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特表2023-542371超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-06
(54)【発明の名称】超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20230929BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20230929BHJP
【FI】
G06T7/00 612
A61B8/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518457
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 CN2021096824
(87)【国際公開番号】W WO2022062461
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】202011017783.6
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523100799
【氏名又は名称】広州愛孕記信息科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU AIYUNJI INFORMATION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 4504, Tower B, No. 33 Zhongshan Third Road, Yuexiu District, Guangzhou, Guangdong 510080, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】謝 紅寧
(72)【発明者】
【氏名】汪 南
(72)【発明者】
【氏名】▲せん▼ 建波
(72)【発明者】
【氏名】梁 ▲ぢぅ▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 樹郁
(72)【発明者】
【氏名】楊 燕淇
(72)【発明者】
【氏名】呉 杰林
【テーマコード(参考)】
4C601
5L096
【Fターム(参考)】
4C601DD09
4C601EE09
4C601JB28
4C601JB34
4C601JC05
4C601JC06
4C601JC13
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA04
5L096FA06
5L096FA32
5L096FA69
5L096GA30
5L096GA51
(57)【要約】
超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法及び装置であって、該方法は、取得された連続した複数フレームの胎児超音波画像における各フレームの胎児超音波画像を予め決定された特徴検出モデルに順次入力して分析する(101)ことと、特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの胎児超音波画像の特徴情報として取得する(102)ことと、各フレームの胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定する(103)ことと、を含む。該方法は連続した複数フレームの胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を取得し、且つ胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を参照して胎児超音波画像の断面を決定し、胎児超音波画像の断面の決定精度を向上させることができ、胎児超音波画像の断面の標準化程度を向上させることができるだけでなく、胎児超音波画像の断面の決定効率を向上させることもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法であって、
取得された連続した複数フレームの胎児超音波画像における各フレームの前記胎児超音波画像を予め決定された特徴検出モデルに順次入力して分析することと、
前記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報として取得し、各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報は該胎児超音波画像の部位特徴情報及び該胎児超音波画像の構造特徴情報を含み、各フレームの前記胎児超音波画像の部位特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の部位特徴のクラスを含み、各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の構造特徴のクラスを含み、各前記胎児超音波画像の構造特徴は少なくとも該胎児超音波画像の重要構造特徴を含むことと、
各フレームの前記胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定することと、を含むことを特徴とする超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法。
【請求項2】
前記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報として取得した後、前記方法は更に、
すべての前記胎児超音波画像にその特徴情報に適合しない特徴の目標胎児超音波画像が存在するかどうかを検出することと、
検出結果がYESの場合、すべての前記胎児超音波画像からすべての前記目標胎児超音波画像を選別し、且つ予め決定された特徴フィルタリング方式で各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法。
【請求項3】
予め決定された特徴フィルタリング方式で各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得することは、
各フレームの前記目標胎児超音波画像、該目標胎児超音波画像の上位複数フレームの胎児超音波画像及び下位複数フレームの胎児超音波画像の平均階調値を取得し、且つ各フレームの前記目標胎児超音波画像に対応する平均階調値に基づいて該目標胎児超音波画像の特徴情報に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得し、又は、
各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴の所在位置を決定し、且つ対応する位置に基づいて各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴を削除して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得することを含むことを特徴とする請求項2に記載の超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法。
【請求項4】
各フレームの前記胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定した後、前記方法は更に、
各フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面に該断面に適合しない特徴が存在するかどうかを検出し、該胎児超音波画像に対応する断面に該断面に適合しない特徴が存在することを検出した場合、該断面に適合しない特徴を削除することを含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法。
【請求項5】
各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴情報は更に該胎児超音波画像の構造特徴の信頼度及び該構造特徴の位置確率を含み、各前記構造特徴の位置確率は該構造特徴の対応する胎児超音波画像における位置であり、
そして、前記方法は更に、
現在フレームの胎児超音波画像の構造特徴の信頼度、該構造特徴の位置確率及び該構造特徴の重み値に基づいて現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値を決定し、且つ現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値が決定された最適断面の断面スコア値よりも大きいかどうかを判断し、前記最適断面は断面スコア値の最も高い断面であることと、
判断結果がYESの場合、前記最適断面のフレーム番号を現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面のフレーム番号に更新し、各フレームの前記胎児超音波画像にはいずれも一意の対応するフレーム番号が存在することと、
判断結果がNOの場合、次のフレームの胎児超音波画像を現在フレームの前記胎児超音波画像として取得し、且つ現在フレームの胎児超音波画像の構造特徴の信頼度、該構造特徴の位置確率及び該構造特徴の重み値に基づいて現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値を決定する操作を実行するようにトリガーすることと、を含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法。
【請求項6】
前記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報として取得した後、前記方法は更に、
各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴に疑似異常構造特徴が存在するかどうかを検出し、該胎児超音波画像の構造特徴に疑似異常構造特徴が存在することを検出した場合、該胎児超音波画像における疑似異常構造特徴の目標情報を取得し、各前記疑似異常構造特徴の目標情報は該疑似異常構造特徴が異常特徴構造であるかどうかを決定するためのものであることと、
各前記疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断し、該疑似異常構造特徴が前記異常構造特徴の決定条件を満足すると判断した場合、該疑似異常構造特徴が異常構造特徴であることを決定することと、
各前記異常構造特徴に対応する断面が異常断面であることを決定することと、を含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法。
【請求項7】
各前記疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断することは、
各前記疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて該疑似異常構造特徴に対応する異常表示タイプを決定し、該異常表示タイプが数値表示タイプ及び/又は特徴形態表示タイプを含むことと、
前記疑似異常構造特徴の異常表示タイプが前記数値表示タイプである場合、該疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値を取得し、且つ該疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値が予め決定された正常なパラメータ値の範囲内にあるかどうかを判断し、判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定し、各前記疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値が該疑似異常構造特徴に対応する横径及び/又は該異常構造特徴に対応する周長を含むことと、
前記疑似異常構造特徴の異常表示タイプが前記特徴形態表示タイプである場合、該疑似異常構造特徴が該疑似異常構造特徴に対応する部位特徴の検出領域内にあるかどうかを判断し、判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定することと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法。
【請求項8】
前記疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値を取得することは、
前記特徴検出モデルが予め決定された特徴輪郭を決定可能な検出モデルである場合、各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴情報が更に該胎児超音波画像の構造特徴の輪郭情報を含み、前記疑似異常構造特徴の輪郭情報に基づいて該疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得することと、
前記特徴検出モデルが前記特徴輪郭を決定可能な検出モデルではない場合、前記疑似異常構造特徴に対応する胎児超音波画像を前記特徴輪郭を決定可能な検出モデルに入力して分析し、且つ前記特徴輪郭を決定可能な検出モデルから出力された分析結果を該疑似異常構造特徴に対応する胎児超音波画像の構造特徴の輪郭情報として取得し、そして、該疑似異常構造特徴の輪郭情報に基づいて該疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得することと、を含むことを特徴とする請求項7に記載の超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法。
【請求項9】
超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置であって、
取得された連続した複数フレームの胎児超音波画像における各フレームの前記胎児超音波画像を予め決定された特徴検出モデルに順次入力して分析するための分析モジュールと、
前記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報として取得するためのものであり、各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報は該胎児超音波画像の部位特徴情報及び該胎児超音波画像の構造特徴情報を含み、各フレームの前記胎児超音波画像の部位特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の部位特徴のクラスを含み、各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の構造特徴のクラスを含む取得モジュールと、
各フレームの前記胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定するための決定モジュールと、を備えることを特徴とする超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置。
【請求項10】
超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置であって、
実行可能プログラムコードが記憶されるメモリと、
前記メモリに結合されるプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは前記メモリに記憶される前記実行可能プログラムコードを呼び出して、請求項1~8のいずれか1項に記載の超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法を実行することを特徴とする超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理の技術分野に関し、特に、超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
胎児断面から胎児の発育状況を知ることができるので、胎児断面は胎児の妊娠週数を正確に決定するキーポイントとなる。現在、胎児断面の決定方法は、一枚の胎児超音波画像を分析して胎児断面を直接取得し、又は、更に、胎児断面を取得した後、経験豊富な関係者が該胎児断面を分析することにより、胎児断面の最終的な決定を完了している。
【0003】
ところが、実際には、データ量の比較的少ない一枚の超音波画像から胎児断面を直接決定すること、及び関係者の経験が限られ及び/又は過労労働のため、精度の比較的低い胎児断面を取得しやすく、このため、胎児の成長発育状況を正確に決定できない。従って、正確な胎児断面をどのように取得するかは特に重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的問題は、正確な胎児断面を取得することができる超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的問題を解決するために、本発明の第1態様は超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法を開示し、前記方法は、
取得された連続した複数フレームの胎児超音波画像における各フレームの前記胎児超音波画像を予め決定された特徴検出モデルに順次入力して分析することと、
前記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報として取得し、各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報は該胎児超音波画像の部位特徴情報及び該胎児超音波画像の構造特徴情報を含み、各フレームの前記胎児超音波画像の部位特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の部位特徴のクラスを含み、各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の構造特徴のクラスを含み、各前記胎児超音波画像の構造特徴は少なくとも該胎児超音波画像の重要構造特徴を含むことと、
各フレームの前記胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定することと、を含む。
【0006】
選択可能な実施形態として、本発明の第1態様では、前記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報として取得した後、前記方法は更に、
すべての前記胎児超音波画像にその特徴情報に適合しない特徴の目標胎児超音波画像が存在するかどうかを検出することと、
検出結果がYESの場合、すべての前記胎児超音波画像からすべての前記目標胎児超音波画像を選別し、且つ予め決定された特徴フィルタリング方式で各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得することと、を含む。
選択可能な実施形態として、本発明の第1態様では、予め決定された特徴フィルタリング方式で各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得することは、
各フレームの前記目標胎児超音波画像、該目標胎児超音波画像の上位複数フレームの胎児超音波画像及び下位複数フレームの胎児超音波画像の平均階調値を取得することと、
各フレームの前記目標胎児超音波画像に対応する平均階調値に基づいて該目標胎児超音波画像の特徴情報に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得し、又は、
各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴の所在位置を決定し、且つ対応する位置に基づいて各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴を削除して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得することと、を含む。
【0007】
選択可能な実施形態として、本発明の第1態様では、各フレームの前記胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定した後、前記方法は更に、
各フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面に該断面に適合しない特徴が存在するかどうかを検出し、該胎児超音波画像に対応する断面に該断面に適合しない特徴が存在することを検出した場合、該断面に適合しない特徴を削除することを含む。
【0008】
選択可能な実施形態として、本発明の第1態様では、各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴情報は更に該胎児超音波画像の構造特徴の信頼度及び該構造特徴の位置確率を含み、各前記構造特徴の位置確率は該構造特徴の対応する胎児超音波画像における位置であり、
そして、前記方法は更に、
現在フレームの胎児超音波画像の構造特徴の信頼度、該構造特徴の位置確率及び該構造特徴の重み値に基づいて現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値を決定し、且つ現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値が決定された最適断面の断面スコア値よりも大きいかどうかを判断し、前記最適断面は断面スコア値の最も高い断面であることと、
判断結果がYESの場合、前記最適断面のフレーム番号を現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面のフレーム番号に更新し、各フレームの前記胎児超音波画像にはいずれも一意の対応するフレーム番号が存在することと、
判断結果がNOの場合、次のフレームの胎児超音波画像を現在フレームの前記胎児超音波画像として取得し、且つ現在フレームの胎児超音波画像の構造特徴の信頼度、該構造特徴の位置確率及び該構造特徴の重み値に基づいて現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値を決定する操作を実行するようにトリガーすることと、を含む。
【0009】
選択可能な実施形態として、本発明の第1態様では、前記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報として取得した後、前記方法は更に、
各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴に疑似異常構造特徴が存在するかどうかを検出し、該胎児超音波画像の構造特徴に疑似異常構造特徴が存在することを検出した場合、該胎児超音波画像における疑似異常構造特徴の目標情報を取得し、各前記疑似異常構造特徴の目標情報は該疑似異常構造特徴が異常特徴構造であるかどうかを決定するためのものであることと、
各前記疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断し、該疑似異常構造特徴が前記異常構造特徴の決定条件を満足すると判断した場合、該疑似異常構造特徴が異常構造特徴であることを決定することと、
各前記異常構造特徴に対応する断面が異常断面であることを決定することと、を含む。
【0010】
選択可能な実施形態として、本発明の第1態様では、各前記疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断することは、
各前記疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて該疑似異常構造特徴に対応する異常表示タイプを決定し、該異常表示タイプが数値表示タイプ及び/又は特徴形態表示タイプを含むことと、
前記疑似異常構造特徴の異常表示タイプが前記数値表示タイプである場合、該疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値を取得し、且つ該疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値が予め決定された正常なパラメータ値の範囲内にあるかどうかを判断し、判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定し、各前記疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値が該疑似異常構造特徴に対応する横径及び/又は該異常構造特徴に対応する周長を含むことと、
前記疑似異常構造特徴の異常表示タイプが前記特徴形態表示タイプである場合、該疑似異常構造特徴が該疑似異常構造特徴に対応する部位特徴の検出領域内にあるかどうかを判断し、判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定することと、を含む。
【0011】
選択可能な実施形態として、本発明の第1態様では、前記疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値を取得することは、
前記特徴検出モデルが予め決定された特徴輪郭を決定可能な検出モデルである場合、各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴情報が更に該胎児超音波画像の構造特徴の輪郭情報を含み、前記疑似異常構造特徴の輪郭情報に基づいて該疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得することと、
前記特徴検出モデルが前記特徴輪郭を決定可能な検出モデルではない場合、前記疑似異常構造特徴に対応する胎児超音波画像を、前記特徴輪郭を決定可能な検出モデルに入力して分析し、且つ前記特徴輪郭を決定可能な検出モデルから出力された分析結果を該疑似異常構造特徴に対応する胎児超音波画像の構造特徴の輪郭情報として取得し、そして、該疑似異常構造特徴の輪郭情報に基づいて該疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得することと、を含む。
【0012】
本発明の第2態様は超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置を開示し、前記装置は、
取得された連続した複数フレームの胎児超音波画像における各フレームの前記胎児超音波画像を予め決定された特徴検出モデルに順次入力して分析するための分析モジュールと、
前記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報として取得するためのものであり、各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報は該胎児超音波画像の部位特徴情報及び該胎児超音波画像の構造特徴情報を含み、各フレームの前記胎児超音波画像の部位特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の部位特徴のクラスを含み、各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の構造特徴のクラスを含む取得モジュールと、
各フレームの前記胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定するための決定モジュールと、を備える。
【0013】
選択可能な実施形態として、本発明の第2態様では、前記装置は更に、
前記取得モジュールが前記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報として取得した後、すべての前記胎児超音波画像にその特徴情報に適合しない特徴の目標胎児超音波画像が存在するかどうかを検出するための第1検出モジュールと、
前記第1検出モジュールが前記目標胎児超音波画像を検出した場合、すべての前記胎児超音波画像からすべての前記目標胎児超音波画像を選別するための選別モジュールと、
予め決定された特徴フィルタリング方式で各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得するためのフィルタリングモジュールと、を備える。
選択可能な実施形態として、本発明の第2態様では、前記フィルタリングモジュールが予め決定された特徴フィルタリング方式で各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得する具体的な方式は、
各フレームの前記目標胎児超音波画像、該目標胎児超音波画像の上位複数フレームの胎児超音波画像及び下位複数フレームの胎児超音波画像の平均階調値を取得し、
各フレームの前記目標胎児超音波画像に対応する平均階調値に基づいて該目標胎児超音波画像の特徴情報に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得し、又は、
各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴の所在位置を決定し、且つ対応する位置に基づいて各フレームの前記目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴を削除して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得する。
【0014】
選択可能な実施形態として、本発明の第2態様では、前記装置は更に、
前記決定モジュールが各フレームの前記胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定した後、各フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面に該断面に適合しない特徴が存在するかどうかを検出するための第2検出モジュールと、
前記第2検出モジュールが各フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面に該断面に適合しない特徴が存在することを検出した場合、該断面に適合しない特徴を削除するための削除モジュールと、を備える。
【0015】
選択可能な実施形態として、本発明の第2態様では、各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴情報は更に該胎児超音波画像の構造特徴の信頼度及び該構造特徴の位置確率を含み、各前記構造特徴の位置確率は該構造特徴の対応する胎児超音波画像における位置であり、
そして、前記装置は更に、
更に現在フレームの胎児超音波画像の構造特徴の信頼度、該構造特徴の位置確率及び該構造特徴の重み値に基づいて現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値を決定するための前記決定モジュールと、
現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値が決定された最適断面の断面スコア値よりも大きいかどうかを判断するためのものであり、前記最適断面は断面スコア値の最も高い断面である第1判断モジュールと、
前記第1判断モジュールの判断結果がYESの場合、前記最適断面のフレーム番号を現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面のフレーム番号に更新するためのものであり、各フレームの前記胎児超音波画像にはいずれも一意の対応するフレーム番号が存在する更新モジュールと、
更に前記第1判断モジュールの判断結果がNOの場合、次のフレームの胎児超音波画像を現在フレームの前記胎児超音波画像として取得し、且つ前記決定モジュールが現在フレームの胎児超音波画像の構造特徴の信頼度、該構造特徴の位置確率及び該構造特徴の重み値に基づいて現在フレームの前記胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値を決定する操作を実行するようにトリガーするための前記取得モジュールと、を備える。
【0016】
選択可能な実施形態として、本発明の第2態様では、前記装置は更に、
前記取得モジュールが前記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの前記胎児超音波画像の特徴情報として取得した後、各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴に疑似異常構造特徴が存在するかどうかを検出するための第3検出モジュールと、
更に前記第3検出モジュールが該胎児超音波画像の構造特徴に疑似異常構造特徴が存在することを検出した場合、該胎児超音波画像における疑似異常構造特徴の目標情報を取得するためのものであり、各前記疑似異常構造特徴の目標情報は該疑似異常構造特徴が異常特徴構造であるかどうかを決定するためのものである前記取得モジュールと、
各前記疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断するための第2判断モジュールと、
更に前記第2判断モジュールは該疑似異常構造特徴が前記異常構造特徴の決定条件を満足すると判断した場合、該疑似異常構造特徴が異常構造特徴であることを決定するための前記決定モジュールと、
更に各前記異常構造特徴に対応する断面が異常断面であることを決定するための前記決定モジュールと、を備える。
【0017】
選択可能な実施形態として、本発明の第2態様では、前記第2判断モジュールは、
各前記疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて該疑似異常構造特徴に対応する異常表示タイプを決定するためのものであり、該異常表示タイプが数値表示タイプ及び/又は特徴形態表示タイプを含む決定サブモジュールと、
前記疑似異常構造特徴の異常表示タイプが前記数値表示タイプである場合、該疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値を取得するための取得サブモジュールと、
該疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値が予め決定された正常なパラメータ値の範囲内にあるかどうかを判断するための判断サブモジュールと、
更に前記判断サブモジュールの判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴は予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定するためのものであり、各前記疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値が該疑似異常構造特徴に対応する横径及び/又は該異常構造特徴に対応する周長を含む前記決定サブモジュールと、
更に前記疑似異常構造特徴の異常表示タイプが前記特徴形態表示タイプである場合、該疑似異常構造特徴が該疑似異常構造特徴に対応する部位特徴の検出領域内にあるかどうかを判断し、判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定するための前記判断サブモジュールと、
前記判断サブモジュールの判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定するための前記決定サブモジュールと、を備える。
【0018】
選択可能な実施形態として、本発明の第2態様では、前記取得サブモジュールが前記疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値を取得する方式は、具体的には、
前記特徴検出モデルが予め決定された特徴輪郭を決定可能な検出モデルである場合、各フレームの前記胎児超音波画像の構造特徴情報が更に該胎児超音波画像の構造特徴の輪郭情報を含み、前記疑似異常構造特徴の輪郭情報に基づいて該疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得し、
前記特徴検出モデルが前記特徴輪郭を決定可能な検出モデルではない場合、前記疑似異常構造特徴に対応する胎児超音波画像を、前記特徴輪郭を決定可能な検出モデルに入力して分析し、且つ前記特徴輪郭を決定可能な検出モデルから出力された分析結果を該疑似異常構造特徴に対応する胎児超音波画像の構造特徴の輪郭情報として取得し、そして、該疑似異常構造特徴の輪郭情報に基づいて該疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得する。
【0019】
本発明の第3態様は他の超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置を開示し、前記決定装置は、
実行可能プログラムコードが記憶されるメモリと、
前記メモリに結合されるプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは前記メモリに記憶される前記実行可能プログラムコードを呼び出して、本発明の第1態様で開示される超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法を実行する。
【0020】
本発明の第4態様はコンピュータ記憶媒体を開示し、前記コンピュータ記憶媒体にコンピュータ命令が記憶され、前記コンピュータ命令が呼び出される場合、本発明の第1態様で開示される超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法を実行するためのものである。
【発明の効果】
【0021】
従来技術に比べて、本発明の実施例は以下の有益な効果を有する。
本発明の実施例では、取得された連続した複数フレームの胎児超音波画像における各フレームの胎児超音波画像を予め決定された特徴検出モデルに順次入力して分析し、特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの胎児超音波画像の特徴情報として取得し、各フレームの胎児超音波画像の特徴情報は該胎児超音波画像の部位特徴情報及び該胎児超音波画像の構造特徴情報を含み、各フレームの胎児超音波画像の部位特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の部位特徴のクラスを含み、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の構造特徴のクラスを含み、各胎児超音波画像の構造特徴は少なくとも該胎児超音波画像の重要構造特徴を含み、各フレームの胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定する。以上から分かるように、本発明を実施すると、連続した複数フレームの胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を取得して、胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を参照することにより、胎児超音波画像の断面を決定し、人が胎児超音波画像の断面の決定に関与する必要がなく、胎児超音波画像の断面の決定精度を向上させることができる。即ち、胎児超音波画像の断面の標準化程度を向上させることができ、そして、胎児超音波画像を特徴検出モデルに入力して分析することにより、更に胎児超音波画像の断面の決定効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の実施例の技術的解決策をより明確に説明するために、以下に実施例の記述に必要な図面を簡単に説明するが、明らかに、以下に記載する図面は本発明の実施例の一例であって、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、更にこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1図1は本発明の実施例に開示される超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法のフローチャートである。
図2図2は本発明の実施例に開示される他の超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法のフローチャートである。
図3図3は本発明の実施例に開示される超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置の構造模式図である。
図4図4は本発明の実施例に開示される他の超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置の構造模式図である。
図5図5は本発明の実施例に開示される別の超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
当業者に本発明の解決策をより良く理解させるために、以下に本発明の実施例の図面を参照しながら本発明の実施例の技術的解決策を明確且つ完全に説明する。当然のことながら、説明される実施例は本発明の実施例の一部であり、実施例の全部ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が進歩性のある労働を必要とせずに取得するすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0024】
本発明の明細書及び特許請求の範囲並びに上記図面における用語「第1」、「第2」などは異なるオブジェクトを区別するためのものであって、特定の順序を説明するためのものではない。また、用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は非排他的な包含を含むように意図される。例えば、一連のステップ又はユニットを含む過程、方法、装置、製品又は設備は列挙したステップ又はユニットに限定されるのではなく、選択肢として列挙しないステップ又はユニットを更に含み、又は選択肢としてこれらの過程、方法、製品又は設備固有の他のステップ又はユニットを更に含む。
【0025】
本明細書で言及した「実施例」は、実施例を参照して説明した特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書の各箇所に該用語が出現することは必ずしも同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と排他性のある独立した又は代替の実施例でもない。当業者であれば明示的又は暗示的に理解されるように、本明細書で説明される実施例は他の実施例と組み合わせられてもよい。
【0026】
本発明は超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法及び装置を開示し、連続した複数フレームの胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を取得して、胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を参照することにより、胎児超音波画像の断面を決定することができ、人が胎児超音波画像の断面の決定に関与する必要がなく、胎児超音波画像の断面の決定精度を向上させることができる。即ち、胎児超音波画像の断面の標準化程度を向上させることができ、そして、胎児超音波画像を特徴検出モデルに入力して分析することにより、更に胎児超音波画像の断面の決定効率を向上させることができる。以下にそれぞれ詳しく説明する。
【0027】
実施例1
図1を参照すると、図1は本発明の実施例に開示される超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法のフローチャートである。図1に示すように、該超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法は以下の操作を含んでもよい。
101、取得された連続した複数フレームの胎児超音波画像における各フレームの胎児超音波画像を予め決定された特徴検出モデルに順次入力して分析する。
【0028】
本発明の実施例では、予め決定されたフレームレートに基づいて複数フレームの胎児超音波画像を連続して取得することができ、予め決定されたフレームレートは取得する必要がある胎児超音波画像の断面に関連し、即ち、取得する必要がある胎児超音波画像の断面に基づいてフレームレートを選択し、例えば、取得する必要があるのが腹囲断面である場合、フレームレートは30フレーム/秒であってもよく、取得する必要があるのが四腔心断面である場合、フレームレートは60フレーム/秒であってもよい。このように取得する必要がある胎児超音波画像の断面に基づいて対応するフレームレートを選択することは、必要な胎児超音波画像の断面の取得効率及び精度を向上させることに寄与する。
【0029】
本発明の実施例では、各フレームの胎児超音波画像にはいずれも一意の対応するフレーム番号が存在する。このように各フレームの胎児超音波画像に一意のフレーム番号を設定することにより、胎児超音波画像の断面の取得過程において、各フレームの胎児超音波画像を明確に区別することができ、そして、胎児超音波画像及びその断面の情報、例えば、断面のクラス、検出後の断面、未検出の断面などに対してインテリジェント管理を行うことに寄与する。
【0030】
本発明の実施例では、特徴検出モデルは決定された目標検出モデル、実例分割モデル及び語義分割モデルなどを含んでもよく、胎児超音波画像の部位特徴情報及び構造特徴情報のうちの少なくとも1つを取得することができ、本発明の実施例は限定されない。
【0031】
102、上記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの胎児超音波画像の特徴情報として取得し、各フレームの胎児超音波画像の特徴情報は該胎児超音波画像の部位特徴情報及び該胎児超音波画像の構造特徴情報を含み、各フレームの胎児超音波画像の部位特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の部位特徴のクラスを含み、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の構造特徴のクラスを含む。
【0032】
本発明の実施例では、各フレームの胎児超音波画像の部位特徴のクラスは頭蓋脳特徴クラス、顔面特徴クラス、腹部特徴クラス、四肢特徴クラス、胸腹特徴クラス、骨盤腹特徴クラス、胸部特徴クラスのうちの1つを含んでもよく、本発明の実施例は限定されない。各クラスの部位特徴はいずれも複数の人体方向のうちの少なくとも1つの人体方向の部位特徴を含み、該複数の人体方向は水平方向、矢状方向及び冠状方向を含む。例えば、頭蓋脳部位特徴は頭蓋脳矢状断面、頭蓋脳水平断面、頭蓋脳冠状断面を含む。更に、胎児超音波画像の部位特徴の方向が決定された後、該胎児超音波画像の構造特徴の方向も決定され、且つ該構造特徴の方向は対応する部位特徴の方向と同じである。
【0033】
本発明の実施例では、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴は少なくとも該胎児超音波画像の重要構造特徴を含む。各フレームの胎児超音波画像の重要構造特徴は該胎児超音波画像の断面を特徴付けることができる特徴であり、即ち、胎児超音波画像の重要構造特徴を取得した場合、対応する重要構造特徴に基づいて断面のクラスを決定することができる。各フレームの胎児超音波画像に含まれる重要構造特徴の数は少なくとも1つであり、例えば、胎児超音波画像の重要構造特徴は胃泡構造特徴及び臍静脈構造特徴を含む。更に、胎児超音波画像の構造特徴は更に該胎児超音波画像の他の構造特徴(非重要構造特徴)を含み、例えば、胃泡及び臍静脈は腹囲断面の重要構造特徴であり、肝臓、下行大動脈、肋骨、下大静脈は腹囲断面の他の構造特徴である。このように、胎児超音波画像に含まれる構造特徴が多ければ多いほど、該胎児超音波画像の断面の決定精度を向上させることができる。
【0034】
本発明の実施例では、各フレームの胎児超音波画像の部位特徴情報は更に該胎児超音波画像の部位特徴の信頼度(部位特徴クラス確率)、図形座標、サイズ、位置確率のうちの少なくとも1つを含む。各フレームの胎児超音波画像の構造特徴情報は更に該胎児超音波画像の構造特徴の信頼度(構造特徴クラス確率)、図形座標、サイズ、位置確率のうちの少なくとも1つを含み、本発明の実施例は限定されない。図形座標は多角形座標又は楕円形座標を含んでもよく、多角形座標は奇数の多角形座標又は偶数の多角形座標を含んでもよく、例えば、五角形座標、長方形座標、多角形座標の選択は部位特徴又は構造特徴の形状によって決定される。このように、部位特徴及び/又は構造特徴の座標取得精度を向上させることができる。更に、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴情報は更に該胎児超音波画像の構造特徴の多角形輪郭情報、例えば、多角形輪郭座標を含む。このように、特徴情報に含まれる内容が多ければ多いほど、胎児超音波画像に対応する断面の取得精度及び後続の疑似異常構造特徴の決定精度に寄与する。
【0035】
103、各フレームの胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定する。
【0036】
本発明の実施例では、例えば、胃泡及び臍静脈は腹囲断面の重要構造特徴であり、胃泡及び胆嚢は胆嚢臍静脈断面の重要構造特徴である。検出された部位特徴が腹部特徴であり且つ構造特徴が胃泡特徴及び臍静脈特徴である場合、胎児超音波画像に対応する断面が腹囲断面であることを決定し、検出された部位特徴が腹部特徴であり且つ構造特徴が胃泡特徴及び胆嚢特徴である場合、胎児超音波画像に対応する断面が胆嚢臍静脈断面であることを決定する。更に、胎児超音波画像に対応する断面が重要構造特徴のほか、他の適合する構造特徴を更に含む場合、胎児超音波画像に対応する断面は標準断面であり、例えば、腹囲断面が胃泡及び臍静脈の重要構造特徴のほか、肝臓、下行大動脈、肋骨、下大静脈の構造特徴を更に含む場合、腹囲断面は腹囲標準断面である。
【0037】
1つの選択可能な実施例では、ステップ102を実行した後、該超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法は更に、
すべての胎児超音波画像にその特徴情報に適合しない特徴の目標胎児超音波画像が存在するかどうかを検出するステップと、
検出結果がYESの場合、すべての胎児超音波画像からすべての目標胎児超音波画像を選別し、且つ予め決定された特徴フィルタリング方式で各フレームの目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得するステップと、を含んでもよい。
【0038】
該選択可能な実施例では、特徴フィルタリング方式は特徴平滑化フィルタリング方式、平均値フィルタリング方式、クリッピングフィルタリング方式及び長・短期記憶(LSTM、Long Short-Term Memory)フィルタリング方式などの胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングできる方式のうちの少なくとも1つを含んでもよく、該選択可能な実施例は限定されない。
【0039】
なお、該選択可能な実施例はステップ103の前又は後に発生してもよく、ステップ103の前に発生する場合、ステップ103における各フレームの胎児超音波画像の特徴情報はその特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした後の特徴情報である。このように、胎児超音波画像に対応する断面を決定する前に、まず適合しない特徴を除去し、データ処理量を減少させることができ、これにより胎児超音波画像の断面の決定精度及び効率を向上させる。
【0040】
該選択可能な実施例では、すべての胎児超音波画像にいずれもその特徴情報に適合しない特徴の目標胎児超音波画像が存在しないことを検出した場合、後続のステップを実行するようにトリガーする。
【0041】
以上から分かるように、該選択可能な実施例は胎児超音波画像の特徴情報を取得した後、胎児超音波画像にその特徴情報に適合しない特徴が存在するかどうかを更に判断し、YESの場合、適合しない特徴をフィルタリングし、データ処理量を減少させることができ、これにより胎児超音波画像に対応する断面の決定効率及び精度を向上させる。
【0042】
他の選択可能な実施例では、予め決定された特徴フィルタリング方式で各フレームの目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得することは、
各フレームの目標胎児超音波画像、該目標胎児超音波画像の上位複数フレームの胎児超音波画像及び下位複数フレームの胎児超音波画像の平均階調値を取得することと、
各フレームの目標胎児超音波画像に対応する平均階調値に基づいて該目標胎児超音波画像の特徴情報に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得し、又は、
各フレームの目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴の所在位置を決定し、且つ対応する位置に基づいて各フレームの目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴を削除し、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得することと、を含む。
【0043】
例えば、第15フレームの胎児超音波画像の部位が頭蓋脳であるが、指特徴が出現する場合、第15フレーム、第15フレームの上位4フレーム(即ち、第11~14フレーム)及び下位4フレーム(即ち、第16~19フレーム)の合計9フレームの胎児超音波画像の平均階調値を取得し、且つ頭蓋脳における指特徴をフィルタリングするように平均階調値に基づいて第15フレームの胎児超音波画像に対してフィルタリング操作を実行して、フィルタリング後の第15フレームの胎児超音波画像を取得することができ、後者は第15フレームの胎児超音波画像における指特徴を直接削除する。
【0044】
以上から分かるように、該選択可能な実施例は胎児超音波画像の特徴情報にその特徴情報に適合しない特徴が存在すると判断した後、取得された該胎児超音波画像及び該胎児超音波画像の前後の複数フレームの胎児超音波画像の平均階調値によって、適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行し又は適合しない特徴を直接削除し、適合しない特徴の削除を実現し、及び適合しない特徴の削除の精度、信頼性及び効率を向上させることができる。
【0045】
別の選択可能な実施例では、ステップ103を実行した後、該超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法は更に、
各フレームの胎児超音波画像に対応する断面に該断面に適合しない特徴が存在するかどうかを検出し、該胎児超音波画像に対応する断面に該断面に適合しない特徴が存在することを検出した場合、該断面に適合しない特徴を削除するステップを含んでもよい。
【0046】
例えば、あるフレームの胎児超音波画像に対応する断面が腹囲断面である場合、該腹囲断面に小脳構造特徴が出現すれば、小脳構造特徴が腹囲断面に適合しないため、該小脳構造特徴を腹囲断面から削除する。
【0047】
該選択可能な実施例では、あるフレームの胎児超音波画像に対応する断面に該断面に適合しない特徴が存在しないことを検出した場合、今回のプロセスを終了してもよく、胎児超音波画像の断面に対応する断面情報を出力する後続の操作を実行するようにトリガーしてもよい。
【0048】
以上から分かるように、該選択可能な実施例は胎児超音波画像に対応する断面を取得した後、該断面に適合しない特徴が存在するかどうかを更に検出し、YESの場合、該適合しない特徴を削除し、高精度の断面を取得することができる。
【0049】
別の選択可能な実施例では、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴情報は更に該胎児超音波画像の構造特徴の信頼度及び該構造特徴の位置確率を含み、各構造特徴の位置確率は該構造特徴の対応する胎児超音波画像における位置状況であり、そして、該超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法は更に、
現在フレームの胎児超音波画像の構造特徴の信頼度、該構造特徴の位置確率及び該構造特徴の重み値に基づいて現在フレームの胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値を決定し、且つ現在フレームの胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値が決定された最適断面の断面スコア値よりも大きいかどうかを判断するステップと、
判断結果がYESの場合、最適断面のフレーム番号を現在フレームの胎児超音波画像に対応する断面のフレーム番号に更新し、各フレームの胎児超音波画像にはいずれも一意の対応するフレーム番号が存在するステップと、
判断結果がNOの場合、次のフレームの胎児超音波画像を現在フレームの胎児超音波画像として取得し、且つ現在フレームの胎児超音波画像の構造特徴の信頼度、該構造特徴の位置確率及び該構造特徴の重み値に基づいて現在フレームの胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値を決定する上記操作を実行するようにトリガーするステップと、を含んでもよい。
【0050】
該選択可能な実施例では、現在フレームの胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値の計算式は、
【0051】
該選択可能な実施例では、最適断面はすべての断面のうちの断面スコア値が最も高い断面である。
【0052】
該選択可能な実施例では、各構造特徴の重み値(加重値とも呼ばれる)は該構造特徴が対応する断面において表現し得る該断面の性能によって決定され、構造特徴の性能が高ければ高いほど、その重み値が大きくなり、即ち、該構造特徴の所在断面における重要性が高くなる。各断面の構造特徴にはいずれも対応する重み値が存在し、即ち、各断面の重要構造特徴にはいずれも対応する重み値が存在し、また非重要構造特徴にはいずれも対応する重み値が存在する。更に、各断面の各重要構造特徴の重み値は同じであってもよく、異なってもよく、各断面の各非重要構造特徴の重み値は同じであってもよく、異なってもよい。なお、各断面の各重要構造特徴の重み値はいずれも該断面の非重要構造特徴(他の構造特徴)の重み値よりも大きい。例えば、視床断面の場合、透明中隔腔、視床及び側脳室が重要構造特徴であり、脈絡膜叢及び大脳外側裂が非重要構造特徴であり、そうすると、重要構造特徴の重み値はいずれも1.0であり、非重要構造特徴の重み値はいずれも0.5である。更に例えば、腹囲断面の場合、胃泡、臍静脈が重要構造特徴であり、肝臓、下行大動脈、肋骨、下大静脈が非重要構造特徴であり、そうすると、重要構造特徴の重み値はいずれも1.0であり、非重要構造特徴の重み値はいずれも0.5である。
【0053】
該選択可能な実施例では、最適断面を取得した後、最適断面の位置するフレーム画像(即ち、最適フレームの胎児超音波画像)の情報を出力し、最適フレームの胎児超音波画像の情報はフレーム番号、最適フレームの胎児超音波画像に対応する断面の断面情報を含み、最適フレームの胎児超音波画像に対応する断面の断面情報についての説明は次の実施例の対応内容についての説明を参照し、ここでは詳細な説明は省略する。
【0054】
以上から分かるように、該選択可能な実施例は胎児超音波画像の断面を取得した後、更に断面の断面スコア値を計算し、且つ最も高い断面スコア値の断面を最適断面にリアルタイムに更新し、最適断面を取得する際のリアルタイム性、効率及び精度を向上させることができる。
【0055】
本発明の実施例では、なお、すべての胎児超音波画像の断面を取得した後、各断面の断面スコア値を計算し、且つその中から最も高い断面スコア値の断面を最適断面として選択してもよい。
【0056】
別の選択可能な実施例では、ステップ103を実行した後、該超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法は更に、
各フレームの胎児超音波画像に対応する断面の断面情報を出力するステップを含んでもよい。
【0057】
該選択可能な実施例では、各断面の断面情報は該断面の断面マーク及び/又は該断面に対応する構造情報を含み、各断面の断面マークは該断面に対応する胎児超音波画像のフレーム番号及び/又は断面名称を含み、各断面に対応する構造情報は該断面における構造特徴のクラス、図形座標、多角形輪郭座標、位置、位置確率、サイズ及び信頼度のうちの少なくとも1つを含み、該選択可能な実施例は限定されない。
【0058】
以上から分かるように、該選択可能な実施例は胎児超音波画像に対応する断面を取得した後、胎児超音波画像に対応する断面の断面情報を更に出力し、関係者、例えば、医者が胎児の成長発育状況を明確に知ることを容易にする。
【0059】
別の選択可能な実施例では、ステップ103を実行した後、該超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法は更に、
すべての胎児超音波画像に対応する断面を予め訓練されたニューラルネットワークモデル(例えば、CNNモデル)に入力して分析し、且つ該ニューラルネットワークモデルから出力された分析結果を該胎児超音波画像に対応する胎児の検出結果として取得するステップを含んでもよい。
【0060】
該選択可能な実施例では、更に、各断面の断面情報をニューラルネットワークモデルに併せて入力して分析してもよく、これにより胎児超音波画像に対応する胎児の検出結果の精度及び信頼性を向上させることができる。
【0061】
該選択可能な実施例では、更に、決定された論理管理ルール及びニューラルネットワークモデルの分析結果を参照して胎児超音波画像に対応する胎児の発育状況を総合的に分析してもよく、これにより胎児の発育状況の決定精度を更に向上させる。論理管理ルールは関係者(例えば、胎児検査専門家)が長年に亘って積み重ねた胎児の検出に関連する経験を含んでもよい。
【0062】
以上から分かるように、該選択可能な実施例は胎児超音波画像に対応する断面を取得した後、更に胎児超音波画像に対応する断面をニューラルネットワークモデルに入力して分析し、胎児超音波画像に対応する胎児の検出結果を取得することができ、それにより胎児の発育状況を総合的に分析し、更に正確な胎児発育状況を取得する。
【0063】
以上から分かるように、図1で説明した超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法を実施すると、連続した複数フレームの胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を取得して、胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を参照することにより、胎児超音波画像の断面を決定することができ、人が胎児超音波画像の断面の決定に関与する必要がなく、胎児超音波画像の断面の決定精度を向上させることができる。即ち、胎児超音波画像の断面の標準化程度を向上させることができ、そして、胎児超音波画像を特徴検出モデルに入力して分析することにより、更に胎児超音波画像の断面の決定効率を向上させることができる。
【0064】
実施例2
図2を参照すると、図2は本発明の実施例に開示される他の超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法のフローチャートである。図2に示すように、該超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法は以下の操作を含んでもよい。
【0065】
201、取得された連続した複数フレームの胎児超音波画像における各フレームの胎児超音波画像を予め決定された特徴検出モデルに順次入力して分析する。
【0066】
202、上記特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの胎児超音波画像の特徴情報として取得し、各フレームの胎児超音波画像の特徴情報は該胎児超音波画像の部位特徴情報及び該胎児超音波画像の構造特徴情報を含み、各フレームの胎児超音波画像の部位特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の部位特徴のクラスを含み、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の構造特徴のクラスを含む。
【0067】
本発明の実施例では、各胎児超音波画像の構造特徴は少なくとも該胎児超音波画像の重要構造特徴を含む。
【0068】
203、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴に疑似異常構造特徴が存在するかどうかを検出し、検出結果がYESの場合、ステップ204を実行するようにトリガーし、検出結果がNOの場合、今回のプロセスを終了してもよく、ステップ207を実行するようにトリガーしてもよい。
【0069】
204、各フレームの胎児超音波画像における疑似異常構造特徴の目標情報を取得し、各疑似異常構造特徴の目標情報を使用して該疑似異常構造特徴が異常特徴構造であるかどうかを決定する。
【0070】
205、各疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断し、該疑似異常構造特徴が異常構造特徴の決定条件を満足すると判断した場合、ステップ206を実行するようにトリガーし、該疑似異常構造特徴が異常構造特徴の決定条件を満足しないと判断した場合、今回のプロセスを終了してもよく、ステップ207を実行するようにトリガーしてもよい。
【0071】
206、上記疑似異常構造特徴が異常構造特徴であることを決定する。
【0072】
以上から分かるように、本発明の実施例は胎児超音波画像の構造特徴を取得した後、該構造特徴に疑似異常構造特徴が存在するかどうかを更に判断し、YESの場合、取得された情報に基づいて該疑似異常構造特徴が異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断し、YESの場合、該疑似異常構造特徴が異常構造特徴であることを決定し、胎児超音波画像に異常構造特徴が存在する決定精度を向上させることができ、これにより胎児に異常が存在する決定精度を向上させ、更に胎児超音波画像に対応する断面の決定精度を向上させる。
【0073】
207、各フレームの胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定する。
【0074】
なお、本発明の実施例では、ステップ203~ステップ206はステップ207の発生順位に関係がなく、即ち、ステップ203~ステップ206はステップ207の前に発生してもよく、ステップ207の後に発生してもよく、更にステップ207と同時に発生してもよく、本発明の実施例は限定されない。
【0075】
本発明の実施例では、ステップ201、ステップ202及びステップ207についての関連説明は実施例1におけるステップ101~ステップ103についての詳細な説明を参照し、本発明の実施例においては詳細な説明は省略する。
【0076】
1つの選択可能な実施例では、該超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法は以下の操作を含んでもよい。
【0077】
208、各異常構造特徴に対応する断面が異常断面であることを決定する。
【0078】
本発明の実施例では、異常断面を決定した後、該異常断面の断面情報を出力し、該異常断面の断面情報は異常構造特徴の特徴情報及び/又は正常構造特徴の特徴情報を含み、特徴情報についての関連説明は本発明の実施例の関連内容についての説明を参照し、ここでは詳細な説明は省略する。
【0079】
他の選択可能な実施例では、各疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断することは、
各疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて該疑似異常構造特徴に対応する異常表示タイプを決定し、該異常表示タイプが数値表示タイプ及び/又は特徴形態表示タイプを含むことと、
疑似異常構造特徴の異常表示タイプが数値表示タイプである場合、該疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値を取得し、且つ該疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値が予め決定された正常なパラメータ値の範囲内にあるかどうかを判断し、判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定することと、
疑似異常構造特徴の異常表示タイプが特徴形態表示タイプである場合、該疑似異常構造特徴が該疑似異常構造特徴に対応する部位特徴の検出領域内にあるかどうかを判断し、判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定し、判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定することと、を含んでもよい。
【0080】
該選択可能な実施例では、各部位特徴の検出領域は1つの検出枠、例えば、多角形枠又は楕円形枠で取り囲まれてもよい。
【0081】
該選択可能な実施例では、各疑似異常構造特徴の目標情報は該疑似異常構造特徴の特徴クラスを含む。各疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値は該疑似異常構造特徴に対応する横径及び/又は該異常構造特徴に対応する周長を含む。このように、幾何パラメータ値に含まれる内容が多ければ多いほど、異常構造特徴の判断精度を向上させることに寄与する。異なる構造特徴にはいずれも対応する正常なパラメータ値の範囲が存在し、異なる構造特徴に対応する正常なパラメータ値の範囲は同じであってもよく、異なってもよい。更に、同一構造特徴の異なる幾何パラメータ値が異なる正常なパラメータ値の範囲に対応する。更に、各疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値は縮尺及び/又は実際のサイズを含んでもよい。具体的には、疑似異常構造特徴に対応する縮尺が予め決定された正常なパラメータ値の範囲内にあると判断した後、更に疑似異常構造特徴に対応する実際のサイズを取得し、且つ該実際のサイズが予め決定された正常サイズの範囲内にあるかどうかを判断し、判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定する。このように、疑似異常構造特徴の縮尺及び実際のサイズをそれぞれの正常値と同時に比較することにより、疑似異常構造特徴が決定された異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかの決定精度を向上させることができ、これにより疑似異常構造特徴が異常構造特徴であるかどうかの決定精度を向上させる。更に、疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値に基づいて該疑似異常構造特徴に対応する名称を修正し、このように、疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値によりその名称を修正し、疑似異常構造特徴のタイプを明確に区別することができ、後続のフォローアップ・レビューを容易にする。
【0082】
該選択可能な実施例では、疑似異常構造特徴が該疑似異常構造特徴に対応する部位特徴の検出領域内にあると判断した場合、複数フレームの胎児超音波画像にいずれも該疑似異常構造特徴が存在するかどうかを判断し、判断結果がYESの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定する。該複数フレームの胎児超音波画像は疑似異常構造特徴の位置する胎児超音波画像を第1フレームとする胎児超音波画像の後に連続的又は断続的に出現した胎児超音波画像であってもよい。このように、疑似異常構造特徴が対応する部位特徴の検出領域内にあると判断した場合、複数フレームの胎児超音波画像に該疑似異常構造特徴が存在するかどうかを更に判断し、YESの場合、異常構造特徴の決定条件を満足することを決定し、疑似異常構造特徴が決定された異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかの決定精度を向上させることができ、これにより疑似異常構造特徴が異常構造特徴であるかどうかの決定精度を向上させる。
【0083】
該選択可能な実施例では、疑似異常構造特徴とその対応する正常構造特徴との類似度を計算することにより該疑似異常構造特徴が異常構造特徴であるかどうかを決定してもよく、即ち、疑似異常構造特徴とその対応する正常構造特徴との類似度が所定の類似度閾値(例えば、95%)以下である場合、該疑似異常構造特徴が異常構造特徴の決定条件を満足することを決定する。
【0084】
以下に例を挙げてそれぞれ数値表示タイプ及び特徴形態表示タイプの疑似異常構造特徴について説明する。
(一)数値表示タイプ
検出された疑似異常構造特徴が側脳室の臨界性拡張特徴である場合、側脳室の臨界性拡張特徴の輪郭情報を決定された測定モデルに入力して測定して、側脳室の臨界性拡張特徴の横径(縮尺)を取得し、且つ該横径が12個の画素以上であるかどうかを判断し、判断結果がYESの場合、側脳室の臨界性拡張特徴が異常構造特徴であることを決定する。更に、側脳室の臨界性拡張特徴の横径を取得した後、該横径及び胎児超音波画像の縮尺に基づいて側脳室の臨界性拡張特徴の実際のサイズを計算し、且つ該実際のサイズが10mm以上であるかどうかを判断し、判断結果がYESの場合、側脳室の臨界性拡張特徴が異常構造特徴であることを決定する。更に、側脳室の臨界性拡張特徴の横径が12個の画素よりも小さく及び/又は側脳室の臨界性拡張特徴の実際のサイズが10mmよりも小さいと判断した場合、側脳室の臨界性拡張特徴が正常構造特徴であることを決定し、且つ側脳室の臨界性拡張特徴を正常側脳室特徴に修正する。側脳室の臨界性拡張特徴の横径が12個の画素以上且つ15個の画素以下であり及び/又は側脳室の臨界性拡張特徴の実際のサイズが12mmよりも大きく且つ15mm以下である場合、側脳室の臨界性拡張特徴を中程度の側脳室拡張に修正し、側脳室の臨界性拡張特徴の横径が15個の画素よりも大きく及び/又は側脳室の臨界性拡張特徴の実際のサイズが15mmよりも大きい場合、側脳室の臨界性拡張特徴を脳水腫に修正する。
【0085】
(二)特徴形態表示タイプ
検出された疑似異常構造特徴が脈絡膜叢嚢腫の構造特徴である場合、脈絡膜叢嚢腫の構造特徴が側脳室の検出領域に出現したかどうかを検出し、側脳室の検出領域に出現した場合、脈絡膜叢嚢腫の構造特徴が異常構造特徴であることを決定する。更に、脈絡膜叢嚢腫の構造特徴が側脳室の検出領域に出現したことを検出した場合、4フレームの胎児超音波画像にいずれも該脈絡膜叢嚢腫の構造特徴が存在するかどうかを判断し、判断結果がYESの場合、該脈絡膜叢嚢腫の構造特徴が異常構造特徴であることを決定する。
【0086】
以上から分かるように、該選択可能な実施例では、胎児超音波画像に疑似異常構造特徴が出現すると判断した場合、取得された疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値によって、疑似異常構造特徴が異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断し、又は疑似異常構造特徴が対応する部位特徴の検出領域内にあるかどうかを判断し、又は疑似異常構造特徴が対応する正常構造特徴に適合するかどうかを判断することにより、異常構造特徴の判断を実現し、即ち、異なる異常表示タイプの疑似異常構造特徴に基づいて異なる判断方式を選択し、疑似異常構造特徴が異常構造特徴の決定条件を満足しているかどうか決定可能性、精度及び決定効率を向上させることができる。
【0087】
別の選択可能な実施例では、疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値を取得することは、
特徴検出モデルが予め決定された特徴輪郭を決定可能な検出モデルである場合、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴情報が更に該胎児超音波画像の構造特徴の輪郭情報を含み、疑似異常構造特徴の輪郭情報に基づいて該疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得することと、
特徴検出モデルが特徴輪郭を決定可能な検出モデルではない場合、疑似異常構造特徴に対応する胎児超音波画像を、特徴輪郭を決定可能な検出モデルに入力して分析し、且つ特徴輪郭を決定可能な検出モデルから出力された分析結果を該疑似異常構造特徴に対応する胎児超音波画像の構造特徴の輪郭情報として取得し、そして、該疑似異常構造特徴の輪郭情報に基づいて該疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得することと、を含んでもよい。
【0088】
該選択可能な実施例では、特徴輪郭を決定可能な検出モデルは実例分割モデル及び/又は語義分割モデルなどの少なくとも1つの特徴輪郭を決定可能なモデルを含んでもよい。更に、特徴輪郭を決定可能な検出モデルは構造特徴に対応する幾何パラメータ値を直接決定できるモデルであってもよく、特徴輪郭を決定可能な検出モデルが構造特徴に対応する幾何パラメータ値を直接決定できるモデルである場合、該特徴輪郭を決定可能な検出モデルから出力された結果を対応する構造特徴の幾何パラメータ値として直接受信する。
【0089】
以上から分かるように、該選択可能な実施例は特徴検出モデルが特徴輪郭を決定可能な検出モデルであるかどうかを判断し、YESの場合、直接取得された輪郭情報に基づいて異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得し、NOの場合、まず特徴輪郭を決定可能な検出モデルに基づいて異常構造特徴の輪郭情報を取得し、採用された特徴検出モデルが特徴輪郭を決定可能な検出モデルではないがその幾何パラメータ値を計算し続けて幾何パラメータ値の取得失敗の発生状況を減少させることができ、これにより異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得するように確保する。
【0090】
以上から分かるように、図2で説明した超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法を実施すると、連続した複数フレームの胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を取得して、胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を参照することにより、胎児超音波画像の断面を決定することができ、人が胎児超音波画像の断面の決定に関与する必要がなく、胎児超音波画像の断面の決定精度を向上させることができる。即ち、胎児超音波画像の断面の標準化程度を向上させることができ、そして、胎児超音波画像を特徴検出モデルに入力して分析し、更に胎児超音波画像の断面の決定効率を向上させることができる。また、更に胎児超音波画像に異常構造特徴が存在する決定精度を向上させることができ、これにより胎児に異常が存在する決定精度を向上させる。
【0091】
実施例3
図3を参照すると、図3は本発明の実施例に開示される超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置の構造模式図である。図3に示すように、該超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置は分析モジュール301、取得モジュール302及び決定モジュール303を備えてもよい。
【0092】
分析モジュール301は、取得された連続した複数フレームの胎児超音波画像における各フレームの胎児超音波画像を予め決定された特徴検出モデルに順次入力して分析するためのものである。
【0093】
取得モジュール302は、特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの胎児超音波画像の特徴情報として取得するためのものであり、各フレームの胎児超音波画像の特徴情報は該胎児超音波画像の部位特徴情報及び該胎児超音波画像の構造特徴情報を含み、各フレームの胎児超音波画像の部位特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の部位特徴のクラスを含み、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴情報は少なくとも該胎児超音波画像の構造特徴のクラスを含む。
【0094】
決定モジュール303は、各フレームの胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定するためのものである。
【0095】
以上から分かるように、図3で説明した超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置を実施すると、連続した複数フレームの胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を取得して、胎児超音波画像の部位特徴及び構造特徴を参照することにより、胎児超音波画像の断面を決定することができ、人が胎児超音波画像の断面の決定に関与する必要がなく、胎児超音波画像の断面の決定精度を向上させることができる。即ち、胎児超音波画像の断面の標準化程度を向上させることができ、そして、胎児超音波画像を特徴検出モデルに入力して分析することにより、更に胎児超音波画像の断面の決定効率を向上させることができる。
【0096】
1つの選択可能な実施例では、図4に示すように、超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置は更に第1検出モジュール304、選別モジュール305及びフィルタリングモジュール306を備えてもよい。
【0097】
第1検出モジュール304は、取得モジュール302が特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの胎児超音波画像の特徴情報として取得した後、すべての胎児超音波画像にその特徴情報に適合しない特徴の目標胎児超音波画像が存在するかどうかを検出するためのものである。
【0098】
選別モジュール305は、第1検出モジュール304が目標胎児超音波画像を検出した場合、すべての胎児超音波画像からすべての目標胎児超音波画像を選別するためのものである。
【0099】
フィルタリングモジュール306は、予め決定された特徴フィルタリング方式で各フレームの目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得するためのものである。
【0100】
以上から分かるように、図4で説明した決定装置を実施すると、胎児超音波画像の特徴情報を取得した後、胎児超音波画像にその特徴情報に適合する特徴が存在するかどうかを更に判断することができ、YESの場合、適合しない特徴をフィルタリングし、データ処理量を減少させることができ、これにより胎児超音波画像に対応する断面の決定効率及び精度を向上させる。
【0101】
他の選択可能な実施例では、フィルタリングモジュール306が予め決定された特徴フィルタリング方式で各フレームの目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得する具体的な方式は、
各フレームの目標胎児超音波画像、該目標胎児超音波画像の上位複数フレームの胎児超音波画像及び下位複数フレームの胎児超音波画像の平均階調値を取得し、
各フレームの目標胎児超音波画像に対応する平均階調値に基づいて該目標胎児超音波画像の特徴情報に対してフィルタリング操作を実行して、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得し、又は、
各フレームの目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴の所在位置を決定し、且つ対応する位置に基づいて各フレームの目標胎児超音波画像の特徴情報に適合しない特徴を削除し、その特徴情報に適合しない特徴をフィルタリングした目標胎児超音波画像を取得する。
【0102】
以上から分かるように、図4で説明した決定装置を実施すると、胎児超音波画像の特徴情報にその特徴情報に適合しない特徴が存在すると判断した後、取得された該胎児超音波画像及び該胎児超音波画像の前後の複数フレームの胎児超音波画像の平均階調値によって、適合しない特徴に対してフィルタリング操作を実行し又は適合しない特徴を直接削除することができ、適合しない特徴の削除並びに適合しない削除の精度、信頼性及び効率の向上を実現することができる。
【0103】
別の選択可能な実施例では、図4に示すように、超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置は更に第2検出モジュール307及び削除モジュール308を備えてもよく、
第2検出モジュール307は、決定モジュール303が各フレームの胎児超音波画像の部位特徴のクラス及び該胎児超音波画像の構造特徴のクラスに基づいて該胎児超音波画像に対応する断面を決定した後、各フレームの胎児超音波画像に対応する断面に該断面に適合しない特徴が存在するかどうかを検出するためのものである。
【0104】
削除モジュール308は、第2検出モジュール307が各フレームの胎児超音波画像に対応する断面に該断面に適合しない特徴が存在することを検出した場合、該断面に適合しない特徴を削除するためのものである。
【0105】
以上から分かるように、図4で説明した決定装置を実施すると、胎児超音波画像に対応する断面を取得した後、該断面に適合しない特徴が存在するかどうかを更に検出することができ、YESの場合、該適合しない特徴を削除し、高精度の断面を取得することができる。
【0106】
別の選択可能な実施例では、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴情報は更に該胎児超音波画像の構造特徴の信頼度及び該構造特徴の位置確率を含み、各構造特徴の位置確率は該構造特徴の対応する胎児超音波画像における位置であり、そして、図4に示すように、超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置は更に第1判断モジュール309及び更新モジュール310を備えてもよい。
【0107】
決定モジュール303は更に、現在フレームの胎児超音波画像の構造特徴の信頼度、該構造特徴の位置確率及び該構造特徴の重み値に基づいて現在フレームの胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値を決定するためのものである。
【0108】
第1判断モジュール309は、現在フレームの胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値が決定された最適断面の断面スコア値よりも大きいかどうかを判断するためのものであり、最適断面は断面スコア値の最も高い断面である。
【0109】
更新モジュール310は、第1判断モジュール309の判断結果がYESの場合、最適断面のフレーム番号を現在フレームの胎児超音波画像に対応する断面のフレーム番号に更新するためのものであり、各フレームの胎児超音波画像にはいずれも一意の対応するフレーム番号が存在する。
【0110】
取得モジュール302は更に、第1判断モジュール309の判断結果がNOの場合、次のフレームの胎児超音波画像を現在フレームの胎児超音波画像として取得し、且つ決定モジュール303が現在フレームの胎児超音波画像の構造特徴の信頼度、該構造特徴の位置確率及び該構造特徴の重み値に基づいて現在フレームの胎児超音波画像に対応する断面の断面スコア値を決定する上記操作を実行するようにトリガーするためのものである。
【0111】
以上から分かるように、図4で説明した決定装置を実施すると、胎児超音波画像の断面を取得した後、更に断面の断面スコア値を計算し、且つ断面スコア値の最も高い断面を最適断面にリアルタイムに更新することができ、最適断面を取得する際のリアルタイム性、効率及び精度を向上させることができる。
【0112】
別の選択可能な実施例では、図4に示すように、超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置は更に第3検出モジュール311及び第2判断モジュール312を備えてもよい。
【0113】
第3検出モジュール311は、取得モジュール302が特徴検出モデルから順次出力された分析結果を各フレームの胎児超音波画像の特徴情報として取得した後、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴に疑似異常構造特徴が存在するかどうかを検出するためのものである。
【0114】
取得モジュール302は更に、第3検出モジュール311が該胎児超音波画像の構造特徴に疑似異常構造特徴が存在することを検出した場合、該胎児超音波画像における疑似異常構造特徴の目標情報を取得するためのものであり、各疑似異常構造特徴の目標情報を使用して該疑似異常構造特徴が異常特徴構造であるかどうかを決定する。
【0115】
第2判断モジュール312は、各疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断するためのものである。
【0116】
決定モジュール303は更に、第2判断モジュール312は上記疑似異常構造特徴が異常構造特徴の決定条件を満足すると判断した場合、該疑似異常構造特徴が異常構造特徴であることを決定するためのものである。
【0117】
決定モジュール303は更に、各異常構造特徴に対応する断面が異常断面であることを決定するためのものである。
【0118】
以上から分かるように、図4で説明した決定装置を実施すると、胎児超音波画像の構造特徴を取得した後、該構造特徴に疑似異常構造特徴が存在するかどうかを更に判断することができ、YESの場合、取得された情報に基づいて該疑似異常構造特徴が異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断し、YESの場合、該疑似異常構造特徴が異常構造特徴であることを決定し、胎児超音波画像に異常構造特徴が存在する決定精度を向上させることができ、これにより胎児に異常が存在する決定精度を向上させる。
【0119】
別の選択可能な実施例では、図4に示すように、第2判断モジュール312は決定サブモジュール3121、取得サブモジュール3122及び判断サブモジュール3123を備える。
【0120】
決定サブモジュール3121は、各疑似異常構造特徴の目標情報に基づいて該疑似異常構造特徴に対応する異常表示タイプを決定するためのものであり、該異常表示タイプは数値表示タイプ及び/又は特徴形態表示タイプを含む。
【0121】
取得サブモジュール3122は、疑似異常構造特徴の異常表示タイプが数値表示タイプである場合、該疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値を取得するためのものである。
【0122】
判断サブモジュール3123は、上記疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値が予め決定された正常なパラメータ値の範囲内にあるかどうかを判断するためのものである。
【0123】
決定サブモジュール3121は更に、判断サブモジュール3123の判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴は予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定するためのものであり、各疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値が該疑似異常構造特徴に対応する横径及び/又は該異常構造特徴に対応する周長を含む。
【0124】
判断サブモジュール3123は更に、疑似異常構造特徴の異常表示タイプが特徴形態表示タイプである場合、該疑似異常構造特徴が該疑似異常構造特徴に対応する部位特徴の検出領域内にあるかどうかを判断し、判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定するためのものである。
【0125】
決定サブモジュール3121は、判断サブモジュール3123の判断結果がNOの場合、該疑似異常構造特徴が予め決定された異常構造特徴の決定条件を満足することを決定するためのものである。
【0126】
以上から分かるように、図4で説明した決定装置を実施すると、胎児超音波画像に疑似異常構造特徴が出現すると判断した場合、取得された疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値によって疑似異常構造特徴が異常構造特徴の決定条件を満足するかどうかを判断し、又は疑似異常構造特徴が対応する部位特徴の検出領域内にあるかどうかを判断し、又は疑似異常構造特徴が対応する正常構造特徴に適合するかどうかを判断することにより、異常構造特徴の判断を実現することができる。即ち、異なる異常表示タイプの疑似異常構造特徴に基づいて異なる判断方式を選択し、疑似異常構造特徴が異常構造特徴の決定条件を満足しているかどうかの決定可能性、精度及び決定効率を向上させることができる。
【0127】
別の選択可能な実施例では、図4に示すように、取得サブモジュール3122が疑似異常構造特徴に対応する幾何パラメータ値を取得する方式は、具体的には、
特徴検出モデルが予め決定された特徴輪郭を決定可能な検出モデルである場合、各フレームの胎児超音波画像の構造特徴情報が更に該胎児超音波画像の構造特徴の輪郭情報を含み、疑似異常構造特徴の輪郭情報に基づいて該疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得し、
特徴検出モデルが特徴輪郭を決定可能な検出モデルではない場合、疑似異常構造特徴に対応する胎児超音波画像を、特徴輪郭を決定可能な検出モデルに入力して分析し、且つ特徴輪郭を決定可能な検出モデルから出力された分析結果を該疑似異常構造特徴に対応する胎児超音波画像の構造特徴の輪郭情報として取得し、そして、該疑似異常構造特徴の輪郭情報に基づいて該疑似異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得する。
【0128】
以上から分かるように、図4で説明した決定装置を実施すると、特徴検出モデルが特徴輪郭を決定可能な検出モデルであるかどうかを判断し、YESの場合、直接取得された輪郭情報に基づいて異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得し、NOの場合、まず特徴輪郭を決定可能な検出モデルに基づいて異常構造特徴の輪郭情報を取得することができ、採用された特徴検出モデルが特徴輪郭を決定可能な検出モデルではないがその幾何パラメータ値を計算し続けて幾何パラメータ値の取得失敗の発生状況を減少させることができ、これにより異常構造特徴の幾何パラメータ値を取得するように確保する。
【0129】
実施例4
図5を参照すると、図5は本発明の実施例に開示される別の超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置を示す図である。図5に示すように、該超音波動画像に基づく胎児断面の決定装置は、
実行可能プログラムコードが記憶されるメモリ501と、
メモリ501に結合されるプロセッサ502と、を備えてもよく、
更に、プロセッサ502に結合される入力インターフェース503及び出力インターフェース504を更に備えてもよく、
プロセッサ502はメモリ501に記憶される実行可能プログラムコードを呼び出して、実施例1又は実施例2で説明した超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法におけるステップを実行するためのものである。
【0130】
実施例5
本発明の実施例はコンピュータ可読記憶媒体を開示し、電子データ交換のためのコンピュータプログラムが記憶され、該コンピュータプログラムによってコンピュータが実施例1又は実施例2で説明した超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法におけるステップを実行する。
【0131】
実施例6
本発明の実施例はコンピュータプログラム製品を開示し、該コンピュータプログラム製品はコンピュータプログラムが記憶される非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備え、且つ該コンピュータプログラムを操作することによりコンピュータは実施例1又は実施例2で説明した超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法におけるステップを実行することができる。
【0132】
上記した装置の実施例は模式的なものに過ぎず、分離部材として説明される前記モジュールは物理的に分離されていてもよく、物理的に分離されていなくてもよく、モジュールとして表示される部材は物理モジュールであってもよく、物理モジュールでなくてもよく、即ち、一箇所に位置してもよく、複数のネットワークモジュールに配置されてもよい。実際の必要に応じて、その一部又は全部のモジュールを選択して本実施例案の目的を実現してもよい。当業者であれば、創造的な労力を要することなく、理解して実施することができる。
【0133】
以上の実施例についての具体的な説明によって、当業者は、各実施形態はソフトウェアプラス必須な汎用ハードウェアプラットフォームの方式で実現されてもよく、当然のことながら、ハードウェアの方式で実現されてもよいことを明確に理解できる。このような理解に基づいて、上記技術的解決策の本質的又は従来技術に貢献する部分はソフトウェア製品の形式で具現されてもよく、該コンピュータソフトウェア製品はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、記憶媒体は読み出し専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM、Programmable Read-only Memory)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM、Erasable Programmable Read Only Memory)、ワンタイム書き込み型メモリ(OTPROM、One-time Programmable Read-Only Memory)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM、Electrically-Erasable Programmable Read-Only Memory)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM、Compact Disc Read-Only Memory)又は他の光ディスクメモリ、磁気ディスクメモリ、磁気テープメモリ、或いはデータを搬送又は記憶するためのコンピュータ可読のいかなる他の媒体を含む。
【0134】
なお、本発明の実施例に係る超音波動画像に基づく胎児断面の決定方法及び装置に開示されるのは本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の技術的解決策を説明するためのものであって、それを制限するものではなく、上記実施例を参照して本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解されるように、それは依然として上記各実施例に記載された技術的解決策を修正し、又はその中の一部の技術的特徴を等価置換することができるが、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決策の本質を本発明の各実施例の技術的解決策の趣旨及び範囲から逸脱させるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】