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特表2023-544574植物を成長させるための成長装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-24
(54)【発明の名称】植物を成長させるための成長装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/04 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
A01G31/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023519764
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(85)【翻訳文提出日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2021076153
(87)【国際公開番号】W WO2022069330
(87)【国際公開日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】102020125581.0
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523110798
【氏名又は名称】マリノフスキー、イヴァン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリノフスキー、イヴァン
【テーマコード(参考)】
2B314
【Fターム(参考)】
2B314MA35
2B314MA37
2B314NA13
2B314NA23
2B314PD65
(57)【要約】
本発明は、植物20、24のための成長装置22、31に関し、成長装置は、植付け側23、36と、収穫側24、37と、運搬経路2、35、45に沿って植付け側23、36から収穫側24、37まで植物20、34を輸送する可撓性コンベヤ・ベルト1、32、43と、植物20、34が根付け側7、42で根付き、また、根付け側7、42とは反対側に配置されているコンベヤ・ベルト1、32、43の照明発芽側8、41で発芽するよう、植物20、34のための液体養分媒体30を可撓性コンベヤ・ベルト1、32、43の根付け側7、42に給送する養分デバイスとを備え、コンベア・ベルト1、32、43は、植付け側23、36で、運搬経路2、35、45に対して横方向の方向に折り目に折り畳まれ、折り目は、植付け側23、36から収穫側24、37まで移動され、したがって運搬経路2、35、45に沿って真っ直ぐにされ、且つ、同じ高さにされることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物(20、34)のための成長装置(22、31)であって、前記成長装置が、
植付け側(23、36)と、
収穫側(24、37)と、
運搬経路(2、35、45)に沿って前記植付け側(23、36)から前記収穫側(24、37)まで前記植物(20、34)を輸送する可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)と、
前記植物(20、34)が根付け側(7、42)で根付き、また、前記根付け側(7、42)とは反対側に配置されている前記コンベヤ・ベルト(1、32、43)の照明発芽側(8、41)で発芽するよう、前記植物(20、34)のための液体養分媒体(30)を前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)の前記根付け側(7、42)に給送する養分デバイスと
を備え、
前記コンベア・ベルト(1、32、43)が、前記植付け側(23、36)で、前記運搬経路(2、35、45)に対して横方向の方向に折り目に折り畳まれ、前記折り目が前記植付け側(23、36)から前記収穫側(24、37)まで移動され、したがって前記運搬経路(2、35、45)に沿って真っ直ぐにされ、且つ、同じ高さにされることを特徴とする成長装置(22、31)。
【請求項2】
前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)が本質的に合成材料箔、有利にはポリプロピレンからできていることを特徴とする請求項1に記載の成長装置(22、31)。
【請求項3】
前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)が、前記運搬経路(2、35、45)に対して横方向の方向に隣り合っている薄板(3)からできていることを特徴とする請求項1又は2に記載の成長装置(22、31)。
【請求項4】
前記可撓性コンベヤ・ベルト(32)が前記収穫側からエンドレスで前記植付け側まで戻ることを特徴とする請求項1から3までの一項に記載の成長装置(31)。
【請求項5】
前記植物(20、34)が開放細孔気泡材料中、有利にはポリウレタン気泡中の前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)の中に取り付けられることを特徴とする請求項1から4までの一項に記載の成長装置(22、31)。
【請求項6】
前記根付け側(7)から前記養分デバイスの中へ延び、前記植物(20)に前記養分媒体(30)を給送する毛管ホース(21)を特徴とする請求項1から5までの一項に記載の成長装置(22、31)。
【請求項7】
前記養分媒体を霧化するフォガー、及び前記霧化された養分媒体を前記根付け側(42)に給送するガス導入システムを特徴とする請求項1から6までの一項に記載の成長装置(31)。
【請求項8】
前記発芽側(41)を照明するように構成された照明デバイス(33)を特徴とする請求項1から7までの一項に記載の成長装置(31)。
【請求項9】
前記コンベヤ・ベルト(1、32、43)部分に配置された支持要素(6)、及び前記運搬経路(2、35、45)に沿って前記支持要素(6)を支持する複数の駆動ドッグを有する駆動デバイスを特徴とする請求項1から8までの一項に記載の成長装置(22、31)。
【請求項10】
前記可撓性コンベヤ・ベルト(43)が、前記運搬経路(45)に沿った少なくとも1つの縁(44)に支持穴(46)を含み、また、前記支持穴(46)同士の間に配置された支持要素として構成されたバーを含むことを特徴とする請求項1から9までの一項に記載の成長装置(22、31)。
【請求項11】
隣り合う支持要素が、前記運搬経路(2、35、45)に沿って前記植付け側(23、36)から前記収穫側(24、37)まで長くなる、互いの支持要素からの距離を有することを特徴とする請求項1から10までの一項に記載の成長装置(22、31)。
【請求項12】
前記運搬経路(2、35、45)がセグメント(25~29、39)を含み、その中で前記支持要素(6)が、それぞれ、互いの支持要素(6)から一定の距離を有することを特徴とする請求項11に記載の成長装置(22、31)。
【請求項13】
前記運搬経路(35)が交互パターンで上り下りすることを特徴とする請求項1から12までの一項に記載の成長装置(31)。
【請求項14】
植物(20、34)を成長させるための方法であって、
前記植物(20、34)を可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)上の植付け側(23、36)に植え付けるステップと、
前記植物(20、34)を前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)上で、運搬経路(2、35、45)に沿って前記植付け側(23、36)から収穫側(24、34)まで輸送し、また、前記植物(20、34)を前記収穫側(24、37)で収穫するステップと、
前記植物(20、34)のための液体養分媒体(30)を前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)の根付け側(7、42)に給送するステップと、
前記植物(20、34)が前記根付け側(7、42)で根付き、また、発芽側で発芽するよう、前記根付け側(7、42)とは反対側に配置されている前記コンベヤ・ベルト(1、32、43)の前記発芽側(8、41)を照明するステップと
を含み、
前記コンベア・ベルト(1、32、43)が、前記植付け側(23、36)で、前記運搬経路(2、35、45)に対して横方向の方向に折り目に折り畳まれ、前記折り目が前記植付け側(23、36)から前記収穫側(24、37)まで移動され、したがって前記運搬経路(2、35、45)に沿って真っ直ぐにされ、且つ、同じ高さにされることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記植物(20、34)がそれぞれ前記折り目のリッジ・ラインの上に置かれることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記植物(20、34)が、連続する折り目の上に、前記運搬経路(2、35、45)に対して横方向に互いにオフセットして配置されることを特徴とする請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
植付けブロック(11)が前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)の中に取り付けられ、前記植物(20、34)が前記植付けブロックの中に取り付けられることを特徴とする請求項14から16までの一項に記載の方法。
【請求項18】
前記コンベヤ・ベルト(43)が前記植付け側から前記収穫側まで連続的に移動されることを特徴とする請求項14から17までの一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成長装置であって、植付け側と、収穫側と、植付け側から収穫側まで延びている運搬経路に沿って植物を輸送する可撓性コンベヤ・ベルトと、植物が根付け側で根付き、また、根付け側とは反対側に配置されているコンベヤ・ベルトの照明発芽側で発芽するよう、植物のための液体養分媒体をコンベヤ・ベルトの根付け側に給送する養分デバイスとを備える成長装置に関する。また、本発明は、この装置を使用した、植物のための成長方法に関する。
【背景技術】
【0002】
成長装置、詳細には、土の代わりに液体養分溶液を使用して植物を成長させるための、典型的には人工照明を含む産業水栽培法は当技術分野でよく知られている。水栽培法の特殊な実施例は、とりわけ、アクアポニックス、エアロポニックス及びフォグポニックスである。アクアポニック方法では、魚及び水性動物が養分溶液中に維持され、それらの排泄物が植物を肥やす。エアロポニック方法では、養分溶液が根付け側で噴霧され、或いは霧で吹かれる。フォグポニック方法では、霧吹きは超音波フォガーによって実施される。
【0003】
欧州特許出願第3 409 103 A1号は、植物の成長を加速させるために、成長装置内でコンベヤ・ベルトを交互パターンでラン・アップ及びラン・ダウンさせることを提案している。
【0004】
知られている成長装置では、植物はコンベヤ・ベルト中の穴を通って成長する。植付け側の植物同士の間の長い距離、延いては作り出される自由表面が、コンベヤ・ベルトの縦方向及び横方向の植物の成長を容易にしている。したがって自由表面の人工照明は成長を助けていない。
【0005】
米国特許出願第2008/029 5400 A1号は、ポリエステル・フリース条片から組み立てられた可撓性コンベヤ・ベルトを有する成長装置を開示しており、条片同士の間の溝に種が置かれ、その後でコンベヤ・ベルトが給送方向の張力下に置かれると、溝が閉じられる。
【0006】
国際公開第2016/023947 A1号は追加成長装置を開示しており、この追加成長装置は、動作中、コンベヤ・ベルトが連続的に巻かれないよう、給送方向に対して横方向のローラ上に巻かれ、且つ、運搬経路に沿った張力下に置かれる可撓性コンベヤ・ベルトを有している。
【0007】
国際公開第2009/067194A1号は、植付け側から収穫側までエンドレスで延びて戻るコンベヤ・ベルトを有する成長装置を開示している。
【0008】
米国特許第4,972,627 A号は、開放細孔ポリウレタンからできたコンベヤ・ベルトを有する成長装置を開示している。
【0009】
米国特許第4,118,891 A号は、植物に養分媒体を給送するホースを有する成長装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願第3 409 103 A1号
【特許文献2】米国特許出願第2008/029 5400 A1号
【特許文献3】国際公開第2016/023947 A1号
【特許文献4】国際公開第2009/067194A1号
【特許文献5】米国特許第4,972,627 A号
【特許文献6】米国特許第4,118,891 A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、植物の照明をより効果的にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
コンベヤ・ベルトが植付け側で、運搬経路に対して横方向の折り目に折り畳まれる本発明によれば、知られている成長装置に対する改善が提案され、折り目は、植付け側から収穫側まで延び、運搬経路に沿って真っ直ぐにされ、且つ、同じ高さにされる。植付け側では、コンベヤ・ベルトが折り目に折り畳まれているため、植物は、運搬経路の縦方向に、より近くに集まって移動する。これは、効用なく照明されている植物同士の間の自由表面を小さくする。運搬経路に沿った折り目を伸ばし、且つ、真っ直ぐにすることにより、植物の成長の必要に応じて縦方向の空間を解放する。折り目は波形で形成することができ、或いはコンベヤ・ベルトを折ることによって形成することができる。
【0013】
本発明による成長装置では、コンベヤ・ベルトは本質的にプラスチック箔からできていることが有利であり、ポリプロピレンからできていることがさらに有利である。したがって必要な任意の形で経済的にコンベヤ・ベルトを製造することができる。更に、エアロポニック方法を実施することにより、本発明によるコンベヤ・ベルトは、根付け側から発芽側への養分媒体の制御されない移行を防止する。
【0014】
ポリプロピレンからできたコンベヤ・ベルトは洗浄が容易であり、また、湿度及び光に対して耐性である。別法としては、プラスチック箔はポリエチレン(PE)ポリスチロール(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリカーボネート(PC)からできていても、或いは全く同じ材料又は異なる材料の複数の層からできていてもよい。
【0015】
本発明による成長装置では、コンベヤ・ベルトは薄板からできていることが有利であり、薄板は、運搬経路に対して横方向の方向に隣り合っている。したがってコンベヤ・ベルトは、必要に応じてモジュール方式で構成することができる。
【0016】
本発明によるコンベヤ・ベルトは、本発明による成長装置では、収穫側から戻って植付け側までエンドレスで延びることが有利である。したがってコンベヤ・ベルトは成長装置の連続運転を容易にする。別法としては、薄板からできたコンベヤ・ベルトの収穫された薄板を収穫側で除去し、植付け側で再適用することも可能である。
【0017】
本発明による成長装置では、植物は、開放細孔気泡材料中のコンベヤ・ベルトの中に取り付けられることが有利であり、ポリウレタン気泡中のコンベヤ・ベルトの中に取り付けられることが更に有利である。一方では、気泡材料は植物のための湿気を保持し、他方では、うどん粉病の形成を防止するために空気の透過を許容する。ポリウレタン気泡は、植物を取り付けるための水栽培法に有用であることが分かっている。
【0018】
水平方向に展開している、運搬経路に対して横方向に延びているコンベヤ・ベルトを含む本発明による成長装置は、根付け側から養分デバイスの中へ展開している毛管ホースを含むことが有利であり、毛管ホースは植物に養分媒体を給送する。アクアポニック方法では、毛管ホースは、植物が、養分媒体の中へ到達する十分な根をその植物自身が形成するまで、少なくとも一時的又は補足的な方法で苗に養分媒体を供給する。
【0019】
別法としては、本発明による成長装置は、養分媒体を霧化するフォガー、及び霧化された養分媒体を根付け側に給送するガス導入システムを含むことが有利である。更に別法として、養分媒体の霧を根付け側に吹き付けることも可能である。したがって、とりわけ、垂直方向に、運搬経路に対して横方向に展開するコンベヤ・ベルトを有するエアロポニック方法では、植物には養分媒体が提供される。
【0020】
本発明による成長装置は、発芽側を照明するための照明デバイスを含むことが有利である。人工照明は、定義された環境条件での太陽放射及び天候に無関係に植物の成長を容易にする。
【0021】
本発明による成長装置は、コンベヤ・ベルト部分に支持要素を含み、また、その支持要素を運搬経路に沿って走らせる複数の駆動ドッグを有する駆動デバイスを含むことが有利である。独立した駆動ドッグを有する駆動は、支持要素の距離の変更、延いては運搬経路に沿った折り目のサイズの変更を容易にする。
【0022】
本発明による成長装置では、コンベヤ・ベルトは、エンドレス・ペーパ中のRemaliner(商標)パンチ穴、及び支持穴同士の間の支持要素として形成されたバーと同様、運搬経路に沿った少なくとも1つの縁に案内穴を含むことが有利である。それによりコンベヤ・ベルトは、とりわけ単純で、且つ、経済的な方法で構成される。駆動ドッグは、案内穴を通って延びている駆動デバイスに形成されたマンドレル又はフックであってもよい。
【0023】
別法としては、水平方向又は下向きの傾斜した運搬経路を有利に有する本発明による成長装置は、適切な支持要素、例えばクランプ又はバンドがそれぞれの所望の距離で支持要素を維持する場合、駆動デバイスがなくても動作させることができる。別法として、又は支持要素に加えて、コンベヤ・ベルトに衝撃を与えるウェイト又はばね力、コンベヤ・ベルト自体の弾性リセット力、及び/又は植物によって互いに対して加えられる力によって折り目を伸ばし、且つ、同じ高さにすることも可能である。
【0024】
本発明による成長装置の駆動デバイス内の連続的な支持要素は、植付け側から収穫側まで、互いの支持要素から運搬経路に沿って長くなる距離を有していることが有利である。この場合、折り目は、運搬経路に沿って低くなる高さを有する。
【0025】
本発明による成長装置では、運搬経路はセグメントを有していることが有利であり、支持要素は、それぞれ、それぞれのセグメント内で互いの支持要素から一定の距離を有している。この場合、セグメントの駆動ドッグは、とりわけ単純な方法で軌道周回コンベヤ・チェーン部分で取り付けることができる。
【0026】
本発明による成長装置では、運搬経路は交互方式で上り下りすることが有利である。これは植物の成長を加速させる。
【0027】
コンベヤ・ベルトが運搬経路に対して横方向の折り目に折り畳まれる本発明によれば、知られている方法に対する改善が提案され、折り目は、植付け側から収穫側まで延び、したがって運搬経路に沿って伸ばされ、且つ、同じ高さにされる。本発明による方法は、とりわけ本発明による成長装置によって実施され、上で記載した利点を特徴としている。
【0028】
植物は、本発明による方法では、それぞれ、折り目のリッジ・ラインの上に置かれることが有利である。個々のそれぞれの折り目の上に1列の植物のみを置くことにより、列同士の間に一様な距離が生成され、この一様な距離は植物の一様な成長をサポートする。
【0029】
植物は、本発明による方法では、コンベヤ・ベルト上の一様な分布を達成するために、連続する折り目の上に、運搬経路に対して横方向に互いにオフセットして配置されることが有利である。
【0030】
本発明による方法によれば、植付けブロックはコンベヤ・ベルトの中に取り付けられ、また、植物は植付けブロックの中に取り付けられることが有利である。植付けブロックは、収穫後のコンベヤ・ベルトの洗浄、及び実生の植物の開始並びに取扱いを単純にする。
【0031】
コンベヤ・ベルトは、本発明による方法によれば、植付け側から収穫側まで連続的に移動されることが有利である。突然の位置変化がない連続的な動きは、農耕地における自然状況に緊密に対応している。
【0032】
次に、本発明について、図面を参照して、有利な実施例に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1a】植物がない、本発明による第1の成長装置の詳細を示す図である。
図1b】植物がない、本発明による第1の成長装置の詳細を示す図である。
図2a】本発明による成長装置の植付けブロックを示す図であり、植付けブロックの中に切欠きが導入されている。
図2b】本発明による成長装置の植付けブロックを示す図であり、植付けブロックの中に切欠きが導入されている。
図3a】植付けブロック中の植物の成長ステップを示す図である。
図3b】植付けブロック中の植物の成長ステップを示す図である。
図3c】植付けブロック中の植物の成長ステップを示す図である。
図3d】植付けブロック中の植物の成長ステップを示す図である。
図3e】植付けブロック中の植物の成長ステップを示す図である。
図3f】植付けブロック中の植物の成長ステップを示す図である。
図4】本発明による第1の成長装置の略図である。
図5】本発明による第2の成長装置の略図である。
図6】本発明による別の成長装置のコンベヤ・ベルトの詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1aの詳細図に示されているコンベヤ・ベルト1は、図4に示されているそれぞれ30cmの幅4及び120cmの長さ5を有する運搬経路2の方向に互いに隣り合っている15枚の薄板3からできている。薄板3は、厚さが0.8mmのポリプロピレン箔からできており、これらの薄板は管状支持要素6の中でそれぞれ互いに接続されている。
【0035】
薄板3及びコンベヤ・ベルト1は、根付け側7及び発芽側8、及び支持要素6同士の間の中央に配置された、40mmの直径10を有する円形切欠き9を有しており、植付けブロック11は、図1bに示されているようにこの切欠きの中に挿入することができる。
【0036】
図2aに詳細に示されている植付けブロック11は、幅12及び長さ13がそれぞれ50mmで、高さ14が25mmの開放細孔ポリウレタン気泡からできている。切欠き15、16、17は、図2bに示されているように個々の植付けブロック11の中に導入されており、即ちこれらは、中心18の周りの、切欠き9の直径10を有する水平方向の円形切欠き15、及び互いに対して横方向に配置され、且つ、中心18まで展開している2つの垂直方向の切欠き16、17である。
【0037】
図3は、種実類で始まって(部分図a)、実生の植物19(部分図b)を経て、収穫可能植物20(部分図f)までの、植物ブロック11における6つの成長段階を示したものである。適切な根が形成されるまで、毛管ホース21を介して種実類及び成長中の植物20に供給される。種実類及び根は示されていない。
【0038】
図4に概略的に示されている本発明による第1の成長装置22では、コンベヤ・ベルト1は、運搬経路2に沿って植付け側23から収穫側24まで延びている。発芽済みの実生の植物を有する植付けブロック11が植付け側23の第1の薄板の穴の中に導入される。3枚の隣り合っている薄板3の支持要素6は、第1のセグメント25の中に、運搬経路2の方向の5cmの開始距離を有しており、また、第2のセグメント26の中に10cmの距離、第3のセグメント27の中に15cmの距離、第4のセグメント28の中に20cmの距離、及び第5のセグメント29の中に25cmの端部距離を有している。毛管ホース21は、垂直方向に下に向かって、液体養分媒体30を含んだ養分デバイスのタブの中へぶら下がっている。これらの距離は図には示されていない。
【0039】
コンベヤ・ベルト1の支持要素6は第1の成長装置22の横方向の壁と接触し、連続する支持要素6は、互いの支持要素からのそれぞれの距離における薄板3の弾性リセット力及び植物20のウェイト力に対して異なる長さを有するクランプによって支持されている。壁及びクランプは図には示されていない。
【0040】
それぞれ二日間の成長期間の後、3枚の薄板3がそれぞれ収穫側24で除去され、また、植付け側23で、開始距離及び新しい実生の植物19を使用して再適用される。残りの薄板3の距離は、クランプを交換することによって相応じて長くされる。植物20は、十日後に、最初に挿入された薄板3から収穫される。
【0041】
図5に示されている本発明による第2の成長装置31は、コンベヤ・ベルト32、照明デバイス33及び養分デバイス並びに駆動デバイスを含む。養分デバイス及び駆動デバイスは示されていない。
【0042】
コンベヤ・ベルト32は、第1の成長装置22で知られている薄板3から構成されており、これらの薄板3は、上で説明したように支持要素6によって接続されている。薄板及び支持要素は図には示されていない。
【0043】
コンベヤ・ベルト32は、十日間の成長段階の間、成長装置31の植付け側36から収穫側37まで、運搬経路35に沿って植物34を給送している。運搬経路は、上で説明したように発芽済みの実生の植物38がコンベヤ・ベルト32に加えられる植付け側36から開始して、最初に垂直方向に上向きの、次に収穫側37に向かって垂直方向に下向きの、また、セグメント39の下方の収穫側37から植付け側36へ戻る5つのセグメント39の中を延びている。セグメント39は、植物34の衝突を回避するために、植付け側36から収穫側37まで移動する互いのセグメントから長くなる距離を有している。
【0044】
照明デバイス33は、それぞれ植付け側36及び収穫側37に、また、2つのそれぞれ隣り合うセグメント39の間に配置された6個のLEDパネル40を含み、人工の日/夜のリズムで薄板及びコンベヤ・ベルト32の発芽側41を照明している。
【0045】
植付けブロックは本質的に第1の成長装置22の植付けブロック11に対応しているが、第1の成長装置22の毛管ホースを有していない。
【0046】
養分デバイスは、植物34のための液体養分媒体を有するリザーバ、養分媒体のための超音波フォガー、及び発芽側41とは反対側のコンベヤ・ベルト32の根付け側42に霧を一様に分配するためのコンジットを含む。
【0047】
駆動デバイスは、セグメント39の各々に対する支持要素のための駆動ドッグを有する軌道周回コンベヤ・チェーンを含み、駆動ドッグ及び支持要素の距離は、植付け側36における5cmの開始距離から、収穫側37のセグメント39同士の間の25cmの端部距離まで、それぞれ5cmの増分で長くなる。
【0048】
第2の成長装置31は、運搬経路35に対して水平方向又は垂直方向に横方向に延びているコンベヤ・ベルト43を使用して動作させることができる。
【0049】
本発明による成長装置の第3の実施例は本質的に第1の成長装置22に対応しているが、異なる駆動デバイスを含む。図6に詳細に示されている成長装置の第3の実施例のコンベヤ・ベルト43は、運搬経路45に沿った両方の縁44に一様な距離で配置された支持穴36を含む。駆動デバイスは、運搬経路45に沿って可変距離で連続的に植付け側から収穫側まで移動されるドームを含み、ドームは支持穴によって支持されている。
【符号の説明】
【0050】
1 コンベヤ・ベルト
2 運搬経路
3 薄板
4 幅
5 長さ
6 支持要素
7 根付け側
8 発芽側
9 切欠き
10 直径
11 植付けブロック
12 幅
13 長さ
14 高さ
15 断面図
16 断面図
17 断面図
18 中心
19 実生の植物
20 植物
21 毛管ホース
22 成長装置
23 植付け側
24 収穫側
25 セグメント
26 セグメント
27 セグメント
28 セグメント
29 セグメント
30 養分媒体
31 成長装置
32 コンベヤ・ベルト
33 照明デバイス
34 植物
35 運搬経路
36 植付け側
37 収穫側
38 実生の植物
39 セグメント
40 LEDパネル
41 発芽側
42 根付け側
43 コンベヤ・ベルト
44 縁
45 運搬経路
46 支持穴
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a)】
図3b)】
図3c)】
図3d)】
図3e)】
図3f)】
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物(20、34)のための成長装置(22、31)であって、前記成長装置が、
植付け側(23、36)と、
収穫側(24、37)と、
運搬経路(2、35、45)に沿って前記植付け側(23、36)から前記収穫側(24、37)まで切欠き(9)内の前記植物(20、34)を輸送する可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)と、
前記植物(20、34)が根付け側(7、42)で根付き、また、前記根付け側(7、42)とは反対側に配置されている前記コンベヤ・ベルト(1、32、43)の照明発芽側(8、41)で発芽するよう、前記植物(20、34)のための液体養分媒体(30)を前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)の前記根付け側(7、42)に給送する養分デバイスと
を備え、
前記可撓性コンベア・ベルト(1、32、43)が、前記植付け側(23、36)で、前記運搬経路(2、35、45)に対して横方向の方向に折り目に折り畳まれ、前記折り目が前記植付け側(23、36)から前記収穫側(24、37)まで移動され、したがって前記運搬経路(2、35、45)に沿って真っ直ぐにされ、且つ、同じ高さにされ
前記切欠き(9)がそれぞれ前記折り目のリッジ・ラインの上に配置されることを特徴とする成長装置(22、31)。
【請求項2】
前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)が本質的に合成材料箔、有利にはポリプロピレンからできていることを特徴とする請求項1に記載の成長装置(22、31)。
【請求項3】
前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)が、前記運搬経路(2、35、45)に対して横方向の方向に隣り合っている薄板(3)からできていることを特徴とする請求項1又は2に記載の成長装置(22、31)。
【請求項4】
前記可撓性コンベヤ・ベルト(32)が前記収穫側からエンドレスで前記植付け側まで戻ることを特徴とする請求項1から3までの一項に記載の成長装置(31)。
【請求項5】
前記植物(20、34)が開放細孔気泡材料中、有利にはポリウレタン気泡中の前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)の中に取り付けられることを特徴とする請求項1から4までの一項に記載の成長装置(22、31)。
【請求項6】
前記根付け側(7)から前記養分デバイスの中へ延び、前記植物(20)に前記養分媒体(30)を給送する毛管ホース(21)を特徴とする請求項1から5までの一項に記載の成長装置(22、31)。
【請求項7】
前記養分媒体を霧化するフォガー、及び前記霧化された養分媒体を前記根付け側(42)に給送するガス導入システムを特徴とする請求項1から6までの一項に記載の成長装置(31)。
【請求項8】
前記発芽側(41)を照明するように構成された照明デバイス(33)を特徴とする請求項1から7までの一項に記載の成長装置(31)。
【請求項9】
前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)部分に配置された支持要素(6)、及び前記運搬経路(2、35、45)に沿って前記支持要素(6)を支持する複数の駆動ドッグを有する駆動デバイスを特徴とする請求項1から8までの一項に記載の成長装置(22、31)。
【請求項10】
前記可撓性コンベヤ・ベルト(43)が、前記運搬経路(45)に沿った少なくとも1つの縁(44)に支持穴(46)を含み、また、前記支持穴(46)同士の間に配置された支持要素として構成されたバーを含むことを特徴とする請求項1から9までの一項に記載の成長装置(22、31)。
【請求項11】
隣り合う支持要素が、前記運搬経路(2、35、45)に沿って前記植付け側(23、36)から前記収穫側(24、37)まで長くなる、互いの支持要素からの距離を有することを特徴とする請求項1から10までの一項に記載の成長装置(22、31)。
【請求項12】
前記運搬経路(2、35、45)がセグメント(25~29、39)を含み、その中で前記支持要素(6)が、それぞれ、互いの支持要素(6)から一定の距離を有することを特徴とする請求項11に記載の成長装置(22、31)。
【請求項13】
前記運搬経路(35)が交互パターンで上り下りすることを特徴とする請求項1から12までの一項に記載の成長装置(31)。
【請求項14】
植物(20、34)を成長させるための方法であって、
前記植物(20、34)を可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)上の植付け側(23、36)に植え付けるステップと、
前記植物(20、34)を前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)上で、運搬経路(2、35、45)に沿って前記植付け側(23、36)から収穫側(24、34)まで輸送し、また、前記植物(20、34)を前記収穫側(24、37)で収穫するステップと、
前記植物(20、34)のための液体養分媒体(30)を前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)の根付け側(7、42)に給送するステップと、
前記植物(20、34)が前記根付け側(7、42)で根付き、また、発芽側で発芽するよう、前記根付け側(7、42)とは反対側に配置されている前記コンベヤ・ベルト(1、32、43)の前記発芽側(8、41)を照明するステップと
を含み、
前記コンベア・ベルト(1、32、43)が、前記植付け側(23、36)で、前記運搬経路(2、35、45)に対して横方向の方向に折り目に折り畳まれ、前記折り目が前記植付け側(23、36)から前記収穫側(24、37)まで移動され、したがって前記運搬経路(2、35、45)に沿って真っ直ぐにされ、且つ、同じ高さにされ
前記植物(20、34)がそれぞれ前記折り目のリッジ・ラインの上に置かれることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記植物(20、34)が、連続する折り目の上に、前記運搬経路(2、35、45)に対して横方向に互いにオフセットして配置されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
植付けブロック(11)が前記可撓性コンベヤ・ベルト(1、32、43)の中に取り付けられ、前記植物(20、34)が前記植付けブロックの中に取り付けられることを特徴とする請求項14又はに記載の方法。
【請求項17】
前記コンベヤ・ベルト(43)が前記植付け側から前記収穫側まで連続的に移動されることを特徴とする請求項14から1までの一項に記載の方法。
【国際調査報告】