(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(54)【発明の名称】微生物療法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/74 20150101AFI20230803BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20230803BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230803BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230803BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20230803BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230803BHJP
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A61P 9/12 20060101ALI20230803BHJP
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A61K 31/426 20060101ALI20230803BHJP
A23L 33/135 20160101ALI20230803BHJP
【FI】
A61K35/74 A
A61P19/06
A61P43/00 121
A61P9/00
A61P3/04
A61P1/16
A61P13/12
A61P3/10
A61P9/12
A61P3/06
A61K35/745
A61K35/747
A61P3/02
A61K31/525
A61K31/519
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A61K31/198
A61K31/733
A61K31/718
A61K31/732
A61K31/716
A61K31/715
A61K45/00
A61K31/192
A61K31/343
A61K31/4152
A61K31/426
A23L33/135
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504213
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 EP2021070685
(87)【国際公開番号】W WO2022018263
(87)【国際公開日】2022-01-27
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523022273
【氏名又は名称】ベオ テラピューティクス
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン、リッケ クリスティナ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C084
4C086
4C087
4C206
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本発明は、血中尿酸塩濃度の低下における使用のための、微生物を含む組成物に関する。これらの組成物は、血中尿酸塩レベルの上昇リスクのある、または血中尿酸塩レベルが上昇している対象の治療および予防処置のために使用することができる。組成物は、心臓血管疾患、メタボリック・シンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患、慢性腎臓病、痛風、インスリン耐性、高血圧、脂質異常症、腎不全、肥満、前糖尿病および糖尿病など、尿酸塩および高尿酸血症関連疾患の治療および予防のための医薬組成物または栄養補助組成物であり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上昇した血清尿酸塩の状態を治療または予防する方法における使用のための複数の細菌株を含む組成物であって、前記複数の細菌株が、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの細菌株およびウリカーゼ活性を有する少なくとも1つの細菌株を含み、腸内微生物叢のウリカーゼ代謝能を高め、かつキサンチンオキシダーゼ代謝能を低下させる組成物。
【請求項2】
前記上昇した血清尿酸塩の状態が、心臓血管疾患、メタボリック・シンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患、慢性腎臓病、痛風、インスリン耐性、高血圧、高尿酸血症、脂質異常症、腎不全、肥満、前糖尿病および糖尿病から選択される請求項1記載の組成物。
【請求項3】
腸内微生物叢のウリカーゼ代謝能が尿酸の存在下で増強される請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの細菌株は、キサンチンオキシダーゼを阻害する代謝物を発現し、該代謝物が好ましくはフラボノイドである、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記複数の細菌株が、血清尿酸塩レベルの低下に相乗効果を有する請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記複数の細菌株が、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、バチルス(Bacillus)属およびラクトバチルス(Lactobacillus)属から、好ましくは種、ビフィドバクテリウム・ブリーブ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、およびラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)から選択される請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記複数の細菌株が、以下の株:2020年7月14日に受託番号:DSM 33579のもとDSMZに寄託されたラクトバチルス・カゼイ株、2020年7月14日に受託番号:DSM 33580のもとDSMZに寄託されたラクトバチルス・プランタラム株および2020年7月14日に受託番号:DSM 33581のもとDSMZに寄託されたラクトバチルス・プランタラム株の少なくとも1つを含む請求項6記載の組成物。
【請求項8】
医薬組成物または栄養補助組成物の形態である請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記医薬組成物または栄養補助組成物は、1つまたは複数の微量栄養素、好ましくは、ビタミンB2、ビタミンB9およびビタミンCから選択される1つまたは複数のビタミン、および/または1つまたは複数のアミノ酸、好ましくは、アルギニンおよび/またはシトルリン、および/または好ましくはフルクトオリゴ糖(FOS)、イヌリン、ガラクトオリゴ糖(GOS)、難消化性デンプン、ペクチン、ベータ-グルカン、およびキシロオリゴ糖から選択される1つまたは複数のプレバイオティクスと、共製剤化され、および/または併用投与される、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
前記医薬組成物または栄養補助組成物は、心臓血管疾患、メタボリック・シンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患、慢性腎臓病、痛風、インスリン耐性、高血圧、高尿酸血症、脂質異常症、腎不全、肥満、前糖尿病および糖尿病の治療のための、さらなる薬剤、例えば治療剤、および/または療法と組み合わせて、好ましくは第2の薬剤または療法と組み合わせて投与される、請求項8または9記載の組成物。
【請求項11】
前記医薬組成物または栄養補助組成物は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤および/または尿酸排せつ薬、好ましくはプロベネシド、ベンズブロマロン、スルフィンピラゾン、アロプリノールまたはフェブキソスタットと組み合わせて投与される請求項8~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
受託番号:DSM 33580のもとDSMZに寄託された種ラクトバチルス・プランタラムの株、または受託番号:DSM 33581のもとDSMZに寄託された種ラクトバチルス・プランタラムの株、または受託番号:DSM 33579のもとDSMZに寄託された種ラクトバチルス・カゼイの株。
【請求項13】
上昇した血清尿酸塩の状態を治療または予防する方法における使用のための請求項12記載の株。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血中尿酸塩濃度の低下における使用のための、および血中尿酸塩レベルの上昇リスクのある、または血中尿酸塩レベルが上昇している対象の治療および予防処置のための、複数の微生物を含む組成物、ならびに尿酸塩および高尿酸血症関連疾患の治療および予防のための医薬組成物または栄養補助組成物の形態におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
尿酸塩は、プリンヌクレオシド代謝の最終生成物である。尿酸塩は腎臓系を通ってのみならず腸を通っても分泌される。尿酸塩へのプリンの代謝における最終ステップは、複数の薬物の標的であり、その反応は酵素キサンチンオキシダーゼにより触媒される。キサンチンオキシダーゼは、肝臓、小腸において、そして腸内微生物叢により主に発現される。尿酸塩は、ほとんどの哺乳類にあり、さらに酵素ウリカーゼによりアラントインに代謝される。ヒトはウリカーゼ遺伝子を発現せず、ヒト腸内微生物叢が尿酸塩のアラントインへの代謝に関与している。
【0003】
尿酸塩は、尿酸の一価のナトリウム塩である。尿酸塩は、溶解性が低く、6.8mg/dl(405μmol/L)の濃度で血清中において結晶を形成する(非特許文献1)。その結晶は、体内を通って堆積され、痛風患者に見られるような炎症反応または慢性腎臓疾患の患者に見られるような腎臓損傷を引き起こす。
【0004】
異常に高濃度の血中尿酸塩または尿酸は、高尿酸血症とも呼ばれ、心臓血管疾患、メタボリック・シンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患、慢性腎臓病、痛風、インスリン耐性、高血圧、脂質異常症、腎不全、肥満、前糖尿病、および糖尿病、特に2型糖尿病などの多数の疾患および状態と関連付けられることが知られている。
【0005】
尿酸塩の上昇したレベルは、キサンチンオキシダーゼによる尿酸生成の増加、消化器系、腎臓系、またはその両方の組み合わせを経る尿酸塩排出の減少の結果であり得る。腎臓系は、健常なヒトにおいて全尿酸塩の3分の2を排出する。腸は腎臓系を補完し、全尿酸塩の3分の1を排出する。内因性尿酸塩の腸管による排出は、高尿酸血症を局所的に治療し、それにより全身的な有害反応を回避する機会である。
【0006】
尿酸塩の血清レベルを引き下げる多様な薬物が知られている。キサンチンオキシダーゼ阻害剤(例えば、アロプリノールおよびフェブキソスタット)は、キサンチンオキシダーゼを阻害することにより、体内での尿酸塩の生成を制限し、尿酸排せつ薬(例えばプロベネシド)は腎臓による尿酸塩排出を増加させる。残念なことに、キサンチンオキシダーゼ阻害剤や尿酸排せつ薬による患者の治療は、発疹、吐き気、胃痛、腎臓結石および肝機能低下などの副作用と関連付けられる。さらに、その薬物は、有効性が低く、アロプリノールで治療された患者のたった30~40%しか治療ターゲットに到達しない。
【0007】
これまで検討されてきた他の治療戦略は、上昇した血清尿酸の減少または血清尿酸の上昇の予防と関連付けられるビタミンB2、B9、Cなどの多数のビタミンである。
【0008】
尿酸塩の分解のためのバクテリアの使用は、いくつかの初期の研究において検討されてきている。炭素、窒素およびエネルギーの唯一の源として尿酸を含有する選択培地で増殖することが可能な嫌気性バクテリアの9つの培養物が同定されている(非特許文献2)。しかしながら、その尿酸塩低下効果は研究されていない。
【0009】
よって、副作用がより少なく、有効性の改善した新しい治療戦略が必要とされている。
【0010】
本発明は、尿酸塩の過剰生成および不十分な排出の両方に対処することにより、先行技術の欠点を克服することができる。
【0011】
本発明による微生物治療は、ヒト腸内細菌の代謝を最適化することにより、かつ腸の宿主-細菌相互作用を最適化することにより、高尿酸血症を局所的に治療し尿酸塩の血中濃度を低下させることができる。さらに具体的に、その治療は、2つの病態生理学的経路:(1)キサンチンオキシダーゼを阻害することによる尿酸の過剰生成を減少する経路および(2)尿酸塩の分解を増加させることによる尿酸塩の排出を増加させる経路を調節する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Burns et al, 2012. Chapter 359. Disorders of purine and pyrimidine metabolism. Harrison's Principles of Internal Medicine, 18e New York, NY: McGraw-Hill
【非特許文献2】Rouf MA and Lomprey RF Jr. 1968. “Degradation of uric acid by certain aerobic bacteria.” J Bacteriol., Sep;96(3): 617-22
【発明の概要】
【0013】
本発明は、血中尿酸塩濃度の低下における使用のための細菌株を含む組成物に関する。
【0014】
一態様では、本発明は、上昇した血清尿酸塩の状態を治療または予防する方法における使用のための複数の微生物を含む組成物であって、腸内細菌のウリカーゼ代謝能を高め、かつキサンチンオキシダーゼ代謝能を低下させる組成物に向けられている。
【0015】
一実施形態において、複数の微生物は複数の細菌株である。具体的な実施形態において、複数の細菌株は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの細菌株と、ウリカーゼ活性を有する少なくとも1つの細菌株を含む。いくつかの実施形態において、複数の細菌株は、食品安全認定(GRAS)ステータスおよび/または安全性適格推定(Qualified Presumption of Safe(QPS))ステータスを有する。さらなる実施形態において、複数の細菌株は、血液から単離される。いくつかの実施形態において、上記キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの細菌株は、キサンチンオキシダーゼを阻害する代謝物を発現する。いくつかの実施形態において、その代謝物はフラボノイドである。さらなる実施形態において、複数の細菌株は、血清尿酸塩レベルの低下に相乗効果を有する。さらなる実施形態において、複数の細菌株は、血清尿酸塩レベルの低下に相乗効果を有する。
【0016】
いくつかの実施形態において、複数の細菌株は、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、バチルス(Bacillus)属、およびラクトバチルス(Lactobacillus)属から選択される。具体的な実施形態において、ビフィドバクテリウム属由来の複数の細菌株は、ビフィドバクテリウム・ブリーブ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、およびビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)から選択される。さらに具体的な実施形態において、ラクトバチルス属由来の複数の細菌株は、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ラムノースス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、およびラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)から選択される。さらに具体的な実施形態において、バチルス属由来の複数の細菌株は、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)から選択される。
【0017】
別の実施形態において、複数の微生物は複数の真菌株である。いくつかの実施形態において、複数の真菌株は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの真菌株と、ウリカーゼ活性を有する少なくとも1つの真菌株を含む。好ましくは、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの真菌株は、キサンチンオキシダーゼを阻害する代謝物を発現する。いくつかの実施形態において、代謝物はフェノール類(phenolics)およびその酸化誘導体である。より具体的な実施形態において、少なくとも1つの真菌株は、種、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)およびM.ダージリンゲンシス(M.darjeelingensis)から選択される。
【0018】
別の実施形態において、複数の微生物は複数の酵母株である。いくつかの実施形態において、複数の酵母株は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの酵母株と、ウリカーゼ活性を有する少なくとも1つの酵母株を含む。好ましくは、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの酵母株は、キサンチンオキシダーゼを阻害する代謝物を発現する。いくつかの実施形態において、代謝物はフェノール類(phenolics)およびその酸化誘導体である。
【0019】
別の実施形態において、複数の微生物は、少なくとも1つの細菌株および/または少なくとも1つの真菌株および/または少なくとも1つの酵母株の組み合わせを含む。具体的な実施形態において、少なくとも1つの細菌株および/または少なくとも1つの酵母株および/または少なくとも1つの真菌株は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を示し、かつ少なくとも1つの細菌株および/または少なくとも1つの酵母株および/または少なくとも1つの真菌株は、ウリカーゼ活性を示す。好ましくは、少なくとも1つの細菌株および/または少なくとも1つの酵母株および/または少なくとも1つの真菌株は、キサンチンオキシダーゼを阻害する代謝物を発現する。複数の微生物がキサンチンオキシダーゼを阻害する代謝物を発現する少なくとも1つの細胞株を含む場合、いくつかの実施形態において、代謝物はフラボノイドである。
【0020】
いくつかの実施形態において、組成物は、微量栄養素、アミノ酸、プレバイオティクス、食品、食品添加物、栄養補助食品、またはメディカルフードなどの1つまたは複数の添加剤と、共製剤化され、および/または併用投与される。
【0021】
いくつかの実施形態において、組成物は、1つまたは複数の微量栄養素と、共製剤化され、および/または併用投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、1つまたは複数の微量元素と、共製剤化され、および/または併用投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、1つまたは複数のアミノ酸と、共製剤化され、および/または併用投与される。いくつかの実施形態において、組成物は、1つまたは複数のプレバイオティクスと、共製剤化され、および/または併用投与される。
【0022】
いくつかの実施形態において、組成物は、さらなる薬剤、例えば治療剤および/または療法と組み合わせて、共製剤化され、および/または併用投与される。
【0023】
別の態様では、本発明は、医薬組成物または栄養補助組成物の形態の本発明に係る組成物に向けられている。
【0024】
さらなる態様では、本発明は、上昇した血清尿酸塩の状態を治療または予防する方法における使用のための、規定されたようにDSMZに寄託された、種、ラクトバチルスの新規な株に向けられている。いくつかの実施形態において、株は、腸内微生物叢のウリカーゼ代謝能を高め、腸内微生物叢のキサンチンオキシダーゼ代謝能力を低下させる。
【0025】
さらなる実施形態において、上昇した血清尿酸塩の状態は、心臓血管疾患、メタボリック・シンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)など)、慢性腎臓病、痛風、インスリン耐性、高血圧、高尿酸血症、脂質異常症、腎不全、肥満、前糖尿病および糖尿病から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施例2に詳細に説明されるように、対応する細菌株を酵素アッセイAmplex(登録商標)Red キサンチン/キサンチンオキシダーゼアッセイキット(カタログ番号A22182、モレキュラープローブ社)に付した後の蛍光(530±12.5nmでの励起および590±17.5nmでの蛍光検出を用いる蛍光単位で測定された)を示す。細菌株の略号の使用については表1参照。ビフィドバクテリウム・ブリーブ株ATCC 15701を陽性対照として使用し、ビフィドバクテリウム・アニマルズ(BB12(登録商標))を陰性対照として使用した。
【
図2】実施例3に詳細に説明されるように、対応する細菌株を酵素アッセイAmplex(登録商標)Red 尿酸/ウリカーゼアッセイキット(カタログ番号A22181、モレキュラープローブ社)に付した後の蛍光(530±12.5nmでの励起および590±17.5nmでの蛍光検出を用いる蛍光単位で測定された)を示す。細菌株の略号の使用については表1参照。20mM H
2O
2溶液を陽性対照として使用し、0mMウリカーゼ溶液を陰性対照として使用した。
【
図3】実施例5に詳細に説明されるように、0%および2%尿酸が溶解した培地で増殖された細菌株ラクトバチルス・カゼイ(BEO#109)を酵素アッセイAmplex(登録商標)Red 尿酸/ウリカーゼアッセイキット(カタログ番号A22181、モレキュラープローブ社)に付した後の蛍光(530±12.5nmでの励起および590±17.5nmでの蛍光検出を用いる蛍光単位で測定された)を示す。
【
図4】実施例6に詳細に説明されるように、対応する細菌株を酵素アッセイAmplex(登録商標)Red キサンチン/キサンチンオキシダーゼアッセイキット(カタログ番号A22182、モレキュラープローブ社)に付した後の種々の時点での蛍光(530±12.5nmでの励起および590±17.5nmでの蛍光検出を用いる蛍光単位で測定された)を示す。細菌株の略号の使用については表1参照。ビフィドバクテリウム・ブリーブ株ATCC 15701を陽性対照として使用し、ビフィドバクテリウム・アニマルズ(BB12(登録商標))を陰性対照として使用した。
【
図5】実施例7に詳細に説明されるように、対応する細菌株を酵素アッセイAmplex(登録商標)Red 尿酸/ウリカーゼアッセイキット(カタログ番号A22181、モレキュラープローブ社)に付した後の種々の時点での蛍光(530±12.5nmでの励起および590±17.5nmでの蛍光検出を用いる蛍光単位で測定された)を示す。細菌株の略号の使用については表1参照。20mM H
2O
2溶液を陽性対照として使用し、0mMウリカーゼ溶液を陰性対照として使用した。
【
図6】実施例7に詳細に説明されるように、対応する細菌株を酵素アッセイAmplex(登録商標)Red 尿酸/ウリカーゼアッセイキット(カタログ番号A22181、モレキュラープローブ社)に付した後の種々の時点での蛍光(530±12.5nmでの励起および590±17.5nmでの蛍光検出を用いる蛍光単位で測定された)を示す。細菌株の略号の使用については表1参照。20mM H
2O
2溶液を陽性対照として使用し、0mMウリカーゼ溶液を陰性対照として使用した。
【
図7】単一のまたは組み合わせの試験物による治療への応答におけるマウスの血清尿酸値の統計学的に有意な低下を示す。アロプリノールを参照物として使用した(x-軸:対照(A)、アロプリノール(B)および試験物、すなわち単一株#104(C)、#110(D)、#227、および株の組み合わせ#110および#227(F);y-軸:尿酸(UA)単位/ml、1単位は10μmol/Lに相当;正常な生理的範囲は40~65μmol/Lにある)。
【
図8】単一株の投与と比較して、マウス血清尿酸値の低下に対する、株#110および#227の組み合わせを投与することの、統計学的に有意な追加の効果を示す(x-軸:単一株#110、#227(E)、および株の組み合わせ#110および#227;y-軸:尿酸(UA)単位/ml、1単位は10μmol/Lに相当;正常な生理的範囲は40~65μmol/Lにある)。
【
図9】アロプリノールによる標準的な薬物治療(黒塗り四角)と比較して、株#110および#227の組み合わせによる細菌治療(黒塗り丸)の効果を示す。株の組み合わせ#110/#227で治療した群は、23時間治療サイクルを超えて40~65mmol/Lの正常範囲内の血清尿酸塩濃度を維持したことが観察された一方、アロプリノール治療対照群については、正常範囲外の血清尿酸塩の大きな変動が観察された(x-軸:時間(時)、y-軸:血清尿酸塩濃度(μmol/L))。
【発明を実施するための形態】
【0027】
特段の指摘がない限り次の定義を適用する。
【0028】
本発明に関して使用される場合、用語「微生物」は、単細胞生物を指し、原核生物、例えば細菌、および真核生物(例えば真菌、酵母)を含む。用語、細菌は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方を含み、ビフィドバクテリウム属、バチルス属、およびラクトバチルス属由来の株、例えば種、ビフィドバクテリウム・ブリーブ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、バチルス・ズブチリス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ラムノースス、ラクトバチルス・ブルガリクス、ラクトバチルス・ファーメンタム、およびラクトバチルス・カゼイ由来の株を含むが、それらに限定されるものではない。1つまたは複数の好適な微生物の選択は、当業者の知識の範囲にある。
【0029】
用語「株」は、純粋な単離された培養物の子孫、およびコンタミネーションなしでそれから培養することのできる承継する系統を指す。株は、他の微生物とは表現型的にあるいは遺伝型的に区別可能な微生物の亜変種である。
【0030】
本明細書において使用される場合、用語「高尿酸血症」は、異常に高濃度の血中尿酸塩または尿酸の特性を示す。高尿酸血症は、心臓血管疾患、メタボリック・シンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)など)、慢性腎臓病、痛風、インスリン耐性、高血圧、脂質異常症、腎不全、肥満、前糖尿病および糖尿病、特に2型糖尿病などの多数の疾患および状態と関連付けられる。
【0031】
用語「微量栄養素」は、例えば、ビタミンおよび微量元素を含む。ビタミンは、体内で合成されない有機物質であり、正常な代謝に必要である。ビタミンは水溶性のものと脂溶性のものに分けられ、補酵素機能を有するものと有さないものに分けられる。本発明における使用のための典型的なビタミンとしては、ビタミンB2、ビタミンB9、ビタミンCが挙げられるが、これらに限定されるものではない。微量元素は、体内に非常に僅かな量で存在する金属である。微量元素は、正常な代謝機能に不可欠であり、典型的には酵素の補因子であるか、または特定の酵素の構造の欠くことのできない部分である。本発明における使用のための典型的な微量元素としては、亜鉛、マンガン、鉄、銅、モリブデン、塩素、ニッケル、ホウ素が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
用語「アミノ酸」は、20種類の標準アミノ酸、すなわちグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、チロシン、システイン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、それらの単一の立体異性体、およびそれらのラセミ混合物のいずれかを指す。用語「アミノ酸」はまた、既知の非標準アミノ酸、例えば4-ヒドロキシプロリン、ε-N,N,N-トリメチルリジン、3-メチルヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、O-ホスホセリン、γ-カルボキシグルタメート、γ-N-アセチルリジン、ω-N-メチルアルギニン、N-アセチリセリン、N,N,N-トリメチルアラニン、N-ホルミルメチオニン、γ-アミノブチル酸、ヒスタミン、ドーパミン、チロキシン、シトルリン、オルニチン、β-シアノアラニン、ホモシステイン、アザセリン、およびS-アデノシルメチオニンも指す。いくつかの実施形態において、アミノ酸は、グルタミン酸、グルタミン、リジン、チロシンまたはバリンである。いくつかの実施形態において、アミノ酸は、アルギニンおよびシトルリンである。
【0033】
用語「プレバイオティクス」は、組成物および/または胃腸の微生物叢の活性に特定の変化を生じさせ、それにより宿主の健康に利益を与える選択的に発酵された成分に用いられる。用語「プレバイオティクス」としては、フルクトオリゴ糖(FOS)、イヌリン、ガラクトオリゴ糖(GOS)、難消化性デンプン、ペクチン、ベータ-グルカン、およびキシロオリゴ糖が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
用語医薬組成物は、本発明の組成物を、薬学的に許容され得る賦形剤と共に含む投与形態を指す。
【0035】
用語「栄養補助組成物」は、本発明の組成物を、食品、食品添加物、栄養補助食品、またはメディカルフードと共に含む投与形態を指す。
【0036】
用語「食品」は、哺乳類、例えば動物またはヒトによる摂取を目的とした、任意の、加工、半加工、または未加工物質を指す。医薬品としてのみを目的とする物質は含まない。本発明において使用される場合、用語「食品添加物」は、食品を製造する過程において、または食品を加工するもしくは保存する目的で、食品に加えられる、食品と混合される、食品に浸透される添加物、例えば、水結合剤、ゲル化剤、増粘剤、抗酸化剤、色素、風味増強剤、酸味料および甘味料(E(欧州)番号が割り当てられている添加剤を含む)を指す。
【0037】
用語「栄養補助食品」は、本発明の組成物を、ハーブまたは他のボタニカル;代謝物、抽出物など、普通の食事を補完することを目的とする栄養物質、または栄養学的効果または生理学的効果を有する物質と共に含む、投与形態を指す。
【0038】
用語「メディカルフード」は、本発明の組成物を、医学的に訓練された人々の監督下で投与されるべき、障害または疾患の食事管理を意図する食品と共に含む、投与形態を指す。メディカルフードは、典型的には、とりわけ、連邦食品・医薬品・化粧品法の規制上の要件、および欧州食品安全機関による「特別医療目的用食品(foods for special medical purposes)」向けに設定されている規制上の要件などの規制上の要件を満たす。メディカルフードは、通常、特別に加工または製剤化され、そして医薬的監督下で使用されることが意図される。メディカルフードとしては、経口補水製品、栄養学的に不完全な製品、栄養学的に完全な製品および代謝性疾患用製品などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
本明細書において使用される場合、用語「共製剤化(co-formulation)」は、単一の医薬組成物または単一の栄養補助組成物を形成するために、本発明の組成物を1つまたは複数の添加剤と組み合わせることを指す。共製剤化は、したがって、同時投与を対象としている。
【0040】
本明細書において使用される場合、用語「併用投与(co-administration)」は、本発明の組成物の1つまたは複数の添加剤との併用投与を指す。用語「併用」は、同時投与および連続投与(順番は無関係)の両方を指す。
【0041】
略語「CFU」は、単位「コロニー形成単位」を指し、一般に微生物学において、所与のサンプルにおける微生物、例えば細菌株の生存細胞の数を見積もるために使用される。CFU数の決定は、典型的には、任意の初期希釈後、ペトリ皿上の微生物、例えば細菌株のコロニー数の少なくとも一部を計数し、この数に基づき、所与のサンプルにおける生存細胞の総数を概算することを伴う。
【0042】
酵素代謝能は、酵素の基質の少なくとも1つを対応する産物の少なくとも1つに変換するための能力に相当し、例えば、所与の期間に対応する産物の少なくとも1つに変換される少なくとも1つの基質の分子数として定義することができる。酵素代謝能は、多くの他の因子の中でも、存在する酵素の量、存在する酵素またはアイソザイムの活性および酵素の活性化因子および/または阻害剤の存在および/または不存在により影響される。
【0043】
第1の態様では、本発明は、上昇した血清尿酸塩の状態を治療または予防する方法における使用のための複数の微生物を含む組成物であって、腸内細菌叢のウリカーゼ代謝能を高め、かつキサンチンオキシダーゼ代謝能を低下させる組成物に向けられている。
【0044】
特定の実施形態において、組成物は、腸内細菌叢のウリカーゼ代謝能を高め、キサンチンオキシダーゼ代謝能を低下させる。
【0045】
一実施形態において、複数の微生物は複数の細菌株である。具体的な実施形態において、複数の細菌株は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの細菌株と、ウリカーゼ活性を示す少なくとも1つの細菌株を含む。好ましくは、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの細菌株は、キサンチンオキシダーゼを阻害する代謝物を発現する。いくつかの実施形態において、代謝物はフラボノイドである。
【0046】
さらなる実施形態において、腸内細菌叢のウリカーゼ代謝能は、尿酸の存在下で増強される。いくつかの実施形態において、増強は尿酸の存在下におけるウリカーゼの発現の誘導による。好ましい実施形態において、この増強は、2~10倍、特に3~8倍に達する。
【0047】
尿酸存在下での腸内細菌叢のウリカーゼ代謝能の増強は、ウリカーゼ代謝能が尿酸の非存在下では最小限に抑えられ、したがって、尿酸の非存在下では望ましくない副作用が最小限に抑えられることを意味するため有利であり、安全性の強化と関連付けられる。典型的には、採用する細菌は、欧州食品安全機関(EFSA)によるQPS(安全性適格推定)ステータスおよび/またはFDAによるGRAS(食品安全認定)ステータスを付与されている。
【0048】
より具体的な実施形態において、複数の細菌株は、ビフィドバクテリウム属、バチルス属、およびラクトバチルス属から選択される。
【0049】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の組成物は、種、ビフィドバクテリウム・ブリーブ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、バチルス・ズブチリス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・プランタラムから選択される1つまたは複数の細菌株、および他の細菌種の株を含む、腸内細菌または食品由来の細菌の1つまたは数個の他の株を含む。
【0050】
他の好ましい実施形態において、ビフィドバクテリウム属からの複数の細菌株は、種、ビフィドバクテリウム・ブリーブ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス、およびビフィドバクテリウム・ビフィダム、特に種ビフィドバクテリウム・ブリーブ ATCC 15701から選択される。
【0051】
他の好ましい実施形態において、ラクトバチルス属からの複数の細菌株は、種、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ラムノースス、ラクトバチルス・ブルガリクス、ラクトバチルス・ファーメンタム、およびラクトバチルス・カゼイ、好ましくは2020年7月14日にDSMZ(国際寄託当局:ドイッチェ ザムルング フォン ミクロオルガニズメン ウント ツェルクルトゥレン ゲーエムベーハー、ドイツ連邦共和国、38124 ブラウンシュヴァイク、インホッフェンシュトラーセ、7ベー)に寄託された株、DSM 33579、DSM 33580、DSM 33581から選択される。
【0052】
他の好ましい実施形態において、バチルス属からの複数の細菌株は、種、バチルス・ズブチリスから選択される。
【0053】
典型的には、細菌株は食品から単離される。それらは、液体、凍結または乾燥形態であり得る。
【0054】
別の実施形態において、複数の微生物は複数の真菌株である。いくつかの実施形態において、複数の真菌株は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの真菌株と、ウリカーゼ活性を有する少なくとも1つの真菌株を含む。好ましくは、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの真菌株は、キサンチンオキシダーゼを阻害する代謝物を発現する。
【0055】
別の実施形態において、複数の微生物は複数の酵母株である。いくつかの実施形態において、複数の酵母株は、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの酵母株と、ウリカーゼ活性を有する少なくとも1つの酵母株を含む。好ましくは、キサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する少なくとも1つの酵母株は、キサンチンオキシダーゼを阻害する代謝物を発現する。
【0056】
いくつかの実施形態において、代謝物はフェノール化合物および/またはその酸化誘導体である。
【0057】
いくつかの実施形態において、複数の微生物は、少なくとも1つの細菌株および少なくとも1つの真菌株の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、複数の微生物は、少なくとも1つの細菌株および少なくとも1つの酵母株の組み合わせを含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、代謝物はフェノール化合物および/またはその酸化誘導体である。
【0059】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、医薬組成物または栄養補助組成物の形態であり得る。
【0060】
好適な投与形態としては、タブレット、丸薬、粉末、トローチ(lozenge)、小袋、カプセル(cachet)、エリキシル剤、懸濁液、乳液、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒体中で)、例えば活性成分を最大10重量%含有する軟膏、軟カプセル、硬カプセル、ジェルカプセル、タブレット、座薬、溶液、または包装した粉末などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の投与形態を製剤化するために好適な薬学的に許容され得る賦形剤としては、崩壊剤、希釈剤、可塑剤、結合剤、流動促進剤、滑沢剤、甘味料、香味剤、凝固防止剤、抗微生物剤、消泡剤、乳化剤、界面活性剤、緩衝剤および着色剤などまたはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
いくつかの実施形態において、組成物は、微量栄養素、アミノ酸、プレバイオティクス、食品、食品添加物、栄養補助食品、またはメディカルフードなどの1つまたは複数の添加剤と、共製剤化され、および/または併用投与される。いくつかの実施形態において、本発明の組成物、特に本発明の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、1つまたは複数の微量栄養素と、具体的には1つまたは複数のビタミンおよび/または1つまたは複数の微量元素と、共製剤化され、および/または併用投与されてもよい。いくつかの実施形態において、本発明の組成物、特に本発明の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、1つまたは複数のビタミン、好ましくはビタミンB2、ビタミンB9およびビタミンCから選択されるビタミンと、共製剤化され、および/または併用投与されてもよい。いくつかの実施形態において、本発明の組成物、特に本発明の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、1つまたは複数の、亜鉛、マンガン、鉄、銅、モリブデン、塩素、ニッケルおよびホウ素などの微量元素と、共製剤化され、および/または併用投与されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物、特に本発明の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、1つまたは複数のアミノ酸と、共製剤化され、および/または併用投与されてもよい。いくつかの実施形態において、本発明の組成物、特に本発明の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、1つまたは複数の、アルギニンおよび/またはシトルリンなどのアミノ酸と、共製剤化され、および/または併用投与されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物、特に本発明の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、1つまたは複数のプレバイオティクスと、好ましくはフルクトオリゴ糖(FOS)、イヌリン、ガラクトオリゴ糖(GOS)、難消化性デンプン、ペクチン、ベータ-グルカン、およびキシロオリゴ糖から選択されるプレバイオティクスと、共製剤化され、および/または併用投与されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、さらなる薬剤、例えば治療剤と、共製剤化され、および/または(組み合わせてまたは別々に、連続的または同時に)併用投与されてもよい。さらなる薬剤、例えば治療剤は、複数の微生物に加えて使用される薬剤を意味する。さらなる治療剤として使用され得る好適な薬剤としては、
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、コルヒチン、経口コルチコステロイドなどの痛風を治療するための既知の化合物、および/または
・アロプリノール、フェブキソスタット、プロベネシド、ペグロティカーゼ、ベンズブロマロン、スルフィンピラゾン、および/または
・サイアザイド系利尿剤、ベータ遮断薬、アンジオテンシンII受容体阻害剤、カルシウムチャネル阻害剤、レニン阻害剤またはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤などの、高血圧および慢性腎臓疾患の治療に使用される化合物、および/または
・スタチン、フィブラート系薬剤、ナイアシン、胆汁酸抑制薬およびコレステロール吸収阻害剤などの脂質異常症の治療に使用される化合物
などが挙げられるが、これらに限定されるものでもない。
【0065】
他の実施形態において、本発明の組成物は、さらなる療法と組み合わせて投与されてもよい。
【0066】
本発明の組成物は、正常範囲内の尿酸塩の血中濃度を有する対象に対して、ならびに正常範囲よりも高い尿酸塩の血中濃度を有する対象に対しても、問題となる対象に対して血中の尿酸塩濃度の上昇を治療または予防するために使用されてもよい。
【0067】
具体的な実施形態において、本発明の組成物は、心臓血管疾患、メタボリック・シンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)など)、慢性腎臓病、痛風、インスリン耐性、高血圧、高尿酸血症、脂質異常症、腎不全、肥満、前糖尿病および糖尿病と診断されたか、または心臓血管疾患、メタボリック・シンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)など)、慢性腎臓病、痛風、インスリン耐性、高血圧、高尿酸血症、脂質異常症、腎不全、肥満、前糖尿病および糖尿病を患う患者および/または対象の血中の尿酸塩濃度の上昇のリスクを治療する、予防するまたは低下させるために使用されてもよい。
【0068】
さらなる実施態様において、さらなる薬剤、例えば治療剤と、共製剤化され、および/または(組み合わせてまたは別々に、連続的または同時に)併用投与される本発明の組成物は、心臓血管疾患、メタボリック・シンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)など)、慢性腎臓病、痛風、インスリン耐性、高血圧、高尿酸血症、脂質異常症、腎不全、肥満、前糖尿病および糖尿病と診断されたか、または心臓血管疾患、メタボリック・シンドローム、非アルコール性脂肪肝疾患(非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)など)、慢性腎臓病、痛風、インスリン耐性、高血圧、高尿酸血症、脂質異常症、腎不全、肥満、前糖尿病および糖尿病を患う患者および/または対象の血中の尿酸塩濃度の上昇のリスクを治療する、予防するまたは低下させるために使用されてもよい。
【0069】
本発明の血中における尿酸塩濃度の低下における使用のための組成物は、1×106CFU/日以上の濃度で投与されてもよい。好ましい濃度は、少なくとも1×109CFU/日、少なくとも1×1010CFU/日、少なくとも1×1011CFU/日、少なくとも1×1012CFU/日、少なくとも1×1013CFU/日、少なくとも1×1014CFU/日、少なくとも1×1015CFU/日である。
【実施例】
【0070】
材料および方法
本発明の尿酸塩低下効果は、血液サンプル、尿サンプルまたは唾液サンプル中の尿酸塩濃度を測定することにより評価することができる。分析は、試験スティックによる家庭用分析の形態であってもよい(BerkeleyFit唾液試験)。
【0071】
MRSは、De Man、RogosaおよびSharpe寒天培地を指す。MRSはシグマ-アルドリッチから商業的に入手可能なものとして使用され、メーカーの取扱説明書にしたがい使用された。BHIは、ブレインハートインフュージョン培地を指す。BHIは、シグマ-アルドリッチから商業的に入手可能なものとして使用され、メーカーの取扱説明書にしたがい使用された。アネロカルトは試薬アネロカルトを指し、それはミリポアから商業的に入手可能なものとして、メーカーの取扱説明書にしたがい使用された。生理食塩水は、塩化ナトリウム水溶液を指し、シグマ-アルドリッチから入手したものを使用した。
【0072】
表1は、個々の細菌株に対して使用した略称を示す。
【表1】
【0073】
実施例1.スクリーニングのための細菌の培養
以下の条件下、ディープウェルプレートで1mlで株を前培養した(表2)。
【表2】
【0074】
5%のシステイン溶液を新しく調製し、フィルター滅菌し、その後、接種前に培地に加えた。
【0075】
グリセロールストックを、120μlの成長培養物と40μlの60%滅菌グリセロール溶液とを混合することによりマイクロタイタープレートにおいて調製した。得られたグリセロールストックを-80℃で保管した。
【0076】
実施例2.キサンチンオキシダーゼ阻害
細菌株を、それらのキサンチンオキシダーゼ触媒活性を阻害する能力について評価した。アッセイ前に、グリセロールストック(実施例1)からの100分の1容量を、適切な培地を含有するマイクロタイタープレートに加えた(概説を参照)。異なる種に対する培養条件(時間、温度、培地、条件)は、表2に示されているように選択された。細菌株の増殖は、蛍光測定のために収穫する前に目視検査にて評価した。培養後、100μlの個々の種を含む個々の培地を新しいマイクロタイタープレートに移し、酵素活性アッセイに使用した。
【0077】
酵素アッセイ、Amplex(登録商標)Redキサンチン/キサンチンオキシダーゼアッセイキット;カタログ番号:A22182;モレキュラープローブス社、をメーカーの取扱説明書にしたがい使用した。蛍光読み出しは530±12.5nmでの励起と590±17.5nmでの蛍光検出とを用いて60分後に決定した。ビフィドバクテリウム・ブリーブ株ATCC 15701を陽性対照として使用し、そしてビフィドバクテリウム・アニマルズ(BB12(登録商標))を陰性対照として使用した。
【0078】
図1は、観察された蛍光を示し、個々の細菌株によるキサンチンオキシダーゼ活性の阻害を示す。
【0079】
実施例3.細菌ウリカーゼ活性
細菌株をウリカーゼ触媒活性について評価した。アッセイ前に、グリセロールストック(実施例1)からの100分の1容量を、適切な培地を含有するマイクロタイタープレートに加えた(概説を参照)。培養条件(時間、温度、培地、好気または嫌気)は種に依存し、表1に見ることができる。尿酸は、培地に2%に溶解し、その培地をフィルター滅菌した(したがって、尿酸は培養の際すぐに培地中に存在する)。細菌株の増殖は、蛍光測定のために収穫する前に目視検査(培地の粘度のレベル)にて評価した。培養後、100μlの個々の種を含む個々の培地を新しいマイクロタイタープレートに移し、酵素活性アッセイに使用した。
【0080】
酵素アッセイ、Amplex(登録商標)Red尿酸/ウリカーゼアッセイキット;カタログ番号:A22181;モレキュラープローブス社、をメーカーの取扱説明書にしたがい使用した。蛍光読み出しは530±12.5nmでの励起と590±17.5nmでの蛍光検出とを用いて30分後に決定した。20mMのH2O2溶液を陽性対照として使用し、そして0mMのウリカーゼ溶液を陰性対照として使用した。
【0081】
図2は、観察された蛍光を示し、個々の細菌株によるウリカーゼ活性の増強を示す。
【0082】
実施例4.細菌活性
表1に挙げた株の活性を、実施例2および3に記載したように、陽性対照の最大蛍光のパーセンテージとして決定した(ビフィドバクテリウム・ブリーブ株ATCC 15701を実施例2によるスクリーンに対して陽性対照として使用し、20mMのH2O2溶液を実施例3によるスクリーンに対して陽性対照として使用した)。その後、株をそれらの種にしたがい分類し、各種に属する全ての株の平均活性を計算した。表3および4は、各種の平均キサンチンオキシダーゼ阻害活性および平均ウリカーゼ阻害活性をそれぞれ示す。平均阻害活性は、低(陽性対照の5~30%)、中(陽性対照の25~75%)および高(陽性対照の50~100%)として分類した。
【0083】
【0084】
【0085】
実施例5.尿酸によるウリカーゼ活性の誘導
細菌株ラクトバチルス・カゼイ(BEO#109)を実施例1に記載された条件にしたがい培養した。0%~2%の尿酸を培地に溶解し、フィルター滅菌した(したがって培養の際すぐに培地中に存在する)。細菌株の増殖は、蛍光測定のために収穫する前に目視検査にて評価した。培養後、100μlを酵素活性測定のために新しいマイクロタイタープレートに移した。
【0086】
酵素アッセイ(Amplex(登録商標)Red尿酸/ウリカーゼアッセイキット;カタログ番号:A22181;モレキュラープローブス社)をメーカーの取扱説明書にしたがい使用した。蛍光読み出しは530±12.5nmでの励起と590±17.5nmでの蛍光検出とを用いて60分後に決定した。
【0087】
図3は、観察された蛍光を示し、尿酸の増殖培地への添加によるウリカーゼ活性の誘導を示す。
【0088】
実施例6.キサンチンオキシダーゼ阻害が微生物増殖と関連付けられる
この実験は、実施例2に記載したように行った。蛍光読み出しは、0~72分まで6分ごとに測定した。
【0089】
酵素アッセイ、Amplex(登録商標)Redキサンチン/キサンチンオキシダーゼアッセイキット;カタログ番号:A22182;モレキュラープローブス社、をメーカーの取扱説明書にしたがい使用した。蛍光読み出しは530±12.5nmでの励起と590±17.5nmでの蛍光検出とを用いて決定した。ビフィドバクテリウム・ブリーブ株ATCC 15701を陽性対照として使用し、そしてビフィドバクテリウム・アニマルズ(BB12(登録商標))を陰性対照として使用した。
【0090】
【0091】
実施例7.ウリカーゼ活性が微生物増殖と関連付けられる
この実験は、実施例3に記載したように行った。蛍光読み出しは、0~30分まで6分ごとに測定した。
【0092】
酵素アッセイ、Amplex(登録商標)Red尿酸/ウリカーゼアッセイキット;カタログ番号:A22181;モレキュラープローブス社、をメーカーの取扱説明書にしたがい使用した。蛍光読み出しは530±12.5nmでの励起と590±17.5nmでの蛍光検出とを用いて決定した。20mMのH2O2溶液を陽性対照として使用し、そして0mMのウリカーゼ溶液を陰性対照として使用した。
【0093】
【0094】
実施例8.上清によるキサンチンオキシダーゼ阻害
細菌株ラクトバチルス・プランタラム(BEO#227)をこの実験において使用した。実験は、個々の細菌株の培養後、上清を遠心分離(3000rpm、10分、温度4℃)により単離した以外は、実施例2に記載されたように行った。そして、全細胞(WC)と上清(SUP)の同量を、実施例2に使用されたものと同じアッセイに使用した。蛍光を0、25、45、60、90および110分後に測定した。
【0095】
酵素アッセイ、Amplex(登録商標)Redキサンチン/キサンチンオキシダーゼアッセイキット;カタログ番号:A22182;モレキュラープローブス社、をメーカーの取扱説明書にしたがい使用した。蛍光読み出しは530±12.5nmでの励起と590±17.5nmでの蛍光検出とを用いて決定した。
【0096】
図6は、全血(WC)および上清(SUP)について個々の時点で観察された蛍光を示す。
【0097】
実施例9.高尿酸血症マウスモデル
6~10週齢のマウスを、試験物に対して1.0×108~1010CFUを用いて、次のように無作為に10匹の群に分ける。
1)対照群
2)アロプリノール治療群
3)微生物治療群1:試験物は細菌株BEO#104
4)微生物治療群2:試験物は細菌株BEO#110
5)微生物治療群4:試験物は細菌株BEO#227
6)微生物治療群6:試験物は細菌株BEO#110+BEO#2227の混合物
【0098】
対照群は、正常食(研究用飼料および水を自由に(ad libitum))で養い、1日1回、胃内投与により生理食塩水(0.5ml、塩化ナトリウム水溶液)で処置する。他の群は、高プリン体食(研究用高プリン体飼料および水を自由に)で養い、1日1回、オキソン酸カリウム300mg/kgの腹腔内注射を投与される。微生物治療群は、毎日おおよそ1.0×109CFU/日で胃内投与により治療される。試験された株は全て、QPSステータスを有し、それらは実験室条件下で生産および処方された。
【0099】
マウスは、実験における動物の平均体重を決定および群の構成のために、-1日目に重さを量る。群は、ケージの影響を避けるために、ケージ内で混合される(別個のケージにいるグループ1以外)。疾患は、オキソン酸塩(300mg/kg)の腹腔内注射により0日目に誘導される。
【0100】
血清は、1週間に1回および実験の終了時に回収される。0日目に、血清を試験物の投与後6時間に回収し;7日目に、血清を試験物の投与後4時間に回収し;14日目に、血清を試験物の投与後4時間と、マウスを犠牲死させた試験物の投与後23時間に回収した。回収された血液を遠心分離し、血漿を分離し、さらなる分析まで凍結させる。血清を尿酸濃度について分析する。株の組み合わせBEO#110+BEO#227は、血清尿酸塩濃度の有益な低下効果、すなわち完全な正常化を示す。
【0101】
実施例10.細菌組成物の製剤
培養した細菌を、3000rpmで4℃、10分間の遠心分離により使用済みの培地から分離した。収穫した細菌を製剤/クリオ緩衝液に再溶解した。製剤/クリオ緩衝液は、25~50mM 緩衝液、10~30%糖から構成される。代替的な製剤は、1~6%アスコルビン酸、アルギニンおよび0.3~1.0mg葉酸などの製剤緩衝液に添加剤を含めることにより試験される。
【0102】
実施例11.酵母および真菌によるキサンチンオキシダーゼ阻害
真菌および酵母は、キサンチンオキシダーゼ触媒活性を阻害するそれらの能力について評価される。アッセイの前に、真菌および酵母は、DSMZにより推奨される条件にしたがい培養される。細菌株の増殖は、目視検査により評価される。培養後、100μlを酵素活性アッセイのための新しいマイクロタイタープレートに移す。
【0103】
酵素アッセイ(Amplex(登録商標)Redキサンチン/キサンチンオキシダーゼアッセイキット;カタログ番号:A22182;モレキュラープローブス社)をメーカーの取扱説明書にしたがい使用した。蛍光読み出しは530±12.5nmでの励起と590±17.5nmでの蛍光検出とを用いて60分後に決定した。
【0104】
実施例12.酵母および真菌のウリカーゼ活性
真菌および酵母は、ウリカーゼ触媒活性について評価される。アッセイの前に、真菌および酵母は、DSMZにより推奨される条件にしたがい培養される。細菌株の増殖は、目視検査により評価される。尿酸を培地に溶解し、フィルター滅菌した(したがって培養の際すぐに培地中に存在する)。細菌株の増殖は、蛍光測定のために収穫する前に目視検査にて評価される。培養後、100μlを酵素活性アッセイのための新しいマイクロタイタープレートに移す。
【0105】
酵素アッセイ(Amplex(登録商標)Red尿酸/ウリカーゼアッセイキット;カタログ番号:A22181;モレキュラープローブス社)をメーカーの取扱説明書にしたがい使用した。蛍光読み出しは530±12.5nmでの励起と590±17.5nmでの蛍光検出とを用いて60分後に決定した。
【国際調査報告】