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特表2023-532953食品情報の提供を容易にする方法及びサーバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-01
(54)【発明の名称】食品情報の提供を容易にする方法及びサーバー
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230725BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500029
(86)(22)【出願日】2021-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2021067997
(87)【国際公開番号】W WO2022003023
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】20183988.3
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ブルガレッリ、ダニエレ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
食品情報の提供を容易にする方法(300)が提供される。方法(300)は、食品パッケージ(102)を提供し(302)、食品パッケージ(102)は視覚マーカー(104)を備え、ユーザー機器(108)のカメラ(106)によって、視覚マーカー(104)を描写する認証画像データをキャプチャし(304)、認証画像データからマーカデータ(112)を抽出し(308)、人工画像データベース(116)からマーカーデータ(112)にリンクされた人工画像データ(114)を取得し(310)、人工画像データ(114)が、食品パッケージ(102)内に保持された食品の少なくとも1つの食品成分を描写し、視覚マーカー(104)に基づいて人工画像空間基準点を決定し(312)、認証画像データ、人工画像データ(114)及び人工画像空間基準点を組み合わせることにより拡張画像データを生成し(314)、拡張画像データをユーザー機器(108)の画面(110)に提供する(316)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品情報の提供を容易にする方法(300)であって、
食品パッケージ(102)を提供し(302)、前記食品パッケージ(102)は視覚マーカー(104)を備え、
ユーザー機器(108)のカメラ(106)によって、前記視覚マーカー(104)を描写する認証画像データをキャプチャし(304)、
前記認証画像データからマーカーデータ(112)を抽出し(308)、
人工画像データベース(116)から前記マーカーデータ(112)にリンクされた人工画像データ(114)を取得し(310)、前記人工画像データ(114)が、前記食品パッケージ(102)内に保持された食品の少なくとも1つの食品成分を描写し、
前記視覚マーカー(104)に基づいて人工画像空間基準点を決定し(312)、
前記認証画像データ、前記人工画像データ(114)及び前記人工画像空間基準点を組み合わせることにより、拡張画像データを生成し(314)、
前記拡張画像データを前記ユーザー機器(108)の画面(110)に提供する(316)、
方法。
【請求項2】
前記認証画像データから空間測定データを抽出し(318)、空間測定データが、前記食品パッケージ(102)の測定値及び/又は前記視覚マーカー(104)の測定値にリンクし、
前記空間基準データベース(120)によって提供される、前記食品パッケージ(102)にリンクされた空間基準データ(118)及び/又は前記視覚マーカー(104)にリンクされた空間基準データと、前記空間測定データとを比較することによって、前記人工画像データ(114)の空間較正を実施し、較正済み人工画像データを生成し(320)、
前記拡張画像データは、前記認証画像データ、前記較正済み人工画像データ及び前記人工画像空間基準点を組み合わせることによって生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記食品パッケージ(102)を提供する(302)ステップは、追加の食品パッケージ(122)を提供すること(322)をさらに含み、前記追加の食品パッケージ(122)は追加の視覚マーカー(124)を備え、
前記認証画像データが、前記視覚マーカー(104)及び前記追加視覚マーカー(124)を描写し、
前記マーカデータ(112)は、前記視覚マーカー(104)及び前記追加視覚マーカー(124)に基づいており、
前記人工画像データ(114)が、前記食品パッケージ(102)に保持された食品の少なくとも1つの食品成分と、前記追加食品パッケージ(122)に保持された追加食品の少なくとも1つの追加食品成分を描写し、
前記人工画像空間基準点が、前記視覚マーカー(104)及び前記追加視覚マーカー(124)に基づく、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記空間測定データが、前記食品パッケージ(102)の測定値、前記追加の食品パッケージ(122)の測定値、前記視覚マーカー(104)の測定値、及び/又は前記追加の視覚マーカー(124)の測定値にリンクされ、
前記空間基準データが、前記食品パッケージ(102)、前記追加の食品パッケージ(122)、前記視覚マーカー(104)及び/又は前記追加の視覚マーカー(124)にリンクされている、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ボウル等の物理的な容器(126)を提供し(324)、前記認証画像データが、前記物理的な容器(126)をさらに描写し、
前記認証画像データにおける前記物理的な容器(126)の幾何学的データを決定し、
前記物理的な容器(126)に対する幾何学的データに基づいて前記人工画像データ(114)を調整することにより、調整済み人工画像データを生成し、
前記認証画像データ、前記調整済み人工画像データ及び前記人工画像空間基準点を組み合わせることによって、前記拡張画像データを生成する、
をさらに含む請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記幾何学的データは、前記食品パッケージ(102)にリンクされた、及び/又は前記視覚マーカー(104)にリンクされた前記空間基準データを、前記物理的な容器(126)と比較することによって決定される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記視覚マーカー(104)が、QRコード(登録商標)などの二次元コード(402)とともに、前記食品パッケージ(102)の側面に設けられ、前記二次元コード(402)が、前記ユーザー機器(108)上でアプリケーションを起動するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記二次元コード(402)が、前記食品パッケージ(102)の一意の識別子を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記視覚マーカー(104)が、前記食品パッケージ(102)の装飾(404)に含まれる、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記人工画像データ(114)は、前記食品を第1の形態(202)で描写し、前記食品は前記食品パッケージ内に第2の形態(204)で保持され、前記第1の形態(202)の食品の第1の体積は、前記第2の形態(204)の食品の第2の体積と異なる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記人工画像データ(114)は、前記ユーザー機器(108)の地理的位置に依存する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記人工画像データ(114)が、ユーザーの個人プロファイルに依存し、前記個人プロファイルが、異なる食品成分に対するユーザー設定データを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
食品情報の提供を容易にするように構成されたサーバ(500)であって、
前記サーバー(500)は、トランシーバー(502)、制御ユニット(504)及びメモリ(508)を備え、
前記トランシーバー(502)は、
マーカーデータを受信し(112)、
拡張画像データをユーザー機器の画面(108)に送信し、
前記制御ユニット(504)は、
人工画像データベース(116)から前記マーカーデータ(112)にリンクされた人工画像データ(114)を取得するように構成され、前記人工画像データ(114)が前記食品パッケージに保存された食品の少なくとも1つの食品成分を描写する取得機能(510)と、
前記視覚マーカー(104)に基づいて人工画像空間基準点を決定するように構成された決定機能(512)と、
前記認証画像データ、前記人工画像データ(114)及び前記人工画像空間基準点を組み合わせることによって拡張画像データを生成するように構成された第1の生成機能(514)と、を実行するように構成される、
サーバー。
【請求項14】
前記制御ユニット(504)は、
前記認証画像データから空間測定データを抽出するように構成され、前記空間測定データが前記視覚マーカー(104)の測定値にリンクされている抽出機能(516)と、
空間基準データベース(120)によって提供される、視覚マーカー(104)にリンクされた空間基準データ(118)と空間測定データを比較することによって、人工画像データ(114)の空間較正を実施し、較正済み人工画像データを生成するように構成される第3の生成機能(518)と、を実行するようにさらに構成される、
請求項12に記載のサーバー。
【請求項15】
前記認証画像データは、物理的な容器(126)をさらに描写し、
前記制御ユニット(504)は、
前記認証画像データにおける前記物理的な容器(126)の幾何学的データを決定するように構成された第2の決定機能(520)と、
前記物理的な容器(126)に対する幾何学的データに基づいて前記人工画像データ(114)を調整することにより、調整された人工画像データを生成するように構成された第3の生成機能(522)と、
前記認証画像データ、前記調整された人工画像データ及び前記人工画像空間基準点を組み合わせることによって前記拡張画像データを生成するように構成された第4の生成機能(524)と、を実行するようにさらに構成されている、
請求項12又は13に記載のサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品加工および包装産業におけるソフトウェア技術に関する。より具体的には、食品情報の提供を容易にする方法およびサーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、食品加工業界では、製品に関する情報は、法律に従って、食品パッケージに印刷されたテキストとして提供されている。このような情報は、消費者にとって重要なものである場合がある。例えば、食品の嗜好やアレルギーに関して知っておくべき重要な製品の内容に関する情報が含まれている場合がある。また、製品の状態に関して重要な賞味期限に関する情報が含まれている場合もある。
【0003】
しかし、このような情報へのアクセスが困難な場合が多い。多くの場合、情報を特定する前に、食品パッケージの複数の側面を検査する必要がある。さらに、小さなフォントで書かれていることもあり、高齢者など視力の弱い人が読みにくい場合がある。
【0004】
以上のことから、どのような食品がパッケージで提供されるのか消費者が十分に認識できるように、食品情報を消費者に提示する改善された方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の従来技術で特定された制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、食品情報の提供を容易にする方法を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般に、拡張画像データ(augmented image data)を使用することにより、食品情報の提供が容易になることが知られている。認証画像データに人工画像データを付加することによって、パッケージに印刷された食品情報を読むことができない又は他の何らかの方法で把握できない消費者が食品情報にアクセスできるようになり、その結果、例えばナッツアレルギーがある消費者がナッツを含む食品を消費するリスクを低減することができる。
【0007】
第1の態様によれば、食品情報の提供を容易にする方法が提供され、方法は、食品パッケージを提供し、食品パッケージは視覚マーカーを備え、ユーザー機器のカメラによって視覚マーカーを描写する認証画像データをキャプチャし、認証画像データからマーカーデータを抽出し、マーカーデータにリンクした人工画像データを人工画像データベースから取得し、人工画像データは、食品パッケージ内に保持された食品の少なくとも1つの食品成分を描写し、視覚マーカーに基づいて人工画像空間基準点を決定し、認証画像データ、人工画像データ及び人工画像空間基準点を組み合わせることによって拡張画像データを生成し、拡張画像データをユーザー機器のスクリーンに提供する。
【0008】
視覚マーカーは、所定のサイズの識別可能なマーカーとして解釈されるべきである。単純な形状であっても、複雑な画像であってもよい。
【0009】
食品成分は、食品の成分として解釈されるべきである。非限定的な例として、食品成分は、水、砂糖または塩であってもよい。また、潰したトマトまたは生トマト等の加工済みまたは未加工の状態であってもよい。
【0010】
また、人工画像データは、テキスト及び/又はテキストと画像の組み合わせであってもよい。例えば、人工画像データは、パッケージ内に保持されるジュースの製造に用いられるオレンジの数である3個のオレンジを描いた画像で構成されてもよい。代替として、人工画像データは、拡張画像データにおいてパッケージの隣に提示され得るテキスト「3 ORANGES」であってもよい。さらにオプションとして、3つのオレンジとテキストの両方を拡張画像データにおいてパッケージの隣に表示してもよい。
【0011】
食品は、1つの食品成分を含んでもよく、一例として、牛乳が挙げられる。食品はまた、複数の食品成分を含んでもよく、一例として、ソーダが挙げられ、食品成分の炭酸水、砂糖、香料および食品着色料を含んでもよい。
【0012】
提案された方法の利点は、パッケージのどこに書かれているかを特定することなく、食品情報にアクセスできることである。さらに、パッケージを開けずに製品を視覚化することができる。また、食品情報は食品パッケージに印刷できるスペースに制限されているが、この方法では、読みやすい大きなテキストを少容量のパッケージにも使用できる。
【0013】
本方法は、認証画像データから空間測定データを抽出すること、空間測定データが食品パッケージの測定値及び/又は視覚マーカーの測定値にリンクされ、空間基準データベースによって提供される、食品パッケージにリンクされた空間基準データ及び/又は視覚的マーカーにリンクされた空間基準データと空間測定データとを比較することによって人工画像データの空間較正を実行し、較正された人工画像データを生成すること、拡張画像データは、認証画像データ、較正された人工画像データ及び人工画像空間基準点を組み合わせることによって生成されることをさらに含んでもよい。
【0014】
言い換えると、空間測定データは、対象物の画像から決定される対象物の幾何学的測定として説明することができる。これに対して、空間基準データは、実際の対象物を測定して決定された幾何学的測定として説明することができる。
【0015】
較正された人工データを生成するステップの利点は、拡張画像データを認証画像データに適合するようにスケーリングすることができることである。
【0016】
本方法は、食品パッケージを提供するステップにおいて、追加の食品パッケージを提供するステップをさらに含んでもよく、追加の食品パッケージは追加の視覚マーカーを備え、認証画像データは視覚マーカー及び追加の視覚マーカーを描写し、マーカーデータは視覚マーカー及び追加の視覚マーカーに基づき、人工画像データは、食品パッケージ内に保持された食品の少なくとも1つの食品成分及び追加食品パッケージ内に保持された追加食品の少なくとも1つの追加食品成分を描写し、人工画像空間基準点は、視覚マーカー及び追加視覚マーカーに基づいてもよい。
【0017】
追加のパッケージを提供する利点は、食品パッケージに保持された食品の混合物を拡張画像データで示すことができることである。
【0018】
空間測定データは、食品パッケージの測定値、追加の食品パッケージの測定値、視覚マーカーの測定値及び/又は追加の視覚マーカーの測定値にリンクされてもよく、空間基準データは、食品パッケージ、追加の食品パッケージ、視覚マーカー及び/又は追加の視覚マーカーにリンクされてもよい。
【0019】
この利点は、追加の食品パッケージの場合、拡張画像データが食品パッケージと追加の食品パッケージの両方に対して較正できることである。
【0020】
本方法は、ボウル(bowl)等の物理的な容器を提供し、認証画像データが物理的な容器をさらに描写し、認証画像データにおいて物理的な容器に対する幾何学的データを決定し、物理的な容器に対する幾何学的データに基づいて人工画像データを調整することにより、調整済み人工画像データを生成し、認証画像データ、調整済み人工画像データ、及び人工画像空間基準点を組み合わせることによって拡張画像データを生成することをさらに含んでもよい。
【0021】
幾何学的データは、食品パッケージにリンクされた空間基準データ及び/又は視覚マーカーにリンクされた空間基準データを、物理的な容器と比較することによって決定されてもよい。
【0022】
視覚マーカーは、QRコード(登録商標)などの二次元コードとともに、食品パッケージの側面に設けられてもよい。この場合、視覚マーカーと二次元コードを同じ画像に取り込むことができるという点で有利となる。
【0023】
二次元コードは、ユーザー機器上でアプリケーションを起動するように構成されてもよい。ユーザー機器上のアプリケーションの起動は、ユーザー機器上のウェブブラウザでウェブページを開くことであってもよい。事前にインストールされたアプリケーションを必要としないため、利点であると考えられる。
【0024】
さらに、二次元コードは、カメラの近くでスキャンされた場合、カメラを後方に移動させる指示をユーザーに与えるように構成してもよい。こうすることで、より広い視野を得ることができる。
【0025】
二次元コードは、食品パッケージの一意の識別子を含んでもよい。これは、賞味期限データなどの特定のパッケージに関連する食品情報を拡張画像データで提供できるという点で有利である。
【0026】
視覚マーカーは、食品パッケージの装飾に含まれていてもよい。食品パッケージの装飾は、製品名などの消費者向け情報が提供されるパッケージの印刷表面と解釈されるべきである。食品パッケージに追加のマーカーを印刷する必要がないため、これは有利であると考えられる。言い換えれば、印刷プロセスを変更する必要がない。さらに、バーコードのような非消費者指向情報を少なくすることによって、パッケージのより多くのスペースを消費者指向情報に使用することができる。さらに、視覚マーカーを装飾の中に「隠す」ことで、偽造品やその他の種類の不正のリスクを減らすことができる。逆に言えば、視覚マーカーをパッケージのどこに、どのように設けているかを明記しないことで、コピーや不当な修正が難しくなる。
【0027】
人工画像データは、食品を第1の形態で描写してもよく、食品は第2の形態で食品パッケージに保持されてもよい。第1の形態における食品の第1の体積は、第2の形態における食品の第2の体積と異なってもよい。食品を異なる形態で描写することは、例えば、食品を処理した後のボウルがどの程度満杯になるかをユーザーが確認できるようになり、ボウルの選択においてユーザーを助けることができるため、有利な場合がある。
【0028】
人工画像データは、ユーザー機器の地理的位置に依存してもよい。これは、食品パッケージが位置する場所に応じて異なる拡張画像データを提供することが可能であるため、利点となり得る。
【0029】
人工画像データは、ユーザーの個人プロファイルに依存してもよい。個人プロファイルは、異なる食品成分に対するユーザー設定データから構成されてもよい。これは、特定のユーザーに関連する食品情報を提供することを可能にするので、利点となり得る。例えば、ユーザーがアレルギーを有する可能性のある食品成分に関する食品情報であってもよい。別の利点は、ユーザーが提示されたい情報を選択できることであろう。例えば、食品の内容や産地を知りたいと思う。または、栄養価や賞味期限を知りたいと思う。特定の情報を見つけることは難しく、時間がかかる。
【0030】
第2の態様によれば、食品情報の提供を容易にするように構成されたサーバーが提供される。サーバーは、トランシーバーと、制御ユニットと、メモリとを含んでもよい。
【0031】
トランシーバーは、マーカーデータを受信し、拡張画像データをユーザー機器の画面に送信するように構成されてもよい。
【0032】
制御ユニットは、人工画像データベースからマーカーデータにリンクされた人工画像データを取得するように構成された取得機能と、人工画像データは、食品パッケージに保持された食品の少なくとも1つの食品成分を描写し、視覚マーカーに基づいて人工画像空間基準点を決定するように構成された決定機能と、認証画像データ、人工画像データ及び人工画像空間基準点を組み合わせることによって拡張画像データを生成するように構成された第1の生成機能と、を実行可能に構成されてもよい。
【0033】
制御ユニットは、認証画像データから空間測定データを抽出するように構成された抽出機能と、空間測定データは視覚マーカーの測定値にリンクされており、空間基準データベースによって提供され、視覚マーカーにリンクされた空間基準データと空間測定データを比較することによって、人工画像データの空間較正を行うことにより、較正済み人工画像データを生成するように構成された第2の生成機能と、をさらに実行するように構成されてもよい。
【0034】
認証画像データは、物理的な容器をさらに描写していてもよい。制御ユニットは、認証画像データにおける物理的な容器の幾何学的データを決定するように構成された第2の決定機能と、物理的な容器の幾何学的データに基づいて人工画像データを調整することによって調整済み人工画像データを生成するように構成された第3の生成機能と、認証画像データ、調整済み人工画像データ及び人工画像空間基準点を組み合わせることによって拡張画像データを生成するように構成された第4の生成関数と、をさらに実行可能に構成されてもよい。
【0035】
また、上記の属性に加えて、さらに属性を追加して、上記の属性と組み合わせてもよいし、上記の属性とは別に用いてもよい。
【0036】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様および利点は、以下の詳細な説明および図面から明らかである。一つの態様に関して説明した同じ特徴および利点は、別段の明示的な記載がない限り、他の態様にも適用可能である。
【0037】
以下、本発明の実施形態について、添付の概略図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】食品情報の提供を容易にするシステムを説明するための概略図である。
図2A】認証画像データを用いた場面の一例を示す図である。
図2B】拡張画像データを用いた場面の一例を示す図である。
図2C】拡張画像データを用いた場面の一例を示す図である。
図3】食品情報の提供を容易にする方法のステップを示すフローチャートである。
図4A】食品パッケージに視覚マーカーを設ける1つの方法を示している。
図4B】食品パッケージに視覚マーカーを設ける1つの方法を示している。
図4C】食品パッケージに視覚マーカーを設ける1つの方法を示している。
図5】食品情報の提供を容易にするように構成されたサーバーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、食品情報の提供を容易にするシステム100の一例を示す模式図である。食品パッケージ102が提供される。食品パッケージ102は、食品を保持することができる。食品は、1つ又は複数の食品成分を含むことができる。この例では、追加の視覚マーカー124を有する追加の食品パッケージ122が提供される。また、複数の追加の食品パッケージであってもよい。複数の食品パッケージの場合、2つ以上の食品パッケージに同じ食品を保持してもよい。また、異なる食品を保持してもよい。
【0040】
本実施例で例示したように、物理的な容器126を提供することも可能である。また、複数の物理的な容器を提供することも可能である。物理的な容器126は、ボウル、鍋、グラス、または食品を保持することができる他の任意の物理的な容器であってもよい。物理的な容器126は、食品パッケージ102とは異なるものであってもよい。
【0041】
食品パッケージ102は、視覚マーカー104を備えることができる。また、QRコード(登録商標)のような二次元コード402を備えてもよい。視覚マーカー104及び二次元コード402については、図4A図4Cにおいてさらに説明する。
【0042】
システム100は、ユーザー機器108をさらに含むことができる。ユーザー機器は、スマートフォンなどのモバイルデバイス、またはタブレット、またはその他の電子デバイスであってもよい。また、眼鏡のレンズに画面が組み込まれているスマートグラスであってもよい。
【0043】
ユーザー機器108は、カメラ106を備えることができる。カメラ106は、適切な手段によってユーザー機器108に接続された外部カメラとして提供することができる。
【0044】
ユーザー機器108は、画面110を含むことができる。画面110がユーザー機器108の一部として示されているが、外部の画面として提供され、適切な手段によってユーザー機器108に接続されてもよい。
【0045】
ユーザー機器108のカメラ106は、認証画像データをキャプチャするために使用することができる。認証画像データは、食品パッケージ102上に設けられる1つ又は複数の視覚マーカー104を描写することができる。認証画像データは、さらに、1つ又は複数の食品パッケージを描写することができる。また、1つ又は複数の物理的な容器を描写することができる。
【0046】
マーカーデータ112は、ユーザー機器108によって認証画像データから抽出することができる。マーカーデータ112は、マーカーデータ112にリンクされた人工画像データ114を、人工画像データベース116から取得するために使用することができる。人工画像データベース116は、ユーザー機器108上でローカルに提供することができる。また、ユーザー機器108の外部に提供することもできる。人工画像データ114は、食品パッケージに保持された食品を構成する食品成分のイラストである。すなわち、食品パッケージ102の中身のイラストである。また、食品パッケージの開封方法の案内など、食品パッケージ102に関連するイラストや動画である。また、企業のマスコットやロゴタイプ等、生産者に関連するイラストである。
【0047】
人工画像空間基準点を決定することができる。視覚マーカー104の位置に基づいて決定することができる。
【0048】
拡張画像データは、認証画像データ、人工画像データ及び人工画像空間基準点を組み合わせることによって生成することができる。拡張画像データは、食品パッケージや物理的な容器などの実際のオブジェクトと、人工画像データベースからのアニメーションオブジェクトの両方を示す画像と解釈することができる。人工画像空間基準点は、認証画像データ及び人工画像データを位置合わせするために使用することができる。システム100のより単純なバージョンでは、人工画像空間基準点を決定するステップを省略することができる。その代わりに、画面の中心などの予め決定された基準点を使用して、人工画像データを配置する場所を知ることができる。
【0049】
拡張された画像データは、ユーザー機器108の画面110に提供されてもよい。
【0050】
オプションとして、空間基準データベース120を提供することができる。空間基準データベース120は、食品パッケージ102及び/又は視覚マーカー104にリンクされた空間基準データ118を提供することができる。空間基準データは、食品パッケージ又は視覚マーカーの幾何学的寸法とすることができる。描かれているパッケージの種類を知るために、この情報は、パッケージに設けられた視覚マーカー又は他のコードにリンクされることができる。例えば、Tetra Brik Aseptic 1000ml Slimのパッケージ等、どのタイプのパッケージであるのか知ることによって、表示されているパッケージにリンクされた空間基準データを取得することができる。視覚マーカーの代わりにパッケージを空間的位置合わせに使用する利点は、パッケージがより大きくなり、その効果として異なる空間基準点をさらに離れて配置することができ、人工画像データ及び認証画像データの改善された空間的位置合わせを提供し得ることである。
【0051】
空間測定データは、認証画像データから抽出することができる。空間測定データは、上述したように、食品パッケージ102の測定値及び/又は視覚マーカー104の測定値にリンクさせることができる。空間測定データを空間基準データと比較することによって、較正された人工画像データを生成することができる。
【0052】
拡張画像データは、認証画像データ、較正された人工画像データ及び人工画像空間基準点を用いて生成されてもよい。このようにして、人工物体の大きさは、食品パッケージ102及び/又は視覚マーカー104のサイズと一致するように較正されてもよい。
【0053】
物理的な容器126が認証画像データで提供される場合、例えば、物理的な容器126を食品パッケージ102及び/又は視覚マーカー104の空間基準データと比較することによって、物理的な容器126の幾何学的データを決定することができる。
【0054】
図2Aは、一例として、認証画像データに基づく場面を示す図である。この例では、視覚マーカー104を有する食品パッケージ102および物理的な容器126が視覚化されている。
【0055】
図2Bは、一例として、拡張画像データに基づく場面を示す図である。食品パッケージ102に保持されているが、物理的な容器126に保持されている食品を第1の形態202で図示している。また、図2Cのように、同じ食品パッケージ102と同じ食品を示すが、容積が異なる第2の形態204で図示することも可能である。第1の形態及び第2の形態は、食品の加工された形態と加工されていない形態として解釈することができる。
【0056】
一例として、食品パッケージ102は、クリームのパッケージである。図2Bでは、クリームは、ホイップされていないクリームとして可視化されている。図2Cでは、クリームは、ホイップされたクリームとして視覚化されている。この場合、製品の第1の形態202は、第2の形態204よりも小さい体積を有する。
【0057】
別の例として、食品パッケージ102は、オレンジジュースのパッケージである。第1の形態は、未加工のオレンジである。第2の形態は、オレンジジュースに加工された形態である。この場合、第1の形態は、第2の形態よりも大きな体積を有する。
【0058】
図2A図2Cのいずれにも図示されていないが、拡張画像データは、同じ場面内の複数の食品パッケージの食品又は食品成分を描写することができる。これは、2つの食品の混合を説明するために使用することができる。
【0059】
別の例として、食品は、別々に構成されている食品成分によって説明することができる。
【0060】
図3は、食品情報の提供を容易にする方法300の手順を示すフローチャートである。
【0061】
第1のステップ302において、食品パッケージが提供され、食品パッケージは、視覚マーカーを備える。
【0062】
第2のステップ304において、視覚マーカーを描写する認証画像データが、ユーザー機器のカメラによってキャプチャされる。
【0063】
第3のステップ308において、認証画像データからマーカーデータが抽出される。
【0064】
第4のステップ310において、マーカーデータにリンクされた人工画像データを人工画像データベースから取得することができ、人工画像データは、食品パッケージに保持された食品の少なくとも1つの食品成分を描写する。
【0065】
オプションとして、マーカーデータが既に取得済みであるかどうかチェックすること306によって、第3及び第4のステップをスキップできる。この場合、方法300を連続的に繰り返して、ユーザー機器の画面上の拡張画像データのリアルタイムフィードを取得することができる。言い換えれば、第3のステップは、1回だけ実行される場合がある。さらに、第4のステップは、1回だけ実行される場合がある。
【0066】
第5のステップ312では、視覚マーカーに基づき、人工画像空間基準点を決定する。
【0067】
第6のステップ314では、認証画像データ、人工画像データ及び人工画像空間基準点を組み合わせることによって、拡張画像データを生成する。
【0068】
第7のステップ316において、拡張画像データは、ユーザー機器の画面に提供される。
【0069】
オプションとして、第8のステップ318において、認証画像データから空間測定データを抽出し、空間測定データは、食品パッケージの測定値及び/又は視覚マーカーの測定値にリンクしている。
【0070】
オプションとして、第9のステップ320において、空間基準データベースによって提供される、食品パッケージにリンクされた空間基準データ及び/又は視覚マーカーにリンクされた空間基準データと空間測定データとを比較することによって、人工画像データの空間較正を実行し、較正済み人工画像データを生成する。
【0071】
オプションとして、第6ステップ314において、認証画像データ、較正済み人工画像データ及び人工画像空間基準点を組み合わせることによって、拡張画像データを生成する。
【0072】
オプションとして、第1のステップ302において、追加の食品パッケージを提供し(322)、追加の食品パッケージは追加の視覚マーカーを提供し、認証画像データは、視覚マーカー及び追加の視覚マーカーを描写し、マーカーデータは、視覚マーカーと追加視覚マーカーに基づき、人工画像データは、食品パッケージに保持される食品の少なくとも1つの食品成分と、追加の食品パッケージに保持される追加の食品の少なくとも1つの食品成分とを描写し、人工画像空間基準点は、視覚マーカー及び追加視覚マーカーに基づく。
【0073】
空間測定データは、食品パッケージの測定値、追加の食品パッケージの測定値、視覚マーカーの測定値及び/又は追加の視覚マーカーの測定値にリンクさせる。さらに、空間基準データは、食品パッケージ、追加の食品パッケージ、視覚マーカー及び/又は追加の視覚マーカーにリンクしている。
【0074】
オプションとして、第1のステップ302において、物理的な容器を提供し(324)、認証画像データは、物理的な容器をさらに描写する。オプションとして、第10のステップにおいて、認証画像データにおける物理的な容器の幾何学的データを決定する。オプションとして、第11のステップにおいて、物理的な容器に対する幾何学的データに基づいて人工画像データを調整することにより、調整済み人工画像データを生成する。オプションとして、第6のステップ314において、認証画像データ、調整済み人工画像データ及び人工画像空間基準点を組み合わせることによって、拡張画像データを生成する。
【0075】
オプションとして、第10ステップにおいて、食品パッケージにリンクされた空間基準データ及び/又は視覚マーカーにリンクされた空間基準データを、物理的な容器と比較することによって、幾何学的データを決定する。
【0076】
図4A図4Cは、視覚マーカー104が食品パッケージ102に提供される方法の例を示す。視覚マーカー104は、QRコード(登録商標)などの二次元コード402とともに設けることができ、あるいは、別々に設けることができる。
【0077】
図4Aは、視覚マーカー104が、食品パッケージ102の片側にある二次元コード402の隣に設けられている例を示している。食品パッケージ102のどちらの面にも配置できる。
【0078】
図4Bは、視覚マーカー104が2次元コード402内に設けられている例を示す。
【0079】
図4Cは、視覚マーカー104が食品パッケージ102の装飾部404に含まれる例を示す。すなわち、視覚マーカー104は、例えば、食品パッケージ104に既に印刷されているパッケージのロゴである。
【0080】
図5は、サーバー500の概略図を示す。サーバー500は、食品情報の提供を容易にするように構成されている。サーバー500は、トランシーバー502と、制御ユニット504と、メモリ508を備える。
【0081】
トランシーバー502は、他のデバイスと通信するように構成される。トランシーバー502は、マーカーデータを受信し、拡張画像データをユーザー機器の画面に送信するように構成される。
【0082】
制御ユニット504は、サーバー500の機能及び動作の制御を実行するように構成される。制御ユニット504は、中央処理装置(CPU)等のプロセッサ506を含む。プロセッサ506は、サーバー500の機能及び動作を実行するために、メモリ508に格納されたプログラムコードを実行するように構成される。
【0083】
制御ユニット504は、人工画像データベースからマーカーデータにリンクされた人工画像データを取得するように構成された取得機能510を実行し、人工画像データは、食品パッケージ内に保持された食品の少なくとも1つの食品成分を描写する。
【0084】
制御ユニット504は、視覚マーカーに基づいて人工画像空間基準点を決定するように構成された決定機能512を実行する。
【0085】
制御ユニット504は、認証画像データ、人工画像データ及び人工画像空間基準点を組み合わせることによって、拡張画像データを生成するように構成された第1の生成機能514を実行する。
【0086】
オプションとして、制御ユニット504は、認証画像データから空間測定データを抽出するように構成された抽出機能516を実行し、空間測定データは、認証画像データに描かれた視覚マーカー及び/又はパッケージの測定にリンクしている。
【0087】
オプションとして、制御ユニット504は、空間基準データベースによって提供された、視覚的マーカー及び/又はパッケージにリンクされた空間基準データと空間測定データを比較することによって人工画像データの空間較正を実行し、較正済み人工画像データを生成するように構成された第2の生成機能518を実行する。
【0088】
オプションとして、制御ユニット504は、認証画像データにおける物理的な容器の幾何学的データを決定するように構成された第2の決定機能520を実行する。
【0089】
オプションとして、制御ユニット504は、物理的な容器に対する幾何学的データに基づいて人工画像データを調整することにより、調整済み人工画像データを生成するように構成された第3の生成機能522を実行する。
【0090】
オプションとして、制御ユニット504は、認証画像データ、調整済み人工画像データ及び人工画像空間基準点を組み合わせることによって、拡張画像データを生成するように構成された第4生成機能524を実行する。
【0091】
オプションとして、制御ユニット504は、第2の抽出機能によって、認証画像データからマーカーデータを抽出するように構成する。
【0092】
サーバー500は、ユーザー機器内に設けられてもよい。
【0093】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態が説明され、示されてきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に規定される主題の範囲内で他の方法で具体化することも可能である。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5
【国際調査報告】