IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーワイディー カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2023-528902電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両
<>
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図1
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図2
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図3
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図4
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図5
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図6
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図7
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図8
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図9
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図10
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図11
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図12
  • 特表-電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(54)【発明の名称】電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20230629BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230629BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20230629BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20230629BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20230629BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20230629BHJP
   H01M 10/637 20140101ALI20230629BHJP
   H01M 10/633 20140101ALI20230629BHJP
   H01M 10/667 20140101ALI20230629BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20230629BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20230629BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20230629BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20230629BHJP
   B60L 53/20 20190101ALI20230629BHJP
   B60L 58/25 20190101ALI20230629BHJP
【FI】
H02J7/04 L
H02J7/00 P
H02J7/10 L
H02J7/34 J
H02M3/155 H
H02M3/155 W
H01M10/615
H01M10/637
H01M10/633
H01M10/667
H01M10/625
B60L9/18 J
B60L50/60
B60L53/14
B60L53/20
B60L58/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574708
(86)(22)【出願日】2021-06-04
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 CN2021098394
(87)【国際公開番号】W WO2021244641
(87)【国際公開日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】202010501072.X
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【弁理士】
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】廉玉波
(72)【発明者】
【氏名】凌和平
(72)【発明者】
【氏名】▲閻▼磊
(72)【発明者】
【氏名】熊永
(72)【発明者】
【氏名】高文
【テーマコード(参考)】
5G503
5H031
5H125
5H730
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CB11
5G503DA08
5G503FA06
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
5H031HH01
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BA00
5H125BB00
5H125BB05
5H125BC05
5H125BC21
5H125BC24
5H125CD04
5H125CD09
5H125DD02
5H125EE23
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS13
5H730AS17
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB57
5H730BB82
5H730BB88
5H730DD02
5H730DD16
5H730FG05
(57)【要約】
本開示は、車両の分野に属し、電池の自己加熱期間に電池を充電することができる、電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両に関する。電池エネルギー処理装置は、エネルギー交換インタフェースと、第1端子が前記エネルギー交換インタフェースに接続され、第2端子が前記電池に接続された第1回路と、第1端子が前記電池に接続された第2回路と、前記第2回路の第2端子に接続されたエネルギー貯蔵ユニットと、第1プリセット状態で、前記電池を充電及び放電させるように前記第2回路を制御することにより、前記電池への加熱を実現し、かつ前記エネルギー交換インタフェースからのエネルギーを受けて前記電池に出力するように前記第1回路を制御することにより、前記電池への充電を実現するように構成されたコントローラとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー交換インタフェース(100)と、
第1端子が前記エネルギー交換インタフェース(100)に接続され、第2端子が電池(300)に接続された第1回路(200)と、
第1端子が前記電池(300)に接続された第2回路(400)と、
前記第2回路(400)の第2端子に接続されたエネルギー貯蔵ユニット(500)と、
第1プリセット状態で、前記電池(300)を充電及び放電させるように前記第2回路(400)を制御することにより、前記電池(300)への加熱を実現し、かつ前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受けて前記電池(300)に出力するように前記第1回路(200)を制御することにより、前記電池(300)への充電を実現するように構成されたコントローラ(600)とを含む、ことを特徴とする電池エネルギー処理装置。
【請求項2】
第1プリセット状態で、前記コントローラは、前記エネルギー貯蔵ユニット(500)と前記電池(300)を充電及び放電させるように前記第2回路(400)を制御することにより、前記電池(300)への加熱を実現し、
前記第1回路(200)は、前記第1プリセット状態で、前記エネルギー交換インタフェース(100)の電圧を安定化させ、かつ前記第1回路(200)から前記電池(300)に伝送された電圧を前記電池(300)の電圧にリアルタイムにマッチングさせるように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の電池エネルギー処理装置。
【請求項3】
前記第1回路(200)は、
第1バス端子が前記電池(300)の正極に接続され、第2バス端子が前記電池(300)の負極に接続されたM相ブリッジアーム(B1)と、
第1端子が前記M相ブリッジアーム(B1)の中点に一対一に対応して接続され、第2端子が共通接続されたM個のコイル(KM1)と、
第1端子が前記M個のコイル(KM1)の第2端子に接続され、第2端子が前記M相ブリッジアーム(B1)の前記第2バス端子に接続され、第1端子と第2端子がそれぞれ前記エネルギー交換インタフェース(100)に接続された第1コンデンサ(C1)とを含み、
ここで、M≧1である、ことを特徴とする請求項2に記載の電池エネルギー処理装置。
【請求項4】
前記第2回路(400)は、第1バス端子が前記電池(300)の正極に接続され、第2バス端子が前記電池(300)の負極に接続されたN相ブリッジアーム(B2)を含み、
前記エネルギー貯蔵ユニット(500)は、第1端子が前記N相ブリッジアーム(B2)の中点に一対一に対応して接続され、第2端子が共通接続されたN個のコイル(KM2)と、第1端子が前記N個のコイル(KM2)の第2端子に接続され、第2端子が前記N相ブリッジアーム(B2)の第2バス端子に接続された第2コンデンサ(C2)とを含み、ここで、N≧1であり、
前記第1プリセット状態で、前記コントローラ(600)は、前記第2コンデンサ(C2)が前記電池(300)を充電及び放電するように前記N相ブリッジアーム(B2)を制御することにより、前記電池(300)への加熱を実現し、かつ前記電池(300)が前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受けるように前記M相ブリッジアーム(B1)を制御する、ことを特徴とする請求項3に記載の電池エネルギー処理装置。
【請求項5】
第1端子が前記エネルギー交換インタフェース(100)に接続され、第2端子が前記電池(300)の正極に接続された第1スイッチ(K1)をさらに含み、
前記コントローラ(600)は、さらに、第2プリセット状態で、前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受けない状態にあるように前記第1回路(200)を制御し、かつ前記エネルギー貯蔵ユニット(500)と前記電池(300)を充電及び放電させない状態にあるように前記第2回路(400)を制御し、かつオンにするように前記第1スイッチ(K1)を制御することにより、前記電池(300)が前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを直接的に受けるように構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の電池エネルギー処理装置。
【請求項6】
第1端子が前記エネルギー交換インタフェース(100)に接続され、第2端子がそれぞれ前記第2コンデンサ(C2)の第1端子と前記N個のコイル(KM2)の第2端子に接続された第2スイッチ(K2)をさらに含み、
前記コントローラ(600)は、さらに、第3プリセット状態で、オンにするように前記第2スイッチ(K2)を制御し、かつオン又はオフにするように前記N相ブリッジアーム(B2)の下ブリッジアームを制御することにより、前記電池(300)が前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受けるように構成されており、前記エネルギー交換インタフェース(100)のエネルギーは、前記N相ブリッジアーム(B2)、前記N個のコイル(KM2)及び前記第2コンデンサ(C2)により昇圧されてから前記電池(300)に受けられ、
前記コントローラ(600)は、さらに、第2プリセット状態で、オンにするように前記第2スイッチ(K2)を制御し、かつオフにするように前記N相ブリッジアーム(B2)の下ブリッジアームを制御することにより、前記電池(300)が前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを直接的に受けるように構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の電池エネルギー処理装置。
【請求項7】
第1端子が前記N個のコイル(KM2)の第2端子に接続され、第2端子が前記第2コンデンサ(C2)の第1端子に接続された第3スイッチ(K3)をさらに含み、前記N個のコイル(KM2)は、モータ巻線であり、前記N相ブリッジアーム(B2)は、ブリッジアーム変換器であり、
前記コントローラ(600)は、さらに、第5プリセット状態で、オフにするように前記第3スイッチ(K3)を制御し、かつ前記ブリッジアーム変換器を制御することにより、前記モータ巻線に対応するモータが電力を出力するように構成されている、ことを特徴とする請求項4に記載の電池エネルギー処理装置。
【請求項8】
第1端子が前記M個のコイル(KM1)の第2端子に接続され、第2端子が前記第1コンデンサ(C1)の第1端子に接続された第4スイッチ(K4)をさらに含み、前記M個のコイル(KM1)は、モータ巻線であり、前記M相ブリッジアーム(B1)は、ブリッジアーム変換器であり、
前記コントローラ(600)は、さらに、第6プリセット状態で、オフにするように前記第4スイッチ(K4)を制御し、かつ前記ブリッジアーム変換器を制御することにより、前記モータ巻線に対応するモータが電力を出力するように構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の電池エネルギー処理装置。
【請求項9】
前記M個のコイル(KM1)は、駆動モータのモータ巻線又はコンプレッサのモータ巻線であり、
前記N個のコイル(KM2)は、前記駆動モータのモータ巻線である、ことを特徴とする請求項4に記載の電池エネルギー処理装置。
【請求項10】
前記コントローラ(600)は、前記第1プリセット状態で、前記エネルギー貯蔵ユニット(500)と前記電池(300)を循環して充電及び放電させるように前記第2回路(400)を制御することにより、前記電池(300)への加熱を実現するように構成されている、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の電池エネルギー処理装置。
【請求項11】
前記第2回路(400)は、第1バス端子が前記電池(300)の正極に接続され、第2バス端子が前記電池(300)の負極に接続されたN相ブリッジアーム(B2)を含み、
前記エネルギー貯蔵ユニット(500)は、第1端子が前記N相ブリッジアーム(B2)の中点に一対一に対応して接続され、第2端子が共通接続されたN個のコイル(KM2)を含み、ここで、N≧2であり、前記N個のコイル(KM2)は、モータ巻線であり、前記N相ブリッジアーム(B2)は、ブリッジアーム変換器であり、
前記第1プリセット状態で、前記コントローラ(600)は、前記N個のコイル(KM2)と前記電池(300)を充電及び放電させるように前記N相ブリッジアーム(B2)を制御することにより、前記電池(300)への加熱を実現し、かつ前記電池(300)が前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受けるように前記M相ブリッジアーム(B1)を制御し、
前記コントローラ(600)は、さらに、第4プリセット状態で、前記ブリッジアーム変換器を制御することにより、前記モータ巻線に対応するモータが電力を出力するように構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の電池エネルギー処理装置。
【請求項12】
第1プリセット状態で、電池(300)を充電及び放電させるように第2回路(400)を制御することにより、前記電池(300)への加熱を実現し、かつエネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受けて前記電池(300)に出力するように第1回路(200)を制御することにより、前記電池(300)への充電を実現するステップを含み、
前記第1回路(200)は、第1端子がエネルギー交換インタフェース(100)に接続され、第2端子が前記電池(300)に接続され、前記第2回路(400)は、第1端子が前記電池(300)に接続され、第2端子がエネルギー貯蔵ユニット(500)に接続される、ことを特徴とする電池エネルギー処理方法。
【請求項13】
第1プリセット状態で、エネルギー貯蔵ユニット(500)と前記電池(300)を充電及び放電させるように第2回路(400)を制御することにより、前記電池(300)への加熱を実現し、
前記第1回路(200)は、前記第1プリセット状態で、前記エネルギー交換インタフェース(100)の電圧を安定化させ、かつ前記第1回路(200)から前記電池(300)に伝送された電圧を前記電池(300)の電圧にリアルタイムにマッチングさせるように制御されている、ことを特徴とする請求項12に記載の電池エネルギー処理方法。
【請求項14】
前記第1回路(200)は、
第1バス端子が前記電池(300)の正極に接続され、第2バス端子が前記電池(300)の負極に接続されたM相ブリッジアーム(B1)と、
第1端子が前記M相ブリッジアーム(B1)の中点に一対一に対応して接続され、第2端子が共通接続されたM個のコイル(KM1)と、
第1端子が前記M個のコイル(KM1)の第2端子に接続され、第2端子が前記M相ブリッジアーム(B1)の前記第2バス端子に接続された第1コンデンサ(C1)とを含み、ここで、M≧1であり、
前記第1プリセット状態で、前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受けて前記電池(300)に出力するように第1回路(200)を制御することにより、前記電池(300)への充電を実現するステップは、
前記電池(300)が前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受けるように前記M相ブリッジアーム(B1)を制御することを含む、ことを特徴とする請求項13に記載の電池エネルギー処理方法。
【請求項15】
前記第2回路(400)は、第1バス端子が前記電池(300)の正極に接続され、第2バス端子が前記電池(300)の負極に接続されたN相ブリッジアーム(B2)を含み、
前記エネルギー貯蔵ユニット(500)は、第1端子が前記N相ブリッジアーム(B2)の中点に一対一に対応して接続され、第2端子が共通接続されたN個のコイル(KM2)と、第1端子が前記N個のコイル(KM2)の第2端子に接続され、第2端子が前記N相ブリッジアーム(B2)の第2バス端子に接続された第2コンデンサ(C2)とを含み、ここで、N≧1であり、
前記第1プリセット状態で、前記エネルギー貯蔵ユニット(500)と前記電池(300)を充電及び放電させるように第2回路(400)を制御することにより、前記電池(300)への加熱を実現するステップは、
前記第2コンデンサ(C2)が前記電池(300)を充電及び放電するように前記N相ブリッジアーム(B2)を制御することにより、前記電池(300)への加熱を実現することを含む、ことを特徴とする請求項14に記載の電池エネルギー処理方法。
【請求項16】
第2プリセット状態で、前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受けない状態にあるように前記第1回路(200)を制御し、かつ前記エネルギー貯蔵ユニット(500)と前記電池(300)を充電及び放電させない状態にあるように前記第2回路(400)を制御し、かつオンにするように前記第1スイッチ(K1)を制御することにより、前記電池(300)は、前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを直接的に受け、
前記第1スイッチ(K1)は、第1端子が前記エネルギー交換インタフェース(100)に接続され、第2端子が前記電池(300)の正極に接続され、
第3プリセット状態で、オンにするように第2スイッチ(K2)を制御し、かつオン又はオフにするように前記N相ブリッジアーム(B2)の下ブリッジアームを制御することにより、前記電池(300)は、前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受け、前記エネルギー交換インタフェース(100)のエネルギーは、前記N相ブリッジアーム(B2)、前記N個のコイル(KM2)及び前記第2コンデンサ(C2)により昇圧されてから前記電池(300)に受けられ、
前記第2スイッチ(K2)は、第1端子が前記エネルギー交換インタフェース(100)に接続され、第2端子がそれぞれ前記第2コンデンサ(C2)の第1端子と前記N個のコイル(KM2)の第2端子に接続される、ことを特徴とする請求項15に記載の電池エネルギー処理方法。
【請求項17】
第2プリセット状態で、オンにするように第2スイッチ(K2)を制御し、かつオフにするように前記N相ブリッジアーム(B2)の下ブリッジアームを制御することにより、前記電池(300)は、前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受け、
前記第2スイッチ(K2)は、第1端子が前記エネルギー交換インタフェース(100)に接続され、第2端子がそれぞれ前記第2コンデンサ(C2)の第1端子と前記N個のコイル(KM2)の第2端子に接続される、ことを特徴とする請求項15に記載の電池エネルギー処理方法。
【請求項18】
第5プリセット状態で、第3スイッチ(K3)をオフにするように制御し、かつブリッジアーム変換器を制御することにより、モータ巻線に対応するモータは、電力を出力し、
前記第3スイッチ(K3)は、第1端子が前記N個のコイル(KM2)の第2端子に接続され、第2端子が前記第2コンデンサ(C2)の第1端子に接続され、前記N個のコイル(KM2)は、前記モータ巻線であり、前記N相ブリッジアーム(B2)は、前記ブリッジアーム変換器である、ことを特徴とする請求項15に記載の電池エネルギー処理方法。
【請求項19】
第6プリセット状態で、オフにするように第4スイッチ(K4)を制御し、かつブリッジアーム変換器を制御することにより、モータ巻線に対応するモータは、電力を出力し、
前記第4スイッチ(K4)は、第1端子が前記M個のコイル(KM1)の第2端子に接続され、第2端子が前記第1コンデンサ(C1)の第1端子に接続され、前記M個のコイル(KM1)は、前記モータ巻線であり、前記M相ブリッジアーム(B1)は、前記ブリッジアーム変換器である、ことを特徴とする請求項15に記載の電池エネルギー処理方法。
【請求項20】
前記第2回路(400)は、第1バス端子が前記電池(300)の正極に接続され、第2バス端子が前記電池(300)の負極に接続されたN相ブリッジアーム(B2)を含み、
前記エネルギー貯蔵ユニット(500)は、第1端子が前記N相ブリッジアーム(B2)の中点に一対一に対応して接続され、第2端子が共通接続されたN個のコイル(KM2)を含み、
ここで、N≧2であり、
前記第1プリセット状態で、前記N個のコイル(KM2)と前記電池(300)を充電及び放電させるように前記N相ブリッジアーム(B2)を制御することにより、前記電池(300)への加熱を実現し、かつ、前記電池(300)が前記エネルギー交換インタフェース(100)からのエネルギーを受けるように前記M相ブリッジアーム(B1)を制御する、ことを特徴とする請求項14に記載の電池エネルギー処理方法。
【請求項21】
第4プリセット状態で、ブリッジアーム変換器を制御することにより、モータ巻線に対応するモータが電力を出力するステップをさらに含み、
前記N個のコイル(KM2)は、前記モータ巻線であり、前記N相ブリッジアーム(B2)は、前記ブリッジアーム変換器である、ことを特徴とする請求項20に記載の電池エネルギー処理方法。
【請求項22】
電池と、請求項1~11のいずれか一項に記載の電池エネルギー処理装置とを含む、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2020年6月4日に提出された出願番号202010501072.X、名称「電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両」の中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、電池の技術分野に関し、特に電池エネルギー処理装置及び方法、並びに車両に関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギーの広範な使用に伴い、電池は、動力源として様々な分野に適用することができる。電池を動力源として使用する環境が異なるため、電池の性能も影響を受ける。例えば、ゼロ点温度で電池の充電容量は、温度の低下に伴って低下するため、低温環境で充電効率が低いという技術的課題が存在する。
【0004】
低温環境下で充電効率が低いという課題を解決するために、関連技術において、電池加熱機能を提供することにより、電池温度を上昇させた後に電池充電機能を実行する。しかしながら、現在の電池加熱機能と電池充電機能は、時分割で実現される。このため、電池加熱機能と電池充電機能の連携実現は、現在早急に解決しようとする技術的問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、関連技術における技術的課題の1つを少なくとも解決することを目的とする。
【0006】
したがって、本開示は、電池エネルギー処理装置を提供することを第1目的とする。
【0007】
本開示は、電池エネルギー処理方法を提供することを第2目的とする。
【0008】
本開示は、車両を提供することを第3目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本開示の第1実施例に係る電池エネルギー処理装置は、エネルギー交換インタフェースと、第1端子が前記エネルギー交換インタフェースに接続され、第2端子が電池に接続された第1回路と、第1端子が前記電池に接続された第2回路と、前記第2回路の第2端子に接続されたエネルギー貯蔵ユニットと、第1プリセット状態で、前記電池を充電及び放電させるように前記第2回路を制御することにより、前記電池への加熱を実現し、かつ前記エネルギー交換インタフェースからのエネルギーを受けて前記電池に出力するように前記第1回路を制御することにより、前記電池への充電を実現するように構成されたコントローラとを含む。
【0010】
本開示の第2実施例に係る電池エネルギー処理方法は、第1プリセット状態で、電池を充電及び放電させるように第2回路を制御することにより、前記電池への加熱を実現し、かつエネルギー交換インタフェースからのエネルギーを受けて前記電池に出力するように第1回路を制御することにより、前記電池への充電を実現するステップを含み、前記第1回路は、第1端子がエネルギー交換インタフェースに接続され、第2端子が前記電池に接続され、前記第2回路は、第1端子が前記電池に接続され、第2端子がエネルギー貯蔵ユニットに接続される。
【0011】
本開示の第3実施例に係る車両は、電池と、本開示の第1実施例に係る電池エネルギー処理装置とを含む。
【0012】
上記技術手段によれば、電池を充電及び放電させるように第2回路を制御することにより、電池への加熱を実現する期間に、エネルギー交換インタフェースからのエネルギーを受けるように第1回路を制御することにより、電池への充電を実現することができ、このように電池が自己加熱を実行する時に電池への充電を実現することができる。
【0013】
本開示の他の特徴及び利点は、後の具体的な実施形態部分において詳細に説明される。
【0014】
図面は、本開示の更なる理解を提供し、明細書の一部を構成するものであり、以下の具体的な実施形態と共に本開示を説明するものであるが、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の概略ブロック図である。
図2】本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。
図3】第1回路の動作状態の概略図である。
図4】第1回路の動作状態の概略図である。
図5】第1回路の動作状態の概略図である。
図6】第1回路の動作状態の概略図である。
図7】本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。
図8】本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。
図9】本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。
図10】本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。
図11】本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。
図12】本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。
図13】本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本開示の具体的な実施形態を詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施形態は、本開示を説明し解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【0017】
図1に示すように、該電池エネルギー処理装置は、エネルギー交換インタフェース100と、第1端子がエネルギー交換インタフェース100に接続され、第2端子が電池300に接続された第1回路200と、第1端子が電池300に接続された第2回路400と、第2回路400の第2端子に接続されたエネルギー貯蔵ユニット500と、第1プリセット状態で、電池300を充電及び放電させるように第2回路400を制御することにより、電池300への加熱を実現し、かつエネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けて電池に出力するように第1回路200を制御することにより、電池300への充電を実現するように構成されたコントローラ600とを含む。
【0018】
上記技術手段によれば、電池300を充電及び放電させるように第2回路400を制御することにより、電池300への加熱を実現する期間に、エネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けるように第1回路200を制御して電池300への充電を実現することができ、このように電池が自己加熱を実行する時に電池への充電を実現することができる。
【0019】
具体的な実施例において、第1プリセット状態で、コントローラ600は、エネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電させるように上記第2回路400を制御することにより、前記電池300への加熱を実現する。上記エネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電させることは、電池がエネルギー貯蔵ユニット500にエネルギーを供給し、電池300を放電させることと、エネルギー貯蔵ユニット500が電池300にエネルギーを供給し、電池300を充電させることを指す。
【0020】
一実施例において、第1回路200は、第1プリセット状態で、エネルギー交換インタフェース100の電圧を安定化させ、かつ第1回路200から電池300に伝送された電圧を電池300の電圧にリアルタイムにマッチングさせるように構成されている。
【0021】
本開示において、第1プリセット状態は、電池300が自己加熱を実行する期間に充電可能な状態を指す。
【0022】
上記技術手段によれば、以下の有益な効果を実現することができる。まず、エネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電(即ち、電池300の自己加熱)させるように第2回路400を制御することにより電池300の両端の電圧が変動することを引き起こし、エネルギー交換インタフェース100の電圧を安定化させるように第1回路200を制御することにより、電池の両端の電圧変動がエネルギー交換インタフェース100の電圧に影響を与えることを回避することができ、また、第1回路200から電池300に伝送された電圧が電池300の電圧にリアルタイムにマッチングするため、第1回路200から電池300に伝送された電圧は、電池300の電圧をリアルタイムに追跡することができ、電池電圧を追跡できないことによる充電失敗を回避し、さらに自己加熱を実行する期間に電池への充電を実現することができる。
【0023】
第1回路200は、第1プリセット状態で、エネルギー交換インタフェース100の電圧を安定化させることによりエネルギー交換インタフェース100の電圧が電池の自己加熱時に電池の両端に生成された電圧の大幅なジャンプによる影響を受けないように構成されており、第1回路200は、第1プリセット状態で、電池300の入力電圧を電池300の電圧にリアルタイムにマッチングさせて電池電圧をリアルタイムに追跡し、電池電圧を追跡できないことによる充電失敗、例えば充電スタンドが充電プロセスを終了することを回避することができるように構成されている。
【0024】
図2に示すように、第1回路200は、第1バス端子が電池300の正極に接続され、第2バス端子が電池300の負極に接続されたM相ブリッジアームB1と、第1端子がM相ブリッジアームB1の中点に一対一に対応して接続され、第2端子が共通接続されたM個のコイルKM1と、第1端子がM個のコイルKM1の第2端子に接続され、第2端子がM相ブリッジアームB1の第2バス端子に接続され、第1端子と第2端子がそれぞれエネルギー交換インタフェース100に接続された第1コンデンサC1とを含み、ここで、M≧1である。
【0025】
図2は、M=3を例として図示するが、当業者が理解すべきことは、図2におけるブリッジアームの数及びコイルの数が単なる例である。
【0026】
以下に図3~6を参照しながら第1プリセット状態での第1回路200の動作原理を説明する。
【0027】
図3において、コントローラ600は、オフにするようにM相ブリッジアームB1の全ての下ブリッジアームを制御し、かつオンにするようにM相ブリッジアームB1の少なくとも1つの上ブリッジアームを制御し、そうすると、電流は、電池300の正極から流出し、M相ブリッジアームB1のオンになる上ブリッジアーム、M個のコイルKM1のうちのオンになる上ブリッジアームに接続されたコイル、及び第1コンデンサC1を順に流れてから電池300の負極に戻る。このように、電池300が第1コンデンサC1を充電することを実現することができる。また、上ブリッジアームのオン数及びオンのデューティ比を制御することにより、充電電流の大きさを制御し、さらに充電電力の大きさを制御することができる。
【0028】
一例において、M相ブリッジアームB1は、3つのブリッジアームa1、a2及びa3を含み、コイルKM1は、3つのコイルL1、L2及びL3を含み、ここで、コイルL1の一端は、ブリッジアームa1の中点に接続され、コイルL2の一端は、ブリッジアームa2の中点に接続され、コイルL3は、ブリッジアームa3の中点に接続されると仮定する。そして、コントローラ600は、オフにするようにブリッジアームa1、a2及びa3の全ての下ブリッジアームを制御し、オンにするようにブリッジアームa1及びa2の上ブリッジアームを制御し、かつオフにするようにブリッジアームa3の上ブリッジアームを制御することにより、電池300の正極、ブリッジアームa1の上ブリッジアーム、コイルL1、第1コンデンサC1及び電池300の負極は、第1コンデンサC1を充電する電流循環回路を構成し、電池300の正極、ブリッジアームa2の上ブリッジアーム、コイルL2、第1コンデンサC1及び電池300の負極は、第1コンデンサC1を充電する電流循環回路を構成する。
【0029】
そして、図4において、コントローラ600は、オフにするようにM相ブリッジアームB1の全ての上ブリッジアームを制御し、オンにするか又はオフにするようにM相ブリッジアームB1の下ブリッジアームのうちの、還流電流が存在するコイルに接続された下ブリッジアームを制御することにより、還流電流は、オンになる下ブリッジアーム、オンになる下ブリッジアームに接続されたコイル及び第1コンデンサで構成された回路を流れる。このように、還流電流が存在するコイル中のエネルギーを第1コンデンサC1に伝送することができる。なお、下ブリッジアームがオフになる状態で、電流は、下ブリッジアームのダイオードを流れる。
【0030】
当業者に知られているように、1、N相ブリッジアームB2の上ブリッジアームと下ブリッジアームは、同時にオンにすることができず、2、1つをオンにし、もう1つをオフにし、例えば、上ブリッジアームをオンにする場合に下ブリッジアームをオフにし、上ブリッジアームをオフにする場合に下ブリッジアームをオンにし、3、1つをオフにし、もう1つをオフにしてもオンにしてもよく、例えば、上ブリッジアームをオフにする場合に下ブリッジアームをオフにするか又はオンにし、下ブリッジアームをオフにする場合に上ブリッジアームをオフにするか又はオンにする。
【0031】
上記例のままである。上記例においてブリッジアームa1及びa2の上ブリッジアームのオンを制御するため、現在、オフにするようにM相ブリッジアームB1の全ての上ブリッジアームを制御し、オンにするようにM相ブリッジアームB1のa1及びa2の下ブリッジアームを制御し、かつオフにするようにa3の下ブリッジアームを制御することにより、ブリッジアームa1の下ブリッジアーム、コイルL1及び第1コンデンサC1は、コイルL1におけるエネルギーを第1コンデンサC1に伝送する環流循環回路を構成し、ブリッジアームa2の下ブリッジアーム、コイルL2及び第1コンデンサC1は、コイルL2におけるエネルギーを第1コンデンサC1に伝送する環流循環回路を構成する。
【0032】
図3及び図4において、第1コンデンサC1を予備充電し、M相ブリッジアームB1の上ブリッジアームと下ブリッジアームのオンのデューティ比を制御することにより、エネルギー交換インタフェース100における電圧を目標値に安定化させることができる。該目標値は、充電スタンドなどの外部給電装置の情報(電圧レベル、最大出力電流などを含む)を読み取ることにより得られる。
【0033】
図5において、コントローラ600は、オンにするようにM相ブリッジアームB1の少なくとも1つの下ブリッジアームを制御し、オフにするようにM相ブリッジアームB1の全ての上ブリッジアームを制御することにより、電流は、エネルギー交換インタフェース100の正極から、オンになる下ブリッジアームに接続されたコイルとオンになる下ブリッジアームを順に流れ、最後にエネルギー交換インタフェース100の負極に戻る。このように、充電スタンドのような外部給電装置のコイルへの充電を実現することができる。また、下ブリッジアームのオン数及びオンのデューティ比を制御することにより、充電電流の大きさを制御し、さらに充電電力の大きさを制御することができる。
【0034】
そして、図6において、コントローラ600は、オフにするようにM相ブリッジアームB1の全ての下ブリッジアームを制御し、かつオンにするか又はオフにするようにM相ブリッジアームB1うちの、還流電流が存在するコイルに接続された上ブリッジアームを制御することにより、電流は、エネルギー交換インタフェース100の正極、オンになる上ブリッジアームに接続されたコイル、オンになる上ブリッジアーム、電池300の正極、及び電池300の負極を順に流れ、最後にエネルギー交換インタフェース100の負極に戻る。このように、充電スタンドなどの外部給電装置及びコイルKM1により、電池300を共同で充電することができる。なお、上ブリッジアームがオフになる状態で、電流は、上ブリッジアームのダイオードを流れる。
【0035】
したがって、コントローラ600は、M相ブリッジアームB1の下ブリッジアームのオンとオフを制御することにより、図5及び図6に示す状態で交互に動作し、昇圧チョッパ機能(BOOST)を完了することにより、電池300に出力された電圧の平均値は、最小でエネルギー交換インタフェース100の電圧であってもよく、下ブリッジアームのデューティ比を増大させると、第1回路200が電池300に出力した電圧もそれに伴って増大する。M相ブリッジアームB1の上ブリッジアーム及び下ブリッジアームのオンのデューティ比を制御することにより、第1回路200が電池300に出力した電圧を変更することができ、それにより第1回路200が電池300に出力した電圧は、電池300の電圧をリアルタイムに追跡する。
【0036】
さらに図2に示すように、第2回路400は、第1バス端子が電池300の正極に接続され、第2バス端子が電池300の負極に接続されたN相ブリッジアームB2を含む。エネルギー貯蔵ユニット500は、第1端子がN相ブリッジアームB2の中点に一対一に対応して接続され、第2端子が共通接続されたN個のコイルKM2を含み、ここで、N≧1である。図2は、N=3を例として図示するが、当業者が理解すべきことは、図2におけるブリッジアームの数及びコイルの数が単なる例である。
【0037】
第1プリセット状態で、コントローラ600は、N個のコイルKM2と電池300を充電及び放電させるようにN相ブリッジアームB2を制御することにより、電池300への加熱を実現し、かつ電池300がエネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けるようにM相ブリッジアームB1を制御することにより、電池300を充電させる。第1プリセット状態で、図2に示す第1回路200を用いて電池300を充電する過程は、既に図3~6を参照しながら詳細に説明される。次に、第1プリセット状態で、図2におけるN相ブリッジアームB2、N個のコイルKM2を用いて電池300を加熱する過程について説明する。具体的には、コイルKM2を電流制限緩衝装置として、N相ブリッジアームB2のオン方式を制御するとともに、オンになるブリッジアームのデューティ比を調整して電池回路の相電流を制御することにより、電池の内部抵抗を発熱させて、上昇するように電池の温度を駆動し、電池300の制御可能な昇温を実現する。
【0038】
一実施例において、N個のコイルKM2は、モータ巻線(例えば駆動モータのモータ巻線)であり、N相ブリッジアームB2は、ブリッジアーム変換器である。即ち、車両上の従来のモータ巻線とブリッジアーム変換器が多重化されることにより、必要に応じて異なる機能を実現することができ、例えば、電池が自己加熱する必要がある場合、N個のコイルKM2及びN相ブリッジアームB2は、本開示に記載の様々な自己加熱プロセスに適用されてもよく、車両を駆動する必要がある場合、N個のコイルKM2及びN相ブリッジアームB2は、ブリッジアームB2を制御することにより、モータ巻線に対応するモータが電力を出力するように切り替えられてもよく、さらに車両を駆動し、即ち、コントローラ600は、さらに、第4プリセット状態で、ブリッジアーム変換器を制御することにより、モータ巻線に対応するモータが電力を出力するように構成されている。ここで、第4プリセット状態は、モータ駆動状態を指す。このように、車両のモータ巻線とブリッジアーム変換器を多重化することにより、必要に応じて異なる機能を実現し、車両コストを減少させることができる。
【0039】
図7は、本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。図7に示すように、エネルギー貯蔵ユニット500は、第1端子がN個のコイルKM2の第2端子に接続され、第2端子がN相ブリッジアームB2の第2バス端子に接続された第2コンデンサC2をさらに含む。図7における回路トポロジーを用いて、第1プリセット状態で、電池300を加熱する期間に電池300を充電することができる。即ち、第1プリセット状態で、コントローラ600は、第2コンデンサC2が電池300を充電及び放電するようにN相ブリッジアームB2を制御することにより、電池300への加熱を実現し、かつ電池300がエネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けるようにM相ブリッジアームB1を制御する。第1プリセット状態で、図7に示す第1回路200を用いて電池300を充電する過程は、既に図3~6を参照しながら詳細に説明される。次に、第1プリセット状態で、図7におけるN相ブリッジアームB2、N個のコイルKM2及び第2コンデンサC2を用いて電池300を加熱する過程について説明する。
【0040】
まず、第1過程において、コントローラ600は、オフにするようにN相ブリッジアームB2の全ての下ブリッジアームを制御し、かつオンにするようにN相ブリッジアームB2の少なくとも1つの上ブリッジアームを制御することができ、この時、電流は、電池300の正極から流出し、オンになる上ブリッジアーム、オンになる上ブリッジアームに接続されたコイル及び第2コンデンサC2を流れ、最後に電池300の負極に戻る。該過程において、電池300は、外向き放電状態であり、第2コンデンサC2は、オンになる上ブリッジアームに接続されたコイルからのエネルギーを受け、電圧が絶えず増大し、エネルギー貯蔵を実現する。
【0041】
次に、第2過程において、コントローラ600は、オフにするようにN相ブリッジアームB2の全ての上ブリッジアームを制御し、かつオンにするようにN相ブリッジアームB2の下ブリッジアームのうちの、還流電流が存在するコイルに接続された下ブリッジアームを制御することができ、この時、電流は、還流電流が存在するコイルから流出し、第2コンデンサC2及びオンになる下ブリッジアームを流れ、最後に還流電流が存在するコイルに戻る。該過程において、コイルの還流作用により、第2コンデンサC2は、コイルのエネルギーを受け続け、電圧が増大し続ける。
【0042】
第3過程において、第2コンデンサC2の両端の電圧が増大し続けるにつれて、第2コンデンサC2は、コイルKM2のエネルギーを受けることからコイルKM2にエネルギーを放出するように自動的に切り替え、この時、電流は、第2コンデンサC2から流出し、オンになる下ブリッジアームに接続されたコイル、オンになる下ブリッジアームを流れ、最後に第2コンデンサC2に戻る。該過程において、第2コンデンサC2の両端の電圧は、絶えず減少する。
【0043】
その後、第4過程において、コントローラ600は、オフにするようにN相ブリッジアームB2の全ての下ブリッジアームを制御し、かつオンにするようにN相ブリッジアームB2の少なくとも1つの上ブリッジアームを制御することができ、この時、電流は、第2コンデンサC2から流出し、オンになる上ブリッジアームに接続されたコイル、オンになる上ブリッジアーム、電池300の正極及び電池300の負極を流れ、最後に第2コンデンサC2に戻る。該過程において、電池300は、充電状態である。
【0044】
第2コンデンサC2の両端の電圧が低下し続けるにつれて、第2コンデンサC2とオンになる上ブリッジアームに接続されたコイルは、電池にエネルギーを放出することから電池のエネルギーを受けることに切り替え、この時、電流の流れ方向は、また、第1過程における前記流れ方向に戻り、電池300は、外向きに放電し始める。
【0045】
上記4つの過程が連続的に循環することにより、第2コンデンサC2と電池300との間に循環式充放電を迅速に行うことができる。電池の内部抵抗の存在により、大量の熱を生成して電池を迅速に昇温させ、電池の加熱効率を向上させる。
【0046】
図8は、本開示の実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。図8に示すように、電池エネルギー処理装置は、第1端子がエネルギー交換インタフェース100に接続され、第2端子が電池300の正極に接続された第1スイッチK1をさらに含む。コントローラ600は、さらに、第2プリセット状態で、エネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けない状態にあるように第1回路200を制御し、かつエネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電させない状態にあるように第2回路400を制御し、かつオンにするように第1スイッチK1を制御することにより、電池300がエネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを直接的に受け、急速充電を実現することができ、充電時の消費エネルギーが最も低いように構成されている。このように、電池が自己加熱する必要がない場合に、直接充電方式を用いて電池300を充電することができる。
【0047】
本開示において、第2プリセット状態とは、電池が自己加熱する必要がない場合に直接充電方式を用いて電池を充電する状態を指す。
【0048】
理解できるように、本開示における電池エネルギー処理装置に第1スイッチK1を追加するため、本開示は、2種類の充電方式を有する。第1種の充電方式は、第1回路200により昇圧充電を行い、第2種の充電方式は、第1スイッチK1により直接充電を行い、この2種類の充電方式は、並列に実行されない。エネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電させて電池300を自己加熱させる期間に、第1スイッチK1をオフにする必要があり、自己加熱期間に直接充電方式が動作することを回避し、自己加熱期間に電池300を充電する必要がある場合、第1回路200により電池300を昇圧充電する必要がある。エネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電させずに電池300を加熱する場合、電池300を充電する必要がある場合に、この時に電池300の両端に自己加熱による電圧変動がないため、第1回路200を用いて電池300を昇圧充電することができるか、或いは第1スイッチK1をオンにすることにより直接充電方式を用いて電池300を直接充電することができる。
【0049】
図9に示すように、電池エネルギー処理装置は、第1端子がエネルギー交換インタフェース100に接続され、第2端子がそれぞれ第2コンデンサC2の第1端子とN個のコイルKM2の第2端子に接続された第2スイッチK2をさらに含む。コントローラ600は、さらに、第3プリセット状態で、オンにするように第2スイッチK2を制御し、かつオン又はオフにするようにN相ブリッジアームB2の下ブリッジアームを制御することにより、電池300がエネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けるように構成されており、エネルギー交換インタフェース100のエネルギーは、N相ブリッジアームB2、N個のコイルKM2及び第2コンデンサC2により昇圧されてから電池300に受けられる。このように、電池が自己加熱する必要がない場合に、急速昇圧充電方式を用いて電池300を充電することができる。
【0050】
本開示において、第3プリセット状態とは、電池300が自己加熱する必要がない場合に、急速昇圧充電方式を用いて電池を充電する状態を指す。また、第2スイッチK2がオンになる場合に、第2回路400及びエネルギー貯蔵ユニット500により電池300を昇圧充電する過程は、図3~6を参照しながら説明された過程と類似し、ここでは説明を省略する。
【0051】
本開示の他の実施例において、図9におけるトポロジー構造は、電池が自己加熱する必要がない場合に、直接充電方式を用いて電池300を充電することをさらに実現することができる。具体的には、コントローラ600は、さらに、第2プリセット状態で、オンにするように第2スイッチK2を制御し、かつオフにするようにN相ブリッジアームB2の下ブリッジアームを制御し、オンにするか又はオフにするようにN相ブリッジアームB2の上ブリッジアームを制御するように構成されており、この時、エネルギー交換インタフェース100からのエネルギーは、N個のコイルKM2及びN相ブリッジアームB2の上ブリッジアームを通過してから、電池300の正極に流れて電池を充電し、即ち、電池300は、エネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを直接的に受ける。なお、N相ブリッジアームB2の上ブリッジアームがオフになる状態で、電流は、N相ブリッジアームB2の上ブリッジアームのダイオードを流れ、第2プリセット状態とは、電池が自己加熱する必要がない場合に、直接充電方式を用いて電池を充電する状態を指す。
【0052】
当業者に知られているように、1、N相ブリッジアームB2の上ブリッジアームと下ブリッジアームは、同時にオンにすることができず、2、1つをオンにし、もう1つをオフにし、例えば、上ブリッジアームをオンにする場合に下ブリッジアームをオフにし、上ブリッジアームをオフにする場合に下ブリッジアームをオンにし、3、1つをオフにし、もう1つをオフにしてもオンにしてもよく、例えば、上ブリッジアームをオフにする場合に下ブリッジアームをオフにするか又はオンにし、上ブリッジアームをオフにする場合に下ブリッジアームをオフにするか又はオンにする。
【0053】
また、図9に示す回路トポロジーから分かるように、第2回路400及びエネルギー貯蔵ユニット500は、電池300を加熱し電池300を急速に昇圧充電するために多重化され、この2種類の操作は、第2スイッチK2により切り替えられる。即ち、第2スイッチK2がオフになる場合、第2回路400及びエネルギー貯蔵ユニット500は、電池300への加熱を実現してもよく、第2スイッチK2がオンになる場合、第2回路400及びエネルギー貯蔵ユニット500は、電池300の急速昇圧充電を実現するか又は電池の直接充電を実現してもよい。
【0054】
また、理解できるように、本開示における電池エネルギー処理装置に第2スイッチK1を追加するため、本開示は、4種類の充電方式を有する。第1種類の充電方式において、第1回路200により昇圧充電を行い、第2種類の充電方式において、第1スイッチK1により直接充電を行い、第3種類の充電方式において、第2スイッチK2、第2コンデンサC2、N相ブリッジアームB2、N個のコイルKM2により昇圧充電を行い、第4種類の充電方式において、第2スイッチK2、第2コンデンサC2、N相ブリッジアームB2及びN個のコイルKM2により直接充電を行い、第1種類、第2種類及び第3種類の充電方式は、並行して実行されない。エネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電させて電池300を自己加熱させる期間に、第1スイッチK1及び第2スイッチK2をオフにする必要があり、自己加熱期間に直接充電方式が動作することを回避し、自己加熱期間に電池300を充電する必要がある場合、第1回路200により電池300を昇圧充電する必要がある。エネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電させないことにより電池300を加熱する場合、電池300を充電する必要がある場合に、この時に電池300の両端に自己加熱による電圧変動がないため、この時に第1スイッチK1をオンにし、第2スイッチK2をオフにし、第1回路200をオフにすることにより、直接充電方式で電池300を直接充電してもよく、第1スイッチK1をオフにし、第1回路200をオフにし、第2スイッチK2をオンにすることにより、第2コンデンサC2、N相ブリッジアームB2及びN個のコイルKM2により電池300を急速に昇圧充電してもよく、第1スイッチK1及び第2スイッチK2をオフにすることにより、第1回路200により電池300を昇圧充電してもよい。これらの充電方式は、充電スタンドの電圧に応じて選択されてもよく、充電スタンドの電圧がいずれも充電電圧の要件を満たす場合、直接充電を選択して急速充電を実現することができ、充電時の消費エネルギーが最も低い。充電スタンドの電圧が直接充電の電圧要件を満たさない場合、第2スイッチK2、第2コンデンサC2、N相ブリッジアームB2及びN個のコイルKM2を用いて急速昇圧充電を行ってもよく、第1回路200を用いて昇圧充電を行ってもよい。
【0055】
また、エネルギー貯蔵ユニット500と電池300の充放電により電池300を自己加熱させる必要がある場合、電池300が現在低温状態にあることを示すため、本開示において、第1回路200を用いて電池300を昇圧充電する電流は、電池低温状態で充電する時に電池に損傷を与える電流より小さいべきであり、これも、第1回路200を用いて昇圧充電する電流が高すぎないことを意味する。したがって、N相ブリッジアームB2、N個のコイルKM2及び第2コンデンサC2を用いて電池を加熱する必要がない場合、電池300を昇圧充電する必要がある場合、好ましくは第2スイッチK2、N相ブリッジアームB2、N個のコイルKM2及び第2コンデンサC2を用いて電池300を急速昇圧充電し、第2スイッチK2、N相ブリッジアームB2、N個のコイルKM2及び第2コンデンサC2で構成された急速昇圧充電回路は、大電流を利用して電池を急速に昇圧充電することができるように構成されている。
【0056】
図10は、本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。図10に示すように、電池エネルギー処理装置は、第1端子がN個のコイルKM2の第2端子に接続され、第2端子が第2コンデンサC2の第1端子に接続された第3スイッチK3をさらに含む。
【0057】
電池300が自己加熱する必要がある場合、第3スイッチK3をオフにし、かつN相ブリッジアームB2及びN個のコイルKM2を用いて電池300に対してサイクル充放電を行うことにより、電池300の内部抵抗発熱を用いて電池300の自己加熱を実現してもよい。当然のことながら、電池300が自己加熱する必要がある場合、第3スイッチK3をオンにし、第2スイッチK2をオフにし、かつN相ブリッジアームB2、N個のコイルKM2及び第2コンデンサC2を用いて電池300に対してサイクル充放電を行うことにより、電池300の内部抵抗発熱を用いて電池300の自己加熱を実現してもよい。これらの自己加熱の動作プロセスは、以上で詳細に説明され、ここでは説明を省略する。
【0058】
電池300が自己加熱する必要がないが、急速に昇圧充電する必要がある場合、第2スイッチK2及び第3スイッチK3をオンにすることにより、N相ブリッジアームB2、N個のコイルKM2及び第2コンデンサC2を用いて電池300を急速に昇圧充電してもよい。また、直接充電方式、急速昇圧充電方式、第1回路200を用いる昇圧充電方式、電池加熱などの間の協調動作は、図9を参照しながら詳細に説明され、ここでは説明を省略する。
【0059】
一実施例において、N個のコイルKM2は、モータ巻線(例えば駆動モータのモータ巻線)であり、N相ブリッジアームB2は、ブリッジアーム変換器である。即ち、車両上の従来のモータ巻線とブリッジアーム変換器が多重化されることにより、必要に応じて異なる機能を実現することができ、例えば、電池が自己加熱する必要がある場合、第3スイッチK3をオフにし、かつN個のコイルKM2及びN相ブリッジアームB2を用いて本開示に記載の関連自己加熱プロセスを実現してもよく、第3スイッチK3をオンにし、かつN個のコイルKM2、N相ブリッジアームB2及び第2コンデンサC2を用いて本開示に記載の関連自己加熱プロセスを実現してもよく、電池を急速に昇圧充電する必要がある場合、N個のコイルKM2及びN相ブリッジアームB2は、上述したような急速昇圧充電プロセスに適用されるように切り替えられてもよく、車両を駆動する必要がある場合、第3スイッチK3をオフにし、かつN個のコイルKM2とN相ブリッジアームB2がブリッジアームB2を制御することにより、モータ巻線に対応するモータが電力を出力することに切り替えられて、さらに車両を駆動してもよく、即ち、コントローラ600は、さらに、第5プリセット状態で、オフにするように第3スイッチK3を制御し、かつブリッジアーム変換器を制御することにより、モータ巻線に対応するモータが電力を出力するように構成されている。ここで、第5プリセット状態は、モータ駆動状態を指す。このように、車両のモータ巻線とブリッジアーム変換器を多重化することにより、必要に応じて異なる機能を実現し、車両コストを減少させることができる。
【0060】
図11は、本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。図11に示すように、電池エネルギー処理装置は、第1端子がM個のコイルKM1の第2端子に接続され、第2端子が前記第1コンデンサC1の第1端子に接続された第4スイッチK4をさらに含む。第4スイッチK4がオンになる場合、第1回路200を用いて電池300に上述したような昇圧充電を行うことができる。第4スイッチK4がオフになる場合、第1回路200を、電池300を昇圧充電する以外の機能に適用することができ、例えば、駆動回路として用いる。したがって、第4スイッチK4を追加することにより、第1回路200の第2機能を実現することができ、かつ本開示の電池エネルギー処理装置の他の機能、例えば電池自己加熱、電池自己加熱回路の昇圧充電機能、電池直接充電、電池駆動などに影響を与えない。
【0061】
例えば、一実施例において、M個のコイルKM1は、駆動モータのモータ巻線であってもよく、M相ブリッジアームB1は、ブリッジアーム変換器であり、コントローラ600は、第6プリセット状態で、オフにするように第4スイッチK4を制御し、かつモータ巻線に対応するモータが電力を出力するようにブリッジアーム変換器を制御するように構成されてもよく、このようにモータ駆動機能を実現する。ここで、第6プリセット状態は、モータ駆動状態を指す。モータ巻線及びブリッジアーム変換器を多重化することにより、車両コストを低減することができる。
【0062】
また、例えば、別の実施例において、M個のコイルKM1は、コンプレッサのモータ巻線であり、M相ブリッジアームB1は、ブリッジアーム変換器である。オフにするように第1スイッチK4を制御し、M個のコイルKM1及びM相ブリッジアームB1を用いてコンプレッサの一般的な機能、例えば冷却機能を実現することができる。モータ巻線及びブリッジアーム変換器を多重化することにより、車両コストを低減することができる。また、コンプレッサの駆動電流が大きくないため、コンプレッサのモータ巻線及びブリッジアーム変換器を第1回路200に多重化することに非常に適し、これにより電池が自己加熱する期間に充電する場合に、小さい電流を用いて電池に上述したような昇圧充電を行うことができる。
【0063】
また、M個のコイルKM1及びM相ブリッジアームB1が車両駆動機能に用いられる場合、必要がある場合、上述したような急速昇圧充電、直接充電、電池加熱、モータ駆動なども実行されてもよい。N個のコイルKM2及びN相ブリッジアームB2が車両駆動機能に用いられる場合、必要がある場合、上述したような直接充電、第1回路200を用いる昇圧充電、コンプレッサ機能なども実行されてもよい。
【0064】
図12は、本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理装置の別の概略ブロック図である。図12に示すように、電池エネルギー処理装置は、第1端子がエネルギー交換インタフェース100に接続され、第2端子が電池300の負極に接続された第5スイッチK5をさらに含む。コントローラ600は、さらに、第1プリセット状態、第2プリセット状態又は第3プリセット状態で、いずれも第5スイッチK5のオンを制御するように構成されている。このように、充電が終了した後、第1回路200とエネルギー交換インタフェース100を完全に分離することができることにより、第1回路200の高圧がエネルギー交換インタフェース100に入ることを回避するとともに、人がエネルギー交換インタフェース100に接触すると、人身安全を引き起こすことを回避することができる。
【0065】
図13は、本開示の一実施例に係る電池エネルギー処理方法のフローチャートである。図13に示すように、該方法は、
第1プリセット状態で、電池300を充電及び放電させるように第2回路400を制御することにより、電池300への加熱を実現するステップS101と、
第1プリセット状態で、エネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けて電池300に出力するように第1回路200を制御することにより、電池300への充電を実現するステップS102とを含む。
【0066】
第1回路200は、第1端子がエネルギー交換インタフェース100に接続され、第2端子が電池300に接続され、第2回路400は、第1端子が電池300に接続され、第2端子がエネルギー貯蔵ユニット500に接続される。
【0067】
また、本開示は、ステップS101及びS102の優先順位を限定しない。即ち、例えば、電池が自己加熱し充電する必要があることを検出した場合、まずステップS101を起動してからステップS102を起動してもよく、まずステップS102を起動してからステップS101を起動してもよく、ステップS101及びステップS102を同時に起動してもよい。当然のことながら、電池充電を実行する期間に電池が自己加熱する必要があることを検出した場合、ステップS101を直接起動して電池を加熱することができ、電池の自己加熱を実行する期間に電池を充電する必要があることを検出した場合、ステップS102を直接起動して電池を充電することもできる。
【0068】
上記技術手段によれば、電池300を充電及び放電させるように第2回路400を制御することにより、電池300への加熱を実現する期間に、エネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けるように第1回路200を制御することにより、電池300への充電を実現することができ、このように電池が自己加熱を実行する時に電池への充電を実現することができる。
【0069】
具体的な実施例において、第1プリセット状態で、コントローラ600は、エネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電させるように上記第2回路400を制御することにより、前記電池300への加熱を実現する。上記エネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電させることは、電池がエネルギー貯蔵ユニット500にエネルギーを供給し、電池300を放電させることと、エネルギー貯蔵ユニット500が電池300にエネルギーを供給し、電池300を充電させることを指す。
【0070】
好ましくは、第1回路200は、第1プリセット状態で、エネルギー交換インタフェース100の電圧を安定化させ、かつ第1回路200から電池300に伝送された電圧を電池300の電圧にリアルタイムにマッチングさせるように制御されている。
【0071】
好ましくは、第1回路200は、第1バス端子が電池300の正極に接続され、第2バス端子が電池300の負極に接続されたM相ブリッジアームB1と、第1端子がM相ブリッジアームB1の中点に一対一に対応して接続され、第2端子が共通接続されたM個のコイルKM1と、第1端子がM個のコイルKM1の第2端子に接続され、第2端子がM相ブリッジアームB1の第2バス端子に接続された第1コンデンサC1とを含み、ここで、M≧1であり、
第1プリセット状態で、エネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けて電池300に出力するように第1回路200を制御することにより、電池300への充電を実現するステップは、電池300がエネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けるようにM相ブリッジアームB1を制御することを含む。
【0072】
好ましくは、第2回路400は、第1バス端子が電池300の正極に接続され、第2バス端子が電池300の負極に接続されたN相ブリッジアームB2を含む。エネルギー貯蔵ユニット500は、第1端子がN相ブリッジアームB2の中点に一対一に対応して接続され、第2端子が共通接続されたN個のコイルKM2と、第1端子がN個のコイルKM2の第2端子に接続され、第2端子がN相ブリッジアームB2の第2バス端子に接続された第2コンデンサC2を含み、ここで、N≧1であり、
第1プリセット状態で、エネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電させるように第2回路400を制御することにより、電池300への加熱を実現するステップは、第2コンデンサC2が電池300を充電及び放電するようにN相ブリッジアームB2を制御することにより電池300への加熱を実現することを含む。
【0073】
好ましくは、第2プリセット状態で、エネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けない状態にあるように第1回路200を制御し、かつエネルギー貯蔵ユニット500と電池300を充電及び放電させない状態にあるように第2回路400を制御し、かつオンにするように第1スイッチK1を制御することにより、電池300がエネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを直接的に受ける。第1スイッチK1は、第1端子がエネルギー交換インタフェース100に接続され、第2端子が電池300の正極に接続される。
【0074】
好ましくは、第3プリセット状態で、オンにするように第2スイッチK2を制御し、かつN相ブリッジアームB2を制御することにより、電池300は、エネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受ける。エネルギー交換インタフェース100のエネルギーは、N相ブリッジアームB2、N個のコイルKM2及び第2コンデンサC2により昇圧されてから電池300に受けられる。第2スイッチK2は、第1端子がエネルギー交換インタフェース100に接続され、第2端子がそれぞれ第2コンデンサC2の第1端子とN個のコイルKM2の第2端子に接続される。
【0075】
好ましくは、第2プリセット状態で、オンにするように第2スイッチK2を制御し、かつN相ブリッジアームB2を制御することにより、電池300は、エネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを直接的に受ける。第2スイッチK2は、第1端子がエネルギー交換インタフェース100に接続され、第2端子がそれぞれ第2コンデンサC2の第1端子とN個のコイルKM2の第2端子に接続される。
【0076】
好ましくは、第5プリセット状態でオフにするように、第3スイッチK3を制御し、かつブリッジアーム変換器を制御することにより、モータ巻線に対応するモータは、電力を出力する。第3スイッチK3は、第1端子は、N個のコイルKM2の第2端子に接続され、第2端子が第2コンデンサC2の第1端子に接続され、N個のコイルKM2は、モータ巻線であり、N相ブリッジアームB2は、ブリッジアーム変換器である。
【0077】
好ましくは、第6プリセット状態で、オフにするように第4スイッチK4を制御し、かつブリッジアーム変換器を制御することにより、モータ巻線に対応するモータは、電力を出力する。第4スイッチK4は、第1端子がN個のコイルKM1の第2端子に接続され、第2端子が第1コンデンサC1の第1端子に接続され、M個のコイルKM1は、モータ巻線であり、M相ブリッジアームB1は、ブリッジアーム変換器である。
【0078】
好ましくは、第2回路400は、第1バス端子が電池300の正極に接続され、第2バス端子が電池300の負極に接続されたN相ブリッジアームB2を含む。エネルギー貯蔵ユニット500は、第1端子がN相ブリッジアームB2の中点に一対一に対応して接続され、第2端子が共通接続されたN個のコイルKM2を含み、ここで、N≧1であり、
第1プリセット状態で、N個のコイルKM2と電池300を充電及び放電させるようにN相ブリッジアームB2を制御することにより、電池300への加熱を実現し、かつ電池300がエネルギー交換インタフェース100からのエネルギーを受けるようにM相ブリッジアームB1を制御する。
【0079】
好ましくは、方法は、第4プリセット状態で、ブリッジアーム変換器を制御することにより、モータ巻線に対応するモータが電力を出力するステップをさらに含み、N個のコイルKM2は、モータ巻線であり、N相ブリッジアームB2は、ブリッジアーム変換器である。
【0080】
本開示の実施例に係る電池エネルギー処理方法における各ステップの具体的な実現方式は、既に本開示の実施例に係る電池エネルギー処理装置において詳細に説明され、ここでは説明を省略する。
【0081】
本開示の別の実施例に係る車両は、電池と、本開示の実施例に係る電池エネルギー処理装置とを含む。
【0082】
以上、図面を参照しながら本開示の具体的な実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記実施形態の具体的な内容に限定されるものではなく、本開示の技術的思想の範囲内に、本開示の技術的解決手段に対して複数の簡単な変更を行うことができ、これらの簡単な変更がいずれも本開示の保護範囲に属する。
【0083】
なお、上記具体的な実施形態に説明された各具体的な技術的特徴は、矛盾しない場合に、任意の適当な方式で組み合わせることができる。不要な重複を回避するために、本開示は、可能なあらゆる組み合わせ方式を別途に説明しない。
【0084】
また、本開示の様々な実施形態は、任意に組み合わせることができ、本開示の構想から逸脱しない限り、本開示に開示されている内容と見なすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】