(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(54)【発明の名称】ナビ経路計画方法、ナビ経路計画装置、電子機器、非一時的コンピュータ可読記憶媒体及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20231003BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20231003BHJP
G08G 1/0968 20060101ALI20231003BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/00 C
G08G1/0968
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566307
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2022-10-28
(86)【国際出願番号】 CN2022089784
(87)【国際公開番号】W WO2023029534
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111015963.5
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514322098
【氏名又は名称】ベイジン バイドゥ ネットコム サイエンス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing Baidu Netcom Science Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】2/F Baidu Campus, No.10, Shangdi 10th Street, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】黄際洲
(72)【発明者】
【氏名】李科▲ジャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】周波
(72)【発明者】
【氏名】王凡
(72)【発明者】
【氏名】何径舟
(72)【発明者】
【氏名】王海峰
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC03
2F129CC06
2F129CC15
2F129CC16
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2F129HH12
2F129HH18
2F129HH21
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
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5H181DD02
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5H181FF12
5H181FF13
5H181FF21
5H181FF32
5H181FF33
(57)【要約】
本開示は、ナビ経路計画方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。ナビ経路計画方法は、対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画することと、前記対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦することと、を含む。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画することと、
前記対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦することとを含む、
ナビ経路計画方法。
【請求項2】
前記対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦することは、
各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、前記各対象ユーザに対してそれぞれ1つの到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、全ての対象ユーザの候補ナビ経路が含まれた候補ナビ経路群を取得し、上記動作を繰り返し実行して前記対象領域の複数の候補ナビ経路群を取得することと、
前記対象領域の各候補ナビ経路群に応じて、前記候補ナビ経路群の全般通行時間長を確定することと、
各候補ナビ経路群の全般通行時間長に応じて、前記複数の候補ナビ経路群から1つの候補ナビ経路群を選定して推薦ナビ経路群とし、且つ前記推薦ナビ経路群に応じて各対象ユーザの推薦ナビ経路を取得することとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、前記各対象ユーザに対してそれぞれ1つの到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、全ての対象ユーザの候補ナビ経路が含まれた候補ナビ経路群を取得することは、
前記対象領域から、第1タイプのユーザとして第1数の対象ユーザを選定し、且つ前記対象領域における前記第1タイプのユーザ以外の対象ユーザを第2タイプのユーザとし、前記第1数が対象ユーザの総数及び第1比例閾値により確定されることと、
各到達可能ナビ経路の対象時間窓での通行時間長を確定することと、
通行時間長の最も短い第1タイプのユーザの到達可能ナビ経路以外の到達可能ナビ経路から、前記第1タイプのユーザに対して到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、且つ通行時間長の最も短い第2タイプのユーザの到達可能ナビ経路を前記第2タイプのユーザの候補ナビ経路とし、前記候補ナビ経路群を取得することとを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記対象領域の全般通行特徴を確定する前に、
前記対象領域における道路区間の対象時間窓での対象通行速度に応じて、各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度を確定することと、
各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度に応じて、前記全般通行特徴の確定動作を実行するか否かを確定することとをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度を確定する前に、
前記対象領域における道路区間の現在時間窓での現在通行速度を確定することと、
前記道路区間の履歴流量データ、環境情報、道路介入情報及び前記道路区間の現在時間窓での現在通行速度に応じて、前記道路区間の前記対象時間窓での対象通行速度を確定することとをさらに含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記対象領域の全般通行特徴を確定することは、
マルチエージェント強化学習に基づいて、少なくとも2つの候補経路決定モデルを訓練することと、
各候補経路決定モデルに基づいて、テスト領域における複数のテストユーザの全般通行時間長を確定することと、
各候補経路決定モデルに基づいて確定された前記テスト領域の全般通行時間長に応じて、前記少なくとも2つの候補経路決定モデルから1つの候補経路決定モデルを選定して対象経路決定モデルとすることと、
前記対象経路決定モデルを前記対象領域の全般通行特徴とすることとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦することは、
前記対象領域の全般道路状況特徴、各対象ユーザの現在位置情報、前記各対象ユーザの始点情報及び終点情報を前記対象経路決定モデルの入力とし、前記対象経路決定モデルにより前記各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から選定された1つの到達可能ナビ経路を取得し、前記1つの到達可能ナビ経路を推薦ナビ経路として前記各対象ユーザに推薦することとを含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画するように構成される到達可能経路計画モジュールと、
前記対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦するように構成される推薦経路選定モジュールとを備える、
ナビ経路計画装置。
【請求項9】
前記推薦経路選定モジュールは、
各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、前記各対象ユーザに対してそれぞれ1つの到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、全ての対象ユーザの候補ナビ経路が含まれた候補ナビ経路群を取得し、上記動作を繰り返し実行して前記対象領域の複数の候補ナビ経路群を取得するように構成される候補経路群ユニットと、
前記対象領域の各候補ナビ経路群に応じて、前記候補ナビ経路群の全般通行時間長を確定するように構成される全般時間長ユニットと、
各候補ナビ経路群の全般通行時間長に応じて、前記複数の候補ナビ経路群から1つの候補ナビ経路群を選定して推薦ナビ経路群とし、且つ前記推薦ナビ経路群に応じて各対象ユーザの推薦ナビ経路を取得するように構成される推薦経路群選定ユニットとを含む、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記候補経路群ユニットは、
前記対象領域から、第1タイプのユーザとして第1数の対象ユーザを選定し、且つ前記対象領域における前記第1タイプのユーザ以外の対象ユーザを第2タイプのユーザとし、第1数が対象ユーザの総数及び第1比例閾値により確定されるように構成されるユーザ選定サブユニットと、
各到達可能ナビ経路の対象時間窓での通行時間長を確定するように構成される通行時間長サブユニットと、
通行時間長の最も短い第1タイプのユーザの到達可能ナビ経路以外の到達可能ナビ経路から、前記第1タイプのユーザに対して到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、且つ通行時間長の最も短い第2タイプのユーザの到達可能ナビ経路を前記第2タイプのユーザの候補ナビ経路とし、前記候補ナビ経路群を取得するように構成される経路群サブユニットとを含む、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
全般通行トリガモジュールをさらに備え、
前記全般通行トリガモジュールは、
前記対象領域における道路区間の対象時間窓での対象通行速度に応じて、各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度を確定するように構成される渋滞確定ユニットと、
各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度に応じて、前記全般通行特徴の確定動作を実行するか否かを確定するように構成される全般通行トリガユニットとを含む、
請求項8に記載の装置。
【請求項12】
対象速度モジュールをさらに備え、
前記対象速度モジュールは、
前記対象領域における道路区間の現在時間窓での現在通行速度を確定するように構成される現在速度ユニットと、
前記道路区間の履歴流量データ、環境情報、道路介入情報及び前記道路区間の現在時間窓での現在通行速度に応じて、前記道路区間の前記対象時間窓での対象通行速度を確定するように構成される対象速度ユニットとを含む、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記推薦経路選定モジュールは、全般特徴ユニットを含み、
前記全般特徴ユニットは、
マルチエージェント強化学習に基づいて、少なくとも2つの候補経路決定モデルを訓練し、
各候補経路決定モデルに基づいて、テスト領域における複数のテストユーザの全般通行時間長を確定し、
各候補経路決定モデルに基づいて確定された前記テスト領域の全般通行時間長に応じて、前記少なくとも2つの候補経路決定モデルから1つの候補経路決定モデルを選定して対象経路決定モデルとし、
前記対象経路決定モデルを前記対象領域の全般通行特徴とするように構成される、
請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記推薦経路選定モジュールは、
前記対象領域の全般道路状況特徴、前記各対象ユーザの現在位置情報、前記各対象ユーザの始点情報及び終点情報を前記対象経路決定モデルの入力とし、前記対象経路決定モデルにより前記各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から選定された1つの到達可能ナビ経路を取得し、前記1つの到達可能ナビ経路を推薦ナビ経路として前記各対象ユーザに推薦するように構成される推薦経路ユニットをさらに含む、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリとを備える電子機器であって、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶され、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~7のいずれか一項に記載のナビ経路計画方法を実行可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
電子機器。
【請求項16】
コンピュータ命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令がプロセッサにより実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載のナビ経路計画方法が実現される、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータプログラム/命令が含まれるコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム/命令がプロセッサにより実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載のナビ経路計画方法が実現される、
コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年08月31日に中国専利局に出願された、出願番号が202111015963.5の中国特許出願の優先権を主張し、該出願の全ての内容は、引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本開示は、コンピュータの技術分野に関し、知能交通、電子地図及び強化学習などの人工知能技術分野に関し、例えば、ナビ経路計画方法、装置、電子機器及びコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
都市の発展過程に伴い、交通混雑はますます深刻な課題になり、毎年、交通混雑による経済損失は、GDP(Gross Domestic Product)の約5%を占め、交通効率の向上は、甚大な社会的利益をもたらすことができる。
【0004】
ナビ製品は、ユーザの外出に使用される頻度が比較的高い補助ツールの1つとして、ユーザの外出時に、特にユーザが不慣れな環境にいる中で、ユーザの出発する始点及び行き先である終点に応じて、ユーザ対して経路を計画することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、対象領域の交通効率を向上できるナビ経路計画方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの態様によれば、
対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画することと、
前記対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦することとを含む、
ナビ経路計画方法を提供する。
【0007】
本開示の別の態様によれば、
対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画するように構成される到達可能経路計画モジュールと、
前記対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦するように構成される推薦経路選定モジュールとを備える、
ナビ経路計画装置を提供する。
【0008】
本開示の別の態様によれば、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を備える電子機器であって、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶され、
前記命令は、これにより前記少なくとも1つのプロセッサが上記のナビ経路計画方法を実行可能であるように、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
電子機器を提供する。
【0009】
本開示の別の態様によれば、
コンピュータ命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令は、前記コンピュータに上記のナビ経路計画方法を実行させるために用いられる、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0010】
本開示の別の態様によれば、
コンピュータプログラム/命令が含まれるコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム/命令がプロセッサにより実行されると、上記のナビ経路計画方法が実現される、
コンピュータプログラム製品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1a】本開示の実施例に係る1つのナビ経路計画方法の模式図である。
【
図1b】関連技術における1つのナビ経路計画効果の模式図である。
【
図1c】本開示の実施例に係る1つのナビ経路計画効果の模式図である。
【
図2】本開示の実施例に係る他の1つのナビ経路計画方法の模式図である。
【
図3】本開示の実施例に係る他の1つのナビ経路計画方法の模式図である。
【
図4】本開示の実施例に係る更なる1つのナビ経路計画方法の模式図である。
【
図5】本開示の実施例に係る1つのナビ経路計画装置の模式図である。
【
図6】本開示の実施例に係る1つの推薦経路選定モジュールの模式図である。
【
図7】本開示の実施例に係る1つの候補経路群ユニットの模式図である。
【
図8】本開示の実施例に係る他の1つのナビ経路計画装置の模式図である。
【
図9】本開示の実施例に係る1つの全般通行トリガモジュールの模式図である。
【
図10】本開示の実施例に係る他の1つのナビ経路計画装置の模式図である。
【
図11】本開示の実施例に係る1つの対象速度モジュールの模式図である。
【
図12】本開示の実施例に係る他の1つの推薦経路選定モジュールの模式図である。
【
図13】本開示の実施例に係る他の1つの推薦経路選定モジュールの模式図である。
【
図14】本開示の実施例のナビ経路計画方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本開示の例示的な実施例を説明し、理解を容易にするために、その中に本開示の実施例の様々な詳細が含まれ、それらが例示的なものに過ぎないと考えるべきである。明確及び簡素化のために、以下の説明では、公知機能及び構造、並びに下記実施例との関連性が低い機能及び構造への説明が省略される。
【0013】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例に係る該方案を説明する。
【0014】
図1aは、本開示の実施例に係る1つのナビ経路計画方法の模式図であり、本開示の実施例は、電子地図に基づいてユーザに推薦経路を提供する状況に適用されることができる。該方法は、1つのナビ経路計画装置により実行されることができ、該装置は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの方式を採用して実現可能であり、電子機器の中に配置されることができる。
図1aを参照し、該方法は、以下のことを含む。
【0015】
S110において、対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画する。
【0016】
S120において、前記対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦する。
【0017】
本開示の実施例では、道路網トポロジ情報に基づいて領域分割を行い複数の領域を取得することができ、道路網トポロジ情報は、隣接行列法、グラフニューラルネットワーク法などを応用して構築されることができ、本開示の実施はこれについて限定しない。対象ユーザは、ナビ需要を有するユーザであり、少なくとも2人の対象ユーザを含む領域を対象領域とする。
【0018】
対象領域における各対象ユーザに対し、経路計画アルゴリズムを採用し、該対象ユーザの始点情報及び終点情報に応じて、該対象ユーザに対して対象領域内の始点から終点までの少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画することができる。経路計画アルゴリズムは、例えばダイクストラ(Dijkstra)アルゴリズム、A*ヒューリスティック探索アルゴリズム、D*逆増分式探索アルゴリズム、人生計画A*アルゴリズム(Life PlanningA*、LPA*)、モデルアルゴリズムなどであってもよい。異なる対象ユーザは、異なる車両に対応することができ、マルチユーザナビ経路計画は、即ちマルチ車両ナビ経路計画である。
【0019】
対象領域の全般通行特徴とは、対象領域における複数の対象ユーザの全体通行特徴を指し、対象領域における単一の対象ユーザの局所通行特徴ではなく、対象領域の全般通行時間長を対象として協調経路計画を行うために用いられる。
【0020】
関連技術では、単一の対象ユーザの通行時間長に応じて経路計画を行うが、対象領域における他のユーザの影響が考慮されない。例えば、各対象ユーザに対し、該対象ユーザの各到達可能ナビ経路の通行時間長を確定し、且つ通行時間長の最も短い到達可能ナビ経路を該対象ユーザの推薦ナビ経路とする。対象領域において、6人の対象ユーザの始点はいずれもA点であり、終点はいずれもB点であり、且つ到達可能ナビ経路には、経路1、経路2及び経路3が含まれ、且つ経路2、経路3、経路1の通行時間長は順次増加するような交通需要を例とする。
図1bを参照し、関連技術では、いずれも通行時間長の最も短い経路2を推薦ナビ経路として各対象ユーザに推薦し、経路2は負荷を超えて渋滞が生じ、経路2における各ユーザの通行効率が低下して、経路2における各ユーザの通行時間長が増加することになる。
【0021】
しかし、本開示の実施例は、対象領域の全般通行特徴を確定し、対象領域における複数のユーザの全般通行時間長を最適化することを対象とすることにより、推薦ナビ経路を確定し、即ち対象領域の全般利益を対象としてナビ経路計画を行う。依然として上記交通需要を例とし、
図1cを参照し、6人のユーザの全般通行時間長を低減させるために、一部のユーザを経路1又は経路3に適切に割り当ててもよく、例えば、対象領域において、経路2を推薦ナビ経路として3人のユーザに推薦し、経路3を推薦ナビ経路として2人のユーザに推薦し、経路1を推薦ナビ経路として1人のユーザに推薦する。全般利益に基づくナビ経路計画は、全体交通資源の合理な動的管理を実現し、これにより交通網の負荷がより均一になり、交通渋滞が緩和され、さらに複数の対象ユーザの平均通行時間が低減し、対象領域の平均交通効率が高められる。
【0022】
本開示の実施例の技術方案では、全般利益に基づくナビ経路計画により、対象領域の全般通行時間長を考慮し、全般通勤効率の観点から、マルチユーザに合理的な推薦ナビ経路を提供することができ、対象領域の全体通勤効率及び交通効率の向上により有利である。
【0023】
図2は、本開示の実施例に係る他の1つのナビ経路計画方法の模式図である。本実施例は、上記実施例のもとで提出される1つの好ましい方案である。
図2を参照し、本実施例に係るナビ経路計画方法は、以下のことを含む。
【0024】
S210において、対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画する。
【0025】
S220において、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、前記各対象ユーザに対してそれぞれ1つの到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、全ての対象ユーザの候補ナビ経路が含まれた候補ナビ経路群を取得し、上記動作を繰り返し実行して対象領域の複数の候補ナビ経路群を取得する。
【0026】
S230において、前記対象領域の各候補ナビ経路群に応じて、前記候補ナビ経路群の全般通行時間長を確定する。
【0027】
S240において、各候補ナビ経路群の全般通行時間長に応じて、前記複数の候補ナビ経路組合せから1つの候補ナビ経路群を選定して推薦ナビ経路群とし、且つ前記推薦ナビ経路群に応じて各対象ユーザの推薦ナビ経路を取得する。
【0028】
候補ナビ経路群には、各対象ユーザのために選定された候補ナビ経路が含まれ、候補ナビ経路群における候補ナビ経路数は、対象ユーザの数と同じである。例えば、対象領域における各対象ユーザに対し、該対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画し、該対象ユーザの少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、該対象ユーザに対して1つの到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、全ての対象ユーザの候補ナビ経路が含まれた候補ナビ経路群を取得することができる。本開示の実施例は、候補ナビ経路群の数を限定せず、対象領域に3人の対象ユーザがいて且つ各対象ユーザに3つの到達可能ナビ経路があることを例とし、候補ナビ経路群の最大数は27である。
【0029】
候補ナビ経路群の全般通行時間長は、以下のような方式により確定されることができる。候補ナビ経路群のうちの各候補ナビ経路に対し、該候補ナビ経路における各道路区間の長さ及び該道路区間の対象時間窓での対象通行速度に応じて、該候補ナビ経路の通行時間長を確定し、候補ナビ経路群のうちの複数の候補ナビ経路の通行時間長を加算し、候補ナビ経路群の全般通行時間長を取得し、対象領域の全般通行特徴とする。対象時間窓は、現在時間窓の後に位置してもよく、例えば次の時間窓であってもよく、単一の時間窓の長さについて限定せず、例えば30分間又は1時間などであってもよい。そのうち、対象時間窓は、全てのユーザが1つの経路又は道路区間を通行すると仮定し、通行過程で対応する1つの時間区間であると理解されることができ、現在時間窓は、実際の状況下でユーザが道路区間を通行する現在時間区間であると理解されることができ、現在時間窓に対応する道路区間の現在通行速度は、実際に監視された道路区間の通行速度であってもよい。
【0030】
さらに、各候補ナビ経路群の全般通行時間長に応じて複数の候補ナビ経路群から1つの候補ナビ経路群を選定して推薦ナビ経路群とすることができ、例えば全般通行時間長の最も短い候補ナビ経路群を推薦ナビ経路群とし、且つ推薦ナビ経路群のうちの各対象ユーザの候補ナビ経路を該対象ユーザの推薦ナビ経路とすることができる。中央調整制御アルゴリズムを採用して、全般利益に基づいてマルチユーザナビ経路を計画することができる。対象領域の全体交通通行時間長を対象として、対象領域における全般道路状況特徴に応じて各候補ナビ経路群の全般通行時間長を確定し、全般通行時間長に応じて複数の候補ナビ経路群から1つの候補ナビ経路群を選定して推薦ナビ経路群とし、対象ユーザの推薦ナビ経路を取得し、対象領域の全般最適化が実現され、全体通行効率が高められる。
【0031】
1つの好ましい実施形態では、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、前記各対象ユーザに対してそれぞれ1つの到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、全ての対象ユーザの候補ナビ経路が含まれた候補ナビ経路群を取得することは、対象領域から、第1タイプのユーザとして第1数の対象ユーザを選定し、且つ対象領域における第1タイプのユーザ以外の対象ユーザを第2タイプのユーザとすることと、各到達可能ナビ経路の対象時間窓での通行時間長を確定することと、通行時間長の最も短い第1タイプのユーザの到達可能ナビ経路以外の到達可能ナビ経路から、前記第1タイプのユーザに対して到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、且つ通行時間長の最も短い第2タイプのユーザの到達可能ナビ経路を前記第2タイプのユーザの候補ナビ経路とし、対象領域の候補ナビ経路群を取得することと、を含む。
【0032】
第1数は、対象ユーザの総数及び第1比例閾値により確定されることができ、例えば、対象ユーザの総数と第1比例閾値との間の積算を第1数とすることができる。第1比例閾値は、固定値、例えば30%であってもよい。また、計算力を節約するために、第1数は、固定数値であってもよく、そのため、第1比例閾値は、対象ユーザの総数及び第1数により動的確定されることができる。
【0033】
第2タイプのユーザに対し、通行時間長の最も短い到達可能ナビ経路を候補ナビ経路とすることができ、即ち第2タイプのユーザの候補ナビ経路は固定であり、第1タイプのユーザに対し、通行時間長の最も短い到達可能ナビ経路以外から、到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とすることができ、即ち第1タイプのユーザの候補ナビ経路は、1つだけに限られなくてもよい。通行時間長の最も短い第2タイプのユーザの到達可能ナビ経路を第2タイプのユーザの候補ナビ経路とし、且つ第1タイプのユーザに対して候補ナビ経路を動的に選定することにより、対象領域における候補ナビ経路群の数を低減して計算力を節約し、ナビ経路計画効率を高めることができる。
【0034】
本開示の実施例の技術方案では、対象領域の複数の候補ナビ経路群を確定し、各候補ナビ経路群の全般通行時間長に応じて複数の候補ナビ経路群から1つの候補ナビ経路群を選定して推薦ナビ経路群とし、対象ユーザの推薦ナビ経路を取得し、対象領域の全般最適化が実現され、全体通行効率が高められる。
【0035】
図3は、本開示の実施例に係る他の1つのナビ経路計画方法の模式図である。本実施例は、上記実施例のもとで提出される1つの好ましい方案である。
図3を参照し、本実施例に係るナビ経路計画方法は、以下のことを含む。
【0036】
S310において、対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画する。
【0037】
S320において、対象経路決定モデルを対象領域の全般通行特徴とする。
【0038】
対象経路決定モデルは、以下のような方式により確定される。マルチエージェント強化学習に基づいて、少なくとも2つの候補経路決定モデルを訓練し、各候補経路決定モデルに基づいて、テスト領域における複数のテストユーザの全般通行時間長を確定し、各候補経路決定モデルに基づいて確定された前記テスト領域の全般通行時間長に応じて、少なくとも2つの候補経路決定モデルから1つの候補経路決定モデルを選定して対象経路決定モデルとする。
【0039】
S330において、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦する。
【0040】
対象経路決定モジュールは、マルチエージェントアルゴリズムを採用し訓練して取得されることができる。対象領域における単一の対象ユーザと全ての対象ユーザが含まれる全体環境との間の対話を研究対象とし、対象ユーザがエージェントであり、対象領域における全てのユーザを自律システムとし、報酬信号を割り当てることにより単一のエージェントに自動的強化学習させ、これにより、個体利益が最適化されるとともに全体環境の利益が配慮され、即ち対象領域の全般利益が配慮される。マルチエージェントアルゴリズムの状態空間及び動作空間は、ユーザ数の影響を受けず、中央調整制御アルゴリズムの状態空間及び動作空間がユーザ数に従って指数的に増大するのと比べ、計算資源を節約し、ナビ経路計画効率を高めることができる。
【0041】
候補経路決定モデルの入力は、サンプル領域の全般道路状況特徴、サンプルユーザの現在位置情報、サンプルユーザの始点情報及び終点情報であってもよく、候補経路決定モデルの出力は、到達可能ナビ経路からサンプルユーザのために選定された推薦ナビ経路であってもよく、候補経路決定モデルの報酬関数は、サンプルユーザの通行時間長と負の相関になってもよい。マルチエージェント強化学習に基づいて、少なくとも2つの候補経路決定モデルを訓練することができ、そのうち、異なる候補経路決定モデルの報酬関数は異なる。
【0042】
候補経路決定モデルの訓練が完成された後に、さらに、候補経路決定モデルに基づいてテスト領域におけるテストユーザに対して経路計画を行いテスト領域の全般通行時間長を取得し、異なる候補経路決定モデルに関連する全般通行時間長を比較し、且つ比較結果に応じて、複数の候補経路決定モデルから1つの候補経路決定モデルを選定して対象経路決定モデルとすることができ、例えば、最短全般通行時間長に関連する候補経路決定モデルを対象経路決定モデルとすることができる。本開示の実施例は、マルチエージェントアルゴリズムについて限定しない。例えば、マルチエージェントのマルコフ決定過程を構築し、報酬最大化によりモデルパラメータを調整することができる。
【0043】
1つの好ましい実施形態では、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦することは、前記対象領域の全般道路状況特徴、各対象ユーザの現在位置情報、前記各対象ユーザの始点情報及び終点情報を前記対象経路決定モデルの入力とし、前記対象経路決定モデルにより前記各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から選定された1つの到達可能ナビ経路を取得し、前記1つの到達可能ナビ経路を推薦ナビ経路として前記各対象ユーザに推薦する、ことを含む。
【0044】
本開示の実施例では、対象経路決定モデルは、対象領域の全般通行特徴として、個体利益最適化及び対象領域の全般利益最適化を両立させることができる。対象領域における各対象ユーザに対し、対象領域の全般道路状況特徴、該対象ユーザの現在位置情報、該対象ユーザの始点情報及び終点情報を対象経路決定モデルの入力とし、対象経路決定モデルにより該対象ユーザのために選定された推薦ナビ経路を取得する。
【0045】
対象領域の全般道路状況特徴は、道路網トポロジ情報、道路状況情報、道路情報、環境情報を含むことができるが、これらに限定されない。そのうち、道路状況情報は、道路区間粒度を反映する情報であり、渋滞レベル、ユーザ方面の履歴通行時間長などを含む。道路情報は、車線、地理的位置、介入情報などを含み、車線情報は、車線の数、制限速度情報などであってもよく、地理的情報は、経緯度情報などであってもよく、介入情報は、交通規制情報などであってもよく、環境情報とは、道路に関係ない例えば天気類、時間帯、祝祭日などの情報を指す。
【0046】
本開示の実施例の技術方案では、マルチエージェントアルゴリズムにより全ての個体を自律システムとし、報酬信号を割り当てることにより各個体に自動的学習させ、これにより、個体利益の最大化とともにシステム利益の最大化を達成する。
【0047】
1つの好ましい実施形態では、対象領域の全般通行特徴を確定する前に、対象領域における道路区間の対象時間窓での対象通行速度に応じて、各到達可能ナビ経路の対象時間窓での渋滞程度を確定することと、各到達可能ナビ経路の対象時間窓での渋滞程度に応じて、全般通行特徴の確定動作を実行するか否かを確定することと、をさらに含む。
【0048】
到達可能ナビ経路における道路区間の対象通行速度と渋滞状況関係とを比較し、比較結果に応じて、到達可能ナビ経路の対象時間窓での渋滞程度を確定することができ、そのうち、渋滞状況関係は、予め確定されることができ、例えば0~20キロメートル/時間は、渋滞を表し、20~40キロメートル/時間は、低速走行を表し、40キロメートル以上は、スムーズを表す。
【0049】
さらに、到達可能ナビ経路の対象時間窓での渋滞程度が渋滞車線変更条件を満たす場合、全般通行特徴を確定する動作を実行し、全般利益に基づくマルチ車両協調経路計画を実行し、到達可能ナビ経路の対象時間窓での渋滞程度が渋滞車線変更条件を満たず、全般通行特徴を確定する動作を実行する必要がない場合、通行時間長の最も短い到達可能ナビ経路を推薦ナビ経路とすることができる。渋滞車線変更条件は、到達可能ナビ経路の渋滞割合が比例閾値よりも大きくなることであってもよい。渋滞車線変更条件を満たす場合に全般利益に基づいてナビ経路計画を行い、渋滞車線変更条件を満たさない場合に、依然として個体利益に基づいてナビ経路計画を行うことにより、通行効率と経路計画の計算資源消費との間でバランスを達成することができ、即ち通行効率と資源消費を両立させることができる。
【0050】
1つの好ましい実施形態では、各到達可能ナビ経路の対象時間窓での渋滞程度を確定する前に、対象領域における道路区間の現在時間窓での現在通行速度を確定することと、前記道路区間の履歴流量データ、環境情報、道路介入情報及び道路区間の現在時間窓での現在通行速度に応じて、道路区間の対象時間窓での対象通行速度を確定することと、をさらに含む。
【0051】
対象領域の全般道路状況特徴、対象ユーザの現在位置情報に応じて、対象領域における道路区間の現在時間窓での平均走行速度を確定し、XGBoost(Extreme Gradient Boosting)アルゴリズム又は他の回帰アルゴリズムに基づいて回帰器を訓練し、回帰器を採用し、道路区間の履歴流量データ、環境情報、道路介入情報及び道路区間の現在時間窓での現在通行速度に応じて、道路区間の対象時間窓での対象通行速度を確定する、ことができる。そのうち、対象通行速度は、道路区間の通行時間長を計算し、さらに対象領域の全般通行時間長を確定するために用いられる。回帰アルゴリズムにより道路区間の対象時間窓での対象通行速度を確定することで、対象通行速度の正確率を高め、さらに道路区間、到達可能ナビ経路、候補ナビ経路、全般通行時間長の正確度を高めることができる。
【0052】
図4は、本開示の実施例に係る更なる1つのナビ経路計画方法の模式図である。本実施例は、上記実施例のもとで提出される1つの好ましい方案である。
図4を参照し、本実施例に係るナビ経路計画方法は、以下のことを含む。
【0053】
S410において、対象領域の道路状況特徴を抽出する。
【0054】
道路状況特徴は、道路網トポロジ、道路状況情報、道路情報、及び環境情報を含むが、これらに限定されない。
【0055】
S420において、対象領域における道路区間の対象時間窓での対象通行速度を確定する。
【0056】
S430において、対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画する。
【0057】
S440において、対象領域における道路区間の対象時間窓での対象通行速度に応じて、各到達可能ナビ経路の対象時間窓での渋滞程度を確定する。
【0058】
S450において、各到達可能ナビ経路の対象時間窓での渋滞程度に応じて、全般通行特徴の確定動作を実行するか否かを確定し、全般通行特徴を確定する動作を実行する場合、S460を実行し続け、全般通行特徴を確定する動作を実行しない場合、個体利益に基づいて、通行時間長の最も短い到達可能ナビ経路を推薦ナビ経路とすることができる。
【0059】
S460において、対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦する。
【0060】
以下のような方式により対象領域の全般通行時間長を確定することができる。
【0061】
【0062】
【0063】
中央スケジューリングアルゴリズム、マルチエージェントアルゴリズムなどを採用して、全般利益最適化に基づく推薦ナビ経路選定を実現し、個体利益と全般利益の状況を十分にバランスさせることができ、異なるユーザの経路選定を均衡し、全体最適を対象とすることにより、真の個体平均最適を実現することができる。中央調整制御アルゴリズムは、対象領域に中央コントローラを導入し、中央コントローラにより対象領域の全般道路状況特徴に応じて、全体的に対象領域における各ユーザに対して推薦ナビ経路を選定する。マルチエージェントアルゴリズムは、対象領域における単一のユーザと全体環境との対話を研究対象とし、単一のユーザに対して推薦ナビ経路を選定し、中央調整制御アルゴリズムと比べ、決定空間及び状態空間を、計算資源を節約することができる。
【0064】
マルチエージェントアルゴリズムは、全ての個体(即ち全てのユーザ)を自律システムとし、報酬信号を割り当てることにより各個体に自動的強化学習させ、これにより個体利益を最大化するとともに全般利益を最大化する。対象領域における各ユーザを1つのエージェントとし、対象領域におけるユーザ集合をマルチエージェント集合として、マルチエージェントマルコフ決定過程を構築し、マルチエージェントアルゴリズムにより、各エージェントの価値関数を最適化することができ、即ち各エージェントの所望累積報酬を最適化する。
【0065】
【0066】
【0067】
マルチエージェント強化学習過程では、各エージェントは、独自の累積報酬を最大化することにより、独自の最適応答戦略を取得する。
【0068】
【0069】
【0070】
強化学習が完成された後に、即ちマルチエージェントアルゴリズムを採用して訓練に成功し価値ネットワークモデル(即ち候補経路決定モデル)を取得した後に、マルチエージェントは、マルコフナッシュ均衡を達成し、即ち如何なるエージェントであっても一方的にその戦略から逸脱して独自の報酬割当を高めることができない。
【0071】
【0072】
【0073】
上記マルチエージェント強化学習を経て取得された候補経路決定モデルは、処理待ち領域におけるユーザに対して推薦ナビ経路を選定するために用いられる。候補経路決定モデルの入力は、処理待ち領域の全般道路状況特徴、処理待ち領域におけるユーザの現在位置情報、並びにユーザの始点情報及び終点情報であってもよく、候補経路決定モデルの出力は、該ユーザの推薦ナビ経路であってもよい。
【0074】
上記マルチエージェント強化学習に基づいて、訓練して少なくとも2つの候補経路決定モデルを取得することができ、各候補経路決定モデルに対し、テスト領域における各テストユーザに対して推薦ナビ経路を選定し、各テストユーザの推薦ナビ経路に応じて該候補経路決定モデルに関連するテスト領域の全般通行時間長を取得することができる。さらに、各候補経路決定モデルに関連するテスト領域の全般通行時間長に応じて、少なくとも2つの候補経路決定モデルから1つの候補経路決定モデルを選定して対象経路決定モデルとし、例えば全般通行時間長の最も短い候補経路決定モデルを対象経路決定モデルとすることができる。対象経路決定モデルは、マルチエージェント強化学習を用いて訓練して取得され、複数のユーザの非協力ゲーミングの下で、エージェントの報酬関数を合理的に割り当て、複数のエージェントの所望累積報酬を繰り返し最大化することにより、個人利益が最適化されるとともに全体效益が配慮され、且つ、対象経路決定モデルは、さらに、テスト領域の全般通行時間長に応じて選別して取得され、対象領域の全体通勤効率を高めることができる。
【0075】
経路計画過程では、対象領域の全般通行特徴、対象ユーザの現在位置情報、並びに対象ユーザの始点情報及び終点情報を対象経路決定モデルに入力し、対象経路決定モデルにより対象ユーザのために選定された推薦ナビ経路を取得することができる。
【0076】
本開示の実施例に係る技術方案は、対象領域における複数のユーザの全体通行時間、即ち全般利益に基づくナビ計画方案を提出し、シングルユーザのナビ方案と比べ、全般通勤効率の観点から、対象領域における各ユーザに合理的な通行経路を提供することができ、対象領域の全体通勤効率の向上により有利である。
【0077】
図5は、本開示の実施例に係る1つのナビ経路計画装置の模式図であり、本実施例は、電子地図に基づいてユーザに推薦経路を提供する状況に適用されることができ、該装置は、電子機器に配置され、該電子機器は、スキャナーペンであってもよく、本開示の任意の実施例に記載のナビ経路計画方法を実現することができる。
図5を参照し、該ナビ経路計画装置500は、対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画するように構成される到達可能経路計画モジュール510と、前記対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦するように構成される推薦経路選定モジュール520と、を含む。
【0078】
1つの好ましい実施形態では、
図6に示すように、前記推薦経路選定モジュール520は、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、前記各対象ユーザに対してそれぞれ1つの到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、全ての対象ユーザの候補ナビ経路が含まれた候補ナビ経路群を取得し、上記動作を繰り返し実行して前記対象領域の複数の候補ナビ経路群を取得するように構成される候補経路群ユニット610と、前記対象領域の各候補ナビ経路群に応じて、前記候補ナビ経路群の全般通行時間長を確定するように構成される全般時間長ユニット620と、各候補ナビ経路群の全般通行時間長に応じて、前記複数の候補ナビ経路群から1つの候補ナビ経路群を選定して推薦ナビ経路群とし、且つ前記推薦ナビ経路群に応じて各対象ユーザの推薦ナビ経路を取得するように構成される推薦経路群選定ユニット630と、を含む。
【0079】
1つの好ましい実施形態では、
図7に示すように、前記候補経路群ユニット610は、
前記対象領域から、第1タイプのユーザとして第1数の対象ユーザを選定し、且つ前記対象領域における前記第1タイプのユーザ以外の対象ユーザを第2タイプのユーザとし、そのうち、第1数が対象ユーザの総数及び第1比例閾値により確定されるように構成されるユーザ選定サブユニット710と、各到達可能ナビ経路の対象時間窓での通行時間長を確定するように構成される通行時間長サブユニット720と、通行時間長の最も短い第1タイプのユーザの到達可能ナビ経路以外の到達可能ナビ経路から、前記第1タイプのユーザに対して到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、且つ通行時間長の最も短い第2タイプのユーザの到達可能ナビ経路を前記第2タイプのユーザの候補ナビ経路とし、前記候補ナビ経路群を取得するように構成される経路群サブユニット730と、を含む。
【0080】
1つの好ましい実施形態では、
図8及び
図9に示すように、該ナビ経路計画装置500は、全般通行トリガモジュール530をさらに含み、前記全般通行トリガモジュール530は、前記対象領域における道路区間の対象時間窓での対象通行速度に応じて、各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度を確定するように構成される渋滞確定ユニット910と、各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度に応じて、前記全般通行特徴の確定動作を実行するか否かを確定するように構成される全般通行トリガユニット920と、を含む。
【0081】
1つの好ましい実施形態では、
図10及び
図11に示すように、該ナビ経路計画装置500は、対象速度モジュール540をさらに含み、前記対象速度モジュール540は、前記対象領域における道路区間の現在時間窓での現在通行速度を確定するように構成される現在速度ユニット1110と、前記道路区間の履歴流量データ、環境情報、道路介入情報及び前記道路区間の現在時間窓での現在通行速度に応じて、前記道路区間の前記対象時間窓での対象通行速度を確定するように構成される対象速度ユニット1120と、を含む。
【0082】
1つの好ましい実施形態では、
図12に示すように、前記推薦経路選定モジュール520は、全般特徴ユニット640を含み、全般特徴ユニット640は、マルチエージェント強化学習に基づいて、少なくとも2つの候補経路決定モデルを訓練し、各候補経路決定モデルに基づいて、テスト領域における複数のテストユーザの全般通行時間長を確定し、各候補経路決定モデルに基づいて確定された前記テスト領域の全般通行時間長に応じて、前記少なくとも2つの候補経路決定モデルから1つの候補経路決定モデルを選定して対象経路決定モデルとし、前記対象経路決定モデルを前記対象領域の全般通行特徴とするように構成される。
【0083】
1つの好ましい実施形態では、
図13に示すように、前記推薦経路選定モジュール520は、前記対象領域の全般道路状況特徴、各対象ユーザの現在位置情報、前記各対象ユーザの始点情報及び終点情報を前記対象経路決定モデルの入力とし、前記対象経路決定モデルにより前記各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から選定された1つの到達可能ナビ経路を取得し、前記1つの到達可能ナビ経路を推薦ナビ経路として前記各対象ユーザに推薦するように構成される推薦経路ユニット650をさらに含む。
【0084】
本実施例の技術方案は、ナビ最適経路選定の制約性に応じた、対象領域における複数のユーザの全体通行時間、即ち全般利益に基づくナビ計画方案であり、全般通勤効率の観点から、対象領域における各ユーザに合理的な通行経路を提供することができ、対象領域の全体通勤効率の向上により有利である。
【0085】
本開示の技術方案において、かかるユーザ個人情報の収集、記憶、使用、加工、伝送、提供及び開示などの処理は、いずれも関連法律法規の規定に適合し、且つ公序良俗に違反しない。
【0086】
本開示の実施例によれば、本開示は、電子機器、可読記憶媒体及びコンピュータプログラム製品をさらに提供する。
【0087】
図14には、本開示の実施例を実施するために用いられうる例示の電子機器600の模式的なブロック図が示される。電子機器600は、様々な形式のデジタルコンピュータ、例えば、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、大型コンピュータ、及び他の適切なコンピュータを表すことを目的とする。電子機器600は、様々な形式の移動装置、例えば、パーソナルデジタル処理、セルラ電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス及び他の類似する計算装置をさらに表すことができる。本明細書に示す部材、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は、例示的なものに過ぎず、且つ本明細書で説明される、及び/又は要求される本開示の実現を制限する意図がない。
【0088】
図14に示すように、電子機器600は、ROM(Read-Only Memory)602に記憶されたコンピュータプログラム又は記憶ユニット608からRAM(Random Access Memory)603にロードされたコンピュータプログラムに応じて、様々な適切な動作及び処理を実行可能な計算ユニット601を含む。RAM603には、電子機器600が動作を実行するのに必要とされる様々なプログラム及びデータがさらに記憶されてもよい。計算ユニット601、ROM602及びRAM603は、バス604を介して互いに繋がっている。I/O(Input/Output)インタフェース605もバス604まで接続される。
【0089】
電子機器600における複数の部材は、I/Oインタフェース605まで接続され、例えばキーボード、マウスなどの入力ユニット606と、例えば様々な種類のディスプレイ、拡声器などの出力ユニット607と、例えば磁気ディスク、光ディスクなどの記憶ユニット608と、例えばネットワークカード、モデム、無線通信送受信機などの通信ユニット609と、含む。通信ユニット609は、電子機器600が、例えばインターネット(Internet)のコンピュータネットワーク及び/又は様々な電気通信ネットワークを介して他の機器と情報/データを交換することを許容する。
【0090】
計算ユニット601は、処理及び計算能力を有する様々な汎用及び/又は専用の処理アセンブリであってもよい。計算ユニット601のいくつかの例示には、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、様々な専用のAI(Artificial Intelligence)コンピューティングチップ、機械学習モデルアルゴリズムを実行する様々な計算ユニット、DSP(Digital Signal Processing)、及びあらゆる適切なプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラなどが含まれるが、これらに限定されない。計算ユニット601は、上記明細書で説明された複数の方法及び処理、例えばナビ経路計画方法を実行する。例えば、いくつかの実施例では、ナビ経路計画方法は、有形的に機械可読媒体、例えば記憶ユニット608に含まれるコンピュータソフトウェアプログラムとして実現されてもよい。いくつかの実施例では、コンピュータプログラムの一部又は全ては、ROM602及び/又は通信ユニット609を介して電子機器600にロード及び/又はインストールされてもよい。コンピュータプログラムがRAM603にロードされ計算ユニット601により実行されると、上記明細書で説明されたナビ経路計画方法の1つの又は複数のステップを実行することができる。候補的に、他の実施例では、計算ユニット601は、他のあらゆる適切な方式(例えば、ファームウェア経由)によりナビ経路計画方法を実行するように配置されることができる。
【0091】
本明細書で以上説明されたシステム及び技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Parts)、SoC(System on Chi)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組合せで実現されることができる。様々な実施形態は、1つの又は複数のコンピュータプログラムで実施することを含むことができ、該1つの又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサが含まれるプログラマブルシステムで実行及び/又は解釈されることができ、該プログラマブルプロセッサは、専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受け取り、且つデータ及び命令を該記憶システム、該少なくとも1つの入力装置、及び該少なくとも1つの出力装置まで伝送することができる。
【0092】
本開示の方法を実施するためのプログラムコードは、1つの又は複数のプログラミング言語のあらゆる組合せを採用して書かれることができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供することができ、これにより、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラにより実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定される機能/動作が実施される。プログラムコードは、完全に機械で実行され、部分的に機械で実行され、独立のソフトウェアパッケージとして部分的に機械で実行され且つ部分的に遠隔機械で実行され又は完全に遠隔機械又はサーバで実行されることができる。
【0093】
本開示の文脈では、機械可読媒体は、命令実行システム、装置又は機器に使用される、又は命令実行システム、装置又は機器と結び付けて使用されるプログラムを含む又は記憶することができる有形の媒体であってもよい。機械可読媒体は、機械可読信号媒体又は機械可読格納媒体であってもよい。機械可読媒体は、電子的なもの磁性的なもの光学的なもの電磁的なもの赤外的なもの又は半導体システム、装置又は機器、或いは上記内容のあらゆる適切な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。機械可読記憶媒体の例示には、1つの又は複数の線に基づく電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、RAM、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、光ファイバ、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、光学格納デバイス、磁気格納デバイス、又は上記内容のあらゆる適切な組合せ、が含まれる。
【0094】
ユーザとの対話を提供するために、コンピュータでここで説明されるシステム及び技術を実施することができ、該コンピュータは、ユーザに情報を表示するように構成される表示装置(例えば、CRT(Cathode Ray Tube)又はLCD(Liquid Crystal Display))と、キーボード及び指向装置(例えば、マウス又はトラックボール)とを有し、ユーザは、該キーボード及び該指向装置によりコンピュータに入力を提供することができる。他の種類の装置は、さらにユーザとの対話を提供するように構成されてもよく、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、あらゆる形式の感知フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、且つあらゆる形式(音響入力、音声入力、又は触覚入力を含む)でユーザからの入力を受け取ることができる。
【0095】
ここで説明されるシステム及び技術を、バックステージ部材が含まれる計算システム(例えば、データサーバとして)、又はミドルウェア部材が含まれる計算システム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンド部材が含まれる計算システム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータであり、ユーザは、該グラフィカルユーザインタフェース又は該ウェブブラウザにより、ここで説明されるシステム及び技術の実施形態と対話できる)、又はこのようなバックステージ部材、ミドルウェア部材、又はフロントエンド部材のあらゆる組合せが含まれる計算システムで実施することができる。あらゆる形式又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)により、システムの部材を互いに接続することができる。通信ネットワークの例示には、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、ブロックチェーンネットワーク及びインターネット(internet)が含まれる。
【0096】
コンピュータシステムは、クライアント端末及びサーバを含むことができる。クライアント端末及びサーバは、一般的には互いに離間し且つ通常は通信ネットワークにより対話を行う。相応するコンピュータで、互いにクライアント端末-サーバ関係を有するコンピュータプログラムを実行することにより、クライアント端末とサーバとの関係を発生させる。サーバは、クラウドコンピューティングサーバ又はクラウドホストとも呼ばれるクラウドサーバであってもよく、クラウドコンピューティングサービス体系における1つのホスト製品であり、これにより、従来の物理ホストとVPS(Virtual Private Server)のサービスで存在する管理難度が大きく、事業展開性が弱い欠点が解決される。サーバは、分散式システムのサーバ、又はブロックチェーンと結び付けたサーバであってもよい。
【0097】
上記に示す様々な形式のフローを使用して、ステップを並べ替えたり、増加又は削除したりすることができる。例えば、本開示に記載の複数のステップは、本開示に開示される技術方案の所望の結果を実現できる限り、平行に実行されてもよいし、順番的に実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよく、本明細書はここで制限しない。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画することと、
前記対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦することとを含む、
ナビ経路計画方法。
【請求項2】
前記対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦することは、
各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、前記各対象ユーザに対してそれぞれ1つの到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、全ての対象ユーザの候補ナビ経路が含まれた候補ナビ経路群を取得
する動作を実行し、
前記動作を繰り返し実行して前記対象領域の複数の候補ナビ経路群を取得することと、
前記対象領域の各候補ナビ経路群に応じて、前記候補ナビ経路群の全般通行時間長を確定することと、
各候補ナビ経路群の全般通行時間長に応じて、前記複数の候補ナビ経路群から1つの候補ナビ経路群を選定して推薦ナビ経路群とし、且つ前記推薦ナビ経路群に応じて各対象ユーザの推薦ナビ経路を取得することとを含む、
請求項1に記載の
ナビ経路計画方法。
【請求項3】
各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、前記各対象ユーザに対してそれぞれ1つの到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、全ての対象ユーザの候補ナビ経路が含まれた候補ナビ経路群を取得することは、
前記対象領域から、第1タイプのユーザとして第1数の対象ユーザを選定し、且つ前記対象領域における前記第1タイプのユーザ以外の対象ユーザを第2タイプのユーザとし、前記第1数が対象ユーザの総数及び第1比例閾値により確定されることと、
各到達可能ナビ経路の対象時間窓での通行時間長を確定することと、
通行時間長の最も短い第1タイプのユーザの到達可能ナビ経路以外の到達可能ナビ経路から、前記第1タイプのユーザに対して到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、且つ通行時間長の最も短い第2タイプのユーザの到達可能ナビ経路を前記第2タイプのユーザの候補ナビ経路とし、前記候補ナビ経路群を取得することとを含む、
請求項2に記載の
ナビ経路計画方法。
【請求項4】
前記対象領域の全般通行特徴を確定する前に、
前記対象領域における道路区間の対象時間窓での対象通行速度に応じて、各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度を確定することと、
各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度に応じて、前記全般通行特徴の確定動作を実行するか否かを確定することとをさらに含む、
請求項1に記載の
ナビ経路計画方法。
【請求項5】
各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度を確定する前に、
前記対象領域における道路区間の現在時間窓での現在通行速度を確定することと、
前記道路区間の履歴流量データ、環境情報、道路介入情報及び前記道路区間の現在時間窓での現在通行速度に応じて、前記道路区間の前記対象時間窓での対象通行速度を確定することとをさらに含む、
請求項4に記載の
ナビ経路計画方法。
【請求項6】
前記対象領域の全般通行特徴を確定することは、
マルチエージェント強化学習に基づいて、少なくとも2つの候補経路決定モデルを訓練することと、
各候補経路決定モデルに基づいて、テスト領域における複数のテストユーザの全般通行時間長を確定することと、
各候補経路決定モデルに基づいて確定された前記テスト領域の全般通行時間長に応じて、前記少なくとも2つの候補経路決定モデルから1つの候補経路決定モデルを選定して対象経路決定モデルとすることと、
前記対象経路決定モデルを前記対象領域の全般通行特徴とすることとを含む、
請求項1に記載の
ナビ経路計画方法。
【請求項7】
前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦することは、
前記対象領域の全般道路状況特徴、各対象ユーザの現在位置情報、前記各対象ユーザの始点情報及び終点情報を前記対象経路決定モデルの入力とし、前記対象経路決定モデルにより前記各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から選定された1つの到達可能ナビ経路を取得し、前記1つの到達可能ナビ経路を推薦ナビ経路として前記各対象ユーザに推薦することとを含む、
請求項6に記載の
ナビ経路計画方法。
【請求項8】
対象領域における少なくとも2人の対象ユーザのうちの各対象ユーザに対して少なくとも2つの到達可能ナビ経路を計画するように構成される到達可能経路計画モジュールと、
前記対象領域の全般通行特徴を確定し、前記対象領域の全般通行特徴に応じて、各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、推薦ナビ経路として1つの到達可能ナビ経路を選定し、前記各対象ユーザに推薦するように構成される推薦経路選定モジュールとを備える、
ナビ経路計画装置。
【請求項9】
前記推薦経路選定モジュールは、
各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から、前記各対象ユーザに対してそれぞれ1つの到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、全ての対象ユーザの候補ナビ経路が含まれた候補ナビ経路群を取得
する動作を実行し、
前記動作を繰り返し実行して前記対象領域の複数の候補ナビ経路群を取得するように構成される候補経路群ユニットと、
前記対象領域の各候補ナビ経路群に応じて、前記候補ナビ経路群の全般通行時間長を確定するように構成される全般時間長ユニットと、
各候補ナビ経路群の全般通行時間長に応じて、前記複数の候補ナビ経路群から1つの候補ナビ経路群を選定して推薦ナビ経路群とし、且つ前記推薦ナビ経路群に応じて各対象ユーザの推薦ナビ経路を取得するように構成される推薦経路群選定ユニットとを含む、
請求項8に記載の
ナビ経路計画装置。
【請求項10】
前記候補経路群ユニットは、
前記対象領域から、第1タイプのユーザとして第1数の対象ユーザを選定し、且つ前記対象領域における前記第1タイプのユーザ以外の対象ユーザを第2タイプのユーザとし、第1数が対象ユーザの総数及び第1比例閾値により確定されるように構成されるユーザ選定サブユニットと、
各到達可能ナビ経路の対象時間窓での通行時間長を確定するように構成される通行時間長サブユニットと、
通行時間長の最も短い第1タイプのユーザの到達可能ナビ経路以外の到達可能ナビ経路から、前記第1タイプのユーザに対して到達可能ナビ経路を選定して候補ナビ経路とし、且つ通行時間長の最も短い第2タイプのユーザの到達可能ナビ経路を前記第2タイプのユーザの候補ナビ経路とし、前記候補ナビ経路群を取得するように構成される経路群サブユニットとを含む、
請求項9に記載の
ナビ経路計画装置。
【請求項11】
全般通行トリガモジュールをさらに備え、
前記全般通行トリガモジュールは、
前記対象領域における道路区間の対象時間窓での対象通行速度に応じて、各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度を確定するように構成される渋滞確定ユニットと、
各到達可能ナビ経路の前記対象時間窓での渋滞程度に応じて、前記全般通行特徴の確定動作を実行するか否かを確定するように構成される全般通行トリガユニットとを含む、
請求項8に記載の
ナビ経路計画装置。
【請求項12】
対象速度モジュールをさらに備え、
前記対象速度モジュールは、
前記対象領域における道路区間の現在時間窓での現在通行速度を確定するように構成される現在速度ユニットと、
前記道路区間の履歴流量データ、環境情報、道路介入情報及び前記道路区間の現在時間窓での現在通行速度に応じて、前記道路区間の前記対象時間窓での対象通行速度を確定するように構成される対象速度ユニットとを含む、
請求項11に記載の
ナビ経路計画装置。
【請求項13】
前記推薦経路選定モジュールは、全般特徴ユニットを含み、
前記全般特徴ユニットは、
マルチエージェント強化学習に基づいて、少なくとも2つの候補経路決定モデルを訓練し、
各候補経路決定モデルに基づいて、テスト領域における複数のテストユーザの全般通行時間長を確定し、
各候補経路決定モデルに基づいて確定された前記テスト領域の全般通行時間長に応じて、前記少なくとも2つの候補経路決定モデルから1つの候補経路決定モデルを選定して対象経路決定モデルとし、
前記対象経路決定モデルを前記対象領域の全般通行特徴とするように構成される、
請求項8に記載の
ナビ経路計画装置。
【請求項14】
前記推薦経路選定モジュールは、
前記対象領域の全般道路状況特徴、前記各対象ユーザの現在位置情報、前記各対象ユーザの始点情報及び終点情報を前記対象経路決定モデルの入力とし、前記対象経路決定モデルにより前記各対象ユーザに対応する少なくとも2つの到達可能ナビ経路から選定された1つの到達可能ナビ経路を取得し、前記1つの到達可能ナビ経路を推薦ナビ経路として前記各対象ユーザに推薦するように構成される推薦経路ユニットをさらに含む、
請求項13に記載の
ナビ経路計画装置。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリとを備える電子機器であって、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶され、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1~7のいずれか一項に記載のナビ経路計画方法を実行可能であるように、
前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される、
電子機器。
【請求項16】
コンピュータ命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ命令がプロセッサにより実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載のナビ経路計画方法が実現される、
非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
プロセッサにより実行されると、請求項1~7のいずれか一項に記載のナビ経路計画方法
を実現
する、
コンピュータプログラ
ム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
本開示は、コンピュータの技術分野に関し、知能交通、電子地図及び強化学習などの人工知能技術分野に関し、例えば、ナビ経路計画方法、ナビ経路計画装置、電子機器、非一時的コンピュータ可読記憶媒体及びコンピュータプログラムに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本開示は、対象領域の交通効率を向上できるナビ経路計画方法、ナビ経路計画装置、電子機器、非一時的コンピュータ可読記憶媒体及びコンピュータプログラムを提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本開示の別の態様によれば、
コンピュータプログラム/命令が含まれるコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム/命令がプロセッサにより実行されると、上記のナビ経路計画方法が実現される、
コンピュータプログラムを提供する。
【国際調査報告】