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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-21
(54)【発明の名称】楽器用圧力測定装置
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/00 20060101AFI20230713BHJP
【FI】
G10H1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580868
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 GB2021051637
(87)【国際公開番号】W WO2022003334
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】2009978.4
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522501041
【氏名又は名称】トゥッティ トート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TUTTI TOOT LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100113022
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】ゲイル エリザベス ストレイ
【テーマコード(参考)】
5D478
【Fターム(参考)】
5D478CC08
5D478KK03
5D478KK12
(57)【要約】
本発明は、楽器と共に使用するための圧力測定装置を提供し、この装置は、演奏者が楽器を演奏する際に、その楽器の演奏者から空気を受け取るための少なくとも1つの入口、及びこの少なくとも1つの入口に結合された少なくとも1つのセンサ、から成り、楽器が演奏される際に、受け取った空気からの圧力に関する情報をリアルタイムで感知するように構成されている。この圧力測定装置は、少なくとも1つのセンサに結合された少なくとも1つのプロセッサと、圧力に関するリアルタイムのデータ情報を表示する少なくとも1つのディスプレイとを含んでもよい。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽器と共に使用するための圧力測定装置であって、
a.演奏者が楽器を演奏する際に、その楽器の演奏者から空気を受け取るための少なくとも1つの入口、及び
b.この少なくとも1つの入口に結合された少なくとも1つのセンサ、から成り、
この少なくとも1つのセンサが、楽器が演奏される際に、受け取った空気からの圧力に関する情報をリアルタイムで感知するように構成されている、圧力測定装置。
【請求項2】
前記圧力に関する情報を処理するために、更に、前記少なくとも1つのセンサに結合された少なくとも1つのプロセッサを含む、請求項1に記載の圧力測定装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサが1つの圧力センサである、請求項1又は2に記載の圧力測定装置。
【請求項4】
前記楽器を演奏する演奏者の肺圧をリアルタイムで測定するように構成された、請求項1~3のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項5】
更に、圧力に関するリアルタイム情報、及び/又は前記圧力に関する情報を用いて計算されたリアルタイム情報を表示するための少なくとも1つのディスプレイを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項6】
1又は複数のパーツとして提供される1又は複数の構成部品を有する多部品装置として提供される、請求項3に記載の圧力測定装置。
【請求項7】
前記受け取った空気から圧力に関する情報を感知し、この感知した情報を処理して、結合された少なくとも1つのディスプレイに情報を表示するように構成された、請求項1~6のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのディスプレイが1つの電子ディスプレイスクリーンであって、その上に、前記情報が、前記少なくとも1つのセンサによって取得された情報に基づいて、リアルタイムで更新される1又は複数の生成され表示されたインターフェースの形で表示され、前記受け取った空気の圧力を示す、請求項5~7のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項9】
更に、前記少なくとも1つのセンサによって取り込まれた情報を記録するように構成された、結合された電子記憶装置を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項10】
離れたところにある関連装置に情報を伝えるために、その装置に搭載された少なくとも1つの通信装置を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項11】
前記装置が、演奏性及び少なくとも1つの音を出すために使用されるマウスピースと前記ボタン/キー/バルブとの相対的な位置の点で、実際の楽器を模倣するために、特にあつらえた楽器として構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項12】
前記特にあつらえた楽器が、前記ボタン/キー/バルブの作動に基づいて意図された前記少なくとも1つの音楽的音を特定し、演奏者がマウスピースに息を吹き込み、ボタン/キー/バルブを作動させることに基づいて、電子的に少なくとも1つの音楽的音のそれぞれの音を出す、電子システムを備える電子楽器である、請求項11に記載の圧力測定装置。
【請求項13】
前記ボタン/キー/バルブが電子的に作動可能である、請求項11又は12に記載の圧力測定装置。
【請求項14】
前記ボタン/キー/バルブが、作動時に、触知することのできる及び/又は聞くことのできるフィードバックを提供する、請求項13に記載の圧力測定装置。
【請求項15】
演奏者が息を吹き込む開口部を有するマウスピースと、関連する前記ボタン/キー/バルブが配置される本体と、出口/ベルとを有する、請求項11~14のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項16】
圧力測定装置の前記少なくとも1つの入口が、演奏者の息の代表的な部分を受け取るように配置された前記マウスピースの開口部に結合された、請求項15に記載の圧力測定装置。
【請求項17】
前記マウスピースが、前記特にあつらえた楽器の本体に対して取り外し可能に取り付け可能である、請求項15又は16に記載の圧力測定装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの入口及び前記ボタン/キー/バルブに、少なくとも1つのコントローラ/プロセッサが結合されて、該ボタン/キー/バルブの作動に基づいて音の放出を電子的に制御する、請求項15~17のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのセンサにおいて、音を鳴らすために、最小空気圧の閾値が必要とされる、請求項18に記載の圧力測定装置。
【請求項20】
更に、電子的に生成され発音される音を発するために、少なくとも1つの音響エミッタを有する、請求項18又は19に記載の圧力測定装置。
【請求項21】
演奏者が前記特にあつらえた楽器を演奏する際に少なくとも1つのディスプレイを見ることができるように、前記特にあつらえた楽器に取り付けられた少なくとも1つのディスプレイを有する、請求項11~22のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項22】
少なくとも1つの離れたところにある関連電子装置との通信を可能にするために、前記特にあつらえた楽器に設けられた少なくとも1つの通信経路を提供する少なくとも1つの通信装置を有する、請求項11~22のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項23】
前記圧力測定装置が、演奏される従来の楽器に対して取り外し可能に取り付け可能なハウジング内に提供される、請求項1~10のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つの入口が、前記ハウジングに接続された導管への開口部として提供され、前記少なくとも1つのセンサに結合され、前記演奏者が前記従来の楽器を演奏する際に、該演奏者の息の代表的な部分が、前記少なくとも1つの入口に入るように、該導管が、該従来の楽器のマウスピースに取り付けられる又はこれに関連する、請求項23に記載の圧力測定装置。
【請求項25】
前記ハウジングが前記少なくとも1つのディスプレイを含む、請求項23又は24に記載の圧力測定装置。
【請求項26】
前記ハウジングが、少なくとも1つのコントローラ/プロセッサを含み、この少なくとも1つのコントローラ/プロセッサが、オンボードソフトウェアアプリケーションを作動させて、前記少なくとも1つのセンサから情報を受信し、前記少なくとも1つのディスプレイに測定値を表示する、請求項25に記載の圧力測定装置。
【請求項27】
更に、再充電可能な搭載電源を有する、請求項1~26のいずれか一項に記載の圧力測定装置。
【請求項28】
前記再充電可能な搭載電源が、容量性充電システムを使用して再充電可能である、請求項27に記載の圧力測定装置。
【請求項29】
請求項1~28のいずれか一項に記載の圧力測定装置を有する楽器。
【請求項30】
楽器と共に使用するための圧力測定システムであって、
a.i.演奏者が楽器を演奏する際に、その楽器の演奏者から空気を受け取るための少なくとも1つの入口、
ii.この少なくとも1つの入口に結合された少なくとも1つのセンサ、及び
iii. この少なくとも1つのセンサに結合された少なくとも1つのプロセッサ、
から成り、この少なくとも1つのセンサが、楽器が演奏される際に、受け取った空気からの圧力に関する情報をリアルタイムで感知するように構成されている、圧力測定装置、並びに
b.該圧力測定装置に動作可能に結合された関連装置であって、圧力に関する情報に関するリアルタイムデータを表示するための少なくとも1つのディスプレイを含む関連装置、
を含む圧力測定システム。
【請求項31】
前記楽器の使用に基づいて少なくとも1つの音楽的音を出すために、更に、前記関連装置の上に、その中に、又はそれに関連して提供される少なくとも1つの音響エミッタを有する、請求項30に記載の圧力測定システム。
【請求項32】
前記圧力測定装置と前記関連装置との間にリアルタイム通信リンクが提供される、請求項30又は31に記載の圧力測定システム。
【請求項33】
前記圧力測定装置が、少なくとも1つのコントローラ/プロセッサを含み、この少なくとも1つのコントローラ/プロセッサが、前記関連装置と通信して該関連装置上に情報を表示させるように構成された、請求項30~32のいずれか一項に記載の圧力測定システム。
【請求項34】
請求項30~33のいずれか一項に記載の圧力測定システムを備える楽器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般に圧力測定装置の分野に関し、特に、但し排他的ではないが、楽器と共に使用するための圧力測定装置及び/又は圧力測定装置を含む楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、世界中で約3億人の喘息患者、約15万人の嚢胞性線維症の患者、約6,500万人の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の罹患者がおり、これだけで2030年までに世界で3番目に大きな死亡原因になると予測されている。英国には嚢胞性線維症(CF)の患者が約10,500人いる。
嚢胞性線維症は、異常に濃い粘液を産生し、これが膵管、腸及び気管支の閉塞を引き起こし、しばしば呼吸器感染症と平均余命の短縮をもたらす。
気道クリアランス治療(ACT)は、嚢胞性線維症、慢性喘息及びCOPDの患者のケアに不可欠な要素であるが、負担が大きく、その支持は低いことが知られている。現在の気道クリアランス治療(ACT)の装置は、一般的に非常に手間がかかり、創造的ではない。それらは単に医療用治療測定装置にすぎない。
現在の装置(Acapella/Flutter)で患者が1日2回の呼気陽圧気道クリアランス治療(ACT)を遵守しないことはよく知られている。遵守しない場合、肺に感染症を発症するリスクや、さらに悪いことに、感染症に罹ると入院するリスクにつながる。
したがって、呼気陽圧気道クリアランス治療としても機能する、患者にとって影響の少ない、又は楽しい娯楽を作り出す装置を提供することは、当技術分野の進歩であり、治療計画の順守の向上につながるはずである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態は、上述の欠点の1又は複数を少なくとも部分的に克服又は改善すること、又は消費者に有用な又は商業的な選択肢を提供することを追求する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の観点によれば、楽器と共に使用するための圧力測定装置であって、
a.演奏者が楽器を演奏する際に、その楽器の演奏者から空気を受け取るための少なくとも1つの入口、及び
b.この少なくとも1つの入口に結合された少なくとも1つのセンサ、から成り、
この少なくとも1つのセンサが、楽器が演奏される際に、受け取った空気からの圧力に関する情報をリアルタイムで感知するように構成されている、圧力測定装置が提供される。
この圧力測定装置は、更に、この少なくとも1つのセンサに結合された少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。
この圧力測定装置は、更に、圧力に関するリアルタイム情報を表示するための少なくとも1つのディスプレイを含んでもよい。
この圧力測定装置は、多部品装置として提供されてもよい。この多部品装置に如何なる数のパーツが提供されてもよい。如何なる1又は複数の構成部品がこの1又は複数のパーツとして提供されてもよい。
【0005】
本発明の第2の観点によれば、圧力測定装置を有する楽器が提供される。この圧力測定装置は上記第1の観点の装置であってもよく、任意に上記の任意の特徴を有する。
【0006】
本発明の第3の観点によれば、楽器と共に使用するための圧力測定システムであって、
a.i.演奏者が楽器を演奏する際に、その楽器の演奏者から空気を受け取るための少なくとも1つの入口、
ii.この少なくとも1つの入口に結合された少なくとも1つのセンサ、及び
iii. この少なくとも1つのセンサに結合された少なくとも1つのプロセッサ、
から成り、この少なくとも1つのセンサが、楽器が演奏される際に、受け取った空気からの圧力に関する情報をリアルタイムで感知するように構成されている、圧力測定装置、並びに
b.該圧力測定装置に動作可能に結合された関連装置であって、圧力に関する情報に関するリアルタイムデータを表示するための少なくとも1つのディスプレイを含む関連装置、
を含む圧力測定システムが提供される。
【0007】
本発明の第4の観点によれば、圧力測定システムを備える楽器が提供される。この圧力測定システムは上記第3の観点のシステムであってもよい。
【0008】
圧力測定装置若しくはシステム及び/又は圧力測定装置若しくはシステムを備える楽器を提供することにより、楽器を演奏するミュージシャンが、好ましくは、演奏中に使用される呼吸量及び/又は肺圧のリアルタイムフィードバックを見ることを可能にする。
本発明の圧力測定装置若しくはシステム及び/又は圧力測定装置若しくはシステムを含む楽器は、好ましくは、嚢胞性線維症(CF)喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び他の呼吸器疾患の患者に、粘液の除去するための、改造された又は特殊な楽器を演奏することにより、肺を鍛え、体を調整するための、及びリアルタイムで肺圧と肺のパフォーマンスを測定するための、独自の方法を提供する。
この圧力測定装置若しくはシステム及び/又は圧力測定装置若しくはシステムを備える楽器は、好ましくは、楽器を演奏する人の肺圧及び/又は肺活量をリアルタイムで測定し、リアルタイムでその人にフィードバックを提供する。このフィードバックは、演奏中の人の肺圧レベルの表示を通じて提供されることが好ましい。
この圧力測定装置若しくはシステム及び/又は圧力測定装置若しくはシステムを備える楽器は、測定情報をソフトウェアアプリケーションにアップロードしてもよい。これにより、患者、その関係者及び/又は臨床医のレビューが可能になる。このソフトウェアアプリケーションは、好ましくは、ウォーミングアップの音楽療法ゲーム(CFセラピストが処方する反復的なエアクリアランス ルーチンに似ている)、Guitar HeroTM スタイルの音楽ゲーム、無料プレイの音楽ゾーン、及び/又は電子的な「遊び方」方法とレッスンの組み合わせ、を混合したものを含む。
【0009】
この圧力測定装置は、情報を感知し、感知した情報を関連装置に送信して処理する「無口の」装置であってもよい。この関連装置は、例えば、スマートフォン又はタブレット又はコンピュータ装置などのディスプレイを含んでもよい。
この圧力測定装置は、「スマート」装置であってもよく、リアルタイムで情報を感知し、処理し、この装置に結合され楽器に取り付けられたディスプレイ上にリアルタイムで情報を提示する。
この装置は携帯装置であることが好ましい。
この圧力測定装置は、ユーザの1又は複数の年齢層に合わせて調整されて、異なる構成を有してもよい。例えば、この圧力測定装置は、一線に並ぶ構成で楽器に含まれてもよい。この実施形態は、特に約4~7歳のユーザに適合させてもよい。この実施形態は、好ましくは、それに圧力測定装置が取り外し可能に組み込まれた特にあつらえた器具である。
より進んだユーザや独自の機器を使用するユーザのために、別個であるが取り付け可能な構成が提供されてもよい。この構成の圧力測定装置は、少なくとも1つの入口を提供するためにそのマウスピースに結合された空気ラインを有する、例えば、トランペット(又はユーザが吹き込む別の楽器)などの従来の楽器に取り付けられるように適合されてもよい。マウスピースに圧力測定装置を接続して空気ラインを組み込むために、特にあつらえたマウスピースが必要になってもよい。
【0010】
この実施態様において、この圧力測定装置は、特にこの装置が少なくとも1つディスプレイを含む場合、ユーザが楽器を演奏している際に圧力測定装置に結合されたディスプレイを見ることができるような位置及び/又は向きで楽器に取り付けてもよい。例えば、トランペットと共に使用する場合、この装置のディスプレイは、ユーザがはっきりと見えるように、トランペットのリードパイプに取り付けられることが好ましい。
この少なくとも1つの入口は、通常、管楽器、又は演奏者の息を使って動力を与えられる又は演奏される楽器、のためのマウスピースに結合される。
この少なくとも1つの入口は、マウスピースに一体化されてもよい。この少なくとも1つの入口はマウスピースに取り付けてもよい。演奏者がマウスピースに息を吹き込むと、演奏者の息の一部が少なくとも1つの入口に入るように、この少なくとも1つの入口が、少なくともマウスピースに結合されることが好ましい。
この少なくとも1つの入口は、典型的には、少なくとも1つのセンサに結合された細長い導管に取り付けられる。任意のタイプの導管を提供することができる。この導管は、柔軟であっても剛性であってもよい。
この少なくとも1つのセンサは、好ましくは、コントローラ/プロセッサ及び/又は電源などの1又は複数の電子部品を搭載する本体に取り付けられる。
コントローラ/プロセッサは、好ましくは、少なくとも1つのセンサに結合して提供され、少なくとも1つのセンサを制御する。このコントローラ/プロセッサは、典型的には、楽器が演奏されている際にリアルタイムで受け取った空気から圧力に関する情報を受け取り、この情報を演奏者の肺圧に関する情報に変換し、及び/又はその情報を使用して演奏者の肺圧を計算する。しかし、この圧力に関する情報は、演奏者にとって有用であるように、肺圧の測定値に変換される必要はない。例えば、空気流速(体積流量)情報は、演奏者に、呼気陽圧を奨励し及び/又はその測定に使用するためのフィードバックを与えることができる。
【0011】
この少なくとも1つのセンサは、圧力センサであってもよいが、肺圧に変換又は計算するために使用できる情報を取得する任意の他のタイプのセンサを使用してもよい。
この装置の電子部品は、搭載(オンボード)電源を使用して給電されることが好ましい。この搭載電源は、好ましくは、1又は複数の電池である。この又は複数の電池は、典型的には、再充電可能な電池である。この1又は複数の電池は、再充電可能な場合、取り外し可能であって再充電可能であっても、又はその場で再充電可能であってもよい。
感知された情報に基づいてリアルタイムで得られる好ましい肺圧測定値は、好ましくは少なくとも1つのディスプレイ上に表示されることが好ましい。このリアルタイムの情報の表示は、好ましくは、演奏者が楽器を演奏しながら好ましい肺圧をリアルタイムで見ることができるようなものである。
通常、一つのディスプレイが使用される。表示は任意のタイプでよい。このディスプレイは、好ましくは、電子ディスプレイスクリーンである。この形式では、情報は、好ましくは、その上に、少なくとも1つのセンサによって取得された情報に基づいてリアルタイムで更新される、1又は複数の生成され表示されたインターフェースの形で表示される。
この情報はどのような方法で表示されてもよい。例えば、リアルタイム測定値は、任意の瞬間のレベルを示す動的なレベル又はバーによって表示され、リアルタイムで変化する。このバーは、好ましくは、リアルタイムでレベルを示する。簡単な「交通信号灯」システムを使用してもよく、即ち、レベルが低すぎる場合は赤レベル、中間レベルの場合は黄色レベル、適切又は治療レベルの場合は緑レベルになる。
経時的なレベルの経緯を表示してもよく、そうすることにより経時的なレベルの視覚化が可能になる。
複数のレベル間の閾値の値は、特定の演奏者/患者及び/又は所望の圧力に応じて、調整可能であってもよい。希望のレベルをディスプレイに表示してもよい。
【0012】
この少なくとも1つのセンサによって得られた情報を記録/保存してもよい。この情報をこの装置のオンボードメモリに記録/保存してもよい。この情報をこの装置から離れたところにある第2の装置に記録/保存してもよく、この情報をこの第2の装置に通信するために、この装置に少なくとも1つの通信装置をオンボードで搭載してもよい。
この少なくとも1つのセンサによって得られた情報に基づく肺圧測定に関する情報を、記録/保存してもよい。この情報を、この装置のオンボードメモリに記録/保存してもよい。この情報をこの装置から離れたところにある第2の装置に記録/保存してもよく、この情報をこの第2の装置に通信するために、この装置に少なくとも1つの通信装置をオンボードで搭載してもよい。
一つの実施態様において、演奏性及び少なくとも1つの音を出すために使用されるマウスピースと前記ボタン/キー/バルブとの相対的な位置の点で、実際の楽器を模倣する、特にあつらえた楽器が提供される。
この実施態様において、この特にあつらえた楽器は、演奏者がマウスピースに息を吹き込み、ボタン/キー/バルブを作動させることに基づいて、電子的にそれぞれの音を出す、電子楽器であってもよい。このボタン/キー/バルブは、典型的には、このボタン/キー/バルブの作動に基づいて意図された音楽的音を特定し、このボタン/キー/バルブの作動に基づいて対応する音楽的音を生成する、電子システムに結合されていてもよい。
【0013】
別の特にあつらえた楽器が、異なる基本楽器に基づいて、異なる構成を持ってもよい。例えば、この特にあつらえた楽器は、如何なる金管楽器、木管楽器、又は演奏者の呼吸に応じて通常動作するその他の楽器の外観と操作性を模倣してもよい。これらの楽器はすべて、典型的には、演奏者が息を吹き込む開口部を有するマウスピースと、通常この関連するボタン/キー/バルブが配置される部品である本体と、通常演奏者の息が楽器から吐き出される出口/ベルとを有する。
この特にあつらえた楽器は、通常、演奏者が息を吹き込む開口部を有するマウスピースと、通常この関連するボタン/キー/バルブが配置される部品である本体と、出口/ベルとを有する。この出口は、好ましくは、それを通って終わった息が楽器から吐き出されるために提供されるが、この出口は実際の楽器の出口の位置を模倣する必要はない。
この圧力測定装置の少なくとも1つの入口は、典型的には、マウスピースの開口部に結合される。この少なくとも1つの入口は、演奏者の息の代表的な部分を受け取るように配置されることが好ましい。この少なくとも1つの入口は、典型的には、マウスピースの開口部に対してマウスピース内に取り付けられるが、別の楽器では口及び/又は唇の位置が異なるため、その位置は楽器に依存する。
この特にあつらえた楽器のマウスピースは、特にあつらえた楽器に対して、典型的には本体に対して取り外し可能に取り付け可能な部分であってもよい。この特にあつらえた楽器のマウスピースは、如何なる方法で本体に結合されてもよい。取り外し可能に取り付け可能なマウスピースを提供することにより、例えば、輸送、洗浄、又は保管のために特にあつらえた楽器を少なくとも部分的に分解することが可能になる。
このマウスピースは、この特にあつらえた楽器が模倣する実際の楽器のマウスピースの形状及び構成にできるだけ近いことが好ましい。
【0014】
この特にあつらえた楽器の好ましい本体は、好ましくは、この特にあつらえた楽器の主要部分であり、通常は演奏者によって保持される部分である。この特にあつらえた楽器の本体は、通常、演奏者が出したい音を指定できるようにする、ボタン/キー/バルブを取り付ける部分である。
この本体は、典型的には、少なくとも1つのセンサを作動させる電子部品を備える。この少なくとも1つのセンサの動作を制御するために、典型的には、本体に、少なくとも1つのコントローラ/プロセッサが結合して提供される。この特にあつらえた楽器が、ボタン/キー/バルブの作動に基づいて、電子的に音を発するように構成される場合、この機能を制御するために少なくとも1つのコントローラ/プロセッサが提供されてもよい。すべての機能を制御するために一つのコントローラ/プロセッサが提供されてもよいし、複数の異なる動作を制御するために複数のコントローラ/プロセッサが提供されてもよい。
この少なくとも1つのコントローラ/プロセッサは、好ましくは、少なくとも1つの入口と、ボタン/キー/バルブと、少なくとも1つのセンサと結合される。
この少なくとも1つのコントローラ/プロセッサは、典型的には、演奏者がマウスピースに息を吹き込むにつれて、ボタン/キー/バルブの作動に基づいて音を発生させ、音を出す。この音は、好ましくは、電子的に生成され、発音される。この音を出すために、基本又は閾値の最小空気圧を必要としてもよい。
【0015】
電子的に生成され出された音を発するために、好ましくは、少なくとも1つのエミッタ、典型的には少なくとも1つのスピーカが、この圧力測定装置に結合される。この特にあつらえた楽器がベル又は出口を含む場合、この少なくとも1つのエミッタは、ベル又は出口に対して配置されることが好ましい。
この少なくとも1つのエミッタは、特にあつらえた楽器の使用に基づいて音を出すために、外部の装置上、外部の装置内、又は外部の装置に対して提供されてもよい。この構成は、好ましくは、特にあつらえた楽器と外部の装置との間のリアルタイム通信を必要とする。
この少なくとも1つのコントローラ/プロセッサは、提供される場合、典型的には、特にあつらえた楽器に搭載された少なくとも1つの電池によって電力を供給される。通常、一つの電池が提供される。この少なくとも1つの電池は、典型的には、特にあつらえた楽器に対してアクセス可能な位置で提供される。この少なくとも1つの電池は、特にあつらえた楽器の末端に、又は末端に向かって提供されてもよい。一つの実施態様において、この少なくとも1つの電池は、特にあつらえた楽器の好ましいベルに対して提供されてもよい。
この少なくとも1つの電池は、典型的には再充電可能である。任意の充電メカニズムを使用することができる。例えば、外部からアクセス可能な充電ポートを充電装置に結合して提供してもよく、それにより、電気ケーブルを接続して、主電源などの外部電源から少なくとも1つの電池を充電することができる。容量性充電システムを提供してもよい。少なくとも1つの電池に接続された特にあつらえた楽器に、容量性充電コイルを搭載してもよい。外部の容量性充電ステーションを、特にあつらえた楽器の少なくとも1つの電池のワイヤレス充電を行うために提供してもよい。特にあつらえた楽器がベルを有する一つの実施態様において、少なくとも1つの電池を充電するために、特にあつらえた楽器の容量性充電コイルを、容量性充電ステーションに対して方向付けて、ベルの中に設けてもよい。このベルを、エンドキャップ及び/又は容量性充電ステーションにかみ合わせた形状の構成で設けてもよい。
【0016】
この少なくとも1つのコントローラ/プロセッサは、典型的には、ボタン/キー/バルブなどの特にあつらえた楽器の少なくとも1つのセンサ及び/又は他の入力から情報を受信するために、オンボードソフトウェアアプリケーションを作動させる。この少なくとも1つのコントローラ/プロセッサは、好ましくは表示するために、ソフトウェアアプリケーションを介して、少なくとも1つのセンサからの情報を肺圧測定値に変換することが好ましい。このソフトウェアアプリケーションはまた、演奏者によるボタン/キー/バルブの作動に従って音を出すように動作することが好ましい。
典型的には、肺圧測定値が得られると、肺圧測定値は好ましい少なくとも1つのディスプレイに表示される。
この少なくとも1つのディスプレイは、特にあつらえた楽器上に提供刺されることが好ましい。この少なくとも1つのディスプレイは、特にあつらえた楽器の本体に対して提供されることが好ましい。この少なくとも1つのディスプレイは、演奏者が楽器を演奏する際にディスプレイを見ることができるように配置されることが好ましい。例えば、特にあつらえたトランペットの場合、この少なくとも1つのディスプレイは、バルブ/バルブボタンに隣接して、ベルにより近い位置に配置されてもよい。この少なくとも1つのディスプレイは、バルブ/バルブ ボタンから横方向にずらしてもよく、これは、演奏者の指の周りでこの少なくとも1つのディスプレイをより簡単に見ることができることを意味する。
この少なくとも1つのディスプレイは、好ましくは、特にあつらえた楽器の本体の中に組み込まれる。この少なくとも1つのディスプレイは、本体から分離可能であってもよい。この少なくとも1つのディスプレイは、本体の開口部の中に取り付けてもよい。この少なくとも1つのディスプレイは、演奏者が演奏中に少なくとも1つのディスプレイをより容易に見ることができるように、演奏者に対して角度を付けてもよい。
【0017】
通常、特にあつらえた楽器の本体に対して、通常、1又は複数のボタン/キー/バルブが設けられる。ボタン/キー/バルブは、通常、実際の機器のボタン/キー/バルブの位置を模倣又はシミュレートする位置/数/構成で提供される。
このボタン/キー/バルブは、電子的に作動可能であってもよい。このボタン/キー/バルブは押すことができる。
一つの実施態様において、タッチ作動可能なボタン/キー/バルブを設けてもよい。タッチ操作可能なボタン/キー/バルブは容量性であってもよい。このボタン/キー/バルブの作動は、触知することのできる及び/又は聞くことのできるフィードバックの引き金となってもよい。フィードバックは触覚されるものであってもよい。
このボタン/キー/バルブは、特にあつらえた楽器の本体に組み込まれることが好ましい。
この圧力測定システムの複数の部品のうちの少なくともいくつかは、特にあつらえた楽器の本体に対して取り外し可能に取り付けてもよい圧力チャンバ部品内に設けてもよい。
この圧力チャンバ部品は、典型的には、動作している部品を保護及び収容するための外側ハウジングを含む。このハウジングは、このハウジングの複数の部品が互いに取り付けられてハウジングを形成する多部品ハウジングであってもよい。この複数の部品は、互いにどのような方法で取り付けられていてもかまわないが、一つの簡単な方法はネジなどを使用する方法である。
【0018】
この圧力チャンバ部品は、特にあつらえた楽器の本体に対応する形状であってもよい。この圧力チャンバ部品の形状は、マウスピースがこの圧力チャンバ部品に対して取り外し可能に取り付けられることを可能にする。これにより、異なる使用者及び/又は異なる年齢の同様の使用者のために、圧力チャンバ部品に異なるマウスピースを使用することが可能になる。このマウスピースの取り外し可能な性質により、取り外して洗浄及び/又は滅菌できるマウスピースを使用することが可能になる。
この圧力チャンバ部品の形状を、この圧力チャンバ部品が本体と正しい向きでかみ合わせ可能であるようにすることもできる。この圧力チャンバ部品に、特に圧力チャンバ部品のハウジングの下端の外側部分に、1又は複数の突起を設けて、それが本体の対応する開口部又はくぼみに受け入れられるようにしてもよく、又はその逆であってもよい。この1又は複数の形成された突起と開口部又はくぼみは、適切なかみ合わせのために圧力チャンバ部品を本体と位置合わせすることをユーザに要求するかもしれない。

この圧力チャンバ部品は、典型的には、本体に固定可能である。任意の機構が提供されてもよい。例えば、圧力チャンバ部品にねじ部分を設け、本体に対応するねじ部分を設けてもよい。複数の磁性の部品を、圧力チャンバ部品ハウジング及び/又は本体ハウジング内に提供すると、依然として部品を一緒に固定するように機能するため、磁性メカニズムが好ましいかもしれない。この圧力チャンバ部品の下端及び/又は本体の上端の周りに間隔をあけて1又は複数の磁石を提供してもよい。
この圧力チャンバ部品から使用の終わった空気を逃がすことができるように、ハウジングを貫通する1又は複数の排出口を設けてもよい。
【0019】
典型的には、この圧力チャンバ部品内に空気が吹き込まれると回転するように、圧力チャンバ部品に回転部分が設けられる。
回転部品は、前後に回転しながら往復運動してもよい。往復動する場合、この回転部品は、第1の位置に対して斜めであってもよく、その場合、斜めの部品の斜めに逆らって圧力チャンバ部品に吹き込まれる空気によって、1又は複数の第2の位置に回転することができる。この斜めの部品は、コイルばねのような単純なものであってもよい。コイルばねは、この回転部品に結合された第1の端部と、圧力チャンバ部品内の決まった位置に固定された第2の端部とを有していてもよい。斜めにかかる力の調整を可能にするために、決まった位置を複数設けてもよい。例えば、多数の開口部を設けて、コイルばねの第2の端部をこの開口部のいずれか1つに受け入れることができるようにしてもよい。
この回転部分は、スピンドルとして構成してもよい。このスピンドルは、圧力チャンバ部品と実質的に同軸に延びる細長い本体を有してもよい。この細長い本体から多数のアームが放射状に伸びていてもよい。各アームには、これに対して圧力チャンバ部品に吹き込まれる空気が作用して、スピンドルを回転させる形成部分を設けてもよい。
各アームを、回転の制限を決めるために形成された凹部に配置してもよい。この形成された凹部は、形成体上又は形成体内に設けてもよい。使用の終わった空気をこの形成凹部から逃がすことができるように、典型的には、各形成凹部に結合した開口部が設けられる。
【0020】
マウスピースの一部を受容するための中央開口部を備えたスペーサ又は同様のものが提供されてもよい。マウスピースの開口部は、典型的には、マウスピースの細長い部分を挿入するために、ハウジングの上端に設けられる。この中央開口部は、典型的には、マウスピース開口部と整列しているが、マウスピース開口部から圧力チャンバ部品の下端に向かって離間している。
圧力チャンバ部品に吹き込まれた空気を、スペーサの中央開口部を通して回転部品に導くために、空気ガイドを設けてもよい。この空気ガイドは、スペーサにより容積が画定されてもよい。この空気ガイドには、圧力チャンバ部品に吹き込まれた空気を回転部品に導くために、1又は複数の開口部が設けられてもよい。
圧力チャンバ部品内の作動部品は、カセット機構として提供されて、圧力チャンバ部品ハウジング内の受容スロットに取り付けられてもよい。すべての部品に中央開口部を設けて、そこを通してスピンドルの細長い本体を受け入れてもよい。
この細長いスピンドルの下端に、センサが、回転を測定し、それにより圧力又は圧力チャンバ部品に吹き込まれる空気によって回転を決定することを可能にする部品を提供してもよい。簡単だが堅牢なメカニズムとして、磁性部品がある。この磁性部品の速度又は回転/往復運動などの1又は複数の特性を測定して、圧力又は圧力チャンバ部品に吹き込まれる空気を決定するために、ホール効果センサなどのセンサを提供することができる。
このセンサは、前述のように、典型的には、本体内に配置され、圧力チャンバ部品が本体に対して適切に取り付けられたときに、センサが感知する部品に隣接して配置される。
【0021】
この本体には、通常、電池、充電ポート(ケーブルを使用する場合)、及び主な電子機器 (例えば、PCBの形で)のような他の部品が含まれる。
この圧力又は圧力チャンバ部品に吹き込まれる空気をチェックすることを可能にするために、特にあつらえた楽器に第2のセンサを設けてもよい。この第2のセンサは、メインセンサをチェックしたり、メインセンサが故障した場合に、バックアップを提供したりしてもよい。この第2のセンサは第1のセンサと同じタイプであってもよいが、通常は異なり、典型的にはフローセンサのような単純なタイプである。
一つの実施態様において、この本体には、ディスプレイが取り付けられる。このディスプレイは、1又は複数のライト又は要素を含み、圧力を示すために点灯してもよい。
「交通信号灯」システムを使用してもよく、即ち、レベルが低すぎる場合は赤レベル、中間レベルの場合は黄色レベル、適切又は治療レベルの場合は緑レベルになる。この「交通信号灯」システムを使用する場合、赤レベルがユーザに最も近く、緑レベルがユーザから最も遠くてもよい。
【0022】
上述のように、この特にあつらえた楽器に、少なくとも1つの通信経路を提供する少なくとも1つの通信装置が設けられることが好ましい。この少なくとも1つの通信装置は、典型的には、少なくとも1つのコントローラ/プロセッサに結合される。これにより、この少なくとも1つのコントローラ/プロセッサが、少なくとも1つの遠隔であるが関連する電子装置と通信できるようになる。この少なくとも1つの通信装置は、典型的には、無線通信であってもよい。任意の1又は複数の通信プロトコルを使用できる。
別の実施態様において、この圧力測定装置は、通常通りに演奏される実際の楽器に結合された、別個であるが取り付け可能な態様で提供されてもよい。
この実施態様において、この装置は、好ましくは、少なくとも1つの入口が結合されたハウジング内に提供される。このハウジングは、好ましくは、少なくとも1つのコントローラ/プロセッサ、及び少なくとも1つのオンボード電源、及び好ましくは少なくとも1つのディスプレイなどの部品を、単一ユニットで含む。このユニットは、好ましくは、従来の楽器に取り外し可能に取り付け可能である。
【0023】
この構成において、この少なくとも1つの入口は、好ましくは、このハウジングに接続され、少なくとも1つのセンサに結合された導管の開口部として提供される。この好ましい導管は、通常、演奏者が従来の楽器を演奏する際にこの演奏者の息の代表的な部分がこの少なくとも1つの入口に入るように、従来の楽器のマウスピースに取り付けられる又はこれに関して取り付けられる。このマウスピースは、このマウスピース内に少なくとも1つの開口部を含むようになっていてもよい。
この少なくとも1つのセンサは、典型的には、ハこのウジング内に提供される。
この実施態様の好ましいユニットは、典型的には、従来の楽器に取り外し可能に取り付け可能である。この好ましいユニットが少なくとも1つのディスプレイを含む場合、この好ましい単一ユニットは、好ましくは、演奏者が演奏中に見ることができる位置及び向きで取り付けられる。このユニットを楽器にしっかりとしかし取り外し可能に取り付けるために、1又は複数のクランプ又はクリップ又はストラップなどの、任意のタイプの取り付け機構を使用してもよい。
【0024】
この少なくとも1つのコントローラ/プロセッサは、提供される場合、典型的には、このユニットに搭載された少なくとも1つの電池によって電力を供給される。典型的には、一つの電池が提供される。この少なくとも1つの電池は、典型的には、このユニットに対してアクセス可能な位置に提供される。この少なくとも1つの電池は、このユニットの末端に、又はこの末端に向かって提供されてもよい。
この少なくとも1つの電池は、典型的には、再充電可能である。任意の充電メカニズムを使用できる。例えば、充電装置に外部からアクセス可能な充電ポートを設けて、電気ケーブルで接続して主電源などの外部電源からこの少なくとも1つの電池に充電できるようにすることができる。容量性充電システムを提供してもよい。この少なくとも1つの電池に接続してユニット上に容量性充電コイルを搭載してもよい。このユニットの少なくとも1つの電池に無線充電を行うために、外部容量充電ステーションを設けてもよい。
この少なくとも1つのコントローラ/プロセッサは、典型的には、オンボードソフトウェアアプリケーションを作動させて、このユニット上の少なくとも1つのセンサ及び/又は他の入力から情報を受信する。このソフトウェアアプリケーションを介した少なくとも1つのコントローラ/プロセッサは、好ましくは表示のために、この少なくとも1つのセンサからの情報を肺圧測定値に変換することが好ましい。
典型的には、肺圧測定値が得られると、この肺圧測定の値がこの少なくとも1つのディスプレイ上に表示される。
【0025】
この少なくとも1つのディスプレイは、このユニット上に提供されることが好ましい。
この少なくとも1つのディスプレイは、好ましくは、このユニットのハウジングに対して提供される。このユニットは、演奏者が楽器を演奏する際にディスプレイを見ることができるように配置されることが好ましい。例えば、トランペットの場合、このユニットは、そのベルにより近いバルブ/バルブボタンに隣接するように配置されてもよい。このユニットは、このバルブ/バルブ ボタンから横方向にずらしてもよく、これは、少なくとも1つのディスプレイが演奏者の指の周りでより簡単に見られるようにするためである。
この少なくとも1つのディスプレイは、このユニットと通信する外部の装置の一部として提供されてもよい。この少なくとも1つのコントローラ/プロセッサは、この外部の装置上に情報を表示させるために、外部の装置と通信するように構成されてもよい。この構成は、好ましくは、この好ましい単一ユニットと外部の装置との間のリアルタイム通信を必要とする。このユニット内には、通常、このユニットと外部の装置との間の少なくとも1つの通信経路を提供する、1又は複数の適切な通信装置が提供される。
この構成においては、この装置がその上に取り付けられる楽器は、好ましくは通常通り演奏され(この楽器は通常の使用に従って音を発する)、この好ましい少なくとも1つのディスプレイに肺圧測定値が表示される。
【0026】
この圧力測定装置は、少なくとも1つのソフトウェアアプリケーションを備えてもよい。典型的には、少なくとも1つのセンサ及び少なくとも1つのディスプレイを含むこの装置の動作を制御するために、ソフトウェアアプリケーションの作動はこの装置上で行われる(装置上に提供される場合)。このソフトウェアアプリケーションの作動は、少なくとも一つのディスプレイが離れたところにある装置上に提供される場合、そのディスプレイ上の情報の表示をも制御してもよい。
この離れたところにある装置には、(主たる)装置にディスプレイが設けられているかどうかにかかわらず、ディスプレイが設けられていてもよい。言い換えると、(主たる)装置上及び/又は離れたところにある装置上に、少なくとも1つのディスプレイが提供されてもよい。複数のディスプレイに表示される情報は、同じ情報であっても、類似した情報であっても、異なる情報であってもよい。例えば、離れたところにある装置上の少なくとも1つのディスプレイは、(主たる)装置上に提供された少なくとも1つのディスプレイに表示された情報を鏡のように写し出してもよい。(主たる)装置上に提供された少なくとも1つのディスプレイ上に肺圧情報が表示されている間、離れたところにある装置上の少なくとも1つのディスプレイは、演奏者が従うべき提案された音を表示してもよい。このソフトウェアアプリケーションは、演奏者の正確さを監視し、演奏者の正確さに点数をつけて、この装置を使用した治療をゲームに変え、治療に参加したいという欲求を刺激することができる。
楽器が演奏されると、離れたところにある装置上の少なくとも1つのエミッタから音が鳴るように、離れたところにある装置上にソフトウェアアプリケーションを提供してもよい。
少なくとも1つのセンサによって測定された演奏者の呼吸を分析するために、分析用ソフトウェアアプリケーション又はその一部が提供されてもよい。
少なくとも1つのセンサによって捕捉され、及び/又は少なくとも1つのコントローラ/プロセッサによって計算された情報の任意の1又は複数の部分は、この装置及び/又は外部の装置上に記録されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】圧力測定システムを組み込んだ楽器の分解図である。
図2図1の線A-Aに沿った楽器の断面図である。内部構成部品が取り除かれている。
図3】一つの実施態様による、ディスプレイ本体の等角図である。
図4図1のマウスピースの第1の末端から見た不等角投影図である。
図5図4のマウスピースの第2の末端から見た不等角投影図である。
図6図5のマウスピースの線B-Bに沿った断面図である。内部の構成部品は取り除かれている。
図7図1の楽器のベル末端の末端プレートの等角図である。
図8図1の楽器と共に使用するための充電ステーションの等角図である。
図9】一つの実施態様による、ディスプレイの上面図である。
図10】別の実施態様による、ディスプレイの上面図である。
図11】一つの実施態様による、圧力測定システムを結合したトランペットの部分側面図である。
図12図11の構成の上面図である。
図13図11のトランペット用のマウスピースの端面図である。
図14図13のマウスピースの側面図である。
図15図13のマウスピースの前端面図である。
図16図13のマウスピースをリードパイプへ挿入する途中の側面図である。
図17】肺圧を測定するためのセンサを含む一つの実施態様の電気システムを示す概略電気ピンダイアグラムである。
図18】一つの実施態様による、複数の部品の相互関係を示す概略図である。
図19】別の実施態様による、複数お部品の相互関係を示す概略図である。
図20】さらなる実施態様による、圧力測定システムを備えた特にあつらえた楽器の上面図である。
図21図20の特にあつらえた楽器の底面図である。
図22図20の特にあつらえた楽器の等角図である。
図23】圧力チャンバが分離された、図22の特にあつらえた楽器の等角図である。
図24図20の特にあつらえた楽器の側面図である。
図25図20の特にあつらえた楽器の分解図である。
図26図20の特にあつらえた楽器の圧力チャンバの詳細分解図である。
図27図20の特にあつらえた楽器の複数の部品の概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明をより明確に理解できるようにするために、以下、添付の図面を参照しながら、単なる例として、その1又は複数の実施態様を説明する。
添付の図面を参照すると、楽器と共に使用するための圧力測定装置が、2つの主要な実施態様、すなわち、圧力測定装置を備える特にあつらえた楽器(図1~6に示す一体型装置)、及び、図11~16に示すような従来の楽器に取り外し可能に取り付けることができる圧力測定装置として提供される
図に示されたこれら主な実施態様の両方において、装置10は、演奏者が楽器を演奏する際に、その演奏者から空気を受け取る入口11と、その入口11に結合されたセンサ12とから成り、演奏者が楽器を演奏する際に、このセンサ12が、この受け取った空気から圧力に関する情報をリアルタイムで感知するように構成される。
いくつかの実施態様において、この圧力測定装置は、更に、
a.センサ12に結合されたコントローラ/プロセッサ13。及び
b.圧力に関する情報に関するリアルタイムデータを表示するためのディスプレイ14、を含む。
この圧力測定装置10は、図18に示されるような単一の装置として、又は図19に概略的に示されるような多部品装置として提供されてもよい。この多部品装置には、任意の数の部品が提供されてもよい。この複数の構成部品の任意の1又は複数を、任意の1又は複数のパーツとして提供してもよい。図19に示される実施態様において、コントローラ/プロセッサ13は、入口11及びセンサ12(しかし、これはそうである必要はない)を備えたベース装置15内に提供され、別個のディスプレイ装置16は、ベース装置15と無線通信するディスプレイ14を有する。
【0029】
この圧力測定装置若しくはシステム及び/又は圧力測定装置若しくはシステムを備える楽器は、測定情報をソフトウェアアプリケーションにアップロードして、患者、その関係者及び臨床医が検討できるようにすることができる。このソフトウェアアプリケーションには、ウォームアップの音楽療法ゲーム(CFセラピストが処方する反復的なエアクリアランスルーチンに似ている)、Guitar HeroTMスタイルの音楽ゲーム、フリープレイの音楽ゾーン、及び/又は電子的な「遊び方」の方法とレッスンの混合が含まれていることが好ましい。
この圧力測定装置は、「しゃべらない("おし"の)」装置であってもよく、それは、情報を感知し、感知した情報を処理するために上記の関連装置に送信するが、この装置からプロセッサを除去し、それを関連装置に配置し、基本的なコントローラのみその装置に残す。この関連装置は、感知した情報を分析又は処理し、次に肺圧測定値をディスプレイに送信することができる。このディスプレイは、装置10上にあってもよいし、又は別個の装置上にあってもよく、この別個の装置とは、例えば、スマートフォン又はタブレット又はウェアラブルである。
この圧力測定装置は、図11~16に示すように、この装置に結合されたディスプレイ上に情報をリアルタイムで感知し、処理し、及び表示し、楽器に取り付けられた「スマート」装置であってもよい。
【0030】
上記のさまざまな構成は、ユーザの年齢層に合わせて調整される。例えば、この圧力測定装置は、図1~6に示されるような、一線に並ぶ構成で、特にあつらえた楽器17に含まれてもよい。この実施態様は、特に、約4~7歳のユーザに適している。この特にあつらえた楽器17は、取り外し可能に組み込まれた圧力測定装置を有していてもよい。
図11~16に示すような一線に並ばない構成が、より上級又は年配のユーザ、又は自分の器具を持っているユーザのために提供されてもよい。この構成の圧力測定装置は、典型的には、図に示すトランペット18などの従来の器具に対して、マウスピース20に結合された空気ライン19を有するように適合されている。マウスピース20に圧力測定装置10を接続するための空気ライン19を組み込むのに、マウスピース20をこれに適合させるか、又は特注のマウスピースが必要となるかもしれない。
一線に並ばない構成において、圧力測定装置10を、ユーザがトランペット18を演奏しているときに圧力測定装置10のディスプレイ14を見ることができるような位置及び/又は向きでトランペット18に取り付けてもよい。例えば、トランペットと共に使用される場合、装置10のディスプレイ14は、トランペット18のリードパイプに、ユーザがそれをはっきりと見ることができるように。取り付けられることが好ましい。図11に示す実施態様においては、この装置をトランペット18のリードパイプの周りの位置に簡単に挟むことができるように、装置10の下側に弾性の変形可能なクランプ開口部が設けられている。
【0031】
入口11は、通常、演奏者の息を使って動力を与えられる又は演奏される楽器又は特にあつらえた楽器の、マウスピース20に結合される。
この入口11は、マウスピース20に組み込まれてもよいし、マウスピース20に取り付けられてもよい。演奏者の息の一部が、マウスピースと同時に、この少なくとも1つの入口に入るように、この入口11は少なくともマウスピースに結合されることが好ましい。
図11~16に示すように、この入口11を、センサ12に結合された細長い導管又は空気ライン19に結合してもよい(センサ12が入口11から離れている場合)。任意のタイプの導管を設けてもよい。この導管は、柔軟であっても剛性であってもよい。
センサ12は、好ましくは、コントローラ/プロセッサ13などの1又は複数の電子部品を取り付ける本体上に取り付けられるか又は本体に対して取り付けられる。
コントローラ/プロセッサ13は、センサ12を制御するために、センサ12に結合して設けられることが好ましい。このコントローラ/プロセッサ13は、典型的には、楽器の演奏にリアルタイムに、入口11に吹き込まれる空気の圧力に関する情報を受け取って、この情報を演奏者が使用する肺圧に関する情報に変換する、及び/又はその情報を使用して演奏者が使用する肺圧を計算する。しかし、演奏者にとって有用であるためには、圧力に関する情報は肺圧測定値に変換される必要はない。例えば、空気流速情報は、演奏者に、呼気陽圧を奨励し及び/又はその測定に使用するためのフィードバックを与えることができる。
このセンサ12は圧力センサであってもよいが、肺圧に変換又は計算するために使用できる情報を取得する任意の他のタイプのセンサを使用することもできる。
【0032】
この装置の電子構成部品は、搭載電源を使用して給電されることが好ましい。この搭載電源は、好ましくは、1又は複数の電池21である。1又は複数の電池は、典型的には、再充電可能な電池である。この1又は複数の電池は、再充電可能な場合、取り外し可能で再充電可能であってもよく、又はその場で再充電可能であってもよい。

感知された情報に基づいてリアルタイムで得られる好ましい肺圧測定値は、好ましくはディスプレイ14に表示される。このリアルタイムの情報のディスプレイ14は、好ましくは、 演奏者が演奏する際にかかる肺圧をリアルタイムで見ることができるようなものである。
このディスプレイ14は、好ましくは、電子ディスプレイスクリーンである。この形式では、情報は通常、センサ12によって取得された情報に基づいて、リアルタイムで更新される1又は複数の生成され表示されたインターフェースの形で表示される。
この情報は如何なる方法で表示されてもよく、2つの例が図9と10に示されている。例えば、図9では、リアルタイムの測定値が動いているレベル又はバーとして表示され、任意の瞬間に加えられた肺圧レベルを示する。「交通信号灯」システムを使用してもよく、レベルが低すぎる場合は赤レベル、中間レベルの場合は黄色レベル、適切又は治療レベルの場合は緑レベルになる。これらレベル間の閾値の値を、特定の演奏者/患者及び/又は所望の圧力に基づいて調整可能としてもよい。
図10においては、任意の瞬間に加えられた肺圧レベルの経時的な表示トレースが提供され、演奏者は演奏中に加えられた肺圧レベルを経時的に視覚化することができる。
【0033】
少なくとも1つのセンサによって捕捉された情報を、記録/保存してもよい。この情報を、この装置のオンボードメモリに記録/保存してもよい。この情報を、この装置から離れて、第2の関連装置に記録/保存してもよく、この場合、この情報をこの第2の装置に通信するために少なくとも1つの通信装置をこの装置に搭載してもよい。この少なくとも1つのセンサによって捕捉された情報に基づく肺圧測定に関する如何なる情報を記録/保存してもよい。
一つの実施態様(本明細書では、一線に並ぶ実施態様と呼ぶ)において、図1~6に示すような特にあつらえた楽器17が提供され、それは、演奏性及び種々の異なる音を出すために使用されるマウスピース23及びボタン/キー/バルブ22の相対的な配置に関して実際の楽器を模倣する。この特にあつらえた楽器17は、典型的には電子楽器であり、演奏者がマウスピース23に息を吹き込み、ボタン/キー/バルブ22を作動させることに基づいて、電子的にそれぞれの音を出す。このボタン/キー/バルブ22は、電子システムに結合し、それは、このボタン/キー/バルブ22の作動に基づいて意図された音を特定し、好ましくは特にあつらえた楽器17に結合されたスピーカを通して音を出す。
異なる基本楽器に基づいた別の特にあつらえた楽器は、異なる構成であってもよい。例えば、この特にあつらえた楽器は、演奏者の呼吸に応じて通常動作する金管楽器、木管楽器、又はその他の楽器の外観と操作性を模倣してもよい。
【0034】
図1~6に示す特にあつらえた楽器17は、トランペットに基づくものであり、演奏者が吹き込む開口部24を有するマウスピース23と、通常、ボタン/キー/バルブ22が関係する部品である本体部分25と、出口/ベル部分26とを含み、それは、通常、コントローラ/プロセッサ13、電池21、及びセンサ12などの電子構成部品を収容する。開口部又は出口は、典型的には、それを通して使用の終わった息が楽器17から出ていくように提供され、入口11の後方の如何なる位置に提供されてもよい。この出口は、実際の楽器の出口の位置を模倣する必要はない。
圧力測定装置の入口11は、典型的には、マウスピース23の開口部24に結合される。この入口11は、好ましくは、演奏者の息の代表的な部分を受け取るように配置される。図1~6に示す実施態様において、この入口は、マウスピース23の開口部24について、マウスピース23内の中央の穴につながっている。
図に示す特にあつらえた楽器17のマウスピース23は、特にあつらえた楽器17の本体部分25に対して取り外し可能に取り付け可能である。これにより、例えば、輸送、洗浄、又は保管のために、特にあつらえた楽器を少なくとも部分的に分解することができる。図1~6、特に図5及び6に示される実施態様において、ねじ山27が使用されているが、この他の任意の機構を使用してもよい。対応するねじ山を、図1及び2の本体部分25に示す。
特にあつらえた楽器17の本体部分25は、通常演奏者によって保持される主要部分である。この本体25は、図に示すように、ボタン/キー/バルブ22を備え、演奏中に出すことが意図される音を演奏者が指定できるようにする。
【0035】
本体部分25は、典型的には、センサ12の作動を可能にする電子部品を備えてもよいが、この電子部品を、ベル部分26に設けてもよく、又は本体部分25とベル部分26との間で分けてもよい。
コントローラ/プロセッサ13は、典型的には、センサ12及びボタン/キー/バルブ22の作動を制御するために、本体部分25に結合して設けられる。特にあつらえた楽器17が、ボタン/キー/バルブ22の作動に基づいて電子的に音を出すように構成されている場合、このコントローラ/プロセッサ13は、通常、この機能を制御する。このコントローラ/プロセッサ13は、演奏者がマウスピース23に息を吹き込む際に、ボタン/キー/バルブ22の作動に基づいて音を発生させてもよい。この音は好ましくは電子的に鳴らされる。この音を鳴らすには、通常、基本又は閾値の最小空気圧を必要としてもよい。
スピーカが、好ましくは電子的に作成され鳴らされる音を発するために、特にあつらえた楽器17に結合されてもよい(明確にするために図示しない)。特にあつらえた楽器17が、図1~6に示すようなベル又は出口を含む場合、このスピーカは、好ましくは、ベル又は出口部分26に対して配置される。
その代替として、特にあつらえた楽器17の使用に基づいて音を出すために、このスピーカを、外部の装置の上、外部の装置の中、又はそれに対して設けてもよい。この構成は、特にあつらえた楽器17と外部の装置との間のリアルタイムの通信を必要とする。
【0036】
このコントローラ/プロセッサは、典型的には、特にあつらえた楽器17に搭載された電池21によって電力を供給される。通常、一つの電池21が用いられる。図1~6に示される実施態様において、電池21は、特にあつらえた楽器の末端に、又はその末端に向かって、又はベル部分26の中など、特にあつらえた楽器17に対してアクセス可能な位置に提供される。
電池21は、典型的には再充電可能である。そのために任意の充電メカニズムを使用してもよい。図1~6に示す特にあつらえた楽器17は、容量性充電システムを含む。特にあつらえた楽器17のベル部分26に容量性充電コイルが搭載され、電池21に接続される。電池21のワイヤレス充電を行うために、図8に示すような外部の容量性充電ステーション28を提供してもよい。電池21を充電するために、ベル部分26を容量性充電ステーション28へ配向するように、容量性充電コイルをベル部分26に設ける。この容量性充電コイルは、エンドキャップ29と実質的に平行に設けられる。このベル部分26には、図7に示すように、エンドキャップ29が提供され、及び/又は容量性充電ステーション28とかみ合わせるような形をした構成が提供される。このベル部分26の端部リムは、充電ステーションの環状の溝30に受け入れられて、楽器17と容量性充電コイルを位置決めすることができる。主電源に接続するために充電ステーション28に接続ポート31が設けられている。
ベル部分26は、好ましくは中空であり、特にあつらえた楽器17の電子部品を収容するための内部空間32を有する(図2に最も良く示されている)。エンドキャップ29は、ベル部分26の開放端に挿入され、図2の周方向隣接肩部33に隣接する。このエンドキャップ29は、任意の取り外し可能な取り付け機構を使用してそこに取り付けられる。
【0037】
コントローラ/プロセッサ13は、通常、オンボードソフトウェアアプリケーションを作動させて、センサ12からの情報及び/又はボタン/キー/バルブ22などの特にあつらえた楽器17上の他の入力を受信する。このコントローラ/プロセッサ13は、ソフトウェアアプリケーションを介して 好ましくは、センサ12からの情報を、好ましくは表示するために、肺圧測定値に変換する。このソフトウェアアプリケーションはまた、演奏者によるボタン/キー/バルブ22の作動に従って音を出すように作動することが好ましい。
典型的には、肺圧測定値が得られると、肺圧測定値がディスプレイ14上に表示される。
上述のように、このディスプレイ14は通常、特にあつらえた楽器17上に設けられ、通常、特に図1に示すように、特にあつらえた楽器17の本体部分25に配置される。このディスプレイ14は、演奏者が楽器を演奏する際に、ディスプレイ14を見ることができるように配置される。例えば、図1~6に示す特にあつらえたトランペットの場合、ディスプレイ14は、ベル部分26により近い位置で、バルブ/バルブボタン22に隣接して配置される。このディスプレイ14は、バルブ/バルブボタン22から横方向にずらしてもよく、これは、演奏者の指の周りでこのディスプレイ14をより簡単に見ることができることを意味する。
ディスプレイ14は、特に図1に示すように、特にあつらえた楽器17の本体部分25に組み込まれることが好ましい。このディスプレイ14は、本体部分25から分離可能であってもよい。ここに示されているディスプレイ14は、本体部分25の開口部34に取り付けられている。このディスプレイ14は、演奏者が演奏するときにディスプレイ14をより容易に見ることができるようにするために、このディスプレイ14の外面を傾斜させて、演奏者に対して傾けられている。このディスプレイは、例えば、図9及び10に示すように、肺圧測定値を示してもよい。
【0038】
このボタン/キー/バルブ22は、典型的には、特にあつらえた楽器17の本体部分24に提供される。このボタン/キー/バルブ22は、一般に、実際の楽器上のボタン/キー/バルブの位置を模倣又はシミュレートするような、位置/数/構成で提供される。
図に示す特にあつらえた楽器のボタン/キー/バルブ22は、電子的に作動可能である。図に示す実施態様において、3つのタッチ作動可能なボタン/キー/バルブ22が提供されている。このタッチ作動可能なボタン/キー/バルブ22は容量性である。ボタン/キー/バルブ22の作動により、触知することのできる及び/又は聞くことのできるフィードバック、好ましくは触覚のフィードバック、を引き起こしてもよい。
このボタン/キー/バルブ22は、示されるように、特にあつらえた楽器17の本体部分25に統合されることが好ましい。
【0039】
図11~16に示す実施態様において、圧力測定装置は、通常通り演奏される実際の楽器に結合された「一線に並ばない」実施態様で提供される。
この実施態様において、装置10は、細長い空気ライン19が取り付けられたハウジング内に設けられており、この空気ライン19は、入口11が位置するマウスピース20まで延びている。このハウジングは、好ましくは、センサ12、コントローラ/プロセッサ13、搭載された電池21及びディスプレイ14などの構成部品を、図示するトランペット18などの従来の楽器に取り付け可能な一つのユニットとして含む。
この構成において、入口11は、ハウジングに接続され、センサに結合された空気導管19への開口部として提供される。図に示すように、この空気ライン導管19の外端は、演奏者がトランペット18を演奏すると、演奏者の息の代表的な部分が入口11に入るように、トランペット18のマウスピース20内に取り付けられている。このマウスピース20は、図13~16に示すように、マウスピース20内に開口部を含む。
この実施態様における好ましい単一ユニットは、典型的には、トランペット18などの従来の楽器に取り外し可能に取り付け可能である。このユニットは、演奏中に演奏者がディスプレイ14を見ることができる位置及び向きで取り付けることが好ましい。
このユニットはまた、通常、このユニットに搭載された電池21によって電力を供給されるコントローラ/プロセッサ13を含む。この電池21は、典型的には再充電可能である。この実施態様において、電気ケーブルを接続して主電源などの外部電源から少なくとも1つの電池を充電できるようにするために、外部からアクセス可能な充電ポートを充電装置に結合してもよい。
【0040】
この実施態様において、コントローラ/プロセッサ13は、典型的には、オンボードソフトウェアアプリケーションを作動させて、センサ12から情報を受信する。コントローラ/プロセッサ13は、ソフトウェアアプリケーションを介して、好ましくは、センサ12からの情報を、表示するために肺圧測定値に変換する。
図19に概略的に示されるようないくつかの実施態様において、ディスプレイ14は、ベースの圧力測定装置15と通信する別個のディスプレイ装置16の一部として提供されてもよい。別個のディスプレイ装置16上に情報を表示するために、ベースの圧力測定装置15に提供される少なくとも一つのコントローラ/プロセッサ13を、ディスプレイ装置16と通信するように構成してもよい。この構成は、ベースの圧力測定装置15とディスプレイ装置16との間のリアルタイム通信を必要とする。ベースの圧力測定装置15とディスプレイ装置16との間の少なくとも1つの通信経路を提供する、より適切な通信装置は、通常、基礎圧力測定装置15に提供される。通常、ベースの圧力測定装置15には1つ以上の適切な通信装置が提供されて、ベースの圧力測定装置15と表示装置16との間の少なくとも1つの通信経路を提供する。
この構成において、ベースの圧力測定装置15が取り付けられた楽器は、好ましくは通常通りに演奏され(楽器は、通常の使用により音を出す)、肺圧測定値がディスプレイ装置16上に表示される。
【0041】
情報を、同じ情報、類似の情報、又は異なる情報を表示する、複数のディスプレイ上に表示してもよい。例えば、離れたところにある装置上の少なくとも1つのディスプレイは、(主たる)装置上に提供された少なくとも1つのディスプレイに表示された情報を鏡のように写し出してもよい。(主たる)装置上に提供された少なくとも1つのディスプレイ上に肺圧情報が表示されている間、離れたところにある装置上の少なくとも1つのディスプレイは、演奏者が従うべき提案された音を表示してもよい。このソフトウェアアプリケーションは、この装置を使用した治療をゲームに変えるために、演奏者の正確さを監視し、演奏者の正確さに点数をつけてもよい。
少なくとも1つのセンサによって測定された演奏者の呼吸を分析するために、分析ソフトウェアアプリケーション又はソフトウェアアプリケーション部分が提供されてもよい。
少なくとも1つのセンサによって捕捉され、及び/又は少なくとも1つのコントローラ/プロセッサによって計算された情報の任意の1又は複数の部分は、この装置及び/又は外部の装置上に記録されてもよい。
【0042】
図17に、使用可能なピン配置の例を示す。図17に示すキャパシターは0805フットプリントであるが、スルーホールコネクタを使用したほうが良いであろう。
図20~26に、トランペットをシミュレートする特にあつらえた楽器80のより発展したバージョンを示す。この構成において、圧力測定システムの複数の主要構成部品は、特にあつらえた楽器80の本体82に対して取り付け可能である、圧力チャンバ部品81内に提供され、それは、電池83、USB充電ポート84、メイン電子機器85、ホール効果センサ86などを含み、また操作可能なボタン87(トランペットのバルブをシミュレートしている)及びディスプレイ88も同様に含む。
図20~22に示す特にあつらえた楽器80は、図23に示すように2つの部分から成り、それらは本体82と圧力チャンバ部品81である。図20~24では、この圧力チャンバ部品81が有するマウスピース89は、既に取り付けられ結合されているが、分離したものを図25に示す。
図25に示すように、この圧力チャンバ部品81は、動作する構成部品を保護及び収容するための外側ハウジングを含む。図に示すハウジングは、ハウジングを形成するために互いに取り付けられた2つのハウジング部分90を有する多部品ハウジングである。この2つのハウジング部品90は、任意の方法で互いに取り付けてもよいが、簡単な方法の一つは、図に示すようにネジを使用することである。
【0043】
この圧力チャンバ部品81は、特にあつらえた楽器80の本体82に対応するような形状をしている。この圧力チャンバ部品81の形状により、マウスピース89を圧力チャンバ部品81に対して取り外し可能に取り付けることができる。
この圧力チャンバ部品81の形状は、圧力チャンバ部品81が正しい向きで本体82とかみ合わせできるような形状である。本体82の対応する開口部91aに受け入れられるように、中央突起91が、圧力チャンバ部品81のハウジングの下端の外側部分に設けられる。
この圧力チャンバ部品81は、本体82に固定可能である。図に示す実施態様においては、対応する複数の磁気構成部品ト92を、圧力チャンバ部品81のハウジングと本体82のハウジングの内に配置して、これら構成部品を一緒に固定するので、磁気メカニズムを使用する。図に示す実施態様においては、図25に示すように、多数の磁石を、圧力チャンバ部品81の下端及び本体82の上端の周りに間隔を置いて配置する。
図に示す実施態様においては、使用済み空気を圧力チャンバ部品81から逃がすことができるように、ハウジングを貫通する複数の排気開口部93が設けられている。
【0044】
図20~26に示す実施態様においては、回転スピンドル94が圧力チャンバ部品81内に設けられ、空気がマウスピース89を通って圧力チャンバ部品81に吹き込まれると回転する。この回転するスピンドル94は、回転する際に、回転しながら前後に往復する。この回転スピンドル94は、第1の位置に対して斜めになっていて、斜めのばねの斜めに逆らって圧力チャンバ部品81に吹き込まれる空気によって、1又は複数の第2の位置に回転する。図に示す実施態様における斜めのばねは、コイルばね95である。このコイルばね95は、回転スピンドル(図25では、細長い胴体部96の端のスロット)に結合された第1の端部と、圧力チャンバ構成部品81内の固定位置に固定された第2の端部とを有する。複数の固定位置が設けられて、加えられる斜めの力を調整できるようになっている。図25に示す実施態様においては、複数のフィンガ97の間に多数の開口部が設けられ、コイルばね95の第2の端部が開口部のいずれか1つに受け入れられるようになっている。
図に示す回転スピンドル94は、圧力チャンバ部品81と実質的に同軸に延びる細長い胴体部96を有する。この細長い胴体部96から複数のアーム98が放射状に延びている。各アーム98は特有の形状の部分99を有し(図に示す実施態様においては、アーム98の末端に)、それに対して圧力チャンバ部品81に吹き込まれた空気が作用して、スピンドル94を回転させる。
各アーム98は、特有の形状の凹部100内に配置され、回転に対して制限を課す。
の特有の形状の凹部100は、形成体101の上に又は形成体101内に設けられる。各凹部100に結合して開口部(図示せず)が設けられ、使用済み空気は、この凹部100から排出され、次いで排気開口部93を通ってハウジングから排出される。
【0045】
スペーサ102には、マウスピース89の一部を受け入れるための中央開口部104が設けられている。ハウジング90の上端には、典型的には、マウスピース89の細長い部分を挿入するためにマウスピース開口部103が設けられている。中央開口部104は、マウスピース開口部103と一直線に整列しているが、マウスピース開口部103から圧力チャンバ部品81の下端に向かって離間している。
空気ガイド105は、スペーサ102の中央開口部104を通って圧力チャンバ部品81に吹き込まれた空気を、回転スピンドル94に導くために設けられる。この空気ガイド105は、スペーサ102により容積が画定される。この空気ガイド105には複数の開口部106設けられ、圧力チャンバ部材81に吹き込まれた空気を回転スピンドル94に導く。
圧力チャンバ部品81内で作動する複数の部品を、カセット機構で提供して、圧力チャンバ部品ハウジング内の受容スロットに取り付けてもよい。スピンドル94の細長い胴体部96を受け入れるために、すべての構成部品に中央開口部を設けてもよい。
細長いスピンドル94の下端には、センサ86が回転を測定して、それによって、圧力チャンバ部品81に吹き込まれる空気又は回転圧を決定することを可能にする、部品を設けても、又はこれを結合してもよい。簡単で堅固なメカニズムとして、磁気素子107がある。次に、速度又は回転/往復運動などの磁気素子107の1又は複数の特性を測定して、圧力チャンバ部品81に吹き込まれる空気又は回転圧を決定するために、ホール効果センサなどのセンサ86を設けてもよい。
図に示すように、本体82内にセンサ86が配置され、圧力チャンバ部品81が本体82に対して適切に取り付けられると、磁性部品107に隣接して配置されたセンサ86が、それを検出する。
【0046】
上述のように、本体82は、通常、電池83、充電ポート84(ケーブルが使用される場合)、及び、例えば、PCB85の形態の、主要電子機器などの他の構成部品を含む。
圧力チャンバ部品に吹き込まれる空気又はその圧をチェックできるようにするために、特にあつらえた楽器に第2のセンサを設けてもよい。この第2のセンサは、メインセンサをチェックしたり、メインセンサが故障した場合に、バックアップを提供したりしてもよい。この第2のセンサは第1のセンサと同じタイプであってもよいが、通常は別のもので、通常はフローセンサなどのより単純なタイプである。
図20~26に示す実施態様において、本体82上にディスプレイ88を取り付けられる。このディスプレイ88は、センサからの情報に基づく圧力の測定に基づいて点灯して、圧力を示すことができる1又は複数のライト又は要素を含んでもよい。「交通信号灯」システムを使用してもよく、レベルが低すぎる場合は赤レベル、中間レベルの場合は黄色レベル、適切又は治療レベルの場合は緑レベルになる。この「交通信号灯」システムを使用する場合、赤レベルがユーザに最も近く、緑レベルがユーザから最も遠くてもよい。これは、ユーザが楽器を演奏する際に、ユーザによって楽器に吹き込まれる空気の圧力のリアルタイム表示をユーザが見ることができるようにする。
以上示した1又は複数の実施態様は、単に例として記載したものである。添付する特許請求の範囲によって与えられる保護の範囲から逸脱することなく、多くの変形が可能である。
【符号の説明】
【0047】
14 ディスプレイ
17 特にあつらえた楽器
22 ボタン/キー/バルブ
23 マウスピース
25 本体
26 出口/ベル部分
34 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15-16】
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【国際調査報告】