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特表2023-531830片下肢のリハビリテーション外骨格装置及びその制御方法
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  • 特表-片下肢のリハビリテーション外骨格装置及びその制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-25
(54)【発明の名称】片下肢のリハビリテーション外骨格装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 3/00 20060101AFI20230718BHJP
   A61H 1/02 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
A61H3/00 B
A61H1/02 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521814
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(85)【翻訳文提出日】2022-12-21
(86)【国際出願番号】 CN2021105892
(87)【国際公開番号】W WO2022012491
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】202010672072.6
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522495429
【氏名又は名称】安杰莱科技(杭州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANGELEXO SCIENTIFIC CO., LTD
【住所又は居所原語表記】13/F, Block B, Xinjie Science & Technology Industry Park 4083 Jianshe 4th Road, Xiaoshan District Hangzhou, Zhejiang 311200 China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】厳 逢輝
(72)【発明者】
【氏名】李 魯亜
(72)【発明者】
【氏名】張 建
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA09
4C046AA25
4C046AA42
4C046AA45
4C046AA49
4C046BB07
4C046CC01
4C046DD02
4C046DD21
4C046DD38
4C046DD39
4C046DD41
4C046EE02
4C046EE07
4C046EE22
4C046EE24
4C046EE32
4C046FF02
4C046FF10
4C046FF27
4C046FF32
(57)【要約】
本発明は、片下肢のリハビリテーション外骨格装置及びその制御方法を提供し、該装置は、コントローラと、コントローラと通信接続する健側下肢部品及び患側下肢部品とを含み、コントローラは、健側下肢部品によって健側下肢の現在の状態を決定し、患側下肢部品によって患側下肢の現在の状態を決定するために使用され、健側下肢部品は、健側下肢が持ち上げ状態にある場合、健側下肢の運動データを収集してコントローラに送信するために使用され、コントローラは、健側下肢の運動データに基づいて、患側下肢部品の対応する歩容データを決定し、歩容データを患側下肢部品に送信するために使用され、患側下肢部品は、健側下肢が支持状態にある場合、歩容データに基づいて、患側下肢が運動するように駆動するために使用される。本発明は、健側下肢の運動を再学習することにより、患者が自発的に歩容を制御するようにし、患者と片下肢のリハビリテーション外骨格装置との間の情報相互作用をサポートし、その結果、個別化された身体のリハビリテーション訓練の解決策を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片下肢のリハビリテーション外骨格装置であって、
コントローラと、
前記コントローラと通信接続する健側下肢部品及び患側下肢部品とを含み、
前記健側下肢部品は、患者の健側下肢に取り付けられ、前記患側下肢部品は、患者の患側下肢に取り付けられ、
前記コントローラは、前記健側下肢部品によって前記健側下肢の状態データを収集し、前記コントローラは、前記健側下肢の前記状態データに基づいて前記患側下肢部品を制御する、片下肢のリハビリテーション外骨格装置。
【請求項2】
前記状態データは、運動データを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記健側下肢部品及び前記患側下肢部品により、前記健側下肢及び前記患側下肢の現在の状態データをそれぞれ収集する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記現在の状態データは、持ち上げ状態又は支持状態を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記健側下肢部品は、前記健側下肢が前記持ち上げ状態にある場合、前記健側下肢の運動データを収集し、前記運動データを前記コントローラに送信するために使用され、前記コントローラは、前記健側下肢の前記運動データに基づいて、前記患側下肢部品の対応する歩容データを決定し、前記患側下肢の運動を制御する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記運動データは、健側足首関節の角度値、健側膝関節の角度値、健側股関節の角度値、及び健側足底の圧力値のうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記運動データは、健側足首関節の角度値、健側膝関節の角度値、健側股関節の角度値、及び健側足底の圧力値のうちの1つ以上を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記歩容データは、歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ、歩行の歩数、患側足首の角度値、患側膝の角度値、患側股の角度値、及び健側足底の圧力値のうちの1つ以上を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記運動データは、歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ、歩行の歩数、患側足首の角度値、患側膝の角度値、患側股の角度値、及び健側足底の圧力値のうちの1つ以上を含む前記歩容データを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記患側下肢部品は、前記健側下肢が前記支持状態にある場合、前記歩容データに基づいて、前記患側下肢が運動するように駆動するために使用される、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
前記健側下肢部品は、足首関節センサー、膝関節センサー、及び股関節センサーのうちの1つ以上を含み、前記足首関節センサーは、患者の健側足首関節の角度値を収集するために使用され、前記膝関節センサーは、患者の健側膝関節の角度値を収集するために使用され、前記股関節センサーは、患者の健側股関節の角度値を収集するために使用される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記運動データは、前記健側足底の圧力値を更に含み、前記健側下肢部品は、それぞれが前記健側足底の圧力値を収集するための1つ以上の圧力センサーを更に含み、前記コントローラは、前記健側足底の圧力値に基づいて、前記健側下肢の現在の状態を決定するために更に使用される、請求項2に記載の装置。
【請求項13】
前記患側下肢部品は、患者の前記患側足底の圧力値を収集するための1つ以上の患側圧力センサーを更に含み、前記コントローラは、患側足底の圧力に基づいて、前記患側下肢の現在の状態を決定するために更に使用される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記患側下肢部品は、患者の前記健側足底の圧力値を収集するための1つ以上の患側圧力センサーを更に含み、前記コントローラは、前記患側足底の圧力に基づいて、前記患側下肢の現在の状態を決定するためにも使用される、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記患側下肢部品は、前記患側足首関節、前記患側膝関節及び前記患側股関節用の1つ以上の関節駆動モータを含み、前記関節駆動モータは、前記歩容データに基づく前記関節の角度値に基づいて、前記患側下肢の対応する関節の運動を制御するために使用される、請求項5に記載の装置。
【請求項16】
前記患側下肢部品は、前記関節駆動モータに接続された対応する関節給電装置及び対応する関節電源ボタンを含み、前記関節給電装置は、患側の前記対応する関節駆動モータに給電するために使用され、前記関節電源ボタンは、操作上の必要性に応じて、前記対応する関節給電装置のオンオフ状態を変更するために使用される、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記健側下肢部品及び前記患側下肢部品の両方は、固定ユニットを含み、前記健側下肢部品における前記固定ユニットは、前記健側下肢部品を患者の前記健側下肢に取り付けるために使用される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記患側下肢部品における前記固定ユニットは、前記患側下肢部品を患者の前記患側下肢に取り付けるために使用される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記装置は、前記健側下肢部品によって送信されたデータを記憶するための記憶ユニットを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記装置は、液晶タッチスクリーン、電源インジケータ及び動作インジケータを含む表示部品を更に含み、
前記液晶タッチスクリーンは、前記運動データ及び前記歩容データを表示するために使用され、
前記電源インジケータは、前記関節給電装置の消費電力を示すために使用され、
前記動作インジケータは、前記片下肢のリハビリテーション外骨格装置の動作状態を示すために使用される、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2020年7月13日に出願された第202010672072号の中国特許出願の優先権を主張し、それらは全て参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、リハビリテーション外骨格の技術分野に関し、特に片下肢のリハビリテーション外骨格装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
リハビリテーション外骨格は、ウェアラブルなリハビリテーション装置である。現在、リハビリテーション外骨格は、通常、患者の両下肢の運動を制御することにより、患者の身体のリハビリテーション訓練を行う。例えば、患者は、コントローラを上肢で操作するか、予めプログラムされたオプションを選択することにより、下肢の運動を開始する。しかし、従来のリハビリテーション外骨格は、患者の歩行歩容の再学習を提供せず、患者が自発的に運動を制御することもできず、更に、患者との情報相互作用が欠如し、その結果、個別化された身体のリハビリテーション訓練を実現できない。
【発明の概要】
【0004】
従って、本発明の目的は、患者の自発的な歩行制御をより適切にサポートし、患者と片下肢のリハビリテーション外骨格装置との間の情報相互作用を組み込むこともできるため、個別化された身体のリハビリテーション訓練をサポートする片下肢のリハビリテーション外骨格装置及びその制御方法を提供することである。
【0005】
第1態様では、本発明の実施形態は、片下肢のリハビリテーション外骨格装置を提供し、該装置は、コントローラと、コントローラと通信接続する健側下肢部品及び患側下肢部品とを含み、ここで、健側下肢部品は、患者の健側下肢に取り付けるために使用され、患側下肢部品は、患者の患側下肢に取り付けるために使用され、
【0006】
コントローラは、健側下肢部品によって健側下肢の現在の状態を決定し、患側下肢部品によって患側下肢の現在の状態を決定するために使用され、
【0007】
健側下肢部品は、健側下肢の状態データを収集し、その状態データをコントローラに送信するために使用され、
【0008】
コントローラは、健側下肢の状態データに基づいて、患側下肢部品の対応する状態データを決定し、その状態データを患側下肢部品に送信し、患側下肢の状態を制御するために使用される。
【0009】
本明細書に記載の健側下肢は、大腿部、下腿、足及び以上の各部分を接続する、関節などの片下肢全体の各部分であり得、この関節は、健側下肢全体を構成する足首関節、膝関節及び股関節などであり得る。当然ながら、それは、大腿部、下腿、及び大腿部と下腿を接続する膝関節などの健側下肢構造の一部であり得る。
【0010】
選択可能では、健側下肢の複数の運動パラメータ又は状態データは、患側下肢が運動又は歩行し得、又は患側下肢が患側下肢部品によって駆動され得、両下肢の運動がより協調し得るように、患側下肢の運動又は状態を制御するために使用され得る。このように、患側下肢のリハビリテーション訓練の目的を達成することができる。健側下肢及び患側下肢の概念は、相対的なものである。一般に、健側下肢は、独立して歩行することができるが、患側下肢は麻痺しており、特別な助けなしでは歩行することができない。当然ながら、いくつかの実施形態では、健側下肢に取り付けられる健側下肢部品は、健側下肢の状態又は運動データを収集し、その部品によって収集されたデータをコントローラに送信する。一般に、コントローラは、その部品から情報を収集することもでき、コントローラは、収集された情報を使用し、患側下肢の運動を制御する。他の実施形態では、機械的部品も患側下肢に取り付けられ、その部品は、コントローラによって制御され、又はその部品は、コントローラによって送信された歩容データを受信し、患側下肢が運動するように駆動する。患側下肢部品の運動は、患側下肢の運動を駆動する。選択可能では、コントローラは、支持、立ち上がり、持ち上げ、歩行などの現れを含む状態データなど、健側下肢及び患側下肢の両方からのデータを収集することができる。
【0011】
状態データは、立ち上がり、持ち上げ及び歩行の状態と、健側下肢の歩行周期を完了するために持ち上げから地面に近づくまでの処理データとを含むことが理解できる。それらの処理又は運動パラメータは、コントローラによって収集、決定及び計算され、また、患側下肢に取り付けられる患側下肢部品が運動するように誘導又は制御し、患側下肢の運動を駆動するために使用される。
【0012】
当然ながら、コントローラは、自己調整又は自己学習の機能を持つこともできる。例えば、異なる患者は、異なる歩行習慣を有する。本発明の機械的部品を使用する場合、コントローラにより、健側下肢の歩行習慣を解釈する状態又はパラメータを収集して再学習することができる。データの収集、分析、再学習プロセスを数回繰り返すことにより、健側下肢の運動データを取得でき、当然ながら、それは、リアルタイムで実行できる。なお、コントローラは、患側下肢の歩容データに基づいて患側下肢の運動を制御又は補正することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、状態は、持ち上げ状態又は支持状態を含む。理解すべきものとして、本明細書に記載の状態は、歩行状態又は立ち上がり状態を更に含む。状態データは、立ち上がり、支持、持ち上げ又は歩行の歩容データを含む。状態データは、健側下肢部品から取得することができる。当然ながら、コントローラは、分析及び計算のために健側下肢の状態データを取得し、健側下肢の状態データに基づいて患側下肢部品の状態を制御し、その結果、患側下肢が運動するように駆動し、又は支持、持ち上げ、歩行などの状態を制御するための患側下肢の歩容データなどの患側下肢の状態を制御する。
【0014】
いくつかの実施形態では、健側下肢が立ち上がり又は支持状態にある場合、健側下肢の現在の状態データは、健側下肢部品によって収集され、コントローラに送信される。コントローラは、健側下肢部品の状態データを受信し、立ち上がり又は支持などの状態データを患側下肢部品に送信することにより、患側下肢の状態を制御する。
【0015】
いくつかの実施形態では、状態は、持ち上げ及び歩行状態の歩容データを更に含み得る。簡単に言えば、状態データは、歩行中の健側下肢の各関節の運動軌跡又は回転値を含み、例えば、持ち上げ状態の状態データは、持ち上げの高さを含み得、運動データは、各関節の回転値の変化及び各関節の揺動振幅などを含み得る。データは、健側下肢部品によって収集され、コントローラに送信される。コントローラは、計算又は決定により、歩容状態又はデータを患側下肢部品に送信し、患側下肢部品の歩容状態又はデータを制御し、その結果、患側下肢の歩容を制御する。
【0016】
いくつかの実施形態では、コントローラは、健側下肢のデータを取得し、計算によってデータを患側下肢部品に送信し、患側下肢の運動を制御する。理解すべきものとして、患側下肢部品によって患側下肢の運動を制御するための計算を行わなければ、健側下肢の一部のデータを患側下肢に直接送信することができない。
【0017】
いくつかの実施形態では、健側下肢の運動データは、歩容データを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、コントローラは、健側下肢の運動データに基づいて、患側下肢部品の対応する歩容データを決定し、その歩容データを患側下肢部品に送信し、患側下肢の歩容を制御するために使用される。
【0019】
いくつかの実施形態では、歩容データは、歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ、歩行の歩数、患側足首の角度値、患側膝の角度値、及び患側股の角度値のうちの1つ以上を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、患側下肢部品は、健側下肢が支持状態にある場合、歩容データに基づいて、患側下肢が運動するように駆動するために使用される。本明細書に記載の歩容データは、健側下肢のデータに基づいてコントローラによって計算される。
【0021】
いくつかの実施形態では、健側下肢部品は、健側足首関節センサー、健側膝関節センサー及び健側股関節センサーを含み、健側足首関節センサーは、患者の健側足首関節の角度値を収集するために使用され、健側膝関節センサーは、患者の健側膝関節の角度値を収集するために使用され、健側股関節センサーは、患者の健側股関節の角度値を収集するために使用される。
【0022】
いくつかの実施形態では、運動データは、健側足底の圧力値を更に含み、健側下肢部品は、それぞれが健側足底の圧力値を収集するための複数の健側圧力センサーを更に含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、健側足底の圧力値に基づいて、健側下肢の現在の状態を決定するために更に使用される。
【0023】
いくつかの実施形態では、状態データは、患側下肢の足底の圧力値を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、患側下肢部品は、患者の患側足底の圧力値を収集するための1つ以上の圧力センサーを更に含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、コントローラは、患側足底の圧力値に基づいて、患側下肢の現在の状態を決定するために更に使用される。このように、患側下肢の状態をよりよく取得することができ、更に、コントローラは、患側下肢をよりよく制御することができる。
【0026】
一実施形態では、患側下肢部品は、患側足首関節、患側膝関節及び患側股関節用の1つ以上の関節駆動モータを含み、関節駆動モータのそれぞれは、コントローラによって決定された歩容データに基づいて、患側下肢の対応する関節の運動を所望の関節の角度値に制御するために使用される。
【0027】
一実施形態では、患側下肢部品は、関節駆動モータに接続された対応する関節給電装置及び対応する関節電源ボタンを含み、関節給電装置は、患側の対応する関節駆動モータに給電するために使用され、関節電源ボタンは、操作上の必要性に応じて、対応する関節給電装置のオンオフ状態を変更するために使用される。
【0028】
一実施形態では、健側下肢部品及び患側下肢部品はそれぞれ固定ユニットを含み、健側下肢部品における固定ユニットは、健側下肢部品を健側下肢に取り付けるために使用され、患側下肢部品における固定ユニットは、患側下肢部品を患側下肢に取り付けるために使用される。
【0029】
一実施形態では、装置は、記憶ユニットを更に含む。
【0030】
一実施形態では、装置は、液晶タッチスクリーン、電源インジケータ及び動作インジケータで構成される表示部品を更に含み、液晶タッチスクリーンは、運動データ及び歩容データを表示するために使用され、電源インジケータは、関節給電装置の消費電力を示すために使用され、動作インジケータは、片下肢のリハビリテーション外骨格装置の動作状態を示すために使用される。
【0031】
第2態様では、本発明の実施形態は、片下肢のリハビリテーション外骨格装置の制御方法を更に提供し、該方法は、健側下肢部品を使用することにより、健側下肢の状態データを決定し、患側下肢部品を使用することにより、患側下肢の状態データを決定するステップと、健側下肢部品の現在の状態データを使用することにより、患側下肢部品を制御し、その結果、患者の患側下肢の状態を制御するステップとを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、状態は、現在の状態データ又は運動データを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、現在の状態は、持ち上げ状態又は支持状態を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、健側下肢部品は、健側下肢の現在の状態を決定するために使用され、患側下肢部品を使用することにより、患側下肢の現在の状態を決定する。
【0035】
いくつかの実施形態では、健側下肢が持ち上げ状態にある場合、健側下肢部品の運動データを取得し、健側下肢部品が支持状態にある場合、歩容データを患側下肢部品に送信し、歩容データに基づいて患側下肢が運動するように駆動する。
【0036】
いくつかの実施形態では、運動データは、健側足首の角度値、健側膝の角度値及び健側股の角度値のうちの1つ以上を含み、健側下肢の運動データに基づいて患側下肢部品の対応する歩容データを決定し、ここで、歩容データは、歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ、歩行の歩数、患側足首の角度値、患側膝の角度値及び患側股の角度値のうちの1つ状を含む。
【0037】
一実施形態では、健側下肢の運動データに基づいて、患側下肢部品の対応する歩容データを決定し、例えば、健側股関節の角度値、健側膝関節の角度値及び健側足首関節の角度値に基づいて、患者の歩行の歩幅や足上げ高さなどの歩容データを決定し、健側下肢が持ち上げ状態にある場合、時間の長さに基づいて、患者の歩行の歩数を決定し、歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ、歩行の歩数を含む、健側下肢の運動データによって決定される患者の歩容データに基づいて、歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ、歩行の歩数を含む患側下肢部品の対応する歩容データを決定し、歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ、歩行の歩数を含む、健側下肢の運動データによって決定される患者の歩容データに基づいて、患側足首関節の角度値、患側膝関節の角度値及び患側股関節の角度値を含む患側下肢部品の対応する歩容データを決定し、又は、健側足首関節の角度値に基づいて患側足首の角度値を決定し、健側膝関節の角度値に基づいて患側膝の角度値を決定し、健側股関節の角度値に基づいて患側股の角度値を決定する。
【0038】
本発明は、一実施形態として、片下肢のリハビリテーション外骨格装置及び制御方法を提供し、該装置は、コントローラと、コントローラと通信接続する健側下肢部品及び患側下肢部品とを含み、健側下肢部品は、健側下肢に取り付けるために使用され、患側下肢部品は、患側下肢に取り付けるために使用され、コントローラは、健側下肢部品によって健側下肢の現在の状態を決定し、患側下肢部品によって患側下肢の現在の状態を決定するために使用され、現在の状態は、持ち上げ状態又は支持状態を含み、健側下肢部品は、健側下肢が持ち上げ状態にある場合、健側下肢の運動データを収集し、その運動データをコントローラに送信するために使用され、状態データは、足首の角度値、膝の角度値及び股の角度値のうちの1つ以上を含み、コントローラは、健側下肢の運動データに基づいて、患側下肢部品の歩容データを決定し、その歩容データを患側下肢部品に送信するために使用され、歩容データは、歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ、歩行の歩数、患側足首の角度値、患側膝の角度値及び患側股の角度値のうちの1つ以上を含み、患側下肢部品は、健側下肢が支持状態にある場合、歩容データに基づいて、患側下肢が運動するように駆動するために使用される。健側下肢が持ち上げ状態にある場合、上記の装置は、健側下肢部品によって健側下肢の運動データを収集し、運動データに基づいてコントローラによって患側下肢の歩容データを決定し、その結果、歩容データに基づいて、患側下肢部品によって患者の患側下肢を制御し、患者の自発的な歩容制御をよりよく実現し、患者と片下肢のリハビリテーション外骨格装置との情報相互作用を実現し、患者自身の運動データに基づいて、個別化された身体のリハビリテーション訓練を実現することができる。
【0039】
本発明の他の特徴及び利点は、明細書において後で説明され、その一部は、説明から明らかになり、又は本発明の実装を通じて理解される。本発明の目的及び利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面で特に指摘された構造によって実現及び取得することができる。
本発明の前述の目的、特徴及び利点をより明らかにし、理解しやすくするために、以下では、添付の図面と組み合わせて好ましい実施形態を記述し、その詳細は、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明の特定の実施形態又は先行技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、従来技術の説明に必要な特定の実施形態又は図面を簡単に紹介する。明らかに、以下では説明する図面は本発明のいくつかの実施形態である。当業者は、創造的な努力なしでこれらの図面から他の図面を取得することもでる。
【0041】
図1】本発明の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置の構造概略図である。
図2】本発明の一実施形態によって提供される患者の下肢の概略図である。
図3】本発明の実施形態によって提供される別の片下肢のリハビリテーション外骨格装置の構造概略図である。
図4】本発明の一実施形態によって提供される圧力センサーのレイアウト図である。
図5】本発明の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置のフレーム図である。
図6】本発明の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置の制御方法の流れ図である。
図7】本発明の実施形態によって提供される運動学的解の図である。
図8】本発明の一実施形態によって提供される別の運動学的解の図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の実施形態の目的、技術的解決手段、及び利点をより明確にするために、本発明の技術的解決手段を実施形態と組み合わせて明確で完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本発明の実施形態の一部に過ぎず、それらの全てではない。本発明の実施形態に基づいて、当業者が創造的な努力なしで得えられた他の全ての実施形態は、本発明の保護範囲に属する。
【0043】
現在、従来のリハビリテーション外骨格ロボット製品は、リアルタイムの歩容再学習機能を提供せず、例えば、患者の下肢は外骨格によって完全に制御され、下肢の運動は外骨格の予めプログラムされた手順によって制御される。この訓練方法は、患者に歩行と再学習の感覚を提供しない場合があり、更に、不快な機械的歩容制御は、患者にとって受け入れがたいものである。リハビリテーション訓練の実践では、この訓練方法により、患者は、練習制御が困難になり、足が不自由になり、転倒のリスクさえも経験する可能性があり、更に、健側下肢の運動もロボットプログラムによって制御されるため、片麻痺患者の身体のリハビリテーションは生理学的及び心理的に損なわれる。前述のように、本発明の実装は、片下肢のリハビリテーション外骨格装置及びその制御方法を提供し、該装置は、患者の自発的な歩容制御、及び患者と片下肢のリハビリテーション外骨格装置との間の情報相互作用をよりよく実現できるため、個別化された身体のリハビリテーション訓練の解決策を提供する。
【0044】
実施形態への理解を容易にするために、最初に、本発明の実施形態で開示される片下肢のリハビリテーション外骨格装置について詳細に説明する。図1の片下肢のリハビリテーション外骨格装置の構造概略図に示すように、装置は、コントローラ100と、コントローラ100と通信接続する健側下肢部品200及び患側下肢部品300とを含み、ここで、健側下肢部品200は、患者の健側下肢に取り付けるために使用され、患側下肢部品300は、患者の患側下肢に取り付けるために使用される。
【0045】
いくつかの実施形態では、コントローラは、健側下肢部品によって健側下肢の現在の状態データを確立又は収集し、患側下肢部品によって患側下肢の現在の状態データを決定するために使用され、例えば、現在の状態は、持ち上げ状態又は支持状態を含む。一実施形態では、健側下肢部品によって健側足底の圧力値を収集し、その健側足底の圧力値に基づいて健側下肢の現在の状態を決定することができる。同様に、患側下肢部品によって患側足底の圧力値を収集し、その患側足底の圧力値に基づいて患側下肢の現在の状態を決定することができる。このように、健側下肢及び患側下肢の両方の現在の状態を決定し、次のステップの準備をすることができ、また、健側下肢及び患側下肢の両方の初期状態を調整し、患者を最適な状態にさせることができる。足底圧力センサーは、持ち上げ状態又は支持状態を検出することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、健側下肢部品は、健側下肢が持ち上げ状態にある場合、健側下肢の運動データなどの状態データを収集し、その運動データをコントローラに送信するために使用される。運動データは、健側足首の角度値、健側膝の角度値、健側股の角度値及び健側足底の圧力値のうちの1つ以上を含み得る。一実施形態では、健側下肢部品は、複数の角度センサーを含み得、各角度センサーは、患者の健側足首関節の角度値、健側膝関節の角度値及び健側股関節の角度値を収集するために、患者の健側足首関節、健側膝関節及び健側股関節にそれぞれ設けられる。
【0047】
コントローラは、健側下肢の運動データに基づいて、患側下肢部品の歩容データなどの対応する状態データを決定し、その歩容データを患側下肢部品に送信するために使用される。ここで、歩容データは、歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ、歩行の歩数、患側足首の角度値、患側膝の角度値、及び患側股の角度値のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、健側股関節の角度値、健側膝関節の角度値及び健側足首関節の角度値に基づいて、患者の歩行の歩幅、歩行の足上げ高さを決定することができる。一実施形態では、健側下肢が持ち上げ状態にある場合、時間の長さに基づいて、患者の歩行の歩数を決定することができる。健側下肢の運動によって決定される運動データ(歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ及び歩行の歩数を含む)に基づいて、患側下肢部品の対応する歩容データ(歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ及び歩行の歩数を含む)を決定する。なお、いくつかの実施形態では、健側下肢の運動によって決定される患者の歩容データ(歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ及び歩行の歩数を含む)に基づいて、患側足首の角度値、患側膝の角度値及び患側股の角度値などの患側下肢部品の対応する歩容データを決定することができ、健側足首関節の角度値に基づいて、患側足首関節の角度値を決定することができ、健側膝関節の角度値に基づいて、患側膝関節の角度値を決定することができ、健側股関節の角度値に基づいて、患側股関節の角度値を決定することができる。特定の実装では、実際の状況に応じて、上記の2つの解決手段の1つを選択し、患側足首関節の角度値、患側膝関節の角度値、及び患側股関節の角度値を計算することができる。
【0048】
患側下肢部品は、健側下肢が支持状態にある場合、歩容データに基づいて、患側下肢が運動するように駆動するために使用される。一実施形態では、患側下肢部品は、複数の関節駆動モータを含み得、各関節駆動モータは、歩容データに基づいて患者の患側足首関節、患側膝関節及び患側股関節が運動するように駆動するために、患者の患側足首関節、患側膝関節及び患側股関節にそれぞれ配置される。健側下肢の状態データに基づいて、コントローラは、足首関節、膝関節、股関節で構成される患側下肢部品におけるそれらの関節駆動モータが患側下肢の運動を駆動するように制御する。
【0049】
本発明の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置は、健側下肢が持ち上げ状態にある場合、健側下肢部品によって健側下肢の運動データを収集し、その運動データに基づいてコントローラによって患側下肢の歩容データを決定し、そのため、患側下肢部品は、歩容データに基づいて患側下肢の運動を制御し、患者の自発的な歩容制御、及び患者と片下肢のリハビリテーション外骨格装置との情報相互作用をよりよく実現し、その結果、患者の運動データに基づいて、個別化された身体のリハビリテーション訓練の解決策を提供することができる。
【0050】
上記の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置に基づいて、本発明の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置の健側下肢部品は、健側足首関節センサー、健側膝関節センサー、健側股関節センサー及び複数の圧力センサーを更に含み、患側下肢部品は、患側足首関節駆動モータ、患側膝関節駆動モータ、患側股関節駆動モータ及び複数の圧力センサーを更に含む。なお、健側下肢部品及び患側下肢部品は、複数の包帯を含む固定ユニットを更に含む。
【0051】
ここで、健側足首関節センサーは、健側足首関節の角度値を収集するために使用され、健側膝関節センサーは、健側膝関節の角度値を収集するために使用され、健側股関節センサーは、健側股関節の角度値を収集するために使用され、各健側圧力センサーは、健側足底の圧力値を収集するために使用される。
【0052】
患側関節駆動モータは、歩容データに基づいて、患側下肢の対応する関節の運動を所望の患側関節の角度値に制御するために使用される。特に、患側足首関節駆動モータは、歩容データに基づいて、患側下肢の足首関節の運動を所望の患側足首関節の角度値に制御するために使用され、患側膝関節駆動モータは、歩容データに基づいて、患側下肢の膝関節の運動を所望の患側膝関節の角度値に制御するために使用され、患側股関節駆動モータは、歩容データに基づいて、患側下肢の股関節の運動を所望の患側股関節の角度値に制御するために使用され、各患側圧力センサーは、患者の患側足底の圧力値を収集するために使用される。
【0053】
なお、コントローラは、健側足底の圧力値に基づいて健側下肢の現在の状態を決定し、患側足底の圧力値に基づいて患側下肢の現在の状態を決定するために更に使用される。
【0054】
上記の実施形態への理解を容易にするために、本発明の実装は、図2に示される患者の下肢の概略図を提供し、患者の健側における健側下肢13-1、患側における患側下肢13-2を例示的にマークする。本発明の実施形態は、片下肢のリハビリテーション外骨格装置を更に説明するために、健側下肢13-1を一例として使用する。図3の片下肢のリハビリテーション外骨格装置の構造概略図に示すように、ベルト1は、コントローラ100と股関節角度センサー(即ち、健側股関節センサー11)の一端を患者の腰の適切な位置に取り付けるために使用され、股関節角度センサーの他端は、腰に近い大腿部支持機構に配置され、股関節角度センサーは、股関節の回転中心付近に配置され、膝関節角度センサー(即ち、健側膝関節センサー9)の一端は、足底に近い大腿部支持機構の他端に配置され、他端は、腰に近い下腿支持機構に固定され、膝関節角度センサーは、膝関節の回転中心付近に配置され、足首関節角度センサー(即ち、健側足首関節センサー7)の一端は、足底に近い下腿支持機構の他端に固定され、他端は、足底支持機構に固定され、足首関節角度センサーは、足首関節の回転中心付近に配置される。なお、図3は、健側下肢部品を患者の健側下肢に取り付けるための大腿部固定包帯2、下腿固定包帯3及び足首固定包帯4を含む健側下肢部品を有する固定ユニットを更に示す。更に、図3に示すように、健側下肢部品は、足底支持機構6、下腿支持機構8、大腿部支持機構8及び他の支持部材を更に含む。
【0055】
患側下肢部品の固定ユニットは、患側下肢部品を患者の患側下肢に取り付けるための大腿部固定包帯、下腿固定包帯及び足首固定包帯を更に含むことも注目される。なお、患側下肢部品は、足底支持機構、下腿支持機構及び大腿部支持機構を更に含む。
【0056】
患者が必ずしもコントローラを携帯する必要がないことは理解され得る。無線伝送を使用すると、代わりにコントローラをリモートで操作できる。データ伝送は、5Gネットワークなどの無線通信の形で行われる。
【0057】
なお、本発明の実施形態は、圧力センサーの構造概略図を提供する。図4に示すように、例示的には、健側下肢部品は、3つの健側圧力センサーを含み、それらは、第1健側圧力センサー5.1、第2健側圧力センサー5.2及び第3健側圧力センサー5.3を含む圧力センサーアレイ5を構成する。第1健側圧力センサー5.1、第2健側圧力センサー5.2及び第3健側圧力センサー5.3はそれぞれ足底の左前、右前及び踵に配置される。
【0058】
実用的な応用の分野では、第1健側圧力センサー5.1、第2健側圧力センサー5.2及び第3健側圧力センサー5.3、足首角度センサー、膝角度センサー及び股角度センサーは、データ回線又は無線手段によって運動データをコントローラに伝送する。
【0059】
上記の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置に基づいて、本発明の実施形態は、図5の片下肢のリハビリテーション外骨格装置のフレーム概略図を提供する。片下肢のリハビリテーション外骨格装置は、マイクロコントローラ(例えば、コントローラ)、センサーモジュール、駆動モータモジュール、設定・表示モジュール、電源管理モジュール、制御モジュール、安全保護モジュール、フラッシュモジュール及びUSB通信モジュールを含む。
【0060】
一実装では、マイクロコントローラ(MCU)は、ARM Cortex-M4コアに基づくSTM32f429チップを採用することができる。STM32f429チップには浮動小数点ユニット(FPU)とデジタル信号処理(DSP)ライブラリがあるため、アルゴリズム演算をより適切に実行し、低消費電力と高い計算能力の要件を満たすことができる。
【0061】
一実装では、設定・表示モジュール(即ち、表示部品)は、液晶タッチスクリーン、電源インジケータ、及び状態インジケータを含む。液晶タッチスクリーンは、運動データ及び歩容データを設定して表示するために使用され、電源インジケータは、関節給電装置の消費電力を示すために使用され、それは、例えば、足首給電装置、膝給電装置及び股給電装置の電力をそれぞれ示し、動作インジケータは、片下肢のリハビリテーション外骨格装置の動作状態を示すために使用される。ここで、電源インジケータ及び動作状態インジケータは、赤緑の二色発光ダイオード(LED)である。赤緑の二色LEDを同時にオンにすると、黄色で表示する。電源オン状態では、電源インジケータは、電力が10%未満の場合、赤色になり、電力が10%を超える場合、緑色になり、片下肢のリハビリテーション外骨格装置が充電されると、電力インジケータは、電力が10%未満の場合、赤色になり、電力が10%を超える場合、黄色になり、電力が満タンの場合、緑色になる。動作状態インジケータは、片下肢のリハビリテーション外骨格装置の歩容再学習過程(例えば、正常動作モード)では緑色、回路限界に達する場合、緊急停止スイッチを押す場合などは赤色になる。LCDタッチスクリーンは、主に大腿部の長さ、下腿の長さ、患側下肢の初期歩容特性パラメータを設定するために使用される。なお、LCDタッチスクリーンは、特定のエラー状態、機器モデル、ソフトウェアバージョンなども表示するため、システム障害が発生した場合の故障点検を容易にする。
【0062】
一実施形態では、駆動モータモジュールは、患側下肢部品の足首関節、膝関節及び股関節にそれぞれ取り付けられる、患側足首関節、患側膝関節及び患側股関節の駆動モータを含む。歩容再学習アルゴリズムに基づいて関節角度を正確に制御でき、絶対角度フィードバック、現在のフィードバック、ソフトウェア安全設定などの機能を持っている。
【0063】
一実施形態では、電源管理モジュールは、電池充電管理チップや充電保護回路などを含み、充電専用の充電器が必要である。患側下肢部品は、患側における関節駆動モータに接続された対応する関節給電装置及び対応する関節電源ボタンを含み、関節給電装置は、患側の対応する関節駆動モータに給電するために使用され、関節電源ボタンは、操作上の必要性に応じて、対応する関節給電装置のオンオフ状態を変更するために使用される。特に、患側膝関節駆動モータ及び患側股関節駆動モータを例にとると、患側膝関節駆動モータに膝関節給電装置は、患側膝関節駆動モータに給電するために使用され、患側股関節駆動モータに股関節給電装置は、患側股関節駆動モータに給電するために使用され、MCUは、膝関節救援装置及び股関節給電装置の現在の電力及び充電状態を収集することができる。特に、上記の給電装置はリチウム電池を採用できる。
【0064】
一実施形態では、安全保護モジュールは主に、機械的限界、ハードウェア回路限界、ソフトウェア限界、緊急停止スイッチ及び他の安全保護手段で構成され、ここで、機械的限界は、主に患側下肢部品に構造的限界を配置することによって実現され得、ハードウェア回路限界は、切り替え回路の取り付けによって実現され得る。患側下肢部品は、患側膝関節駆動モータに接続される膝関節電源ボタンを更に含み、膝関節電源ボタンは、操作上の必要性に応じて、膝関節給電装置のオンオフ状態を変更するために使用される。患側下肢部品は、患側股関節駆動モータに接続される股関節電源ボタンを更に含み、股関節電源ボタンは、操作上の必要性に応じて、股関節給電装置のオンオフ状態を変更するために使用される。特定の実装では、ハードウェア回路限界は、関節伝送機構で切り替え回路を取り付けることにより、駆動モータの給電装置を遮断することができる。MCUは切り替え回路のオンオフ状態のみを検出できるが、それを制御できず、ソフトウェア限界は、患側股関節及び患側膝関節の角度値が歩容アルゴリズムによって解決された後、角度の運動を制限することであり、緊急停止スイッチは、駆動モータの給電装置を直接遮断することもでき、MCUは、緊急停止スイッチのオンオフ状態のみを検出できる。
【0065】
一実施形態では、センサーモジュールは、2つの絶対位置検出器及び2つの圧力センサーを含み得る。例えば、2つの絶対位置検出器は、健側下肢の歩容軌跡をリアルタイムに収集するために、健側下肢の股関節及び膝関節にそれぞれ取り付けられ、2つの圧力センサーは、患者のバランスが取れるかどうかを決定するために、健側下肢及び患側下肢の足底にそれぞれ取り付けられる。圧力センサーのフィードバックデータも歩容アルゴリズムに統合される。
【0066】
一実施形態では、フラッシュモジュール(即ち、記憶ユニット)は、大腿部の長さ、下腿の長さ及び初期歩容特性パラメータなどの患側下肢の基本情報を記憶し、患者及び製品日誌の累積歩容特性パラメータも記録する。
【0067】
一実施形態では、USB(Universal Serial Bus)モジュールは、様々なパラメータを設定、患者の歩容特性を取得及び製品日誌をクエリするために使用される。
【0068】
本発明の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置は、歩行の快適性を高め、リハビリテーション訓練中の個人差によって引き起こされる調整の問題を解決するように、個々の患者自身の健側下肢から関連データを収集することにより、患者の患側下肢のリハビリテーション訓練を制御するために使用され、その結果、個別化されたリハビリテーション治療の目的を達成する。
【0069】
上記の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置に基づいて、本発明の実施形態は、上記の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置に適用する片下肢のリハビリテーション外骨格装置の制御方法を提供する。図6の片下肢のリハビリテーション外骨格装置の制御方法の流れ図に示すように、この方法は主に以下のステップS602~S608を含み、
【0070】
ステップS602では、健側下肢部品を使用することによって健側下肢の現在の状態を決定し、患側下肢部品は、患者の患側下肢の現在の状態を決定するために使用され、ここで、現在の状態は、持ち上げ状態又は支持状態を含む。一実施形態では、健側下肢部品における圧力センサーによって収集された足底の圧力値に基づいて、健側下肢の現在の状態を決定することができる。具体的には、固くて平らな地面での歩行周期では、患側下肢がじっと立ち上がる場合、健側下肢が前に進み、健側足の踵がゆっくりと地面に触れ、圧力P3iは、健側足の踵に配置される第3圧力センサー5.3で徐々に増加する。健側足の裏が地面に近づいている場合、健側足の下の第1圧力センサー5.1及び第2圧力センサー5.2は、P1i及びP2iの増やす圧力を検出する。P1i+P2i+P3iが体重の1/2よりも大きく、患者の全体重Gに近い場合は、健側下肢が支持状態にあり、患者の重心が移動し始め、健側下肢が徐々に全体重を支えることを示す。この時点で、患側下肢部品は運動し始めることができる。P1i+P2i+P3iがG/2よりも小さい場合、患者の健側下肢は持ち上げ状態にある。
【0071】
ステップS604では、健側下肢が持ち上げ状態にある場合、健側下肢部品によって収集される健側下肢の運動データを受信し、ここで、運動データは、健側足首関節の角度値、健側膝関節の角度値及び健側股関節の角度値のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、健側足首関節センサーは、健側足首関節の角度値を収集することができ、健側膝関節センサーは、健側膝関節の角度値を収集することができ、健側股関節センサーは、健側股関節の角度値を収集することができる。
【0072】
ステップS606では、健側下肢の運動データに基づいて患側下肢部品の対応する歩容データを決定し、ここで、歩容データは、歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ、歩行の歩数、患側足首の角度値、患側膝の角度値、及び患側股の角度値のうちの1つ以上を含む。一実施形態では、健側股関節の角度値、健側膝関節の角度値及び健側足首関節の角度値に基づいて患者の歩行の歩幅、歩行の足上げ高さを決定し、健側下肢が持ち上げ状態にある場合、時間の長さに基づいて歩行の歩数を決定し、健側下肢の運動によって決定される運動データ(歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ及び歩行の歩数を含む)に基づいて、患側下肢部品の対応する歩容データ(歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ及び歩行の歩数を含む)を決定し、健側下肢の運動データによって決定される歩容データ(歩行の歩幅、歩行の足上げ高さ及び歩行の歩数を含む)に基づいて、患側足首の角度値、患側膝の角度値及び患側股の角度値などの患側下肢の対応する歩容データを決定する。別の実施形態では、健側足首関節の角度値に基づいて患者の患側足首の角度値を決定し、健側膝関節の角度値に基づいて患者の患側膝の角度値を決定し、健側も尾関節の角度値に基づいて患者の患側股の角度値を決定する。
【0073】
ステップS608では、健側下肢が支持状態にある場合、患者の患側下肢が運動するように駆動するために、歩容データを患側下肢部品に送信する。一実施形態では、歩容データを受信した後、患側下肢部品は、歩容データに基づいて、患側足首関節駆動モータにより、患側下肢の足首関節が所望の患側足首関節の角度に運動するように制御し、歩容データに基づいて、患側膝関節駆動モータにより、患側下肢の膝関節が所望の患側膝関節の角度に運動するように制御し、歩容データに基づいて、患側股関節駆動モータにより、患側下肢の股関節が所望の患側股関節の角度に運動するように制御することができる。
【0074】
本発明の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置の制御方法は、健側下肢が持ち上げ状態にある場合、健側下肢部品によって健側下肢の運動データを収集し、その運動データに基づいて、コントローラによって患側下肢の歩容データを決定し、その結果、患側下肢部品は、歩容データに基づいて患側下肢の運動を制御することができる。患者と片下肢のリハビリテーション外骨格装置との情報相互作用を実現するので、患者の運動データに従って個別化された身体のリハビリテーション訓練を実現する。
【0075】
上記のステップS606に基づいて、本発明の一実施形態は、歩容データを決定するための特定の実装を提供する。まず、図7の運動学的解の図に示すように、Oは股関節の回転中心の位置であり、Oは膝関節の回転中心の位置であり、Oは足首関節の回転中心の位置であり、Aは前の歩行周期で足の踵が地面に着いた位置であり、Aは現在の歩行周期中で足の踵が地面に着いた位置であり、Aは足の踵と地面との間の接触点であり、Aは足の裏と地面との接触点であり、Lは大腿部の有効長であり、Lは下腿の有効長であり、σは大腿部と垂直軸との間で形成される角度(即ち、健側股関節の角度値)であり、σは下腿と大腿部との間で形成される角度(即ち、健側膝の角度値)であり、σは足の裏の法線と下腿の軸方向との間で形成される角度(即ち、健側足首関節の角度値)であり、Xは任意の時刻でOの横座標であり、Yは任意の時刻でOの縦座標であり、Oの座標は任意の時刻で以下のように計算される。即ち、X=L*sinσ+L*sin(σ-σ)、Y=L*cosσ+L*con(σ-σ)。
【0076】
特定の実施形態では、片下肢のリハビリテーション外骨格装置のコントローラは、患者の初期歩容データS=f(F10、F20、F30、F40)を記憶することができる。式中、F10=f(L、σ、TN1、t、...)は、大腿部の長さL、股の角度σ、股のトルクTN1、時間t及び他のパラメータの関数関係であり、F20=f(L、L、σ、TN2、t、...)は、大腿部の長さL、下腿の長さL、膝の角度σ、膝のトルクTN2及び時間tなどの関数関係であり、F30=f(L、L、σ、TN3、t、...)は、下腿の長さL、足底の長さL、足首の角度σ、足首のトルクTN3及び時間tなどの関数関係であり、F40=f(L、L、L、σ、PN0、t、...)は、足底の長さL、足底の長さL、足底の長さL、足首の角度σ、足底の圧力PN0及び時間tなどの関数関係である。更に、足底の圧力PN0=f(P10、P20、P30)であり、式中、P10は、第1圧力センサー5.1によって収集される健側足底の圧力値であり、P20は、第2圧力センサー5.2によって収集される健側足底の圧力値であり、P30は、第3圧力センサー5.3によって収集される健側足底の圧力値である。実施中、前述の片下肢のリハビリテーション外骨格装置の初期歩容パラメータS0は、試験又は臨床試験データによって得ることができる。
【0077】
任意の時刻t=iであり、外骨格リハビリテーション装置を装着した患者の歩容データは、S=F(f1i、f2i、f3i、f4i)であり、式中、f1i=f(L、σ、TN1、t、…)は、大腿部の長さL、股関節の角度σ、股関節のトルクTN1及び時間tの関数関係であり、f2i=f(L、L、σ、TN2、t、…)は、大腿部の長さL、下腿の長さL、膝関節の角度σ、膝関節のトルクTN2及び時間tの関数関係であり、f3i=f(L、L、σ、TN3、t、…)は、下腿の長さL、足底の長さL、足首関節の角度σ、足首関節のトルクTN3及び時間tの関数関係であり、f4i=f(L、L、L、σ、PN0、t、…)は、患者の足底の長さL、足底の長さL、足底の長さL、足首の角度σ、足底の圧力関数PNi、時間t及び他のパラメータの関数関係である。なお、PNi=f(P1i+P2i+P3i)であり、P1iは、t=iの場合、第1圧力センサー5.1によって収集される健側足底の圧力値であり、P2iは、t=iの場合、第2圧力センサー5.2によって収集される健側足底の圧力値であり、P3iは、t=iの場合、第3圧力センサー5.3によって収集される健側足底の圧力値である。患者がじっと立ち上がる場合(即ち、支持状態)、健側下肢が立ち上がり状態にあり、患側下肢が支持なしで持ち上げ状態にあり、P1i+P2i+P3iは、患者の体重Gにほぼ等しくなっている。
【0078】
更に、図8の別の運動学的解の図に示すように、図7及び図8を組み合わせ、足底圧力センサーは、足が地面に触れる時点を検出するために使用でき、同じ足底の2つの隣接する接地間の時間間隔は瞬間歩行周期T=t-tであり、更に歩行頻度η=T/60を取得し、O点の横座標の絶対値の最大値を取り、歩行の歩幅Lを得て、即ち、歩行の歩幅L=|(X-X)/2|であり、O点の縦座標の最大値の絶対値が足上げ高さHであり、即ち、足上げ高さH=|Y-Y|であり、患者の歩行速度V=L/T=|(X-X)/2T|である。患者がじっと立ち上がる場合、地面に垂直な垂直線が関節回転の基準として選択され、関節の前方回転は、正の角度値を表し、関節の後方回転は、負の角度値を表す。歩行周期では、股関節の角度、膝関節の角度、足首関節の角度などの情報、及び股関節のトルクTN1、膝関節のトルクTN2、足首関節のトルクTN3、一歩の期間T、足底の圧力データPNiなどを計算し、患者の歩行の歩幅L、歩行の足上げ高さ、歩行速度V、歩行の歩数又は脚の揺動頻度ηを取得することができる。
【0079】
患者のターゲット歩容データは、S=Σ i=0(S+S+S+…+S+…)/nとして取得できる。
【0080】
式中、Sは、ターゲット歩容の平均データ行列(歩行の歩幅L、股の角度σ、膝の角度σ、足首の角度σ、歩行揺動頻度ηなど)であり、Sは、最初の歩容パラメータ取得のデータ行列(歩行の歩幅L、股の角度σ、膝の角度σ、足首の角度σ、歩行揺動頻度ηなど)であり、Sは、2番目の歩容パラメータ取得のデータ行列(歩行の歩幅L、股の角度σ、膝の角度σ、足首の角度σ、歩行揺動頻度ηなど)であり、Sは、i番目の歩容パラメータ取得のデータ行列(歩行の歩幅L、股の角度σ、膝の角度σ、足首の角度σ、歩行揺動頻度ηなど)であり、nは、収集される歩容周期の数である。
【0081】
実用的な応用の分野では、片下肢のリハビリテーション外骨格装置のリアルタイムパフォーマンスを向上させるために、ライトオペレーティングシステム(FreeRTOS)が装置に組み込まれるため、CPUリソースをより合理的で効果的に使用でき、システムのリアルタイムパフォーマンスと信頼性をより確実に確保できる。特定の実装では、片下肢のリハビリテーション外骨格装置は、健側股関節と膝関節の絶対位置検出器の角度を5msごとに収集し、それらのパラメータを平均フィルタリング、中央値フィルタリング及び他のアルゴリズムで処理した後、大腿部の長さ、下腿の長さなどのデータから、健側足首関節の移動軌跡を解く。同時に、健肢の運動学的軌跡によって健側下肢の歩容特性データ(歩行の速度、歩行の足上げ高さ、歩行の歩幅、足首関節の運動曲線特性など)を分析し、患側下肢の制御アルゴリズムにそれらのデータをリアルタイムにフィードバックする(運動特性に基づいて患側下肢の移動軌跡を計算し、患側下肢の股関節及び膝関節の運動角度を逆に解く)。なお、歩行障害又は潜在的な転倒を防止するために、患者が安定してバランスが取れるかどうかを判断するために、実施形態の健側下肢及び患側下肢に圧力センサーが取り付けられる。圧力センサーからのフィードバックデータも歩容アルゴリズムに組み込まれる。
【0082】
なお、片下肢のリハビリテーション外骨格装置の安全性を向上させるために、機械的限界、ハードウェア回路限界、ソフトウェア限界及び緊急停止スイッチなどの安全対策は、患側下肢を保護するために本発明の実施形態で採用される。詳細については、前の実施形態を参照されたい。本発明の実装は、詳細に説明しない。
【0083】
患者の個人的又は個別化された歩容の再学習を確保するために、最初、歩容データの標準セットを確立し、患者の患側下肢の歩容特性と一致するまで、患者が歩くにつれて歩容データを継続的に更新することも注目される。従って、別の患者に同じ装置が配置して取り付けられる場合、LCDスクリーンを使用して代替患者に更新を設定する必要がある。患者が最初に使用する場合、片下肢のリハビリテーション外骨格装置の患側下肢は同時に、初期のプリセット歩容データ(歩行の歩幅、股関節の角度、膝関節の角度、足首関節の角度、歩行の歩数など)に基づいて歩き、片下肢のリハビリテーション外骨格装置のデータ取得システムにより、患者の健側の運動の相対的な情報(即ち、上記の運動データ)を収集し、コントローラに送信する。コントローラは、患者の歩容データ(歩行の歩幅、股関節の角度、膝関節の角度、足首関節の角度及び歩行の歩数など)、データ取得行列を取得するために、運動データを分析する。コントローラは、健側下肢から収集された運動データを使用し、患側下肢部品の運動を制御し、その結果、患側下肢の歩幅、股関節の角度、膝関節の角度、足首関節の角度及び歩行の歩数は、健側下肢と周期的に一致する。また、健側の運動のデータ取得と患側へのデータ出力は、リアルタイムで継続的に行われる。
【0084】
要するに、本発明の実施形態によって提供される片下肢のリハビリテーション外骨格装置の制御方法は、自律的な再学習を通じて患者独自の歩容制御を確立することができ、その結果、患側下肢及び健側下肢は、歩行の速度、歩行歩幅、歩行の足上げ高さ、足の運動曲線特性など、患者自身の歩行特性に合わせて調整された歩容を維持でき、それは、個別化された身体のリハビリテーション訓練により、患者にとってより快適、迅速、信頼性が高く、安全である。
【0085】
最後に、前述の実施形態は、本発明の特定の実施形態に過ぎず、本発明を限定するのではなく、本発明の技術的解決手段を説明するために使用されることも注目される。前述の実施形態を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明の保護範囲はそれらに限定されるものではない。当業者は、本分野をよく知っている人々が本発明によって開示された技術的範囲内で、前述の実施形態で説明された技術的解決手段を修正するか、変更を容易に考えるか、技術的特徴の一部を同等に置き換えることができ、それらの修正、変更又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の実施形態の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱するものではなく、本発明の保護範囲に含まれるべきであることを理解すべきである。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものである。
【0086】
本明細書に示して説明される本発明は、本明細書に具体的に開示される要素及び制限がなくても実現することができる。使用される用語及び表現は、制限ではなく例示的な用語として使用されており、それらの用語及び表現の使用において、図示及び説明された特徴又はその一部の等価物を除外することは望ましくなく、本発明の範囲内で様々な変更が可能であることを認識すべきである。従って、本発明は、様々な実施形態及び任意の特徴によって具体的に開示されるが、本明細書に記載の概念の修正及び変形は、当業者によって採用可能であり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にあると見なされる。
【0087】
記事、特許、特許出願、及び電子的に記述又は記録された他の全ての文献及び情報は、個々の出版物が参照のために具体的で個別に示されるように、ある程度の参照のためにここに含まれる。出願人は、そのような記事、特許、特許出願又は他の文献からの全ての資料及び情報を本出願に組み込む権利を留保する。
【符号の説明】
【0088】
1 ベルト、
2 大腿部固定包帯、
3 下腿固定包帯、
4 足首固定包帯、
5 圧力センサーアレイ、
5.1 第1健側圧力センサー、
5.2 第2健側圧力センサー、
5.3 第3健側圧力センサー、
6 足底支持装置、
7 健側足首関節センサー、
8 脚支持装置、
9 健側膝関節センサー、
10 大腿部支持装置、
11 健側股関節センサー、
100 コントローラ、
200 健側下肢部品、
300 患側下肢部品、
13-1 健側下肢、
13-2 患側下肢。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】