(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】リハビリテーションデバイスおよび装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/11 20060101AFI20230913BHJP
A63B 24/00 20060101ALI20230913BHJP
A63B 23/12 20060101ALI20230913BHJP
【FI】
A61B5/11 230
A63B24/00
A63B23/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508525
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 EP2021071926
(87)【国際公開番号】W WO2022029257
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523041551
【氏名又は名称】アクシネシス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】サパン,ジュリアン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA05
4C038VB12
4C038VC01
(57)【要約】
本発明は、表示面(100)、検出面(110)、および処理ユニット(120)を備える、対象の上肢の評価および/またはリハビリテーションを行うためのデバイス(10)に関する。本発明はまた、前述のデバイス(10)を備えるシステムおよび装置、ならびに前述のデバイス(10)を使用するコンピュータ実装方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の上肢の評価および/またはリハビリテーションを行うためのデバイス(10)であって、前記デバイス(10)は、表示面(100)、検出面(110)、および処理ユニット(120)を備え、
-前記表示面(100)は、前記表示面(100)に対して所定の位置および所定の向きを有する少なくとも1つの所定の形状(101)を表示するように構成され、
-前記検出面(110)は、前記表示面(100)に光ビームのグリッドを発生させるように配置された発光体(111)のアレイ、および光検出器(112)のアレイを備え、各光検出器は、それぞれの発光体(111)からの光ビームを検出し、検出された光を表す信号を生成するように構成され、
-前記処理ユニット(120)は、
-前記光検出器(112)から生成された信号を入力として受信し、
-前記受信された信号に基づいて、前記検出面(110)上の少なくとも1つの光ビームを妨害する物体(30)の存在を決定し、
-物体(30)の存在が決定された場合、前記物体(30)の位置、向き、および形状を決定し、
-前記表示面(100)に表示された形状(101)の所定の位置、向き、および形状の少なくとも1つ、ならびに前記物体(30)の先に決定された位置、向き、および形状のそれぞれ少なくとも1つに基づいて、類似性メトリックを計算する
ように構成される、デバイス(10)。
【請求項2】
対象の上肢の評価および/またはリハビリテーションを行うためのシステムであって、前記システムは、請求項1に記載のデバイス(10)および少なくとも1つの物体(30)を備え、前記物体(30)は、物体支持体(40)を備え、前記物体支持体(40)のデバイス側は、前記グリッドの光ビームの妨害を最小限にするように構成された障害物のパターンである支持脚(410)を備え、前記処理ユニット(120)は、
-各パターンが少なくとも1つの物体特性に関連する、パターンのライブラリを入力として受信し、
-前記光検出器(112)から生成された信号に基づいて、前記検出面(110)上の物体支持体(40)の障害物のパターンの存在を決定し、
-前記障害物のパターンが前記ライブラリ中のパターンと一致する場合、前記物体(30)の特性を決定し、前記物体(30)の前記特性は、前記ライブラリ中の一致するパターンに関連する少なくとも1つの物体特性である
ようにさらに構成される、システム。
【請求項3】
前記表示面(100)は、前記光ビームの妨害に影響を及ぼさない少なくとも1つの所定の特性(102)を表示するように構成され、前記処理ユニット(120)は、
-前記物体(30)の決定された特性および前記所定の特性(102)に基づいて、類似性メトリックを計算する
ようにさらに構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記物体特性は、前記物体の色、前記物体の重量、前記物体の温度、前記物体のテクスチャ、または前記物体の材料である、請求項2または請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理ユニット(120)は、障害物の少なくとも5つのパターンを同時に検出するように構成される、請求項2~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
請求項2~5のいずれかに記載のシステム(1)を備える装置(5)であって、前記デバイス(10)は、テーブル(50)のテーブルトップ(51)に設置され、前記テーブル(50)は、前記テーブルトップ(51)を、水平軸(x)の周りに、0°~90°の角度で回転させるための手段を備える、装置(5)。
【請求項7】
対象の上肢の評価のためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は、以下:
a)請求項1に記載のデバイス(10)に、前記表示面(100)に対して所定の位置および所定の向きを有する少なくとも1つの所定の形状(101)を表示するステップ(S10)と、
b)前記光検出器(112)から生成された信号を入力として受信するステップ(S20)と、
c)前記受信された信号に基づいて、前記検出面(110)上の少なくとも1つの光ビームを妨害する物体(30)の存在を決定するステップ(S30)と、
d)物体(30)の存在が決定された場合、前記物体(30)の位置、向き、および/または形状を決定するステップ(S40)と、
e)前記表示面(100)に表示された形状(101)の所定の位置、向き、および形状の少なくとも1つ、ならびに前記物体(30)の先に決定された位置、向き、および形状のそれぞれ少なくとも1つに基づいて、類似性メトリックを計算するステップ(S50)と、
を含む、方法。
【請求項8】
少なくとも1つの所定の形状(101)を表示するステップ(S10)は、所定の特性(102)を表示することをさらに含み、前記方法は、
-前記物体(30)の決定された形状を、ライブラリに保存されたNパターンのリストと比較するステップ(S41)であって、各パターンは少なくとも1つの物体特性に関連し、Nは5以上である、ステップ(S41)と、
-前記物体(30)の決定された形状が前記ライブラリ中のパターンと一致する場合、前記物体(30)の決定された形状および前記所定の特性(102)に基づいて、類似性メトリックを決定するステップ(S42)と、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
f.1)難易度を入力として受信するステップ(S60)と、
f.2)少なくとも1つの第2の形状を表示するステップ(S70)であって、前記少なくとも1つの第2の形状は、前記難易度および/または前記類似性メトリックに基づいて、形状のデータベースから選択される、ステップと
をさらに含む、請求項7または請求項8に記載の方法。
【請求項10】
f.3)難易度を入力として受信するステップ(S60)と、
f.4)前記デバイス(10)をある角度だけ回転させるステップ(S71)であって、回転の角度は前記難易度に基づいて計算される、ステップと
をさらに含む、請求項7~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
少なくとも前記方法のステップS20~S70またはS20~S71は、周期的に繰り返され、反復頻度は、前記難易度に基づいて計算される、請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
対象の上肢を評価するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は、以下:
-請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス(10)に、始点、終点、および任意で始点と終点とを接続する線を含む、少なくとも1つの目標軌道(103)を表示するステップ(S11)と、
-前記光検出器から生成された信号を入力として受信するステップ(S21)と、
-前記受信された信号に基づいて、前記検出面(110)上の少なくとも1つの光ビームを妨害する物体(30)の存在を決定するステップ(S31)と、
-前記デバイス(10)上で変位している物体(30)の存在が決定された場合、初期物体位置および最終物体位置を含む物体軌道を得るように、前記物体(30)の位置を決定するステップ(S43)と、
-前記初期物体位置と前記目標軌道(103)の始点との間の第1の距離、および前記最終物体位置と前記目標軌道(103)の終点との間の第2の距離を計算するステップ(S51)と、
-任意で、前記第1の距離および/または前記第2の距離に基づいて、フィードバックを前記表示面(100)に表示するステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
-前記初期物体位置、複数の中間物体位置、および前記最終物体位置を含む物体軌道を得るように、一定の時間間隔で、前記受信された信号に基づいて、前記デバイス(10)上で変位する前記物体(30)の位置を決定するステップと、
-各中間位置について、前記位置と前記目標軌道(103)との間の距離を計算するステップ(S51)と、
-任意で、前記計算された距離に基づいて、フィードバックを前記デバイス(10)に表示するステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
対象の上肢の評価のためのコンピュータプログラム製品であって、プログラムがコンピュータによって実行されると、請求項7~13のいずれかに記載の方法のステップを前記コンピュータに行わせる命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
プログラムがコンピュータによって実行されると、請求項7~13のいずれかに記載の方法のステップを前記コンピュータに行わせる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象の運動および認知リハビリテーションの分野に関する。具体的には、本発明は、上肢リハビリテーションおよび/または上肢評価のためのデバイス、ならびに対象の上肢を評価するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脳卒中は、現在、長期の体の不自由の主な原因である。世界の6人に1人が、その生涯の間に脳卒中を経験し、毎年、全世界で1500万人が、脳卒中を起こす。さらに、脳卒中の絶対数は、高齢化する人口のため、連続的に増加している。
【0003】
脳卒中事象に関連する年間医療費は、欧州で約300億ユーロ、米国で約570億ユーロと推定され、その5%、すなわち、欧州および米国でそれぞれ15億ユーロおよび28.5億ユーロは、脳卒中後のリハビリテーションに関連する。
【0004】
脳卒中の身体的影響は様々であり、脳病変側とは反対側の体の筋肉の完全麻痺または不全麻痺を通常伴う運動機能の障害を含み得る。上肢の障害は、体の不自由、自立、および生活の質に対する上肢障害の影響のため、特別に関心をもたれている。脳卒中以外に、他の事象が、上肢の重大な障害を引き起こし得、それにより、重度の体の不自由をもたらす。これらの事象としては、外傷性脳損傷、脊髄損傷、脳腫瘍、パーキンソン病、例えば多発性硬化症などの慢性疾患、脳性麻痺、例えば筋萎縮性側索硬化症などの運動ニューロン疾患、髄膜炎、脳炎、筋ジストロフィー、頚椎椎間板ヘルニアによって引き起こされる麻痺、骨折、およびリモデリング段階における上肢の骨の病変が挙げられるが、これらに限定されない。
【0005】
脳卒中または上肢に影響を及ぼす別の事象の後に、機能的能力を回復または維持するために、患者は、通常、セラピストによる身体リハビリテーション療法を受ける。しかしながら、身体リハビリテーションは、セラピストの個人的経験に頼り、高負荷および高反復の訓練を提供せず、対象の状態および対象の進歩の定量的かつ客観的な評価を提供しない。
【0006】
インタラクティブな上肢リハビリテーションを提供するいくつかのデバイスが、標準化されたリハビリテーションエクササイズを提供し、データを収集し、集中的かつ/または反復的なエクササイズを提供することを目的として、開発されている。
【0007】
これらのデバイスは、インタラクティブスクリーンを備え、ユーザーと前述のスクリーンとのやり取りを伴う治療用ゲームを提供し得る。これは、典型的には、ステレオタイプなエクササイズによって達成され、認識可能なタッチ入力(例えば、指、またはスタイラス)だけでなく、エクササイズのタイプからユーザーのやり取りのタイプ(例えば、押す、タップする、ドラッグする)まで、多くの側面について限定される。
【0008】
したがって、これらのデバイスは、脳卒中後のリハビリテーションなどの医療的な文脈において必要とされる最低限のユーザーカスタマイズを提供するには不十分である。さらに、それらは、スクリーンとやり取りしているユーザーの上肢の機能性の客観的測定値を提供するように適合されていない。
【0009】
注目すべきことに、上肢の客観的かつ正確な評価は、医療的な文脈においてだけでなく、神経科学、小児(または小児発達)の監視および調査、スポーツ、教育などのいくつかの用途においても望ましい。
【0010】
本発明は、先行技術の問題を解決するデバイスに関する。具体的には、本発明は、上肢のリハビリテーションおよび/または評価のためのデバイス、ならびに対象の上肢を評価するための方法を提供する。
【0011】
さらに、本発明は、日常的な物体も含む多数の物体の使用を伴うデバイスに関する。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、対象の上肢の評価および/またはリハビリテーションを行うためのデバイスに関し、前述のデバイスは、表示面、検出面、および処理ユニットを備え、
-表示面は、表示面に対して所定の位置および所定の向きを有する少なくとも1つの所定の形状を表示するように構成され、
-検出面は、表示面に光ビームのグリッドを発生させるように配置された発光体のアレイ、および光検出器のアレイを備え、各光検出器は、それぞれの発光体からの光ビームを検出し、検出された光を表す信号を生成するように構成され、
-処理ユニットは、
-光検出器から生成された信号を入力として受信し、
-受信された信号に基づいて、検出面上の少なくとも1つの光ビームを妨害する物体の存在を決定し、
-物体の存在が決定された場合、物体の位置、向き、および形状を決定し、
-表示面に表示された形状の所定の位置、向き、および形状の少なくとも1つ、ならびに物体の先に決定された位置、向き、および形状のそれぞれ少なくとも1つに基づいて、類似性メトリックを計算する
ように構成される。
【0013】
有利には、表示面に表示された形状と物体の形状との間の類似性メトリックを計算することによって、対象の上肢を定量的かつ客観的に評価することが可能である。言い換えれば、対象がデバイスの表面に置いた物体が、期待される位置、向き、および形状に対してどのくらい類似しているかを評価することによって、対象の上肢を評価することが可能である。
【0014】
さらに、検出面上に光ビームのグリッドを形成する、発光体および検出器の特定の配置は、多数の接触点を迅速かつ同時に検出することを可能とする。より正確には、接触イベントは、グリッドの1つ以上の光ビームに光の遮断を引き起こすので、検出される。
【0015】
具体的には、本発明の検出面は、30超の接触点の同時検出を可能とする。
【0016】
これは、マルチタッチジェスチャーを認識しない、抵抗検出面または表面弾性波検出面では不可能であろう。加えて、抵抗検出面は、スクリーンへの圧力が必要とされるため、感度が低い。
【0017】
さらに、本デバイスは、任意の物体の形状、向き、および位置を決定することができる。これは、容量式スクリーンでは不可能であるが、それは、容量式スクリーンが導電性材料のみを検出することができるためである。したがって、容量式スクリーンは、特定の導電性物体とともにのみ使用することができる。
【0018】
注目すべきことに、これらの特定の物体は、典型的には、それらと既定のスクリーンとのやり取りを最適化するように設計され、他のスクリーンとの互換性は、企図されない。
【0019】
結果として、物体の選択は、売り手のカタログの品ぞろえ、および買い手、例えば、エンドユーザーまたはセラピストの経済手段に依存する。さらに、限られた物体の数および種類は、(例えば、リハビリテーション療法の文脈で)エンドユーザーに提供され得るエクササイズの質および種類、ならびに評価され得る認知または運動または認知能力の数に影響を及ぼし得る、無視できない制約である。
【0020】
本発明はまた、対象の上肢の評価および/またはリハビリテーションを行うためのシステムに関し、システムは、上に記載されたデバイスおよび少なくとも1つの物体を備え、物体は、物体支持体を備え、物体支持体のデバイス側は、グリッドの光ビームの妨害を最小限にするように構成された障害物のパターンである支持脚を備え、処理ユニットは、
-各パターンが少なくとも1つの物体特性に関連する、パターンのライブラリを入力として受信し、
-光検出器から生成された信号に基づいて、検出面上の物体支持体の障害物のパターンの存在を決定し、
-障害物のパターンがライブラリ中のパターンと一致する場合、物体の特性を決定し、物体の前述の特性は、ライブラリ中の一致するパターンに関連する少なくとも1つの物体特性である
ようにさらに構成される。
【0021】
有利には、光ビームの妨害を最小限にするように構成された脚を有する物体支持体は、検出され得る物体の数の増加を可能とする。
【0022】
一実施形態では、表示面は、光ビームの妨害に影響を及ぼさない少なくとも1つの所定の特性を表示するように構成され、処理ユニットは、
-物体の決定された特性および所定の特性に基づいて、類似性メトリックを計算する
ようにさらに構成される。
【0023】
この場合、物体の決定された特性は、ライブラリ中の一致するパターンに関連する少なくとも1つの物体特性である。
【0024】
有利には、この実施形態は、障害物のパターンに基づいて、物体支持体に載った物体の特性を特定することを可能とする。
【0025】
さらに、この実施形態は、光ビームの妨害に影響を及ぼさない、物体支持体に載った物体の特性を特定することを可能とする。この実施形態では、ライブラリに保存された障害物の各パターンは、色などの、光ビームの妨害に影響を及ぼさない特性に関連し得る。例えば、障害物の第1のパターンは、「赤」色に関連し得、障害物の第2のパターンは、「緑」色に関連し得る。この例では、「緑」色が検出面に表示される場合、処理ユニットは、検出面上の障害物のパターンが、「緑」に関連するライブラリ中のパターンに等しいかを決定することができる。
【0026】
一実施形態では、物体特性は、物体の色、物体の重量、物体の温度、物体のテクスチャ、または物体の材料である。
【0027】
一実施形態では、処理ユニットは、障害物の少なくとも5つのパターンを同時に検出するように構成される。この実施形態は、少なくとも5つの別個の物体の検出を可能とする。
【0028】
本発明はまた、テーブル、および上に記載された実施形態のいずれか1つに係るデバイスを備える装置に関し、デバイスは、テーブルのテーブルトップに設置され、テーブルは、テーブルトップを、水平軸の周りに、0°~90°の角度で回転させるための手段を備える。
【0029】
この実施形態は、テーブルトップ、したがって、それに設置されたデバイスを回転させることを可能とする。デバイスは、例えば、評価される上肢スキルのタイプに基づいて選択され得る既定の回転角で回転され得る。
【0030】
本発明はまた、対象の上肢の評価のためのコンピュータ実装方法に関する。方法は、以下:
a)上に記載されたようなデバイスに、表示面に対して所定の位置および所定の向きを有する少なくとも1つの所定の形状を表示するステップと、
b)光検出器から生成された信号を入力として受信するステップと、
c)受信された信号に基づいて、検出面上の少なくとも1つの光ビームを妨害する物体の存在を決定するステップと、
d)物体の存在が決定された場合、物体の位置、向き、および/または形状を決定するステップと、
e)表示面に表示された形状の所定の位置、向き、および形状の少なくとも1つ、ならびに物体の先に決定された位置、向き、および形状のそれぞれ少なくとも1つに基づいて、類似性メトリックを計算するステップと、
を含む。
【0031】
デバイスは、表示面、ならびに光ビームの2次元グリッドを発生させる発光体のアレイおよびそれぞれの光検出器のアレイを備えた検出面を含む、インタラクティブスクリーンまたはタッチスクリーンであり得る。
【0032】
一実施形態では、インタラクティブスクリーンは、保護面を備え得る。
【0033】
一実施形態では、少なくとも1つの所定の形状を表示するステップは、所定の特性を表示することをさらに含み、方法は、
-物体の決定された形状を、ライブラリに保存されたNパターンのリストと比較するステップであって、各パターンは少なくとも1つの物体特性に関連し、Nは好ましくは5以上である、ステップと、
-物体の決定された形状がライブラリ中のパターンと一致する場合、物体の決定された形状および所定の特性に基づいて、類似性メトリックを決定するステップと、
をさらに含む。
【0034】
この場合、物体の決定された形状は、ライブラリ中の一致するパターンに関連する物体特性である。
【0035】
一実施形態では、本発明に係る方法は、
f.1)難易度を入力として受信するステップと、
f.2)少なくとも1つの第2の形状を表示するステップであって、少なくとも1つの第2の形状は、難易度および/または類似性メトリックに基づいて、形状のデータベースから選択される、ステップと、
をさらに含む。
【0036】
少なくとも1つの第2の形状は、表示面に対して所定の位置および所定の向きを有する。第2の形状の前述の形状、位置、および向きの各々は、先に表示された所定の形状の形状、位置、および向きと同じかまたは異なっていてよい。
【0037】
一実施形態では、本発明に係る方法は、
f.3)難易度を入力として受信するステップと、
f.4)デバイスをある角度だけ回転させるステップであって、回転の角度は難易度に基づいて計算される、ステップと
をさらに含む。
【0038】
このデバイスは、エクササイズの実行前または実行中に回転され得、後者は、エクササイズの難易度をリアルタイムで適合させることを可能とする。
【0039】
一実施形態では、ステップb)~f)は、周期的に繰り返され、反復頻度は、難易度に基づいて計算される(すなわち、難易度の関数である)。この実施形態では、周期的に繰り返されるステップは、
-光検出器から生成された信号を入力として受信するステップ、
-受信された信号に基づいて、検出面上の少なくとも1つの光ビームを妨害する物体の存在を決定するステップ、
-物体の存在が決定された場合、物体の位置、向き、および/もしくは形状を決定するステップ、
-表示面に表示された形状の所定の位置、向き、および形状の少なくとも1つ、ならびに物体の先に決定された位置、向き、および形状のそれぞれ少なくとも1つに基づいて、類似性メトリックを計算するステップ、
-難易度を入力として受信するステップ、
-少なくとも1つの第2の形状を表示するステップであって、少なくとも1つの第2の形状は、難易度および/もしくは類似性メトリックに基づいて、形状のデータベースから選択される、ステップ、ならびに/または
-インタラクティブスクリーンをある角度だけ回転させるステップであって、回転の角度は難易度に基づいて計算される、ステップ
である。
【0040】
本発明はまた、対象の上肢を評価するためのコンピュータ実装方法に関し、方法は、以下:
-上に記載されたようなデバイスに、始点、終点、および任意で始点と終点とを接続する線を含む、少なくとも1つの目標軌道を表示するステップと、
-光検出器から生成された信号を入力として受信するステップと、
-受信された信号に基づいて、検出面上の少なくとも1つの光ビームを妨害する物体の存在を決定するステップと、
-デバイス上で変位している物体の存在が決定された場合、初期物体位置および最終物体位置を含む物体軌道を得るように、物体の位置を決定するステップと、
-初期物体位置と目標軌道の始点との間の第1の距離、および最終物体位置と目標軌道の終点との間の第2の距離を計算するステップと、
-任意で、第1の距離および/または第2の距離に基づいて、フィードバックを表示面に表示するステップと
を含む。
【0041】
この実施形態は、デバイスに表示された目標軌道を再現しながら、物体をデバイス上で動かすことから構成される両手エクササイズを行っている対象の、上肢の評価を可能とする。
【0042】
一実施形態では、本発明に係る方法は、以下:
-初期物体位置、複数の中間物体位置、および最終物体位置を含む物体軌道を得るように、一定の時間間隔で、受信された信号に基づいて、デバイス上で変位する物体の位置を決定するステップと、
-各中間物体位置について、前述の位置と目標軌道との間の距離を計算するステップと、
-任意で、計算された距離に基づいて、フィードバックをデバイスに表示するステップと
をさらに含む。
【0043】
この実施形態は、表示された軌道全体を、物体を用いてたどる能力の評価を可能とする。
【0044】
本発明はまた、対象の上肢の評価のためのコンピュータプログラム製品に関し、コンピュータプログラム製品は、プログラムがコンピュータによって実行されると、上に記載された方法のステップをコンピュータに行わせる命令を含む。
【0045】
本発明はまた、プログラムがコンピュータによって実行されると、上に記載された方法のステップをコンピュータに行わせる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体に関する。
【0046】
定義
本発明では、以下の用語は、以下の意味を有する。
【0047】
-「約」という用語は、本明細書では、およそ、大体、ほぼ、またはそのくらいを意味するのに使用される。「約」という用語が数値範囲とともに使用される場合、それは、記載された数値の上下に境界を拡張することによってその範囲を修飾する。概して、「約」という用語は、本明細書では、数値を記載された値の上下に20パーセント、より好ましくは5パーセントの変動で修飾するために使用される。
【0048】
-「対象」という用語は、哺乳類、好ましくはヒトを指す。一実施形態では、対象は、「患者」、すなわち、医療ケアを受けるのを待っているか、または医療ケアを受けている対象であり得る。
【0049】
-「リハビリテーションエクササイズ」という用語は、対象が本発明に係るデバイスとやり取りして行うエクササイズを指し、エクササイズは、タスクを再現するようにデバイス表面上に物体を置きかつ/または動かすことを含む。
【0050】
-「リハビリテーションセッション」という用語は、一連のリハビリテーションエクササイズを指す。
【0051】
特定かつ非限定的な例示的実施形態の以下の説明を一読する際に、本開示はより良く理解されることになり、他の特定の特徴および利点が明らかになることになり、その説明は、添付の図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】リモートデバイス20とやり取りする、本発明に係るデバイス10を概略的に示すブロック線図である。
【
図2】テーブル50に取り付けられた本発明に係るデバイス10を備える装置5の斜視図である。
【
図5】
図5Aおよび
図5Bはそれぞれ、第1の実施形態に係る物体支持体40の底面図および側面図である。
【
図6】
図6Aおよび
図6Bはそれぞれ、第2の実施形態に係る物体支持体40の底面図および側面図である。
【
図7】
図4に示された物体支持体40の斜視図である。
【
図8】
図5に示された物体支持体40の斜視図である。
【
図9】デバイスが手先の器用さを評価するために使用されている、本発明に係るデバイス10の概略正面図である。
【
図10】デバイスが上肢の可動域を評価するために使用されている、本発明に係るデバイス10の概略正面図である。
【
図11】デバイスが上肢運動学を評価するために使用されている、本発明に係るデバイス10の概略正面図である。
【
図12】所定の形状101が示される、本開示に準拠した上肢の評価のための例示的方法を示すフローチャートである。
【
図13】所定の形状101および所定の特性102が示される、本開示に準拠した上肢の評価のための例示的方法を示すフローチャートである。
【
図14】難易度が受信される、本開示に準拠した上肢の評価のための例示的方法を示すフローチャートである。
【
図15】軌道103が示される、本開示に準拠した上肢の評価のための例示的方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下の発明を実施するための形態は、図面と併せて読むとより良く理解される。説明のために、デバイスは、好ましい実施形態で示される。しかしながら、本出願は、示された正確な配置、構造、特徴、実施形態、および態様に限定されないことを理解すべきである。図面は、縮尺どおりに描かれておらず、特許請求の範囲を図示された実施形態に限定することを意図するものではない。したがって、添付の特許請求の範囲において言及される特徴の後に参照符号が続く場合、そのような符号は、単に特許請求の範囲の理解度を高めるために含まれ、決して特許請求の範囲に対する限定ではないことを理解すべきである。
【0054】
図1に見られるように、本発明に係るデバイス10は、表示面100、検出面110、および処理ユニット120を備える。
【0055】
エクササイズを行うために、対象は、表示面100に表示されるタスクを再現しながら、デバイス10の検出面110とやり取りしなければならない。表示面100は、形状、軌道、または物理的特性などの様々な形態のタスクを表示するように構成される。タスクを再現するための対象と検出面110とのやり取りは、1つ以上の物体30(
図4)の使用を伴ってよい。処理ユニット120は、対象と検出面110とのやり取りが、表示されたタスクに対応するかを決定することができる。
【0056】
デバイス10は、例えば業務用コンピュータなどの周辺機器20に、有線または無線ネットワークを介して接続され得る。周辺機器は、セラピスト側のデバイス20であり得、その結果、セラピストは、デバイス10の処理ユニット120を遠隔で制御し得る。例えば、セラピストは、本デバイス10の表示面100へのリハビリテーションエクササイズの表示を遠隔でトリガし得る。この実施形態は、テレリハビリテーションセッションを行うのに特に有利である。
【0057】
一実施形態では、表示面100は、少なくとも1つの既定の形状101を表示するように構成される(
図2)。一実施形態では、表示面100は、所定の特性102または目標軌道103を表示するように構成され得る(
図3)。
【0058】
表示面100は、例えば、スクリーン、モニタ、またはテレビであり得る。一実施形態によれば、本デバイス10の表示面100は、ユーザーフレンドリーな環境でグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示する。
【0059】
一実施形態によれば、本デバイス10の表示面100は、対象側およびセラピスト側のGUIをそれぞれ提供するように、第1および第2のGUIを表示することができる。
【0060】
対象側のGUIは、ビデオゲーム環境において上に記載されたような少なくとも1つの特性102を表示することを可能とする。ビデオゲームの表示は、処理ユニット120によってトリガされ得る。
【0061】
セラピスト側のGUIは、セラピストが以下の操作:処理ユニット120の制御、対象によって行われる動きの視覚化、表示面100に表示される所定の形状および/または目標軌道の選択または自らによる設計の1つ以上を行うことを可能とし得る。
【0062】
一実施形態によれば、表示面100および検出面110は、長方形のインタラクティブスクリーンを形成する。一実施形態では、インタラクティブ表面の対角線は、90インチ以下、好ましくは55インチ、50インチ、45インチ、または40インチである。一実施形態では、インタラクティブ表面の対角線は、228.6センチメートル(cm)未満、139.7cm、127cm、114.3cm、または101.6cmである。好ましい実施形態では、インタラクティブ表面の対角線は、40インチ、すなわち101.6cmに等しい。大きい表面は、上肢の完全な屈曲および伸展動作を可能とする。
【0063】
一実施形態では、インタラクティブ表面の対角線は、32インチ、すなわち81.3cm以下である。この実施形態では、インタラクティブ表面の対角線は、好ましくは、21.5インチ~32インチ、すなわち54.6cm~81.3cmに含まれる。有利には、この実施形態は、携帯型リハビリテーションデバイスの提供を可能とする。
【0064】
図1に示されるように、検出面110は、表示面100に光ビームのグリッドを発生させるように配置された発光体111のアレイ、および光検出器112のアレイを備え、各光検出器は、それぞれの発光体111からの光ビームを検出し、検出された光を表す信号を生成するように構成される。
【0065】
より正確には、
図1のデバイス10において、検出面110は、フレーム113によって区切られ、上に記載されたような光ビームのグリッドによって占有される領域である。この特定の例では、フレーム113は、表示面100の上にあり、発光体111および検出器112のアレイは、フレーム113に埋め込まれる。
【0066】
上述のように、対象と検出面110とのやり取りは、物体30(
図4)の使用を伴ってよい。
【0067】
検出面110上での物体30の存在は、グリッドの1つ以上の光ビームの妨害を引き起こす。光ビームの妨害は、光検出器112によって検出される光の減少、したがって、光検出器が生成する信号の減少をもたらす。この信号は、デバイス10の処理ユニット120に送信され、処理ユニット120は、受信された信号に基づいて、検出面110と接触する物体30の存在を決定する。
【0068】
好ましい実施形態では、発光体は、赤外LEDである。一実施形態では、発光体は、約700nm~約1000nm、好ましくは約780nm~約980nmの赤外線を放射する。1つの好ましい実施形態では、発光体は、約850nmまたは940nmの赤外線を放射するように構成される。一実施形態では、これらの赤外線波長は、発光体の、それらの動作温度における重心波長またはピーク波長を指す。
【0069】
赤外LEDの実施形態では、検出面110は、複数の接触点を同時に検出することができる赤外線グリッドベースの検出面110である。具体的には、本発明の検出面110は、有利には、30超の接触点の同時検出を可能とする。一実施形態では、これは、少なくとも50の接触点の検出を可能とする。
【0070】
さらに、導電性物体に敏感な容量検出面とは反対に、赤外線ベースの検出面は、任意の材料の物体30を使用して光ビームの妨害を発生させることを可能とする。したがって、物体を、複数の異なる物体の中から自由に選択することができ、対象はその物体30を使用して、本デバイスの検出面110とやり取りすることになる。そのような多様さ、および対象がその多様さの中から1つ以上の物体30を選ぶことができることは、治療の機能的転帰を改善する。
【0071】
有利には、本発明では、様々な物体30は、異なるタスク行うこと、したがって、手先の器用さ、運動学(例えば、動きの滑らかさ、直線性、速さ、および正確さ)、または可動域などの、いくつかの上肢スキルを評価することを可能とする。
【0072】
さらに、そのような多様さは、リハビリテーション療法の機能的転帰の改善を可能とする。
【0073】
「独立型」エクササイズに頼るリハビリテーション療法は、対象の日常生活の困難に重点を置いたものではなく、むしろ、対象の運動困難に重点を置く。結果として、それらは、例えば筋力および器用さなどの運動転帰を改善するのに役立ち得るが、機能的転帰は限られる。
【0074】
本発明に係るデバイス10は、機能的転帰を最大化するリハビリテーションエクササイズを提供するように構成される。これは、物体30の使用を介して達成される。さらに、本デバイスは、物体30の特異性に従って、すなわちサイズおよび形状などの特性に従って選ばれる治療用ビデオゲームを表示することができる。
【0075】
結果としてデバイス10は、対象が遊びながら進化するのを可能とする環境下で、対象がそのような物体30を操作することを可能とする。これは、「独立型」エクササイズを提供するリハビリテーションデバイスでは不可能である。さらに、ビデオゲームは、物体30の特性に基づく(すなわち、カスタマイズされる)。
【0076】
一実施形態では、物体30は、日常的な物体の中から選択される。
【0077】
有利には、物体30は、個人の物体、すなわち対象が所有する物体の中から選択され得る。これは、対象が、自分自身のおもちゃを使用してデバイス10とやり取りする子どもである場合に特に有用である。個人のおもちゃの使用は、実際、前向きな心理的効果を有し、リハビリテーションの文脈では、リハビリテーション療法の有効性を改善し得る。
【0078】
処理ユニット120は、以下でより詳細に記載されるいくつかの操作を行うように構成される。
【0079】
好ましくは、処理ユニット120は、
-光検出器112から生成された信号を入力として受信し、
-受信された信号に基づいて、検出面110上の少なくとも1つの光ビームを妨害する物体30の存在を決定し、
-物体30の存在が決定された場合、その位置、向き、および形状を決定し、
-表示面100に表示された形状101の所定の位置、向き、および形状の少なくとも1つ、ならびに物体30の先に決定された位置、向き、および形状のそれぞれ少なくとも1つに基づいて、類似性メトリックを計算する
ように構成される。
【0080】
言い換えれば、処理ユニット120は、表示された形状の決定された位置、向き、および形状を、物体30のものと比較し、比較に基づいて、類似性メトリックを計算するように構成される。
【0081】
「類似している」という用語は、2つの物体AおよびBが、測定可能であり、AおよびBにおいて同等な値を取り得る、少なくとも1つの特性を共有することを指す。したがって、本明細書における「類似性メトリック」は、2つの物体AおよびBの間の類似性を定量化し、2つの物体によって共有される少なくとも1つの特性Pの関数として計算される、実数値関数を指す。
【0082】
したがって、類似性メトリックは、S=f(PA;PB)と定義され得、式中、PAは物体Aの特性であり、PBは物体Bの対応する特性である。
【0083】
本明細書における「特性」という用語は、測定可能な特性(すなわち、標準測定単位に対して比較され得る特性)に限定されず、一般に、別個の物体において同等な値を取り得、かつ/または基準として広く受け入れられている特性の標準化されたセット(例えば、原色)に対して比較され得る、任意の特性に関することを理解すべきである。
【0084】
したがって、前述の特性としては、長さ、質量、温度、体積、硬さ、形状、色、テクスチャ、匂い、向き、位置などが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0085】
より正確には、本開示では、類似性メトリックは、表示された形状の既定の特性(または複数の特性)と、検出面110上の物体のそれぞれの特性(単数または複数)との間の類似性を定量化する。
【0086】
特に指定のない限り、本開示では、(表示された特性とも呼ばれる)「所定の特性」102は、表示面100に表示された特性を意味する一方で、「物体特性」は、ライブラリに保存された基準パターンに関連する特性を意味する(パターンおよびそれらの対応する特性は、例えば、リレーショナルデータベースの記録であり得る)。
【0087】
本発明は、後述するように、特定の物体30の現実の特性(例えば、その形状)の決定、ならびに前述の特性が、上述の表示された特性102および/またはライブラリに保存された物体特性に類似しているかの決定を可能とする。
【0088】
実際、本発明では、対象と検出面110とのやり取りは、リハビリテーションエクササイズを行うように、検出面110上に物体30を置くこと、および任意に前述の物体30を動かすことを含み得る。一実施形態では、物体30は、検出面110上に直接置かれる。
【0089】
本発明はまた、対象の上肢の評価および/またはリハビリテーションを行うためのシステムに関し、システムは、デバイス10および少なくとも1つの物体30、好ましくは物体30のセットを備える。
【0090】
本発明はまた、上肢の評価および/またはリハビリテーションのための装置5に関する。
【0091】
【0092】
装置は、テーブル50を備え、デバイス10は、テーブルトップ51に設置される。
【0093】
対象による装置5の簡単な使用を確実にするために、デバイス10は、枢動可能かつ/または高さを変更可能なテーブル50に取り付けられる。
【0094】
デバイス10を、特にデバイス10の長手方向に床と平行に走る軸の周りに枢動させるために、先行技術から知られている枢動デバイスが、この目的のために提供される。
【0095】
有利には、テーブル50は、テーブルトップ51を、水平軸xの周りに、0°~90°の角度で回転させるための手段を備え得、ここで、0°は水平なテーブルトップに対応し、90°は垂直なテーブルトップ51に対応する。この実施形態は、既定の回転角でのテーブルトップ51の自動回転を可能とする。前述の回転動作は、対象が両手で行うタスクを行いながら与えられてよい。異なる回転角は、異なるタスク難易度および/または異なる上肢の動きに関連する。
【0096】
一実施形態では、テーブルトップ51を回転させるための手段は、電動手段である。別の実施形態では、テーブルトップ51を回転させるための手段は、手動で作動される。
【0097】
一実施形態では、回転角は、セラピストによって選択される。
【0098】
デバイス10を垂直に平行移動させるために、先行技術から知られている持ち上げデバイスが、デバイス10を昇降させるために提供される。
【0099】
一実施形態では、テーブル50は、例えば伸縮テーブル脚などの、テーブルトップ51の高さを調節するように、垂直軸zに沿ってテーブルトップ51を平行移動させるための手段をさらに備える。優先的には、テーブルトップ51を平行移動させるための手段は、テーブルトップ51の高さを400mm~1250mm、好ましくは550mm~1100mmに調節することを可能とする。これは、対象が、特定の位置に着いたままリハビリテーションエクササイズを行い得ることを確実にする。
【0100】
したがって、対象の脚のための空間は、テーブルトップ51の回転中に減少しない。
【0101】
一実施形態では、リハビリテーション装置5の平行移動手段および/または回転手段は、テーブルトップ51の平行移動および/または回転に起因する対象のリスクを検出するように構成された安全機構を備える。安全機構は、そのようなリスクが検出された場合、回転手段および/または平行移動手段の開始を防ぐか、またはそれらを停止させることを可能とする。
【0102】
図2に見られるように、1つの特定の実施形態では、テーブル50は、少なくとも2対のキャスターをさらに備える。優先的には、キャスターは、テーブル50を容易に動かしかつ設置するためのキャスター車輪ブレーキを備える回転キャスターである。これは、一人で取り扱いおよび運搬を行うことができる可搬型デバイス10の提供を可能とする。この実施形態は、セラピストによって運搬され得る、上肢のリハビリテーションおよび/または評価のための両手リハビリテーション装置5を提供するのに特に有利である。
【0103】
一実施形態では、テーブル50は、例えば、対象に動作指示を音響的に伝達するためのスピーカーをさらに備える。
【0104】
図3Aは、本開示に係る装置5の正面図である。この例では、所定の特性102および目標軌道103が、表示面100に表示されている。したがって、装置5とやり取りするユーザーは、表示された特性102に準拠した物体30(
図4Aの物体など)を使用して目標軌道103を再現し得る。
【0105】
この例では、表示された特性102は、テキスト要素のとおりである。しかしながら、いくつかの実施形態では、表示された特性102は、異なる音声または視覚要素であり得る。
【0106】
図3Bは、
図3Aの装置5の側面図であり、テーブルトップ51の回転が、より良く示されている。
【0107】
図4A、
図4B、および
図4Cは、3つの例示的物体30の斜視図である。より正確には、そこに示された物体30は、その対称軸の両端に2つのハンドル310を有する車輪300を備える。したがって、車輪300は、物体30をデバイス10と接触させて置き、例えば、表示された軌道103を再現するために、ハンドル310が前述の物体30をデバイス10上で動かすことを可能とする。
【0108】
図4Aの物体30の車輪300は、平滑であるが、
図4Bおよび
図4Cの物体30の車輪310は、異なるテクスチャを有する。
【0109】
図4Bおよび
図4Cに見られるように、テクスチャ加工車輪300は、それらの外周に規則的な距離で配置された歯を有し得る。これらの例では、隣接歯間の距離は、
図4Cの車輪300と比較して
図4Bの車輪の方が大きい。
【0110】
この場合、デバイス10は、外周に存在する歯のサイズおよび間隔に従って、異なる車輪300を認識可能であり得る。
【0111】
この実施形態は、異なる間隔および歯のサイズによって特徴付けられる2つの別個の車輪300を通してデバイス10と同時にやり取りする2人のユーザーを区別するのに特に有利である。
【0112】
一実施形態では、物体30は、物体支持体40の上にある。
【0113】
図5Aおよび
図5Bはそれぞれ、支持体40が平坦な表面10(この場合、円)および支持脚410を備える第1の実施形態に係る、支持体40の底面図および側面図である。
【0114】
前述の支持脚410は、光ビームの妨害を最小限にする、障害物の第1のパターンを作り出すように配置される。
【0115】
図6Aおよび
図6Bはそれぞれ、平坦な表面400が円であり、支持脚410が、光ビームの妨害を最小限にする、障害物の第2のパターンを作り出すように配置される第2の実施形態に係る、物体支持体40の底面図および側面図である。
【0116】
物体支持体40は、物体30がその上にある、3つ以上の支持脚410に載った平坦な表面400を備える。支持脚410は、既定の距離で互いから間隔をあけており、その結果、物体支持体40が検出面110上に置かれた時に、それらは、光ビームの妨害を最小限にするように構成された障害物のパターンを作り出す。
【0117】
光ビームの妨害を最小限にする、障害物の前述のパターンの第1の例は、
図5の脚410によって提供される。光ビームの妨害を最小限にする、障害物のパターンの第2の例は、
図6に示された脚によって提供される。
【0118】
図7および
図8は、それぞれ
図5および
図6に示された物体支持体40の斜視図である。
【0119】
物体支持体40の平坦な表面400は、円であり得る。
【0120】
しかしながら、いくつかの実施形態では、表面400は、異なる形状を有してよく、例えば、多角形であり得る。
【0121】
一実施形態では、処理ユニット120は、光の妨害が物体30または物体支持体40によって引き起こされるかを認識することができる。例えば、少なくとも1つの光ビームを妨害する物体30の形状を決定した後に。
【0122】
一実施形態では、物体支持体40は、表示面100から着脱可能である。これは、物体支持体40を使用するか否かの可能性を提供するという利点を有する。
【0123】
好ましい実施形態では、物体支持体40は、3つの支持脚410を備え、それにより、光ビームの妨害を最小限にしながら、物体30の安定性を確保する。この実施形態の例は、
図5~8に示される。
【0124】
支持脚410は、任意の形状であってよい。
【0125】
例えば、
図5~8に見られるように、支持脚410は、円筒形であってよい。一実施形態では、円筒形脚は、0.8cm以下の直径を有する。一実施形態では、円筒形脚は、0.8cm以上の直径を有する。
【0126】
一実施形態では、支持脚410は、正方形または長方形である。一実施形態では、正方形または長方形の脚410は、1.1cm以下の幅および長さを有する。一実施形態では、正方形または長方形の脚410は、1.1cm以上の幅および長さを有する。
【0127】
一実施形態では、物体支持体40の支持脚410は、サイズが同一である。別の実施形態では、物体支持体40の支持脚410は、サイズが同一ではない。
【0128】
物体支持体40の支持脚410は、物体支持体40が検出面110上に置かれた時に、物体支持体40の平坦な表面400も、前述の平坦な表面400の上にある物体30も、光ビームの妨害を引き起こさないように、十分に高いべきである。これは、光ビームの妨害を最小限にする障害物のパターンを確実に作り出す。
【0129】
一実施形態では、物体支持体40の支持脚410は、1cm以上の高さを有する。
【0130】
一実施形態では、処理ユニット120は、
-各パターンが少なくとも1つの物体特性に関連する、パターンのライブラリを入力として受信し、
-光検出器112から生成された信号に基づいて、検出面110と接触する障害物のパターンの存在を決定し、
-障害物のパターンをライブラリ中のパターンと比較し、
-障害物のパターンがライブラリ中のパターンと一致する場合、物体30の特性を決定し、物体30の特性は、ライブラリ中の一致するパターンに関連する少なくとも1つの物体特性である
ようにさらに構成される。
【0131】
障害物のパターンは、光ビームの妨害を最小限にするように構成されるため、この実施形態は、検出可能な物体30の数の増加を可能とする。さらに、これは、物体30の位置、向き、および形状に関する情報の損失を回避する。
【0132】
一実施形態では、本デバイス10は、1つ以上の物体支持体40とともに使用され得る。例えば、デバイス10は、5つまでの物体支持体40とともに使用され得る。一実施形態では、本デバイスは、少なくとも5つの物体支持体40とともに使用され得る。一実施形態では、本デバイスは、同時に5つ以上の異なる物体30を検出し、正確に特定することを可能とする。
【0133】
有利には、物体支持体40はまた、サイズが大きく異なる物体30の位置、向き、および形状の検出を可能とする。実際、大小の、サイズが大きく異なる物体30が、検出面110上で同じ光ビーム中に置かれた場合、より大きい物体30は、より小さい物体を妨害することになり(例えば、大きい物体は、1つ以上の光ビームを、それらが小さい物体に到達する前に遮断し得る)、より小さい物体30の位置および形状の決定における精度の低下をもたらす。
【0134】
好ましい実施形態では、物体支持体40は、面ファスナ取り付け機構を介して物体30に可逆的に取り付けられる。例えば、物体30は、ループ面を備え得、着脱可能な物体支持体40の物体側は、フック面を備え得る。
【0135】
一実施形態では、物体支持体40は、磁気的取り付け手段またはスナップフィッティングを介して物体30に可逆的に取り付けられ得る。
【0136】
一実施形態では、ライブラリ中のパターンの各々は、少なくとも3つの値を含み、
処理ユニット120は、以下の操作:
-障害物のパターンを表す少なくとも3つの幾何学的値を計算すること、
-幾何学的値をライブラリ中の少なくとも3つの値と比較すること
を介して、障害物のパターンをライブラリ中のパターンと比較するように構成される。
【0137】
一実施形態では、障害物のパターンを表す幾何学的値は、支持脚410間の距離である。一実施形態では、障害物のパターンを表す幾何学的値は、支持脚410を接続する線分間の角度である。一実施形態では、幾何学的値は、上に記載されたような距離および角度の組み合わせである。
【0138】
一実施形態では、パターンのライブラリ中の各パターンは、少なくとも1つの好ましい向きに関連する。この実施形態では、処理ユニット120は、
-検出面110と接触する障害物のパターンの向きを決定し、
-障害物のパターンがライブラリ中のパターンと一致する場合、決定された向きを、ライブラリ中の一致するパターンに関連する向きと比較する
ようにさらに構成される。
【0139】
検出面110は、物体の位置および形状などの、光ビームの妨害に影響を及ぼす物体30の特性に基づいて、物体30を特定することを可能とする。したがって、例えば、色、温度、テクスチャなどの、光ビームの妨害に影響を及ぼさない物体30の特性に基づいて、物体30を特定することは不可能である。
【0140】
しかしながら、物体支持体40は、物体支持体40の脚410によって定められる障害物のパターンに基づいて、検出面110上の物体30を特定することを可能とする。言い換えれば、物体支持体40は、前述の物体支持体40の障害物の特定のパターンに関連する特性に基づいて、物体30を特定することを可能とする。これは、各パターンが少なくとも1つの物体特性に関連する、パターンのリストを含むライブラリを使用することで確実になる。
【0141】
光ビームを妨害する障害物のパターン(すなわち、物体支持体40の脚410)は、
物体支持体40の上にある物体30の特性を決定し、かつ/または前述の物体30を特定するために、ライブラリに保存されたパターン(基準パターンとも呼ばれる)と比較される。
【0142】
したがって、物体支持体40の使用は、光ビームの妨害に影響を及ぼす、物理的特性に限定されない物体30の特性に基づいて、検出面110上の物体30を特定することを可能とする。これは、対象に提供されるリハビリテーションエクササイズの多様さおよび/または複雑さの増加を可能とする。
【0143】
一実施形態では、表示面100は、光ビームの妨害に影響を及ぼさない少なくとも1つの所定の特性102を表示するように構成され、処理ユニット120は、
-検出面110と接触する物体30の存在を決定し(例えば、検出面110上の光ビームの妨害を検出する)
-光検出器112から生成された信号に基づいて、検出面110と接触する物体支持体40の障害物のパターンの存在を決定し、
-障害物のパターンをライブラリ中のパターンと比較し、
-物体30の特性を決定し、物体30の前述の特性は、物体支持体40の障害物のパターンとライブラリ中の一致するパターンに関連する物体特性であり、
-物体30の決定された特性を、先に表示された所定の特性102と比較し、
-比較に基づいて、類似性メトリックを計算する
ように構成される。
【0144】
言い換えれば、障害物のパターンがライブラリ中のパターンと一致する場合、処理ユニット120は、物体30の特性を決定するように構成され、物体30の前述の特性は、ライブラリ中の一致するパターンに関連する物体特性である。
【0145】
光ビームの妨害に影響を及ぼさない物体30の特性は、物体の色、物体の重量、物体の温度、物体の材料、または物体のテクスチャであり得る。
【0146】
一実施形態では、表示面100は、例えば、「平滑な」、「粗い」、「弾力のある」、「硬い」、「粘着性の」、またはそれらの組み合わせなどの、物体のテクスチャを表示し得る。
【0147】
一実施形態では、表示面100は、例えば、「ゴム」、「プラスチック」、「金属」、「布」、「木」、またはそれらの任意の組み合わせなどの、物体の材料を表示し得る。
【0148】
この実施形態は、多感覚のリハビリテーションエクササイズの提供を可能とする。実際、表示された所定の特性102に基づいて、デバイスは、有利には、認知、視覚、および/または触覚リハビリテーションエクササイズの提供を可能とする。
【0149】
類似性メトリックは、対象のパフォーマンスについての情報を提供し、それにより、対象の上肢の定量的かつ客観的な評価を可能とする。さらに、連続したリハビリテーションセッションにおいて計算された類似性メトリックは、対象の進歩についての情報を提供する。
【0150】
一実施形態によれば、類似性メトリックは、表示された所定の形状と重なる物体の表面積と、所定の形状の全表面積との間の比率である。
【0151】
処理ユニットは、接触点の数または決定された物体の形状に基づいて、物体の表面積を計算し得る。
【0152】
一実施形態では、物体の表面積は、物体のすべての接触点を含有する長方形の表面積である。
【0153】
一実施形態によれば、類似性メトリックは、物体30の位置と、表示面100に表示された所定の形状または目標軌道103との間の距離である。好ましい実施形態では、物体30の位置は、物体の中心である。物体の中心は、物体形状の幾何学的中心であり得るか、または障害物のパターンの障害物を頂点として有する三角形の重心、外心、垂心、もしくは内心であり得る。
【0154】
一実施形態では、類似性メトリックは、少なくとも2つの類似性メトリックの組み合わせ、例えば、上で定義された表面積比および距離の、線形結合または多項式結合などの組み合わせである。
【0155】
類似性メトリックは、上肢評価の提供を可能とする。表示された所定の形状101または所定の特性102または目標軌道103に応じて、以下の例によってより良く示されるように、特定の運動または認知スキルが評価され得る。
【0156】
図9は、いくつかの形状101が表示されている表示面100を有するデバイス10の一例を示す。より正確には、2セットの互いに離隔した6つの正方形が表示されている。一方の正方形のセットは、表示面100の左側に表示され、他方の正方形のセットは、表示面100の右側に表示されている。この実施形態は、以下で説明されるように、対象の手先の器用さを評価するのに特に有利である。
【0157】
第1の類似性メトリックは、対象が表示面100に置いた物体30の表面と、表示された正方形の表面との間の重なりに基づいて計算され得る。したがって、類似性メトリックは、表示された正方形と完全に重なった物体で最大、表示された正方形の外側にある物体30で最小となるであろう。
【0158】
さらに、表示面100の左側で物体30を動かしている左上肢、および表示面100の右側で物体30を動かしている右上肢について、別個の類似性メトリックを計算することが可能である。したがって、上肢を別々に評価することが可能である。
【0159】
類似性メトリックはまた、物体30をある形状から別の形状へ動かす時間を考慮することによって計算され得る。例えば、類似性メトリックは、既定の時間中に対象によって動かされた物体30が到達した正方形の数に基づいて計算され得る。「物体30が到達した」は、物体30の少なくとも一部が、表示された正方形101と重なっていることを意味する。
【0160】
図10は、隣接する形状101(より正確には、長方形)で作られたマトリックスが表示されている表示面100を有するデバイス10の別の例を示す。斜線パターンを有する長方形101は、対象によって動かされた物体30が到達したマトリックスの長方形101を表す。逆に、白色長方形101は、物体30が到達していない長方形101を表す。この場合、類似性メトリックは、例えば、斜線長方形101の表面積と、マトリックスの全表面積との間の比率に基づいて計算され得る。
【0161】
したがって、この実施形態は、可動域を評価するのに特に有利である。
【0162】
図11は、正方形101および直線軌道103が表示されている表示面100を有するデバイス10の別の例を示す。この実施形態は、動きの滑らかさ、直線性、速さ、および正確さなどの、様々な運動パラメータを評価するのに特に有利である。
【0163】
図11の形状101および軌道103は、2つの別個のエクササイズを提供するように、別々に表示され得る。
【0164】
例えば、第1のエクササイズは、物体を正方形の上に置くこと、および前述の物体30を矢印で示された方向に回転させることからなり得る。この場合、類似性メトリックは、期待される回転(矢印)と比較するために、経時的な物体の向きに基づいて計算され得る。
【0165】
第2のエクササイズは、軌道103の初期位置(より小さい円で表される)に指である物体30を置くこと、およびそれを前述の軌道103の最終位置(より小さい円で表される)に向かって動かすことからなり得る。この場合、類似性メトリックは、物体30の初期および最終位置と、軌道103の初期および最終位置との間の距離に基づいて計算され得る。
【0166】
一実施形態では、本発明の表示面100は、エクササイズが正しく行われたかを示すフィードバックを表示するようにさらに構成される。フィードバックは、類似性メトリックおよび/または類似性メトリックの関数であり得る。
【0167】
フィードバックは、類似性メトリックならびに対象に関連するパラメータおよび/またはタスク難易度に関連するパラメータなどの他のパラメータの関数であり得る。一実施形態では、第1の視覚フィードバックは、類似性メトリックが閾値より低い場合に表示され、第2の視覚フィードバックは、類似性メトリックが前述の閾値を超えた場合に表示される。前述の第1および第2の視覚フィードバックは、緑および赤などの2つの異なる色であり得る。
【0168】
一実施形態では、エクササイズが正しく行われたことを示すフィードバックは、類似性メトリックが値の所定の範囲内に含まれる場合に表示され、エクササイズが正しく行われなかったことを示すフィードバックは、類似性メトリックが値の所定の範囲外にある場合に表示される。値の範囲は、動的エクササイズではより大きく、細かい上肢の動きを必要とする精密なエクササイズではより小さくなり得る。
【0169】
一実施形態では、値の所定の範囲は、0cm~3cmに含まれる。この実施形態は、細かい動きを伴うリハビリテーションエクササイズを提供するのに特に有利である。
【0170】
一実施形態では、値の所定の範囲は、0cm~6cmに含まれる。この実施形態は、素早い動きを伴うリハビリテーションエクササイズを提供するのに特に有利である。
【0171】
一実施形態では、デバイスは、スピーカーシステムをさらに備え、フィードバックは、視聴覚フィードバックである。
【0172】
フィードバックは、「はい」または「いいえ」などのカテゴリー変数、1から10の段階での評価などの離散変数、または連続変数を含み得る。
【0173】
一実施形態では、デバイスは、メモリをさらに備える。メモリは、形状のデータベース、パターンのライブラリ、またはフィードバックのリストなどの、対象に対して中立のデータ、および計算された類似性メトリック、計算された距離、表示されたフィードバック、回転角などの、特定の対象に関するデータを保存するように構成される。一実施形態では、メモリは、対象が完了したリハビリテーションセッションおよび/または今後のリハビリテーションセッションに関連するデータをさらに保存する。
【0174】
一実施形態では、処理ユニットは、類似性メトリックなどの、リハビリテーションセッション中に計算および/または収集されたパラメータに基づいて、対象の上肢を評価するための上肢評価アルゴリズムを実行するように構成される。
【0175】
アルゴリズムは、リハビリテーションセッション中に計算および/または収集されたパラメータの統計分析を行うように構成され得る。
【0176】
本発明はまた、対象の上肢評価および/または両手リハビリテーションのための方法に関する。
【0177】
図12は、本開示に準拠した方法の主なステップを示し、これは、
a)上に記載されたような発光体のアレイおよび光検出器のアレイを備えたデバイスに、表示面100に対して所定の位置および所定の向きを有する少なくとも1つの所定の形状101を表示するステップS10、
b)光検出器112から生成された信号を入力として受信するステップS20、
c)受信された信号に基づいて、検出面110上の少なくとも1つの光ビームを妨害する物体30の存在を決定するステップS30、
d)インタラクティブスクリーン上に置かれた物体30の位置および/または形状を決定するステップS40、
e)表示面100に表示された形状101の所定の位置、向き、および形状の少なくとも1つ、ならびに物体30の先に決定された位置、向き、および形状のそれぞれ少なくとも1つに基づいて、類似性メトリックを計算するステップS50
を含む。
【0178】
言い換えれば、計算ステップS50は、物体30の位置および/または形状を、所定の形状101と比較し、比較に基づいて、類似性メトリックを計算することを可能とする。
【0179】
方法は、対象が様々なタイプの両手リハビリテーションエクササイズを行うことを可能とする。方法はまた、上肢の評価を可能とする。一実施形態では、少なくとも1つの所定の形状は、ビデオゲーム環境下で提供され、その結果、両手リハビリテーションエクササイズは、例えば街づくりゲームなどの、ゲームに関連して行われる。
【0180】
図13は、少なくとも1つの所定の形状101を表示するステップS10が、所定の特性102を表示することをさらに含む、1つの特定の実施形態を示す。この場合、方法は、
-物体30の決定された形状を、ライブラリに保存されたパターンのリストと比較するステップS41であって、各パターンは少なくとも1つの物体特性に関連する、ステップS41、
-物体30の決定された形状がライブラリ中のパターンと一致する場合、物体30の特性を決定するステップS42であって、物体30の前述の特性は、ライブラリ中の一致するパターンに関連する物体特性である、ステップS42
をさらに含み得る。
【0181】
言い換えれば、決定ステップS42は、ライブラリ中の一致するパターンに関連する少なくとも1つの物体特性が、表示された物体特性102に類似しているかの決定を可能とする。
【0182】
図13の方法は、デバイス10上に物体支持体40の上にある物体30を置き、任意にそれを動かしている対象の上肢評価に特に適合する。
【0183】
ライブラリは、優先的には、少なくとも3つ、4つ、または5つのパターンを含む。
【0184】
一実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1つの第2の所定の形状101を表示するステップをさらに含み、前述の少なくとも1つの第2の所定の形状は、類似性メトリックに基づいて、形状のデータベースから選択される。
【0185】
図14は、方法が、
f.1)難易度を入力として受信するステップS60、
f.2)少なくとも1つの第2の形状101を表示するステップS70であって、少なくとも1つの第2の形状101は、難易度および/または類似性メトリックに基づいて、形状101のデータベースから選択される(S61)、ステップ
をさらに含む、1つの特定の実施形態を示す。
【0186】
図14の例では、少なくとも1つの第2の形状101は、難易度に基づいて選択される。しかしながら、前述の第2の形状は、類似性メトリックに基づいて選択されてもよい。この場合、難易度の受信ステップS60は、任意である。
【0187】
一実施形態では、複数の所定の形状101が表示され、複数の形状の各形状101は、反復的または周期的なリハビリテーションエクササイズを提供するために、時間間隔の終わりに表示される。
【0188】
一実施形態では、時間間隔は、一定の時間間隔である。
【0189】
一実施形態では、時間間隔は、類似性メトリックに基づいて選択される。例えば、複数の所定の形状の第Nの形状は、第N-1の形状に関連する類似性メトリックが所定の閾値を超えた場合に表示され得る。
【0190】
図14に見られるように、方法は、インタラクティブスクリーンを0°~90°の角度だけ回転させるステップS71をさらに含み得る。この実施形態では、方法は、
f.3)難易度を入力として受信するステップS60、
f.4)デバイス10をある角度だけ回転させるステップS71であって、回転の前述の角度は難易度に基づいて計算される(S62)、ステップ
を含む。
【0191】
この実施形態は、有利には、リハビリテーションエクササイズの難易度の増加または減少を可能とする。この実施形態は、回転角を増加させることによって、手首の伸展および手首の屈曲などの所望のリハビリテーション動作を提供することをさらに可能とする。水平面では、対象は、そのような動作を行うように刺激されないであろう。
【0192】
好ましい実施形態では、難易度は、セラピストによって選択される。例えば、セラピストは、対象が弱すぎる場合、難易度、したがって回転角を減少させることを選んでよい。
【0193】
別の実施形態では、難易度、続いて回転角は、所定のパラメータに応じて自動的に増加または減少され得る。例えば、難易度は、類似性メトリックによって測定される対象のパフォーマンスに応じて選択され得る。
【0194】
表示ステップS70および回転ステップS71は、組み合わせて(
図14に見られるように)、または代替として(すなわち、
図14に示されたフローチャートの左側の分岐または右側の分岐のみが行われる)、行われてよい。
【0195】
一実施形態では、少なくとも1つの所定の形状は、ビデオゲーム環境下で提供され、その結果、回転スクリーン上での両手リハビリテーションエクササイズは、例えばクライミングシミュレーションなどの、ゲームに関連して行われる。
【0196】
一実施形態では、方法のステップS20~S70またはS20~S71は、所定の反復頻度で周期的に繰り返される。
【0197】
一実施形態では、反復頻度は、セラピストによって選択された難易度に基づいて、処理ユニットによって計算される。
【0198】
一実施形態では、反復頻度は、500回/時間超、好ましくは1000回/時間超である。これにより、反復頻度が集中的リハビリテーションを提供するのに十分に高いことが保証される。
【0199】
この実施形態では、同じ所定の形状または異なる所定の形状が、反復頻度で表示されてよい。前述の形状は、ビデオゲーム環境下で提供され得、その結果、両手リハビリテーションエクササイズは、的を射るゲームなどの、ゲームに関連して行われる。
【0200】
図15は、本開示に準拠した方法の主なステップを示し、これは、
-上に記載されたような発光体のアレイおよび光検出器のアレイを備えたインタラクティブスクリーンに、始点、終点、および任意で始点と終点とを接続する線を含む、少なくとも1つの目標軌道103を表示するステップS11、
-光検出器から生成された信号を入力として受信するステップS21、
-受信された信号に基づいて、検出面110上の少なくとも1つの光ビームを妨害する物体30の存在を決定するステップ31、
-インタラクティブスクリーン上で変位している物体30の存在が決定された場合、初期物体位置および最終物体位置を含む物体軌道を得るように、物体30の位置を決定するステップS43、
-初期物体位置と目標軌道103の始点との間の第1の距離、および最終物体位置と目標軌道103の終点との間の第2の距離を計算するステップS51、
-任意で、第1および/または第2の距離に基づいて、フィードバックを表示するステップ
を含む。
【0201】
この実施形態では、フィードバックは、インタラクティブスクリーン上で動かされた物体30の初期物体位置および/または最終物体位置に関係し、したがって、物体が移動した経路には関係しない。この実施形態は、対象の指差しの正確さを訓練するための上肢リハビリテーションエクササイズを提供するのに特に有利である。
【0202】
一実施形態では、目標軌道103は、インタラクティブスクリーンに表示されたビデオゲームの、線路、街路、または迷路などの、グラフィック要素であり得、その結果、両手リハビリテーションエクササイズは、遊びに関連して行われる。
【0203】
図15に示された例では、物体軌道の初期物体位置および最終物体位置は、ステップS43の間に決定される。
【0204】
しかしながら、いくつかの例では、前述の物体軌道の中間位置も決定され得る。この場合、方法は、以下:
-初期物体位置、複数の中間物体位置、および最終物体位置を含む物体軌道を得るように、一定の時間間隔で、受信された信号に基づいて、上に記載されたようなインタラクティブスクリーン上で変位する物体30の位置を決定するステップ、
-複数の中間物体位置の各中間物体位置について、中間物体位置と目標軌道103との間の距離を計算するステップS51、
-計算された距離に基づいて、フィードバックをインタラクティブスクリーンに表示するステップ
をさらに含み得る。
【0205】
物体位置と目標軌道103との間の距離は、物体位置を、目標軌道上の最も近い点に結ぶ線分の長さを意味する。
【0206】
目標軌道103は、曲線、直線、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0207】
方法は、インタラクティブスクリーンに表示された目標軌道103を再現しながら、物体30を前述のスクリーン上で動かすことから構成される、両手で行うリハビリテーションタスクの提供を可能とし、計算される距離は、タスクを行う対象の評価を可能とする。
【0208】
各中間物体位置と目標軌道103との間の距離に関連するフィードバックは、インタラクティブスクリーン上で動かされた物体30の変位、および目標軌道103からのそのずれについての情報を提供することを可能とする。
【0209】
一実施形態では、計算された距離に基づくフィードバックは、物体30が最終物体位置に到達するまで、全エクササイズ期間中に、すなわち各距離計算後に、リアルタイムで表示される。
この実施形態は、対象にリアルタイムでそのパフォーマンスについて知らせることを可能とし、それにより、対象が物体30の動きをそれに応じて修正することを可能とする。
【0210】
一実施形態では、中間物体位置に関連するフィードバックは、物体30が最終物体位置に到達した時、すなわち、リハビリテーションエクササイズの終わりに表示される。物体30が最終物体位置に到達した時に表示されるフィードバックは、例えば平均距離などの、各中間物体位置について計算された距離すべての関数であり得る。
【0211】
一実施形態では、中間物体位置に関連するフィードバック、ならびに初期および最終物体位置に関連するフィードバックの両方が表示される。表示されるフィードバックは、視覚フィードバックまたは視聴覚信号であり得る。
【0212】
一実施形態では、本発明に係る方法は、処理ユニットによって、報告書を作成することをさらに含む。一実施形態では、方法は、作成された報告書を表示することをさらに含む。報告書は、上で定義されたような類似性メトリックおよび計算された距離などの、対象が行ったタスクに関するデータを含み得る。報告書は、対象の上肢の定量的かつ客観的な評価、および/または1つ以上のリハビリテーションセッション後の対象の進歩を提供する。報告書のデータは、折れ線グラフ、棒グラフ、散布図チャート、円グラフ、面グラフ、ヒストグラム、レーダーチャート、ヒートマップ、またはそれらの組み合わせとして表示され得る。
【0213】
一実施形態では、本デバイスは、フィードバック、類似性メトリック、報告書などの、対象の上肢を評価するための情報を、セラピストが視覚化することを可能とする、セラピスト側のGUIを備える。
【0214】
一実施形態によれば、上に記載されたような所定の形状101、所定の特性102、および目標軌道103は、対象がリハビリテーションセッションに確実に没頭するように、ビデオゲームのシナリオ中に提供される。
【0215】
さらに、本発明では、リハビリテーションセッションへの対象の没頭は、実際の生活の場面をシミュレートするゲームのシナリオを使用することによって、かつ/または日常的な物体を使用することによって、さらに高められる。例えば、インタラクティブスクリーン10の回転は、クライミングゲームに関連して提供され得る。例えば、一定の所定の形状は、街づくりゲームに関連して提供され得る一方で、異なる瞬間に表示される異なる形状101は、的を射るゲームに関連して提供され得る。
【0216】
一実施形態では、本デバイスは、セラピストが、治療用ビデオゲームのリストの中からビデオゲームを選択することを可能とする、セラピスト側のGUIを備える。
【0217】
有利には、本発明によって確保される高いレベルの没頭は、上肢の集中的機能リハビリテーションの提供を可能とする。
【0218】
一実施形態では、本発明は、運動障害を患っている子どもおよび大人、特に脳損傷患者のための、上肢の集中的機能リハビリテーション用のデバイスおよび方法を提供する。いくつかの例では、デバイスは、例えば、小児(または小児発達)の監視および調査、スポーツ、教育などのための、非医療的な文脈における上肢の評価に使用される。
【0219】
一実施形態では、インタラクティブスクリーンおよびデバイス10は、同じ意味を有する。
【0220】
本発明はまた、対象の両手リハビリテーションのためのコンピュータプログラム製品に関し、コンピュータプログラム製品は、プログラムがコンピュータによって実行されると、上に記載された方法のステップをコンピュータに行わせる命令を含む。
【0221】
上に記載されたような方法を行うコンピュータプログラム製品は、ハードウェア構成要素によって行われる動作を行うための機械または専用コンピュータとして動作するように、プロセッサまたはコンピュータを個々にまたは集合的に指示または構成するための、コンピュータプログラム、コードセグメント、命令、またはそれらの任意の組み合わせとして書かれ得る。一例では、コンピュータプログラム製品は、コンパイラによって生成される機械語などの、プロセッサまたはコンピュータによって直接実行される機械語を含む。別の例では、コンピュータプログラム製品は、インタープリタを使用してプロセッサまたはコンピュータによって実行される、より高水準のコードを含む。当業者のプログラマは、図面に示されたブロック線図およびフローチャート、ならびに上に記載されたような方法の動作を行うためのアルゴリズムを開示する、明細書中の対応する説明に基づいて、命令またはソフトウェアを容易に書くことができる。
【0222】
本発明はまた、プログラムがコンピュータによって実行されると、上に記載された実施形態のいずれか1つに係る方法のステップをコンピュータに行わせる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体に関する。
【0223】
一実施形態によれば、コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。
【0224】
本実施形態の方法を実装するコンピュータプログラムは、通常、SDカード、外部記憶デバイス、マイクロチップ、フラッシュメモリデバイス、携帯型ハードドライブ、およびソフトウェアウェブサイトなどであるが、これらに限定されない配布コンピュータ可読記憶媒体でユーザーに配布され得る。配布媒体から、コンピュータプログラムを、ハードディスクまたは類似の中間記憶媒体にコピーすることができる。コンピュータプログラムは、それらの配布媒体またはそれらの中間記憶媒体のいずれかから、コンピュータの実行メモリにコンピュータ命令をロードし、本発明の方法に従って作動するようにコンピュータを構成することによって、実行され得る。これらすべての操作は、コンピュータシステムの当業者によく知られている。
【0225】
プロセッサまたはコンピュータを制御してハードウェア構成要素を実装し、かつ上に記載されたような方法を行うための命令またはソフトウェア、ならびに任意の関連データ、データファイル、およびデータ構造は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記録、保存、または固定される。非一時的コンピュータ可読記憶媒体の例としては、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、CD-ROM、CD-R、CD+R、CD-RW、CD+RW、DVD-ROM、DVD-R、DVD+R、DVD-RW、DVD+RW、DVD-RAM、BD-ROM、BD-R、BD-R LTH、BD-RE、磁気テープ、フロッピーディスク、光磁気データ記憶デバイス、光データ記憶デバイス、ハードディスク、固体ディスク、ならびに、命令またはソフトウェア、ならびに任意の関連データ、データファイル、およびデータ構造を非一時的な方法で保存することができ、命令またはソフトウェア、ならびに任意の関連データ、データファイル、およびデータ構造をプロセッサまたはコンピュータに提供することができ、その結果、プロセッサまたはコンピュータが命令を実行することができる、当業者に知られている任意のデバイスが挙げられる。一例では、命令またはソフトウェア、ならびに任意の関連データ、データファイル、およびデータ構造は、ネットワークに結合されたコンピュータシステムを介して配布され、その結果、命令およびソフトウェア、ならびに任意の関連データ、データファイル、およびデータ構造は、プロセッサまたはコンピュータによって、分散方式で保存、アクセス、および実行される。
【0226】
様々な実施形態が、記載および説明されてきたが、発明を実施するための形態は、それに限定されると解釈されるべきではない。様々な変更が、特許請求の範囲により定義される本開示の真の趣旨および範囲を逸脱することなく、当業者によって実施形態に行われ得る。
【国際調査報告】