケース(10)と、
前記ケース(10)内に配置された、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のバッテリモジュール組立体と、
を備える、バッテリパック。
【請求項8】
前記ケース(10)は、前記バッテリモジュール組立体を囲むケース側壁(11)を含み、
前記冷却板(31)は前記ケース側壁(11)に接続される、請求項7に記載のバッテリパック。
【請求項9】
前記バッテリパックは、少なくとも2つの前記バッテリモジュール組立体を備え、
前記少なくとも2つのバッテリモジュール組立体は、前記第1の方向(Z)に垂直な方向に沿って配置される、請求項7又は8に記載のバッテリパック。
【請求項10】
前記隣り合う2つのバッテリモジュール組立体に対応する前記2つの冷却板(31)は別々に配置される、請求項9に記載のバッテリパック。
【請求項11】
接続部(32)を備え、
前記隣り合う2つのバッテリモジュール組立体に対応する前記2つの冷却板(31)は、前記接続部(32)によって接続される、請求項9に記載のバッテリパック。
【請求項12】
前記ケース(10)はセパレータビーム(14)を含み、
前記セパレータビーム(14)は、前記ケース側壁(11)に固定して接続され、
前記セパレータビーム(14)は、前記ケース(10)の内部空間を複数の部分空間に分割し、
前記少なくとも2つのバッテリモジュール組立体は、前記複数の部分空間にそれぞれ配置される、請求項9乃至11のいずれか一項に記載のバッテリパック。
【請求項13】
前記ケース(10)は、セパレータビーム(14)を備え、
前記セパレータビーム(14)は、前記ケース側壁(11)に固定して接続され、
前記セパレータビーム(14)は、前記ケース(10)の内部空間を複数の部分空間に分割し、
前記少なくとも2つのバッテリモジュール組立体は、前記複数の部分空間にそれぞれ配置され、
前記接続部(32)は、前記セパレータビーム(14)に固定して接続される、請求項11に記載のバッテリパック。
【請求項14】
前記ケース(10)は、前記ケース側壁(11)の両端部にそれぞれ配置されたケースカバー(12)とケース底部(13)とを備え、
前記ケースカバー(12)及び前記ケース底部(13)は、前記ケース側壁(11)に着脱自在に接続され、
前記冷却板(31)は、前記ケース側壁(11)に一体的に設けられる、請求項7乃至13のいずれか一項に記載のバッテリパック。
【請求項15】
前記ケース(10)は、前記ケース側壁(11)の両端部にそれぞれ配置されたケースカバー(12)とケース底部(13)とを備え、
前記ケースカバー(12)及び前記冷却板(31)は、前記ケース側壁(11)に着脱自在に接続され、
前記ケース底部(13)は、前記ケース側壁(11)に一体的に設けられる、請求項7乃至13のいずれか一項に記載のバッテリパック。
【請求項16】
カバー板(40)を更に備え、
前記カバー板(40)は、前記ケースカバー(12)と前記バッテリモジュール(20)との間、又は前記ケース底部(13)と前記バッテリモジュール(20)との間に配置され、
前記カバー板(40)は、前記ケース(10)に着脱可能に接続される、請求項7乃至15のいずれか一項に記載のバッテリパック。
【請求項17】
請求項6乃至16のいずれか一項に記載のバッテリパックを備える、バッテリを電源として使用する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッテリ技術の分野に関し、より詳細には、バッテリモジュール組立体、バッテリパック、及びバッテリを電源として使用する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリパックが動作している場合、バッテリパックのバッテリセルが正常に動作するためには、適切な周囲温度が必要とされる。周囲温度が高すぎたり低すぎたりすると、バッテリセルの動作性能や寿命に悪影響を及ぼす場合がある。周囲温度が高すぎて、放熱がタイミングよく行われない場合、バッテリセル内で熱暴走が発生する可能性があり、安全上のアクシデントや潜在的な安全上の問題が生じる可能性がある。そのため、バッテリパックの温度管理が必要とされる。周囲温度が適切でない場合には、バッテリパックを加熱又は冷却することで、バッテリセルの温度を制御することができる。
【0003】
バッテリパックの熱管理のための有効な方法の1つは、バッテリパックのケースに冷却板を取り付け、循環冷却液を使用してバッテリセルによって発生する熱を除去するか、又は冷却板を加熱してバッテリセルの温度を制御することである。関連技術では、一般にバッテリパックのバッテリセルは直立して配置され、冷却板はバッテリパックのケースの底部に配置され、バッテリセルの温度はバッテリセルの底部を冷却又は加熱することによって制御される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の態様は、第1の方向に沿って配置された少なくとも2つのバッテリモジュールであって、バッテリモジュールの各々は複数のバッテリセルを備え、バッテリセルのシェル側壁は、対向して配置された2つの第1の側壁及び対向して配置された2つの第2の側壁を含み、第1の側壁の面積は第2の側壁の面積よりも大きく、第1の側壁は第1の方向に垂直である、少なくとも2つのバッテリモジュールと、隣り合う2つのバッテリモジュールの間に配置され、隣り合う2つのバッテリモジュールのバッテリセルの第1の側壁と熱交換する冷却板とを備える、バッテリモジュール組立体を提供する。
【0005】
いくつかの実施形態に係るバッテリモジュール組立体において、バッテリモジュールの各々の複数のバッテリセルは、第1の方向に垂直な方向に沿って配置される。
【0006】
いくつかの実施形態に係るバッテリモジュール組立体において、バッテリセルの第1の側壁は冷却板に接続される。
【0007】
いくつかの実施形態に係るバッテリモジュール組立体において、バッテリセルは、バッテリセルのシェル側壁の外側に配置された絶縁膜を含み、絶縁膜の一方の面は第1の側壁に接続され、絶縁膜の他方の面は冷却板に接続される。
【0008】
いくつかの実施形態に係るバッテリモジュール組立体において、バッテリモジュール組立体は、冷却板と、冷却板に隣り合うバッテリセルの第1の側壁との間に配置された熱伝導性接着剤層を更に備える。
【0009】
いくつかの実施形態に係るバッテリモジュール組立体において、バッテリセルが最大の膨張力を発生する方向は、第1の方向と略平行である。
【0010】
本開示の第2の態様は、ケースと、ケース内に配置された本開示の第1の態様に係るバッテリモジュール組立体とを備える、バッテリパックを提供する。
【0011】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックにおいて、ケースはバッテリモジュール組立体を囲むケース側壁を含み、冷却板はケース側壁に接続される。
【0012】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックにおいて、バッテリパックは少なくとも2つのバッテリモジュール組立体を備え、少なくとも2つのバッテリモジュール組立体は第1の方向に対して垂直な第2の方向に沿って配置される。
【0013】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックにおいて、隣り合う2つのバッテリモジュール組立体に対応する2つの冷却板は別々に配置される。
【0014】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックにおいて、バッテリパックは接続部を備え、隣り合う2つのバッテリモジュール組立体に対応する2つの冷却板は、接続部によって接続される。
【0015】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックにおいて、ケースは、ケース側壁に固定して接続されたセパレータビームを含み、セパレータビームは、ケースの内部空間を複数の部分空間に分割し、少なくとも2つのバッテリモジュール組立体は、複数の部分空間にそれぞれ配置される。
【0016】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックにおいて、ケースは、ケース側壁に固定して接続されたセパレータビームを含み、セパレータビームは、ケースの内部空間を複数の部分空間に分割し、少なくとも2つのバッテリモジュール組立体は、複数の部分空間にそれぞれ配置され、接続部分は、セパレータビームに固定して接続される。
【0017】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックにおいて、ケースは、ケース側壁の両端部にそれぞれ配置されたケースカバーとケース底部とを備え、ケースカバー及びケース底部はケース側壁に着脱自在に接続され、冷却板は、ケース側壁に一体的に設けられる。
【0018】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックにおいて、ケースは、ケース側壁の両端部にそれぞれ配置されたケースカバーとケース底部とを備え、ケースカバー及び冷却板は、ケース側壁に着脱可能に接続され、ケース底部は、ケース側壁に一体的に設けられる。
【0019】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックにおいて、バッテリパックは、ケースカバーとバッテリモジュールとの間、又はケース底部とバッテリモジュールとの間に配置されたカバー板を更に備え、カバー板は、ケースに着脱可能に接続される。
【0020】
本開示の第3の態様は、本開示の第2の態様によるバッテリパックを備える、バッテリを電源として使用する装置を提供する。
【0021】
本開示の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【0022】
本明細書に記載される添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供することを意図し、本開示の一部を構成する。本開示の例示的な実施形態及びその説明は、本開示を説明することを意図しているが、本開示に対する不適切な制限を構成することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の一実施形態に係るバッテリパックの概略分解図である。
【
図2】本開示の別の実施形態に係るバッテリパックの概略分解図である。
【
図3】本開示のさらに別の実施形態に係るバッテリパックの概略分解図である。
【
図4A】異なる組立段階における
図3に示されるバッテリパックの概略構成図である。
【
図4B】異なる組立段階における
図3に示されるバッテリパックの概略構成図である。
【
図4C】異なる組立段階における
図3に示されるバッテリパックの概略構成図である。
【
図4D】異なる組立段階における
図3に示されるバッテリパックの概略構成図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態に係るバッテリモジュール組立体のバッテリセルの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の実施形態における技術的解決手段は、本開示の実施形態における添付図面と共に、以下に明確かつ完全に説明される。明らかなように、記載された実施形態は、本開示の実施形態の全部ではなく一部である。少なくとも1つの例示的な実施形態の以下の説明は、実際には単に例示的なものであり、本開示及びその用途又は使用に関するいかなる制限にもならない。創造的な努力なしに本開示の実施形態に基づいて当業者によって得られた他のすべての実施形態は、本開示の保護範囲内に入るものである。
【0025】
これらの実施形態に記載された構成要素及び工程の相対的な配置、数式、及び数値は、特に明記されない限り、本開示の範囲を制限しない。また、説明を容易にするために、添付図面に示すような部品の寸法は、実際の比例関係に従って描かれていないことを理解されたい。関連技術の当業者に知られている技術、方法及び装置は、詳細には議論されないかもしれないが、適切な場合には、それらの技術、方法及び装置は、正当な説明の一部として考慮されるべきである。本明細書に示され議論される全ての例において、いかなる特定の値も単に例示的なものとして解釈されるべきであり、制限するものではない。したがって、例示的な実施形態の他の例は、異なる値を有することができる。なお、以下の図面において、同様の符号及び符号は、同様のものを示している。したがって、1つの図面で項目を定義した後は、以降の図面でこの項目についてさらに説明することを要しない。
【0026】
本開示の説明において、パーツを限定するために「第1」、「第2」及び他の用語を使用することは、対応するパーツの間の区別を容易にするためだけであることが理解されるべきである。別段の記載がない限り、上記の用語は特別な意味を持たず、従って、本開示の保護範囲に対する制限として解釈することはできない。
【0027】
本開示の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、鉛直方向、垂直方向、水平方向」、及び「頂部、底部」等の位置の語で示される位置又は位置関係は、一般に、添付図面に示されるような位置又は位置関係に基づくものであり、本開示の説明の容易化及び簡略化のためのものであることを理解されたい。特に明記されない限り、これらの位置の語は、装置又は要素が特別な位置を有すること、又は特別な位置で構成及び動作されることを示すこと又は暗示することを意図するものではない。したがって、これらの位置の語は、本開示の保護範囲に対する制限として解釈することはできない。「内側、外側」という位置の語は、パーツ自体の輪郭の内側又は外側を指す。
【0028】
本開示を見出す過程において、関連技術では、バッテリセルの底面積が小さいため、冷却板の放熱効率が低く、温度制御効果が理想的ではなく、温度制御効果のバランスが取れていないことが分かった。
【0029】
本開示の実施形態は、バッテリモジュール組立体、バッテリパック、及びバッテリを電源として使用する装置を提供する。
【0030】
本開示の実施形態によって提供されるバッテリを電源として使用する装置は、本開示の実施形態によるバッテリパックを含む。装置は、例えば、車両、船舶、又はエネルギー貯蔵装置などであってもよい。本開示の実施形態によって提供されるバッテリを電源として使用する装置は、本開示の実施形態によるバッテリパックの利点を有する。
【0031】
図1乃至
図3に示すように、本開示の実施形態によって提供されるバッテリパックは、主としてケース10と、ケース10内に配置されたバッテリモジュール組立体とを含む。本開示の実施形態によるバッテリパックは、本開示の実施形態によるバッテリモジュール組立体の利点を有する。
【0032】
図1乃至
図3及び
図4A乃至
図4Dに示されるように、本開示の実施形態によって提供されるバッテリモジュール組立体は、少なくとも2つのバッテリモジュール20及び冷却板31を含む。少なくとも2つのバッテリモジュール20は、第1の方向Zに沿って配置され、バッテリモジュール20の各々は、複数のバッテリセル21を含み、バッテリセル21のシェル側壁211は、対向して配置された2つの第1の側壁211Aと、対向して配置された2つの第2の側壁211Bとを含む。第1の側壁211Aの面積は、第2の側壁211Bの面積よりも大きく、第1の側壁211Aは、第1の方向Zに対して垂直である。冷却板31は、隣り合う2つのバッテリモジュール20の間に配置され、隣り合う2つのバッテリモジュール20のバッテリセル21の第1の側壁211Aと熱交換するように構成されている。
【0033】
本開示の実施形態に係るバッテリモジュール組立体では、隣り合う2つのバッテリモジュール20の間に冷却板31を設けて、2つのバッテリモジュール20がこの冷却板31を共有するようにし、冷却板31を隣り合う2つのバッテリモジュール20の間に配置して、より大きな面積を有するバッテリセル21の第1の側壁211Aと熱交換を行う。バッテリセル21がバッテリモジュール20を平坦に形成し、冷却板がバッテリセル21の最大面を冷却又は加熱し、その結果、バッテリセル21の冷却又は加熱の効率が向上する。冷却板31は、隣り合う2つのバッテリモジュール20の間に配置され、これは、隣り合う2つのバッテリモジュール20の不均一な加熱又は冷却を低減又は防止するのに有利である。
【0034】
また、いくつかの実施形態に係るバッテリモジュール組立体では、各バッテリモジュール20の複数のバッテリセル21は、第1の方向Zに垂直な方向に沿って配置されている。
図1乃至
図4Dでは、第1の方向Zは、バッテリパックの高さ方向に対応する。この配置モードでは、バッテリモジュール組立体内のバッテリモジュール20は単一層に配置され、これにより、バッテリモジュール20内のバッテリセル21を均等に加熱又は冷却することが容易になる。
【0035】
いくつかの実施形態によるバッテリモジュール組立体では、バッテリセル21の第1の側壁211Aが冷却板31に接続される。バッテリセル21は、第1の側壁211Aを介して冷却板31に接続され、これにより、バッテリモジュール組立体の主要な構成要素が全体を形成することが容易になる。これは、バッテリモジュール組立体が、ケース、冷却液送出管路及び他のバッテリモジュール組立体などのバッテリパックの他の部品と共に組み立てられる場合に、バッテリモジュール組立体を迅速に配置して組み立てるのに有用であり、それによってバッテリパックの組み立て効率を向上させるのに役立つ。
【0036】
いくつかの実施形態によるバッテリモジュール組立体において、バッテリセル21は絶縁膜212を含む。絶縁膜212を含むバッテリセル21は、
図5に示すようになる。バッテリセル21が絶縁膜212を含む場合、絶縁膜212はバッテリセル21のシェル側壁211の外側に配置され、絶縁膜212の一方の面は第1の側壁211Aに接続され、絶縁膜の他方の面は冷却板31に接続される。絶縁膜212は、バッテリセル21及び冷却板31を電気的に保護するのを容易にする。
【0037】
いくつかの実施形態によるバッテリモジュール組立体において、バッテリモジュール組立体は、冷却板31と、冷却板31に隣り合うバッテリセル21の第1の側壁211Aとの間に配置された熱伝導性接着剤層をさらに含む。熱伝導性接着剤層の配置は、冷却板31とバッテリセル21とを固定することができ、冷却板31とバッテリセル21との間の熱伝達を容易にする。
【0038】
例えば、絶縁層を有しないバッテリセル21では、冷却板31と冷却板31に対向するバッテリセル21の第1の側壁211Aとに熱伝導性接着層がそれぞれ接着され、冷却板31と対応する第1の側壁211Aとが固定され、熱伝導性接着層が冷却板31と第1の側壁211Aとの間の熱伝達機能を担う。
【0039】
他の例として、絶縁層212を有するバッテリセル21では、冷却板31と、冷却板31に対向する絶縁層212の面とに、熱伝導性接着層をそれぞれ接着して、冷却板31と対応する絶縁層312の表面とを固定する。さらに、熱伝導性接着層は、冷却板31と絶縁層212の表面との間の熱伝達の機能を担う。冷却板31に対向するバッテリセル21の第1の側壁211Aと冷却板31との接続及び熱伝達は、絶縁層212の対応する部分を介して行われる。
【0040】
いくつかの実施形態に係るバッテリモジュール組立体において、バッテリセル21が最大の膨張力を発生する方向は、第1の方向Zに略平行である。冷却板31は、隣り合う2つのバッテリモジュール20の間に配置され、冷却板31の方向は、第1の方向Zにほぼ垂直であるため、冷却板31は、少なくとも部分的に、バッテリセル21の変形に抵抗する機能をも担うことができる。
【0041】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックでは、ケース10は、バッテリモジュール組立体を囲むケース側壁11を含み、冷却板31は、ケース側壁11に接続される。バッテリパックは、上述したバッテリモジュール組立体の利点を有する。これにより、冷却板31がケース側壁11に接続されているので、冷却板31がケース10に対して移動するのを防止し、それによって冷却板31がバッテリモジュール20に対して相対的な位置を維持するのを容易にすることができ、また、冷却板31と冷却板31に接続された管継手との間の接続不良、破損又は漏れなどの故障を防止するのに有利である。
【0042】
いくつかの実施形態によるバッテリパックは、少なくとも2つのバッテリモジュール組立体を含み、少なくとも2つのバッテリモジュール組立体は、第1の方向Zに垂直な方向に沿って配置される。バッテリパックは、少なくとも2つのバッテリモジュール組立体を含み、複数のバッテリモジュール組立体は、同じケース10内に組み込まれてもよい。各バッテリモジュール組立体の冷却板31は、バッテリパックの冷却板組立体30の冷却部を構成する。
【0043】
いくつかの実施形態によるバッテリパックでは、隣り合う2つのバッテリモジュール組立体に対応する2つの冷却板31が別々に配置される。隣り合う2つの冷却板31は、バッテリパックの組み立て時に各バッテリモジュール組立体の冷却板31が互いに制限されにくくなるように別々に配置されているので、組み立て工程がより柔軟になる。隣り合う2つのバッテリモジュール組立体がそれぞれ2つのバッテリモジュール20と、2つのバッテリモジュール20の間に配置された1つの冷却板31のみとを含む場合、対応する2つの冷却板31は2つのバッテリモジュールの2つの冷却板31を指す。2つの隣り合うバッテリモジュール組立体が各々少なくとも3つのバッテリモジュール20及び少なくとも2つの冷却板31を含む場合、対応して配置される2つの冷却板31は、1つのバッテリモジュール組立体の1つの冷却板31及び別のバッテリモジュール組立体の冷却板31のうちこの冷却板31に隣り合う冷却板31を指す。
【0044】
いくつかの実施形態によるバッテリパックは、接続部32を含み、隣り合う2つのバッテリモジュール組立体に対応する2つの冷却板31は、接続部32によって接続される。接続部32によって少なくとも2つの冷却板31を接続することができ、これにより各冷却板31の位置決めが容易になり、組立効率が向上する。
【0045】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックでは、ケース10はセパレータビーム14を含み、セパレータビーム14はケース側壁11に固定して接続され、セパレータビーム14はケース10の内部空間を複数の部分空間に分割し、少なくとも2つのバッテリモジュール組立体が複数の部分空間にそれぞれ配置される。セパレータビーム14の配置は、バッテリパックの全体的な剛性を向上させるのに有利であり、また、バッテリパック内の各バッテリモジュール組立体の位置決め及び設置に有利である。
【0046】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックでは、接続部32は、セパレータビーム14に固定して接続される。接続部32は、セパレータビーム14に固定して接続されており、冷却板31及びバッテリパックの他の部分の位置決め及び固定を容易にする。
【0047】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックでは、ケース10は、ケース側壁11の両端部にそれぞれ配置されたケースカバー12及びケース底部13を含み、ケースカバー12及びケース底部13は、ケース側壁11に着脱可能に接続され、冷却板31は、ケース側壁11と一体的に設けられている。また、冷却板組立体30とケース側壁とを一体的に設計することで、冷却板組立体30の内部流路と外部流路との接続構造を簡素化することができ、冷却板組立体30を含む冷却装置の信頼性を向上させることができ、バッテリパックの組み立てをより簡便にすることができる。
【0048】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックでは、ケース10は、ケース側壁11の両端部にそれぞれ配置されたケースカバー12及びケース底部を含み、ケースカバー12及び冷却板31は、ケース側壁11に着脱可能に接続され、ケース底部は、ケース側壁11と一体に設けられている。この構成は、バッテリパックを組み立てるときに、片面組立(single-sided assembly)を容易にする。
【0049】
いくつかの実施形態に係るバッテリパックは、ケースカバー12とバッテリモジュール20との間、又はケース底部13とバッテリモジュール20との間に配置されるカバー板40をさらに含み、カバー板40は、ケース10に着脱可能に接続される。カバー板40の配置は、バッテリセルの膨張を低減し、バッテリパックの全体的な剛性を向上させるのに有利である。
【0050】
以下、
図1乃至
図3及び
図4A乃至
図4Dを参照して、本開示の実施形態をより詳細に説明する。
図1乃至
図4Dに示す実施形態では、第1の方向Zはバッテリパックの高さ方向であり、第2の方向Xはバッテリパックの幅方向であり、第3の方向Yはバッテリパックの長さ方向である。
【0051】
図1に示すように、バッテリパックは、ケース10と、バッテリモジュール組立体と、カバー板40とを含む。
【0052】
ケース10は、第1の方向Zに延在するケース側壁11と、第1の方向Zに沿ったケース側壁11の両端部にそれぞれ配置されたケースカバー12及びケース底部と、ケース10内に配置された複数のセパレータビーム14とを備える。なお、
図1のケース底部は、下層のバッテリモジュール20で隠れているため図示していない。
【0053】
図1に示すように、バッテリモジュール組立体は、主に、2つのバッテリモジュール20と、冷却板31とを含む。2つのバッテリモジュール20は、第1の方向Zに沿って配置される。各バッテリモジュール20は、複数のバッテリセル21を含み、バッテリセル21のシェル側壁211は、対向して配置された2つ第1の側壁211Aと、対向して配置された2つの第2の側壁211Bとを含む。第1の側壁211Aの面積は、第2の側壁211Bの面積よりも大きく、第1の側壁211Aは、第1の方向Zに対して垂直である。冷却板31は、隣り合う2つのバッテリモジュール20の間に配置され、隣り合う2つのバッテリモジュール20のバッテリセル21の第1の側壁211Aと熱交換するように構成されている。
【0054】
図1に示すように、ケース10内には、4つのバッテリモジュール組立体が第3の方向Yに沿って配置されている。各バッテリセル21の第1の側壁211Aは、第1の方向Zに垂直な方向に延在しており、各バッテリセル21は、バッテリモジュール20を形成するために平坦に配置されている。
【0055】
この実施形態では、各バッテリモジュール20の複数のバッテリセル21は、第1の方向Zに垂直な方向に沿って配置されている。
図1に示されるように、12個のバッテリセル21は、第2の方向Xに沿って6列に配置され、第3の方向Yに沿って2列に配置されている。バッテリモジュール20は、第1の方向Zに沿って1層のバッテリセル21のみを含み、これは、各バッテリセル21の不均一な加熱又は冷却を低減又は防止するのに有益である。
【0056】
各バッテリモジュール組立体の冷却板31は、バッテリモジュール20の冷却部として機能し、バッテリパックの冷却板組立体30を構成する。冷却板31は、第1の方向Zにおいて隣り合う2つのバッテリモジュール20のバッテリセル21の第1の側壁211Aを冷却することにより、隣り合う2つのバッテリモジュール20を同時に冷却する。
図1に示すように、冷却板組立体30及び冷却板組立体30の各冷却板31は、第1の方向Zに対して垂直に配置されている。
【0057】
本開示のいくつかの実施形態によるバッテリパックでは、冷却板31が、隣り合う2つのバッテリモジュール20の間に設けられ、2つのバッテリモジュール20がこの冷却板31を共有するようになっている。冷却板31は、隣り合う2つのバッテリモジュール20の間に配置され、より大きな面積を有するバッテリセル21の第1の側壁211Aと熱交換してバッテリセル21の最大面を冷却又は加熱し、バッテリセル21の冷却又は加熱の効率を向上させる。冷却板31は、第1の方向に沿って隣り合う2つのバッテリモジュール20の間に配置され、これは、隣り合う2つのバッテリモジュール20の不均一な加熱又は冷却を低減又は防止するのに有利である。
【0058】
冷却板31は、一定の強度を有する熱伝導性材料、例えば、アルミニウム、鋼、又は銅などの金属で形成することができる。冷却板31の内部には、冷却液が流れる内部流路が設けられている。冷却板31は、内部流路を流れる冷却液に冷却板31の両側のバッテリセルの第1の側壁211Aと熱交換させる。これにより、バッテリセル21の温度調整が行われる。
【0059】
ケースカバー12はケース側壁11に着脱自在に接続され、ケース底部はケース側壁11と一体に設けられている。この構成により、ケース10の片側にバッテリパックを組み立てることが容易になる。
【0060】
第1の方向Zは、
図1における上下方向であり、ケース側壁11の上端にケースカバー12が着脱可能に配置され、ケース底部がケース側壁11の下端に位置している。ケース底部は、ケース側壁11と一体に設けられている。ケース側壁11、ケースカバー12及びケース底部は、複数のバッテリモジュール組立体の二層のバッテリモジュール20を収容する内部空間と、複数のバッテリモジュール組立体の冷却板31からなる冷却板組立体30と、カバー板40とを取り囲む。
【0061】
セパレータビーム14は、第2の方向X(すなわち、バッテリパックの幅方向)に延在する。複数のセパレータビーム14は、ケース10の内部空間を複数の部分空間に分割する。バッテリモジュール組立体は、それぞれ異なる部分空間に配置される。セパレータビーム14は、ケース側壁11及びケース底部に固定して接続されている。
【0062】
図1に示すように、ケース10は、幅方向に延在する5本のセパレータビーム14を備えている。5つのセパレータビーム14は、ケース10の内部空間を第3の方向Yに沿って並んだ4つの部分空間に分割する。第3の方向Yに沿った両端部に位置する2つのセパレータビーム14は、対応する側のケース側壁11に隣接している。バッテリモジュール20の4つのバッテリモジュール20は、4つの部分空間にそれぞれ配置される。
【0063】
図示しない実施形態では、より多い又はより少ないセパレータビームが配置されてもよく、セパレータビームはバッテリパックの長さ方向に沿って配置されてもよく、又はケースは長さ方向に延在するセパレータビームと幅方向に延在するセパレータビームとを含んでもよい。バッテリモジュール組立体の数及び位置、各バッテリモジュール組立体に含まれるバッテリモジュール20の数、及び各バッテリモジュール20に含まれるバッテリセル21の数及び配置は、セパレータビームによって分割された部分空間に基づいて対応して設定されてもよい。
【0064】
複数のセパレータビームは、同じ方向に延在しても、異なる方向に延在しても、構造が同一であっても、異なっていてもよい。
図1に示す実施形態では、5つのセパレータビーム14のうち、中央のセパレータビーム14が他のセパレータビーム14と構造が異なる。中間のセパレータビーム14の幅(第3の方向Yに沿った幅)は、他のセパレータビーム14の幅よりも大きい。
【0065】
図1に示すように、4つのバッテリモジュール組立体の4つの冷却板31は、並んで配置され、間隔を置いて配置される。すなわち、冷却板組立体30は分割構造を有する。
【0066】
この実施形態では、バッテリモジュール組立体は、冷却板31と、冷却板31に隣り合うバッテリモジュール20の第1の側壁211Aとの間に充填される熱伝導性接着剤層を含む。熱伝導性接着剤層は、冷却板31と、隣り合うバッテリモジュール20の第1の側壁211Aとの間に充填され、これにより、冷却板31とバッテリモジュール20との間の相対的に固定される位置決めが容易になり、また、冷却板31とバッテリモジュール20との間の熱伝達が容易になる。
【0067】
カバー板40は、ケースカバー12と上部のバッテリモジュール20との間に位置し、ケース10に着脱可能に接続されている。
図1に示すように、カバー板40は、第3の方向Yに沿って間隔を置いて配置された2つのカバーを含む。各カバーは、隣り合う2つのバッテリモジュール組立体のバッテリモジュール20を覆う。第3の方向Yに沿ったカバーの両端部は、対応するセパレータビーム14にそれぞれ固定して接続される。第3の方向Yに沿ったカバーの中央には、セパレータビーム14に向かって凹む溝が設けられ、溝の底部は、対応するセパレータビーム14に固定して接続される。カバーとセパレータビーム14との間の固定接続は、例えば、ねじ接続、リベット接続、及びスポット溶接等とすることができる。
【0068】
図1に示す実施形態に係るバッテリパックを組み立てるための実現可能な組立工程は、以下の通りである。
【0069】
まず、バッテリモジュール組立体の下層の4個のバッテリモジュール20が、ケース10の部分空間にそれぞれ設置され、4個のバッテリモジュール20の下側の第1の側壁211Aが、接着によってケース10の底部に固定される。次に、下層のバッテリモジュール20のうち、4つのバッテリモジュール20の上側の第1の側壁211Aに冷却板31が熱伝導性接着剤で接着され、熱伝導性接着剤が熱伝導性接着層を形成する。冷却板31に接続する必要のある管継手を設けられる。次に、冷却板31の上面に熱伝導性接着剤が塗布され、バッテリモジュール組立体の上層の4個のバッテリモジュール20がケース10の部分空間に設置されて冷却板31の上面にそれぞれ強固に接着され、熱伝導性接着剤が熱伝導性接着剤層を形成する。次に、カバー板40が上層のバッテリモジュール20上に載置され、セパレータビーム14に固定して接続される。最後に、ケースカバー12が載置され、ケースカバー12がケース側壁11の上端に接続される。これにより、バッテリパック11の組立工程が完了する。
【0070】
図2に示す実施形態と
図1に示す実施形態との相違点は、バッテリパックがさらに3つの接続部32を有し、各接続部32が隣り合う2つの冷却板31を接続し、各バッテリモジュール組立体の冷却板31が接続部32によって接続されて一体構造の冷却板組立体30を形成している点である。例えば、接続部32は平板状であってもよいし、ケース内の対応する構造体の空間形状に適合させてもよい。例えば、接続部の構造の一部を、セパレータビーム14を避けるようにセパレータビーム14の形状に適合した溝構造として設計してもよい。
【0071】
図2に示すように、接続部32は、冷却板組立体30をセパレータビーム14に接続するためにセパレータビーム14に固定して接続されている。本実施形態では、各接続部32及びセパレータビーム14には、取付孔が対応して設けられており、各接続部32は、対応するセパレータビーム14にネジにより着脱可能に接続される。また、冷却板組立体30の第3の方向Yに沿った両端部には、対応する冷却板31の端部に接続された取付部33が設けられており、取付部33は、対応するセパレータビーム14にネジにより接続される。
【0072】
接続部32をセパレータビーム14に接続することにより、冷却板組立体30をセパレータビーム14に接続することができる。このようにして、冷却板組立体30の位置決め及び固定が達成され、これは、冷却板組立体30及びバッテリパックの全体的な強度を改善するのに有利である。
【0073】
図2に示す実施形態に係るバッテリパックを組み立てるための実現可能な組立工程は、以下の通りである。
【0074】
まず、バッテリモジュール組立体の下層の4個のバッテリモジュール20が、それぞれケース10の部分空間に設置され、4個のバッテリモジュール20の下側の第1の側壁211Aが、接着によってケース10のケース底部に固定される。次に、下層の4個のバッテリモジュール20の上側の第1の側壁211Aに、バッテリモジュール組立体の冷却板31が熱伝導性接着剤で接着され、熱伝導性接着剤が熱伝導性接着層を形成する。各接続部32及び各取付部33は、対応するセパレータビーム14にネジにより接続される。各冷却板31に接続する必要のある管継手が設けられる。次に、冷却板31の上面に熱伝導性接着剤が塗布され、上層の4個のバッテリモジュール20がケース10の部分空間に設置されて冷却板31の上面にそれぞれ強固に接着され、熱伝導性接着剤が熱伝導性接着剤層を形成する。次に、カバー板40が上層のバッテリモジュール20上に載置され、セパレータビーム14に固定して接続される。最後に、ケースカバー12が載置され、ケースカバー12がケース側壁11の上端に接続されてバッテリパック11の組立工程を終了する。
【0075】
なお、
図2に示す実施形態では説明していない他の部品、部品の機能、及び部品間の位置関係については、前述の関連説明を参照してもよい。
【0076】
図3及び
図4A乃至
図4Dに示す実施形態は、ケースカバー12及びケース底部13がケース側壁11に着脱自在に接続され、各バッテリモジュール組立体の冷却板31を含む冷却板組立体30がケース側壁11に一体的に配置されている点で、
図1及び
図2に示す実施形態と異なる。冷却板組立体30は、第1の方向Zに沿ってケース側壁11の中央に配置され、冷却板組立体30の4つの冷却板31は、それぞれ、各部分空間に配置され、第3の方向Yに沿った両端部でセパレータビーム14に固定して接続される。
【0077】
冷却板組立体30とケース側壁11とを一体的に設計することができ、これにより、冷却板組立体30の内部流路と外部流路との接続構造を簡素化することができ、冷却板組立体30を含む冷却装置の信頼性を向上させることができ、バッテリパックの組み立てをより便利にすることができる。
【0078】
図4A乃至
図4Dに示すように、
図3に示すような本実施形態に係るバッテリパックを組み立てるための実現可能な組立工程は、以下の通りである。
【0079】
まず、冷却板組立体30の第1の方向Zに沿った一端の部品が、中間組立体を形成するために組み立てられ、次に、中間組立体が裏返され、第1の方向Zに沿った他端の部品が組み立てられる。このようにして、バッテリパックは正常に組み立てられる。
【0080】
以下、冷却板組立体30の下の部品の組み立てを例にして、バッテリパックの組み立て工程を説明する。
【0081】
ケース側壁11がケース底部13に接続される端部が上を向いており、1つのバッテリモジュール20(組立が完了した後、下層のバッテリモジュール20が形成される)が、4つのバッテリモジュール組立体の各々から選択され、ケース10の各部分空間の冷却板31に熱伝導性接着剤で接着される。次に、下層のバッテリモジュール20上にカバー板40が載置され、セパレータビーム14に固定して接続される。ケース底部13が、ケース側壁11に被せられて接続され、中間組立体が組み立てられて形成される。中間組立体は、ケース側壁11がケースカバー12に接続される端部が上を向くまで裏返され、4つのバッテリモジュール組立体の他の4つのバッテリモジュール20(組立が完了した後、上層のバッテリモジュール20が形成される)が、ケース10の部分空間において冷却板31に熱伝導性接着剤で接着され、熱伝導性接着剤が熱伝導性接着層を形成する。次に、別のカバー板40が上層のバッテリモジュール20上に載置され、セパレータビーム14に固定して接続される。最後に、ケースカバー12が載置され、ケースカバー12がケース側壁11に接続される。これにより、バッテリパック11の組立工程が完了する。
【0082】
なお、
図3及び
図4A乃至
図4Dに示す実施形態で説明していない他の部品、部品の機能、及び部品間の位置関係については、前述の関連説明を参照してもよい。
【0083】
図5は、
図1~
図4A乃至
図4Dに示される実施形態における、バッテリパックの代替実施形態におけるバッテリセル、及びバッテリパックのバッテリモジュール組立体のバッテリセルを示す。
図5に示すように、本実施形態のバッテリセル21と前述の実施形態のバッテリセルとの相違点は、バッテリセルのバッテリ側壁211の外周に絶縁膜212が設けられている点である。
図5に示される実施形態のバッテリセル21は、他の実施形態を形成するために、前述の実施形態のいずれかのバッテリセル21を置き換えるために使用されることができる。
【0084】
絶縁膜212は、バッテリセル21及び冷却板31を電気的に保護するのを容易にする。
【0085】
最後に、上記の実施形態は、本開示の技術的解決手段を説明することのみを意図しており、本開示を限定することを意図していないことに留意されたい。本開示は、好ましい実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、依然として、本開示の特定の実施形態に修正を加えたり、いくつかの技術的特徴に同等の置き換えを行ったりすることができ、それらは、本開示でクレームされた技術的解決手段の範囲内にあることを理解すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方
向に沿って配置された少なくとも2つのバッテリモジュー
ルであって、該バッテリモジュー
ルの各々は複数のバッテリセ
ルを備え、該バッテリセ
ルのシェル側
壁は、対向して配置された2つの第1の側
壁及び対向して配置された2つの第2の側
壁を含み、該第1の側
壁の面積は該第2の側
壁の面積よりも大きく、該第1の側
壁は該第1の方
向に垂直である、少なくとも2つのバッテリモジュー
ルと、
隣り合う2つのバッテリモジュー
ルの間に配置され、該隣り合う2つのバッテリモジュー
ルの前記バッテリセ
ルの前記第1の側
壁と熱交換する冷却
板と、
を備える、バッテリモジュール組立体。
【請求項2】
前記バッテリモジュー
ルの各々の前記複数のバッテリセ
ルは、前記第1の方
向に垂直な方向に沿って配置される、請求項1に記載のバッテリモジュール組立体。
【請求項3】
前記バッテリセ
ルの前記第1の側
壁は前記冷却
板に接続される、請求項1又は2に記載のバッテリモジュール組立体。
【請求項4】
前記バッテリセ
ルは絶縁
膜を含み、該絶縁
膜は前記バッテリセ
ルの前記シェル側
壁の外側に配置され、前記絶縁
膜の一方の面は前記第1の側
壁に接続され、前記絶縁膜の他方の面は前記冷却
板に接続される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のバッテリモジュール組立体。
【請求項5】
前記冷却
板と、前記冷却
板に隣り合う前記バッテリセ
ルの前記第1の側
壁との間に配置された熱伝導性接着剤層を更に備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のバッテリモジュール組立体。
【請求項6】
前記バッテリセ
ルが最大の膨張力を発生する方向は、前記第1の方
向と略平行である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のバッテリモジュール組立体。
【請求項7】
ケー
スと、
前記ケー
ス内に配置された、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のバッテリモジュール組立体と、
を備える、バッテリパック。
【請求項8】
前記ケー
スは、前記バッテリモジュール組立体を囲むケース側
壁を含み、
前記冷却
板は前記ケース側
壁に接続される、請求項7に記載のバッテリパック。
【請求項9】
前記バッテリパックは、少なくとも2つの前記バッテリモジュール組立体を備え、
前記少なくとも2つのバッテリモジュール組立体は、前記第1の方
向に垂直な方向に沿って配置される、請求項7又は8に記載のバッテリパック。
【請求項10】
隣り合う2つのバッテリモジュール組立体に対応す
る2つの冷却
板は別々に配置される、請求項9に記載のバッテリパック。
【請求項11】
接続
部を備え
、
隣り合う2つのバッテリモジュール組立体に対応す
る2つの冷却
板は、前記接続
部によって接続される、請求項9に記載のバッテリパック。
【請求項12】
前記ケー
スはセパレータビー
ムを含み、
前記セパレータビー
ムは、前記
ケースのケース側
壁に固定して接続され、
前記セパレータビー
ムは、前記ケー
スの内部空間を複数の部分空間に分割し、
前記少なくとも2つのバッテリモジュール組立体は、前記複数の部分空間にそれぞれ配置される、請求項9乃至11のいずれか一項に記載のバッテリパック。
【請求項13】
前記ケー
スは、セパレータビー
ムを備え、
前記セパレータビー
ムは、前記
ケースのケース側
壁に固定して接続され、
前記セパレータビー
ムは、前記ケー
スの内部空間を複数の部分空間に分割し、
前記少なくとも2つのバッテリモジュール組立体は、前記複数の部分空間にそれぞれ配置され、
前記接続
部は、前記セパレータビー
ムに固定して接続される、請求項11に記載のバッテリパック。
【請求項14】
前記ケー
スは、前記
ケースのケース側
壁の両端部にそれぞれ配置されたケースカバ
ーとケース底
部とを備え、
前記ケースカバ
ー及び前記ケース底
部は、前記ケース側
壁に着脱自在に接続され、
前記冷却
板は、前記ケース側
壁に一体的に設けられる、請求項7乃至13のいずれか一項に記載のバッテリパック。
【請求項15】
前記ケー
スは、前記
ケースのケース側
壁の両端部にそれぞれ配置されたケースカバ
ーとケース底
部とを備え、
前記ケースカバ
ー及び前記冷却
板は、前記ケース側
壁に着脱自在に接続され、
前記ケース底
部は、前記ケース側
壁に一体的に設けられる、請求項7乃至13のいずれか一項に記載のバッテリパック。
【請求項16】
カバー
板を更に備え、
前記カバー
板は、前記ケースカバ
ーと前記バッテリモジュー
ルとの間、又は前記ケース底
部と前記バッテリモジュー
ルとの間に配置され、
前記カバー
板は、前記ケー
スに着脱可能に接続される、請求項
14又は15に記載のバッテリパック。
【請求項17】
請求項
7乃至16のいずれか一項に記載のバッテリパックを備える、バッテリを電源として使用する装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
他の例として、絶縁層212を有するバッテリセル21では、冷却板31と、冷却板31に対向する絶縁層212の面とに、熱伝導性接着層をそれぞれ接着して、冷却板31と対応する絶縁層212の表面とを固定する。さらに、熱伝導性接着層は、冷却板31と絶縁層212の表面との間の熱伝達の機能を担う。冷却板31に対向するバッテリセル21の第1の側壁211Aと冷却板31との接続及び熱伝達は、絶縁層212の対応する部分を介して行われる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
バッテリモジュール組立体の下層の4個のバッテリモジュール20は、まず、ケース10のサブスペースにそれぞれ設置され、4個のバッテリモジュール20の下側の第1の側壁211Aは、接着によってケース10の底部に固定される。次に、下層のバッテリモジュール20のうち、4つのバッテリモジュール20の上側の第1の側壁211Aに冷却板31が熱伝導性接着剤で接着され、熱伝導性接着剤が熱伝導性接着層を形成する。冷却板31に接続する必要のある管継手を設けられる。次に、冷却板31の上面に熱伝導性接着剤が塗布され、バッテリモジュール組立体の上層の4個のバッテリモジュール20がケース10の副空間に設置されて冷却板31の上面にそれぞれ強固に接着され、熱伝導性接着剤が熱伝導性接着剤層を形成する。次に、カバー板40が上層のバッテリモジュール20上に載置され、セパレータビーム14に固定して接続される。最後に、ケースカバー12が載置され、ケースカバー12がケース側壁11の上端に接続される。これにより、バッテリパックの組立工程が完了する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
バッテリモジュール組立体の下層の4個のバッテリモジュール20は、まず、それぞれケース10のサブスペースに設置され、4個のバッテリモジュール20の下側の第1の側壁211Aは、接着によってケース10のケース底部に固定される。次に、下層の4個のバッテリモジュール20の上側の第1の側壁211Aに、バッテリモジュール組立体の冷却板31が熱伝導性接着剤で接着され、熱伝導性接着剤が熱伝導性接着層を形成する。各接続部32及び各取付部33は、対応するセパレータビーム14にネジにより接続される。各冷却板31に接続する必要のある管継手が設けられる。次に、冷却板31の上面に熱伝導性接着剤が塗布され、上層の4個のバッテリモジュール20がケース10の部分空間に設置されて冷却板31の上面にそれぞれ強固に接着され、熱伝導性接着剤が熱伝導性接着剤層を形成する。次に、カバー板40が上層のバッテリモジュール20上に載置され、セパレータビーム14に固定して接続される。最後に、ケースカバー12が載置され、ケースカバー12がケース側壁11の上端に接続されてバッテリパックの組立工程を終了する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
ケース側壁11がケース底部13に接続された端部は上を向いており、1つのバッテリモジュール20(組立が完了した後、下層のバッテリモジュール20が形成される)は、4つのバッテリモジュール組立体のそれぞれから選択され、ケース10の各部分空間の冷却板31に熱伝導性接着剤で接着される。次に、下層のバッテリモジュール20上にカバー板40が載置され、セパレータビーム14に固定して接続される。ケース底部13が、ケース側壁11に被せられて接続され、中間組立体が組み立てられて形成される。中間組立体は、ケース側壁11がケースカバー12に接続された端部が上を向くまで裏返され、4つのバッテリモジュール組立体の他の4つのバッテリモジュール20(組立が完了した後、上層のバッテリモジュール20が形成される)は、ケース10の部分空間において冷却板31に熱伝導性接着剤で接着され、熱伝導性接着剤が熱伝導性接着層を形成する。次に、別のカバー板40が上層のバッテリモジュール20上に載置され、セパレータビーム14に固定して接続される。最後に、ケースカバー12が載置され、ケースカバー12がケース側壁11に接続される。これにより、バッテリパックの組立工程が完了する。
【国際調査報告】