(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-14
(54)【発明の名称】半導体冷却チップ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10N 10/01 20230101AFI20230707BHJP
H10N 10/17 20230101ALI20230707BHJP
【FI】
H10N10/01
H10N10/17 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022577466
(86)(22)【出願日】2021-06-07
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 CN2021098668
(87)【国際公開番号】W WO2021254203
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】202010548662.8
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】李永▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】李俊▲ちゃお▼
(72)【発明者】
【氏名】周▲維▼
(57)【要約】
半導体冷却チップ及びその製造方法を提供する。方法は、第1絶縁熱伝導層と、前記第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、第1絶縁熱伝導層と第2絶縁熱伝導層との間に位置する半導体層とを含む半導体冷却アセンブリであって、前記半導体冷却アセンブリの第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、前記半導体冷却アセンブリの第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側である半導体冷却アセンブリを提供するステップと、半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成するようにパッケージ構造を形成して、半導体冷却チップを得るステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体冷却チップの製造方法であって、
第1絶縁熱伝導層と、前記第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、前記第1絶縁熱伝導層と前記第2絶縁熱伝導層との間に位置する半導体層とを含む半導体冷却アセンブリであって、前記半導体冷却アセンブリの前記第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、前記半導体冷却アセンブリの前記第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側である半導体冷却アセンブリを提供するステップと、
前記半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ前記第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成するようにパッケージ構造を形成して、前記半導体冷却チップを得るステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記半導体層は、直列接続され、かつ導線に電気的に接続された複数の熱電対を含み、
前記導線に前記パッケージ構造を貫通させ、かつ前記パッケージ構造の外側まで延在させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パッケージ構造及び前記第2絶縁熱伝導層で第2凹溝を構成するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記パッケージ構造は、射出成形及び冷却固化により形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記射出成形過程における圧力は、2~40barであり、前記射出成形過程における温度は、150~240℃である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記冷却固化の時間は、10~50sである、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
形成された前記パッケージ構造の壁厚は、0.2~1mmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1凹溝の深さは、0.2~1mmである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1凹溝と第2凹溝の深さは、それぞれ独立して0.2~1mmである、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
第1絶縁熱伝導層と、前記第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、前記第1絶縁熱伝導層と前記第2絶縁熱伝導層との間に位置する半導体層とを含む半導体冷却アセンブリであって、前記半導体冷却アセンブリの前記第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、前記半導体冷却アセンブリの前記第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側である半導体冷却アセンブリと、
前記半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ前記第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成するパッケージ構造と、を含む、半導体冷却チップ。
【請求項11】
前記半導体層は、複数の熱電対を含み、前記複数の熱電対は、直列接続され、かつ導線に電気的に接続されている、請求項10に記載の半導体冷却チップ。
【請求項12】
前記導線は、前記パッケージ構造を貫通し、かつ前記パッケージ構造の外側まで延在する、請求項10に記載の半導体冷却チップ。
【請求項13】
前記パッケージ構造及び前記第2絶縁熱伝導層で第2凹溝を構成する、請求項10~12のいずれか1項に記載の半導体冷却チップ。
【請求項14】
前記パッケージ構造の壁厚は、0.2~1mmである、請求項10~13のいずれか1項に記載の半導体冷却チップ。
【請求項15】
前記第1凹溝の深さは、0.2~1mmである、請求項10~14のいずれか1項に記載の半導体冷却チップ。
【請求項16】
前記第1凹溝と第2凹溝の深さは、それぞれ独立して0.2~1mmである、請求項13に記載の半導体冷却チップ。
【請求項17】
前記凹溝の開口形状は、四角形、円形及び楕円形のうちの少なくとも1つを含む、請求項10~16のいずれか1項に記載の半導体冷却チップ。
【請求項18】
前記第1凹溝の開口面積は、前記第1絶縁熱伝導層の面積と一致する、請求項10に記載の半導体冷却チップ。
【請求項19】
前記第2凹溝の開口面積は、前記第2絶縁熱伝導層の面積と一致する、請求項13に記載の半導体冷却チップ。
【請求項20】
前記パッケージ構造を形成する材料は、ポリアミドホットメルト接着剤、ポリオレフィンホットメルト接着剤及び反応性ポリウレタンホットメルト接着剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項10~19のいずれか1項に記載の半導体冷却チップ。
【請求項21】
前記第1絶縁熱伝導層と前記第2絶縁熱伝導層は、それぞれ独立して、セラミックシート、ガラスシート、窒化アルミニウムシート、及び酸化膜を有するアルミニウムシートのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の半導体冷却チップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、冷却装置の技術分野に関し、具体的には、半導体冷却チップ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体冷却チップは、ペルチェ効果により冷却の目的を達成する新規な冷却器である。直流電流が2種類の異なる半導体材料を直列接続してなる熱電対を通過するとき、熱電対の両端で熱の吸収と熱の放出をそれぞれ行って、冷却を実現することができる。半導体冷却チップは、冷蔵、降温、温度維持などの機能を有し、温度を点ごとに制御することを実現することができ、かつ体積が小さく、機械伝動部品がなく、騒音がなく、冷熱変換が速く、信頼性が高く、耐用年数が長く、環境汚染がなく、小型化及び微細化が可能であり、冷却と加熱を互いに切り換えることができるなどの利点を有する。
【0003】
しかしながら、現在の半導体冷却チップ及びその製造方法にはまだ改善の余地がある。
【発明の概要】
【0004】
本願は、以下の事実及び問題に対する発明者の発見及び知見に基づいてなされたものである。
【0005】
発明者は、現在の半導体冷却チップに耐過負荷能力が低いという問題が存在することを発見した。具体的には、現在の半導体冷却チップは、一般的に、セラミックシート30と2枚のセラミックシート30の間に挟まれた半導体ダイ40とで構成され(
図4を参照)、かつ703又は704白色シリコーンゴム60を用いて半導体冷却チップの周囲を密封して保護することが多く(
図5を参照)、半導体冷却チップの実際の組立及び使用時に、冷却効果を効果的に発揮するために、半導体冷却チップをネジ及びクランプでラジエータに固定する必要があり、セラミックシート及び半導体ダイがいずれも脆くて割れやすいため、組立時に受けた力がわずかに不均一であると、非常に容易に、セラミックシート及び半導体ダイの割れを引き起こし、製品の故障を引き起こし、製品歩留まり及び冷却効果に影響を与える。
【0006】
本願は、上記問題のうちの少なくとも1つを少なくともある程度軽減するか又は解決することを目的とする。
【0007】
本願の一態様では、本願は、半導体冷却チップの製造方法を提供する。前記方法は、第1絶縁熱伝導層と、前記第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、前記第1絶縁熱伝導層と前記第2絶縁熱伝導層との間に位置する半導体層とを含む半導体冷却アセンブリであって、前記半導体冷却アセンブリの前記第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、前記半導体冷却アセンブリの前記第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側である半導体冷却アセンブリを提供するステップと、前記半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ前記第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成するようにパッケージ構造を形成して、前記半導体冷却チップを得るステップと、を含む。これにより、簡単な方法で半導体冷却チップの耐過負荷能力を効果的に向上させることができるため、半導体冷却チップは、1000PSI以上の圧力に耐えることができ、組立過程において、半導体冷却チップが割れるリスクを顕著に低減することができるため、半導体冷却チップは、高い製品歩留まり及び良好な冷却効果を有する。
【0008】
本願の一態様では、本願は、半導体冷却チップの製造方法を提供する。前記方法は、第1絶縁熱伝導層と、前記第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、前記第1絶縁熱伝導層と前記第2絶縁熱伝導層との間に位置し、直列接続され、かつ導線に電気的に接続された複数の熱電対を含む半導体層とを含む半導体冷却アセンブリであって、前記半導体冷却アセンブリの前記第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、前記半導体冷却アセンブリの前記第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側である半導体冷却アセンブリを提供するステップと、前記半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ前記第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成するようにパッケージ構造を形成し、前記導線に、前記パッケージ構造を貫通させ、かつ前記パッケージ構造の外側まで延在させて、前記半導体冷却チップを得るステップと、を含む。これにより、簡単な方法で半導体冷却チップの耐過負荷能力を効果的に向上させることができるため、半導体冷却チップは、1000PSI以上の圧力に耐えることができ、組立過程において、半導体冷却チップが割れるリスクを顕著に低減することができるため、半導体冷却チップは、高い製品歩留まり及び良好な冷却効果を有する。本願の別の態様において、本願は、半導体冷却チップを提供する。前記半導体冷却チップは、第1絶縁熱伝導層と、前記第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、前記第1絶縁熱伝導層と前記第2絶縁熱伝導層との間に位置する半導体層とを含む半導体冷却アセンブリであって、前記半導体冷却アセンブリの前記第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、前記半導体冷却アセンブリの前記第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側である半導体冷却アセンブリと、前記半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ前記第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成するパッケージ構造と、を含む。これにより、該パッケージ構造により、半導体冷却アセンブリへの密封及び保護を実現し、半導体冷却チップの耐過負荷能力を効果的に向上させることができるため、半導体冷却チップは、1000PSI以上の圧力に耐えることができ、組立過程において、半導体冷却チップが割れるリスクを顕著に低減することができるため、半導体冷却チップは、高い製品歩留まり及び良好な冷却効果を有する。
【0009】
本願の別の態様において、本願は、半導体冷却チップを提供する。前記半導体冷却チップは、第1絶縁熱伝導層と、前記第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、前記第1絶縁熱伝導層と前記第2絶縁熱伝導層との間に位置し、直列接続され、かつ導線に電気的に接続された複数の熱電対を含む半導体層とを含む半導体冷却アセンブリであって、前記半導体冷却アセンブリの前記第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、前記半導体冷却アセンブリの前記第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側である半導体冷却アセンブリと、前記半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ前記第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成するパッケージ構造と、を含み、前記導線は、前記パッケージ構造を貫通し、かつ前記パッケージ構造の外側まで延在する。これにより、該パッケージ構造により、半導体冷却アセンブリへの密封及び保護を実現し、半導体冷却チップの耐過負荷能力を効果的に向上させることができるため、半導体冷却チップは、1000PSI以上の圧力に耐えることができ、組立過程において、半導体冷却チップが割れるリスクを顕著に低減することができるため、半導体冷却チップは、高い製品歩留まり及び良好な冷却効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本願の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、容易に理解される。
【0011】
【
図1】本願の一実施例に係る半導体冷却チップの概略構成図を示す。
【
図2】本願の一実施例に係る半導体冷却チップの概略断面図を示す。
【
図3】本願の別の実施例に係る半導体冷却チップの概略断面図を示す。
【
図4】従来の半導体冷却チップの一部の概略構成図を示す。
【
図5】従来の半導体冷却チップの概略構成図を示す。
【
図6】本願の一実施例に係る半導体冷却チップの製造方法のフローチャートを示す。
【
図7】本願の一実施例に係る半導体冷却チップの概略断面図を示す。
【
図8】本願の別の実施例に係る半導体冷却チップの概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、若しくは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものとして理解すべきではない。
【0013】
本願の一態様では、本願は、半導体冷却チップの製造方法を提供する。本願の実施例によれば、
図6に示すように、該方法は、以下のS100及びS200を含む。
【0014】
S100において、半導体冷却アセンブリを提供する。
【0015】
本願の実施例によれば、該ステップにおいて、半導体冷却アセンブリを提供する。本願の実施例によれば、半導体冷却アセンブリは、第1絶縁熱伝導層と、第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、第1絶縁熱伝導層と第2絶縁熱伝導層との間に位置する半導体層とを含む半導体冷却アセンブリであって、半導体冷却アセンブリの第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、半導体冷却アセンブリの第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側である。
【0016】
さらに、半導体層は、直列接続され、かつ導線に電気的に接続された複数の熱電対を含み、使用時に、導線を介して半導体冷却アセンブリに直流電流を印加することができる。当業者であれば理解できるように、半導体層の複数の熱電対は、絶縁熱伝導層の内部で焼結された銅導流シートを介して直列接続され、導線が最外側の銅導流シート(すなわち、絶縁熱伝導層のエッジに最も近い銅導流シート)に接続されることにより、熱電対と導線との電気的接続を実現することができる。熱電対の直列接続を実現する方式、及び熱電対を導線に電気的に接続する方式としては、一般的な半導体冷却チップにおける接続方式を用いてもよい。
【0017】
本願の実施例によれば、該ステップにおいて、半導体冷却アセンブリを提供する。本願の実施例によれば、半導体冷却アセンブリは、第1絶縁熱伝導層と、第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、第1絶縁熱伝導層と第2絶縁熱伝導層との間に位置し、直列接続された複数の熱電対を含む半導体層とを含み、半導体冷却アセンブリの第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、半導体冷却アセンブリの第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側である。そして、熱電対は、導線に電気的に接続され、使用時に、導線を介して半導体冷却アセンブリに直流電流を印加することができる。当業者であれば理解できるように、半導体層の複数の熱電対は、絶縁熱伝導層の内部で焼結された銅導流シートを介して直列接続され、導線が最外側の銅導流シート(すなわち、絶縁熱伝導層のエッジに最も近い銅導流シート)に接続されることにより、熱電対と導線との電気的接続を実現することができる。熱電対の直列接続を実現する方式、及び熱電対を導線に電気的に接続する方式としては、一般的な半導体冷却チップにおける接続方式を用いてもよい。
【0018】
半導体冷却アセンブリの製造過程については特に限定されず、当業者であれば、半導体冷却チップの一般的な製造工程に基づいて設計することができるため、ここでは説明を省略する。
【0019】
第1絶縁熱伝導層及び第2絶縁熱伝導層の具体的な構成材料については特に限定されず、例えば、第1絶縁熱伝導層と第2絶縁熱伝導層は、それぞれ独立して、セラミックシート、ガラスシート、窒化アルミニウムシート、及び酸化膜を有するアルミニウムシートのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0020】
S200において、パッケージ構造を形成して、半導体冷却チップを得る。
【0021】
本願の実施例によれば、該ステップにおいて、パッケージ構造を形成して、半導体冷却チップ(
図1を参照)を得る。本願の実施例によれば、形成されたパッケージ構造で、半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成し、すなわち、パッケージ構造は、半導体冷却アセンブリの低温側面とともに第1凹溝を構成する。これにより、組立時に、パッケージ構造の第1絶縁熱伝導層よりも高い部分がクランプと接触し、クランプの圧力が半導体冷却アセンブリではなく、主にパッケージ構造に印加されるので、半導体冷却チップの耐過負荷能力を効果的に向上させ、半導体冷却チップが割れるリスクを顕著に低減することができることにより、半導体冷却チップは、高い製品歩留まり及び良好な冷却効果を有する。パッケージ構造が第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成し、すなわち、第1絶縁熱伝導層の少なくとも一部が外部に露出するので、半導体冷却チップの冷却効果を保証することができる。
【0022】
さらに、導線に、パッケージ構造を貫通させ、かつパッケージ構造の外側まで延在させる(
図1を参照し、すなわち、熱電対に電気的に接続された導線は、パッケージ構造を貫通し、パッケージ構造の外側に露出することにより、外部制御回路は、導線を介して半導体冷却チップに直流電流を印加する)。
【0023】
本願の実施例によれば、該ステップにおいて、パッケージ構造を形成して、半導体冷却チップ(
図1を参照)を得る。本願の実施例によれば、形成されたパッケージ構造で、半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成し、すなわち、パッケージ構造は、半導体冷却アセンブリの低温側面とともに第1凹溝を構成し、導線に、パッケージ構造を貫通させ、かつパッケージ構造の外側まで延在させる(
図1を参照し、すなわち、熱電対に電気的に接続された導線は、パッケージ構造を貫通し、パッケージ構造の外側に露出することにより、外部制御回路は、導線を介して半導体冷却チップに直流電流を印加する)。これにより、組立時に、パッケージ構造の第1絶縁熱伝導層よりも高い部分がクランプと接触し、クランプの圧力が半導体冷却アセンブリではなく、主にパッケージ構造に印加されるので、半導体冷却チップの耐過負荷能力を効果的に向上させ、半導体冷却チップが割れるリスクを顕著に低減することができるため、半導体冷却チップは、高い製品歩留まり及び良好な冷却効果を有する。パッケージ構造が第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成し、すなわち、第1絶縁熱伝導層の少なくとも一部が外部に露出するので、半導体冷却チップの冷却効果を保証することができる。
【0024】
本願の実施例によれば、パッケージ構造は、射出成形及び冷却固化により形成されてもよい。具体的には、まず、半導体冷却アセンブリを金型に入れる。次に、パッケージ構造を形成するための材料を溶融状態に加熱し、射出成形の温度及び圧力を調整し、溶融した材料を金型に注入し、射出成形が完了した後に冷却固化させることにより、パッケージ構造を形成する。
【0025】
本願の実施例によれば、パッケージ構造を形成する材料は、ポリアミドホットメルト接着剤、ポリオレフィンホットメルト接着剤及び反応性ポリウレタンホットメルト接着剤のうちの少なくとも1つを含む。上記材料は、絶縁、耐温度性、耐衝撃性、防振、防湿、防水、防塵、耐化学腐食性などの利点を有し、耐温度範囲が広く(-40℃~150℃)、低温柔軟性を有し、さらに耐高温クリープ性を有し、かつ第1絶縁熱伝導層と第2絶縁熱伝導層とを強固に接着することができることにより、形成されたパッケージ構造は、優れた性能を有し、半導体冷却チップは、様々な過酷な製造環境及び使用環境に適用することができる。そして、上記材料は、低温低圧条件で射出成形することができ、固化時間が短く、プロセスが簡単であり、製造周期を顕著に短縮することができ、また射出成形により形成されたパッケージ構造は、硬くて破損しにくく、半導体冷却アセンブリへの保護作用を向上させ、また上記材料は、電子製品(すなわち、前述の半導体冷却アセンブリ)をパッケージするのに適し、電子製品の内部の損傷を引き起こさない。
【0026】
また、発明者は、従来の半導体冷却チップの密封方式におけるシリコーンゴム、例えば703又は704白色シリコーンゴムの完全凝固時間が12時間以上であるため、製品の製造周期が長くなってしまい、また上記シリコーンゴムが柔らかくて破損しやすく、半導体ダイへの保護作用が低いことを発見した。本願に係るパッケージ構造は、低温柔軟性を有し、さらに耐高温クリープ性を有し、そして上記材料は、低温低圧条件で射出成形することができ、固化時間が短く、プロセスが簡単である。
【0027】
本願の実施例によれば、射出成形過程において使用される金型は、所定形状のキャビティを有し、半導体冷却アセンブリを金型のキャビティに入れた後、半導体冷却アセンブリがキャビティの一部を占用し、キャビティの残りの部分内に上記パッケージ材料を注入して、パッケージ構造を形成し、キャビティの、パッケージ材料が注入される部分の形状がパッケージ構造の形状に一致することにより、半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成するパッケージ構造を得る。
【0028】
本願の実施例によれば、さらに、キャビティの形状及び大きさを調整し、パッケージ構造でも第2絶縁熱伝導層とともに凹溝(すなわち、第2凹溝)を構成してもよい。これにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力をさらに向上させることができる。
【0029】
本願の実施例によれば、射出成形過程において使用される金型としてはアルミニウム金型を用いてもよく、一方では、アルミニウム金型のコストが低く、他方では、鋼金型と比較すると、前述のパッケージ材料のアルミニウム金型への接着力がより小さいため、離型しやすい。
【0030】
本願の実施例によれば、射出成形過程における圧力は、2~40bar、例えば、2bar、5bar、8bar、10bar、12bar、15bar、18bar、20bar、22bar、25bar、28bar、30bar、32bar、35bar、38bar、40barであってもよく、射出成形過程における温度は、150~240℃、例えば、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃であってもよい。これにより、射出成形過程において、パッケージ材料を溶融状態にし、かつパッケージ材料に良好な性能を保持させることができる。
【0031】
本願の実施例によれば、冷却固化のための時間は、10~50sであってもよい。これにより、製造周期を顕著に短縮することができる。
【0032】
本願の実施例によれば、
図2に示すように、形成されたパッケージ構造400の壁厚(例えば、図面に示されるd)は、0.2~1mm、例えば、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mmであってもよい。発明者は、パッケージ構造の壁厚が大き過ぎる(例えば、1mmよりも大きい)と、半導体冷却チップの冷却効果を低下させ、パッケージ構造の壁厚が小さ過ぎる(例えば、0.2mmよりも小さい)と、半導体冷却チップの耐過負荷能力を顕著に向上させるのに役立たないことを発見した。本願では、パッケージ構造の壁厚を上記範囲に設定することにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力を顕著に向上させることができるとともに、半導体冷却チップは、良好な冷却効果を有する。
【0033】
本願の実施例によれば、
図2に示すように、パッケージ構造400は、第1絶縁熱伝導層100のみとともに第1凹溝10を構成し、第1凹溝10の深さ(例えば、図面に示されるh)は、0<h≦1mmを満たし、好ましくは、第1凹溝の深さは、0.2~1mm、例えば、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mmである。これにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力を顕著に向上させることができるとともに、半導体冷却チップは、良好な冷却効果を有し、また第1凹溝は、適切な深さを有し、パッケージ構造の製造過程において成形されやすい。発明者は、第1凹溝の深さが大き過ぎる(例えば、1mmよりも大きい)と、半導体冷却チップとクランプとの距離が大き過ぎ、半導体冷却チップの冷却効果を低下させるため、第1凹溝の深さを1mmを以下にすることにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力を向上させるとともに、半導体冷却チップが良好な冷却効果を有することを保証することもできることを発見した。
【0034】
本願の実施例によれば、
図3に示すように、パッケージ構造400は、第1絶縁熱伝導層100とともに第1凹溝10を構成するとともに、第2絶縁熱伝導層200とともに第2凹溝20を構成し、第1凹溝10と第2凹溝20の深さは、それぞれ独立して0.2~1mmであってもよい。これにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力をさらに向上させることができ、半導体冷却アセンブリの低温側面とクランプとの間に適切な距離を有し、かつ半導体冷却アセンブリの高温側面とラジエータとの間に適切な距離を有することにより、半導体冷却チップは、良好な冷却効果を有することができる。
【0035】
第1凹溝及び第2凹溝の開口面積については特に限定されず、例えば、第1凹溝10の開口面積は、第1絶縁熱伝導層100の面積よりも小さい(
図7を参照)か又は第1絶縁熱伝導層100の面積と一致する(
図1及び
図2を参照)。第2凹溝20の開口面積は、第2絶縁熱伝導層200の開口面積よりも小さい(
図8を参照)か又は第2絶縁熱伝導層200の開口面積と一致する(
図3を参照)。好ましくは、第1凹溝の開口面積は、第1絶縁熱伝導層の面積と一致し、第2凹溝の開口面積は、第2絶縁熱伝導層の面積と一致する。これにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力を向上させるとともに、半導体冷却チップは、良好な冷却効果を有することができる。
【0036】
以上より、簡単な方法で半導体冷却チップの耐過負荷能力を効果的に向上させることができるため、半導体冷却チップは、1000PSI以上の圧力に耐えることができ、組立過程において、半導体冷却チップが割れるリスクを顕著に低減することができるため、半導体冷却チップは、高い製品歩留まり及び良好な冷却効果を有する。
【0037】
本願の一態様では、本願は、半導体冷却チップを提供する。本願の実施例によれば、該半導体冷却チップは、前述の方法により製造されてもよいことにより、前述の方法により製造された半導体冷却チップと同じ特徴及び利点を有するため、ここでは説明を省略する。
【0038】
本願の実施例によれば、
図1及び
図2に示すように、該半導体冷却チップは、半導体冷却アセンブリ及びパッケージ構造400を含み、半導体冷却アセンブリは、第1絶縁熱伝導層100と、第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層200と、第1絶縁熱伝導層100と第2絶縁熱伝導層200との間に位置し、直列接続され、導線50に電気的に接続された複数の熱電対(図示せず)を含む半導体層300とを含み(
図2を参照)、第1絶縁熱伝導層100が設置された側が低温側であり、第2絶縁熱伝導層200が設置された側が高温側であり、パッケージ構造400は、半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ第1絶縁熱伝導層100とともに第1凹溝10を構成し、導線50は、パッケージ構造400を貫通し、かつパッケージ構造400の外側まで延在する(
図1を参照し、すなわち、熱電対に電気的に接続された導線がパッケージ構造を貫通し、パッケージ構造の外側に露出することにより、外部制御回路は、導線を介して半導体冷却チップに直流電流を印加しやすい)。これにより、該パッケージ構造により、半導体冷却アセンブリへの密封及び保護を実現し、半導体冷却チップの耐過負荷能力を効果的に向上させることができるため、半導体冷却チップは、1000PSI以上の圧力に耐えることができ、組立過程において、半導体冷却チップが割れるリスクを顕著に低減することができるため、半導体冷却チップは、高い製品歩留まり及び良好な冷却効果を有する。
【0039】
本願の実施例によれば、パッケージ構造400は、半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、半導体冷却アセンブリへの密封及び保護を実現することができ、パッケージ構造400は、第1絶縁熱伝導層100とともに第1凹溝10を構成し、具体的には、パッケージ構造400の半導体冷却アセンブリを被覆した部分は、第1絶縁熱伝導層100側へ延在し、パッケージ構造400の第1絶縁熱伝導層100よりも高い部分は、第1絶縁熱伝導層100とともに第1凹溝10を構成し(
図1及び
図2を参照)、すなわち、パッケージ構造は、半導体冷却アセンブリの低温側面とともに第1凹溝を構成する。組立時に半導体冷却チップの低温側が主な受力端であるため、パッケージ構造で半導体冷却アセンブリの低温側面とともに第1凹溝を構成し、組立時に、クランプがパッケージ構造の第1絶縁熱伝導層よりも高い部分に接触することにより、クランプの圧力が半導体冷却アセンブリではなく、主にパッケージ構造に印加されるので、半導体冷却チップの耐過負荷能力を効果的に向上させ、半導体冷却チップが割れるリスクを顕著に低減することができるため、半導体冷却チップは、高い製品歩留まり及び良好な冷却効果を有する。パッケージ構造が第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成し、すなわち、第1絶縁熱伝導層の少なくとも一部が外部に露出することにより、半導体冷却チップの冷却効果を保証することができる。
【0040】
本願の実施例によれば、該半導体冷却チップが耐えられる圧力は、1000PSI以上である。これに対して、従来の半導体冷却チップが受ける圧力が500PSIを超えると、半導体冷却チップの破損を引き起こす。これにより、本願の半導体冷却チップは、従来の半導体冷却チップと比較すると、耐えられる圧力が顕著に増大し、圧力が大き過ぎたり受けた力が不均一であったりしても、依然として絶縁熱伝導層及び内部の半導体層に対して良好な保護作用を果たし、半導体冷却チップが組立時に割れるリスクを顕著に低減し、半導体冷却チップの使用歩留まり及び冷却効果を向上させることができる。
【0041】
本願の実施例によれば、
図3に示すように、パッケージ構造400は、第1絶縁熱伝導層100とともに第1凹溝10を構成することに加えて、さらに第2絶縁熱伝導層200とともに第2凹溝20を構成し、具体的には、パッケージ構造400の半導体冷却アセンブリを被覆した部分は、第2絶縁熱伝導層200側へ延在し、パッケージ構造400の第2絶縁熱伝導層200よりも高い部分は、第2絶縁熱伝導層200とともに第2凹溝20を構成し、すなわち、パッケージ構造は、さらに半導体冷却アセンブリの高温側面とともに第2凹溝を構成する。これにより、組立時に、パッケージ構造の第1絶縁熱伝導層よりも高い部分がクランプと接触し、パッケージ構造の第2絶縁熱伝導層よりも高い部分がラジエータと接触することにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力をさらに向上させることができる。
【0042】
本願の実施例によれば、
図2に示すように、パッケージ構造400の壁厚(例えば、図面に示されるd)は、0.2~1mmであってもよい。これにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力を顕著に向上させることができるとともに、半導体冷却チップは、良好な冷却効果を有する。
【0043】
本願の実施例によれば、
図2に示すように、パッケージ構造400は、第1絶縁熱伝導層100のみとともに第1凹溝10を構成し、第1凹溝10の深さ(例えば、図面に示されるh)は、0<h≦1mmを満たし、好ましくは、第1凹溝の深さは、0.2~1mmである。これにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力を顕著に向上させることができるとともに、半導体冷却チップは、良好な冷却効果を有し、また第1凹溝は、適切な深さを有し、パッケージ構造の製造過程において成形されやすい。発明者は、第1凹溝の深さが大き過ぎる(例えば、1mmよりも大きい)と、半導体冷却チップとクランプとの距離が大き過ぎ、半導体冷却チップの冷却効果を低下させるため、第1凹溝の深さを1mm以下にすることにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力を向上させるとともに、半導体冷却チップが良好な冷却効果を有することを保証することもできることを発見した。なお、第1凹溝の深さhは、パッケージ構造の壁厚d(
図2を参照)と等しくてもよく、等しくなくてもよく、当業者であれば、実際の状況に応じて設計することができる。
【0044】
本願の実施例によれば、
図3に示すように、パッケージ構造400は、第1絶縁熱伝導層100とともに第1凹溝10を構成するとともに、第2絶縁熱伝導層200とともに第2凹溝20を構成し、第1凹溝10と第2凹溝20の深さは、それぞれ独立して0.2~1mmであってもよい。これにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力をさらに向上させることができ、半導体冷却アセンブリの低温側面とクランプとの間に適切な距離を有し、かつ半導体冷却アセンブリの高温側面とラジエータとの間に適切な距離を有することにより、半導体冷却チップは、良好な冷却効果を有することができる。なお、第2凹溝の深さH(
図8に示される)は、第1凹溝の深さhと等しくてもよく、等しくなくてもよく、第2凹溝の深さは、パッケージ構造の壁厚dと等しくてもよく、等しくなくてもよく、当業者であれば、実際の状況に応じて設計することができる。
【0045】
第1凹溝及び第2凹溝の開口形状については特に限定されず、当業者であれば、実際の状況に応じて設計することができる。例えば、本願の実施例によれば、第1凹溝10及び第2凹溝20の開口形状は、それぞれ独立して、四角形、円形及び楕円形のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0046】
第1凹溝及び第2凹溝の開口面積についても特に限定されず、例えば、第1凹溝10の開口面積は、第1絶縁熱伝導層100の面積よりも小さい(
図7を参照)か又は第1絶縁熱伝導層100の面積と一致する(
図1及び
図2を参照)。第2凹溝20の開口面積は、第2絶縁熱伝導層200の開口面積よりも小さい(
図8を参照)か又は第2絶縁熱伝導層200の開口面積と一致する(
図3を参照)。好ましくは、第1凹溝の開口面積は、第1絶縁熱伝導層の面積と一致し、第2凹溝の開口面積は、第2絶縁熱伝導層の面積と一致する。これにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力を向上させるとともに、半導体冷却チップは、良好な冷却効果を有することができる。
【0047】
なお、第1凹溝10の開口面積が第1絶縁熱伝導層100の面積よりも小さいと、パッケージ構造400は、第1絶縁熱伝導層100の上面(
図7に示される「上」側)の一部を被覆し、パッケージ構造400の、第1絶縁熱伝導層100の上面を被覆した部分の厚さは、第1凹溝10の深さhであり、該部分の厚さhは、パッケージ構造400の、半導体冷却アセンブリの側壁を被覆した部分の厚さdと等しくてもよく、等しくなくてもよい(
図7を参照)。同様に、第2凹溝20の開口面積が第2絶縁熱伝導層200の面積よりも小さいと、パッケージ構造400は、第2絶縁熱伝導層200の下面(
図8に示される「下」側)の一部を被覆し、パッケージ構造400の、第2絶縁熱伝導層200の下面を被覆した部分の厚さは、第2凹溝20の深さHであり、該部分の厚さHは、パッケージ構造400の、半導体冷却アセンブリの側壁を被覆した部分の厚さdと等しくてもよく、等しくなくてもよい(
図8を参照)。
【0048】
本願の実施例によれば、パッケージ構造は、絶縁熱伝導層とともに凹溝を構成して、さらに応用側製品の組立厚さの均一性を向上させることができる。当業者によく知られているように、組立時に、半導体冷却チップの低温側と高温側に熱伝導性シリコーングリースを塗布して、製品の熱伝導性能を保証する必要があり、また熱伝導性シリコーングリースの塗布は、手動塗布であることが多く、従来の半導体冷却チップの場合、熱伝導性シリコーングリースを塗布するときに、厚さが不均一であるという現象が発生しやすく、熱伝導性能に影響を与える。本願の半導体冷却チップは、一定の深さの凹溝を有するため、熱伝導性シリコーングリースを塗布するとき、凹溝を満たせばよく、塗布効率及び製品の熱伝導性を効果的に向上させる。
【0049】
パッケージ構造を形成する具体的な材料については特に限定されず、半導体冷却アセンブリに対して保護作用を果たし、かつ容易に成形して前述の構造を形成することができるものであればよい。例えば、本願の実施例によれば、パッケージ構造400を形成する材料は、ポリアミドホットメルト接着剤、ポリオレフィンホットメルト接着剤及び反応性ポリウレタンホットメルト接着剤のうちの少なくとも1つを含んでもよい。上記材料は、絶縁、耐温度性、耐衝撃性、防振、防湿、防水、防塵、耐化学腐食性などの利点を有し、耐温度範囲が広く(-40℃~150℃)、低温柔軟性を有し、さらに耐高温クリープ性を有し、かつ第1絶縁熱伝導層と第2絶縁熱伝導層とを強固に接着することができることにより、形成されたパッケージ構造は、優れた性能を有し、半導体冷却チップは、様々な過酷な製造環境及び使用環境に適用することができ、また上記材料は、電子製品(すなわち、前述の半導体冷却アセンブリ)をパッケージするのに適し、電子製品の内部の損傷を引き起こさない。
【0050】
本願の実施例によれば、パッケージ構造400は、射出成形及び冷却固化により形成されてもよい。上記パッケージ構造を形成する材料は、低温低圧条件で射出成形することができ、固化時間が短く(10~50sであり)、プロセスが簡単であり、製造周期を顕著に短縮することができ、また射出成形により形成されたパッケージ構造は、硬くて破損しにくく、半導体冷却アセンブリへの保護作用を向上させる。
【0051】
第1絶縁熱伝導層及び第2絶縁熱伝導層の具体的な構成材料については特に限定されず、例えば、第1絶縁熱伝導層100と第2絶縁熱伝導層200は、それぞれ独立して、セラミックシート、ガラスシート、窒化アルミニウムシート、及び酸化膜を有するアルミニウムシートのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0052】
本願の実施例によれば、半導体層300は、複数の熱電対を含み、各熱電対は、P型半導体ダイ及びN型半導体ダイを含み、複数の熱電対は、直列接続され、熱電対に直流電流を印加した後、半導体冷却チップは、冷却効果を達成することができる。半導体ダイの配列方式、及び熱電対の直列接続を実現する方式については特に限定されず、当業者であれば、従来の半導体冷却チップに基づいて設計することができるため、ここでは説明を省略する。
【0053】
以下、具体的な実施例を参照しながら本願の解決手段を説明し、なお、以下の実施例は、本願を説明するためのものに過ぎず、本願の範囲を限定するためのものと見なされるべきではない。実施例において具体的な技術又は条件が明記されていない場合、本分野の文献に記載されている技術又は条件に従うか又は製品仕様書に従うものとする。
実施例1
【0054】
該半導体冷却チップは、半導体冷却アセンブリ及びパッケージ構造を含み、半導体冷却アセンブリは、第1絶縁熱伝導層と、第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、第1絶縁熱伝導層と第2絶縁熱伝導層との間に位置する半導体層とを含み、第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側であり、パッケージ構造は、半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成するとともに、第2絶縁熱伝導層とともに第2凹溝を構成する。
【0055】
第1絶縁熱伝導層及び第2絶縁熱伝導層は、いずれもセラミックシートであり、第1凹溝の開口面積は、第1絶縁熱伝導層の面積と一致し、第2凹溝の開口面積は、第2絶縁熱伝導層の面積と一致する。
【0056】
パッケージ構造は、ポリアミドホットメルト接着剤で形成され、パッケージ構造の壁厚は、0.2mmであり、第1凹溝及び第2凹溝の深さは、いずれも0.2mmである。
【0057】
半導体冷却チップの製造過程は以下のとおりである。
【0058】
(1)半導体冷却アセンブリをアルミニウム金型に入れる。
【0059】
(2)溶融したポリアミドホットメルト接着剤をアルミニウム金型に注入し、射出成形の温度は、150℃であり、射出成形の圧力は、2barである。
【0060】
(3)射出成形が完了した後に加熱を停止させて、自然冷却固化させ、固化時間は、10sである。
【0061】
(4)金型を開いて、パッケージされた半導体冷却チップを取り出す。
実施例2
【0062】
本実施例の半導体冷却チップの構造及び製造過程は、実施例1と基本的に同じであるが、パッケージ構造の壁厚が0.8mmであり、第1凹溝及び第2凹溝の深さがいずれも0.6mmであり、射出成形の温度が240℃であり、射出成形の圧力が40barであり、固化時間が50sであるという点で相違する。
実施例3
【0063】
本実施例の半導体冷却チップの構造及び製造過程は、実施例1と基本的に同じであるが、パッケージ構造の壁厚が1mmであり、第1凹溝及び第2凹溝の深さがいずれも1mmであるという点で相違する。
実施例4
【0064】
本実施例の半導体冷却チップの構造及び製造過程は、実施例1と基本的に同じであるが、パッケージ構造が第1絶縁熱伝導層のみとともに第1凹溝を構成し、第1凹溝の深さが0.2mmであるという点で相違する。
実施例5
【0065】
本実施例の半導体冷却チップの構造及び製造過程は、実施例4と基本的に同じであるが、第1凹溝の深さが0.1mmであるという点で相違する。
実施例6
【0066】
本実施例の半導体冷却チップの構造及び製造過程は、実施例1と基本的に同じであるが、パッケージ構造がポリオレフィンホットメルト接着剤で形成され、射出成形の温度が180℃であるという点で相違する。
実施例7
【0067】
本実施例の半導体冷却チップの構造及び製造過程は、実施例1と基本的に同じであるが、パッケージ構造が反応性ポリウレタンホットメルト接着剤で形成され、射出成形の温度が180℃であるという点で相違する。
比較例1
【0068】
該半導体冷却チップは、半導体冷却アセンブリ及び封止剤を含み、半導体冷却アセンブリは、第1絶縁熱伝導層と、第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、第1絶縁熱伝導層と第2絶縁熱伝導層との間に位置する半導体層とを含み、第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側であり、封止剤としては、704白色シリコーンゴムを用い、かつ半導体冷却アセンブリの周囲に設置する。
性能試験
【0069】
1、それぞれ実施例1~7及び比較例1の半導体冷却チップに対して耐過負荷試験を行い、具体的には、それぞれ各実施例から10個のサンプルを選択し(例えば、実施例1から10個のサンプルを選択し、実施例2から10個のサンプルを選択し、実施例3から10個のサンプルを選択し、実施例4から10個のサンプルを選択し、実施例5から10個のサンプルを選択し、実施例6から10個のサンプルを選択し、実施例7から10個のサンプルを選択する)、比較例1から10個のサンプルを選択し、それぞれ上記各サンプルに対して耐過負荷試験を行い、試験結果は、表1に示すとおりである。試験標準は、SJ-T10135-2010である。
【0070】
各実施例及び比較例のサンプルが「耐えられる最大圧力値」は、各例における10個のサンプルが耐えられる最大圧力の平均値である。
【0071】
実施例1~7及び比較例1における半導体冷却アセンブリとしては、いずれも同じモデルの冷却アセンブリを選択する。
【0072】
2、それぞれ各実施例から10個の製造されたサンプルを改めて選択し、それぞれ上記各サンプルに500PSIの圧力を印加し、各実施例及び比較例のサンプルの使用歩留まりを計算し、試験結果は、表1に示すとおりである。
【0073】
3、実施例1~7と比較例1の半導体冷却チップの冷却能力をそれぞれ試験し、試験過程において印加された電流は、3Aであり、試験結果は、表1に示すとおりである。
【0074】
【0075】
なお、「耐えられる最大圧力」とは、半導体冷却チップにクラックが発生する臨界圧力を指す。「500PSIの圧力での使用歩留まり」とは、10個のサンプルのうち、500PSIの圧力を受けた後にクラックが発生しないサンプルの数がサンプルの総数に占める百分率を指す。
【0076】
表1から分かるように、従来の半導体冷却チップ(すなわち、比較例1)と比較すると、本願の半導体冷却チップ(すなわち、実施例1~7)の耐過負荷能力が顕著に向上し、耐えられる最大圧力が1000PSI以上であり、製品の使用歩留まりが顕著に向上し、かつ良好な冷却効果を有する。
【0077】
パッケージ構造が半導体冷却アセンブリの低温側面のみとともに凹溝を構成する半導体冷却チップと比較すると、パッケージ構造が半導体冷却アセンブリの低温側面及び高温側面のそれぞれとともに凹溝を構成する半導体冷却チップの耐過負荷能力がより高い(実施例1~3を実施例4と比較する)。
【0078】
本願の説明において、用語「上」、「下」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明するためのものに過ぎず、本願が特定の方位で構成されて操作されなければならないように要求するものではないため、本願を限定するものとして理解してはならない。
【0079】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「別の実施例」などを参照する説明は、該実施例を参照して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例又は例において適切な形態で結合することができる。また、互いに矛盾しない限り、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。なお、本明細書において、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を暗示的に示すものであると理解すべきではない。
【0080】
以上、本願の実施例を示し、説明したが、理解できるように、上記実施例は、例示的なものに過ぎず、本願を限定するものであると理解すべきではなく、当業者であれば、本願の範囲で上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0081】
100 第1絶縁熱伝導層
200 第2絶縁熱伝導層
300 半導体層
400 パッケージ構造
10 第1凹溝
20 第2凹溝
30 セラミックシート
40 半導体ダイ
50 導線
60 シリコーンゴム。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体冷却チップの製造方法であって、
第1絶縁熱伝導層と、前記第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、前記第1絶縁熱伝導層と前記第2絶縁熱伝導層との間に位置する半導体層とを含む半導体冷却アセンブリであって、前記半導体冷却アセンブリの前記第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、前記半導体冷却アセンブリの前記第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側である半導体冷却アセンブリを提供するステップと、
前記半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ前記第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成するようにパッケージ構造を形成して、前記半導体冷却チップを得るステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記半導体層は、直列接続され、かつ導線に電気的に接続された複数の熱電対を含み、
前記導線に前記パッケージ構造を貫通させ、かつ前記パッケージ構造の外側まで延在させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パッケージ構造及び前記第2絶縁熱伝導層で第2凹溝を構成するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記パッケージ構造は、射出成形及び冷却固化により形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記射出成形過程における圧力は、2~40barであり、前記射出成形過程における温度は、150~240℃である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記冷却固化の時間は、10~50sである、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
形成された前記パッケージ構造の壁厚は、0.2~1mmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1凹溝の深さは、0.2~1mmである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1凹溝と第2凹溝の深さは、それぞれ独立して0.2~1mmである、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
第1絶縁熱伝導層と、前記第1熱伝導層の反対側に配置された第2絶縁熱伝導層と、前記第1絶縁熱伝導層と前記第2絶縁熱伝導層との間に位置する半導体層とを含む半導体冷却アセンブリであって、前記半導体冷却アセンブリの前記第1絶縁熱伝導層が設置された側が低温側であり、前記半導体冷却アセンブリの前記第2絶縁熱伝導層が設置された側が高温側である半導体冷却アセンブリと、
前記半導体冷却アセンブリの側壁を被覆し、かつ前記第1絶縁熱伝導層とともに第1凹溝を構成するパッケージ構造と、を含む、半導体冷却チップ。
【請求項11】
前記半導体層は、複数の熱電対を含み、前記複数の熱電対は、直列接続され、かつ導線に電気的に接続されている、請求項10に記載の半導体冷却チップ。
【請求項12】
前記導線は、前記パッケージ構造を貫通し、かつ前記パッケージ構造の外側まで延在する、請求項
11に記載の半導体冷却チップ。
【請求項13】
前記パッケージ構造及び前記第2絶縁熱伝導層で第2凹溝を構成する、請求項10~12のいずれか1項に記載の半導体冷却チップ。
【請求項14】
前記パッケージ構造の壁厚は、0.2~1mmである、請求項10~13のいずれか1項に記載の半導体冷却チップ。
【請求項15】
前記第1凹溝の深さは、0.2~1mmである、請求項10~14のいずれか1項に記載の半導体冷却チップ。
【請求項16】
前記第1凹溝と第2凹溝の深さは、それぞれ独立して0.2~1mmである、請求項13に記載の半導体冷却チップ。
【請求項17】
前記凹溝の開口形状は、四角形、円形及び楕円形のうちの少なくとも1つを含む、請求項10~16のいずれか1項に記載の半導体冷却チップ。
【請求項18】
前記第1凹溝の開口面積は、前記第1絶縁熱伝導層の面積と一致する、請求項10に記載の半導体冷却チップ。
【請求項19】
前記第2凹溝の開口面積は、前記第2絶縁熱伝導層の面積と一致する、請求項13に記載の半導体冷却チップ。
【請求項20】
前記パッケージ構造を形成する材料は、ポリアミドホットメルト接着剤、ポリオレフィンホットメルト接着剤及び反応性ポリウレタンホットメルト接着剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項10~19のいずれか1項に記載の半導体冷却チップ。
【請求項21】
前記第1絶縁熱伝導層と前記第2絶縁熱伝導層は、それぞれ独立して、セラミックシート、ガラスシート、窒化アルミニウムシート、及び酸化膜を有するアルミニウムシートのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の半導体冷却チップ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
第1凹溝及び第2凹溝の開口面積については特に限定されず、例えば、第1凹溝10の開口面積は、第1絶縁熱伝導層100の面積よりも小さい(
図7を参照)か又は第1絶縁熱伝導層100の面積と一致する(
図1及び
図2を参照)。第2凹溝20の開口面積は、第2絶縁熱伝導層200の
面積よりも小さい(
図8を参照)か又は第2絶縁熱伝導層200の
面積と一致する(
図3を参照)。好ましくは、第1凹溝の開口面積は、第1絶縁熱伝導層の面積と一致し、第2凹溝の開口面積は、第2絶縁熱伝導層の面積と一致する。これにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力を向上させるとともに、半導体冷却チップは、良好な冷却効果を有することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
第1凹溝及び第2凹溝の開口面積についても特に限定されず、例えば、第1凹溝10の開口面積は、第1絶縁熱伝導層100の面積よりも小さい(
図7を参照)か又は第1絶縁熱伝導層100の面積と一致する(
図1及び
図2を参照)。第2凹溝20の開口面積は、第2絶縁熱伝導層200の
面積よりも小さい(
図8を参照)か又は第2絶縁熱伝導層200の
面積と一致する(
図3を参照)。好ましくは、第1凹溝の開口面積は、第1絶縁熱伝導層の面積と一致し、第2凹溝の開口面積は、第2絶縁熱伝導層の面積と一致する。これにより、半導体冷却チップの耐過負荷能力を向上させるとともに、半導体冷却チップは、良好な冷却効果を有することができる。
【国際調査報告】