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特表2023-539034胆汁酸受容体及びロイコトリエンシステイニル受容体の選択的及び/又は二重調節剤としてのキノリン化合物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(54)【発明の名称】胆汁酸受容体及びロイコトリエンシステイニル受容体の選択的及び/又は二重調節剤としてのキノリン化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 215/14 20060101AFI20230906BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20230906BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20230906BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230906BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230906BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230906BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20230906BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20230906BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230906BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230906BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230906BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230906BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230906BHJP
【FI】
C07D215/14 CSP
A61K31/47
A61P1/00
A61P1/16
A61P9/00
A61P9/10
A61P3/00
A61P31/00
A61P35/00
A61P13/12
A61P29/00
A61P25/00
A61P43/00 111
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508081
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 IB2021057131
(87)【国際公開番号】W WO2022029640
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】102020000019210
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523040174
【氏名又は名称】プレシジョン・バイオ-セラピューティクス・エッセ・エッレ・エッレ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アンジェラ・ザンペッラ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・フィオルッチ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC28
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA36
4C086ZA45
4C086ZA66
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZB32
4C086ZC02
4C086ZC21
4C086ZC41
(57)【要約】
本発明は、式(I)の化合物、その医薬組成物、及び特に胆汁酸受容体であるFXR及びGPBAR1、並びにシステイニルロイコトリエン受容体(CysLTR)によって媒介される疾患の処置及び/又は予防のためのその使用に関する。
[化1]
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中:
R1は、H、1つの置換基R7で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキル、1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状O-C3~6アルキルからなる群から選択され、
R2は、H、C1~6ヒドロキシアルキル、1つの置換基R7で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキル、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から独立して選択される少なくとも1つの置換基で任意選択により置換されているフェニル、及び1つの置換基R9で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキルからなる群から選択され、
R3は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、CH2OHからなる群から選択され、
但し、
- R2がHである場合、R1又はR3はHではなく、又は
- R1が1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状O-C3~6アルキルである場合、R2及びR3のうち少なくとも1つはHではなく、
R4は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R5は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R6は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、OH;及び1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルコキシルからなる群から選択され、
但し、R4、R5及びR6のうち1つがCOOH又はCH2OHである場合、R4、R5及びR6の中で残っているもののうち少なくとも1つはHではなく、
R7は、
【化2】
からなる群から選択され、
R8は、OH、COOH、COO-C1~6アルキルからなる群から選択され、
R9は、
【化3】
(式中、R10は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R11は、H、OH、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
及びR12は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択される)
からなる群から選択される]
の化合物であって、次の化合物:
【化4】
は除外される、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項2】
R1は、H、O-i-プロピル、O-n-プロピル、O-sec-ブチル、O-n-ペンチル、O-2-メチルブチル、-CH2-R7、-O-(CH2)3~4-R8からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
R2は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から独立して選択される少なくとも1つの置換基で任意選択により置換されているフェニル、又は1つの置換基R9で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキルであることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
R2は、H、CH2OH、-CH2-R7;COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、-CH2-R9からなる群から独立して選択される少なくとも1つの置換基で任意選択により置換されているフェニルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
R3は、H、COOH、COOCH3、CH2OHからなる群から選択され、
R4は、H、COOH、COOCH3、CH2OHからなる群から選択され、及び
R5は、H、COOH、COOCH3、CH2OHからなる群から選択される
ことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
【化5A】
【化5B】
【化5C】
【化5D】
からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
【化6A】
【化6B】
【化6C】
【化6D】
からなる群から選択される、請求項6に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
医薬としての使用のための、式(Ia)
【化7】
[式中:
R1は、H、1つの置換基R7で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキル、1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状O-C3~6アルキルからなる群から選択され、
R2は、H、C1~6ヒドロキシアルキル、1つの置換基R7で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキル;H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から独立して選択される少なくとも1つの置換基で任意選択により置換されているフェニル、及び1つの置換基R9で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキルからなる群から選択され、
R3は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、CH2OHからなる群から選択され、
但し、
- R2がHである場合、R1又はR3はHではなく、又は
- R1が1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状O-C3~6アルキルである場合、R2及びR3のうち少なくとも1つはHではなく、
R4は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R5は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R6は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、OH;及び1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルコキシルからなる群から選択され、
但し、R4、R5及びR6のうち1つがCOOH又はCH2OHである場合、R4、R5及びR6の中で残っているもののうち少なくとも1つはHではなく、
R7は、
【化8】
からなる群から選択され、
R8は、OH、COOH、COO-C1~6アルキルからなる群から選択され、
R9は、
【化9】
(式中、R10は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R11は、H、OH、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
及びR12は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択される)
からなる群から選択される]
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
【請求項9】
消化管障害、肝疾患、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、代謝疾患、代謝障害、感染性疾患、がん、腎障害、炎症性障害、及び神経障害からなる群から選択される障害の予防及び/又は処置における、請求項8に記載の使用のための式(Ia)の化合物。
【請求項10】
式(Ia):
【化10】
[式中:
R1は、H、1つの置換基R7で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキル、1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状O-C3~6アルキルからなる群から選択され、
R2は、H、C1~6ヒドロキシアルキル、1つの置換基R7で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキル;H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から独立して選択される少なくとも1つの置換基で任意選択により置換されているフェニル、及び1つの置換基R9で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキルからなる群から選択され、
R3は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、CH2OHからなる群から選択され、
但し、
- R2がHである場合、R1又はR3はHではなく、又は
- R1が1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状O-C3~6アルキルである場合、R2及びR3のうち少なくとも1つはHではなく、
R4は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R5は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R6は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、OH;及び1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルコキシルからなる群から選択され、
但し、R4、R5及びR6のうち1つがCOOH又はCH2OHである場合、R4、R5及びR6の中で残っているもののうち少なくとも1つはHではなく、
R7は、
【化11】
からなる群から選択され、
R8は、OH、COOH、COO-C1~6アルキルからなる群から選択され、
R9は、
【化12】
(式中、R10は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R11は、H、OH、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
及びR12は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択される)
からなる群から選択される]
の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物と、少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤とを含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2020年8月4日に出願されたイタリア特許出願第102020000019210号の優先権を主張するものであり、その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、胆汁酸受容体であるFXR及びGPBAR1、並びにシステイニルロイコトリエン受容体(CysLTR)を同時に調節することができるキノリン誘導体及びその使用、並びに後者によって媒介される疾患の処置及び/又は予防におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
複数の標的に同時に作用することができる小分子を特定する戦略は、非アルコール性脂肪性肝炎、有病率の高い炎症性肝疾患、メタボリックシンドローム、及びがんを含む慢性炎症性障害等の多因子性疾患に対する新規な薬理学的手法を特定するのに有用であることが広く認識されている。
【0004】
本研究は、システイニル-ロイコトリエン受容体アンタゴニストであるREV5901が、腸炎症の動物モデルにおいて興味深い抗炎症性活性を有してGPBAR1を調節することができ、周知されているCysLTの受容体アンタゴニストであるザフィルルカストが、FXRに対する抗活性が弱い、という発明者らの最近の知見から出発している(S. Schierleら、Anti-Inflammatory Potency of Zafirlukast by Designed Polypharmacology、J Med Chem 61(13) (2018) 5758~5764頁)。
【0005】
ロイコトリエンは、酵素カスケードによってアラキドン酸から生成される脂質メディエーターの大きなファミリーであり、炎症のメディエーターとして機能する。ロイコトリエンの中で、システイニルロイコトリエン(CysLT)は、LTC4、LTD4及びLTE4を含み、好中球及び好酸球、マスト細胞及び単球/マクロファージ等、多くの炎症誘発性細胞に発現するGタンパク質関連の膜貫通タンパク質のファミリー(CysLTR)に結合することによって細胞に作用する。内因性脂質メディエーターによるこれらの受容体の活性化は、炎症反応に重要な役割を果たし、微小血管透過性、白血球輸送、ケモカイン及びサイトカインの分泌、並びに組織修復(線維症)をもたらす。システイニルロイコトリエン受容体は、気管支収縮、肺の粘液分泌及び肺水腫を媒介することが周知されており、したがって、そのアンタゴニストは、喘息の処置、より広くは肺障害に対する薬理学的な手法に有効な薬物である。システイニルロイコトリエンは、多くの他の疾患、例えば、心血管障害、がん、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、クローン病、劇症肝炎の発病機序、並びに肝胆汁うっ滞、肝線維症及び肝硬変症に関与している(Capra V.ら、Cysteinyl-leukotrienes and their receptors in asthma and other inflammatory diseases: critical update and emerging trends. (Med Res Rev. 2007年7月; 27(4):469~527頁))。
【0006】
FXRは腸肝組織(肝臓及び腸)に高度に発現し、胆汁酸のホメオスタシス、及び脂質代謝及びグルコース代謝を含む幾つかの代謝経路を制御する。FXRアゴニストは、胆汁うっ滞、2型糖尿病、肝線維症及び非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)等の代謝障害に対する薬理学的な手法に有用であることが立証されている。更に、FXRは、腎臓、心血管系、及び腫瘍発生に重要な役割を果たす(Rengaら、PHASEB J. 2012、26、3021~3031頁)。
【0007】
GPBAR1は、肝臓及び腸に高度に発現し、筋肉、脂肪組織、マクロファージ及び内皮細胞にも高度に発現する。筋肉内、及び褐色脂肪組織内で、GPBAR1は、エネルギー消費量及び酸素消費量を増加させる(Watanabeら、Nature of 2006、439、484)。腸内分泌L細胞において、GPBAR1の活性化は、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)の分泌を刺激し、それにより血中グルコースレベル、消化管の運動性及び食欲を制御する(Thomasら、Cell. Metab. 2009、10、167頁)。
【0008】
GPBAR1は、炎症プロセス及び免疫機能の制御に関連しているようである。多くの自然免疫細胞、例えば、単球、マクロファージ、NKT細胞及び樹状細胞等は、この受容体を発現し、この受容体における変異は、原発性硬化性胆管炎及び潰瘍性大腸炎の発症リスクの増大に関連している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】S. Schierleら、Anti-Inflammatory Potency of Zafirlukast by Designed Polypharmacology、J Med Chem 61(13) (2018) 5758~5764頁
【非特許文献2】Capra V.ら、Cysteinyl-leukotrienes and their receptors in asthma and other inflammatory diseases: critical update and emerging trends. (Med Res Rev. 2007年7月; 27(4):469~527頁)
【非特許文献3】Rengaら、PHASEB J. 2012、26、3021~3031頁
【非特許文献4】Watanabeら、Nature of 2006、439、484
【非特許文献5】Thomasら、Cell. Metab. 2009、10、167頁
【非特許文献6】Remington's Pharmaceutical Sciences、第17版、Gennaroら編、Mack Publishing Co.、1985
【非特許文献7】Remington's Pharmaceutical Sciences、Gennaro AR編、第20版、2000、Williams & Wilkins PA、USA
【非特許文献8】Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams & Wilkins編、2005
【非特許文献9】Loyd V. Allen及びHoward C. Ansel、Ansel's Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第10版、Lippincott Williams & Wilkins編、2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、胆汁酸受容体であるFXR及びGPBAR1、並びにシステイニルロイコトリエン受容体(CysLTR)を、選択的に又は同時に調節することができる新規な化合物を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのような目的は、請求項1に記載の式(I)の化合物、請求項8及び9に記載のその使用、及び請求項10に記載のその組成物に関して、本発明によって達成される。好ましい実施形態は従属請求項に示されている。
【0012】
本発明は、添付の図面における各図を参照することにより、以下に詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】急性肝炎がアセトアミノフェンによって誘発され、その後にCHIN117で処置されるマウスにおけるAST値を示す。
図2】急性肝炎がアセトアミノフェンによって誘発され、その後にCHIN117で処置されるマウスにおけるALT値を示す。
図3】急性肝炎がアセトアミノフェンによって誘発され、その後にCHIN117で処置されるマウスにおける白血球(WBC)値を示す。
図4A】NAFLDを模倣するマウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。体重(Body weight)の変化(%)を毎週評価した。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図4B】NAFLDを模倣するマウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。体重の曲線下面積(AUC)を示す。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図4C】NAFLDを模倣するマウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。褐色脂肪組織温度(BAT temperature)(℃)を示す。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図4D】NAFLDを模倣するマウスモデルにおけるCHIN117の投与の活性(activity)の結果を示す。
図4E】NAFLDを模倣するマウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。経口グルコース(Glucose)負荷試験(OGTT)に応答したグルコースレベルを示す。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図4F】NAFLDを模倣するマウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。OGTTのAUCを示す。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図4G】NAFLDを模倣するマウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。AST(U/L)及びALT(U/L)の血漿レベルを示す。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図4H】NAFLDを模倣するマウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。コレステロール(Cholesterol)、トリグリセリド(Triglyceride)、高比重リポタンパク質(HDL)、及び低比重リポタンパク質(LDL)の血漿レベル(mg/100mL)を示す。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図5A】HFD-F飼料を8週間給餌したC57BL/6マウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。マウスの肝組織へのヘマトキシリン及びエオシン(H&E)染色(4×~10×)。
図5B】HFD-F飼料を8週間給餌したC57BL/6マウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。疾患重症度を、脂肪変性スコア(NAS, steatosis score)を計算することによって評価した。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図5C】HFD-F飼料を8週間給餌したC57BL/6マウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。疾患重症度を、ボディマス指数(BMI)を計算することによって評価した。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図5D】HFD-F飼料を8週間給餌したC57BL/6マウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。疾患重症度を、eWAT質量を計算することによって評価した。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図5E】HFD-F飼料を8週間給餌したC57BL/6マウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。疾患重症度を、eWAT質量/体重の比を計算することによって評価した。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図5F】HFD-F飼料を8週間給餌したC57BL/6マウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。疾患重症度を、BAT質量(g)を計算することによって評価した。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図5G】HFD-F飼料を8週間給餌したC57BL/6マウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。疾患重症度を、BAT質量/体重の比を計算することによって評価した。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図5H】HFD-F飼料を8週間給餌したC57BL/6マウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。疾患重症度を、肝臓質量を計算することによって評価した。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
図5I】HFD-F飼料を8週間給餌したC57BL/6マウスモデルにおけるCHIN117の投与の結果を示す。疾患重症度を、肝臓質量/体重の比を計算することによって評価した。結果は群当たり8~12匹のマウスの平均±SEMである。*p≦0.05。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の各段落には、本発明による化合物の化学的特性が説明され、それは、より広い定義となる定義が別途明確に述べられない限り、本記載の全体及び特許請求の範囲の全てに一律に適用されるものとする。
【0015】
「アルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、飽和脂肪族炭化水素を指す。この用語は直鎖状(非分岐状)又は分岐状の鎖を含む。
【0016】
本発明によるアルキル基の非限定的な例は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、及びn-ヘキシル等である。
【0017】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、1つ又は複数の水素原子がヒドロキシル基で置換されている飽和脂肪族炭化水素を指す。
【0018】
別段の指定のない限り、「置換されている」という用語は、本明細書で使用する場合、上記の基の1つ又は複数の水素原子が、別の非水素原子、又は官能基で置き換えられているが、但し、正常な原子価が維持されていること、及び置換によって安定な化合物がもたらされることを意味する。
【0019】
有機化学の当業者は、多くの有機化合物が、溶媒(その中で有機化合物は、反応し、又は沈殿し、又は結晶化する)とともに複合体を形成することができることを理解されるであろう。このような複合体は「溶媒和物」として知られている。例えば、水との複合体は「水和物」として知られている。本発明の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内に入る。式(I)又は(Ia)の化合物は、結晶化又は適切な溶媒の蒸発によって、溶媒分子と会合して容易に単離され、対応する溶媒和物を得ることができる。
【0020】
式(I)又は(Ia)の化合物は、結晶形態とすることができる。一部の実施形態では、式(I)又は(Ia)の化合物の結晶形態は多形である。
【0021】
本発明はまた、同位体標識化合物も含み、これは、式(I)又は(Ia)に与えられているものと同一であるが、1つ又は複数の原子が、通常自然界に見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換えられていることにおいて異なるものである。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、及び酸素の同位体、例えば、2H、3H、11C、13C、14C、15N、17Oが含まれる。
【0022】
上記の同位体及び/又は他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物は、本発明の保護の範囲内に入る。本発明の同位体標識化合物、例えば、3H及び14C等の放射性同位体が組み込まれているものは、薬物及び/又は基質の組織内分布のアッセイにおいて有用である。トリチウム同位体、即ち3H、及び炭素14、即ち14Cは、その調製の容易さ及び検出性のため、特に好ましい。同位体11Cは、PET(陽電子放出断層撮影法)において特に有用である。加えて、重水素、即ち2H等のより重い同位体との置換は、代謝安定性の増加、例えば、in vivo半減期の延長又は投与の必要性の減少から生じるある特定の治療上の利点をもたらす場合があり、したがって、ある特定の状況において注目され得る。本発明の式(I)又は(Ia)の同位体標識化合物は、一般に、以下の概略図及び/又は例に説明されている方法を実行することにより、非同位体標識試薬を、容易に入手できる同位体標識試薬に置換して、調製することができる。
【0023】
本発明に含まれる一部の基/置換基は、異性体として存在してもよい。したがって、一部の実施形態では、式(I)又は(Ia)の化合物は、軸不斉を有していてもよく、それに応じて、(R)体及び(S)体等の光学異性体の形態で存在してもよい。本発明は、ラセミ化合物、鏡像異性体及びそれらの混合物を含むそのような異性体の全てを、保護の範囲内に含む。
【0024】
特に、本発明の保護の範囲は、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、及びラセミ化合物を含むそれらの混合物を含む立体異性体の全てを含み、式(I)又は(Ia)の化合物への一般的な言及は、別段の指定のない限り、全ての立体異性体を含む。
【0025】
概して、単独で又は水中で化学的に極めて不安定であり、経口、非経口、又はその他のいずれであるかには関係なく、全ての投与経路による医薬としての使用に明らかに不適切である化合物(存在する場合)は、本発明の化合物から除外されると考えられるべきである。そのような化合物は熟練した化学者に公知である。
【0026】
最後に、式(I)又は(Ia)の化合物は、塩を形成することができる。特に、キノリン環は塩酸塩を形成することができ、フェノール残基又はCOOH基は金属塩を形成する。
【0027】
本発明の第1の態様によれば、式(I):
【0028】
【化1】
【0029】
[式中:
R1は、H、1つの置換基R7で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキル、1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状O-C3~6アルキルからなる群から選択され、
R2は、H、C1~6ヒドロキシアルキル、1つの置換基R7で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキル;H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から独立して選択される少なくとも1つの置換基で任意選択により置換されているフェニル、及び1つの置換基R9で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキルからなる群から選択され、
R3は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、CH2OHからなる群から選択され、
但し、
- R2がHである場合、R1又はR3はHではなく、又は
- R1が1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状O-C3~6アルキルである場合、R2及びR3のうち少なくとも1つはHではなく、
R4は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R5は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R6は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、OH;及び1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルコキシルからなる群から選択され、
但し、R4、R5及びR6のうち1つがCOOH又はCH2OHである場合、R4、R5及びR6の中で残っているもののうち少なくとも1つはHではなく、
R7は、
【0030】
【化2】
【0031】
からなる群から選択され、
R8は、OH、COOH、COO-C1~6アルキルからなる群から選択され、
R9は、
【0032】
【化3】
【0033】
(式中、R10は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R11は、H、OH、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
及びR12は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択される)
からなる群から選択される]
の化合物であって、次の化合物
【0034】
【化4】
【0035】
を除外する、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物が提供される。
【0036】
第1の実施形態では、R1は、H、O-i-プロピル、O-n-プロピル、O-n-ブチル、O-sec-ブチル、O-n-ペンチル、O-2-メチルブチル、-CH2-R7、-O-(CH2)3~4-R8からなる群から選択される。
【0037】
一実施形態では、R2は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から独立して選択される少なくとも1つの置換基で任意選択により置換されているフェニル、又は1つの置換基R9で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキルである。
【0038】
更なる実施形態では、R2は、H、CH2OH; H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、-CH2-R9からなる群から独立して選択される2つの置換基で置換されているフェニルからなる群から選択される。
【0039】
第3の実施形態では、
R3は、H、COOH、COOCH3、CH2OHからなる群から選択され、
R4は、H、COOH、COOCH3、CH2OHからなる群から選択され、及び
R5は、H、COOH、COOCH3、CH2OHからなる群から選択される。
【0040】
更なる実施形態では、式(I)の化合物は、
【0041】
【化5A】
【0042】
【化5B】
【0043】
【化5C】
【0044】
【化5D】
【0045】
からなる群から選択される。
【0046】
好ましくは、式(I)の化合物は、
【0047】
【化6A】
【0048】
【化6B】
【0049】
【化6C】
【0050】
【化6D】
【0051】
からなる群から選択される。
【0052】
本発明の第2の態様は、式(Ia)の化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物に関する。式(Ia)の化合物は、式:
【0053】
【化7】
【0054】
[式中:
R1は、H、1つの置換基R7で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキル、1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状O-C3~6アルキルからなる群から選択され、
R2は、H、C1~6ヒドロキシアルキル、1つの置換基R7で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキル;H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から独立して選択される少なくとも1つの置換基で任意選択により置換されているフェニル、及び1つの置換基R9で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキルからなる群から選択され、
R3は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、CH2OHからなる群から選択され、
但し、
- R2がHである場合、R1又はR3はHではなく、又は
- R1が1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状O-C3~6アルキルである場合、R2及びR3のうち少なくとも1つはHではなく、
R4は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R5は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R6は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、OH;及び1つの置換基R8で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルコキシルからなる群から選択され、
但し、R4、R5及びR6のうち1つがCOOH又はCH2OHである場合、R4、R5及びR6の中で残っているもののうち少なくとも1つはHではなく、
R7は、
【0055】
【化8】
【0056】
からなる群から選択され、
R8は、OH、COOH、COO-C1~6アルキルからなる群から選択され、
R9は、
【0057】
【化9】
【0058】
(式中、R10は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
R11は、H、OH、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択され、
及びR12は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から選択される)
からなる群から選択される]
又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を有する。
【0059】
一実施形態では、R1は、H、O-i-プロピル、O-n-プロピル、O-sec-ブチル、O-n-ペンチル、O-2-メチルブチル、-CH2-R7、-O-(CH2)3~4-R8からなる群から選択される。
【0060】
一実施形態では、R2は、H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキルからなる群から独立して選択される少なくとも1つの置換基で任意選択により置換されているフェニル、又は1つの置換基R9で任意選択により置換されている直鎖状又は分岐鎖状C1~6アルキルである。
【0061】
一実施形態では、R2は、H、CH2OH; H、COOH、COO-C1~6アルキル、C1~6ヒドロキシアルキル、-CH2-R9からなる群から独立して選択される2つの置換基で置換されているフェニルからなる群から選択される。
【0062】
一実施形態では,
R3は、H、COOH、COOCH3、CH2OHからなる群から選択され、
R4は、H、COOH、COOCH3、CH2OHからなる群から選択され、及び
R5は、H、COOH、COOCH3、CH2OHからなる群から選択される。
【0063】
一実施形態では、式(Ia)の化合物は、
【0064】
【化10A】
【0065】
【化10B】
【0066】
【化10C】
【0067】
【化10D】
【0068】
からなる群から選択される。
【0069】
好ましくは、式(Ia)の化合物は、
【0070】
【化11A】
【0071】
【化11B】
【0072】
【化11C】
【0073】
【化11D】
【0074】
【化11E】
【0075】
からなる群から選択される。
【0076】
当業者は、そのような医薬組成物を製剤化するのに適した様々な添加剤化合物を認識している。
【0077】
式(Ia)の化合物は、一般的に使用される添加剤と一緒に、医薬組成物及びその投与単位中に含めることができ、固形剤(例えば、錠剤若しくは充填されたカプセル剤)、又は液剤(例えば、溶液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤若しくはそれを充填したカプセル剤)のような形態で、全てを経口使用のため、又は非経口投与(皮下及び静脈内使用を含む)のための滅菌注射液として、使用することができる。
【0078】
そのような医薬組成物及びその単位投与形態は、追加の化合物又は活性成分を含み、又は含まずに、成分を一般的なパーセンテージで含むことができ、そのような単位投与形態は、使用されることになる企図された1日投与量範囲に相当する任意の適切な有効量の活性成分を含むことができる。
【0079】
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、医薬の技術分野で周知の方法で調製することができ、少なくとも1種の活性化合物を含むことができる。一般に、本発明の化合物は、薬学的に有効な量で投与される。実際に投与される化合物の量は、通常、処置されようとする状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重及び応答、並びに患者の症状の重症度等を含む、該当する状況を考慮して、医師によって決定される。
【0080】
本発明の医薬組成物は、経口、経直腸、皮下、静脈内、筋肉内、鼻腔内及び経肺の各経路を含む多くの経路で投与することができる。経口投与用の組成物は、原体で液体溶液又は懸濁液、又は原末の形態をとることができる。しかし、より一般的には、組成物は、正確な投薬を容易にするために、単位投与形態で提供される。「単位投与形態」という表現は、ヒト及び他の哺乳動物の対象のための単位投与量として適した物理的に別個の単位であって、各単位が、許容される医薬添加剤と関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性材料を含有する、単位を指す。典型的な単位投与形態には、液体組成物が予め充填された(pre-filled、pre-dosed)アンプル又はシリンジ、又は固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセル剤若しくは類似のものが含まれる。
【0081】
経口投与に適した液体形態には、緩衝剤、懸濁剤及び分散剤、着色剤、並びに風味剤等とともに、適切な水性又は非水性のビヒクルを含めることができる。固体形態には、例えば、以下の成分、又は類似の性質の化合物、即ち:結合剤、例えば、微結晶セルロース、トラガントガム若しくはゼラチン;添加剤、例えば、デンプン若しくはラクトース;崩壊剤、例えば、アルギン酸、Primogel若しくはトウモロコシデンプン;滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;流動化剤、例えば、コロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、例えば、スクロース、ラクトース若しくはサッカリン;又は風味剤、例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル若しくはオレンジ風味のうちいずれかを含めることができる。
【0082】
注射用組成物は、通常、当技術分野において公知の、滅菌注射液又はリン酸緩衝液又は他の注射用ビヒクルを材料とする。
【0083】
医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤、散剤、坐剤の形態、及び徐放性製剤としてのものでもよい。
【0084】
所望の場合、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術を使用してコーティングされてもよい。ある特定の実施形態では、そのような組成物及び製剤は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含有することができる。当然ながら、これらの組成物中の活性化合物のパーセンテージは変動する可能性があり、適切には、単位質量の約1パーセント~約60パーセントの間とすることができる。そのような治療的に有用な組成物中の活性化合物の量は、治療的に活性な投与量が得られるような量である。活性化合物はまた、例えば、液滴又はスプレーとして、鼻腔内に投与することもできる。
【0085】
錠剤、丸剤、及びカプセル剤等はまた、結合剤、例えば、トラガントガム、アラビアガム、トウモロコシデンプン、又はゼリー;添加剤、例えば、リン酸二カルシウム;崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルギン酸;滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;及び甘味剤、例えば、スクロース、ラクトース、又はサッカリンも含有してもよい。投与単位形態がカプセル剤である場合、それは、上記の種類の材料に加えて、脂肪油等の液体担体を含有してもよい。様々な他の材料が、コーティングとして、又は投与単位の物理的形態を変更するために存在してもよい。例えば、錠剤は、セラック、糖、又はその両方でコーティングすることができる。シロップ剤又はエリキシル剤は、活性成分に加えて、甘味料としてのスクロース、防腐剤としてのメチルパラベン及びプロピルパラベン、着色剤、及びチェリー又はオレンジの風味等の風味剤を含有してもよい。消化管上部を通過する間の破損を回避するため、組成物は腸溶コーティング製剤である。
【0086】
経肺投与用組成物は、以下に限定されないが、式(Ia)の化合物の粉末並びに適切なビヒクル及び/又は滑沢剤の粉末からなる乾燥粉末組成物を含む。経肺投与用組成物は、当業者に公知の任意の適切な乾燥粉末吸入器デバイスによって吸入されてもよい。
【0087】
組成物の投与は、プロトコルに従って、対象の炎症及び痛みを軽減するのに十分な投与量で実行される。一部の実施形態では、本発明の医薬組成物中に、1種又は複数種の活性成分が、一般に、投与単位に製剤化される。投与単位は、連日投与について、投与単位当たり0.1~1000mgの式(Ia)の化合物を含有することができる。
【0088】
一部の実施形態では、特定の製剤の有効量は、疾患、障害又は状態の治療前の重症度、個体の健康状態及び薬物に対する応答に依存することになる。一部の実施形態では、用量は、製剤の0.001質量%~約60質量%の範囲である。
【0089】
1種又は複数種の他の活性成分と組み合わせて使用する場合、本発明の化合物及び他の活性成分は、各々を別々に使用する場合より低用量で使用してもよい。
【0090】
任意の様々な投与経路に関する製剤に関して、薬物投与のための方法及び製剤が、Remington's Pharmaceutical Sciences、第17版、Gennaroら編、Mack Publishing Co.、1985、及びRemington's Pharmaceutical Sciences、Gennaro AR編、第20版、2000、Williams & Wilkins PA、USA、及びRemington: The Science and Practice of Pharmacy、第21版、Lippincott Williams & Wilkins編、2005;並びにLoyd V. Allen及びHoward C. Ansel、Ansel's Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第10版、Lippincott Williams & Wilkins編、2014に記載されている。
【0091】
経口投与される、又は注射用の組成物用の上記の成分は、代表例に過ぎない。
【0092】
本発明の化合物はまた、徐放性形態で、又は徐放性薬物送達システムによって投与することもできる。
【0093】
本発明の第3の態様は、医薬として使用するための上記の式(Ia)の化合物に関する。
【0094】
式(Ia)の化合物は、上に示したように、消化管障害、肝障害、心血管障害、代謝障害、感染性疾患、がん、腎障害、炎症性障害及び神経障害からなる群から選択される障害の予防及び/又は処置に使用することができる。
【0095】
一実施形態では、肝障害には、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、脳腱黄色腫症(CTX)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、薬物性胆汁うっ滞、妊娠性肝内胆汁うっ滞、非経口栄養に関連する胆汁うっ滞、細菌過剰繁殖及び敗血症に関連する胆汁うっ滞、自己免疫性肝炎、慢性ウイルス肝炎、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肝臓移植関連宿主病、生体ドナー移植、肝再生、先天性肝線維症、肉芽腫性肝疾患、肝内又は肝外の悪性腫瘍、ウィルソン病、ヘモクロマトーシス、及びアルファ-1-抗トリプシン欠乏症が含まれる。
【0096】
一実施形態では、消化管障害には、炎症性腸疾患(IBD)(クローン病、潰瘍性大腸炎及び不確定大腸炎を含む)、過敏性腸症候群(IBS)、細菌過剰繁殖、急性及び慢性の膵炎、吸収不良、放射線照射後大腸炎、及び顕微鏡的大腸炎が含まれる。
【0097】
一実施形態では、腎障害には、糖尿病性腎症、高血圧性腎症、慢性移植糸球体腎炎を含む慢性糸球体腎炎、慢性尿細管間質疾患及び腎臓の血管障害が含まれる。
【0098】
一実施形態では、心血管疾患は、アテローム性動脈硬化症、脂質異常症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血圧症、別名高血圧、心筋炎及び心内膜炎を含む炎症性心疾患、虚血性心疾患、安定狭心症、不安定狭心症、心筋梗塞、虚血性脳卒中を含む脳血管疾患、肺高血圧症を含む肺性心疾患、末梢動脈疾患(PAD)、別名末梢血管疾患(PVD)、末梢動脈閉塞性疾患、及び末梢性閉塞性動脈症からなる群から選択される。
【0099】
一実施形態では、代謝疾患は、インスリン抵抗性、メタボリックシンドローム、I型及びII型糖尿病、低血糖症、及び副腎皮質機能不全を含む副腎皮質障害からなる群から選択される。
【0100】
一実施形態では、代謝障害は、肥満症及び肥満外科手術に関連する状態からなる群から選択される。
【0101】
一実施形態では、がんは、肝がん、胆管がん、膵臓がん、胃がん、結腸直腸がん、乳がん、卵巣がん、及び化学療法抵抗性に関連する病態を含む群から選択される。
【0102】
一実施形態では、感染性疾患は、後天性免疫不全症候群(AIDS)及び関連障害、Bウイルス及びCウイルス感染症の群から選択される。
【0103】
一実施形態では、炎症性障害は、関節リウマチ、線維筋痛症、シェーグレン症候群、強皮症、ベーチェット症候群、血管炎、及び全身性エリテマトーデスの群から選択される。
【0104】
本発明の更なる態様によれば、式(Ia)の化合物は、GPBAR1の選択的アゴニストとして使用するために提供される。特に、CHIN114が提供される。
【0105】
本発明の更なる態様によれば、式(Ia)の化合物は、CysLT1R/FXRの二重調節剤として使用するために提供される。そのような式(Ia)の化合物の好例は、CHIN104である。
【0106】
本発明の更なる態様によれば、式(Ia)の化合物は、CysLT1R/GPBAR1の二重調節剤として使用するために提供される。そのような式(Ia)の化合物の好例は、CHIN105、CHIN106、及びCHIN117である。
【0107】
本発明の更なる特徴は、以下の幾つかの単に説明のための非限定的な例の記載から明らかになるであろう。
【0108】
次の略語が添付の例において使用される:メタノール(MeOH)、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、酢酸エチル(EtOAc)、ジクロロメタン(DCM)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、ジメチルホルムアミド(DMF)、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL-H)、トリフェニルホスフィン(PPh3)ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)、塩酸(HCl)、トリエチルアミン(TEA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、水酸化ナトリウム(NaOH)、テトラヒドロフラン(THF)、水(H2O)、重水素化クロロホルム(CDCl3)、重水素化メタノール(CD3OD)、時間(h)、室温(rt)、保持時間(tR)。
【実施例
【0109】
(実施例1)
CHIN104~106の合成
アルコール1を、メチルキノリン-2-カルボキシレートから、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL-H)での還元によって合成した。このようにして得られたアルコール1は、メチル3-ヒドロキシベンゾエートとの光延反応によってCHIN104を高収率で合成するための基質である(概略図1)。
【0110】
CHIN104から出発し、メチルエステルの塩基性加水分解又はDIBAL-Hでの還元により、それぞれ、カルボン酸CHIN105及びアルコールCHIN106を得た。
【0111】
【化12】
【0112】
試薬及び条件 a)DIBAL-H、乾燥THF、0℃、b)PPh3、DIAD、乾燥THF、0℃、c)NaOH、MeOH:H2O 1:1v/v。
【0113】
一般的方法。
反応a)。DIBAL-Hでの還元。DIBAL-H(2.0当量、THF中1.0M)の溶液を、キノリンメチルエステルの、又はCHIN104の、無水THF(25mL)中溶液に0℃で一滴ずつ添加する。得られた混合物を0℃で4時間~8時間撹拌する。ロッシェル塩(酒石酸カリウムナトリウム)の飽和水溶液を反応混合物に添加し、次いで、DCMで希釈する。撹拌しながら2時間にわたってクエンチする。水性相をDCM(3×50mL)で抽出し、プールした有機相を水で洗浄し、Na2SO4で脱水し、Rotavaporにて減圧下で濃縮して、粗製残渣を得、これをクロマトグラフィーカラム又はHPLCにより精製する。
【0114】
工程b)光延反応。ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD、3.5当量)を、トリフェニルホスフィン(PPh3、3.5当量)の乾燥THF中溶液に、0℃で一滴ずつ添加する。10分後、アルコール1を乾燥THFに溶解した溶液を添加する。更に10分後、メチル3-ヒドロキシベンゾエートを乾燥THFに溶解した溶液を添加する。約12時間後、水を添加し、反応混合物を乾燥させてTHFを除去する。乾燥残渣をEtOAc(3×50mL)で抽出し、プールした有機相を2.5M KOHと水との水溶液で洗浄し、脱水し、Rotavaporにて減圧下で乾燥させる。クロマトグラフィーカラム及びシリカゲルで精製して、CHIN104を得た。
【0115】
工程c)塩基性加水分解。CHIN104エステルの小アリコートをMeOH:H2O 1:1v/vの溶液(30mL)に溶解し、NaOH(5.0当量)の塩基性環境で処理する。反応混合物を約150℃の温度で還流しながら8時間撹拌する。得られた溶液を6M HClでの処理によりクエンチし、次いで、EtOAc(3×50mL)で抽出する。プールした有機相を水で洗浄し、無水Na2SO4で処理し、次いで、Rotavaporで乾燥させて、CHIN105を粗製残渣として得、これに更なる精製を施す。
【0116】
(実施例1A)
メチル3-(キノリン-2-イルメトキシ)ベンゾエート(CHIN104)の合成。
精製を、混合溶離液としてヘキサン:EtOAc 9:1v/v及び0.1%のTEAを使用して、シリカゲルによって行い、CHIN104(78%)を得た。分析用試料を、HPLC分離により、Nucleodur 100-5 C18カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、MeOH/H2O 82:18v/vを溶離液として用いて(流速3mL/分、tR=14.8分)得た。
【0117】
CHIN104 C18H15NO3
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 8.22 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.10 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.85 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.74 (2H, ovl), 7.68 (2H, ovl), 7.57 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.37 (1H, t, J = 7.7 Hz), 7.24 (1H, d, J = 7.7 Hz), 5.44 (2H, s), 3.91 (3H, s).
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 169.6, 158.4, 157.3, 147.5, 137.1, 131.6, 129.8, 129.5, 128.9, 127.7, 127.6, 126.6, 122.4, 119.7, 119.0, 115.6, 71.4, 52.1.
【0118】
(実施例1B)
3-(キノリン-2-イルメトキシ)安息香酸(CHIN105)の合成。
CHIN105(68%)の精製を、シリカクロマトグラフィーカラムで、溶離液としてDCM:MeOH 99:1v/vを使用して実行した。分析用試料を、HPLCにより、Nucleodur 100-5
カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)、及び混合溶離液ヘキサン/EtOAc 40:60v/vを使用して(流速3mL/分、tR=6.9分)精製した。
【0119】
CHIN105 C17H13NO2
1H NMR (CD3OD, 400 MHz): δ 8.40 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.06 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.95 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.80 (1H, t, J = 8.3 Hz), 7.74 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.70 (1H, s), 7.64 (1H, t, J = 8.3 Hz), 7.62 (1H, d, ovl), 7.41 (1H, t), 7.30 (1H, dd, J = 1.5, 8.0 Hz), 5.42 (2H, s).
13C NMR (CD3OD, 100 MHz) δ 169.4, 159.9, 158.8, 148.4, 139.1, 133.5, 131.3, 130.7, 129.2, 129.1, 129.0, 128.0, 123.7, 120.8, 120.7, 116.6, 71.9.
【0120】
(実施例1C)
(3-(キノリン-2-イルメトキシ)フェニル)メタノール(CHIN106)の合成。
シリカカラムにより、溶離液としてDCM:MeOH 99:1v/vを使用して精製して、CHIN106(60%)を得た。分析用試料を、HPLC分離により、Nucleodur 100-5 C18カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、MeOH/H2O 75:15を溶離液として用いて(流速3mL/分、tR=9.3分)得た。
【0121】
CHIN106 C17H15NO2
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 8.20 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.10 (1H, d, J = 7.4 Hz), 7.84 (1H, d, J = 7.4 Hz), 7.75 (1H, t, J = 7.4 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.56 (1H, t, J = 7.4 Hz), 7.28 (1H, dd, J = 7.3, 8.0 Hz), 7.08 (1H, s), 7.0 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.95 (1H, d, J = 7.3 Hz), 5.40 (2H, s), 4.68 (2H, s).
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 158.6, 157.8, 147.4, 142.8, 137.1, 129.8, 129.6, 128.7, 127.7, 127.6, 126.5, 119.6, 119.1, 113.9, 113.4, 71.1, 64.9.
【0122】
(実施例2)
CHIN107、CHIN108及びCHIN109の合成。
化合物CHIN107~CHIN109の合成について、最初の工程は、キノリンに結合しなければならないメチル3,5-ジヒドロキシベンゾエートの、TBSでの単一保護をするものである。単一保護された誘導体が得られると、それは、フェノールとメシル化アルコール誘導体1との間のウィリアムソン反応によって、キノリンに結合することになる。最終工程は、CHIN107を得るための、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)でのTBSの脱保護である。このエステルの2つのアリコートに、塩基性加水分解及びDIBAL-Hでの還元を行って、CHIN108及びCHIN109を得る。
【0123】
【化13】
【0124】
試薬及び条件:a)TBS-Cl、イミダゾール、乾燥DMF、収率45%、b)塩化メシル、TEA、エーテル、-20℃、定量的収率、c)フェノール(化合物3)、K2CO3、無水DMF、100℃、d)乾燥THF中テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)1.0M、終夜、e)NaOH錠剤過剰量、MeOH:H2O 1:1v/v、終夜、還流、f)DIBAL-H、乾燥THF、0℃。
【0125】
一般的方法。
反応a)。TBSClでの保護。イミダゾール(1.5当量)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(1.2当量)を、化合物2の乾燥DMF中溶液に添加する。1時間後、DMFを除去し、EtOAc/NH4Clで3回抽出し、プールした有機相をH2Oで洗浄する。有機相を脱水し(Na2SO4)、濾過し、Rotavapor中で濃縮して、化合物3を粗製状態で得る。シリカゲルで、ヘキサン/EtOAcの9:1混合物を溶離液として使用して精製し、化合物3を収率45%で得た。
【0126】
反応b)。アルコール1のメシル化。化合物1を乾燥エーテルに溶解し、トリエチルアミン(6当量)及びメタンスルホニルクロリド(5当量)をこの溶液に-20℃で添加する。約1時間後、この溶液をNaHCO3の飽和水溶液で洗浄し、プールした有機相を水で1回抽出する。有機相を脱水し(Na2SO4)、濾過し、Rotavapor中で濃縮して、粗製状態の化合物4を定量的収率で得る。
【0127】
反応c)。ウィリアムソン反応。炭酸カリウム(2.5当量)を、フェノール(化合物3)のDMF中溶液に添加し、15分間放置する。乾燥DMF中に溶解したメシレート誘導体(1.2当量、化合物4)を添加し、この溶液を100℃で約12時間置く。DMFを冷却し、Rotavaporで除去し、固体残渣を水及び酢酸エチル(3×50mL)で抽出する。プールした有機相をNa2SO4で脱水し、濾過し、次いでRotavaporで濃縮して、粗製反応生成物を得、これを次の反応に直接送ることになる。
【0128】
反応d)TBSからの脱保護。前の反応からの粗生成物を、乾燥THFに室温で溶解し、この溶液に、1.0MのTBAF、即ちテトラ-N-ブチルアンモニウムフルオリドのTHF(0.63mL、5当量)中溶液を添加する。8時間後に反応が終了し、AcOEtを添加することによって処理し、H2Oで抽出する。合わせた有機相をNa2SO4で脱水し、濾過し、Rotavaporで濃縮して、化合物CHIN107をその粗製状態で得る。
【0129】
反応e)アルカリ加水分解。実施例1工程c)におけるものと同じ合成及び後処理プロセスを行う。
【0130】
反応f)エステルのDIBAL-Hでの還元。実施例1反応a)におけるものと同じ合成及び後処理プロセスを行う。
【0131】
(実施例2A)
メチル3-ヒドロキシ-5-(キノリン-2-イルメトキシ)ベンゾエート(CHIN107)の合成。
精製を、シリカゲルを充填したカラムで、DCM/MeOHの998:2混合物を溶離液として使用して実行し、化合物CHIN107を収率85%で得る。
【0132】
分析用試料を、HPLCにおいて、順相セミ分取Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、ヘキサン/AcOEt 7:3v/vを混合溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=23.70分)、分離する。
【0133】
CHIN107 C18H15NO4
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.17 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.00 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.79 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.68 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.62 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.54 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.28 (1H, s), 7.21 (1H, s), 6.76 (1H, s), 5.38 (2H, s), 3.89 (3H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 167.2, 159.1, 157.9, 157.3, 146.7, 137.8, 131.8, 130.2, 127.8, 127.7, 127.6, 126.8, 119.2, 109.8, 107.8, 106.8, 70.4, 52.1.
【0134】
(実施例2B)
3-ヒドロキシ-5-(キノリン-2-イルメトキシ)安息香酸(CHIN108)の合成。
精製を、シリカゲルを充填したカラムで、DCM/MeOHの95:5混合物を溶離液として使用して実行し、化合物CHIN108を定量的収率で得る。純粋な分析用試料は、混合物を、HPLCにおいて、PhenomenexペンタフルオロフェニルC18逆相カラムで、MeOH/H2O 55:45v/v及び0.1%のTFAを混合溶離液として使用して(流速1mL/分、tR=9.25分)分離することによって得た。
【0135】
CHIN108 C17H13NO4
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 8.39 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.05 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.96 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.79 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.72 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.62 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.18 (1H, s), 7.08 (1H, s), 6.66 (1H, s), 5.37 (2H, s).
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ 160.7, 159.7, 158.2, 148.2, 139.1, 131.4, 131.3, 129.2, 129.1, 129.0, 128.9, 128.0, 120.6, 110.8, 107.8, 107.0, 71.8.
【0136】
(実施例2C)
3-(ヒドロキシメチル)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)フェノール(CHIN109)の合成。
純粋な分析用試料(収率92%)は、混合物を、HPLCにおいて、PhenomenexペンタフルオロフェニルC18逆相カラムで、0.1%のTFAを有するMeOH/H2O 60:40v/vを混合溶離液として使用して(流速1mL/分、tR=12.24分)分離することによって得た。
【0137】
CHIN109 C17H15NO3
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.20 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.10 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.84 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.75 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.67 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.57 (1H, t, J = 8.0 Hz), 6.65 (1H, s), 6.49 (1H, s), 6.46 (1H, s), 5.40 (2H, s), 4.62 (2H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 161.1, 159.8, 159.6, 148.3, 145.5, 139.0, 131.3, 129.1, 129.0, 128.9, 127.9, 120.6, 107.8, 105.5, 102.1, 71.6, 65.1.
【0138】
(実施例3)
CHIN111、CHIN112及びCHIN114の合成。
化合物CHIN111、CHIN112及びCHIN114を合成するために、置換されたフェノールを最初に調製しなければならない。
【0139】
実施例2反応a)に記載されているように調製された化合物5は、光延反応により、及びTBAFでの脱保護により、フェノール類6~8に変換することができ、次いでこれらをウィリアムソン反応によりキノリンに結合させて、誘導体CHIN111、112及び114を得ることになる。
【0140】
【化14】
【0141】
試薬及び条件:a)PPh3、DIAD、異なる性質のアルコール、乾燥THF、0℃、b)乾燥THF中テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)1.0M、終夜、c)フェノール類(化合物6~8)、K2CO3、無水DMF、100℃。
【0142】
(実施例3A)
2-((3-イソプロポキシフェノキシ)メチル)キノリン(CHIN111)の合成。
CHIN111(61%)の精製を、HPLCにおいて、順相セミ分取Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、ヘキサン/EtOAc 95:5v/vを混合溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=38分)実行する。
【0143】
CHIN111 C19H19NO2
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.19 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.09 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.84 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.74 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.56 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.17 (1H, t, J = 8.0 Hz), 6.61 (1H, s), 6.60 (1H, ovl), 6.52 (1H, dd, J = 8.0, 2.0 Hz),5.38 (2H, s), 4.52 (1H, 七重線, J = 6.0 Hz), 1.32 (6H, d, J = 6.0 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 159.6, 159.2, 157.9, 147.5, 136.9, 129.9, 129.7, 128.9, 127.7, 127.6, 126.4, 119.1, 108.8, 106.8, 103.0, 71.3, 69.9, 22.0 (2C).
【0144】
(実施例3B)
2-((3-(sec-ブトキシ)フェノキシ)メチル)キノリン (CHIN112)の合成。
精製を、HPLCにおいて、順相セミ分取Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、ヘキサン/EtOAc 9:1v/vを混合溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=15分)実行する。化合物を定量的収率で得る。
【0145】
CHIN112 C20H21NO2
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.19 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.09 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.84 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.74 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.56 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.17 (1H, t, J = 8.0 Hz), 6.61 (1H, s), 6.60 (1H, ovl), 6.52 (1H, dd, J = 8.0, 2.0 Hz), 5.37 (2H, s), 4.27 (2H, 六重線, J = 6.1 Hz), 1.73 (1H, m), 1.60 (1H, m), 1.27 (2H, d, J = 6.1 Hz), 0.96 (3H, t, J = 7.4 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 159.7, 159.6, 158.0, 147.5, 136.9, 129.9, 129.7, 128.9, 127.7, 127.6, 126.4, 119.2, 108.9, 106.7, 103.1, 75.2, 71.1, 29.2, 19.2, 9.9.
【0146】
(実施例3C)
2-((3-(2-メチルブトキシ)フェノキシ)メチル)キノリン(CHIN114)の合成。
精製を、HPLCにおいて、順相セミ分取Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、ヘキサン/AcOEt 9:1v/vを混合溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=14分)実行する。CHIN114を収率90%で得る。
【0147】
CHIN114 C21H23NO2
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.19 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.09 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.84 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.74 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.56 (1H, t, J = 7.5 Hz), 7.17 (1H, t, J = 8.0 Hz), 6.61 (1H, s), 6.60 (1H, ovl), 6.52 (1H, dd, J = 8.0, 2.0 Hz), 5.38 (2H, s), 3.80 (1H, dd, J = 9.0, 6.0 Hz), 3.71 (1H, dd, J = 9.0, 6.6 Hz), 1.85 (1H, 七重線, J = 6.6 Hz), 1.56 (1H, m), 1.25 (1H, m), 1.00 (3H, d, J = 6.6 Hz), 0.94 (3H, t, J = 7.3 Hz).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 160.6, 159.6, 158.0, 147.5, 136.9, 129.9, 129.8, 128.9, 127.8, 127.6, 126.5, 119.1, 107.7, 106.8, 101.8, 73.0, 71.2, 34.6, 26.1, 16.5, 11.3.
【0148】
(実施例4)
CHIN116~CHIN121の合成。
エステルCHIN116及びCHIN119は、ウィリアムソン合成により、実施例2反応cにおけるものと同じ実験プロセスを使用して、2-(クロロメチル)キノリン(9)から、及びメチル4'-ヒドロキシ-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボキシレート(10)又はメチル4'-ヒドロキシ-[1,1'-ビフェニル]-4-カルボキシレート(11)から選択して出発して、合成される。
【0149】
次いで、既に実施例1反応a)及び工程c)に記載されている実験プロセスに従って、エステルに還元及び加水分解を施す。
【0150】
【化15】
【0151】
試薬及び条件。a)化合物10又は11、K2CO3、乾燥DMF、100℃、それぞれ、定量的収率及び87%、b)過剰なNaOH、MeOH:H2O 1:1v/v、還流、両反応生成物について定量的収率、c)DIBAL-H、乾燥THF、0℃、それぞれ、定量的収率及び92%。
【0152】
(実施例4A)
メチル4'-(キノリン-2-イルメトキシ)-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボキシレート(CHIN116)の合成。
誘導体CHIN116(定量的収率)を、シリカのクロマトグラフィーカラムにて、ヘキサン:EtOAc 9:1v/v中で精製する。分析用試料を、HPLCにおいて、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、溶離液としての混合物ヘキサン:EtOAc 7:3v/vを使用して(流速3mL/分、tR=12.1分)得る。
【0153】
CHIN116 C24H19NO3
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.23 (1H, t, J = 2.0 Hz), 8.21 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.98 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.84 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.77 (1H, t, J = 8.6 Hz), 7.73 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.71 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.57 (1H, t, ovl), 7.57 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.48 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.13 (2H, d, J = 8.7 Hz), 5.45 (2H, s), 3.94 (3H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 167.0, 158.2, 157.7, 147.5, 140.8, 137.1, 133.1, 131.0, 130.6, 129.8, 128.9, 128.8, 128.3 (2C), 127.8 (2C), 127.7, 127.6, 126.5, 119.1, 115.3 (2C), 71.4, 52.1.
【0154】
(実施例4B)
4'-(キノリン-2-イルメトキシ)-[1,1'-ビフェニル]-3-カルボン酸(CHIN117)の合成。
化合物CHIN117を、シリカクロマトグラフィーカラム(DCM:MeOH 95:5v/v)で精製した後に、定量的収率で得る。
【0155】
CHIN117 C23H17NO3
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.29 (1H, t, J = 1.6 Hz), 8.23 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.14 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.03 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.85 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.79 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.77 (1H, t, J = 8.4 Hz), 7.72 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.58 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.57 (1H, t, ovl), 7.52 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.14 (2H, d, J = 8.4 Hz), 5.47 (2H, s).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d6): 168.3, 159.0, 158.5, 147.9, 141.0, 138.2, 133.1, 132.4, 131.0, 130.3, 129.5, 129.0, 128.9, 128.6, 128.3, 127.8, 127.7, 127.6, 120.6, 116.5 (2C), 71.9.
【0156】
(実施例4C)
4'-(キノリン-2-イルメトキシ)-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)メタノール(CHIN118)の合成。
HPLCにおいて、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、ヘキサン/EtOAc 1:1v/vを溶離液として用いて(流速3mL/分、tR=20分)精製して、CHIN118を定量的収率で得た。
【0157】
CHIN118 C23H19NO2
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.22 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.12 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.85 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.76 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.71 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.57 (1H, t, J = 7.7 Hz), 7.55 (1H, s), 7.52 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.47 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.40 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.31 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.09 (2H, d, J = 8.6 Hz), 5.42 (2H, s), 4.76 (2H, s). 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 158.1, 157.8, 147.5, 141.4, 140.9, 137.1, 133.9, 129.8, 128.9, 128.8, 128.3 (2C), 127.7, 127.6, 126.6, 126.0, 125.3 (2C), 119.1, 115.1 (2C), 71.2, 65.4.
【0158】
(実施例4D)
メチル4'-(キノリン-2-イルメトキシ)-[1,1'-ビフェニル]-4-カルボキシレート(CHIN119)の合成。
化合物CHIN119(収率87%)を、シリカのクロマトグラフィーカラムにより、ヘキサン:EtOAc 9:1v/vの混合物を溶離液として使用して、精製する。純粋な分析用試料を、HPLCにおいて、Nucleodur 100-5 C18カラム(5μm、4.6mm i.d.×250mm)にて、勾配(t0=60% MeOH~t20分=95% MeOH、流速1mL/分、tR=5.5分)で分離することによって得る。
【0159】
CHIN119 C24H19NO3
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.22 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.08 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.85 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.76 (1H, t, J = 8.2 Hz), 7.70 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.61 (2H, d J = 8.6 Hz), 7.58 (2H, d, J = 8.9 Hz), 7.57 (1H, t, ovl), 7.13 (2H, d, J = 8.9 Hz), 5.46 (2H, s), 3.94 (3H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 167.1, 158.6, 157.6, 147.5, 145.0, 137.1, 132.9, 130.1 (2C), 129.8, 128.9, 128.5 (2C), 128.3, 127.7, 127.6, 126.6 (2C), 126.5, 119.0, 115.3 (2C), 71.5, 52.1.
【0160】
(実施例4E)
4'-(キノリン-2-イルメトキシ)-[1,1'-ビフェニル]-4-カルボン酸(CHIN120)の合成。
精製を、フラッシュクロマトグラフィーカラム及びシリカゲルで、DCM:MeOH 95:5v/vを溶離液として使用して実行し、CHIN120を定量的収率で得る。
【0161】
CHIN120 C23H17NO3
1H NMR (400 MHz, CD3OD+0.1% TFA): δ 9.23 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.42 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.39 (1H, d, J = 7.5 Hz), 8.24 (1H, t, J = 7.5 Hz), 8.23 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.10 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.03 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.76 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.73 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.32 (2H, d, J = 8.5 Hz), 5.80 (2H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 168.7, 158.3, 157.3, 145.7, 145.0, 138.8, 133.2, 130.9, 130.4 (2C), 128.5 (2C), 128.4, 128.3, 127.8 (2C), 126.5 (3C), 119.2, 115.3 (2C), 69.8.
【0162】
(実施例4F)
(4'-(キノリン-2-イルメトキシ)-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)メタノール(CHIN121)の合成。
化合物CHIN121を、シリカゲルクロマトグラフィーカラムで、溶離液としてヘキサン:EtOAc 8:2v/vを使用して精製した後に得る(収率92%)。分析用試料を、HPLCにおいて、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、ヘキサン/EtOAc 1:1v/vを用いて(流速3mL/分、tR=18分)更に精製する。
【0163】
CHIN121 C23H19NO2
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.22 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.85 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.76 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.71 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.57 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.55 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.53 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.42 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.10 (2H, d, J = 8.6 Hz), 5.44 (2H, s), 4.74 (2H, s).
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 157.9, 157.8, 157.3, 147.5, 140.1, 137.1, 133.9, 129.8, 128.9, 128.5, 128.4, 127.7, 127.6, 127.5 (2C), 126.8 (2C), 126.5, 119.1, 115.2 (2C), 71.3, 65.1.
【0164】
(実施例5)
CHIN125~CHIN127及びCHIN131~CHIN133の合成。
エステルCHIN125及びCHIN131の合成について、最初の工程は、ウィリアムソン合成を使用し、メチル3,5-ジヒドロキシベンゾエート(2)から出発し、それをメチル5-ブロモペンタノエート(14)及びメチル4-ブロモブタノエート(15)と交互に反応させて、フェノール12及び13を得るものである。得られたモノアルキル化フェノールに、実施例2反応cで使用したものと同じ実験プロセスによって、2-(クロロメチル)キノリン(9)との更なるウィリアムソン反応を施す。次いでエステルに、LiBH4での還元、及び実施例1工程c)において既に記載した実験プロセスに従って加水分解を施す。
【0165】
【化16】
【0166】
a試薬及び条件。a)化合物14又は化合物15、K2CO3、乾燥DMF、100℃、化合物12及び13について、それぞれ収率48%及び47%、b)化合物12又は13、K2CO3、乾燥DMF、100℃、それぞれ収率80%及び74%、c)NaOH過剰量、MeOH:H2O 1:1v/v、還流、それぞれ98%の定量的収率、d)LiBH4、乾燥THF、0℃、それぞれ、収率80%及び76%。
【0167】
一般的方法。
反応a)。ウィリアムソン反応。メチル5-ブロモペンタノエート(0.5当量)又はメチル4-ブロモブタノエート及びK2CO3(1当量)を、化合物2の乾燥DMF中溶液に添加し、この溶液を100℃で約12時間置く。それを冷却し、HCl 6Nで酸性化し、DMFをRotavaporにより除去する。乾燥残渣を水及び酢酸エチル(3×50mL)で抽出する。プールした有機相をNa2SO4で脱水し、濾過し、次いでRotavaporで濃縮して、粗製反応生成物を得、これをオープンカラムクロマトグラフィーにより精製することになる。
【0168】
反応d)。LiBH4での還元反応。
乾燥メタノール(1当量)及びLiBH4 2Mの乾燥THF中溶液(2当量)を0℃で、エステルCHIN125又はCHIN131の乾燥THF中溶液に添加する。約5時間後、反応のTLCモニタリングにより基質の終了が示され、1N NaOH溶液(2当量)を0℃で添加することによって反応を処理する。1時間にわたってクエンチし、次いで、混合物を水及び酢酸エチル(3×50mL)で抽出する。プールした有機相をNa2SO4で脱水し、濾過し、次いでRotavaporにより濃縮して、粗製反応生成物を得、これをHPLCによって精製することになる。
【0169】
(実施例5A)。メチル3-((5-メトキシ-5-オキソペンチル)オキシ)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)ベンゾエート(CHIN125)の合成。
化合物CHIN125(収率80%)を、シリカのクロマトグラフィーカラムにより、ヘキサン:EtOAc 9:1v/v混合物を溶離液として使用して精製する。純粋な分析用試料を、HPLCにおいて、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、n-ヘキサン:EtOAc 7:3v/vを溶離液として用いて(流速3mL/分、tR=20.4分)分離することによって得る。
【0170】
CHIN125 C24H25NO6
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.21 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.10 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.83 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.74 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.66 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.56 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.33 (1H, dd, J = 1.3 Hz, 2.3 Hz), 7.19 (1H, dd, J = 1.3 Hz, 2.3 Hz), 6.78 (1H, t, J = 2.3 Hz), 5.40 (2H, s), 3.98 (2H, t, J = 6.5 Hz), 3.89 (3H, s), 3.67 (3H, s), 2.38 (2H, t, J = 7.5 Hz), 1.81 (2H, ovl). 13C NMR (700 MHz, CDCl3): δ 173.8, 166.7, 160.1, 159.5, 157.3, 147.6, 137.1, 132.1, 129.8, 129.0, 127.7, 127.6, 126.6, 119.1, 108.4, 108.3, 106.7, 71.5, 67.8, 52.3, 51.5, 33.6, 28.5, 21.5.
【0171】
(実施例5B)
3-(4-カルボキシブトキシ)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)安息香酸(CHIN126)の合成。
精製を、HPLCにより、Phenomenex Luna C18(2)カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)にて、勾配(t0=10% MeCN 0.1% TFA~t20分=70% MeCN 0.1% TFA~t25分=95% MeCN 0.1% TFA、流速3mL/分、tR=16.3分)で実行し、化合物CHIN126(定量的収率)を得る。
【0172】
CHIN126 C22H21NO6
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 9.17 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.38 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.34 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.20 (1H, t, J = 8.5 Hz), 8.18 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.98 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.38 (1H, dd, J = 1.3 Hz, 2.3 Hz), 7.31 (1H, dd, J = 1.3 Hz, 2.3 Hz), 6.98 (1H, t, J = 2.3 Hz), 5.74 (2H, s), 4.06 (2H, t, J = 5.5 Hz), 2.38 (2H, t, J = 8.0 Hz), 1.82 (2H, ovl). 13C NMR (700 MHz, CD3OD): δ 177.3, 169.2, 161.8, 160.4, 157.9, 143.6, 133.5, 132.1, 129.7, 129.5, 129.4, 129.1, 125.9, 121.1, 109.2, 108.9, 107.1, 70.0, 68.9, 34.5, 29.6, 22.7.
【0173】
(実施例5C)
5-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)フェノキシ)ペンタン-1-オール(CHIN127)の合成。
精製を、HPLCにより、Phenomenex Luna C18(2)カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、MeCN/H2O 55:45(流速3mL/分、tR=5.16分)を用いて実行して、化合物CHIN127(80%)を得る。
【0174】
CHIN127 C22H25NO4
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.21 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.84 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.75 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.56 (1H, t, J = 8.1 Hz), 6.64 (1H, dd, J = 1.3 Hz, 2.3 Hz), 6.55 (1H, t, J = 2.3 Hz), 6.52 (1H, dd, J = 1.3 Hz, 2.3 Hz), 5.38 (2H, s), 4,62 (2H, s), 3.94 (2H, t, J = 6.5 Hz), 3.67 (2H, t, J = 6.5), 1.79 (2H, 五重線 J = 6.2 Hz, 7.5 Hz), 1.63-1.53 (4H, ovl). 13C NMR (700 MHz, CDCl3): δ 160.3, 159.6, 157.8, 147.2, 143.9, 137.3, 130.0, 129.2, 127.7, 127.6, 126.9, 119.3, 105.9, 105.1, 100.8, 71.9, 67.9, 64.8, 62.5, 32.3, 28.9, 22.3.
【0175】
(実施例5D)
メチル3-(4-メトキシ-4-オキソブトキシ)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)ベンゾエート(CHIN131)の合成。
誘導体CHIN131(74%)を、シリカクロマトグラフィーカラムにて、ヘキサン:EtOAc 9:1v/v中で精製する。分析用試料を、HPLCにおいて、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、n-ヘキサン:EtOAc 7:3v/vの混合物を溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=22.1分)得る。
【0176】
CHIN131 C23H23NO6
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.24 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.13 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.85 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.76 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.58 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.34 (1H, dd, J = 8.1 Hz, 2.3 Hz), 7.19 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 6.78 (1H, dd, J = 8.1 Hz, 2.3 Hz), 5.38 (2H, s), 4.02 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.71 (2H, t, J = 7.0 Hz), 2.51 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.10 (2H, 五重線, J = 6.3 Hz, 7.3 Hz). 13C NMR (700 MHz, CDCl3): δ 173.6, 166.7, 160.3, 159.6, 157.3, 147.6, 137.2, 132.2, 129.9, 129.1, 127.8, 127.7, 126.7, 119.2, 108.5, 108.3, 106.8, 71.5, 67.1, 52.3, 51.8, 30.5, 24.5.
【0177】
(実施例5E)
3-(3-カルボキシプロポキシ)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)安息香酸(CHIN132)の合成。
誘導体CHIN132(98%)を、HPLCにより、Phenomenex Luna C18(2)カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)にて、勾配(t0=10% MeCN 0.1% TFA~t20分=70% MeCN 0.1% TFA~t25分=95% MeCN 0.1% TFA、流速3mL/分、tR=15分)で精製する。
【0178】
CHIN132 C21H19NO6
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 9.04 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.33 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.29 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.14 (1H, t, J = 8.5 Hz), 8.11 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.93 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.38 (1H, dd, J = 8.1 Hz, 2.3 Hz), 7.28 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 6.99 (1H, dd, J = 8.1 Hz, 2.3 Hz), 5.69 (2H, s), 4.09 (2H, t, J = 6.3 Hz), 2.50 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.08 (2H, 五重線, J = 6.3 Hz, 7.3 Hz). 13C NMR (700 MHz, CD3OD): δ 176.9, 169.0, 161.3, 160.2, 159.7, 148.1, 133.7, 132.0, 130.1, 129.5, 129.4, 129.1, 124.7, 121.3, 109.3, 107.6, 107.5, 69.6, 68.8, 33.0, 25.7.
【0179】
(実施例5F)
4-(3-(ヒドロキシメチル)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)フェノキシ)ブタン-1-オール(CHIN133)の合成。
誘導体CHIN133(76%)を、HPLCにより、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、n-ヘキサン:EtOAc 4:6v/vの混合物を溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=26.32分)精製する。
【0180】
CHIN133 C21H23NO4
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 8.23 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.12 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.85 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.76 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.69 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.57 (1H, t, J = 8.1 Hz), 6.65 (1H, dd, J = 8.1 Hz, 2.3 Hz), 6.55 (1H, dd, J = 8.1 Hz, 2.3 Hz), 6.52 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 5.39 (2H, s), 4.64 (2H, s), 4.07 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.86 (2H, t, J = 6.3 Hz), 2.49 (2H, m), 2.02 (2H, m). 13C NMR (700 MHz, CD3OD): δ 176.9, 169.0, 161.3, 160.2, 159.7, 148.1, 133.7, 132.0, 130.1, 129.5, 129.4, 129.1, 124.7, 121.3, 109.3, 107.6, 107.5, 69.6, 68.8, 33.0, 25.7.
【0181】
(実施例6)
CHIN134~CHIN142の合成。
最初の反応工程は光延反応であり、そのプロセスは実施例1工程b)に記載されており、メチル3,5-ジヒドロキシベンゾエート(2)から、プロパン-2-オール(16)、プロパン-1-オール(17)及びブタン-2-オール(18)とともに出発する。得られたモノアルキル化誘導体に、実施例2反応cにおいて使用されたものと同じ実験プロセスを使用して、2-(クロロメチル)キノリン(9)とのウィリアムソン反応を施す。次いでエステルに、それぞれ、実施例5反応d)及び実施例1工程c)において既に記載された実験プロセスに従って、還元及び加水分解を施す。
【0182】
【化17】
【0183】
a試薬及び条件。a)アルコール16又は17又は18、DIAD、PPh3、乾燥THF、0℃、化合物19、20及び21について、それぞれ、定量的収率、50%、45%及び42%、b)化合物19~21、K2CO3、乾燥DMF、100℃、それぞれ、定量的収率、57%及び70%、c)NaOH過剰量、MeOH:H2O 1:1v/v、還流、収率はそれぞれ84%、86%及び91%、d)LiBH4、乾燥THF、0℃、収率はそれぞれ88%、94%及び89%。
【0184】
(実施例6A)
メチル3-イソプロポキシ-5-(キノリン-2-イルメトキシ)ベンゾエート(CHIN134)の合成。
誘導体CHIN134(50%)を、シリカのクロマトグラフィーカラムにて、ヘキサン:EtOAc 9:1v/v中で精製する。分析用試料を、HPLCにおいて、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、n-ヘキサン:EtOAc 7:3v/vの混合物を溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=9.9分)得る。
【0185】
CHIN134 C21H21NO4
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.21 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.10 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.84 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.75 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.67 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.56 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.31 (1H, dd, J = 2.4 Hz), 7.20 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 6.78 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 2.3 Hz), 5.40 (2H, s), 4.57 (1H, 五重線, J = 6.1 Hz), 3.89 (3H, s), 1.32 (6H, d, J = 6.1 Hz). 13C NMR (700 MHz, CDCl3): δ 166.8, 159.5, 159.1, 157.3, 147.6, 137.1, 132.2, 129.9, 129.0, 127.8, 127.7, 126.7, 119.2, 109.7, 108.2, 108.0, 71.4, 70.4, 52.1, 21.9(2C).
【0186】
(実施例6B)
3-イソプロポキシ-5-(キノリン-2-イルメトキシ)安息香酸(CHIN135)の合成。
誘導体CHIN135(84%)を、シリカクロマトグラフィーカラムにて、DCM:MeOH 9:1v/v中で精製する。
【0187】
CHIN135 C20H19NO4
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 9.21 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.39 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.37 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.22 (1H, t, J = 8.5 Hz), 8.20 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.01 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.38 (1H, dd, J = 2.4 Hz), 7.29 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 6.97 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 2.3 Hz), 5.75 (2H, s), 4.68 (1H, 五重線, J = 6.1 Hz), 1.35 (6H, d, J = 6.1 Hz). 13C NMR (700 MHz, CD3OD): δ 169.0, 160.7, 159.8, 156.8, 148.6, 136.6, 134.4, 131.2, 130.5, 129.9, 129.2, 126.2, 121.7, 111.8, 109.1, 108.8, 71.6, 67.7, 22.1(2C).
【0188】
(実施例6C)
(3-イソプロポキシ-5-(キノリン-2-イルメトキシ)フェニル)メタノール(CHIN136)の合成。
誘導体CHIN136(88%)を、HPLCにより、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、n-ヘキサン:EtOAc 7:3v/vの混合物を溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=38.79分)、精製する。
【0189】
CHIN136 C20H21NO3
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.21 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.12 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.84 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.75 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.56 (1H, t, J = 8.1 Hz), 6.63 (1H, dd, J = 2.4 Hz), 6.54 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 6.51 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 2.3 Hz), 5.38 (2H, s), 4.61 (2H, s), 4.52 (1H, 五重線, J = 6.1 Hz), 1.30 (6H, d, J = 6.1 Hz). 13C NMR (700 MHz, CDCl3): δ 159.8, 159.4, 157.9, 147.5, 143.9, 137.2, 129.9, 129.3, 127.8, 127.7, 127.8, 127.7, 119.3, 107.3, 105.3, 102.2, 70.1, 65.2, 50.6, 22.1(2C).
【0190】
(実施例6D)
メチル3-プロポキシ-5-(キノリン-2-イルメトキシ)ベンゾエート(CHIN137)の合成。
誘導体CHIN137(50%)を、シリカクロマトグラフィーカラムにて、ヘキサン:EtOAc 9:1v/v中で精製する。分析用試料を、HPLCにおいて、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、n-ヘキサン:EtOAc 7:3v/vの混合物を溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=11.44分)得る。
【0191】
CHIN137 C21H21NO4
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.21 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.10 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.84 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.75 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.67 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.56 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.33 (1H, dd, J = 2.4 Hz), 7.20 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 6.80 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 2.3 Hz), 5.40 (2H, s), 3.93 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.89 (3H, s), 1.79 (2H, 六重線, J = 7.4 Hz), 1.02 (3H, t, J = 7.4 Hz). 13C NMR (700 MHz, CDCl3): δ 166.9, 160.3, 159.5, 157.5, 147.5, 137.2, 132.2, 129.9, 129.0, 127.7, 127.6, 126.7, 119.2, 108.5, 108.2, 106.8, 71.5, 69.9, 52.3, 22.6, 10.5.
【0192】
(実施例6E)
3-プロポキシ-5-(キノリン-2-イルメトキシ)安息香酸(CHIN138)の合成。
誘導体CHIN138(86%)を、シリカクロマトグラフィーカラムにて、DCM:MeOH 9:1v/v中で精製する。
【0193】
CHIN138 C20H19NO4
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 8.40 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.06 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.96 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.80 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.73 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.62 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.28 (1H, dd, J = 2.4 Hz), 7.18 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 6.85 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 2.3 Hz), 5.39 (2H, s), 3.95 (2H, t, J = 6.4 Hz), 1.78 (2H, 六重線, J = 7.4 Hz), 1.03 (3H, t, J = 7.4 Hz). 13C NMR (700 MHz, CD3OD): δ 169.5, 161.7, 160.8, 158.9, 148.3, 139.0, 134.2, 131.2, 129.2, 129.1, 129.0, 128.0, 120.7, 109.7, 109.2, 107.5, 72.0, 70.8, 23.5, 10.7.
【0194】
(実施例6F)
(3-プロポキシ-5-(キノリン-2-イルメトキシ)フェニル)メタノール(CHIN139)の合成。
誘導体CHIN139(94%)を、HPLCにより、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、n-ヘキサン:EtOAc 4:6v/vの混合物を溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=24.5分)、精製する。
【0195】
CHIN139 C20H21NO3
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 8.38 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.05 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.95 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.80 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.73 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.62 (1H, t, J = 8.1 Hz), 6.65 (1H, dd, J = 2.4 Hz), 6.55 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 6.51 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 2.3 Hz), 5.34 (2H, s), 4.52 (2H, s), 3.90 (2H, t, J = 6.4 Hz), 1.75 (2H, 六重線, J = 7.4 Hz), 1.01 (3H, t, J = 7.4 Hz). 13C NMR (700 MHz, CD3OD): δ 160.5, 159.6, 158.0, 146.9, 144.1, 137.5, 129.9, 129.0, 127.7, 127.5, 126.5, 119.3, 105.5, 104.9, 100.2, 70.3, 69.2, 63.7, 22.2, 09.4.
【0196】
(実施例6G)
メチル3-(sec-ブトキシ)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)ベンゾエート(CHIN140)の合成。
誘導体CHIN140(70%)を、シリカクロマトグラフィーカラムにて、ヘキサン:EtOAc 9:1v/v中で精製する。分析用試料を、HPLCにおいて、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、n-ヘキサン:EtOAc 7:3v/vの混合物を溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=11.5分)得る。
【0197】
CHIN140 C22H23NO4
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.21 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.10 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.84 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.75 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.67 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.56 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.31 (1H, dd, J = 2.4 Hz), 7.20 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 6.78 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 2.3 Hz), 5.40 (2H, s), 4.32 (1H, 六重線 J = 6.0 Hz), 3.88 (3H, s), 1.72-1.61 (2H, ovl), 1.26 (3H, d, J = 6.1 Hz), 0.95 (3H, t, J = 7.4 Hz). 13C NMR (700 MHz, CDCl3): δ 166.9, 159.5, 159.4, 157.3, 147.5, 137.4, 132.5, 130.0, 128.9, 127.8, 127.7, 126.7, 119.2, 109.9, 108.1, 108.0, 75.6, 71.5, 52.3, 19.2, 09.7.
【0198】
(実施例6H)
3-(sec-ブトキシ)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)安息香酸(CHIN141)の合成。
誘導体CHIN141(91%)を、シリカクロマトグラフィーカラムにて、DCM:MeOH 9:1v/v中で精製する。
【0199】
CHIN141 C21H21NO4
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 8.39 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.06 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.96 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.80 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.72 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.62 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.27 (1H, dd, J = 2.4 Hz), 7.16 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 6.83 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 2.3 Hz), 5.39 (2H, s), 4.36 (1H, 六重線 J = 6.0 Hz), 1.69-1.60 (2H, ovl), 1.24 (3H, d, J = 6.1 Hz), 0.96 (3H, t, J = 7.4 Hz). 13C NMR (700 MHz, CD3OD): δ 169.4, 160.8, 158.8, 148.3, 139.0, 134.0, 131.3, 131.0, 129.2, 129.1, 129.0, 128.0, 120.7, 110.9, 109.2, 108.6, 76.5, 72.0, 30.0, 19.4, 09.9.
【0200】
(実施例6I)
(3-(sec-ブトキシ)-5-(キノリン-2-イルメトキシ)フェニル)メタノール(CHIN142)の合成。
誘導体CHIN142(89%)を、HPLCにより、Nucleodur 100-5カラム(5μm、10mm i.d.×250mm)で、n-ヘキサン:EtOAc 4:6v/vの混合物を溶離液として使用して(流速3mL/分、tR=24.74分)精製する。
【0201】
CHIN142 C21H23NO3
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.21 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.12 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.83 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.75 (1H, t, J = 8.5 Hz), 7.68 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.56 (1H, t, J = 8.1 Hz), 6.63 (1H, dd, J = 2.4 Hz), 6.54 (1H, dd, J = 2.3 Hz), 6.51 (1H, dd, J = 2.4 Hz, 2.3 Hz), 5.38 (2H, s), 4.61 (2H, s), 4.27 (1H, 六重線 J = 6.0 Hz), 1.71-1.59 (2H, ovl), 1.25 (3H, d, J = 6.1 Hz), 0.94 (3H, t, J = 7.4 Hz). 13C NMR (700 MHz, CDCl3): δ 159.8, 159.7, 157.9, 147.4, 143.8, 137.1, 129.9, 128.8, 127.7, 127.6, 126.6, 119.2, 107.3, 105.3, 102.1, 75.1, 71.2, 65.1, 29.1, 19.3, 09.8.
【0202】
(実施例7)
- 生物学的データ
FXR、TGR5/GPBAR1及びCysLT1Rの各受容体に対する本発明の化合物の活性データがTable 1(表1)に記載されている。この表において、各化合物の活性は特定の参照化合物、即ち、FXRについてはCDCA、TGR5/GPBAR1についてはTLCA、CysLT1RについてはMK571と比較される。各化合物は、10マイクロMの濃度で試験され、参照化合物の活性は100%とみなされている。
【0203】
【表1】
【0204】
FXRが媒介するトランス活性化については、HepG2細胞に、熱ショックタンパク質27(hsp27)プロモーターからクローン化されたFXR応答エレメント(IR1)を含有する200ngのp(hsp27)-TK-LUCレポーターベクター、100ngのpSG5-FXR、100ngのpSG5-RXR、及びヒトウミシイタケ遺伝子(human Renilla gene)をコードするベクターである100ngのpGL4.70(Promega、Madison WI)をトランスフェクトした。
【0205】
GPBAR1が媒介するトランス活性化については、HEK-293T細胞に、luc2Pルシフェラーゼレポーター遺伝子の転写を促進するcAMP応答エレメント(CRE)を含有するレポーターベクターである200ngのpGL4.29(Promega、Madison WI)、100ngのヒトpCMVSPORT6-GPBAR1、及び100ngのpGL4.70をトランスフェクトした。
【0206】
トランスフェクションの24時間後に、特異的な受容体アゴニストであるCDCA(10μM)若しくはTLCA(10μM)で、又は誘導体CHIN104~112及びCHIN114~121(10μM及び50μM)で、細胞を18時間刺激した。別の実験設定において、トランスフェクションの24時間後に、10μMのCDCA又はTLCAと組み合わせて、50μMの誘導体CHINで細胞を刺激した。
【0207】
用量-反応曲線については、細胞を、漸増濃度の目的化合物(0.1~75μM)で刺激した。刺激の18時間後、細胞溶解物を使用して、Dual- Luciferase Reporterアッセイ(E1980、Promega Madison WI)によって、ルシフェラーゼ及びウミシイタケの活性を評価した。発光は、Glomax 20/20ルミノメーター(Promega、Madison WI)を使用して測定し、ルシフェラーゼ活性を、ウミシイタケ活性を基準に正規化した。
【0208】
拮抗活性アッセイは、Eurofins Cerep-Panlabs(フランス)によって実行された。細胞をDMEM緩衝液(Invitrogen)中に懸濁させ、次いで、3×104細胞/プレートの密度で播種した。次いで、20mM Hepes(Invitrogen)(pH7.4)を添加したHBSS緩衝液(Invitrogen)中にプロベニシドと混合した蛍光プローブ(Fluo4 Direct、Invitrogen)を各ウェルに添加し、細胞とともに37℃で60分間、次いで22℃で15分間放置する。次いで、プレートをマイクロプレートリーダー(CellLux、PerkinElmer)の中に置き、これを使用して、試験される化合物又はHBSS緩衝液を添加し、次いで5分後に、0.1nM LTD4又はHBSS緩衝溶液(対照として使用)を添加する。細胞質中の遊離Ca2+イオンの濃度に比例して変化する強度及び蛍光の変化を測定する。結果は、0.1nM LTD4に対する対照の応答と比較した阻害のパーセンテージとして表される。アンタゴニストの標準物質はMK 571である。
【0209】
CHIN117及びそのアセトアミノフェン(APAP)誘発性肝損傷を減少させる効果は特に関心を惹く。実験設定において、急性肝炎を、野生型C57/Bl6マウスに、強制経口投与による500mg/kgの濃度でのアセトアミノフェン(APAP)の投与によって誘発した。疾患誘発の45分後に、CHIN117を30mg/kgの濃度で経口投与した。疾患誘発の24時間後にマウスを処分し、血液を採取し、血球数並びにAST及びALTトランスアミナーゼ値を分析した。
【0210】
結果が示すのは(図1図3)、APAPを投与すると、AST値及びALT値の大幅増(3000~4000の間)が誘導され、加えて、引き起こされた肝損傷が、疾患の発病機序に関与する免疫細胞を肝臓に引き寄せ、その結果、循環白血球(WBC)値が減少することである。化合物CHIN117の投与は、AST値及びALT値を、APAP単独で処置されたマウスの群で記録された値と比較した場合に約10分の1に減少させることにより、APAP誘発性肝損傷を軽減することができた。CHIN117はまた、無処置のマウス(NT)に見られるWBC値と同等のWBC値を維持することもできた。
【0211】
CHIN117及び高脂肪飼料によって誘発された慢性肝炎のマウスモデルにおけるその有効性は、特に関心を惹く。このマウスモデルは、NAFLD(工業先進国において急速に増えている流行病であり、医療制度に極めて高いコストがかかっている)を模倣する。このモデルにおいて、マウス(雄C57BL/6マウス)に、脂質及びコレステロールが豊富な飼料(2%コレステロール)、及び水にフルクトース(3%)を加えたもの(HFD-F)を60日間給餌した。CHIN117を、30mg/kgの用量で7日目に開始し、毎日投与した。体重の傾向は、CHIN117が体重増加を約3グラム減少させることを示す(図4A図4B)。8週間後、OGTTの結果によって示されるように、マウスはインスリン抵抗性を発症する(図4E図4F)。マウスをCHIN117で処置すると、飼料の効果を元に戻し、OGTTのAUCを減少させる。加えて、CHIN117は、HFD-F飼料の肝毒性作用を中和して、AST、ALT及びLDLの各レベルを統計的に減少させる(図4G-図4H)。
【0212】
HFD-F飼料を8週間給餌したマウスには、肝臓切片のH&E染色によって明らかにされているように、小滴性脂肪変性、肝細胞の腫脹、小葉の炎症、及びマクロファージの流入を伴うヒトNASHと類似の特徴が生じ(図5A)、肝脂肪変性(NAS)スコアの有意な増加につながる(図5B)。加えて、HFD-Fは、ボディマス指数(BMI)並びに精巣上体白色脂肪組織(eWAT)、褐色脂肪組織(BAT)及び肝臓の質量の増加を示す(図5C図5I)。CHIN117は、肝脂肪変性、BMI、並びにeWAT、BAT及び肝臓の質量を減少させることによって、疾患をほぼ完全に回復させた(図5)。
【0213】
CHIN117は、pH7.4での水溶解性が66μM及びLogD=2.0に等しいその優れた薬物動態学的特性の故に、並びに、ミクロソーム酵素にin vitroで曝露した際にt1/2 =578分(CLint =4)、及び第II相代謝に関与する酵素も含有するS9画分にin vitroで曝露した際にt1/2 =385分(CLint =6)であるというその有望な代謝安定性の故に、特に関心を惹く。
図1
図2
図3
図4A-4D】
図4E-4F】
図4G-4H】
図5A
図5B-5I】
【国際調査報告】