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特表2023-539922ヘアドライヤーの電力制御、温度制御パラメータのキャリブレーション方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(54)【発明の名称】ヘアドライヤーの電力制御、温度制御パラメータのキャリブレーション方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/10 20060101AFI20230912BHJP
   G05D 23/00 20060101ALI20230912BHJP
【FI】
A45D20/10 104
G05D23/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515554
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(85)【翻訳文提出日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 CN2021115256
(87)【国際公開番号】W WO2022052824
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】202010939255.X
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202010938944.9
(32)【優先日】2020-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520441349
【氏名又は名称】追▲べき▼創新科技(蘇州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】Dreame Innovation Technology (Suzhou) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Bldg. E3, Shangjinwan Headquarters Economic Park, 2288 Wuzhong Ave., Yuexi St., Wuzhong Dist., Suzhou City, Jiangsu Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 亜東
【テーマコード(参考)】
3B040
5H323
【Fターム(参考)】
3B040CE02
3B040CE04
5H323AA11
5H323BB03
5H323CB02
5H323DA03
5H323EE01
5H323EE18
5H323GG02
5H323JJ02
(57)【要約】
ヘアドライヤーの電力制御、温度制御パラメータのキャリブレーション方法及び装置は、コンピュータ技術領域に属する。当該ヘアドライヤーの電力制御方法は、ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて、ヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するステップと、発熱素子の動作パラメータを目標範囲に保持するよう制御することで、ヘアドライヤーの電力を目標電力範囲に保持するステップと、を含む。動作パラメータは、所定周期におけるヘアドライヤーの発熱素子の導通する時間特徴パラメータを含む。これにより、異なるヘアドライヤー間の相違により、同一ポジションで動作する異なるヘアドライヤーの実際の動作電力が異なるという問題を解決することができる。同一型番の異なるヘアドライヤー間の相違を調整しなくても、同一ポジションで動作する異なるヘアドライヤーの電力範囲を同じにすることが可能である。このため、同一型番の異なるヘアドライヤーのいずれも所望の電力で動作させることができる。温度制御パラメータのキャリブレーション方法は、ヘアドライヤーの運転を制御するステップと、運転中にヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出するステップと、吹出温度が目標温度の場合、ヘアドライヤーの温度制御パラメータの測定値を温度制御パラメータのキャリブレーション値として決定するステップとを含む。これにより、同一温度制御パラメータで異なるヘアドライヤーの吹出温度を同じに揃えることができる。このため、同一型番の異なるヘアドライヤーを統一した吹出効果に達成させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアドライヤーの電力制御方法であって、
ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて、前記ヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するステップと、
前記発熱素子の動作パラメータを前記目標範囲に保持するよう制御することで、前記ヘアドライヤーの電力を前記目標電力範囲に保持するステップと、を含み、
前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する時間特徴パラメータを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて、前記ヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するステップは、
予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得するステップと、
前記目標電力範囲及び前記第1対応関係に基づいて、前記動作パラメータの目標範囲を算出するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する半波数を含み、
前記所定周期は、複数の半波を含み、それに対応して、前記発熱素子の動作パラメータを前記目標範囲に保持するよう制御するステップは、
前記発熱素子のオンオフを制御することで、前記所定周期における前記発熱素子の導通する半波数を前記目標範囲に保持するステップを含み、
前記発熱素子の導通する、一部または全ての隣り合う半波の間には、1つまたは複数の間隔半波が存在することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記目標電力範囲に対応する発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するステップは、
予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得するステップと、
予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの吹出温度との第2対応関係を取得するステップと、
前記ヘアドライヤーの目標電力範囲、前記吹出温度の目標温度範囲、前記第1対応関係、前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲を算出するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1対応関係は、
前記ヘアドライヤーの運転を制御し、
前記運転中に前記動作パラメータを調整し、
前記調整中に前記動作パラメータの数値を記録するとともに、前記動作パラメータの数値に対応する電力値を検出し、
前記動作パラメータの数値及び前記電力値に基づいて、前記第1対応関係を算出することで構築されることを特徴とする請求項2または請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2対応関係は、
前記ヘアドライヤーの運転を制御し、
前記運転中に前記動作パラメータを調整し、
前記調整中に前記動作パラメータの数値を記録するとともに、前記動作パラメータの数値に対応する吹出温度の温度値を検出することと、
前記動作パラメータ及び前記温度値に基づいて、前記第2対応関係を算出することで構築されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ヘアドライヤーの目標電力範囲、前記吹出温度の目標温度範囲、前記第1対応関係、前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲を算出するステップは、
前記目標電力範囲及び前記第1対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの第1目標範囲を算出するステップと、
前記目標温度範囲及び前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの第2目標範囲を算出するステップと、
前記第1目標範囲と前記第2目標範囲との共通集合を、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲とするステップと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項8】
ヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法であって、
ヘアドライヤーの運転を制御するステップと、
前記運転中に、前記ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出するステップと、
前記吹出温度が目標温度の場合、前記ヘアドライヤーの温度制御パラメータの測定値を温度制御パラメータのキャリブレーション値として決定するステップと、を含むことを特徴とするヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法。
【請求項9】
前記キャリブレーション値を目標メモリに記憶するとともに、前記キャリブレーション値と前記目標温度との対応関係を記憶するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ヘアドライヤーの運転を制御するステップは、
前記ヘアドライヤーの運転状態を制御して前記吹出温度を前記目標温度に達成させるステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出するステップは、
前記ヘアドライヤーの吹出口の前方の、前記吹出口から一定の距離の箇所の温度をリアルタイムに検出して前記吹出温度とするステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記目標温度は、前記ヘアドライヤーの動作モードに対応し、それに対応して、
前記キャリブレーション値を目標メモリに記憶するとともに、前記キャリブレーション値と前記動作モードとの対応関係を記憶するステップをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記ヘアドライヤーの運転状態を制御して前記吹出温度を前記目標温度に達成させるステップは、
前記ヘアドライヤーの発熱素子及び/又はファンの動作状態を制御することで、前記ヘアドライヤーの吹出温度を調整するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記ヘアドライヤーの発熱素子及び/又はファンの動作状態を制御することで、前記ヘアドライヤーの吹出温度を調整するステップは、
予め設定された制御周期における発熱素子の導通する半波数を制御することで、前記吹出温度を調整するステップを含み、
前記制御周期は、複数の半波を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ヘアドライヤーの電力制御装置であって、
ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて前記ヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するように配置される計算ユニットと、
前記発熱素子の動作パラメータを前記目標範囲に保持するよう制御することで、前記ヘアドライヤーの電力を前記目標電力範囲に保持するように配置される制御ユニットと、を含み、
前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する時間特徴パラメータを含むことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記計算ユニットは、さらに、予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得し、前記目標電力範囲及び前記第1対応関係に基づいて、前記動作パラメータの目標範囲を算出するように配置されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する半波数を含み、
前記所定周期は、複数の半波を含み、それに対応して、前記制御ユニットは、さらに、
前記発熱素子のオンオフを制御することで、前記所定周期における前記発熱素子の導通する半波数を前記目標範囲に保持するように配置され、
前記発熱素子の導通する、一部または全ての隣り合う半波の間には、1つまたは複数の間隔半波が存在することを特徴とする請求項15に記載のマイナスイオンを有するヘアドライヤー。
【請求項18】
ヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション装置であって、
ヘアドライヤーの運転中に、前記ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出するための検出ユニットと、
前記ヘアドライヤーに通信し、前記ヘアドライヤーに制御コマンドを送信して前記ヘアドライヤーの運転を制御し、前記吹出温度が目標温度の場合、前記ヘアドライヤーの温度制御パラメータの測定値を温度制御パラメータのキャリブレーション値として決定するように配置されることを特徴とするヘアドライヤーの温度制御キャリブレーション装置。
【請求項19】
前記検出ユニットは、さらに、前記ヘアドライヤーの運転状態を制御して前記吹出温度を前記目標温度に達成させるように配置されることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記検出ユニットは、さらに、前記ヘアドライヤーの吹出口の前方の、前記吹出口から一定の距離の箇所の温度をリアルタイムに検出して前記吹出温度とするように配置されることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアドライヤーの電力制御、温度制御パラメータのキャリブレーション方法及び装置に関し、コンピュータ技術領域に属する。
【背景技術】
【0002】
ヘアドライヤーは、主に毛髪の乾燥やブローに用いられる。通常、ヘアドライヤーは、発熱線及びファンを含む。通電時に、発熱線で熱を生じ、ファンで気流を流動させて発熱線を経由して吹出口から温風を吹き出す。
【0003】
一般的には、ヘアドライヤーの各ポジションに対応するヘアドライヤーの電力及び発熱線温度は、統一的にキャリブレーションされる。しかしながら、異なるヘアドライヤー間の相違により、同一ポジションで動作する異なるヘアドライヤーの実際の動作電力が異なるという問題や、同一発熱線温度により、異なるヘアドライヤーに対応する吹出温度が異なるという問題を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ヘアドライヤーの電力制御方法、装置及び記憶媒体を提供し、異なるヘアドライヤー間の相違により、同一ポジションで動作する異なるヘアドライヤーの実際の動作電力が異なるという問題や、同一発熱線温度により、異なるヘアドライヤーに対応する吹出温度が異なるという問題を解決できる。
本発明が提供する技術案は以下通りである。
第1態様は、ヘアドライヤーの電力制御方法を提供する。前記方法は、
ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて、前記ヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するステップと、
前記発熱素子の動作パラメータを前記目標範囲に保持するよう制御することで、前記ヘアドライヤーの電力を前記目標電力範囲に保持するステップと、を含む。
前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する時間特徴パラメータを含む。
好ましくは、前記ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて、前記ヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するステップは、
予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得するステップと、
前記目標電力範囲及び前記第1対応関係に基づいて、前記動作パラメータの目標範囲を算出するステップと、を含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
好ましくは、前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する半波数を含む。なお、前記所定周期は、複数の半波を含み、それに対応して、前記発熱素子の動作パラメータを前記目標範囲に保持するよう制御するステップは、
前記発熱素子のオンオフを制御することで、前記所定周期における前記発熱素子の導通する半波数を前記目標範囲に保持するステップを含む。
なお、前記発熱素子の導通する、一部または全ての隣り合う半波の間には、1つまたは複数の間隔半波が存在する。
【0006】
好ましくは、前記目標電力範囲に対応する発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するステップは、
予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得するステップと、
予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの吹出温度との第2対応関係を取得するステップと、
前記ヘアドライヤーの目標電力範囲、前記吹出温度の目標温度範囲、前記第1対応関係、前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲を算出するステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、前記第1対応関係は、
前記ヘアドライヤーの運転を制御し、
前記運転中に前記動作パラメータを調整し、
前記調整中に前記動作パラメータの数値を記録するとともに、前記動作パラメータの数値に対応する電力値を検出し、
前記動作パラメータの数値及び前記電力値に基づいて、前記第1対応関係を算出することで構築される。
好ましくは、前記第2対応関係は、
前記ヘアドライヤーの運転を制御し、
前記運転中に前記動作パラメータを調整し、
前記調整中に前記動作パラメータの数値を記録するとともに、前記動作パラメータの数値に対応する吹出温度の温度値を検出することと、
前記動作パラメータ及び前記温度値に基づいて、前記第2対応関係を算出することで構築される。
【0008】
好ましくは、前記ヘアドライヤーの目標電力範囲、前記吹出温度の目標温度範囲、前記第1対応関係、前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲を算出するステップは、
前記目標電力範囲及び前記第1対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの第1目標範囲を算出するステップと、
前記目標温度範囲及び前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの第2目標範囲を算出するステップと、
前記第1目標範囲と前記第2目標範囲との共通集合を、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲とする。
【0009】
第2態様は、ヘアドライヤーの電力制御装置を提供する。前記装置は、
ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて、前記ヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するように配置される計算ユニットと、
前記発熱素子の動作パラメータを前記目標範囲に保持するよう制御することで、前記ヘアドライヤーの電力を前記目標電力範囲に保持するように配置される制御ユニットと、を含む。
前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する時間特徴パラメータを含む。
【0010】
好ましくは、前記計算ユニットは、さらに、予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得し、前記目標電力範囲及び前記第1対応関係に基づいて、前記動作パラメータの目標範囲を算出するように配置される。
【0011】
好ましくは、前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する半波数を含む。前記所定周期は、複数の半波を含み、それに対応して、前記制御ユニットは、さらに、
前記発熱素子のオンオフを制御することで、前記所定周期における前記発熱素子の導通する半波数を前記目標範囲に保持するように配置される。
前記発熱素子の導通する、一部または全ての隣り合う半波の間には、1つまたは複数の間隔半波が存在する。
【0012】
好ましくは、前記計算ユニットは、さらに、予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得し、予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの吹出温度との第2対応関係を取得し、前記ヘアドライヤーの目標電力範囲、前記吹出温度の目標温度範囲、前記第1対応関係、前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲を算出するように配置される。
【0013】
好ましくは、前記第1対応関係は、
前記ヘアドライヤーの運転を制御し、
前記運転中に前記動作パラメータを調整し、
前記調整中に前記動作パラメータの数値を記録するとともに、前記動作パラメータの数値に対応する電力値を検出し、
前記動作パラメータの数値及び前記電力値に基づいて、前記第1対応関係を算出することによって構築される。
好ましくは、前記第2対応関係は、
前記ヘアドライヤーの運転を制御し、
前記運転中に前記動作パラメータを調整し、
前記調整中に前記動作パラメータの数値を記録するとともに、前記動作パラメータの数値に対応する吹出温度の温度値を検出し、
前記動作パラメータ及び前記温度値に基づいて、前記第2対応関係を算出することによって構築される。
【0014】
好ましくは、前記ヘアドライヤーの目標電力範囲、前記吹出温度の目標温度範囲、前記第1対応関係、前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲を算出するステップは、
前記目標電力範囲及び前記第1対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの第1目標範囲を算出するステップと、
前記目標温度範囲及び前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの第2目標範囲を算出するステップと、
前記第1目標範囲と前記第2目標範囲との共通集合を、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲とするステップと、を含む。
【0015】
本発明の第1態様及び第2態様の有益な効果は以下通りである。ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて、ヘアドライヤーの発熱素子の、所定周期におけるヘアドライヤーの発熱素子の導通する時間特徴パラメータを含む動作パラメータの目標範囲を決定し、発熱素子の動作パラメータを目標範囲に保持するよう制御することで、ヘアドライヤーの電力を目標電力範囲に保持し、これにより、異なるヘアドライヤー間の相違により、同一ポジションで動作する異なるヘアドライヤーの実際の動作電力が異なるという問題を解決することができる。さらに、ヘアドライヤーが目標電力範囲に動作する場合の発熱素子の動作パラメータを予め決定し、この動作パラメータで動作すれば、ヘアドライヤーの電力を目標電力範囲内に保持することを保証し、これにより、同一型番のヘアドライヤー間の相違を調整しなくても、同一ポジションで動作する異なるヘアドライヤーの電力範囲を同じにすることが可能である。このため、同一型番の異なるヘアドライヤーのいずれも所望の電力で動作させることができる。
【0016】
第3態様は、ヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法を提供し、方法は、
ヘアドライヤーの運転を制御するステップと、
前記運転中に、前記ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出するステップと、
前記吹出温度が目標温度の場合、前記ヘアドライヤーの温度制御パラメータの測定値を温度制御パラメータのキャリブレーション値として決定するステップと、を含む。
【0017】
好ましくは、前記方法は、前記キャリブレーション値を目標メモリに記憶するとともに、前記キャリブレーション値と前記目標温度との対応関係を記憶するステップをさらに含む。
【0018】
好ましくは、前記ヘアドライヤーの運転を制御するステップは、
前記ヘアドライヤーの運転状態を制御して前記吹出温度を前記目標温度に達成させるステップを含む。
【0019】
好ましくは、前記ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出するステップは、
前記ヘアドライヤーの吹出口の前方の、前記吹出口から一定の距離の箇所の温度をリアルタイムに検出して前記吹出温度とするステップを含む。
【0020】
好ましくは、前記目標温度は、前記ヘアドライヤーの動作モードに対応し、それに対応して、前記方法は、前記キャリブレーション値を目標メモリに記憶するとともに、前記キャリブレーション値と前記動作モードとの対応関係を記憶するステップをさらに含む。
【0021】
好ましくは、前記ヘアドライヤーの運転状態を制御して前記吹出温度を前記目標温度に達成させるステップは、前記ヘアドライヤーの発熱素子及び/又はファンの動作状態を制御することで、前記ヘアドライヤーの吹出温度を調整するステップを含む。
好ましくは、前記ヘアドライヤーの発熱素子及び/又はファンの動作状態を制御することで、前記ヘアドライヤーの吹出温度を調整するステップは、予め設定された制御周期における発熱素子の導通する半波数を制御することで、前記吹出温度を調整するステップを含む。前記制御周期は、複数の半波を含む。
【0022】
第4態様は、ヘアドライヤーの電力制御装置を提供し、前記装置は、
ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて前記ヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するように配置される計算ユニットと、
前記発熱素子の動作パラメータを前記目標範囲に保持するよう制御することで、前記ヘアドライヤーの電力を前記目標電力範囲に保持する制御ユニットと、を含む。
前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する時間特徴パラメータを含む。
【0023】
好ましくは、前記計算ユニットは、さらに、予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得し、前記目標電力範囲及び前記第1対応関係に基づいて、前記動作パラメータの目標範囲を算出するように配置される。
【0024】
好ましくは、前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する半波数を含む。前記所定周期は、複数の半波を含み、それに対応して、前記制御ユニットは、さらに、前記発熱素子のオンオフを制御することで、前記所定周期における前記発熱素子の導通する半波数を前記目標範囲に保持するように配置される。なお、前記発熱素子の導通する、一部または全ての隣り合う半波の間には、1つまたは複数の間隔半波が存在する。
【0025】
好ましくは、前記装置は、
ヘアドライヤーの運転中に、前記ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出するための検出ユニットと、
前記ヘアドライヤーに通信し、前記ヘアドライヤーに制御コマンドを送信して前記ヘアドライヤーの運転を制御し、前記吹出温度が目標温度の場合、前記ヘアドライヤーの温度制御パラメータの測定値を温度制御パラメータのキャリブレーション値として決定するように配置される。
【0026】
好ましくは、前記検出ユニットは、さらに、前記ヘアドライヤーの運転状態を制御して前記吹出温度を前記目標温度に達成させるように配置される。
【0027】
好ましくは、前記検出ユニットは、さらに、前記ヘアドライヤーの吹出口の前方の、前記吹出口から一定の距離の箇所の温度をリアルタイムに検出して前記吹出温度とするように配置される。
【0028】
本発明の第3態様及び第4態様の有益な効果は以下通りである。ヘアドライヤーの運転を制御し、運転中に、ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出し、吹出温度が目標温度の場合、ヘアドライヤーの温度制御パラメータの測定値を温度制御パラメータのキャリブレーション値として決定し、これにより、ヘアドライヤーの温度制御パラメータを統一的にキャリブレーションする場合、異なるヘアドライヤーの間の小さな相違により、同一温度制御パラメータで異なるヘアドライヤーの吹出温度が異なるおそれがあるという問題を解決することができ、統一された吹出温度により異なるヘアドライヤーの温度制御パラメータをキャリブレーションすることで、同一型番のヘアドライヤー間の相違を調整しなくても、同一温度制御パラメータで異なるヘアドライヤーの吹出温度を同じに揃えることができる。このため、同一型番の異なるヘアドライヤーのいずれかを統一した吹出効果に達成させることができる。
【0029】
上記の説明は単に本発明の技術手段の概要に過ぎず、本発明の技術手段をより明確に理解し、明細書の内容に基づいて実施できるために、以下、図面と合わせて本発明の好ましい実施例をより詳細に説明している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの電力制御システムの構成を示す図である。
図2】本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの電力制御方法のフローチャートである。
図3】本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの電力制御装置のブロック図である。
図4】本発明の他の実施例に係るヘアドライヤーの電力制御装置のブロック図である。
図5】本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの温度キャリブレーションシステムの構成を示す図である。
図6】本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの温度キャリブレーション方法のフローチャートである。
図7】本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの温度キャリブレーション装置のブロック図である。
図8】本発明の他の実施例に係るヘアドライヤーの温度キャリブレーション装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面及び実施例を合わせて本発明の具体的な実施形態をより詳細に説明する。下記の実施例は、本発明の範囲を制限するものではなくて、本発明の説明のためのものである。
【0032】
図1は、本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの電力制御システム100の構成を示す図である。図1に示すように、当該システムは、少なくとも、キャリブレーション端末110、集電モジュール120及びヘアドライヤー130を含む。
【0033】
集電モジュール120は、ヘアドライヤー130の電力パラメータを収集する。なお、電力パラメータは、ヘアドライヤー130の全体電力を含み、言い換えれば、ヘアドライヤー130における各モジュールの作動時の電力の合計を含む。
【0034】
好ましくは、集電モジュール120は、電力センサまたは電力装置などであってもよいが、本実施例において集電モジュール120の機器種別を限定しない。
【0035】
好ましくは、集電モジュール120は、キャリブレーション端末110の一部とされてもよいし、キャリブレーション端末110と独立した機器であってもよい。
【0036】
ヘアドライヤー130は、制御モジュール131及び発熱素子132を含む。制御モジュール131は、発熱素子132に通信接続される。
【0037】
制御モジュール131は、ヘアドライヤー130を制御し、例えば、ヘアドライヤー130のオンオフや発熱素子132の発熱温度、発熱素子132のオンオフなどを制御する。一例において、制御モジュール131は、ヘアドライヤー130の印刷回路基板(Printed Circuit Board,PCB)である。
【0038】
発熱素子132は、ヘアドライヤー130内を流れる気体を加熱する。好ましくは、発熱素子132は、発熱線であってもよく、発熱線の数は1つまたは複数であってもよいが、本実施例において発熱素子132の実現形態を限定しない。
【0039】
キャリブレーション端末110は、ヘアドライヤー130に電力キャリブレーションを行う。好ましくは、キャリブレーション端末110は、コンピュータや携帯電話、タブレット、ノートパソコンなどであってもよいが、本実施例においてキャリブレーション端末110の機器種別を限定しない。
【0040】
電力キャリブレーションを行う場合、キャリブレーション端末110は、集電モジュール120及び制御モジュール131にそれぞれ通信接続され、ヘアドライヤー130の制御モジュール131を制御することで、発熱素子132の動作を制御する。
【0041】
キャリブレーション端末110による電力キャリブレーションの過程は、ヘアドライヤー130の動作時に集電モジュール120によって集電された電力及び発熱素子132の動作パラメータを取得するステップと、電力と動作パラメータとの第1対応関係を構築するステップとを含む。その後、キャリブレーション端末110は、第1対応関係をヘアドライヤー130に記憶する。
【0042】
なお、動作パラメータは、所定周期におけるヘアドライヤー130の発熱素子131の導通する時間特徴パラメータを含む。言い換えれば、動作パラメータは、所定周期内に発熱素子131をどの時間帯にオンにし、どの時間帯にオフにすることを指示するためのものである。
【0043】
一例において、時間特徴パラメータは、発熱素子131の導通する半波数である。なお、所定周期は、複数の半波を含む。半波とは、発熱素子131に給電する正弦波電圧信号の半波形分である。この半波形分は、開始位置電圧が0V、終了位置電圧が0Vである。
【0044】
なお、ヘアドライヤー130の動作時の電力は、目標電力範囲を含む。このように、第1対応関係は、目標電力範囲と動作パラメータの目標範囲との対応関係を含む。
【0045】
目標電力範囲は、キャリブレーション端末110内に予め記憶されている。好ましくは、ヘアドライヤー130が少なくとも2つのポジションを含む場合は、異なるポジションに対応する目標電力範囲が異なる。
【0046】
例えば、ポジション1に対応する目標電力範囲は[P1,P1’]であり、ポジション2に対応する目標電力範囲は[P2,P2’]であり、ポジション3に対応する目標電力範囲は[P3,P3’]である。
【0047】
好ましくは、目標電力範囲は、各ポジションに対応する定格電力によって決定され、例えば、定格電力が100Wであると、対応する目標電力範囲が[90W,110W]であってもよい。
【0048】
好ましくは、ヘアドライヤーの電力制御システム100は、温度収集モジュール140をさらに含む。温度収集モジュール140は、ヘアドライヤー130の吹出温度を収集するためのものである。好ましくは、温度収集モジュール140は、熱電対やサーミスタなどの温度測定素子であってもよいが、本実施例において温度収集モジュール140の実現形態を限定しない。温度収集モジュール140は、キャリブレーション端末110に通信接続される。
【0049】
この場合、キャリブレーション端末110による電力キャリブレーションの過程は、ヘアドライヤー130が発熱素子132の動作パラメータで動作する際に対応する吹出温度を取得するステップと、動作パラメータと吹出温度との第2対応関係を構築するステップと、を含む。その後、キャリブレーション端末110は、第2対応関係をヘアドライヤー130に記憶する。
【0050】
なお、ヘアドライヤーの動作時における吹出温度は、目標温度範囲を含む。このように、第2対応関係は、目標温度範囲と動作パラメータの目標範囲との対応関係を含む。
【0051】
目標温度範囲は、キャリブレーション端末110に予め記憶されている。好ましくは、ヘアドライヤー130が少なくとも2つのポジションを含む場合は、異なるポジションに対応する目標温度範囲が異なる。
【0052】
例えば、ポジション1に対応する目標電力範囲は[T1,T1’]であり、ポジション2に対応する目標電力範囲は[T2,T2’]であり、ポジション3に対応する目標電力範囲は[T3,T3’]である。
【0053】
好ましくは、本発明では、ヘアドライヤー130は、ヘアドライヤー130の目標電力範囲に基づいてヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定し、発熱素子の動作パラメータを目標範囲に保持するよう制御することで、ヘアドライヤーの電力を目標電力範囲に保持する。動作パラメータは、所定周期におけるヘアドライヤーの発熱素子の導通する時間特徴パラメータを含む。
【0054】
一例において、ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいてヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定ステップは、予め構築された、動作パラメータとヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得するステップと、目標電力範囲及び第1対応関係に基づいて動作パラメータの目標範囲を算出するステップと、を含む。
【0055】
他の一例において、目標電力範囲に対応する発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するステップは、予め構築された、動作パラメータとヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得するステップと、予め構築された、動作パラメータとヘアドライヤーの吹出温度との第2対応関係を取得するステップと、ヘアドライヤーの目標電力範囲、吹出温度の目標温度範囲、第1対応関係、第2対応関係に基づいて、発熱素子の動作パラメータの目標範囲を算出するステップと、を含む。
【0056】
本実施例では、ヘアドライヤーが目標電力範囲に動作する際の発熱素子の動作パラメータを予め決定し、この動作パラメータで動作すれば、ヘアドライヤーの電力を目標電力範囲内に保持することを保証し、これにより、同一型番のヘアドライヤー間の相違を調整しなくても、同一ポジションで動作する異なるヘアドライヤーの電力範囲を同じにすることが可能である。このため、同一型番の異なるヘアドライヤーのいずれも所望の電力で動作させることができる。
【0057】
図2は、本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの電力制御方法を示す図である。本実施例では、この方法を、図1に示すヘアドライヤーの電力制御システム100に応用することを例として説明する。この方法は、少なくとも、以下のステップを含む。
ステップ201:ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて、ヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定する。動作パラメータは、所定周期におけるヘアドライヤーの発熱素子の導通する時間特徴パラメータを含む。
【0058】
好ましくは、目標電力範囲は、ヘアドライヤーの定格電力によって決定される。ヘアドライヤーが少なくとも2つのポジションを含む場合は、異なるポジションに対応する目標電力範囲が異なる。
【0059】
一例において、ヘアドライヤーがヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて、ヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定することは、予め構築された、動作パラメータとヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得するステップと、目標電力範囲及び第1対応関係に基づいて動作パラメータの目標範囲を算出するステップと、を含む。
【0060】
ヘアドライヤーの第1対応関係は、ヘアドライヤーの運転を制御し、運転中に動作パラメータを調整し、調整中に動作パラメータの数値を記録するとともに、動作パラメータの数値に対応する電力値を検出し、動作パラメータの数値及び電力値に基づいて、第1対応関係を算出することで構築される。
【0061】
他の例において、目標電力範囲に対応する発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するステップは、予め構築された、動作パラメータとヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得するステップと、予め構築された、動作パラメータとヘアドライヤーの吹出温度との第2対応関係を取得するステップと、ヘアドライヤーの目標電力範囲、吹出温度の目標温度範囲、第1対応関係、第2対応関係に基づいて、発熱素子の動作パラメータの目標範囲を算出するステップと、を含む。
【0062】
ヘアドライヤーの第2対応関係は、ヘアドライヤーの運転を制御し、運転中に動作パラメータを調整し、調整中に動作パラメータの数値を記録するとともに、動作パラメータの数値に対応する吹出温度の温度値を検出し、動作パラメータ及び温度値に基づいて、第2対応関係を算出することで構築される。
【0063】
この場合、ヘアドライヤーの目標電力範囲、吹出温度の目標温度範囲、第1対応関係、第2対応関係に基づいて、発熱素子の動作パラメータの目標範囲を算出するステップは、目標電力範囲及び第1対応関係に基づいて、発熱素子の動作パラメータの第1目標範囲を算出するステップと、目標温度範囲及び第2対応関係に基づいて、発熱素子の動作パラメータの第2目標範囲を算出するステップと、第1目標範囲と第2目標範囲との共通集合を、発熱素子の動作パラメータの目標範囲とするステップと、を含む。
【0064】
ステップ202:発熱素子の動作パラメータを目標範囲に保持するよう制御することで、ヘアドライヤーの電力を目標電力範囲に保持する。
【0065】
好ましくは、動作パラメータは、所定周期におけるヘアドライヤーの発熱素子の導通する半波数を含む。なお、所定周期は、複数の半波を含む。それに対応して、発熱素子の動作パラメータを目標範囲に保持するよう制御するステップは、発熱素子のオンオフを制御することで、所定周期における発熱素子の導通する半波数を目標範囲に保持するステップを含む。なお、発熱素子の導通する、一部または全ての隣り合う半波の間には、1つまたは複数の間隔半波が存在する。
【0066】
半波とは、発熱素子に給電する正弦波電圧信号の半波形分である。この半波形分は、開始位置電圧が0V、終了位置電圧が0Vである。
【0067】
上記をまとめると、本実施例によるヘアドライヤーの電力制御方法は、ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて、ヘアドライヤーの発熱素子の、所定周期におけるヘアドライヤーの発熱素子の導通する時間特徴パラメータを含む動作パラメータの目標範囲を決定し、発熱素子の動作パラメータを目標範囲に保持するよう制御することで、ヘアドライヤーの電力を目標電力範囲に保持し、これにより、異なるヘアドライヤー間の相違により、同一ポジションで動作する異なるヘアドライヤーの実際の動作電力が異なるという問題を解決することができる。さらに、ヘアドライヤーが目標電力範囲に動作する際の発熱素子の動作パラメータを予め決定し、この動作パラメータで動作すれば、ヘアドライヤーの電力を目標電力範囲内に保持することを保証し、これにより、同一型番のヘアドライヤー間の相違を調整しなくても、同一ポジションで動作する異なるヘアドライヤーの電力範囲を同じにすることが可能である。このため、同一型番の異なるヘアドライヤーのいずれも所望の電力で動作させることができる。
【0068】
図3は、本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの電力制御装置のブロック図である。当該装置は、少なくとも、計算ユニット310及び制御ユニット320を含む。
【0069】
計算ユニット310は、ヘアドライヤーの目標電力範囲に基づいて、前記ヘアドライヤーの発熱素子の動作パラメータの目標範囲を決定するように配置される。前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する時間特徴パラメータを含む。
制御ユニット320は、前記発熱素子の動作パラメータを前記目標範囲に保持するよう制御することで、前記ヘアドライヤーの電力を前記目標電力範囲に保持するように配置される。
【0070】
好ましくは、前記計算ユニットは、さらに、予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得し、前記目標電力範囲及び前記第1対応関係に基づいて、前記動作パラメータの目標範囲を算出するように配置される。
【0071】
好ましくは、前記動作パラメータは、所定周期における前記ヘアドライヤーの発熱素子の導通する半波数を含む。なお、前記所定周期は、複数の半波を含み、それに対応して、前記制御ユニットは、さらに、前記発熱素子のオンオフを制御することで、前記所定周期における前記発熱素子の導通する半波数を前記目標範囲に保持するように配置される。なお、前記発熱素子の導通する、一部または全ての隣り合う半波の間には、1つまたは複数の間隔半波が存在する。
【0072】
好ましくは、前記計算ユニットは、さらに、予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの電力との第1対応関係を取得し、予め構築された、前記動作パラメータと前記ヘアドライヤーの吹出温度との第2対応関係を取得し、前記ヘアドライヤーの目標電力範囲、前記吹出温度の目標温度範囲、前記第1対応関係、前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲を算出するように配置される。
【0073】
好ましくは、前記第1対応関係は、前記ヘアドライヤーの運転を制御し、前記運転中に前記動作パラメータを調整し、前記調整中に前記動作パラメータの数値を記録するとともに、前記動作パラメータの数値に対応する電力値を検出し、前記動作パラメータの数値及び前記電力値に基づいて、前記第1対応関係を算出することによって構築される。
【0074】
好ましくは、前記第2対応関係は、前記ヘアドライヤーの運転を制御し、前記運転中に前記動作パラメータを調整し、前記調整中に前記動作パラメータの数値を記録するとともに、前記動作パラメータの数値に対応する吹出温度の温度値を検出し、前記動作パラメータ及び前記温度値に基づいて、前記第2対応関係を算出することによって構築される。
【0075】
好ましくは、前記ヘアドライヤーの目標電力範囲、前記吹出温度の目標温度範囲、前記第1対応関係、前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲を算出するステップは、
前記目標電力範囲及び前記第1対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの第1目標範囲を算出するステップと、
前記目標温度範囲及び前記第2対応関係に基づいて、前記発熱素子の動作パラメータの第2目標範囲を算出するステップと、
前記第1目標範囲と前記第2目標範囲との共通集合を、前記発熱素子の動作パラメータの目標範囲とするステップと、を含む。
【0076】
関連の詳細については、上記の方法実施例を参照する。
【0077】
なお、上記の実施例に係るヘアドライヤーの電力制御装置は、ヘアドライヤーの電力制御を行う場合、上述した各機能モジュールの分割を例として説明したが、実際の応用では、必要に応じて上述した機能を異なる機能モジュールで完成させるように割り当ててもよく、すなわち、ヘアドライヤーの電力制御装置の内部構成を異なる機能モジュールに分割することで、上述した機能の全てまたは一部を完成してもよい。また、上述した実施例に係るヘアドライヤーの電力制御装置は、ヘアドライヤーの電力制御方法の実施例と同じ構想に属し、その具体的な実現過程について、方法の実施例を参照することができ、ここではその詳細の説明を省略する。
【0078】
図4は、本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの電力制御装置のブロック図である。当該装置は、少なくとも、プロセッサ401及びメモリ402を含む。
【0079】
プロセッサ401は1つまたは複数の処理コア、例えば、4コアプロセッサや8コアプロセッサなどを含んでもよい。プロセッサ401は、DSP(Digital Signal Processing;デジタル信号処理)、FPGA(Field Programmable Gate Array:フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLA(Programmable Logic Array:プログラマブルロジックアレイ)のうちの少なくとも1種のハードウェアの形態で実現されてもよい。
【0080】
メモリ402は、1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含んでもよく、当該コンピュータ読み取り可能な記録媒体は非一時的であってもよい。メモリ402は、さらに高速ランダムアクセスメモリ及び不揮発性メモリ、例えば、1つまたは複数の磁気ディスク記憶装置やフラッシュメモリ記憶装置を含んでもよい。一部の実施例において、メモリ402のうちの非一時的コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、少なくとも1つのコマンドを記憶するために用いられ、当該少なくとも1つのコマンドは、プロセッサ401によりロードして実行されることで、本発明の方法実施例によるヘアドライヤーの電力制御方法を実現する。
【0081】
一部の実施例において、ヘアドライヤーの電力制御装置は、周辺デバイスインターフェース及び少なくとも1つの周辺デバイスをさらに含んでもよい。プロセッサ401、メモリ402及び周辺デバイスインターフェースは、バスまたは信号線により接続されてもよい。各周辺デバイスは、バス、信号線または回路基板を介して周辺デバイスインターフェースに接続されてもよい。例示的には、周辺デバイスは、RF回路やタッチディスプレイ、音声回路、プローブ、電源などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0082】
当然ながら、ヘアドライヤーの電力制御装置は、より少ないモジュールまたはより多いモジュールをさらに含んでもよいが、本実施例においてその限定はない。
【0083】
好ましくは、本発明は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体をさらに提供する。当該コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、プログラムが記憶されている。当該プログラムは、プロセッサによってロードして実行されることで、上述した方法の実施例のヘアドライヤーの電力制御方法を実現する。
【0084】
好ましくは、本発明は、コンピュータ製品をさらに提供する。当該コンピュータ製品は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む。当該コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、プログラムが記憶されている。当該プログラムは、プロセッサによってロードして実行されることで、上述した方法の実施例のヘアドライヤーの電力制御方法を実現する。
【0085】
本発明は、ヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法をさらに提供する。具体的には、図5は、本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの温度キャリブレーションシステム500を示す。図5に示すように、前記システムは、少なくとも、キャリブレーション端末510、温度収集モジュール520及びヘアドライヤー530を含む。
【0086】
本発明では、温度収集モジュール520は、ヘアドライヤー530の吹出温度を収集してキャリブレーション端末510に送信するためのものである。好ましくは、温度収集モジュール520は、熱電対やサーミスタなどの温度測定素子であってもよいが、本実施例において温度収集モジュール520の実現形態を限定しない。
【0087】
好ましくは、温度収集モジュール520は、キャリブレーション端末510の一部としてもよいし、キャリブレーション端末510と独立した設備であってもよい。
【0088】
ヘアドライヤー530は、制御モジュール531、発熱素子532及びファン533を含む。なお、制御モジュール531は、発熱素子532及びファン533にそれぞれ通信接続されるとともに、当該通信接続により発熱素子532及びファン533の運転を制御する。一例において、制御モジュール531は、ヘアドライヤー530の印刷回路基板(Printed Circuit Board;PCB)であってもよい。
【0089】
ファン533は、ヘアドライヤー530内において気流を生じる。当該気流は、ヘアドライヤー530の吸込口から流入して吹出口から排気される。
【0090】
キャリブレーション端末510は、ヘアドライヤー530の温度制御パラメータに温度キャリブレーションを行う。好ましくは、キャリブレーション端末510は、コンピュータや携帯電話、タブレット、ノートパソコンなどであってもよいが、本実施例においてキャリブレーション端末510の機器種別を限定しない。
【0091】
温度キャリブレーションを行う際、キャリブレーション端末510は、温度収集モジュール520及び制御モジュール531にそれぞれ通信接続され、ヘアドライヤー530の制御モジュール531により発熱素子532及び/又はファン533の動作を制御する。
【0092】
キャリブレーション端末510による温度キャリブレーションの過程は、ヘアドライヤー530の運転を制御するステップと、運転中に、ヘアドライヤー530の吹出温度をリアルタイムに検出するステップと、吹出温度が目標温度の場合、ヘアドライヤー530の温度制御パラメータの測定値を温度制御パラメータのキャリブレーション値として決定するステップと、を含む。
【0093】
好ましくは、目標温度は、キャリブレーション端末510に予め記憶されている。目標温度の値は、同一型番のヘアドライヤー530に対して統一的にキャリブレーションされる。
【0094】
好ましくは、ヘアドライヤー530が少なくとも2つのポジションを含む場合は、異なるポジションに対応する目標温度が異なる。例えば、ポジション1に対応する目標温度はT1であり、ポジション2に対応する目標温度はT2であり、ポジション3に対応する目標温度はT3である。
【0095】
好ましくは、温度制御パラメータは、発熱素子532の発熱温度及び/又はファン533の回転速度を含むか、または、制御周期における発熱素子532の導通する半波数及び/又はファン533の回転速度を含むが、本実施例において温度制御パラメータの具体的な内容を限定しない。
【0096】
本実施例に係るヘアドライヤー530の温度制御パラメータのキャリブレーションシステムによれば、同一型番のヘアドライヤー530の間の相違を調整しなくても、同一ポジションで動作する異なるヘアドライヤー530の吹出温度を同じに揃えることができる。このため、同一型番の異なるヘアドライヤー530のいずれも所望の動作効果に達成させることができる。
【0097】
図6は、本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法のフローチャートである。本実施例では、この方法を図5に示すヘアドライヤーの温度キャリブレーションシステム500に応用し、各ステップの実行主体を前記システムのキャリブレーション端末510とすることを例として説明する。当該方法は、少なくとも、以下のステップを含む。
【0098】
ステップ601:ヘアドライヤーの運転を制御する。
【0099】
ヘアドライヤーの運転状態を制御して吹出温度を目標温度に達成させる。
【0100】
キャリブレーション端末は、ヘアドライヤーの発熱素子及び/又はファンの動作状態を制御することで、ヘアドライヤーの吹出温度を調整する。
【0101】
一例において、ヘアドライヤーの発熱素子及び/又はファンの動作状態を制御することで、ヘアドライヤーの吹出温度を調整するステップは、予め設定された制御周期における発熱素子の導通する半波数を制御することで、吹出温度を調整するステップ、及び/又は、ファンの回転速度を制御することで吹出温度を調整するステップを含む。なお、制御周期は、複数の半波を含む。
【0102】
半波とは、発熱素子に給電する正弦波電圧信号の半波形分である。この半波形分は、開始位置電圧が0V、終了位置電圧が0Vである。
【0103】
一例において、ヘアドライヤーの発熱素子及び/又はファンの動作状態を制御するステップは、ヘアドライヤーの制御モジュールに初期制御信号を送信するステップと、温度収集モジュールで収集される初期制御信号に対応する現在吹出温度を取得するステップと、現在吹出温度が目標温度と一致しない場合、現在の温度制御パラメータを調整し、調整された温度制御パラメータに対応する現在吹出温度を得るステップと、現在吹出温度が目標温度と一致しない場合、現在の温度制御パラメータを再調整し、調整された温度制御パラメータに対応する現在吹出温度を得るステップと、現在吹出温度が目標温度と一致する場合、吹出温度が目標温度に達成すると決定するステップとを含む。前記初期制御信号は、制御モジュールをトリガしてヘアドライヤーを初期温度制御パラメータで動作させる。
【0104】
本実施例では、温度制御パラメータ(初期温度制御パラメータを含む)は、制御周期における発熱素子の導通する半波数及び/又はファンの回転速度を含む。
【0105】
好ましくは、初期温度制御パラメータ及び目標温度は、キャリブレーション端末に予め記憶されている。初期温度制御パラメータは、ヘアドライヤーに最初にキャリブレーションされた温度制御パラメータであり、目標温度は、現在運転状態におけるヘアドライヤーの予想される吹出温度である。一例において、ヘアドライヤーの動作状態は、少なくとも2つのポジションを含み、異なるポジションに対応する目標温度は異なり、異なるポジションに対応する初期温度制御パラメータは異なる。例えば、ポジション1に対応する目標温度はT1であり、ポジション1に対応する初期発熱温度はAであり、ポジション2に対応する目標温度はT2であり、ポジション2に対応する初期発熱温度はBであり、ポジション3に対応する目標温度はT3であり、ポジション3に対応する初期発熱温度はCである。
【0106】
ステップ602:運転中に、ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出する。
【0107】
ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出するステップは、ヘアドライヤーの吹出口の前方の、吹出口から一定の距離の箇所の温度をリアルタイムに検出して吹出温度とするステップを含む。
【0108】
キャリブレーション端末に通信接続される温度収集モジュールは、ヘアドライヤーの吹出口の前方の吹出温度をリアルタイムに収集するとともに、前記吹出温度をキャリブレーション端末に送信する。それに対応して、キャリブレーション端末は、リアルタイムに収集される吹出温度を受信する。
【0109】
ステップ603:吹出温度が目標温度の場合、ヘアドライヤーの温度制御パラメータの測定値を温度制御パラメータのキャリブレーション値として決定する。
【0110】
ステップ603の後、キャリブレーション値を目標メモリに記憶するとともに、キャリブレーション値と目標温度との対応関係を記憶する。
【0111】
好ましくは、ヘアドライヤーは複数の動作モード、例えば、ポジション1に対応する動作モード1、及びポジション2に対応する動作モード2を含み、この場合、目標温度がヘアドライヤーの動作モードに対応する。ステップ603の後、キャリブレーション値を目標メモリに記憶するとともに、キャリブレーション値と動作モードとの対応関係を記憶するステップをさらに含む。
【0112】
上記をまとめると、本実施例に係るヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法では、ヘアドライヤーの運転を制御し、運転中に、ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出し、吹出温度が目標温度の場合、ヘアドライヤーの温度制御パラメータの測定値を温度制御パラメータのキャリブレーション値として決定し、これにより、ヘアドライヤーの温度制御パラメータを統一的にキャリブレーションする場合、異なるヘアドライヤーの間の小さな相違により、同一温度制御パラメータで異なるヘアドライヤーの吹出温度が異なるおそれがあるという問題を解決することができ、統一された吹出温度により異なるヘアドライヤーの温度制御パラメータをキャリブレーションすることで、同一型番のヘアドライヤー間の相違を調整しなくても、同一温度制御パラメータで異なるヘアドライヤーの吹出温度を同じに揃えることができる。このため、同一型番の異なるヘアドライヤーを統一した吹出効果に達成させることができる。
【0113】
図7は、本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション装置のブロック図である。本実施例では、図5に示すヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーションシステムに前記装置を応用することを例として説明する。前記装置は、少なくとも、検出ユニット710及びキャリブレーションユニット720を含む。
【0114】
検出ユニット710は、ヘアドライヤーの運転中に、前記ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出する。
キャリブレーションユニット720は、前記ヘアドライヤーに通信し、前記ヘアドライヤーに制御コマンドを送信して前記ヘアドライヤーの運転を制御し、前記吹出温度が目標温度の場合、前記ヘアドライヤーの温度制御パラメータの測定値を温度制御パラメータのキャリブレーション値として決定するように配置される。
【0115】
好ましくは、前記検出ユニット710は、さらに、前記ヘアドライヤーの運転状態を制御して前記吹出温度を前記目標温度に達成させるように配置される。
【0116】
好ましくは、前記検出ユニット710は、さらに、前記ヘアドライヤーの吹出口の前方の、前記吹出口から一定の距離の箇所の温度をリアルタイムに検出して前記吹出温度とするように配置される。
【0117】
好ましくは、前記検出ユニット710は、さらに、前記キャリブレーション値を目標メモリに記憶するとともに、前記キャリブレーション値と前記目標温度との対応関係を記憶するように配置される。
【0118】
好ましくは、前記目標温度は、前記ヘアドライヤーの動作モードに対応する。それに対応して、前記検出ユニット710は、さらに、前記キャリブレーション値を目標メモリに記憶するとともに、前記キャリブレーション値と前記動作モードとの対応関係を記憶するように配置される。
【0119】
好ましくは、前記検出ユニット710は、さらに、前記ヘアドライヤーの発熱素子及び/又はファンの動作状態を制御して前記ヘアドライヤーの吹出温度を調整するように配置される。
【0120】
好ましくは、前記検出ユニット710は、さらに、予め設定された制御周期における発熱素子の導通する半波数を制御して前記吹出温度を調整する。なお、前記制御周期は、複数の半波を含む。
【0121】
関連の詳細については、上記の方法実施例を参照する。
【0122】
なお、上記の実施例に係るヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション装置は、ヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーションを行う場合、上述した各機能モジュールの分割を例として説明したが、実際の応用では、必要に応じて上述した機能を異なる機能モジュールで完成させるように割り当ててもよく、すなわち、ヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション装置の内部構成を異なる機能モジュールに分割することで、上述した機能の全てまたは一部を完成してもよい。また、上述した実施例に係るヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション装置は、ヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法の実施例と同じ構想に属し、その具体的な実現過程について、方法の実施例を参照することができ、ここではその詳細を省略する。
【0123】
図8は、本発明の一実施例に係るヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション装置のブロック図である。当該装置は、少なくとも、プロセッサ801及びメモリ802を含む。
【0124】
プロセッサ801は1つまたは複数の処理コア、例えば、4コアプロセッサや8コアプロセッサなどを含んでもよい。プロセッサ801は、DSP(Digital Signal Processing;デジタル信号処理)、FPGA(Field Programmable Gate Array:フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLA(Programmable Logic Array:プログラマブルロジックアレイ)のうちの少なくとも1種のハードウェアの形態で実現されてもよい。プロセッサ801は、さらに、メインプロセッサ及びコプロセッサを含んでもよい。メインプロセッサは、アウェイク状態でデータを処理するために使用されるプロセッサであり、CPU(Central processing Unit:中央処理装置)とも呼ばれる。コプロセッサは、スタンバイ状態でデータを処理するために使用される低電力プロセッサである。
【0125】
メモリ802は、1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含んでもよく、当該コンピュータ読み取り可能な記録媒体は非一時的であってもよい。メモリ802は、さらに高速ランダムアクセスメモリ及び不揮発性メモリ、例えば、1つまたは複数の磁気ディスク記憶装置やフラッシュメモリ記憶装置を含んでもよい。一部の実施例において、メモリ802のうちの非一時的コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、少なくとも1つのコマンドを記憶するために用いられ、当該少なくとも1つのコマンドは、プロセッサ801によりロードして実行されることで、本発明の方法実施例によるヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法を実現する。
【0126】
一部の実施例において、ヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション装置は、周辺デバイスインターフェース及び少なくとも1つの周辺デバイスをさらに含んでもよい。プロセッサ801、メモリ802及び周辺デバイスインターフェースは、バスまたは信号線により接続されてもよい。各周辺デバイスは、バス、信号線または回路基板を介して周辺デバイスインターフェースに接続されてもよい。例示的には、周辺デバイスは、RF回路やタッチディスプレイ、音声回路、プローブ、電源などを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0127】
当然ながら、ヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション装置は、より少ないモジュールまたはより多いモジュールをさらに含んでもよいが、本実施例においてその限定はない。
【0128】
好ましくは、本発明は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体をさらに提供する。当該コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、プログラムが記憶されている。当該プログラムは、プロセッサによってロードして実行されることで、上述した方法の実施例のヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法を実現する。
【0129】
好ましくは、本発明は、コンピュータ製品をさらに提供する。当該コンピュータ製品は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を含む。当該コンピュータ読み取り可能な記録媒体には、プログラムが記憶されている。当該プログラムは、プロセッサによってロードして実行されることで、上述した方法の実施例のヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法を実現する。
【0130】
上述した実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができる。記述の簡潔化のために、上述した実施例における各技術的特徴のあらゆる組合せについて説明していないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾しない限り、本明細書に記述されている範囲内であると考えられるべきである。
【0131】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したものにすぎず、その記述が具体的かつ詳細であるが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。なお、当業者にとって、本出願の趣旨から逸脱しないかぎり、若干の変形および改良を行うことができ、これら変形や改良もすべて本出願の保護範囲内に含まれる。本発明の保護範囲は、特許請求範囲に準ずるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法であって、
ヘアドライヤーの運転を制御するステップと、
前記運転中に、前記ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出するステップと、
前記吹出温度が目標温度の場合、前記ヘアドライヤーの温度制御パラメータの測定値を温度制御パラメータのキャリブレーション値として決定するステップと、を含むことを特徴とするヘアドライヤーの温度制御パラメータのキャリブレーション方法。
【請求項2】
前記キャリブレーション値を目標メモリに記憶するとともに、前記キャリブレーション値と前記目標温度との対応関係を記憶するステップをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記ヘアドライヤーの運転を制御するステップは、
前記ヘアドライヤーの運転状態を制御して前記吹出温度を前記目標温度に達成させるステップを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記ヘアドライヤーの吹出温度をリアルタイムに検出するステップは、
前記ヘアドライヤーの吹出口の前方の、前記吹出口から一定の距離の箇所の温度をリアルタイムに検出して前記吹出温度とするステップを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記目標温度は、前記ヘアドライヤーの動作モードに対応し、それに対応して、
前記キャリブレーション値を目標メモリに記憶するとともに、前記キャリブレーション値と前記動作モードとの対応関係を記憶するステップをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記ヘアドライヤーの運転状態を制御して前記吹出温度を前記目標温度に達成させるステップは、
前記ヘアドライヤーの発熱素子及び/又はファンの動作状態を制御することで、前記ヘアドライヤーの吹出温度を調整するステップを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記ヘアドライヤーの発熱素子及び/又はファンの動作状態を制御することで、前記ヘアドライヤーの吹出温度を調整するステップは、
予め設定された制御周期における発熱素子の導通する半波数を制御することで、前記吹出温度を調整するステップ、又は、
ファンの回転速度を制御することで吹出温度を調整するステップを含み、
前記制御周期は、複数の半波を含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
半波とは、発熱素子に給電する正弦波電圧信号の半波形分であり、前記半波形分は、開始位置電圧が0V、終了位置電圧が0Vであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ヘアドライヤーの発熱素子及び/又はファンの動作状態を制御することで、前記ヘアドライヤーの吹出温度を調整するステップは、
ヘアドライヤーの制御モジュールに初期制御信号を送信するステップと、
温度収集モジュールで収集される初期制御信号に対応する現在吹出温度を取得するステップと、
現在吹出温度が目標温度と一致しない場合、現在の温度制御パラメータを調整し、調整された温度制御パラメータに対応する現在吹出温度を得るステップと、
現在吹出温度が目標温度と一致しない場合、現在の温度制御パラメータを再調整し、調整された温度制御パラメータに対応する現在吹出温度を得るステップと、
現在吹出温度が目標温度と一致する場合、吹出温度が目標温度に達成すると決定するステップとを含み、
前記初期制御信号は、制御モジュールをトリガしてヘアドライヤーを初期温度制御パラメータで動作させることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、キャリブレーション端末に用いられ、
前記ヘアドライヤーの制御モジュールは前記キャリブレーション端末に接続され、
前記吹出温度は温度収集モジュールにより収集され、前記温度収集モジュールは前記キャリブレーション端末に通信接続されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【国際調査報告】