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2023-536776ペレットプレスとペレットプレスに取り付けられたペレット破断装置との組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】ペレットプレスとペレットプレスに取り付けられたペレット破断装置との組立体
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/20 20060101AFI20230823BHJP
   B28B 11/14 20060101ALI20230823BHJP
   B30B 11/22 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
B30B11/20
B28B11/14
B30B11/22
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022569077
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 NL2020050301
(87)【国際公開番号】W WO2021230741
(87)【国際公開日】2021-11-18
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522441563
【氏名又は名称】シーピーエム ヨーロッパ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン リンデンベルグ,ジャン-ウィレム
【テーマコード(参考)】
4G055
【Fターム(参考)】
4G055AA00
4G055AB01
4G055AC00
4G055BB18
(57)【要約】
ペレットプレス(1)とペレットプレス(1)に取り付けられたペレット破断装置との組立体であって、当該ペレットプレス(1)は、ペレット(9)をプレス(1)内からペレットプレス(1)の外周輪郭(5)に向かって、およびペレットプレス(1)の外周輪郭(5)から離れるように半径方向および外方に押圧するための所定の孔径を有する一連の半径方向貫通孔(4)が設けられた円筒状外壁(3)を備え、前述の破断装置(2)は、ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)から所定の距離を置いてペレットプレス(1)を包囲する螺旋状部(6)として成形され、螺旋状部(6)は、前述の貫通孔(4)が設けられた領域に沿ってペレットプレス(1)の外周輪郭(5)の少なくとも一部におよび、ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)と螺旋状部(6)との間の所定の距離は、貫通孔(4)の所定の孔径の少なくとも2倍になる、組立体。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレットプレス(1)と前記ペレットプレス(1)に取り付けられたペレット破断装置との組立体であって、前記ペレットプレス(1)は、前記ペレット(9)を、前記プレス(1)内から、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)に向けてかつ前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)から離れるように半径方向および外方に押圧するための所定の孔径を有する一連の半径方向貫通孔(4)が設けられた円筒状外壁(3)を備え、
前記破断装置(2)は、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)から所定の距離を置いて前記ペレットプレス(1)を包囲する螺旋状部(6)として形状化されており、
前記螺旋状部(6)は、前記貫通孔(4)が設けられた領域に沿って前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)の少なくとも一部に及んでおり、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)と前記螺旋状部(6)との間の前記所定の距離は、前記貫通孔(4)の前記所定の孔径の少なくとも2倍である、組立体。
【請求項2】
前記螺旋状部(6)が、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)を途切れることなく包囲していることを特徴とする、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記螺旋状部(6)が、巻線(7)間に開口スロット(8)を画定する連続した前記巻線(7)を有し、前記スロット(8)は、前記ペレット(9)が前記スロット(8)を通って逃げることを可能にするように構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の組立体。
【請求項4】
前記螺旋状部(6)の前記巻線(7)間の開口スロット(8)が、前記ペレットプレス(1)の動作中に前記開口スロット(8)が前記ペレット(9)を受け入れるように構成され、前記巻線(7)は、続いて、前記ペレットプレス(1)の前記外周輪郭(5)から伸びる前記ペレット(9)を破断するように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の組立体。
【請求項5】
前記螺旋状部(6)の連続した巻線(7)が、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)に対して斜めに傾斜した面(7´、7´´)で具体化され、前記斜めに傾斜した面(7´、7´´)は前記スロット(8)を画定していることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の組立体。
【請求項6】
前記螺旋状部(6)の連続した巻線(7)の斜めに傾斜した面(7´、7´´)が、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)から離れる半径方向に前記巻線(7)間の視線を狭めるように構成されており、これにより、ペレット(9)が妨げられずに前記スロット(8)を通って直線状に逃げることができることを防ぎ、さらに、前記ペレットプレス(1)のほぼ外周輪郭(5)で生じる前記ペレット(9)の曲げ運動および破断運動に続いて前記スロット(8)を通って逃げることができるのを防ぐことを特徴とする、請求項5に記載の組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペレットプレスとペレットプレスに取り付けられたペレット破断装置との組立体に関し、当該ペレットプレスは、ペレットを、プレス内から、ペレットプレスの外周輪郭に向けてかつペレットプレスの外周輪郭から離れるように半径方向および外方に押圧するための所定の孔径を有する一連の半径方向貫通孔が設けられた円筒状外壁を備える。
【0002】
特許文献1は、ペレット破断装置を開示している。既知のペレット破断装置は、ペレット切断手段と、少なくとも1つの取付け領域とを備え、取付け領域において、切断手段はペレットプレスの固定ハウジング部分に取り付けられ、したがって、切断手段はペレットプレスから所定の間隔を置いて配置され得る。切断手段は、ペレットプレスのリングダイの半径方向貫通孔のうちの1つの少なくとも一領域にわたって実質的に螺旋状である凹状の弓形の輪郭を有し、その結果、ペレットが、リングダイを介して半径方向に、リングダイと切断手段との間の距離よりも長い長さで貫通孔から突出し、次いで、その自由端の領域において、切断手段が取り付けられた凹状の円弧状の半径方向ガイド面を有するベース本体上に載置され、軸方向成分を有する力によって切断手段によってペレットが偏向されるようにベース本体の円周方向に沿って移動することができ、その結果、ペレットはリングダイの領域でキンクする。
【0003】
本発明は、特許文献1から知られている複雑で重い設計から逸脱し、限定された長さ範囲内で明確に定義された長さのペレットを提供する際にエネルギー効率が高く信頼性がある既知の装置とは対照的なペレットプレスとペレット破断装置との組立体を提供することを目的とする。ペレットの最大長は約40mmである。
【0004】
特許文献2は、粉末材料を押圧することによって顆粒を製造するための機械であって、エンクロージャを画定するフレームと、エンクロージャ内に取り付けられ、フレームに対して回転駆動される有孔環状ダイと、その内面の近傍でダイ内に取り付けられた少なくとも1つの加圧ローラと、その外面に対向するダイの周りに少なくとも部分的に延在するグリッドを備える顆粒を切断するための装置とを含む、機械を開示している。
【0005】
特許文献3は、複数のテーパ状オリフィスを有する押出機を開示している。各オリフィスは入口および出口を備え、各オリフィスの少なくとも一部のテーパ壁は、材料の流れを横切るナイフエッジにおいて前述のダイの外壁と交差し、各オリフィスの入口は出口より大きく、各オリフィスのテーパ壁と前述のダイの外壁との交差角度は60以下である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP-A-2727715
【特許文献2】FR3028446
【特許文献3】GB889,628
【発明の概要】
【0007】
本発明のペレット破断装置は、添付の特許請求の範囲の1つまたは複数の特徴を有する。
【0008】
本発明によるペレットプレスとペレット破断装置との組立体の第1の態様では、破断装置は、ペレットプレスの外周輪郭から所定の距離を置いてペレットプレスを包囲する螺旋状部として成形され、螺旋状部は、前述の貫通孔が設けられた領域に沿ってペレットプレスの外周輪郭の少なくとも一部に及んでおり、螺旋状部とペレットプレスの外周輪郭との間の所定の距離は、ペレットの貫通孔の所定の孔径の少なくとも2倍である。
【0009】
したがって、ペレットプレスを取り囲む螺旋状部は、ペレットプレスの外周輪郭から前述の所定の距離を置いてペレットプレスを包囲する一連の連続した自立巻線を提供する。本明細書で使用される「自立」という用語は、巻線が、巻線間の空間を閉じる支持体を実質的に含まないことを意味する。自立巻線は、エネルギー消費の制限において顕著な利点を有する比較的軽量の設計を構成するが、ペレットを意図された長さで破断する有効性は保護される。本発明は、ペレットがすべて、ペレット径の3~5倍に相当する所定の長さ範囲内に良好に維持される一方で、微粉の発生が効果的に抑制されることを提供することが分かった。
【0010】
螺旋状部の連続した自立巻線とペレットプレスとの間の上述の所定の距離は、固定距離または調整可能な距離であることが可能である。
【0011】
ペレットを意図された長さで破断する有効性は、ペレットプレスの外周輪郭を途切れることなく包囲するように螺旋状部を構成することによって促進される。
【0012】
本発明の利点を支持する顕著な特徴の1つは、螺旋状部の連続した巻線が当該巻線間に開口スロットを画定し、スロットはペレットが当該スロットを通って逃げることを可能にするように構成されることである。
【0013】
好ましくは、螺旋状部の巻線間の開口スロットは、ペレットプレスの動作中に開口スロットがペレットを受け入れるように構成され、かつ前述の巻線は、続いて、ペレットプレスの外周輪郭から伸びるペレットを破断するように構成されるように構成される。
【0014】
最良の結果は、ペレットプレスの外周輪郭に対して斜めに傾斜した面を有する螺旋状部の連続した巻線を具現化することによって達成することができ、当該斜めに傾斜した面はスロットを画定している。好ましくは、斜めに傾斜した面は、ペレットプレスの外周輪郭に対して約40°の角度にある。
【0015】
螺旋状部の連続した巻線の斜めに傾斜した面は、ペレットプレスの外周輪郭から離れる半径方向に巻線間の視線を狭めるように構成されることが好ましく、これにより、ペレットが妨げられずにスロットを通って直線状に逃げることができることを防ぎ、さらに、ペレットプレスのほぼ外周輪郭で生じるペレットの曲げ運動および破断運動に続いてスロットを通って逃げることができるのを防ぐ。
【0016】
本発明は、本発明による装置およびその使用の非限定的な例示的実施形態の図面を参照して、以下でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明によるペレットプレスに取り付けられたペレット破断装置の等角図である。
図2a】本発明のペレット破断装置の正面図である。
図2b】本発明のペレット破断装置の側面図である。
図2c】本発明のペレット破断装置の等角図である。
図2d】本発明のペレット破断装置の詳細図である。
図2e】本発明のペレット破断装置の断面詳細側面図である。
図3】本発明によるペレットプレスに取り付けられた動作中のペレット破断装置の詳細を、詳細な断面図で示した図である。
図4】本発明の組立体を用いて製造されたペレットのペレット品質のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面において同じ参照番号が付されている場合は常に、これらの参照番号は同じ部品を指す。
【0019】
まず図1を参照すると、本発明によるペレット破断装置2が取り付けられたペレットプレス1が示されている。当業者に知られている方法で、ペレットプレス1は、一連の半径方向貫通孔4が設けられた円筒状外壁3を備えている。これらの半径方向貫通孔4は、ペレットの意図された直径に合わせて調整された所定の孔径を有し、図3の断面図で見ることができる。孔4は、ペレットをプレス1内から、ペレットプレス1の外周輪郭5に向かって、またペレットプレス1の外周輪郭5から離れるように半径方向および外方に押圧するのに役立つ。ペレットプレス1の当該外周輪郭5は、プレス1の円筒状外壁3の外面である。
【0020】
図1は、破断装置2が螺旋状部6として成形され、螺旋状部6が所定の距離を置いてペレットプレス1の外周輪郭5を辿ることを明確に示している。図3も参照されたい。螺旋状部6は、一連の連続した自立巻線7を備えており、「自立」という語は、巻線7が、巻線7間の空間を閉じる支持体を実質的に含まないことを意味する。自立巻線7は、ペレットプレス1の外周輪郭5から前述の所定の距離を置いてペレットプレス1を包囲する。ペレットプレス1の外周輪郭5と螺旋状部6との間の所定の距離は、孔4の所定の孔径の少なくとも2倍になる。
【0021】
さらに、螺旋状部6の前述の自立巻線7は、図3および図1の組み合わせから当業者には明らかなように、前述の貫通孔4が設けられた領域に沿ってペレットプレス1の外周輪郭5の少なくとも一部に及んでいる。
【0022】
図2a、図2b、図2c、図2d、および図2eのそれぞれにおいて、螺旋状部6の巻線7は、ペレットプレス1とは別個に示されており、図1と組み合わせてこれらの図から、螺旋状部6の連続した巻線7が、ペレットプレス1の外周輪郭5を途切れることなく包囲していることは明らかである。
【0023】
特に、図2dおよび図2eは、螺旋状部6の連続した巻線7が当該巻線7の間に開口スロット8を画定することを示している。図3は、ペレット9がスロット8を通って逃げることを可能にするように、当該スロット8が構成されていることを示している。螺旋状部6の巻線7間の開口スロット8は、ペレットプレス1の動作中に開口スロット8がペレット9を受け入れるように構成されており、前述の巻線7は、続いて、ペレットプレス1の外周輪郭5から伸びるペレットを破断するように構成されている。この破断作用は、螺旋状部6の非移動巻線7に対するペレットプレス1の外周輪郭5の回転運動によってもたらされる。
【0024】
図2eおよび図3の両方は、螺旋状部6の連続した巻線7が、ペレットプレス1の外周輪郭5に対して斜めに傾斜した面7´、7´´で具体化され、当該斜めに傾斜した面7´、7´´がスロット8を画定している好ましい実施形態を明確に示している。好ましくは、斜めに傾斜した面7´、7´´は、ペレットプレス1の外周輪郭5に対して約40°の角度である。螺旋状部6の連続した巻線7の斜めに傾斜した面7´、7´´は、ペレットプレス1の外周輪郭5から離れる半径方向で見たときに巻線7間の視線を狭めるように構成されることがさらに好ましく、これにより、ペレット9が妨げられずにスロット8を通って直線状に逃げることができることを防ぎ、さらに、ペレットプレス1のほぼ外周輪郭5で生じるペレット9の曲げ運動および破断運動に続いてスロット8を通って逃げることができるのを防ぐ。
【0025】
図4は、本発明の組立体を用いて製造されたペレットのペレット品質のグラフ表示を示す。x軸は、ペレットプレス1の外周輪郭5と螺旋状部6との間の距離を示す。y軸は、微粉および総微粉の割合、ならびにペレット耐久性指数を割合として示す。
【0026】
ペレット耐久性指数は、洗浄された、すなわち、製造プロセスから生じる微粉のないペレット100gを採取し、これらの洗浄されたペレットを2分間かけて充填し、その後、微粉の割合を測定することによって測定される。ペレット耐久性指数は、元の清浄なペレット100グラムから微粉を差し引き、ペレットの残りの重量を元の重量の割合として表すことによって決定される。
【0027】
上述の試験で決定された微粉は、ペレットの輸送中に現れるであろう微粉の代表と見なされる。総微粉は、上述の試験の実施前に除去された微粉と共に、上述の微粉の合計として計算される。
【0028】
図4から、ペレットプレス1の外周輪郭5と螺旋状部6との間の所定の距離が、孔4の所定の孔径の少なくとも2倍になる場合に、最良の結果が達成されることが明らかである。
【0029】
本発明は、本発明によるペレットプレスに取り付けられたペレット破断装置の例示的な実施形態を参照して上述されたが、本発明は、本発明から逸脱することなく多くの方法で変更することができるこの特定の実施形態に限定されない。したがって、説明した例示的な実施形態は、添付の特許請求の範囲を厳密にそれに従って解釈するために使用されるべきではない。それどころか、実施形態は、添付の特許請求の範囲の文言を説明することを意図しているにすぎず、特許請求の範囲をこの例示的な実施形態に限定することは意図しない。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲のみに従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の文言に生じ得るあいまいさは、この例示的な実施形態を使用して解決されるべきである。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレットプレス(1)と前記ペレットプレス(1)に取り付けられたペレット破断装置との組立体であって、前記ペレットプレス(1)は、前記ペレット(9)を、前記プレス(1)内から、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)に向けてかつ前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)から離れるように半径方向および外方に押圧するための所定の孔径を有する一連の半径方向貫通孔(4)が設けられた円筒状外壁(3)を備え、
前記破断装置(2)は、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)から所定の距離を置いて前記ペレットプレス(1)を包囲する螺旋状部(6)として形状化されており、
前記螺旋状部(6)は、前記貫通孔(4)が設けられた領域に沿って前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)の少なくとも一部に及んでおり、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)と前記螺旋状部(6)との間の前記所定の距離は、前記貫通孔(4)の前記所定の孔径の少なくとも2倍である、組立体において、
前記螺旋状部(6)が、巻線(7)間に開口スロット(8)を画定する連続した前記巻線(7)を有し、前記スロット(8)は、前記ペレット(9)が前記スロット(8)を通って逃げることを可能にするように構成されており、
前記螺旋状部(6)の前記巻線(7)間の開口スロット(8)が、前記ペレットプレス(1)の動作中に前記開口スロット(8)が前記ペレット(9)を受け入れるように構成され、前記巻線(7)は、その後、前記ペレットプレス(1)の前記外周輪郭(5)から伸びる前記ペレット(9)を破断するように構成されており、
前記螺旋状部(6)の連続した巻線(7)が、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)に対して斜めに傾斜した面(7´、7´´)で具体化され、前記斜めに傾斜した面(7´、7´´)は前記スロット(8)を画定しており、
前記螺旋状部(6)の連続した巻線(7)の斜めに傾斜した面(7´、7´´)が、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)から離れる半径方向に前記巻線(7)間の視線を狭めるように構成されており、これにより、ペレット(9)が妨げられずに前記スロット(8)を通って直線状に逃げることができることを防ぎ、さらに、前記ペレットプレス(1)のほぼ外周輪郭(5)で生じる前記ペレット(9)の曲げ運動および破断運動に続いて前記スロット(8)を通って逃げることができるのを防ぐことを特徴とする、
組立体。
【請求項2】
前記螺旋状部(6)が、前記ペレットプレス(1)の外周輪郭(5)を途切れることなく包囲していることを特徴とする、請求項1に記載の組立体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペレットプレスとペレットプレスに取り付けられたペレット破断装置との組立体に関し、当該ペレットプレスは、ペレットを、プレス内から、ペレットプレスの外周輪郭に向けてかつペレットプレスの外周輪郭から離れるように半径方向および外方に押圧するための所定の孔径を有する一連の半径方向貫通孔が設けられた円筒状外壁を備える。
【0002】
特許文献1は、ペレット破断装置を開示している。既知のペレット破断装置は、ペレット切断手段と、少なくとも1つの取付け領域とを備え、取付け領域において、切断手段はペレットプレスの固定ハウジング部分に取り付けられ、したがって、切断手段はペレットプレスから所定の間隔を置いて配置され得る。切断手段は、ペレットプレスのリングダイの半径方向貫通孔のうちの1つの少なくとも一領域にわたって実質的に螺旋状である凹状の弓形の輪郭を有し、その結果、ペレットが、リングダイを介して半径方向に、リングダイと切断手段との間の距離よりも長い長さで貫通孔から突出し、次いで、その自由端の領域において、切断手段が取り付けられた凹状の円弧状の半径方向ガイド面を有するベース本体上に載置され、軸方向成分を有する力によって切断手段によってペレットが偏向されるようにベース本体の円周方向に沿って移動することができ、その結果、ペレットはリングダイの領域でキンクする。
【0003】
特許文献1によるペレットプレスとペレット破断装置との組立体では、破断装置は、ペレットプレスの外周輪郭から所定の距離を置いてペレットプレスを包囲する螺旋状部として成形され、螺旋状部は、前述の貫通孔が設けられた領域に沿ってペレットプレスの外周輪郭の少なくとも一部におよび、ペレットプレスの外周輪郭と螺旋状部との間の所定の距離は、ペレットの貫通孔の所定の孔径の少なくとも2倍になる。
【0004】
本発明は、特許文献1から知られている複雑で重い設計から逸脱し、限定された長さ範囲内で明確に定義された長さのペレットを提供する際にエネルギー効率が高く信頼性がある既知の装置とは対照的なペレットプレスとペレット破断装置との組立体を提供することを目的とする。ペレットの最大長は約40mmである。
【0005】
特許文献2は、粉末材料を押圧することによって顆粒を製造するための機械であって、エンクロージャを画定するフレームと、エンクロージャ内に取り付けられ、フレームに対して回転駆動される有孔環状ダイと、その内面の近傍でダイ内に取り付けられた少なくとも1つの加圧ローラと、その外面に対向するダイの周りに少なくとも部分的に延在するグリッドを備える顆粒を切断するための装置とを含む、機械を開示している。
【0006】
特許文献3は、複数のテーパ状オリフィスを有する押出機を開示している。各オリフィスは入口および出口を備え、各オリフィスの少なくとも一部のテーパ壁は、材料の流れを横切るナイフエッジにおいて前述のダイの外壁と交差し、各オリフィスの入口は出口より大きく、各オリフィスのテーパ壁と前述のダイの外壁との交差角度は60以下である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】EP-A-2727715
【特許文献2】FR3028446
【特許文献3】GB889,628
【発明の概要】
【0008】
本発明のペレット破断装置は、添付の特許請求の範囲の1つまたは複数の特徴を有する。
【0009】
本発明によるペレットプレスとペレット破断装置との組立体の第1の態様では、
螺旋状部の連続した巻線が当該巻線間に開口スロットを画定し、スロットはペレットが当該スロットを通って逃げることを可能にするように構成され、
螺旋状部の巻線間の開口スロットは、ペレットプレスの動作中に開口スロットがペレットを受け入れるように構成され、かつ前述の巻線は、その後、ペレットプレスの外周輪郭から伸びるペレットを破断するように構成されるように構成され、
螺旋状部の連続した巻線は、ペレットプレスの外周輪郭に対して斜めに傾斜した面で具現化され、当該斜めに傾斜した面はスロットを画定しており、
螺旋状部の連続した巻線の斜めに傾斜した面は、ペレットプレスの外周輪郭から離れる半径方向に巻線間の視線を狭めるように構成されており、これにより、ペレットが妨げられずにスロットを通って直線状に逃げることができることを防ぎ、さらに、ペレットプレスのほぼ外周輪郭で生じるペレットの曲げ運動および破断運動に続いてスロットを通って逃げることができるのを防ぐ。
【0010】
好ましくは、斜めに傾斜した面は、ペレットプレスの外周輪郭に対して約40°の角度にある。
【0011】
したがって、本発明によるペレットプレスおよびペレット破断装置では、ペレットプレスを取り囲む螺旋状部は、ペレットプレスの外周輪郭から前述の所定の距離を置いてペレットプレスを包囲する一連の連続した自立巻線を提供する。本明細書で使用される「自立」という用語は、巻線が、巻線間の空間を閉じる支持体を実質的に含まないことを意味する。自立巻線は、エネルギー消費の制限において顕著な利点を有する比較的軽量の設計を構成するが、ペレットを意図された長さで破断する有効性は保護される。本発明は、ペレットがすべて、ペレット径の3~5倍に相当する所定の長さ範囲内に良好に維持される一方で、微粉の発生が効果的に抑制されることを提供することが分かった。
【0012】
螺旋状部の連続した自立巻線とペレットプレスとの間の上述の所定の距離は、固定距離または調整可能な距離であることが可能である。
【0013】
ペレットを意図された長さで破断する有効性は、ペレットプレスの外周輪郭を途切れることなく包囲するように螺旋状部を構成することによって促進される。
【0014】
本発明は、本発明による装置およびその使用の非限定的な例示的実施形態の図面を参照して、以下でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明によるペレットプレスに取り付けられたペレット破断装置の等角図である。
図2a】本発明のペレット破断装置の正面図である。
図2b】本発明のペレット破断装置の側面図である。
図2c】本発明のペレット破断装置の等角図である。
図2d】本発明のペレット破断装置の詳細図である。
図2e】本発明のペレット破断装置の断面詳細側面図である。
図3】本発明によるペレットプレスに取り付けられた動作中のペレット破断装置の詳細を、詳細な断面図で示した図である。
図4】本発明の組立体を用いて製造されたペレットのペレット品質のグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面において同じ参照番号が付されている場合は常に、これらの参照番号は同じ部品を指す。
【0017】
まず図1を参照すると、本発明によるペレット破断装置2が取り付けられたペレットプレス1が示されている。当業者に知られている方法で、ペレットプレス1は、一連の半径方向貫通孔4が設けられた円筒状外壁3を備えている。これらの半径方向貫通孔4は、ペレットの意図された直径に合わせて調整された所定の孔径を有し、図3の断面図で見ることができる。孔4は、ペレットをプレス1内から、ペレットプレス1の外周輪郭5に向かって、またペレットプレス1の外周輪郭5から離れるように半径方向および外方に押圧するのに役立つ。ペレットプレス1の当該外周輪郭5は、プレス1の円筒状外壁3の外面である。
【0018】
図1は、破断装置2が螺旋状部6として成形され、螺旋状部6が所定の距離を置いてペレットプレス1の外周輪郭5を辿ることを明確に示している。図3も参照されたい。螺旋状部6は、一連の連続した自立巻線7を備えており、「自立」という語は、巻線7が、巻線7間の空間を閉じる支持体を実質的に含まないことを意味する。自立巻線7は、ペレットプレス1の外周輪郭5から前述の所定の距離を置いてペレットプレス1を包囲する。ペレットプレス1の外周輪郭5と螺旋状部6との間の所定の距離は、孔4の所定の孔径の少なくとも2倍になる。
【0019】
さらに、螺旋状部6の前述の自立巻線7は、図3および図1の組み合わせから当業者には明らかなように、前述の貫通孔4が設けられた領域に沿ってペレットプレス1の外周輪郭5の少なくとも一部に及んでいる。
【0020】
図2a、図2b、図2c、図2d、および図2eのそれぞれにおいて、螺旋状部6の巻線7は、ペレットプレス1とは別個に示されており、図1と組み合わせてこれらの図から、螺旋状部6の連続した巻線7が、ペレットプレス1の外周輪郭5を途切れることなく包囲していることは明らかである。
【0021】
特に、図2dおよび図2eは、螺旋状部6の連続した巻線7が当該巻線7の間に開口スロット8を画定することを示している。図3は、ペレット9がスロット8を通って逃げることを可能にするように、当該スロット8が配置されていることを示している。螺旋状部6の巻線7間の開口スロット8は、ペレットプレス1の動作中に開口スロット8がペレット9を受け入れるように構成されており、前述の巻線7は、続いて、ペレットプレス1の外周輪郭5から伸びるペレットを破断するように構成されている。この破断作用は、螺旋状部6の非移動巻線7に対するペレットプレス1の外周輪郭5の回転運動によってもたらされる。
【0022】
図2eおよび図3の両方は、螺旋状部6の連続した巻線7が、ペレットプレス1の外周輪郭5に対して斜めに傾斜した面7´、7´´で具体化され、当該斜めに傾斜した面7´、7´´がスロット8を画定している好ましい実施形態を明確に示している。好ましくは、斜めに傾斜した面7´、7´´は、ペレットプレス1の外周輪郭5に対して約40°の角度である。螺旋状部6の連続した巻線7の斜めに傾斜した面7´、7´´は、ペレットプレス1の外周輪郭5から離れる半径方向で見たときに巻線7間の視線を狭めるように構成されることがさらに好ましく、これにより、ペレット9が妨げられずにスロット8を通って直線状に逃げることができることを防ぎ、さらに、ペレットプレス1のほぼ外周輪郭5で生じるペレット9の曲げ運動および破断運動に続いてスロット8を通って逃げることができるのを防ぐ。
【0023】
図4は、本発明の組立体を用いて製造されたペレットのペレット品質のグラフ表示を示す。x軸は、ペレットプレス1の外周輪郭5と螺旋状部6との間の距離を示す。y軸は、微粉および総微粉の割合、ならびにペレット耐久性指数を割合として示す。
【0024】
ペレット耐久性指数は、洗浄された、すなわち、製造プロセスから生じる微粉のないペレット100gを採取し、これらの洗浄されたペレットを2分間かけて充填し、その後、微粉の割合を測定することによって測定される。ペレット耐久性指数は、元の清浄なペレット100グラムから微粉を差し引き、ペレットの残りの重量を元の重量の割合として表すことによって決定される。
【0025】
上述の試験で決定された微粉は、ペレットの輸送中に現れるであろう微粉の代表と見なされる。総微粉は、上述の試験の実施前に除去された微粉と共に、上述の微粉の合計として計算される。
【0026】
図4から、ペレットプレス1の外周輪郭5と螺旋状部6との間の所定の距離が、孔4の所定の孔径の少なくとも2倍になる場合に、最良の結果が達成されることが明らかである。
【0027】
本発明は、本発明によるペレットプレスに取り付けられたペレット破断装置の例示的な実施形態を参照して上述されたが、本発明は、本発明から逸脱することなく多くの方法で変更することができるこの特定の実施形態に限定されない。したがって、説明した例示的な実施形態は、添付の特許請求の範囲を厳密にそれに従って解釈するために使用されるべきではない。それどころか、実施形態は、添付の特許請求の範囲の文言を説明することを意図しているにすぎず、特許請求の範囲をこの例示的な実施形態に限定することは意図しない。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲のみに従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の文言に生じ得るあいまいさは、この例示的な実施形態を使用して解決されるべきである。
【国際調査報告】