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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-26
(54)【発明の名称】呼吸データ生成方法及び関連装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/08 20060101AFI20230719BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20230719BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20230719BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20230719BHJP
   A63B 23/18 20060101ALI20230719BHJP
   A63B 24/00 20060101ALI20230719BHJP
   A63F 13/218 20140101ALI20230719BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
A61B5/08
A61B5/1455
A61B5/0245 100B
A63F13/80 Z
A63B23/18
A63B24/00
A63F13/218
A63B69/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578682
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 EP2021066408
(87)【国際公開番号】W WO2021255168
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】2006327
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】522490413
【氏名又は名称】ハプリズ メディカル
【氏名又は名称原語表記】HAPPLYZ MEDICAL
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】レゾブル ヴァネッサ
(72)【発明者】
【氏名】ベリョ マキシム
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA02
4C017AA12
4C017AA14
4C017AB03
4C017AC26
4C017BD06
4C017CC01
4C038KK01
4C038KL07
4C038KX04
4C038SS00
4C038SU06
4C038SX01
(57)【要約】
本発明は、ユーザの呼吸データを生成する方法に関し、電子端末(10)のソフトウェアを介してタイムスタンプが付けられたマルチメディア命令(Cm)を生成(OC)し、このマルチメディア命令(Cm)を、送信手段(11)を介してユーザに送信することと、ユーザが吐き出した、又は吸い込んだ空気を受け取るための呼吸器(1)の流体呼気室(8)内の空気圧を測定すること(MES_P)と、ユーザの呼吸能力を定量化する呼吸データ(S)を生成する(DAT)ことと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの呼吸データを生成するための装置(100)であって、
流体呼気室(8)でユーザが吐き出した及び/又は吸入した空気圧を測定する空気圧センサ(82)と、
少なくとも2つの触覚インタフェース(2)と、
計算機(CALC)を含む電子端末(10)と、を備えた呼吸器(1)を備え、
前記計算機は、タイムスタンプ付きのマルチメディア命令(Cm)を生成し(CO)、送信手段(11)を介して、このマルチメディア命令(Cm)を前記ユーザに送信し、
前記空気圧センサにより空気圧(82)を測定(MES_P)し、
測定された前記空気圧の関数として、タイムスタンプ付きの呼吸指標(Kp)を生成し(GEN_P)、
前記少なくとも1つの触覚インタフェース(2)上の相互作用(SI)を検出し(DET)、
検出された前記相互作用(SI)の関数としてタイムスタンプ付き触覚指標(Ki)を生成し(GEN_I)、
前記呼吸指標(Kp)と前記触覚指標(Ki)を受信し、
前記マルチメディア命令(Cm)との前記触覚指標(Ki)及び前記呼吸指標(Kp)の相関関係の関数として、前記ユーザの呼吸能力を定量化する呼吸データ(S)を生成(DAT)すること、を実行するように適合した、装置。
【請求項2】
前記電子端末に接続された反射型酸素濃度計(3)を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マルチメディア命令(Cm)を表示するためのディスプレイ(11)を更に備える、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記タイムスタンプ付きマルチメディア命令は、呼吸命令と相互作用命令を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記相互作用命令は、開始日を含み、前記呼吸データ(S)は、前記開始日と前記触覚指標のタイムスタンプの関数として生成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記呼吸器は、対象者の生理学的値を測定する手段(3)を更に含み、前記計算機は、前記測定する手段(3)によって前記ユーザの事前の生理学的測定を更に実行し、測定値が所定の範囲外である場合にアラートを生成するように適合される、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記呼吸器は、前記呼吸器の傾斜角を測定するための少なくとも1つの運動センサを更に含む、上記請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記生理学的測定値は、前記呼吸器の表面に配置された反射型酸素濃度計によって測定される心拍数及び/又は血中酸素飽和度を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記呼吸指標(Kp)及び前記触覚指標(Ki)の機能として、又は前記呼吸データ(S)の機能として、制御可能要素(33)を含むインタラクティブ・ビデオ・ゲームにおけるインタラクティブ・ビデオ・ゲームの画像を表示するためのディスプレイ(11)を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
プログラムがコンピュータによって実行されるときに、
電子端末(10)のソフトウェアを介してタイムスタンプが付けられたマルチメディア命令(Cm)を生成(OC)し、送信手段(11)を介して、このマルチメディア命令(Cm)を前記ユーザに送信し、
ユーザが吐き出した空気及び/又は吸入した空気の体積を受け入れる呼吸器(1)の流体呼気室(8)内の空気圧を測定(MES_P)し、
測定された前記空気圧の関数として、タイムスタンプ付きの呼吸指標(Kp)を生成し(GEN_P)、
前記呼吸器(1)と一体化した触覚インタフェース(2)上の相互作用(SI)を検出し(DET)、
検出された相互作用(SI)の関数としてタイムスタンプ付き触覚指標(Ki)を生成し(GEN_I)、
前記電子端末(10)の計算機(CALC)により前記呼吸指標(Kp)と前記触覚指標(Ki)を受信し、
前記マルチメディア命令(Cm)との前記触覚指標(Ki)及び前記呼吸指標(Kp)の相関関係の関数として、ユーザの呼吸能力を定量化する呼吸データ(S)を生成(DAT)する方法を、コンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項11】
前記タイムスタンプ付きマルチメディア命令は、呼吸命令と相互作用命令を含む、請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項12】
前記相互作用命令は、開始日を含み、前記呼吸データ(S)は、前記開始日と前記触覚指標のタイムスタンプに従って生成されている、請求項11に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
前記ユーザの事前の生理学的測定と、測定値が事前に規定された値の範囲外である場合のアラートの発行と、を更に含む、請求項10から12のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
前記生理学的測定値は、前記呼吸器の表面に配置された反射型酸素濃度計によって測定される心拍数及び/又は血中酸素飽和度を含む、請求項13に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
インタラクティブ・ビデオ・ゲームの画像をディスプレイ(11)に表示することを更に含み、前記インタラクティブ・ビデオ・ゲームは、前記呼吸指標(Kp)及び前記触覚指標(Ki)の関数として、又は呼吸データ(S)の関数として、制御可能要素(33)を含む、請求項10から14のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸データを生成するための方法及び関連装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼気とは横隔膜の緩みと肋間筋の収縮による自発的な空気の放出である。こうした肺胞にかかる圧力によって、肺胞に含まれる空気が放出される。
【0003】
しかし、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患、喘息などの特定の疾患は、呼吸不全を引き起こすほどこれらの筋肉に影響を与える恐れがある。COVID-19から治癒した患者は、回復後数ヶ月間は呼吸不全に陥る場合も観察されている。
【0004】
訓練装置としては、被験者が、ボールが置かれたチャネルに接続されたチューブに息を吸い込み、そのチューブを被験者の呼気によって持ち上げるというものが知られている。しかし、この種のシステムは単調で、患者には退屈なものになる場合がある。しかし、いくつかの研究では、喘息などの慢性疾患の患者の遵守率が低いことが示されている。このようなシステムは、患者が正しく治療に従わず、最適な結果を得られないリスクが生じる。
【0005】
特許文献1は、選手がマウスピースを使って作業し、呼吸能力を分析することで、呼気の空気圧を測定し、この空気圧を分析することを可能にすることでも知られている。このシステムの欠点は、反復運動にすぐに飽きてしまい、呼吸を完全にコントロールできない非スポーツマンには、特に呼吸筋のリズムと反応性の点で適していないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2018/011358号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、ユーザが呼吸能力を監視し改善することを可能にする方法及び関連装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様によれば、本発明は、ユーザの呼吸データを生成する方法に関する。
上記方法は、
電子端末のソフトウェアを介してタイムスタンプが付けられたマルチメディア命令を生成し、送信手段を介して、このマルチメディア命令をユーザに送信し、
ユーザが吐き出した空気及び/又は吸入した空気の体積を受け入れる呼吸器の流体呼気室内の空気圧を測定し、
測定された空気圧の関数としてタイムスタンプ付きの呼吸指標を生成し、
触覚インタフェース、例えば呼吸器と一体化した触覚インタフェース上の相互作用を検出し、
検出された相互作用の関数としてタイムスタンプ付きの触覚指標を生成し、
電子端末の計算機により呼吸指標と触覚指標を受信し、
マルチメディア命令との触覚指標及び呼吸指標の相関関係の関数として、ユーザの呼吸能力を定量化する呼吸データを生成する。
【0009】
本発明の1つの利点は、ユーザの呼吸の進行を測定することを可能にするデータを生成することである。もう1つの利点は、ユーザが相互作用の動きを呼気及び/又は吸入と同期させるように促すことである。
【0010】
一実施形態では、呼吸計は、
所定の時間間隔で測定した最大又は平均空気圧値、及び/又は
空気圧値が所定の閾値を超えている時間
の関数として生成される。
【0011】
一実施形態では、触覚指標は、相互作用が検出された相互作用手段の識別子、及び/又は相互作用の持続時間、及び/又は相互作用の強度を更に含む。1つの利点は、各触覚インタフェース(又はユニットの「キー」)を区別することである。このようにして、ユーザは、ユーザが押すキーの関数として異なる効果を得ることができ、かつ/又は、マルチメディア命令はキー上の触覚相互作用命令を含むことができる。一実施形態では、装置は、ユーザの片手で保持されるように適応されたジョイスティックを含み、その表面に前記の触覚インタフェースを含む。
【0012】
一実施形態では、タイムスタンプ付きマルチメディア命令は、呼吸命令及び/又は相互作用命令を含む。
【0013】
触覚命令の存在の1つの利点は、ユーザが呼吸にあまり集中できないようにし、その結果、ユーザの能力をより表す結果を得ることができることである。一方、触覚命令では、ユーザが呼気と同期させるために使用できる同期性を設定できる。
【0014】
一実施形態では、呼吸命令は開始日を含み、呼吸データは開始日と呼吸指標のタイムスタンプの関数として生成される。
【0015】
一実施形態では、呼吸命令は達すべき値を含む。一実施形態では、呼吸指標は測定された最大圧又は平均圧を含む。一実施形態では、呼吸データは、達すべき当該値と測定された最大圧又は平均圧の関数として生成される。
【0016】
1つの実施形態では、相互作用指示は開始日を含み、呼吸データはその開始日と触覚指標のタイムスタンプの関数として生成される。
【0017】
一実施形態では、相互作用指示は目標識別子を含み、呼吸データは目標識別子と触覚指標の識別子の関数として生成される。1つの利点は、ユーザの呼吸筋の反応時間及び/又は同期能力を呼吸データに統合できることである。その利点は、特定のキーとの相互作用命令を与え、実際に正しいキーが押されたかどうかを検出することである。
【0018】
一実施形態では、この方法は、ユーザの事前の生理学的測定値を更に含み、当該生理学的測定値が事前に定義された値の範囲外にある場合に警告を発することを含む。本実施形態の1つの利点は、この状態がこれを許容しない場合、又はリスクがある場合に、ユーザが呼吸運動を行うことを防ぐことである。
【0019】
一実施形態では、生理学的測定値は、呼吸器の表面に配置された反射酸素濃度計によって測定される心拍数及び/又は血中酸素飽和度を含む。利点の1つは、ユーザの血中酸素濃度が低すぎる場合にユーザが装置を使用するのを防ぐことである。実際、呼吸運動はこの値を低くなる傾向があるため、運動開始前にユーザの心拍数がすでに低すぎるとリスクが生じる。もう1つの利点は、運動中にユーザを監視することである。これにより、生理的測定値が低すぎる場合にアラートが発されることがわかっているため、ユーザは自信を持ってトレーニングを続けることができる。
【0020】
一実施形態では、この方法は、呼吸指標と触覚指標の関数として、又は呼吸データの関数としてスコアを決定することを更に含む。1つの利点は、再現可能なデータを取得し、ユーザのスコアを長期的に監視して進捗状況を確認できるようにすることである。もう1つの利点は、他のユーザと比較できることである。
【0021】
一実施形態では、この方法は、呼吸指標と触覚指標の関数として、又は呼吸データの関数として、制御可能要素を含むインタラクティブ・ビデオ・ゲームの画像をディスプレイに表示することを更に含む。1つの利点は、ビデオゲームに命令を入れさせることにより、ユーザが運動中にあまり退屈にならないことである。このように、1つの利点は、慢性呼吸器疾患の治療におけるユーザの遵守を改善することである。
【0022】
別の態様によれば、本発明は、呼吸器を備えるユーザの呼吸データを生成するための装置に関する。呼吸器は、ユーザが吐き出した及び/又は吸入した空気圧を測定する空気圧センサと、呼吸器と一体化した少なくとも2つの触覚インタフェースを含む。
【0023】
代替の態様によれば、本発明は、呼吸器と少なくとも2つの触覚インタフェースを備えるユーザの呼吸データを生成するための装置に関する。呼吸器は、ユーザが吐き出した及び/又は吸入した空気圧を測定する空気圧センサを含む。触覚インタフェースは、リモートジョイスティックに配置され得る。
【0024】
1つ又は他の態様による装置は、計算機を備えた電子端末も含む。一実施形態では、計算機は、本発明による方法のステップを実行するように適合される。次に、装置は、呼吸器及び/又は触覚インタフェースを電子端末に接続するための接続手段を含む。1つの利点は、ユーザが呼吸する同じ物体上に配置された触覚インタフェースと対話できることである。したがって、ユーザが保持するのは1つの物体だけである。利点の1つは、呼吸命令と触覚相互作用を同時に行う運動を容易にすることである。呼吸器の遠隔触覚インタフェースの1つの利点は、ジョイスティックの感覚をユーザに再現できることである。もう1つの利点は、呼吸器を保持するために腕を上げる必要がなく、より簡単に相互作用できることである。
【0025】
一実施形態では、装置は互いに一体ではない2つのジョイスティックを含み、それぞれが上記のような少なくとも1つの触覚インタフェースを含む。1つの利点は、片手に1つずつジョイスティックを持つことができるため、腕全体の動きを維持しながらより簡単に操作できることである。
【0026】
一実施形態では、装置は、データをユーザに送信する、電子端末に接続された通信手段を備える。1つの利点は、電子端末が呼吸器及び/又は触覚インタフェースに接続された遠隔装置に搭載されていることである。
【0027】
一実施形態では、装置は、呼吸指標及び/又は触覚指標の関数として点灯するように設計された発光手段を含む。
【0028】
一実施形態では、装置は呼吸器の表面に反射型酸素濃度計を備える。1つの利点は、呼吸器の表面の一部を指で押すだけで、運動前又は運動中にユーザの血液中の酸素レベルを測定できることである。ユーザは、このタイプの測定を行うために特定のアクションを実行する必要はなく、かさばる追加の装置を自分で装備する必要もない。
【0029】
一実施形態では、装置は表示手段を含む。表示手段は電子端末や計算機に接続されている。1つの利点は、運動中にマルチメディア命令をユーザに表示できることである。もう1つの利点は、スコアやインタラクティブなビデオゲームをユーザに表示できることである。
【0030】
一実施形態では、呼吸器は、当該呼吸器の傾斜角を測定するための少なくとも1つの運動センサを更に含む。運動センサは、電子端末に接続されていることが望ましい。運動センサにより、呼吸器の角度運動情報を提供することができる。第1の利点は、ユーザは呼吸に全注意を払わずに呼吸を訓練するために、ユーザの注意をそらす角度変位命令をマルチメディア命令に統合することである。
【0031】
一実施形態では、電子端末は、運動センサによって提供されるデータから呼吸器の向きを決定するように構成される。電子端末は、呼吸器の所定の目標向きの表示と、所定の目標向きに対する呼吸器の向きの関数としての指標の生成及び表示を含むことができる。1つの利点は、呼吸器の向きをユーザに案内することである。例えば、この装置は、呼吸器の特定の向きを必要とする治療薬の投与に使用することができる。別の例では、装置は治療薬の投与をシミュレートするために有利に使用されることがある。
【0032】
別の態様によれば、本発明は、本発明による方法のステップを実行するように本発明による装置を導く命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。
【0033】
一態様によれば、本発明は、プログラムがコンピュータによって実行されるときに、コンピュータが本発明による方法を実行するよう導く命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。コンピュータプログラム製品は、本発明による装置の電子端末の計算機によってプログラムが実行されるときに、本発明による方法を実行するように当該計算機を導く命令を含むことができる。
【0034】
最後の態様によれば、本発明は、本発明によるコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ可読保存装置に関する。本発明による装置は、そのようなメモリを含むか、そのようなメモリに接続する手段を含むことが望ましい。
【0035】
本発明の他の特徴及び利点は、以下を説明する添付の図を参照して、以下の詳細な説明を読むことでより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、本発明の一実施形態による、相互作用ボタンとプローブを備える呼吸器に取り付けられたマウスピースを備える装置であって、呼吸器がデータ処理のために遠隔装置に接続され、ユーザと相互作用するためのディスプレイを含む、装置の概略図である。
図2A図2Aは、本発明の一実施形態による、マウスピースを取り付けることができる入口に接続された大気室と流体呼気室を含む呼吸器と取り外し可能なマウスピースの概略断面図である。大気室と流体呼気室はそれぞれ、プリント回路に接続された少なくとも1つの空気圧センサを含む。コントロールユニットは、プリント回路に接続された相互作用キーで構成される。
図2B図2Bは、本発明の一実施形態による、流体呼気室が取り外し可能なマウスピース内に配置されている呼吸器及び取り外し可能なマウスピースの概略断面図である。
図3図3は、呼吸器の相互作用キーの概略断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態によるビデオゲームのディスプレイの図である。
図5図5は、本発明の一実施形態による方法の概略図である。
図6図6は、3つの異なる取り外し可能なマウスピースの透視図である。
図7図7は、マウスピースが取り付けられた呼吸器の一実施形態の透視図である。
図8図8はマウスピースのない図7による呼吸器の透視図である。呼吸器は、マウスピースを接続する手段と連携するための2つの出口を含む。出口は呼吸器の圧力センサに流動的に接続されている。1つの出口は、被験者の口を受けるためのマウスピースの流体出口に接続されることを意図し、もう1つの出口は、ユーザがマウスピースを口に挿入したときの大気圧を測定するために、マウスピースの流体出口に接続されることを意図としている。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本明細書では、「吸入」は、大気が肺に入る呼吸の段階である。「呼気」は、空気が肺から排出される呼吸の段階である。
【0038】
第1の態様によれば、本発明は呼吸データを生成するための装置100に関する。呼吸データを生成する装置100は、呼吸器1を含む。装置100は電子端末10を含むこともできる。
【0039】
第1の例示的な呼吸器1を図2Aに示す。呼吸器1は、ユーザが吐き出した空気を受け取る流体呼気室8を備える。
【0040】
呼吸器1は、ユーザが唇をつけて息を吸ったり吐いたりできるマウスピース5を含むことができる。
【0041】
マウスピース5は開口部52を有する。マウスピース5は、開口部52を呼吸器の本体、特に流体呼気室8に流体的に接続することが可能である空洞53を備える。この点で、マウスピースは、呼吸器の追加の接続手段83への接続手段51を含む。
【0042】
「流体室」とは、そのような構造における圧力の測定のために流体の体積を収容することができるあらゆる構造を指す。この点において、流体室は流体チャネルの一部を含むことができる。
【0043】
マウスピース5は、取り外し可能な方法で呼吸器に取り付けられることが望ましい。
【0044】
流体呼気室8は流体開口部81を含む。流体開口部は、マウスピース5の空洞53と流体連通していてもよい。次に、ユーザの吸入と呼気からの空気が流体室を通過し、それぞれ空気圧センサで測定可能な真空と過圧を作り出す。
【0045】
1つの利点は、マウスピース5を取り外して、呼吸器全体を洗浄せずに洗浄できることである。もう1つの利点は、マウスピース5を交換して、マウスピースをユーザに適合させることができることである。その後、呼吸器は、特に取り外し可能なマウスピース5のサイズを変更することによって、様々な口腔解剖学的構造を持つ様々な人々によって使用されるように適応される。もう1つの利点は、マウスピースを特定の運動に適応させることができることである。例えば、唇をつまんで息を吐くような例である。
【0046】
示されていない一実施形態では、流体呼気室8は膜を含む。膜は気密であることが好ましく、圧力センサ82と外部環境との間に漏れのない隙間を作ることを可能にする。膜は、膜が受ける空気圧を、膜と空気圧センサ82との間の流体チャネル87に存在する空気に伝播するように変形可能である。1つの利点は、流体チャネルと空気圧センサがほこり、汚れ、細菌、又はウイルスによる汚染から保護されることである。
【0047】
膜は、流体開口部81若しくは流体チャネル87、又は一般的に流体開口部81と空気圧センサ82の間に配置され得る。膜は、エラストマー材料などのプラスチック材料からできている場合がある。
【0048】
流体呼気室8が膜を含む場合、空気圧センサにより、流体呼気室内でユーザが吐き出した空気圧及び/又は吸入した空気圧を測定することができる。実際、空気圧センサと膜の間の流体室の部分は、膜の変形のおかげで、ユーザが吐き出した空気圧及び/又は吸い込んだ空気圧の関数として変化する圧力を含んでいる。
【0049】
流体呼気室8は壁83によって形成されている。少なくとも一方の壁には、空気出口穴84がある。空気出口穴84は、呼吸器1の外部と流体的に連通しており、流体室8からガスを脱出させる。空気出口孔84は、開口部81を通して流体室内のガスの方向に対して横方向又は実質的に垂直に配置されることが望ましい。出口孔84の断面は、流体呼気室8の開口部81の断面よりも小さいことが望ましい。この配置により、空気出口に対する抵抗を作り出し、できればユーザの吸入及び/又は呼気中に測定可能な圧力を流体呼気室8に作り出すことが可能になる。この空気出口穴84は、マウスピース52の開口部とセンサ82の間の流体チャネル内の空気を逃がすように設計することもできる。これにより、流体チャネルに呼気の過圧を生じさせることなく、より長時間を利用者が息を止めることができるという利点がある。
【0050】
一実施形態では、空気出口穴84は、図7に示すようにマウスピース5に配置される。
【0051】
呼吸器1により、流体呼気室8の空気圧を測定することができる。呼吸器1は、この点で、空気圧センサ82を含むことができる。
【0052】
空気圧センサは、センサに加えられる実際の圧力を決定し、この情報を出力信号に変換するための感圧素子で構成されるか、又はそれを備えることが望ましい。圧力センサは電子端末に接続され、出力信号が電子端末に送信される。
【0053】
圧力センサは、圧力計が貼り付けられているか、スプレーによって塗布される感圧要素を含むことができる。この感圧要素は、ダイヤフラムを含むことができる。
【0054】
空気圧センサは、当業者によく知られた容量性圧力センサ又は圧電抵抗圧力センサを含むこともできる。
【0055】
空気圧センサ82は、流体呼気室8の壁83に対して配置することができる。圧力センサ82は、液体呼気室8と流体連通するブラインドチャネル(blind channel)87に配置することができる。
【0056】
図2Bに示されている第2の例では、マウスピース5は流体呼気室8を含む。マウスピース5には、ユーザが息を吸ったり吐いたりできる吸入口52がある。マウスピースは取り外し可能である。流体排気室8は、第2の流体出口開口部84と第3の開口部85を備える。好ましくは、第2の開口部84と第3の開口部85は、流体排気室8の対向する2つの壁83に配置される。
【0057】
流体呼気室8を取り外し可能なマウスピース5に配置する1つの利点は、この室の洗浄を容易にし、水分の蓄積を防ぐことである。
【0058】
本実施形態では、呼吸器1は、取り外し可能なマウスピース5を受け入れるように設計されたくぼみを備える。この場合、呼吸器1は、取り外し可能なマウスピース5との連携手段88を備える。取り外し可能なマウスピース5は、呼吸器1への取り外し可能な取り付けのための追加の連携手段54を備えることが望ましい。
【0059】
呼吸器1は、入口86から延びるブラインド(すなわち、開かない)流体チャネル87を含むことができる。流体チャネルは、この場合、流体呼気室8の流体連続性がある。流体チャネルは空気圧センサ82を含む。空気圧センサ82により、ユーザが吐き出した空気圧を測定することができる。空気圧センサ82により、流体呼気室8内の空気圧を測定することができる。流体チャネル87の入口86は、マウスピースが呼吸器1に取り付けられたときに、マウスピースの流体呼気室の第3の流体出口開口85と連携するように配置される。
【0060】
流体チャネル87の利点の一つは、特にマウスピースが取り外されたときに呼吸器を扱うときに、空気圧センサ82を保護することである。
【0061】
出口開口部84は、流体呼気室8から呼吸器1の外部に吐気を逃がすことができる。その後、ユーザは流体呼気室8に連続的に息を吐いたり、吸い込んだりすることができる。この出口開口部84の目的は、吸入中と呼気中にそれぞれ流体室に出入りする空気に対する抵抗を作り出すことでもある。この抵抗により、流体呼気室内の吸入及び/又は呼気による圧力を高めることができるという利点がある。
【0062】
一実施形態では、呼吸器1は大気流体室7を含む。この大気流体室は大気圧の測定を可能にする。1つの利点は、流体呼気室8内の空気圧測定のベースラインとして機能する大気圧測定を提供できることである。大気流体室7は、第2の空気圧センサ72と、任意でマウスピース5のチャネルを介して、外部環境と流体的に連通する出口穴71と、を含む。第2の空気圧センサ72は差圧センサを含むことができる。これにより、第2の空気圧センサ72が有利に保護される。図8に示す一実施形態では、出口穴71は、マウスピースの開いた流体チャネルに接続されるように配置される。1つの利点は、大気流体室7が拡大され、測定された大気圧の精度が向上することである。
【0063】
マウスピース5は、大気流体室7の穴71と接続するために、第2の開口部、第2の空洞、第2の接続手段を備えることができる。
一実施形態では、大気流体室7は、流体呼気室8について説明されているような膜も含む。
【0064】
一実施形態では、マウスピース5は肺活量計を含む。出口穴71は、肺活量計内のユーザの呼気圧力に接続され得る。肺活量計は、ユーザが吐き出したり吸い込んだりした空気の流れを通す中空のシリンダを含むことができる。本実施形態では、出口孔71は当該シリンダの第1面に接続され、流体排気室の開口部81は第1面とは異なるシリンダの第2面に接続される。このようにして、各空気圧センサは、シリンダの異なる面で吐き出された空気及び/又は吸入された空気の流速に対する圧力を測定する。
【0065】
電子端末は、2つの空気圧センサ82、72によって測定された圧力の差の関数として個人の肺活量を示す指標を生成するように構成することができる。
【0066】
一実施形態では、装置100は複数の触覚インタフェース2を含む。優先的に、触覚インタフェース2は、ユーザの操作を検出することを可能にする。第1の実施形態では、触覚インタフェース2はボタンを含む。図3にボタンの断面図を示す。ボタン2は、ユーザが指で押すことができる可動キャップ21を含む。キャップ21を押すと、所定の経路に沿って、好ましくは、呼吸器1の表面26に対して実質的に垂直な方向に移動する。キャップ21を動かすと接続片24を移動させることができる。
【0067】
ボタン2は、コネクタ24の移動の関数として状態が変更されるスイッチを含むことができる。好ましくは、スイッチはプリント回路6に接続される。
【0068】
図3に示すように、コネクタ26は少なくとも1つの接続トラック25を含むことができる。接続トラック25は、コネクタ26が終端にあるときにプリント回路6の接続トラック22に接触するように配置されている。2つの接続トラック25,22間の接触が検出され、ユーザインタフェース上の相互作用を検出することができる。
【0069】
他の実施形態では、インタフェースは、触覚面、当該インタフェース上のユーザの相互作用を検出する手段を含む穴を含むことができる。インタフェース2は、ユーザが相互作用中に加えた圧力を測定する圧力センサを含むこともできる。
【0070】
一実施形態では、触覚インタフェース2は呼吸器1と一体である。この場合、触覚インタフェース2は、ユーザが息を吐き、空気圧が測定されるものと同じ物体上にある。1つの利点は、ユーザが同時に息を吐いて触覚インタフェースと相互作用できることである。
【0071】
図1図7の例では、呼吸器1はフルートの形状をしており、触覚インタフェース2はフルートのキーが配置されているのと同じように配置されている。呼吸器1は、4つの触覚インタフェース2を含むことができる。4つの触覚インタフェースは、互いに、かつ、流体呼気室の開口部52、81と整列され得る。示されていない他の実施形態では、呼吸器1はサックス、又は他のタイプの楽器又は管楽器の形態を持つことができる。いずれの場合も、触覚インタフェース2は管楽器と同様に指で触れるように配置されている。
【0072】
好ましくは、触覚インタフェース2は、呼吸器1の表面26に配置されており、これにより、ユーザがマウスピース5で息を吸ったときに、ユーザが異なる指でそれぞれに触れることができるようになっている。
【0073】
示されていない別の実施形態では、触覚インタフェースは呼吸器とは異なる物体の表面に配置される。例えば、触覚インタフェースは、ユーザの手で保持するように設計されたジョイスティックの表面に配置されてもよい。この装置は、それぞれが少なくとも1つの触覚インタフェースを備える2つのジョイスティックを含み得る。触覚インタフェースは、有線接続又は、Bluetooth、Wi-Fi、若しくは当業者に既知の他の無線接続などの無線接続を介して電子端末に接続することができる。
【0074】
各触覚インタフェース2は、プリント回路6に接続することができる。次に、装置100は、触覚インタフェース上の相互作用を検出するように設定される。
【0075】
呼吸器1は、発光手段23を備えていることが望ましい。発光手段23は、電球又は発光ダイオードを含むことができる。呼吸器は、インタフェース上で相互作用が検出されたときに発光手段23が点灯するように設計することができる。各発光手段23はインタフェースに関連付けられており、関連する触覚インタフェース2で相互作用が検出されたときに各発光手段23が点灯するように呼吸器が構成されていることが望ましい。図3に示す実施形態では、コネクタ24は光に対して透明である。コネクタ24は、発光素子23が発する光を通過させるのに有利である。一実施形態では、この装置は、発光手段を点灯させて、電池残量の低下、呼吸器1と電子端末10との接続状態などの情報をユーザに伝送するように構成される。
【0076】
一実施形態では、呼吸器1は、ユーザの生理学的データ3を測定する手段を含む。生理データ測定手段3は、触覚手段であることが望ましい。測定装置3は、呼吸器の表面26に配置することができる。測定装置3は、呼吸器の表面26と一体であることが望ましい。
【0077】
測定手段は、反射光プレチスモグラフ又は反射比色分析酸素濃度計を含むことが望ましい。フォトプレチスモグラフ又は比色分析酸素濃度計は、毛細血管レベルでのヘモグロビンの酸素飽和度を定量化し、ユーザの心拍数を測定するために使用される。
【0078】
測定手段3は、発光体と、ユーザにより反射した光、できればユーザの指により反射した光のセンサと、を備えることが望ましい。したがって、発光体とセンサは同じ面に配置される。透過光ではなく反射光を捉える利点の1つは、ユーザが酸素飽和度の測定に特有の特定の操作を行う必要がないことである。ユーザは測定手段3に指を置くだけで生理的測定値を得ることができる。ユーザは、その運動を制限し得る操作を行う必要がなく、かつ、ピンチ装置によって指の自由を妨げることなく、装置100を有利に使用し、運動中に測定を行うことができる。
【0079】
図1図2A図2Bに示す例では、呼吸器1は4つの触覚インタフェースを備え、2つの触覚インタフェース間に配置された測定手段3を備える。
【0080】
示されていない別の例では、測定手段3は、呼吸器を持つときにユーザが指で触れることができる呼吸器1の任意の場所に配置され得る。例えば、測定手段は触覚インタフェース2を備える側とは反対側に配置されてもよい。1つの利点は、ユーザが触覚インタフェースに親指を置くことができることである。接触面積と体積が大きいおかげで、ユーザの親指による生理学的データの測定は、より信頼性が高く、かつ/又は正確であるという利点がある。
【0081】
一実施形態では、呼吸器はパッド4を含む。パッドは触覚インタフェース2の近くに配置される。パッド4は、ユーザの指を休ませるように配置するのが望ましい。
【0082】
パッド4の利点の1つは、ユーザが少なくとも1本の指で呼吸器をバランスよく保持することである。実際、フルート型の呼吸器の例では、ユーザの2本の親指が呼吸器の下に配置されている。中指、人差し指、薬指は呼吸器の上に置かれる。パッド4により、ユーザが、特に触覚インタフェース2と誤って相互作用するリスクなしに、呼吸器1のバランスを維持することができるのに有利である。
【0083】
パッド4は、シリコン又は拍車を含む表面のような粗い又は粘着性の表面を含むことができる。呼吸器1は、2つ以上のパッド4を含むことができ、これは、有利にも、触覚インタフェース2及び/又は測定手段3とのインタフェースに使用されない指を休ませることを可能にする。
【0084】
本発明にかかる装置100は、電子端末10を備える。電子端末10は、空気圧センサ82、72、触覚インタフェース2及び/又は測定手段3などの測定器の各種センサからデータを受信して処理することを可能にする。
【0085】
電子端末10は測定器に一体化してもよい。図1に示す別の例では、電子端末10は遠隔装置に埋め込まれている。この例では、呼吸器1は送信機9を備える。送信機9は呼吸器1の各種センサ82,72,3,2に接続され、測定又は検出されたデータを遠隔装置の電子端末10に送受信する。図2A及び図2Bに示す例では、呼吸器1は、異なるセンサ82、72、2、3に接続されたプリント回路6を含み、プリント回路6は送信機9に接続されている。プリント回路6は、有利にも、異なる測定値の検索及び/又は処理と送信機9及び/又は電子端末10に送信するための検出を可能にする。
【0086】
電子端末は、呼吸器1に固有の情報を受信するように構成することもできる。この装置は、電子端末が呼吸器のバッテリー状態、又は流体呼気室8の湿度レベルに関する情報を受信できるように構成されていてもよい。
【0087】
装置100は通信手段11を含むこともできる。通信手段11は、ユーザに情報を送信することを可能にする。通信手段11は、音響送信機又はディスプレイを含むことができる。電子端末10は、当該通信手段11に接続されている。通信手段11は、触覚インタフェース2によって検出された空気圧センサ82の測定値及び/又はタッチ相互作用から、装置100によって測定された変数をユーザに送信することを可能にする。一実施形態では、通信手段は呼吸器1の発光手段23を含む。
【0088】
電子端末10は、計算機CALCで構成されている。
電子端末10は、メモリ、できれば非一時的メモリを含むことができる。
電子端末10は、有利にも、受信した信号を処理するが可能である。
【0089】
一実施形態によれば、装置100は少なくとも2つの異なる取り外し可能なマウスピース5を含む。異なるマウスピースは、それらの開口部52の表面と断面の形状が著しく異なる。以下に、3種類のマウスピースについて、図6を参照して説明する。
【0090】
第1の取り外し可能なマウスピースAは、円筒形又は実質的に円筒形の断面の開口部52を含む。第1のマウスピースは、空気の流れを最大にすることができるという利点がある。実際、このような断面は、ユーザが吐く空気の流量を増やすことを可能にする。1つの利点は、肺活量、1秒間の最大呼気量、最大呼気流量などの定数を装置で測定できることである。第1の取り外し可能なマウスピースAの開口部の断面は、大人用の場合は900mmから600mm、子供用の場合は300mmから420mmであることが望ましい。第1の取り外し可能なマウスピースAの開口部の断面は、断面の直径が35-25mm又は25-20mmの間で構成される開口部を含むことができる。
【0091】
一実施形態では、第1の取り外し可能なマウスピースAは、(示されていない)マウスピースの使い捨てヘッド(single-use head)を押し込むことによって受け入れるように設計された周辺部を含む。マウスピースのヘッドは、第1の取り外し可能なマウスピースAと連携するように設計された円筒状の部分を含むことができる。マウスピースのヘッドは、取り外し可能なマウスピース5と連携することができる任意の形状を含むことができる。
【0092】
第2の取り外し可能なマウスピースBは、好ましくは卵形又は実質的に卵形断面の開口部を含む。第2のマウスピースBの開口部の断面は、150mm以上550mm以下又は300mm以上400mm以下であることが望ましい。第2のマウスピースは、ユーザが長く深い呼気運動を行うことができるという利点がある。
【0093】
第3の取り外し可能なマウスピースCにより、ユーザは肺からの粘液の排出を促進する運動を行うことができる。第3のマウスピースは、振動する陽圧呼吸手段を含む。振動する陽圧呼吸手段は、ユーザが息を吐くときに抵抗のパルスを引き起こす。この抵抗により、ユーザの肺に陽圧が蓄積し、気道を開いたままにするのに役立つ。さらに、このパルスは気道内に振動を発生させ、圧力だけではがすには厚すぎる又は粘度が高すぎる粘液を薄くしてはがすのに役立つ。圧力と振動が組み合わさることで、粘液は中心気道に向かって移動し、そこから咳をすることで吐き出すことができる。
【0094】
したがって、本発明の一実施形態による装置100は、第1、第2及び第3の取り外し可能なマウスピースのうち、少なくとも1つのマウスピース又は少なくとも2つのマウスピースを含む。
【0095】
装置は、呼吸器と3つの取り外し可能なマウスピース(第1、第2、第3のもの)を備えることが望ましい。当然のことながら、特に特定の行為を行うために、他のタイプの取り外し可能なマウスピースが設計され、装置100に統合されている場合がある。
【0096】
この3つの取り外し可能なマウスピース5の1つの利点は、1つの呼吸器1で、取り外し可能なマウスピース5だけを交換することで3つの使用機能を得ることができることである。このように、呼吸器1は、第1の取り外し可能なマウスピースAによる一定の測定機能、第2の取り外し可能なマウスピースBによる異なる種類の呼気(拡張呼気、急速呼気)によるトレーニング機能、及び第3の取り外し可能なマウスピースCによる去痰補助機能(吸入療法とも呼ばれる)に使用することができる。
【0097】
一実施形態では、装置100は、呼吸器に接続された取り外し可能なマウスピース5の識別子を含む。
【0098】
識別子は、取り外し可能なマウスピース接続トラック検出器などの電子的手段を含み得る。
【0099】
識別子は磁気検出手段を含むことができる。取り外し可能なマウスピースのそれぞれが磁気手段を備え、その磁気強度及び/又は位置がそれぞれのマウスピースによって異なる場合に、これらの磁気検出手段により、呼吸器に接続されたマウスピースを検出することが可能になる。
【0100】
識別子は、取り外し可能なマウスピースのマーカーの光検出手段を含むことができる。識別子は機械的検出手段を含むことができる。例えば、マウスピースは、呼吸器と連携するように設計された特定の機械的挿入物を含み、それを認識又は識別できるようにすることができる。
【0101】
本発明の第2の態様は、ユーザの呼吸データSを生成する方法に関する。
上記の方法は、本発明の第一の態様による装置100の使用を含むことが望ましい。
【0102】
この方法は、ユーザの呼吸能力を定量化する呼吸データSを生成することを目的としている。呼吸データSは、流体呼気室8の空気圧センサ82による測定値SIの関数として生成される。
【0103】
呼吸データSを生成する方法は、マルチメディア命令Cmをユーザに送信し、この命令に対するユーザの応答を測定することを目的としている。次に、この応答から呼吸データSが生成される。ユーザの応答は、流体呼気室8の空気圧センサ82によって測定可能な呼気を含んでもよい。
【0104】
1つの利点は、マルチメディア命令Cmのユーザへの送信を可能にし、マルチメディア命令Cmとユーザの応答との相関関係の関数として呼吸データSを生成することである。
【0105】
本発明の一実施形態では、応答は呼吸器ユニット1の1つ以上の触覚インタフェース2との相互作用SIを含み得る。その後、ユーザは、息を吐くコマンド及び/又は指を動かすコマンドを組み合わせた運動を行うように促される。1つの利点は、例えば、指との相補的又は類似的なリズムの拍動によって呼吸リズムの規則性を補助することができることである。
【0106】
本発明による方法の実行方法を、図5を参照して以下に説明する。
一実施形態では、この方法は、呼吸データを生成する前及び/又はユーザが吐き出した空気圧の測定SCの前に、ユーザの生理学的測定MES_Gを含む。
【0107】
この方法は、測定された生理学的値が事前に定義された値の範囲内又は事前に定義された値の範囲外にある場合に、アラートKgの生成GEN_G及び/又は発行を含むことができる。
【0108】
生理学的測定SLは、ユーザの心拍数の測定を含むことが望ましい。生理学的測定SLは、ユーザのヘモグロビンの酸素飽和度値を含んでもよい。
【0109】
このような事前測定の1つの利点は、ユーザが装置を安全に操作できることである。実際、呼吸不全に苦しんでいるユーザは、呼吸運動中に血液中の酸素が低下することがある。この測定により、ユーザのヘモグロビンの酸素飽和度が安全な運動ができるほど十分に高いかどうかを運動前に検出することができる。この場合、警告メッセージKgを発行することができる。警告メッセージKgは、装置を使用してトレーニングを開始しないようにユーザにアドバイスすることを目的とする。警告メッセージKgは、例えば、呼吸器の発光手段23を介した発光メッセージを含むことができる。警告メッセージKgは可聴メッセージを含むことができる。警告メッセージKgは、ディスプレイに表示されるメッセージを含むことができる。警告メッセージKgは、例えば呼吸器1に配置されたバイブレータの振動のような感覚メッセージを含むことができる。警告メッセージKgは、呼吸器の使用を停止又はブロックさせることができる。
【0110】
生理学的測定SLは、上記の呼吸器1の測定手段3で測定することが望ましい。1つの利点は、ユーザが測定器の表面26に指を置くだけでそのような測定を行うことができることである。これにより、ユーザは生理的測定を手に取ったり、呼吸器を使用したりする間で手を動かす必要がなくなる。
【0111】
本発明の一実施形態において、本方法は、測定された生理的値SLが第1の事前に定義された値の範囲内又は範囲外にある場合に、方法を停止すること又は装置を停止することを含む。一実施形態では、この方法は、測定された生理学的値が第2の事前定義された値の範囲内又は範囲外にある場合に、呼吸データSを生成することを含む。
【0112】
呼吸データを生成する方法は、マルチメディア命令Cmを生成するCOことを含む。生成されたマルチメディア命令Cmはユーザに送信される。マルチメディア命令Cmは、ディスプレイ11を介して、又は可聴方式でユーザに送信することができる。
【0113】
マルチメディアストレージCmは、呼気命令を含むことができる。
マルチメディア命令Cmの生成COがタイムスタンプされる、又はマルチメディア命令の送信がタイムスタンプされる。マルチメディア命令の送信のタイムスタンプは、有利にも、命令の送信日とユーザの応答との比較を可能にできる。この比較により、例えば、マルチメディア命令によって要求された動作(触覚及び/又は呼吸)をユーザが実行した日付と目標日との差を計算することが可能になる。
【0114】
マルチメディア命令Cmは、電子端末10のソフトウェアを介して任意選択的に生成することができる。
【0115】
呼吸データを生成する方法は、ユーザが呼気及び/又は吸入した空気圧SCの測定MEP_Pを含む。空気圧の測定MEP_Pは、本発明の第1の態様による呼吸器1の呼気室8の空気圧センサ82によって測定することができる。
流体呼気室8の空気圧センサ82の測定値は、特にリアルタイムでデータ記憶保存装置に記録されてもよい。
【0116】
本発明の一実施形態では、空気圧の測定値は、ユーザの吸入中及び/又は呼気中の流体呼気室内の空気の測定値を含むことができる。
【0117】
呼吸データの生成方法は、呼吸指標Kpの生成GEN_Pを含む。
呼吸指標Kpは、流体呼気室8の測定された空気圧SCの関数として生成される。
呼吸指標Kpにはタイムスタンプが付いている。この方法は、呼吸指標と日付を関連付けるステップを含むことができる。「日付」は日付と時刻を意味する。このタイムスタンプの目的は、呼吸指標の測定及び/又は生成が行われた瞬間を記録することである。
呼吸指標Kpは、一定期間の最大圧力の関数として、呼気の長さの関数として生成され得る。
【0118】
一実施形態では、この方法は大気圧の測定も含む。この測定は、本発明の第1の態様による呼吸器1の大気流体室7の空気圧センサ72によって行われることが望ましい。大気圧測定は、流体呼気室で測定された空気圧の基準となることができるという利点がある。流体呼気室内の空気圧SCの測定は、大気圧に依存しない。
【0119】
呼吸指標Kpは、流体呼気室で測定された空気圧SCの関数として、また測定された大気圧の関数として生成することができる。
【0120】
呼吸データを生成する方法は、呼吸器1の触覚インタフェース上の相互作用SIの検出DETを含むことができる。ユーザが、例えば、少なくとも1つの触覚インタフェース2に接触したり、それを指で押したりすることで、呼吸器の少なくとも1つの触覚インタフェース2と相互作用する場合に、相互作用が検出される。
【0121】
接触指標Kiは、相互作用の検出から、又はその関数として生成されるGEN_P。例えば、ユーザが呼吸器のボタンを押すと、信号SIが生成される。生成された信号SIは、プリント回路及び/又は電子端末上の構成要素に送信される。生成された信号により、どのインタフェースが相互作用を受けたかを検出できる。
【0122】
触覚指標Kiは、相互作用が検出されたインタフェースの識別子、例えば、ユーザの圧力が検出されたボタンの識別子を含むことができる。触覚指標Kiは、相互作用の検出のタイムスタンプを含む。指標は、例えば、ユーザが触覚インタフェース2を押す時間の量や、ユーザが触覚インタフェース2を押す力など、相互作用の強度を含むことができる。
【0123】
触覚指標Ki及び/又は呼吸指標Kpは電子端末10の計算機CALCに送信される。前述したように、電子端末10は呼吸器1に配置されてもよいし、遠隔装置に配置されてもよい。
【0124】
これら2つのタイムスタンプ付き指標とタイムスタンプ付きマルチメディア命令Cmから、呼吸データSが生成される。呼吸データSは計算機CALCで生成するのが望ましい。
【0125】
呼吸データSは2つの指標Ki,Kpとマルチメディア命令Cmの相関の関数として生成される。呼吸データSにより、ユーザの呼吸能力を定量化することができる。例えば、呼吸データSは、34のスコアを含むことがあり、その値は、触覚指標Ki及び呼吸指標Kpがマルチメディア命令Cmに準拠すると増加する。
【0126】
第1の例では、マルチメディア命令Cmは呼吸命令と同期触覚相互作用命令を含むことができる。呼吸命令は、少なくとも1つの指定された日付で、できれば同期した方法で、例えば指定されたテンポで連続的な呼気命令を含む。相互作用命令は、少なくとも1つの指定された日付での、できれば同期された方法で、触覚インタフェースとの相互作用命令を含む。呼吸命令には、日付の入った吸入命令が含まれることもある。命令はユーザに送信され、1つ以上の目標呼気日と1つ以上の目標触覚相互作用日及び/又はいくつかの目標吸入日を含むことができる。命令は、各触覚相互作用の目標日に関連付けられた少なくとも1つの触覚インタフェース識別子を含むこともできる。テンポや楽曲に合わせて目標日を同期させることが望ましい。
【0127】
次に、生成された呼吸Kp指標及び触覚Ki指標をマルチメディア命令Cmと比較する。特に、呼吸Kp指標及び触覚Ki指標のタイムスタンプは、マルチメディア命令Cmに含まれる目標日付と比較される。呼吸データSは、指標のタイムスタンプとマルチメディア命令の目標日との差の関数として生成される。一実施形態では、触覚目標日の識別子は生成された触覚指標Kiの識別子と比較され、呼吸データはこの比較の関数として生成される。
【0128】
一方で、触覚命令があると、ユーザは呼吸にあまり集中することができなくなり、ユーザの能力をより表す結果を得ることができる。一方、触覚命令では、ユーザは、呼気を同期させるために使用できる同期性を設定できる。
【0129】
第2の例では、マルチメディア命令Cmは、ディスプレイ11に表示される対話型ビデオゲームの制御可能要素を移動することで構成される。制御可能要素33は、ユーザの呼気及び/又は触覚インタフェース上の相互作用によって制御可能である。図4に示す一例では、マルチメディア命令Cmの送信は、対話型ビデオゲームの制御可能要素33(ここではボート)を表示することを含む。ユーザの呼気によってボートを直線的に前進させ、また触覚相互作用によってボートをジャンプさせるようにボートを制御することができ、その逆を行ったりする。呼気バー31により、ユーザは、呼吸指標Kpの変動を見ることができる。呼吸指標Kpにより、制御可能要素33を前進させることができる。マルチメディア命令Cmは、カモメの糞32や岩37などの障害物の表示も含むことができる。マルチメディア命令Cmは、次に、前進してジャンプすることによって、前述の障害物32、37を回避する命令を含むことができる。マルチメディア命令Cmは、例えば物体を拾うために、制御可能要素33が障害物の近くにいるか、障害物に接触しているときに、少なくとも1つの触覚インタフェースと対話する命令を含むことができる。
【0130】
次に、呼吸データSは、回避された障害物の数の関数として、またルートを完了する時間の関数として、かつ/又は所与の時間内にインタラクティブゲームでの制御可能要素33が移動した距離に従って生成される。スコア34とタイマー36を表示することができる。
【0131】
第3の例では、マルチメディア命令Cmは、開始と終了を含むルートと、開始から終了まで移動する制御可能要素の表示を含む。制御可能要素の移動は呼吸指標によって作動され、移動の方向は触覚指標によって制御される場合もあれば、その逆の場合もある。その後、呼吸データは、ルートを完了するためにかかった時間及び/又は回避された障害物の数の関数となる。
【0132】
別の例では、マルチメディア命令Cmは、ユーザが到達すべき目標呼気時間及び/又は目標呼気力を含む呼吸命令を含む。呼吸指標は、事前に定義された時間内に到達すべきいくつかの目標呼気数を含むことができる。相互作用指示は、目標呼気と同時に目標相互作用を含むことができる。その後、呼吸データSは呼吸指標Kpの関数として生成される。呼吸データSは、肺活量、1秒あたりの最大呼気量、ピーク呼気流量などの呼吸定数に対応するように生成される。
【0133】
一実施形態では、装置100はネットワークへの接続手段を含む。装置100は、リアルタイムで、又は過去の使用データを使用して、生成された呼吸データSを他のユーザの呼吸データと比較するように設計されている場合がある。一実施形態では、装置はマルチメディア命令を生成し、ネットワークを介して各ユーザの装置に送信することができる。したがって、各ユーザは同じマルチメディア命令を受け取ることができ、「マルチプレイヤー」タイプの使用を可能にする。
【0134】
一実施形態では、装置100は複数の呼吸器1と電子端末10を含む。電子端末は、少なくとも2つの呼吸器1に同時に接続され、各呼吸器1の呼吸データSを同時に生成するように設計されている。1つの利点は、装置を友人又は介護者とマルチプレイヤーモードで使用できることである。
【0135】
本発明の一実施形態では、この方法は、取り外し可能なマウスピース5を検出する前ステップを含む。これにより、呼吸器1に接続された取り外し可能なマウスピース5の種類が決定される。マルチメディア命令Cmは、検出された呼吸器1に接続された取り外し可能なマウスピース5のタイプの関数として生成されることができる。代替の実施形態では、装置のインタフェースにより、ユーザは取り外し可能なマウスピースA、B、Cのタイプを選択することができる。
【0136】
呼吸データSは、電子端末のメモリに格納され、ネットワークに送信され、かつ/又は第三者装置に送信される。そのため、1つの利点は、リハビリテーションや治療期間の関数としてユーザの経過を監視できるということである。もう1つの利点は、データが、ユーザの親族及び/又はユーザの呼吸の事後調査に関与する介護者に送信され、又はそれらがアクセス可能になることである。呼吸データは、ユーザの呼吸定数を含むことができる。呼吸データSは、履歴、グラフ又はローリングテーブルの形式で提示され得る。ネットワーク又は第三者への送信は、電子メールの送信又は電子端末10からの直接転送など、ユーザの作動化によって行われる。呼吸データは、セキュリティキー又はパスワードによって暗号化又は保護される場合がある。
【0137】
装置100の電子端末10は、本発明による呼吸データを生成する方法のステップを実行するように適合又は設計された計算機CALCを備えることが望ましい。
【0138】
別の態様によれば、本発明は、本発明に従った方法のステップを実行するために本発明による装置100を導く命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。
【0139】
電子端末10は、計算機CALC又はコンピュータで読み取ることができる、コンピュータプログラムを格納した保存装置(サポート)を備えていてもよい。この保存装置は非一時的メモリを含むことができる。
【0140】
別の態様によれば、本発明は、当該コンピュータプログラムが記録されたそのような媒体に関する。
【0141】
呼吸に加えて触覚インタフェースを使用することにより、本発明による装置及び方法は、より多様なインタラクティブな運動を可能にし、ユーザの注意を呼吸からそらすことを可能にし、1本以上の指に関連する同じリズム又はリズムを同時に演奏することによって、ユーザが目標の呼気リズムに達するのを補助すける。関連リズムとは、呼気リズムと同じテンポを共有するリズムを意味する。
【0142】
このように、装置は、異なるマルチメディア命令の関数として、肺容量(呼気量、呼気力)と筋肉反応性(反応速度、リズムを維持する能力)の両方の観点から、ユーザが呼気に取り組むことを可能にする。
【0143】
別の態様によれば、呼吸器は、当該呼吸器の向きを決定することを可能にする手段を含む。
【0144】
呼吸器は、この点において、運動センサを含むことができる。運動センサは、1軸に沿った直線加速度を計算するために、1つ以上の加速度計で構成することができる。運動センサは、3つの直交軸に沿った直線加速度を計算するために3つの加速度計を含むことが望ましい。一実施形態では、運動センサは、ロール、ピッチ又はヘディング角度などの角度に従って回転又は角速度を計算するための1つ以上のジャイロメータを含む。運動センサは、3つの直交軸に沿った回転又は角速度を計算するために3つのジャイロメータを含むことが望ましい。
【0145】
一実施形態では、運動センサは慣性ユニットを含む。慣性ユニットは、3つの直交軸に沿った直線加速度を計算するための3つの加速度計と、3つの直交軸に沿った角加速度を計算するための3つのジャイロメータで構成されることが望ましい。運動センサは、装置の呼吸器に統合されていることが望ましい。
【0146】
運動センサは電子端末に接続され、測定データを電子端末に伝達する。
【0147】
この装置は、呼吸器の向きを生成するように設計されている。装置は、向き指標を生成して表示するように構成されることが望ましい。向き指標は、呼吸器の向き及び/又は所定の目標向きの関数として計算することができる。このような指標の表示は、ディスプレイに表示されてもよいし、装置のLEDによって生成されてもよい。向き手段は、地球のベースラインの水平面に対する呼吸器の傾斜角を指定するためにとられることが望ましい。
【0148】
このようなモードの利点を次に説明する。
呼吸器は、呼吸疾患の治療薬の服用を支援する文脈で使用されることがある。この薬剤には、薬物粉末、薬物ガス、薬物噴霧液などがある。薬剤はユーザが特定の向きに従って吸入する必要がある。
【0149】
一実施形態では、装置は、呼吸器の向きが所定の目標角度範囲内にあるときに、ユーザにメッセージを送信するように構成される。
【0150】
場合によっては、ユーザが特定の向きに従って薬剤を吸入する必要がある。一実施形態では、装置は、呼吸器によって測定された吸入力が所定の目標範囲内にあるときに、ユーザにメッセージを送信するように構成される。
【0151】
メッセージは、可聴アラート及び/又はLEDの色の変化及び/又は呼吸器の振動の発生及び/又はディスプレイに表示されるメッセージを含むことができる。
【0152】
その後、ユーザは、有利にも、適切な向き及び/又は吸入力で薬剤の吸入を行うことを支援される。
【0153】
一実施形態では、マウスピースは、ユーザがマウスピースの開口部から息を吸い込むように、そのような治療薬を受け入れたり、保管したりするための貯蔵所を含むことができる。
【0154】
別の例では、呼吸器はこのような治療薬の服用を再現するために使用される。この場合、呼吸器は、そのような治療薬の服用をシミュレートするための訓練手段をユーザに提供し、特に、治療薬を適切に服用するために発揮すべき、装置の向きと吸入力に関する訓練を提供する。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】