(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(54)【発明の名称】血管アクセス器具用流体コネクタ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/02 20060101AFI20230831BHJP
【FI】
A61M39/02 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509832
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 US2021045743
(87)【国際公開番号】W WO2022036095
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500295612
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、イアン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ヒョードル、ブレンダ エル.エフ.
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB05
4C066CC01
4C066FF01
4C066JJ07
(57)【要約】
接続システムは、カテーテルをポートに接続するように構成される。接続システムは、カテーテルの端部の一部を保持するように構成された歯付きグリップコネクタシステムを含む。歯付きグリップコネクタシステムは、接続システムの第1の端部から長手方向に延びかつ内部幹を含む凹部を含み、内部幹の周りに径方向に延びる把持部材を備える。把持部材は、径方向内向きに延びる複数の歯を含み、複数の歯は、カテーテルの端部の外面に係合して、カテーテルの端部を凹部の中に挿入した後の少なくとも第1の方向の長手方向への移動を防止するように構成されている。接続システムは、カテーテルの端部と内部幹との間の密封を提供する封止部材を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルをアクセスポートに接続するように構成された接続システムであって、
カテーテルの端部を保持するように構成された歯付きグリップコネクタシステムであって、歯付きグリップコネクタシステムは、
流体接続デバイスの第1の端部から長手方向に延びかつ内部幹を含む凹部と、
前記内部幹の周りに径方向に延びかつ径方向内向きに延びる複数の歯を含む把持部材であって、前記複数の歯は、前記カテーテルの端部の外面に係合して、前記カテーテルの端部を前記凹部の中に挿入した後の少なくとも第1の方向の長手方向への移動を防止するように構成される把持部材と、を備えるグリップコネクタシステムと、
前記カテーテルの外面に作用して、前記カテーテルの端部と前記内部幹とのシールを提供するように構成された封止部材と、
を備える、接続システム。
【請求項2】
請求項1に記載の接続システムは、更に、
前記接続システムの第2の端部に配置され、かつアクセスポートに接続された雌型端部クイックコネクタに係合するように構成された雄型端部クイックコネクタを含む、接続システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の接続システムにおいて、
前記複数の歯は、前記第1の端部とは反対側の前記接続システムの第2の端部に向かって角度が付けられている、接続システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の接続システムにおいて、
前記把持部材または前記封止部材の一方は、前記凹部の壁の溝内に保持され、
前記溝は、前記内部幹の周りに環状に延びている、接続システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の接続システムにおいて、
前記凹部の壁から径方向内向きに延び、かつ前記把持部材または前記封止部材のうちの一方に当接して、少なくとも前記第1の方向の長手方向への移動を防止するように構成された突出部を備える、接続システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の接続システムにおいて、
前記封止部材は、流体密封特性を示すシリコーン、ポリマー、エラストマー、またはゴム材料のうちの1つを含む、接続システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の接続システムにおいて、
前記封止部材は、前記第1の端部に近接して配置され、
前記把持部材は、前記第2の端部に近接して配置されている、接続システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の接続システムにおいて、
前記封止部材は、前記第2の端部に近接して配置され、
前記把持部材は、前記第1の端部に近接して配置されている、接続システム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の接続システムは、更に、
係合解除具を含み、係合解除具の一部が、前記カテーテルの外面と前記複数の歯のうちの1つの歯との間を前記凹部の中へと延びることで、前記複数の歯を前記カテーテルから係合解除して、前記カテーテルを前記長手方向に沿って引き抜くことができるように構成されている、接続システム。
【請求項10】
カテーテルおよびアクセスポートを流体連通して配置するための方法であって、
前記アクセスポートを組織ポケット内に配置することと、
前記カテーテルの遠位端を患者内の標的位置に配置することと、
前記カテーテルの近位端を、接続システムの第1の端部に配置された歯付きグリップコネクタシステムに挿入することと、を備え、
前記歯付きグリップコネクタシステムは、凹部と、前記凹部内に配置された内部幹と、前記内部幹の周りに環状に延びる把持部材と、封止部材とを備え、
前記把持部材は、径方向内向きに延びかつ前記カテーテルの外面に係合して前記歯付きグリップコネクタシステムからの前記カテーテルの引き抜きを防止するように構成された複数の歯を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
前記接続システムは、ポートと一体的に形成され、前記ポートへの流体連通を提供するように構成されている、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記接続システムの第2の端部は、迅速接続システム、ねじ係合、圧入、スナップ嵌め、接着剤、接着、または溶接のうちの1つを用いて前記ポートに係合することで、前記ポートへの流体連通を提供するように構成されている、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法は、更に、
前記封止部材の表面を前記カテーテルの外面に作用させることと、
前記カテーテルの内面と前記内部幹との間に密封を形成することと、
を備える、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法は、更に、
前記複数の歯と前記カテーテルの外面との間を前記凹部の中へと係合解除具を摺動させることと、
前記複数の歯を径方向外向きに屈曲させて、前記カテーテルの外面から係合解除することと、
前記歯付きグリップコネクタシステムから前記カテーテルを引き抜くことと、
を備える、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法において、
前記把持部材は、前記複数の歯が前記接続システムの第2の端部に向かって角度が付けられている第1の安定構成と、前記複数の歯が前記接続システムの第1の端部に向かって角度が付けられている第2の安定構成とを含む双安定構成を備える、方法。
【請求項16】
請求項12に記載の方法において、
前記接続システムの第2の端部は、前記ポート上の雌型端部クイックコネクタと接続するように構成された雄型端部クイックコネクタを含む、方法。
【請求項17】
請求項12に記載の方法において、
前記接続システムの第2の端部は、前記ポート上の雄型端部クイックコネクタと接続するように構成された雌型端部クイックコネクタを含む、方法。
【請求項18】
カテーテルをアクセスポートに接続するための方法であって、
患者にポートポケットを形成することと、
前記アクセスポートを前記ポートポケット内に配置することであって、前記アクセスポートは雌型コネクタ取付具を含む、ことと
前記カテーテルの遠位端を前記患者内の標的位置に配置することと、
前記カテーテルの近位端を前記ポートポケットの外側の接続システムの中に挿入することとであって、前記接続システムは、
前記カテーテルの近位端を受け入れるように設計された第1の端部であって、前記カテーテルの近位端を前記第1の端部の中に挿入した後の前記接続システムから離れる方向へのカテーテルの移動を防止する把持部材を含む第1の端部と、
前記第1の端部の反対側の第2の端部であって、雄型コネクタ取付具を含む第2の端部と、を含むことと、
前記雄型コネクタ取付具を前記ポートポケット内の前記雌型コネクタ取付具の中に挿入することで、接続デバイスを前記アクセスポートにロックし、前記カテーテルを前記アクセスポートと流体連通するように配置することと、
を備える、方法。
【請求項19】
カテーテルをアクセスポートに接続するように構成された接続システムであって、
長手方向軸に沿って延びかつ管腔を画定する外部幹を含む雄型端部クイックコネクタであって、前記外部幹はその周りに環状に延びる溝を含む、雄型端部クイックコネクタと、
管腔を画定しかつ前記雄型端部クイックコネクタの幹を収容するように構成された雌型端部クイックコネクタであって、前記雌型端部クイックコネクタは、前記雌型端部クイックコネクタと摺動可能に係合されたカラーロック機構を含み、前記カラーロック機構は、ロック構成とロック解除構成との間で移行可能であり、前記ロック構成において前記溝と係合することで前記幹を前記雌型端部クイックコネクタ内に解放可能に保持するように構成されたタブを含む、雌型端部クイックコネクタと、
を備える、接続システム。
【請求項20】
請求項19に記載の接続システムは、更に、
前記カラーロック機構をロック位置に付勢するように構成された付勢部材を含む、接続システム。
【請求項21】
請求項19に記載の接続システムは、更に、
前記カラーロック機構を前記ロック解除構成と前記ロック構成との間で案内するように構成されたガイド構造を含む、接続システム。
【請求項22】
請求項19に記載の接続システムは、更に、
前記雌型端部クイックコネクタの管腔内に配置され、弁を開くように構成されたアクチュエータを含み、前記弁は、前記雌型端部クイックコネクタの管腔と前記雄型端部クイックコネクタの管腔との間の流体連通を制御するように構成されている、接続システム。
【請求項23】
請求項19に記載の接続システムにおいて、
前記雄型端部クイックコネクタは、カテーテルに接続され、
前記雌型端部クイックコネクタは、ポートに接続される、接続システム。
【請求項24】
請求項19に記載の接続システムにおいて、
前記雌型端部クイックコネクタは、カテーテルに接続され、
前記雄型端部クイックコネクタは、ポートに接続される、接続システム。
【請求項25】
請求項19に記載の接続システムにおいて、
前記雄型端部クイックコネクタは、その反対側の端部に配置されかつカテーテルに係合するように構成された歯付きグリップコネクタシステムを含む流体接続デバイスに接続される、接続システム。
【請求項26】
請求項19に記載の接続システムにおいて、
前記カラーロック機構は、前記長手方向軸に平行に延びる軸に沿って前記雌型端部クイックコネクタと摺動可能に係合される、接続システム。
【請求項27】
請求項19に記載の接続システムにおいて、
前記カラーロック機構は、前記長手方向軸に垂直に延びる軸に沿って前記雌型端部クイックコネクタに摺動可能に係合されている、接続システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血管アクセス器具用流体コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
血管アクセス器具(VAD)、例えば、1つ以上の容器を有するアクセスポートをカテーテルに流体接続する現在の方法は、アクセスポート幹上にカテーテルを引き伸ばすことを含む。このことは、カテーテル、アクセスポート、およびポート幹が患者の皮下組織ポケット内に配置する場合に困難をもたらす。さらに、皮下ポケット内のポート幹上でカテーテルを引き伸ばすことは、不正確な組み立て、ずれ、組織ポケットの偶発的な外傷を引き起こす虞がある。より確実な接続によって、接続部からの流体漏出を防止しつつカテーテルとポートとの間でのより高い流体流動が可能になる。従って、カテーテルとアクセスポートとを皮下ポケット内で迅速、簡単、確実に接続することは有益である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、上記の課題に対処する接続システムおよび使用方法である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に開示のカテーテルをアクセスポートに接続するように構成された流体接続デバイスは、いくつかの実施形態において、カテーテルの端部を保持するように構成された歯付きグリップコネクタシステムを含み、歯付きグリップコネクタシステムは、更に、流体接続デバイスの第1の端部から長手方向に延びかつ内部幹を含む凹部を含む。流体接続デバイスは、内部幹の周りに径方向に延びかつ径方向内向きに延びる複数の歯を含む把持部材であって、複数の歯が、カテーテルの端部の外面に係合して、カテーテルの端部を凹部の中に挿入した後の少なくとも第1の方向の長手方向への移動を防止するように構成される把持部材と、カテーテルの外面に作用して、カテーテルの端部と内部幹とのシールを提供するように構成された封止部材と、を備える。
【0005】
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスは、更に、接続デバイスの第2の端部に配置され、かつアクセスポートに接続された雌型端部クイックコネクタに係合するように構成された雄型端部クイックコネクタを含む。
【0006】
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスにおいて、複数の歯は、第1の端部とは反対側の接続デバイスの第2の端部に向かって角度が付けられている。
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスにおいて、把持部材または封止部材の一方は、凹部の壁の溝内に保持され、溝は、内部幹の周りに環状に延びている。
【0007】
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスにおいて、凹部の壁から径方向内向きに延び、かつ把持部材または封止部材のうちの一方に当接して、少なくとも第1の方向への長手方向に沿った移動を防止するように構成された突出部を備える。
【0008】
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスにおいて、封止部材は、流体密封特性を示すシリコーン、ポリマー、エラストマー、またはゴム材料のうちの1つを含む。
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスにおいて、封止部材は、第1の端部に近接して配置され、把持部材は、第2の端部に近接して配置されている。
【0009】
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスにおいて、封止部材は、第2の端部に近接して配置され、把持部材は、第1の端部に近接して配置されている。
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスは、更に、工具を含み、その一部が、カテーテルの外面と複数の歯のうちの1つの歯との間を凹部の中へと延びることで、複数の歯をカテーテルから係合解除して、カテーテルを第1の長手方向に沿って引き抜くことができるように構成されている。
【0010】
本明細書に開示のカテーテルおよびアクセスポートを流体連通して配置するための方法は、アクセスポートを組織ポケット内に配置することと、カテーテルの遠位端を患者内の標的位置に配置することと、カテーテルの近位端を、流体接続デバイスの第1の端部に配置された歯付きグリップコネクタシステムに挿入することと、を備え、歯付きグリップコネクタシステムは、凹部と、凹部内に配置された内部幹と、内部幹の周りに環状に延びる把持部材と、封止部材とを備え、把持部材は、径方向内向きに延びかつカテーテルの外面に係合して歯付きグリップコネクタデバイスからのカテーテルの引き抜きを防止するように構成された複数の歯を含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、方法において、流体接続デバイスは、ポートと一体的に形成され、ポートへの流体連通を提供するように構成されている。
いくつかの実施形態において、方法において、接続デバイスの第2の端部は、迅速接続デバイス、ねじ係合、圧入、スナップ嵌め、接着剤、接着、または溶接のうちの1つを用いてポートに係合することで、ポートへの流体連通を提供するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態において、方法は、更に、封止部材の表面をカテーテルの外面に作用させることと、カテーテルの内面と内部幹との間に密封を形成することと、を備える。
いくつかの実施形態において、方法は、更に、複数の歯とカテーテルの外面との間の凹部の中へと係合解除具を摺動させることと、複数の歯を径方向外向きに屈曲させて、カテーテルの外面から係合解除することと、歯付きグリップコネクタシステムからカテーテルを引き抜くことと、を備える。
【0013】
いくつかの実施形態において、方法において、把持部材は、複数の歯が流体接続デバイスの第2の端部に向かって角度が付けられている第1の安定構成と、複数の歯が流体接続デバイスの第1の端部に向かって角度が付けられている第2の安定構成とを含む双安定構成を備える。
【0014】
いくつかの実施形態において、方法において、接続デバイスの第2の端部は、ポート上の雌型端部クイックコネクタと接続するように構成された雄型端部クイックコネクタを含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、方法において、接続デバイスの第2の端部は、ポート上の雄型端部クイックコネクタと接続するように構成された雌型端部クイックコネクタを含む。
【0016】
本明細書に開示のカテーテルをアクセスポートに接続するための方法は、患者にポートポケットを形成することと、アクセスポートをポートポケット内に配置することであって、アクセスポートは雌型コネクタ取付具を含むことと、を備える。方法は、カテーテルの遠位端を患者内の標的位置に配置することと、カテーテルの近位端をポートポケットの外側の接続デバイスの中に挿入することとであって、接続デバイスは、カテーテルの近位端を受け入れるように設計された第1の端部であって、カテーテルの近位端を第1の端部に挿入した後の接続デバイスから離れる方向へのカテーテルの移動を防止する把持部材を含む第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部であって、雄型コネクタ取付具を含む第2の端部と、を含む。方法は、雄型コネクタ取付具をポートポケット内の雌型コネクタ取付具に挿入して、接続デバイスをアクセスポートにロックし、カテーテルをアクセスポートと流体連通するように配置すること、を備える。
【0017】
本明細書に開示のカテーテルをアクセスポートに接続するように構成された流体接続システムは、長手方向軸に沿って延びかつ管腔を画定する外部幹を含む雄型端部クイックコネクタであって、外部幹はその周りに環状に延びる溝を含む雄型端部クイックコネクタと、管腔を画定しかつ雄型端部クイックコネクタの幹を収容するように構成された雌型端部クイックコネクタとを備える。雌型端部クイックコネクタは、雌型端部クイックコネクタと摺動可能に係合されたカラーロック機構を含み、カラーロック機構は、ロック構成とロック解除構成との間で移行可能であり、ロック構成において溝と係合することで幹を雌型端部クイックコネクタ内に解放可能に保持するように構成されたタブを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスは、更に、カラーロック機構をロック位置に付勢するように構成された付勢部材を含む。
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスは、更に、カラーロック機構をロック解除構成とロック構成との間で案内するように構成されたガイド構造を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスは、更に、雌型端部クイックコネクタの管腔内に配置され、弁を開くように構成されたアクチュエータを含み、弁は、雌型端部クイックコネクタの管腔と雄型端部クイックコネクタの管腔との間の流体連通を制御するように構成されている。
【0020】
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスにおいて、雄型端部クイックコネクタはカテーテルに接続され、雌型端部クイックコネクタがポートに接続される。
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスにおいて、雌型端部クイックコネクタはカテーテルに接続され、雄型端部クイックコネクタがポートに接続される。
【0021】
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスにおいて、雄型端部クイックコネクタは、その反対側の端部に配置されかつカテーテルに係合するように構成された歯付きグリップコネクタデバイスを含む流体接続デバイスに接続される。
【0022】
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスにおいて、カラーロック機構は、長手方向軸に平行に延びる軸に沿って雌型端部クイックコネクタと摺動可能に係合される。
いくつかの実施形態において、流体接続デバイスにおいて、カラーロック機構は、長手方向軸に垂直に延びる軸に沿って雌型端部クイックコネクタに摺動可能に係合されている。
【0023】
本明細書にて提供される技術的思想のこれら及びその他の特徴は、そのような技術的思想の特定の実施形態をより詳細に説明する添付された図面及び以下の説明を考慮すると、当業者にとってより明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】いくつかの実施形態によるポート幹、接続システム、およびカテーテルを有するアクセスポートを含む使用環境の一例を示す図。
【
図2A】いくつかの実施形態による接続システムの側断面図。
【
図2B】いくつかの実施形態による接続システムの側断面図。
【
図2C】いくつかの実施形態による歯付きグリップコネクタシステムのカテーテル端面図。
【
図3A】いくつかの実施形態によるカテーテルに接続されかつアクセスポートに係合する流体接続デバイスの側面図。
【
図3B】いくつかの実施形態によるカテーテルに接続されかつアクセスポートに係合する流体接続デバイスの側面図。
【
図4A】いくつかの実施形態による急速解放コネクタシステムの雌型端部クイックコネクタを含むアクセスポートの側面図。
【
図4B】いくつかの実施形態によるロック構成での雌型端部クイックコネクタを含む
図4Aのアクセスポートの斜視図。
【
図4C】いくつかの実施形態によるロック解除構成での雌型端部クイックコネクタを含む
図4Aのアクセスポートの端面図。
【
図5A】いくつかの実施形態による接続システムを用いてカテーテルをアクセスポートに接続する方法の一例を示す側断面図。
【
図5B】いくつかの実施形態による接続システムを用いてカテーテルをアクセスポートに接続する方法の一例を示す側断面図。
【
図5C】いくつかの実施形態による接続システムを用いてカテーテルをアクセスポートに接続する方法の一例を示す側断面図。
【
図5D】いくつかの実施形態による接続システムを用いてカテーテルをアクセスポートに接続する方法の一例を示す側断面図。
【
図6】いくつかの実施形態による接続システムの使用方法の一例を示すフローチャート。
【
図7A】いくつかの実施形態によるカテーテルを組織ポケット内のアクセスポートに接続する接続システムを含む使用環境の一例を示す図。
【
図7B】いくつかの実施形態によるカテーテルを組織ポケット内のアクセスポートに接続する接続システムを含む使用環境の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
いくつかの特定の実施形態についてより詳細に開示される前に、本明細書において開示されている特定の実施形態は、本明細書において提供されている技術的思想の範囲を限定しないことが理解されるべきである。本明細書において開示されている特定の実施形態は、特定の実施形態から容易に分離でき、本明細書において開示されている他のいくつかの実施形態のいずれかと任意に組み合わせるまたは置き換えることができる特徴を有し得ることも理解されるべきである。
【0026】
本明細書において用いられている用語に関して、用語はいくつかの特定の実施形態を説明することを目的とするものであり、用語は本明細書において提供されている技術的思想の範囲を限定しないことも理解されるべきである。序数(例えば第1、第2、第3など)は一般的に、特徴や段階のグループ内の異なる特徴や段階を区別もしくは識別するために用いられ、連続性や数値による制限を提供しない。例えば、「第1」、「第2」、および「第3」の特徴や段階はその順序で現れる必要はなく、そのような特徴や段階を含む特定の実施形態がその3つの特徴や段階に制限される必要もない。「左」、「右」、「頂」、「底」、「前」、「後」等の表記やそれらに似た語句は便宜上用いられ、例えば、特定の決められた位置、方角、方向等を意味することは意図していない。むしろ、そのような表記は、例えば、相対的な位置、方角、方向等を反映させるために用いられる。「a」、「an」、および「the」の単数形は、文脈が単数であることを明確に示していなければ、複数への参照を含む。
【0027】
例えば、本明細書において開示されているカテーテルの「近位の」、「近位部」、または「基端部」に関しては、カテーテルが患者に対して使用される際に、臨床医の近くに位置することを意図されたカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「近位の長さ」は、カテーテルが患者に対して使用される際に、臨床医の近くに位置することを意図されたカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「近位端」は、カテーテルが患者に対して使用される際に、臨床医の近くに位置することを意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの、近位部、基端部、または近位の長さは、カテーテルの近位端を含み得る。しかしながら、カテーテルの、近位部、基端部、または近位の長さは、カテーテルの近位端を含む必要はない。すなわち、文脈が別のことを示唆しない限り、カテーテルの、近位部、基端部、または近位の長さは、カテーテルの、末端部、または末端の長さではない。
【0028】
例えば、本明細書において開示されているカテーテルの「遠位の」、「遠位部」、または「先端部」に関しては、カテーテルが患者に対して使用される際に、患者の近くまたは患者の体内に位置することを意図されたカテーテルの部分を含む。同様に、例えば、カテーテルの「遠位の長さ」は、カテーテルが患者に対して使用される際に、患者の近くまたは患者の体内に位置することを意図されたカテーテルの長さを含む。例えば、カテーテルの「遠位端」は、カテーテルが患者に対して使用される際に、患者の近くまたは患者の体内に位置することを意図されたカテーテルの端部を含む。カテーテルの、遠位部、先端部、または遠位の長さは、カテーテルの遠位端を含み得る。しかしながら、カテーテルの、遠位部、先端部、または遠位の長さは、カテーテルの遠位端を含む必要はない。すなわち、文脈が別のことを示唆しない限り、カテーテルの、遠位部、先端部、または遠位の長さは、カテーテルの、末端部、または末端の長さではない。
【0029】
その他の意味に定義されていなければ、本明細書において用いられる全ての技術的もしくは科学的な用語は、その分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。
【0030】
図1は、アクセスポート幹(ポート幹)132を有するアクセスポート130と、ポート130に接続されるカテーテル128とを含む接続システム(システム)100の使用環境の斜視図である。いくつかの実施形態では、アクセスポート130は、容器180を画定しかつ容器180上に針貫通隔壁170を含む本体131を備える。いくつかの実施形態では、アクセスポート130は、更に、本体131の側面から延在するポート幹132を備え、カテーテル内腔160と容器180との間の流体連通を提供する幹内腔182を画定する。いくつかの実施形態では、カテーテル128は、ポート幹上でカテーテル128を長手方向に付勢することによって、アクセスポート130に流体接続される。一実施形態では、カテーテル128は、ポート幹上で引き伸ばすように径方向外向きに弾性的に変形する。一実施形態では、ユーザは、アクセスポート130が組織ポケット内でその場に残されている間に、カテーテル128をポート130から取り外すことによって、カテーテル128を交換する。そして、新しいカテーテルをポート130に配置して接続する。しかしながら、上記のようにカテーテル128をポート幹上で引き伸ばすことは、特に組織ポケット内で行われる場合、困難をもたらす。
【0031】
一実施形態では、接続システム100は、カテーテル128をポート幹132に対し確実に接続することで、接続部からの流体漏れを防止しつつカテーテル128とアクセスポート130との間のより高い流体流れを可能にするために使用される。いくつかの実施形態では、接続システム100は、カテーテル128を接続システム100に接続するように構成された歯付きグリップコネクタシステム104と、アクセスポート130を接続システム100に接続するように構成された急速解放コネクタシステム106とを備える。一実施形態では、接続システム100は、長手方向軸に対して実質的に平行な第1の軸方向Aに接続システム100を付勢することによってカテーテル128に接続することができる。そして、カテーテル128及び接続システム100は、長手方向軸に対して実質的に平行な第2の軸方向Bにカテーテル129および接続システム100を付勢することによって、アクセスポート130に接続することができる。
【0032】
図2A-
図2Bは、接続システム100の詳細を示す。
図2Aは、カテーテル128とアクセスポート130との間の流体連通を提供する接続システム(システム)100の側断面図を示す。一実施形態では、接続システム100は、一般に、歯付きグリップコネクタシステム104および迅速解放コネクタシステム106を備える。一実施形態では、歯付きグリップコネクタシステム104はカテーテル128の近位端と係合するように構成され、迅速解放コネクタシステム106はアクセスポート130と解放可能に係合するように構成される。一実施形態では、接続システム100は、カテーテル128と一体的に形成されると共に、本明細書に記載のように、アクセスポート130と解放可能に係合する。一実施形態では、接続システム100は、アクセスポート130と一体的に形成されると共に、本明細書に記載のように、カテーテル128と選択的に係合する。一実施形態では、歯付きグリップコネクタシステム104はカテーテル128と係合するように構成され、迅速解放コネクタシステム106はアクセスポート130と係合するように構成される。一実施形態では、歯付きグリップコネクタシステム104はアクセスポート130と係合するように構成され、迅速解放コネクタシステム106はカテーテル128と係合するように構成される。しかしながら、歯付きグリップコネクタシステム104または迅速解放コネクタシステム106の他の数または組み合わせが、本発明の技術的思想から逸脱することなく、カテーテル128およびポート130のうちの1つ以上と係合するように構成されることは理解されるであろう。
【0033】
有利なことに、接続システム100は、カテーテル128とアクセスポート130との間のより迅速かつ簡素化された接続を提供し、更には、組織ポケット内における圧力下での滑り、外傷、流体漏れを軽減する。カテーテル128と接続システム100とポート幹132との間の接続は、組織ポケット内で迅速かつ容易に行うことができ、カテーテル128とアクセスポート130との間の適切な流体連通を確実にする。
【0034】
接続システム100は、一般には、第1の端部144と第2の端部146との間に延在するコネクタ本体(本体)102を備える。いくつかの実施形態では、第1の端部144はカテーテル128に近接し、第2の端部146はポート幹132に近接している。一実施形態では、第1の端部144は歯付きグリップコネクタシステム104を備え、第2の端部146は迅速解放コネクタシステム106を備える。説明を容易にするために、接続システム100の実施形態は、単一内腔カテーテルの接続について説明する。しかしながら、いくつかの実施形態では、接続システム100がカテーテル128の2つ以上の管腔をポート幹132の2つ以上の管腔と接続するように設計されてもよいことは理解すべきである。多管腔カテーテルコネクタのこれらおよび他の構成は、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0035】
歯付きグリップコネクタシステム104は、第1の開口内径112を画定する第1の開口108を有する凹部152を有している。いくつかの実施形態では、第1の開口部内径112は、カテーテル128の外径よりも大きく、その中にカテーテル128の一部を受容するように構成される。いくつかの実施形態では、歯付きグリップコネクタシステム104は、本明細書でより詳細に記載するように、カテーテル128の一部を凹部152内に選択的に固定すると共にカテーテル128と接続システム100との間に液体密封のシールを提供するように構成される。一実施形態では、迅速解放コネクタシステム106は、第2の開口部内径114を画定する第2の開口部110を有している。いくつかの実施形態では、第2の端部146は、本明細書でより詳細に記載するように、迅速解放コネクタシステム106の一部としてアクセスポート130の雌型端部クイックコネクタ142と係合する雄型端部クイックコネクタ116を有している。
【0036】
図2Bは、第1の端部144に歯付きグリップコネクタシステム104を備える接続システム100の側断面図を示す。歯付きグリップコネクタシステム104は、凹部152、内部幹118、把持部材124、および封止部材122を含む。凹部152は、細長い本体102の第1の端部144から内部肩部138まで長手方向に延びている。凹部152には、内部幹118、把持部材124、および封止部材122が配置されている。内部幹118は、内部肩部138から第1の端部144に向かって長手方向に延び、コネクタ本体管腔190の一部を画定する。内部幹118によって画定されるコネクタ本体管腔190は、内径136を画定する。いくつかの実施形態では、内部幹118の内径136は、第2の端部146と第1の端部144との間の高い流体流れを維持するために、第2の開口部110の直径114と等しいか、またはそれよりわずかに小さくてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ本体管腔190は、内部幹118から第2の開口部110まで延びている。いくつかの実施形態では、内部幹118の外径164は、カテーテル管腔160の内径162と等しいか、またはそれよりわずかに大きい。このようにすることで、カテーテル128は、締まり嵌めで内部幹118の周りに緊密に嵌合することができる。また、内部幹118は、カテーテル管腔160との係合を容易にするために面取りされた縁部を含むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、把持部材124は、把持部材リング(リング)150と、リングから半径方向内向きに延びかつ長手方向軸に対して角度が付けられた複数の歯(歯)126とを備える。一実施形態では、歯126は、第1の端部144に向けて角度が付けられ、第2の端部146に向けて角度が付けられ、またはそれらの組み合わせで角度が付けられている。一実施形態では、把持部材124は、歯126を静止位置から半径方向外向きに屈曲可能に構成されている。カテーテル128が第1の端部144の中へと付勢されると、歯126は、半径方向外向きに屈曲することで、それらの間にカテーテル128を収容することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、歯126および把持部材リング150の一方または両方が、同じ材料から形成されている。いくつかの実施形態では、把持部材リング150および歯126の一方または両方は、プラスチック、ポリマー、金属、合金、複合材料、及びそれらの組み合わせから形成されており、弾性または剛性の機械的特性が付与されている。一実施形態では、歯126は第1の材料から形成することができ、把持部材リング150は第2の材料から形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、把持部材124は、単一片の金属材料から打ち抜かれたものであるか、複数片の金属材料より打ち抜かれたものを接着、接合、溶接などにより取り付けて一体にしたものである。いくつかの実施形態では、把持部材124は、プラスチック、合成ポリマーなどを射出成形して形成されるか、3D印刷により形成される。いくつかの実施形態では、把持部材リング150は、可撓性材料から形成してもよく、複数の歯126は、剛性金属材料から形成して把持部材リング150に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、把持部材リング150の可撓性によって、複数の歯126を半径方向外向きに屈曲させることで、カテーテル128の接続システム100からの取り外しを可能にしている。
【0039】
一実施形態では、歯126は、第2の端部146に向けて角度が付けられている。これにより、カテーテル128が凹部152の中へと付勢されて歯126の間に収容される。続いて、歯126は、カテーテル128の外面166と係合し、カテーテル128の一部を歯126と内部幹118との間に保持して、カテーテル128が凹部152から引き抜かれないようにする。いくつかの実施形態では、歯126は、内部幹118に接触してもしなくてもよい。
【0040】
一実施形態では、ユーザは、係合解除具200を第1の端部144の中に挿入して、カテーテル128を歯付きグリップコネクタシステム104から解放することができる。例えば、
図2B及び
図5Dに示すように、係合解除具200は、カテーテル128の外面166の一部の周りに環状に延びると共に、複数の歯126とカテーテル128の外面166との間を歯付きグリップコネクタシステム104の中へと摺動可能である。いくつかの実施形態では、係合解除具200は、摺動部202と、摺動部202に接続されたハンドル部204とを備える。いくつかの実施形態では、摺動部202は、カテーテル128が第1の端部144内に配置されているときに、カテーテル128の外面166に沿って摺動すると共にカテーテル128の外面166と複数の歯126との間に入り込むように構成されている。摺動部202は、歯126を半径方向外向きに屈曲させると共にカテーテル128を歯126から解放させることができるように、歯付きグリップコネクタシステム104の中へと付勢される。
【0041】
一実施形態では、係合解除具200は、本明細書に記載のように、歯付きグリップコネクタシステム104とは別体であると共に、歯付きグリップコネクタシステムと係合してカテーテル128を係合解除するものであってもよい。一実施形態では、係合解除具200は、歯付きグリップコネクタシステム104に対して摺動可能に接続されると共にボタンまたは同様の機構によって作動することでカテーテル128を係合解除するものであってもよい。
【0042】
一実施形態において、把持部材124は、双安定構成を備える。第1の安定構成では、複数の歯126は、(例えば、
図2Bに示すように)第2の端部146に向かって角度が付けられており、第2の安定構成では、複数の歯126は、第1の端部144に向かって角度が付けられている。一実施形態では、第1の安定構成において、カテーテル128がそれらの間に保持された状態で、把持部材124は、第1の軸方向の力がカテーテル128に加えられたときに、第1の端部144に向かうカテーテル128の移動を防止することができる。しかしながら、第1の軸力よりも大きい第2の軸力が加えられると、把持部材124は、第1の安定構成から第2の安定構成に移行することで、カテーテル128が凹部152から引き抜かれることを可能にする。同様に、第2の安定構成にある把持部材124は、カテーテル128の端部を収容することができる。ユーザは、本明細書に記載のように、第2の軸方向の力を加えてカテーテル128を凹部152の中へと付勢するとともに、把持部材124を第2の安定構成から第1の安定構成に移行させることで、カテーテル128を保持することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、歯付きグリップコネクタシステム104は、封止部材122を備える。封止部材122は、実質的にトロイダル形状を画定し、シリコーン、ポリマー、エラストマー、ゴム、合成ポリマー、プラスチック、有機非プラスチックポリマー、ゴム代替物、または他の材料から形成され、カテーテル128と凹部152の内壁220との間に液体密封のシールを形成することができる。いくつかの実施形態では、把持部材124および封止部材122は、凹部152内で内部幹118の周りに環状に配置される。いくつかの実施形態では、把持部材124、封止部材122、またはその両方のうちの1つの外周は、凹部152の内壁220に設けられた環状溝240に保持される。一実施形態では、把持部材124および封止部材122の一方または両方は、接着剤、溶接、接着、締まり嵌め、圧入、またはスナップ嵌め係合によって、凹部152内または環状溝240内に保持される。いくつかの実施形態では、係合解除状態において、歯126は、内部幹118と係合することで、把持部材124を凹部152内に保持することができる。一実施形態では、
図2Bに示す係合解除状態において、歯126は、内部幹118に対して離間した関係を有している。
【0044】
いくつかの実施形態では、把持部材124は、接着剤、結合、溶接などによって封止部材122に固定することができる。いくつかの実施形態では、把持部材124は、カテーテル128と内部幹118との間に液体密封のシールを提供するように構成される。例えば、把持部材リング150は、シリコーンゴム材料などを含むことができ、本明細書に記載されるように、半径方向に延びる複数の歯126を含むことができる。一実施形態では、把持部材リング150は密封作用を提供し、複数の歯126は把持作用を提供する。一実施形態では、把持部材124または封止部材122は、少なくとも1つの突出部120または同様の機械的手段によって定位置に固定される。いくつかの実施形態では、突出部120は、凹部152の内壁220から半径方向内向きに延び、把持部材124に当接して把持部材124の長手方向への移動を防止するように構成されている。いくつかの実施形態では、突出部120は、封止部材122に当接して封止部材122の長手方向への移動を防止するように構成されている。一実施形態では、把持部材124または封止部材122は、接着剤、溶接、接合、それらの組み合わせなどによって適所に固定される。
【0045】
図2Cは、いくつかの実施形態による、歯付きグリップコネクタシステム104のカテーテル端面図を示す。歯付きグリップコネクタシステム104は、凹部152およびその内壁220を含む。凹部152は、更に、封止部材122と、第1の端部144と封止部材122との間に配置された把持部材124とを含む。歯付きグリップコネクタシステム104は、更に、内部幹118と、把持部材124に当接してその長手方向への移動を防止するように構成された少なくとも1つの突出部120とを含む。いくつかの実施形態では、把持部材124は第1の端部144に近接して配置され、封止部材122は第2の端部146に近接して配置される。いくつかの実施形態では、把持部材124は第2の端部146に近接して配置され、封止部材122は第1の端部144に近接して配置される。
【0046】
図3A~
図3Bは、カテーテル128と係合された接続システム100の側面図を示す。接続システム100は、接続システム100をアクセスポート130または同様のVADと接続するように構成される迅速解放コネクタシステム106を含む。いくつかの実施形態では、アクセスポート130は、皮下組織ポケット134内に配置することができ、接続システム100とカテーテル128のアセンブリは、組織ポケット134内でアクセスポート130に接続することができる。いくつかの実施形態では、接続システム100は、組織ポケット134内でポート130に取り付けられる。次いで、カテーテル128は、組織ポケット134内で接続システム100に接続される。いくつかの実施形態では、接続システム100は、アクセスポート幹132に解放可能に接続される。いくつかの実施形態では、接続システム100は、ポート幹132の代替でありかつアクセスポート管腔182等を介してカテーテル128とアクセスポート130の容器180との間の流体連通を提供するように、アクセスポート130と一体的に形成することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、迅速解放コネクタシステム106は、接続システム100をアクセスポート130に接続することができる。例えば、迅速解放コネクタシステム106は、雄型端部クイックコネクタ116を含む。雄型端部クイックコネクタ116は、接続システム100上に設けられ、かつアクセスポート130上に設けられた雌型端部クイックコネクタ142と摺動可能に係合してカテーテル128とアクセスポート130との間の流体連通を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、雄型端部クイックコネクタ116は、長手方向に延びかつ係合を容易にするための面取り縁部を含む外部幹を含む。いくつかの実施形態では、外部幹を含む雄型端部クイックコネクタ116は、長手方向に延びかつ雌型端部クイックコネクタ142内での雄型端部クイックコネクタ116の位置合わせを容易にするように構成された溝600を含む。雌型端部クイックコネクタ142は、長手方向に延びかつ雄型端部クイックコネクタ116を収容するように構成された凹部を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、雌型端部クイックコネクタ142は接続システム100上に配置され、雄型端部クイックコネクタ116はアクセスポート130上に配置される。一実施形態では、接続システム100は、ねじ係合、締まり嵌め、圧入、またはスナップ嵌め係合、それらの組合せなどによってアクセスポート130に接続することができる。一実施形態では、接続システム100は、アクセスポート130と一体的に形成することができる。一実施形態では、接続システム100は、接着剤、ボンディング、溶接などを使用してアクセスポート130に取り付けられる。
【0049】
図3A~
図3Bに示すように、いくつかの実施形態では、雌型端部クイックコネクタ142は、長手方向軸に沿って摺動可能に係合されたカラーロック機構172を含み、雌型端部クイックコネクタ142を、
図3Aに示すロック解除構成と
図3Bに示すロック構成との間で移行させることができる。ロック解除構成では、カテーテル接続システム100の雄型端部クイックコネクタ116は、長手方向軸に沿って雌型端部クイックコネクタ142の中に挿入したり、雌型端部クイックコネクタ142から引き抜かれたりすることができる。カラーロック機構172は、ロック解除構成からロック構成に移行することで、雄型端部クイックコネクタ116を雌型端部クイックコネクタ142内に保持し、アクセスポート130をカテーテル128および接続システム100と接続してそれらの間に流体連通を提供することができる。雌型端部クイックコネクタ142と雄型端部クイックコネクタ116との間のロック機構として、ピニオンと溝、ロッキングラグ、バヨネットロック機構、コレットチャックロック機構などが挙げられる。
【0050】
図4A~
図4Cは、雌型端部クイックコネクタ242の一実施形態の様々な図を示す。
図4Aは、アクセスポート130に接続された迅速解放コネクタシステム106の雌型端部クイックコネクタ242の側面図を示す。
図4Bは、ロック位置または閉位置にある雌型端部クイックコネクタ242の斜視図を示す。
図4Cは、ロック解除位置又は開位置にある雌型端部クイックコネクタ242の斜視図を示す。雌型端部クイックコネクタ242は、本明細書に説明されるように、アクセスポート130に接続される。一実施形態では、雌型端部クイックコネクタ242は、カラーロックタブ276およびカラーロックばね278を含むカラーロック機構272を備える。カラーロック機構272は、長手方向軸に対して垂直に延びる軸に沿って雌型端部クイックコネクタ242と摺動可能に係合することができる。例えば、カラーロックタブ276は、ロック位置とロック解除位置との間を横軸に沿って摺動することができる。付勢部材278、例えばバネなどは、カラーロック機構272をロック位置に付勢することができる。
【0051】
図4Bは、いくつかの実施形態による、ロック構成の雌型端部クイックコネクタ242を含む、
図4Aのアクセスポート130の斜視図を示す。カラーロック機構272は、1つ以上のタブ280、例えば、第1のタブ280Aおよび第2のタブ280Bを含むことができる。タブ280A及び280Bは、雄型端部クイックコネクタ116の周りに環状に延びる溝602又は当接部に摺動可能に係合することで、雌型端部クイックコネクタ242の内側に雄型端部クイックコネクタ116を保持することができる。
【0052】
一実施形態では、アクセスポート管腔182は、アクチュエータ320に接続されたポート弁324を含む。雄型端部クイックコネクタ116が雌型端部クイックコネクタ242に係合すると、雄型端部クイックコネクタ116の先端、例えば第2の端部146がアクチュエータ320に接触し、ポート弁324を開く。一実施形態では、アクチュエータ320は、接続システム100のコネクタ本体管腔190を雌型端部クイックコネクタ242の管腔と位置合わせすることができる。
【0053】
一実施形態では、雌型端部クイックコネクタ242は、カラーロック機構272をロック解除構成とロック構成との間で横方向に案内するように構成された1つ以上のガイド構造322を備える。この実施形態では、ガイド構造322は、丸みを帯びた円筒形状の突出部332Aを含む。突出部332Aは、雌型端部クイックコネクタ242から長手方向に延びると共に、カラーロック機構272に摺動可能に係合する。一実施形態では、突出部332Aは、アクチュエータ320またはポート弁324に接続される。雄型端部クイックコネクタ116の一部は、雌型端部クイックコネクタ242と係合したときに円筒形状の突出部332Aを押し下げると共に、ポート弁324を開くことができる。図示のように、カラーロックばね278は、カラーロックタブ276、ひいてはカラーロック機構272をロック構成に向けて付勢する。
【0054】
図4Cは、
図4Aの雌型端部クイックコネクタ242のロック解除構成の状態を示す。この実施形態では、カラーロックばね278は、カラーロックタブ276によって横方向に圧縮されることで、カラーロック機構72をガイド構造322に沿ってロック解除構成へと摺動させて、雄型端部クイックコネクタ116との係合を可能にしている。
【0055】
図5A~
図5Dは、いくつかの実施形態による、接続システム100を使用してカテーテル128をアクセスポート130に接続する方法を示す側断面図である。一実施形態では、カテーテル128は、患者の組織ポケット134の外側にある流体デバイスに接続される。
図5Aでは、カテーテル128は、接続システム100の歯付きグリップコネクタシステム104に挿入され、本明細書に記載されるように接続される。
図5Bに示すように、カテーテル128は、凹部152の中へと前進させられる。カテーテル管腔160は、カテーテル128が内部幹118上に配置されるように、内部幹118を収容する。カテーテル128の近位端は、把持部材124および封止部材122を通って延びると共に、内部肩部138に係合する。把持部材124の複数の歯126は、カテーテル128の外面166に係合する。一実施形態では、複数の歯126は、カテーテル128の外面166を把持してカテーテル128が凹部152から引き抜かれないように、第2の端部146に向かって斜めに角度が付けられている。
【0056】
一実施形態では、封止部材122は、カテーテル128の外面166に係合して、カテーテル128と接続システム100の本体102との間のシールを提供する。一実施形態では、封止部材122は、カテーテル128を部分的に内部幹118上へと半径方向内向きに圧縮して、それらの間にシールを形成する。
図5Bに示すように、把持部材124は、接続システム100からのカテーテル128の係合解除を抑制するように、カテーテル128に加えられるあらゆる力に対抗する。把持部材124の複数の歯126はカテーテル128に係合し、突出部120は把持部材124の長手方向への移動を防止し、それらは共に、カテーテル128および把持部材124が長手方向に引き抜かれて内部幹118から外れてしまうことを防止する。一実施形態では、把持部材124または封止部材122は、凹部152の内壁220に配置された環状溝240内に配置される。
【0057】
図5B~
図5Cに示すように、続いて、カテーテル128および接続システム100を長手方向に付勢して、雄型端部クイックコネクタ116を雌型端部クイックコネクタ142、242、例えばカラーロック雌型端部クイックコネクタ142に係合させる。次いで、カラーロック機構172は、ロック位置に移行することで、雄型端部クイックコネクタ116を雌型端部クイックコネクタ142内に固定する。一実施形態では、カラーロック機構172は、雄型端部クイックコネクタ116を雌型端部クイックコネクタ142から選択的に解放するために、ロック位置からロック解除位置へと移行される。
【0058】
図5Dに示すように、係合解除具200は、カテーテル128の外面166と歯126との間で摺動することができる。係合解除具200は、歯126を半径方向外向きに屈曲させることで、カテーテル128の外面166との係合を解除してカテーテル128を接続システム100の凹部152から引き抜くことができるように構成されている。把持部材124は、複数の歯126のうちの1つ以上の歯を屈曲させることによって複数の歯126の全てを同時に屈曲させるように構成され得ることに、留意されたい。一実施形態では、歯付きグリップコネクタシステム104は、更に、作動時に複数の歯126を半径方向外向きに屈曲させてカテーテル128の外面166との係合を解除してカテーテル128を凹部152から引き抜くことができるようにする、図示しない機構を含む。
【0059】
図6、
図7A、
図7Bは、接続システム100の使用方法を示す。
図6を参照すると、フローチャートは、いくつかの実施形態による、接続システム100の使用方法を示す。
図6に示す各ブロックは、接続システム100の使用方法500により実行される動作を表している。方法500の最初のステップとして、患者に組織ポケット134が形成される(ブロック502)。いくつかの実施形態では、組織ポケット134は、患者の胸壁に形成することができ、アクセスポート130のサイズに合わせて構成することができる。しかしながら、これは一例であり、組織ポケット134は患者のあらゆる場所に形成してもよいことは理解されるであろう。
【0060】
方法500の次のステップでは、アクセスポート130が組織ポケット134内に配置されて固定される(ブロック504)。いくつかの実施形態では、アクセスポート130は、雄型端部クイックコネクタ116に取り付けられるように構成された雌型端部クイックコネクタ142を含む。いくつかの実施形態では、アクセスポート130は、雌型端部クイックコネクタ142に取り付けられるように構成された雄型端部クイックコネクタ116を含む。
【0061】
方法500の次のステップは、カテーテル128の遠位端を患者の血管系内の標的位置に位置決めすることを含む(ブロック506)。例えば、いくつかの実施形態では、カテーテル128の遠位端は、下大静脈(IVD)等の中に配置される。
【0062】
一実施形態では、方法500は、カテーテル128の近位端を、組織ポケット134の外側の接続システム100の歯付きグリップコネクタシステム104の中に挿入することを含む(ブロック508)。任意選択で、カテーテル128の近位部分は、接続システム100/アクセスポート130との係合を容易にするために適切な長さにトリミングされてもよい。有利なことに、カテーテル128は、患者の体内に配置されている間、正確な長さに寸法決めすることができる。これは、血管内でのカテーテルの位置ずれにつながる虞のある、配置前にカテーテルの適切な長さを推定することとは対照的である。
【0063】
歯付きグリップコネクタシステム104は、本明細書で説明するように、歯付きグリップコネクタシステム104からカテーテル128が引き抜かれるのを防止するように構成された把持部材124と、カテーテル128と内部幹118との間に液体密封のシールを形成するように構成された封止部材122とを含む。有利なことに、カテーテル128の近位端は、ポート幹132上でカテーテル128を伸張させるのに要する力よりも小さい力で、接続システム100内に付勢される。これは、カテーテル128/ポート130の正確な組み立てを可能にすると共に、固定、液体密封のシール、配置中の組織ポケットへの圧力下での滑りおよび外傷流体漏出の低減を確実にする。
【0064】
一実施形態では、方法500の最終ステップは、雄型端部コネクタ116を含む迅速解放コネクタシステム106を含む接続システム100の第2の端部146を、組織ポケット134内のポート幹132の雌型端部コネクタ142に挿入することと、カラー172、272を固定して接続システム100をアクセスポート130にロックし、カテーテル128をアクセスポート130と流体連通させることとを含む(ブロック510)。
【0065】
いくつかの実施形態では、方法500は、迅速解放コネクタシステム106を含む第2の端部146を組織ポケット134内のアクセスポート130に挿入するステップを含む(ブロック509)。
【0066】
いくつかの実施形態では、方法500は、カテーテル128を組織ポケット134内の接続システム100の歯付きグリップコネクタシステム104の中に挿入して、カテーテル128をアクセスポート130と流体連通させる最終ステップを含む(ブロック511)。
【0067】
図7A~
図7Bは、患者の組織ポケット134内に配置されたアクセスポート130および接続システム100に接続されたカテーテル128の使用環境を示す。
図7Aに示すいくつかの実施形態では、アクセスポート130およびカテーテル128はいずれも患者に埋め込まれているが、アクセスポート130はまだ接続システム100に接続されていないが、両方とも組織ポケット134内に配置されている。
図7Bに示すように、アクセスポート130は、次いで、患者の組織ポケット134内の接続システム100に接続されることで、カテーテル128とアクセスポート130との間の流体連通を提供することができる。
【0068】
いくつかの特定の実施形態が本明細書において開示され、特定の実施形態はある程度詳細に開示されているが、特定の実施形態が本明細書において提供されている技術的思想の範囲を制限することは意図されていない。追加の改良及び/または修正は当業者にとって明らかであり得て、より広い態様では、これらの改良及び/または修正も同様に包含される。したがって、本明細書において提供されている技術的思想の範囲から逸脱せずに、本明細書において開示されている特定の実施形態から逸脱してもよい。
【国際調査報告】