(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-21
(54)【発明の名称】生物学的環境において急速に不活性化する安全に摂取可能な電池及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/119 20210101AFI20230913BHJP
H01M 50/133 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/128 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/159 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/164 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/121 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/16 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/193 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/109 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/153 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/152 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/179 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/571 20210101ALI20230913BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20230913BHJP
【FI】
H01M50/119
H01M50/133
H01M50/128
H01M50/159
H01M50/164
H01M50/121
H01M50/16
H01M50/184 E
H01M50/193
H01M50/109
H01M50/153
H01M50/152
H01M50/179
H01M50/571
H01M50/531
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513382
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 US2021047379
(87)【国際公開番号】W WO2022046791
(87)【国際公開日】2022-03-03
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523063911
【氏名又は名称】フェンウッド ラブズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ローリクト, ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーバーグ, ジョナ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァスデヴァン, ラヴィクマール
(72)【発明者】
【氏名】ケリー, ザッカリー
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011BB03
5H011CC06
5H011CC10
5H011DD09
5H011DD15
5H011DD23
5H011FF03
5H011GG02
5H011HH02
5H011HH03
5H011JJ14
5H011KK01
5H043AA04
5H043BA02
5H043CA07
5H043EA03
5H043HA08D
5H043HA22D
5H043KA01E
5H043LA02E
(57)【要約】
本開示は、導電性水性環境(例えば、誤って飲み込まれた場合)において食道又は胃腸の損傷のリスクが低減されているか、又はそのリスクがない電池を提供する。電池は、いくつかの実施形態では、公称9V、3V又は1.5Vのコイン又はボタンセルタイプの電池である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池であって、
a)アノードケースと、
b)不活性化金属を含むカソードケースと、
c)アノード、カソード、及び前記アノードと前記カソードとの間に位置付けられたセパレータを備える、電気化学セルと、
d)前記アノードケースと前記カソードケースとの間のガスケットと、を備え、
前記不活性化金属が、100nm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、電池。
【請求項2】
前記不活性化金属が、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記不活性化金属が、100nm~1μm、100nm~3μm、100nm~5μm、100nm~10μm、1μm~400μm、3μm~100μm、3μm~50μm、15μm~300μm、14μm~200μm、25μm~50μm、50μm~400μm、50μm~300μm、50μm~200μm、50μm~175μm、55μm~400μm、55μm~300μm、55μm~200μm、60μm~400μm、60μm~300μm、60μm~200μm、200μm~300μm、又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記カソードケースが、前記不活性化金属を含む層から本質的になり、前記層が、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池。
【請求項5】
前記カソードケースが、前記不活性化金属を含む層からなり、前記層が、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれらの両方に外部コーティングを更に含み、前記外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれらの両方に外部コーティングを更に含み、前記外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、更に前記外部コーティングが、100nm~7μm、100nm~5μm、又は100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の電池。
【請求項8】
前記カソードケースが、カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池。
【請求項9】
前記カソードケースが、カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触しており、前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれらの両方に外部コーティングを更に含み、前記外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、前記外部コーティング及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池。
【請求項10】
前記カソードケースが、カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、から本質的になり、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項11】
前記カソードケースが、
カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、からなり、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項12】
前記カソード不活性化層が、1μm~400μm、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~400μm、又は50μm超~300μm、又は50μm超~200μm、又は50μm超~175μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項8~11のいずれか一項に記載の電池。
【請求項13】
前記カソード不活性化層が、1μm~400μm、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~400μm、又は50μm超~175μmの均一な又は変動する厚さを有し、前記カソード内部導電層が、75μm~350μm、又は125μm~350μm、又は200μm~300μm、又は25μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項8~12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記カソード不活性化層の厚さの前記内部導電層の厚さに対する比が、例えば、前記カソードケースの底部分の少なくともある点において、8:1~1:5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:5、又は6:1~1:3、又は6:1~1:2、又は6:1~1:1.1、又は6:1~1:1、3:1~1:5、又は3:1~1:3、又は3:1~1:2、又は3:1~1:1.1、又は3:1~1:1、又は2:1~1:5、又は2:1~1:3、又は2:1~1:2、又は2:1~1:1.1、又は2:1~1:1、又は8:1~1:2.5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:2、又は3:1~1:2である、請求項8~13のいずれか一項に記載の電池。
【請求項15】
前記外部コーティングが、100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項8~14のいずれか一項に記載の電池。
【請求項16】
前記外部コーティングが、Niを含む、請求項9~15のいずれか一項に記載の電池。
【請求項17】
前記カソード不活性化層と電気的に接触している前記カソード内部導電層の表面が、製造後に周囲環境に曝露されない、請求項8~16のいずれか一項に記載の電池。
【請求項18】
前記カソード不活性化層と電気的に接触している前記カソード内部導電層の表面の0.01mm
2未満、又は0.05mm
2未満、又は0.1mm
2未満、又は0.5mm
2未満、又は1.0mm
2未満、又は1.5mm
2未満が、製造後に周囲環境に曝露される、請求項17に記載の電池。
【請求項19】
前記カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
前記カソードケースが、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、前記カソードケースが、ヘムフォールドを含み、前記ヘムフォールドが、第1の側及び第2の側を含み、更に、前記第1及び第2の側の各々が、14μm~75μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層を有し、前記ヘムフォールドが、200μm~250μmの合計厚さを有し、前記ヘムフォールドの前記第1の側が、前記ヘムフォールドの前記第2の側に接触する、請求項1~18のいずれか一項に記載の電池。
【請求項20】
前記カソードケースが、ヘムフォールド構造を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の電池。
【請求項21】
前記カソード不活性化層が、第1の不活性化金属を含む第1の層と、第2の不活性化金属を含む第2の層と、を含む、請求項8~20のいずれか一項に記載の電池。
【請求項22】
前記カソード不活性化層が、Ta又はその合金を含む第1の層を含む、請求項8~21のいずれか一項に記載の電池。
【請求項23】
前記カソード不活性化層が、Ta又はその合金を含む第1の層を含み、前記第1の層が、1μm~3μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項8~22のいずれか一項に記載の電池。
【請求項24】
前記カソード不活性化層が、Nb又はその合金を含む第2の層を含む、請求項8~23のいずれか一項に記載の電池。
【請求項25】
前記カソード不活性化層が、Nb又はその合金を含む第2の層を含み、前記第2の層が、10μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項8~24のいずれか一項に記載の電池。
【請求項26】
前記カソード内部導電層が、100μm~350の均一な又は変動する厚さを有する、請求項8~25のいずれか一項に記載の電池。
【請求項27】
前記アノードケースが不活性化金属を含み、前記不活性化金属が、100nm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、請求項1~26のいずれか一項に記載の電池。
【請求項28】
前記アノードケースが、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の電池。
【請求項29】
前記アノードケースが、アノード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項1~28のいずれか一項に記載の電池。
【請求項30】
前記アノードケースが、アノード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触しており、前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、前記外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、前記外部コーティング及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項1~29のいずれか一項に記載の電池。
【請求項31】
前記アノードケースが、
アノード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、から本質的になり、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項1~3、8、又は10~29のいずれか一項に記載の電池。
【請求項32】
前記アノードケースが、アノード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、からなり、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項1~3、8、又は10~29のいずれか一項に記載の電池。
【請求項33】
前記アノード不活性化層が、100nm~1μm、100nm~3μm、100nm~5μm、100nm~10μm、1μm~400μm、3μm~100μm、3μm~50μm、15μm~300μm、14μm~200μm、25μm~50μm、50μm~400μm、50μm~300μm、50μm~200μm、50μm~175μm、55μm~400μm、55μm~300μm、55μm~200μm、60μm~400μm、60μm~300μm、60μm~200μm、200μm~300μm又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項29~32のいずれか一項に記載の電池。
【請求項34】
前記アノード不活性化層が、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有し、前記アノード内部導電層が、75μm~350μm、又は125μm~350μm、又は200μm~300μm、又は25μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項29~33のいずれか一項に記載の電池。
【請求項35】
前記アノード不活性化層が、第1の不活性化金属を含む第1の層と、第2の不活性化金属を含む第2の層と、を含む、請求項29~34のいずれか一項に記載の電池。
【請求項36】
前記アノード不活性化層が、
Ta又はその合金を含む第1の層を含む、請求項29~35のいずれか一項に記載の電池。
【請求項37】
前記アノード不活性化層が、
Ta又はその合金を含む第1の層を含み、前記第1の層が、1μm~3μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項29~36のいずれか一項に記載の電池。
【請求項38】
前記アノード不活性化層が、
Nb又はその合金を含む第2の層を含む、請求項29~37のいずれか一項に記載の電池。
【請求項39】
前記第2の層が、10μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項35~38のいずれか一項に記載の電池。
【請求項40】
前記アノード内部導電層が、100μm~350μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項22~32のいずれか一項に記載の電池。
【請求項41】
前記不活性化金属が、Re、W、又はそれらの合金を含む、請求項1に記載の電池。
【請求項42】
前記不活性化金属が、100nm~1μm、100nm~3μm、100nm~5μm、100nm~10μm、1μm~400μm、3μm~100μm、3μm~50μm、15μm~300μm、14μm~200μm、25μm~50μm、50μm~400μm、50μm~300μm、50μm~200μm、50μm~175μm、55μm~400μm、55μm~300μm、55μm~200μm、60μm~400μm、60μm~300μm、60μm~200μm、200μm~300μm、又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、請求項41に記載の電池。
【請求項43】
前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、前記外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、請求項41又は42に記載の電池。
【請求項44】
前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、前記外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、更に前記外部コーティングが、100nm~7μm、100nm~5μm、又は100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項41~43のいずれか一項に記載の電池。
【請求項45】
前記カソードケースが、カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項41~44のいずれか一項に記載の電池。
【請求項46】
前記カソードケースが、カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触しており、前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、前記外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、前記外部コーティング及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項41~45のいずれか一項に記載の電池。
【請求項47】
前記カソードケースが、カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、から本質的になり、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項41、42、又は45のいずれか一項に記載の電池。
【請求項48】
前記カソードケースが、
カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、からなり、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項41、42、又は45に記載の電池。
【請求項49】
前記カソード不活性化層が、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~400μm、又は50μm超~300μm、又は50μm超~200μm、又は50μm超~175μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項45~48のいずれか一項に記載の電池。
【請求項50】
前記カソード不活性化層が、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~400μm、又は50μm超~175μmの均一な又は変動する厚さを有し、前記カソード内部導電層が、75μm~350μm、又は125μm~350μm、又は200μm~300μm、又は25μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項45~49のいずれか一項に記載の電池。
【請求項51】
前記カソード不活性化層の厚さの前記内部導電層の厚さに対する比が、例えば、前記カソードケースの底部分の少なくともある点において、8:1~1:5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:5、又は6:1~1:3、又は6:1~1:2、又は6:1~1:1.1、又は6:1~1:1、3:1~1:5、又は3:1~1:3、又は3:1~1:2、又は3:1~1:1.1、又は3:1~1:1、又は2:1~1:5、又は2:1~1:3、又は2:1~1:2、又は2:1~1:1.1、又は2:1~1:1、又は8:1~1:2.5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:2、又は3:1~1:2である、請求項45~50のいずれか一項に記載の電池。
【請求項52】
前記外部コーティングが、100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項45~51のいずれか一項に記載の電池。
【請求項53】
前記外部コーティングが、Niを含む、請求項45~52のいずれか一項に記載の電池。
【請求項54】
前記カソード不活性化層と電気的に接触している前記カソード内部導電層の表面が、製造後に周囲環境に曝露されない、請求項45~53のいずれか一項に記載の電池。
【請求項55】
前記カソード不活性化層と電気的に接触している前記カソード内部導電層の表面の0.01mm
2未満、又は0.05mm
2未満、又は0.1mm
2未満、又は0.5mm
2未満、又は1.0mm
2未満、又は1.5mm
2未満が、製造後に周囲環境に曝露される、請求項45~54のいずれか一項に記載の電池。
【請求項56】
前記カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
前記カソードケースが、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、前記カソードケースが、ヘムフォールドを含み、前記ヘムフォールドが、第1の側及び第2の側を含み、更に、前記第1及び第2の側の各々が、14μm~75μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層を有し、前記ヘムフォールドが、200μm~250μmの合計厚さを有し、前記ヘムフォールドの前記第1の側が、前記ヘムフォールドの前記第2の側に接触する、請求項45~55のいずれか一項に記載の電池。
【請求項57】
前記カソードケースが、ヘムフォールド構造を含む、請求項45~56のいずれか一項に記載の電池。
【請求項58】
前記カソード不活性化層が、第1の不活性化金属を含む第1の層と、第2の不活性化金属を含む第2の層と、を含む、請求項45~57のいずれか一項に記載の電池。
【請求項59】
前記カソード不活性化層が、
Re、W又はそれらの合金を含む第1の層を含む、請求項45~58のいずれか一項に記載の電池。
【請求項60】
前記カソード不活性化層が、
Re、W又はこれらの合金を含む第1の層を含み、前記第1の層が、1μm~25μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項45~59のいずれか一項に記載の電池。
【請求項61】
前記カソード不活性化層が、
Nb又はその合金を含む第2の層を含む、請求項45~60のいずれか一項に記載の電池。
【請求項62】
前記カソード不活性化層が、
Nb又はその合金を含む第2の層を含み、前記第2の層が、5μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項45~61のいずれか一項に記載の電池。
【請求項63】
前記カソード内部導電層が、100μm~350の均一な又は変動する厚さを有する、請求項45~62のいずれか一項に記載の電池。
【請求項64】
前記アノードケースが、不活性化金属を含み、前記不活性化金属が、100nm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、請求項41~63のいずれか一項に記載の電池。
【請求項65】
前記アノードケースが、Re、W又はそれらの合金を含む不活性化金属を含む、請求項41~64のいずれか一項に記載の電池。
【請求項66】
前記アノードケースが、アノード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項41~65のいずれか一項に記載の電池。
【請求項67】
前記アノードケースが、アノード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触しており、前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、前記外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、前記外部コーティング及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項41~66のいずれか一項に記載の電池。
【請求項68】
前記アノードケースが、
アノード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、から本質的になり、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項41、42、45、又は47~66のいずれか一項に記載の電池。
【請求項69】
前記アノードケースが、
アノード内部導電層と
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、からなり、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項41、42、45、又は47~66のいずれか一項に記載の電池。
【請求項70】
前記アノード不活性化層が、100nm~1μm、100nm~3μm、100nm~5μm、100nm~10μm、1μm~400μm、3μm~100μm、3μm~50μm、15μm~300μm、14μm~200μm、25μm~50μm、50μm~400μm、50μm~300μm、50μm~200μm、50μm~175μm、55μm~400μm、55μm~300μm、55μm~200μm、60μm~400μm、60μm~300μm、60μm~200μm、200μm~300μm又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項66~69のいずれか一項に記載の電池。
【請求項71】
前記アノード不活性化層が、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有し、前記アノード内部導電層が、75μm~350μm、又は125μm~350μm、又は200μm~300μm、又は25μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項66~70のいずれか一項に記載の電池。
【請求項72】
前記アノード不活性化層が、第1の不活性化金属を含む第1の層と、第2の不活性化金属を含む第2の層と、を更に含む、請求項66~71のいずれか一項に記載の電池。
【請求項73】
前記アノード不活性化層が、Re、W又はそれらの合金を含む第1の層を更に含む、請求項66~72のいずれか一項に記載の電池。
【請求項74】
前記アノード不活性化層が、Re、W、又はそれらの合金を含む第1の層を更に含み、前記第1の層が、1μm~3μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項66~72のいずれか一項に記載の電池。
【請求項75】
前記アノード不活性化層が、Nb又はその合金を含む第2の層を更に含む、請求項66~72のいずれか一項に記載の電池。
【請求項76】
前記アノード不活性化層が、Nb又はその合金を含む第2の層を更に含み、前記第2の層が、10μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項66~72のいずれか一項に記載の電池。
【請求項77】
前記アノード内部導電層が、100μm~350μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項66~72のいずれか一項に記載の電池。
【請求項78】
前記不活性化金属が、Ti又はその合金を含み、前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを任意選択的に含み、前記外部コーティングが、Al、Cu、Cr、若しくはZn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の電池。
【請求項79】
前記不活性化金属が、50μm超~300μm、又は50μm超~200μm、200μm~300μm、又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、請求項78に記載の電池。
【請求項80】
前記カソードケースが、前記不活性化金属を含む層から本質的になり、前記層が、50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項78又は80に記載の電池。
【請求項81】
前記カソードケースが、前記不活性化金属を含む層からなり、前記層が、50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項78又は80に記載の電池。
【請求項82】
前記外部コーティングが、前記アノードケースの前記外面及び前記カソードケースの前記外面上の両方に存在する、請求項78~81のいずれか一項に記載の電池。
【請求項83】
前記外部コーティングが、前記アノードケースの前記外面上に存在する、請求項78~81のいずれか一項に記載の電池。
【請求項84】
前記外部コーティングが、前記カソードケースの前記外面上に存在する、請求項78~83のいずれか一項に記載の電池。
【請求項85】
前記外部コーティングが、100nm~7μm、100nm~5μm、又は100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項78~84のいずれか一項に記載の電池。
【請求項86】
前記カソードケースが、カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項78~85のいずれか一項に記載の電池。
【請求項87】
前記カソードケースが、カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触しており、前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、前記外部コーティングが、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、前記外部コーティング及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項78~86のいずれか一項に記載の電池。
【請求項88】
前記カソードケースが、
カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、から本質的になり、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項78~81又は86のいずれか一項に記載の電池。
【請求項89】
前記カソードケースが、カソード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むカソード不活性化層と、からなり、前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、電気的に接触している、請求項78~81又は86のいずれか一項に記載の電池。
【請求項90】
前記カソード不活性化層が、50μm超~400μm、又は50μm超~300μm、又は50μm超~200μm、又は50μm超~175μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項86~89のいずれか一項に記載の電池。
【請求項91】
前記カソード内部導電層が、75μm~350μm、又は125μm~350μm、又は200μm~300μm、又は25μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項86~90のいずれか一項に記載の電池。
【請求項92】
前記カソード不活性化層の厚さの前記内部導電層の厚さに対する比が、例えば、前記カソードケースの底部分の少なくともある点において、8:1~1:5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:5、又は6:1~1:3、又は6:1~1:2、又は6:1~1:1.1、又は6:1~1:1、3:1~1:5、又は3:1~1:3、又は3:1~1:2、又は3:1~1:1.1、又は3:1~1:1、又は2:1~1:5、又は2:1~1:3、又は2:1~1:2、又は2:1~1:1.1、又は2:1~1:1、又は8:1~1:2.5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:2、又は3:1~1:2である、請求項86~91のいずれか一項に記載の電池。
【請求項93】
前記外部コーティングが、100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項86~92のいずれか一項に記載の電池。
【請求項94】
前記外部コーティングが、Niを含む、請求項86~93のいずれか一項に記載の電池。
【請求項95】
前記カソード不活性化層と電気的に接触している前記カソード内部導電層の表面が、製造後に周囲環境に曝露されない、請求項86~94のいずれか一項に記載の電池。
【請求項96】
前記カソード不活性化層と電気的に接触している前記カソード内部導電層の表面の0.01mm
2未満、又は0.05mm
2未満、又は0.1mm
2未満、又は0.5mm
2未満、又は1.0mm
2未満、又は1.5mm
2未満が、製造後に周囲環境に曝露される、請求項86~95のいずれか一項に記載の電池。
【請求項97】
前記カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
前記カソードケースが、200pm~250pmの均一な又は変動する厚さを有し、前記カソードケースが、ヘムフォールドを含み、前記ヘムフォールドが、第1の側及び第2の側を含み、更に、前記第1及び第2の側の各々が、14μm~75pmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層を有し、前記ヘムフォールドが、200μm~250μmの合計厚さを有し、前記ヘムフォールドの前記第1の側が、前記ヘムフォールドの前記第2の側に接触する、請求項86~95のいずれか一項に記載の電池。
【請求項98】
前記カソードケースが、ヘムフォールド構造を含む、請求項86~97のいずれか一項に記載の電池。
【請求項99】
前記アノードケースが不活性化金属を含み、前記不活性化金属が、50μm超~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、請求項86~98のいずれか一項に記載の電池。
【請求項100】
前記アノードケースが、Ti又はその合金を含む不活性化金属を含み、前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを任意選択的に含み、前記外部コーティングが、Al、Cu、Cr、若しくはZn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、請求項86~99のいずれか一項に記載の電池。
【請求項101】
前記アノードケースが、アノード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項86~100のいずれか一項に記載の電池。
【請求項102】
前記アノードケースが、アノード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触しており、前記電池が、前記アノードケースの外面、又は前記カソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、前記外部コーティングが、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み、前記外部コーティング及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項86~101のいずれか一項に記載の電池。
【請求項103】
前記アノードケースが、
アノード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、から本質的になり、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項78~81、86、又は88~101のいずれか一項に記載の電池。
【請求項104】
前記アノードケースが、
アノード内部導電層と、
前記不活性化金属を含むアノード不活性化層と、からなり、前記アノード内部導電層及び前記アノード不活性化層が、電気的に接触している、請求項78~81、86、又は88~101のいずれか一項に記載の電池。
【請求項105】
前記アノード不活性化層が、50μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項101~104のいずれか一項に記載の電池。
【請求項106】
前記アノード内部導電層が、100μm~350μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項101~105のいずれか一項に記載の電池。
【請求項107】
カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又は両方に配設された少なくとも1つの結合層を更に含み、前記内部導電層及び前記不活性化層が、電気的に接触したままである、請求項1~106のいずれか一項に記載の電池。
【請求項108】
カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又は両方に配設された少なくとも1つの結合層を更に含み、前記内部導電層及び前記不活性化層が、電気的に接触したままであり、前記少なくとも1つの結合層が導電性材料を含む、請求項1~107のいずれか一項に記載の電池。
【請求項109】
カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又は両方に配設された少なくとも1つの結合層を更に含み、前記内部導電層及び前記不活性化層が、電気的に接触したままであり、前記少なくとも1つの結合層が金属を含む、請求項1~108のいずれか一項に記載の電池。
【請求項110】
カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又は両方に配設された少なくとも1つの結合層を更に含み、前記内部導電層及び前記不活性化層が、電気的に接触したままであり、前記少なくとも1つの結合層が接着剤を含む、請求項1~109のいずれか一項に記載の電池。
【請求項111】
カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又は両方に配設された少なくとも1つの結合層を更に含み、前記内部導電層及び前記不活性化層が、電気的に接触したままであり、前記少なくとも1つの結合層が接着剤を含み、前記接着剤が、感圧接着剤、ゴム系接着剤、エポキシ、ポリウレタン、シリコーン接着剤、フェノール樹脂、UV硬化性接着剤、アクリレート接着剤、積層接着剤、フルオロポリマー、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、請求項1~110のいずれか一項に記載の電池。
【請求項112】
前記積層接着剤が、低密度若しくは高密度ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリオレフィン誘導体、酸含有接着剤、アイオノマー、エチレンのターポリマー、アクリレート、又はエチレン-酢酸ビニルを含む、請求項111に記載の電池。
【請求項113】
前記酸含有接着剤が、EAA、EMAA、アイオノマー、エチレンのターポリマー、酸、又はアクリレートを含む、請求項112に記載の電池。
【請求項114】
前記少なくとも1つの結合層が、100nm~400μm、100nm~350μm、1μm~350μm、200μm~350μm、1μm~50μm、5μm~50μm、50μm~250μm、又は5μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項107~113のいずれか一項に記載の電池。
【請求項115】
アノード内部導電層及び/又はカソード内部導電層が、アルミニウム、ステンレス鋼、クロム、金、バナジウム、ニッケル、銀、銅、マグネシウム、亜鉛、それらの合金、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む、請求項1~114のいずれか一項に記載の電池。
【請求項116】
アノード内部導電層及び/又はカソード内部導電層が、ステンレス鋼を含む、請求項1~115のいずれか一項に記載の電池。
【請求項117】
前記ステンレス鋼が、SS304、SS316、SS430、二相2205、二相2304、二相2507、又は10重量%以上のクロム含有量及び/若しくは0.1重量%以上のニッケル含有量を有する1つ若しくは複数の他の鋼を含む、請求項1~116のいずれか一項に記載の電池。
【請求項118】
不活性化層中に前記不活性化金属を含む、請求項1~117のいずれか一項に記載の電池。
【請求項119】
不活性化層中に前記不活性化金属を含み、前記不活性化層が、第1の不活性化金属を含む第1の層と、第2の不活性化金属を含む第2の層と、を含む、請求項1~118のいずれか一項に記載の電池。
【請求項120】
前記不活性化金属が、実質的に純粋な金属である、請求項1~119のいずれか一項に記載の電池。
【請求項121】
前記不活性化金属が、合金である、請求項1~120のいずれか一項に記載の電池。
【請求項122】
前記不活性化金属が、少なくとも2つの不活性化金属の合金を含む、請求項1~121のいずれか一項に記載の電池。
【請求項123】
前記アノードケースが、50μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項1~122のいずれか一項に記載の電池。
【請求項124】
前記カソードケースが、50μgm~400μm、又は200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項1~123のいずれか一項に記載の電池。
【請求項125】
前記カソードケースのリム上に配設され、かつ前記カソードケースのリムを覆い、任意選択的に、前記アノードケースの外面の一部分及び/又は前記カソードケースの外面の一部分上に配設された水不透過性コーティングを更に含む、請求項1~124のいずれか一項に記載の電池。
【請求項126】
前記アノードケースの外面の一部分及び/又は前記カソードケースの外面の一部分に配設され、かつ前記カソードケースのリムを覆う、水不透過性コーティングを更に含み、前記水不透過性コーティングが、天然ゴム、TFE、Exxon Butyl、クロロプレン、エピクロロヒドリン、エチレン-プロピレン、フルオロシリコーン、水素化ニトリル、液体シリコーンゴム、医療用エチレンプロピレン、シリコーン、ニトリル、パーフルオロエラストマー、ポリアクリレート、ポリウレタン、スチレンブタジエン、Teflon(登録商標)、Vamac、PTFE、及びVitonから選択される、請求項1~125のいずれか一項に記載の電池。
【請求項127】
前記カソードケースのリム上に配設され、かつ前記カソードケースのリムを覆い、任意選択的に、前記アノードケースの外面の一部分及び/又は前記カソードケースの外面の一部分上に配設された水不透過性コーティングを更に含み、前記水不透過性コーティングが、前記ガスケットと同じ材料である、請求項1~126のいずれか一項に記載の電池。
【請求項128】
外底面と、外環状面と、及びリム面と、を含む、カソード内部導電層を含み、
前記外底面が、カソード不活性化層によって包まれ、
前記外環状面及び前記リム表面が、前記カソード不活性化層、前記ガスケット、水不透過性コーティング、又はそれらの任意の2つ以上の任意の組み合わせによって包まれている、請求項1~127のいずれか一項に記載の電池。
【請求項129】
前記ガスケットが、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン-プロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシポリマー、ポリビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリケート(polyacrylicate)、ポリウレタン、シリコーンゴム、及びそれらの任意の2つ以上の任意の組み合わせなどのエラストマー材料又はプラスチックを含む、請求項1~128のいずれか一項に記載の電池。
【請求項130】
前記水不透過性コーティングが、ゴム、ブナ、シリコーン、シリコーンゴム、PTFE、バイトン、若しくはエラストマー材料、又はナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン-プロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシポリマー、ポリビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリケート(polyacrylicate)、ポリウレタン、及びそれらの任意の2つ以上の任意の組み合わせなどのプラスチックを含む、請求項125~129のいずれか一項に記載の電池。
【請求項131】
電池ケースを含むコインセル又は円筒形電池であって、前記電池ケースが、シーリングカップと、底部缶と、ガスケットと、を備え、前記シーリングカップの外径が、前記底部缶の内径より小さく、前記シーリングカップの少なくとも一部分が、前記ガスケットが前記シーリングカップと前記底部缶との間にある状態で前記底部缶の内側に位置付けられ、前記底部缶の環状壁が、前記シーリングカップの環状壁に向かって圧着され、更に、前記電池ケースが、不活性化金属を含む、コインセル又は円筒形電池。
【請求項132】
前記シーリングカップが、アノードケースであり、前記底部缶が、カソードケースであり、更に前記底部缶が不活性化金属を含む、請求項131に記載の電池。
【請求項133】
前記シーリングカップが、カソードケースであり、前記底部缶が、アノードケースであり、更に前記底部缶及び前記シーリングカップの両方が、不活性化金属を含む、請求項131に記載の電池。
【請求項134】
前記電池が、ボタン又はコインセル型電池である、請求項1~130のいずれか一項に記載の電池。
【請求項135】
前記電気化学セルが、10V以下、5V以下、3V以下、又は1V以下の電圧を有する、請求項1~134のいずれか一項に記載の電池。
【請求項136】
3ボルト又は1.5ボルトのボタン又はコインセル電池である、請求項1~135のいずれか一項に記載の電池。
【請求項137】
前記電池が、CR927、CR1025、CR1130、CR1216、CR1220、CR1225、CR1616、CR1620、CR1625、CR1632、CR2012、CR2016、CR2025、CR2032、CR2320、BR2335、CR2354、CR2412、CR2430、CR2450、CR2477、CR2507、CR3032、若しくはCR11108リチウムコインセル、又はSR41、SR43、SR44、SR45、SR48、SR54、SR55、SR57、SR58、SR59、SR60、SR63、SR64、SR65、SR66、SR67、SR68、SR69、S516、SR416、SR731、SR512、SR714、SR712酸化銀コインセル、又はLR41、LR44、LR54、若しくはLR66アルカリコインセル電池である、請求項1~136のいずれか一項に記載の電池。
【請求項138】
前記電池が、CR2032、CR2016、又はCR2025リチウムコインセル電池である、請求項1~137のいずれか一項に記載の電池。
【請求項139】
前記電池が、AAAA、AAA、AA、A、B、C、D、E 90/N、4001、810、910A、AM5、LR1、MN9100、又はUM-5円筒形電池である、請求項1~138のいずれか一項に記載の電池。
【請求項140】
前記アノードケースの少なくとも一部分及び前記カソードケースの一部分が導電性水性媒体を介して電気的に接触しているときに、前記アノードと前記カソードとの間に導電経路が形成される、請求項1~139のいずれか一項に記載の電池。
【請求項141】
前記アノードケースの少なくとも一部分及び前記カソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、導電性水性媒体を介して前記アノードと前記カソードとの間に導電経路が形成され、更に、前記導電経路が、前記導電性水性媒体との連続接触時に低減又は抑制される、請求項1~140のいずれか一項に記載の電池。
【請求項142】
前記アノードケースの少なくとも一部分及び前記カソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、導電性水性媒体を介して前記アノードと前記カソードとの間に導電経路が形成され、更に、前記導電経路が、前記導電性水性媒体との最初の接触後2時間未満、又は1時間未満、又は30分未満で低減又は抑制される、請求項1~141のいずれか一項に記載の電池。
【請求項143】
前記アノードケースの少なくとも一部分及び前記カソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、前記アノード不活性化層及び/又は前記カソード不活性化層が酸化する、請求項1~142のいずれか一項に記載の電池。
【請求項144】
前記アノードケースの少なくとも一部分及び前記カソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、前記アノード不活性化層及び/又は前記カソード不活性化層が酸化して酸化物層を形成し、前記電池が、前記酸化物層が形成された後、1.5mA未満、又は1mA未満、又は0.5mA未満、又は0.3mA未満の電流を提供する、請求項1~143のいずれか一項に記載の電池。
【請求項145】
前記アノードケースの少なくとも一部分及び前記カソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、前記アノード不活性化層及び/又は前記カソード不活性化層が酸化して酸化物層を形成し、前記電池が、前記酸化物層が形成された後、1.5mA未満、又は1mA未満、又は0.5mA未満、又は0.3mA未満の電流を提供し、更に、前記酸化物層が、前記導電性水性媒体との最初の接触後、2時間未満、又は1時間未満、又は30分未満で形成される、請求項1~144のいずれか一項に記載の電池。
【請求項146】
前記アノードケースの少なくとも一部分及び前記カソードケースの一部分が導電性水性媒体と接触するときに、電解反応が起こり、前記電解反応が、前記導電性水性媒体との最初の接触後、2時間未満、又は1時間未満、又は30分未満で抑制又は低減される、請求項1~145のいずれか一項に記載の電池。
【請求項147】
前記導電性水性媒体との前記接触が、水和組織が前記アノードケースの少なくとも一部及び前記カソードケースの一部の両方に接触して導電経路を形成するように、前記電池の前記水和組織上への配置を含む、請求項140~146のいずれか一項に記載の電池。
【請求項148】
前記水和組織が、水和ブタ食道組織である、請求項147に記載の電池。
【請求項149】
前記導電性水性媒体との前記接触が、25%リンガー溶液への浸漬を含む、請求項140~146のいずれか一項に記載の電池。
【請求項150】
25%リンガー溶液中に120分間、又は60分間、又は20分間、又は10分間の浸漬後、前記25%リンガー溶液のpHが9未満、又は8未満、又は7未満である、請求項149に記載の電池。
【請求項151】
25%リンガー溶液が5~7.5の開始pHを有し、前記25%リンガー溶液への前記電池の浸漬後、60分間にわたって5分間隔でサンプリングされた前記25%リンガー溶液の平均pHが、10、9.5、9、8.5、又は8の平均pHを超えない、請求項149又は150に記載の電池。
【請求項152】
カソード内部導電層と、
Ta、Nb、Re、W、Ti、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、
前記カソード不活性化層が、1μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、カソードケース。
【請求項153】
前記カソードケースの外面上に外部コーティングを更に含み、前記外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、請求項152に記載のカソードケース。
【請求項154】
前記外部コーティングが、100nm~7pm又は100nm~5μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項153に記載のカソードケース。
【請求項155】
前記外部コーティングが、100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項153又は154に記載のカソードケース。
【請求項156】
前記外部コーティングが、Niを含む、請求項153~155のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項157】
前記カソード不活性化層が、14μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項152~156のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項158】
不活性化金属が、Nb又はその合金を含む、請求項152~157のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項159】
不活性化金属が、Ta又はその合金を含む、請求項152~157のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項160】
不活性化金属が、W又はその合金を含む、請求項152~157のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項161】
不活性化金属が、Ti又はその合金を含む、請求項152~157のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項162】
不活性化金属が、Re又はその合金を含む、請求項152~157のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項163】
前記カソード内部導電層が、100μm~350μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項152~1162のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項164】
前記カソード内部導電層が、アルミニウム、ステンレス鋼、クロム、金、バナジウム、ニッケル、銀、銅、マグネシウム、亜鉛、それらの合金、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む、請求項152~163のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項165】
前記カソード内部導電層が、ステンレス鋼を含む、請求項152~164のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項166】
前記カソード不活性化層の厚さの前記内部導電層の厚さに対する比が、例えば、前記カソードケースの底部分の少なくともある点において、8:1~1:5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:5、又は6:1~1:3、又は6:1~1:2、又は6:1~1:1.1、又は6:1~1:1、3:1~1:5、又は3:1~1:3、又は3:1~1:2、又は3:1~1:1.1、又は3:1~1:1、又は2:1~1:5、又は2:1~1:3、又は2:1~1:2、又は2:1~1:1.1、又は2:1~1:1、又は8:1~1:2.5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:2、又は3:1~1:2である、請求項152~165のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項167】
前記アノードケースの少なくとも一部分及び前記カソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、前記カソード不活性化層が酸化して酸化物層を形成し、前記電池が、前記酸化物層が形成された後、1.5mA未満、又は1mA未満、又は0.5mA未満、又は0.3mA未満の電流を提供し、更に、前記酸化物層が、前記導電性水性媒体との最初の接触後、2時間未満、又は1時間未満、又は30分未満で形成される、請求項152~166のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項168】
(i)前記カソード不活性化層と電気的に接触している前記カソード内部導電層の表面が、製造後に周囲環境に曝露されないか、あるいは(ii)前記カソード不活性化層と電気的に接触している前記カソード内部導電層の表面の0.01mm
2未満、又は0.05mm
2未満、又は0.1mm
2未満、又は0.5mm
2未満、又は1.0mm
2未満、又は1.5mm
2未満が、製造後に周囲環境に曝露される、請求項152~167のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項169】
前記カソードケースが、ヘムフォールド構造を含む、請求項1~168のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項170】
前記カソード内部導電層及び前記カソード不活性化層が、ともに被覆積層体を含む、請求項152~169のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項171】
前記カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
前記カソードケースが、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、前記カソードケースが、ヘムフォールドを含み、前記ヘムフォールドが、第1の側及び第2の側を含み、更に、前記第1及び第2の側の各々が、14μm~75μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層を有し、前記ヘムフォールドが、200μm~250μmの合計厚さを有し、前記ヘムフォールドの前記第1の側が、前記ヘムフォールドの前記第2の側に接触する、請求項152~170のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項172】
商業的に製造されたボタンセル電池又はコインセル電池の前記カソードケースと交換可能である、請求項152~170のいずれか一項に記載のカソードケース。
【請求項173】
積層体であって、
導電層であって、10μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、導電層と、
Ta、Nb、Re、W、Ti、それらの合金、及びそれらの組み合わせから選択される不活性化金属を含む不活性化層であって、10μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、を含み、
前記積層体が、アノードケース又はカソードケースにおける使用のためのものである、積層体。
【請求項174】
外部コーティングを更に含む、請求項173に記載の積層体。
【請求項175】
前記導電層が、175μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項173又は174に記載の積層体。
【請求項176】
前記不活性化層が、1μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項173~175のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項177】
前記外部コーティングが、100nm~7μm、100nm~5μm、又は100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項174~176のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項178】
前記積層体が、50μm~330μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項173~177のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項179】
アノードケース又はカソードケースにおける使用のための積層体を製造する方法であって、前記積層体が
導電層と、
Ta、Nb、Re、W、Ti、それらの合金、及びそれらの組み合わせから選択される不活性化金属を含む不活性化層と、を含み、
前記方法が、
前記導電層と前記不活性化層とを積層することを含む、方法。
【請求項180】
アノードケース又はカソードケースにおける使用のための積層体を製造する方法であって、前記積層体が
導電層であって、10μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、導電層と、
Ta、Nb、Re、W、Ti、それらの合金、及びそれらの組み合わせから選択される不活性化金属を含む不活性化層であって、10μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、を含み、
前記方法が、
前記導電層と前記不活性化層とを被覆することを含む、方法。
【請求項181】
前記導電層が、50μm~100μm、又は75μm~200μm、又は175μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項179又は180に記載の製造方法。
【請求項182】
前記不活性化層が、1μm~75μm、又は50μm~100μm、又は75μm~200μm、又は175μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項179~181のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項183】
前記積層体の厚さが、75μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、請求項179~182のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項184】
前記方法が、前記積層体の前記不活性化層に外部コーティングを積層することを更に含む、請求項179~183のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項185】
前記方法が、前記外部コーティングを前記積層体の前記不活性化層に被覆することを更に含む、請求項179~183のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項186】
前記方法が、前記積層体の前記不活性化層上に前記外部コーティングを蒸着することを更に含む、請求項179~183のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項187】
請求項1~171のいずれか一項に記載の電池のアノードケース又はカソードケースにおける使用のための積層体を製造する方法であって、前記積層体が、
導電層と、
不活性化層と、を含み、
前記方法が、
前記導電層と前記不活性化層とを積層することを含み、
前記方法が、外部コーティングを前記不活性化層に積層することを任意選択的に含み、前記不活性化層が、前記導電層と前記外部コーティングとの間に配設される、方法。
【請求項188】
請求項1~171のいずれか一項に記載の電池のアノードケース又はカソードケースにおける使用のための積層体を製造する方法であって、前記積層体が
導電層と、
不活性化層と、を含み、
前記方法が、
前記導電層と前記不活性化層とを被覆することを含み、
前記方法が、外部コーティングを前記不活性化層に被覆することを任意選択的に含み、前記不活性化層が、前記導電層と前記外部コーティングとの間に配設される、方法。
【請求項189】
請求項179~188のいずれか一項に記載の方法によって製造された、積層体。
【請求項190】
前記導電層が、ステンレス鋼を含む、請求項173~178又は189のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項191】
カソードケースを製造する方法であって、
請求項173~178又は189のいずれか一項に記載の積層体をスタンピングして、底部、環状側部、及びリムを含む、カソードケースを形成することを含み、
前記導電層が、前記カソードケースの内面を形成し、
前記不活性化層が、前記カソードケースの外面を形成する、方法。
【請求項192】
カソードケースを製造する方法であって、
請求項173~178又は189のいずれか一項に記載の積層体をスタンピングして、底部、環状側部、及びリムを含む、カソードケースを形成することを含み、
前記導電層が、前記カソードケースの内面を形成し、
前記外部コーティングが、前記カソードケースの外面を形成し、不活性化層が、前記導電層と前記外部コーティングとの間にあり、前記不活性化層が、前記導電層及び前記外部コーティングの両方と電気的に接触している、方法。
【請求項193】
前記カソードケースの前記環状側部を延伸して、前記カソードケースの延長環状側部及び前記カソードケースの下部環状側部を形成することであって、前記延長環状側部が、前記下部環状側部よりも狭い厚さを有する、形成することと、
前記延長環状側部を前記カソードケースの中心に向かって折り畳んで、ヘムフォールドを形成することと、を更に含む、請求項191又は192に記載の方法。
【請求項194】
カソードケースを製造する方法であって、
底部と、環状側部と、リムと、内面と、外面と、を含む、内部支持部材を提供することと、
前記内部支持部材の前記外面上に不活性化層を堆積させることと、前記内部支持部材の前記内面上及び任意選択的に前記リム上に第1の導電性材料を堆積させて、内部導電層を形成することと、を含む、方法。
【請求項195】
カソードケースを製造する方法であって、
底部と、環状側部と、リムと、内面と、外面と、を含む、内部支持部材を提供することと、
前記内部支持部材の前記外面上に不活性化層を堆積させることと、
第1の導電性材料を前記内部支持部材の前記内面及び任意選択的に前記リム上に堆積させて、内部導電層を形成することと、
第2の導電性材料を前記不活性化層及び任意選択的に前記リム上に堆積させて、外部コーティングを形成することと、を含む、方法。
【請求項196】
カソードケースを製造する方法であって、
a)不活性化金属を、底部と、環状側部と、リムと、を有する不活性化カップに形成することであって、前記底部と、前記環状側部と、前記リムと、の各々が、内面及び外面を有する、形成することと、
b)内部導電性金属を、底部と、環状側部と、リムと、を有する、内部導電性カップを形成することであって、前記底部と、前記環状側部と、前記リムと、の各々が内面及び外面を有する、形成することと、
c)前記内部導電性カップを前記不活性化カップ内に配置することであって、前記内部導電性カップの前記外面が、前記不活性化カップの前記内面と電気的に接触し、それによって、前記カソードケースを形成する、配置することと、を含む、方法。
【請求項197】
前記不活性化カップの前記環状側部が、前記内部導電性カップの前記環状側部を越えて延在し、前記不活性化カップの前記リムを前記内部導電性カップの前記リムの上に折り畳んで、ヘムフォールドを形成する工程を更に含む、請求項196に記載の方法。
【請求項198】
前記不活性化カップの前記リムが、前記内部導電性カップの前記リムを部分的に覆うか、又は前記不活性化カップの前記リムが、前記内部導電性カップの前記リムを覆う、請求項196に記載の方法。
【請求項199】
前記不活性化カップ及び/又は前記内部導電性カップの前記形成が、スタンピング、ワイヤ成形、金属鋳造、又は金属射出成形から選択されるプロセスを含む、請求項196~198のいずれか一項に記載の方法。
【請求項200】
請求項191~199のいずれか一項に記載の方法によって製造された、カソードケース。
【請求項201】
請求項200に記載のカソードケースを含む、電池。
【請求項202】
図2、3、4、5A~N、6A~D、7A~B、8、10、13、14A~D、15、16A~B、17及び30のいずれか1つの前記カソードケース及び/又は前記アノードケースを含む、電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2020年8月26日に出願された米国仮出願第63/070,623号に対する優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、電池を対象とし、より具体的には、偶発的に飲み込まれた場合など、生物学的な導電性水性環境における食道及び/若しくは胃腸の損傷のリスクが低減された、又はリスクが最小限である電池を対象とする。
【背景技術】
【0003】
例えば、リモートコントロール、フラッシュライト、カメラ、カーキーフォブ、計算機、体重計、音楽グリーティングカード、グルコメータ、時計、温度計、バーチャルペットデバイス、補聴器、レーザポインタ、ゲーム、玩具、モノのインターネットデバイスなどを含む電子デバイスに給電するために、数十億の電池が毎年販売されている。残念ながら、子供、ペット、及び高齢者は、それらが家庭及び社会全体に広く存在するため、電池を摂取する危険性がある。
【0004】
電池の摂取は、破壊的な傷害を引き起こす。胃腸(Gastrointestinal、GI)閉塞は、任意の異物の摂取からのリスクである。しかし、電池の摂取は、電池がGI管内で放電するときに引き起こされる組織損傷のために、コインなどの同等のサイズの物体の摂取よりもはるかに深刻である。導電性GI液中の電流は、電気分解を引き起こし、水酸化物イオンを生成し得、それによって、消化管において長期の組織損傷を作り出す。摂取された電池による損傷は、食道及び他のGI穿孔、気管喉頭フィステル、心房食道フィステル、食道狭窄、食道狭窄、化学火傷、並びに声帯麻痺を含む、急性傷害を引き起こしている。これらの傷害は、永久的な、生命を変化させる損傷、更には死を引き起こす可能性がある。症例研究は、ヒトにおけるGI穿孔が、電池摂取後5時間ですぐに起こり得ることを示している。ペットでは、重度のGI損傷が更により迅速に起こり、イヌでは摂取1時間以内、ネコでは2~4時間以内に経壁食道壊死が報告されている。
【0005】
電池が身体のこれらの領域に留まったときに生じる耳、外耳道、及び鼻腔の傷害は、潜在的にあまり一般的ではないが、少なからず問題である。
【0006】
製造業者がより小型のケーシング内により強力でよりエネルギー密度の高い電池を作り出すにつれて、電池の摂取及び傷害が増加している。電池電力の増加は、電池摂取による傷害の重症度及び死亡率の対応する増加をもたらす。安全基準は現在、玩具のロックされた電池コンパートメントを規制しているが、電池自体の安全性を高めるための設計はほとんど行われていない。実際、
図1に示されるように、不正開封防止パッケージを電池に導入し、電池コンパートメントをロックした後であっても、電池摂取に関連する傷害の発生率は、上昇し続けている。
【0007】
電池摂取によって引き起こされる問題を軽減するために、多くの試みがなされてきた。しかしながら、今日、生物学的環境において急速に不活性化する安全に摂取可能な電池は存在しない。
【0008】
米国特許第5,069,989号に反映されたいくつかの初期の研究は、アルカリ性電解質が実際にセルから漏出し、組織損傷を引き起こす点まで、酸性胃液が電池ケーシングを腐食させるという理論を前提とした。提案された解決策は、酸性腐食に耐性があると考えられるステンレス鋼のクロム系合金であった。しかしながら、その後の経験は、この理論及び/又は解決策自体が無効であったことを(
図1に示されるように、一人当たりの主要又は致命的な結果が着実に増加し、本発明者ら自身の観察でも確認されているように)示唆する。食道内に留まる摂取された電池は、胃液に曝露される前に傷害を引き起こすことも既知である。
【0009】
より最近の研究により、傷害の原因として加水分解が立証された。具体的には、コインセルが食道に留まると、セルを取り囲む水性の生物学的流体が、閉回路を完成させ、セルを放電して電解電流を流す。結果として生じるセルケーシングの表面上及び表面付近での反応は、加水分解による水酸化物イオンの形成をもたらし、これがアルカリ火傷及び潜在的に食道における組織穿孔を引き起こす。
【0010】
電解電流への曝露は、pHが安全でないレベルまで上昇するため、組織に非常に損傷を与える可能性がある。いくつかの例では、摂取された電池は、衰弱性の傷害を引き起こし、致命的な事象にさえつながっている。1つの提案された解決策は、ポリマーヒューズ型機構を有する電池セルを構築した。米国特許第9,130,200号は、体液と接触すると分解するポリマーヒューズでアノードをコーティングすることを開示している。米国特許第10,763,486号明細書は、水溶液への曝露で溶解、軟化、又は膨潤する電子絶縁材料を含む「スペーサ」の使用を開示しており、スペーサは、そのような変化が起こるときにセルを電子的に分離するように構成されている。残念ながら、これらの提案された解決策は、電池を迅速に不活性化する必要性に対処せず、所定のサイズを有する電池に不活性材料を導入し、それによって電池の容積容量を低減させるので、商業的に実行可能ではない。
【0011】
米国特許第10,700,362号によって企図される発明に関連して、同様の有効性の問題が生じる。ここで、可溶性酸は、加水分解反応によって作り出された水酸化物の量を中和するのに十分であるように意図された量でセル上にコーティングされる。しかしながら、セル容量及びカソードの衰えない酸化がpHの大きな持続的上昇をもたらすことを考慮すると、可溶性酸体積は、摂取された電池が経時的に著しい損傷を引き起こすのを止めるには不十分である可能性が高い。このようなコーティングはまた、周囲温度及び相対湿度レベルよりも高い温度下で劣化しやすい。
【0012】
前述の電池設計及び/又は電池材料の各々は、一般に、既存の電池製造プロセスと互換性がない。これらの提案のいずれも、確立された電池製造ラインにおいて利用することができる1つ又は複数の構成要素を提供せず、いくつかの状況において、電池摂取によって引き起こされる傷害に対処するために必要とされる大規模な採用に対する著しい障害となり得る。
【0013】
追加の提案は、唾液含有溶液への曝露中に水素ガスを形成する反応に対して耐性であると考えられる特殊な合金の選択に焦点を当てた。特許協力条約公開第2013/106821号は、ニッケル、特定グレードのステンレス鋼、チタン、金、ニオブ、及びタンタルなどの材料を含む、高い水素ガス発生過電圧を有する材料の選択を推奨している。特に、本開示は、非水性電解質中で少なくとも2.0ボルトの開回路電圧を生成する反応材料に限定される(出願人は、少なくとも2.8ボルトの開回路電圧を有するデバイスを主張し、アルカリセルの1.5Vのより低い出力電圧が、有害な電解反応を生成する可能性をより低くしたことに留意する)。材料の水素ガス発生過電圧が、安全な電池を作製するための唯一の考慮事項である場合、導電性水性媒体への曝露時の電解反応の不活性化は瞬間的であり、それは重要なことには起こらない。材料過電圧が唯一の考慮事項である場合、提案された金属のいずれか1つが等しく良好に機能するが、実施例i)及び
図30に示されるように、それらは機能しない。
【0014】
より具体的には、国際公開第2013/106821号は、提案された材料を用いてセル回路が作製される場合、電極が水性媒体と接触するときの電流出力を考慮していない。例えば、中性塩溶液中でカソード電極として金を使用し、アノード電極としてステンレス鋼430を使用する電気化学セルであって、次にセルが3Vの電位に供される場合、結果として生じるセル回路は、カソード及びカソード付近の環境におけるpHの増加をもたらす電解反応を生成する。換言すれば、電池ケーシングを覆うために金を使用する提案された解決策は、電池が生物学的組織と接触する電気化学的火傷を防止しない。この効果は、実施例i)及び
図30に見られるように、シミュレート胃液の存在下で更により顕著であり、1.5Vアルカリ電池が有害な電解反応を生じる可能性が低いことを教示する国際公開第2013/106821号とは対照的に、1.5Vで起こる。したがって、金のような十分に高い水素ガス過電圧を有する任意の金属を使用する提案された機構は、所望の安全性の改善をもたらさない。
【0015】
特に、国際公開第2013/106821号の開示には、デバイス内で使用されるときに電池として機能し、摂取又は導電性水性媒体への曝露時に急速に非活性化する電池を提供する設計及び製造の詳細がない。多くの材料が提案されているが、試験されたものは少なく、スタンピング又はヘムフォールディングの従来の製造工程を成功裏に受けたものはない。チタン及びステンレス鋼を含む試験デバイスのうちの少なくともいくつかは、カソード缶形状にスタンピングされたが、スタンピングプロセスは、下層のステンレス鋼を曝露させる亀裂を外層に形成し、摂取された場合に安全でない電池をもたらすことが既知である。加えて、スタンピングされたステンレス鋼缶のいくつかは、金でスパッタリングコーティング又はめっきされる。
【0016】
国際公開第2013/106821号では、金、又はチタン、又はS32750(+)/55 Cu-32 Sn-12 Zn合金めっき鋼(-)対を試験した場合、アノードにおけるS32750(+)/55 Cu-32 Sn-12 Zn合金めっき鋼(-)対が最良の実施形態として識別されている。ニッケル又は金でめっきされたステンレス鋼電池ケースを使用する他の試験では、金ロットの性能が劣っていることに留意されたい。この実施形態は、部分的には、金コーティングが、本開示において言及されるように、不完全であり、これは、ステンレス鋼の曝露を可能にすることから、かつ部分的には、金が酸化物を作り出さないことから、動作不能である。
図30は、水性導電性媒体中の電位下で金の上に酸化物が成長しないことを示す。加えて、この参考文献は、二相ステンレス鋼が、ニッケル負極に結合された場合であっても強力な候補であることが証明されたことを開示している。
【0017】
米国特許第10,103,361号は、コインセルケーシングの表面がニッケルで作製され、下にチタンの中間層がある(全て通常の電池容器の上に被覆されている)3層被覆材料を提案している。摂取条件下で、ニッケル層は、溶解し、摂取された電池のチタン層を曝露させる。外側ニッケル層が溶解している間、加水分解反応が継続し、組織損傷を引き起こす。加えて、チタン被覆材料は、この参考文献に示されるように機能しないことが一般に既知である。
したがって、誤って摂取されたときに著しい組織損傷を引き起こさない電池を提供する必要性が依然として存在する。摂取されたときに著しい組織損傷を引き起こさない電池の製造を可能にする、既存の電池製造プロセスに容易に組み込むことができる電池の1つ又は複数の構成要素を提供する必要がある。より具体的には、GI管などの導電性水性環境に浸漬されたときに、約1.23Vの電解閾値を上回る電位差で長期間にわたって著しい量の水酸化物を生成しない電池を提供する必要がある。更により具体的には、GI管などの導電性水性環境に浸漬された後、2時間以内、又は1時間以内、又は30分以内に金属酸化物層を成長させることができる材料を含む電池を提供する必要がある。更により具体的には、GI管などの導電性水性環境に浸漬された後、2時間以内、又は1時間以内、又は30分以内に電解電流を低減又は排除することができる材料を含む電池を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第5,069,989号明細書
【特許文献2】米国特許第9,130,200号明細書
【特許文献3】米国特許第10,763,486号明細書
【特許文献4】米国特許第10,700,362号明細書
【特許文献5】国際公開第2013/106821号
【特許文献6】米国特許第10,103,361号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
本開示は、電池のカソード又はアノードケースにおける酸化物形成不活性化金属の使用が、摂取された場合にその電池によって引き起こされる傷害を抑制又は低減するという知見に部分的に基づく。したがって、本明細書において説明される一態様は、不活性化金属を含むカソード又はアノードケースを含む電池を提供する。
【0020】
以下の実施形態が提供される。
【0021】
実施形態1は、電池であって、
a)アノードケースと、
b)不活性化金属を含むカソードケースと、
c)アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間に位置付けられたセパレータを備える、電気化学セルと、
d)アノードケースとカソードケースとの間のガスケットと、を備え、
不活性化金属が、100nm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、電池である。
【0022】
実施形態2は、不活性化金属が、Nb、Ta、これらの合金、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施形態1に記載の電池である。
【0023】
実施形態3は、不活性化金属が、100nm~1μm、100nm~3μm、100nm~5μm、100nm~10μm、1pm~400μm、3μm~100μm、3μm~50μm、15μm~300μm、14μm~200μm、25μm~50μm、50μm~400μm、50μm~300μm、50μm~200μm、50μm~175μm、55μm~400μm、55μm~300μm、55μm~200μm、60μm~400μm、60μm~300μm、60μm~200μm、200μm~300μm、又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層内に存在する、実施形態1又は2に記載の電池である。
【0024】
実施形態4は、カソードケースが、不活性化金属を含む層から本質的になり、層が、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態1~3のいずれか1つに記載の電池である。
【0025】
実施形態5は、カソードケースが、不活性化金属を含む層からなり、層が、15μm~300μm、14μm~200pm、又は50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態1~4のいずれか1つに記載の電池である。
【0026】
実施形態6は、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、実施形態1~5のいずれか1つに記載の電池である。
【0027】
実施形態7は、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、更に外部コーティングは、100nm~7μm、100nm~5μm、又は100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態1~6のいずれか1つに記載の電池である。
【0028】
実施形態8は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態1~7のいずれか1つに記載の電池である。
【0029】
実施形態9は、カソードケースが、
カソード内部導電層と
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触しており、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティング及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態1~8のいずれか1つに記載の電池である。
【0030】
実施形態10は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、から本質的になり、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態1又は2に記載の電池である。
【0031】
実施形態11は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、からなり、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態1又は2に記載の電池である。
【0032】
実施形態12は、カソード不活性化層が、1μm~400μm、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~400μm、又は50μm超~300μm、又は50μm超~200μm、又は50μm超~175μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態8~11のいずれか1つに記載の電池である。
【0033】
実施形態13は、カソード不活性化層が、1μm~400μm、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~400μm、又は50μm超~175μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソード内部導電層が、75μm~350μm、又は125μm~350μm、又は200μm~300μm、又は25μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態8~12のいずれか1つに記載の電池である。
【0034】
実施形態14は、カソード不活性化層の厚さの内部導電層の厚さに対する比が、例えば、カソードケースの底部分の少なくともある点において、8:1~1:5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:5、又は6:1~1:3、又は6:1~1:2、又は6:1~1:1.1、又は6:1~1:1、3:1~1:5、又は3:1~1:3、又は3:1~1:2、又は3:1~1:1.1、又は3:1~1:1、又は2:1~1:5、又は2:1~1:3、又は2:1~1:2、又は2:1~1:1.1、又は2:1~1:1、又は8:1~1:2.5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1又は6:1~1:2又は3:1~1:2である、実施形態8~13のいずれか1つに記載の電池である。
【0035】
実施形態15は、外部コーティングが、100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態8~14のいずれか1つに記載の電池である。
【0036】
実施形態16は、外部コーティングが、Niを含む、実施形態9~15のいずれか1つに記載の電池である。
【0037】
実施形態17は、カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面が、製造後に周囲環境に曝露されない、実施形態8~16のいずれか1つに記載の電池である。
【0038】
実施形態18は、カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面の0.01mm2未満、又は0.05mm2未満、又は0.1mm2未満、又は0.5mm2未満、又は1.0mm2未満、又は1.5mm2未満が、製造後に周囲環境に曝露される、実施形態17に記載の電池である。
【0039】
実施形態19は、カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する、導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
カソードケースが、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソードケースは、ヘムフォールドの各側に14μm~75μmの均一な又は変動する厚さ及び222μm~50μmの全内部導電層厚さを有する不活性化層を有するヘムフォールドを含み、
カソードケースが、60pm~200pmの均一な又は変動する厚さ及び190μm~50μmの内部導電層厚さを有する不活性化層を含む環状側壁を含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の電池である。
【0040】
実施形態19aは、カソードケースが、60pm~200pmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製される、実施形態1~18のいずれか1つに記載の電池である。
カソードケースは、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソードケースは、ヘムフォールドを含み、ヘムフォールドは、第1の側及び第2の側を含み、更に、第1及び第2の側の各々は、14μm~75μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層を有し、ヘムフォールドは、200μm~250μmの合計厚さを有し、ヘムフォールドの第1の側は、ヘムフォールドの第2の側に接触する。
【0041】
実施形態20は、カソードケースが、ヘムフォールド構造を含む、実施形態1~19のいずれか1つに記載の電池である。
【0042】
実施形態21は、カソード不活性化層が、第1の不活性化金属を含む第1の層と、第2の不活性化金属を含む第2の層と、を含む、実施形態8~20のいずれか1つに記載の電池である。
【0043】
実施形態22は、カソード不活性化層が、Ta又はその合金を含む第1の層を含む、実施形態8~21のいずれか1つに記載の電池である。
【0044】
実施形態23は、カソード不活性化層が、Ta又はその合金を含む第1の層を含み、第1の層が、1μm~3μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態8~22のいずれか1つに記載の電池である。
【0045】
実施形態24は、カソード不活性化層が、Nb又はその合金を含む第2の層を含む、実施形態8~23のいずれか1つに記載の電池である。
【0046】
実施形態25は、カソード不活性化層が、Nb又はその合金を含む第2の層を含み、第2の層が、10μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態8~24のいずれか1つに記載の電池である。
【0047】
実施形態26は、カソード内部導電層が、100μm~350の均一な又は変動する厚さを有する、実施形態8~25のいずれか1つに記載の電池である。
【0048】
実施形態27は、アノードケースが、不活性化金属を含み、不活性化金属が、100nm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、実施形態1~26のいずれか1つに記載の電池である。
【0049】
実施形態28は、アノードケースが、Nb、Ta、これらの合金、又はこれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載の電池である。
【0050】
実施形態29は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態1~28のいずれか1つに記載の電池である。
【0051】
実施形態30は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、アノード不活性化層が、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触しており、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティング及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態1~29のいずれか1つに記載の電池である。
【0052】
実施形態31は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、から本質的になり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態1~3、8、又は10~29のいずれか1つに記載の電池である。
【0053】
実施形態32は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、からなり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態1~3、8、又は10~29のいずれか1つに記載の電池である。
【0054】
実施形態33は、アノード不活性化層が、100nm~1μm、100nm~3μm、100nm~5μm、100nm~10μm、1μm~400μm、3μm~100μm、3μm~50μm、15μm~300μm、14μm~200μm、25μm~50μm、50μm~400μm、50μm~300μm、50μm~200μm、50μm~175μm、55μm~400μm、55μm~300μm、55μm~200μm、60μm~400μm、60μm~300μm、60μm~200μm、200μm~300μm又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態29~32のいずれか1つに記載の電池である。
【0055】
実施形態34は、アノード不活性化層が、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有し、アノード内部導電層が、75μm~350μm、又は125μm~350μm、又は200μm~300μm、又は25μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態29~33のいずれか1つに記載の電池である。
【0056】
実施形態35は、アノード不活性化層が、第1の不活性化金属を含む第1の層と、第2の不活性化金属を含む第2の層と、を含む、実施形態29~34のいずれか1つに記載の電池である。
【0057】
実施形態36は、アノード不活性化層が、
Ta又はその合金を含む第1の層を含む、実施形態29~35のいずれか1つに記載の電池である。
【0058】
実施形態37は、アノード不活性化層が、
Ta又はその合金を含む第1の層を含み、第1の層が、1pm~3μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態29~36のいずれか1つに記載の電池である。
【0059】
実施形態38は、アノード不活性化層が、
Nb又はその合金を含む第2の層を含む、実施形態29~37のいずれか1つに記載の電池である。
【0060】
実施形態39は、第2の層が、10μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態35~38のいずれか1つに記載の電池である。
【0061】
実施形態40は、アノード内部導電層が、100μm~350μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態22~32のいずれか1つに記載の電池である。
【0062】
実施形態41は、不活性化金属が、Re、W、又はこれらの合金を含む、実施形態1に記載の電池である。
【0063】
実施形態42は、不活性化金属が、100nm~1μm、100nm~3μm、100nm~5μm、100nm~10μm、3μm~100μm、1μm~400μm、3μm~50μm、15μm~300μm、14μm~200μm、25μm~50μm、50μm~400μm、50μm~300μm、50μm~200μm、50μm~175μm、55μm~400μm、55μm~300μm、55μm~200μm、60μm~400μm、60μm~300μm、60μm~200μm、200μm~300μm、又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層に存在する、実施形態41に記載の電池である。
【0064】
実施形態43は、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、これらの合金、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、実施形態41又は42に記載の電池である。
【0065】
実施形態44は、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、更に外部コーティングは、100nm~7μm、100nm~5μm、又は100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態41~43のいずれか1つに記載の電池である。
【0066】
実施形態45は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態41~44のいずれか1つに記載の電池である。
【0067】
実施形態46は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触しており、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティング及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態41~45のいずれか1つに記載の電池である。
【0068】
実施形態47は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、から本質的になり、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態41、42、又は45のいずれか1つに記載の電池である。
【0069】
実施形態48は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、からなり、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態41、42、又は45のいずれか1つに記載の電池である。
【0070】
実施形態49は、カソード不活性化層が、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~400μm、又は50μm超~300μm、又は50μm超~200μm、又は50μm超~175μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態45~48のいずれか1つに記載の電池である。
【0071】
実施形態50は、カソード不活性化層が、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~400μm、又は50μm超~175μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソード内部導電層が、75μm~350μm、又は125μm~350μm、又は200μm~300μm、又は25μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態45~49のいずれか1つに記載の電池である。
【0072】
実施形態51は、カソード不活性化層の厚さの内部導電層の厚さに対する比が、例えば、カソードケースの底部分の少なくともある点において、8:1~1:5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:5、又は6:1~1:3、又は6:1~1:2、又は6:1~1:1.1、又は6:1~1:1、3:1~1:5、又は3:1~1:3、又は3:1~1:2、又は3:1~1:1.1、又は3:1~1:1、又は2:1~1:5、又は2:1~1:3、又は2:1~1:2、又は2:1~1:1.1、又は2:1~1:1、又は8:1~1:2.5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1又は6:1~1:2又は3:1~1:2である、実施形態45~50のいずれか1つに記載の電池である。
【0073】
実施形態52は、外部コーティングが、100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態45~51のいずれか1つに記載の電池である。
【0074】
実施形態53は、外部コーティングが、Niを含む、実施形態45~52のいずれか1つに記載の電池である。
【0075】
実施形態54は、カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面が、製造後に周囲環境に曝露されない、実施形態45~53のいずれか1つに記載の電池である。
【0076】
実施形態55は、カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面の0.01mm2未満、又は0.05mm2未満、又は0.1mm2未満、又は0.5mm2未満、又は1.0mm2未満、又は1.5mm2未満が、製造後に周囲環境に曝露される、実施形態45~54のいずれか1つに記載の電池である。
【0077】
実施形態56は、カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
カソードケースが、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソードケースが、ヘムフォールドを含み、ヘムフォールドが、第1の側及び第2の側を含み、更に、第1及び第2の側の各々が、14μm~75μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層を有し、ヘムフォールドが、200pm~250pmの合計厚さを有し、ヘムフォールドの第1の側が、ヘムフォールドの第2の側に接触する、実施形態45~55のいずれか1つに記載の電池である。
【0078】
実施形態57は、カソードケースが、ヘムフォールド構造を含む、実施形態45~56のいずれか1つに記載の電池である。
【0079】
実施形態58は、カソード不活性化層が、第1の不活性化金属を含む第1の層と、第2の不活性化金属を含む第2の層と、を含む、実施形態45~57のいずれか1つに記載の電池である。
【0080】
実施形態59は、カソード不活性化層が、
Re、W、又はそれらの合金を含む第1の層を含む、実施形態45~58のいずれか1つに記載の電池である。
【0081】
実施形態60は、カソード不活性化層が、
Re、W、又はこれらの合金を含む第1の層を含み、第1の層が、1μm~25μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態45~59のいずれか1つに記載の電池である。
【0082】
実施形態61は、カソード不活性化層が、
Nb又はその合金を含む第2の層を含む、実施形態45~60のいずれか1つに記載の電池である。
【0083】
実施形態62は、カソード不活性化層が、
Nb又はその合金を含む第2の層を含み、第2の層が、5μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態45~61のいずれか1つに記載の電池である。
【0084】
実施形態63は、カソード内部導電層が、100gm~350の均一な又は変動する厚さを有する、実施形態45~62のいずれか1つに記載の電池である。
【0085】
実施形態64は、アノードケースが、不活性化金属を含み、不活性化金属が、100nm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、実施形態41~63のいずれか1つに記載の電池である。
【0086】
実施形態65は、アノードケースが、Re、W、又はこれらの合金を含む不活性化金属を含む、実施形態41~64のいずれか1つに記載の電池である。
【0087】
実施形態66は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態41~65のいずれか1つに記載の電池である。
【0088】
実施形態67は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触しており、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティング及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態41~66のいずれか1つに記載の電池である。
【0089】
実施形態68は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、から本質的になり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態41、42、45、又は47~66のいずれか1つに記載の電池である。
【0090】
実施形態69は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、からなり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態41、42、45、又は47~66のいずれか1つに記載の電池である。
【0091】
実施形態70は、アノード不活性化層が、100nm~1μm、100nm~3μm、100nm~5μm、100nm~10μm、3μm~100μm、1μm~400μm、3μm~50μm、15μm~300μm、14μm~200μm、25μm~50μm、50μm~400μm、50μm~300μm、50μm~200μm、50μm~175μm、55μm~400μm、55μm~300μm、55μm~200μm、60μm~400μm、60μm~300μm、60μm~200μm、200μm~300μm、又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態66~69のいずれか1つに記載の電池である。
【0092】
実施形態71は、アノード不活性化層が、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有し、アノード内部導電層が、75μm~350μm、又は125μm~350μm、又は200μm~300μm、又は25μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態66~70のいずれか1つに記載の電池である。
【0093】
実施形態72は、アノード不活性化層が、第1の不活性化金属を含む第1の層と、第2の不活性化金属を含む第2の層と、を更に含む、実施形態66~71のいずれか1つに記載の電池である。
【0094】
実施形態73は、アノード不活性化層が、Re、W、又はこれらの合金を含む第1の層を更に含む、実施形態66~72のいずれか1つに記載の電池である。
【0095】
実施形態74は、アノード不活性化層が、Re、W、又はこれらの合金を含む第1の層を更に含み、第1の層が、1μm~3μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態66~72のいずれか1つに記載の電池である。
【0096】
実施形態75は、アノード不活性化層が、Nb又はその合金を含む第2の層を更に含む、実施形態66~72のいずれか1つに記載の電池である。
【0097】
実施形態76は、アノード不活性化層が、Nb又はその合金を含む第2の層を更に含み、第2の層が、10μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態66~72のいずれか1つに記載の電池である。
【0098】
実施形態77は、アノード内部導電層が、100μm~350μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態66~72のいずれか1つに記載の電池である。
【0099】
実施形態78は、不活性化金属が、Ti又はその合金を含み、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを任意選択的に含み、外部コーティングは、Al、Cu、Cr、若しくはZn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、実施形態1に記載の電池である。
【0100】
実施形態79は、不活性化金属が、50μm超~300μm、又は50μm超~200μm、200μm~300μm、又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、実施形態78に記載の電池である。
【0101】
実施形態80は、カソードケースが、不活性化金属を含む層から本質的になり、層が、50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態78又は80に記載の電池である。
【0102】
実施形態81は、カソードケースが、不活性化金属を含む層からなり、層が、50μm超~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態78又は80に記載の電池である。
【0103】
実施形態82は、外部コーティングが、アノードケースの外面及びカソードケースの外面の両方に存在する、実施形態78~81のいずれか1つに記載の電池である。
【0104】
実施形態83は、外部コーティングが、アノードケースの外面上に存在する、実施形態78~81のいずれか1つに記載の電池である。
【0105】
実施形態84は、外部コーティングが、カソードケースの外面上に存在する、実施形態78~83のいずれか1つに記載の電池である。
【0106】
実施形態85は、外部コーティングが、100nm~7μm、100nm~5μm、又は100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態78~84のいずれか1つに記載の電池である。
【0107】
実施形態86は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態78~85のいずれか1つに記載の電池である。
【0108】
実施形態87は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触しており、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングが、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティング及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態78~86のいずれか1つに記載の電池である。
【0109】
実施形態88は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、から本質的になり、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態78~81、又は86のいずれか1つに記載の電池である。
【0110】
実施形態89は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
不活性化金属を含むカソード不活性化層と、からなり、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態78~81、又は86のいずれか1つに記載の電池である。
【0111】
実施形態90は、カソード不活性化層が、50μm超~400μm、又は50μm超~300μm、又は50μm超~200μm、又は50μm超~175μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態86~89のいずれか1つに記載の電池である。
【0112】
実施形態91は、カソード内部導電層が、75μm~350μm、又は125μm~350μm、又は200μm~300μm、又は25μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態86~90のいずれか1つに記載の電池である。
【0113】
実施形態92は、カソード不活性化層の厚さの内部導電層の厚さに対する比が、例えば、カソードケースの底部分の少なくともある点において、8:1~1:5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:5、又は6:1~1:3、又は6:1~1:2、又は6:1~1:1.1、又は6:1~1:1、又は3:1~1:5、又は3:1~1:3、又は3:1~1:2、又は3:1~1:1.1、又は3:1~1:1、又は2:1~1:5、又は2:1~1:3、又は2:1~1:2、又は2:1~1:1.1、又は2:1~1:1、又は8:1~1:2.5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:2、又は3:1~1:2である、実施形態86~91のいずれか1つに記載の電池である。
【0114】
実施形態93は、外部コーティングが、100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態86~92のいずれか1つに記載の電池である。
【0115】
実施形態94は、外部コーティングが、Niを含む、実施形態86~93のいずれか1つに記載の電池である。
【0116】
実施形態95は、カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面が、製造後に周囲環境に曝露されていない、実施形態86~94のいずれか1つに記載の電池である。
【0117】
実施形態96は、カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面の0.01mm2未満、又は0.05mm2未満、又は0.1mm2未満、又は0.5mm2未満、又は1.0mm2未満、又は1.5mm2未満が、製造後に周囲環境に曝露される、実施形態86~95のいずれか1つに記載の電池である。
【0118】
実施形態97は、カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
カソードケースが、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソードケースが、ヘムフォールドの各側に14μm~75μmの均一な又は変動する厚さ及び222μm~50μmの全内部導電層厚さを有する不活性化層を有するヘムフォールドを含み、
カソードケースが、60μm~200pmの均一な又は変動する厚さ及び190μm~50μmの内部導電層厚さを有する不活性化層を含む環状側壁を含む、実施形態86~96のいずれか1つに記載の電池である。
【0119】
実施形態98は、カソードケースが、ヘムフォールド構造を含む、実施形態86~97のいずれか1つに記載の電池である。
【0120】
実施形態99は、アノードケースが、不活性化金属を含み、不活性化金属が、50μm超~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する、実施形態86~98のいずれか1つに記載の電池である。
【0121】
実施形態100は、アノードケースが、Ti又はその合金を含む不活性化金属を含み、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを任意選択的に含み、外部コーティングが、Al、Cu、Cr、若しくはZn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、実施形態86~99のいずれか1つに記載の電池である。
【0122】
実施形態101は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態86~100のいずれか1つに記載の電池である。
【0123】
実施形態102は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、アノード不活性化層が、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触しており、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングが、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含み、外部コーティング及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態86~101のいずれか1つに記載の電池である。
【0124】
実施形態103は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、から本質的になり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態78~81、86、又は88~101のいずれか1つに記載の電池である。
【0125】
実施形態104は、アノードケースが、
アノード内部導電層と、
不活性化金属を含むアノード不活性化層と、からなり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、実施形態78~81、86、又は88~101のいずれか1つに記載の電池である。
【0126】
実施形態105は、アノード不活性化層が、50μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態101~104のいずれか1つに記載の電池である。
【0127】
実施形態106は、アノード内部導電層が、100μm~350μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態101~105のいずれか1つに記載の電池である。
【0128】
実施形態107は、カソード内部導電層とカソード不活性化層、アノード内部導電層及びアノード不活性化層、又はそれらの両方との間に配設された少なくとも1つの結合層を更に含み、内部導電層と不活性化層とが、電気的に接触したままである、実施形態1~106のいずれか1つに記載の電池である。
【0129】
実施形態108は、カソード内部導電層とカソード不活性化層、アノード内部導電層及びアノード不活性化層、又はそれらの両方との間に配設された少なくとも1つの結合層を更に含み、内部導電層及び不活性化層が、電気的に接触したままであり、少なくとも1つの結合層が、導電性材料を含む、実施形態1~107のいずれか1つに記載の電池である。
【0130】
実施形態109は、カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又は両方に配設された少なくとも1つの結合層を更に含み、内部導電層及び不活性化層が、電気的に接触したままであり、少なくとも1つの結合層が、金属を含む、実施形態1~108のいずれか1つに記載の電池である。
【0131】
実施形態110は、カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又は両方に配設された少なくとも1つの結合層を更に含み、内部導電層及び不活性化層が、電気的に接触したままであり、少なくとも1つの結合層が、接着剤を含む、実施形態1~109のいずれか1つに記載の電池である。
【0132】
実施形態111は、カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又は両方に配設された少なくとも1つの結合層を更に含み、内部導電層及び不活性化層が、電気的に接触したままであり、少なくとも1つの結合層が、接着剤を含み、接着剤が、感圧接着剤、ゴム系接着剤、エポキシ、ポリウレタン、シリコーン接着剤、フェノール樹脂、UV硬化性接着剤、アクリレート接着剤、積層接着剤、フルオロポリマー、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、実施形態1~110のいずれか1つに記載の電池である。
【0133】
実施形態112は、積層接着剤が、低密度若しくは高密度ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリオレフィン誘導体、酸含有接着剤、アイオノマー、エチレンのターポリマー、アクリレート、又はエチレン-酢酸ビニルを含む、実施形態111に記載の電池である。
【0134】
実施形態113は、酸含有接着剤が、EAA、EMAA、アイオノマー、エチレンのターポリマー、酸、又はアクリレートを含む、実施形態112に記載の電池である。
【0135】
実施形態114は、少なくとも1つの結合層が、100nm~400μm、100nm~350μm、1μm~350μm、200μm~350μm、1μm~50μm、5μm~50μm、50μm~250μm、又は5μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態107~113のいずれか1つに記載の電池である。
【0136】
実施形態115は、アノード内部導電層及び/又はカソード内部導電層が、アルミニウム、ステンレス鋼、クロム、金、バナジウム、ニッケル、銀、銅、マグネシウム、亜鉛、これらの合金、又はこれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む、実施形態1~114のいずれか1つに記載の電池である。
【0137】
実施形態116は、アノード内部導電層及び/又はカソード内部導電層がステンレス鋼を含む、実施形態1~115のいずれか1つに記載の電池である。
【0138】
実施形態117は、ステンレス鋼が、SS304、SS316、SS430、二相2205、二相2304、二相2507、又は10重量%以上のクロム含有量及び/若しくは0.1重量%以上のニッケル含有量を有する1つ以上の他の鋼を含む、実施形態1~116のいずれか1つに記載の電池である。
【0139】
実施形態118は、不活性化層中に不活性化金属を含む、実施形態1~117のいずれかに記載の電池である。
【0140】
実施形態119は、不活性化層中に不活性化金属を含み、不活性化層が、第1の不活性化金属を含む第1の層と、第2の不活性化金属を含む第2の層と、を含む、実施形態1~118のいずれかに記載の電池である。
【0141】
実施形態120は、不活性化金属が、実質的に純粋な金属である、実施形態1~119のいずれかに記載の電池である。
【0142】
実施形態121は、不活性化金属が、合金である、実施形態1~120のいずれかに記載の電池である。
【0143】
実施形態122は、不活性化金属が、少なくとも2つの不活性化金属の合金を含む、実施形態1~121のいずれかに記載の電池である。
【0144】
実施形態123は、アノードケースが、50pm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態1~122のいずれか1つに記載の電池である。
【0145】
実施形態124は、カソードケースが、50μm~400μm、又は200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態1~123のいずれか1つに記載の電池である。
【0146】
実施形態125は、カソードケースのリム上に配置され、カソードケースのリムを覆い、任意選択的にアノードケースの外面の一部分及び/又はカソードケースの外面の一部分上に配設された水不透過性コーティングを更に含む、実施形態1~124のいずれか1つに記載の電池である。
【0147】
実施形態126は、アノードケースの外面の一部分及び/又はカソードケースの外面の一部分に配設され、カソードケースのリムを覆う水不透過性コーティングを更に含み、水不透過性コーティングが、天然ゴム、TFE、Exxon Butyl、クロロプレン、エピクロロヒドリン、エチレン-プロピレン、フルオロシリコーン、水素化ニトリル、液体シリコーンゴム、医療用エチレンプロピレン、シリコーン、ニトリル、パーフルオロエラストマー、ポリアクリレート、ポリウレタン、スチレンブタジエン、Teflon(登録商標)、Vamac、PTFE、及びVitonから選択される、実施形態1~125のいずれか1つに記載の電池である。
【0148】
実施形態127は、カソードケースのリム上に配置され、カソードケースのリムを覆い、任意選択的に、アノードケースの外面の一部分及び/又はカソードケースの外面の一部分上に配設された水不透過性コーティングを更に含み、水不透過性コーティングが、ガスケットと同じ材料である、実施形態1~126のいずれか1つに記載の電池である。
【0149】
実施形態128は、外底面、外側環状面、及びリム面を含むカソード内部導電層を含み、
外底面は、カソード不活性化層によって包まれ、
外環状面及びリム表面が、カソード不活性化層、ガスケット、水不透過性コーティング、又はそれらの任意の2つ以上の任意の組み合わせによって包まれている、実施形態1~127のいずれか1つに記載の電池である。
【0150】
実施形態129は、ガスケットが、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン-プロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシポリマー、ポリビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリケート(polyacrylicate)、ポリウレタン、シリコーンゴム、及びこれらの任意の2つ以上の任意の組み合わせなどのエラストマー材料又はプラスチックを含む、実施形態1~128のいずれか1つに記載の電池である。
【0151】
実施形態130は、水不透過性コーティングが、ゴム、ブナ、シリコーン、シリコーンゴム、PTFE、バイトン、若しくはエラストマー材料、又はナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン-プロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシポリマー、ポリビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリケート(polyacrylicate)、ポリウレタン、及びそれらの任意の2つ以上の任意の組み合わせなどのプラスチックを含む、実施形態125~129のいずれか1つに記載の電池である。
【0152】
実施形態131は、電池ケースが、シーリングカップと、底部缶と、ガスケットと、を備え、シーリングカップの外径は、底部缶の内径より小さく、シーリングカップの少なくとも一部分は、ガスケットがシーリングカップと底部缶との間にある状態で底部缶の内側に位置付けられ、底部缶の環状壁は、シーリングカップの環状壁に向かって圧着され、更に、電池ケースが、不活性化金属を含む、コインセル又は円筒形電池である。
【0153】
実施形態132は、シーリングカップが、アノードケースであり、底部缶が、カソードケースであり、更に底部缶が、不活性化金属を含む、実施形態131に記載の電池である。
【0154】
実施形態133は、シーリングカップが、カソードケースであり、底部缶が、アノードケースであり、更に底部缶及びシーリングカップの両方が、不活性化金属を含む、実施形態131に記載の電池である。
【0155】
実施形態134は、電池が、ボタン又はコインセル型電池である、実施形態1~130のいずれか1つに記載の電池である。
【0156】
実施形態135は、電気化学セルが、10V以下、5V以下、3V以下、又は1V以下の電圧を有する、実施形態1~134のいずれか1つに記載の電池である。
【0157】
実施形態136は、電池が、3ボルト又は1.5ボルトのボタン電池又はコインセルである、実施形態1~135のいずれか1つに記載の電池である。
【0158】
実施形態137は、電池が、CR927、CR1025、CR1130、CR1216、CR1220、CR1225、CR1616、CR1620、CR1625、CR1632、CR2012、CR2016、CR2025、CR2032、CR2320、BR2335、CR2354、CR2412、CR2430、CR2450、CR2477、CR2507、CR3032、若しくはCR11108リチウムコインセル、又はSR41、SR43、SR44、SR45、SR48、SR54、SR55、SR57、SR58、SR59、SR60、SR63、SR64、SR65、SR66、SR67、SR68、SR69、S516、SR416、SR731、SR512、SR714、SR712酸化銀コインセル、又はLR41、LR44、LR54、若しくはLR66アルカリコインセル電池である、実施形態1~136のいずれか1つに記載の電池である。
【0159】
実施形態138は、電池が、CR2032、CR2016、又はCR2025リチウムコインセル電池である、実施形態1~137のいずれか1つに記載の電池である。
【0160】
実施形態139は、電池が、AAAA、AAA、AA、A、B、C、D、E 90/N、4001、810、910A、AM5、LR1、MN9100、又はUM-5円筒形電池である、実施形態1~138のいずれか1つに記載の電池である。
【0161】
実施形態140は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体を介して電気的に接触しているとき、アノードとカソードとの間に導電経路が形成される、実施形態1~139のいずれか1つに記載の電池である。
【0162】
実施形態141は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、導電性水性媒体を介してアノードとカソードとの間に導電経路が形成され、更に、導電経路が、導電性水性媒体との連続接触時に低減又は抑制される、実施形態1~140のいずれか1つに記載の電池である。
【0163】
実施形態142は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、導電性水性媒体を介してアノードとカソードとの間に導電経路が形成され、更に、導電経路が、導電性水性媒体との最初の接触後2時間未満、又は1時間未満、又は30分未満で低減又は抑制される、実施形態1~141のいずれか1つに記載の電池である。
【0164】
実施形態143は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、アノード不活性化層及び/又はカソード不活性化層が、酸化する、実施形態1~142のいずれか1つに記載の電池である。
【0165】
実施形態144は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、アノード不活性化層及び/又はカソード不活性化層が、酸化して酸化物層を形成し、電池が、酸化物層が形成された後、1.5mA未満、又は1mA未満、又は0.5mA未満、又は0.3mA未満の電流を提供する、実施形態1~143のいずれか1つに記載の電池である。
【0166】
実施形態145は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、アノード不活性化層及び/又はカソード不活性化層が、酸化して酸化物層を形成し、電池が、酸化物層が形成された後、1.5mA未満、又は1mA未満、又は0.5mA未満、又は0.3mA未満の電流を提供し、更に、酸化物層が、導電性水性媒体との最初の接触後、2時間未満、又は1時間未満、又は30分未満で形成される、実施形態1~144のいずれか1つに記載の電池である。
【0167】
実施形態146は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体と接触するときに、電解反応が起こり、電解反応が、導電性水性媒体との最初の接触後、2時間未満、又は1時間未満、又は30分未満で抑制又は低減される、実施形態1~145のいずれか1つに記載の電池である。
【0168】
実施形態147は、導電性水性媒体との接触が、水和組織がアノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分の両方に接触して導電経路を形成するように、水和組織上への電池の配置を含む、実施形態140~146のいずれか1つに記載の電池である。
【0169】
実施形態148は、水和組織が、水和ブタ食道組織である、実施形態147に記載の電池である。
【0170】
実施形態149は、導電性水性媒体との接触が、25%リンガー溶液への浸漬を含む、実施形態140~146のいずれか1つに記載の電池である。
【0171】
実施形態150は、25%リンガー溶液中に120分間、又は60分間、又は20分間、又は10分間の浸漬後、25%リンガー溶液のpHが、9未満、又は8未満、又は7未満である、実施形態149に記載の電池である。
【0172】
実施形態151は、25%リンガー溶液が、5~7.5の開始pHを有し、25%リンガー溶液中への電池の浸漬後、5分間隔でサンプリングされた25%リンガー溶液の60分間にわたる平均pHが、10、9.5、9、8.5、又は8の平均pHを超えない、実施形態149又は150に記載の電池である。
【0173】
実施形態152は、カソードケースが、
カソード内部導電層と、
Ta、Nb、W、Ti、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、
カソード不活性化層が、1μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、カソードケースである。
【0174】
実施形態153は、カソードケースの外面上に外部コーティングを更に含み、外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、これらの合金、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む、実施形態152に記載のカソードケースである。
【0175】
実施形態154は、外部コーティングが、100nm~7μm又は100nm~5μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態153に記載のカソードケースである。
【0176】
実施形態155は、外部コーティングが、100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態153又は154に記載のカソードケースである。
【0177】
実施形態156は、外部コーティングが、Niを含む、実施形態153~155のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0178】
実施形態157は、カソード不活性化層が、14μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態152~156のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0179】
実施形態158は、不活性化金属が、Nb又はその合金を含む、実施形態152~157のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0180】
実施形態159は、不活性化金属が、Ta又はその合金を含む、実施形態152~157のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0181】
実施形態160は、不活性化金属が、W又はその合金を含む、実施形態152~157のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0182】
実施形態161は、不活性化金属が、Ti又はその合金を含む、実施形態152~157のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0183】
実施形態162は、不活性化金属が、Re又はその合金を含む、実施形態152~157のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0184】
実施形態163は、カソード内部導電層が、100μm~350μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態152~1162のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0185】
実施形態164は、カソード内部導電層が、アルミニウム、ステンレス鋼、クロム、金、バナジウム、ニッケル、銀、銅、マグネシウム、亜鉛、これらの合金、又はこれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む、実施形態152~163のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0186】
実施形態165は、カソード内部導電層が、ステンレス鋼を含む、実施形態152~164のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0187】
実施形態166は、カソード不活性化層の厚さの内部導電層の厚さに対する比が、例えば、カソードケースの底部分の少なくともある点において、8:1~1:5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:5、又は6:1~1:3、又は6:1~1:2、又は6:1~1:1.1、又は6:1~1:1、3:1~1:5、又は3:1~1:3、又は3:1~1:2、又は3:1~1:1.1、又は3:1~1:1、又は2:1~1:5、又は2:1~1:3、又は2:1~1:2、又は2:1~1:1.1、又は2:1~1:1、又は8:1~1:2.5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1又は6:1~1:2又は3:1~1:2である、実施形態152~165のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0188】
実施形態167は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、カソード不活性化層が、酸化して酸化物層を形成し、電池が、酸化物層が形成された後、1.5mA未満、又は1mA未満、又は0.5mA未満、又は0.3mA未満の電流を提供し、更に、酸化物層が、導電性水性媒体との最初の接触後、2時間未満、又は1時間未満、又は30分未満で形成される、実施形態152~166のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0189】
実施形態168は、(i)カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面が、製造後に周囲環境に曝露されないか、あるいは(ii)カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面の0.01mm2未満、又は0.05mm2未満、又は0.1mm2未満、又は0.5mm2未満、又は1.0mm2未満、又は1.5mm2未満が、製造後に周囲環境に曝露される、実施形態152~167のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0190】
実施形態169は、カソードケースが、ヘムフォールド構造を含む、実施形態1~168のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0191】
実施形態170は、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、ともに被覆積層体を含む、実施形態152~169のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0192】
実施形態171は、カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
カソードケースが、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソードケースが、ヘムフォールドを含み、ヘムフォールドが、第1の側及び第2の側を含み、更に、第1及び第2の側の各々が、14μm~75μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層を有し、ヘムフォールドが、200μm~250μmの合計厚さを有し、ヘムフォールドの第1の側が、ヘムフォールドの第2の側に接触する、実施形態152~170のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0193】
実施形態172は、カソードケースが、商業的に製造されたボタンセル電池又はコインセル電池のカソードケースと交換可能である、実施形態152~170のいずれか1つに記載のカソードケースである。
【0194】
実施形態173は、積層体であって、
導電層であって、10μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、導電層と、
Ta、Nb、W、Ti、それらの合金、及びそれらの組み合わせから選択される不活性化金属を含む不活性化層であって、10μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、を含み、
積層体が、アノードケース又はカソードケースにおける使用のためのものである、積層体である。
【0195】
実施形態174は、外部コーティングを更に含む、実施形態173の積層体である。
【0196】
実施形態175は、導電層が、175μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態173又は174の積層体である。
【0197】
実施形態176は、不活性化層が、1μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態173~175のいずれか1つの積層体である。
【0198】
実施形態177は、外部コーティングが、100nm~7μm、100nm~5μm、又は100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態174~176のいずれか1つの積層体である。
【0199】
[00199]実施形態178は、積層体が、50μm~330μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態173~177のいずれか1つの積層体である。
【0200】
実施形態179は、アノードケース又はカソードケースにおける使用のための積層体を製造する方法であって、積層体が
導電層と、
Ta、Nb、W、Ti、それらの合金、及びそれらの組み合わせから選択される不活性化金属を含む不活性化層と、を含み、
方法が、
導電層と不活性化層とを積層することを含む、方法である。
【0201】
実施形態180は、アノードケース又はカソードケースにおける使用のための積層体を製造する方法であって、積層体が
導電層であって、10μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、導電層と、
Ta、Nb、W、Ti、それらの合金、及びそれらの組み合わせから選択される不活性化金属を含む不活性化層であって、10μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、を含み、
方法が、
導電層及び不活性化層を被覆することを含む、方法である。
【0202】
実施形態181は、導電層が、層が、50μm~100μm、又は75μm~200μm、又は175μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態179又は180に記載の製造方法である。
【0203】
実施形態182は、不活性化層が、1μm~75μm、又は50μm~100μm、又は75μm~200μm、又は175μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態179~181のいずれか1つに記載の製造方法である。
【0204】
実施形態183は、積層体の厚さが、75μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態179~182のいずれか1つに記載の製造方法である。
【0205】
実施形態184は、積層体の不活性化層に外部コーティングを積層することを更に含む、実施形態179~183のいずれか1つに記載の製造方法である。
【0206】
実施形態185は、外部コーティングを積層体の不活性化層に被覆することを更に含む、実施形態179~183のいずれか1つに記載の製造方法である。
【0207】
実施形態186は、積層体の不活性化層上に外部コーティングを蒸着することを更に含む、実施形態179~183のいずれか1つに記載の製造方法である。
【0208】
実施形態187は、実施形態1~171のいずれか1つの電池のアノードケース又はカソードケースにおける使用のための積層体を製造する方法であって、積層体が、
導電層と、
不活性化層と、を含み、
方法が、
導電層及び不活性化層を積層することを含み、
方法が、外部コーティングを不活性化層に積層することを任意選択的に含み、不活性化層が、導電層と外部コーティングとの間に配設される、方法である。
【0209】
実施形態188は、実施形態1~171のいずれか1つの電池のアノードケース又はカソードケースにおける使用のための積層体を製造する方法であって、積層体が、
導電層と、
不活性化層と、を含み、
方法が、
導電層及び不活性化層を被覆することを含み、
方法が、外部コーティングを不活性化層に被覆することを任意選択的に含み、不活性化層が、導電層と外部コーティングとの間に配設される、方法である。
【0210】
実施形態189は、実施形態179~188のいずれか1つの方法によって製造された積層体である。
【0211】
実施形態190は、導電層がステンレス鋼を含む、実施形態173~178又は189のいずれか1つに記載の積層体である。
【0212】
実施形態191は、カソードケースの製造方法であって、実施形態173~178又は189のいずれか1つの積層体をスタンピングして、底部、環状側部、及びリムを含むカソードケースを形成することを含み、
導電層が、カソードケースの内面を形成し、かつ
不活性化層が、カソードケースの外面を形成する、方法である。
【0213】
実施形態192は、カソードケースの製造方法であって、実施形態173~178又は189のいずれか1つの積層体をスタンピングして、底部、環状側部、及びリムを含むカソードケースを形成することを含み、
導電層が、カソードケースの内面を形成し、かつ
外部コーティングが、カソードケースの外面を形成し、不活性化層が、導電層と外部コーティングとの間にあり、不活性化層が、導電層及び外部コーティングの両方と電気的に接触している、方法である。
【0214】
実施形態193は、
カソードケースの環状側部を延伸して、カソードケースの延長環状側部及びカソードケースの下部環状側部を形成することであって、延長環状側部は、下部環状側部よりも狭い厚さを有する、形成することと、
延長環状側部をカソードケースの中心に向かって折り畳んで、ヘムフォールドを形成することと、を更に含む、実施形態191又は192に記載の方法である。
【0215】
実施形態194は、カソードケースを製造する方法であって、底部と、環状側部と、リムと、内面と、外面と、を含む、内部支持部材を提供することと、
内部支持部材の外面上に不活性化層を堆積させることと、内部支持部材の内面上及び任意選択的にリム上に第1の導電性材料を堆積させて、内部導電層を形成することと、を含む、方法である。
【0216】
実施形態195は、カソードケースを製造する方法であって、底部と、環状側部と、リムと、内面と、外面と、を含む、内部支持部材を提供することと、
内部支持部材の外面上に不活性化層を堆積させることと、
第1の導電性材料を内部支持部材の内面及び任意選択的にリム上に堆積させて、内部導電層を形成することと、
第2の導電性材料を不活性化層及び任意選択的にリム上に堆積させて、外部コーティングを形成することと、を含む、方法である。
【0217】
実施形態196は、カソードケースを製造する方法であって、a)不活性化金属を、底部と、環状側部と、リムと、を有する不活性化カップに形成することであって、底部と、環状側部と、リムと、の各々が、内面及び外面を有する、形成することと、
b)内部導電性金属を、底部と、環状側部と、リムと、を有し、底部と、環状側部と、リムと、の各々が、内面及び外面を有する、形成することと、
c)内部導電性カップを不活性化カップ内に配置することであって、内部導電性カップの外面が、不活性化カップの内面と電気的に接触しており、それによって、カソードケースを形成する、配置することと、を含む、方法である。
【0218】
実施形態197は、不活性化カップの環状側部が、内部導電性カップの環状側部を越えて延在し、不活性化カップのリムを内部導電性カップのリムの上に折り畳んで、ヘムフォールドを形成する工程を更に含む、実施形態196に記載の方法である。
【0219】
実施形態198は、不活性化カップのリムが内部導電性カップのリムを部分的に覆うか、又は不活性化カップのリムが内部導電性カップのリムを覆う、実施形態196に記載の方法である。
【0220】
実施形態199は、不活性化カップ及び/又は内部導電性カップの形成が、スタンピング、ワイヤ成形、金属鋳造、又は金属射出成形から選択されるプロセスを含む、実施形態196~198のいずれか1つに記載の方法である。
【0221】
実施形態200は、実施形態191~199のいずれか1つの方法によって製造された、カソードケースである。
【0222】
実施形態201は、実施形態200に記載のカソードケースを含む、電池である。
【0223】
実施形態202は、
図2、3、4、5A~N、6A~D、7A~B、8、10、13、14A~D、15、16A~B、17、及び30のいずれか1つのカソードケース及び/又はアノードケースを含む電池である。
【0224】
実施形態203は、
a)アノードケースと、
b)カソードケースであって
i)アルミニウム(Al)、ステンレス鋼、クロム(Cr)、金(Au)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、それらの合金、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含むカソード内部導電層と、
ii)ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含むカソード不活性化層であって、1μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する、カソード不活性化層と、を含み、
iii)カソード不活性化層の厚さの内部導電層の厚さに対する比が、少なくともカソードケースの底部分のある点において、8:1~1:2.5であり、
iv)カソードケースが、50μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有し、
v)カソードケースが、ヘムフォールドを含み、
vi)更に、カソード内部導電層及びカソード
不活性化層が、電気的に接触している、カソードケースと、
c)アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間に位置付けられたセパレータを備える、電気化学セルと、
e)アノードケースとカソードケースとの間のガスケットと、を備える、電池である。
【0225】
実施形態204は、不活性化金属が、14μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する層内に存在する、実施形態203に記載の電池である。
【0226】
実施形態205は、電池が、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又は両方の上に外部コーティングを更に含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、これらの合金、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティングが、100nm~7μm又は100nm~5μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態203に記載の電池である。
【0227】
実施形態206は、カソード不活性化層の厚さの内部導電層の厚さに対する比が、例えば、カソードケースの底部分の少なくともある点において、8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:2、又は3:1~1:2、又は2:1~1:2である、実施形態203に記載の電池である。
【0228】
実施形態207は、外部コーティングが、Niを含み、100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態203に記載の電池である。
【0229】
実施形態208は、カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面が、製造後に周囲環境に曝露されていない、実施形態203に記載の電池である。
【0230】
実施形態209は、不活性化層と電気的に接触している内部導電層の表面の0.01mm2未満、又は0.05mm2未満、又は0.1mm2未満、又は0.5mm2未満、又は1.0mm2未満、又は1.5mm2未満が、製造後に周囲環境に曝露される、実施形態203に記載の電池である。
【0231】
実施形態210は、カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
カソードケースが、200pm~250pmの均一な又は変動する厚さを有し、カソードケースが、ヘムフォールドの各側に14μm~75μmの均一な又は変動する厚さ及び222μm~50μmの全内部導電層厚さを有する不活性化層を有するヘムフォールドを含み、
カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さ及び190μm~50μmの内部導電層厚さを有する不活性化層を含む環状側壁を含む、実施形態203に記載の電池である。
【0232】
実施形態210aは、カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
カソードケースが、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソードケースが、ヘムフォールドを含み、ヘムフォールドが、第1の側及び第2の側を含み、更に、第1及び第2の側の各々が、14μm~75μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層を有し、ヘムフォールドが、200μm~250pμの合計厚さを有し、ヘムフォールドの第1の側が、ヘムフォールドの第2の側に接触する、実施形態203に記載の電池である。
【0233】
実施形態211は、カソード内部導電層が、100μm~350の均一な又は変動する厚さを有する、実施形態203に記載の電池である。
【0234】
実施形態212は、カソード内部導電層が、ステンレス鋼を含む、実施形態203に記載の電池である。
【0235】
実施形態213は、カソードケースが、50μm~400μm、又は200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態203に記載の電池である。
【0236】
実施形態214は、電池が、ボタン又はコインセル型電池である、実施形態203に記載の電池である。
【0237】
実施形態215は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、導電性水性媒体を介してアノードとカソードとの間に導電経路が形成され、更に、導電経路が、導電性水性媒体との最初の接触後2時間未満、又は1時間未満、又は30分未満で低減又は抑制される、実施形態203に記載の電池である。
【0238】
実施形態216は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するとき、カソード不活性化層が、酸化して酸化物層を形成し、電池が、酸化物層が形成された後、1.5mA未満、又は1mA未満、又は0.5mA未満、又は0.3mA未満の電流を提供する、実施形態203に記載の電池である。
【0239】
実施形態217は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、カソード不活性化層が、酸化して酸化物層を形成し、電池が、酸化物層が形成された後、1.5mA未満、又は1mA未満、又は0.5mA未満、又は0.3mA未満の電流を提供し、更に、酸化物層が、導電性水性媒体との最初の接触後、2時間未満、又は1時間未満、又は30分未満で形成される、実施形態203に記載の電池である。
【0240】
実施形態218は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体と接触するときに、電解反応が起こり、電解反応が、導電性水性媒体との最初の接触後、2時間未満、又は1時間未満、又は30分未満で抑制又は低減される、実施形態203に記載の電池である。
【0241】
実施形態219は、導電性水性媒体との接触が、水和組織がアノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分の両方と接触して導電経路を形成するように、電池の水和組織上への配置を含み、水和組織が、水和ブタ食道組織である、実施形態215に記載の電池である。
【0242】
実施形態220は、導電性水性媒体との接触が、25%リンガー溶液への浸漬を含み、
i)25%リンガー溶液中に120分間、又は60分間、又は20分間、又は10分間の浸漬後、25%リンガー溶液のpHが9未満、又は8未満、又は7未満である、かつ/又は
ii)25%リンガー溶液が、5~7.5の開始pHを有し、25%リンガー溶液中への電池の浸漬後、60分間にわたって5分間隔でサンプリングされた25%リンガー溶液の平均pHが、9.5、9、8.5、又は8の平均pHを超えない、実施形態215に記載の電池である。
【0243】
実施形態221は、
a)アルミニウム(Al)、ステンレス鋼、クロム(Cr)、金(Au)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、それらの合金、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含むカソード内部導電層と、
b)Ta、Nb、W、Ti、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含むカソード不活性化層であって、1μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有するカソード不活性化層と、を含み、
c)カソード不活性化層の厚さの内部導電層の厚さに対する比が、少なくともカソードケースの底部分のある点において、8:1~1:2.5であり、
d)カソードケースが、50μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有し、
e)更に、カソードケースが、ヘムフォールドを含む、カソードケースである。
【0244】
実施形態222は、カソードケースの外面上に外部コーティングを更に含み、外部コーティングが、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、これらの合金、又はこれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティングが、100nm~7pm又は100nm~5μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態221に記載のカソードケースである。
【0245】
実施形態223は、外部コーティングが、Niを含み、100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態222に記載のカソードケースである。
【0246】
実施形態224は、カソード不活性化層が、14μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態221に記載のカソードケースである。
【0247】
実施形態225は、不活性化金属が、Nb又はその合金を含む、実施形態221に記載のカソードケースである。
【0248】
実施形態226は、不活性化金属が、Ta、又はその合金を含む、実施形態221に記載のカソードケースである。
【0249】
実施形態227は、カソード内部導電層が、100μm~350μmの均一な又は変動する厚さを有する、実施形態221に記載のカソードケースである。
【0250】
実施形態228は、カソード内部導電層が、ステンレス鋼を含む、実施形態221に記載のカソードケースである。
【0251】
実施形態229は、カソード不活性化層の厚さの内部導電層の厚さに対する比が、少なくともカソードケースの底部分のある点において、8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:2、又は3:1~1:2、又は2:1~1:2である、実施形態221に記載のカソードケースである。
【0252】
実施形態230は、
(i)カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面が、製造後に周囲環境に曝露されないか、あるいは
(ii)カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面の0.01mm2未満、又は0.05mm2未満、又は0.1mm2未満、又は0.5mm2未満、又は1.0mm2未満、又は1.5mm2未満が、製造後に周囲環境に曝露される、実施形態221に記載のカソードケースである。
【0253】
実施形態231は、カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
カソードケースが、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソードケースは、ヘムフォールドの各側に14pm~75pmの均一な又は変動する厚さ及び222μm~50μmの全内部導電層厚さを有する不活性化層を有するヘムフォールドを含み、
カソードケースが、60pm~200pmの均一な又は変動する厚さ及び190μm~50μmの内部導電層厚さを有する不活性化層を含む環状側壁を含む、実施形態221に記載のカソードケースである。
【0254】
実施形態23 laは、カソードケースが、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され、
カソードケースが、ヘムフォールドを含み、ヘムフォールドが、第1の側及び第2の側を含み、更に、第1及び第2の側の各々が、14μm~75μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層を有し、ヘムフォールドが、200μm~250μmの合計厚さを有し、ヘムフォールドの第1の側が、ヘムフォールドの第2の側に接触する、実施形態221に記載のカソードケースである。
【0255】
実施形態232は、カソードケースが、商業的に製造されたボタンセル電池又はコインセル電池のカソードケースと交換可能である、実施形態221に記載のカソードケースである。
【図面の簡単な説明】
【0256】
【
図1】電池ー摂取の頻度及び重症度(主要転帰及び致死的転帰)を示すNational Poison Data System(NPDS)からのチャートを示す。
【
図2】本開示の一実施形態による例示的なコイン又はボタンセル型電池の断面概略図を示す。
【
図3】本開示の一実施形態による例示的なコイン又はボタンセル型電池の断面概略図を示す。
【
図4】本開示の一実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5A】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5B】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5C】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5D】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5E】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5F】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5G】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5H】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5I】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5J】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5K】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5L】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5M】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図5N】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図6A】圧着後の不活性化層の配置を例解する、本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図6B】圧着後の不活性化層の配置を例解する、本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図6C】圧着後の不活性化層の配置を例解する、本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図6D】圧着後の不活性化層の配置を例解する、本開示の実施形態によるカソードケースのSEM画像である。
【
図7A】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示し、圧着後のシーラント層又は延長ガスケットの配置を例解する。
【
図7B】本開示の実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示し、圧着後のシーラント層又は延長ガスケットの配置を例解する。
【
図8】圧着後のリムの配置を例解する、本開示の一実施形態による例示的なカソードケースの断面概略図を示す。
【
図9】本開示の一実施形態による例示的なコイン又はボタンセル型電池の断面概略図を示す。
【
図10】本開示の一実施形態による例示的なアノードケースの断面概略図を示す。
【
図13】カソードケースを製造する例示的な方法を示す概略図を示す。
【
図14A】カソードケースを製造するより例示的な方法を示す概略図を示す。
【
図14B】カソードケースを製造するより例示的な方法を示す概略図を示す。
【
図14C】カソードケースを製造するより例示的な方法を示す概略図を示す。
【
図14D】カソードケースを製造するより例示的な方法を示す概略図を示す。
【
図15A】カソードケースを製造する更に別の例示的な方法を示す概略図を示す。
【
図15B】ヘム折り畳み後の不活性化層の亀裂を有するカソードケースの一部分のSEM画像を示す。
【
図15C】ヘム折り畳み後に不活性化層の亀裂がないことを示すカソードケースの一部分のSEM画像を示す。
【
図16A】カソードケースを製造するより例示的な方法を示す概略図を示す。
【
図16B】カソードケースを製造するより例示的な方法を示す概略図を示す。
【
図17】カソードケースを製造する更に別の例示的な方法を示す概略図を示す。
【
図18A】本開示のカソードケースの抵抗を測定するのに有用な4プローブミリオームメータ(Extech Model#380580)の写真を示す。
【
図18B】本開示のカソードケースの抵抗を測定するのに有用な4プローブミリオームメータ(Extech Model#380580)の写真を示す。
【
図18C】本開示のカソードケースの抵抗の測定を示す概略図を示す。
【
図19】25%リンガー溶液中に浸漬され、一定の1.5V及び3.3V DC電圧に供されたときの、異なる種類の高融点金属にわたる回路電流のグラフを示す。
【
図20】一定の1.5V及び3.3VのDC電圧に供されたときの、シミュレート胃液溶液中に浸漬されたときの異なる種類の高融点金属にわたる回路電流のグラフを示す。
【
図21】25%リンガー溶液中に部分的に浸漬されたときの、10kオーム並列抵抗負荷で3.3Vの外部電圧源を使用してタンタルカソードケースから作製された引っ掻き前(左)及び引っ掻き後(右)の同じカソード缶におけるDC回路電流を比較するグラフを示す。
【
図22】異なる抵抗負荷で3.3Vの外部電圧源を使用するようなステンレス鋼304及び高融点金属カソード缶から作製された電池のDC回路電流を比較するグラフを示す。
【
図23】25%リンガー溶液中に部分的に浸漬されたときの、異なる抵抗負荷で3.3Vの外部電圧源を使用するようなステンレス鋼304及び高融点金属缶から作製された電池のDC回路電流を比較するグラフを示す。
【
図24A】外部電源によって給電される水和ハムに曝露されたタンタルシムについての120分後のハム及び30分後のハムの写真を示す。
【
図24B】外部電源によって給電される水和ハムに曝露されたタンタルシムについての120分後のハム及び30分後のハムの写真を示す。
【
図24C】外部電源を使用して水和ハムに曝露されたタンタルシムについての電流対時間のグラフを示す。
【
図25】電源としてCR2032電池を使用して水和ハムに曝露されたタンタル、チタン、金、及びSS430シムについての電圧対時間のグラフを示す。
【
図26】ステンレス鋼、チタン及びタンタルケースで作製された電池と接触させた24時間の曝露後のデリハムの写真比較を示す。上列は、カソード側と接触していたハムを示し、下列は、コインセル電池のアノード側及び電池のアノード側と接触していたハムの部分を示す。
【
図27】24時間の曝露後の、ステンレス鋼、チタン、及びタンタルカソードケースを用いて作製された接触電池におけるデリハムの写真比較を示す。
【
図28】0、8、15及び21日目に測定された、60℃及び90%RHに曝露された21日間にわたる質量変化として反映された電池エージング性能のグラフを示す。
【
図29】0、8、15及び21日目に測定された、60℃及び90%RHに曝露された21日間にわたる電圧変化として反映された電池エージング性能のグラフを示す。
【
図30】ニッケル、金、ニオブ及びステンレス鋼についての25%非泌乳リンガー溶液中の金属酸化耐性の変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0257】
特定の実施形態の説明
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、明示的に示されているか否かにかかわらず、例えば、整数、分数、及びパーセンテージを含む数値を指す。別段の記載がない限り、又は値が使用される文脈から明らかでない限り、全ての数値は、「約」という用語が先行しているか否かにかかわらず、近似値であり、一般に、当業者が列挙された値と同等である(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考える数値の範囲(例えば、列挙された範囲の+/-5~10%)を指す。少なくとも及び約などの用語が数値又は範囲のリストに先行する場合、その用語は、そのリストに提供される値又は範囲の全てを修飾する。いくつかの例において、約という用語は、最も近い有効数字に丸められる数値を含み得る。
【0258】
本明細書で使用される場合、「a」又は「an」は、別段の指定がない限り、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味する。本明細書で使用される場合、「又は」という用語は、別段の指定がない限り、「及び/又は」を意味する。複数の従属請求項の文脈において、他の請求項に戻って参照するときの「又は」の使用は、代替のみにおけるそれらの請求項を指す。
【0259】
本明細書において、明示的に別段の記載がない限り、又は使用の文脈によって反対のことが示されない限り、本明細書の主題の態様又は実施形態が、ある特定の特徴又は要素を備える、含む、含有する、有する、構成される、又はそれによって構成されると記載又は説明される場合、明示的に記載又は説明されるものに加えて、1つ又は複数の特徴又は要素が実施形態に存在し得る。しかしながら、本明細書の主題の任意の代替的な態様又は実施形態は、ある特定の特徴又は要素から本質的になるものとして記載又は説明され得、その態様又は実施形態では、その態様又は実施形態の動作原理又は際立った特徴を実質的に変更するであろう特徴又は要素は、その中に存在しない。更に、本明細書の主題の任意の態様又は実施形態は、ある特定の特徴又は要素からなるものとして記載又は説明され得、態様若しくは実施形態について、又はそのごくわずかな変形形態について、その態様又は実施形態に関連するものとして具体的に記載又は説明された特徴又は要素のみが存在する。追加的に、「含む(comprising)」という用語は、「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」という用語によって包含される態様、実施形態、特徴、又は要素を含むことが意図される。同様に、「から本質的になる」という用語は、「からなる」という用語によって包含される態様、実施形態、特徴、又は要素を含むことが意図されている。
【0260】
本明細書で使用される場合、「不活性化金属」は、電池のカソードケース、又はアノードケース及びカソードケースの両方の外面上に存在する場合、電池が導電性水性媒体に浸漬されたときに水の電気分解を低減又は抑制する金属を指す。不活性化金属が電池のカソードケース、又はアノードケース及びカソードケースの両方の外面上に存在し、電池が水性導電性媒体と接触していない場合、金属は導電性を保持する。不活性化金属は、例えば、Ta、Nb、W、Re、又はTiであり得る。
【0261】
いくつかの実施形態では、不活性化金属は、実質的に純粋な金属である。いくつかの実施形態では、2つ以上の不活性化金属が存在し得る。別の実施形態では、不活性化金属は、合金である。他の実施形態では、不活性化金属は、少なくとも2つの不活性化金属の合金を含む。
【0262】
本明細書で使用される場合、「不活性化層」は、不活性化金属を含むカソードケースの少なくとも1つの層、又はアノードケース及びカソードケースの両方の少なくとも1つの層を指す。
【0263】
本明細書で使用される場合、「不活性化」は、限定するものではないが、電池が生物学的環境において著しい傷害を引き起こすことができないことを含む。水の電気分解の低減は、電池が非活性化された1つの指標である。水の電気分解の低減の1つの指標は、電池が導電性水性媒体と接触しているときのアノードからの泡の低減であり得る。代替的に、アノード端子付近の8を下回る安定なpHは、電気分解の低減を示し得る。不活性化の別の指標は、導電性水性媒体に浸漬された電池の電解電流引き込みが、1mA未満、100μA未満、10μA未満、又は1μA未満に低減されることである。
【0264】
本明細書で使用される場合、「急速な不活性化」又は「急速に不活性化する」は、限定するものではないが、導電性水性媒体に浸漬されている間に、2時間未満、30分未満、15分未満、10分未満、5分未満、1分未満、又は15秒未満で不活性化が起こることを意味する。
【0265】
本明細書で使用される場合、「電気的接触」は、2つ以上の構成要素間の接触を指し、この接触は、特定の抵抗を有する電流が2つ以上の構成要素間を流れることを可能にする。電流は、電位が印加されたとき、2つ以上の構成要素の間に電流が流れ得る。電流は、必須ではないが、電気的に接触している材料を通って連続的に流れ得る。電気的接触を流れる電流は、電気抵抗、電流、及び/又は電圧を測定することによって判定することができる。電流、抵抗及び/又は電圧という用語は、電流、電気抵抗及び/又は電圧という用語と互換的に使用することができる。
【0266】
一実施形態では、電気的接触は、内部導電層と不活性化層との間の電気抵抗を判定することによって測定され得る。一実施形態では、2つの材料間(例えば、2つの層間)の電気抵抗は、1オーム未満、0.01オーム~1オーム、1オーム~10オーム、又は10オーム~100オームである。
【0267】
いくつかの実施形態では、電気的接触は、コーティング、プレス、被覆、圧着、スタンピング、ピンチング、はんだ付け、溶接、及び/又は接着剤の使用によって物理的に接触している少なくとも2つの導電性表面(例えば、内部導電層及び不活性化層)を含む。他の実施形態では、電気的接触は、近接した少なくとも2つの導電性表面を含み、表面間の量子トンネリングを可能にする。別の実施形態では、量子トンネリング複合材料を使用して、電気的接触を作製する。
【0268】
本明細書で使用される「導電経路」は、限定するものではないが、電池のアノード(負端子)とカソード(正端子)との間の回路を完成させるために電荷が流れることができる経路を含む。電池のアノードケース201及びカソードケース202は、例えば、
図2に示されるように、両方が導電性水性媒体と接触しているときに、導電経路を形成することができる。水の電気分解は、導電経路の存在の1つの指標である。水の電気分解の1つの指標は、電池が導電性水性媒体と接触しているときのアノードからの泡の存在であり得る。代替的に、アノード端子付近のpHの増加は、導電経路の存在を示し得る。
【0269】
本明細書に説明されるような乾電池に対して行われる試験において、電池は、水性媒体と接触していない場合に「乾燥している」とみなされるか、又は水性媒体と接触している場合には、媒体から取り出され、例えば、デシケータ内に配置することによって少なくとも約24時間乾燥させられる。
【0270】
「増加した」は、参照に対する増加を意味する。いくつかの実施形態では、「増加した」は、参照値に対して5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、100%以上、200%以上、1000%以上、10,000%、及び/又は100,000%の増加を意味する。いくつかの実施形態では、「増加」とは、5%~100%、100%~10,000%、10,000%~1,000,000%の増加を意味する。
【0271】
いくつかの実施形態では、増加は、導電性水性媒体との接触前、接触中、又は接触後の内部導電層と不活性化層との間の抵抗に関連し得る。いくつかの実施形態では、増加は、不活性化金属を含む電池と同じ条件に供される不活性化金属を有しない同様の電池の抵抗に関連し得る。
【0272】
「低減された」は、参照に対する低減を意味する。いくつかの実施形態では、「低減された」とは、参照値に対して5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、99%以上、100%の低減を意味する。いくつかの実施形態では、「低減された」とは、5%~50%、10%~20%、50%~100%の低減を意味する。
【0273】
いくつかの実施形態では、低減は、導電性水性媒体と接触する前の電池の電気的接触、電流、又は電圧に関連し得る。いくつかの実施形態では、低減は、不活性化金属を有しない同様の電池の電気的接触、電気化学反応の速度、電流、又は電圧に関連し得る。
【0274】
「抑制された」とは、参照と比較して作用が起こるのを防止することを意味する。いくつかの実施形態では、抑制は、導電性水性媒体と接触する前の電池の電気化学反応又は電解電流に関連し得る。
【0275】
本明細書で使用される「導電性水性媒体」には、限定するものではないが、塩水溶液及び緩衝水溶液;消化液、唾液、粘液、粥状液、胆汁、湿潤組織、及び血液等の体液;水性ゲル等の導電性水含有溶液が含まれる。導電性水性媒体の抵抗率は、1MOhm-cm以下である。導電性水性媒体のpHは、異なる生物学的溶液をモデル化するために、1~9pH、1~3pH、4~7pH、及び7~9pHの範囲であり得る。
【0276】
本明細書で使用される「非導電性水性媒体」とは、精製水若しくは脱イオン水、又は非イオン性洗浄洗剤を含む水の溶液であって、1Mオーム-cmを超える抵抗率を有する溶液を指す。
【0277】
本明細書で使用される場合、「均一な」厚さを有する層、又は材料、又は構成要素は、例えば、層内で0~0.5%、又は0~1%、又は0~5%、又は0~10%、又は0~12%、又は0~15%を超えて変化しない一貫した厚さを有する。厚さの範囲又は値が指定される場合、層は、例えば、指定された範囲内で、又は指定された値から、0~0.5%、又は0~1%、又は0~5%、又は0~10%、又は0~12%、又は0~15%を超えて変化しない。
【0278】
本明細書で使用される場合、「変動する」厚さを有する層、又は材料、又は構成要素は、層内で、例えば、15%~500%、又は15%~300%、又は15%~200%、又は15%~100%、又は15%~50%、又は15%~25%、又は15%~20%変動する層である。厚さの範囲又は値が指定される場合、層は、例えば、指定された範囲内で(又は指定された値から)15%~500%、又は15%~300%、又は15%~200%、又は15%~100%、又は15%~50%、又は15%~25%、又は15%~20%変化し得、この範囲は、別段の指示がない限り、列挙された端点を含む。
【0279】
本開示の目的のために、特定の範囲の均一な又は変動する厚さを有する層は、特定の範囲内のその層の少なくともいくらかの部分を有する層であり、その範囲は、別段の指示がない限り、列挙された終点を含む。特定の範囲又は値の均一な又は変動する厚さを有する層はまた、特定の範囲内にない層のある部分を有し得る。層は、記載された厚さの範囲又は値から外れる層を最大30%、又は0.1%~20%、又は0.1%~10%有し得る。例えば、ヘムフォールド構造(
図15B及び
図15C参照)を含むカソードケースは、ヘムフォールドの屈曲部に、又はその層の少なくとも一部分が特定の範囲又は値の外側にある終端部に領域を有し得る。
【0280】
I.例示的な電池
本開示は、既存の電池よりも安全であり、摂取されたとき、例えば子供又はペットが誤って電池を飲み込んだときに組織を損傷する可能性が低い電池を提供する。いくつかの実施形態では、電池は、電池によって供給される電位差の存在下で、生物学的組織と接触するなど、導電性水性環境において急速に非活性化する。本開示は、任意の電池に関し、特定の実施形態では、本開示は、公称3ボルト又は公称1.5ボルトのボタンセル型電池などのコイン又はボタンセル型電池を提供する。
【0281】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、電池は、Taを含む。他の実施形態では、電池は、Nbを含む。いくつかの実施形態では、電池は、Tiを含む。いくつかの実施形態では、電池は、Wを含む。いくつかの実施形態では、電池は、Reを含む。いくつかの実施形態では、電池は、Re、Ta、Nb、W、及び/又はTiの合金を含む。いくつかの実施形態では、電池は、Re、Ta、Nb、W、及び/又はTiの任意の組み合わせを含む。本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、カソードケース又はアノードケース及びカソードケースは、Re、又はTa、又はNb、又はW、又はTi、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、カソードケース又はアノードケース及びカソードケースは、Re、Ta、Nb、W、及び/若しくはTiの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む。
【0282】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、電池は、不活性化金属を含む。本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、電池は、不活性化層中に不活性化金属を含む。
【0283】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、電池は、内部導電層を含む。いくつかの実施形態では、内部導電層は、不活性化層と電気化学セルのアノード又はカソードとの間に配設される。いくつかの実施形態では、内部導電層は、不活性化層と電気的に接触しており、電気化学セルのアノード又はカソードと電気的に接触している。
【0284】
いくつかの実施形態では、電池は、不活性化金属を含み、不活性化金属は、100nm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する。いくつかの実施形態では、不活性化金属は、100nm~1μm、100nm~3μm、100nm~5μm、100nm~10μm、1μm~400μm、3μm~100μm、3μm~50μm、15μm~300μm、14μm~200μm、25μm~50μm、50μm~400μm、50μm~300μm、50μm~200μm、50μm~175μm、55μm~400μm、55μm~300μm、55μm~200μm、60μm~400μm、60μm~300μm、60μm~200μm、200μm~300μm、又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する。追加の例示的な範囲は、本出願全体を通して開示される。
【0285】
本明細書では、カソード内部導電層と、不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含む、カソードケースであって、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、カソードケースが提供される。いくつかの実施形態では、本開示の電池は、カソード内部導電層と、不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含む、カソードケースを備え、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触している。
【0286】
いくつかの実施形態では、内部導電層は、1nm~400μm、又は175μm~300μm、又は75~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。内部導電層の厚さの他の例は、全体を通して提供される。
【0287】
いくつかの実施形態では、内部導電層に対する不活性化層の厚さは、電池又はカソードケースが導電性水性媒体に曝露又は浸漬されたときに、不活性化層と電気的に接触している内部導電層の表面の曝露を最小化又は防止するように選択される。いくつかの実施形態では、内部導電層に対する不活性化層の厚さは、製造中、例えば、圧着、ローリング、又は折り畳みプロセス(例えば、ヘムフォールドを作製するためのプロセス)中の不活性化層の亀裂を最小化又は防止するように選択される。ヘムフォールドは、環状側壁をカソードケースの内面に向かって折り畳むために使用されるプロセスである。これは、カソードケースリムにおける不活性化層の提示を容易にする。ヘムフォールドは、少なくとも
図14A、
図14D並びに
図15A、
図15B、及び
図15Cに示される。亀裂を最小化又は防止する不活性化層の厚さは、不活性化層、内部導電層、並びにカソード及び/又はアノードケースの形態の選択に基づいて変化する。
【0288】
いくつかの実施形態では、不活性化層の厚さは、内部導電層の厚さの1%~10000%である。いくつかの実施形態では、不活性化層の厚さは、内部導電層の厚さの10%~1000%である。いくつかの実施形態では、不活性化層の厚さは、内部導電層の厚さの100%~10000%である。いくつかの実施形態では、不活性化層の厚さは、内部導電層の厚さの100%~1000%である。いくつかの実施形態では、不活性化層の厚さは、内部導電層の厚さの100%~500%である。
【0289】
いくつかの実施形態では、(アノード又はカソードのいずれかの)内部導電層及び不活性化層は、1:1~5、又は1:1.1~4.5、又は1:1.5~4、又は1:2~3、又は1:1、又は1:1.2、又は1:1.5、又は1:2、又は1:2.5、又は1:3、又は1:3.5、又は1:4、又は1:4.5、又は1:5の比(不活性化層:内部導電層)で均一な又は変動する厚さを有する。いくつかの実施形態では、(アノード又はカソードのいずれかの)内部導電層及び不活性化層は、1:1~20、又は1:1~10、又は1:10、又は1:20の比(不活性化層:内部導電層)で均一な又は変動する厚さを有する。他の実施形態では、積層体中の導電層及び不活性化層は、1~20:1、又は1~10:1、又は10:1、又は20:1の比(不活性化層:内部導電層)で均一な又は変動する厚さを有する。他の実施形態では、積層体中の導電層及び不活性化層は、1~5:1、又は1.1~4.5:1、又は1.5~4:1、又は2~3:1、又は1:1、又は1.2:1、又は1.5:1、又は2:1、又は2.5:1、又は3:1、又は3.5:1、又は4:1、又は4.5:1、又は5:1の比(不活性化層:内部導電層)で均一な又は変動する厚さを有する。明確にするために、1:1~Xの比の範囲は、1:1~1:Xを意味し、1~X:1は、1:X~1:1を意味する。いくつかの実施形態では、内部導電層及び不活性化層(アノード又はカソードのいずれかの)は、8:1~1:5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:5、又は6:1~1:3、又は6:1~1:2、又は6:1~1:1.1、又は6:1~1:1、3:1~1:5、又は3:1~1:3、又は3:1~1:2、又は3:1~1:1.1、又は3:1~1:1、又は2:1~1:5、又は2:1~1:3、又は2:1~1:2、又は2:1~1:1.1、又は2:1~1:1、又は8~:1~1:2.5、又は8~:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:2、又は3:1~1:2の比(不活性化層:内部導電層)で均一な又は変動する厚さを有し、例えば、カソードケースの底部分(例えば、
図4の413)の少なくとも1つの点である。
【0290】
いくつかの実施形態では、不活性化金属は、不活性化層と電気的に接触している内部導電層の表面の周囲環境への曝露を防止するのに十分な均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する。いくつかの実施形態では、均一な層は、周囲環境への内部導電層の0.01mm2未満、又は0.05mm2未満、又は0.5mm2未満、又は1.0mm2未満、又は1.5mm2未満の曝露を防止する。いくつかの実施形態では、不活性化金属は、折り畳み時に層の亀裂を低減又は防止する均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する。いくつかの実施形態では、均一な層は、折り畳み、圧着、又は製造プロセスの開始時の金属層の厚さと比較して、最終製造製品において金属層を延伸させるか、又はより薄くする任意の他の製造プロセスの際に、内部導電層の0.01mm2未満、又は0.05mm2未満、又は0.5mm2未満、又は1.0mm2未満、又は1.5mm2未満の周囲環境への曝露を防止する。いくつかの実施形態では、カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面は、製造後に周囲環境に曝露されない。いくつかの実施形態では、カソード不活性化層と電気的に接触しているカソード内部導電層の表面の0.01mm2未満、又は0.05mm2未満、又は0.1mm2未満、又は0.5mm2未満、又は1.0mm2未満、又は1.5mm2未満が、製造後に周囲環境に曝露される。いくつかの実施形態では、製造後とは、カソードケースが缶又はケースに形成された後を意味する。いくつかの実施形態では、製造後とは、カソードケースが電池に組み込まれた後を意味する。いくつかの実施形態では、製造後とは、カソードが、使用の準備ができている電池に組み込まれた後を意味する。
【0291】
いくつかの実施形態では、内部導電層及び不活性化層を合わせた厚さは、50μm、100μm、200μm、300μm、又は400μm以下である。いくつかの実施形態では、内部導電層と不活性化層とを合わせた厚さは、25μm~400μm、又は25μm~50μm、又は50μm~100μm、又は100μm~200μm、又は200μm~300μm、又は300μm~400μmである。
【0292】
アノードケース及びカソードケースを備えるコインセル電池の一実施形態では、セル全体は、3.2mmの高さ及び20mmの外径を有する。本明細書において説明されるアノードケース及びカソードケースの様々な層の組み合わせは、最終的な総セル寸法を維持するように選択される。
【0293】
図2は、本開示の一実施形態による例示的なコイン型又はボタン型セル型電池200の断面図を示す。
【0294】
例示的な電池200は、
アノードケース201と、
不活性化金属を含むカソードケース202と、
アノード203と、カソード205と、アノードとカソードとの間に位置付けられたセパレータ204と、アノードケースとカソードケースとの間のガスケット206と、を備える、電気化学セルと、を含む。
【0295】
セパレータは、一般に、アノードとカソードとの間の物理的分離を提供し、当該技術分野で既知の任意の材料から作製することができる。追加的に、当該技術分野でよく理解されているように、電解質は、電池に含まれ得る。
【0296】
ガスケット206は、有利にはアノードケースとカソードケースとの間に配設され、アノードケースとカソードケースとの間にシールを提供し得る。ガスケットは、エラストマー材料又は別のポリマー等の非導電性材料を含み得る。
図2に示されるように、カソードケース202は、カソード内部導電層202a及びカソード不活性化層202bを含み得、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触している。
【0297】
いくつかの実施形態では、不活性化層の少なくとも一部分が導電性水性媒体と接触した後、導電性水性媒体の電気分解は、(例えば、不活性化層を有しない電池から観察されるものと比較して)低減又は抑制される。電池が導電性水性媒体に浸漬されるか、又は部分的に浸漬される場合、不活性化金属は、導電性水性媒体との接触により少なくとも部分的な電気化学的酸化を受ける。いくつかの実施形態では、形成される酸化物は、不活性化金属の酸化物である。一実施形態では、表面酸化物は、導電性水性媒体に曝露される不活性化金属の部分上に発達又は伝播する。いくつかの実施形態では、不活性化金属は、導電性水性媒体に曝露される表面にわたって連続している不活性化金属の酸化物を含む天然表面酸化物を形成する。いくつかの実施形態では、不活性化金属は、特に印加された電位下で、連続した固体外部酸化物層を形成し、成長させ、変換する。いくつかの実施形態では、酸化物層は、電池が導電性水性媒体に浸漬されたときに生成される酸化電流に曝露されると、2時間未満で形成され、電池電極は、水性媒体を介して電気的に接触している。
【0298】
いくつかの実施形態では、本明細書において説明される電池及び/又はカソードケースは、水性導電性媒体との最初の接触から2時間以内、又は1時間以内、又は30分以内、又は10分以内に、1.5mA未満、又は1mA未満、又は0.5mA未満、又は0.3mA未満の電流を生成する。いくつかの実施形態では、酸化物層は、一旦形成されると、1.5mA未満、又は1mA未満、又は0.5mA未満、又は0.3mA未満の酸化電流を維持する。
【0299】
いくつかの実施形態では、表面酸化物は、更なる酸化に対して耐性があり得る。理論に束縛されるものではないが、更なる酸化に対する耐性は、カソードにおける電気分解の酸化的半反応を抑制し得ると考えられる。酸化的半反応の低減又は抑制は、次に、アノードにおける電気分解の還元的半反応を抑制し得る。これらの条件下では、組織損傷を引き起こし得る塩基性環境を生成する水酸化物イオンの生成が低減又は抑制され、摂取の場合の安全性が改善される。
【0300】
いくつかの実施形態では、不活性化金属(例えば不活性化層中に)を含む電池は、導電性水性媒体中に長期間、例えば5時間未満、3時間未満、2時間未満、1時間未満、1~2時間、1~3時間、1~5時間、2~3時間、2~5時間、又は3~5時間浸漬された場合に、導電性水性媒体中の電気分解を(例えば、不活性化層なしの電池から観察されるものと比較して)抑制又は低減することができる。
【0301】
他の実施形態では、不活性化層は、水性導電性媒体と接触する前に表面酸化物を含む。この表面酸化物は、空気への曝露時に形成される自然酸化物であり得る。表面酸化物はまた、酸性溶液への曝露、塩基性溶液への曝露、不活性化層に電位を印加するか又は印加しない酸化溶液への曝露によって形成され得る。この表面酸化物はまた、堆積プロセスを使用して金属酸化物を堆積させること、酸素リッチ雰囲気を有する炉への不活性化層の曝露、又は酸素プラズマへの不活性化層の曝露によって形成され得る。表面酸化物は、上で考察されるように、不活性化金属の更なる酸化に対する耐性を提供し、導電性水性環境に浸漬されている間の例示的な電池の結果として生じる最大電流引き込みを効果的に制限し得る。
【0302】
表面酸化物が自然酸化物であるか、電池の組み立て前に形成されるか、電池の組み立て後であるが導電性水性媒体と接触する前に形成されるか、又は導電性水性媒体への曝露時に発生するかにかかわらず、電池の得られる最大電解電流引き込みは、2時間、1時間、30分、20分、10分、5分、又は1分以内などの相対的に短い時間にわたって、1mA未満、100μA未満、10μA未満、又は1μA未満に制限され得る。
【0303】
いくつかの実施形態では、水性導電性媒体がシミュレート唾液、胃液、又は腸液である、水性導電性媒体に浸漬されたとき、本明細書において説明される電池又はカソードケースは、水性導電性媒体との最初の接触から120分以内、又は30分以内、又は10分以内に1mA以下、又は0.5mA以下の酸化電流を生成し、各々が本明細書において説明されるハム試験及び/又はシミュレートブタ食道試験において最小限の損傷をもたらす。いくつかの実施形態では、電池又はカソードケース外面は、耐摩耗性であり、周囲環境に曝露されるステンレス鋼内部導電層の表面積を0.5mm2未満に保つ。
【0304】
いくつかの実施形態では、電池は、ボタン又はコインセル型電池である。他の実施形態では、例示的な電池の電気化学セルは、10V以下、5V以下、3V以下、又は1V以下の電圧を有する。別の実施形態では、例示的な電池は、3ボルト又は1.5ボルトのボタン電池又はコインセルである。
【0305】
他の実施形態では、例示的な電池は、CR927、CR1025、CR1130、CR1216、CR1220、CR1225、CR1616、CR1620、CR1625、CR1632、CR2012、CR2016、CR2025、CR2032、CR2320、BR2335、CR2354、CR2412、CR2430、CR2450、CR2477、CR2507、CR3032、又はCR11108リチウムコインセル電池である。いくつかの実施形態では、例示的な電池は、SR41、SR43、SR44、SR45、SR48、SR54、SR55、SR57、SR58、SR59、SR60、SR63、SR64、SR65、SR66、SR67、SR68、SR69、S516、SR416、SR731、SR512、SR714、SR712酸化銀コインセル電池である。他の実施形態では、例示的な電池は、LR41、LR44、LR54、又はLR66アルカリコインセル電池である。更なる実施形態では、電池は、CR2032、CR2016、又はCR2025リチウムコインセル電池である。他の実施形態では、電池は、AAAA、AAA、AA、A、B、C、D、E 90/N、4001、810、910A、AM5、LR1、MN9100、又はUM-5円筒形電池である。
【0306】
他の実施形態では、例示的な電池は、二次電池である。他の実施形態では、例示的な電池は、充電式電池である。
【0307】
本開示の電池は、業界標準寸法内で製造される。したがって、内部導電層及び不活性化層の寸法は、これらの規格に適合する完全かつ動作可能な電池を提供するように選択される。携帯型一次(非充電式)電池の現在のIEC規格は、60086番である。関連する米国規格は、米国National Electrical Manufacturers Association(NEMA)の委員会によって開発されたANSI Cl 8シリーズである。本明細書に開示される電池は、任意の業界で許容される標準サイズに作製することができる。
【0308】
例えば、CR2032電池は、外径20mm、高さ3.2mmである。
【0309】
A.Ta又はNb不活性化層を有する例示的な電池
1.カソードケース上にTa又はNb不活性化層を有する例示的な電池
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される電池は、不活性化金属を含むカソードケースを含み、不活性化金属は、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む。他の実施形態では、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属は、100nm~400μm、100nm~3μm、3μm~100μm、3μm~50μm、200μm~300μm、又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層中に存在する。
【0310】
いくつかの実施形態では、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含むカソードケースを含む電池は、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む。
【0311】
いくつかの実施形態では、カソードケースは内部支持部材である。いくつかの実施形態では、カソードケースは内部導電層を含まず、電池は外部コーティングを含まない。別の実施形態では、カソードケースは、不活性化金属を含む層から本質的になり、この層は、200μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。更に別の実施形態では、カソードケースは、不活性化金属を含む層からなり、この層は、200μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0312】
本明細書で使用される場合、「外部コーティング」は、カソードケース、アノードケース、又はそれらの両方の外側の金属層であり、不活性化金属よりも低い接触抵抗を提供し、かつ/又は高輝又は光沢度を提供することによって電池の美観を改善する。
【0313】
更なる実施形態では、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含む電池は、アノードケースの外面又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、更に外部コーティングは、100nm~7μm、100nm~5μm、又は100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0314】
別の実施形態では、カソードケースは、カソード内部導電層と、Ta、Nb、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含むカソード不活性化層と、を含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触しており、電池は、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティング及びカソード不活性化層は電気的に接触している。
【0315】
いくつかの実施形態では、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化層を含むカソードケースを含む電池は、外部コーティングを含まない。他の実施形態では、カソードケースは、カソード内部導電層と、不活性化金属を含むカソード不活性化層と、から本質的になり、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触している。他の実施形態では、カソードケースは、カソード内部導電層と、不活性化金属を含むカソード不活性化層と、からなり、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触している。
【0316】
別の実施形態では、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含むカソード不活性化層は、100nm~100μm、100nm~3μm、3μm~25μm、又は25μm~50μmの均一な又は変動する厚さを有する。いくつかの実施形態では、不活性化層は、15μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm超~300μm、又は50μm超~200μmの均一な又は変動する厚さを有する。いくつかの実施形態では、カソード内部導電層は、175μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0317】
更に別の実施形態では、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含むカソード不活性化層は、第1の不活性化金属を含む第1の層及び第2の不活性化金属の第2の層を更に含む。いくつかの実施形態では、カソード不活性化層は、Ta又はその合金を含む第1の層を含む。他の実施形態では、カソード不活性化層は、Ta又はその合金を含む第1の層を含み、第1の層は、1pm~3μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0318】
別の実施形態では、カソード不活性化層は、Nb又はその合金を含む第2の層を含む。別の実施形態では、カソード不活性化層は、Nb又はその合金を含む第1の層を含み、第2の層は、10μm~250μm、又は10μm~30μmの均一な又は変動する厚さを有する。更に別の実施形態では、カソード内部導電層は、75μm~300μm、又は175μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0319】
2.カソードケース及びアノードケース上にTa及び/又はNb不活性化層を有する例示的な電池
一実施形態では、
図3に例示されるものなどの例示的な電池300は、
アノード内部導電層301aと、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含むアノード不活性化層301bと、を含む、アノードケース301であって、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、アノードケースと、
カソード内部導電層302aと、不活性化金属を含むカソード不活性化層302bと、を含む、カソードケース302であって、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、カソードケースと、
アノード303と、カソード305と、アノードとカソードとの間に位置付けられたセパレータ304と、アノードケースとカソードケースとの間のガスケット306と、を備える、電気化学セルと、を含む。
【0320】
アノードの内部導電層及びカソードケースの内部導電層の材料は、電池技術分野において既知の任意のものから選択される。アノードケースは、アノードのための保護バリアを提供し、一般に導電性材料を含む。
【0321】
カソードケースが、Nb若しくはTa、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含む、本明細書に開示される電池の一実施形態では、電池は、アノード内部導電層と、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含むアノードケースも含み、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は、電気的に接触しており、電池は、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティング及びアノード不活性化層は、電気的に接触している。
【0322】
アノード内部導電層と、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属と、を含む、アノード不活性化層を含む、アノードケースを含み、アノード内部導電層及びアノード不活性化層が、電気的に接触している、電池の別の実施形態では、電池は、アノードケースの外面又はカソードケースの外面上に外部コーティングを含まない。更に別の実施形態では、アノードケースは、アノード内部導電層と、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、から本質的になり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は電気的に接触している。更に別の実施形態では、アノードケースは、アノード内部導電層と、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、からなり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は電気的に接触している。
【0323】
一実施形態では、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含むアノード不活性化層は、100nm~400μm、100nm~100μm、100nm~3μm、3μm~25μm、又は25μm~50μmの均一な又は変動する厚さを有する。別の実施形態では、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含むアノード不活性化層は、100nm~100μm、100nm~3μm、3μm~25μm、又は25μm~50μmの均一な又は変動する厚さを有し、アノード内部導電層は、175μm~300μm、又は200μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0324】
更なる実施形態では、Nb、Ta、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含むアノード不活性化層は、第1の不活性化金属を含む第1の層及び第2の不活性化金属の第2の層を更に含む。
【0325】
いくつかの実施形態では、アノード不活性化層は、Ta又はその合金を含む第1の層を含む。いくつかの実施形態では、アノード不活性化層は、Ta又はその合金を含む第1の層を含み、第1の層は、1μm~3μmの均一な又は変動する厚さを有する。いくつかの実施形態では、アノード不活性化層は、Nb又はその合金を含む第2の層を含む。いくつかの実施形態では、アノード不活性化層は、Nb又はその合金を含む第2の層を含み、第2の層は、10μm~250μm、又は10μm~30μmの均一な又は変動する厚さを有する。いくつかの実施形態では、アノード内部導電層は、75μm~300μm又は200μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0326】
B.W又はRe不活性化層を有する例示的な電池
1.カソードケース上にW又はRe不活性化層を有する例示的な電池
本明細書に開示される電池の他の実施形態では、カソードケースは、W、Re、又はそれらの合金を含む不活性化金属を含む。他の実施形態では、カソードケースは、W、Re、又は合金を含む不活性化層を含み、不活性化層は、100nm~400μm、又は100nm~25μm、100nm~3μm、又は3μm~25μmの均一な又は変動する厚さを有する。不活性化層の厚さは、選択された製造プロセスをサポートするように選択することができる。
【0327】
いくつかの実施形態では、W、Re、又はそれらの合金を含むカソードケースを含む電池は、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む。
【0328】
更なる実施形態では、W、Re、又はそれらの合金を含む電池は、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、更に外部コーティングは、100nm~7μm、100nm~5μm、又は100nm~200nmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0329】
別の実施形態では、カソードケースは、カソード内部導電層と、W、Re、又はそれらの合金を含むカソード不活性化層と、を含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触しており、電池は、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、それらの合金、又はそれらの任意の2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティング及びカソード不活性化層は電気的に接触している。
【0330】
別の実施形態では、W、Re、又はそれらの合金を含むカソード不活性化層は、100nm~25μm、3μm~25μm、又は1μm~3μmの均一な又は変動する厚さを有する。いくつかの実施形態では、カソード内部導電層は、200μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0331】
いくつかの実施形態では、W、Re、又はそれらの合金を含むカソードケースを含む電池は、アノードケースの外面又はカソードケースの外面上に外部コーティングを含まない。いくつかの実施形態では、電池は、カソード内部導電層と、不活性化金属を含むカソード不活性化層と、から本質的になるカソードケースを含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触している。いくつかの実施形態では、電池は、カソード内部導電層と、不活性化金属を含むカソード不活性化層と、からなるカソードケースを含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触している。
【0332】
更に別の実施形態では、W、Re、又はそれらの合金を含むカソード不活性化層は、第1の不活性化金属を含む第1の層及び第2の不活性化金属の第2の層を更に含む。いくつかの実施形態では、カソード不活性化層は、W、Re、又はそれらの合金を含む第1の層を含む。他の実施形態では、カソード不活性化層は、W、Re、又はそれらの合金を含む第1の層を含み、第1の層は、1μm~25μmの均一な又は変動する厚さを有する。別の実施形態では、カソード不活性化層は、Nb又はその合金を含む第2の層を含む。いくつかの実施形態では、カソード不活性化層は、Nb又はその合金を含む第2の層を含み、第2の層は、5μm~30μmの均一な又は変動する厚さを有する。更に別の実施形態では、カソード内部導電層は、200μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0333】
2.カソードケース及びアノードケース上にW又はRe不活性化層を有する例示的な電池
図3にも示されている一実施形態では、例示的な電池300は、
アノード内部導電層301aと、W、Re、又はそれらの合金を含む、不活性化金属を含む、アノード不活性化層301bと、を含む、アノードケース301であって、アノード内部導電層及びアノード不活性化金属層が、電気的に接触している、アノードケースと、
カソード内部導電層302aと、不活性化金属を含むカソード不活性化層302bと、を含む、カソードケース302であって、カソード内部導電層及びカソード不活性化層が、電気的に接触している、カソードケースと、
アノード303と、カソード305と、アノードとカソードとの間に位置付けられたセパレータ304と、アノードケースとカソードケースとの間のガスケット306と、を備える、電気化学セルと、を含む。
【0334】
カソードケースがW、Re、又はそれらの合金を含む不活性化金属を含む、本明細書に開示される電池の一実施形態では、電池はまた、アノード内部導電層を含むアノードケースと、W、Re、又はそれらの合金を含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は電気的に接触しており、電池は更に、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを含み、外部コーティングは、Ni、Al、Cu、Cr、Zn、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティング及びアノード不活性化層は電気的に接触している。
【0335】
別の実施形態では、アノードケースは、アノード内部導電層と、W、Re、又はそれらの合金を含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は電気的に接触しており、電池は、アノードケースの外面又はカソードケースの外面上に外部コーティングを含まない。更に別の実施形態では、アノードケースは、アノード内部導電層と、W又はReを含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、から本質的になり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は電気的に接触している。別の実施形態では、アノードケースは、アノード内部導電層と、W又はReを含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、からなり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は電気的に接触している。
【0336】
一実施形態では、W、Re、又はそれらの合金を含むアノード不活性化層は、100nm~25μm、3μm~25μm、又は1μm~3μmの均一な又は変動する厚さを有する。別の実施形態では、W、Re、それらの合金を含むアノード不活性化層は、100nm~25μm、3μm~25μm、又は1μm~3μmの均一な又は変動する厚さを有し、アノード内部導電層は、75μm~300μm又は200μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0337】
更なる実施形態では、W、Re、又はそれらの合金を含むアノード不活性化層は、第1の不活性化金属を含む第1の層と、第2の不活性化金属の第2の層と、を更に含む。いくつかの実施形態では、アノード不活性化層は、W、Re、又はそれらの合金を含む第1の層を更に含む。いくつかの実施形態では、アノード不活性化層は、W、Re、又はそれらの合金を含む第1の層を更に含み、第1の層は、1μm~3μmの均一な又は変動する厚さを有する。いくつかの実施形態では、アノード不活性化層は、Nb又はその合金を含む第2の層を更に含む。いくつかの実施形態では、アノード不活性化層は、Nb又はその合金を含む第2の層を更に含み、第2の層は、10μm~30μmの均一な又は変動する厚さを有する。いくつかの実施形態では、アノード内部導電層は、75μm~300μm又は200μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0338】
C.Ti不活性化層を有する例示的な電池
1.カソードケース上にTi不活性化層を有する例示的な電池
本明細書に開示される電池の他の実施形態では、カソードケースは、Ti又はその合金を含む不活性化金属を含み、電池は、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを任意選択的に含み、外部コーティングは、Al、Cu、Cr、Zn、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む。別の実施形態では、Tiを含む不活性化金属は、1μm~400μm、50μm超~400μm、50μm超~300μm、50μm超~200μm、200μm~300μm、又は300μm~400μmの均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する。不活性化層の厚さは、選択された製造プロセスをサポートするように選択することができる。
【0339】
一実施形態では、電池は、アノードケースの外面又はカソードケースの外面上に外部コーティングを含まない。一実施形態では、カソードケースは、Tiを含む不活性化金属を含む層から本質的になり、この層は、200pm~300pmの均一な又は変動する厚さを有する。別の実施形態では、カソードケースは、Tiを含む不活性化金属を含む層からなり、この層は、200μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0340】
他の実施形態では、Al、Cu、Cr、Zn、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む外部コーティングは、アノードケースの外面及びカソードケースの外面の両方に存在する。カソードケースがTi又はその合金を含む不活性化金属を含む、本明細書に開示される電池の他の実施形態では、外部コーティングは、存在する場合、Niを含まない。他の実施形態では、外部コーティングは、アノードケースの外面上に存在する。他の実施形態では、外部コーティングは、カソードケースの外面上に存在する。いくつかの実施形態では、外部コーティングは、100nm~7μm又は100nm~5μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0341】
いくつかの実施形態では、カソードケースは、カソード内部導電層と、Ti又はその合金を含む不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触している。他の実施形態では、カソードケースは、カソード内部導電層と、Ti又はそれらの合金を含む不活性化金属を含むカソード不活性化層と、を含み、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触しており、電池は、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングは、Al、Cu、Cr、Zn、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティング及びカソード不活性化層は電気的に接触している。
【0342】
別の実施形態では、カソードケースは、カソード内部導電層と、Ti又はその合金を含む不活性化金属を含むカソード不活性化層と、から本質的になり、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触している。
【0343】
更なる実施形態では、カソードケースは、カソード内部導電層と、Tiを含む不活性化金属又はその合金を含むカソード不活性化層と、からなり、カソード内部導電層及びカソード不活性化層は電気的に接触している。他の実施形態では、Ti又はその合金を含むカソード不活性化層は、50μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する。更なる実施形態では、Ti又はその合金を含むカソード不活性化層は、50μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソード内部導電層は、175μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0344】
2.カソードケース及びアノードケース上にTi不活性化層を有する例示的な電池
カソードケースがTi又はその合金を含む不活性化金属を含む、本明細書に開示される電池の一実施形態では、電池はまた、アノード内部導電層と、Ti又はその合金を含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含むアノードケースを備え、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は電気的に接触している。いくつかの実施形態では、アノードケースは不活性化金属を含む。
【0345】
いくつかの実施形態では、アノードケースは、Ti又はその合金を含む不活性化金属を含み、電池は、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを任意選択的に含み、外部コーティングは、Al、Cu、Cr、若しくはZn、それらの合金、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む。
【0346】
同様の実施形態では、アノードケースは、アノード内部導電層と、Ti又はそれらの合金を含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は電気的に接触しており、電池は、アノードケースの外面、又はカソードケースの外面、又はそれら両方に外部コーティングを更に含み、外部コーティングは、Al、Cu、Cr、Zn、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含み、外部コーティング及びアノード不活性化層は電気的に接触している。
【0347】
別の実施形態では、アノードケースは、アノード内部導電層と、Ti又はその合金を含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、を含み、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は電気的に接触しており、電池は、アノードケースの外面又はカソードケースの外面上に外部コーティングを更に含む。
【0348】
別の実施形態では、アノードケースは、アノード内部導電層と、Ti又はその合金を含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、から本質的になり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は電気的に接触している。
【0349】
更に別の実施形態では、アノードケースは、アノード内部導電層と、Ti又はその合金を含む不活性化金属を含むアノード不活性化層と、からなり、アノード内部導電層及びアノード不活性化層は電気的に接触している。
【0350】
いくつかの実施形態では、Ti又はその合金を含むアノード不活性化層は、50μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する。他の実施形態では、アノード不活性化層は、50μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有し、アノード内部導電層は、75μm~350μm、又は125μm~350μm、又は25μm~100μm、175μm~300μm、又は200μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0351】
II.例示的なカソードケース
A.例示的カソードケース構造
図4は、本開示の電池において有用な例示的なカソードケースを示す。カソードケース400は、底部413と、環状側部412と、リム414と、を含む。ケースは、内部導電層403と、不活性化層404と、を含む。不活性化層は、底部及び環状側部の外面415を覆い、内部導電層は、電気化学セルと物理的に接触し得るカソードケースの内面416の少なくとも一部分を覆う。
【0352】
層の曝露面は、例示的な電池が適切に機能するために重要である。
図5A~
図5Nは、例示的な電池で使用するための異なる向きの複数の層を含むカソードケースのいくつかの異なる実施形態の断面図を示す。
【0353】
B.複数の層を有する例示的なカソードケース構造
いくつかの実施形態では、不活性化層502は、
図5Aに示されるように、カソードケース500aのリムの上に延在する。他の実施形態では、例えば500b(
図5B)、不活性化層504は、カソードケースの内側底面上を除いて内部導電層503を覆うカソードケースのリムを覆って内壁501を下って延在する。
【0354】
実施形態500f(
図5F)は、不活性化層514がカソードケースの全厚さの50%超を含むことを示す。内部導電層513は、カソードケースの全厚さの50%未満を含む。いくつかの実施形態では、内部導電層513は存在しなくてもよい。その実施形態では、不活性化層514はカソードケースである。
【0355】
図5Cにおいてカソードケース500cとして示される更に別の実施形態では、不活性化層506は、ケースの外面506bからケースの内面506aへの連続的なコーティングで、表面にわたって適用される。ケース506bの外面及びケース506aの内面は、同じ又は異なる材料であり得、電気的に接触している。内部支持部材505は、不活性化層によって完全に包まれている。内部支持部材は、導電性又は非導電性であり、缶形状を維持することができ、かつ電池をシーリングするために圧着される能力を有する、任意の材料から構成することができる。
【0356】
いくつかの例において、カソード不活性化層は、複数の層を更に含む。一実施形態500mでは、カソードケースは、不活性化金属534を含む第1の層と、不活性化金属533の第2の層と、カソード内部導電層532と、を含む(
図5M)。
【0357】
いくつかの実施形態では、内部導電層に対する不活性化層の厚さは、本明細書において説明される電池が導電性水性媒体中に浸漬されたときに、導電性水性媒体への内部導電層の曝露を最小化又は防止するように選択される。いくつかの実施形態では、内部導電層に対する不活性化層の厚さは、製造中の不活性化層の亀裂を最小化又は防止するように選択される。亀裂を最小化又は防止する不活性化層の厚さは、不活性化金属、内部導電層材料、並びにカソード及び/又はアノードケースの形態の選択に基づいて変化する。
【0358】
いくつかの実施形態では、不活性化金属は、内部導電層の周囲環境への曝露を防止するのに十分な均一な又は変動する厚さを有する層内に存在する。いくつかの実施形態では、不活性化金属は、0.01mm2未満、又は0.05mm2未満、又は0.1mm2未満、又は0.5mm2未満、又は1.0mm2未満、又は1.5mm2未満である内部導電層の表面積の周囲環境への曝露を防止するのに十分な均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する。いくつかの実施形態では、不活性化金属は、折り畳み時に層の亀裂を低減又は防止する均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する。いくつかの実施形態では、不活性化金属は、スタンピング、プレス、折り畳み、圧着、又は製造プロセスの開始時の金属層厚さと比較して、最終製造製品において金属層を延伸させるか、又はより薄くする任意の他の製造プロセスの際に、内部導電層の0.01mm2未満、又は0.05mm2未満、又は0.1mm2未満、又は0.5mm2未満、又は1.0mm2未満、又は1.5mm2未満の表面積の周囲環境への曝露を防止するのに十分な均一な又は変動する厚さを有する層中に存在する。
【0359】
C.結合層を有する例示的なカソードケース構造
別の実施形態500e(
図5E)では、内部導電層510及び不活性化層512は、結合層511によって接合される。
【0360】
本明細書で使用される場合、「結合層」は、内部導電層と不活性化層との間の層であり、これらの層を互いに付着させたままにし、これら2つの層の間の電気的接触を妨げず、容易にすることができる層を指す。
【0361】
そのような一実施形態では、例示的な電池は、カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又はそれらの両方の間に配設された少なくとも1つの結合層を含み、内部導電層及び不活性化層は、電気的に接触したままである。
【0362】
他の実施形態では、例示的な電池は、カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又は両方に配設された少なくとも1つの結合層を含み、内部導電層及び不活性化層は電気的に接触したままであり、少なくとも1つの結合層は、導電性材料を含む。
【0363】
いくつかの実施形態では、例示的な電池は、カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又は両方に配設された少なくとも1つの結合層を含み、内部導電層及び不活性化層は電気的に接触したままであり、少なくとも1つの結合層は、金属を含む。例えば、Ni又はAlなどの金属を、被覆プロセスにおける結合層として使用することができる。いくつかの実施形態では、結合層は、金属シートを含む。1つの特定の実施形態では、結合層は、被覆プロセスにおいてニッケル金属を含む。別の実施形態では、結合剤は、導電層及び不活性化層を冶金学的に結合する。
【0364】
別の実施形態では、例示的な電池は、カソード内部導電層とカソード不活性化層との間、アノード内部導電層とアノード不活性化層との間、又はそれらの両方の間に配設された少なくとも1つの結合層を含み、内部導電層及び不活性化層は電気的に接触したままであり、少なくとも1つの結合層は、接着剤を含む。更なる実施形態では、接着剤は、感圧接着剤、ゴム系接着剤、エポキシ、ポリウレタン、シリコーン接着剤、フェノール樹脂、UV硬化性接着剤、アクリレート接着剤、積層接着剤、フルオロポリマー、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを含む。
【0365】
いくつかの実施形態では、結合層は、複数の層又は複数の構成要素を含む。一実施形態では、結合層は、内部導電層及び不活性化層と接触する1つ以上の積層接着剤を含む多層構造体である。いくつかの実施形態では、積層接着剤は、薄く、例えば、0.1~10μmである。いくつかの実施形態では、接着剤は、内部導電層又は不活性化層又はそれらの両方の上の溝及び裂け目内に存在し得、これは、当該技術分野において既知であり、積層体について本明細書に記載される研磨技術を使用して表面粗さを増加させることによって形成することができる。
【0366】
例えば、結合層は、不活性化層と接触して埋め込まれた導電性粒子と混合された接着剤層、内部導電性層と接触して埋め込まれた導電性粒子と混合された接着剤層、又はそれらの両方を含む多成分構造体である。一実施形態では、結合層は、不活性化層及び内部導電層と接触して導電性粒子が埋め込まれたアクリル系感圧接着剤の層(25~40μm層など)を含む多成分構造体である。より具体的には、いくつかの実施形態では、結合層は、低密度又は高密度ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリオレフィン誘導体、酸含有接着剤、アイオノマー、エチレンのターポリマー、アクリレート、又はエチレン-酢酸ビニルを含む積層接着剤を含む。他の実施形態では、酸含有接着剤は、EAA、EMAA、アイオノマー、エチレンのターポリマー、酸、又はアクリレートを含む。
【0367】
いくつかの実施形態では、結合層は、100nm~400μm、100nm~350μm、1μm~350μm、200μm~350μm、1μm~50μm、5μm~50μm、50μm~250μm、又は5μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する。これは、アノードケース及び/又はカソードケースが各々、50μm~400μm、又は200μm~400μmの均一な又は変動する全体厚さを有するいくつかの実施形態をもたらし得る。
【0368】
D.外部コーティングを有する例示的なカソードケース構造
電池のカソードケース、アノードケース、又はそれらの両方の外部コーティングは、電池の通常動作中の接触抵抗を低減するために、又は電池ケースの美観を改善するために、金属などの高導電性材料であり得る。不活性化層及び外部コーティングを含む電池が水性導電性媒体に浸漬されると、外面上に曝露した外部コーティングが酸化し、電池の正極上の酸化反応の一部として溶解し得る。外部コーティングが酸化されると、不活性化層が導電性水性媒体に曝露され、電解反応が低減又は抑制される。可能な材料の組み合わせ及び厚さの範囲は、前のセクションで説明されている。
【0369】
図5Dに示すカソードケースの実施形態500dでは、内部導電層507は、カソードケースの内面の大部分を構成する。不活性化層508は、内部導電層の外面を覆い、リム上に延在する。不活性化層の外面は、外部コーティング509でコーティングされ、カソードケースの内面は、曝露した内部導電層である。
【0370】
図5Gに示される実施形態500gでは、不活性化金属を含む不活性化層516は、連続コーティングとして、内部支持部材515の内面、外面、及びリム面にわたって適用される。内部支持部材は、不活性化層によって完全に包まれている。内部支持部材は、導電性又は非導電性であって、缶形状を維持することができ、かつ電池をシーリングするために圧着される能力を有する任意の材料から構成することができる。不活性化層は、外部コーティング517でコーティングされ、その結果、カソードケースの内面、外面、及びリム表面が外部コーティングで覆われる。
【0371】
図5Hに示される別の実施形態500hでは、不活性化層519は、内部導電層518の外面を覆い、リム上に延在する。不活性化層の外面及びリム表面並びに内部導電層の内面は、カソードケースの内面及び外面が外部コーティングで覆われるように、外部コーティング520でコーティングされる。
【0372】
図5Iに示される実施形態500iでは、不活性化層522は、リム上に延在することなく、内部導電層521の外面を覆う。不活性化層の外面並びに内部導電層の内面及びリム面は、カソードケースの内面及び外面が外部コーティングで覆われるように、外部コーティング523でコーティングされる。
【0373】
図5Jに示される実施形態500jでは、不活性化層525は、内部導電層524の外面を覆い、カソードケースの内側底面を除いて内部導電層を覆うカソードケースのリムを覆って内面を下って延在する。不活性化層の表面及び不活性化層によって覆われていない内部導電層の表面は、外部コーティング526によってコーティングされ、カソードケースの内面及び外面が外部コーティングによって覆われる。
【0374】
図5Kに示す実施形態500kでは、不活性化層528は、カソードケースの全厚さの50%超を含む。内部導電層527は、カソードケースの全厚さの50%未満を含む。不活性化層の外面は、外部コーティング529で覆われている。カソードケースの内面は、内部導電層から構成される。カソードケースのリムの表面は、不活性化層を含む。
【0375】
図5Lに示す5001において、不活性化層530は、カソードケースの全厚さの90%超を構成する。不活性化層の内面、リム、及び外面を含む全ての曝露面は、外部コーティング531で覆われている。
【0376】
図5Nに示す実施形態500nでは、カソードケースは、不活性化金属を含む第1の層537と、不活性化金属の第2の層536と、外部コーティング538と、カソード内部導電層535と、を含む。
【0377】
E.圧着中の例示的なカソードケース構造
図6Aは、底部613、環状側部、又は外環状面612、及びリム614を有する、一実施形態によるカソードケース600aのあるセクションの拡大断面概略図を示す。ガスケット606も示されている。
図6A、6B、6C、7A、7B、及び8は、完全な電池の部分断面概略図を表すが、明確にするために、アノードケースも電池の内部構成要素も示さない。
図6Dは、ガスケットのない
図6Cの概略図に相関するプロトタイプの断面のSEM画像を示す。この実施形態では、環状側部の一部が圧着されて、リム又はリム表面614を含む圧着領域615を形成する。いくつかの実施形態では、例えば600a、
図6Aに描写されるように、不活性化層604は、リムの上に延在し、圧着プロセス中にガスケット606によって部分的に覆われる。電池に組み立てられると、内部導電層603は、電池の外面上に曝露面を有しない。別の実施形態、例えば、
図6Bに描写される600bでは、不活性化層604は、リムを覆って内側側壁の下方に延在し、圧着プロセスの間、ガスケット606によって覆われる。いくつかの実施形態では、(カソードケース600cのあるセクションが
図6Cに示されている)不活性化層604は、スタンピングプロセスなどのプロセスにおいて初期壁厚さから延伸されて薄くされ、内部導電層603の上にヘムフォールドされる。製造されたカソードケース600dのあるセクションが
図6Dに示されており、これは、ヘムフォールドを有する1つの例示的なプロトタイプ圧着セルの断面のSEM画像を示している。
図6Dのこの特定の例では、不活性化層604の厚さは、約200μmの厚さから始まり、スタンピング方法に起因してリム614内で変化する厚さを有し、リム614の薄くされた部分内の内部導電層(いくつかの実施形態では、内部支持部材とも呼ばれる)は、5μm~100μmの変動する厚さを有する。
【0378】
図7A及び
図7Bに見られるように、いくつかの実施形態では、内部導電層703と不活性化層704との間の界面は、カソードケースのリム714において曝露される。カソードケース700a及び700bは、底部又は外底面713と、環状側部712と、リム714と、及び圧着領域715と、を有する。いくつかの実施形態では、例えば700a、曝露した界面は、内部導電層703が浸漬中に水性導電性媒体に曝露されるのを防止するために、水不透過性コーティング710で覆われる。他の実施形態、例えば700b、曝露した界面は、内部導電層703が浸漬中に水性導電性媒体に曝露されるのを防止するために、延在ガスケット706で覆われる。
【0379】
図8は、底部813と、環状側部812と、リム814と、を有する一実施形態によるカソードケース800のあるセクションの拡大断面概略図を示す。ガスケット806も示されている。この実施形態では、環状側部の一部が圧着されて、リム814を含む圧着領域815を形成する。これらの実施形態では、圧着領域は、リムがカソードケースの底部に向かって回転され、リム表面がガスケット内に埋め込まれる釣り針形状を有する。不活性化層804の一部分は、ガスケットによって覆われる。内部導電層803は、電池の外面に曝露した表面を有さず、したがって、導電性水性媒体中への浸漬中に保護される。
【0380】
F.例示的なアノード及びカソードケース材料
アノード及びカソードケース構成要素は、当業者に既知の様々な材料を含み得る。内部導電層に好適な材料としては、限定するものではないが、導電性金属が挙げられる。特定の実施形態では、内部導電層は、アルミニウム、ステンレス鋼、クロム、タングステン、金、バナジウム、ニッケル、ニオブ、チタン、タンタル、銀、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含む。特定の実施形態では、アノード内部導電層及び/又はカソード内部導電層はステンレス鋼を含む。いくつかの実施形態では、内部導電層は、アルミニウム、ステンレス鋼、クロム、金、バナジウム、ニッケル、銀、銅、マグネシウム、亜鉛、それらの合金、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む。
【0381】
特定の実施形態では、5pm~300pmの変動する厚さのステンレス鋼ディスクを不活性化層の一部分の上に配置することができる。ステンレス鋼ディスクは、不活性化層と電気的に接触しており、内部導電層及び/又は内部支持部材であり得る。
【0382】
ステンレス鋼は、合金であり、様々な形態で市販されている。内部導電層に有用なステンレス鋼としては、限定するものではないが、SS304、SS316、SS430、二相2205、二相2304、二相2507、又は10重量%以上のクロム含有量及び/若しくは0.1重量%以上のニッケル含有量を有する1つ以上の他のステンレス鋼が挙げられる。クロム含有量は、現在市販されている電池と同様に、電池内容物からの電子移動に有利な酸化物状態を作り出すためである。
【0383】
いくつかの実施形態では、バナジウムを含む層が、内部導電層と不活性化層との間に配設され得る。いくつかの実施形態では、バナジウムを含む層は、本明細書に記載される他の結合材料、複合材料、内部導電性材料、又は不活性化金属のうちの1つ以上と組み合わせて、1%~95%、又は25%~80%、又は75%超のバナジウムである。
【0384】
導電性金属に加えて、内部導電層及び/又は不活性化層は、導電性複合体を含み得る。一実施形態では、導電性粒子が非導電性媒体に埋め込まれて、内部導電層及び/又は不活性化層としてカソードケース上にコーティングされる全体的な導電性フィルムを形成する。別の実施形態では、銀、ニッケル、導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、グラファイト、及び/又は炭素繊維が、導電性複合体フィルム中の導電性粒子として使用される。
【0385】
いくつかの実施形態では、カソードケースは、内部支持部材を含む。いくつかの実施形態では、内部支持部材は、内部導電層である。いくつかの実施形態では、内部支持部材は、絶縁材料を含む。いくつかの実施形態では、内部支持部材は、熱硬化性エラストマーを含む。熱硬化性エラストマーの例としては、限定するものではないが、ポリジメチルシロキサン、架橋ポリウレタンコーティング、架橋アクリレート、ゴム引きエポキシ、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。架橋アクリレートは、いくつかの実施形態では、紫外線源を使用して架橋され得る。断熱材料を含む内部支持部材を形成するためのコーティング、成形、又は熱成形の後、断熱材料の全体的な収縮は、いくつかの実施形態では、30%未満、15%未満、又は5%未満である。断熱材料を含む内部支持部材を形成するためのコーティング、成形又は熱成形の後、断熱材料の全体的な収縮は、いくつかの実施形態では、0~30%、又は0~15%、又は0~5%である。
【0386】
いくつかの実施形態では、熱硬化性ポリマーの分解温度は、85℃超、100℃超、125℃超、150℃超、175℃超、又は200℃超である。いくつかの実施形態では、熱硬化性ポリマーの分解温度は、85℃~100℃、又は100℃~125℃、125℃~150℃、150℃~175℃、又は175℃~200℃、又は200℃~500℃の温度である。
【0387】
いくつかの実施形態では、例示的な電池は、カソードケースのリム表面上に配置されてそれを覆う水不透過性コーティング、及び任意選択的にアノードケースの外面の一部分上に配設されるか、又は任意選択的にカソードケースの外面の一部分上に配設されるか、又は任意選択的にアノードケースの外面の一部分及びカソードケースの外面の一部分の両方上に配設される水不透過性コーティングを含む。水不透過性コーティングは、天然ゴム、TFE、Exxon Butyl、クロロプレン、エピクロロヒドリン、エチレン-プロピレン、フルオロシリコーン、水素化ニトリル、液体シリコーンゴム、医療用エチレンプロピレン、シリコーン、ニトリル、パーフルオロエラストマー、ポリアクリレート、ポリウレタン、スチレンブタジエン、Teflon(登録商標)、Vamac、PTFE、viton、又はそれらの1つ以上の任意の組み合わせから選択され得る。
【0388】
他の実施形態では、例示的な電池は、カソードケースのリム上に配設され、かつリムを覆い、任意選択的にアノードケースの外面の一部分上に配設され、任意選択的にカソードケースの外面の一部分上に配設された水不透過性コーティングを含み、水不透過性コーティングはガスケットと同じ材料である。
【0389】
更なる実施形態では、カソード内部導電層は、外底面、外環状面、及びリム面を更に含み、外底面は、カソード不活性化層によって包まれ、外環状面及びリム面は、カソード不活性化層、ガスケット、水不透過性コーティング、又はそれらの任意の組み合わせによって包まれる。
【0390】
いくつかの実施形態では、水不透過性コーティングは、ゴム、ブナ、シリコーン、シリコーンゴム、PTFE、バイトン、若しくはエラストマー材料、又はナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン-プロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシポリマー、ポリビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリケート(polyacrylicate)、ポリウレタン、及びそれらの組み合わせなどのプラスチックを含む。
【0391】
ガスケットは、当該技術分野において既知の任意の材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、ガスケットは、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン-プロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシポリマー、ポリビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリケート(polyacrylicate)、ポリウレタン、シリコーンゴム、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせなどのエラストマー材料又はプラスチックを含む。
【0392】
G.例示的なアノードケース構造
図10は、本開示の電池において有用な例示的なアノードケースを示す。アノードケース1000は、頂部1007と、環状側部1008と、ヘムフォールド1009と、を含む。アノードケースは、内部導電層1001aと、不活性化層1001bと、を含む。別の実施形態では、電池が
図3に示されるように組み立てられるとき、ヘムフォールドはガスケット内に完全に埋め込まれる。
【0393】
図6の実施形態に関して説明した層の位置付け及び材料のタイプを含む例示的なカソードケース構造の各々は、アノードケースに適用可能である。
【0394】
いくつかの実施形態では、不活性化層は、アノードケースのヘムフォールド1009の上に延在する。
【0395】
更に別の実施形態では、不活性化層は、アノードケースの外側表面からケースの内側表面までの連続的なコーティングで、表面全体にわたって適用される。アノードケースの外側表面からアノードケースの内側表面までは、同じ又は異なる材料であり得る。別の実施形態では、アノードケースの外側表面は不活性化金属であり、アノードケースの内面はステンレス鋼又はアルミニウムである。アノードが内部支持部材を含む別の実施形態では、内部支持部材がアノードケースの外面上にないように、内部支持部材は不活性化層によって完全に包まれる。内部支持部材は、アノード形状を維持することができ、かつ電池をシーリングするためのクリンプからの圧力に耐える能力を有する、導電性又は非導電性の任意の材料から構成することができる。一実施形態では、内部支持部材はステンレス鋼である。
【0396】
いくつかの実施形態では、内部導電層及び不活性化層は、結合層によって接合される。いくつかの実施形態では、結合は導電性接着剤である。
【0397】
H.シーリングカップとしてのカソードケース
図2は、例示的なコインセル電池を示す。「アノードケース」は、電気化学セルのアノードと直接接触する電池ケースとして定義され、「カソードケース」は、電気化学セルのカソードと直接接触する電池ケースとして定義される。カソードケース及びアノードケースの形状及びサイズは、電池のタイプに応じて変えることができる。典型的なコインセル電池ケーシングは、シーリングカップ及び底部缶を含む。
図2は、シーリングカップがアノードケース201であり、底部缶がカソードケース202である例示的なコインセル電池を示す。
【0398】
また、本開示では、構成が上で説明されるものと反対である特定の実施形態も企図される。特定の実施形態では、シーリングカップはカソードケースであり、底部缶はアノードケースである。一実施形態では、
図9に示されるように、電池は、電池ケースを含むコインセル又は円筒形電池であり、電池ケースは、シーリングカップ901及び底部缶902及びガスケット906を備え、シーリングカップの外径は、底部缶の内径より小さく、シーリングカップの少なくとも一部分は、ガスケットがシーリングカップと底部缶との間にある状態で底部缶の内側に位置付けられ、更に底部缶の環状壁は、シーリングカップの環状壁に向かって圧着される。電池は、アノード903と、カソード905と、アノード903とカソード905と間に位置付けられたセパレータ904と、を備える、電気化学セルを更に含む。この実施形態では、カソードケースはシーリングカップであり、アノードケースは底部缶である。いくつかの実施形態では、シーリングカップのリム表面は、有利には、組み立て後にガスケットに埋め込まれ、シーリングカップのリム表面を浸漬中の導電性水性媒体への曝露から保護する。
【0399】
III.導電性水性媒体との接触例
電池と導電性水性媒体との接触は、電池を導電性水性媒体中に浸漬すること、若しくは部分的に浸漬すること、又は電池を哺乳動物の口、咽喉、食道、若しくはGI管の任意の他の部分の組織などの湿潤組織と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、導電性水性媒体との接触は、アノードケースの少なくとも一部が水和組織と接触するように、電池の水和組織上への配置を含む。いくつかの実施形態では、水和組織は水和されたハムであり、実施形態では、組織は水和したブタ食道組織である。
【0400】
別の実施形態では、導電性水性媒体との接触は、アノード端子を上に向けた電池の導電性水性媒体への浸漬を含む。アノード及びカソードの両方は、導電性水性媒体と接触している。完全浸漬型電池は、アノード全体及びカソード全体が導電性水性媒体と接触している。部分的な浸漬は、1)アノードケースの全てであるがカソードケースの一部分のみ、2)カソードケースの全てであるがアノードケースの一部分のみ、又は3)アノードケース及びカソードケースの両方の一部分が導電性水性媒体と接触している実施形態を含む。
【0401】
一実施形態では、導電性水性媒体は、初期pHが5~7である20mLの25%リンガー溶液又は生理食塩水である。いくつかの実施形態では、電池が浸漬された後、最初の60分間にわたる溶液の平均pHは、5分毎のサンプリング間隔で10の平均pHを超えない。pHは、アノードケースの中心から3cm上の溶液容器内で、混合せずにpH紙を用いて直接測定されるべきである。更に別の実施形態では、溶液のpHは、浸漬後10~60分の時間、9.5を超えない。別の実施形態では、溶液のpHは、浸漬後10~60分の時間、9を超えない。更に別の実施形態では、溶液のpHは、浸漬後10~60分の時間、8.5を超えない。更に別の実施形態では、溶液のpHは、浸漬後10~60分の時間、8を超えない。更に別の実施形態では、溶液のpHは、浸漬後10~60分の時間、7を超えない。
【0402】
IV.例示的な積層体
次に、本開示は、アノードケース又はカソードケースのいずれかを形成するのに有用な多層積層体を提供する。積層体は、2つ以上の層から作製される層状材料であり、層は、熱、圧力、溶接、接着、又は当該技術分野において既知の他の技術を使用して、任意の順序で固着される。例示的な多層積層体1100が
図11に示されており、1103は導電層を表し、1104は不活性化層を表し、1105は結合層を表す。結合層は、導電層と不活性化層との間にある。導電層及び不活性化層は、圧力及び温度への曝露によって積層後に電気的に接触して、導電層を不活性化層に固定することができる。
【0403】
本明細書において説明される多層積層体は、有利には、本明細書において説明される電池用の電極ケース、例えばカソードケース、アノードケース、又はそれらの両方を形成するために使用することができる。
【0404】
いくつかの実施形態では、結合層は、
a)複数の層と、
b)不活性化層と接触している接着剤層と、
c)導電層と接触する接着剤層と、を含むか、又は
d)a)b)及び/又はc)を含む。
【0405】
いくつかの実施形態では、導電層は、100nm~400μm、100nm~350μm、1μm~350μm、200μm~350μm、1μm~50μm、50μm~200μm、25μm~300μm、又は175μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0406】
別の実施形態では、導電層はステンレス鋼であり、結合層と接触する表面は、山と谷を含む粗い表面を有する。表面粗さは、エッチングなどの化学的手段によって、又はスコアリング、スタンピング、研磨、若しくはサンドブラストなどの物理的手段によって形成することができる。結合層は、積層プロセス中に谷の中に沈殿し、山は、不活性化層と直接電気的接触して、金属間接触を作製する。これにより、導電層から不活性化層までの抵抗を低減することができる。結合層は、電気的接触が導電層と不活性化層との間で直接行われ得るので、絶縁性であり得る。他の実施形態では、不活性化層は粗い表面を有する。他の実施形態では、導電層及び不活性化層は両方とも粗い表面を有する。
【0407】
いくつかの実施形態では、不活性化層は、100nm~400μm、100nm~350μm、1μm~350μmの均一な又は変動する厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、不活性化層は、200μm~350μm、1μm~50μm、1μm~100μm、1μm~300μm、14μm~200μm、又は50μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0408】
いくつかの実施形態では、結合剤は、100nm~400μm、100nm~350μm、1μm~350μm、200μm~350μm、1μm~50μm、又は50μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0409】
別の例示的な多層積層体1200が
図12に示されており、1203は導電層を表し、1204は不活性化層を表し、1206は導電層と不活性化層との間の界面を表す。いくつかの実施形態では、導電層及び不活性化層は、互いに直接接合され、電気的に接触している。導電層及び不活性化層は、当該技術分野で既知である方法によって機械的及び電気的に接合することができる。例えば、物理蒸着及び化学蒸着は、1nm~10μmの厚さを有する層を形成するのに有用である。被覆、拡散接合、溶接、ピンチング、スタンピング、又は他の方法で層を機械的に固定することは、1μm~400μm、75μm~330μm、又は200μm~330μmの厚さを有する層を形成するための有用なプロセスである。
【0410】
導電層を不活性化層に積層することは、積層体が導電層及び不活性化層を含む、前述の実施形態のいずれか1つの電池用のアノードケース又はカソードケースにおける使用のための積層体を製造する1つの方法である。導電層を不活性化層に被覆することは、積層体が導電層及び不活性化層を含む、電池用のアノードケース又はカソードケースにおける使用のための積層体を製造する別の方法である。
【0411】
一実施形態では、多層積層体は被覆体であるか、被覆積層体であるか、又は重被覆材料である。導電層はステンレス鋼であり、不活性化層はニオブ、タンタル、チタン、タングステン、又はそれらの合金である。被覆は、異種金属を冶金学的に接合することができるプロセスである。1つの被覆方法は、2つ以上の金属ストリップを組み合わせる連続ロールボンディングプロセスによって達成することができる。まず、個々のストリップを化学的又は機械的に洗浄する。次いで、ストリップは、被覆用に設計されたローリングミルを通過する。層がミルを通過するとき、ロールは、ストリップの厚さを低減させ、被覆を生成する巨大な圧力を加える。典型的には、得られた被覆を更に熱処理して、電池ケーシングへの将来のスタンピングを容易にする。
【0412】
更に、積層体の不活性化層に外部コーティングを積層して、外部コーティング、不活性化層、及び導電層を含む積層体を製造することができる。例えば、被覆を使用して、外部コーティングを積層体の不活性化層に付着させ、次いでそれを導電層に付着させることができる。積層製造の一実施形態では、不活性化層は、導電層と外部コーティングとの間に配設され、この方法は、導電層、不活性化層、及び外部コーティングを積層することを含む。別の製造実施形態では、前述の実施形態のいずれか1つの電池用のアノードケース又はカソードケースにおける使用のための積層体は、導電層、不活性化層及び外部コーティングを被覆することによって製造される。得られた積層体は、導電層、不活性化層、及び外部コーティングを含み、不活性化層は導電層と外部コーティングとの間に配設される。
【0413】
一実施形態では、
導電層と、
不活性化金属を含む不活性化層と、を含み、積層体が、電池のアノードケース又はカソードケースにおける使用のためのものである、積層体が提供される。
【0414】
別の実施形態では、積層体は、Ta、Nb、W、Re、Ti、それらの合金、及びそれらの組み合わせから選択される不活性化金属を含む不活性化層を含む。
【0415】
別の実施形態では、積層体は、外部コーティングを更に含む。
【0416】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される積層体は、ワイヤ又は打ち抜きの調製に使用される材料を調製するために使用される(本明細書で使用される場合、ブランクは、本出願の目的のために、カソード又はアノードケース又は缶になるスタンピングプレスに入れられる平坦な金属シートである)。いくつかの実施形態では、積層体は打ち抜きである。いくつかの実施形態では、積層体はワイヤである。いくつかの実施形態では、打ち抜きは、スタンピングされるか、又は他の方法でケースに形成される。いくつかの実施形態では、ワイヤは、既知のワイヤ形成プロセスを使用して、ケース又は缶に形成される。いくつかの実施形態では、積層体中の導電層及び不活性化層は、1:1~5、又は1:1.1~4.5、又は1:1.5~4、又は1:2~3、又は1:1、1:1.1、又は1:1.2、又は1:1.5、又は1:2、又は1:2.5、又は1:3、又は1:3.5、又は1:4、又は1:4.5、又は1:5の比(不活性化層:導電層)で均一な又は変動する厚さを有する。いくつかの実施形態では、積層体中の導電層及び不活性化層は、1:1~20、又は1:1~10、又は1:10、又は1:20の比(不活性化層:導電層)で均一な又は変動する厚さを有する。他の実施形態では、積層体中の導電層及び不活性化層は、1~20:1、又は1~10:1、又は10:1、又は20:1の比(不活性化層:導電層)で均一な又は変動する厚さを有する。他の実施形態では、積層体中の導電層及び不活性化層は、1~5:1、又は1.1~4.5:1、又は1.5~4:1、又は2~3:1、又は1:1、又は1.1:1、又は1.2:1、又は1.5:1、又は2:1、又は2.5:1、又は3:1、又は3.5:1、又は4:1、又は4.5:1、又は5:1の比(不活性化層:導電層)で均一な又は変動する厚さを有する。いくつかの実施形態では、積層体の導電層及び不活性化層は、8:1~1:5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:5、又は6:1~1:3、又は6:1~1:2、又は6:1~1:1.1、又は6:1~1:1、3:1~1:5、又は3:1~1:3、又は3:1~1:2、又は3:1~1:1.1、又は3:1~1:1、又は2:1~1:5、又は2:1~1:3、又は2:1~1:2、又は2:1~1:1.1、又は2:1~1:1、又は8:1~1:2.5、又は8:1~1:3、又は8:1~1:2、又は8:1~1:1.1、又は8:1~1:1、又は6:1~1:2、又は3:1~1:2の比(不活性化層:内部導電層)で均一な又は変動する厚さを有する。
【0417】
[00454]いくつかの実施形態では、積層体中の導電層及び不活性化層は、1μm~400μm、又は10μm~400μm、又は50μm~400μm、又は10μm~300μm、又は50μm~300μm、又は100μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する。導電層及び不活性化層は、本明細書に記載されるように、均一な又は変動する厚さを有する。
【0418】
製造プロセスは、導電層及び不活性化層の厚さを変更し得る。スタンピング、ローリング、プレス、及び他の製造工程は、層の薄化を引き起こす。いくつかの実施形態では、薄化は、1つの層で行われる。いくつかの実施形態では、薄化は、2つ以上の層で行われる。いくつかの実施形態では、薄化プロセスは、層にわたって均一ではない。例えば、
図15Aに見られるように、打ち抜かれたカソードケースの環状側部は、延伸又は伸長され得(1501)、その領域における合計層厚さがカソードケースの残りの部分よりも薄くなり、その領域内の層が延伸されなかったカソードケースの領域よりも薄くなる。いくつかの実施形態では、折り畳みプロセスを使用して伸長された領域1501を折り畳んで領域1502を提供し、この領域は、均一又は変動し得、かつカソードケースの側面1505の厚さと同様である、合計厚さを有する。
【0419】
合計積層体厚さが200~250μmの合計厚さである一例では、積層体不活性化層は、70μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有し、積層体導電層は、50μm~180μmの均一な又は変動する厚さを有する。製造中に曲げ及び/又は折り畳みを経験するカソードケースの領域は、例えば、14pm~40pmの均一な又は変動する厚さの不活性化層を有する。カソードケース環状壁は、
図15Aに示されるように、70μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~180μmの均一な又は変動する厚さを有する内部導電層と、を有する。
【0420】
いくつかの実施形態では、本明細書のカソードケースは、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され得る。いくつかの実施形態では、本明細書において説明されるカソードケースは、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソードケースは、ヘムフォールドの各側に14μm~75μmの均一な又は変動する厚さ及び222μm~50μmの全内部導電層厚さを有する不活性化層を有するヘムフォールドを含み、カソードケースは、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さ及び190μm~50μmの内部導電層厚さを有する不活性化層を含む環状側壁を含む。
【0421】
いくつかの実施形態では、本明細書のカソードケースは、60μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層と、50μm~190μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層と、を含む、被覆積層体から調製され得る。いくつかの実施形態では、本明細書において説明されるカソードケースは、200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有し、カソードケースはヘムフォールドを含み、ヘムフォールドは第1の側及び第2の側を含み、更に、第1及び第2の側の各々は、14μm~75μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層を有し、ヘムフォールドは200μm~250μmの合計厚さを有し、ヘムフォールドの第1の側はヘムフォールドの第2の側に接触する。ヘムフォールドの例は、
図15Cに見られる。セクション1502では、ヘムフォールドの第1の側は、カソードケースの内部に面する不活性化層を有し、ヘムフォールドの第2の側は、カソードケースの外部に面する不活性化層を有する。ヘムフォールドの各側の内部導電層は、折り畳みプロセスの結果として一緒になる。
【0422】
いくつかの実施形態では、積層体の層の厚さは、最終的に製造されるカソードケース又はアノードケースが、14μm~200μm、又は25μm~300μm、又は175μm~300μmの均一な又は変動する厚さを有する導電層を有することを可能にするように選択される。いくつかの実施形態では、積層体の層の厚さは、最終的に製造されたカソードケース又はアノードケースが、1μm~75μm、又は1μm~300μm、又は1μm~100μmの均一な又は変動する厚さを有する不活性化層を有することを可能にするように選択される。いくつかの実施形態では、積層体の層の厚さは、最終的に製造されるカソードケース又はアノードケースが、100nm~7μm又は100nm~5μmの均一な又は変動する厚さを有する外部コーティングを有することを可能にするように選択される。いくつかの実施形態では、積層体は、50μm~400μm、又は175μm~400μm、又は100μm~330μm、276μm~330μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0423】
いくつかの実施形態では、カソードケースの形成前に、積層体は、1μm~400μm、50μm~400μm、100μm~400μm、又は150μm~400μm、又は100μm~300μm、又は100μm~200μm、又は200μm~300μm、又は200μm~250μmの均一な又は変動する厚さを有する。
【0424】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される積層体から作製されるカソードケースは、元の積層体と同じか、又は実質的に同じである均一な又は変動する厚さを有する。他の実施形態では、製造プロセスは、積層体の厚さ、並びに積層体の導電層及び不活性化層の厚さを変更し得る。スタンピング、ローリング、プレス及び他の製造工程は、積層体及び積層体の層の薄化を引き起こす。いくつかの実施形態では、薄化は、1つの層で行われる。いくつかの実施形態では、薄化は、2つ以上の層で行われる。いくつかの実施形態では、薄化プロセスは、層にわたって均一ではない。例えば、
図15Aに見られるように、プレスされたカソード缶の環状側部は、延伸又は伸長され得(1501)、その領域における合計層厚さが缶の残りの部分よりも薄くなり、その領域内の層が延伸されなかった缶の領域よりも薄くなる。いくつかの実施形態では、折り畳みプロセスを使用して伸長された領域(1501)を折り畳み、缶の残りの部分と同様の合計厚さを有する領域1502を提供する。
【0425】
合計積層体厚さが200~250μmである一例では、積層体不活性化層は、70μm~200μmの均一な又は変動する厚さを有し、内部導電層は、50μm~180μmの均一な又は変動する厚さを有する。曲げ及び/又は折り畳みを受けるカソードケースの領域は、14μm~40μmの均一な又は変動する厚さの最終不活性化層を有する。例えば、
図15A及び
図15Cの1502を参照されたい。
【0426】
V.例示的な製造方法
本開示は更に、前述の例示的なカソードケース、アノードケース、及び例示的な電池を製造するための方法を提供する。本明細書の特定の例は、例としてカソードケースを使用する。これらの製造方法は、アノードケースにも適用することができる。以下の非限定的な例を含む、いくつかの方法が利用可能である。
図13に示す一実施形態では、カソードケースを製造する方法は、
a)導電層1303及び不活性化層1304を含む積層体1330を、導電層と不活性化層との間の界面1305とともに提供することと、b)積層体1330をスタンピングして、底部、環状側部、及びリムを含むカソードケース1300を形成することと、
c)層を通る導電経路を形成することと、を含み、
導電層1303は、カソードケースの内面を形成し、不活性化層1304は、カソードケースの外面を形成する。
【0427】
1つの方法では、例示的なカソードケースが例示的な積層体から打ち抜かれて、底部、環状側部、及びリムを含むカソードケースを形成し、導電層がケースの内面を形成し、不活性化層がケースの外面を形成する。別の方法では、例示的なカソードケースが例示的な積層体から打ち抜かれて、底部、環状側部、及びリムを含むカソードケースが形成され、導電層がケースの内面を形成し、外部コーティングがケースの外面を形成する。カソードケースを形成するための他の方法は、導電層と不活性化層と、を含む例示的な積層体であって、不活性化層が導電性コーティングと外部コーティングとの間に配置されている積層体と、積層体を、底部と、環状側壁と、リムと、を有するカップ形状にスタンピングすることとを含む。
【0428】
図14に示される別の実施形態では、カソードケース1400を製造する方法は、ケース1401の中心に向かってケースのリム1414の上に不活性化層1404を巻き付けるようにケースの縁を巻くことを含む。そうすることで、圧着後のカソードケースの外面は、内部導電層1403を含まない。いくつかの実施形態では、ケースの縁は、
図14Bの拡大カソードケースリム概略図に示されるように、少なくとも270°以上巻かれる。他の実施形態では、ケースの縁は、角度X°までケースの中心に向かって巻かれ、X°は、ケースの底部1401に平行な0°に対して測定され、X°は、1°~270°、5°~200°、45°~135°、270°~360°、又は360°~720°の範囲であり得る(例えば、
図14B及び
図14Cを参照)。
【0429】
他の実施形態では、
図14Dに示されるように、ケースの上部は、ケース1401の中心に向かってケースのリム1414を覆って不活性化層1404を包むように180°折り畳まれ、折り畳まれた部分は、ケース1402の壁の下方に続く。この実施形態では、不活性化層は、カソードケースの外面、リム面、及び内壁の表面を覆う。内部導電層1403は、カソードケースの底部の内面である。
【0430】
別の製造方法は、
図15A~
図15Cに示されている。最初に
図15Aにおいて、内部導電層1503及び不活性化層1504を含む例示的な積層体1500eは、缶形状に打ち抜かれる。次に、環状壁の上側部分は、延長環状側部1501及び下側環状側部1505を形成するために、スタンピング、しごき加工、又はローリングプロセスのいずれかによって引き抜かれる。次に、壁の引き出された部分は、漸進的なスタンピング工程によって、ケースの中心に向かってリム上に折り畳まれる。これは、変動する厚さを有し、リム1502の表面上に延在する不活性化層を有するカソードケースをもたらす。追加のローリング又は研磨などの仕上げ工程が用いられることで、壁の内面をより滑らかにし、継ぎ目の幅及び深さを低減することができる。いくつかの実施形態では、延長環状側部の引き出された部分は、ヘムフォールドを形成するようにリムの上に折り畳まれ、当該技術分野で既知の方法によってそれ自体に接合される。
【0431】
図15Bは、内部導電層が周囲環境に曝露されることを可能にする不活性化層のヘムフォールドの屈曲部における亀裂の例のSEM画像を示す。
図15Cは、内部導電層が、特にヘムフォールドにおいて、周囲環境に曝露されることを可能にしない、均一な又は変動する厚さを有する不活性化層の一例のSEM画像を示す。
【0432】
図16は、例示的なカソードケースを製造する別の方法を示す。導電層1603は円形に打ち抜かれ、不活性化層1604も導電層よりも大きな直径で打ち抜かれる。これらの層は、積層体1600aを構成するために、不活性化層が底部になるように中心に置かれる。積層体は、内側に導電層を有し、不活性化層の環状高さよりも短い環状高さを有する缶の形状に打ち抜かれる1600b。次に、不活性化層は、少なくとも導電層のリムの上部を覆うように折り畳まれる1600c。類似のプロセスを使用して、概略
図1601a-1601cに示されるように、不活性化層1604を内側環状壁側に下方に延在させ、導電層缶形状の内壁を部分的又は完全に覆い、したがって、2層積層体を備えるカソードケースを生成することができる。
【0433】
1つの例示的なカソードケースでは、200μmの全積層体1500e厚さから始まり、140μm~150μmの厚さの内部導電層1503に被覆された40μm~60μmの厚さの不活性化層1504を含む。スタンピング、しごき加工、及び壁の折り畳まれた部分の形成時に、延長工程中に、環状側壁上に30%~70%~約12μm~45μmまでの層厚さ低減がある。延在部分をヘム折り畳みする際に、引張延長下でリム1502の表面上に延在する不活性化層は、不活性化層1504の厚さを15%~50%、更に6μm~20μmに低減する。60pm以下の初期不活性化層1504厚さでは、リム1502における不活性化層厚さが20μm以下であるカソードケースを製造し、本明細書に開示されるような電池に組み立てることが可能であり得る。しかしながら、この厚さが、スタンピング、しごき加工、及び折り畳み工程の下で、又はカソードケースを取り扱い、圧着して最終的な機能的電池にするプロセスにおいて、本明細書に記載されるような完全に機能的な電池を調製するのに不十分である場合がある。
図15Bは、例示的なカソードケース1500bの顕微鏡画像を示し、積層体内の不活性化層は、50μmの1504厚さを有し、20μm未満に延伸され、ヘム折り畳みプロセス後にリム1502において亀裂を示し、したがって不活性化層1504の連続性を損ない、内部導電層1503の一部分を曝露させる。ヘム折り畳み工程及び更なる圧着工程の後にリム部1502において堅牢な連続不活性化層1504を維持し、内部導電層1503を曝露させないカソードケースを製造するために、いくつかの実施形態では、不活性化層1504の厚さが60μmを超える積層体1500eから開始することが好ましい。
図15Cは、リム1502における例示的なカソードケース1500cの顕微鏡画像を示しており、リム1502における不活性化層1504の厚さは、20μm~60μmで変化し、内部導電層1503を曝露させることなく連続的かつ無傷である。不活性化層は、出発積層体において110pmであった。
【0434】
いくつかの実施形態では、不活性化層の厚さは、内部導電層の厚さの2倍であるだろう。いくつかの実施形態では、不活性化層の厚さは、内部導電層の厚さの3倍であるだろう。いくつかの実施形態では、不活性化層の厚さは、内部導電層の厚さの4倍であるだろう。いくつかの実施形態では、不活性化層の厚さは、内部導電層の厚さの1.1~4倍から選択されるだろう。いくつかの実施形態では、不活性化層及び内部導電層は、積層体をケース又は缶にスタンピング又は他の方法で形成した後に、記載された厚さを可能にするのに十分な厚さの被覆積層体から製造される。タンタル、ニオブ、及びレニウムは、相対的に延性であるが、タングステン単独では脆く、亀裂につながり、形成を困難にする可能性がある。チタンは、当該技術分野において、ステンレス鋼に直接被覆されたときに、被覆された層にびびりを生じさせるか、又は亀裂を生成することが既知である。タングステンにレニウムを添加することは、延性を改善し、合金の形成を助ける。追加的に、チタンとステンレス鋼との間にニオブ又はバナジウム又は銅を使用して、被覆及びスタンピングに関連する亀裂の問題を低減することができる。チタンにニオブを添加すると、金属の延伸及び成形特性が改善される。
【0435】
1つの例示的な方法では、蒸着を使用して、不活性化金属を内部導電層上に堆積させ、アノードケース若しくはカソードケース又はそれらの両方が内部導電層及び不活性化層を含む。
図17は、カソードケース1700を組み立てるための例示的な方法の概略図を示す。
図17において、導電層1703は、不活性化層1704とは別にカップ形状に形成され、部品を保持し、処理中に内部導電層の特定のセクションをマスクする固定具1701上に配置される。次いで、内部導電層は、内壁上のフィルム1704b、ケースの底部上のフィルム1704a1、ケースの外壁上のフィルム1704a2、及びケースのリム上のフィルム1704cを含む不活性化層1704でコーティングされ、フィルム1704a1、1704a2、1704b、及び1704cは全て電気的に接触して、2層カソードケース1700を形成する。不活性化層1704は、化学蒸着、物理蒸着、堆積、又は電気めっきなどの気相堆積プロセスを適用され得る。いくつかの実施形態では、不活性化層は、外面及びリムのみを覆う。他の実施形態では、不活性化層は、内部導電層の全ての表面を覆う。
【0436】
別の例示的な製造方法では、カソードケースは、
a)不活性化金属を、底部と、環状側部と、リムと、を有する不活性化カップに形成することであって、底部と、環状側部と、リムと、の各々が、内面及び外面を有する、形成することと、
b)内部導電性金属を、底部と、環状側部と、リムと、を有する、内部導電性カップに形成することであって、底部と、環状側部と、リムとの各々が、内面及び外面を有する、形成することと、
c)内部導電性カップを不活性化カップ内に配置することであって、内部導電性カップの外面が不活性化カップの内面と電気的に接触しており、それによってカソードケースを形成することと、を含む、プロセスによって作製され得る。
【0437】
いくつかの実施形態では、不活性化カップの環状側部は、内部導電性カップの環状側部を越えて延在し、不活性化カップのリムを内部導電性カップのリムの上に折り畳む工程を更に含む。
【0438】
いくつかの実施形態では、不活性化カップのリムは、内部導電性カップのリムを部分的に覆う。いくつかの実施形態では、不活性化カップのリムは、内部導電性カップのリムを覆う。
【0439】
いくつかの実施形態では、不活性化カップ及び/又は内部導電性カップの形成は、スタンピング、ワイヤ成形、金属鋳造、又は金属射出成形から選択されるプロセスを含む。
【0440】
更に別の例示的な方法では、蒸着を使用して、不活性化金属ケース上に導電層を堆積させ、アノードケース又はカソードケース又はそれらの両方が、内部導電層及び不活性化層を含む。この実施形態では、導電層は、ケースの内面上に堆積される。更なる方法において、外部コーティングは、不活性化層の外面上に堆積される。
【0441】
前述の製造方法のいくつかの実施形態では、内部導電層は、導電性金属を鋳造してカップを形成することによって形成することができる。いくつかの実施形態では、鋳造された導電性金属カップは、カップ形状の不活性化層の内側に適合することができる。一実施形態では、アルミニウム又はアルミニウム合金を鋳造して、5μm~300μm、又は5μm~50μmの均一又は可変の厚さを有するカップを形成することができる。鋳造は、スタンピング又は成形プロセス中に起こり得るしわを有利に防止し得る。
【0442】
前述の製造方法の他の実施形態では、底部と、環状側部と、リムと、内面と、外面と、を含む、内部支持層が提供される。まず、不活性化層が、内部支持部材の内面、外面及びリム面上に堆積される。次に、導電性材料が、内面上の不活性化層及び任意選択的にリム上に堆積され、それによって内部導電性層を形成する。最後に、任意選択的に、第2の導電性材料が、外面上の不活性化層、及び任意選択的にリム上に堆積され、それによって第2の導電層が形成される。
【0443】
他の実施形態では、電池は、内部導電層のみを含むアノードケース及びカソードケースを用いて組み立てられる。組み立て後、電池の外面は、不活性化層でコーティングされ得る。例えば、電池は、物理蒸着(physical vapor deposition、PVD)又は化学蒸着(chemical vapor deposition、CVD)によってコーティングされて、1nm~100pm、又は1nm~10pmの均一な又は変動する厚さを有する層を形成し得る。不活性化層は、Nb、Ta、Ti、Re、W、それらの合金、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。ガスケットは、アノードケースとカソードケースとの間の短絡を防止するために、堆積プロセス中に除去可能なマスクによって保護され得る。
【0444】
いくつかの実施形態では、本明細書において説明されるカソードケース(又はカソード缶)は、製造のための標準的なステンレス鋼カソードケースと交換可能であり、厚さ約200pmの積層体、例えば被覆体から作製され、不活性化層(例えば、厚さ110μmのニオブ)が内部導電層(例えば、厚さ90μmのステンレス鋼430)に被覆され、内部導電層に被覆された不活性化層は、積層体が本明細書において説明されるカソードケース又はカソード缶に製造されるときに、90度曲げ、180度曲げ、又は半径0のヘムフォールドの伸長中の亀裂を低減又は防止する。
【0445】
VI.浸漬中及び浸漬後のデバイスにおける例示的な電池機能
更なる実施形態では、カソードケースの不活性化層の表面上の酸化物は、端子における電解反応を低減又は抑制しながら、導電性を保持することができる。導電性水性媒体に短時間浸漬後の電池の乾燥内部抵抗の増加は、本明細書に記載されるように増加し得る。電池の内部抵抗の測定は、当該技術分野で既知であり、一例が、セクションVIIに記載されている。試験手順。
【0446】
これらの条件下のこの連続動作は、流体冷却システムを必要とする変圧器、コンピュータ、及び高性能電池において有用であり得る。典型的な流体冷却システムは、プロピレングリコールなどの誘電性流体を使用するので、流体は、端子と反応しない。電池端子及び曝露した接点が不活性化金属で作製されている場合、電池及び装置は、導電性水性媒体が直接接触している場合でも、依然として動作可能であるはずである。
【0447】
追加の実施形態では、開示される電池はまた、導電性水性媒体への曝露中に電気的に機能し続けることができる。他の実施形態では、開示される電池は、導電性水性媒体から取り出されて乾燥された後に、再度機能することができる。
【0448】
VII.試験手順
カソードケースの抵抗は、品質管理のために4プローブミリオームメータ(Extech Model#380580)を使用して測定することができる。
図18A、
図18B、及び
図18Cに示されるように、内部導電層1803及び不活性化層1804を含む例示的なカソードケース1802は、2組の半径方向プローブ1840と1841との間に配置される。4プローブ半径方向固定具の一例は、Gamry Universal Batteryホルダ(
図18A)である。抵抗は、
図18Cに記載されるように、内部導電層1803の内側から不活性化層1804まで測定される。
【0449】
電池の内部抵抗の測定は、当該技術分野において既知である。内部抵抗を測定する1つの方法は、Gamryポテンシオスタットを使用して1kHzでACインピーダンスを測定することである。
【0450】
導電性水性媒体に浸漬された電池の動作条件は、1.2Vを超える電位差をカソードケースに印加し、不活性化層を導電性水性媒体に浸漬し、内部導電層が導電性水性媒体と物理的に接触するのを防止することによってモデル化され得る。電位差を印加する外部電源を用いて、異なるシミュレーション条件下で電流及び印加電圧を測定することが可能であり得る。
【0451】
他の実施形態では、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、アノードとカソードとの間に導電経路が形成される。
【0452】
他の実施形態では、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、導電性水性媒体を介してアノードとカソードとの間に導電経路が形成され、この導電経路は、導電性水性媒体との連続接触時に低減又は抑制される。
【0453】
他の実施形態では、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、アノード不活性化層及び/又はカソード不活性化層が酸化する。他の実施形態では、不活性化層中の不活性化金属は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触すると酸化する。いくつかの実施形態では、不活性化金属又は不活性化層の酸化は、水性導電性媒体との最初の接触から2時間以内、又は1時間以内、又は30分以内、又は15分以内に起こる。
【0454】
他の実施形態では、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、電解反応が起こり、電解反応は、導電性水性媒体との最初の接触後、2時間未満で抑制又は排除される。
【0455】
更なる実施形態では、導電性水性媒体との接触は、水和組織がアノードケースの少なくとも一部及びカソードケースの少なくとも一部の両方と接触して導電経路を形成するように、電池の水和組織上への配置を含む。他の実施形態では、水和組織は、水和されたブタ食道組織である。実施形態では、導電性水性媒体との接触は、0.85%生理食塩水溶液又は25%リンガー溶液への浸漬を含む。25%リンガー溶液は、水中に36.75mM塩化ナトリウム、1.00mM塩化カリウム、及び0.75mM塩化カルシウムを含有する。
【0456】
他の実施形態では、0.85%生理食塩水又は25%リンガー溶液中に120分間、又は60分間、又は20分間、又は10分間の浸漬後、導電性水性媒体のpHは、9未満、又は8未満、又は7未満である。他の実施形態では、導電性水性媒体は、5~7.5の開始pHを有し、生理食塩水への電池の浸漬後、60分間にわたって5分間隔でサンプリングされた導電性水性媒体の平均pHは、10、9.5、9、8.5、又は8の平均pHを超えない。
【0457】
他の実施形態では、カソードケースの好適性をシミュレートするために試験が行われ得る。例えば、カソードケースは、中心及びガスケットに5mmの穴を有する空のアノードカップと圧着される。次に、このサンプル電池ケースを浸漬して、アノードの穴をシーリングするグロメットを用いてアノードケースにガスケットを架橋するカソードケースの底部、環状外側部、及びリムのみを覆うことができる。アノードケース及びカソードケースは、所望の電位を提供し、回路において結果として生じる電流を測定するために、電源モニタユニットに接続される。このサンプル電池ケースを使用することにより、シミュレートセルにおけるカソードケースの電流出力の測定が可能になる。
【0458】
いくつかの実施形態では、サンプル電池ケースは、本明細書において説明されるカソードケース及びアノードケースを備え、少なくともカソードケースは、不活性化層及び内部導電層を含む。
【0459】
いくつかの実施形態では、サンプル電池ケースが導電性水性媒体に浸漬され、1.2Vを超える電位差がカソードケースに印加される。サンプル電池ケースは、不活性化層が導電性水性媒体に接触するが、内部導電層は導電性水性媒体に接触しないように浸漬される。電位差を印加するために外部電源を使用して、カソードケースにわたる電流及び印加電圧を、異なる条件下で測定することができる。
【0460】
他の実施形態では、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、サンプル電池ケースのアノードケースとカソードケースとの間に導電経路が形成される。
【0461】
他の実施形態では、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、導電性水性媒体を介してサンプル電池ケースのアノードケースとカソードケースとの間に導電経路が形成され、この導電経路は、導電性水性媒体との連続接触時に低減又は抑制される。
【0462】
他の実施形態では、不活性化層中の不活性化金属は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触すると酸化する。他の実施形態では、不活性化層は、アノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに酸化する。いくつかの実施形態では、不活性化金属又は不活性化層の酸化は、水性導電性媒体との最初の接触から2時間以内、又は1時間以内、又は30分以内、又は15分以内に起こる。
【0463】
他の実施形態では、サンプル電池ケースのアノードケースの少なくとも一部分及びカソードケースの一部分が導電性水性媒体に接触するときに、電解反応が起こり、電解反応は、導電性水性媒体との最初の接触後2時間未満で抑制又は排除される。
【0464】
更なる実施形態では、導電性水性媒体との接触は、水和組織がアノードケースの少なくとも一部とカソードケースの少なくとも一部との両方に接触して導電経路を形成するように、サンプル電池ケースの水和組織上への配置を含む。他の実施形態では、水和組織は、水和されたブタ食道組織である。実施形態では、導電性水性媒体との接触は、0.85%生理食塩水溶液又は25%リンガー溶液への浸漬を含む。25%リンガー溶液は、水中に36.75mM塩化ナトリウム、1.00mM塩化カリウム、及び0.75mM塩化カルシウムを含有する。
【0465】
他の実施形態では、0.85%生理食塩水又は25%リンガー溶液中に120分間、又は60分間、又は20分間、又は10分間の浸漬後、導電性水性媒体のpHは、9未満、又は8未満、又は7未満である。他の実施形態では、導電性水性媒体は、5~7.5の開始pHを有し、電池の生理食塩水中の浸漬後、60分間にわたって5分間隔でサンプリングされた導電性水性媒体の平均pHは、10、9.5、9、8.5、又は8の平均pHを超えない。
【実施例】
【0466】
実施例1.
A.対照金属及び例示的な電池ケース材料の比較試験
対照金属及び実施例電池材料を導電性水性媒体及び水和ハムに曝露した結果を以下に報告する。これらの試験は、生物学的条件下(例えば、飲み込まれ、生体組織と反応した後)の電池の活性をシミュレートする。
【0467】
i)例示的なカソードケース不活性化層材料を、25%リンガー溶液及びシミュレート胃液溶液に、電位下で浸漬する。
この実験では、カソードケースの不活性化層のための異なる候補金属箔は、正電極として、それぞれ公称1.5V及び3Vの電池の電圧である1.5V及び3.3Vの電位に供され、25%リンガー溶液及びシミュレート胃液中に浸漬された。この実験設定において、電流は、水の電気分解速度に相関する時間にわたって測定された。電流が減少するにつれて、反応速度は、減少して、所与の期間にわたってより少ない水酸化物イオンを生成する。したがって、より低い電流は、生物学的組織への損傷の可能性がより低いことを示唆する。
【0468】
図19は、25%リンガー溶液中の浸漬後の各金属についての電流対時間のプロットである。リンガー溶液は、147mM塩化ナトリウム、4mM塩化カリウム、及び3mM塩化カルシウムを含有し、初期pH5.5~6であり、口又は食道に存在するであろう環境のタイプをシミュレートする。正極上で試験した金属は、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、グラファイト(C)、チタン(Ti)、及びステンレス鋼304(SS304)であった。Moのみを1.5Vで試験し、他の全てのサンプルを1.5V及び3.3Vで試験した。インゴットからの同様のサイズの破片として試験されたクロムを除いて、金属を幅約5mm、長さ10mmの長方形シムに切断した。タンタル及びクロムを除く全ての場合において、金属の厚さは、約0.25mmであった。タンタルシムの厚さは、約0.127mmであった。負極用の金属は、厚さ0.25mm×幅5mm×長さ10mmのステンレス鋼304(SS304)シムであり、同じSS304を負極用の全てのランで使用した。電池のアノードケースをシミュレートする負極と、電池のカソードケースをシミュレートする正極と、を有する、2つの金属シムにわたってDC電圧を印加した。2つの電極は、25%リンガー溶液中に浸漬されたとき、約10mm離れて配置された。実験は、約5~10分間行った。追加的に、pHは、表1に示されるように、指定された電極に近いランの開始時及び終了時に測定された。
【0469】
【0470】
図19に示されるように、正電極上の金属を変化させることは、システムを通る電流フローの量における差異を示した。タンタル(Ta)シムは、試験した全ての金属の1.5V電位(黒色破線)及び3.3V電位(黒色実線)の両方で最も低い電流を有した。ハフニウム(Hf)、タングステン(W)、チタン(Ti)及びニオブ(Nb)もまた、ステンレス鋼304(SS304)と比較して、1.5V及び3.3Vで著しく低減した電流を示した。バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、及びクロム(Cr)は、3.3Vの電位で約5~10mAの電流を維持したが、これは、対照ステンレス鋼シムと比較して電流の著しい低減ではない。実際、Zr及びVシムは、3.3VでSS304よりも高い電流を維持した。グラファイト(C)は、約5mAの電流でCr及びSS304と同様に1.5V及び3.3Vで電流を維持した。モリブデン(Mo)は、1.5Vで1mAを下回る電流を維持した(1.5Vで2回のランが示されている)。1.5Vでは、MoはV及びSS430と同様に機能し、実験において1.5Vの印加電圧で最も高い電流のいくつかを有する。
【0471】
電流が1mAより大きい場合、負端子付近の溶液のpHは6~8以上の最小値まで増加し、電流出力と一致してより高濃度のヒドロキシルイオンが生成されたことを示唆している。負端子における泡として観察される水素ガス発生の激しさもまた、より高い電流を示したサンプルについて著しく大きかった。
【0472】
上で説明される実験を、シミュレート胃液(simulated gastric fluid、SGF)及び正電極用の金(Au)、Ti、Ta、Hf、W、Mo、Nb、V、Zr、及びCを含む改変された一連の金属を用いて繰り返した。負極はまた、全てのランでSS304であった。各電極金属は、正極として、1.5Vで実行され、再び3.3Vで最大5分間実行された。電流対時間のデータをプロットし、
図20に示す。SGF溶液は、2.0g/L塩化ナトリウム及び約2.917g/L HC1を含み、pHは約1.1~1.3であった。この実験は、胃における電池の応答をシミュレートするように設計された。ランの開始時及び終了時に測定したpHは、全てのランについて3未満のままであった。
【0473】
これらの酸性条件下で、SS304、Hf、Mo、及びVの電流は、25%リンガー溶液に浸漬したときの電流と比較して増加した(
図20及び
図19を比較されたい)。これらの酸性条件下で3.3Vにおいて、電流は、SS304、Hf、Mo、Au、及びVのランに対する電源の最大許容電流である、30mAに達し、電解のための非常に速い反応速度を示唆している。1.5Vのより低い電位下でさえ、Au、Hf、Mo、V、及びZrのシムは、これらの酸性条件下で1mAを上回る電流を維持した。
【0474】
Ti、Ta、W、及びNbを用いたランは、3.3Vで400秒以内に0.1mAを下回って低下したより低い電流を維持した。Taは、1.5V及び3.3Vで最も著しい電流の低減を示し、Nbは、3.3Vで同様に機能した。
【0475】
全体として、この実験は、Ta及びNb金属が不活性化層として電池の正端子上の酸化半反応を低減又は抑制するのによく適していることを実証している。Ti及びWもまた、酸化半反応を低減するのに好適であり得る。
【0476】
図30のグラフは、25%リンガー溶液に浸漬された、カソード電極としてニッケル(Ni)、金(Au)、ニオブ(Nb)、及びステンレス鋼430(SS430)、アノードとしてステンレス鋼430を用いて、1.5V、3、及び3.3Vの印加電位下の回路における電流出力の変化を示す。3000オーム及び6600オームを示す線は、それぞれ3.3V及び1.5Vにおける抵抗を表す。これらの条件において生成された電流(0.5mA)は、ヒドロキシル産生、したがって組織への損傷が最小であると判定された電流であるため、GI組織にとって許容可能であると考えられる。
【0477】
電位差を測定しながら、対応する出力電解電流を測定した。各金属は、1.5V、3、又は3.3Vで、測定された電流に対する電位差の比(V=IR)として判定される特定の酸化耐性から開始した。経時的に、抵抗は、ニッケル及びステンレス鋼430の両方について、それらの連続的な酸化に起因して低下した。これらの2つの金属は、電流が流れ続けることを可能にし、アノードにおけるヒドロキシルイオン濃度(pH)の増加を引き起こす、進行中の又は衰えていない電解反応を生成した。金については、1.5Vである程度の酸化耐性が見られた。しかしながら、3Vの印加電位では酸化耐性は見られなかった。この金属はまた、電流が流れ続けることを可能にし、最終的にpHの危険な増加につながる、進行中の又は衰えない電解反応を生成する。対照的に、ニオブは、1.5V及び3Vの両方で酸化耐性の増加を示した。経時的な耐性の継続的な増加は、表面で成長する酸化物層と一致する。酸化物層は、最終的に、アノードにおけるヒドロキシルイオン形成の速度を減速させるするのに十分な酸化耐性を作り出す。本実施例は、GI組織(又は導電性水性環境)と接触する表面内又は表面上にニオブを含む電池が、それらの表面内又は表面上に金、ニッケル又はステンレス鋼を有する電池よりも、それらのGI組織にとって危険な状態を作り出す可能性が低いことを実証する。同様の進行中及び破壊的な電解反応は、電池表面の一部分が、下にあるステンレス鋼(又は電気分解抑制酸化物層を形成しない他の導電性金属)を曝露させてGI組織(又は導電性水性環境)との接触を可能にする亀裂又は摩耗領域を有する場合に起こる。
【0478】
ii)25%リンガー溶液中で引っ掻いたタンタルカソードケース。
ステンレス鋼430(SS430)アノードケースを有するタンタルカソードケースから空の電池ケーシングを圧着した。次いで、アノードケースの上部に押し付けられた1つのタンタルストリップと、カソードケースの底部に押し付けられた別のタンタルストリップとを使用して、ケーシングを回路に接続した。次に、3.3VのDC電圧をそれらの間に印加して、コンデンサー様回路を形成した。結果を
図21に示す。
【0479】
各測定のために、空の電池ケーシングを、電池を横向きに保持するクリップに垂直に取り付け、カソードの底部を左に向け、アノードの上部を右に向けた。空の電池ケースを25%リンガー溶液中に約25%浸漬するように下げ、空の電池ケースの下部分3~5mm部分をほぼ覆った。
【0480】
得られた回路電流を10kオーム抵抗器で測定し、先で説明されるように25%リンガー溶液に浸漬した。サンプルをリンガー中3.3Vで予備酸化し、電流のスパイクは0.5mA以下であり、30秒未満で非常に迅速に0.4mA電流のベースラインに戻った。同じ空の電池ケーシングを乾燥させ、次いでスチールウールで引っ掻いて、実験を繰り返した。この結果、約1.2mAの電流に顕著に大きなスパイクが生じ、その後30秒以内にベースライン並列負荷電流に戻った。この結果は、タンタルの新しい層が曝露されるとき、又は曝露された場合、ヒドロキシルイオン生成の量が約30秒以内に著しく低減し、したがって溶液のpHの変化が最小化されることを示唆する。
【0481】
iii)空の圧着された例示的な電池を、電位及び作動負荷下に浸漬する。
図22及び
図23は、溶液中に部分的に浸漬することによってカソードケースとアノードケースとの間に導電経路を作製した場合と作製しなかった場合とで作製され、1kオーム、3.9kオーム、10kオーム、15kオームの異なる並列負荷抵抗に曝露された対照電池及び処置電池の性能を示す。
【0482】
図22は、以下の実験の結果を示す。3つの空の電池ケースを、ステンレス鋼304(SS304)、チタン、及びタンタルカソードケースから、ステンレス鋼430(SS430)アノードケースと圧着した。次に、タンタルリードを使用して回路に接続し、陽極ケースと陰極ケースを3.3V DCを提供する外部電源に接続した。得られた回路電流を測定した。圧着前に、4点プローブミリオーム(mOhm)メータを用いて、ケースの内側底面から外底面までの全抵抗について金属ケースを測定した。抵抗は1mオーム未満であった。対照ランでは、電流は並列抵抗器なしの回路について測定され、ベースライン電流は10
-3~10
-4mAの範囲の極めて低いものであった。並列抵抗器を追加し、抵抗を15kオームから10kオームへ、3.9kオームへ、1kオームへと順次減少させると、それに応じて電流が変化した。各耐性における値は、3つ全ての回路にわたって一貫していた。
【0483】
実験は、25%リンガー溶液中に部分的浸漬を加えて、同じ回路設定で継続した。各測定について、空の電池ケーシングを25%リンガー溶液中に部分的に浸漬し、アノード及びカソードケースのおよそ3mm部分を覆い、リンガー溶液を介して抵抗負荷を本質的に形成した。結果として生じる回路電流は、並列抵抗器なしで試験し、次いで、前述のように、並列抵抗を15kオームから、10kオームへ、3.9kオームへ、及び1kオームへと順次減少させて測定された。浸漬前に、全てのサンプルについてベースラインで電流を測定した。ステンレス鋼カソードケース条件の部分的浸漬後、測定された電流は、ほぼ3.5mAに急上昇し、試験の持続時間の間、この近似レベルに留まった。チタンカソードケース条件では、電流は、3.3mAに急上昇し、6分以内に約1mAに低下した。一方、タンタルカソードの場合、電流は、ほぼ同じ時間で0.5mA未満に低下した。抵抗変化の間、外部電圧をオフにした。15kオームで開始する各追加負荷で、このパターンは、それ自体を繰り返し、基本的に、ステンレス鋼304の場合の電流は、並列負荷電流によってシフトされ、次いで、部分的浸漬で跳ね上がり、高いままであった。チタンについては、スパイクがあり、約2~4分後にベースライン並列負荷電流への降下が続いた。一方、タンタルについては、スパイクは、約10~30秒後により急速に低下した。これは、酸化物の形成に起因し得る可能性がある。実験後にリンゲルに曝露されたチタン及びタンタルのケースでは、視認可能な色の変化があった。しかしながら、曝露されたTi及びTa金属の抵抗は、実験の前後に2プローブ抵抗測定で試験した場合、著しく変化するようには見えなかった。
【0484】
iv)外部電源を用いた水和ハムへのタンタルシムの曝露。
この実験では、タンタル金属シムを使用して、アノードケース又はカソードケースの不活性化層をモデル化した。対極は、SS430であった。電極は、
図24A及び
図24Bに示されるように、約1mmのギャップで互いに平行に配置された。Ta箔が正極である間、それは、外部電源を使用して3.3V(ラン2401-3.3V)、及び10V(ラン2407-10V)に供され、電流を測定した。Ta箔が負極である間、それは、3.3V(ラン2402-3.3V)に供された。ハムサンプルを最初に約2cm×4cmの長方形に切断し、試験前に浅いペトリ皿中で20mLの25%リンガー溶液で30分間水和させた。ハムのスライスを、2つの電極間に配置した。正極及び負極の下のハム表面のpHを、30~120分の範囲の実験期間後に測定した。結果を表2に示す。
【0485】
【0486】
Taシムが正電極である場合、カソードケースの不活性化層をシミュレートすると、3.3Vで120分間(ラン2401-3.3V)(
図24A)、又は10Vで60分間(ラン2407-10V)でハムの損傷の兆候を示さなかった。表2に示されるpHデータ及び
図24Cに示される低電流は、正極としてのTaシムが、水の電気分解の反応速度を低減又は抑制することを示唆する。
【0487】
Taシムが負極であり、アノードケースの不活性化層をシミュレートした場合、3.3Vで30分間(ラン2402-3.3V)でハムの損傷の兆候を示した(
図24B)。表1に示されるpHデータ及び
図24Cに示されるより高い電流は、負極としてのTaシムのみが、正極としてのTaシムほど水の電気分解の反応速度を低減させないことを支持する。
【0488】
v)タンタル、チタン、金、及びSS430シムを、電源としてCR2032市販電池を使用してハムに曝露する。
この実験では、タンタル、チタン、金、及びSS430金属シムを正極として使用して、カソードケースの不活性化層をモデル化した。負極は、SS430であった。各正極を、約1mmのギャップでSS430シムに平行に配置して、4対のシムを形成した。市販の3.3VのCR2032 Li金属コインセル電池を使用してシムペアを電位下に置き、電圧を、Graphtec 10チャネルデータロガーを使用して監視した(
図25)。ハムサンプルを最初に約2cm×4cmの長方形に切断し、試験前に少なくとも30分間、浅いペトリ皿中で20mLの25%リンガー溶液で水和させた。ハムの出発pHは、約5であった。ハムのスライスを、各電極対にわたって配置した。正電極及び負電極下のハム表面のpHを、実験期間中及び実験期間後にそれぞれ70分及び180分で測定した。各サンプルについての70分での電圧の低下は、この時点でpH及び損傷を測定するためにハムを除去したことによるものであった。結果を表3に示す。
【0489】
【0490】
Ta(ラン2503)及びTi(ラン2504)サンプルは、ハム上に視覚的損傷の兆候を示さなかった。実験しかしながら、TiサンプルのpHは、金サンプル(ラン2505)と同様に、ハムの正極側で減少し、ハムの負極側で増加した。TaサンプルのpHは、180分後であっても最初の読み取り値5から変化しなかった。
【0491】
Au、Ta、及びTi処理は全て、SS430対照と比較して電流を低減させる。これらの結果は、湿った組織への長期間の曝露の間、カソードケース上のTa不活性化層が、Au又はTiのコーティングよりも電流を低減させ、したがって、より少ない損傷を引き起こすことを示唆する。
【0492】
vi)CR1616を用いた水和ハムへのタンタル及びチタンカソードケース曝露
試験電池は、ステンレス鋼304、チタン及びタンタルで作製されたCR2032カソードケース、及びステンレス鋼430で作製されたCR2032アノードケースを使用して作製された。市販のCR1616コインセル電池をケーシングに挿入し、ニッケル箔を使用して、いかなる空隙も充填し、アノードからアノードへの電流経路を提供することによって、試験電池に給電した。ケースは、CR2032圧着ダイを有するMTIハンドクリンパを使用して圧着された。
【0493】
凍結したオスブタの頭のハムのいくつかの厚いスライスを解凍し、6つの2インチ×2.5インチ片に切断した。この後、10mLの25%リンガー溶液を添加して、実験を開始する1時間前にハムを水和した。
【0494】
次に、試験電池を、アノード側を下にして1枚のハム上に配置し、追加のスライスのハムで覆ってカソード側を覆った。200gの重りを層の上に加えて、試験電池とハムとの良好な接触を確実にした。
【0495】
24時間にわたって接触させた後(
図26)、カソードケースとしてステンレス鋼304を有する対照電池は、アノード側及びカソード側の両方でハムに対する著しい損傷を示した。一方、チタン又はタンタルのカソードケースを有する電池はいずれも、著しい損傷を引き起こさなかった。チタンカソードケースを有する試験電池は、カソードケースと直接接触しているハム上の損傷の最小限の兆候を示したが、アノードケースと直接接触している組織の明らかな変色、損傷の指標を示した。
【0496】
セットアップを分解し、試験電池をアノードに面する側からフリップするとすぐに、pH紙(1~13)範囲を、電池アノードケースと直接接触しているハムの領域上に配置した(
図27)。ステンレス鋼304カソードケース試験電池では、ハムのpHは、30分で8.5に達し、24時間後に12.5であった。チタンカソードケース試験電池は、30分以内に5.5~6.5へのpHのわずかな増加を示し、24時間後に6.5のpHのままであった。一方、タンタルカソードケースでは、試験電池は、30分及び24時間の時点でpHの変化を示さなかった。
【0497】
vii)複数日にわたる高温及び相対湿度への曝露
加速エージング条件後に電池がどのように機能するかを判定するために、リチウム対照、実験室で作製された対照、及び例示的な電池の高温高湿条件への曝露を行った。
【0498】
図28は、以下の実験の結果を示す。試験電池は、ステンレス鋼304、チタン及びタンタルで作製されたCR2032カソードケースと、ステンレス鋼430で作製されたCR2032アノードケースと、を使用して作製された。市販のCR1616コインセル電池をケーシングに挿入し、ニッケル箔を使用して、いかなる空隙も充填し、アノードからアノードへの電流経路を提供することによって、試験電池に給電した。ケースは、CR2032圧着ダイを有するMTIハンドクリンパを使用して圧着された。市販のMaxell CR2032電池を、市販の対照として使用した。実験室で作製された試験電池は、電解質を含まないので(市販のCR1616に含まれるものは別として)、重量損失は予想されなかったが、試験電池はまた、この期間にわたって水分侵入から追加の重量を増加させなかった。試験電池の質量に著しい変化はなく、高温、高湿度貯蔵における静的条件を示し得る。
【0499】
図29は、以下の実験の結果を示す。試験電池は、ステンレス鋼304、チタン及びタンタルで作製されたCR2032カソードケースと、ステンレス鋼430で作製されたCR2032アノードケースと、を使用して作製された。市販のCR1616コインセル電池をケーシングに挿入し、ニッケル箔を使用して、いかなる空隙も充填し、アノードからアノードへの電流経路を提供することによって、試験電池に給電した。ケースは、CR2032圧着ダイを有するMTIハンドクリンパを使用して圧着された。市販のMaxell CR2032電池を、市販の対照として使用した。負荷電圧を測定するために、抵抗を並列に接続し、タイマを直ちにオンにした。DCマルチメータで測定した閉回路電圧を、5秒時点で記録した。開回路電圧(open circuit voltage、OCV)、15キロオーム、3.9キロオームの電圧は、試験条件を通して相対的に安定したままであった。1kオームの抵抗条件はわずかに減少したが、市販の対照と同様であり、全ての場合において、3Vを上回ったままであった。60℃、90%RHで保存した後、電池の抵抗のいずれにおいても実質的な増加はなかった。
【0500】
本開示に従って構築されたプロトタイプ電池は、対照及び市販の電池と同様の熱及び湿度に対する安定性を示す。
【0501】
均等物
前述の明細書は、当業者が実施形態を実施することを可能にするのに十分である。前述の説明及び実施例は、特定の実施形態を詳述し、本発明者らによって企図される最良の形態を説明する。しかしながら、上記が本文中にいかに詳細に現れても、実施形態は多くの方法で実施され得、添付の特許請求の範囲及びその任意の均等物に従って解釈されるべきであることが理解されるであろう。
【国際調査報告】