(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】断熱性及び難燃性の非イントメッセント系コーティング及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C09D 201/00 20060101AFI20230823BHJP
C09K 21/02 20060101ALI20230823BHJP
C09K 21/14 20060101ALI20230823BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20230823BHJP
【FI】
C09D201/00
C09K21/02
C09K21/14
C09D7/61
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022578874
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(85)【翻訳文提出日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 CA2021050836
(87)【国際公開番号】W WO2021253133
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492510
【氏名又は名称】ゼロイグニション テクノロジーズ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ブレア,イーモン マーティン
【テーマコード(参考)】
4H028
4J038
【Fターム(参考)】
4H028AA01
4H028AA42
4J038HA446
4J038KA08
4J038KA09
4J038KA19
4J038NA15
(57)【要約】
コーティングは、イントメッセント系材料を含有しないポリマー樹脂と、粉砕ナノ細孔材料と、難燃性溶液の固形物を含む。粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物が、均一な稠度を有する断熱性及び難燃性コーティングを形成するために、ポリマー樹脂中に組み込まれる。コーティングを形成する方法も開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
均一な稠度を有する断熱性で難燃性のコーティングを形成するために、イントメッセント系材料を欠くポリマー樹脂に粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物を添加すること、
を含む、コーティングを形成する方法。
【請求項2】
前記ポリマー樹脂に前記粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の前記固形物を添加することは、前記ポリマー樹脂に粉砕シリカベースのナノ細孔材料と前記難燃性溶液の前記固形物を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマー樹脂に前記粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の前記固形物を添加することは、前記ポリマー樹脂に粉砕シリカエアロゲルナノ細孔材料と前記難燃性溶液の前記固形物を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリマー樹脂に前記粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の前記固形物を添加することは、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニルエチレンコポリマー樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸ビニル樹脂、シリケート樹脂、酢酸ビニル-アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、カルボキシル化ポリマー樹脂、ポリフッ化ビニリデンポリマー樹脂、又はこれらの組み合わせに、前記粉砕ナノ細孔材料と前記難燃性溶液の前記固形物を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記難燃性溶液の前記固形物を形成するために前記難燃性溶液から液体を蒸発させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記難燃性溶液から液体を蒸発させることは、前記難燃性溶液を噴霧乾燥することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記難燃性溶液から液体を蒸発させることは、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含む前記難燃性溶液から液体を蒸発させることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマー樹脂に前記粉砕ナノ細孔材料と前記難燃性溶液の前記固形物を添加する前に、前記粉砕ナノ細孔材料を親水性にするために前記粉砕ナノ細孔材料を処理することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマー樹脂に界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせを添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ナノ細孔材料が難燃性溶液を吸収するように、ナノ細孔材料と難燃性溶液を組み合わせることと、
難燃性溶液の濃縮物又はその固形物がナノ細孔材料内に残るように、その中に吸収された難燃性溶液を有するナノ細孔材料から液体を蒸発させることと、
均一な稠度を有する断熱性で、難燃性のコーティングを形成するために、イントメッセント系材料を欠くポリマー樹脂に、その中に難燃性溶液の濃縮物又は固形物を有するナノ細孔材料を添加することと、
を含む、コーティングを形成する方法。
【請求項11】
前記ナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせることは、シリカベースのナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせることは、シリカエアロゲルナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせることは、前記ナノ細孔材料と、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含む前記難燃性溶液を組み合わせることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
その中に吸収された前記難燃性溶液を有する前記ナノ細孔材料から液体を蒸発させることは、前記難燃性溶液を噴霧乾燥することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記ナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせる前に、前記ナノ細孔材料を親水性にするために前記ナノ細孔材料を処理することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
ポリマー樹脂に、その中に前記難燃性溶液の濃縮物又は固形物を有する前記ナノ細孔材料を添加することは、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニルエチレンコポリマー樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸ビニル樹脂、シリケート樹脂、酢酸ビニル-アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、カルボキシル化ポリマー樹脂、ポリフッ化ビニリデンポリマー樹脂、又はこれらの組み合わせに、その中に前記難燃性溶液の濃縮物又は固形物を有する前記ナノ細孔材料を添加することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリマー樹脂に界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせを添加することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
イントメッセント系材料を欠くポリマー樹脂と、
粉砕ナノ細孔材料と、
難燃性溶液の固形物と、
を含み、
均一な稠度を有する断熱性で難燃性のコーティングを形成するために、前記粉砕ナノ細孔材料と前記難燃性溶液の固形物が、前記ポリマー樹脂中に組み込まれる、コーティング。
【請求項19】
前記粉砕ナノ細孔材料は、粉砕シリカベースのナノ細孔材料を含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項20】
前記粉砕ナノ細孔材料は、粉砕シリカエアロゲルナノ細孔材料を含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項21】
前記難燃性溶液の前記固形物は、前記粉砕ナノ細孔材料内に含有され、かつその中に吸収された前記難燃性溶液を有する前記粉砕ナノ細孔材料からの液体の蒸発に由来する、請求項18に記載のコーティング。
【請求項22】
その中に吸収された前記難燃性溶液を有する前記粉砕ナノ細孔材料からの液体の部分的な蒸発に由来する前記粉砕ナノ細孔材料内に含有される前記難燃性溶液の濃縮物をさらに含む、請求項21に記載のコーティング。
【請求項23】
前記ポリマー樹脂は、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニルエチレンコポリマー樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸ビニル樹脂、シリケート樹脂、酢酸ビニル-アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、カルボキシル化ポリマー樹脂、ポリフッ化ビニリデンポリマー樹脂、又はこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項24】
前記難燃性溶液の前記固形物は、前記難燃性溶液からの液体の蒸発に由来する結晶性固形物を含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項25】
前記難燃性溶液は、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項26】
前記粉砕ナノ細孔材料は、親水性の粉砕ナノ細孔材料を含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項27】
前記難燃性溶液は、水性難燃性溶液、非毒性液体難燃性溶液、及び中性pH液体難燃性溶液の1つを含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項28】
前記ポリマー樹脂中に組み込まれた界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載のコーティング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、非イントメッセント系コーティングに関し、より具体的には、断熱性及び難燃性の非イントメッセント系コーティング、及びそのような非イントメッセント系コーティングの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のイントメッセント系塗料は、いくらかの受動的熱保護を提供し得るが、それは一般に摂氏200~250度の範囲の熱(及び膨張)に曝されたときのみである。周囲温度では、イントメッセント系塗料も非イントメッセント系塗料も、熱障壁として顕著なほど作用しない。すなわち、イントメッセント系塗料も非イントメッセント系塗料も一般に、伝導又は放射を通じた熱の損失に対する保護を提供せず、したがって顕著な断熱値をもたらさない。
【0003】
さらに、そのようなイントメッセント系塗料は、コートされた物体が火炎又は高温に曝された場合にイントメッセント系要素が適切に膨張し難燃剤として機能するのに必要な厚さを得るために、幾層にも塗布される必要があり得る。必要とされるコーティング厚さを達成するにあたり、イントメッセント系塗料で平滑な表面仕上げを得るのは難しい。イントメッセント系要素がなければ、塗料のベース樹脂は一般に、可燃性である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、周囲温度で、放射又は伝導による熱の損失を減少させる、および例えば熱橋による熱伝達を減少させる又は防止する、断熱コーティングの必要性が存在する。火災が発生した場合、そのようなコーティングはまた、下にある構造物(コーティングされる物体)を火災/熱から保護するために、難燃性(及び/又は耐熱性)であるべきである。そのようなコーティングはまた望ましくは、単一のコーティング又は複数のコーティングのいずれを通じて得られるかにかかわらず、比較的薄いコーティング厚さで断熱特性及び耐火/耐熱特性をもたらすべきであり、かつ比較的平滑なコーティング表面をもたらすべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の及び他の必要性は、一態様では、均一な稠度を有する断熱性及び難燃性コーティングを形成するためにイントメッセント系材料を含有しないポリマー樹脂に粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物を添加することを含む、コーティングを形成する方法を提供する、本開示の態様によって満たされる。
【0006】
本開示の別の態様は、ナノ細孔材料が難燃性溶液を吸収するように、ナノ細孔材料と難燃性溶液を組み合わせることと、難燃性溶液の濃縮物又は固形物がナノ細孔材料内に残るように、難燃性溶液を吸収したナノ細孔材料から液体を蒸発させることと、均一な稠度の断熱性及び難燃性コーティングを形成するために、難燃性溶液の濃縮物又は固形物を内部に有するナノ細孔材料を、イントメッセント系材料を含有しないポリマー樹脂に添加することを含む、コーティングを形成する方法を提供する。
【0007】
本開示のさらに別の態様は、イントメッセント系材料を含有しないポリマー樹脂と、粉砕ナノ細孔材料と、難燃性溶液の固形物とを含む、コーティングを提供し、粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物が、均一な稠度の断熱性及び難燃性コーティングを形成するためにポリマー樹脂中に組み込まれる。
【0008】
本開示はしたがって、限定されないが、以下の実施形態を含む:
【0009】
実施形態1:均一な稠度を有する断熱性で難燃性のコーティングを形成するためにイントメッセント系材料を含有しないポリマー樹脂に粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物を添加することを含む、コーティングを形成する方法。
【0010】
実施形態2:ポリマー樹脂に粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物を添加することは、ポリマー樹脂に粉砕シリカベースのナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物を添加することを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0011】
実施形態3:ポリマー樹脂に粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物を添加することは、ポリマー樹脂に粉砕シリカエアロゲルナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物を添加することを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0012】
実施形態4:ポリマー樹脂に粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物を添加することは、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニルエチレンコポリマー樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸ビニル樹脂、シリケート樹脂、酢酸ビニル-アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、カルボキシル化ポリマー樹脂、ポリフッ化ビニリデンポリマー樹脂、又はこれらの組み合わせに粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物を添加することを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0013】
実施形態5:難燃性溶液の固形物を形成するために難燃性溶液から液体を蒸発させることを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0014】
実施形態6:難燃性溶液から液体を蒸発させることは、難燃性溶液を噴霧乾燥することを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0015】
実施形態7:難燃性溶液から液体を蒸発させることは、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含む難燃性溶液から液体を蒸発させることを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0016】
実施形態8:ポリマー樹脂に粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物を添加する前に、粉砕ナノ細孔材料を親水性にするために粉砕ナノ細孔材料を処理することを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0017】
実施形態9:ポリマー樹脂に界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせを添加することを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0018】
実施形態10:ナノ細孔材料が難燃性溶液を吸収するようにナノ細孔材料と難燃性溶液を組み合わせることと、難燃性溶液の濃縮物又は固形物がナノ細孔材料内に残るように難燃性溶液を吸収したナノ細孔材料から液体を蒸発させることと、均一な稠度の断熱性及び難燃性コーティングを形成するためにイントメッセント系材料を含有しないポリマー樹脂に難燃性溶液の濃縮物又は固形物を内部に有するナノ細孔材料を添加することを含む、コーティングを形成する方法。
【0019】
実施形態11:ナノ細孔材料と難燃性溶液を組み合わせることは、シリカベースのナノ細孔材料と難燃性溶液を組み合わせることを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0020】
実施形態12:ナノ細孔材料と難燃性溶液を組み合わせることは、シリカエアロゲルナノ細孔材料と難燃性溶液を組み合わせることを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0021】
実施形態13:ナノ細孔材料と難燃性溶液を組み合わせることは、ナノ細孔材料と、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含む難燃性溶液を組み合わせることを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0022】
実施形態14:その中に吸収された難燃性溶液を有するナノ細孔材料から液体を蒸発させることは、難燃性溶液を噴霧乾燥することを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0023】
実施形態15:ナノ細孔材料と難燃性溶液を組み合わせる前に、ナノ細孔材料を親水性にするためにナノ細孔材料を処理することを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0024】
実施形態16:ポリマー樹脂に難燃性溶液の濃縮物又は固形物を内部に有するナノ細孔材料を添加することは、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニルエチレンコポリマー樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸ビニル樹脂、シリケート樹脂、酢酸ビニル-アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、カルボキシル化ポリマー樹脂、ポリフッ化ビニリデンポリマー樹脂、又はこれらの組み合わせに難燃性溶液の濃縮物又は固形物を内部に有するナノ細孔材料を添加することを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0025】
実施形態17:ポリマー樹脂に界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせを添加することを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載の方法。
【0026】
実施形態18:イントメッセント系材料を含有しないポリマー樹脂と、粉砕ナノ細孔材料と、難燃性溶液の固形物とを含み、粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物が、均一な稠度を有する断熱性及び難燃性コーティングを形成するためにポリマー樹脂中に組み込まれる、コーティング。
【0027】
実施形態19:粉砕ナノ細孔材料は、粉砕シリカベースのナノ細孔材料を含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載のコーティング。
【0028】
実施形態20:粉砕ナノ細孔材料は、粉砕シリカエアロゲルナノ細孔材料を含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載のコーティング。
【0029】
実施形態21:難燃性溶液の固形物は、粉砕ナノ細孔材料内に含有されかつその中に吸収された難燃性溶液を有する粉砕ナノ細孔材料からの液体の蒸発に由来する、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載のコーティング。
【0030】
実施形態22:その中に吸収された難燃性溶液を有する粉砕ナノ細孔材料からの液体の部分的な蒸発に由来する粉砕ナノ細孔材料内に含有された難燃性溶液の濃縮物をさらに含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載のコーティング。
【0031】
実施形態23:ポリマー樹脂は、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニルエチレンコポリマー樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸ビニル樹脂、シリケート樹脂、酢酸ビニル-アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、カルボキシル化ポリマー樹脂、ポリフッ化ビニリデンポリマー樹脂、又はこれらの組み合わせを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載のコーティング。
【0032】
実施形態24:難燃性溶液の固形物は、難燃性溶液からの液体の蒸発に由来する結晶性固形物を含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載のコーティング。
【0033】
実施形態25:難燃性溶液は、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載のコーティング。
【0034】
実施形態26:粉砕ナノ細孔材料は、親水性の粉砕ナノ細孔材料を含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載のコーティング。
【0035】
実施形態27:難燃性溶液は、水性難燃性溶液、非毒性液体難燃性溶液、及び中性pH液体難燃性溶液の1つを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載のコーティング。
【0036】
実施形態28:ポリマー樹脂に組み込まれた界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせを含む、前述の実施形態又は前述の実施形態の任意の組み合わせに記載のコーティング。
【0037】
本開示のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、以下に簡単に説明する添付図とともに以下の詳細な説明を読むことから明らかとなるであろう。本開示は、そのような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の説明で明示的に組み合わされる或いは列挙されるかどうかに関係なく、本開示に記載の2つ、3つ、4つの、又はそれより多い特徴又は要素の任意の組み合わせを含む。本開示は、その態様及び実施形態のいずれにおいても、本開示の任意の分離可能な特徴又は要素が、意図のとおりに、すなわち、本開示の文脈が別途明確に指示していない限り、組み合わせ可能であるとみなされるように、全体論的に読まれることを意図している。
【0038】
ここでの要約は、本開示の基本的な理解をもたらすためにいくつかの例示的な態様を単に要約する目的で提供されることが理解されるであろう。したがって、上記の例示的な態様は単なる例であり、本開示の範囲又は精神を多少なりとも狭めると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。本開示の範囲は、本明細書で要約されたものに加えて、多くの潜在的な態様を包含し、そのうちのいくつかが以下でさらに説明されることが理解されるであろう。さらに、説明される態様の原理を例として示す添付図と併せて取り上げられる以下の詳細な説明から、本明細書で開示される他の態様及びそのような態様の利点が明らかとなるであろう。
【0039】
このように本開示を一般的な用語で説明したので、ここで、必ずしも一定の縮尺で描かれていない、添付図の参照を行う。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本開示の一態様に係るコーティングを形成する方法を概略的に示す。
【
図2】本開示の別の態様に係るコーティングを形成する方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示をここで、本開示のすべてではないが或る態様が示される添付図を参照しながら、以下により十分に説明する。実際に、本開示は、多くの異なる形態で具現化でき、本明細書に記載の態様に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの態様は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0042】
図1は、コーティングを形成する方法を概略的に示し、この方法は、概して要素100により示される。本開示の特定の態様によれば、そのような方法は、均一な稠度を有する断熱性及び難燃性コーティング180を形成するために、イントメッセント系材料を含有しないポリマー樹脂160に粉砕ナノ細孔材料120及び難燃性溶液の固形物140を添加することを含む。いくつかの例では、粉砕ナノ細孔材料120は、粉砕シリカベースの又は二酸化ケイ素ベースのナノ細孔材料を含む。他の特定の例では、粉砕ナノ細孔材料120は、粉砕シリカ(二酸化ケイ素)エアロゲルナノ細孔材料を含む。そのようなナノ細孔材料の例としては、一般にエアロゲルと称する任意の市販のアモルファスシリカ(二酸化ケイ素)材料が挙げられる。本開示の特定の態様では、ポリマー樹脂160は、塩化ビニル樹脂を含む。しかしながら、当業者は、ポリマー樹脂160が、多くの異なる化合物、特に、塗料などのコーティングとして表面に塗布できる化合物を含み得ることを理解するであろう。特定の態様では、ポリマー樹脂の選択は、得られるコーティングに必要とされる耐熱性(例えば、温度レベル及び/又は持続時間)を含む、いくつかの因子に依存し得る。より具体的には、本開示に関連して実装される適切な代替のポリマー樹脂の例は、酢酸ビニルエチレンコポリマー樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸ビニル樹脂、シリケート樹脂、酢酸ビニル-アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、カルボキシル化ポリマー樹脂、ポリフッ化ビニリデンポリマー樹脂、又はこれらの組み合わせを含む。本開示の特定の態様では、選択されるポリマー樹脂は、約-30℃~約+25℃の範囲のガラス転移温度を有する。
【0043】
本開示に関連してナノ細孔材料120として実装される適切なナノ細孔材料の限定でない例は、Enersens Kwark(登録商標)エアロゲル、Svenska Quartzene(登録商標)Z1エアロゲル、Cabot Enova(登録商標)エアロゲル、及びJIOS AeroVa(登録商標)エアロゲルを含み得る。一例では、ナノ細孔材料120は、例えば、NANOLIT(登録商標)カーボンエアロゲル及び/又はUNINANO TS-Powder(登録商標)エアロゲルを含み、これらは一般に、高い表面積を示し、かつ耐熱性を呈する。特に、NANOLIT(登録商標)は、約700~約1500m2/gの表面積及び約0.5g/ccの密度を有し、一方でTS-Powder(登録商標)は、約600~約1000m2/gの表面積及び約0.06~約0.38g/ccの密度を有する。そのような例示的なエアロゲルは一般に、低い熱伝導率λを示し、液体の水を吸収しない(疎水性である)が、水蒸気に対し透過性である。一般に、そのような例示的なエアロゲルは、殺菌剤、殺藻剤、農薬、結合剤、又は難燃剤を含まず、他の材料と反応しない。しかしながら、当業者は、ナノ細孔材料が、多くの異なる商標名で入手できる有機又は無機(例えば、沈降シリカ)の多くの異なる化合物を含み得ることを理解するであろう。
【0044】
ナノ細孔材料は、コーティング180及びその製造方法に関連して本明細書で開示される粉砕ナノ細孔材料120を得るために、適宜精製され得る。例えば、ナノ細孔材料は、ナノ細孔材料のより大きな要素を、例えば平均粒径範囲に反映される所望の精製レベルを有するより小さな要素に縮小する及び粉砕するために、チョップされ、グラインドされ、又は破砕されてよく、或いは他の適切な処理に供されてよい。本開示の態様に係るコーティング180において、ナノ細孔材料は、粉砕されると、約0.5mm~約1.5mmの範囲の平均要素サイズを望ましくは有し得る。本開示のいくつかの態様では、典型的には約0.1mm未満の平均要素サイズの、ナノ細孔材料の非常に微細な粒子が、粉砕ナノ細孔材料のより大きなサイズの粒子間の隙間に嵌る又は充填されるように添加されてもよい(例えば、粉砕ナノ細孔材料に加えて)。ナノ細孔材料は、例えば、ハンマーミル又は他の適切な処理装置などを通じた機械的処理によって粉砕され得る。
【0045】
いくつかの態様では、難燃性溶液の固形物140は、難燃性溶液から液体を蒸発させることによって得られる又は製造でき、難燃性溶液の固形物140が、脱液プロセス後に残存する。本開示の特定の態様によれば、難燃性溶液は、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含む。さらに、難燃性溶液は、水性難燃性溶液、非毒性液体難燃性溶液、及び中性pH液体難燃性溶液の1つとして実装され得る。蒸発プロセスは、例えば、難燃性溶液の固形物140(例えば、結晶性固形物の形態の沈殿)だけが残るまで、難燃性溶液から液体を蒸発させるために難燃性溶液を加熱することを含み得る。このようなプロセスは、例えば、溶液中の水が蒸発しかつ塩結晶が沈殿物として残るように、塩溶液を加熱することにより塩結晶を得ることと同様であり得る。他の例では、蒸発プロセスは、例えば、難燃性溶液に噴霧乾燥手順を行うことを含み得る。
【0046】
難燃性溶液の固形物140が得られると、固形物を、コーティング及びその製造方法に関連して本明細書で開示される適切な精製レベルを達成するために適宜精製できる。例えば、固形物は、固形物のより大きな要素を、例えば平均粒径範囲に反映される所望の精製レベルのより小さな要素に縮小及び粉砕するために、チョップされ、グラインドされ、又は破砕され、或いは他の適切な処理に供されてよい。本開示の態様に係るコーティングにおいて、固形物は、粉砕されると、粉砕ナノ細孔材料の平均要素サイズ(例えば、約0.5mm~約1.5mm)以下の平均要素サイズを望ましくは有し得る。本開示のいくつかの態様では、難燃性溶液の固形物は、平均要素サイズが約0.1mm未満の非常に微細な粒子であることが望ましい場合がある。固形物は、例えば、ハンマーミル又は他の適切な処理装置などを通じた機械的処理によって粉砕/精製され得る。
【0047】
粉砕ナノ細孔材料120と難燃性溶液の固形物140はその後、均一な稠度の断熱性及び難燃性コーティング180を形成するために、ポリマー樹脂160と組み合わせるできる。すなわち、粉砕ナノ細孔材料120と難燃性溶液の固形物140は、コーティング180が均一又は一様な稠度を呈し、表面に塗布されたときにコーティング180が平滑に見えるように、十分な量でポリマー樹脂160に添加され、かつその全体にわたって実質的に一様に分散されてよい。ナノ細孔材料(例えばNANOLIT(登録商標))が、製造時のままであるか又は製造後の処理によるかにかかわらず、疎水性であっても、ナノ細孔材料は、難燃性溶液の固形物140及びポリマー樹脂160と組み合わされる前に親水性にされる必要はない(しかし要望に応じて親水性にされてよい)。
【0048】
ナノ細孔材料の断熱特性と、難燃性溶液の固形物140によってナノ細孔材料及びポリマー樹脂に付与される耐火炎/耐火性はしたがって、例えばイントメッセント系材料などの、コーティング180における他の難燃性物質の必要性をなくす。しかしながら、いくつかの態様では、イントメッセント系材料/要素が、本明細書で開示される難燃性溶液の固形物に加えて(代わりにではなく)、添加される/含められてよい。得られるコーティング180はしたがって、本開示の特定の態様において、特に難燃性溶液の特定の固形物としてのイントメッセント系材料成分を一般に欠き、したがって非イントメッセント系コーティングと普通は呼ばれる。さらに、このナノ細孔材料の断熱特性は、例えば、一般に作動/活性化時にのみ顕著な断熱値を提供するイントメッセント系コーティングと比較して、得られるコーティング180に顕著な塗布時断熱値(例えば、受動的又は周囲断熱値)を付与する。例えば、約2mm~約5mmの厚さを有し得る本開示の態様に係るコーティングの単一のコーティング又は層(一般に、コーティングは約0.5mm~約10mmの単一のコーティング厚さを有し得る)は、塗布され硬化されると断熱「R値」(例えば、受動的又は周囲断熱値)を呈し得る。本開示の態様に係るコーティングのこの塗布時断熱値は、同等の厚さ(例えば、1mm~10mm)の従来のイントメッセント系コーティングよりも大きい。さらに、従来のイントメッセント系コーティングは、表面に塗布すると、一般にその表面上で粗い又はざらついたコーティングをもたらす。
【0049】
典型的なイントメッセント系材料の活性化温度を表す約200℃~約250℃の温度で火災/火炎に曝されたとき、1mmの塗布厚さを有する従来のイントメッセント系コーティングは、約40mmの厚さの層に膨張する。熱/火炎に応答して膨張することで、従来のイントメッセント系コーティングは、下にある被コーティング面に熱障壁を提供する。しかしながら、イントメッセント系粒子/材料を支持する樹脂マトリックスは必ずしも難燃性ではなく、それは、場合によってはイントメッセント系コーティングの難燃性能を制限する可能性がある。比較すると、本開示に係るコーティングで実装されるナノ細孔材料及びポリマー樹脂は必ずしも難燃性ではないが、難燃性溶液の固形物の実装及び包含は、コーティングのナノ細孔材料とポリマー樹脂成分との両方に難燃特性を付与する。したがって、本開示の態様に係るコーティングと従来のイントメッセント系コーティングの両方は、コーティングが火災/火炎に曝されたときに熱保護を提供するが、下にある表面の熱保護及びコーティングの耐火性は、従来のイントメッセント系コーティングと比較して、本開示の態様に係るコーティングの方がより大きい。
【0050】
当業者は、例えば、界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせなどの他の要素が、これらのさらなる要素が呈する特性及び目的のために、必要又は要望に応じてポリマー樹脂に添加されてもよいことをさらに理解するであろう。本開示のいくつか特定の態様では、ポリマー樹脂は、コーティング組成全体の約30重量パーセント~約80重量パーセントを構成する。
【0051】
本開示の別の態様では、
図2に示されるように、粉砕ナノ細孔材料120と難燃性溶液の固形物140が
図1に示されるようにポリマー樹脂160と組み合わされる代わりに、ナノ細孔材料と難燃性溶液が最初に、ナノ細孔材料が液体難燃性溶液を吸収するように組み合わされてよい(ブロック220)。ナノ細孔材料は、難燃性溶液との組み合わせの前に粉砕される/精製されてよく、又はされなくてもよい。吸収されると或いは吸収を可能にするのに十分な時間にわたって組み合わされると、難燃性溶液の濃縮物及び/又はその固形物がナノ細孔材料内に残るようにその中に吸収された難燃性溶液を有するナノ細孔材料から液体が気化される(ブロック240)。
【0052】
当業者は、液体が、様々な適切な様態で、そこに吸収された難燃性溶液を有するナノ細孔材料から気化され得ることを理解するであろう。例えば、その中に吸収された難燃性溶液を有するナノ細孔材料は、液体を蒸発させるために加熱されてよい。他の例では、その中に吸収された難燃性溶液を有するナノ細孔材料は、ナノ細孔材料により吸収された難燃性溶液から少なくとも幾らかの液体を除去するために、加熱プロセス、噴霧乾燥プロセス、及び/又は任意の他の適切なプロセスに飽和したナノ細孔材料を供することにより、そこから液体を蒸発させてよい。すなわち、これは、より濃縮された(それほど液状でない)難燃性溶液の沈殿物、より高濃度の難燃性溶液、及び/又は難燃性溶液の固形物が、細孔内に十分に残る或いはナノ細孔材料の表面と係合したままであるように、難燃性溶液から少なくとも一部の又は特定の量の液体を蒸発させれば十分であり得る。先に開示したように、ナノ細孔材料と組み合わされ、それにより吸収される難燃性溶液は、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0053】
いくつかの態様では、ナノ細孔材料と難燃性溶液を組み合わせる前に、ナノ細孔材料を親水性にするためにナノ細孔材料を最初に処理することが必要である又は望ましい場合がある。すなわち、ナノ細孔材料(例えば、NANOLIT(登録商標))は、例えば、ナノ細孔材料が周囲環境から水分を吸収するのを防ぐために、製造時に疎水性であってよく、又は製造業者によって適用された製造後処理(例えば、シリル化剤の使用を通じて疎水性にされる)の結果として疎水性であってよい。したがって、本明細書で開示されるように実装される前に、特に液体難燃性溶液がナノ細孔材料により吸収される例では、ナノ細孔材料を、最初にナノ細孔材料を親水性にするために処理できる。より具体的には、いくつかの例では、親水性のナノ細孔材料を疎水性にするために使用される例示的なシリル化剤は、57℃の沸点を有するトリメチルクロロシラン(TMCS)である。処理済みの(疎水性の)ナノ細孔材料からTMCS及び/又は任意の他のシリル化剤を除去するために、例えば、処理済みのナノ細孔材料を、強制(空気)循環式オーブンに入れ、ナノ細孔材料を疎水性にするために使用されるシリル化剤の沸点よりもおよそ10℃低い温度に加熱してよい(例えば、ナノ細孔材料を焼結することなく、シリル化剤の沸点に関連する特定の温度に疎水性のナノ細孔材料を加熱する)。
【0054】
その中に吸収された難燃性溶液を有する親水性のナノ細孔材料が、難燃性溶液に関連する十分な量の液体を除去する(例えば、蒸発させる又は脱水する)ために処理されると、難燃性溶液の濃縮物及び/又は固形物を内部に有するナノ細孔材料は、コーティング及びその製造方法に関連して本明細書で開示される適切な精製レベルを達成するために、適宜粉砕され/精製され得る(ブロック260)。例えば、難燃性溶液の濃縮物及び/又は固形物を内部に有するナノ細孔材料は、そのより大きな要素を、例えば平均粒径範囲に反映される所望の精製レベルのより小さな要素へと縮小する及び粉砕/精製するために、チョップされ、グラインドされ、又は破砕され、或いは他の適切な処理に供されてよい。本開示の態様に係るコーティングにおいて、難燃性溶液の濃縮物及び/又は固形物を内部に有するナノ細孔材料は、粉砕されると、約0.5mm~約1.5mmの範囲の平均要素サイズを望ましくは有し得る。本開示のいくつかの態様では、典型的には約0.1mm未満の平均要素サイズの、難燃性溶液の濃縮物及び/又は固形物を内部に有するナノ細孔材料の非常に微細な粒子が、難燃性溶液の濃縮物及び/又は固形物を内部に有する粉砕ナノ細孔材料のより大きなサイズの粒子間の隙間に嵌る又は充填されるように(例えば、難燃性溶液の濃縮物及び/又は固形物を内部に有する粉砕ナノ細孔材料に加えて)添加されてもよい。難燃性溶液の濃縮物及び/又は固形物を内部に有するナノ細孔材料は、例えば、ハンマーミル又は他の適切な処理装置などを通じた機械的処理によって粉砕され/精製されてよい。
【0055】
難燃性溶液の濃縮物及び/又は固形物を内部に有する精製された粉砕ナノ細孔材料はその後、本明細書で別途開示されるように、均一な稠度を有する断熱性及び難燃性コーティング300を形成するために、ポリマー樹脂と組み合わされ得る(ブロック280)。すなわち、難燃性溶液の濃縮物及び/又は固形物を内部に有する精製された粉砕ナノ細孔材料は、コーティングが均一又は一様な稠度を呈するように、十分な量でポリマー樹脂に添加され、かつ全体にわたって実質的に一様に分散されてよく、コーティングは表面に塗布されたとき平滑に見える。ナノ細孔材料の断熱特性と、ナノ細孔材料及びポリマー樹脂に付与される耐火炎/耐火性は(例えば、難燃性溶液の濃縮物及び/又は固形物を内部に有する粉砕ナノ細孔材料がポリマー樹脂に添加される又はそれと組み合わされると、ナノ細孔材料からポリマー樹脂に浸出する難燃性溶液の濃縮物及び/又は固形物により)、はしたがって、例えばイントメッセント系材料などのコーティングにおける他の難燃性物質の必要性をなくす。したがって、得られるコーティングは、本開示の特定の態様によれば、イントメッセント系材料成分を含有せず、したがって非イントメッセント系コーティングと称することができる。さらに、ナノ細孔材料の断熱特性は、例えばイントメッセント系コーティングに比べて比較的平滑なコーティングを提供しながら、本明細書で別途開示されるように、例えばイントメッセント系コーティングと比較して、得られるコーティングに顕著な断熱値を付与する。さらに、また本明細書で別途開示されるように、当業者は、例えば、界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせなどの他の要素が、これらのさらなる要素が呈する特性及び目的のために、必要又は要望に応じてポリマー樹脂に添加されてもよいことをさらに理解するであろう。本開示のいくつかの特定の態様では、ポリマー樹脂は、コーティング組成全体の約30重量パーセント~約80重量パーセントを構成する。
【0056】
本開示の一態様はしたがって、イントメッセント系材料を含有しないポリマー樹脂と、粉砕ナノ細孔材料と、難燃性溶液の固形物とを含む、コーティングを提供し、粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物が、均一な稠度を有する断熱性及び難燃性コーティングを形成するためにポリマー樹脂に組み込まれる。粉砕ナノ細孔材料は、粉砕シリカベースのナノ細孔材料、より具体的には、粉砕シリカエアロゲルナノ細孔材料を含み得る。ポリマー樹脂は、塩化ビニル樹脂、又は酢酸ビニルエチレンコポリマー樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸ビニル樹脂、シリケート樹脂、酢酸ビニル-アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、カルボキシル化ポリマー樹脂、ポリフッ化ビニリデンポリマー樹脂、又はこれらの組み合わせなどの他の適切な樹脂材料を含み得る。
【0057】
難燃性溶液の固形物は、難燃性溶液からの液体の蒸発に由来する結晶性固形物を含む。そのような難燃性溶液は、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0058】
いくつかの態様では、粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物は、ポリマー樹脂中で組み合わされる前に別々に処理される。他の態様では、難燃性溶液の固形物及び/又は難燃性溶液の濃縮物は、ナノ細孔材料内に含有され(難燃性溶液との組み合わせの前に行われるナノ細孔材料の粉砕により、又は組み合わせの際に行われる粉砕により)かつその中に吸収された難燃性溶液を有するナノ細孔材料からの液体の蒸発に由来する。難燃性溶液が吸収されるために、ナノ細孔材料は、親水性のナノ細孔材料を含む。さらに、コーティングの形成時に、界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせの1つ又は複数を、必要又は要望に応じてポリマー樹脂中に組み込むことができる。本開示のいくつかの特定の態様では、ポリマー樹脂は、コーティング組成全体の約30重量パーセント~約80重量パーセントを構成する。
【0059】
したがって、本開示の態様は、ナノ細孔材料により、火に曝された状況と周囲温度状況の両方において、顕著な断熱特性をもたらすことができるコーティング/塗料を提供する。さらに、難燃性溶液及び/又は難燃性溶液の固形物の包含は、それらのほとんどは耐火性ではない、ナノ細孔材料とポリマー樹脂の両方に難燃特性を付与する。コーティングの耐熱性は、コーティングのベースとなる特定のポリマー樹脂の選択に依存し得る。一般に、ナノ細孔材料と、難燃性溶液の要素と、ポリマー樹脂が、結果として生じるコーティングとして平滑なペースト又は粘稠な液体が得られるまで共に混合される。得られる断熱性及び難燃性コーティング(イントメッセント系要素を含有しない)は、ブラシ、スプレー、ローラなどにより塗布できる。コーティング/塗料は、特にコーティング面の平滑な美的外観のために、例えば、石造物、プラスターボード、又は木材表面、或いは鋼構造物の柱又は表面に塗布されてよい。
【0060】
当業者は、本明細書に記載の本発明の多くの修正及び他の実施形態を思いつき、それらに対しこれらの開示される実施形態は、上記の説明及び関連する図面で提示される教示の恩恵を有して関係する。したがって、本発明の実施形態は開示された特定の実施形態に限定されるべきでないこと、および修正及び他の実施形態が本発明の範囲内に含まれると意図されることが理解される。さらに、上記の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせとの関連で例示的な実施形態を説明するが、要素及び/又は機能の様々な組み合わせが、本開示の範囲から逸脱することなく代替的な実施形態によって提供され得ることを理解されたい。これに関して、例えば、上で明示的に説明されたものとは異なる要素及び/又は機能の組み合わせもまた、本開示の範囲内で企図される。特定の用語が本明細書で採用されるが、それらは、一般的且つ説明的な意味でのみ用いられ、限定の目的のためではない。
【0061】
第1の、第2のなどの用語が様々なステップ又は計算を説明するために本明細書で用いられる場合があるが、これらのステップ又は計算は、これらの用語によって限定されるものではないことを理解されたい。これらの用語は、ある動作又は計算を別の動作又は計算と区別するためにのみ用いられる。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の計算を第2の計算と呼ぶことができ、同様に、第2のステップを第1のステップと呼ぶことができる。本明細書で用いられる場合の「及び/又は」という用語及び「/」記号は、関連する列挙されたアイテムの1つ又は複数のいずれか及びすべての組み合わせを含む。
【0062】
本明細書で用いられる場合の単数形(「a」、「an」、及び「the」)は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で用いられるときの、備える、含む(「comprises」、「comprising」、「includes」、及び/又は「including」)という用語は、表記された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を明示するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。したがって、本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していない。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
均一な稠度を有する断熱性で難燃性の
非イントメッセント系コーティングを形成するために、
イントメッセント系材料を添加せずに、イントメッセント系材料を欠くポリマー樹脂に粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の固形物を添加すること、
を含む、
非イントメッセント系コーティングを形成する方法。
【請求項2】
前記ポリマー樹脂に前記粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の前記固形物を添加することは、前記ポリマー樹脂に粉砕シリカベースのナノ細孔材料と前記難燃性溶液の前記固形物を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリマー樹脂に前記粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の前記固形物を添加することは、前記ポリマー樹脂に粉砕シリカエアロゲルナノ細孔材料と前記難燃性溶液の前記固形物を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリマー樹脂に前記粉砕ナノ細孔材料と難燃性溶液の前記固形物を添加することは、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニルエチレンコポリマー樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸ビニル樹脂、シリケート樹脂、酢酸ビニル-アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、カルボキシル化ポリマー樹脂、ポリフッ化ビニリデンポリマー樹脂、又はこれらの組み合わせに、前記粉砕ナノ細孔材料と前記難燃性溶液の前記固形物を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記難燃性溶液の前記固形物を形成するために前記難燃性溶液から液体を蒸発させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記難燃性溶液から液体を蒸発させることは、前記難燃性溶液を噴霧乾燥することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記難燃性溶液から液体を蒸発させることは、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含む前記難燃性溶液から液体を蒸発させることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリマー樹脂に前記粉砕ナノ細孔材料と前記難燃性溶液の前記固形物を添加する前に、前記粉砕ナノ細孔材料を親水性にするために前記粉砕ナノ細孔材料を処理することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリマー樹脂に界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせを添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ナノ細孔材料が難燃性溶液を吸収するように、ナノ細孔材料と難燃性溶液を組み合わせることと、
難燃性溶液の濃縮物又はその固形物がナノ細孔材料内に残るように、その中に吸収された難燃性溶液を有するナノ細孔材料から液体を蒸発させることと、
均一な稠度を有する断熱性で、難燃性のコーティングを形成するために、イントメッセント系材料を欠くポリマー樹脂に、その中に難燃性溶液の濃縮物又は固形物を有するナノ細孔材料を添加することと、
を含む、コーティングを形成する方法。
【請求項11】
前記ナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせることは、シリカベースのナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせることは、シリカエアロゲルナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせることは、前記ナノ細孔材料と、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含む前記難燃性溶液を組み合わせることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
その中に吸収された前記難燃性溶液を有する前記ナノ細孔材料から液体を蒸発させることは、前記難燃性溶液を噴霧乾燥することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記ナノ細孔材料と前記難燃性溶液を組み合わせる前に、前記ナノ細孔材料を親水性にするために前記ナノ細孔材料を処理することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
ポリマー樹脂に、その中に前記難燃性溶液の濃縮物又は固形物を有する前記ナノ細孔材料を添加することは、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニルエチレンコポリマー樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸ビニル樹脂、シリケート樹脂、酢酸ビニル-アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、カルボキシル化ポリマー樹脂、ポリフッ化ビニリデンポリマー樹脂、又はこれらの組み合わせに、その中に前記難燃性溶液の濃縮物又は固形物を有する前記ナノ細孔材料を添加することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記ポリマー樹脂に界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせを添加することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
イントメッセント系材料を欠くポリマー樹脂と、
粉砕ナノ細孔材料と、
難燃性溶液の固形物と、
から本質的になり、
均一な稠度を有する断熱性で難燃性の
非イントメッセント系コーティングを形成するために、前記粉砕ナノ細孔材料と前記難燃性溶液の固形物が、前記ポリマー樹脂中に組み込まれる、
非イントメッセント系コーティング。
【請求項19】
前記粉砕ナノ細孔材料は、粉砕シリカベースのナノ細孔材料を含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項20】
前記粉砕ナノ細孔材料は、粉砕シリカエアロゲルナノ細孔材料を含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項21】
前記難燃性溶液の前記固形物は、前記粉砕ナノ細孔材料内に含有され、かつその中に吸収された前記難燃性溶液を有する前記粉砕ナノ細孔材料からの液体の蒸発に由来する、請求項18に記載のコーティング。
【請求項22】
その中に吸収された前記難燃性溶液を有する前記粉砕ナノ細孔材料からの液体の部分的な蒸発に由来する前記粉砕ナノ細孔材料内に含有される前記難燃性溶液の濃縮物をさらに含む、請求項21に記載のコーティング。
【請求項23】
前記ポリマー樹脂は、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニルエチレンコポリマー樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン樹脂、アクリル酸ビニル樹脂、シリケート樹脂、酢酸ビニル-アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、カルボキシル化ポリマー樹脂、ポリフッ化ビニリデンポリマー樹脂、又はこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項24】
前記難燃性溶液の前記固形物は、前記難燃性溶液からの液体の蒸発に由来する結晶性固形物を含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項25】
前記難燃性溶液は、ホウ素化合物、リン化合物、塩素化合物、リチウム化合物、フッ素化合物、アンチモン化合物、ホウ酸塩化合物、ホウ酸、無機水和物、臭素化合物、アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム、ホスホニウム塩、ジルコニウム塩、リン酸アンモニウム、リン酸二アンモニウム、臭化メチル、ヨウ化メチル、ブロモクロロジフルオロメタン、ジブロモテトラフルオロエタン、ジブロモジフルオロメタン、尿素、又はこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項26】
前記粉砕ナノ細孔材料は、親水性の粉砕ナノ細孔材料を含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項27】
前記難燃性溶液は、水性難燃性溶液、非毒性液体難燃性溶液、及び中性pH液体難燃性溶液の1つを含む、請求項18に記載のコーティング。
【請求項28】
前記ポリマー樹脂中に組み込まれた界面活性剤、増粘剤、顔料、繊維、又はこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載のコーティング。
【国際調査報告】