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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-23
(54)【発明の名称】換気される殺菌ダクトを有する照明
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20230816BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20230816BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230816BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20230816BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20230816BHJP
【FI】
A61L9/20
F24F8/22
F21S2/00 230
F21V33/00 400
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507229
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(85)【翻訳文提出日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 FR2021051403
(87)【国際公開番号】W WO2022023666
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】20/07951
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523032445
【氏名又は名称】イクスクルーズィヴァ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モワイヤン オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ポルトラ エルヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ジケール ギヨーム
【テーマコード(参考)】
3K014
4C180
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB03
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH05
4C180KK05
4C180LL20
4C180MM10
(57)【要約】
本発明は、気体混合物(G)を照明と殺菌するための装置(1)であって、吸入ポート(3)を通じて気体混合物を吸入するように構成された第1換気装置と、排出ポート(5)を通じて気体混合物を排出するように構成された第2換気装置(4)と、吸入ポート(3)と排出ポート(5)とを接続する殺菌管(6)であって該殺菌管(6)に沿って配置された複数の殺菌放射源(7)を備えるとともに各殺菌放射源が殺菌管(6)に吸入された気体混合物(G)を殺菌するための殺菌放射を発するように構成された殺菌管(6)と、殺菌ダクト(6)の外面に殺菌ダクト(6)に沿って配置されて照明放射を発するための複数の照明放射源(8)と、殺菌放射に対して不透明な複数の面を有するハウジング(9)と、を有する装置(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体混合物(G)に光を照射して殺菌するための照明殺菌装置(1)であって、
第1換気装置(2)であって前記第1換気装置の吸入ポート(3)を通じて気体混合物を吸入するように構成された第1換気装置と、
第2換気装置(4)であって前記第2換気装置の排出ポート(5)を通じて気体混合物を排出するように構成された第2換気装置(4)と、
前記吸入ポート(3)と前記排出ポート(5)とを接続する殺菌管(6)であって、前記殺菌管(6)に沿って配置された複数の殺菌放射源(7)を備え、各殺菌放射源が、前記殺菌管(6)に吸入された気体混合物(G)を殺菌するための殺菌放射を発するように構成された殺菌管(6)と、
殺菌ダクト(6)に沿って前記殺菌ダクト(6)の外面に配置され、照明放射を発するための複数の照明放射源(8)と、
前記殺菌放射に対して不透明な複数の面と、前記複数の照明放射源(8)に面して配置されて前記照明放射に対して透明または部分的に透明な面(10)とを有するボックス(9)と、
を有する照明殺菌装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の照明殺菌装置において、
前記殺菌管(6)が、実質的に円筒形または多角形、例えば平行六面体であり、管の軸線(X)に沿って延びている照明殺菌装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の照明殺菌装置において、
前記殺菌管(6)内の照明放射量を平均値で1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように構成された照明殺菌装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
前記殺菌管(6)の内部容積が、前記殺菌管(6)の内部の照明放射量を平均値で1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように定められている照明殺菌装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
前記第1換気装置(2)及び前記第2換気装置(4)は、気体混合物(G)の体積流量が、前記殺菌管(6)内の照明放射量を平均値で1mJ/cmと7mJ/cmとの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmとの間に維持するように構成されている照明殺菌装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の照明換気装置において、
前記複数の殺菌放射源(7)のうちの照明放射源の数は、前記殺菌管(6)の内部への照明放射量を平均値が1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように定められている照明換気装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
前記第1換気装置(2)及び前記第2換気装置(4)は、前記ボックス(9)内に組み込まれ、ボックス開口(9’)を通じて前記照明殺菌装置の外部と連通している照明殺菌装置。
【請求項8】
請求項7に記載の照明殺菌装置において、
前記ボックス開口(9’)は、気体混合物(G)の吸入(A)及び排出(E)を許容し、照明殺菌装置の外部への殺菌放射の排出を阻止するように構成された保護壁(11)を有する照明殺菌装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
ケーシング(9)が、ケーシングの内部を2つの密閉部分に分離するように構成された内部仕切り(12)を備え、密閉部分のうちの1つが前記殺菌ダクト(6)を構成する照明殺菌装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
前記複数の照明放射源(8)が複数の発光ランプである照明殺菌装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
前記複数の殺菌放射源(7)が複数の紫外線ランプである照明殺菌装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
前記ボックス(9)が、固定面に対して定められた高さに殺菌照明装置を吊り下げるように、前記固定面と協働するように構成された吊り下げロッド(13)を有することを特徴とする照明殺菌装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
前記複数の照明放射源(8)が実質的に80より大きい演色評価数を有するように構成されている照明殺菌装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
前記複数の照明放射源(8)によって放射される照明放射が実質的に1000ルーメンより大きい光束を有するように構成されている照明殺菌装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
前記複数の照明放射源(8)によって放射される照明放射が、実質的に2700Kと5000Kの間の色温度を有する照明殺菌装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
前記複数の照明放射源(8)によって放射される照明放射が実質的に30度より大きいビームを有する照明殺菌装置。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項に記載の照明殺菌装置において、
発生するノイズレベルが80dB未満であるように構成されている照明殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体混合物に光を照射して殺菌するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば紫外線のような殺菌放射によって気体混合物を殺菌するための装置を製造することが知られている。例えば会議室のような所定の部屋や作業デスクに光を照射することを目的とする照明装置を製造することも知られている。
【0003】
これらの設備は、照明装置によって照らされた部屋の周囲の空気を殺菌することが可能である点で満足できるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、殺菌装置と個別の照明装置を同じ部屋に設置するには、比較的広い場所が必要であり、各装置のための特定の設置工程が必要である。
【0005】
本発明は、前述した欠点の全部または一部を解決することを目的とする。
【0006】
本発明の基となる技術的課題は、特に、簡単で経済的な構造である一方で、占めるスペースが小さくて設置が容易な気体混合物の照明殺菌装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明の主題は、前述したタイプに係る照明殺菌装置であり、
第1換気装置であって、前記第1換気装置の吸入ポートを通じて気体混合物を吸入するように構成された第1換気装置と、
第2換気装置であって、前記第2換気装置の排出ポートを通じて気体混合物を排出するように構成された第2換気装置と、
吸入ポートを排出ポートに接続する殺菌管であって、殺菌管に沿って配置された複数の殺菌放射源を備え、各殺菌放射源が、殺菌管に吸入された気体混合物を殺菌するために殺菌放射を発するように構成された殺菌管と、
前記殺菌ダクトに沿って殺菌ダクトの外面に配置され、照明放射を発するための複数の照明放射源と、
殺菌放射に対して不透明な複数の面と、複数の照明放射源に面して配置され且つ照明放射に対して透明または部分的に透明な複数の面を有するボックスと、
を備える。
【0008】
吸入ポートを介して吸入された気体混合物は、例えばウイルスまたは細菌などの微生物に感染していることがあり、排出ポートを通じて排出された気体混合物は、殺菌管で殺菌放射にさらされた後に殺菌される。
【0009】
気体混合物は例えば空気であってもよい。
【0010】
有利なことに、独立の汚染除去装置は既存の照明システムの隣に取り付け可能でなければならないため、この照明殺菌装置は独立の汚染除去装置と比較してスペースを節約することができる。
【0011】
したがって、照明殺菌装置は、独立の汚染除去装置と比較して追加のスペースを必要としないため、設置するのが容易である。
【0012】
本発明の構成では、照明と殺菌の機能を同じ装置で組み合わせることが可能であり、したがって、この装置は、独立の汚染除去装置と比較して追加のスペースを必要としないので、設置の容易さに加えて、既存の照明の隣に取り付け可能でなければならない独立の汚染除去装置と比較してスペースを節約することが可能である。
【0013】
照明殺菌装置は、さらに、以下の特性の1つ以上を単独でまたは組み合わせて有していてもよい。
【0014】
殺菌ダクトは実質的に円筒形または多角形、例えば平行六面体であり、ダクトの軸に沿って延びる。
【0015】
照明殺菌装置は、殺菌ダクト内の照明放射量を平均値で1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように構成することができる。
【0016】
殺菌ダクトの内部容積は、殺菌ダクト内部の照明放射量を平均値で1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように設定することができる。第1換気装置及び第2換気装置は、殺菌ダクト内部の照明放射量を平均値が1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように定められた気体混合物の体積流量がもたらされるように構成することができる。
【0017】
殺菌放射源の数は、殺菌管内の照明放射量を平均値が1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように設定することができる。
【0018】
ダクトの軸は一直線であることが好ましい。
【0019】
一実施形態によれば、第1換気装置及び第2換気装置は、ダクトの軸に沿って、またはダクトの軸と実質的に平行に方向が定められる。この場合、気体混合物の吸入及び排出はダクトの軸と平行に行われる。
【0020】
一実施形態によれば、第1換気装置及び第2換気装置は、ダクトの軸に対して実質的に直角に配置される。この場合、気体混合物の吸入及び排出はダクトの軸に対して実質的に直角に行われる。
【0021】
1つの可能な例によれば、第1換気装置及び第2換気装置はケーシングに組み込まれ、ケーシングの開口部を通じて照明殺菌装置の外部に通じる。
【0022】
1つの可能な例によれば、ボックス開口は、気体混合物の吸入と排出を可能にし、照明殺菌装置の外への殺菌放射の排出を阻止するように配置された保護壁を有する。
【0023】
保護壁は多孔質であってもよく、規則的な多角形敷き詰め構造を有していてもよい。
【0024】
保護壁は、バッフル形状、言い換えるとジグザグ形状を有してもよい。
【0025】
有利には、照明殺菌装置の外への殺菌放射の排出を阻止することにより、有害になり得る殺菌放射から人間を保護することが可能になる。
【0026】
他の実施形態によれば、殺菌管は、前記装置の外への殺菌放射の排出を阻止するように、吸入ポートと排出ポートとにそれぞれ接続される2つの角度の付いた端部を有していてもよい。ケーシングは、ケーシングの内部を2つの密閉部分に分けるように配置された内部隔壁を有し、密閉部分のうちの一方が殺菌ダクトを構成するようにしてもよい。
【0027】
有利なことには、ケーシングを2つの密閉部分に内部分離することにより、殺菌された気体混合物の汚染のおそれを制限できる。
【0028】
複数の照明放射源は、複数の発光ランプにすることができる。
【0029】
1つの可能な例によれば、複数の殺菌放射源は複数の紫外線ランプである。
【0030】
紫外線は、例えばUV-Cタイプにすることができ、実質的に100nmと280nmの間の波長を有する。
【0031】
有利なことに、UV-Cタイプの紫外線は、260nmと280nmの間の波長を有する放射線にDNAが敏感な細菌またはウイルスを消滅させることができる。
【0032】
ハウジングは、照明殺菌装置を固定面に対して定められた高さに吊り下げるように、その固定面と協働するように構成された吊り下げロッドを有してもよい。
【0033】
例えば会議室の天井または床または壁を前記固定面にすることができる。
【0034】
本発明の一態様によれば、照明殺菌装置は、12Vまたは24Vに実質的に等しい直流電圧を受けると照明放射及び殺菌放射を生成するように構成される。
【0035】
複数の照明放射源は、実質的に80より大きな演色評価数を有するように構成することができる。
【0036】
1つの可能な例によれば、複数の照明放射源によって放射される照明放射は、実質的に1000ルーメンより大きな光束を有するように構成される。
【0037】
複数の照明放射源によって放射される照明放射は、実質的に2700Kと5000Kの間の色温度を有していてもよい。
【0038】
複数の照明放射源から放射される照明放射は、ビームが実質的に30度より大きくてもよい。
【0039】
1つの可能な例によれば、照明殺菌装置は、騒音レベルが80dBより小さくなるように構成される。
【0040】
本発明は、添付図面に関して以下に記載される詳細な説明により、さらによく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1図1は、実施形態で説明される照明殺菌装置の斜視図であり、前記照明殺菌装置の殺菌管の軸に沿って換気装置の方向が定められている。
図2図2は、図1で説明された実施形態に係る照明殺菌装置の断面図である。
図3図3は、換気装置がダクトの軸に対して実質的に直角に配置される実施形態で説明される照明殺菌装置の透視図である。
図4図4は、図3で説明された実施形態に係る照明殺菌装置の断面図である。
図5図5は、図1に示す照明殺菌装置の変形例の斜視図であり、この照明殺菌装置は、図1の照明殺菌装置の寸法よりも実質的に大きい寸法を有し、この照明殺菌装置のハウジングは円筒状である。
図6図6は、図5の照明殺菌装置の内部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
上で定義した図に続く詳細な説明において、本発明の理解を容易にするために、同一の要素または同一の機能を実行する要素には同一の参照符号を付与している。
【0043】
装置の静止時の説明
図1及び図3に示す気体混合物Gの照明殺菌装置1は、第1換気装置2であってその第1換気装置の吸入ポート3を通じて気体混合物を吸い込むように構成された第1換気装置2と、第2換気装置4であってその第2換気装置の排出ポート5を通じて気体混合物を排出するように構成された第2換気装置4と、吸入ポート3と排出ポート5を接続する殺菌管6であってその殺菌管6に沿って配置された複数の殺菌放射源7を有するとともに各殺菌放射源が殺菌管6に吸入された気体混合物Gを殺菌するための殺菌放射を発するように構成された殺菌管6と、前記殺菌管6に沿ってその殺菌管6の外面に配置された複数の放射源照明8であって放射線照明を放射するための放射源照明8と、殺菌放射に対して不透明な複数の面と照明放射に対して透明または部分的に透明で複数の照明放射源8に面して配置された面10とを有するボックス9と、を有する。
【0044】
気体混合物は例えば空気にすることができる。
【0045】
換気装置はファンにすることができる。さらに、吸入ポートから吸入される気体混合物は例えばウイルスや細菌などの微生物に感染していることがあり、吐出ポートから吐出される気体混合物は殺菌管6で殺菌放射に曝された後に殺菌される。
【0046】
殺菌管6は、実質的に円筒形または多角形、例えば平行六面体であり、図2及び図4に示すように管の軸線Xに沿って延びる。
【0047】
気体混合物Gは、第1換気装置2によって第1吸入ポート3を通じて吸入され、殺菌管6内を循環する。殺菌管6内での気体混合物Gの循環中に、気体混合物Gに含まれる微粒子または微生物は、複数の殺菌放射源7からの電磁放射、例えばUV-Cランプからの紫外線放射に曝される。
【0048】
照明放射量は、複数の殺菌放射源7のうちの1つの殺菌放射源が気体混合物Gに伝える単位面積当たりのエネルギー量のことである。
【0049】
照明殺菌装置は、殺菌管6内の照明放射量を平均値で1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように構成することができる。
【0050】
特に、照明殺菌装置は、照明殺菌装置が設置される外部の環境にかかわらず、殺菌ダクト6内の照明放射量を平均値で1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように構成することができる。言い換えると、照明殺菌装置が設置される部屋の容積にかかわらず、照明殺菌装置は、殺菌管6内の照明放射量を平均値で1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように構成することができる。
【0051】
有利なことに、平均値が2mJ/cmと3mJ/cmの間の照明放射量により、ある種の微生物について、気体混合物Gの殺菌率が90%と99.999%の間になる。1つの可能な例によれば、殺菌管6の内部容積は、殺菌管6内の照明放射量を平均値で1mJ/cmと7mJ/cmの間に、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmとの間に維持するように定められる。
【0052】
第1換気装置2及び第2換気装置4は、殺菌管6内の照明放射量を平均値で1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように定められた気体混合物Gの体積流量になるように構成することができる。
【0053】
例えば、第1換気装置2及び第2換気装置4は、それぞれ、体積流量が1CFM(立方フィート/分)と2000CFMの間になるようにすることができる。例えば、第1換気装置2及び第2換気装置4は、それぞれ体積流量が7.7CFMになるようにすることができる。
【0054】
第1換気装置2及び第2換気装置4は、殺菌管6内での気体混合物Gの層流または乱流を保証するように構成することができる。
【0055】
有利には、殺菌管6内の気体混合物Gの乱流により、殺菌管G内の気体混合物Gの混合が促進され、その結果、気体混合物Gの殺菌が促進される。
【0056】
有利なことに、第1換気装置2及び第2換気装置4は、殺菌管6内での気体混合物Gの活動的な循環を可能にする。この活動的な循環により、複数の殺菌放射源7による照射が弱い領域において気体混合物Gの循環を制限することができる。
【0057】
複数の殺菌放射源7のうちの殺菌放射源の数は、殺菌管6内の照明放射量を平均値で1mJ/cmと7mJ/cmの間に、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように定めることができる。
【0058】
有利なことに、照明殺菌装置は、殺菌管6の内部の照明放射量を1mJ/cmと7mJ/cmの間、好ましくは2mJ/cmと5mJ/cmの間に維持するように、殺菌管6の内部容積、第1換気装置2及び第2換気装置4の流量、及び複数の殺菌放射源7のうちの殺菌放射源の数が、照明殺菌装置が設置される部屋の容積に適合するように構成することが可能である。照明殺菌装置は、厨房、病室、格納庫、ショッピングセンター、または空気を殺菌したい他の任意の場所に設置することができる。好ましくは、図2及び図4に示すダクトの軸線Xは、一直線である。
【0059】
1つの可能な例によれば、第1換気装置2及び第2換気装置4はダクトの軸線Xに対して直角に配置される。
【0060】
複数の照明放射源8は複数の発光ランプにすることができる。
【0061】
さらに、複数の照明放射源8は、80より実質的に大きい演色評価数を有するように構成され、複数の照明放射源8から放射される照明放射は、1000ルーメンより著しく大きな光束を有するように構成される。
【0062】
さらに、複数の照明放射源8によって放射される照明放射は、色温度が実質的に2700Kと5000Kの間で、ビームが実質的に30度より大きい。
【0063】
図1から図4に見られる複数の殺菌放射源7は、複数の紫外線ランプであり、紫外線は例えばUV-Cタイプであり、波長を実質的に100nmと280nmの間にすることができる。
【0064】
有利なことには、UV-Cタイプの紫外線は、波長が260nmと280nmの間の放射線にDNAが敏感な細菌またはウイルスを消滅させることができる。
【0065】
図1に示された第1換気装置2は、そして第2換気装置4も、ボックス9に組み込まれ、図2及び4に示すようなボックス開口9’を介して照明殺菌装置の外部と連通する。
【0066】
ハウジング開口9’は、気体混合物Gの吸入A及び排出Eを可能にし、装置の外への殺菌放射の排出、照明及び殺菌を阻止するように配置された、図2に示す保護壁11を有する。
【0067】
保護壁11は多孔質にすることができ、正多角形を敷き詰めた構造にすることができる。
【0068】
保護壁11は、バッフル形状、言い換えるとジグザグ形状にすることも可能である。
【0069】
有利なことには、照明殺菌装置の外への殺菌放射の排出を阻止することにより、有害になり得る殺菌放射から人を保護することが可能になる。図1及び図2に示す実施形態によれば、第1換気装置2及び第2換気装置4は、ダクトの軸線Xに沿って、またはダクトの軸線Xと実質的に平行に方向が定められる。この場合、気体混合物Gの吸入Aと排出Eは管の軸線Xと平行に行われる。
【0070】
一実施形態によれば、第1換気装置2及び第2換気装置4は、ダクトの軸線Xに対して実質的に直角に配置される。これが図3及び図4に示されている実施形態である。この場合、気体混合物の吸入A及び排出Eは、管の軸線Xに対して実質的に直角に行われ、この場合、殺菌管は、前記装置1の外部への殺菌放射の排出を阻止するように、吸入ポート3及び排出ポート5にそれぞれ接続された2つの角度の付いた端部を有してもよい。
【0071】
ボックス9は、図2及び図4に示すようにボックスの内部を2つの密閉部分に分離するように配置された内部仕切り12を有し、密閉部分の一方が殺菌管6を構成している。
【0072】
有利なことには、ケーシングを2つの密閉部分に内部分離することにより、殺菌された気体混合物の汚染のおそれを抑えられる。
【0073】
図1及び図2に示す実施形態では、ハウジング9は、照明殺菌装置を固定面に対して定められた高さに吊り下げるように、その固定面と協働するように構成された吊りロッド13を有する。
【0074】
前記固定面には例えば会議室の天井または床または壁を指定することができる。
【0075】
本発明の一態様によれば、照明殺菌装置は、12Vまたは24Vに実質的に等しい直流電圧を受けると、照明放射及び殺菌放射を生成するように構成される。
【0076】
照明殺菌装置1は、発生するノイズレベルが80dB未満になるように構成される。
【0077】
有利なことに、照明殺菌装置は、単独の汚染除去装置と比較すると、単独の汚染除去装置が既存の照明システムの隣に取り付け可能でなければならないため、スペースを節約できる。
【0078】
したがって、照明殺菌装置は、単独の汚染除去装置と比較して追加のスペースを必要としないため、設置が容易である。
【0079】
装置の動作の説明
前述した照明殺菌装置1の動作中には、例えばウイルスや細菌などの微生物に感染している可能性のある気体混合物Gは、第1換気装置2により吸入ポート3を介して殺菌ダクト6内に吸入される。そして、気体混合物は、殺菌ダクト6内に吸入された気体混合物Gを殺菌するための、例えばUV-C線などの殺菌放射を発する複数の殺菌放射源7が配置されている殺菌管6を通過する。したがって、気体混合物Gは、殺菌管6に沿って全て殺菌され、続いて第2換気装置4によって排出ポート5から照明殺菌装置1の外へ排出される。
【0080】
さらに、前記殺菌管6の外面に殺菌管6に沿って配置された複数の照明放射源8は、ハウジング9の透明または部分的に透明な面10を通過して例えば会議室や作業室などの所定の部屋を照らす照明放射を発する。
【0081】
ケーシングの2つの内部部分、言い換えると、殺菌管6を含む部分と複数の照明放射源8を含む部分は、内部の分離壁12によって気密に分離され、殺菌される気体混合物Gの汚染のおそれを抑えられる。
【0082】
2つの部分は単独で機能することもでき、言い換えると、前述した照明殺菌装置1は、照明用もしくは殺菌用、または照明用と殺菌用の両方に用いることができる。
【0083】
本発明を特定の実施形態について説明したが、本発明は決してそれらに限定されるものではなく、説明した手段に技術的に等価なすべてのものと、本発明の範囲に入る場合にはそれらの組み合わせも含むことは明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】