(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-24
(54)【発明の名称】膣用ゲル
(51)【国際特許分類】
A61K 9/06 20060101AFI20230714BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230714BHJP
A61K 31/4164 20060101ALI20230714BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20230714BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20230714BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
A61K9/06
A61P31/04
A61K31/4164
A61K31/496
A61K47/38
A61K47/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578624
(86)(22)【出願日】2021-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 US2021028631
(87)【国際公開番号】W WO2021257179
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522489990
【氏名又は名称】ナショナル・メディカル・サプライ・エル・エル・シー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボーグマン,ロバート・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジュール,ジェイムズ・イー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA09
4C076BB30
4C076CC32
4C076DD38
4C076DD43Z
4C076DD44
4C076DD49
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4C076EE32G
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4C076FF17
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4C086AA01
4C086AA02
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4C086GA12
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4C086NA10
4C086NA11
4C086NA12
4C086ZA81
4C086ZB35
(57)【要約】
ゲル様の粘稠度を有する組成物は、メトロニダゾール、テルコナゾール、生理的に許容可能な増粘剤及び水を含む。この組成物は、細菌性腟炎及び外陰膣カンジダ症を治療するために有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル様の粘稠度を有し、かつメトロニダゾール、テルコナゾール、生理的に許容可能な増粘剤及び水を含む組成物であって;
前記組成物中に存在するテルコナゾールの量が、メトロニダゾールのバイオアベイラビリティの増強に十分である、前記組成物。
【請求項2】
ゲル様の粘稠度を有し、かつメトロニダゾール、テルコナゾール、生理的に許容可能な増粘剤及び水を含む組成物であって;
メトロニダゾールが、前記組成物の重量に基づいて少なくとも0.5重量%の濃度で存在し、テルコナゾールが、前記組成物の重量に基づいて少なくとも0.4重量%の濃度で存在し、及びメトロニダゾールが、約3.75~約4.25の範囲の緩衝pH値を前記組成物に提供する緩衝系と共に存在する、前記組成物。
【請求項3】
メトロニダゾール及びテルコナゾールが、それぞれ約3:1~約4:1の範囲のモル比で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
メトロニダゾール及びテルコナゾールが、それぞれ約3.5:1のモル比で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物中に存在するメトロニダゾールの量が、前記組成物の重量に基づいて約0.75重量%~約1重量%の範囲であり、及び前記組成物中に存在するテルコナゾールの量が、前記組成物の重量に基づいて約0.6重量%~約1.2重量%の範囲である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
メトロニダゾール濃度が約0.9重量%であり、テルコナゾール濃度が約0.8重量%であり、前記生理的に許容可能な増粘剤がヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、そして前記緩衝系がクエン酸及びクエン酸ナトリウムを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
治療を必要とする患者の膣内に請求項1に記載の組成物を導入することを含む、ヒト患者における細菌性腟炎を治療するための方法。
【請求項8】
治療を必要とする患者の膣内に請求項2に記載の組成物を導入することを含む、ヒト患者における細菌性腟炎を治療するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、細菌膣感染症のための組成物及び治療に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
細菌性腟炎(BV)は、生殖可能年齢の女性において最も一般的な膣障害の1つである。BVは、膣の乳酸桿菌の正常集団が衰え、そして通性かつ嫌気性の細菌、例えばガードネレラ・バジナリス(Gardnerella vaginalis)、アトポビウム属(Atopobium)、プレボテラ属(Prevotella)、バクテロイド属(Bacteriodes)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)及びモビルンカス属(Mobiluncus)の種の繁茂によって置き換えられる、膣フローラの移り変わりによって特徴づけられる。
【0003】
BVは、生臭い腐敗臭を有するおりものの体積増加を伴う。膣のpHは、正常範囲(pH3~4)から約pH4.5を上回る値まで上昇する。臭気及び高いpHは、膣内の高レベルのアミンによって、特にとりわけトリメチルアミンによって、引き起こされる。これらのアミンは、例えば、KOHの添加によって、又は精液との相互作用によって、pHが高まる際に揮発する。
【0004】
代表的に、BVの臨床診断は、以下の4つの臨床診断基準(Amsel基準として知られる)のうち3つ以上が存在する場合になされる:(1)おりものの異常;(2)約4.5以上のpH;(3)10%KOHをおりものに添加した際の「生臭い」アミン臭;(4)膣液ウェットマウントの顕微鏡検査における、膣の上皮細胞の約20%以上の量に及ぶ、手がかり上皮細胞(細菌によって細胞境界がぼやけている細胞)の存在。
【0005】
BVは、一般に、嫌気性生物に対して活性を有する抗菌剤、例えばメトロニダゾール又はクリンダマイシンによって、治療される。メトロニダゾールは、経口錠剤ならびに膣用クリーム及びゲルの両方で、一般に使用され、入手可能である。薬物への全身的曝露を制限すると同時に高い抗菌剤局所濃度を提供するので、多くの場合、膣投薬形態が好ましい。例えば、BVの治療に使用される代表的な経口メトロニダゾール用量は、7日間にわたり1日2回500ミリグラムであるが、他方でメトロニダゾール0.75%膣用ゲルは、一般に、5日間にわたって1日1回、37.5ミリグラムのメトロニダゾールを含む5グラムのゲルの用量で使用される。37.5ミリグラムのメトロニダゾールを含むメトロニダゾール0.75%ゲルの単回用量の投与後の薬物動態プロフィールは、標準的な経口500ミリグラム錠剤の後(Cmax 12,785ng/ml及びAUC 133,395ng*hr/ml)と比較して、ずっと低い血中レベル(Cmax 237ng/ml及びAUC 4,977ng*hr/ml)を示す。
【0006】
外陰膣カンジダ症(VVC)は、酵母膣炎としても知られ、酵母の繁茂によって特徴づけられる、別の一般的な膣感染症である。VVCの初発症候は、痒み及び灼熱感、ならびに膣及び/又は外陰のかぶれである。関連の兆候としては、紅斑、浮腫及び表皮剥離が挙げられる。カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)は、症例の大部分の原因となる病原体である。カンジダ微生物は、培養されてもよく、又は膣液のウェットマウント試験において見られ得る。
【0007】
VVCは、一般に、カンジダ種に対して活性を有するアゾール抗真菌剤によって治療される。投薬形態としては、フルコナゾールなどの経口トリアゾールならびにミコナゾール、クロトリマゾール及びテルコナゾールなどのアゾールを含む膣用クリーム又は膣用坐剤が挙げられる。
【0008】
いくつかの場合、女性患者は、BV及び外陰膣カンジダ症(VVC)に同時に罹患している。微生物学研究は、膣感染症を経験した女性の15%までが、カンジダなどの酵母と共にBV生物によって同時感染していたことを示している。このような場合、首尾よい治療は、1種より多く(BVを治療するための抗菌剤及びVVCを治療するための抗真菌剤)の薬物治療を必要とする。多くの場合、この治療は、経口投薬形態、例えば、経口メトロニダゾール、及び膣投薬形態、例えばミコナゾールクリームからなる。
【0009】
膣感染症を治療するために使用される、局所的に作用する抗菌薬及び抗真菌薬について、調合物からの薬物の放出の程度及びタイミングが、重要である。特に、メトロニダゾールなどの、膣粘膜を横切って容易に吸収される薬物を考慮する場合、薬物動態プロフィールは、ある程度まで、調合物からの薬物放出の程度及びタイミングを反映する。
【0010】
例えば、BVの治療のために使用される2種の市販の水ベースの膣用ゲルは、1用量あたり異なる量の薬物を含んでいるとしても、同様の薬物動態プロフィールを示す。1用量あたり65mgのメトロニダゾールを含む1.3%メトロニダゾール膣用ゲルは、1用量あたり37.5mgを含む0.75%メトロニダゾールゲルの血中レベル(Cmax 237ng/ml及びAUC 4,977ng*hr/ml)とほぼ同じ血中レベル(Cmax 239ng/ml及びAUC 5,434ng*hr/ml)を生じる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、BV及びVCCを治療するためのメトロニダゾール及びテルコナゾールの類を見ないゲル調合物を、提供する。予期せぬことに、抗真菌剤テルコナゾールが抗菌剤メトロニダゾールと共に調合される場合、この組み合わせは、抗菌剤調合物単独と比較した場合に、増強された抗菌剤バイオアベイラビリティを示す。この増強されたバイオアベイラビリティはまた、BV及びVVCの両方を有する女性におけるBVの治療において、抗菌剤単独と比較した場合に、有益であることが示されている。
【0012】
発明の要旨
細菌性腟炎(BV)を治療するため及びメトロニダゾールの増強されたバイオアベイラビリティを提供するための膣用ゲルなどの治療用組成物は、メトロニダゾールに加えて、テルコナゾール、生理的に許容可能な増粘剤、及び組成物のための緩衝pH値(約3.75~約4.25の範囲内)を提供する緩衝系を、含む。メトロニダゾール対テルコナゾールのそれぞれのモル比は、好ましくは、約3~約4の範囲内、より好ましくは約3.5である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ゲル様キャリアにおける、メトロニダゾール単独及びテルコナゾールと組み合わせたメトロニダゾールのバイオアベイラビリティを示すグラフである。
【
図2】同じゲル様キャリアにおける、テルコナゾール単独及びメトロニダゾールと組み合わせたテルコナゾールのバイオアベイラビリティを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましい実施形態の詳細な説明
定義
用語「緩衝系」又は「緩衝液」は、本明細書中及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、水中に溶解した場合に、酸又は塩基が添加された際のpHにおける大きな変化に対して得られた溶液剤を安定化する、溶剤又は薬剤をいう。本発明の目的のために好ましい緩衝系は、クエン酸-クエン酸ナトリウム系である。
【0015】
用語「単位用量」又は「単位投薬形態」は、本明細書中及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、ヒト女性対象への投与のために好適な、本組成物の物理的に別個の単位をいう。各単位は、所望の治療効果を生じるよう計算された、所定の量のメトロニダゾール及びテルコナゾールを含む。任意の所定の患者に投与される単位投薬形態は、(1)達成されるべき特定の治療効果(2)及び使用される特定の組成物からの活性薬剤の放出速度によって、規定され、そしてこれに依存する。
【0016】
用語「膣」は、本明細書中及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、外陰及び子宮頸部を含めて、膣領域一般を包含する。
【0017】
細菌性腟炎(BV)の治療のために膣内に導入される治療用組成物の量は、患者の年齢及び健康状態、苦しみの程度、投与頻度などの因子に依存して、広範に変動し得る。
【0018】
本治療用組成物中の活性成分は、メトロニダゾール(1-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-5-ニトロイミダゾール;M.W.171.156g/mol)及びテルコナゾール(シス-1-[p-[[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキソラン-4-イル]メトキシ]フェニル]-4-イソプロピルピペラジン;M.W.532.462g/mol)である。用語「メトロニダゾール」及び「テルコナゾール」は、本明細書中及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、本明細書中で記載されるように使用される場合に治療活性を示す、それらのアナログ及び誘導体をも含む。
【0019】
メトロニダゾール及びテルコナゾールは、両方とも、市販されている化合物である。
【0020】
好適な、生理的に許容可能な増粘剤は、セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムならびにポリアクリル酸ポリマーと架橋したポリアクリル酸ポリマー及びLubrizol Corporation、Cleveland Ohioから名称CARBOPOL 934、CARBOPOL 940、CARBOPOL 950の下で市販されているものなどである。
【0021】
本組成物はまた、任意選択的な、保存料、キレート剤、共溶媒、粘度安定化剤などを含んでもよい。
【0022】
好適な保存料は、パラヒドロキシ安息香酸の低級アルキルエステル、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンなど、安息香酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などである。
【0023】
好適な共溶媒は、二価及び多価のアルコール、例えばプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、1,2,6-ヘキサントリオールなどである。
【0024】
好適な粘度安定化剤は、メチオニンなどである。本発明を実施するゲル様組成物において、メトロニダゾール及びテルコナゾールは、約3~約4、好ましくは約3.5の範囲の、それぞれのモル比で存在する。
【0025】
組成物中に存在するメトロニダゾールの濃度は、上記組成物の重量に基づいて、少なくとも約0.5重量%、好ましくは約0.75重量%~約1重量%の範囲内、及びより好ましくは約0.9重量%である。
【0026】
組成物中に存在するテルコナゾールの濃度は、上記組成物の重量に基づいて、少なくとも約0.4重量%、好ましくは約0.6重量%~約1.2重量%の範囲内、より好ましくは約0.8重量%である。
【0027】
単位用量中に含まれるメトロニダゾールの品質は、一般に、少なくとも約20ミリグラムであり、約100ミリグラム未満である。ゲルビヒクル中のメトロニダゾールの好ましい単位用量は、約20~約60ミリグラムの範囲内、より好ましくは約45ミリグラムである。
【0028】
単位用量中に含まれるテルコナゾールの量は、一般に、少なくとも約16ミリグラムであり、約80ミリグラム未満である。ゲルビヒクル中のテルコナゾールの好ましい単位用量は、約16~約50ミリグラムの範囲内、より好ましくは約40ミリグラムである。
【0029】
以下の表1に示される組成を有する実験的組成物を調製し、単体ゲル及び組み合わせゲルからのメトロニダゾール及びテルコナゾールのバイオアベイラビリティを決定した。これらの実験的ゲルを、混合(同時)BV及びVVCを有する女性を治療するためにも使用した。表1に示した百分率は、重量%である。
【0030】
【0031】
単回用量クロスオーバーバイオアベイラビリティ研究を、上の表1に示した調製物を用いて、健康な女性被験者において実施した。5グラムの各調製物を、膣用アプリケーターに充填し、そして各対象に投与した。各アプリケーターは、45ミリグラムのメトロニダゾール、もしくは40ミリグラムのテルコナゾール、又は45ミリグラムのメトロニダゾール及び40ミリグラムのテルコナゾールに対応する。24人(24)の対象を本研究に登録し、そのうち21人(21)は研究を完了した。対象を、薬物投与の少なくとも12時間前から24時間後まで収容した。その後、対象を、36時間、48時間及び72時間にて研究施設に報告した。対象を、無作為化した計画にしたがって、これらのゲルの各々で治療した。
【0032】
血漿サンプルを、用量投与前は90分間以内(0時間)に、及び投与後は用量投与後最初の12時間は1時間後に開始して1時間間隔で、その後は各研究期間において14時間、16時間、24時間、36時間、48時間及び72時間に、対象から採取した。
【0033】
3回の別個の研究期間を、行った。研究期間の間は、月経に起因する第II研究期間と第III研究期間との間の3例を除き、7日間の休薬期間を保った。これらの3例において、休薬期間は14日間であった。
【0034】
メトロニダゾール+テルコナゾールゲル(T1)及びメトロニダゾール単独ゲル(T2)についての、時間に対する観察された平均メトロニダゾール血漿濃度の直線プロットを、
図1に示す。テルコナゾールの存在下で増強されたメトロニダゾールのバイオアベイラビリティが、明らかに示される。
【0035】
図2は、メトロニダゾール+テルコナゾールゲル(T1)及びテルコナゾール単独ゲル(T3)についての、時間に対する観察された平均テルコナゾール血漿濃度の直線プロットであり、メトロニダゾールの存在下でテルコナゾールのバイオアベイラビリティは増強されなかったことを示す。
【0036】
下の表2及び3は、観察された薬物動態パラメータ―を提示する。
【0037】
【0038】
上記のデータは、メトロニダゾールについての最大血漿濃度(Cmax)及び曲線下面積(AUC)が、メトロニダゾール+テルコナゾールゲルについてずっと大きいことを示す(全てのパラメータ―についてp<0.001)。メトロニダゾールバイオアベイラビリティは、テルコナゾールと一緒の調合によって有意に増強された。
【0039】
【0040】
表3におけるデータは、テルコナゾールのバイオアベイラビリティが、メトロニダゾールの存在によって有意な影響を受けなかったことを示す。
【0041】
本発明を実施する組成物はまた、混合(同時)BV及びVVCを有する女性における細菌性腟炎(BV)感染症の治癒について、メトロニダゾール単独よりも有効である。
【0042】
これらの同じ3つの実験的調合物を、BV及びVVCの両方の診断を確立するために要求される全ての臨床的及び実験室診断基準を満たした女性において試験した。女性に、ゲルを満たした5グラムのアプリケーターを、3日間連続で就寝時に与えた。7~14日目に、BV及びVVCの両方の臨床的治癒について彼女たちを評価した。
【0043】
BV治癒を、異常なおりもの、アミン類についてのKOH臭気試験の陰性及び膣液ウェットマウントの検査における20%以上の手がかり細胞の存在についての陰性の、解決と定義した。BV及びVVCの両方を有するこれらの女性において、メトロニダゾール+テルコナゾール組み合わせは、テルコナゾール単独よりも有意にBVを治癒させ、そしてBVについてメトロニダゾール単独と同等の治癒率を提供することが、予測されていた。しかし、これらの女性についてのBV治癒率は、表4に示すとおり、予期せぬことに、メトロニダゾール単独ゲルを使用した女性と比較して、メトロニダゾール+テルコナゾール組み合わせゲルを使用した女性においての方が高かった。
【0044】
【0045】
VVC治癒を、VVCに起因する全ての症候及び兆候の解決と定義した。BV及びVVCの両方を有するこれらの女性において、メトロニダゾール+テルコナゾール組み合わせは、メトロニダゾール単独よりも有意にVVCを治癒させ、そしてVVCについてテルコナゾール単独と同等の治癒率を提供することが、予測されていた。表5に示されるように、これらの予測は正しかった。
【0046】
【国際調査報告】