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特表2023-534464dCas13-RNase融合タンパク質による標的RNAの切断
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】dCas13-RNase融合タンパク質による標的RNAの切断
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20230802BHJP
   C12N 15/55 20060101ALI20230802BHJP
   C12N 9/22 20060101ALI20230802BHJP
   C12N 9/16 20060101ALI20230802BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230802BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20230802BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20230802BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230802BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20230802BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230802BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20230802BHJP
   A61K 38/17 20060101ALI20230802BHJP
   A61K 38/46 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
C12N15/62 Z ZNA
C12N15/55
C12N9/22
C12N9/16 Z
C07K19/00
C12N15/09 110
C12N15/11 Z
A61P21/00
A61P31/14
A61K48/00
A61K31/7088
A61K38/17
A61K38/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502717
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 US2021041728
(87)【国際公開番号】W WO2022015916
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】63/052,238
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/052,121
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508144129
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ロチェスター
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100196977
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 路子
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス マシュー アンダーソン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA07
4C084AA13
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084BA44
4C084DC22
4C084MA31
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA56
4C084MA57
4C084MA58
4C084MA59
4C084MA60
4C084MA63
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA941
4C084ZA942
4C084ZB331
4C084ZB332
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA94
4C086ZB33
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA11
4H045DA89
4H045EA60
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、RNAを調節するためのタンパク質、核酸、システム及び方法を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質、核酸、システム及び方法は、標的化によるRNA切断に使用される。他の実施形態では、タンパク質、核酸、システム及び方法は、RNA分子のトランススプライシングに使用される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)CRISPR関連(Cas)タンパク質と、
b)RNaseタンパク質と、を含む、融合タンパク質。
【請求項2】
前記Casタンパク質が、触媒活性を失ったCas13(dCas13)である、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
dCas13が、配列番号47~48から選択される配列、またはそのバリアントを含む、請求項2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記RNaseが、配列番号49~89から選択される配列、またはそれらのバリアントを含む、請求項1~3のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記RNaseタンパク質が、txRNase 1、RNase T1、リボヌクレアーゼHI、PIN RNase、またはRNase Aである、請求項1~3のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記RNaseが、RNase二量体である、請求項1~3のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記RNase二量体が、配列番号57、77、79、82、及び84~87から選択される配列、またはそれらのバリアントを含む、請求項6に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
前記融合タンパク質が、核局在化シグナル(NLS)をさらに含む、請求項1~7のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項9】
NLSが、配列番号110~730から選択される配列、またはそれらのバリアントを含む、請求項8に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
配列番号732及び733から選択される配列と、配列番号49~89から選択される配列と、を含む、請求項1~9のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子。
【請求項12】
請求項1~10のいずれかに記載の融合タンパク質または請求項11に記載の核酸を含む組成物。
【請求項13】
1つ以上の標的化核酸分子をさらに含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記標的化核酸分子が、CRISPRガイドRNA(crRNA)である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
標的化DNAオリゴをさらに含む、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
a)CRISPR関連(Cas)タンパク質と、
b)sタンパク質と、を含む、融合タンパク質。
【請求項17】
前記Casタンパク質が、触媒活性を失ったCas13(dCas13)である、請求項16に記載の融合タンパク質。
【請求項18】
dCas13が、配列番号47~48から選択される配列、またはそのバリアントを含む、請求項17に記載の融合タンパク質。
【請求項19】
前記sタンパク質が、配列番号90、93、及び96から選択される配列、またはそれらのバリアントを含む、請求項16~18のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項20】
前記融合タンパク質が、核局在化シグナル(NLS)をさらに含む、請求項16~19のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項21】
NLSが、配列番号110~730から選択される配列、またはそれらのバリアントを含む、請求項20に記載の融合タンパク質。
【請求項22】
配列番号732及び733から選択される配列と、配列番号90、93、及び96から選択される配列と、を含む、請求項16~21のいずれかに記載の融合タンパク質。
【請求項23】
請求項16~22のいずれかに記載の融合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子。
【請求項24】
請求項16~22のいずれかに記載の融合タンパク質または請求項23に記載の核酸分子を含む組成物。
【請求項25】
sペプチドをさらに含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
前記sペプチドが、配列番号83、84、86、87、89及び90から選択される配列、またはそれらのバリアントを含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
1つ以上の標的化核酸分子をさらに含む、請求項24~26のいずれかに記載の組成物。
【請求項28】
前記標的化核酸分子が、CRISPRガイドRNA(crRNA)である、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
対象のRNA転写産物の数を減少させるかまたはRNA転写産物を切断する方法であって、前記対象に、請求項1~10及び16~22のいずれかに記載の融合タンパク質、請求項11または23に記載の核酸分子、または請求項24~26のいずれかに記載の組成物と、前記RNA転写産物内の標的RNA配列に相補的な配列を含むガイド核酸と、を投与することを含む、前記方法。
【請求項30】
インビトロでの方法またはインビボでの方法のいずれかである、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
対象のRNAに関連した疾患または障害を治療する方法であって、前記対象に、請求項1~10及び16~22のいずれかに記載の融合タンパク質、請求項11または23に記載の核酸分子、または請求項24~26のいずれかに記載の組成物と、前記RNA転写産物内の標的RNA配列に相補的な配列を含むガイド核酸と、を投与することを含む、前記方法。
【請求項32】
前記疾患または障害が、筋強直性ジストロフィーまたはRNAウイルス感染症である、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月15日出願の米国仮特許出願第63/052,121号、及び2020年7月15日出願の米国仮特許出願第63/052,238号に対する優先権を主張するものであり、これらの出願のそれぞれの全容を参照によって本明細書に援用するものである。
【0002】
ASCIIテキストファイルとして提出された「配列表」、表、またはコンピュータプログラムリストの付録への参照
本出願では、「204606-0132-00WO Sequence Listing.txt」のファイル名のASCIIフォーマットのテキストファイルの全容を援用する。本出願の配列表を含むテキストファイルは、2021年7月14日に作成され、そのサイズは961,054バイトである。
【背景技術】
【0003】
RNAを標的とし、RNAにより活性化されるCRISPR-Cas13システムは、一般的に標的化CRISPRガイドRNA(crRNA)と、プログラマブルなエンドリボヌクレアーゼとして機能するCRISPR関連タンパク質であるCas13とから構成される(O’Connell,2019,J Mol. Biol 431:66-87;Abudayyeh et al.,2018,Nature 550:280-84;Mohanraju et al.,2016,Science 343:aad5147)。Cas13タンパク質は、一本鎖RNAの切断を可能とする2個の高等真核生物及び原核生物ヌクレオチド結合(HEPN)ドメインを有している。インビトロ及び細菌内で、ガイドRNAに相補的な標的RNAが結合すると、HEPN-RNase活性が構成的に活性化され、標的RNAの分解と非特異的なRNA切断(コラテラル切断)が起こる(Abudayyeh et al.,2018,Nature 550:280-84;Abudayyeh et al.,2016,Science 343:aaf5573;Konermann et al.,2018,Cell 173:665-76)。哺乳動物細胞では、ガイドRNAの活性化はより正確であり、複数の部位で標的RNAのシス切断が生じるが、検出されるトランス/コラテラル切断は生じない(図1A)。驚くべきことに、HEPNドメイン内の触媒不活性化変異は、Cas13のRNase活性を妨げるが、RNA標的化機能は保持する。
【0004】
crRNA配列モチーフ(プロトスペーサーフランキングモチーフ、PFS)に隣接する必要性がほとんどない迅速なプログラマビリティは、CRISPR-Cas13に標的RNA切断の優れた能力を与えるものである。しかしながら、CRISPR-Cas13は一本鎖RNA(ssRNA)を切断できるのみであり、標的RNAの完全な分解をもたらすため、すべての状況で最適であるとは限らない。したがって、RNAを調節及び/または切断するための組成物及び方法が当該技術分野において必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】dCas13-RNase融合タンパク質による標的RNAの切断を示す概略図である。Aは、CRISPR-Cas13の切断メカニズムを示す概略図である。Bは、CRISPRaseの切断メカニズムを示す概略図である。Cは、哺乳動物細胞内のルシフェラーゼmRNAを標的化するCRISPR-Cas13及び異なるCRISPRase融合タンパク質の相対活性を示す実験結果を示す。
図2A】CRISPRase融合タンパク質の改変を示す。dCas13と異なるRNA基質特異性を有するRNaseとの融合を示す概略図である。dCas13とssRNAに対する基質特異性を有するRNaseとの融合を示す概略図である。
図2B】CRISPRase融合タンパク質の改変を示す。dCas13と異なるRNA基質特異性を有するRNaseとの融合を示す概略図である。dCas13とssRNAまたはdsRNAに対する基質特異性を有するRNaseタンデム二量体との融合を示す概略図である。
図2C】CRISPRase融合タンパク質の改変を示す。dCas13と異なるRNA基質特異性を有するRNaseとの融合を示す概略図である。
図2D】CRISPRase融合タンパク質の改変を示す。RNA切断を指定するかまたは複数の切断部位を与える、dCas13を用いたRNaseドメインの構造的配置を示す概略図である。crRNA標的部位の5’側での切断を可能とするRNase-dCas13融合タンパク質を示す概略図である。
図2E】CRISPRase融合タンパク質の改変を示す。RNA切断を指定するかまたは複数の切断部位を与える、dCas13を用いたRNaseドメインの構造的配置を示す概略図である。crRNA標的部位を挟んだ切断部位を与えるRNase-dCas13-RNase融合タンパク質を示す概略図である。
図3A】特異的なCRISPRase活性を防止または有効にするためのガイドRNAの改変を示す。ガイドRNAの長さの延長を利用して、ssRNAに特異的なCRISPRaseによる切断を阻害するか、または不対塩基のバルジを含めることでヌクレオチド特異的な切断を行うことができることを示した概略図である。
図3B】特異的なCRISPRase活性を防止または有効にするためのガイドRNAの改変を示す。ガイドRNAの長さを延長することで、dsRNA基質を形成することによりdsRNA特異的なRNaseによる切断を行うか、または不対残基による隣接するバルジを形成することにより切断に集中できることを示す概略図である。
図3C】特異的なCRISPRase活性を防止または有効にするためのガイドRNAの改変を示す。標的RNAに相補的な単一または複数のDNAオリゴの付加が、RNA:DNAハイブリッド基質中のRNAの切断に特異的なRNAseによる切断を可能にすることを示す概略図である。
図4A】分割されたRNaseの補完を用いた誘導性CRISPRase活性を示す概略図である。RNase1/RNaseAリボヌクレアーゼは、それぞれ別個の触媒活性を有さないS-ペプチドとS-タンパク質の成分に分割され、トランスで再形成されて触媒活性を取り戻す。対応するSペプチドで補完された場合に「誘導可能な」CRISPRase切断を与えるためのdCas13とSタンパク質との融合を示す。SペプチドとERT2及びタモキシフェン(tmx)などの小分子応答性タンパク質ドメインとの融合を利用して薬剤活性化CRISPRase切断システムを形成することができる。
図4B】分割されたRNaseの補完を用いた誘導性CRISPRase活性を示す概略図である。RNase1/RNaseAリボヌクレアーゼは、それぞれ別個の触媒活性を有さないS-ペプチドとS-タンパク質の成分に分割され、トランスで再形成されて触媒活性を取り戻す。対応するSタンパク質で補完された場合に「誘導可能な」CRISPRase切断を与えるためのdCas13とSペプチドとの融合を示す。Sタンパク質とERT2及びタモキシフェン(tmx)などの小分子応答性タンパク質ドメインとの融合を利用して薬剤活性化CRISPRase切断システムを形成することができる。
図4C】分割されたRNaseの補完を用いた誘導性CRISPRase活性を示す概略図である。RNase1/RNaseAリボヌクレアーゼは、それぞれ別個の触媒活性を有さないS-ペプチドとS-タンパク質の成分に分割され、トランスで再形成されて触媒活性を取り戻す。CRISPRaseによるRNA標的切断を促進するために使用できる、dCas13と複数のタンデムなSペプチドドメインとの融合を示す概略図である。
図5A】有毒なRNAフォーカスを分解し、宿主遺伝子発現を維持するためのCRISPRaseの治療的応用を示した実験結果を示す。12コピーまたは960コピーのCUGリピートをコードしたヒトDMPKの3’UTR配列をコードするルシフェラーゼレポーター遺伝子を示す概略図である(それぞれ、pGL3P-DT12aまたはpGL3P-DT960)。
図5B】有毒なRNAフォーカスを分解し、宿主遺伝子発現を維持するためのCRISPRaseの治療的応用を示した実験結果を示す。pGL3P-DT12a及びpGL3P-DT960ルシフェラーゼレポーター遺伝子の相対ルシフェラーゼ活性を示す。
図5C】有毒なRNAフォーカスを分解し、宿主遺伝子発現を維持するためのCRISPRaseの治療的応用を示した実験結果を示す。非標的化ネガティブコントロールガイドRNAと比較した、eraseR、dCas13、またはCRISPRaseによってCUG標的化ガイドRNA(CAGcrRNA)で標的化されたpGL3P-DT960レポーターのルシフェラーゼ活性を示す。
図5D】有毒なRNAフォーカスを分解し、宿主遺伝子発現を維持するためのCRISPRaseの治療的応用を示した実験結果を示す。CUG標的化ガイドRNA(CAGcrRNA)または非標的化ネガティブコントロールガイドRNA(NCcrRNA)とともにeraserまたはCRISPRaseによって標的化された、960個のCUGリピートを含むヒトDMPKの3’UTRを含むRNAの発現によって誘導された細胞当たりのRNAフォーカスの数を示す。
図5E】有毒なRNAフォーカスを分解し、宿主遺伝子発現を維持するためのCRISPRaseの治療的応用を示した実験結果を示す。
図5F】有毒なRNAフォーカスを分解し、宿主遺伝子発現を維持するためのCRISPRaseの治療的応用を示した実験結果を示す。
図6】標的化によるRNAse切断によるRNAのトランススプライシングを行うための新規な融合編集タンパク質の使用を示す概略図を示す。CRISPRaseによって行われるような標的化によるRNAse切断は、細胞内で、またはRtcBリガーゼによって触媒される場合にはインビトロでトランスRNAスプライシングを受けうる固有のRNA末端を生じる。Aは、独立したRNAのアセンブリを誘導するための複数のガイドRNAによって標的化されたCRISPRaseの使用を示す。Bは、単一のRNA内の配列を欠失させるための複数のガイドRNAによって標的化されたCRISPRaseの使用を示す。Cは、特定の内部RNA配列を欠失させるため、単一のガイドRNAによって標的化するためのN末端とC末端の両方にRNAse融合を有するCRISPRaseの使用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
一態様では、本開示は、標的化されたRNA切断を提供する新規の融合タンパク質の開発に基づく。一実施形態では、融合タンパク質は、触媒活性を失ったCRISPR関連(dCas)タンパク質及びRNaseタンパク質を含む。これらの融合タンパク質は、RNaseタンパク質の触媒活性と、触媒活性を失ったCasのプログラマブルなDNA標的化能力とを組み合わせたものである。一実施形態では、RNaseタンパク質は、txRNase 1、RNase T1、リボヌクレアーゼH1、PIN RNase、またはRNase Aである。一実施形態では、RNaseはRNase二量体である。一実施形態では、融合タンパク質は、核局在化シグナル(NLS)をさらに含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、NLSを含まないため、細胞質中のRNAを標的化するのに適している。
【0007】
一実施形態では、融合タンパク質は、触媒活性を失ったCRISPR関連(dCas)タンパク質と、sタンパク質と、を含む。dCas-sタンパク質融合タンパク質は、sペプチドとともにトランスで送達され、RNaseの触媒活性を与える。したがって、一実施形態では、本開示は、dCas-sタンパク質融合タンパク質と、s-ペプチドと、を含む組成物を提供する。
【0008】
別の態様では、本発明は、編集タンパク質の新規融合体、その組成物、及びRNA分子をトランススプライシングするためのその使用方法を含む。いくつかの実施形態では、融合編集タンパク質は、2’,3’環状リン酸及び5’ヒドロキシルRNA末端を生じる。一実施形態では、2’,3’環状リン酸及び5’ヒドロキシルRNA末端同士を互いに連結することができる。一実施形態では、連結はRtcBリガーゼによって媒介される。
【0009】
定義
特に定義しない限り、本明細書において使用される技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0010】
一般に、本明細書において使用される命名法ならびに細胞培養、分子遺伝学、有機化学、ならびに核酸化学及びハイブリダイゼーションにおける実験手順は、当該技術分野において周知であり、一般的に用いられるものである。
【0011】
標準的な技術が核酸及びペプチド合成に使用される。これらの技術及び手順は、一般に、当該技術分野における従来の方法及び本明細書全体にわたって提供される種々の一般的な参考文献(例えば、Sambrook and Russell,2012,Molecular Cloning,A Laboratory Approach,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NY、及びAusubel et al.,2012,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,NY)に従って実行される。
【0012】
本明細書において使用される命名法ならびに以下に記載される分析化学及び有機合成において使用される実験手順は、当該技術分野において周知であり、一般的に用いられるものである。標準的技術またはその改変形態が、化学合成及び化学分析に使用される。
【0013】
本発明の文脈において(特に特許請求の範囲の文脈において)使用される用語「a」、「an」、及び「the」、ならびに同様の用語は、本明細書において特に明記しない限り、または文脈によって明らかに否定されない限り、単数形及び複数形の両方を包含するものと解釈される。
【0014】
本明細書で使用される「約」は、量、時間的持続時間などの測定可能な値を指す場合、特定された値からの±20%、または±10%、または±5%、または±1%、または±0.1%の変動を包含することを意味し、そのような変動は、開示された方法を実施するために適切である。
【0015】
「アンチセンス」とは、特に、タンパク質をコードする二本鎖DNA分子の非コード鎖の核酸配列、または非コード鎖と実質的に相同な配列を指す。本明細書で定義されるように、アンチセンス配列は、タンパク質をコードする二本鎖DNA分子の配列に相補的である。アンチセンス配列がDNA分子のコード鎖のコード部分のみに相補的である必要はない。アンチセンス配列は、タンパク質をコードするDNA分子のコード鎖上に特定された調節配列に相補的であり得、調節配列はコード配列の発現を制御する。
【0016】
「疾患」は、動物の健康の状態であって、当該動物が恒常性を維持することができず、疾患が改善されない場合は当該動物の健康が悪化し続ける、当該状態である。
【0017】
対照的に、動物における「障害」は、健康の状態であって、当該動物が恒常性を維持することができるが、当該動物の健康状態が、当該障害が存在しない場合よりも良好でない、状態である。障害は、処置されないまま放置されたとしても、必ずしも動物の健康状態の更なる悪化を引き起こすわけではない。
【0018】
疾患もしくは障害の徴候もしくは症状の重症度、このような徴候もしくは症状を患者が経験する頻度、またはその両方が低減される場合、当該疾患または障害は「軽減」される。
【0019】
「コードする」とは、ヌクレオチド(すなわち、rRNA、tRNA及びmRNA)の定義された配列またはアミノ酸の定義された配列のいずれかを有する生物学的プロセスにおける他のポリマー及び巨大分子の合成のためのテンプレートとして機能する、遺伝子、cDNA、またはmRNAなどのポリヌクレオチドにおける特定のヌクレオチド配列の固有の特性、またはそれから得られる生物学的特性を指す。したがって、遺伝子に対応するmRNAの転写及び翻訳が細胞または他の生物学系においてタンパク質を産生する場合、その遺伝子は、タンパク質をコードする。mRNA配列と同一であり、通常は配列表に提供されるヌクレオチド配列であるコード鎖、及び遺伝子またはcDNAの転写のための鋳型として使用される非コード鎖の両方は、その遺伝子またはcDNAのタンパク質または他の産物をコードすると称され得る。
【0020】
「患者」、「対象」、「個体」などという用語は、本明細書において互換的に使用され、インビトロであるかインビボであるかにかかわらず、本明細書に記載される方法に適した任意の動物または細胞を指す。一実施形態において、対象は、脊椎動物及び無脊椎動物を含む。無脊椎動物には、Drosophila melanogaster及びCaenorhabditis elegansが含まれるが、これらに限定されない。脊椎動物としては、限定されるものではないが、霊長類、げっ歯類、飼育動物、または狩猟動物が挙げられる。霊長類としては、チンパンジー、カニクイザル、クモザル、及びマカク(例えば、アカゲザル)が含まれるが、これらに限定されない。齧歯類としては、限定されるものではないが、マウス、ラット、マーモット、フェレット、ウサギ、及びハムスターが挙げられる。家畜及び狩猟動物は、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、バッファロー、ネコ種(例えば、家ネコ)、イヌ種(例えば、イヌ、キツネ、オオカミ)、トリ種(例えば、ニワトリ、エミュー、ダチョウ)、及び魚(例えば、ゼブラフィッシュ、トラウト、ナマズ及びサーモン)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物、例えば、霊長類、例えば、ヒトである。ある種の非限定的な実施形態では、患者、対象、または個体は、ヒトである。
【0021】
抗体に関して本明細書で使用される「特異的に結合する」という用語は、試料中の特定の抗原を認識するが、他の分子を実質的に認識しないか、またはそれに結合しない抗体を意味する。例えば、1つの種由来の抗原に特異的に結合する抗体は、1つ以上の種由来のその抗原にも結合し得る。しかし、そのような種間反応性は、それ自体が特異的としての抗体の分類を変えるものではない。別の例において、抗原に特異的に結合する抗体は、抗原の異なる対立遺伝子型にも結合し得る。しかしながら、このような交差反応性は、それ自体が特異的としての抗体の分類を変えるものではない。
【0022】
いくつかの例では、「特異的結合」または「特異的な結合」という用語は、抗体、タンパク質、またはペプチドと第2の化学種との相互作用に関して使用され得、相互作用が化学種上の特定の構造(例えば、抗原決定基またはエピトープ)の存在に依存することを意味し、例えば、抗体は、一般にタンパク質ではなく特定のタンパク質構造を認識し、特定のタンパク質構造に結合する。抗体がエピトープ「A」に特異的である場合、標識された「A」及び抗体を含有する反応において、エピトープA(または遊離、非標識A)を含有する分子の存在は、抗体に結合した標識されたAの量を低減させる。
【0023】
遺伝子の「コード領域」は、当該遺伝子のコード鎖のヌクレオチド残基及び当該遺伝子の非コード鎖のヌクレオチドからなり、これらは、当該遺伝子の転写により生成されるmRNA分子のコード領域にそれぞれ相同または相補的である。
【0024】
mRNA分子の「コード領域」はまた、mRNA分子の翻訳中に転移RNA分子の抗コドン領域と一致するか、または終止コドンをコードするmRNA分子のヌクレオチド残基からなる。したがって、コード領域は、mRNA分子によりコードされる成熟タンパク質に存在しないアミノ酸残基(例えば、タンパク質輸出シグナル配列のアミノ酸残基)のコドンを含むヌクレオチド残基を含み得る。
【0025】
本明細書で使用される「相補的」とは核酸を指し、2つの核酸鎖の領域間または同じ核酸鎖の2つの領域間の配列相補性の広範な概念を指す。第1の核酸領域のアデニン残基は、第2の核酸領域の残基がチミンまたはウラシルである場合、第1の領域に逆平行であるその残基と特異的水素結合(「塩基対形成」)を形成することができることが知られている。同様に、第1の核酸鎖のシトシン残基は、残基がグアニンである場合、第1の鎖に対して逆平行である第2の核酸鎖の残基と塩基対形成できることが知られている。核酸の第1の領域は、2つの領域が逆平行な様式で配置されるときに第1の領域の少なくとも1個のヌクレオチド残基が、第2の領域の残基と塩基対形成できる場合、同じかまたは異なる核酸の第2の領域と相補的である。一実施形態では、第1の領域が第1の部分を含み、第2の領域が第2の部分を含み、それにより、第1の部分及び第2の部分が逆平行様式で配置される場合、第1の部分のヌクレオチド残基の少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%が、第2の部分におけるヌクレオチド残基と塩基対形成することができる。一実施形態では、第1の部分の全てのヌクレオチド残基が、第2の部分のヌクレオチド残基と塩基対形成できる。
【0026】
本明細書で使用される「DNA」という用語は、デオキシリボ核酸として定義される。
【0027】
本明細書で使用する場合、「発現」という用語は、特定のヌクレオチド配列の、そのプロモーターにより促進される転写及び/または翻訳として定義される。
【0028】
本明細書で使用する場合、「発現ベクター」という用語は、転写されることができる遺伝子産物の少なくとも一部をコードする核酸配列を含有するベクターを指す。いくつかの場合では、次いで、RNA分子はタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドに翻訳される。他の場合では、これらの配列は、例えば、アンチセンス分子、siRNA、リボザイムなどの産生において翻訳されない。発現ベクターは、種々の制御配列を含有し得、制御配列とは、特定の宿主生物における作動的に連結されたコード配列の転写及びおそらく翻訳に必要な核酸配列を指す。転写及び翻訳を制御する制御配列に加えて、ベクター及び発現ベクターは、他の機能を果たす核酸配列も含有し得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、「野生型」という用語は、当業者によって理解される当該技術分野の用語であり、変異体またはバリアント形態と区別される自然界で発生する生物、株、遺伝子、または特徴の典型的な形態を意味する。
【0030】
「相同性」という用語は、相補性の程度を指す。部分的な相同性または完全な相同性(すなわち、同一性)があってもよい。相同性は、しばしば配列解析ソフトウェアを使用して測定される(例えば、Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group. University of Wisconsin Biotechnology Center. 1710 University Avenue. Madison,Wis.53705)。かかるソフトウェアは、種々の置換、欠失、挿入、及び他の改変に相同性の程度を割り当てることによって、類似配列を比べる。保存的置換は、典型的には、以下の基内の置換を含む。グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン;セリン、スレオニン;リジン、アルギニン;及びフェニルアラニン、チロシン。
【0031】
「核酸」とは、デオキシリボヌクレオシドから構成されているか、またはリボヌクレオシドから構成されているかにかかわらず、かつホスホジエステル結合から構成されているか、または修飾された結合、例えば、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、シロキサン、カーボネート、カルボキシメチルエステル、アセトアミデート、カルバメート、チオエーテル、架橋ホスホロアミデート、架橋メチレンホスホネート、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ホスホロジチオエート、架橋ホスホロチオエート、もしくはスルホン結合、及びかかる結合の組み合わせから構成されているかにかかわらず、任意の核酸を意味する。核酸という用語はまた、生物学的に生じる5つの塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシン、及びウラシル)以外の塩基で構成される核酸も具体的に含む。「核酸」という用語は、通常、大きなポリヌクレオチドを指す。
【0032】
ポリヌクレオチド配列を説明するために、従来の表記が本明細書で使用される。一本鎖ポリヌクレオチド配列の左端は、5’末端であり、二本鎖ポリヌクレオチド配列の左端方向は、5’方向と称される。
【0033】
新生RNA転写産物へのヌクレオチドの5’から3’への付加の方向は、転写方向と称される。mRNAと同じ配列を有するDNA鎖は、「コード鎖」と称され、DNA上の参照点に対して5’に位置するDNA鎖上の配列は、「上流配列」と称され、DNA上の参照点に対して3’にあるDNA鎖上の配列は、「下流配列」と称される。
【0034】
本発明の文脈において、一般的に生じる核酸塩基についての以下の略語が使用される。「A」はアデノシンを指し、「C」はシトシンを指し、「G」はグアノシンを指し、「T」はチミジンを指し、「U」はウリジンを指す。
【0035】
本明細書で使用する場合、「ペプチド」、「ポリペプチド」、及び「タンパク質」という用語は、互換的に使用され、ペプチド結合により共有結合されたアミノ酸残基から構成される化合物を指す。タンパク質またはペプチドは、少なくとも2つのアミノ酸を含有しなければならず、タンパク質またはペプチドの配列を含むことができるアミノ酸の最大数に制限はない。ポリペプチドは、ペプチド結合によって互いに連結された2つ以上のアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質を含む。本明細書で使用される場合、この用語は、当該技術分野では、例えば、ペプチド、オリゴペプチド、及びオリゴマーなどとしても一般に称される短鎖、及び当該技術分野では一般にタンパク質として称される、より長鎖の両方を指し、多くの種類が存在する。「ポリペプチド」としては、例えば、とりわけ、生物学的に活性なフラグメント、実質的に相同なポリペプチド、オリゴペプチド、ホモ二量体、ヘテロ二量体、ポリペプチドのバリアント、修飾ポリペプチド、誘導体、類似体、融合タンパク質が挙げられる。ポリペプチドとしては、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0036】
本明細書で使用する場合、「RNA」という用語は、リボ核酸と定義される。
【0037】
「バリアント」は、この用語が本明細書で使用される場合、それぞれ参照核酸配列または参照ペプチド配列と配列が異なるが、参照分子の基本的な生物学的性質を保持する、核酸配列またはペプチド配列である。核酸バリアントの配列の変化は、参照核酸によりコードされるペプチドのアミノ酸配列を変化させなくてもよく、アミノ酸置換、付加、欠失、融合、及び短縮化をもたらしてもよい。ペプチドバリアントの配列の変化は、参照ペプチド及びバリアントの配列が全体的に密接に類似し、多くの領域において同一であるように典型的には限定的または保存的である。バリアントと参照ペプチドとは、アミノ酸配列が、1つ以上の置換、付加、欠失の任意の組み合わせで異なる。核酸またはペプチドのバリアントは、アレルバリアントなどの天然に存在するものであり得るか、または天然に存在することが公知でないバリアントであり得る。核酸及びペプチドの非天然バリアントは、変異誘発技術または直接合成により作製され得る。
【0038】
「ベクター」は、単離された核酸を含み、当該単離された核酸を細胞の内部に送達するために使用され得る物質の組成物である。限定されるものではないが、直鎖状ポリヌクレオチド、イオン性または両親媒性化合物と会合したポリヌクレオチド、プラスミド、及びウイルスが含まれる、多数のベクターが当該技術分野において公知である。したがって、「ベクター」という用語は、自律的に複製するプラスミドまたはウイルスを含む。またこの用語は、細胞への核酸の導入を容易にする非プラスミド及び非ウイルスの化合物、例えば、ポリリジン化合物、リポソームなどを包含するようにも解釈されるべきである。ウイルスベクターの例としては、限定されるものではないが、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、レトロウイルスベクターなどが挙げられる。
【0039】
範囲:本開示を通して、本発明の様々な態様は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は、単に便宜及び簡潔さのためのものであり、本発明の範囲に対する融通性のない制限として解釈されるべきではないことを理解すべきである。したがって、範囲の説明は、その範囲内のすべての可能な部分的な範囲及び個々の数値を具体的に開示したとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の記載は、部分範囲、例えば、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6など、ならびにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、及び6を具体的に開示していると見なされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0040】
融合タンパク質
一態様では、本開示は、標的化によるRNA切断を提供する、新規な編集タンパク質とRNaseタンパク質との融合体の開発に基づく。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は細胞に効果的に送達される。これらの融合タンパク質は、RNaseタンパク質の触媒活性と、触媒活性を失ったCasのプログラマブルなDNA標的化能力とを組み合わせたものである。一実施形態では、本発明は、CRISPR関連(Cas)タンパク質とRNaseタンパク質とを含む融合タンパク質を提供する。一実施形態では、融合タンパク質は、核内のRNAを標的化するための核局在化シグナルを含む。一実施形態では、融合タンパク質は、細胞質中のRNAを標的化するための核外輸送シグナル(NES)を含まない。他の実施形態では、融合タンパク質は、細胞質中のRNAを標的化するためのNLSを含まない。他の局在化シグナル(当該技術分野で既知のもの)を使用して、ミトコンドリアなどの細胞小器官内のRNAを標的化することもできる。一実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを含む。一実施形態では、リンカーは、Casタンパク質とRNaseタンパク質とを連結する。一実施形態では、融合タンパク質は、精製及び/または検出タグを含む。
【0041】
別の態様では、本発明は、細胞内またはインビトロでRNA分子のトランススプライシングを行うための編集タンパク質の新規な融合体、及びその組成物を含む。一実施形態では、本発明は、本明細書に記載の編集タンパク質の1つ以上の新規な融合体または編集タンパク質の前記新規な融合体をコードする核酸、本明細書に記載の1つ以上の標的化核酸、及び1つ以上のRNA分子を含む組成物に関する。一実施形態では、組成物は、RtcBリガーゼまたはRtcBリガーゼをコードする核酸をさらに含む。
【0042】
編集タンパク質
一実施形態では、編集タンパク質は、CRISPR関連(Cas)タンパク質、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)タンパク質、及びDNAまたはRNA結合ドメインを有するタンパク質を含むが、これらに限定されない。
【0043】
Casタンパク質の非限定的な例としては、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、SpCas9、StCas9、NmCas9、SaCas9、CjCas9、CjCas9、AsCpf1、LbCpf1、FnCpf1、VRER SpCas9、VQR SpCas9、xCas9 3.7、それらのホモログ、それらのオーソログ、またはそれらの改変型が挙げられる。いくつかの実施形態では、Casタンパク質は、DNAまたはRNA切断活性を有する。いくつかの実施形態では、Casタンパク質は、標的配列内及び/または標的配列の相補体内などの標的配列の位置における核酸分子の一方または両方の鎖の切断を誘導する。いくつかの実施形態では、Casタンパク質は、標的配列の最初または最後のヌクレオチドから約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、100、200、500塩基対またはそれよりも多くの塩基対内の一方または両方の鎖の切断を誘導する。一実施形態では、Casタンパク質は、Cas9、Cas13、またはCpf1である。一実施形態では、Casタンパク質は、触媒活性を欠く(dCas)。
【0044】
一実施形態では、Casタンパク質は、RNA結合活性を有する。一実施形態では、Casタンパク質は、Cas13である。一実施形態において、Casタンパク質は、PspCas13b、PspCas13b短縮型、AdmCas13d、AspCas13b、AspCas13c、BmaCas13a、BzoCas13b、CamCas13a、CcaCas13b、Cga2Cas13a、CgaCas13a、EbaCas13a、EreCas13a、EsCas13d、FbrCas13b、FnbCas13c、FndCas13c、FnfCas13c、FnsCas13c、FpeCas13c、FulCas13c、HheCas13a、LbfCas13a、LbmCas13a、LbnCas13a、LbuCas13a、LseCas13a、LshCas13a、LspCas13a、Lwa2cas13a、LwaCas13a、LweCas13a、PauCas13b、PbuCas13b、PgiCas13b、PguCas13b、Pin2Cas13b、Pin3Cas13b、PinCas13b、Pprcas13a、PsaCas13b、PsmCas13b、RaCas13d、RanCas13b、RcdCas13a、RcrCas13a、RcsCas13a、RfxCas13d、UrCas13d、dPspCas13b、PspCas13b_A133H、PspCas13b_A1058H、dPspCas13b短縮型、dAdmCas13d、dAspCas13b、dAspCas13c、dBmaCas13a、dBzoCas13b、dCamCas13a、dCcaCas13b、dCga2Cas13a、dCgaCas13a、dEbaCas13a、dEreCas13a、dEsCas13d、dFbrCas13b、dFnbCas13c、dFndCas13c、dFnfCas13c、dFnsCas13c、dFpeCas13c、dFulCas13c、dHheCas13a、dLbfCas13a、dLbmCas13a、dLbnCas13a、dLbuCas13a、dLseCas13a、dLshCas13a、dLspCas13a、dLwa2cas13a、dLwaCas13a、dLweCas13a、dPauCas13b、dPbuCas13b、dPgiCas13b、dPguCas13b、dPin2Cas13b、dPin3Cas13b、dPinCas13b、dPprCas13a、dPsaCas13b、dPsmCas13b、dRaCas13d、dRanCas13b、dRcdCas13a、dRcrCas13a、dRcsCas13a、dRfxCas13d、dUrCas13d、dCas13X.1、またはmini-dCas13X.1である。さらなるCasタンパク質が当該技術分野において周知である(例えば、参照により本明細書に援用する、Konermann et al.,Cell,2018,173:665-676 e14,Yan et al.,Mol Cell,2018,7:327-339 e5;Cox,D.B.T.,et al.,Science,2017,358:1019-1027;Abudayyeh et al.,Nature,2017,550:280-284,Gootenberg et al.,Science,2017,356:438-442;及びEast-Seletsky et al.,Mol Cell,2017,66:373-383 e3)。
【0045】
一実施形態では、Casタンパク質は、配列番号1~48及び826のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、Casタンパク質は、配列番号1~48及び826のうちの1つのバリアントの配列を含み、バリアントは、Casタンパク質を触媒的に不活性化する。一実施形態では、Casタンパク質は、1つ以上の挿入、欠失、または置換を有する配列番号1~46及び826のうちの1つの配列を含み、1つ以上の挿入、欠失、または置換は、Casタンパク質を触媒的に不活性化する。一実施形態では、Casタンパク質は、配列番号1~48及び826のうちの1つの配列を含む。一実施形態では、Casタンパク質は、配列番号47~48のうちの1つの配列を含む。
【0046】
RNアーゼ
一実施形態では、融合タンパク質は、RNaseタンパク質を含む。一実施形態では、融合タンパク質は、2個のRNaseタンパク質を含む。一実施形態では、融合タンパク質は、3個以上のRNaseタンパク質を含む。一実施形態では、融合タンパク質は、2個の同じRNaseタンパク質を含む。一実施形態では、融合タンパク質は、3個以上の同じRNaseタンパク質を含む。一実施形態では、融合タンパク質は、2個の異なるRNaseタンパク質を含む。一実施形態では、融合タンパク質は、3個以上の異なるRNaseタンパク質を含む。
【0047】
一実施形態では、RNaseタンパク質は、Casタンパク質に対して異種である。一実施形態では、RNaseは、ポリヌクレオチド鎖内のホスホジエステル結合を切断することができる。一実施形態では、RNaseは、一本鎖RNA(ssRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、またはハイブリッドRNA:DNA複合体中のRNAのうちの1つ以上を切断することができる。一実施形態では、RNaseは、配列特異的切断活性を含む。様々な実施形態において、RNaseはエンドヌクレアーゼである。
【0048】
一実施形態では、RNaseは、RNase1、RNase2、RNase3、RNase4、RNase5、RNase6、RNase7、RNase8、RNase A、RNase1、RNase1B、txRNase 1(RNase1R39D/N67D/N88A/G89D/R91D)、txRNase A(RNase A D38R/R39D/N67R/G88R)、RNase T1、RNase T2、オンコナーゼ、Erns(C171R)、RNase U2、PIN RNase ドメイン、ウシ精液リボヌクレアーゼ(SRN)、RNase V1、Mini RNase III(MiniR3)、RNase III ドメイン(DICER)、リボヌクレアーゼ HI(RNase HI*)、またはリボヌクレアーゼ HI(D125N)( RNase HI*D125N)である。
【0049】
一実施形態では、RNaseタンパク質は、配列番号49~89のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、RNaseタンパク質は、配列番号49~89のうちの1つの配列を含む。
【0050】
一実施形態では、RNaseは、RNase単量体の二量体である。一実施形態では、RNase二量体は、dsRNAまたはssRNAを切断することができる。一実施形態では、RNase二量体は、リンカー配列によって互いに連結される。一実施形態では、RNase二量体は、ホモ二量体である。一実施形態では、RNase二量体は、ヘテロ二量体である。一実施形態では、RNase二量体は、天然二量体である。一実施形態では、RNase二量体は、合成二量体である。一実施形態では、RNase二量体は、合成タンデム二量体RNase1(tdRNase1)、合成タンデムPIN RNaseドメイン(tdPIN)、合成タンデム二量体ウシ精液リボヌクレアーゼ(tdSRN)、合成タンデム二量体Mini RNase III(tdMiniR3)、合成タンデム二量体RNaseIIIドメイン(tdDICER)、合成タンデムRNaseIIIドメイン(tdRNC)、天然タンデムRNaseIIIドメイン(DROSHA)、または天然タンデムRNaseIIIドメイン二量体(giDICER)である。一実施形態では、RNase二量体は、配列番号57、77、79、82、及び84~87のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、RNase二量体は、配列番号57、77、79、82、及び84~87のうちの1つの配列を含む。
【0051】
一実施形態では、RNaseタンパク質は、RNaseタンパク質のフラグメントである。一実施形態では、RNaseタンパク質のフラグメントは、トランスでRNaseタンパク質の第2のフラグメントで補完することができ、誘導可能な触媒活性を与えることができる。一実施形態では、RNaseタンパク質のフラグメントは、RNase1、RNase2、RNase3、RNase4、RNase5、RNase6、RNase7、RNase8、RNase A、RNase1、RNase1B、txRNase 1(RNase1R39D/N67D/N88A/G89D/R91D)、txRNase A(RNase A D38R/R39D/N67R/G88R)、RNase T1、RNase T2、オンコナーゼ、Erns(C171R)、RNase U2、PIN RNase ドメイン、ウシ精液リボヌクレアーゼ(SRN)、RNase V1、Mini RNase III(MiniR3)、RNase III ドメイン(DICER)、リボヌクレアーゼ HI(RNase HI*)、またはリボヌクレアーゼ HI(D125N)(RNase HI*D125N)のフラグメントである。
【0052】
一実施形態では、RNaseタンパク質のフラグメントはRNase1のフラグメントである。一実施形態では、RNaseタンパク質のフラグメントはsタンパク質である。一実施形態では、sタンパク質は、配列番号90、93、及び96のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、sタンパク質は、配列番号90、93、及び96のうちの1つの配列を含む。
【0053】
一実施形態では、RNaseタンパク質のフラグメントは、sペプチドである。一実施形態では、sペプチドは、配列番号91、92、94、95、及び97~99のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、sペプチドは、配列番号91、92、94、95、及び97~99のうちの1つの配列を含む。
【0054】
局在化シグナル
いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、核局在化シグナル(NLS)、核外輸送シグナル(NES)または他の局在化シグナルなどの局在化シグナルを有し、ミトコンドリアなどの細胞小器官に局在化させることができる。いくつかの実施形態では、局在化シグナルは、融合タンパク質を標的RNAが存在する部位に局在化させる。
【0055】
核局在化シグナル
一実施形態では、融合タンパク質は、NLSを含む。一実施形態では、NLSは、レトロトランスポゾンNLSである。一実施形態では、NLSは、Ty1、酵母GAL4、SKI3、L29もしくはヒストンH2Bタンパク質、ポリオーマウイルス大型Tタンパク質、VP1もしくはVP2キャプシドタンパク質、SV40VP1もしくはVP2キャプシドタンパク質、アデノウイルスElaもしくはDBPタンパク質、インフルエンザウイルスNS1タンパク質、肝炎ウイルスコア抗原もしくは哺乳動物ラミン、c-myc、max、c-myb、p53、c-erbA、jun、Tax、ステロイド受容体もしくはMxタンパク質、ヌクレオプラスミン(NPM2)、ヌクレオホスミン(NPM1)、またはサルウイルス40(「SV40」)T抗原に由来する。一実施形態では、NLSは、Ty1もしくはTy1由来NLS、Ty2もしくはTy2由来NLS、またはMAK11もしくはMAK11由来NLSである。一実施形態では、Ty1 NLSは、配列番号110のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、Ty2 NLSは、配列番号111のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、MAK11 NLSは、配列番号112のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、NLSは、配列番号110~730のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、NLSタンパク質は、配列番号110~730のうちの1つの配列を含む。
【0056】
一実施形態では、NLSは、Ty1様NLSである。例えば、一実施形態では、Ty1様NLSは、KKRXモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、N末端にKKRXモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、KKRモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、C末端にKKRモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、KKRX及びKKRモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、N末端にKKRXモチーフ及びC末端にKKRモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、少なくとも20個のアミノ酸を含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、20~40個のアミノ酸を含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、配列番号118~730のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、NLSは、配列番号118~730のうちの1つの配列を含み、配列は、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、または10個以上の挿入、欠失、または置換を含む。一実施形態では、Ty1様NLSタンパク質は、配列番号118~730のうちの1つの配列を含む。
【0057】
一実施形態では、NLSは、同じNLSの2つのコピーを含む。例えば、一実施形態では、NLSは、第1のTy1由来NLS及び第2のTy1由来NLSの多量体を含む。
【0058】
核外輸送シグナル
一実施形態では、融合タンパク質は核外輸送シグナル(NES)を含む。一実施形態では、NESは、Casタンパク質のN末端に結合される。一実施形態では、NESは、細胞質RNAを標的化するために融合タンパク質を細胞質に局在化させる。一実施形態では、NESは、配列番号802または803と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、NESは、配列番号802または803のアミノ酸配列を含む。
【0059】
細胞小器官局在化シグナル
一実施形態では、融合タンパク質は、融合タンパク質を細胞小器官に局在化させる局在化シグナルを含む。一実施形態では、局在化シグナルは、タンパク質を、核小体、リボソーム、小胞、粗面小胞体、ゴルジ装置、細胞骨格、滑面小胞体、ミトコンドリア、液胞、細胞質ゾル、リソソーム、または中心小体に局在化させる。多くの局在化シグナルが当該技術分野で知られている。
【0060】
一実施形態では、融合タンパク質は、融合タンパク質を細胞小器官または細胞外に局在化させる局在化シグナルを含む。一実施形態では、局在化シグナルは、タンパク質を、核小体、リボソーム、小胞、粗面小胞体、ゴルジ装置、細胞骨格、滑面小胞体、ミトコンドリア、液胞、細胞質ゾル、リソソーム、または中心小体に局在化させる。
【0061】
多数の局在化シグナルが当該技術分野で知られている。例示的な局在化シグナルとしては、1×ミトコンドリア標的化配列、4×ミトコンドリア標的化配列、分泌シグナル配列(IL-2)、ミリスチル化、カルセクエストリンリーダー、KDEL保持、及びペルオキシソーム標的化配列が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
一実施形態では、融合タンパク質は、配列番号806~812のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、融合タンパク質は、配列番号806~812の配列を含む。
【0063】
リンカー
一実施形態では、融合タンパク質は、リンカーを含む。一実施形態では、リンカーは、Casタンパク質とRNaseタンパク質とを連結する。一実施形態では、リンカーは、Casタンパク質のC末端とRNaseタンパク質のN末端に連結される。一実施形態では、リンカーは、Casタンパク質のN末端とRNaseタンパク質のC末端に接続される。リンカーは、主としてGly及びSerアミノ酸残基で構成されたリンカーなどの柔軟なリンカー、または(特に)Ala及びProなどのアミノ酸を含み得るより剛性のリンカーとすることができる。一実施形態では、リンカーは、配列番号100~108のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、リンカーは、配列番号100~108のうちの1つの配列を含む。
【0064】
精製及び/または検出タグ
一実施形態では、融合タンパク質は、精製及び/または検出タグを含む。一実施形態では、タグは、融合タンパク質のN末端にある。一実施形態では、タグは、3×FLAGタグである。一実施形態では、タグは、配列番号109と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、タグは、配列番号109のアミノ酸配列を含む。
【0065】
タンパク質、ペプチド及び融合タンパク質
本開示のタンパク質は、化学的方法を使用して作製され得る。例えば、タンパク質は、固相技術(Roberge J Y et al(1995)Science 269:202-204)によって合成され、樹脂から切断され、分取高速液体クロマトグラフィーによって精製され得る。自動合成は、例えば、製造者より提供される使用説明書にしたがって、ABI 431A Peptide Synthesizer(Perkin Elmer)を使用して達成され得る。
【0066】
本開示のタンパク質は、組換えタンパク質発現を使用して作製され得る。本開示の組換え発現ベクターは、宿主細胞における核酸の発現に適切な形態で本発明の核酸を含み、これは、組換え発現ベクターが、発現に使用される宿主細胞に基づいて選択された、発現される核酸配列に機能的に連結される1つ以上の調節配列を含むことを意味する。組換え発現ベクターにおいて、「作動可能に連結される」とは、目的とするヌクレオチド配列が、(例えば、インビトロ転写/翻訳システムでの、またはベクターが宿主細胞に導入される場合は宿主細胞での)ヌクレオチド配列の発現を可能にする様式で調節配列に連結されることを意味するよう企図されている。
【0067】
「調節配列」という用語は、プロモーター、エンハンサー、及び他の発現制御要素(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むよう企図されている。そのような調節配列は、例えば、Goeddel,Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)に記載されている。調節配列には、多くの種類の宿主細胞においてヌクレオチド配列の構成的発現を指向するもの及びある特定の宿主細胞のみでのヌクレオチド配列の発現を指向するもの(例えば、組織特異的調節配列)が含まれる。当業者であれば、発現ベクターの設計が、形質転換される宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現レベルなどの因子に依存し得ることを理解するであろう。本発明の発現ベクターを宿主細胞に導入し、それによって本明細書に記載の核酸によってコードされる融合タンパク質またはペプチドを含むタンパク質またはペプチドを産生し得る。
【0068】
本発明の組換え発現ベクターは、原核細胞または真核細胞におけるバリアントタンパク質の産生のために設計され得る。例えば、本発明のタンパク質は、細菌細胞、例えば、Escherichia coli、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを使用して)、酵母細胞または哺乳動物細胞において発現され得る。適切な宿主細胞は、Goeddel,Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)でさらに論述されている。あるいは、組換え発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列及びT7ポリメラーゼを使用して、インビトロで転写及び翻訳され得る。
【0069】
原核生物におけるタンパク質の発現は、多くの場合、融合タンパク質または非融合タンパク質のいずれかの発現を指向する構成的または誘導性プロモーターを含むベクターでEscherichia coliにおいて行われる。融合ベクターは、いくつかのアミノ酸をそれにコードされるタンパク質に、組換えタンパク質のアミノ末端またはC末端に付加する。そのような融合ベクターは、典型的には、次の3つの目的を果たす。(i)組換えタンパク質の発現を増加させる、(ii)組換えタンパク質の溶解度を増加させる、及び(iii)親和性精製においてリガンドとして作用することによって組換えタンパク質の精製を助ける。しばしば、融合発現ベクターにおいて、タンパク質分解的切断部位が融合部分及び組換えタンパク質の接合部に導入されて、融合タンパク質の精製後に融合部分からの組換えタンパク質の分離を可能にする。そのような酵素、及びそれらの同族認識配列には、第Xa因子、トロンビン、PreScission、TEV、及びエンテロキナーゼが含まれる。典型的な融合発現ベクターには、pGEX(Pharmacia Biotech Inc、Smith and Johnson,1988. Gene 67:31-40)、pMAL(New England Biolabs,Beverly,Mass)、及びpRITS(Pharmacia,Piscataway,N.J.)が含まれ、それぞれ、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、マルトースE結合タンパク質、またはタンパク質Aを標的組換えタンパク質に融合させる。
【0070】
適切な誘導性非融合E.coli発現ベクターの例には、pTrc(Amrann et al.,(1988)Gene 69:301-315)及びpET11d(Studier et al.,Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)60-89)が挙げられるが、これは正確ではなく、pET11a-dはN末端T7タグを有する。
【0071】
E.coliにおける組換えタンパク質発現を最大化するための1つの戦略は、組換えタンパク質をタンパク質分解的に切断する能力が損なわれた宿主細菌においてタンパク質を発現することである。例えば、Gottesman,Gene Expression Technology:Methods in Enzymology 185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)119-128を参照されたい。別の戦略は、各アミノ酸の個々のコドンがE.coliにおいて優先的に利用されるものであるように、発現ベクターに挿入される核酸の核酸配列を変えることである(例えば、Wada,et al.,1992. Nucl.Acids Res.20:2111-2118を参照されたい)。本発明の核酸配列のそのような変更は、標準のDNA合成技術によって行うことができる。コドンバイアスを解決するための別の戦略は、BL21コドンプラス細菌株(Invitrogen)またはRosetta細菌株(Novagen)を使用することによるものであり、これらの株は、希少なE.coli tRNA遺伝子の余分なコピーを含有する。
【0072】
別の実施形態では、本開示のタンパク質をコードする発現ベクターは、酵母発現ベクターである。酵母Saccharomyces cerevisiaeにおける発現のためのベクターの例としては、pYepSec1(Baldari,et al.,1987. EMBO J.6:229-234)、pMFa(Kurjan and Herskowitz,1982. Cell 30:933-943)、pJRY88(Schultz et al.,1987. Gene 54:113-123)、pYES2(Invitrogen Corporation,San Diego,Calif.)、及びpicZ(InVitrogen Corp,San Diego,Calif.)が挙げられる。
【0073】
あるいは、本発明のポリペプチドは、バキュロウイルス発現ベクターを使用して昆虫細胞内で産生され得る。培養された昆虫細胞(例えば、SF9細胞)におけるタンパク質の発現に利用可能なバキュロウイルスベクターには、pAc系列(Smith,et al.,1983. Mol.Cell. Biol.3:2156-2165)及びpVL系列(Lucklow and Summers,1989. Virology 170:31-39)が含まれる。
【0074】
さらに別の実施形態において、本開示の核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用して哺乳動物細胞で発現される。異種ポリペプチドの発現のために当該技術分野で利用可能な哺乳動物細胞株には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓細胞、NSOマウス黒色腫細胞、YB2/0ラット骨髄腫細胞、ヒト胎児腎臓細胞、ヒト胎児網膜細胞、及び多くの他の細胞が含まれる。哺乳動物発現ベクターの例には、pCDM8(Seed,1987. Nature 329:840)及びpMT2PC(Kaufman,et al.,1987. EMBO J.6:187-195)、pIRESpuro(Clontech)、pUB6(Invitrogen)、pCEP4(Invitrogen)、pREP4(Invitrogen)、pcDNA3(Invitrogen)が挙げられる。哺乳動物細胞において使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばしばウイルス調節要素によって提供される。例えば、一般に使用されているプロモーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、ラウス肉腫ウイルス、及びサルウイルス40に由来する。原核細胞及び真核細胞の両方に適切な他の発現システムについては、例えば、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual.2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989の16及び17章を参照されたい。
【0075】
別の実施形態では、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型において優先的に核酸の発現を指向することができる(例えば、組織特異的調節要素を使用して核酸を発現させる)。組織特異的調節要素は当該技術分野で既知である。適切な組織特異的プロモーターの非限定的な例には、アルブミンプロモーター(肝臓特異的、Pinkert,et al.,1987. Genes Dev.1:268-277)、リンパ球特異的プロモーター(Calame and Eaton,1988. Adv. Immunol.43:235-275)、特にT細胞受容体のプロモーター(Winoto and Baltimore,1989. EMBO J.8:729-733)及び免疫グロブリン(Banerji,et al.,1983. Cell 33:729-740、Queen and Baltimore,1983. Cell 33:741-748)、ニューロン特異的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター、Byrne and Ruddle,1989. Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:5473-5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlund,et al.,1985. Science 230:912-916)、ならびに乳腺特異的プロモーター(例えば、乳清プロモーター、米国特許第4,873,316号及び欧州出願公開第264,166号)が挙げられる。発生的に調節されたプロモーター、例えば、murinehoxプロモーター(Kessel and Gruss,1990. Science 249:374-379)及びアルファフェトプロテインプロモーター(Campes and Tilghman,1989. Genes Dev.3:537-546)も包含される。
【0076】
本発明はまた、本明細書に開示されるタンパク質と実質的な相同性を有するタンパク質の任意の形態を含むと解釈されるべきである。一実施形態では、「実質的に相同」であるタンパク質は、本明細書で開示される融合タンパク質のアミノ酸配列と約50%相同、約70%相同、約80%相同、約90%相同、約91%相同、約92%相同、約93%相同、約94%相同、約95%相同、約96%相同、約97%相同、約98%相同、または約99%相同である。
【0077】
あるいは、タンパク質は、組換え手段によって、またはより長いポリペプチドからの切断によって作製され得る。タンパク質の組成は、アミノ酸分析または配列決定によって確認され得る。
【0078】
本発明によるタンパク質のバリアントは、(i)1つ以上のアミノ酸残基が保存された、または保存されていないアミノ酸残基で置換されており、そのように置換されたアミノ酸残基が遺伝子コードによってコードされているものであってもよく、もしくはそうでないものであってもよいもの、(ii)1つ以上の修飾されたアミノ酸残基、例えば、置換基の結合によって修飾された残基があるもの、(iii)ペプチドが本発明のタンパク質の代替スプライシングバリアントであるもの、(iv)ペプチドのフラグメント及び/または(v)タンパク質が、リーダー配列もしくは分泌配列、または精製(例えば、Hisタグ)もしくは検出(例えば、Sv5エピトープタグ)のために用いられる配列などの別のペプチドと融合されるもの、であり得る。フラグメントとしては、元の配列のタンパク質分解性切断(複数部位タンパク質分解が含まれる)により生成されるペプチドが挙げられる。バリアントは、翻訳後修飾または化学修飾され得る。かかるバリアントは、本明細書の教示により当業者の範囲内であるとみなされる。
【0079】
当該技術分野において既知であるように、2つの融合タンパク質間の「類似性」は、1つのポリペプチドのアミノ酸配列及びその保存されたアミノ酸置換を第2のポリペプチドの配列と比較することによって決定される。バリアントは、元の配列とは異なるペプチド配列を含むと定義される。一実施形態では、バリアントは、関心対象のセグメント当たり40%未満の残基が元の配列と異なるか、関心対象のセグメント当たり25%未満の残基が元の配列と異なるか、関心対象のセグメント当たり10%未満の残基が異なるか、または関心対象のセグメント当たりごく少数の残基が元のタンパク質配列とは異なり、同時に、元の配列の機能及び/または幹細胞の骨芽細胞系への分化を刺激する能力を維持するほど元の配列と十分に相同である。本発明は、元のアミノ酸配列と少なくとも60%、65%、70%、72%、74%、76%、78%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%類似または同一であるアミノ酸配列を含む。2つのペプチド間の同一性の程度は、当業者に広く公知であるコンピュータアルゴリズム及び方法を使用して決定される。2つのアミノ酸配列間の同一性は、BLASTPアルゴリズム[BLAST Manual,Altschul,S.,et al.,NCBI NLM NIH Bethesda,Md.20894,Altschul,S.,et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)]を使用することにより決定され得る。
【0080】
本開示のタンパク質は、翻訳後修飾され得る。例えば、本発明の範囲内に含まれる翻訳後修飾には、シグナルペプチド切断、糖鎖付加、アセチル化、イソプレニル化、タンパク質分解、ミリストイル化、タンパク質折り畳み、タンパク質分解処理などが含まれる。いくつかの修飾または処理の事象は、追加の生物学的機構の導入を必要とする。例えば、シグナルペプチド切断及びコアグリコシル化などのプロセシング事象は、イヌミクロソーム膜またはXenopus属の卵抽出物(米国特許第6,103,489号)を標準的な翻訳反応に加えることにより検査される。
【0081】
本開示のタンパク質は、翻訳後修飾によって、または翻訳中に非天然アミノ酸を導入することによって形成される非天然アミノ酸を含み得る。タンパク質翻訳中に非天然アミノ酸を導入するための種々の手法が利用可能である。
【0082】
本開示のタンパク質は、Reedijkら(The EMBO Journal 11(4):1365,1992)に記載されている方法など従来の方法を使用してリン酸化され得る。
【0083】
本発明の融合タンパク質の環状誘導体もまた、本発明の一部である。環化は、タンパク質が他の分子と会合するためのより好ましい立体配座を想定することを可能にし得る。環化は、当該技術分野において公知の技術を使用して達成され得る。例えば、遊離スルフヒドリル基を有する適切に間隔をあけた2つの構成要素の間でジスルフィド結合が形成され得るか、または一方の構成要素のアミノ基と別の構成要素のカルボキシル基との間でアミド結合が形成され得る。環化は、Ulysse,L.,et al.,J.Am.Chem. Soc. 1995, 117, 8466-8467に記載されるアゾベンゼン含有アミノ酸を使用して行うこともできる。結合を形成する構成要素は、アミノ酸の側鎖、非アミノ酸構成要素、またはこれら2つの組み合わせであり得る。本発明の一実施形態では、環状ペプチドは、正しい位置にベータターンを含み得る。ベータターンは、アミノ酸Pro-Glyを正しい位置に付加することによって、本発明のペプチドに導入することができる。
【0084】
上記のようなペプチド結合連結を含有する環状ペプチドよりも柔軟な環状タンパク質を産生することが望ましい場合がある。より柔軟なペプチドは、ペプチドの右及び左の位置にシステインを導入し、2つのシステイン間にジスルフィド架橋を形成することによって調製され得る。2つのシステインは、βシート及びターンを変形させないように配置される。このペプチドは、ジスルフィド結合の長さ、及びβシート部分の水素結合の数がより少ないことの結果としてより柔軟である。環状ペプチドの相対的な柔軟性は、分子動力学シミュレーションにより決定され得る。
【0085】
本発明はまた、Cas13及びRNaseタンパク質を含む融合タンパク質を含むペプチドに関し、融合タンパク質自体は、標的タンパク質に融合されるか、または標的タンパク質に統合され、及び/またはキメラタンパク質を所望の細胞構成要素もしくは細胞型もしくは組織に指向することができる標的化ドメインである。キメラタンパク質は、追加のアミノ酸配列またはドメインも含有し得る。キメラタンパク質は、様々な構成要素が異なる由来源に由来するという意味で組換えであり、したがって、それ自体は天然で一緒に見出されない(すなわち、異種である)。
【0086】
一実施形態では、標的化ドメインは、膜スパニングドメイン、膜結合ドメイン、または、例えば、小胞もしくは核と会合するようにタンパク質を指向する配列であり得る。一実施形態では、標的化ドメインは、ペプチドを特定の細胞型または組織に標的化することができる。例えば、標的化ドメインは、細胞表面リガンド、または標的組織の細胞表面抗原に対する抗体であり得る。標的化ドメインは、本発明のペプチドを細胞構成要素へ標的化し得る。
【0087】
本発明のペプチドは、従来技術によって合成され得る。例えば、ペプチドまたはキメラタンパク質は、固相ペプチド合成を使用した化学合成により合成され得る。これらの方法は、固相合成法または液相合成法のいずれかを用いる(例えば、固相合成法について、J.M.Stewart,and J.D.Young,Solid Phase Peptide Synthesis,2nd Ed.,Pierce Chemical Co.,Rockford Ill.(1984)及びG.Barany and R.B.Merrifield,The Peptides:Analysis Synthesis,Biology editors E.Gross and J.Meienhofer Vol.2 Academic Press,New York,1980,pp.3-254、ならびに古典的な溶液合成について、M Bodansky,Principles of Peptide Synthesis,Springer-Verlag,Berlin 1984、及びE.Gross and J.Meienhofer,Eds.,The Peptides:Analysis,Synthesis,Biology,suprs,Vol 1を参照のこと)。例として、本発明のペプチドを、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)固相化学を使用して、N-フルオレニルメトキシ-カルボニル-O-ベンジル-L-ホスホスレオニン誘導体としてホスホスレオニンを直接組み込んで合成してもよい。
【0088】
他の分子とコンジュゲートされた本発明のペプチドまたはキメラタンパク質を含むN末端またはC末端融合タンパク質は、組換え技術を通じて、ペプチドまたはキメラタンパク質のN末端またはC末端、ならびに所望の生物学的機能を有する選択されたタンパク質または選択可能なマーカーの配列を融合することによって調製され得る。得られる融合タンパク質は、本明細書に記載の選択されたタンパク質またはマーカータンパク質に融合されたタンパク質を含有する。融合タンパク質を調製するために使用され得るタンパク質の例としては、免疫グロブリン、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、ヘマグルチニン(HA)、及び短縮型mycが挙げられる。
【0089】
本発明のペプチドは、生物学的発現システムを使用して開発され得る。これらの系の使用により、ランダムペプチド配列の大型ライブラリーの生成、及び特定のタンパク質に結合するペプチド配列についてのこれらのライブラリーのスクリーニングが可能となる。ランダムペプチド配列をコードする合成DNAを適切な発現ベクターにクローニングすることによってライブラリーを作製してもよい(Christian et al 1992,J. Mol.227:711、Devlin et al,1990 Science 249:404、Cwirla et al 1990,Proc.Natl.Acad,Sci.USA, 87:6378を参照)。ライブラリーは、重複ペプチドの同時合成によっても構築され得る(米国特許第4,708,871号を参照のこと)。
【0090】
本発明のペプチド及びキメラタンパク質は、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸などの無機酸、またはギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸、ベンゼンスルホン酸、及びトルエンスルホン酸などの有機酸と反応することによって、薬学的塩に変換され得る。
【0091】
一実施形態では、融合タンパク質は、配列番号827と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含み、上記のようにC末端においてRNaseに連結される。一実施形態では、融合タンパク質は、配列番号827のアミノ酸配列を含み、C末端においてRNaseに連結される。
【0092】
一実施形態では、融合タンパク質は、配列番号828と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含み、N末端において第1のRNAaseに連結され、C末端において第2のRNaseに連結される。一実施形態では、融合タンパク質は、配列番号828のアミノ酸配列を含み、N末端において第1のRNAaseに連結され、C末端において第2のRNaseに連結される。
【0093】
RNA分子のトランススプライシングを行うためのタンパク質
いくつかの実施形態では、本発明は、細胞内またはインビトロでRNA分子のトランススプライシングを行うための編集タンパク質の新規な融合体に関する。一実施形態では、本発明は、本明細書に記載の編集タンパク質の1つ以上の新規融合体、本明細書に記載の1つ以上の標的化核酸、及び1つ以上のRNA分子を含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、上記の1つ以上のRNA分子は、単一のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、上記の1つ以上のRNA分子は、少なくとも2つのRNA分子を含む。一実施形態では、組成物は、RtcBリガーゼまたはRtcBリガーゼをコードする核酸をさらに含む。例示的なRtcBリガーゼタンパク質及びそれらの対応するアミノ酸配列は、国際出願第PCT/US2021/016885号(参照によりその全容を本明細書に援用する)に見出すことができる。
【0094】
核酸
一実施態様では、本開示は、本開示の融合タンパク質をコードする核酸を提供する。一実施形態では、核酸は、編集タンパク質及びRNaseタンパク質を含む融合タンパク質をコードする。一実施形態では、核酸は、Casタンパク質及びRNaseタンパク質を含む融合タンパク質をコードする。一実施形態では、融合タンパク質は、RNaseタンパク質の触媒活性と、触媒活性を失ったCasのプログラマブルな核酸標的化能力とを組み合わせたものである。
【0095】
本開示はまた、本開示の融合タンパク質を標的RNAに標的化するための、CRISPR RNA(crRNA)を含む標的化核酸も提供する。一実施形態では、crRNAは、融合タンパク質のRNase活性に基づいて選択される。例えば、1つでは、融合タンパク質のRNaseは、ssRNA、dsRNA、またはRNA:DNA複合体のうちの1つ以上のものを切断することができる。したがって、本開示は、本開示の融合タンパク質とともに使用されるssRNA、dsRNA、またはRNA:DNA複合体の標的化による切断を可能とするcrRNAを提供する。
【0096】
融合タンパク質をコードする核酸
一態様では、本開示は、細胞に効果的に送達されて標的化によるRNA切断を提供する、編集タンパク質とRNaseタンパク質との融合体をコードする新規な核酸分子の開発に基づく。これらの融合タンパク質は、RNaseタンパク質の触媒活性と、触媒活性を失ったCasのプログラマブルな核酸標的化能力とを組み合わせたものである。一実施形態では、核酸分子は、編集タンパク質をコードする核酸配列と、RNaseタンパク質をコードする核酸配列と、を含む。一実施形態では、核酸分子は、局在化シグナル(例えばNLS)をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸分子は、リンカーをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸分子は、精製及び/または検出タグをコードする核酸配列を含む。
【0097】
編集タンパク質
一実施形態では、核酸分子は、編集タンパク質をコードする配列核酸を含む。一実施形態では、編集タンパク質は、CRISPR関連(Cas)タンパク質、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)タンパク質、及びDNAまたはRNA結合ドメインを有するタンパク質を含むが、これらに限定されない。
【0098】
Casタンパク質の非限定的な例としては、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9、Cas10、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1、Cse2、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、SpCas9、StCas9、NmCas9、SaCas9、CjCas9、CjCas9、AsCpf1、LbCpf1、FnCpf1、VRER SpCas9、VQR SpCas9、xCas9 3.7、それらのホモログ、それらのオーソログ、またはそれらの改変型が挙げられる。いくつかの実施形態では、Casタンパク質は、DNAまたはRNA切断活性を有する。いくつかの実施形態では、Casタンパク質は、標的配列内及び/または標的配列の相補体内などの標的配列の位置における核酸分子の一方または両方の鎖の切断を誘導する。いくつかの実施形態では、Casタンパク質は、標的配列の最初または最後のヌクレオチドから約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、50、100、200、500塩基対またはそれよりも多くの塩基対内の一方または両方の鎖の切断を誘導する。一実施形態では、Casタンパク質は、Cas9、Cas13、またはCpf1である。一実施形態では、Casタンパク質は、触媒活性を欠く(dCas)。
【0099】
一実施形態では、Casタンパク質は、RNA結合活性を有する。一実施形態では、Casタンパク質は、Cas13である。一実施形態では、Casタンパク質は、PspCas13b、PspCas13b短縮型、AdmCas13d、AspCas13b、AspCas13c、BmaCas13a、BzoCas13b、CamCas13a、CcaCas13b、Cga2Cas13a、CgaCas13a、EbaCas13a、EreCas13a、EsCas13d、FbrCas13b、FnbCas13c、FndCas13c、FnfCas13c、FnsCas13c、FpeCas13c、FulCas13c、HheCas13a、LbfCas13a、LbmCas13a、LbnCas13a、LbuCas13a、LseCas13a、LshCas13a、LspCas13a、Lwa2cas13a、LwaCas13a、LweCas13a、PauCas13b、PbuCas13b、PgiCas13b、PguCas13b、Pin2Cas13b、Pin3Cas13b、PinCas13b、Pprcas13a、PsaCas13b、PsmCas13b、RaCas13d、RanCas13b、RcdCas13a、RcrCas13a、RcsCas13a、RfxCas13d、UrCas13d、dPspCas13b、PspCas13b_A133H、PspCas13b_A1058H、dPspCas13b短縮型、dAdmCas13d、dAspCas13b、dAspCas13c、dBmaCas13a、dBzoCas13b、dCamCas13a、dCcaCas13b、dCga2Cas13a、dCgaCas13a、dEbaCas13a、dEreCas13a、dEsCas13d、dFbrCas13b、dFnbCas13c、dFndCas13c、dFnfCas13c、dFnsCas13c、dFpeCas13c、dFulCas13c、dHheCas13a、dLbfCas13a、dLbmCas13a、dLbnCas13a、dLbuCas13a、dLseCas13a、dLshCas13a、dLspCas13a、dLwa2cas13a、dLwaCas13a、dLweCas13a、dPauCas13b、dPbuCas13b、dPgiCas13b、dPguCas13b、dPin2Cas13b、dPin3Cas13b、dPinCas13b、dPprCas13a、dPsaCas13b、dPsmCas13b、dRaCas13d、dRanCas13b、dRcdCas13a、dRcrCas13a、dRcsCas13a、dRfxCas13d、dUrCas13d、dCas13X.1、またはmini-dCas13X.1である。さらなるCasタンパク質が当該技術分野において周知である(例えば、参照により本明細書に援用する、Konermann et al.,Cell,2018,173:665-676 e14,Yan et al.,Mol Cell,2018,7:327-339 e5;Cox,D.B.T.,et al.,Science,2017,358:1019-1027;Abudayyeh et al.,Nature,2017,550:280-284,Gootenberg et al.,Science,2017,356:438-442;及びEast-Seletsky et al.,Mol Cell,2017,66:373-383 e3)。
【0100】
一実施形態では、Casタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号1~48及び826のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、Casタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号1~48及び826のうちの1つのバリアントのアミノ酸配列をコードする核酸配列を含み、バリアントは、Casタンパク質を触媒的に不活性化する。一実施形態では、Casタンパク質をコードする核酸配列は、1つ以上の挿入、欠失、または置換を有する配列番号1~46及び826のうちの1つのアミノ酸配列をコードする核酸配列を含み、1つ以上の挿入、欠失、または置換は、Casタンパク質を触媒的に不活性化する。一実施形態では、Casタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号1~48及び826のうちの1つのアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、Casタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号47~48のうちの1つのアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。
【0101】
一実施形態では、Casタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号734~737及び823のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の核酸配列を含む。一実施形態では、Casタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号734~735及び823のうちの1つのバリアントを含み、バリアントは、コードされたCasタンパク質を触媒的に不活性化する。一実施形態において、Casタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号734~735及び823のうちの1つの核酸配列を含む。一実施形態において、Casタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号736~737のうちの1つの核酸配列を含む。
【0102】
RNアーゼ
一実施形態では、核酸分子は、RNaseタンパク質をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸分子は、2個のRNaseタンパク質をコードする。一実施形態では、核酸分子は、3個以上のRNaseタンパク質をコードする。一実施形態では、核酸分子は、2個の同じRNaseタンパク質をコードする。一実施形態では、核酸分子は、3個以上の同じRNaseタンパク質をコードする。一実施形態では、核酸分子は、2個の異なるRNaseタンパク質をコードする。一実施形態では、核酸分子は、3個以上の異なるRNaseタンパク質をコードする。
【0103】
一実施形態では、RNaseタンパク質は、Casタンパク質に対して異種である。一実施形態では、RNaseは、ポリヌクレオチド鎖内のホスホジエステル結合を切断することができる。一実施形態では、RNaseは、一本鎖RNA(ssRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、またはハイブリッドRNA:DNA複合体中のRNAのうちの1つ以上を切断することができる。一実施形態では、RNaseは、配列特異的切断活性を含む。
【0104】
一実施形態では、RNaseは、RNase1、RNase2、RNase3、RNase4、RNase5、RNase6、RNase7、RNase8、RNase A、RNase1、RNase1B、txRNase 1(RNase1R39D/N67D/N88A/G89D/R91D)、txRNase A(RNase A D38R/R39D/N67R/G88R)、RNase T1、RNase T2、オンコナーゼ、Erns(C171R)、RNase U2、PIN RNase ドメイン、ウシ精液リボヌクレアーゼ(SRN)、RNase V1、Mini RNase III(MiniR3)、RNase III ドメイン(DICER)、リボヌクレアーゼ HI(RNase HI*)、またはリボヌクレアーゼ HI(D125N)(RNase HI*D125N)である。
【0105】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号49~89のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を有するRNaseをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸分子は、配列番号49~89のうちの1つのアミノ酸配列を有するRNaseをコードする核酸配列を含む。
【0106】
一実施形態では、RNaseタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号738~779のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一な核酸配列を含む。一実施形態では、RNaseタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号738~779のうちの1つの核酸配列を含む。
【0107】
一実施形態では、核酸分子は、RNase単量体の二量体をコードする。一実施形態では、RNase二量体は、リンカー配列によって互いに連結される。一実施形態では、RNase二量体は、ホモ二量体である。一実施形態では、RNase二量体は、ヘテロ二量体である。一実施形態では、RNase二量体は、天然二量体である。一実施形態では、RNase二量体は、合成二量体である。一実施形態では、RNase二量体は、合成タンデム二量体RNase1(tdRNase1)、合成タンデムPIN RNaseドメイン(tdPIN)、合成タンデム二量体ウシ精液リボヌクレアーゼ(tdSRN)、合成タンデム二量体MiniRNaseIII(tdMiniR3)、合成タンデム二量体RNaseIIIドメイン(tdDICER)、合成タンデムRNaseIIIドメイン(tdRNC)、天然タンデムRNaseIIIドメイン(DROSHA)、または天然タンデムRNaseIIIドメイン二量体(giDICER)である。
【0108】
一実施形態では、核酸分子は、配列番号57、77、79、82、及び84~87のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含むRNase二量体をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸分子は、配列番号57、77、79、82、及び84~87のうちの1つのアミノ酸を含むRNase二量体をコードする核酸配列を含む。
【0109】
一実施形態では、RNase二量体をコードする核酸配列は、配列番号746、767、769、772、及び774~777のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の核酸配列を含む。一実施形態において、RNase二量体をコードする核酸配列は、配列番号746、767、769、772、及び774~777のうちの1つの核酸配列を含む。
【0110】
一実施形態では、核酸分子は、RNaseタンパク質のフラグメントをコードする。一実施形態では、RNaseタンパク質のフラグメントは、トランスでRNaseタンパク質の第2のフラグメントで補完することができ、誘導可能な触媒活性を与えることができる。一実施形態では、RNaseタンパク質のフラグメントは、RNase1、RNase2、RNase3、RNase4、RNase5、RNase6、RNase7、RNase8、RNase A、RNase1、RNase1B、txRNase 1(RNase1R39D/N67D/N88A/G89D/R91D)、txRNase A(RNase A D38R/R39D/N67R/G88R)、RNase T1、RNase T2、オンコナーゼ、Erns(C171R)、RNase U2、PIN RNase ドメイン、ウシ精液リボヌクレアーゼ(SRN)、RNase V1、Mini RNase III(MiniR3)、RNase III ドメイン(DICER)、リボヌクレアーゼ HI(RNase HI*)、またはリボヌクレアーゼ HI(D125N)(RNase HI*D125N)のフラグメントである。
【0111】
一実施形態では、核酸分子は、RNase1のフラグメントをコードする。一実施形態では、核酸分子は、sタンパク質をコードする。一実施形態では、核酸分子は、配列番号90、93、及び96のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含むsタンパク質をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸分子は、配列番号90、93、及び96のうちの1つのアミノ酸配列を含むsタンパク質をコードする核酸配列を含む。
【0112】
一実施形態では、sタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号780、783、及び786のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の核酸配列を含む。一実施形態では、sタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号780、783、及び786のうちの1つの核酸配列を含む。
【0113】
一実施形態では、RNaseタンパク質のフラグメントは、sペプチドである。一実施形態では、核酸分子は、配列番号91、92、94、95、及び97~99のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列を含むsペプチドをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸分子は、配列番号91、92、94、95、及び97~99のうちの1つのアミノ酸配列を含むsペプチドをコードする核酸配列を含む。
【0114】
一実施形態では、sペプチドをコードする核酸配列は、配列番号781、782、784、785、及び787~789のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の核酸配列を含む。一実施形態において、sペプチドをコードする核酸配列は、配列番号781、782、784、785、及び787~789のうちの1つの核酸配列を含む。
【0115】
局在化シグナル
いくつかの実施形態では、核酸分子は、核局在化シグナル(NLS)、核外輸送シグナル(NES)またはミトコンドリアなどの細胞小器官に局在化させるための他の局在化シグナルなどの局在化シグナルをコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、局在化シグナルは、融合タンパク質を標的RNAが存在する部位に局在化させる。
【0116】
核局在化シグナル
一実施形態では、核酸分子は、核局在化シグナル(NLS)をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、NLSは、レトロトランスポゾンNLSである。一実施形態では、NLSは、Ty1、酵母GAL4、SKI3、L29もしくはヒストンH2Bタンパク質、ポリオーマウイルス大型Tタンパク質、VP1もしくはVP2キャプシドタンパク質、SV40VP1もしくはVP2キャプシドタンパク質、アデノウイルスElaもしくはDBPタンパク質、インフルエンザウイルスNS1タンパク質、肝炎ウイルスコア抗原もしくは哺乳動物ラミン、c-myc、max、c-myb、p53、c-erbA、jun、Tax、ステロイド受容体もしくはMxタンパク質、ヌクレオプラスミン(NPM2)、ヌクレオホスミン(NPM1)、またはサルウイルス40(「SV40」)T抗原に由来する。
【0117】
一実施形態では、NLSは、Ty1もしくはTy1由来NLS、Ty2もしくはTy2由来NLS、またはMAK11もしくはMAK11由来NLSである。一実施形態では、Ty1 NLSは、配列番号110のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、Ty2 NLSは、配列番号111のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、MAK11 NLSは、配列番号112のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、NLSをコードする核酸配列は、配列番号110~730の1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、NLSをコードする核酸配列は、配列番号110~730のうちの1つのアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。
【0118】
一実施形態では、NLSは、Ty1様NLSである。例えば、一実施形態では、Ty1様NLSは、KKRXモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、N末端にKKRXモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、KKRモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、C末端にKKRモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、KKRX及びKKRモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、N末端にKKRX及びC末端にKKRモチーフを含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、少なくとも20個のアミノ酸を含む。一実施形態では、Ty1様NLSは、20~40個のアミノ酸を含む。一実施形態では、Ty1様NLSをコードする核酸配列は、配列番号118~730の1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、Ty1様NLSをコードする核酸配列は、配列番号118~730のうちの1つのアミノ酸配列をコードする核酸配列を含み、配列は、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、または10個以上の挿入、欠失、または置換を含む。一実施形態では、Ty1様NLSをコードする核酸配列は、配列番号118~730のうちの1つのアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。
【0119】
一実施形態では、NLSをコードする核酸配列は、同じNLSの2つのコピーをコードする。例えば、一実施形態では、核酸配列は、第1のTy1由来NLS及び第2のTy1由来NLSの多量体をコードする。
【0120】
一実施形態では、NLSをコードする核酸配列は、配列番号794と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の核酸配列を含む。一実施形態では、NLSをコードする核酸配列は、配列番号794の核酸配列を含む。
【0121】
核外輸送シグナル
一実施形態では、核酸分子は、核外輸送シグナル(NES)をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、NESは、細胞質RNAを標的化するために融合タンパク質を細胞質に局在化させる。一実施形態では、NESをコードする核酸配列は、配列番号802または803と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列をコードする配列を含む。一実施形態では、NESをコードする核酸配列は、配列番号802または803のアミノ酸配列をコードする配列を含む。
【0122】
一実施形態では、NESをコードする核酸配列は、配列番号804または805と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、NESをコードする核酸配列は、配列番号804または805の配列を含む。
【0123】
細胞小器官及び細胞外局在化シグナル
一実施形態では、核酸分子は、融合タンパク質を細胞小器官または細胞外に局在化させる局在化シグナルをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、局在化シグナルは、タンパク質を、核小体、リボソーム、小胞、粗面小胞体、ゴルジ装置、細胞骨格、滑面小胞体、ミトコンドリア、液胞、細胞質ゾル、リソソーム、または中心小体に局在化させる。多くの局在化シグナルが当該技術分野で知られている。
【0124】
例示的な局在化シグナルとしては、1×ミトコンドリア標的化配列、4×ミトコンドリア標的化配列、分泌シグナル配列(IL-2)、ミリスチル化、カルセクエストリンリーダー、KDEL保持、及びペルオキシソーム標的化配列が挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
一実施形態では、核酸分子は、局在化シグナルをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、局在化シグナルは、融合タンパク質を細胞小器官または細胞外に局在化させる。一実施形態では、局在化シグナルをコードする核酸配列は、配列番号806~812と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列をコードする配列を含む。一実施形態では、局在化シグナルをコードする核酸配列は、配列番号806~812のアミノ酸配列をコードする配列を含む。
【0126】
一実施形態では、局在化シグナルをコードする核酸配列は、配列番号813~819と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態において、局在化シグナルをコードする核酸配列は、配列番号813~819の配列を含む。
【0127】
リンカー
一実施形態では、核酸分子は、リンカーペプチドをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、リンカーは、Casタンパク質とRNaseタンパク質とを連結する。一実施形態では、リンカーは、Casタンパク質のC末端とRNaseタンパク質のN末端に連結される。一実施形態では、リンカーは、Casタンパク質のN末端とRNaseタンパク質のC末端に接続される。
【0128】
一実施形態において、リンカーペプチドをコードする核酸配列は、配列番号100~108のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列をコードする。一実施形態において、リンカーペプチドをコードする核酸配列は、配列番号100~108のうちの1つのアミノ酸配列をコードする。
【0129】
一実施形態では、リンカーペプチドをコードする核酸配列は、配列番号790~792のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、リンカーペプチドをコードする核酸配列は、配列番号790~792のうちの1つの配列を含む。
【0130】
精製及び/または検出タグ
一実施形態では、核酸分子は、精製及び/または検出タグをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、タグは、融合タンパク質のN末端にある。一実施形態では、タグは、3×FLAGタグである。一実施形態では、精製及び/または検出タグをコードする核酸配列は、配列番号109と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一のアミノ酸配列をコードする。一実施形態では、精製及び/または検出タグをコードする核酸配列は、配列番号109のアミノ酸配列をコードする。
【0131】
一実施形態では、精製及び/または検出タグをコードする核酸配列は、配列番号793と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の配列を含む。一実施形態では、精製及び/または検出タグをコードする核酸配列は、配列番号793の配列を含む。
【0132】
標的化核酸及びCRISPR RNA(crRNA)
一態様において、本発明は、Casを標的RNAに標的化するためのCRISPR RNA(crRNA)を含む標的化核酸を提供する。一実施形態では、標的化核酸はcrRNAである。一実施形態では、crRNAは、ガイド配列を含む。一実施形態では、crRNAは、ダイレクトリピート(DR)配列を含む。一実施形態では、crRNAは、ダイレクトリピート配列と、ガイド配列もしくはスペーサー配列と融合または連結したガイド配列とを含む。一実施形態では、ダイレクトリピート配列は、ガイド配列またはスペーサー配列から上流(すなわち5’)に位置し得る。他の実施形態では、ダイレクトリピート配列は、ガイド配列またはスペーサー配列から下流(すなわち、3’)に位置し得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、crRNAは、ステムループを含む。一実施形態では、crRNAは、単一のステムループを含む。一実施形態では、ダイレクトリピート配列は、ステムループを形成する。一実施形態では、ダイレクトリピート配列は、単一のステムループを形成する。
【0134】
一実施形態では、crRNAは、融合タンパク質のRNaseに相補的である。例えば、一実施形態では、RNaseはssRNAを切断することができ、crRNAガイド配列は、標的配列に隣接する配列に対して十分な相補性を有する配列を含む。一実施形態では、RNaseはssRNAを切断することができ、crRNAガイド配列は、標的配列に対して十分な相補性を有し、標的部位にバルジssRNAを形成する配列を含む。
【0135】
一実施形態では、RNaseはdsRNAを切断することができ、crRNAガイド配列は、標的配列に対して十分な相補性を有し、それにより、RNaseによって切断されるdsRNAを形成することができる。一実施形態では、RNaseはdsRNAを切断することができ、crRNAガイド配列は、標的配列に対して十分な相補性を有し、標的部位の5’側及び3’側とミスマッチして標的部位の5’側及び3’側にssRNAのバルジを形成し、それにより、RNaseによって切断することができるdsRNAを標的部位に形成する配列を含む。
【0136】
一実施形態では、標的核酸は、標的化DNAオリゴである。一実施形態では、DNAオリゴは、標的配列に対して十分な相補性を有する配列を含むガイド配列を含む。一実施形態では、標的化DNAオリゴは、crRNAと組み合わせて送達することができる。一実施形態では、crRNAは、Cas13-RNase融合タンパク質を標的部位に誘導する。一実施形態では、crRNAは、標的部位にCas13-RNase融合タンパク質を誘導し、そこでRNaseがRNA:DNA複合体を切断することができる。一実施形態では、DNAオリゴは標的部位に結合することによってCas13-RNase融合タンパク質のRNaseが標的部位を切断することを可能にする。
【0137】
一実施形態では、ガイドRNAのスペーサー長は、15~35ntである。一実施形態では、ガイドRNAのスペーサー長は、少なくとも15ヌクレオチドである。一実施形態では、スペーサー長は、15~17nt、例えば、15、16、もしくは17nt、17~20nt、例えば、17、18、19、もしくは20nt、20~24nt、例えば、20、21、22、23、もしくは24nt、23~25nt、例えば、23、24、もしくは25nt、24~27nt、例えば、24、25、26、もしくは27nt、27~30nt、例えば、27、28、29、もしくは30nt、30~35nt、例えば、30、31、32、33、34、もしくは35nt、または35nt以上である。
【0138】
概して、ガイド配列は、標的配列とハイブリダイゼーションするのに十分な標的ポリヌクレオチド配列との相補性を有する任意のポリヌクレオチド配列であり、CRISPR複合体の標的配列への配列特異的結合を志向する。いくつかの実施形態では、ガイド配列とその対応する標的配列との間の相補性の程度は、適切なアラインメントアルゴリズムを使用して最適にアラインメントされる場合、約50%以上、60%、75%、80%、85%、90%、95%、97.5%、99%またはそれより多くである。最適なアライメントは、配列をアライメントするための任意の適切なアルゴリズムを使用して決定され得、その非限定的な例としては、Smith-Watermanアルゴリズム、Needleman-Wunschアルゴリズム、Burrows-Wheeler Transformに基づくアルゴリズム(例えば、Burrows Wheeler Aligner)、ClustalW、ClustalX、BLAT、Novoalign(Novocraft Technologies、www.novocraft.comで入手可能)、ELAND(Illumina,San Diego,Calif.)、SOAP(soap.genomics.org.cnから入手可能)、及びMaq(maq.sourceforge.netから入手可能)が挙げられる。いくつかの実施形態では、ガイド配列は、約5ヌクレオチド長以上、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、75ヌクレオチド長、またはそれより長いヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、ガイド配列は、約75ヌクレオチド長未満、50、45、40、35、30、25、20、15、12ヌクレオチド長、またはそれより短いヌクレオチド長である。好ましくは、ガイド配列は、10 30ヌクレオチド長である。CRISPR複合体の標的配列への配列特異的結合を指向するガイド配列の能力は、任意の適切なアッセイによって評価され得る。例えば、試験されるガイド配列を含む、CRISPR複合体を形成するのに十分なCRISPRシステムの構成要素は、CRISPR配列の構成要素をコードするベクターでのトランスフェクションなどよって対応する標的配列を有する宿主細胞に提供され得、続いて、本明細書に記載のサーベイヤーアッセイなどによって、標的配列内の優先切断の評価が行われる。同様に、標的ポリヌクレオチド配列の切断は、標的配列、試験されるガイド配列及び試験されるガイド配列とは異なる対照ガイド配列を含むCRISPR複合体の構成要素を提供し、試験ガイド配列と対照ガイド配列の反応の間の標的配列での結合または切断速度を比較することによって、試験管内で評価され得る。他のアッセイが可能であり、当業者に生じるであろう。
【0139】
CRISPR-Casシステムのいくつかの実施形態では、ガイド配列とそれに対応する標的配列との間の相補性の程度は、約50%以上、60%、75%、80%、85%、90%、95%、97.5%、99%、もしくは100%であり得、ガイドもしくはRNAもしくはsgRNAは、約5ヌクレオチド長以上、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、75ヌクレオチド長、もしくはそれより長いヌクレオチド長であり得、またはガイドもしくはRNAもしくはsgRNAは、約75未満、50、45、40、35、30、25、20、15、12ヌクレオチド長、またはそれより短いヌクレオチド長であり得、有利には、tracrRNAは、30または50ヌクレオチド長である。しかしながら、本発明の1つの態様は、オフターゲット相互作用を低減すること、例えば、低い相補性を有する標的配列と相互作用するガイドを低減することである。実際、実施例において、80%超~約95%の相補性、例えば、83%~84%または88~89%または94~95%の相補性を有する標的配列とオフターゲット配列とを区別する(例えば、18ヌクレオチドを有する標的と、1、2、または3個のミスマッチを有する18ヌクレオチドのオフターゲットとを区別する)ことができるCRISPR-Casシステムをもたらす変異を本発明が含むことが示されている。したがって、本発明との関連で、ガイド配列とそれに対応する標的配列との間の相補性の程度は、94.5%超または95%または95.5%または96%または96.5%または97%または97.5%または98%または98.5%または99%または99.5%または99.9%または100%である。オフターゲットは、配列とガイドとの間で100%未満または99.9%または99.5%または99%または98.5%または98%または97.5%または97%または96.5%または96%または95.5%または95%または94.5%または94%または93%または92%または91%または90%または89%または88%または87%または86%または85%または84%または83%または82%または81%または80%の相補性であり、オフターゲットが、配列とガイドとの間で100%未満または99.9%または99.5%または99%または99%または98.5%または98%または97.5%または97%または96.5%または96%または95.5%または95%または94.5%の相補性であることが有利である。
【0140】
Ef1a2プロモーター
一態様では、本開示の核酸分子は、本明細書に記載のタンパク質または遺伝子の発現を誘導するEf1a2プロモーターを含む。一実施形態では、プロモーターは、心臓、骨格筋、ならびに脳及び運動ニューロンなどの神経組織において発現を誘導することができるEf1a2プロモーターである。一実施形態では、Ef1a2プロモーターは、配列番号820~822のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一な配列を含む。一実施形態では、Ef1a2プロモーターは、配列番号820~822のうちの1つの配列を含む。
【0141】
核酸
本開示の単離された核酸配列は、例えば、遺伝子を発現する細胞由来のライブラリーをスクリーニングすることによって、またはそれを含むことが知られているベクターから遺伝子を誘導することによって、またはそれを含む細胞及び組織から標準的な技術を使用して直接単離することによってなどの当該技術分野では既知の多くの組換え方法のうちのいずれかを使用して得ることができる。代替的に、関心対象の遺伝子は、クローニングではなく合成により生成され得る。
【0142】
単離核酸は、限定されるものではないが、DNA及びRNAが含まれる、任意の種類の核酸を含み得る。例えば、一実施形態では、組成物は、例えば、本開示のタンパク質をコードする単離されたcDNA分子を含む、単離されたDNA分子を含む。一実施形態では、組成物は、本開示の融合体またはその機能性フラグメントをコードする単離RNA分子を含む。
【0143】
本発明の核酸分子は、血清中または細胞培養用の増殖培地中での安定性を改善するために修飾され得る。修飾を付加して、安定性、機能性、及び/または特異性を向上させ、本発明の核酸分子の免疫刺激特性を最小限に抑えることができる。例えば、安定性を増強するために、3’残基が分解に対して安定化され得る。例えば、それらがプリンヌクレオチド、特にアデノシンまたはグアノシンヌクレオチドからなるようにそれらが選択され得る。代替的に、修飾された類似体によるピリミジンヌクレオチドの置換、例えば、2’-デオキシチミジンによるウリジンの置換が許容され、分子の機能に影響を及ぼさない。
【0144】
本発明の一実施形態では、核酸分子は、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド類似体を含有し得る。例えば、末端は、修飾ヌクレオチド類似体を組み込むことによって安定化され得る。
【0145】
ヌクレオチド類似体の非限定的な例としては、糖及び/または骨格が修飾されたリボヌクレオチドが挙げられる(すなわち、リン酸糖骨格への修飾を含む)。例えば、天然RNAのホスホジエステル連結は、窒素または硫黄ヘテロ原子のうちの少なくとも1つを含むように修飾され得る。例示的な骨格が修飾されたリボヌクレオチドでは、隣接するリボヌクレオチドに結合しているリン酸エステル基が、修飾基、例えば、ホスホロチオエート基で置き換えられている。例示的な糖が修飾されたリボヌクレオチドにおいては、2’OH基は、H、OR、R、ハロ、SH、SR、NH、NHR、NRまたはONから選択される基によって置き換えられ、Rは、C-Cアルキル、アルケニルまたはアルキニルであり、ハロはF、Cl、BrまたはIである。
【0146】
修飾の他の例は、核酸塩基が修飾されたリボヌクレオチド、すなわち、天然に生じる核酸塩基の代わりに少なくとも1つの非天然に生じる核酸塩基を含有するリボヌクレオチドである。アデノシンデアミナーゼの活性を阻害するように塩基が修飾され得る。例示的な修飾された核酸塩基としては、5位で修飾されたウリジン及び/またはシチジン、例えば5-(2-アミノ)プロピルウリジン、5-ブロモウリジン;8位で修飾されたアデノシン及び/またはグアノシン、例えば8-ブロモグアノシン;デアザヌクレオチド、例えば7-デアザ-アデノシン;O-及びN-アルキル化ヌクレオチド、例えばN6-メチルアデノシンが好適であり、これらが挙げられるが、これらに限定されない。上記の修飾が組み合わされ得ることに留意されたい。
【0147】
場合によっては、核酸分子は、以下の化学修飾のうちの少なくとも1つを含む:1つ以上のヌクレオチドの2’-H、2’-O-メチル、または2’-OH修飾。特定の実施形態において、本発明の核酸分子は、ヌクレアーゼに対する耐性が増強され得る。ヌクレアーゼ耐性の増加のために、核酸分子は、例えば、2’-修飾されたリボース単位及び/またはホスホロチオエート結合を含み得る。例えば、2’ヒドロキシル基(OH)が、多数の異なる「オキシ」または「デオキシ」置換基で修飾され得るか、または置き換えられ得る。ヌクレアーゼ耐性の増加について、本発明の核酸分子は、2’-O-メチル、2’-フッ素、2’-O-メトキシエチル、2’-O-アミノプロピル、2’-アミノ、及び/またはホスホロチオアート連結を含み得る。ロックド核酸(LNA)、エチレン核酸(ENA)、例えば、2’-4’-エチレン架橋核酸を含有させること、及び特定の核酸塩基修飾、例えば、2-アミノ-A修飾、2-チオ(例えば、2-チオ-U)修飾、G-クランプ修飾も標的に対する結合親和性を増加させ得る。
【0148】
一実施形態では、核酸分子は、2’-修飾されたヌクレオチド、例えば、2’-デオキシ、2’-デオキシ-2’-フルオロ、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル(2’-O-MOE)、2’-O-アミノプロピル(2’-O-AP)、2’-O-ジメチルアミノエチル(2’-O-DMAOE)、2’-O-ジメチルアミノプロピル(2’-O-DMAP)、2’-O-ジメチルアミノエチルオキシエチル(2’-O-DMAEOE)、または2’-O-N-メチルアセトアミド(2’-O-NMA)を含む。一実施形態において、核酸分子は、少なくとも1つの2’-O-メチル修飾されたヌクレオチドを含み、いくつかの実施形態において、核酸分子のヌクレオチドの全てが、2’-O-メチル修飾を含む。
【0149】
特定の実施形態において、本発明の核酸分子は、以下の特性のうちの1つ以上を有する。
【0150】
本明細書に述べる核酸薬剤は、他の点では未修飾のRNA及びDNA、ならびに例えば、有効性を改善するために修飾されたRNA及びDNA、ならびにヌクレオシド代用物のポリマーを含む。修飾されていないRNAは、核酸の構成要素、すなわち、糖、塩基、及びリン酸部分が、天然に生じるもの、またはヒトの体内で天然に生じるものと同じであるか、または本質的に同じである分子を指す。当技術分野は、希少または珍しいが、天然に存在するRNAを修飾されたRNAと称してきた。例えば、Limbachら(Nucleic Acids Res.,1994,22:2183-2196)を参照されたい。そのような希少または珍しいRNAは、しばしば修飾されたRNAと称され、典型的には、転写後修飾の結果であり、本明細書で使用される修飾されていないRNAという用語内にある。修飾されたRNAは、本明細書で使用される場合、核酸の構成要素のうちの1つ以上、すなわち、糖、塩基、及びリン酸部分が、天然に生じるものとは異なるか、またはヒトの体内に生じるものとは異なる分子を指す。それらは「修飾されたRNA」と称されるが、それらは無論、修飾のために、厳密には、RNAではない分子を含む。ヌクレオシド代用物とは、ハイブリダイゼーションがリボースリン酸骨格で見られるものと実質的に類似するように、塩基が正しい空間関係で提示されることを可能にする非リボースリン酸構造、例えば、リボースリン酸骨格の非荷電模倣物でリボースリン酸骨格が置き換えられている分子である。
【0151】
本発明の核酸の修飾は、リン酸基、糖基、骨格、N末端、C末端、または核酸塩基のうちの1つ以上に存在し得る。
【0152】
本発明はまた、本発明の単離された核酸が挿入されたベクターも含む。当該技術分野は、本発明において有用な適切なベクターで満たされている。
【0153】
簡潔にまとめると、本開示のタンパク質をコードする天然または合成核酸の発現は、典型的には、本開示のタンパク質またはその一部をコードする核酸をプロモーターに作動可能に連結し、構築物を発現ベクターに組み込むことによって達成される。使用されるベクターは、複製、及び任意選択的に、真核細胞における統合に適している。典型的なベクターは、転写及び翻訳ターミネーター、開始配列、ならびに所望の核酸配列の発現の調節に有用なプロモーターを含有する。
【0154】
本発明のベクターも、標準的な遺伝子送達プロトコルを使用して、核酸免疫化及び遺伝子療法に使用され得る。遺伝子送達のための方法は、当該技術分野において公知である。例えば、米国特許第5,399,346号、同第5,580,859号、同第5,589,466号(参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)を参照のこと。別の実施形態において、本発明は、遺伝子療法ベクターを提供する。
【0155】
本発明の単離された核酸は、多くの種類のベクターにクローニングされ得る。例えば、核酸は、限定されるものではないが、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、動物ウイルス、及びコスミドを含むベクターにクローニングされ得る。特に関心対象となるベクターとしては、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、及び配列決定ベクターが挙げられる。
【0156】
さらにベクターは、ウイルスベクターの形態で細胞に提供され得る。ウイルスベクター技術は、当該技術分野では周知のものであり、例えば、Sambrook et al.(2012, Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York)、及びその他のウイルス学及び分子生物学のマニュアルに記載されている。ベクターとして有用なウイルスとしては、限定されるものではないが、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、及びレンチウイルスが挙げられる。一般に、適当なベクターは、少なくとも1種の生物において機能する複製開始点、プロモーター配列、有用な制限エンドヌクレアーゼ部位、及び1つ以上の選択マーカーを有する(例えば、WO01/96584;WO01/29058;及び米国特許第6,326,193号)。
【0157】
一実施形態では、本発明の1つ以上の融合タンパク質をコードする核酸は、上記のように、RNaseをコードする核酸配列にその3’末端が連結された、配列番号824と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の核酸配列を含む。一実施形態では、1つ以上の融合タンパク質をコードする核酸は、RNaseをコードする核酸配列にその3’末端が連結された、配列番号824の核酸配列を含む。
【0158】
一実施形態では、本発明の1つ以上の融合タンパク質をコードする核酸は、第1のRNaseをコードする核酸配列にその5’末端が連結され、第2のRNaseをコードする核酸配列にその3’末端が連結された、配列番号825と少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一の核酸配列を含む。一実施形態では、1つ以上の融合タンパク質をコードする核酸は、第1のRNaseをコードする核酸配列にその5’末端が連結され、第2のRNaseをコードする核酸配列にその3’末端が連結された、配列番号825の核酸配列を含む。
【0159】
RNA分子のトランススプライシングを行うためのタンパク質をコードする核酸
いくつかの実施形態では、本発明は、細胞内またはインビトロでRNA分子のトランススプライシングを行うための編集タンパク質の新規な融合体をコードする核酸に関する。一実施形態では、本発明は、本明細書に記載の編集タンパク質の1つ以上の新規融合体をコードする1つ以上の核酸、本明細書に記載の1つ以上の標的化核酸、及び1つ以上のRNA分子を含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、上記の1つ以上のRNA分子は、単一のRNA分子を含む。いくつかの実施形態では、上記の1つ以上のRNA分子は、少なくとも2個のRNA分子を含む。一実施形態では、組成物は、RtcBリガーゼまたはRtcBリガーゼをコードする核酸をさらに含む。例示的なRtcBリガーゼ及び上記のRtcBリガーゼをコードする対応する核酸配列は、国際出願第PCT/US2021/016885(参照によって本明細書にその全容を援用する)に見ることができる。
【0160】
送達システム及び方法
一態様において、本発明は、新規のレンチウイルスパッケージング及び送達システムの開発に関する。レンチウイルス粒子は、ウイルス酵素をタンパク質として送達する。こうすることで、レンチウイルス酵素は短命となるため、細胞の生涯にわたる長期的発現に起因するオフターゲット編集の可能性が制限される。それらに必要な活性が短期間でのみ必要とされることを考慮すると、レンチウイルス粒子中のタンパク質としての編集構成要素または従来のCRISPR-Cas編集構成要素の組み込みは有利である。したがって、一実施形態では、本発明は、レンチウイルス送達システム、ならびに本発明の組成物を送達する方法、遺伝物質を編集する方法、及びレンチウイルス送達システムを使用する核酸送達方法を提供する。
【0161】
一実施形態では、送達システムは、(1)パッケージングプラスミド、(2)導入プラスミド、及び(3)エンベローププラスミドを含む。一実施形態では、送達システムは、(1)パッケージングプラスミド、(2)エンベローププラスミド、及び(3)VPRプラスミドを含む。一実施形態では、パッケージングプラスミドは、gag-polポリプロテインをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、gag-polポリプロテインは、触媒活性を失った(catalytically dead)インテグラーゼを含む。一実施形態では、gag-polポリプロテインは、D116N及びD64Vから選択される変異を含む。一実施形態では、導入プラスミドは、本開示のcrRNA配列及びCasタンパク質をコードする核酸配列を含む。
【0162】
一実施形態では、エンベローププラスミドは、エンベロープタンパク質をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、エンベローププラスミドは、HIVエンベロープタンパク質をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、エンベローププラスミドは、水疱性口内炎ウイルスgタンパク質(VSV-g)エンベロープタンパク質をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、エンベロープタンパク質は、所望の細胞タイプに基づいて選択することができる。
【0163】
一実施形態では、VPRプラスミドは、VPR、Casタンパク質、及びRNaseタンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、VPRプラスミドは、VPR、Casタンパク質、RNaseタンパク質及びNLSを含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、VPRプラスミドは、VPR、Casタンパク質、RNaseタンパク質、及びNESを含む融合タンパク質をコードする核酸配列を含む。一実施形態では、融合タンパク質は、VPRとCasタンパク質との間のプロテアーゼ切断部位と、RNaseタンパク質とを含む。一実施形態では、VPRプラスミドパッケージングプラスミドは、標的化核酸配列をコードする配列をさらに含む。
【0164】
一実施形態では、パッケージングプラスミド、導入プラスミド、エンベローププラスミド、及びVPRプラスミドが細胞に導入される。一実施形態では、細胞は、gag-polタンパク質をコードする核酸配列を転写し、翻訳して、gag-polポリプロテインを生成する。一実施形態では、細胞は、エンベロープタンパク質をコードする核酸配列を転写し、翻訳して、エンベロープタンパク質を生成する。一実施形態では、細胞は、融合タンパク質を転写し、翻訳して、VPR-融合タンパク質を生成する。一実施形態では、細胞は、ガイドRNAをコードする核酸配列を転写する。一実施形態では、転写された導入プラスミド及びgag-polタンパク質は、レンチウイルスベクターにパッケージングされる。一実施形態において、レンチウイルスベクターは、細胞培地から回収される。一実施形態では、ウイルス粒子は標的細胞に形質導入し、転写されたcrRNA及びCasタンパク質が切断され、翻訳されることによってCasタンパク質とcrRNAを生成し、crRNAがCasタンパク質に結合してCasタンパク質をcrRNA配列と実質的に相補的な配列を有するRNAに誘導する。
【0165】
一実施形態では、gag-polタンパク質、エンベロープポリプロテイン、及びガイドRNAに結合されたVPR-融合タンパク質がウイルス粒子内にパッケージングされる。一実施形態では、ウイルス粒子は、細胞培地から回収される。一実施形態では、VPRは、ウイルス粒子内でプロテアーゼ部位により融合タンパク質から切断されて、Cas-融合タンパク質を与える。一実施形態では、ウイルス粒子は標的細胞に形質導入し、そこでガイドRNAがRNAの標的領域に結合することにより、Cas融合タンパク質を標的化する。
【0166】
さらに多くのさらなるウイルスベースのシステムが、哺乳動物細胞に遺伝子導入を行うために開発されている。例えば、レトロウイルスは、遺伝子送達システムに便利なプラットフォームを提供する。選択された遺伝子は、当該技術分野において公知の技術を使用してベクターに挿入され得、レトロウイルス粒子にパッケージングされ得る。次いで、組換えウイルスが単離され得、インビボまたはエクスビボのいずれかで対象の細胞に送達され得る。多くのレトロウイルスシステムが当該技術分野では周知である。いくつかの実施形態では、アデノウイルスベクターが使用される。多くのアデノウイルスベクターが当該技術分野では周知である。いくつかの実施形態では、レンチウイルスベクターが使用される。
【0167】
例えば、レンチウイルスなどのレトロウイルスに由来するベクターは、それらが導入遺伝子の長期の安定した組込み及び娘細胞におけるその伝播を可能にするため、長期の遺伝子導入を達成するのに好適なツールである。レンチウイルスベクターは、マウス白血病ウイルスなどの腫瘍レトロウイルスに由来するベクターと比較して、肝実質細胞などの非増殖細胞に形質導入することができるという点で更なる利点を有する。それらは、免疫原性が低いという更なる利点も有する。
【0168】
一実施形態では、組成物は、アデノ随伴ウイルス(AAV)に由来するベクターを含む。「AAVベクター」という用語は、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、及びAAV-9を含むがこれらに限定されない、アデノ随伴ウイルス血清型に由来するベクターを意味する。AAVベクターは、様々な障害の治療のための強力な遺伝子送達ツールとなっている。AAVベクターは、病原性の欠如、最小限の免疫原性、及び安定かつ効率的な手法で有糸分裂後細胞を形質導入する能力を含む、遺伝子療法に理想的に適合させるいくつかの特徴を有する。AAVベクター内に含まれる特定の遺伝子の発現は、AAV血清型、プロモーター、及び送達方法の適切な組み合わせを選択することにより、1つ以上の種類の細胞に特異的に標的化され得る。
【0169】
AAVベクターは、AAV野生型遺伝子のうちの1つ以上、好ましくは、rep及び/またはcap遺伝子の全体または一部の欠失を有し得るが、機能的な隣接するITR配列を保持し得る。高度な相同性にもかかわらず、異なる血清型は異なる組織に対する指向性を有する。AAV1の受容体は不明であるが、AAV1は、AAV2よりも効率的に骨格及び心筋に形質導入することが知られている。多くの研究は、AAV2 ITRを隣接させたベクターDNAが代替の血清型のカプシド内にパッケージングされているシュードタイプ化されたベクターで行われていることから、生物学的な差異が、ゲノムではなくカプシドに関連していることは明らかである。最近の証拠は、AAV1キャプシドにパッケージングされたDNA発現カセットが、AAV2キャプシドにパッケージングされたものよりも心筋細胞の形質導入において効率が少なくとも1log10高いことを示している。一実施形態において、ウイルス送達システムは、アデノ随伴ウイルス送達システムである。アデノ随伴ウイルスは、血清型1(AAV1)、血清型2(AAV2)、血清型3(AAV3)、血清型4(AAV4)、血清型5(AAV5)、血清型6(AAV6)、血清型7(AAV7)、血清型8(AAV8)、または血清型9(AAV9)のものであり得る。
【0170】
ベクターにアセンブルするための望ましいAAVフラグメントとしては、vp1、vp2、vp3及び超可変領域を含むcapタンパク質、rep78、rep68、rep52、及びrep40を含むrepタンパク質、ならびにこれらのタンパク質をコードする配列が挙げられる。これらのフラグメントは、種々のベクター系及び宿主細胞で容易に利用され得る。そのようなフラグメントは、単独で、他のAAV血清型配列もしくはフラグメントと組み合わせて、または他のAAVもしくは非AAVウイルス配列由来の要素と組み合わせて使用され得る。本明細書で使用される場合、人工AAV血清型は、非天然に生じるカプシドタンパク質を有するAAVを含むがこれに限定されない。そのような人工カプシドは、選択されたAAV配列(例えば、vp1カプシドタンパク質のフラグメント)を使用して、異なる選択されたAAV血清型、同じAAV血清型の非連続部分、非AAVウイルス源、または非ウイルス源から得られ得る異種配列と組み合わせて、任意の適切技術によって生成され得る。人工AAV血清型は、キメラAAVカプシド、組換えAAVカプシド、または「ヒト化」AAVカプシドであり得るが、これらに限定されない。したがって、1つ以上のタンパク質の発現に適切な例示的なAAV、または人工的なAAVとしては、とりわけAAV2/8(米国特許第7,282,199号を参照されたい)、AAV2/5(National Institutes of Healthから入手可能)、AAV2/9(国際特許公開第WO2005/033321号)、AAV2/6(米国特許第6,156,303号)、及びAAVrh8(国際特許公開第WO2003/042397号)が挙げられる。
【0171】
ある特定の実施形態において、ベクターはまた、プラスミドベクターでトランスフェクションされた細胞において、または本発明により産生されたウイルスに感染した細胞において、その転写、翻訳、及び/または発現を可能にする様式で導入遺伝子と作動可能に連結される従来の制御要素を含む。本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」配列は、目的の遺伝子に連続している発現制御配列と、目的の遺伝子を制御するためにトランスに作用するか、または離れて作用する発現制御配列との両方が含まれる。発現制御配列には、適切な転写開始、終結、プロモーター、及びエンハンサー配列;スプライシング及びポリアデニル化(polyA)シグナルなどの効率的なRNA処理シグナル、細胞質mRNAを安定化させる配列、翻訳効率を増強する配列(すなわち、Kozakコンセンサス配列)、タンパク質の安定性を増強する配列、及び必要に応じて、コードされた産物の分泌を増強する配列が含まれる。天然の、構成的、誘導性、及び/または組織特異的プロモーターを含む多くの発現制御配列が当分野で既知であり、利用することができる。
【0172】
追加のプロモーターエレメント、例えば、エンハンサーは、転写開始の頻度を調節する。典型的には、これらは開始部位の上流30~110bpの領域に位置するが、多くのプロモーターは、開始部位の下流にも機能的要素を含有することが最近示されている。しばしば、プロモーターエレメント間の間隔には柔軟性があり、その結果、エレメントが互いに対して逆位になったり移動したりしてもプロモーター機能は保持される。チミジンキナーゼ(tk)プロモーターにおいては、活性が低下し始める前に、プロモーター要素間の間隔を50bpまで増大することができる。プロモーターによっては、個々のエレメントが協調的に、または独立して、転写を活性化することができるように見える。
【0173】
適切なプロモーターの一例は、即時初期サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列である。このプロモーター配列は、機能的に連結された任意のポリヌクレオチド配列の高レベルの発現を作動させることができる強力な構成的プロモーター配列である。適切なプロモーターの別の例は、伸長成長因子-1α(EF-1α)である。しかしながら、サルウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)長末端リピート(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、トリ白血病ウイルスプロモーター、エプスタイン-バーウイルス即時初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ならびにアクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、クレアチンキナーゼプロモーターなどこれらに限定されないがヒト遺伝子プロモーターを含むが、これらに限定されない他の構成的プロモーター配列も使用され得る。さらに、本発明は、構成的プロモーターの使用に限定される必要はない。誘導性プロモーターもまた、本発明の一部として企図される。誘導性プロモーターの使用により、その発現が所望されるときに作動可能に連結されるポリヌクレオチド配列の発現をオンにすることができるか、または発現が所望されないときに発現をオフにすることができる分子スイッチを提供する。誘導性プロモーターの例としては、限定されるものではないが、メタロチオネインプロモーター、糖質コルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、及びテトラサイクリンプロモーターが挙げられる。
【0174】
ベクター上に見出されるエンハンサー配列も、ベクターに含まれる遺伝子の発現を調節する。典型的には、エンハンサーは、タンパク質因子と結合して、遺伝子の転写を増強する。エンハンサーは、それが調節する遺伝子の上流または下流に存在し得る。エンハンサーは、特異的に細胞または組織型における転写を増強するために組織特異的であってもよい。一実施形態において、本発明のベクターは、ベクター内に存在する遺伝子の転写を促進するための1つ以上のエンハンサーを含む。
【0175】
本発明の融合タンパク質の発現を評価するために、細胞に導入される発現ベクターはまた、選択可能なマーカー遺伝子もしくはレポーター遺伝子のいずれかまたはそれらの両方を含有し、ウイルスベクターを介してトランスフェクションまたは感染させようとする細胞集団由来の発現細胞の同定及び選別を容易にすることができる。他の態様において、選択可能なマーカーは、別個のDNA上で担持され得、同時トランスフェクション手順で使用され得る。選択マーカー遺伝子及びレポーター遺伝子の両方が、宿主細胞における発現を可能にするための適切な調節配列と隣接していてもよい。有用な選択マーカーには、例えば、neoなどの抗生物質耐性遺伝子が含まれる。
【0176】
レポーター遺伝子は、トランスフェクションされた可能性のある細胞を同定するため、及び調節配列の機能を評価するために使用される。一般に、レポーター遺伝子は、レシピエント生物もしくは組織に存在もしなければ発現もされず、その発現が何らかの容易に検出可能な特性、例えば、酵素活性によって示されるようなポリペプチドをコードする遺伝子である。レポーター遺伝子の発現は、DNAがレシピエント細胞に導入された後の適当な時点でアッセイされる。適切なレポーター遺伝子は、ルシフェラーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、分泌アルカリホスファターゼ、または緑色蛍光タンパク質遺伝子をコードする遺伝子を含み得る(例えば、Ui-Tei et al.,2000 FEBS Letters 479:79-82)。好適な発現系は周知であり、既知の技法を使用して調製され得るか、または商業的に入手され得る。概して、レポーター遺伝子の最高レベルの発現を示す最小5’隣接領域を有する構築物は、プロモーターとして同定される。かかるプロモーター領域は、レポーター遺伝子に連結され得、プロモーターにより駆動される転写を調節する能力について作用物質を評価するために使用され得る。
【0177】
遺伝子を細胞に導入し、発現させる方法は、当該技術分野において公知である。発現ベクターに関連して、ベクターは、当該技術分野における任意の方法によって、宿主細胞、例えば、哺乳動物細胞、細菌細胞、酵母細胞、または昆虫細胞に容易に導入され得る。例えば、発現ベクターは、物理的、化学的、または生物学的手段によって宿主細胞に導入され得る。
【0178】
宿主細胞にポリヌクレオチドを導入するための物理的方法としては、リン酸カルシウム沈殿法、リポフェクション、微粒子銃法、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションなどが挙げられる。ベクター及び/または外因性核酸を含む細胞を作製する方法は、当該技術分野では周知のものである。例えば、Sambrook et al.(2012, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York)を参照されたい。ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための例示的な方法は、リン酸カルシウムトランスフェクションである。
【0179】
目的のポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための生物学的方法には、DNAベクター及びRNAベクターの使用が含まれる。ウイルスベクター、特にレトロウイルスベクターは、哺乳動物、例えば、ヒト細胞に遺伝子を挿入するための最も広く使用されている方法となっている。他のウイルスベクターは、レンチウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルスI、アデノウイルス及びアデノ随伴ウイルスなどに由来し得る。例えば、米国特許第5,350,674号、及び同第5,585,362号を参照されたい。
【0180】
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための化学的手段としては、コロイド分散系、例えば、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、ならびに水中油型エマルション、ミセル、混合ミセル、及びリポソームが含まれる脂質ベースの系が挙げられる。インビトロ及びインビボでの送達ビヒクルとしての使用のための例示的なコロイドシステムは、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。
【0181】
非ウイルス送達システムが利用される場合には、例示的な送達媒体は、リポソームである。脂質製剤の使用は、宿主への核酸の導入(インビトロ、エクスビボ、またはインビボ)のために企図される。別の態様では、核酸は脂質と会合していてもよい。脂質と会合した核酸は、リポソームの水性内部に封入され得るか、リポソームの脂質二重層内に分散され得るか、リポソーム及びオリゴヌクレオチドの両方と会合している連結分子を介してリポソームに付着され得るか、リポソーム内に封じ込められ得るか、リポソームと複合体化され得るか、脂質を含有する溶液中に分散され得るか、脂質と混合され得るか、脂質と組み合わされ得るか、懸濁物として脂質に含有され得るか、ミセル中に含有され得るか、もしくはこれと複合体化され得るか、または別様に脂質と会合し得る。脂質、脂質/DNA、または脂質/発現ベクター関連組成物は、溶液中で任意の特定の構造に限定されない。例えば、それらは二重層構造中に、ミセルとして、または「崩壊した」構造として存在し得る。またそれらは単純に溶液中に散在していてもよく、おそらくサイズまたは形状が均一でない凝集物を形成している。脂質とは、天然に存在する脂質または合成脂質であり得る脂肪性物質のことである。例えば、脂質としては、細胞質中に天然に存在する脂肪小滴、ならびに長鎖脂肪族炭化水素及びそれらの誘導体を含む化合物のクラス、例えば、脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコール、及びアルデヒドが挙げられる。
【0182】
使用に好適な脂質は、民間の供給元から入手され得る。例えば、ジミリスチルホスファチジルコリン(「DMPC」)は、Sigma,St.Louis,MOから得ることができ、ジセチルリン酸塩(「DCP」)は、K & K Laboratories(Plainview,NY)から得ることができ、コレステロール(「Choi」)は、Calbiochem-Behringから得ることができ、ジミリスチルホスファチジルグリセロール(「DMPG」)及び他の脂質は、Avanti Polar Lipids,Inc.(Birmingham,AL)から得ることができる。クロロホルムまたはクロロホルム/メタノール中の脂質の原液は、約-20°Cで保存できる。クロロホルムは、メタノールよりも容易に蒸発するため、唯一の溶媒として使用される。「リポソーム」とは、閉じた脂質二重層または凝集物の生成によって形成される、種々の単層及び多重層の脂質媒体を包含する総称である。リポソームは、リン脂質二重層膜及び内部の水性媒質を有する小胞構造を有することを特徴とし得る。多重膜リポソームは、水性媒質によって隔てられた複数の脂質層を有する。それらはリン脂質を過剰量の水性溶液中に懸濁させると自発的に形成される。脂質成分は、閉じた構造を形成する前に自己再編成し、脂質二重層の間に水と溶解した溶質を閉じ込める(Ghosh et al.,1991 Glycobiology 5:505-10)。しかしながら、溶液中で通常の小胞構造とは異なる構造を有する組成物も包含される。例えば、脂質は、ミセル構造をとり得るか、または単に脂質分子の不均一な凝集物として存在し得る。リポフェクトアミン-核酸複合体も企図される。
【0183】
外来性核酸を宿主細胞に導入するために使用される方法にかかわらず、宿主細胞における組換えDNA配列の存在を確認するために、様々なアッセイが実施され得る。かかるアッセイとしては、例えば、サザンブロッティング及びノーザンブロッティング、RT-PCR、及びPCRなどの当業者には周知の「分子生物学的」アッセイ、例えば、免疫学的手段(ELISA及びウェスタンブロット)による、または本発明の範囲内に含まれる作用物質を同定するための本明細書に記載されるアッセイによる、特定のペプチドの存在または非存在を検出することなどの「生化学的」アッセイが挙げられる。
【0184】
ナノ粒子
いくつかの実施形態では、本開示は、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)中に配合された上記の段落のいずれかの融合タンパク質、核酸、またはそれらの組み合わせを提供する。
【0185】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質、核酸、またはそれらの組み合わせは、脂質ナノ粒子中に配合される。いくつかの実施形態では、融合タンパク質、核酸、またはそれらの組み合わせは、カチオン性脂質ナノ粒子と呼ばれる脂質-ポリカチオン複合体中に配合される。非限定的な例として、ポリカチオンは、ポリリシン、ポリオルニチン及び/またはポリアルギニンなど(ただし、これらに限定されない)のカチオン性ペプチドまたはポリペプチドを含み得る。いくつかの実施形態では、融合タンパク質、核酸、またはそれらの組み合わせは、コレステロールまたはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)などの(ただし、これらに限定されない)非カチオン性脂質を含む脂質ナノ粒子中に配合される。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、少なくとも1つのイオン化可能なカチオン性脂質、少なくとも1つの非カチオン性脂質、少なくとも1つのステロール、及び/または少なくとも1つのポリエチレングリコール(PEG)修飾脂質を含む。
【0186】
脂質ナノ粒子製剤は、これらに限定されるものではないが、選択されるカチオン性脂質成分、カチオン性脂質飽和度、PEG化の性質、全成分の比率、及びサイズなどの生物物理学的パラメータに影響され得る。Sempleらによる一例(Nature Biotech. 2010 28:172-176)では、脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質57.1%、ジパルミトイルホスファチジルコリン7.1%、コレステロール34.3%、及びPEG-c-DMA1.4%で構成されている。別の例として、カチオン性脂質の組成を変更することで、siRNAをさまざまな抗原提示細胞により効果的に送達することが可能である(Basha et al. Mol Ther. 2011 19:2186-2200)。
【0187】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、35~45%のカチオン性脂質、40%~50%のカチオン性脂質、50%~60%のカチオン性脂質及び/または55%~65%のカチオン性脂質を含み得る。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子中の脂質とRNA(例えば、mRNA)との比は、5:1~20:1、10:1~25:1、15:1~30:1、及び/または少なくとも30:1とすることができる。
【0188】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤中のPEGの比率を増加または減少させることができ、かつ/またはPEG脂質の炭素鎖長をC14からC18に変更して、脂質ナノ粒子製剤の薬物動態及び/または体内分布を変化させることができる。非限定的な例として、脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質、DSPC及びコレステロールと比較して、0.5%~3.0%、1.0%~3.5%、1.5%~4.0%、2.0%~4.5%、2.5%~5.0%、及び/または3.0%~6.0%の脂質モル比のPEG-c-DOMG(R-3-[(ω-メトキシ-ポリ(エチレングリコール)2000)カルバモイル)]-1,2-ジミリスチルオキシプロピル-3-アミン)(本明細書ではPEG-DOMGとも呼ばれる)を含有することができる。いくつかの実施形態では、PEG-c-DOMGは、これらに限定されるものではないが、PEG-DSG(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)、PEG-DMG(1,2-ジミリストイル-sn-グリセロール)及び/またはPEG-DPG(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)などのPEG脂質に置換することができる。カチオン性脂質は、これらに限定されるものではないが、DLin-MC3-DMA、DLin-DMA、C12-200及びDLin-KC2-DMAなどの当該技術分野では周知の任意の脂質から選択することができる。
【0189】
いくつかの実施形態では、融合タンパク質、核酸、またはそれらの組み合わせは、これらに限定されるものではないが、DLin-DMA、DLin-K-DMA、98N12-5、C12-200、DLin-MC3-DMA、DLin-KC2-DMA、DODMA、PLGA、PEG、PEG-DMG、PEG化脂質及びアミノアルコール脂質から選択される少なくとも1つの脂質を含むナノ粒子として配合される。いくつかの実施形態では、脂質は、これらに限定されるものではないが、DLin-DMA、DLin-D-DMA、DLin-MC3-DMA、DLin-KC2-DMA、DODMA及びアミノアルコール脂質などのカチオン性脂質とすることができる。アミノアルコールカチオン性脂質は、参照によって本明細書にその全容を援用する米国特許公開第US20130150625号に記載され、かつ/または当該文献に記載される方法によって調製された脂質とすることができる。非限定的な例として、カチオン性脂質は、2-アミノ-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-2-{[(9Z,2Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]メチル}プロパン-1-オール(US20130150625に記載の化合物1)、2-アミノ-3-[(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-イルオキシ]-2{[(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-イルオキシ]メチル}プロパン-1-オール(US20130150625に記載の化合物2)、2-アミノ-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-2-[(オクチルオキシ)メチル]プロパン-1-オール(US20130150625に記載の化合物3)、及び2-(ジメチルアミノ)-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-2-{[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]メチル}プロパン-1オール(US20130150625に記載の化合物4)、またはそれらの任意の薬学的に許容される塩または立体異性体とすることができる。
【0190】
脂質ナノ粒子製剤は、通常、脂質、特にイオン化可能なカチオン性脂質、例えば、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)、またはジ((Z)-ノン-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)を含み、さらに中性脂質、ステロール、及び例えば、PEGまたはPEG修飾脂質などの粒子凝集を低減することができる分子を含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、20~60%のカチオン性脂質、5~25%の中性脂質、25~55%のステロール、0.5~15%のPEG脂質のモル比の、(i)2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)、及びジ((Z)-ノン-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)からなる群から選択される少なくとも1つの脂質、(ii)DSPC、DPPC、POPC、DOPE及びSMから選択される中性脂質、(iii)ステロール、例えばコレステロール、及び(iv)PEG-脂質、例えば、PEG-DMGまたはPEG-cDMAから本質的になる。
【0192】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で25%~75%、例えば、モル基準で35~65%、45~65%、60%、57.5%、50%または40%の2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-KC2-DMA)、ジリノレイル-メチル-4-ジメチルアミノブチレート(DLin-MC3-DMA)、及びジ((Z)-ノン-2-エン-1-イル)9-((4-(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)ヘプタデカンジオエート(L319)から選択されるカチオン性脂質を含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で0.5%~15%、例えば、モル基準で3~12%、5~10%、または15%、10%、または7.5%の中性脂質を含む。中性脂質の例としては、これらに限定されるものではないが、DSPC、POPC、DPPC、DOPE、及びSMが挙げられる。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で5%~50%(例えば、モル基準で15~45%、20~40%、40%、38.5%、35%、または31%)の中性脂質を含む。ステロールの非限定的な例として、コレステロールがある。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、モル基準で0.5%~20%(例えば、モル基準で0.5~10%、0.5~5%、1.5%、0.5%、1.5%、3.5%、または5%)のPEGまたはPEG修飾脂質を含む。いくつかの実施形態では、PEGまたはPEG修飾脂質は、平均分子量2000DaのPEG分子を含む。いくつかの実施形態では、PEGまたはPEG修飾脂質は、平均分子量が2000未満、例えば約1,500Da、約1000Da、または約500DaのPEG分子を含む。PEG修飾脂質の非限定的な例としては、PEG-ジステアロイルグリセロール(PEG-DMG)(本明細書ではPEG-C14またはC14-PEGとも呼ばれる)、PEG-cDMA(参照によって本明細書にその全容を援用するところのReyes et al. J. Controlled Release,107, 276-287(2005)にさらに記載されている)が挙げられる。
【0194】
いくつかの実施形態では、脂質のモル比は、50/10/38.5/1.5(カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/コレステロール/PEG修飾脂質(例えば、PEG-DMG、PEG-DSGまたはPEG-DPG)のmol%)、57.2/7.1134.3/1.4(カチオン性脂質/中性脂質(例えばDPPC)/コレステロール/PEG修飾脂質(例えばPEG-cDMA)のmol%)、40/15/40/5(カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/コレステロール/PEG修飾脂質(例えばPEG-DSG)のmol%)、50/10/35/4.5/0.5(カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/コレステロール/PEG修飾脂質(例えばPEG-DSG)のmol%)、50/10/35/5(カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/コレステロール/PEG修飾脂質(例えばPEG-DMG)のmol%)、40/10/40/10(カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/コレステロール/PEG修飾脂質(例えばPEG-DMGまたはPEG-cDMA)のmol%)、35/15/40/10(カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/コレステロール/PEG修飾脂質(例えばPEG-DMGまたはPEG-cDMA)のmol%)、または52/13/30/5(カチオン性脂質/中性脂質(例えばDSPC)/コレステロール/PEG修飾脂質(例えばPEG-DMGまたはPEG-cDMA)のmol%)である。
【0195】
脂質ナノ粒子組成物及びそれらを調製する方法の非限定的な例は、例えば、Semple et al.(2010)Nat.Biotechnol. 28:172-176;Jayarama et al.(2012), Angew. Chem. Int. Ed., S1:8529-8533;及びMaier et al.(2013)Molecular Therapy 21, 1570-1578(本明細書に参照によりその全容を援用する)に記載されている。
【0196】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質、PEG脂質、及び構造脂質を含んでもよく、場合により非カチオン性脂質を含むことができる。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、40~60%のカチオン性脂質、5~15%の非カチオン性脂質、1~2%のPEG脂質、及び30~50%の構造脂質を含み得る。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、1.5%のPEG脂質及び38.5%の構造脂質を含み得る。さらに別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、55%のカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、2.5%のPEG脂質及び32.5%の構造脂質を含み得る。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、これらに限定されるものではないが、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA及びL319などの本明細書に記載のいずれのカチオン性脂質であってもよい。
【0197】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、4成分脂質ナノ粒子とすることができる。脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質、及び構造脂質を含み得る。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、40~60%のカチオン性脂質、5~15%の非カチオン性脂質、1~2%のPEG脂質、及び30~50%の構造脂質を含み得る。別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、1.5%のPEG脂質及び38.5%の構造脂質を含み得る。さらに別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、55%のカチオン性脂質、10%の非カチオン性脂質、2.5%のPEG脂質及び32.5%の構造脂質を含み得る。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、これらに限定されるものではないが、DLin-KC2-DMA、DLin-MC3-DMA及びL319などの本明細書に記載のいずれのカチオン性脂質であってもよい。
【0198】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、PEG脂質及び構造脂質を含むことができる。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質DLin-KC2-DMA、10%の非カチオン性脂質DSPC、1.5%のPEG脂質PEG-DOMG、及び38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質DLin-MC3-DMA、10%の非カチオン性脂質DSPC、1.5%のPEG脂質PEG-DOMG、及び38.5%の構造脂質コレステロールを含む。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、50%のカチオン性脂質DLin-MC3-DMA、10%の非カチオン性脂質DSPC、1.5%のPEG脂質PEG-DMG、及び38.5%の構造脂質コレステロールを含む。さらに別の非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、55%のカチオン性脂質L319、10%の非カチオン性脂質DSPC、2.5%のPEG脂質PEG-DMG、及び32.5%の構造脂質コレステロールを含む。
【0199】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)は、10~500nm、20~400nm、30~300nm、40~200nmの平均直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子)は、50~150nm、50~200nm、80~100nm、または80~200nmの平均直径を有する。
【0200】
システム
一態様において、本発明は、対象内のRNA転写産物の数を減少させるためのシステムを提供する。一実施形態では、システムは、1つ以上のベクター内に、CRISPR関連(Cas)タンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む融合タンパク質をコードする核酸配列と、CRISPR-CasシステムcrRNAをコードする核酸配列とを含む。一実施形態では、システムは、同じまたは異なるベクター上に、第2の標的化核酸をコードする核酸配列をさらに含む。一実施形態では、CRISPR-CasシステムのcrRNAは、RNA転写産物内の標的RNA配列と実質的にハイブリダイズする。一実施形態では、融合タンパク質をコードする核酸配列と、CRISPR-CasシステムのcrRNAをコードする核酸配列とは、同じベクターにある。一実施形態では、融合タンパク質をコードする核酸配列と、CRISPR-CasシステムのcrRNAをコードする核酸配列とは、異なるベクターにある。
【0201】
一実施形態では、融合タンパク質をコードする核酸配列は、(1)配列番号47~48のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列をコードする核酸配列と、(2)配列番号49~89のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列をコードする核酸配列と、(3)配列番号110~730のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列をコードする核酸配列と、を含む。一実施形態では、融合タンパク質をコードする核酸配列は、(1)配列番号47~48のうちの1つのアミノ酸をコードする核酸配列と、(2)配列番号49~89のうちの1つのアミノ酸をコードする核酸配列と、(3)配列番号110~730のうちの1つのアミノ酸をコードする核酸配列とを含む。
【0202】
一実施形態では、システムは、1つ以上のベクター内に、CRISPR関連(Cas)タンパク質、sタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化シグナルを含む融合タンパク質をコードする核酸配列と、CRISPR-CasシステムcrRNAをコードする核酸配列と、sペプチドをコードする核酸配列とを含む。一実施形態では、sペプチドは、ERT2をさらに含む。一実施形態では、sペプチドをコードする核酸配列は、異なるベクター上にある。一実施形態では、sペプチドは融合タンパク質のsタンパク質に結合することによって触媒的に活性なRNaseを形成する。一実施形態では、CRISPR-CasシステムのcrRNAは、RNA転写産物内の標的RNA配列と実質的にハイブリダイズする。一実施形態では、融合タンパク質をコードする核酸配列と、CRISPR-CasシステムのcrRNAをコードする核酸配列とは、同じベクターにある。一実施形態では、融合タンパク質をコードする核酸配列と、CRISPR-CasシステムのcrRNAをコードする核酸配列とは、異なるベクターにある。
【0203】
一実施形態では、システムは、1つ以上のベクター内に、CRISPR関連(Cas)タンパク質、sペプチド、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む融合タンパク質をコードする核酸配列と、crRNAをコードする核酸配列と、sタンパク質をコードする核酸配列とを含む。一実施形態では、sペプチドは、ERT2をさらに含む。一実施形態では、sタンパク質をコードする核酸配列は、異なるベクター上にある。一実施形態では、sタンパク質は融合タンパク質のsペプチドに結合することによって触媒的に活性なRNaseを形成する。一実施形態では、CRISPR-CasシステムのcrRNAは、RNA転写産物内の標的RNA配列と実質的にハイブリダイズする。一実施形態では、融合タンパク質をコードする核酸配列と、CRISPR-CasシステムのcrRNAをコードする核酸配列とは、同じベクターにある。一実施形態では、融合タンパク質をコードする核酸配列と、CRISPR-CasシステムのcrRNAをコードする核酸配列とは、異なるベクターにある。
【0204】
一実施形態では、融合タンパク質をコードする核酸配列は、(1)配列番号47~48のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列をコードする核酸配列と、(2)配列番号90、93、及び96のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列をコードする核酸配列と、(3)配列番号83、84、86、87、89及び90のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列をコードする核酸配列と、(4)配列番号110~730のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列をコードする核酸配列と、を含む。一実施形態では、融合タンパク質をコードする核酸配列は、(1)配列番号47~48のうちの1つのアミノ酸をコードする核酸配列と、(2)配列番号90、93、及び96のうちの1つのアミノ酸をコードする核酸配列と、(3)配列番号83、84、86、87、89及び90のうちの1つのアミノ酸をコードする核酸配列と、(4)配列番号110~730のうちの1つのアミノ酸をコードする核酸配列とを含む。
【0205】
組成物及び製剤
一態様において、本発明は、対象におけるRNA転写産物の数を減少させるための組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、CRISPR関連(Cas)タンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む融合タンパク質を含む。一実施形態では、組成物は、CRISPR-CasシステムのcrRNAを含む。一実施形態では、組成物は第2の標的化核酸である。一実施形態では、CRISPR-CasシステムのcrRNAは、RNA転写産物内の標的RNA配列と実質的にハイブリダイズする。
【0206】
一実施形態では、組成物は、(1)配列番号47~48のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列と、(2)配列番号49~89のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列と、(3)配列番号110~730のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列と、を含む融合タンパク質を含む。一実施形態では、組成物は、(1)配列番号47~48のうちの1つのアミノ酸と、(2)配列番号49~89のうちの1つのアミノ酸と、(3)配列番号110~730のうちの1つのアミノ酸と、を含む融合タンパク質を含む。
【0207】
一実施形態では、組成物は、CRISPR関連(Cas)タンパク質、sタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列、CRISPR-CasシステムのcrRNA、及びsペプチドを含む融合タンパク質を含む。一実施形態では、sペプチドは、ERT2をさらに含む。一実施形態では、sペプチドは融合タンパク質のsタンパク質に結合することによって触媒的に活性なRNaseを形成する。一実施形態では、CRISPR-CasシステムのcrRNAは、RNA転写産物内の標的RNA配列と実質的にハイブリダイズする。一実施形態では、融合タンパク質及びCRISPR-CasシステムのcrRNAは、sペプチドから分離されている。一実施形態では、sペプチドは、融合タンパク質及びCRISPR-CasシステムのcrRNAを含む組成物に後から添加されることで、誘導可能な触媒活性を与える。
【0208】
一実施形態では、組成物は、CRISPR関連(Cas)タンパク質、sペプチド、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列、CRISPR-CasシステムのcrRNA、及びsタンパク質を含む融合タンパク質を含む。一実施形態では、sペプチドは、ERT2をさらに含む。一実施形態では、sタンパク質は融合タンパク質のsペプチドに結合することによって触媒的に活性なRNaseを形成する。一実施形態では、CRISPR-CasシステムのcrRNAは、RNA転写産物内の標的RNA配列と実質的にハイブリダイズする。一実施形態では、融合タンパク質及びCRISPR-CasシステムのcrRNAは、sタンパク質から分離されている。一実施形態では、sタンパク質は、融合タンパク質及びCRISPR-CasシステムのcrRNAを含む組成物に後から添加されることで、誘導可能な触媒活性を与える。
【0209】
一実施形態では、融合タンパク質は、(1)配列番号47~48のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列と、(2)配列番号90、93、及び96のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列と、(3)配列番号83、84、86、87、89及び90のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列と、(4)配列番号110~730のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一なアミノ酸配列と、を含む融合タンパク質を含む。一実施形態では、組成物は、(1)配列番号47~48のうちの1つのアミノ酸と、(2)配列番号90、93、及び96のうちの1つのアミノ酸と、(3)配列番号83、84、86、87、89及び90のうちの1つのアミノ酸と、(4)配列番号110~730のうちの1つのアミノ酸と、を含む融合タンパク質を含む。
【0210】
本開示はまた、本開示の方法を実施するための本開示の医薬組成物の使用を包含する。そのような医薬組成物は、対象への投与に適切な形態の本発明の少なくとも1つの調節物質(例えば、阻害剤または活性化剤)組成物またはそれらの塩からなり得るか、あるいは医薬組成物は、本発明の少なくとも1つの調節物質(例えば、阻害剤または活性化剤)組成物またはその塩と、1つ以上の薬学的に許容される担体、1つ以上の追加の成分、もしくはこれらのいくつかの組み合わせとを含み得る。本発明の化合物は、当該技術分野で周知であるように、生理学的に許容される陽イオンまたは陰イオンと組み合わせるなど、生理学的に許容される塩の形態で医薬組成物中に存在し得る。
【0211】
一実施形態において、本発明の方法を実施するのに有用な医薬組成物は、1ng/kg/日~100mg/kg/日の用量を送達するように投与され得る。別の実施形態において、本発明を実施するのに有用な医薬組成物は、1ng/kg/日~500mg/kg/日の用量を送達するように投与され得る。
【0212】
本発明の医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容される担体、及び任意の追加の成分の相対的な量は、治療される対象の同一性、サイズ、及び状態に応じて、かつさらに組成物を投与する経路に応じて変化する。一例として、組成物は、0.1%~100%(w/w)の活性成分を含み得る。
【0213】
本発明の方法に有用な医薬組成物は、経口、直腸、膣、非経口、局所、肺、鼻腔内、口腔、眼科、または別の投与経路のために適切に開発され得る。本発明の方法に有用な組成物は、哺乳動物の皮膚または任意の他の組織に直接投与され得る。他の意図される製剤としては、リポソーム製剤、活性成分を含有する再封入赤血球、及び免疫学に基づく製剤が挙げられる。投与経路(複数可)は、当業者には容易に明白であり、処置される疾患の種類及び重症度、処置される獣医学的対象またはヒト対象の種類及び年齢などが含まれる、いくつもの要因に依存するであろう。
【0214】
本明細書に記載される医薬組成物の製剤は、薬理学の分野において公知の、または今後開発される任意の方法により調製され得る。概して、このような調製方法は、活性成分を担体または1つ以上の他の副成分と会合させるステップ、次いで、必要または望ましい場合、産物を所望の単回または複数回投与単位に成形またはパッケージングするステップを含む。
【0215】
本明細書で使用する場合、「単位用量」は、所定量の活性成分を含む個別の量の医薬組成物である。活性成分の量は、概して、対象に投与される活性成分の投薬量、またはそのような投薬量の便利な画分、例えば、そのような投薬量の2分の1もしくは3分の1に等しい。単位剤形は、単回1日用量または複数回1日用量(例えば、1日当たり約1~4回以上)とすることができる。1日複数回用量が使用される場合、単位剤形は、各用量について同じであっても異なってもよい。
【0216】
一実施形態において、本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を使用して製剤化される。一実施形態において、本発明の医薬組成物は、治療有効量の本発明の化合物またはコンジュゲートと、薬学的に許容される担体とを含む。有用である薬学的に許容される担体としては、限定されるものではないが、グリセロール、水、生理食塩水、エタノール、及び他の薬学的に許容される塩溶液、例えば、リン酸塩及び有機酸の塩が挙げられる。これら及び他の薬学的に許容される担体の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1991,Mack Publication Co.,New Jersey)に記載されている。
【0217】
担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適当な混合物、及び植物油を含有する溶媒または分散媒体とすることができる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングを使用することによって、分散体の場合に必要な粒子サイズを維持することによって、及び界面活性剤を使用することによって維持され得る。微生物の活動の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどにより達成され得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウム、または多価アルコール、例えば、マンニトール及びソルビトールが組成物に含まれる。注射可能な組成物の吸収の延長は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンを組成物に入れることにより引き起こされ得る。一実施形態では、薬学的に許容される担体は、DMSO単独ではない。
【0218】
製剤は、従来の賦形剤、すなわち、経口、経腟、非経口、鼻腔、静脈内、皮下、経腸、または当該技術分野で既知の任意の他の好適な投与様式に好適な、薬学的に許容される有機または無機担体材料との混和物中に用いられてもよい。薬学的調製物は、滅菌され、また所望される場合、補助剤、例えば、滑沢剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧緩衝液に影響を及ぼすための塩、着色剤、着香剤、及び/または芳香等と混合され得る。それらは、所望の場合、他の活性薬剤、例えば、他の鎮痛剤と組み合わされてもよい。
【0219】
本明細書で使用する場合、「追加の成分」としては、限定されるものではないが、以下のうちの1つ以上が挙げられる:賦形剤、表面活性剤、分散剤、不活性希釈剤、造粒剤及び崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、着色剤、防腐剤、ゼラチンなどの生理学的に分解性の組成物、水性ビヒクル及び溶媒、油性ビヒクル及び溶媒、懸濁剤、分散剤または湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、緩衝剤、塩、増粘剤、充填剤、乳化剤、抗酸化剤、抗生物質、抗真菌剤、安定化剤、ならびに薬学的に許容されるポリマー材料または疎水性材料。本発明の医薬組成物に含まれ得る他の「追加の成分」は、当該技術分野で既知であり、例えば、Genaro,ed.(1985,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA)に記載されており、それは参照により本明細書に組み込まれる。
【0220】
本発明の組成物は、組成物の総重量に対して約0.005重量%~2.0重量%の防腐剤を含み得る。防腐剤は、環境中の夾雑物に曝露される場合に腐敗を防止するために使用される。本発明に従って有用な防腐剤の例としては、ベンジルアルコール、ソルビン酸、パラベン、イミド尿素、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な防腐剤は、約0.5%~2.0%のベンジルアルコール及び0.05%~0.5%のソルビン酸の組み合わせである。
【0221】
一実施形態では、組成物は、抗酸化剤及び化合物の分解を阻害するキレート剤を含む。一部の化合物での例示的な抗酸化剤は、組成物の総重量に対して約0.01%~0.3%の範囲のBHT、BHA、α-トコフェロール、及びアスコルビン酸、ならびに0.03重量%~0.1重量%の範囲のBHTである。一実施形態では、キレート剤は、組成物の総重量に対して0.01重量%~0.5重量%で存在する。例示的なキレート剤としては、約0.01%~0.20%の重量範囲のエデト酸塩(例えば、エデト酸二ナトリウム)及びクエン酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、キレート剤は、組成物の総重量に対して0.02重量%~0.10重量%の範囲である。キレート剤は、製剤の貯蔵寿命に有害であり得る組成物中の金属イオンをキレートするのに有用である。BHT及びエデト酸二ナトリウムは、それぞれいくつかの化合物のための例示的な抗酸化剤及びキレート剤であるが、したがって、他の適切かつ等価な抗酸化剤及びキレート剤が、当業者に既知であるように、置換されてもよい。
【0222】
液体懸濁液は、水性または油性ビヒクル中の活性成分の懸濁を達成するための従来の方法を使用して調製され得る。水性ビヒクルとしては、例えば、水、及び等張食塩水が挙げられる。油性ビヒクルとしては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、またはヤシ油、分画された植物油、及び流動パラフィンなどの鉱油が挙げられる。液体懸濁液は、懸濁剤、分散剤または湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、防腐剤、緩衝剤、塩、香料、着色剤、及び甘味剤を含むがこれらに限定されない1つ以上の追加の成分をさらに含み得る。油性懸濁液は、増粘剤をさらに含み得る。既知の懸濁剤には、ソルビトールシロップ、水素化食用脂肪、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、アカシアガム、ならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体が含まれるが、これらに限定されない。既知の分散剤または湿潤剤としては、レシチンなどの天然に生じるリン脂質、アルキレンオキシドと、脂肪酸、長鎖脂肪族アルコール、脂肪酸及びヘキシトールに由来する部分エステル、または脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来する部分エステル(例えば、それぞれ、ポリオキシエチレンステアラート、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレアート及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)との縮合産物が含まれるが、これらに限定されない。既知の乳化剤としては、限定されるものではないが、レシチン及びアカシアが挙げられる。既知の防腐剤には、メチルパラヒドロキシ安息香酸塩、エチルパラヒドロキシ安息香酸塩、またはn-プロピルパラヒドロキシ安息香酸塩、アスコルビン酸、及びソルビン酸が含まれるが、これらに限定されない。既知の甘味剤としては、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、スクロース、及びサッカリンが挙げられる。油性懸濁液での既知の増粘剤としては、例えば、蜜蝋、固形パラフィン、及びセチルアルコールが挙げられる。
【0223】
水性または油性溶媒中の活性成分の液体溶液は、液体懸濁液と実質的に同じ方法で調製することができ、主要な違いは、活性成分が溶媒中に懸濁されるのではなく溶解されることである。本明細書で使用する場合、「油性」液体は、炭素を含む液体分子を含み、水よりも低い極性を示すものである。本発明の医薬組成物の液体溶液は、液体懸濁液に関して記載されている成分の各々を含み得るが、懸濁剤は必ずしも活性成分の溶媒中への溶解を助けるものではないことを理解されたい。水性溶媒としては、例えば、水及び等張食塩水が挙げられる。油性溶媒としては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、またはヤシ油、分画された植物油、及び流動パラフィンなどの鉱油が挙げられる。
【0224】
本発明の医薬製剤の粉末製剤及び顆粒製剤は、既知の方法を使用して調製され得る。かかる製剤は、対象に直接投与され得るか、例えば、錠剤を形成するため、カプセルを充填するため、または水性もしくは油性ビヒクルをそれに添加することによって水性もしくは油性懸濁液もしくは溶液を調製するために使用され得る。これらの製剤の各々は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、及び防腐剤のうちの1つ以上をさらに含み得る。追加の賦形剤、例えば、充填剤及び甘味料、香味料、または着色剤などもこれらの製剤中に含まれ得る。
【0225】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルションまたは油中水型エマルションの形態で調製、パッケージング、または販売され得る。油相は、オリーブ油もしくは落花生油などの植物油、流動パラフィンなどの鉱油、またはこれらの組み合わせであり得る。そのような組成物は、アカシアガムまたはトラガカントガムなどの天然に生じるガム、大豆またはレシチンホスファチドなどの天然に生じるホスファチド、ソルビタンモノオレアートなどの脂肪酸及びヘキシトール無水物の組み合わせに由来するエステルまたは部分エステル、ならびにそのような部分エステルとポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートなどのエチレンオキシドとの縮合生成物などの1つ以上の乳化剤をさらに含み得る。これらのエマルションは、例えば、甘味剤または香味剤が含まれる、追加の成分も含有し得る。
【0226】
材料に化学組成物を含浸またはコーティングするための方法は、当該技術分野において既知であり、化学組成物を表面上に堆積または結合する方法、材料の合成中に(すなわち、生理学的に分解可能な材料で)材料の構造に化学組成物を組み込む方法、及びその後の乾燥の有無にかかわらず、吸収性材料に水性または油性溶液または懸濁液を吸収する方法を含むが、これらに限定されない。
【0227】
投与計画は、有効量を構成するものに影響を及ぼし得る。治療製剤は、疾患の診断の前または後のいずれかで対象に投与されてもよい。さらに、いくつかの分割された投薬量、及び互い違いの投与量は、毎日または連続して投与され得るか、または用量は連続的に注入され得るか、またはボーラス注射であり得る。さらに、治療製剤の投与量は、治療または予防状況の緊急性が示される場合、相応じて増加または減少され得る。
【0228】
哺乳動物、例えば、ヒトを含む対象に本発明の組成物を投与することは、既知の手順を使用して、疾患を予防または治療するのに有効な投薬量及び期間で実施され得る。治療効果を達成するために必要な治療化合物の有効量は、採用される特定の化合物の活性、投与時間、化合物の排泄速度、治療期間、化合物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物、または材料、治療される対象の疾患または障害の状態、年齢、性別、体重、状態、一般的な健康状態、及び以前の病歴、ならびに医学分野で周知の同様の因子などの要因に応じて変化し得る。投与レジメンは、最適な治療応答が得られるように調節することができる。例えば、幾つかの分割用量が連日投与され得るか、または用量が、治療状況の緊急性が示される場合に、相応じて低減され得る。本発明の治療化合物の有効用量範囲の非限定的な例は、約1~5,000mg/体重1kg/日である。当業者であれば、過度の実験をすることなく、関連する因子を研究し、治療化合物の有効量に関する決定を下すことができるであろう。
【0229】
化合物は、対象に、1日に数回程度の頻度で投与されてもよく、または、1日1回、週1回、2週間に1回、1ヶ月に1回などのより少ない頻度で、または、数ヶ月に1回、もしくは1年に1回もしくはそれ以下のさらに少ない頻度で与されてもよい。1日当たりの化合物投与量は、非限定的な例では、毎日、隔日、2日毎、3日毎、4日毎、または5日毎に投与され得ることが理解される。例えば、1日おきの投与では、5mg/日の用量が月曜日に開始され得、第1の後続の5mg/日の用量が水曜日に投与され、第2の後続の5mg/日の用量が金曜日に投与され、以下同様に続く。投与頻度は、当業者には容易に明らかであり、いくつもの要因、例えば、限定されるものではないが、処置される疾患の種類及び重症度、動物の種類及び年齢などに依存するであろう。
【0230】
本発明の医薬組成物中の活性成分の実際の投薬量レベルは、対象に対して毒性を有さずに、特定の対象、組成物、及び投与様式に対する所望の治療応答を達成するのに有効である活性成分の量を得るように変えられ得る。
【0231】
当該技術分野において通常の技量を有する医師、例えば、医者または獣医は、必要とされる医薬組成物の有効量を容易に決定し、処方し得る。例えば、医師または獣医は、所望の治療効果を達成するために必要なレベルよりも低いレベルで医薬組成物に採用される本発明の化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで投薬量を徐々に増加させることができる。
【0232】
特定の実施形態において、投与の容易さ、及び投薬量の均一性のために、単位剤形に化合物を製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される単位剤形は、治療される対象のため単位投薬量として適した物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要な薬学的ビヒクルと関連して所望の治療効果を産生するように計算された所定の量の治療化合物を含有する。本発明の単位剤形は、(a)達成されるべき治療化合物及び特定の治療効果の特有の特徴、ならびに(b)対象における疾患の治療のためにそのような治療化合物を調合/製剤化する技術分野に固有の制限によって左右され、かつそれらに直接依存する。
【0233】
一実施形態において、本発明の組成物は、1日当たり1回~5回以上の範囲の用量で対象に投与される。別の実施形態において、本発明の組成物は、毎日1回、2日に1回、3日に1回から週1回、及び2週間に1回を含むがこれらに限定されない範囲の投薬量で対象に投与される。本発明の様々な併用組成物の投与頻度は、年齢、治療される疾患または障害、性別、全体的な健康、及び他の要因を含むがこれらに限定されない多くの要因に応じて対象毎によって異なることは、当業者にとって容易に明らかであろう。したがって、本発明は、任意の特定の投与レジメンに限定されると解釈されるべきではなく、任意の対象に投与される正確な投薬量及び組成物は、対象についてのすべての他の要因を考慮に入れて、主治医によって決定される。
【0234】
投与のための本発明の化合物は、約1mg~約10,000mg、約20mg~約9,500mg、約40mg~約9,000mg、約75mg~約8,500mg、約150mg~約7,500mg、約200mg~約7,000mg、約3050mg~約6,000mg、約500mg~約5,000mg、約750mg~約4,000mg、約1mg~約3,000mg、約10mg~約2,500mg、約20mg~約2,000mg、約25mg~約1,500mg、約50mg~約1,000mg、約75mg~約900mg、約100mg~約800mg、約250mg~約750mg、約300mg~約600mg、約400mg~約500mg、及びそれらの間の任意の全体的または部分的な増分の範囲であり得る。
【0235】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物の用量は、約1mg~約2,500mgである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物中に使用される本発明の化合物の用量は、約10,000mg未満、または約8,000mg未満、または約6,000mg未満、または約5,000mg未満、または約3,000mg未満、または約2,000mg未満、または約1,000mg未満、または約500mg未満、または約200mg未満、または約50mg未満である。同様に、いくつかの実施形態において、本明細書に記載される第2の化合物(すなわち、本発明の組成物により処置される疾患と同じ疾患または別の疾患を処置するために使用される薬物)の用量は、約1,000mg未満、約800mg未満、または約600mg未満、または約500mg未満、または約400mg未満、または約300mg未満、または約200mg未満、または約100mg未満、または約50mg未満、または約40mg未満、または約30mg未満、または約25mg未満、または約20mg未満、または約15mg未満、または約10mg未満、または約5mg未満、または約2mg未満、または約1mg未満、または約0.5mg未満、及びそれらのあらゆる増分の全体または一部である。
【0236】
一実施形態において、本発明は、治療有効量の本発明の化合物またはコンジュゲートを単独でまたは第2の薬剤と組み合わせて保持する容器と、対象における疾患の1つ以上の症状を治療、予防、または低減するために化合物またはコンジュゲートを使用するための説明書とを含むパッケージングされた医薬組成物に関する。
【0237】
「容器」という用語には、医薬組成物を収容するための任意の入れ物が含まれる。例えば、一実施形態において、容器は、医薬組成物を含むパッケージングである。他の実施形態において、容器は、医薬組成物を含んだパッケージングではない。すなわち、容器は、パッケージングされた医薬組成物またはパッケージングされていない医薬組成物と、医薬組成物の使用のための説明書とを含んだ箱またはバイアルなどの容器である。さらに、パッケージング技術は、当該技術分野において周知である。医薬組成物の使用説明書が医薬組成物を収容する包装に含まれてもよく、したがって、使用説明書は、パッケージングされた製品との強い機能的関係を形成することを理解すべきである。しかしながら、説明書は、例えば、対象において疾患を治療または予防すること、または造影剤もしくは診断剤を対象に送達することなど、その意図された機能を実施する化合物の能力に関する情報を含んでもよいことを理解する必要がある。
【0238】
本発明の組成物のいずれかの投与経路には、経口、経鼻、非経口、舌下、経皮、経粘膜(例えば、舌下、舌、(経)頬、及び(径)鼻)、膀胱内、十二指腸内、胃内、直腸、腹腔内、皮下、筋肉内、皮内、動脈内、静脈内、または投与が含まれる。
【0239】
好適な組成物及び剤形としては、例えば、錠剤、カプセル、カプレット、丸剤、ジェルカプセル、トローチ、分散剤、懸濁液、溶液、シロップ剤、顆粒、ビーズ、経皮パッチ、ゲル、粉末、ペレット、マグマ、舐剤、クリーム、ペースト、硬膏剤、ローション、ディスク、座剤、経鼻または経口投与用の液体スプレー、吸入用の乾燥粉末またはエアロゾル化製剤、膀胱内投与用の組成物及び製剤などが挙げられる。本発明において有用と考えられる製剤及び組成物は、本明細書に記載される特定の製剤及び組成物に限定されない点は理解されなければならない。
【0240】
RNAを減少させる方法及び治療方法
一態様において、本発明は、対象における核RNAの数を減少させる方法を提供する。一実施形態では、核RNAは、異常な核RNAである。一実施形態では、方法は、対象に、(1)Casタンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子、またはCasタンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む本開示の融合タンパク質と、(2)RNA内の標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子をコードする核酸分子、またはRNA内の標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子と、を投与することを含む。
【0241】
いくつかの実施形態では、RNAは、細胞質RNAを含む。かかる実施形態では、方法は、対象に、(1)Casタンパク質、及びRNaseタンパク質を含む本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子、またはCasタンパク質、及びRNaseタンパク質を含む本開示の融合タンパク質と、(2)標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子をコードする核酸分子、または標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子と、を投与することを含む。
【0242】
いくつかの実施形態では、方法は、対象に、(1)Casタンパク質、RNaseタンパク質、及びNESを含む本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子、またはCasタンパク質、RNaseタンパク質、及びNESを含む本開示の融合タンパク質と、(2)標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子をコードする核酸分子、または標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子と、を投与することを含む。
【0243】
いくつかの実施形態では、RNAは、核RNAを含む。かかる実施形態では、方法は、対象に、(1)Casタンパク質、RNaseタンパク質、及びNLSを含む本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子、またはCasタンパク質、RNaseタンパク質、及びNLSを含む本開示の融合タンパク質と、(2)標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子をコードする核酸分子、または標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子と、を投与することを含む。
【0244】
一実施形態では、対象は、細胞である。一実施形態では、細胞は、原核細胞または真核細胞である。一実施形態では、細胞は、真核細胞である。一実施形態では、細胞は、植物、動物、または真菌細胞である。一実施形態では、細胞は、植物細胞である。一実施形態では、細胞は、動物細胞である。一実施形態において、細胞は、酵母細胞である。
【0245】
一実施形態において、対象は、哺乳動物である。例えば、一実施形態において、対象は、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、ブタ、ラット、またはマウスである。一実施形態では、対象は、非哺乳動物対象である。例えば、一実施形態では、対象は、ゼブラフィッシュ、ショウジョウバエ、またはカイチュウである。
【0246】
一実施形態では、核内RNAの量は、インビトロで低減される。一実施形態では、核内RNAの量は、インビボで低減される。
【0247】
一実施形態では、核内RNAは、核内RNAフォーカスである。一実施形態では、核内RNAフォーカスは、CUGリピートを含む。一実施形態では、ガイド核酸は、CUGリピート拡張部に相補的な配列を含む。一実施形態では、ガイド核酸は、CTGリピート拡張部に相補的な配列を含む。一実施形態では、ガイド核酸は、ヒト筋緊張性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)遺伝子の3’UTR内のCTGリピート拡張部に相補的な配列を含む。一実施形態では、ガイド核酸は、配列番号798~800のうちの1つの配列を含む。
【0248】
一態様において、本発明は、異常な核内RNAに関連する疾患または障害を有する対象を治療する方法を提供する。一実施形態では、方法は、対象に、(1)Casタンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子、またはCasタンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む本開示の融合タンパク質と、(2)核内RNA内の標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子をコードする核酸分子、または核内RNA内の標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子と、を投与することを含む。
【0249】
一実施形態では、異常な核内RNAに関連する疾患または障害は、筋緊張性ジストロフィー2型(DM2)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病様2(HDL2)、脊髄小脳失調症8、31及び10(SCA8、SCA31、SCA10)、ならびに脆弱X関連振戦失調症候群(FXTAS)からなる群から選択される。
【0250】
一実施形態では、異常な核内RNAは、毒性核内RNAフォーカスである。一実施形態では、毒性核内RNAフォーカスに関連する疾患または障害は、筋強直性ジストロフィー1型である。一実施形態では、標的化ヌクレオチド配列は、ヒト筋緊張性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)遺伝子の3’UTR内のCTGリピート拡張部に相補的な配列を含む。一実施形態では、標的化ヌクレオチド配列は、配列番号798~800からなる群から選択される配列を含む。
【0251】
一態様において、本発明は、対象の核内RNAを切断する方法を提供する。一実施形態では、方法は、対象に、(1)Casタンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子、またはCasタンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む本開示の融合タンパク質と、(2)核内RNA内の標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子をコードする核酸分子、または核内RNA内の標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子と、を投与することを含む。
【0252】
一態様において、本発明は、増加した遺伝子発現に関連する疾患または障害を治療する方法を提供する。一実施形態では、方法は、対象に、(1)Casタンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子、またはCasタンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む本開示の融合タンパク質と、(2)遺伝子のRNA転写産物内の標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子をコードする核酸分子、または遺伝子のRNA転写産物内の標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子をコードする核酸分子と、を投与することを含む。一実施形態では、Casタンパク質はRNA転写産物を切断することによって翻訳及びタンパク質発現を防止する。
【0253】
一態様において、本発明は、RNAに関連する疾患または障害を治療する方法を提供する。例えば、一実施形態では、本発明は、RNAウイルス感染症を治療する方法を提供する。一実施形態では、方法は、対象に、(1)Casタンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子、またはCasタンパク質、RNaseタンパク質、及び場合によりNLSまたはNESなどの局在化配列を含む本開示の融合タンパク質と、(2)ウイルスRNA内の標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子をコードする核酸分子、またはウイルスRNA内の標的RNA配列に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含むガイド核酸分子と、を投与することを含む。一実施形態では、Casタンパク質はcrRNAに結合し、crRNAが標的RNA配列に結合し、RNaseがRNA配列を切断することによってウイルスタンパク質の翻訳及び発現を防止する。
【0254】
治療方法及び使用方法
本発明は、対象の疾患もしくは障害を治療し、それらの症状を低減し、及び/またはそれらを発症するリスクを低減する方法を提供する。例えば、一実施形態では、本発明の方法は、哺乳動物の疾患または障害を治療し、それらの症状を低減し、及び/またはそれらを発症するリスクを低減するために使用することができる。一実施形態では、本発明の方法は、植物の疾患または障害を治療し、それらの症状を低減し、及び/またはそれらを発症するリスクを低減するために使用することができる。一実施形態では、本発明の方法は、酵母菌の疾患もしくは障害を治療し、それらの症状を低減し、及び/またはそれらを発症するリスクを低減する。
【0255】
一実施形態では、対象は、細胞である。一実施形態では、細胞は、原核細胞または真核細胞である。一実施形態では、細胞は、真核細胞である。一実施形態では、細胞は、植物、動物、または真菌細胞である。一実施形態では、細胞は、植物細胞である。一実施形態では、細胞は、動物細胞である。一実施形態において、細胞は、酵母細胞である。
【0256】
一実施形態において、対象は、哺乳動物である。例えば、一実施形態において、対象は、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、ブタ、ラット、またはマウスである。一実施形態では、対象は、非哺乳動物対象である。例えば、一実施形態では、対象は、ゼブラフィッシュ、ショウジョウバエ、またはカイチュウである。
【0257】
一実施形態では、疾患または障害は、遺伝子座における1つ以上の変異によって引き起こされる。したがって、一実施形態では、疾患または障害は、mRNA転写産物を防止または低減するか、またはタンパク質の翻訳を防止または低減する因子を介して、治療され、低減され得るか、またはリスクを低減され得る。したがって、一実施形態では、方法は、RNA転写産物の操作を含む。
【0258】
一実施形態では、疾患または障害は、異常なRNAによって引き起こされる。したがって、一実施形態では、疾患または障害は、RNA転写産物を防止または低減する因子を介して、治療され、低減され得るか、またはリスクを低減され得る。したがって、一実施形態では、方法は、RNA転写産物の操作を含む。
【0259】
一実施形態では、方法は、対象に、(1)本開示の融合タンパク質または本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子と、(2)遺伝子内の標的領域に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含む1つ以上の標的化核酸分子と、を投与することを含み、遺伝子はRNA転写産物をコードする。一実施形態では、RNaseは、RNA転写産物を切断する。
【0260】
一実施形態において、方法は、対象に、(1)本開示の融合タンパク質または本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子と、(2)RNA転写産物内の標的領域に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含む1つ以上の標的化核酸分子と、を投与することを含む。一実施形態では、RNaseは、RNA転写産物を切断する。
【0261】
一実施形態では、疾患または障害は、異常なRNAまたはRNA転写の増加に関連する。例えば、一実施形態では、疾患または障害は、内分泌疾患である。例えば、一実施形態では、内分泌疾患としては、これらに限定されるものではないが、βサラセミア、新生児糖尿病、IPEX症候群、Mayer-Rokitanski-Kuster-Hauser症候群、視床下部-下垂体-副腎軸調節障害、副腎機能障害、性腺機能障害、異所性クッシング症候群、子癇前症、糖尿病性腎症、I型糖尿病、II型糖尿病、及びIGF-1欠損症が挙げられる。
【0262】
一実施形態では、疾患または障害は、腫瘍形成疾患である。例えば、一実施形態では、腫瘍形成疾患としては、これらに限定されるものではないが、マントル細胞リンパ腫、遺伝性及び散在性副甲状腺腫瘍、髄様甲状腺癌、増殖性状態、結腸直腸癌、神経膠芽腫、慢性リンパ性白血病、及び乳癌が挙げられる。
【0263】
一実施形態において、疾患または障害は、神経学的疾患または障害である。例えば、一実施形態では、神経学的疾患としては、これらに限定されるものではないが、パーキンソン病、眼咽頭筋ジストロフィー、ハンチントン病、ファブリー病、脆弱X症候群、脊髄性筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳失調症、髄小脳失調症1、脊髄小脳失調症2、脊髄小脳失調症3、脊髄小脳失調症6、脊髄小脳失調症7、脊髄小脳失調症8、脊髄小脳失調症10、脊髄小脳失調症17、脊髄小脳失調症31、及びアルツハイマー病が挙げられる。
【0264】
一実施形態では、疾患または障害は、血液学的疾患または障害である。例えば、一実施形態では、血液学的疾患として、これらに限定されるものではないが、βサラセミア、及びαサラセミアが挙げられる。
【0265】
一実施形態では、疾患または障害は、感染症または免疫学的疾患もしくは障害である。例えば、一実施形態では、感染症または免疫学的疾患として、これらに限定されるものではないが、B細胞分化、T細胞活性化、全身性エリテマトーデス、Wiskott-Aldrich症候群、変形性関節症、強皮症、及びIPEX症候群が挙げられる。
【0266】
一実施形態では、疾患または障害は、筋骨格系疾患または障害である。例えば、一実施形態では、感染症または免疫学的疾患として、筋緊張性ジストロフィー1型、球脊髄性筋萎縮症、及び歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症が挙げられる。
【0267】
例示的な疾患または障害及び対応する標的としては、これらに限定されるものではないが、表1に記載されるものが挙げられる。さらなる疾患及び障害ならびに対応する遺伝子は、当該技術分野では、例えば、参照によって本明細書にそれらの全容を援用するRehfeld et al.,Alternations in Polyadenylation and its Implications for Endocrine Disease,Front. Endocrinol.4:53(2013)、Chang et al.,Alternative Polyadenylation in Human Diseases,Endocrinol Metab.32:413-421(2017)、及びCurinha et al.,Implications of polyadenylation in health and disease,Nucleus 5:508-519(2014)において周知である。
【表1-1】
【表1-2】
【0268】
一実施形態では、疾患または障害は、ウイルス感染症である。したがって、一実施形態では、疾患または障害は、ウイルスmRNA転写産物を防止または低減するか、またはウイルスタンパク質の翻訳を防止または低減する因子を介して、治療され、低減され得るか、またはリスクを低減され得る。したがって、一実施形態では、方法は、ウイルスRNA転写産物の操作を含む。
【0269】
一実施形態では、方法は、対象に、(1)本開示の融合タンパク質または本開示の融合タンパク質をコードする核酸分子と、(2)ウイルスRNA転写産物に相補的な標的化ヌクレオチド配列を含む1つ以上の標的化核酸分子と、を投与することを含む。一実施形態では、RNaseは、ウイルスRNA転写産物を切断する。
【0270】
一実施形態では、ウイルスは、RNAウイルスである。一実施形態において、ウイルスは、そのライフサイクル中にRNAを産生する。一実施形態において、ウイルスは、ヒトウイルス、植物ウイルス、または動物ウイルスである。例示的なウイルスとしては、アデノウイルス科、アデノウイルス科、アルファフレキシウイルス科、アネロウイルス科、アレナウイルス科、アルテリウイルス科、アスファルウイルス科、アストロウイルス科、ベニウイルス科、ベータフレキシウイルス科、ビルナウイルス科、ボルナウイルス科、ブロモウイルス科、カリシウイルス科、カウリモウイルス科、サーコウイルス科、クロステロウイルス科、コロナウイルス科、フィロウイルス科、フラビウイルス科、ジェミニウイルス科、ハンタウイルス科、ヘパドナウイルス科、ヘペウイルス科、ヘルペスウイルス科、キタウイルス科、ルテオウイルス科、ナイロウイルス科、ナノウイルス科、ニマウイルス科、オルトミクソウイルス科、パラミクソウイルス科、フェヌイウイルス科、ピコルナウイルス科、ポリオーマウイルス科、ポスピウイルス科、ポティウイルス科、ポックスウイルス科、レオウイルス科、レトロウイルス科、レトロウイルス、ラブドウイルス科、セコウイルス科、トガウイルス科、トンブスウイルス科、トスポウイルス科、ティモウイルス科、及びビルガウイルス科のウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、例示的なウイルスとしては、アフリカブタ熱、トリE型肝炎、トリ伝染性喉頭気管炎、トリ腎炎ウイルス、竹モザイクウイルス、バナナバンチートップウイルス、ムギ斑葉モザイクウイルス、オオムギ黄化萎縮ウイルス、ジャガイモ葉巻きウイルス、ボルナ病、ブロムモザイクウイルス、コムギ、カリフラワーモザイクウイルス、チクングニア熱、東部ウマ脳炎ウイルス、シトラスレプロシス(Citrus leprosis)、柑橘突然死関連ウイルス、柑橘トリステザウィルス、ココナッツカダンカダンウイロイド、カーリートップウイルス、アフリカキャッサバモザイクウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタインバーウイルス、デング熱、黄熱病、ウエストナイル、ジカ、エボラウイルス、マールブルグウイルス、ウマ動脈炎ウイルス、ブタ繁殖及び呼吸障害症候群ウイルス、ウマ伝染性貧血、口蹄疫、口蹄疫、エンテロウイルス、ライノウイルス、B型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、HIV、HIV-1、HIV-2、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(家禽)、伝染性膵臓壊死症(サーモン)、伝染性イヌ肝炎、家禽のアビアデノウイルス、インフルエンザウイルス、ラッサウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、サル痘、ナイロビヒツジ病、ニューカッスル病ウイルス(家禽)、ノーウォークウイルス、ジャガイモウイルスYを含む作物に害を及ぼすウイルスの多数の例、ブタサーコウイルス2、くちばし及び羽毛病ウイルス(家禽)、ジャガイモウイルスM、狂犬病ウイルス、呼吸器及び腸内アデノウイルス、呼吸器多核体ウイルス、イネ縞葉壊死ウイルス、リフトバレー熱、ロタウイルス、SARS-CoV-2、MERS、羊痘ウイルス、ランピースキン病ウイルス、シンノンブレウイルス、アンデスウイルス、SV40、タバコ輪斑ウイルス、トマトブッシースタントウイルス、トマト黄化壊疽ウイルス、トルクテノウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、水疱性口内炎インディアナウイルス、ウイルス性出血性敗血症(マス)、及び白斑症候群ウイルス(エビ)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0271】
一実施形態では、例示的なウイルスとしては、霊長類Tリンパ球向性ウイルス1、霊長類Tリンパ球向性ウイルス2、霊長類Tリンパ球向性ウイルス3、ヒト免疫不全ウイルス1、ヒト免疫不全ウイルス2、サル泡沫状ウイルス、ヒトピコビルナウイルス、コロラドダニ熱ウイルス、チャングイノラウイルス、グレートアイランドウイルス、レボンボウイルス、オルンゴウイルス、ロタウイルスA、ロタウイルスB、ロタウイルスC、バンナウイルス、ボルナ病ウイルス、ビクトリア湖マールブルグウイルス、レストンエボラウイルス、スーダンエボラウイルス、タイ森林エボラウイルス、ザイールウイルス、ヒトパラインフルエンザウイルス2、ヒトパラインフルエンザウイルス4、ムンプスウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ヒトパラインフルエンザウイルス1、ヒトパラインフルエンザウイルス3、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、麻疹ウイルス、ヒト呼吸器多核体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、チャンディプラウイルス、イスファハンウイルス、ピリウイルス、水疱性口内炎アラゴアスウイルス、水疱性口内炎インディアナウイルス、水疱性口内炎ニュージャージーウイルス、オーストラリアコウモリリッサウイルス、デュベンヘイジウイルス、ヨーロッパコウモリリッサウイルス1、ヨーロッパコウモリリッサウイルス2、モコラウイルス、狂犬病ウイルス、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、マチュポウイルス、ピチンデウイルス、サビアウイルス、ホワイトウォーターアロヨウイルス、ブニヤムウェラウイルス、ブワンバウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、カラパルウイルス、カツウイルス、グアマウイルス、グアロアウイルス、カイリウイルス、マリツバウイルス、オリボカウイルス、オロポーシェウイルス、シュニウイルス、タカイウマウイルス、ウェオミヤウイルス、アンデスウイルス、バイユーウイルス、ブラッククリーク運河ウイルス、Dobrava-Belgradeウイルス、ハンタンウイルス、ラグナネグラウイルス、ニューヨークウイルス、プーマラウイルス、ソウルウイルス、シンノンブレウイルス、クリミアコンゴ出血熱ウイルス、ダグベウイルス、カンディルウイルス、プンタトロウイルス、リフトバレー熱ウイルス、サシチョウバエ熱ナポリウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、ドホリウイルス、トゴトウイルス、デルタ型肝炎ウイルス、ヒトコロナウイルス229E、ヒトコロナウイルスNL63、ヒトコロナウイルスHKU1、ヒトコロナウイルスOC43、SARSコロナウイルス、ヒトトロウイルス、ヒトエンテロウイルスA、ヒトエンテロウイルスB、ヒトエンテロウイルスC、ヒトエンテロウイルスD、ヒトライノウイルスA、ヒトライノウイルスB、ヒトライノウイルスC、脳心筋炎ウイルス、タイロウイルス、A型ウマライノウイルス、口蹄疫ウイルス、A型肝炎ウイルス、ヒトパレコウイルス、リュンガンウイルス、アイチウイルス、ヒトアストロウイルス、ヒトアストロウイルス2、ヒトアストロウイルス3、ヒトアストロウイルス4、ヒトアストロウイルス5、ヒトアストロウイルス6、ヒトアストロウイルス7、ヒトアストロウイルス8、ノーウォークウイルス、サッポロウイルス、アロアウイルス、バンジウイルス、デングウイルス、イルヘウスウイルス、日本脳炎ウイルス、ココベラウイルス、キャサヌル森林病ウイルス、ルーピングイルウイルス、マレーバレー脳炎ウイルス、ウンタヤウイルス、オムスク出血熱ウイルス、ポワッサンウイルス、リオブラボーウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、ウスツウイルス、ウェッセルスブロンウイルス、ウエストナイルウイルス、黄熱病ウイルス、ジカウイルス、C型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、バーマ森林ウイルス、チクングニアウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、エバーグレイズウイルス、ゲタウイルス、マヤロウイルス、ムカンボウイルス、オニョンニョンウイルス、ピクスナウイルス、ロスリバーウイルス、セムリキ森林ウイルス、シンドビスウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ワタロアウイルス、風疹ウイルスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0272】
一実施形態では、例示的なウイルスとしては、これらに限定されるものではないが、アカガエルヘルペスウイルス1、アカガエルヘルペスウイルス2、アカガエルヘルペスウイルス3、ウナギヘルペスウイルス1、コイヘルペスウイルス1、コイヘルペスウイルス2、コイヘルペスウイルス3、チョウザメヘルペスウイルス2、アメリカナマズヘルペスウイルス1、アメリカナマズヘルペスウイルス2、サケヘルペスウイルス1、サケヘルペスウイルス2、サケヘルペスウイルス3、トリアルファヘルペスウイルス(Gallid alphaherpesvirus)1、インコアルファヘルペスウイルス1、カモアルファヘルペスウイルス1、ハトアルファヘルペスウイルス1、トリアルファヘルペスウイルス2、トリアルファヘルペスウイルス3、シチメンチョウアルファヘルペスウイルス1、ペンギンアルファヘルペスウイルス1、ウミガメアルファヘルペスウイルス5、リクガメアルファヘルペスウイルス3、クモザルアルファヘルペスウイルス1、ウシアルファヘルペスウイルス2、オナガザルアルファヘルペスウイルス2、ヒトアルファヘルペスウイルス1、ヒトアルファヘルペスウイルス2、ウサギアルファヘルペスウイルス4、マカクアルファヘルペスウイルス1、カンガルーアルファヘルペスウイルス1、カンガルーアルファヘルペスウイルス2、チンパンジーアルファヘルペスウイルス3、ヒヒアルファヘルペスウイルス2、オオコウモリアルファヘルペスウイルス1、リスザルアルファヘルペスウイルス1、ウシアルファヘルペスウイルス1、ウシアルファヘルペスウイルス5、バッファローアルファヘルペスウイルス1、イヌアルファヘルペスウイルス1、ヤギアルファヘルペスウイルス1、オナガザルアルファヘルペスウイルス9、シカアルファヘルペスウイルス1、シカアルファヘルペスウイルス2、ウマアルファヘルペスウイルス1、ウマアルファヘルペスウイルス3、ウマアルファヘルペスウイルス4、ウマアルファヘルペスウイルス8、ウマアルファヘルペスウイルス9、ネコアルファヘルペスウイルス1、ヒトアルファヘルペスウイルス3、クジラアルファヘルペスウイルス1、アザラシアルファヘルペスウイルス1、イノシシアルファヘルペスウイルス1、ウミガメアルファヘルペスウイルス6、ヨザルベータヘルペスウイルス1、オマキザルベータヘルペスウイルス1、オナガザルベータヘルペスウイルス5、ヒトベータヘルペスウイルス5、マカクベータヘルペスウイルス3、マカクベータヘルペスウイルス8、マンドリルベータヘルペスウイルス1、チンパンジーベータヘルペスウイルス2、ヒヒベータヘルペスウイルス3、ヒヒベータヘルペスウイルス4、リスザルベータヘルペスウイルス4、マウスベータヘルペスウイルス1、マウスベータヘルペスウイルス2、マウスベータヘルペスウイルス8、ゾウベータヘルペスウイルス1、ゾウベータヘルペスウイルス4、ゾウベータヘルペスウイルス5、ヒトベータヘルペスウイルス7、ヒトベータヘルペスウイルス6A、ヒトベータヘルペスウイルス6B、マカクベータヘルペスウイルス9、マウスベータヘルペスウイルス3、イノシシベータヘルペスウイルス2、テンジクネズミベータヘルペスウイルス2、ツパイベータヘルペスウイルス1、コモンマーモセットガンマヘルペスウイルス3、オナガザルガンマヘルペスウイルス14、ゴリラガンマヘルペスウイルス(Gorilline gammaherpesvirus)1、ヒトガンマヘルペスウイルス4、マカクガンマヘルペスウイルス4、マカクガンマヘルペスウイルス10、チンパンジーガンマヘルペスウイルス1、ヒヒガンマヘルペスウイルス1、オランウータンガンマヘルペスウイルス2、アルセラフィンガンマヘルペスウイルス1、アルセラフィンガンマヘルペスウイルス2、ウシガンマヘルペスウイルス6、ヤギガンマヘルペスウイルス2、アンテロープガンマヘルペスウイルス1、ヒツジガンマヘルペスウイルス2、イノシシガンマヘルペスウイルス3、イノシシガンマヘルペスウイルス4、イノシシガンマヘルペスウイルス5、ウマガンマヘルペスウイルス2、ウマガンマヘルペスウイルス5、ネコガンマヘルペスウイルス1、アナグマガンマヘルペスウイルス1、アザラシガンマヘルペスウイルス3、ヒナコウモリガンマヘルペスウイルス1、クモザルガンマヘルペスウイルス2、クモザルガンマヘルペスウイルス3、ウシガンマヘルペスウイルス4、キヌゲネズミガンマヘルペスウイルス2、ヒトガンマヘルペスウイルス8、マカクガンマヘルペスウイルス5、マカクガンマヘルペスウイルス8、マカクガンマヘルペスウイルス11、マカクガンマヘルペスウイルス12、マウスガンマヘルペスウイルス4、マウスガンマヘルペスウイルス7、リスザルガンマヘルペスウイルス2、ウマガンマヘルペスウイルス7、アザラシガンマヘルペスウイルス2、Saguinineガンマヘルペスウイルス1、イグアナヘルペスウイルス2、Haliotidヘルペスウイルス1、イホダガキヘルペスウイルス1、SalmonellaウイルスSKML39、ShigellaウイルスAG3、DickeyaウイルスLimestone、DickeyaウイルスRC2014、EscherichiaウイルスCBA120、EscherichiaウイルスPhaxI、Salmonellaウイルス38、SalmonellaウイルスDet7、SalmonellaウイルスGG32、SalmonellaウイルスPM10、SalmonellaウイルスSFP10、SalmonellaウイルスSH19、SalmonellaウイルスSJ3、EscherichiaウイルスKWBSE43-6、Klebsiellaウイルス0507KN21、KlebsiellaウイルスKpS110、KlebsiellaウイルスMay、KlebsiellaウイルスMenlow、SerratiaウイルスIME250、ErwiniaウイルスEa2809、SerratiaウイルスMAM1、AcinetobacterウイルスAcibel007、AcinetobacterウイルスAB3、AcinetobacterウイルスAbKT21III、AcinetobacterウイルスAbp1、AcinetobacterウイルスAci07、AcinetobacterウイルスAci08、AcinetobacterウイルスAS11、AcinetobacterウイルスAS12、AcinetobacterウイルスFri1、AcinetobacterウイルスIME200、AcinetobacterウイルスPD6A3、AcinetobacterウイルスPDAB9、AcinetobacterウイルスphiAB1、AcinetobacterウイルスSH-Ab15519、AcinetobacterウイルスSWHAb1、AcinetobacterウイルスSWHAb3、AcinetobacterウイルスWCHABP5、AcintetobacterウイルスB1、AcintetobacterウイルスB2、AcintetobacterウイルスB5、AcintetobacterウイルスD2、AcintetobacterウイルスP1、AcintetobacterウイルスP2、AcintetobacterウイルスphiAB6、AcinetobacterウイルスPetty、VibrioウイルスVc1、VibrioウイルスA318、VibrioウイルスAS51、VibrioウイルスVp670、MarinomonasウイルスCB5A、MarinomonasウイルスCPP1m、VibrioウイルスVEN、PseudomonasウイルスAchelous、PseudomonasウイルスAlpheus、PseudomonasウイルスNerthus、PseudomonasウイルスNjord、Pseudomonasウイルスuligo、PseudomonasウイルスC171、PectobacteriumウイルスPP16、PectobacteriumウイルスPPWS1、PectobacteriumウイルスPPWS2、PectobacteriumウイルスCB5、PectobacteriumウイルスClickz、PectobacteriumウイルスfM1、PectobacteriumウイルスGaspode、PectobacteriumウイルスKhlen、PectobacteriumウイルスKoot、PectobacteriumウイルスLelidair、PectobacteriumウイルスNobby、PectobacteriumウイルスPeat1、PectobacteriumウイルスPhoria、PectobacteriumウイルスPP90、PectobacteriumウイルスZenivior、DickeyaウイルスBF25-12、PseudomonasウイルスNV3、Pseudomonasウイルス130-113、Pseudomonasウイルス15pyo、PseudomonasウイルスAb05、PseudomonasウイルスABTNL、PseudomonasウイルスDL62、PseudomonasウイルスkF77、PseudomonasウイルスLKD16、PseudomonasウイルスLUZ19、PseudomonasウイルスMPK6、PseudomonasウイルスMPK7、PseudomonasウイルスNFS、PseudomonasウイルスPAXYB1、PseudomonasウイルスphiKMV、PseudomonasウイルスPT2、PseudomonasウイルスPT5、PseudomonasウイルスRLP、PseudomonasウイルスLKA1、Pseudomonasウイルスf2、Aeromonasウイルス25AhydR2PP、AeromonasウイルスAS7、AeromonasウイルスZPAH7、YersiniaウイルスISAO8、AeromonasウイルスAhp1、AeromonasウイルスCF7、CronobacterウイルスDevCD23823、CronobacterウイルスGAP227、SalmonellaウイルスSpp16、YersiniaウイルスR8-01、YersiniaウイルスfHeYen301、YersiniaウイルスPhi80-18、PectobacteriumウイルスArno160、PectobacteriumウイルスPP2、ProteusウイルスPM85、ProteusウイルスPM93、ProteusウイルスPM116、ProteusウイルスPm5460、PectobacteriumウイルスPP1、ErwiniaウイルスEra103、ErwiniaウイルスS2、LelliottiaウイルスphD2B、Citrobacter CrRp3、EscherchiaウイルスLL11、EscherichiaウイルスAAPEc6、EscherichiaウイルスACGC91、EscherichiaウイルスB、EscherichiaウイルスC、EscherichiaウイルスK、EscherichiaウイルスK1-5、EscherichiaウイルスK1E、EscherichiaウイルスmutPK1A2、EscherichiaウイルスVEc3、EscherichiaウイルスUAB78、SalmonellaウイルスBP12B、SalmonellaウイルスSP6、BurkholderiaウイルスBpAMP1、RalstoniaウイルスRSPI1、RalstoniaウイルスRSB1、RalstoniaウイルスRsoP1IDN、BurkholderiaウイルスJG068、RalstoniaウイルスRSJ2、RalstoniaウイルスRSJ5、RalstoniaウイルスRSPII1、ShigellaウイルスBuco、EscherichiaウイルスMinorna、KlebsiellaウイルスAltoGao、KlebsiellaウイルスBO1E、KlebsiellaウイルスF19、KlebsiellaウイルスK244、KlebsiellaウイルスKp2、Klebs
iellaウイルスKP34、KlebsiellaウイルスKPRio2015、KlebsiellaウイルスKpS2、KlebsiellaウイルスKpV41、KlebsiellaウイルスKpV48、KlebsiellaウイルスKpV71、KlebsiellaウイルスKpV74、KlebsiellaウイルスKpV475、KlebsiellaウイルスKPV811、KlebsiellaウイルスmyPSH1235、KlebsiellaウイルスSU503、KlebsiellaウイルスSU552A、ShigellaウイルスSFN6B、EnterobacterウイルスKDA1、ProteusウイルスPM16、ProteusウイルスPM75、DickeyaウイルスDagda、DickeyaウイルスKatbat、DickeyaウイルスLuksen、DickeyaウイルスMysterion、YersiniaウイルスAP10、ErwiniaウイルスFE44、Escherichiaウイルス285P、EscherichiaウイルスBA14、EscherichiaウイルスP483、EscherichiaウイルスP694、EscherichiaウイルスS523、KluyveraウイルスKvp1、PectobacteriumウイルスPP74、SalmonellaウイルスBP12A、SalmonellaウイルスBSP161、ShigellaウイルスA7、YersiniaウイルスBerlin、YersiniaウイルスPYPS50、YersiniaウイルスYepe2、YersiniaウイルスYepf、CitrobacterウイルスCR8、VibrioウイルスICP3、VibrioウイルスN4、VibrioウイルスVP4、EnterobacterウイルスEap1、ErwiniaウイルスL1、EscherichiaウイルスSRT7、Pseudomonasウイルス17A、Pseudomonasウイルスgh1、PseudomonasウイルスHenninger、PseudomonasウイルスKNP、PseudomonasウイルスPf1ERZ2017、PseudomonasウイルスPhiPSA2、PseudomonasウイルスPhiPsa17、PseudomonasウイルスPPPL1、Pseudomonasウイルスshl2、PseudomonasウイルスWRT、YersiniaウイルスfPS9、YersiniaウイルスfPS53、YersiniaウイルスfPS59、YersiniaウイルスfPS54ocr、PectobacteriumウイルスJarilo、CitrobacterウイルスCR44b、CitrobacterウイルスSH3、CitrobacterウイルスSH4、CronobacterウイルスDev2、CronobacterウイルスGW1、EnterobacterウイルスEcpYZU01、EscherichiaウイルスEcoDS1、EscherichiaウイルスF、EscherichiaウイルスGA2A、EscherichiaウイルスIMM002、EscherichiaウイルスK1F、EscherichiaウイルスLM33P1、EscherichiaウイルスPE3-1、EscherichiaウイルスRo45lw、EscherichiaウイルスST31、EscherichiaウイルスVec13、EscherichiaウイルスYZ1、EscherichiaウイルスZG49、ShigellaウイルスSFPH2、MorganellaウイルスMmP1、MorganellaウイルスMP2、DickeyaウイルスJA10、DickeyaウイルスNinurta、PectobacteriumウイルスPP47、PectobacteriumウイルスPP81、PectobacteriumウイルスPPWS4、PseudomonasウイルスPPpW4、Pseudomonasウイルス22PfluR64PP、PseudomonasウイルスIBBPF7A、PseudomonasウイルスPf10、PseudomonasウイルスPFP1、PseudomonasウイルスPhiS1、PseudomonasウイルスUNOSLW1、PseudomonasウイルスPspYZU08、EscherichiaウイルスK30、Klebsiellaウイルス2044-307w、KlebsiellaウイルスBIS33、KlebsiellaウイルスHenu1、KlebsiellaウイルスIL33、KlebsiellaウイルスIME205、KlebsiellaウイルスIME321、KlebsiellaウイルスK5、KlebsiellaウイルスK11、KlebsiellaウイルスK5-2、KlebsiellaウイルスK5-4、KlebsiellaウイルスKN1-1、KlebsiellaウイルスKN3-1、KlebsiellaウイルスKN4-1、KlebsiellaウイルスKp1、KlebsiellaウイルスKP32、KlebsiellaウイルスKP32i192、KlebsiellaウイルスKP32i194、KlebsiellaウイルスKP32i195、KlebsiellaウイルスKP32i196、Klebsiellaウイルスkpssk3、KlebsiellaウイルスKpV289、KlebsiellaウイルスKpV763、KlebsiellaウイルスKpV766、KlebsiellaウイルスKpV767、KlebsiellaウイルスPharr、KlebsiellaウイルスPRA33、KlebsiellaウイルスSHKp152234、KlebsiellaウイルスSHKp152410、CitrobacterウイルスCFP1、CitrobacterウイルスSH1、CitrobacterウイルスSH2、EnterobacterウイルスE2、EnterobacterウイルスE3、EnterobacterウイルスKPN3、EnterobacteriaウイルスT7M、EscherichiaウイルスECA2、EscherichiaウイルスLL2、EscherichiaウイルスT3、EscherichiaウイルスT3Luria、Leclerciaウイルス10164-302、SalmonellaウイルスSG-JL2、Serratiaウイルス2050H2、SerratiaウイルスSM9-3Y、YersiniaウイルスAP5、YersiniaウイルスYeF10、YersiniaウイルスYeO3-12、EnterobacteriaウイルスIME390、Escherichiaウイルス13a、Escherichiaウイルス64795ec1、EscherichiaウイルスC5、EscherichiaウイルスCICC80001、EscherichiaウイルスEbrios、EscherichiaウイルスEG1、EscherichiaウイルスHZ2R8、EscherichiaウイルスHZP2、EscherichiaウイルスN30、EscherichiaウイルスNCA、EscherichiaウイルスT7、Salmonellaウイルス3A8767、SalmonellaウイルスVi06、StenotrophomonasウイルスIME15、YersiniaウイルスYpPY、YersiniaウイルスYpsPG、PseudomonasウイルスPhi15、PectobacteriumウイルスDUPPII、SynechococcusウイルスSCBP42、AquamicrobiumウイルスP14、AshiウイルスS45C4、AgrobacteriumウイルスAtuph02、AgrobacteriumウイルスAtuph03、RalstoniaウイルスAp1、AyaqウイルスS45C18、ProchlorococcusウイルスSS120-1、PseudomonasウイルスAndromeda、PseudomonasウイルスBf7、EscherichiaウイルスJ8-65、EscherichiaウイルスLidtsur、ProchlorococcusウイルスNATL1A7、ChosウイルスKM23C739、RhizobiumウイルスRHEph02、RhizobiumウイルスRHEph08、RhizobiumウイルスRHEph09、VibrioウイルスCyclit、EscherichiaウイルスPGT2、EscherichiaウイルスPhiKT、AlteromonasウイルスH4-4、FoussウイルスS46C10、FussウイルスS30C28、EscherichiaウイルスECBP5、PectobacteriumウイルスPP99、RalstoniaウイルスDURPI、RalstoniaウイルスRsoP1EGY、Synechococcus 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ShewanellaウイルスSppYZU05、VibrioウイルスCeto、VibrioウイルスThalassa、VibrioウイルスJSF10、VibrioウイルスJSF12、Vibrioウイルスphi3、VibrioウイルスpVp1、EscherichiaウイルスEPS7、Escherichiaウイルスmar003J3、Escherichiaウイルスsaus132、Salmonellaウイルス123、Salmonellaウイルス329、Salmonellaウイルス118970sal2、SalmonellaウイルスLVR16A、SalmonellaウイルスS113、SalmonellaウイルスS114、SalmonellaウイルスS116、SalmonellaウイルスS124、SalmonellaウイルスS126、SalmonellaウイルスS132、SalmonellaウイルスS133、SalmonellaウイルスS147、SalmonellaウイルスSeafire、SalmonellaウイルスSH9、SalmonellaウイルスSTG2、SalmonellaウイルスStitch、SalmonellaウイルスSw2、YersiniaウイルスphiR201、EscherichiaウイルスAKFV33、EscherichiaウイルスBF23、Escherichiaウイルスchee24、EscherichiaウイルスDT5712、EscherichiaウイルスDT57C、EscherichiaウイルスFFH1、EscherichiaウイルスGostya9、EscherichiaウイルスH8、Escherichiaウイルスmar004NP2、EscherichiaウイルスOSYSP、EscherichiaウイルスphiAPCEc03、EscherichiaウイルスphiLLS、Escherichiaウイルスslur09、EscherichiaウイルスT5、SalmonellaウイルスNR01、SalmonellaウイルスS131、SalmonellaウイルスShivani、SalmonellaウイルスSP01、SalmonellaウイルスSP3、SalmonellaウイルスSPC35、ShigellaウイルスSHSML45、ShigellaウイルスSSP1、PectobacteriumウイルスDUPPV、PectobacteriumウイルスMy1、ProteusウイルスPM135、ProteusウイルスStubb、VibrioウイルスPG07、VibrioウイルスVspSw1、AeromonasウイルスAhSzq1、AeromonasウイルスAhSzw1、KlebsiellaウイルスIME260、KlebsiellaウイルスSugarland、EscherichiaウイルスIME542、EscherichiaウイルスACGM12、EscherichiaウイルスEC3a、EscherichiaウイルスDTL、EscherichiaウイルスIME253、EscherichiaウイルスRtp、ShigellaウイルスSf12、EscherichiaウイルスphiEB49、EscherichiaウイルスAHP42、EscherichiaウイルスAHS24、EscherichiaウイルスAKS96、EscherichiaウイルスC119、EscherichiaウイルスE41c、EscherichiaウイルスEb49、EscherichiaウイルスJk06、EscherichiaウイルスKP26、EscherichiaウイルスphiJLA23、EscherichiaウイルスRogue1、ShigellaウイルスSd1、ShigellaウイルスpSf1、CitrobacterウイルスDK2017、CitrobacterウイルスSazh、CitrobacterウイルスStevie、EscherichiaウイルスLL5、EscherichiaウイルスTLS、Salmonellaウイルス36、SalmonellaウイルスPHB07、SalmonellaウイルスphSE2、SalmonellaウイルスSP126、SalmonellaウイルスYSP2、Escherichiaウイルス95、Escherichiaウイルスmar001J1、Escherichiaウイルスmar002J2、EscherichiaウイルスSECphi27、Escherichiaウイルスswan01、EscherichiaウイルスIME347、EscherichiaウイルスSRT8、EscherichiaウイルスADB2、EscherichiaウイルスBIFF、EscherichiaウイルスIME18、EscherichiaウイルスJMPW1、EscherichiaウイルスJMPW2、EscherichiaウイルスSH2、EscherichiaウイルスT1、Shigellaウイルス008、ShigellaウイルスISF001、ShigellaウイルスPSf2、ShigellaウイルスSfin1、ShigellaウイルスSH6、ShigellaウイルスShfl1、ShigellaウイルスISF002、CronobacterウイルスEsp2949-1、EnterobacterウイルスEcL1、CronobacterウイルスPhiCS01、EscherichiaウイルスESCO41、PantoeaウイルスAAS23、EscherichiaウイルスNBD2、EnterobacterウイルスF20、Klebsiellaウイルス1513、KlebsiellaウイルスGHK3、KlebsiellaウイルスKLPN1、KlebsiellaウイルスKOX1、KlebsiellaウイルスKP36、KlebsiellaウイルスKpCol1、KlebsiellaウイルスKpKT21phi1、KlebsiellaウイルスKPN 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imiaウイルス1127AP1、MannheimiaウイルスPHL101、AeromonasウイルスphiO18P、VibrioウイルスCanoe、PseudoalteromonasウイルスC5a、PseudomonasウイルスDobby、PseudomonasウイルスphiCTX、ErwiniaウイルスEtG、Escherichiaウイルス186、SalmonellaウイルスPsP3、SalmonellaウイルスSEN1、ErwiniaウイルスENT90、Klebsiellaウイルス4LV2017、SalmonellaウイルスFels2、SalmonellaウイルスRE2010、SalmonellaウイルスSEN8、SalmonellaウイルスSopEphi、HaemophilusウイルスHP1、HaemophilusウイルスHP2、VibrioウイルスKappa、PasteurellaウイルスF108、BurkholderiaウイルスKS14、BurkholderiaウイルスAP3、BurkholderiaウイルスKS5、VibrioウイルスK139、BurkholderiaウイルスST79、EscherichiaウイルスfiAA91ss、EscherichiaウイルスP2、Escherichiaウイルスpro147、Escherichiaウイルスpro483、EscherichiaウイルスWphi、YersiniaウイルスL413C、Pseudomonasウイルスphi3、SalinivibrioウイルスSMHB1、Klebsiellaウイルス3LV2017、SalmonellaウイルスSEN4、CronobacterウイルスESSI2、StenotrophomonasウイルスSmp131、SalmonellaウイルスFSLSP004、BurkholderiaウイルスKL3、Burkholderiaウイルスphi52237、BurkholderiaウイルスphiE122、BurkholderiaウイルスphiE202、VibrioウイルスPV94、EscherichiaウイルスP88、EscherichiaウイルスBp7、EscherichiaウイルスIME08、EscherichiaウイルスJS10、EscherichiaウイルスJS98、EscherichiaウイルスMX01、EscherichiaウイルスQL01、EscherichiaウイルスVR5、EscherichiaウイルスWG01、EscherichiaウイルスVR7、EscherichiaウイルスVR20、EscherichiaウイルスVR25、EscherichiaウイルスVR26、ShigellaウイルスSP18、SalmonellaウイルスMelville、SalmonellaウイルスS16、SalmonellaウイルスSTML198、SalmonellaウイルスSTP4a、KlebsiellaウイルスJD18、KlebsiellaウイルスPKO111、EnterobacterウイルスPG7、EscherichiaウイルスCC31、EscherichiaウイルスECD7、EscherichiaウイルスGEC3S、EscherichiaウイルスJSE、Escherichiaウイルスphi1、EscherichiaウイルスRB49、CitrobacterウイルスCF1、CitrobacterウイルスMerlin、CitrobacterウイルスMoon、EscherichiaウイルスAPCEc01、EscherichiaウイルスHP3、EscherichiaウイルスHX01、EscherichiaウイルスJS09、EscherichiaウイルスO157tp3、EscherichiaウイルスO157tp6、EscherichiaウイルスPhAPEC2、EscherichiaウイルスRB69、EscherichiaウイルスST0、ShigellaウイルスSHSML521、ShigellaウイルスUTAM、VibrioウイルスKVP40、Vibrioウイルスnt1、VibrioウイルスValKK3、EnterobacterウイルスEap3、KlebsiellaウイルスKP15、KlebsiellaウイルスKP27、KlebsiellaウイルスMatisse、KlebsiellaウイルスMiro、KlebsiellaウイルスPMBT1、EscherichiaウイルスAR1、EscherichiaウイルスC40、EscherichiaウイルスCF2、EscherichiaウイルスE112、EscherichiaウイルスECML134、EscherichiaウイルスHY01、EscherichiaウイルスHY03、EscherichiaウイルスIme09、EscherichiaウイルスRB3、EscherichiaウイルスRB14、Escherichiaウイルスslur03、Escherichiaウイルスslur04、EscherichiaウイルスT4、ShigellaウイルスPss1、ShigellaウイルスSf21、ShigellaウイルスSf22、ShigellaウイルスSf24、ShigellaウイルスSHBML501、ShigellaウイルスShfl2、YersiniaウイルスD1、YersiniaウイルスPST、Acinetobacterウイルス133、Aeromonasウイルス65、AeromonasウイルスAeh1、EscherichiaウイルスRB16、EscherichiaウイルスRB32、EscherichiaウイルスRB43、Pseudomonasウイルス42、EscherichiaウイルスAv05、CronobacterウイルスCR3、CronobacterウイルスCR8、CronobacterウイルスCR9、CronobacterウイルスPBES02、PectobacteriumウイルスphiTE、CronobacterウイルスGAP31、Escherichiaウイルス4MG、SalmonellaウイルスPVPSE1、SalmonellaウイルスSSE121、EscherichiaウイルスAPECc02、EscherichiaウイルスFFH2、EscherichiaウイルスFV3、EscherichiaウイルスJES2013、EscherichiaウイルスMurica、Escherichiaウイルスslur16、EscherichiaウイルスV5、EscherichiaウイルスV18、BrevibacillusウイルスAbouo、BrevibacillusウイルスDavies、SynechococcusウイルスSMbCM100、ErwiniaウイルスDeimos、ErwiniaウイルスDesertfox、ErwiniaウイルスEa35-70、ErwiniaウイルスRAY、ErwiniaウイルスSimmy50、ErwiniaウイルスSpecialG、SynechococcusウイルスSShM2、KlebsiellaウイルスK64-1、KlebsiellaウイルスRaK2、DickeyaウイルスAD1、ErwiniaウイルスAlexandra、LactobacillusウイルスLBR48、SynechococcusウイルスSCAM1、SynechococcusウイルスSCBWM1、VibrioウイルスAphrodite1、Escherichiaウイルス121Q、EschierichiaウイルスPBECO4、SynechococcusウイルスAC2014fSyn7803C8、SynechococcusウイルスACG2014f、SynechococcusウイルスACG2014fSyn7803US26、SynechococcusウイルスSTIM5、PseudomonasウイルスPaBG、RheinheimeraウイルスBarba18A、RheinheimeraウイルスBarba19A、RheinheimeraウイルスBarba21A、RheinheimeraウイルスBarba5S、RheinheimeraウイルスBarba8S、BurkholderiaウイルスBcepMu、BurkholderiaウイルスphiE255、SynechococcusウイルスBellamy、GordoniaウイルスGMA6、Aeromonasウイルス44RR2、MycobacteriumウイルスAlice、MycobacteriumウイルスBxz1、MycobacteriumウイルスDandelion、MycobacteriumウイルスHyRo、MycobacteriumウイルスI3、MycobacteriumウイルスLukilu、MycobacteriumウイルスNappy、MycobacteriumウイルスSebata、FaecalibacteriumウイルスBrigit、ProchlorococcusウイルスSyn33、SynechococcusウイルスSRIM12-01、SynechococcusウイルスSRIM12-06、SynechococcusウイルスSRIM12-08、SalmonellaウイルスSEN34、AcidovoraxウイルスACP17、XanthomonasウイルスCarpasina、XanthomonasウイルスXcP1、Pseudomonasウイルスpf16、SynechococcusウイルスSCAM3、RalstoniaウイルスRSF1、RalstoniaウイルスRSL2、SynechococcusウイルスSWAM2、ErwiniaウイルスDerbicus、PseudomonasウイルスEL、SinorhizobiumウイルスM7、SinorhizobiumウイルスM12、SinorhizobiumウイルスN3、SerratiaウイルスBF、YersiniaウイルスYen9-04、FaecalibacteriumウイルスEpona、ErwiniaウイルスAsesino、ErwiniaウイルスEaH2、ProchlorococcusウイルスMED4-213、ProchlorococcusウイルスPHM1、ProchlorococcusウイルスPHM2、FlavobacteriumウイルスFCL2、FlavobacteriumウイルスFCV1、PseudomonasウイルスKIL2、PseudomonasウイルスKIL4、EdwardsiellaウイルスGF2、EscherichiaウイルスGoslar、HalomonasウイルスHAP1、VibrioウイルスVP882、LactobacillusウイルスLb、ErwiniaウイルスEaH1、IodobacterウイルスPLPE、DelftiaウイルスPhiW14、KlebsiellaウイルスJD001、KlebsiellaウイルスKpV52、KlebsiellaウイルスKpV80、EscherichiaウイルスCVM10、EscherichiaウイルスECOO78、Escherichiaウイルスep3、BrevibacillusウイルスJimmer、BrevibacillusウイルスOsiris、SynechococcusウイルスSCAM9、RhizobiumウイルスRHEph4、FaecalibacteriumウイルスLagaffe、SynechoccusウイルスSP4、SynechococcusウイルスSyn30、ProchlorococcusウイルスPTIM40、SynechococcusウイルスSSKS1、SalmonellaウイルスZCSE2、ClostridiumウイルスphiC2、ClostridiumウイルスphiCD27、Clostridiumウイルスp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pilosulusイクノウイルス、Hyposoter rivalisイクノウイルス、Olesicampe benefactorイクノウイルス、Olesicampe geniculataeイクノウイルス、Synetaeris tenuifemurイクノウイルス、アルファポルトグロボウイルスSPV2、スルフォロブスアルファポルトグロボウイルス1、アップルディンプルフルーツウイロイド、アップルスカースキンウイロイド、オーストラリアブドウウイロイド、柑橘類ベントリーフウイロイド、柑橘類矮性ウイロイド、シトラスウイロイドV、シトラスウイロイドVI、グレープバイン黄色スペックルウイロイド1、グレープバイン黄色スペックルウイロイド2、梨ブリスター潰瘍ウイロイド、柑橘類樹皮クラッキングウイロイド、ココナッツカダンカダンウイロイド、ココナッツティナンガジャウイロイド、ホップ潜伏ウイロイド、Coleus blumeiウイロイド1、Coleus blumeiウイロイド2、Coleus blumeiウイロイド3、ダリア潜伏ウイロイド、ホップスタントウイロイド、菊スタントウイロイド、柑橘類外皮ウイロイド、コルムネア潜伏ウイロイド、イレシネウイロイド1、コショウチャットフルーツウイロイド、ジャガイモやせいもウイロイド、トマト頂端スタントウイロイド、トマト退緑萎縮症ウイロイド、トマトプランタマッチョウイロイド、Aeropyrumコイル型ウイルス、ニトマーウイルスNSV1、カッコウアザミ葉巻Bueaベータサテライト、カッコウアザミ葉巻カメルーンベータサテライト、カッコウアザミ黄葉巻ベータサテライト、カッコウアザミ黄色葉脈ベタサテライト、カッコウアザミ黄色葉脈インドベータサテライト、カッコウアザミ黄色葉脈スリランカベータサテライト、アルテルナンテーラ黄色葉脈ベータサテライト、アンドログラフィス黄色葉脈葉巻ベータサテライト、ベンディ黄色葉脈モザイクベータサテライト、Cardiospermum黄色葉巻ベータサテライト、チリ葉巻ベータサテライト、チリ葉巻ジャウンプールベータサテライト、チリ葉巻スリランカベータサテライト、コットン葉巻ゲジラベータサテライト、コットン葉巻マルタンベータサテライト、クロトン黄色葉脈モザイクベータサテライト、ユーパトリアム黄色葉脈ヒヨドリバナ、ヒヨドリバナ黄色葉脈モザイクヒヨドリバナベータサテライト、フレンチビーン葉巻ベータサテライト、Hedyotis黄色モザイクベータサテライト、ハニーサックル黄色葉脈ベータサテライト、ハニーサックル黄色葉脈モザイクベータサテライト、Malvastrum葉巻ベータサテライト、Malvastrum葉巻Guangdongベータサテライト、ミラビリス葉巻
ベータサテライト、ツルレイシ黄色モザイクベータサテライト、マンビーン黄色モザイクベータサテライト、オクラ葉巻オマーンベータサテライト、パパイヤ葉巻ベータサテライト、パパイヤ葉巻チャイナベータサテライト、パパイヤ葉巻インドベータサテライト、リンコシア黄色モザイクベータサテライト、ローズ葉巻ベータサテライト、Siegesbeckia黄色葉脈ベータサテライト、タバコ巻シュートベータサテライト、タバコ葉巻ベータサテライト、タバコ葉巻日本ベータサテライト、タバコ葉巻パトナベータサテライト、トマト葉巻バンガロールベータサテライト、トマト黄化葉巻バングラデシュベータサテライト、トマト黄化葉巻ベータサテライト、トマト葉巻チャイナベータサテライト、トマト葉巻Gandhinagarベータサテライト、トマト葉巻Javaベータサテライト、トマト葉巻Joydebpurベータサテライト、トマト葉巻ラグナベータサテライト、トマト葉巻ラオスベータサテライト、トマト葉巻マレーシアベータサテライト、トマト葉巻ネパールベータサテライト、トマト葉巻パトナベータサテライト、トマト葉巻フィリピンベータサテライト、トマト葉巻スリランカベータサテライト、トマト葉巻イエメンベータサテライト、トマト黄葉巻チャイナベータサテライト、トマト黄葉巻ラジャスタンベータサテライト、トマト黄葉巻山東ベータサテライト、トマト黄葉巻タイベータサテライト、トマト黄葉巻ベトナムベータサテライト、トマト黄葉巻ユンナンベータサテライト、ヴェルノニア黄色葉脈ベータサテライト、ヴェルノニア黄色葉脈フジアンベータサテライト、クロトン黄色葉脈デルタサテライト、Malvastrum葉巻デルタサテライト、シダ黄金黄色葉脈デルタサテライト1、シダ黄金黄色葉脈デルタサテライト2、シダ黄金黄色葉脈デルタサテライト3、サツマイモ葉巻デルタサテライト1、サツマイモ葉巻デルタサテライト2、サツマイモ葉巻デルタサテライト3、トマト葉巻デルタサテライト、トマト黄葉歪みデルタサテライト1、トマト黄葉歪みデルタサテライト2、パイロバクルム糸状ウイルス1、サーモプロテウステナックスウイルス1、デルタ肝炎ウイルス、Heterocapsa Circularisquama DNAウイルス01、及びRhizidiomycesウイルスが挙げられる。他のウイルスとしては、参照によって本明細書に援用するICTV Master Species List(https://talk.ictvonline.org/files/master-species-lists/m/msl/9601)が挙げられる。
【0273】
さらなる実施形態では、本発明は、細胞内またはインビトロで1つ以上のRNA分子をトランススプライシングする方法に関する。独立したRNA分子同士のトランススプライシングは、完全長タンパク質をコードする核酸配列が特定のプラスミド及びベクターのパッケージングサイズを超える場合に、完全長タンパク質を発現させるため、また、他の方法では発現させることが困難なマルチドメインタンパク質を生成するために有用となり得る。さらに、単一のRNA分子のトランススプライシングは、トランススプライシングが行われなければ病原性タンパク質または欠損タンパク質に翻訳されるであろうRNAの部分を欠失させるために有用となり得る。トランススプライシングRNA分子のさらなる応用及びさらなる考察は、国際出願番号PCT/US2021/016885(参照によって本明細書にその全容を援用する)に見ることができる。
【0274】
一実施形態では、本発明は、インビトロでRNA分子をトランススプライシングする方法に関する。一実施形態では、本方法は、本発明の1つ以上の融合編集タンパク質を、1つ以上の標的化核酸の存在下、インビトロで1つ以上のRNA分子と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、前記1種以上のRNA分子は、第1のRNA分子と第2のRNA分子とを含む。一実施形態では、前記第1のRNA分子と前記第2のRNA分子とは、融合編集タンパク質によって切断され、2’,3’環状リン酸末端と5’ヒドロキシルRNA末端を生成する。一実施形態では、方法は、本明細書に記載されるように、第1のRNA分子及び第2のRNA分子をRtcBリガーゼと接触させることを含む。一実施形態では、第1のRNA分子の2’,3’環状リン酸末端は、第2のRNA分子の5’ヒドロキシル末端に連結されることによりトランススプライシングされたRNA分子を生成する。
【0275】
一実施形態では、本発明は、細胞または組織中でRNA分子をトランススプライシングする方法に関する。一実施形態では、方法は、1つ以上の細胞または組織に1つ以上の本発明の融合編集タンパク質及び1つ以上の標的化核酸を投与することを含む。一実施形態では、方法は、1つ以上の細胞または組織に本発明の融合編集タンパク質をコードする1つ以上の核酸及び1つ以上の標的化核酸を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、細胞または組織に1つ以上のRNA分子を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に記載されるように、RtcBリガーゼまたはRtcBリガーゼをコードする核酸を投与することを含む。
【0276】
一実施形態では、本発明は、欠損タンパク質または病原性タンパク質に関連する1つ以上の疾患または障害を治療する方法を含む。一実施形態では、方法は、1つ以上の細胞または組織に1つ以上の本発明の融合編集タンパク質及び1つ以上の標的化核酸を投与することを含む。一実施形態では、方法は、1つ以上の細胞または組織に本発明の融合編集タンパク質をコードする1つ以上の核酸及び1つ以上の標的化核酸を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に記載されるように、RtcBリガーゼまたはRtcBリガーゼをコードする核酸を投与することを含む。
【0277】
アミノ酸及び核酸配列
表2に、アミノ酸配列及び核酸配列の概要を示す。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【表2-7】
【表2-8】
【表2-9】
【表2-10】
【表2-11】
【表2-12】
【表2-13】
【表2-14】
【表2-15】
【表2-16】
【表2-17】
【表2-18】
【表2-19】
【表2-20】
【表2-21】
【表2-22】
【表2-23】
【表2-24】
【表2-25】
【表2-26】
【表2-27】
【表2-28】
【表2-29】
【表2-30】
【表2-31】
【表2-32】
【表2-33】
【表2-34】
【表2-35】
【表2-36】
【表2-37】
【実施例
【0278】
以下の実施例を参照することにより、本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は、説明のみを目的として提供され、特に明記しない限り、限定することを意図しない。したがって、本発明が以下の実施例に限定されると決して解釈されるべきではなく、むしろ本明細書に提供される教示の結果として明らかになるありとあらゆる変形を包含すると解釈されるべきである。
【0279】
さらなる説明をするまでもなく、当業者であれば、上記の説明及び以下の例示的な実施例を用いて、本発明を製造及び使用することができ、特許請求される方法を実施することができるものと考えられる。したがって、以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を具体的に指摘するものであり、いかなる意味でも本開示の残りの部分を限定するものと解釈されるべきではない。
【0280】
実施例1:CRISPRase:dCas13-RNase融合タンパク質による標的化RNA切断
本明細書に示されるデータは、標的化による触媒活性のための異種RNaseへのdCas13の融合を実証する。驚くべきことに、これらのデータは、dCas13とRNaseとの融合が標的化によるRNA切断を可能にすることを示している。これらのdCas13-RNase融合酵素をCRISPRaseと呼ぶ(図1B)。RNase酵素は、多様な基質とヌクレオチド特異性を有する大きなファミリーを構成するため、dCas13との融合は、基礎研究及び治療用途の両方で、新たな標的化RNA切断モダリティを可能とする可能性を秘めている。
【0281】
一般的に、エンドリボヌクレアーゼは、ポリヌクレオチド鎖内のホスホジエステル結合を切断することができるリボヌクレアーゼである。RNaseは、感染性ウイルスだけでなく、生命のあらゆる領域で見られ、多様な生物学的プロセスを触媒する。RNaseの注目すべき性質の1つに、多様なヌクレオチド基質を認識する能力があり、一本鎖RNA(ssRNA)(例えば、RNase1b)、ssRNA及び二本鎖RNA(dsRNA)(例えば、RNASE1)に対して特異的、dsRNA特異的(例えば、RNaseIII)、またはハイブリッドRNA:DNA複合体のRNAに対して特異的(例えば、RNaseHI)なものがある。さらに、多くのRNaseは配列特異的な切断を示し、例えば、RNase AはC及びUヌクレオチドの3’末端を選択的に切断し、RNase T1は塩基対を形成していないG残基の3’末端を切断し、RNaseU2は塩基対を形成していないA残基の3’末端を切断する、といった具合である。
【0282】
RNase及びその触媒ドメインは通常小さく(約125アミノ酸)、単量体(RNase T1)として機能するものもあれば、dsRNA内の両方の鎖への結合と切断を可能にするホモ二量体(RNase1とRNaseIIIドメイン)として機能するものもある。細胞内機能を果たすRNase酵素もいくつか同定されているが(例えば、リソソーム内のRNASE2)、大部分の脊椎動物のRNaseは、細胞外への分泌と活性を可能にするN末端シグナルペプチドをコードしている。最もよく研究されている膵臓RNaseファミリーであるptRNaseのRNaseは分泌され、RNA消化に重要な役割を果たす。
【0283】
dCas13とRNaseとの融合が標的化RNA切断をもたらすか否かを判断するために、多様なRNA基質とヌクレオチド特異性を有するRNase酵素を、長いリンカー配列により分離されたdPspCas13bのC末端への融合体としてクローニングした。各融合タンパク質を、哺乳動物COS7細胞中でルシフェラーゼレポーター、及びルシフェラーゼコード配列を標的とするガイドRNA(Luc crRNA)またはネガティブコントロールとしての非ターゲティングガイドRNA(NC crRNA)とともに共発現させた。驚くべきことに、多くのCRISPRaseは、非ターゲティングガイドRNAとともに発現させた場合と比較して、ルシフェラーゼガイドRNAによってターゲティングされた場合に哺乳動物細胞でルシフェラーゼ活性の特異的なノックダウンを示した(図1C)。しかし、一部のCRISPRaseはほとんどまたはまったく活性を示さなかったが、これは、RNaseの基質または配列の必要条件、ホモ二量体化の必要性、金属イオンなどの補因子の必要性、または例えばpHなどの他の酵素条件、または不適切なフォールディングに一部起因するものと考えられる。これに関して、この標的部位で最も強力なCRISPRase酵素には、単量体として機能し、活性に金属イオンを必要としないRNase T1との融合体が含まれていた。これに対して、活性がほとんどみられなかったものは、dsRNA基質を切断するものと予測された、RNaseIIIドメイン(miniR3及びtdDICER)をコードしたものであった。これらのデータは、異種RNase酵素とdCas13との融合が、哺乳動物細胞中でmRNAレポーターの標的化RNA切断を可能にすることを示している。ガイドRNA及び/またはCRISPRase融合タンパク質の両者に対する改変により、さらなる固有のRNA切断機能がさらに可能となるものと考えられる。
【0284】
CRISPR-Cas13システムがssRNA特異的な切断を示す一方で、異なる基質特異性を有するRNaseとdCas13との融合はそれらの基質切断能力を与えることができる。例えば、異なる基質切断特異性を有するCRISPRaseを、ssRNA特異性を有するRNase、ssRNA及びdsRNA特異性の両方を有するRNase、またはdsRNA特異性を有するRNaseとの融合によって作製することができる(図2A~C)。ここで、機能するうえで二量体化を必要とするRNaseドメインの強制的なタンデム二量体化は、ssRNA切断と比較してdsRNA切断を増加または促進する可能性がある。さらに、N末端またはC末端、またはその両方へのRNaseドメインの融合により、ガイドRNAの標的部位に対して5’側、3’側、または5’側と3’側の両方の位置での切断が可能になる可能性がある(図2D及びE)。
【0285】
異なるdCas13-RNase融合タンパク質と組み合わせて、相補的なCRISPRガイドRNAを改変することにより、特定のRNA基質の切断が可能になる可能性がある。例えば、図3Aにおいて、ガイドRNAの伸長はssRNA固有のRNaseによる切断を遮断し、または、不対塩基のバルジを有するガイドRNAは正確なヌクレオチド特異的基質切断を可能にする可能性がある。これに対して、伸長されたガイドRNAは、dsRNA特異的RNaseによる切断を可能とし、または、隣接する不対塩基のバルジがdsRNA切断を集中させる機能を果たす可能性がある(図3B)。さらに、dCas13とハイブリッドDNA:RNA複合体内のRNAの切断に特異的なRNaseとの融合が、相補的なDNAオリゴヌクレオチドを送達するによって可能になる可能性がある(図3C)。
【0286】
膵臓のRNaseは、知られている最も安定なタンパク質構造のうちの1つであり、オートクレーブなどの過酷な生理学的条件に耐えることがよく知られている。この特性は、構造残基間の強い相互作用に一部よるものである。驚くべきことに、このファミリーのRNase1メンバーは2つの別々の部分(SペプチドとSタンパク質)に切断することができ、これらはトランスで送達される場合に触媒活性を取り戻す。この強力な相互作用を利用して、誘導可能なRNase触媒活性が可能となると考えられ、標的RNA部位で不活性であるdCas13に融合させたSタンパク質を、Sペプチドを単独で、またはタモキシフェン(tmx)誘導性ERT2ドメインのような低分子応答エレメントと融合させて送達するによって再活性化させることができる(図4)。
【0287】
伸長されたリピートの発現による宿主遺伝子発現の効果を判定するため、12個または960個のCUGリピートをコードしたルシフェラーゼレポーターを作製した(図5A)。960個のCUGリピートの付加により、ルシフェラーゼ活性は顕著に低下したが、これは、レポーターRNAが核内フォーカス内に隔離されたためと考えられる(図5B)。これらの所見は、DMPKのmRNAのレベルが正常であるにもかかわらず、DM1患者で観察されたDMPK発現量の減少と一致している。以前に報告されているように、相補的なCAG crRNAによってCUGリピートに標的化されたCas13は、核内フォーカスの安定的な減少をもたらした。しかしながら、Cas13はルシフェラーゼ活性の低下ももたらし、これはCRISPR-Cas13による標的mRNAの完全な分解と一致する知見である(図5C~E)。CRISPRaseをリピートフォーカスに標的化することで、フォーカスの数の減少ももたらされたが、驚くべきことにルシフェラーゼレポーター活性の増加ももたらされた(図5C及びD)。これらの知見は、CRISPRaseが単一部位のRNA切断事象を誘導し、または、伸長リピートに標的化された場合にはリピートRNA配列を切断することができるがRNAの残りの部分は切断しないモデルと一致する(図5F)。したがって、CRISPRaseによって伸長リピートRNAを標的化することで、有毒なRNAフォーカスの除去及び宿主遺伝子発現の維持の両方を行う機構が与えられる可能性がある。
【0288】
実施例2:細胞内及びインビトロでRNAのトランススプライシング及びアセンブリを行うためのCRISPRaseの使用
RNAseを介したRNA切断は、2’,3’環状リン酸と5’ヒドロキシルRNA末端を生成するが、これらは、リボザイムなどの自己触媒RNA配列による切断で見られるものと類似している(Shigematsu M, et al.,Front Genet,2018,9:562)。以前の研究に基づいて、リボザイムを介したRNA切断により、細胞内で、またはRtcBリガーゼによって触媒されるインビトロでのトランスRNAスプライシングが生じることが見出されている。したがって、RNAseで切断されたRNAもまた、細胞内またはRtcBによるインビトロでのトランススプライシングを受ける可能性がある。本明細書に記載されるCRISPRaseのような配列特異的RNA標的化タンパク質と融合させた場合、2箇所以上の位置を標的とすることで、2個の異なるRNA配列をトランススプライシングするための手段、または単一のRNA配列内の有害な配列を欠失/回避する手段が与えられる可能性がある(図6A~C)。複数部位の標的化は、N末端またはC末端のRNAse融合(図6A~B)を有する複数のガイドRNAを使用するか、または単一のRNA標的化タンパク質に複数のRNAseを融合する(図6C)ことによって行うことができる。多くのRNAse配列はサイズが小さく、また、コンパクトなCas13オルソログが発見されていること(XuC,et al.,Nat Methods,2021,18(5):499-506)により、CRISPRaseは多くの治療用ウイルスベクター、特にAAVのパッケージング容量の範囲内に十分にある。
【0289】
本明細書に引用されるあらゆる特許、特許出願、及び刊行物の開示内容は、参照により本明細書にそれらの全容を援用するものである。本発明は、特定の実施形態を参照して開示されているが、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態及び変形形態が当業者によって考案され得ることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような実施形態及び等価の変形を含むと解釈されることが企図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
【配列表】
2023534464000001.app
【国際調査報告】