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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(54)【発明の名称】軸発電機用ロータ支持装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/00 20060101AFI20230816BHJP
【FI】
H02K5/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506483
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 KR2021017135
(87)【国際公開番号】W WO2022124631
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0170620
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518327084
【氏名又は名称】ヒョスン・ヘビー・インダストリーズ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン、ムーン・ハン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュー・ソ
(72)【発明者】
【氏名】ヨ、スン・モ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ウォン・ボン
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605BB01
5H605BB18
5H605CC03
5H605EA03
5H605EB38
(57)【要約】
本発明は、軸発電機用ロータ支持装置である。軸発電機のハウジング(10)に支持ブロック(20)を設けてロータ軸(13)を重力方向に支持することができる。前記支持ブロック(20)の支持面(24)は、機械加工によって寸法を管理することができる。前記支持面(24)に支持された状態のロータ軸(13)をバインダー(30)で取り囲み、重力方向を除いた他の方向への遊動を防止することができる。前記ロータ軸(13)のフランジ(13’)とハウジング(10)とを長手方向支持バー(40)を用いて結合することができる。前記長手方向支持バー(40)によってロータ軸(13)の長手方向への遊動が防止できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸発電機のハウジングの両端から外方に突出したロータ軸を前記ハウジングに対して支持する軸発電機のロータ支持装置であって、
前記ハウジングに設けられる支持片上に位置し、前記ロータ軸が支持される支持面が機械加工されて形成される支持ブロックと、
前記支持ブロックによって支持されたロータ軸における、前記支持ブロックによって支持された面と反対側の外面に密着し、両端が前記支持片に締結されるバインダーと、を含む、軸発電機のロータ支持装置。
【請求項2】
前記支持片には、前記支持ブロックが着座される傾斜部が、前記ハウジングに形成されて前記ロータ軸の貫通する軸管通孔を囲むように備えられる、請求項1に記載の軸発電機のロータ支持装置。
【請求項3】
前記傾斜部は、「V」字状をし、その上面には、前記ロータ軸の曲率半径と対応する曲率半径を有する曲面片が備えられ、前記曲面片と前記曲面片に隣接する傾斜部の表面は、機械加工によって、設計された寸法を有する、請求項2に記載の軸発電機のロータ支持装置。
【請求項4】
前記傾斜部の下面と直交して連結されるように前記ハウジングの表面に補強片がさらに備えられる、請求項3に記載の軸発電機のロータ支持装置。
【請求項5】
前記支持ブロックは、前記曲面片に着座されるように前記曲面片の曲率半径と対応する曲率半径を有する着座面と、前記着座面の反対側に前記ロータ軸が着座されるようにロータ軸の曲率半径と対応する曲率半径を有するように機械加工された支持面を有する、請求項3に記載の軸発電機のロータ支持装置。
【請求項6】
前記支持ブロックはMCナイロン素材で作られる、請求項5に記載の軸発電機のロータ支持装置。
【請求項7】
前記バインダーは、前記支持ブロックに支持される反対側の表面を所定の張力をもって取り囲むバインダーと、前記バインダーの両側に備えられ、前記傾斜部と対向するように設置される締結片と、前記締結片を貫通して前記傾斜部に締結されるボルト及び締結ナットを含む、請求項1に記載の軸発電機のロータ支持装置。
【請求項8】
前記締結片と前記ストラップとの締結力を補強するために、補強片が前記締結片の端部における幅方向の両端に備えられる、請求項7に記載の軸発電機のロータ支持装置。
【請求項9】
前記ハウジングの表面に設けられるバー締結具と、前記ロータ軸に設けられるフランジとの間を締結する長手方向支持バーがさらに備えられる、請求項1~8のいずれか一項に記載の軸発電機のロータ支持装置。
【請求項10】
前記長手方向支持バーは、バー本体と、前記バー本体の一端部に設けられ、外面にねじ部が形成されて前記フランジに締結される第1ねじ部と、前記バー本体の他端部に設けられ、外面にねじ部が形成されて前記バー締結具に締結される第2ねじ部と、を含む、請求項9に記載の軸発電機のロータ支持装置。
【請求項11】
前記第1ねじ部には、前記フランジの両側表面と対応する位置に少なくとも2つのロックナットが設置され、前記第2ねじ部には、前記バー締結具に隣接して少なくとも2つのロックナットが設置される、請求項10に記載の軸発電機のロータ支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸発電機用ロータ支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶などで使用される軸発電機は、ロータを支持するための自己軸受がない。よって、軸発電機を製作して設置位置まで輸送するためには、ロータを一時的に支持して固定する装置が必要である。
【0003】
従来、ロータをステータに対して単純に支持して輸送し、設置する過程でロータとステータとの間のエアギャップを別途調整する作業が必要であった。そのため、軸発電機の設置作業が非常に難しく、多くの時間がかかるという問題点があった。
【0004】
そして、輸送する過程で車両の走行速度の変更に伴う慣性力も考慮してロータとステータとの間の相対移動がないようにすることが必要であるが、従来技術では、このような必要を満たすことができないという問題点があった。
【0005】
また、輸送過程で道路の平坦性に劣って発生する衝撃力に十分耐えなければならないが、従来の装置では、衝撃力に耐えられる構造が提供されないため、衝撃に伴う遊動によってロータとステータの損傷が発生するという問題点もあった。
【0006】
このような従来技術の例として、米国登録特許第9876415号と日本特開2010-156333がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国登録特許第9876415号
【特許文献2】特開2010-156333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、軸発電機のロータをステータに対して正確に固定することが可能な装置を提供することにある。
本発明の目的は、軸発電機のロータをステータに対して固定することが可能な装置を再使用可能にすることにある。
本発明の目的は、軸発電機のロータを空間上の全方向に対してしっかりと固定するようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明は、軸発電機のハウジングの両端から外方に突出したロータ軸を前記ハウジングに対して支持する、軸発電機のロータ支持装置であって、前記ハウジングに設けられる支持片上に位置し、前記ロータ軸が支持される支持面が機械加工されて形成される支持ブロックと、前記支持ブロックによって支持されたロータ軸における、前記支持ブロックによって支持された面とは反対側の外面に密着し、両端が前記支持片に締結されるバインダーと、を含むことができる。
前記支持片には、前記支持ブロックが着座される傾斜部が、前記ハウジングに形成されて前記ロータ軸の貫通する軸管通孔を囲むように設けられてもよい。
前記傾斜部は、「V」字状をし、その上面には、前記ロータ軸の曲率半径と対応する曲率半径を有する曲面片が備えられ、前記曲面片と前記曲面片に隣接する傾斜部の表面は、機械加工によって、設計された寸法を有してもよい。
前記傾斜部の下面と直交して連結されるように前記ハウジングの表面に補強片がさらに備えられてもよい。
前記支持ブロックは、前記曲面片に着座されるように前記曲面片の曲率半径と対応する曲率半径を有する着座面と、前記着座面の反対側に前記ロータ軸が着座されるようにロータ軸の曲率半径と対応する曲率半径を有するように機械加工された支持面と、を有することができる。
前記支持ブロックは、MCナイロン素材で作られてもよい。
前記バインダーは、前記支持ブロックに支持される反対側の表面を所定の張力をもって取り囲むバインダーと、前記バインダーの両側に備えられ、前記傾斜部と対向するように設置される締結片と、前記締結片を貫通して前記傾斜部に締結されるボルト及び締結ナットを含むことができる。
前記締結片と前記ストラップとの締結力を補強するために、補強片が前記締結片の端部における幅方向の両端に備えられてもよい。
前記ハウジングの表面に設けられるバー締結具と、前記ロータ軸に設けられるフランジとの間を締結する長手方向支持バーがさらに備えられてもよい。
前記長手方向支持バーは、バー本体と、前記バー本体の一端部に設けられ、外面にねじ部が形成されて前記フランジに締結される第1ねじ部と、前記バー本体の他端部に設けられ、外面にねじ部が形成されて前記バー締結具に締結される第2ねじ部と、を含むことができる。
前記第1ねじ部には、前記フランジの両側表面と対応する位置に少なくとも2つのロックナットが設置されてもよく、前記第2ねじ部には、前記バー締結具に隣接して少なくとも2つのロックナットが設置されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明による軸発電機用ロータ支持装置では、次の効果の少なくとも1つを有することができる。
本発明では、軸発電機のハウジングに対してロータが正確に支持できるようにするために、ハウジングに固定された支持片に加工された支持面を有する支持ブロックを使用することができる。前記支持ブロックは、少なくともロータ軸が着座される支持面を機械加工によってロータ軸の外面が正確に着座されるようにした。よって、ロータがステータに対して正確なエアギャップを保ちながら、支持された状態で移送及び設置できる。
本発明では、軸発電機のハウジングに対してロータ軸を支持して固定する、支持ブロック、バインダー、長手方向支持バーを全て分離して作業者が回収することができるため、これを追っての軸発電機の移送作業、メンテナンス作業、又は他の軸発電機の移送と設置作業に使用することができるという効果もある。
本発明では、支持ブロックがロータ軸を重力方向に対して支持し、バインダーが重力反対方向へのロータ軸の遊動を防止し、水平方向への遊動を前記支持ブロックとバインダーが協力して行い、ロータ軸の長手方向への遊動を長手方向支持バーが防止することができる。よって、軸発電機のロータがハウジングとステータに対して遊動せずに正確な相対位置を維持しながら移送できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明による軸発電機のロータ支持装置の好適な実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態の構成を示す横断面図である。
図3】本発明の実施形態が適用されたハウジングの一側外面を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態を構成する支持ブロックの斜視図である。
図5】本発明の実施形態を構成するバインダーの構成を示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態を構成するバインダーの構成を示す正面図である。
図7】本発明の実施形態を構成する長手方向支持バーの構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面に基づいて詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面に表示されてもできり限り同一の符号を持つようにしていることに留意すべきである。本発明の実施形態を説明するにあたり、関連する公知の構成又は機能についての具体的な説明が本発明の実施形態についての理解を妨げると判断された場合には、その詳細な説明は省略する。
【0013】
また、本発明の実施形態の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質、順番又は順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、その構成要素は他の構成要素に直接連結又は接続されてもよいが、各構成要素の間に別の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されてもよいと理解されるべきである。
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による軸発電機のロータ支持装置の構成について説明する。
軸発電機の外観をハウジング10が形成することができる。前記ハウジング10は、複数の部品で作られ得る。前記ハウジング10の両側表面に軸管通孔12が形成できる。
【0015】
前記軸管通孔12を介しては、ロータと一体的に回転するロータ軸13が貫通して外部に延びることができる。前記ロータ軸13は、前記ハウジング10の両側表面の軸管通孔12を介して外部に延びることができる。前記ロータ軸13の端部には、軸発電機が連結される回転軸(図示せず)との連結のためのフランジ13’がそれぞれ備えられてもよい。
前記フランジ13’には、前記回転軸にあるフランジ(図示せず)との締結のための締結孔13”が形成されてもよい。前記締結孔13”は、後述する長手方向支持バー40の締結のためにも使用できる。前記締結孔13”は、多数が形成されてもよい。前記締結孔13”は、図1に示すように、多数が前記フランジ13’の縁部を取り囲んで円形の軌跡を成すように形成できる。
【0016】
前記ハウジング10における、前記軸管通孔12の形成された両側表面には、支持片14が設置できる。前記支持片14は、前記ハウジング10に様々な形態で固定できる。例えば、ボルトで前記支持片14がハウジング10に固定されるか、或いは溶接によって固定されることもできる。前記支持片14は、前記ハウジング10の表面に直交して所定の幅だけ突出することができる。
【0017】
前記支持片14における、前記軸管通孔12の下部に対応する部分には、図3に示すように、前記軸管通孔12の一部を囲んで傾斜部16が形成できる。前記傾斜部16は、「V」字状とすることができる。前記傾斜部16は前記支持片14の一部である。前記傾斜部16には締結孔16’が形成できる。前記締結孔16’は、前記傾斜部16の両端を貫通して形成できる。前記傾斜部16の締結孔16’には、後述するバインダー30の締結片34側が締結できる。
【0018】
前記傾斜部16の外面には補強片17がさらに設置できる。前記補強片17は、前記ハウジング10の表面に固定された状態で前記傾斜部16の外面を支持することができる。前記補強片17は前記傾斜部16に直交することができる。したがって、前記補強片17は、前記ハウジング10の一側表面を正面から見たときに、傾斜して延びることができる。前記補強片17は、前記傾斜部16の両側にそれぞれ備えられることができる。前記補強片17は、少なくとも2つが一側傾斜部16を支持することができる。図示された実施形態では、一側の傾斜部16を2つの補強片17が支持している。
【0019】
前記傾斜部16の両側内面を連結するように曲面片18があり得る。前記曲面片18は、前記軸管通孔12の中心を中心に所定の曲率半径を有することができる。前記曲面片18の上面は、機械加工によってその曲率半径が正確に設定できる。前記曲面片18上には、後述する支持ブロック20が着座できる。後述する支持ブロック20は、前記曲面片18の上面にのみ着座されてもよい。前記曲面片18の上面の曲率半径は、エアギャップが保たれた状態で前記ロータ軸13の中心を中心に所定の値を有することができる。
【0020】
図示の実施形態では、前記曲面片18の他にも、前記傾斜部16の上面の一部にも支持ブロック20が着座できる。このために、前記曲面片18の上面の他にも、前記曲面片18の両側端部に隣接する傾斜部16の上面も、機械加工が行われることができる。前記曲面片18と前記傾斜部18に対する機械加工は、前記曲面片18が前記傾斜部16に固定された後に行うことができる。
【0021】
前記傾斜部16の下部を囲む多数のバー締結具19が設置できる。前記バー締結具19は、孔が形成でき、前記孔の内面にはねじ部が形成できる。前記バー締結具19には、後述する長手方向支持バー40の一端部が締結できる。前記バー締結具19は、前記傾斜部16と補強片17に隣接して設置できる。前記バー締結具19は、本実施形態では円柱状に外観が形成できる。
【0022】
前記支持片14には支持ブロック20が着座できる。前記支持ブロック20は、より正確には前記支持片14の傾斜部16に着座できる。前記支持片14の傾斜部16にある曲面片18上に前記支持ブロック20が着座できる。
【0023】
前記支持ブロック20は、合成樹脂材質で作られてもよい。前記支持ブロック20を形成する材質の例として、MCナイロン(Nylon)がある。前記支持ブロック20は、図4によく示されているように、ほぼ逆アーチ状に形成できる。前記支持ブロック20は、横断面が四角形であってもよい。前記支持ブロック20の下端は、着座面22が所定の曲率半径を有する曲面で形成できる。前記着座面22は、前記傾斜部16と曲面片18上に着座できる。
【0024】
前記着座面22とは反対側となる前記支持ブロック20の上端には、支持面24が形成できる。前記支持面24も、所定の曲率半径を有する曲面で形成できる。支持面24の曲率半径は、エアギャップが保たれた状態で前記ロータ軸13の外面の曲率半径と一致することができる。前記支持面24上に前記ロータ軸13が着座できる。
【0025】
前記支持ブロック20の両端部には端面26があり得る。前記端面26は平面からなってもよい。前記支持ブロック20は、先端には前面27があってもよく、後端には背面28があってもよい。前記前面27と背面28はそれぞれ平面からなってもよい。
【0026】
前記支持ブロック20における前記支持面24と着座面22は、機械加工によって寸法管理されてもよい。前記支持面24は、前記ロータ軸13の外面の曲率半径と等しくなるように機械加工によって寸法管理されてもよい。前記着座面22は、その表面が前記傾斜部16と曲面片18との曲率半径と等しくなるように機械加工によって寸法管理され得る。このように、前記支持ブロック20の着座面22と支持面24の表面寸法が機械加工によって管理され、前記傾斜部16に着座された支持ブロック20に前記ロータ軸13が位置すると、ステータとロータとの間のエアギャップが正確に設定できる。
【0027】
前記支持ブロック20の大きさは、前記支持片14の傾斜部16に着座され、前記ロータ軸13を支持することができるように設定できる。前記支持ブロック20の支持面24が前記ロータ軸13を取り囲む程度は、前記ロータ軸13の円弧の半分以下とすることができる。
【0028】
前記支持ブロック20に着座されたロータ軸13の残りの円弧部分を取り囲むように、バインダー30が前記支持片14に固定できる。前記バインダー30は、前記ロータ軸13を取り囲んで前記ハウジング10に固定されるようにすることができる。前記バインダー30はストラップ32を有する。前記ストラップ32は、実質的に前記ロータ軸13を取り囲む部分である。前記ストラップ32は、所定の幅と厚さを有するものであって、例えば、ある程度フレキシブルな特性を有するように厚さが決定できる。前記ストラップ32は金属材質で作られる。前記ストラップ32の材質は、マイルドスチール(mild steel)が使用できる。
【0029】
前記ストラップ32の両端部には締結片34が設けられ得る。前記締結片34は、所定の形状の板であってもよい。前記締結片34は、前記傾斜部16に隣接して位置することができる。前記締結片34が前記傾斜部16に密着しなければ、後述するボルト38と締結ナット38’とを用いて前記ストラップ32がぴんと張るように張力を維持することができる。前記締結片34には貫通孔34’が形成できる。前記貫通孔34’は、前記締結孔16’と対応する寸法及び形状を有することができる。前記締結片34の両端と前記ストラップ32の対応する両端部の幅方向の両端には補強片36が設けられ得る。前記補強片36によって、前記締結片34が前記ストラップ32にさらにしっかりと固定されることができる。
【0030】
前記締結片34の貫通孔34’と前記傾斜部16の締結孔16’とを同時に貫通して締結されるようにボルト38が設けられ、前記ボルト38に締結されて前記傾斜部16の外面に密着する締結ナット38’が設けられ得る。前記ボルト38と締結ナット38’によって前記バインダー30の締結片34が前記支持片14の傾斜部16に隣接して位置することができる。前記締結片34を含む、前記傾斜部16との締結のための構成は、前記ストラップ32の両端にそれぞれ備えられることができる。図面符号39は、引き揚げ輪39であって、バインダー30を持ち上げるときに用いることができる。
【0031】
次に、前記ロータ軸13の長手方向への遊動を防止するための構成について説明する。長手方向支持バー40は、バー本体41の両端に第1ねじ部41’と第2ねじ部41”を有することができる。前記第1ねじ部41’は前記フランジ13’に締結され、前記第2ねじ部41”は前記バー締結具19に締結され得る。前記第1ねじ部41’区間の長さは、前記第2ねじ部41’’区間の長さよりもさらに大きくてもよい。前記第1ねじ部41’には、前記フランジ13’の両側に対応する位置でそれぞれロックナット43が締結できる。前記第2ねじ部41”には、前記バー締結具19の一側に対応する位置でロックナット43が締結できる。よって、前記第1ねじ部41’が形成される区間の長さがさらに長くてもよい。前記ロックナット43は、2つが対をなして使用できる。図面符号42はワッシャを示す。
【0032】
前記長手方向支持バー40のバー本体41は、所定の長さの円柱状をしてもよい。もちろん、前記バー本体41が必ずしも円柱状である必要はない。前記バー本体41は、四角柱などの多角柱状であってもよい。前記ねじ部41’、41”は円柱状をする。前記バー本体41が円柱状ではない場合には、前記フランジ13’の締結孔13”を通過しうる外径を有しなければならない。
【0033】
以下、上述したような構成を持つ本発明による軸発電機のロータ支持装置が使用されることを詳細に説明する。
軸発電機のロータには、専用の軸受がないので、例えば、船舶のエンジンとプロペラとを連結する回転軸に軸発電機のロータ軸13が結合する前まで、ロータを軸発電機のハウジング10に固定する役目をする構成が必要である。この構成を本発明の軸発電機のロータ支持装置が行うことができる。
【0034】
このために、前記ハウジング10に固定された支持片14上に支持ブロック20を設けてロータ軸13を重力方向に支持することができ、前記バインダー30を用いて、前記ロータ軸13が重力方向以外の方向、例えば、重力反対方向又は重力方向に対して直交する方向などに遊動することを防止することができる。
【0035】
前記バインダー30は、前記支持ブロック20に前記ロータ軸13が着座された状態で前記支持片14に締結できる。前記ストラップ32が前記ロータ軸13の外面に着座されるようにした状態で、両端の締結片34の貫通孔34’を貫通したボルト38が前記傾斜部16の締結孔16’を貫通して締結ナット38’と締結される。前記締結ナット38’と前記ボルト38との締結程度を調整することにより、前記ストラップ32が前記ロータ軸13の外面に密着し、前記ストラップ32の両端が前記支持片14の傾斜部16に固定された状態になることができる。このとき、前記ストラップ32は、前記支持ブロック20の支持面24と対向する位置でロータ軸13の表面に密着してロータ軸13の遊動を防止することができる。前記ストラップ32の張力は、前記ボルト38に前記締結ナット38’が締め付けられる程度に応じて調節できる。
【0036】
次に、前記長手方向支持バー40を前記フランジ13’の締結孔13”を貫通して挿入する。前記第2ねじ部41”に2つのロックナット43を組み立て、前記第2ねじ部41”を前記バー締結具19に締結する。前記第2ねじ部41”が前記バー締結具19に締結された状態で、2つのロックナット43を締め付けて第2ねじ部41”の緩みが防止されるようにする。
【0037】
前記第1ねじ部41’にもロックナット43を設けて前記フランジ13’の両側面にワッシャ42を介在した状態で密着するようにすることができる。前記第2ねじ部41”にロックナット43を締結する前に、ロックナット43とワッシャ42を前記フランジ13’の内側の第1ねじ部41’に位置させる。
【0038】
そして、前記フランジ13’の外面にも、前記長手方向支持バー40の第1ねじ部41’に前記ワッシャ42とロックナット43を締結して前記フランジ13’とハウジング10との間に前記長手方向支持バー40がしっかりと固定されるようにする。前記長手方向支持バー40は、前記ハウジング10の一側表面に対して複数個ずつ使用できる。本実施形態では、ハウジング10の一側表面に4つずつの長手方向支持バー40を使用している。
【0039】
図1に示すように、前記ロータ軸13が前記ハウジング10に支持されて固定された状態で移送が行われ、設置位置で回転軸に前記フランジ13’がそれぞれ締結できる。前記回転軸のフランジに隣接しては、前記回転軸を回転可能に支持している軸受があるため、前記軸発電機のロータ軸13が回転軸に連結されたとき、軸発電機のステータとロータとの間にエアギャップが保たれるようにすることができる。参考までに、前記ロータ軸13は、前記回転軸の間で弛みが発生しない程度の寸法を有している。
【0040】
回転軸と前記ロータ軸13とが締結される直前に、長手方向の力が作用しない環境で、長手方向支持バー40は分離されなければならず、回転軸との結合が行われた後に前記支持ブロック20、バインダー30などを分離することができる。前記支持ブロック20は、前記ロータ軸13を軽く持ち上げた状態で分離することができる。前記支持ブロック20の左右の幅は、前記ロータ軸13の直径よりは大きくないので、作業者が容易に分離することができる。前記バインダー30を分離すると、前記ロータ軸13は、ステータとロータとがエアギャップを保った状態で回転可能に回転軸に連結される状態となる。したがって、前記ロータ軸13は、ロータと共に回転することができる。
【0041】
以上で、本発明の実施形態を構成する全ての構成要素が一つに結合するか或いは結合して動作すると説明されたとして、本発明は、必ずしもこれらの実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の目的の範囲内であれば、そのすべての構成要素が一つ以上選択的に結合して動作することもできる。また、以上で記載された「含む」、「構成する」又は「有する」などの用語は、特に反対される記載がない限り、当該構成要素が内在し得ることを意味するものなので、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができると解釈されるべきである。技術的又は科学的な用語を含むすべての用語は、別に定義されない限り、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味がある。辞典に定義された用語のように一般に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈されるべきであり、本発明で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0042】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱することなく多様な修正及び変形が可能であろう。よって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、本発明の技術思想の範囲はこれらの実施形態によって限定されるものではない。本発明の保護範囲は下記の請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0043】
一方、前記長手方向支持バー40は、必ずしも使用する必要はない。例えば、前記ハウジング10とロータ軸13とが別途の構成によって移送車両に固定される場合には、ハウジング10とロータ軸13との相対移動が発生しない可能性があるので、前記長手方向支持バー40を使用しなくてもよい。
【0044】
そして、前記支持ブロック20において、前記着座面22と支持面24を全て機械加工せず、前記支持ブロック20が前記支持片14の傾斜部16に着座された状態で機械加工を介して寸法を合わせると、前記支持ブロック20の支持面24のみの機械加工によってもある程度エアギャップに対する精度を維持することができる。
図示の実施形態において、前記ロックナット43は、2つが一対をなして使用されているが、少なくとも2つが対をなして使用されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】